説明

搬送装置および処理装置

【課題】 簡単な構成で良好に平板状の被搬送物を搬送する小型化が容易なディスク装置を提供する。
【解決手段】 搬送経路上に進退する方向で移動するアーム部材の先端に平面に対して略直交する中心軸で回動可能に軸支した搬送基部350に、軸方向の一端側に同心軸上に歯車361を有し平面に交差する中心軸で回転可能にゴムリング363を軸支し、ゴムリング363の他端面に略対向して光ディスク1Nの周縁部を厚さ方向で挾持する押圧片373を設ける。歯車361に係合するローラ駆動ギア336を、搬送基部350の中心軸に略平行な中心軸で回転可能にアーム部材331に軸支する。歯車361およびローラ駆動ギア336を、それぞれ中心軸とのなす角度における変動する範囲の最大値の1/2で反対方向にねじり角を設定した斜歯形状に形成する。搬送基部350が搬送に伴って回動しても確実に噛合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、略平板状の被搬送物を搬送する搬送装置および処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などのディスク状記録媒体に記録された各種情報を読み出して再生したり、ディスク状記録媒体に各種情報を記録したりするドライブ装置として、ディスク状記録媒体を着脱可能に装着して再生や記録などの処理をする構成が知られている。このようなドライブ装置として、挿排口に挿入されたディスク状記録媒体をローラで挾持して搬送するいわゆるスロットイン方式の構成が知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1に記載のものは、筐体のフロント面に設けられた横長スリット状のディスク挿入口の内側に、光ディスクに挿入力と排出力を与える移送ローラと、この移送ローラの上方に対向して設けられたガイド部材とを備えたディスク移送機構を設けている。移送ローラは、合成ゴムなどの比較的摩擦係数の大きい材料によって中央部が括れた鼓状のローラ部材として形成している。また、ガイド部材は、光ディスクをターンテーブルへ誘導するためのガイド的役割をなすもので、合成樹脂などの摩擦係数の小さい材料によって形成している。そして、移送ローラとガイド部材との間に光ディスクが挿入されると、上下から挟まれた光ディスクが、移送ローラの回転によりその回転方向に応じて筐体内のディスク装着部か、筐体外のディスク挿入口に移送される構成が採られている。しかしながら、この特許文献1に記載の構成では、移送ローラによって異物が光ディスクの信号記録面に押し付けられたり、引きずられたりして、信号記録面に傷が付けられるおそれがある。
【0004】
また、特許文献2に記載のものは、光学ディスクをその直径方向に挟持可能とした一対の駆動ローラおよび固定ローラと、駆動ローラを回転駆動する駆動モータとを設けている。そして、固定ローラを固定するとともに、駆動モータで駆動ローラを回転させて光学ディスクをターンテーブルと、光学ディスクを挿脱するディスク出入口との間に移送する構成が採られている。しかしながら、この特許文献2に記載の構成では、光ディスクを直径方向で挾持する状態で搬送するので、一対の駆動ローラおよび固定ローラが鼓形状に形成され、駆動ローラの軸方向での高さ寸法が高くなり、小型化が図りにくい。さらに、光ディスクの移送方向で対をなしてローラを配設しているので、光ディスクをターンテーブルに保持して回転させて処理する際に、接触しない移送方向と交差する筐体の幅方向で対をなすローラを待避する必要があり、待避させるための構成が複雑で、小型化も図りにくい。
【0005】
【特許文献1】特開平10−340513号公報(第4頁左欄−第5頁右欄)
【特許文献2】特開2002−304798号公報(第4頁右欄−第24頁左欄)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、上記特許文献1のような従来の構成では、ディスク状記録媒体を傷付けるなどの損傷を生じる。さらに、光ディスクをターンテーブルに保持して回転させて処理する際に、ディスク移送機構が光ディスクと接触しない位置に配設したり、光ディスクから待避する構成が必要となったりするなど、小型化が図りにくい問題がある点が一例として挙げられる。また、特許文献2に記載のような従来の構成では、構造が複雑となり、より小型化が図りにくい問題がある点が一例として挙げられる。
【0007】
本発明は、このような実情などに鑑みて、簡単な構成で良好に平板状の被搬送物を搬送する小型化が容易な搬送装置および処理装置を提供することを1つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の搬送装置は、被搬送物を搬送する搬送装置であって、ベース部材と、前記被搬送物が搬送される搬送方向に対して交差する中心軸で回転可能に前記ベース部材に軸支される回転体と、前記回転体の軸方向の一端側に位置し、前記回転体と同心軸となる歯車と、前記回転体の軸方向の他端面に略対向する状態で前記ベース部材に設けられ、前記回転体の他端面とで前記被搬送物を挾持する挾持部と、搬送経路を含む平面に対して略直交する中心軸で前記ベース部材を回転可能に軸支するとともに、前記搬送経路上の被搬送物を前記回転体と挾持部とで挾持する状態で、前記ベース部材を前記搬送経路に対して進退させる移動手段と、前記歯車に対して略水平方向に配置され、前記歯車に係合して前記回転体を回転させる回転駆動力を作用させる駆動ギアと、を具備したことを特徴とする搬送装置ことを特徴とする。
【0009】
本発明の処理装置は、略平板状の被搬送物が挿排される挿排口を有した筐体と、この筐体内に設けられ前記被搬送物を保持するとともに前記被搬送物を処理する処理手段と、前記筐体内に設けられ、前記被搬送物を前記挿排口と前記処理手段にて保持する保持位置との間で搬送する請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の搬送装置と、を具備したことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明のディスク装置の一実施の形態の構成について図面を参照して説明する。本実施の形態では、略平板状の被搬送物としての着脱可能なディスク状記録媒体である光ディスクに情報を記録および読み出す処理を実施する処理装置としてのディスク装置を例示して説明するが、情報の読み出しあるいは記録のみでもよい。さらには、被搬送物としては、MD(Mini Disc)などのようにケース内にディスク状記録媒体が収容されたもの、鋼板など、略中央に孔部を有したディスク状の形態およびディスク状のものを収容したものであればいずれのものも対象とすることができる。そして、本発明の搬送装置として、ディスク装置に一体に組み込まれた構成に限らず、被搬送物を処理する処理装置に被搬送物を搬送させる別体の構成としてもよい。また、2枚の光ディスクを交換するディスクチェンジャ機能を備えたディスク装置における交換時の仮固定をする構成を例示するが、2枚以上の光ディスクを交換する構成や、ディスクチェンジャ機能を備えず、単に処理装置へ搬送する構成に適用できる。なお、ディスク状記録媒体としては、光ディスクに限らず、磁気ディスク、光磁気ディスクなどの、いずれのディスク状記録媒体を対象とすることができる。また、ディスク装置として、回転する光ディスクの記録面に沿って略径方向で光ピックアップを移動させる構成に限らず、例えば光ディスクを回転させずに記録面に沿って光ピックアップを移動させて、記録処理や読取処理を実施する構成などとしてもよい。
【0011】
〔ディスク装置の構成〕
図1は、ディスク装置の概略構成を示す斜視図である。図2は、ディスク装置内部の概略構成を示す平面図である。図3は、ディスク保持機構および退避制御機構の概略構成を示す平面図である。図4は、搬送手段の概略構成を示す部分断面図である。図5は、搬送基部の概略構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。図6は、押圧手段の概略構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。図7は、ローラ駆動ギアと歯車とが中心軸のなす角で5°となる噛合状態を示す平面図である。図8は、ローラ駆動ギアと歯車とが中心軸のなす角で5°となる噛合状態を示す側面図である。図9は、ローラ駆動ギアと歯車とが中心軸のなす角で0°となる噛合状態を示す平面図である。図10は、ローラ駆動ギアと歯車とが中心軸のなす角で0°となる噛合状態を示す側面図である。図11は、搬送手段がアーム部材に対して所定角度で回動した状態でのローラ駆動ギアと歯車との噛合状態を示す平面図である。図12は、図11における噛合状態を示す側面図である。図13は、下側筐体の左側板部近傍の概略構成を示す断面図である。図14は、下側筐体の底面図である。図15は、仮固定部が配設された上側筐体の底面図である。図16は、保持位置の状態での軸支手段を示す一部を切り欠いた平面図である。図17は、保持位置の状態での仮固定部を示す一部を切り欠いた平面図である。図18は、解除位置の状態での軸支手段を示す一部を切り欠いた平面図である。図19は、解除位置の状態での仮固定部を示す一部を切り欠いた断面図である。
【0012】
図1において、100はディスク装置で、このディスク装置100は、例えば車両などの移動体に搭載されるものである。このディスク装置100は、着脱可能に装着される略平板状である円板状の光ディスク1N(Nは1または2、例えば図4参照)に記録された情報を再生する再生処理、および、光ディスク1Nに情報を記録する記録処理を実施する。また、ディスク装置100は、例えば第1のディスク状記録媒体としての光ディスク11の再生中(以下、光ディスク11を再生ディスク11と適宜称す)に第2のディスク状記録媒体としての光ディスク12が挿入されると(以下、光ディスク12を交換ディスク12と適宜称す)、再生ディスク11を交換ディスク12に自動的に交換する。そして、ディスク装置100は、筐体としての例えば金属製で内部空間を有する略四角箱状のケース体110を有している。
【0013】
ケース体110は、例えば、図1に示すように、図2に示すような上面を開口する金属製の下側筐体120と、この下側筐体120の上面を閉塞する金属製の上側筐体130と、下側筐体120および上側筐体130の正面側に設けられる合成樹脂にて細長板状に形成された化粧板111と、を備えている。そして、化粧板111には、光ディスク1Nが挿通可能な長手方向に沿った細長スリット状の開口部としての挿排口であるディスク挿通口111Aが開口形成されている。また、ケース体110の化粧板111には、ケース体110内に挿入された再生ディスク11を排出する際に操作されるイジェクトボタン111Bなど、ディスク装置100全体の動作を設定するための図示しない各種操作ボタンや処理状態を表示により報知する表示パネルなどが適宜設けられている。
【0014】
下側筐体120は、図2に示すように、長方形平板状の底板部121を有している。この底板部121の短手方向の一側縁には、前面板部122が略垂直に折曲形成されている。この前面板部122には、ディスク挿通口111Aに対応する図示しないスリット状の挿通孔が設けられ、化粧板111が取り付けられる。また、底板部121の短手方向の他側縁には、前面板部122と同方向に略垂直に折曲されて前面板部122と対向する後面板部123が形成されている。さらに、底板部121の長手方向の一側縁には、前面板部122と同方向に略垂直に折曲された右側板部124が形成されている。また、底板部121の長手方向の他側縁には、前面板部122と同方向に略垂直に折曲された左側板部125が形成されている。そして、下側筐体120は、上面を開口した略箱状に折曲形成されている。
【0015】
また、右側板部124の上端側における後面板部123側および長手方向略中央には、長手方向が幅方向と略一致する状態に開口形成された2つの図示しない爪挿通スリットが設けられている。さらに、右側板部124の上下方向略中央における前面板部122側および後面板部123側には、長手方向が幅方向と略一致する状態に開口形成された2つの図示しないねじ挿通スリットが開口形成されている。そして、左側板部125の上端側における前面板部122側および長手方向略中央には、右側板部124の爪挿通スリットと同様の爪挿通スリット125A(図13参照)が設けられている。さらに、左側板部125の上下方向略中央における前面板部122側および後面板部123側には、右側板部124のねじ挿通スリットと同様のねじ挿通スリット125B(図13参照)が開口形成されている。
【0016】
そして、底板部121には、処理手段としてのディスク処理部200が配設されている。このディスク処理部200は、軟質部材を介して底板部121に配設された略矩形板状の台座部210を備えている。台座部210には、長手方向の一端近傍に位置して、ディスク回転駆動手段220が配設されている。このディスク回転駆動手段220は、スピンドルモータである図示しない回転用電動モータと、この回転用電動モータの図示しない出力軸に一体的に設けられたターンテーブル221と、を備えている。このターンテーブル221は、先端部が次第に径小となる軸支部221Aと、この軸支部221Aの周面にフランジ状に設けられた鍔部221Bと、軸支部221Aの周面から進退可能に複数、例えば3つ配設された図示しない係止爪部と、を備えている。そして、ディスク回転駆動手段220は、ターンテーブル221が底板部121の略中央に位置する状態で配設されている。
【0017】
また、台座部210には、処理移動手段230が配設されている。この処理移動手段230は、台座部210に配設されたガイドレール231と、例えばステッピングモータである移動用電動モータ232と、を備えている。移動用電動モータ232に設けられたスクリュ232Aには、例えば一端側および他端側にスクリュ232Aと係合する係合溝および後述するリードスクリュ233の係合溝と係合する係合溝がそれぞれ設けられた図示しないシャフトが略直交に配設されている。そして、このシャフトの他端側には、係合溝と係合する螺旋状の係合溝233Aが外周面に設けられたリードスクリュ233が、ガイドレール231と略平行に配設されている。
【0018】
さらに、台座部210には、処理移動手段230に支持された処理部としての情報処理部240が配設されている。この情報処理部240は、ガイドレール231およびリードスクリュ233間に架橋する状態で保持される移動保持部241を備えている。この移動保持部241には、ガイドレール231に移動可能に係合される図示しない係合部と、移動用電動モータ232の出力軸に連結されたリードスクリュ233の係合溝233Aに係合する図示しない爪部と、が備えられている。また、情報処理部240の移動保持部241には、図示しない制御回路部の制御により、光ディスク1Nの記録面に記録された各種情報を読み取って出力回路部へ出力する読取処理や、制御回路部からの各種情報を記録面に記録する記録処理を実施するための光ピックアップ250が配設されている。
【0019】
また、台座部210には、情報処理部240の移動に連動して、ターンテーブル221の係止爪部を軸支部221Aの外周面から進退させる図示しないディスク着脱機構部が設けられている。すなわち、ディスク着脱機構部は、情報処理部240の移動用電動モータ232に近接する方向への移動に連動し、軸支部221Aの外周面から進出する係止爪部が次第に軸支部221Aの外周面から後退する状態に移動させる。
【0020】
そして、ケース体110の内部空間には、ディスク挿通口111Aを介して光ディスク1Nをケース体110内外へ平面方向に沿って搬送するとともに、ケース体110内で厚さ方向である上下方向に昇降させるディスク昇降部300が設けられている。このディスク昇降部300は、略矩形枠状に形成され、ケース体110の内部空間で上下方向に昇降可能に配設されたディスク保持部配設部材としての四角枠部材であるステージ310を有している。
【0021】
ステージ310は、図2および図3に示すように、略長方形平板状の前面部311と、前面部311の長手方向の一側縁に略垂直に設けられた右面部312と、前面部311の長手方向の他側縁に右面部312と同方向に略垂直に設けられた左面部313と、前面部311と略対向しかつ右面部312および左面部313の一側縁を連結する状態に設けられた後面部314と、にて略矩形枠状に形成されている。また、右面部312、左面部313、後面部314のそれぞれの下端には、左面部313、右面部312、前面部311に向けて例えば略板状に突出する図示しない、右下面部、左下面部、後下面部がそれぞれ設けられている。さらに、ステージ310には、後面部314近傍の上面の一部を閉塞する後上面部材315が設けられている。この後上面部材315は、右面部312近傍から前面部311に向けて略三角形板状に突出する右上隅面部316と、この右上隅面部316と一体的に設けられ左面部313近傍から前面部311に向けて右上隅面部316と同様に突出する左上隅面部317と、を備えている。
【0022】
右面部312には、外面から突出する状態に設けられた2つの図示しない突出部材としての右昇降制御ピンが長手方向に並設されている。また、左面部313には、右昇降制御ピンと同様に設けられた2つの突出部材としての左昇降制御ピン313A(図13参照)が並設されている。そして、右上隅面部316の前面部311側には、略円形状のガイド軸孔316Aが開口形成されている。また、ガイド軸孔316Aの後面部314側には、中心がガイド軸孔316Aと略一致する略円弧状の円弧スリット316Bが開口形成されている。さらに、右上隅面部316の右面部312および後面部314の連結部近傍には、切欠部316Cが設けられている。また、この切欠部316Cの左面部313側には、図示しない右上ストッパ軸孔が開口形成されている。左上隅面部317におけるガイド軸孔316A、円弧スリット316B、切欠部316C、右上ストッパ軸孔に略対応する位置には、ガイド軸孔317A、円弧スリット317B、切欠部317C、図示しない左上ストッパ軸孔がそれぞれ設けられている。右下面部および左下面部におけるガイド軸孔316A,317A、右上ストッパ軸孔、左上ストッパ軸孔にそれぞれ略対応する位置には、図示しない、右下ガイド軸孔、左下ガイド軸孔、右下ストッパ軸孔、左下ストッパ軸孔が設けられている。そして、ステージ310には、ディスク保持機構320と、挿排検出部410と、移動手段を構成する退避制御機構420と、などが配設されている。
【0023】
ディスク保持機構320は、光ディスク1Nを保持する。そして、搬送手段としても機能し得る移送手段としてのディスク保持機構320は、光ディスク1Nの周縁に接離可能にそれぞれ設けられた搬送装置としての右ガイド330と、左ガイド380と、右ストッパ390と、左ストッパ400と、を備えている。なお、右ガイド330および左ガイド380は、略同一の構成を有しているため、略同一の部材については同一名称を付し説明を簡略化する。また、右ストッパ390および左ストッパ400についても、略同一の部材については同一名称を付し説明を簡略化する。
【0024】
右ガイド330は、図2および図3に示すように、例えば金属などにより平面略細長矩形状に形成され長手方向の一側縁側がステージ310の略中央側に位置する状態で配設された移動手段を構成するアーム部材331を有している。このアーム部材331の長手方向の一端側には、図示しない下回動軸孔が開口形成されている。また、アーム部材331における下回動軸孔近傍の長手方向の他側縁には、上方に略直角に屈曲された後に一側縁側に略直角に屈曲された回動中心部331Aが一体的に形成されている。この回動中心部331Aおよびアーム部材331が形成する空間には、後述する図示しない装置制御部の制御により適宜回転されるシャフト332の一端側が配設される。また、回動中心部331Aの上面における下回動軸孔に略対向する位置には、下回動軸孔と略同一の上回動軸孔331A1が開口形成されている。そして、アーム部材331は、下回動軸孔、右下ガイド軸孔、ガイド軸孔316A、上回動軸孔331A1に挿通された右ガイド回動軸333を中心に回動可能に設けられている。さらに、アーム部材331は、例えば板ばねなどの図示しないガイド付勢部材によりステージ310の面方向略中央方向に回動する状態に付勢されている。また、回動中心部331Aの上面における一端には、上方に向けて舌片状に突出し円弧スリット316Bに挿通されるスイッチ動作爪331A2が設けられている。さらに、アーム部材331における回動中心部331Aよりも一端側には、下方に向けて突出する右ガイド係合ピン334が設けられている。
【0025】
また、アーム部材331における長手方向略中央から他端側にかけての他側縁には、上方に略直角に屈曲された後に一側縁側に略直角に屈曲されたシャフト配設部331Bが一体的に形成されている。そして、シャフト配設部331Bおよびアーム部材331が形成する空間には、シャフト332が配設される。さらに、シャフト配設部331Bの上面には、長手方向の長さがシャフト配設部331Bと略同一の略細長矩形板状を有する例えば樹脂製のガイド部材335が積層される状態で配設されている。このガイド部材335における一端側には、側面が光ディスク1Nの外周面に対応する形状に膨出するガイド部335Aが設けられている。
【0026】
さらに、アーム部材331の長手方向の他端側には、シャフト332の他端側に設けられたスクリュ332Aに噛合される状態で、中心軸が平面に対して略垂直な回転軸336Aに回転自在に軸支された駆動ギアとしてのローラ駆動ギア336が設けられている。このローラ駆動ギア336は、中心軸に対して所定の角度で傾斜するねじり角に設定された斜歯形状に形成されている。また、アーム部材331の他端側には、光ディスク1Nの周縁近傍部分に摺接しつつ光ディスク1Nをステージ310内部または外部に搬送する搬送手段340が設けられている。そして、搬送手段340は、図4、図5(A),(B)、および図6(A),(B)に示すように、ベース部材としての搬送基部350と、案内手段360と、押圧手段370と、などを備えている。
【0027】
搬送基部350は、図2、図4および図5(A),(B)に示すように、例えば金属などにより略円板状に形成された搬送台座351を有している。搬送台座351の平面方向の略中央には、中心軸が平面に対して交差、例えば平面に対する直交方向に対して略5°で傾斜する状態で突出する略円柱状の軸部352が一体的に設けられている。また、軸部352の面方向略中央には、軸が搬送台座351の面と略直交する形状を有しアーム部材331の他端側に突出される図示しない軸が嵌挿される挿通部352Aが穿設されている。そして、搬送台座351は、アーム部材331に中心軸が平面に対して略垂直に設けられた図示しない軸が挿通部352Aに挿通され、この図示しない軸を中心にアーム部材331に対して回動可能に配設される。また、搬送台座351における軸部352の傾斜方向側の端部には、上方に向けて略矩形板状に立ち上がる立上部353が設けられている。立上部353の下部には、搬送台座351の面外方向に突出する2つの下爪部354が所定間隔離れた状態で並設されている。また、立上部353の上部における下爪部354の間に対応する位置には、下爪部354と略同一形状を有する2つの上爪部355が所定間隔離れた状態で並設されている。さらに、立上部353の上部には、搬送台座351の面内方向に突出する略リング状の本体リング部356が設けられている。そして、本体リング部356の上面における立上部353と略対向する端部には、上方へ向け突出する挿通部材357が設けられている。この挿通部材357は、本体リング部356の上面から突出し外周面が搬送台座351の面内方向に位置する略円弧板状の円弧板部357Aを有している。この円弧板部357Aの上端には、円弧板部357Aの上面を閉塞する略半円板状の閉塞部357Bが設けられている。
【0028】
案内手段360は、図4に示すように、搬送台座351の軸部352に挿通される孔部361Aを略中央に備えた歯車361を有している。この歯車361は、ローラ駆動ギア336が噛合される状態で軸部352に回転自在に軸支されている。この歯車361は、中心軸に対して所定の角度で傾斜、詳細は後述するが、ローラ駆動ギア336のねじり角に対して反対側に同角度で傾斜するねじり角に設定された斜歯形状に形成されている。また、歯車361の軸方向の一面には、歯車361の外径より小さい外径を有し略円筒状に突出するゴムリング嵌合部362が設けられている。ゴムリング嵌合部362の外周面には、例えばシリコンゴムなどにより略環状に形成された回転体としての軟質部材であるゴムリング363が嵌合されている。このゴムリング363は、本体リング部356の内径よりも小さい外径を有するとともに、軸方向の一端面である上面が本体リング部356の上面から突出する厚さ寸法に形成されている。ここで、上述したように、搬送台座351の軸部352の軸が傾斜しているため、ゴムリング363は、軸方向の一端側に一体的に設けられた歯車361に対して反対側の他端面となる上面が本体リング部356の上面に対して略5°で傾斜する状態に設けられる。
【0029】
押圧手段370は、図4および図6(A),(B)に示すように、例えば樹脂材などにより内径が本体リング部356の外径よりも大きい略リング状に形成された押圧リング部371を有している。この押圧リング部371の一端側の円弧には、下方へ向けて膨出する膨出部371Aが設けられている。そして、この膨出部371Aの円弧方向の略中央には、搬送台座351の下爪部354および上爪部355の間隔と略同一の直径を有する略丸棒状の2つの回動軸部371Bが、所定間隔離れた状態で設けられている。また、押圧リング部371には、膨出部371Aに対して反対側となる略直径方向の位置に、円弧板部357Aの略円弧と略一致する円弧を有する略半円板状の半円膨出部371Cが面内方向へ向けて膨出する状態で設けられている。さらに、押圧リング部371には、膨出部371Aに対して反対側となる略直径方向の位置に、押圧リング部371の一面側となる上方に向けて略台形柱状に突出する台形柱部372が形成されている。この台形柱部372の略中央には、円弧が押圧リング部371の他端側に位置する平面略半円状の半円溝部372Aが設けられている。ここで、押圧リング部371における半円溝部372Aの底面に対応する部分は、押圧ばね374(図4参照)が載置されるばね載置部371Dとされている。また、半円溝部372Aに略対向する位置には、円弧板部357Aの断面よりも大きい略円弧状の円弧板挿通孔372Bが開口形成されている。さらに、台形柱部372における略台形状の底辺の両端に対応する部分には、押圧リング部371の一端側となる押圧片373が突出する側へ向けて押圧片373の両側側に位置する状態に突出する接触部としての突出部372C,372Dがそれぞれ設けられている。また、台形柱部372の上部には、押圧リング部371の面方向略中央にかけて略台形板状に突出し、ゴムリング363の上面とにて光ディスク1Nの周縁部を挾持する挾持部としての押圧片373が設けられている。この押圧片373は、先端にしたがって薄くなる形状に形成されている。すなわち、押圧片373には、押圧リング部371の他面側となる下面には、膨出部371A側に向く平面となり、ゴムリング363の上面とにて光ディスク1Nが平面方向で搬送される搬送経路に向けて拡開する状態に傾斜した傾斜面373Aを有している。なお、傾斜面373Aは、押圧片373が突出する突出方向に対して直交する幅方向で略中央が肉厚に膨出する円弧状に湾曲形成されている。
【0030】
そして、押圧リング部371は、図4に示すように、回動軸部371Bが下爪部354および上爪部355の間に配設されかつ円弧板挿通孔372Bに挿通部材357が挿通され、回動軸部371Bを中心に所定距離だけ回動可能に搬送基部350に配設される。このとき、押圧片373およびゴムリング363の間には、上述したように、押圧片373の傾斜面373Aと傾斜するゴムリング363の上面とにより、押圧片373の基端側にしたがって幅が狭くなる挾持間隙としての隙間部Pが形成される。そして、この隙間部Pに光ディスク1Nの周縁部が挿入される状態に保持されて案内される。さらに、閉塞部357Bと、半円膨出部371Cおよびばね載置部371Dと、の間には、付勢手段としての押圧ばね374が載置される。この押圧ばね374の付勢力により、半円膨出部371Cおよびばね載置部371Dが下方に付勢され、押圧リング部371が下方に回動される。そして、押圧リング部371が下方に回動されると、押圧片373の傾斜面373Aとゴムリング363の上面とが近接する方向に移動される状態となり、押圧手段370は、押圧片373にて、隙間部Pに挿入された光ディスク1Nを押圧ばね374の付勢力によりゴムリング363の方向へ押圧する。
【0031】
なお、搬送基部350がアーム部材331に中心軸が平面に対して略垂直に設けられた図示しない軸を中心にアーム部材331に回動可能に配設されているので、隙間部Pが搬送経路側となる略内側に向けて拡開する状態で搬送手段340がアーム部材331に対して回動可能となっている。この搬送手段340の回動により、案内手段360のゴムリング363の中心軸が平面の直交方向に対して略5°傾斜し、ローラ駆動ギア336の中心軸が平面に対して略垂直に直交しているため、図7ないし図12に示すように、ゴムリング363の中心軸とローラ駆動ギア336の中心軸とのなす角が、0°以上5°以下の範囲で変化する状態となる。そして、反対方向に所定の角度のねじり角で傾斜する斜歯形状となっている。
【0032】
すなわち、ゴムリング363の中心軸とローラ駆動ギア336の中心軸とのなす角が略5°で、ローラ駆動ギア336および歯車361は、図7および図8に示すように、ねじり角の差が略2.5°で傾く状態で互いに噛み合う状態となる。また、ゴムリング363の中心軸とローラ駆動ギア336の中心軸とのなす角が略0°で、ローラ駆動ギア336および歯車361は、図9および図10に示すように、ねじり角の差が略2.5°で傾く状態で互いに噛み合う状態となる。そして、これら図7および図8に示す状態と、図9および図10に示す状態との間で、搬送手段340が回動した図11および図12に示すように、ローラ駆動ギア336および歯車361は、互いに略平行に噛み合う状態となる。このように、互いに逆方向で、ゴムリング363の中心軸とローラ駆動ギア336の中心軸とのなす角の最大値の略1/2の角度でねじり角を設定した斜歯形状としているため、ゴムリング363を回転させる回転駆動力を作用可能に互いに噛合させることができるとともに、搬送手段340が回動しても、ゴムリング363の歯車361とローラ駆動ギア336との噛合状態が、互いの係合状態の遊び分で吸収されて噛合状態が維持される。
【0033】
左ガイド380は、図2および図3に示すように、アーム部材331と略同一形状に形成され長手方向の一側縁がステージ略中央側に位置する状態に配設されたアーム部材381を有している。このアーム部材381には、図示しない下回動軸孔と、上回動軸孔381A1を有する回動中心部381Aと、が設けられている。そして、アーム部材381は、下回動軸孔、左下ガイド軸孔、ガイド軸孔317A、上回動軸孔381A1に挿通された左ガイド回動軸382を中心に回動可能に設けられている。さらに、アーム部材381は、図示しないガイド付勢部材によりステージ310の面方向略中央方向に回動する状態に付勢されている。また、回動中心部381Aには、円弧スリット317Bに挿通されるスイッチ動作爪381A2が設けられている。さらに、アーム部材381の一端側には、下方に向けて突出する左ガイド係合ピン383が設けられている。また、アーム部材381には、シャフト配設部331Bと略同一に屈曲形成された屈曲部381Bが設けられている。そして、この屈曲部381Bの上面には、一端側にガイド部384Aを有するガイド部材384が積層される状態で配設されている。また、ガイド部材384の先端側には、ステージ310の面方向中央側が開口する断面略コ字状に一体形成され、光ディスク1Nの周縁近傍部分が係合される保持手段としてのディスク係合部384Bが設けられている。このディスク係合部384Bは、右ガイド330の搬送手段340における隙間部Pと同様の凹溝384Cが右ガイド330との対向方向側に開口する状態に設けられ、断面略コ字状に形成されている。なお、凹溝384Cは、搬送手段340の押圧片373の傾斜面373Aと同様に、中央部が円弧状に膨出する状態に形成されている。
【0034】
右ストッパ390は、例えば金属などにより平面略細長矩形状に形成され長手方向の一側縁がステージ310の略中央側に位置する状態に配設されたアーム部材391を有している。このアーム部材391は、右ガイド330のアーム部材331よりも下方に位置する状態で配設されている。また、アーム部材391の長手方向の一端側には、図示しない下回動軸孔が開口形成されている。さらに、アーム部材391における一端側の長手方向の他側縁には、回動中心部331Aと同様に屈曲形成された回動中心部391Aが設けられている。この回動中心部391Aの上面における下回動軸孔に略対向する位置には、上回動軸孔391A1が開口形成されている。そして、アーム部材391は、右下ストッパ軸孔、下回動軸孔、上回動軸孔391A1、右上ストッパ軸孔に挿通された右ストッパ回動軸392を中心に回動可能に設けられている。さらに、アーム部材391は、図示しないストッパ付勢部材によりステージ310の面方向略中央方向に回動する状態に付勢されている。また、回動中心部391Aの上面における一端には、上方に向けて舌片状に突出し切欠部316Cに挿通されるスイッチ動作爪391A2が設けられている。
【0035】
また、アーム部材391の一端側の一側縁には、面方向に沿って略三角形板状に突出された三角突出部391Bが設けられている。この三角突出部391Bの先端には、下方に向けて突出する右ストッパ係合ピン393が設けられている。また、三角突出部391Bの略中央には、略四角形状に開口形成され右ガイド係合ピン334が移動可能に挿通されるピン挿通孔391B1が開口形成されている。このピン挿通孔391B1は、挿入された光ディスク1Nによる付勢により右ガイド330が回動された際に、右ガイド係合ピン334が一体的に移動することを妨げない形状に形成されている。さらに、アーム部材391の長手方向の他端側には、例えば略細長矩形板状を有する樹脂製のストッパ部材394が積層される状態で配設されている。そして、ストッパ部材394の他端側には、ステージ310の面方向中央側が開口する断面略コ字状に一体形成され光ディスク1Nの周縁近傍が係合されるディスク係合部394Aが設けられている。
【0036】
左ストッパ400は、図2および図3に示すように、アーム部材391と略同一形状に形成され長手方向の一端縁がステージ310の略中央側に位置する状態に配設されたアーム部材401を有している。このアーム部材401は、左ガイド380のアーム部材381よりも下方に位置する状態で配設され、図示しない下回動軸孔と、上回動軸孔401A1を有する回動中心部401Aと、を備えている。そして、アーム部材401は、左下ストッパ軸孔、下回動軸孔、上回動軸孔401A1、左上ストッパ軸孔に挿通された左ストッパ回動軸402を中心に回動可能に設けられている。さらに、アーム部材401は、図示しないストッパ付勢部材によりステージ310の面方向略中央方向に回動する状態に付勢されている。また、回動中心部401Aには、切欠部317Cに挿通されるスイッチ動作爪401A2が設けられている。さらに、アーム部材401には、左ストッパ係合ピン403およびピン挿通孔401B1を有する三角突出部401Bが設けられている。ピン挿通孔401B1は、光ディスク1Nにより左ガイド380が回動された際に、左ガイド係合ピン383が一体的に移動することを妨げない形状に形成されている。また、アーム部材401には、ディスク係合部404Aを有するストッパ部材404が積層される状態で配設されている。
【0037】
挿排検出部410は、光ディスク1Nの挿入や排出(以下、挿入および排出をまとめて説明する際には、挿排と適宜称す)を検出する。そして、挿排検出部410は、図2に示すように、右上隅面部316および左上隅面部317のそれぞれの上面に配設された回路部411,414を有している。回路部411は、装置制御部に接続されている。この回路部411には、右ガイド330の回動に伴う光ディスク1Nの挿排状態を検出する右ガイド検出部412と、右ストッパ390の回動に伴う光ディスク1Nの挿排状態を検出する右ストッパ検出部413と、が配設されている。右ガイド検出部412、右ストッパ検出部413は、一面にスイッチ動作爪331A2,391A2の接触により進退する進退部412A,413Aを有し、この進退部412A,413Aの進退状態で光ディスク1Nの挿排状態を検出して、その旨の信号を回路部411を介して装置制御部へ適宜出力する。回路部414には、光ディスク1Nの挿排状態をそれぞれ検出する左ガイド検出部415と、左ストッパ検出部416と、が配設されている。そして、左ガイド検出部415、左ストッパ検出部416は、スイッチ動作爪381A2,401A2の接触に対応する進退部415A,416Aの進退状態で光ディスク1Nの挿排状態を検出して、その旨の信号を回路部414を介して装置制御部へ適宜出力する。
【0038】
退避制御機構420は、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400をステージ310の面外方向へ適宜退避させる。具体的には、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400は、待避位置と待機位置とに移動される。待避位置は、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400の先端側をステージ310の内周面側に向けて回動させ、ディスク処理部200のターンテーブル221に軸支された光ディスク1Nに対して、平面視で右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400が重ならない位置である。また、待機位置は、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400の先端側をステージ310の中央側へ移動させた位置である。この退避制御機構420は、図2および図3に示すように、右退避制御板421と、左退避制御板422と、退避制御歯車423と、などを備えている。なお、右退避制御板421および左退避制御板422は、略同一の構成を有しているため、略同一の部材については同一名称を付し説明を簡略化する。
【0039】
右退避制御板421は、図3に示すように、例えば金属などにより略矩形板状に形成され、後面部314側に長手方向がステージ310の左右方向と略一致する状態に配設された制御板中央部421Aを有している。この制御板中央部421Aにおける右面部312側および左面部313側には、後下面部から突出するピン318Aが摺動可能に係合されるピン係合スリット421A1が開口形成されている。また、制御板中央部421Aの左面部313側の側縁には、略矩形板状に突出し前面部311側の側縁に退避制御歯車423が噛合される噛合溝421B1が形成された噛合部421Bが設けられている。
【0040】
さらに、制御板中央部421Aの右面部312側には、前面部311側へ向けて略台形板状に突出する台形突出部421Cが設けられている。この台形突出部421Cの略中央には、右ガイド係合ピン334が摺動可能に係合される略三角形状のピン係合孔421C1が開口形成されている。このピン係合孔421C1は、右退避制御板421が左面部313側に移動された際に、右ガイド330をガイド付勢部材の付勢力に反して右面部312側へ回動させる状態に右ガイド係合ピン334を摺動させ、右面部312側に移動された際に、ガイド付勢部材により左面部313側に回動させる状態に右ガイド係合ピン334を摺動させる形状に形成されている。さらに、ピン係合孔421C1は、右退避制御板421が右面部312に最も近接している状態で光ディスク1Nにより右ガイド330が回動された際に、右ガイド係合ピン334が一体的に移動することを妨げない形状に形成されている。
【0041】
また、台形突出部421Cにおける右面部312側の隅部には、前面部311側に突出した後に左面部313側に略直角に突出する形状に形成され右ストッパ係合ピン393が摺動可能に係合されるピン係合部421Dが設けられている。このピン係合部421Dは、右退避制御板421が左面部313側に移動された際に右ストッパ390をストッパ付勢部材の付勢力に反して後面部314側へ回動させる状態に右ストッパ係合ピン393を摺動させ、右面部312側に移動された際にストッパ付勢部材により前面部311側に回動させる状態に右ストッパ係合ピン393を摺動させる形状に形成されている。さらに、ピン係合部421Dは、右退避制御板421が右面部312に最も近接している状態で光ディスク1Nにより右ストッパ390が回動された際に、右ストッパ係合ピン393が一体的に移動することを妨げない形状に形成されている。そして、右退避制御板421は、装置制御部の制御により右面部312側または左面部313側に適宜移動される。
【0042】
左退避制御板422は、図3に示すように、略矩形板状に形成され、右退避制御板421から所定間隔離れた前面部311側に長手方向がステージ310の左右方向と略一致する状態に配設された制御板中央部422Aを有している。この制御板中央部422Aにおける左面部313側には、左ガイド係合ピン383が摺動可能に係合される略三角形状のピン係合孔422A1が開口形成されている。このピン係合孔422A1は、左退避制御板422が右面部312側に移動された際に左ガイド380をガイド付勢部材の付勢力に反して左面部313側へ回動させ、左面部313側に移動された際にガイド付勢部材の付勢力により右面部312側に回動させる形状に形成されている。さらに、ピン係合孔422A1は、左退避制御板422が左面部313に最も近接している状態で光ディスク1Nにより左ガイド380が回動された際に、左ガイド係合ピン383が一体的に移動することを妨げない形状に形成されている。また、制御板中央部422Aの右面部312側の側縁には、略矩形板状に突出し後面部314側の側縁に退避制御歯車423が噛合される噛合溝422B1が形成された噛合部422Bが設けられている。この噛合部422Bには、後下面部から突出するピン318Bが摺動可能に係合されるピン係合スリット422B2が開口形成されている。
【0043】
さらに、制御板中央部422Aにおける左面部313側には、後面部314側の側縁から略矩形板状に突出する矩形突出部422Cが設けられている。この矩形突出部422Cには、ピン318Bが摺動可能に係合されるピン係合スリット422C1が開口形成されている。また、制御板中央部422Aにおける左面部313側には、前面部311側の側縁から前面部311側に突出した後に右面部312側に略直角に突出する形状に形成され左ストッパ係合ピン403が摺動可能に係合されるピン係合部422Dが設けられている。このピン係合部422Dは、左退避制御板422が右面部312側に移動された際に左ストッパ400をストッパ付勢部材の付勢力に反して後面部314側へ回動させ、左面部313側に移動された際にストッパ付勢部材の付勢力により前面部311側に回動させる形状に形成されている。また、ピン係合部422Dは、左退避制御板422が左面部313に最も近接している状態で光ディスク1Nにより左ストッパ400が回動された際に、左ストッパ係合ピン403が一体的に移動することを妨げない形状に形成されている。
【0044】
退避制御歯車423は、上述したように右退避制御板421の噛合溝421B1および左退避制御板422の噛合溝422B1に噛合された状態で配設されている。この退避制御歯車423は、右退避制御板421が例えば左面部313側に移動されると左回りに回転され左退避制御板422を右面部312側へ移動させる。すなわち、右退避制御板421および左退避制御板422は、相対的に近接あるいは離間する方向で同等に移動する状態となる。具体的には、右退避制御板421および左退避制御板422の相対的な近接方向への移動により、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400が待避位置となり、右退避制御板421および左退避制御板422の相対的な近接方向への移動により、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400が待機位置となる。
【0045】
また、下側筐体120には、図2に示すように、ディスク昇降部300の昇降状態を制御する交換制御部としての昇降制御機構500が設けられている。この昇降制御機構500は、右側板部124および右面部312の間でケース体110の前後方向に移動可能に配設された薄板部材である右昇降制御板520と、左側板部125および左面部313の間でケース体110の前後方向に移動可能に配設された薄板部材である左昇降制御板530と、右昇降制御板520および左昇降制御板530の移動状態を制御する移動制御部540と、などを備えている。なお、右昇降制御板520および左昇降制御板530は、略同一の構成を有しているため、略同一の部材については同一名称を付して説明を簡略化する。
【0046】
左昇降制御板530の下端縁における後面板部123側には、図13および図14に示すように、下側筐体120の内部側へ向けて略直角に折曲形成された舌片状の左制御板連結部531が一体的に設けられている。この左制御板連結部531における先端から略中央にかけての部分には、後述するバーリング孔部563Aが移動可能に係合される切欠部531Aが形成されている。また、左昇降制御板530の前面板部122側および後面板部123側の側縁には、それぞれ面外方向へ向けて舌片状に突出形成され略中央にねじ孔532Aを有する移動規制部532が設けられている。これら移動規制部532のねじ孔532Aには、図2に示すように、ねじ挿通スリット125Bを介してねじ532Bが挿通される。
【0047】
さらに、左昇降制御板530の上端縁における長手方向略中央および前面板部122側には、図2および図13に示すように、それぞれ上方へ向けて舌片状に突出形成された爪部533が設けられている。この爪部533は、左昇降制御板530の上端縁から上方へ向けて突出する爪基端部533Aを有している。そして、この爪基端部533Aの先端には、左昇降制御板530の外面方向へ向けて略直角に折曲形成された爪中間部533Bが一体的に形成されている。さらに、爪中間部533Bの先端には、上方へ向けて略直角に折曲形成された爪先端部533Cが一体的に形成されている。そして、爪部533は、爪挿通スリット125Aに爪中間部533Bが支持される状態で摺動可能に挿通される。また、それぞれの爪部533の爪中間部533Bから左昇降制御板530の下端縁近傍にかけての部分には、左昇降制御ピン313Aが摺動可能に挿通される摺動支持部としての左カム溝534が開口形成されている。この左カム溝534は、左昇降制御板530が下側筐体120の前面板部122側に位置する際にステージ310を下側筐体120における下方位置に位置させ、前後方向略中央に位置する際にステージ310を上下方向略中央位置に位置させ、後面板部123側に位置する際にステージ310を上方位置に位置させる略階段形状に形成されている。
【0048】
ここで、下側筐体120における下方位置は、光ディスク1Nをターンテーブル221に装着する装着位置に対応している。また、略中央位置は、光ディスク1Nがディスク挿通口111Aを介して挿排される挿排位置に対応している。なお、この挿排位置は、光ディスク1Nの読取処理や記録処理を実施する再生位置でもある。さらに、上方位置は、光ディスク1Nを後述する仮固定部600に仮固定する仮固定位置に対応している。すなわち、左カム溝534は、ステージ310が装着位置で維持される長手方向である前後方向に沿った下方位置部534A、ステージ310が挿排位置で維持される前後方向に沿った中間位置部534B、ステージ310が仮固定位置で維持される前後方向に沿った上方位置部534C、下方位置部534Aの一端側と中間位置部534Bの他端側とを連通させステージ310を装着位置および挿排位置間で上下移動させる傾斜した挿脱移動部534D、および、中間位置部534Bの一端側と上方位置部534Cの他端側とを連通させステージ310を挿排位置および仮固定位置間で上下移動させる傾斜した仮固定移動部534Eを有し、略階段形状に形成されている。
【0049】
右昇降制御板520の下端縁における後面板部123側には、図14に示すように、下側筐体120の内部側へ向けて略直角に折曲形成され切欠部521Aを有する右制御板連結部521が一体的に設けられている。また、右昇降制御板520の前面板部122側および後面板部123側の側縁には、図2および図14に示すように、それぞれねじ522Bが挿通される図示しないねじ孔を有する移動規制部522が設けられている。さらに、右昇降制御板520の上端縁における長手方向略中央および後面板部123側には、爪部523が設けられている。また、爪中間部533Bから右昇降制御板520の下端縁近傍にかけての部分には、右昇降制御ピンが摺動可能に挿通される摺動支持部としての図示しない右カム溝が開口形成されている。この右カム溝は、左カム溝534と同様に、右昇降制御板520が下側筐体120の後面板部123側に位置する際にステージ310を下方位置に位置させ、前後方向略中央に位置する際にステージ310を上下方向略中央位置に位置させ、前面板部122側に位置する際にステージ310を上方位置に位置させる略階段形状に形成されている。これら、右昇降制御ピン、左昇降制御ピン313A、右カム溝、および左カム溝534にて、カム部が構成される。
【0050】
移動制御部540は、図2に示すように、回動部材制御機構550と、回動部材560と、などを備えている。回動部材制御機構550は、回動部材560の回動状態を制御する。そして、回動部材制御機構550は、第1の動力伝達部551と、第2の動力伝達部552と、第3の動力伝達部553と、などを備えている。
【0051】
第1の動力伝達部551は、軸方向が底板部121の左右方向に略一致する状態で軸を中心に回転可能に配設されたシャフト551Aを有している。このシャフト551Aの右側板部124側および左側板部125側のそれぞれ端部には、歯車551Bおよびスクリュ551Cが一体的に設けられている。そして、シャフト551Aは、装置制御部の制御により適宜回転される。
【0052】
第2の動力伝達部552は、スクリュ551Cに噛合される状態で上下方向と略一致する軸552Aを中心に回転可能に配設された歯車552Bを有している。
【0053】
第3の動力伝達部553は、図2および図14に示すように、歯車552Bが噛合される状態で上下方向と略一致する軸553Aを中心に回転可能に配設された歯車553Bを有している。この歯車553Bは、下面が底板部121から臨む状態に保持されている。そして、歯車553Bの下面には、底板部121から突出する略U字板状を有する回動制御部材553Cが設けられている。この回動制御部材553Cは、歯車553Bと同軸を有する図示しない第1の仮想円の円弧と外形が略一致する略U字板状に形成されている。また、歯車553Bの下面における回動制御部材553Cの略U字状の開口側の外縁近傍には、底板部121から突出する回動制御ピン553Dが設けられている。この回動制御ピン553Dは、歯車553Bが回転した際に歯車553Bと同軸を有し第1の仮想円よりも大きい第2の仮想円を描く位置に設けられている。
【0054】
回動部材560は、例えば金属などにより略細長矩形板状に形成されている。この回動部材560は、長手方向の略中央から一端側へ向けて幅が狭くなり、他端側へ向けて幅が広くなった後に狭くなる形状に形成されている。また、回動部材560は、底板部121における後面板部123側の下面にかつ長手方向の略中央の回動軸561を中心に回動可能に配設されている。さらに、回動部材560における長手方向の一端および他端には、面外方向に舌片状に突出形成された回動連結部562,563がそれぞれ設けられている。回動連結部562,563の略中央には、周縁が下方に向けて突出する状態に形成されたバーリング孔部562A,563Aが設けられている。そして、これらバーリング孔部562A,563Aは、右制御板連結部521の切欠部521Aおよび左制御板連結部531の切欠部531Aにそれぞれ係合される。
【0055】
さらに、回動部材560における長手方向略中央および回動連結部563の間には、回動制御部材553Cが適宜当接されたり回動制御ピン553Dが適宜係合されたりする回動制御孔564が開口形成されている。この回動制御孔564の回動連結部563側には、第2の仮想円の円弧と略一致する円弧部564Aが形成されている。この円弧部564Aと略対向する位置には、第1の仮想円の円弧と略一致する形状を有しステージ310が挿排位置に位置する際に回動制御部材553Cが当接される挿排当接部564Bが形成されている。また、挿排当接部564Bの後面板部123側端部には、回動軸561方向に延びる形状を有しステージ310が装着位置に位置する際に回動制御ピン553Dが係合される装着係合部564Cが形成されている。さらに、円弧部564Aの後面部314側端部には、第1の仮想円と略同一の図示しない仮想円の円弧と略一致する形状を有しステージ310が装着位置に位置する際に回動制御部材553Cが当接される装着当接部564Dが形成されている。そして、装着当接部564Dの端部は、円弧部564A方向へ向けて略直線状に延びる連結部564Eを介して、装着係合部564Cの基端に連結されている。また、円弧部564Aおよび挿排当接部564Bの前面部311側端部には、円弧部564Aおよび挿排当接部564Bの略中央を結ぶ仮想線を中心に、装着係合部564C、装着当接部564D、連結部564Eと略線対称に設けられた仮固定係合部564F、仮固定当接部564G、連結部564Hがそれぞれ形成されている。
【0056】
また、昇降制御機構500は、ステージ310の昇降移動に連動し、ディスク処理部200を固定および解除、すなわち台座部210の移動規制および規制解除をする図示しないロック機構部が連結されている。すなわち、ロック機構部は、ステージ310がディスク挿通口111Aに対応する挿排位置から下方の装着位置へ移動させる際に連動し、台座部210が軟質部材にて底板部121に支持される規制解除状態から固定して移動規制する状態に動作する。
【0057】
一方、ケース体110の上側筐体130には、図15に示すように、光ディスク1Nを着脱可能に一時的に固定する、すなわち仮固定する保持装置としての仮固定部600が設けられている。この仮固定部600は、軸支手段610と、移動手段としてのディスク係脱機構部620と、を備えている。
【0058】
軸支手段610は、図15ないし図19に示すように、光ディスク1Nの孔部としてのディスク孔部1NAに挿通可能な径寸法、すなわちディスク孔部1NAの径寸法に対して同寸法以下で若干ディスク孔部1NAより径小となる略円柱状に形成された軸支部611を備えている。この軸支部611の軸方向の一端外周面には、外方に向けて鍔状に突出し光ディスク1Nのディスク孔部1NA周縁近傍の一面側が当接可能、すなわちディスク孔部1NAより径大に突出する位置決め部612が設けられている。なお、位置決め部612は、鍔状に突出する構成に限らず、例えば放射状に複数突出した形状など、光ディスク1Nの一面側が当接して位置決め可能ないずれの形状が適用できる。また、位置決め部612の外周縁には、外方に向けて舌片状に突出する取付舌片部612Aが、径方向に位置して一対設けられている。この取付舌片部612Aには上側筐体130にねじ630にて取り付けられるねじ貫通孔612Bが設けられ、軸支部611は上側筐体130の略中央のターンテーブル221に略対向する位置で取付舌片部612Aの対向方向が光ディスク1Nをディスク挿通口111Aを介して搬送する搬送方向に沿う状態に取り付けられる。
【0059】
さらに、位置決め部612には、軸支部611が突出する側と反対側となる裏面に、軸支部611と反対側に略円柱状に突出し上側筐体130に設けられた穿孔に乾燥して位置決めされる取付柱部612Cが設けられている。また、位置決め部612の裏面側には、内周側が外周側に亘って径方向に沿った凹溝状の操作凹溝部612Eが形成されている。さらに、位置決め部612の軸支部611が突出する側となる表面側には、位置決め部612の内周側から一方の取付舌片部612Aが突出する方向に向けて凹状の切欠逃げ部612Fが設けられている。
【0060】
また、軸支部611には、軸方向の他端側である位置決め部612に対して突出する先端面には、一対の取付舌片部612Aの対向方向、すなわち光ディスク1Nの搬送方向に沿った径方向で凹溝状に形成され、両端部が軸支部611の周面に臨んで開口する凹部としての係脱凹部613が設けられている。この係脱凹部613は、軸支部611を軸方向に沿って2分割する状態で、取付柱部612Cが臨む位置決め部612の内周側に連通するとともに、軸方向の一側面側が操作凹溝部612Eに連通するとともに、軸方向の一端側が切欠逃げ部612Fに連通する状態に設けられている。また、軸支部611には、係脱凹部613における軸方向に沿った幅方向で対向する両側面で、位置決め部612の内周側となる上側筐体130にて閉塞される両縁に、係脱凹部613に沿った段差状で上側筐体130とにより係脱凹部613に臨む凹溝状に構成されたガイド部としてのガイド凹溝部613Aがそれぞれ設けられている。
【0061】
さらに、軸支部611の周面には、係脱凹部613の切欠逃げ部612Fに連通する側となる軸方向の一端側が開口する位置を中心として略半周分に亘る範囲で、軸方向の他端側となる先端側の周縁からフランジ状に突出する第1の係止部614が設けられている。この第1の係止部614は、位置決め部612に光ディスク1Nの厚さ寸法以上の間隔で略対向する状態で、係脱凹部613の軸方向の一端側が開口する位置から周方向で次第に突出寸法が小さくなる状態に形成されている。さらに、軸支部611には、軸方向の他端側となる先端側の周縁に、第1の係止部614と反対側、すなわち、係脱凹部613の軸方向の他端側が開口する位置を中心として略半周分に亘る範囲で、軸支部611の先端側に従って軸支部611が縮径する状態に傾斜する案内面611Aが設けられている。この案内面611Aは、係脱凹部613の他端側が開口する位置で最も幅広で、周方向で次第に幅狭となる状態に形成されている。
【0062】
そして、係脱凹部613には、軸支部611の径方向となる軸方向に沿って移動可能に移動部材615が配設されている。この移動部材615は、係脱凹部613と略同形状の矩形状で、係脱凹部613の一端側に対応する移動方向である長手方向の一端面が軸支部611の周面の曲率に略対応した湾曲面状に形成されている。そして、移動部材615の軸方向の一端面には、軸支部611の先端側に対応する縁から長手方向に鍔状に突出する第2の係止部616が突設されている。この第2の係止部616は、移動部材615の湾曲する一端面に沿ってリブ状に突出する状態に形成されている。
【0063】
また、移動部材615の軸方向の他端側には、係脱凹部613の底面に対応する上側筐体130側の縁が、軸支部611の先端側に対応する縁に対して軸方向の他端側へ突出する状態の略楔形状に形成され、軸支部611の先端側に向く傾斜したガイド面617Aを有した解除部617が設けられている。この解除部617のガイド面617Aは、軸支部611の周面の曲率に略対応した湾曲面状に形成されている。
【0064】
さらに、移動部材615には、軸方向の両側面で係脱凹部613の底面に対応する上側筐体130側の側縁に、長手方向に沿った壁状で幅方向に向けて突出し、ガイド凹溝部613Aに摺動可能に係合する係合部としての係合リブ部615Aがそれぞれ突設されている。また、移動部材615には、係脱凹部613の底面に対向し係合リブ部615Aが設けられた側の面に、略中央から一側面側に亘って凹溝状で、操作凹溝部612Eに連通する作動係合凹部615Bが設けられている。なお、ガイド凹溝部613Aおよび係合リブ部615Aの凹凸関係が逆の構成とするなど、移動部材615が長手方向で移動可能に互いに摺接して係合するいずれの形状が利用できる。
【0065】
一方、ディスク係脱機構部620は、図15ないし図19に示すように、係脱作動板621を備えている。この係脱作動板621は、例えば、略円板状で略中心位置で上側筐体130に回転可能に軸支される回転板部621Aと、回転板部621Aの周縁に径方向に一連に突出する作動腕部621Bと、回転板部621Aの周縁に作動腕部621Bの突出方向に対して交差する方向の径方向に一連に突出する作用腕部621Cと、を有し、平面視で略L字状に形成されている。また、係脱作動板621の回転板部621Aの周縁には、外方に向けて舌片状に突出し、上側筐体130に切り起こし形成された段差状部131に摺動可能に係合し、回転板部621Aの脱落を防止しつつ回転を案内するガイド爪部621Dが、径方向に位置して一対設けられている。
【0066】
また、係脱作動板621の作動腕部621Bの先端部は、略円板状に形成され、上側筐体130に取り付けられた軸支手段610の操作凹溝部612Eを介して移動部材615の作動係合凹部615Bに係合される。さらに、係脱作動板621の作用腕部621Cの先端部には、昇降制御機構500における右昇降制御板520の爪部523の突出方向の一縁に当接可能に舌片状の係脱回転動作爪部621Eが折曲形成されている。また、作用腕部621Cの先端部には、上側筐体130との間で架橋する状態に張設され引張力として付勢力を作用させるコイルばねなどの付勢手段622が設けられている。そして、係脱作動板621は、昇降制御機構500の右昇降制御板520の右カム溝に係合するステージ310の右昇降制御ピンが、右カム溝の仮固定移動部534Eから上方位置部534Cに相対的に移動してステージ310が仮固定位置に移動された後にさらに右昇降制御板520が移動して上方位置部534Cを相対的に移動する際に、爪部523が係脱回転動作爪部621Eに当接して押し出す状態となり、付勢手段622の付勢力に抗して回動される。この回動により、一体に回動する作動腕部621Bが回動することで、移動部材615が係脱凹部613内を長手方向で移動する。
【0067】
なお、爪部523が係脱回転動作爪部621Eに当接する直前までは、付勢手段622の付勢力により、移動部材615は、図16および図17に示すように、第2の係止部616および長手方向の一端側が軸支部611の周面から突出して光ディスク1Nを保持する定常位置である保持位置となり、係脱作動板621が爪部523にて回動されると、図18および図19に示すように、第2の係止部616および長手方向の一端側が軸支部611の周面から後退するとともに長手方向の解除部617が軸支部611の周面から進出する解除位置となる。すなわち、右昇降制御板520の移動距離に応じて移動部材615が保持位置および解除位置間で移動する移動距離となるように、作動腕部621Bの回動中心から先端部までの長さ寸法および作用腕部621Cの回動中心から係脱回転動作爪部621Eまでの長さ寸法に設定されている。ここで、図16および図17に示す保持位置では、光ディスク1Nのディスク孔部1NAの周縁が、周方向において、移動部材615の進出する一端面あるいは第2の係止部616と、係脱凹部613の一端側の開口に対して軸支部611の周方向における両側に位置する周面あるいは第1の係止部614との3箇所で位置決めされる。さらに、光ディスク1Nは、厚さ方向において、位置決め部612と、第1の係止部614および第2の係止部616とにて挾持される状態に位置決めされる。このようにして、光ディスク1Nは、仮固定部600に仮固定される。一方、図18および図19に示す解除位置では、光ディスク1Nのディスク孔部1NAの周縁が、移動部材615の解除部617のガイド面617Aにより押し出されるように軸支部611の先端側へ移動され、光ディスク1Nの仮固定が解除される。
【0068】
また、ケース体110における例えば下側筐体120の下方には、ディスク装置100全体の動作を制御する図示しない装置制御部が配設されている。ここで、装置制御部が、本発明の交換制御部を構成する移動制御部としても機能する。この装置制御部により制御される動作としては、光ディスク1Nの再生や記録の処理動作、光ディスク1Nの挿排動作、光ディスク1Nの装着動作や仮固定動作、右ガイド330などの退避動作、ステージ310の昇降動作などが例示できるがこれらに限られない。
【0069】
なお、右ガイド330、左ガイド380、昇降制御機構500、仮固定部600、および、装置制御部にて、本発明のディスク交換装置が構成されている。
【0070】
〔ディスク装置の動作〕
次に、ディスク装置100の動作を図面を参照して説明する。
【0071】
(昇降制御機構の動作)
まず、ディスク装置100の動作として、昇降制御機構500の動作について図20ないし図24に基づいて説明する。図20は、ディスク保持機構320が装着位置に到達している際の昇降制御機構500の状態を示す平面図である。図21ないし図23は、ディスク保持機構320が挿排位置に到達している際の昇降制御機構500の状態を示す平面図である。図24は、ディスク保持機構320が仮固定位置に到達している際の昇降制御機構500の状態を示す平面図である。
【0072】
ディスク昇降部300は、昇降制御機構500が例えば図20に示すような状態になると装着位置に到達する。具体的には、昇降制御機構500の回動制御ピン553Dが装着係合部564Cに係合されるとともに、回動制御部材553Cが装着当接部564Dに当接されると、回動部材560の回動連結部562が後面板部123に最も近接し、回動連結部563が後面板部123から最も離隔する。そして、右昇降制御板520が後面板部123に最も近接するとともに、左昇降制御板530が後面板部123から最も離隔する。さらに、ステージ310の右昇降制御ピンが右昇降制御板520の図示しない右カム溝の下方位置部に位置するとともに、左昇降制御ピンが左昇降制御板530の左カム溝534の下方位置部534Aに位置する。そして、ステージ310に配設されたディスク保持機構320は、下側筐体120における下方である装着位置、すなわち右ガイド330の隙間部Pおよび左ガイド380の凹溝384Cがディスク回転駆動手段220のターンテーブル221に軸支された光ディスク1Nの周縁に向けて開口して係合可能な位置関係となる位置に到達する。
【0073】
このディスク保持機構320が装着位置に位置する状態では、昇降制御機構500に連結するロック機構部により、ディスク処理部200が固定された移動規制状態となる。
【0074】
また、図20に示す状態から装置制御部の制御により歯車553Bが左回りに回転されると、回動制御ピン553Dが左回りに移動される。そして、回動制御ピン553Dの移動に伴い回動部材560が付勢されて右回りに回動されるとともに、回動制御ピン553Dが装着係合部564Cの基端側に相対的に移動される。さらに、図21に示すように、回動制御ピン553Dが装着係合部564Cの基端近傍に到達すると、回動制御部材553Cが挿排当接部564Bに当接する。また、回動部材560が右回りに回動されると、右昇降制御板520が後面板部123から離隔する方向に移動するとともに、左昇降制御板530が後面板部123に近接する方向に移動する。さらに、ステージ310の右昇降制御ピンが右カム溝における下方位置部から挿脱移動部を介して中間位置部に相対的に移動するとともに、左昇降制御ピンが左カム溝534における下方位置部534Aから挿脱移動部534Dを介して中間位置部534Bに相対的に移動する。そして、ディスク保持機構320は、装着位置から、下側筐体120における上下方向の略中央である挿排位置、すなわち、右ガイド330の隙間部Pおよび左ガイド380の凹溝384Cがディスク挿通口111Aに臨み、ディスク挿通口111Aを介して挿通する光ディスク1Nの周縁が係合可能な位置関係となる位置に到達する。
【0075】
このディスク保持機構320が装着位置に位置する状態では、昇降制御機構500に連結するロック機構部により、ディスク処理部200の台座部210が軟質部材にて底板部121に支持される規制解除状態となり、ディスク処理部200にて光ディスク1Nの読出処理や記録処理が実施可能な状態となる。
【0076】
さらに、図21に示す状態から歯車553Bが左回りに回転されると、回動制御部材553Cが挿排当接部564Bに当接された状態のまま左回りに回動されるとともに、回動制御ピン553Dが回動部材560に接触しない状態で左回りに移動されて、例えば図22に示すような状態となる。このとき、回動部材560が回動しないため、ディスク保持機構320が挿排位置に位置する状態で維持される。
【0077】
そして、図23に示すような回動制御ピン553Dが仮固定係合部564Fの基端近傍に到達した状態から歯車553Bが左回りに回転されると、回動制御ピン553Dの移動に伴い回動部材560が付勢されて右回りに回動されるとともに、回動制御ピン553Dが仮固定係合部564Fの先端側に相対的に移動される。さらに、図24に示すように、回動制御ピン553Dが仮固定係合部564Fの先端に到達すると、回動制御部材553Cが仮固定当接部564Gに当接する。また、回動部材560が右回りに回動されると、右昇降制御板520が後面板部123から離隔する方向に移動するとともに、左昇降制御板530が後面板部123に近接する方向に移動する。さらに、ステージ310の右昇降制御ピンが右カム溝における中間位置部から仮固定移動部を介して上方位置部に相対的に移動するとともに、左昇降制御ピンが左カム溝534における中間位置部534Bから仮固定移動部534Eを介して上方位置部534Cに相対的に移動する。そして、ディスク保持機構320は、挿排位置から、下側筐体120における上方である仮固定位置、すなわちディスク保持機構320で保持する光ディスク1Nを仮固定部600に係脱可能に仮固定させたり、仮固定された光ディスク1Nを仮固定部600から受け取ったりが可能な位置関係となる位置に到達する。
【0078】
このディスク保持機構320が仮固定位置に移動される状態では、昇降制御機構500に連結された図示しないディスク係脱機構部により、光ディスク1Nを仮固定部600の軸支手段610に仮固定、あるいは仮固定状態の解除をしてディスク保持機構320へ光ディスク1Nを仮固定部600から受け渡させる。
【0079】
(光ディスクの交換動作および搬送動作)
次に、ディスク装置100の動作として、光ディスク1Nの交換動作および搬送動作を図面を参照して説明する。図25は、光ディスク1Nの交換動作を示す模式図であり、(A)は再生ディスク11の挿入待機状態、(B)は再生ディスク11を保持した状態、(C)は交換ディスク12の挿入待機状態、(D)は交換ディスク12を保持した状態、(E)は交換ディスク12を仮固定位置に移動させた状態、(F)は交換ディスク12を仮固定した状態を示す。図26は、光ディスク1Nの搬送動作を示す模式図であり、(A)は光ディスク1Nの挿入待機状態、(B)は光ディスク1Nの挿入が開始された状態を示す。図27は、光ディスク1Nの搬送動作を示す模式図であり、(A)は右ガイド330および左ガイド380が光ディスク1Nにより回動された状態、(B)は右ストッパ390および左ストッパ400が光ディスク1Nにより回動された状態を示す。図28は、光ディスク1Nの搬送動作を示す模式図であり、(A)は光ディスク1Nの搬送完了状態、(B)は右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400の退避状態を示す。図29は、光ディスク1Nの交換動作を示す模式図であり、(A)はディスク保持機構320を装着位置に移動させた状態、(B)は再生ディスク11を保持した状態、(C)は再生ディスク11を挿排位置に移動させた状態、(D)は再生ディスク11が排出された状態、(E)は交換ディスク12を保持した状態、(F)は交換ディスク12を装着した状態を示す。
【0080】
まず、ディスク装置100に再生ディスク11が装着されていない状態において、ディスク保持機構320の右ガイド330および左ガイド380は、図25(A)に示すように、ディスク挿通口111Aに対応する挿排位置に位置している。このとき、ここでは図示しないが、右退避制御板421は、右面部312側に位置する。また、左退避制御板422は、左面部313側に位置する。すなわち、図26(A)に示すように、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400は、待機位置に位置する。
【0081】
この後、図26(A)に示すように、利用者によりディスク挿通口111Aから再生ディスク11が挿入されると、この再生ディスク11は、右ガイド330の突出部372Cおよび左ガイド380のディスク係合部384Bに当接される。そして、さらに再生ディスク11が挿入されると、図26(B)に示すように、搬送手段340の搬送基部350が左回りに回動、すなわち隙間部Pがディスク挿通口111Aに向けて開口する状態に回動され、再生ディスク11は、周縁が突出部372C,372Dに当接されるとともに、右ガイド330のゴムリング363および押圧片373の間に狭持され、隙間部Pに係合される。この再生ディスク11を挾持した状態では、再生ディスク11の周縁が当接する突出部372C,372Dが押圧片373の両側に位置する状態に突設されているので、隙間部Pが再生ディスク11の略中央に向けて拡開する状態となっている。さらに、再生ディスク11は、左ガイド380のディスク係合部384Bの凹溝384Cにも係合される。この後、さらに再生ディスク11が挿入されると、右ガイド330および左ガイド380は、対向方向と反対側へ光ディスク1Nにより押し出されるように回動される。この回動により、スイッチ動作爪331A2,381A2が移動し、挿排検出部410が右ガイド検出部412および左ガイド検出部415にて、再生ディスク11の挿入が開始されたことを検出する。そして、装置制御部は、再生ディスク11の挿入開始が検出されると、シャフト332などを駆動させてゴムリング363を左回りに回転させる。そして、図27(A)に示すように、再生ディスク11は、利用者により付勢されなくても、ゴムリング363の回転により左回りに回転されながらディスク装置100内部に搬送される。
【0082】
さらに、再生ディスク11がディスク装置100内部に搬送されていくと、右ガイド330および左ガイド380は、再生ディスク11により押し出されるような外側への付勢が解除され、ガイド付勢部材の付勢により互いに対向する方向である内方向へ回動する。この再生ディスク11を押圧片373およびゴムリング363にて挾持しつつ搬送している間、隙間部Pが再生ディスク11の略中央に向けて拡開する状態、すなわち再生ディスク11の搬送に応じて首を振る状態に搬送手段340がアーム部材331の先端部で回動する。そして、さらに再生ディスク11が搬送されると、図27(B)に示すように、右ストッパ390および左ストッパ400が、搬送される再生ディスク11により外方向へ付勢されて回動する。この後、右ストッパ390および左ストッパ400は、図28(A)に示すように、再生ディスク11全体がディスク装置100内部に搬送され、再生ディスク11がターンテーブル221に軸支される対応する位置となると、挿排検出部410が右ストッパ検出部413、左ストッパ検出部416にて、再生ディスク11全体が挿入されたことを検出する。そして、装置制御部は、再生ディスク11全体の挿入が検出されると、ゴムリング363の回転を停止させて搬送を終了させる。すなわち、光ディスク1Nは、ディスク保持機構320の右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400にて保持され、図25(B)に示すような状態となる。
【0083】
この後、装置制御部は、回動部材制御機構550の駆動により回動部材560を、図22に示す状態から図21さらに図20に示す状態まで回動させて、ディスク保持機構320を装着位置へ移動させる。この下方への移動過程で、ターンテーブル221の係止爪部は軸支部221Aの外周面から次第に後退する状態に移動されつつ、再生ディスク11の略中央に開口するディスク孔部1NAに、ターンテーブル221の軸支部221Aが次第に挿入する状態となる。そして、ディスク保持機構320が装着位置に到達すると、装置制御部は、退避制御機構420を駆動させ、図28(B)に示すように、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400を退避させる。これにより、再生ディスク11は、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400による保持が解除され、ターンテーブル221に装着される。この後、装置制御部は、回動部材560を図20に示す状態から図21、さらに図22に示す状態まで回動させて、図25(C)に示すように、ディスク保持機構320を挿排位置まで移動させるとともに、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400を再び回動させて待機位置へ移動させる。
【0084】
この図25(C)に示すディスク保持機構320が挿排位置に位置したことを装置制御部が認識すると、装置制御部は、ディスク処理部200を動作させ、再生ディスク11に記録された情報を読み取ったり、再生ディスク11に情報を記録させたりする。
【0085】
また、装置制御部は、利用者により交換ディスク12が挿入されると、上述した図26(A)、図26(B)、図27(A)、図27(B)、図28(A)に至る状態と同様にして、図25(D)に示すように、交換ディスク12を内部に搬送する。この交換ディスク12の搬送の際、上述したように、右ガイド330、左ガイド380が回動するので、装置制御部は、新たに光ディスク1Nが挿入されたと認識する。この認識により、装置制御部は、ディスク処理部200を制御して再生ディスク11を読取処理あるいは記録処理している場合には、処理を停止させる制御をする。この後、回動部材560を図22に示す状態から図23、さらに図24に示す状態まで回動させて、図25(E)に示すように、ディスク保持機構320を仮固定位置へ移動させる。そして、搬送制御部は、図25(F)に示すように、交換ディスク12を仮固定させるとともに、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400を再び図28(B)に示すような後退位置に退避させた後、図29(A)に示すように、ディスク保持機構320を装着位置へ移動させる。さらに、図29(B)に示すように、装置制御部は、退避制御機構420の制御により右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400の退避状態を解除させて待機位置方向へ回動させて再生ディスク11を保持させる。そして、図29(C)に示すように、再生ディスク11を保持しているディスク保持機構320を挿排位置へ移動させる。この後、上述したような処理と逆の処理を実施して、再生ディスク11を図29(B)に示す状態から図26(C)に示す状態まで移動させる。すなわち、装置制御部は、シャフト332などを駆動させてゴムリング363を右回りに回転させ、再生ディスク11を送り出すようにしてディスク挿通口111Aから排出させる。
【0086】
また、装置制御部は、図29(D)に示すように、利用者により再生ディスク11が引き抜かれて排出されたことを検出すると、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400を上述したように待避位置に退避させ、ディスク保持機構320を一旦装着位置まで移動させ、再び右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400を待機位置となる内方に移動させる処理をする。この場合、既に再生ディスク11は排出されていることから、再生ディスク11を保持できず、待機位置まで回動させることとなり、装置制御部は再生ディスク11が無いことを、特別な検出手段を用いることなく認識できる。この後、装置制御部は、再び右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400を待避位置に移動させ、ディスク保持機構320を仮固定位置まで移動させる。そして、図29(E)に示すように、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400などの退避状態を解除させ、仮固定部600で仮固定された交換ディスク12を保持させる。この後、装置制御部は、図29(F)に示すように、ディスク保持機構320を装着位置へ移動させてターンテーブル221へ装着し、ディスク保持機構320を挿排位置へ移動させて交換処理を終了、すなわち図25(C)に示す待機状態となる。この状態を装置制御部が認識し、ディスク処理部200を動作させ、交換ディスク12を再生ディスク11として、記録された情報を読み取ったり、再生ディスク11に情報を記録させたりする。なお、図29(D)に示す状態から図29(E)に示す状態に移動する際に、一旦装着位置まで移動させた後に仮固定位置へ移動させる場合に限らず、ターンテーブル221に再生ディスク11がないことを認識して、挿排位置から仮固定位置へ直接移動させてもよい。
【0087】
また、図25(C)に示す待機状態でイジェクトボタン111Bが操作されると、上述したように、装置制御部は、退避制御機構420を駆動させ、図28(B)に示すように、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400を退避させる。そして、装置制御部は、ディスク保持機構320を装着位置に移動させ、再び右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400を待機位置となる状態に移動させる。このことにより、再生ディスク11が図28(A)に示すようにディスク保持機構320に保持される。そして、装置制御部は、再生ディスク11を保持しつつディスク保持機構320を挿排位置に移動させる。そして、装置制御部は、シャフト332などを駆動させてゴムリング363を右回りに回転させ、再生ディスク11を送り出すようにしてディスク挿通口111Aから排出させる。
【0088】
〔ディスク装置の作用効果〕
上述したように、上記実施の形態では、平面に対して略直交する中心軸で回動可能にアーム部材331に軸支され、退避制御機構420で搬送経路上に進退する方向で移動される搬送基部350に、軸方向の一端側に同心軸上に一体的に歯車361が設けられ光ディスク1Nが搬送される平面方向の平面における直交方向に対して略5°傾斜する中心軸で回転可能にゴムリング363を軸支するとともに、ゴムリング363の軸方向の他端面に略対向する状態でかつゴムリング363の軸方向の他端面とにて搬送経路上を搬送される光ディスク1Nの周縁部を厚さ方向で挾持する押圧片373を設ける。さらに、歯車361に係合し歯車361を回転させる回転駆動力を作用させるローラ駆動ギア336を、搬送基部350の回動する中心軸に対して略平行、すなわち平面方向の平面に対して略直交する中心軸で回転可能にアーム部材331に軸支する。そして、歯車361およびローラ駆動ギア336の少なくともいずれか一方を、搬送基部350の回動により歯車361の中心軸およびローラ駆動ギア336の中心軸とのなす角度における変動する範囲の最大値をねじり角の差の最大値として設定した斜歯形状に形成している。
【0089】
このため、押圧片373とにて挾持して回転により搬送するゴムリング363を回転させる歯車361と、この歯車361にゴムリング363を回転させる回転駆動力を作用させるローラ駆動ギア336とが、互いの中心軸の関係が傾いていても噛合させて回転駆動力を伝達させることができるとともに、例えば中心軸がローラ駆動ギア336と略平行な中心軸で回転可能に軸支され、歯車361にゴムリング363と反対側に略軸方向となる略対向方向で端面側が係合するとともに周面がローラ駆動ギア336に係合する伝達ギアなどを設ける必要がなく、搬送手段340における厚さ寸法を薄くでき、構成が簡略化して小型化および製造性の向上、コストの低減などが容易に得られる。
【0090】
そして、例えばそれぞれを中心軸のなす角の0°〜5°の範囲に対応する角度範囲となる所定のねじり角で斜歯形状に形成することで、搬送基部350が回動して互いの中心軸のなす角度が0°〜5°の範囲で変化する位置関係となっても、互いに噛み合う斜歯の傾きのズレが絶対値で0°〜5°より小さい範囲となる。したがって、よりがたつきのない良好な噛み合い状態が得られ、光ディスク1Nの搬送経路上の位置に応じて搬送基部350が回動しても、良好な噛合状態による回転駆動力の良好な伝達が得られ、小型の構成による良好な搬送ができる。
【0091】
特に、それぞれの中心軸のなす角における搬送基部350の回動により変動する範囲である0°〜5°の最大値の1/2である2.5°で、それぞれ反対方向のねじり角の斜歯形状に形成して、互いのねじり角の差分が中心軸のなす角の最大値の5°となるように設定している。このため、ねじり角が最もずれる搬送基部350の回動状態により中心角のなす角の最小値および最大値で差分として2.5°ずれる状態となり、最もズレ角が少なく設定されることとなり、より良好な噛合状態が得られる。
【0092】
また、左ガイド380とにて光ディスク1Nを略径方向で保持しつつ搬送する右ガイド330の回動するアーム部材331の一端側に、搬送する光ディスク1Nの搬送に応じて光ディスク1Nの略中央に向けて隙間部Pが拡開する状態に回動可能に搬送手段340を設けている。このため、従来のいわゆるスロットイン方式における対をなすローラにて挾持する構成に比して、光ディスク1Nの搬送経路に進退可能で、光ディスク1Nの記録・再生処理時や光ディスク1Nの交換時に光ディスク1Nの外周縁におけるデッドスペースとなるケース体110の前側の角部に後退する構成が容易に得られ、ディスク装置100の小型化が容易に図れる構成とすることができる。すなわち、ディスク装置100の小型化のためにデッドスペースを有効利用した搬送手段340の構成で特に厚さ寸法の薄型化が図れ、よりディスク装置100の小型化が図れ、より好適である。さらに、光ディスク1Nがディスク挿通口111Aを介してケース体110内外へ搬入あるいは搬出する状態に平面方向に沿って搬送する構成がデッドスペースを利用できるので、光ディスク1Nをケース体110内で交換させるために光ディスク1Nに対して厚さ方向で相対的に搬送手段340が移動する状態が容易に得られ、特に好適である。
【0093】
そして、ディスク装置100の小型化のためにデッドスペースを有効利用した構成で光ディスク1Nを搬送するために搬送中に良好に挾持するために、隙間部Pが搬送中の光ディスク1Nの略中央に向けて拡開する状態に回動可能とする構成として、隙間部Pを構成する押圧片373の両側に略位置する状態で光ディスク1Nの周縁が当接可能に突出部372C,372Dを突設している。このため、簡単な構成で、デッドスペースを有効利用して良好に光ディスク1Nを搬送できる小型の搬送手段340の構成が容易に得られる。
【0094】
また、押圧片373として、隙間部Pの最も幅狭となる間隙寸法が光ディスク1Nの周縁における厚さ寸法より若干幅狭となる状態に湾曲する傾斜面373Aを設けている。このため、単に押圧片373をゴムリング363に略対向する状態で、隙間部Pが搬送経路に向けて拡開し搬送する光ディスク1Nがゴムリング363とにて挾持できる状態が得られ、この挾持によりゴムリング363の回転により光ディスク1Nを左ガイド380とにて送り出す構成が容易に得られる。
【0095】
さらに、ゴムリング363の中心に対してこのゴムリング363の上面との隙間部の間隙寸法が狭くなる位置で光ディスク1Nの周縁部を挾持する状態に押圧片373を突設している。このため、回転するゴムリング363の端面で搬送させるためにゴムリング363の端面とにて挾持する構成が容易に得られるとともに、ゴムリング363の中心に対して略半周分で略対向する状態に突設するのみでよく、より容易に小型化できる。
【0096】
また、ゴムリング363の端面と押圧片373とにて光ディスク1Nを挾持する方向に略沿って、ゴムリング363の端面と押圧片373とが近接する方向に付勢力を作用させる押圧ばね374を設けている。このため、搬送する光ディスク1Nの厚さ寸法に寸法公差などのばらつきがあっても、押圧ばね374の付勢力にてゴムリング363の端面と押圧片373とにて確実に挾持でき、確実に光ディスク1Nを搬送できる。特に、押圧ばね374を利用する簡単な構成であることから、確実に光ディスク1Nを挾持できる構成が容易に得られる。
【0097】
さらに、ゴムリング363を軟質部材にて形成している。このため、光ディスク1Nの厚さ寸法に多少のばらつきがあっても軟質部材の弾性変形により確実に挾持できるとともに、特に光ディスク1Nの記録面を傷付けるなどを生じることなく、良好に搬送できる。さらには、隙間部Pが拡開する状態に設けられ、光ディスク1Nの周縁部を挾持して搬送する構成であることから、より記録面やレーベル面などを傷付けるなどの不都合を防止できる。また、ゴムリング363側を記録面側として搬送させる構成としている。このため、搬送のために挾持する構成として光ディスク1Nの周縁が摺接する押圧片373を設ければよく、対をなす回転体にて挾持する必要がなく、より構成の簡略化ができるとともに、回転体として軟質部材を設けることも容易にでき、記録面の傷付き防止が容易にできる。
【0098】
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
【0099】
すなわち、上述したように、ディスク装置100に適用する構成に限らず、例えば鋼板など、略中央に孔部を有したディスク状の形態およびディスク状のものを収容したいずれのディスク状物を着脱可能に保持する保持装置として利用でき、加熱や冷却などの処理装置で保持する構成、鋼板を加工するなどの処理装置で保持する構成などにも適用できる。また、ディスク装置100に一体に組み込んだ構成に限らず、別体としてもよい。また、ディスク装置として、光ディスク1Nを交換するディスクチェンジャ機構を有しない構成、さらにはアーム部材331の回動により搬送手段340を搬送経路に進退させる構成に限らず、シャフトに軸方向に沿って移動可能に配設して搬送経路に進退させる構成など、いずれの構成でも適用できる。また、右ガイド330側のみ搬送手段340を設けたが左ガイド380にも設けてもよい。このような構成によれば、光ディスク1Nの搬送速度が向上し、光ディスク1Nの迅速の搬送ができる。さらに、右ガイド330には設けず、反対側の左ガイド380側に設けてもよい。また、左ガイド380をアーム部材341を備えた構成としたが、ガイドレール状に搬送方向に沿ってケース体110内に配設した固定型の構成としてもよい。
【0100】
さらに、ディスク装置100として、トレイ方式やスロットイン方式のように、平面方向で搬送される光ディスク1Nを保持する際、いわゆるトラバースメカであるディスク処理部200を搬送経路上に軸支部611が進出する状態に移動させ、搬送する際には搬送経路から軸支部611が後退する状態にディスク処理部200を移動させる構成、例えば昇降制御機構500にてディスク処理部200を移動させる構成とするなどしてもよい。このような構成でも、デッドスペースを有効利用して進退させる構成が容易に得られ、ディスク装置100の小型化が容易にできる。さらに、車両に搭載されるディスク装置100に限らず、パーソナルコンピュータに装着される構成、音響機器や録画装置などの家電製品などに装着される構成などにも適用できる。
【0101】
そして、搬送する光ディスク1Nをゴムリング363の端面として挾持する構成として、ゴムリング363が搬送時に光ディスク1Nと当接する側から突設した押圧片373に限らず、いずれの挾持させる構成が適用できる。さらに、傾斜面373Aを設けず、単にゴムリング363を傾斜する状態に設けてもよい。なお、傾斜面373Aが傾斜する状態としたため、光ディスク1Nのレーベル面側でも周縁部が押圧片373に摺接する状態となり、簡単な構成でレーベル面の傷付きも防止できる。
【0102】
また、歯車361およびローラ駆動ギア336のねじり角を、それぞれ反対方向に、搬送手段340の回動により互いの中心軸のなす角が変動する範囲の最大値の1/2で斜歯状に形成したが、1/2に限らず、少なくともいずれか一方が中心軸のなす角度の最大値が最大値となる状態、すなわち差分で5°となる状態に0°〜5°の範囲でそれぞれ適宜反対方向に設定すればよい。さらに、歯車361の中心軸の傾きが上述したように5°としても、例えば搬送手段340の回動範囲で変動する互いの中心軸とのなす角が最大値で5゜にならない場合には、その回動範囲における変動する中心軸のなす角の最大値で最大となるようにねじり角を設定すればよい。
【0103】
さらに、搬送中の光ディスク1Nの略中心に向けて隙間部Pが拡開する状態に搬送基部350を回動可能に軸支して説明したが、例えば突出部372C,372Dの形状が異なるなどにより、光ディスク1Nの略中心からずれた位置に向けて隙間部Pが拡開する状態としてもよい。また、隙間部Pに良好に挾持させるために搬送手段340を光ディスク1Nの搬送にしたがって回動させる構成として、突出部372C,372Dに限らず、光ディスク1Nの周縁に当接可能ないずれの形状が適用できる。なお、上述したように、隙間部Pの両側に略対称的に突設した突出部372C,372Dにより、簡単な構成で確実に挾持できる状態に回動させる構成が容易に得られる。
【0104】
そして、隙間部Pの最も幅狭となる間隙寸法が光ディスク1Nの周縁の厚さ寸法より常時幅狭となる状態とする構成に限らず、例えば挾持する際に幅狭となるように挾持する構成とするなどしてもよい。さらに、押圧ばね374により挾持する方向に付勢力を作用させて説明したが、コイルばねなどの構成に限らず、弾性変形による復元力により付勢力を作用させるいずれの構成が適用できる。また、圧縮に対する復元力を付勢力として作用させる構成で説明したが、例えば引張力を付勢力として作用させる構成などとしてもよい。さらに、付勢力を作用させる構成を設けず、単に軟質部材にて寸法公差を吸収する構成とするなどしてもよい。
【0105】
また、ゴムリング363として端面全面が軟質部材となる構成としたが、例えば光ディスク1Nの周縁部を挾持する外周部分のみ軟質部材を設けるなど、少なくとも挾持する一部分に軟質部材を設ければよい。
【0106】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
【0107】
〔実施の形態の効果〕
上述したように、平面に対して略直交する中心軸で回動可能にアーム部材331に軸支され、退避制御機構420で搬送経路上に進退する方向で移動される搬送基部350に、軸方向の一端側に位置し同心軸となる歯車361が設けられ光ディスク1Nが搬送される搬送経路を含む平面に対して交差する中心軸で回転可能にゴムリング363を軸支するとともに、ゴムリング363の軸方向の他端面に略対向する状態でかつゴムリング363の軸方向の他端面とにて搬送経路上を搬送される光ディスク1Nの周縁部を厚さ方向で挾持する押圧片373を設ける。さらに、歯車361に係合し歯車361を回転させる回転駆動力を作用させるローラ駆動ギア336を、搬送基部350の回動する中心軸に対して略平行な中心軸で回転可能にアーム部材331に軸支する。そして、歯車361およびローラ駆動ギア336の少なくともいずれか一方を、搬送基部350の回動により歯車361の中心軸およびローラ駆動ギア336の中心軸とのなす角度における変動する範囲の最大値をねじり角の差の最大値として設定した斜歯形状に形成する。このため、押圧片373とにて挾持して回転により搬送するゴムリング363を回転させる歯車361と、この歯車361にゴムリング363を回転させる回転駆動力を作用させるローラ駆動ギア336とが、互いの中心軸の関係が傾いていても噛合させて回転駆動力を伝達させることができるとともに、例えば中心軸がローラ駆動ギア336と略平行な中心軸で回転可能に軸支され、歯車361にゴムリング363と反対側に略軸方向となる略対向方向で端面側が係合するとともに周面がローラ駆動ギア336に係合する伝達ギアなどを設ける必要がなく、搬送手段340における厚さ寸法を薄くでき、構成を簡略化でき、例えば互いに反対方向で傾斜するねじり角の斜歯形状としてよりがたつきのない良好な噛み合い状態とすることも容易に得られ、簡単な構成で良好に搬送でき、小型化が容易に図れる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の一実施の形態に係るディスク装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】前記一実施の形態におけるディスク装置内部の概略構成を示す平面図である。
【図3】前記一実施の形態におけるディスク保持機構および退避制御機構の概略構成を示す平面図である。
【図4】前記一実施の形態における搬送手段の概略構成を示す部分断面図である。
【図5】前記一実施の形態における搬送基部の概略構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図6】前記一実施の形態における押圧手段の概略構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図7】前記一実施の形態におけるローラ駆動ギアと歯車とが中心軸のなす角で5°となる噛合状態を示す平面図である。
【図8】前記一実施の形態におけるローラ駆動ギアと歯車とが中心軸のなす角で5°となる噛合状態を示す側面図である。
【図9】前記一実施の形態におけるローラ駆動ギアと歯車とが中心軸のなす角で0°となる噛合状態を示す平面図である。
【図10】前記一実施の形態におけるローラ駆動ギアと歯車とが中心軸のなす角で0°となる噛合状態を示す側面図である。
【図11】前記一実施の形態における搬送手段がアーム部材に対して所定角度で回動した状態でのローラ駆動ギアと歯車との噛合状態を示す平面図である。
【図12】前記一実施の形態における搬送手段がアーム部材に対して所定角度で回動した状態でのローラ駆動ギアと歯車との噛合状態を示す側面図である。
【図13】前記一実施の形態における下側筐体の左側板部近傍の概略構成を示す断面図である。
【図14】前記一実施の形態における下側筐体の底面図である。
【図15】前記一実施の形態における仮固定部が配設された上側筐体の底面図である。
【図16】前記一実施の形態における保持位置の状態での軸支手段を示す一部を切り欠いた平面図である。
【図17】前記一実施の形態における保持位置の状態での仮固定部を示す断面図である。
【図18】前記一実施の形態における解除位置の状態での軸支手段を示す一部を切り欠いた平面図である。
【図19】前記一実施の形態における解除位置の状態での仮固定部を示す一部を切り欠いた断面図である。
【図20】前記一実施の形態におけるディスク保持機構が装着位置に到達している際の昇降制御機構の状態を示す平面図である。
【図21】前記一実施の形態におけるディスク保持機構が挿排位置に到達している際の昇降制御機構の状態を示す平面図である。
【図22】前記一実施の形態におけるディスク保持機構が挿排位置に到達している際の昇降制御機構の状態を示す平面図である。
【図23】前記一実施の形態におけるディスク保持機構が挿排位置に到達している際の昇降制御機構の状態を示す平面図である。
【図24】前記一実施の形態におけるディスク保持機構が仮固定位置に到達している際の昇降制御機構の状態を示す平面図である。
【図25】前記一実施の形態における光ディスクの交換動作を示す模式図であり、(A)は再生ディスクの挿入待機状態、(B)は再生ディスクを保持した状態、(C)は交換ディスクの挿入待機状態、(D)は交換ディスクを保持した状態、(E)は交換ディスクを仮固定位置に移動させた状態、(F)は交換ディスクを仮固定した状態を示す。
【図26】前記一実施の形態における光ディスクの搬送動作を示す模式図であり、(A)は光ディスクの挿入待機状態、(B)は光ディスクの挿入が開始された状態を示す。
【図27】前記一実施の形態における光ディスクの搬送動作を示す模式図であり、(A)は右ガイドおよび左ガイドが光ディスクにより回動された状態、(B)は右ストッパおよび左ストッパが光ディスクにより回動された状態を示す。
【図28】前記一実施の形態における光ディスクの搬送動作を示す模式図であり、(A)は光ディスクの搬送完了状態、(B)は右ガイド、左ガイド、右ストッパ、左ストッパの退避状態を示す。
【図29】前記一実施の形態における光ディスクの交換動作を示す模式図であり、(A)はディスク保持機構を装着位置に移動させた状態、(B)は再生ディスクを保持した状態、(C)は再生ディスクを挿排位置に移動させた状態、(D)は再生ディスクが排出された状態、(E)は交換ディスクを保持した状態、(F)は交換ディスクを装着した状態を示す。
【符号の説明】
【0109】
1N……被搬送物としてのディスク状記録媒体である光ディスク
11……被搬送物としてのディスク状記録媒体である光ディスク(再生ディスク)
12……被搬送物としてのディスク状記録媒体である光ディスク(交換ディスク)
100……処理装置としてのディスク装置
110……筐体としてのケース体
111A…挿排口としてのディスク挿通口
200……処理手段としてのディスク処理部
240……処理手段としても機能し得る情報処理部
330……搬送装置としての右ガイド
331……移動手段を構成するアーム部材
336……駆動ギアとしてのローラ駆動ギア
361……歯車
363……回転体としての軟質部材であるゴムリング
373……挾持部としての押圧片
374……付勢手段としての押圧ばね
420……移動手段を構成する退避制御機構
P……挾持間隙としての隙間部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被搬送物を搬送する搬送装置であって、
ベース部材と、
前記被搬送物が搬送される搬送方向に対して交差する中心軸で回転可能に前記ベース部材に軸支される回転体と、
前記回転体の軸方向の一端側に位置し、前記回転体と同心軸となる歯車と、
前記回転体の軸方向の他端面に略対向する状態で前記ベース部材に設けられ、前記回転体の他端面とで前記被搬送物を挾持する挾持部と、
搬送経路を含む平面に対して略直交する中心軸で前記ベース部材を回転可能に軸支するとともに、前記搬送経路上の被搬送物を前記回転体と挾持部とで挾持する状態で、前記ベース部材を前記搬送経路に対して進退させる移動手段と、
前記歯車に対して略水平方向に配置され、前記歯車に係合して前記回転体を回転させる回転駆動力を作用させる駆動ギアと、
を具備したことを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送装置であって、
前記駆動ギアは、前記ベース部材の回転する中心軸に対して略平行な中心軸で回転可能に軸支され、
前記歯車および前記駆動ギアの少なくともいずれか一方は、斜歯形状に形成されている
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項3】
請求項2に記載の搬送装置であって、
前記ベース部材の回転により変動する前記歯車の中心軸および前記駆動ギアの中心軸とのなす角の最大値をねじり角の差の最大値としている
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項4】
請求項3に記載の搬送装置であって、
前記被搬送物を搬送する際に前記ベース部材が回転する角度範囲で前記歯車の中心軸および前記駆動ギアの中心軸とのなす角度の最大値を前記ねじり角の最大値としている
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の搬送装置であって、
前記歯車および前記駆動ギアのそれぞれは、それぞれ反対方向のねじり角が設定された斜歯形状に形成され、それぞれ前記ベース部材の回転により変動する前記歯車の中心軸および前記駆動ギアの中心軸とのなす角度の最大値の略1/2の角度を前記ねじり角としている
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の搬送装置であって、
前記挾持部は、前記搬送経路上の被搬送物が挿入されて前記回転体の他端面とで挾持する挾持間隙を介して前記回転体の他端面に略対向し、かつ前記挾持間隙が前記搬送経路に向けて拡開する状態に設けられ、
前記ベース部材は、前記搬送経路上を搬送される前記被搬送物の略中央に向けて前記挾持間隙が拡開する状態に前記被搬送物の搬送に応じて回転可能に前記移動手段に軸支された
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項7】
請求項6に記載の搬送装置であって、
前記挾持間隙が拡開する方向に対して前記挾持間隙の両側に略位置し前記搬送される被搬送物の周縁に当接可能に前記ベース部材に設けられた接触部を具備した
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の搬送装置であって、
前記挾持部は、前記挾持間隙の最も幅狭となる間隙寸法が前記被搬送物の周縁における厚さ寸法より幅狭となる状態に設けられた
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項9】
請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の搬送装置であって、
前記挾持部は、前記回転体の中心に対して前記回転体の他端面との前記挾持間隙の間隙寸法が狭くなる位置で前記被搬送物の周縁部を挾持する状態に設けられた
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の搬送装置であって、
前記回転体と前記挾持部とにて前記被搬送物を挾持する方向に略沿って前記回転体の一端面と前記挾持部とが近接する方向に付勢力を作用させる付勢手段を具備した
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の搬送装置であって、
前記被搬送物は、ディスク状記録媒体であり、
前記回転体は、少なくとも一端面に軟質部材を有した
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項12】
略平板状の被搬送物が挿排される挿排口を有した筐体と、
この筐体内に設けられ前記被搬送物を保持するとともに前記被搬送物を処理する処理手段と、
前記筐体内に設けられ、前記被搬送物を前記挿排口と前記処理手段にて保持する保持位置との間で搬送する請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の搬送装置と、
を具備したことを特徴とする処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2006−344318(P2006−344318A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−170034(P2005−170034)
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(591224825)株式会社ゼロエンジニアリング (22)
【Fターム(参考)】