搬送装置
【課題】可変速コンベヤに停止・起動の衝撃がかからない搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送装置1は、搬入可変速コンベヤ2、可変速コンベヤ3、定速コンベヤ4およびこれらコンベヤ2,3,4を制御可能な制御手段21を備える。制御手段21は、第1変速後目標速度を計算し、この目標速度への変速時間間の先行の搬送物の進行距離を可変速コンベヤ3が変速前速度のままとして計算する。制御手段21は、その進行距離を考慮して第1変速後目標速度への変速完了時の先後両搬送物間の仮想隙間を計算し、この仮想隙間を考慮して第2変速後目標速度を計算する。制御手段21は、第2変速後目標速度と第1変速後目標速度との一致性の有無を判断し、一致性有りと判断した場合には第2変速後目標速度を最終変速後目標速度として計算を終了する。
【解決手段】搬送装置1は、搬入可変速コンベヤ2、可変速コンベヤ3、定速コンベヤ4およびこれらコンベヤ2,3,4を制御可能な制御手段21を備える。制御手段21は、第1変速後目標速度を計算し、この目標速度への変速時間間の先行の搬送物の進行距離を可変速コンベヤ3が変速前速度のままとして計算する。制御手段21は、その進行距離を考慮して第1変速後目標速度への変速完了時の先後両搬送物間の仮想隙間を計算し、この仮想隙間を考慮して第2変速後目標速度を計算する。制御手段21は、第2変速後目標速度と第1変速後目標速度との一致性の有無を判断し、一致性有りと判断した場合には第2変速後目標速度を最終変速後目標速度として計算を終了する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先行の搬送物の先端と後続の搬送物の先端との距離を目標ピッチにする搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載された搬送装置が知られている。
【0003】
この従来の搬送装置は、2段階の間隔制御によって、先行の搬送物の後端と後続の搬送物の先端との間隔を一定間隙に設定するものである。そして、この搬送装置は、搬送物を搬入する搬入搬送手段と、この搬入搬送手段により搬入された搬送物を所定の間隔に設定する間隔設定搬送手段と、この間隔設定搬送手段により設定された搬送物の間隔を一定に保持して搬送する間隔保持搬送手段と、搬入搬送手段および間隔設定搬送手段の速度差に基づき搬送物間の間隔を所定距離に設定すべく搬入搬送手段の速度を制御する搬入搬送制御手段と、間隔設定搬送手段上の搬送物間の距離を検出する間隔設定搬送上距離検出手段と、この間隔設定搬送上距離検出手段で検出された搬送物間の距離に基づき間隔設定搬送手段の速度を制御する間隔設定搬送制御手段とを具備している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−127659号公報(図1等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の搬送装置では、例えば2段目実測間隔が小さい場合には、間隔設定搬送手段が一時停止動作となるため、間隔設定搬送手段に停止・起動の衝撃がかかるという問題がある。また、例えば2段目実測間隔が小さすぎる場合には、一時停止動作中に下流側の間隔保持搬送手段へ搬送物が乗り移ってしまうこともあり、制御できる最小隙間の制約も存在していた。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、可変速コンベヤに停止・起動の衝撃がかかる不具合を防止できかつ制御可能な範囲を拡大することができる搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の搬送装置は、複数の搬送物を搬送方向に搬送しながら、先行の搬送物の先端と後続の搬送物の先端との距離を目標ピッチにする搬送装置であって、搬入可変速コンベヤと、この搬入可変速コンベヤの下流に位置し、前記搬入可変速コンベヤの速度よりも速い速度で駆動する可変速コンベヤと、この可変速コンベヤの下流に位置し、一定速度で駆動する定速コンベヤと、少なくとも前記搬入可変速コンベヤの速度および前記可変速コンベヤの速度を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、先行の搬送物の搬送方向長さ、後続の搬送物の搬送方向長さ、前記可変速コンベヤ上の先後の両搬送物間の隙間、目標ピッチ、および前記定速コンベヤの一定速度に基づいて、前記可変速コンベヤの第1変速後目標速度を計算し、この計算した第1変速後目標速度への変速時間間の先行の搬送物の進行距離を、この先行の搬送物が変速前速度の前記可変速コンベヤにて搬送されるとして計算し、この計算した先行の搬送物の進行距離を考慮して前記第1変速後目標速度への変速完了時における先後の両搬送物間の仮想隙間を計算し、この計算した先後の両搬送物間の仮想隙間を考慮して前記可変速コンベヤの第2変速後目標速度を計算し、この計算した第2変速後目標速度と前記第1変速後目標速度との一致性の有無を判断し、一致性有りと判断した場合には前記第2変速後目標速度を最終変速後目標速度として計算を終了し、前記可変速コンベヤの速度が前記最終変速後目標速度になるように、先行の搬送物の所定位置が変速影響点に到着した時に前記可変速コンベヤの変速を開始するものである。
【0008】
請求項2記載の搬送装置は、請求項1記載の搬送装置において、先行の搬送物の所定位置が変速影響点に到着した時とは、先行の搬送物の搬送方向前側半分が定速コンベヤ上に乗り移った時であるものである。
【0009】
請求項3記載の搬送装置は、請求項1または2記載の搬送装置において、可変速コンベヤ上の搬送物を検知する検知手段を備えるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、一時停止動作で可変速コンベヤに停止・起動の衝撃がかかる不具合を防止しつつ制御可能な範囲を拡大することができ、よって、先行の搬送物の先端と後続の搬送物の先端との距離を適切に目標ピッチにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施の形態に係る搬送装置の概略構成図である。
【図2】同上搬送装置による制御方法を説明するための図である。
【図3】同上搬送装置による制御方法を示すフローチャートである。
【図4】切り離しの公式を示す図である。
【図5】加減速度の再計算式を示す図である。
【図6】同上搬送装置上の搬送物(小)の搬送状況を示す図である。
【図7】図6に続く搬送物(小)の搬送状況を示す図である。
【図8】同上搬送装置上の搬送物(大)の搬送状況を示す図である。
【図9】図8に続く搬送物(大)の搬送状況を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施の形態に係る搬送装置について図面を参照して説明する。
【0013】
図1において、1は搬送装置で、この搬送装置1は、複数の搬送物Wを搬送方向に搬送しながら、先行の搬送物Wの先端と後続の搬送物Wの先端との距離を目標ピッチにするものである。搬送装置1は、例えばベルト式のソータや他の高能力ソータ等の仕分け装置(図示せず)の上流に設置される。
【0014】
搬送装置1は、図1に示されるように、搬送物Wを搬入して搬送方向に搬送する搬入可変速コンベヤ2と、搬入可変速コンベヤ2の下流に位置し搬入可変速コンベヤ2の速度V0よりも速い速度V1で駆動し搬送物Wを搬送方向に搬送する可変速コンベヤ3と、可変速コンベヤ3の下流に位置し可変速コンベヤ3の速度V1よりも速い一定速度V2で駆動し搬送物Wを搬送方向にする定速コンベヤ4とを備えている。つまり、搬送装置1は、互いに隣接して搬送方向に並ぶ3つのコンベヤ2,3,4を備えている。
【0015】
可変する速度V1は、可変する速度V0よりも常に速く(V1>V0)、これらV1とV0との速度比は常に一定である。なお、V1とV0との速度比が一定でない構成でもよい。また、可変しない一定速度V2は、可変する速度V1よりも常に速い(V2>V1)。そして、これらコンベヤ2,3,4の速度差によって、互いに隣接していた搬送物Wが搬送途中で切り離されて、先行の搬送物Wの先端と後続の搬送物Wの先端との距離が一定の目標ピッチ(予め設定された設定目標ピッチ)に設定される。
【0016】
搬入可変速コンベヤ2は、搬送物Wを上面の搬送面2aに載せて搬送する無端状の搬送ベルト6と、この搬送ベルト6が掛け渡された駆動ローラ7および従動ローラ8と、駆動ローラ7を回転させる駆動手段であるモータ(サーボモータ)9とを有している。
【0017】
可変速コンベヤ3は、搬送物Wを上面の搬送面3aに載せて搬送する無端状の搬送ベルト11と、この搬送ベルト11が掛け渡された駆動ローラ12および従動ローラ13と、駆動ローラ12を回転させる駆動手段であるモータ(サーボモータ)14と、このモータ14に設けられモータ出力軸の回転角等を検知するコンベヤ移動距離検知用のエンコーダ15とを有している。
【0018】
定速コンベヤ4は、搬送物Wを上面の搬送面4aに載せて搬送する無端状の搬送ベルト16と、この搬送ベルト16が掛け渡された駆動ローラ17および従動ローラ18と、駆動ローラ17を回転させる駆動手段であるモータ19とを有している。
【0019】
また、搬送装置1は、少なくとも搬入可変速コンベヤ2の速度V0および可変速コンベヤ3の速度V1を制御する制御手段21と、可変速コンベヤ3の上流側に配設され可変速コンベヤ3上に位置する搬送物Wを検知する検知手段22と、定速コンベヤ4の上流端部(変速影響点)に配設され可変速コンベヤ3と定速コンベヤ4とに跨って位置する搬送物Wを検知する変速影響点検知手段23とを備えている。
【0020】
制御手段21には、搬入可変速コンベヤ2のモータ9と、可変速コンベヤ3のモータ14およびエンコーダ15と、定速コンベヤ4のモータ19と、検知手段22と、変速影響点検知手段23とがそれぞれ電気的に接続されている。
【0021】
検知手段22および変速影響点検知手段23は、いずれも例えば搬送物Wの通過でオンオフする光学系のセンサ(荷検知用PH)である。
【0022】
次に、搬送装置1の動作等を説明する。
【0023】
図2および図3に示すように、搬送装置1の制御手段21は、まず、検知手段22の検知に基づき、先行の搬送物Wの搬送方向長さLnを把握して、δn-1、Pn-1_実際、Pn-1_目標を算出し(ステップ1)、また、後続の搬送物Wの搬送方向長さLn+1を把握し、δn、Pn_実際、Pn_目標を算出する(ステップ2)。
【0024】
なお、δnは、計測された先行の搬送物Wの後端と後続の搬送物Wの先端との距離、つまり可変速コンベヤ3上の先後の両搬送物W間の隙間(計測隙間)である。Pn_実際は、計測された先行の搬送物Wの先端と後続の搬送物Wの先端との距離(実際ピッチ)である。Pn_目標は、次工程の仕分け装置での要求能力等により求められる目標とする、先行の搬送物Wの先端と後続の搬送物Wの先端との距離(目標ピッチ)である。
【0025】
次いで、制御手段21は、Pn_実際<Pn_目標である場合には可変速コンベヤ3の第1変速後目標速度V1n(1)を次の式(1)により計算し、Pn_実際≧Pn_目標である場合にはV1n(1)の計算を行わずに現状速度V1n-1(last)を最終変速後目標速度V1n(last)とする(ステップ3)。
【0026】
【数1】
【0027】
次いで、制御手段21は、可変速コンベヤ3の加減速度αn=9.8MaxGを設定する(ステップ4)。αnは通常の加減速度制限値であり、MaxGは経験則から決定される係数である。
【0028】
次いで、制御手段21は、可変速コンベヤ3の変速中における後続の搬送物Wの進行可能距離SSn+1を次の式(2)により計算する(ステップ5)。つまり、可変速コンベヤ3の速度を変速制御するとして、その変速中に先行の搬送物Wが可変速コンベヤ(低速側コンベヤ)3の変速に影響されず、かつ、後続の搬送物Wが下流の定速コンベヤ(高速側コンベヤ)4の影響を全く受けない範囲内において可変速コンベヤ3上で進行可能な距離SSn+1を次の式(2)により計算する。なお、可変速コンベヤ3の変速は、先行の搬送物Wの重心位置(搬送物Wの搬送方向中央位置)が予め設定された一定の変速影響点(変速影響位置)に到着した時点で開始するものとする。
【0029】
【数2】
【0030】
次いで、制御手段21は、V1n-1(last)→V1n(1)への変速時間T1n、つまり、可変速コンベヤ3の現状速度V1n-1(last)から第1変速後目標速度V1n(1)への変速に要する時間T1nを次の式(3)により計算する(ステップ6)。
【0031】
【数3】
【0032】
次いで、制御手段21は、可変速コンベヤ3上における変速時間T1n間の後続の搬送物Wの進行距離Sn+1を次の式(4)により計算する(ステップ7)。
【0033】
【数4】
【0034】
次いで、制御手段21は、加減速度を後続の搬送物Wが乗移り開始前に変速完了するように再計算する(ステップ8)。つまり、可変速コンベヤ3の変速中に後続の搬送物Wが下流の定速コンベヤ4の影響を受けてしまう場合(後続の搬送物Wの先端が変速影響点に到着してしまう場合)には、そうならない加減速度αnを次の式(5)により再計算する。
【0035】
【数5】
【0036】
次いで、制御手段21は、再計算した加減速度αnを考慮して、V1n-1(last)→V1n(1)への変速時間T1nを前記式(3)により再計算する(ステップ9)。
【0037】
次いで、制御手段21は、再計算した変速時間T1n間の後続の搬送物Wの進行距離Sn+1を前記式(4)により再計算する(ステップ10)。
【0038】
次に、制御手段21は、変速時間T1n間の先行の搬送物Wの進行距離Snを、この先行の搬送物Wが変速前速度V1n-1(last)の可変速コンベヤ3にて搬送されるとして、次の式(6)により計算する(ステップ11)。
【0039】
つまり、可変速コンベヤ3の変速間の先行の搬送物Wの進行距離Snを可変速コンベヤ3の速度が変速前速度のままであると仮定して計算する。実際には先行の搬送物Wの所定位置(例えば搬送方向中央位置、重心位置)が定速コンベヤ4の変速影響点に到達しているので、先行の搬送物Wは、可変速コンベヤ3よりも高速の定速コンベヤ4の速度へ移行中(移行状態は不明)の状態であるが、速度差による切り離しにおいて、切り離し前後の状態は切り離し前の速度と切り離し完了後の速度のみによって支配されるため、上記の仮定を置くことができる。
【0040】
【数6】
【0041】
次いで、制御手段21は、先行の搬送物Wの進行距離Snを考慮して、現状速度V1n-1(last)から第1変速後目標速度V1n(1)への変速完了時における可変速コンベヤ3上の先後の両搬送物W間の仮想隙間δn_tmpを次の式(7)により計算する(ステップ12)。
【0042】
【数7】
【0043】
次いで、制御手段21は、先後の両搬送物W間の仮想隙間δn_tmpを考慮して、可変速コンベヤ3の第2変速後目標速度V1n(2)を次の式(8)により計算する(ステップ13)。
【0044】
【数8】
【0045】
次いで、制御手段21は、第1変速後目標速度V1n(1)と第2変速後目標速度V1n(2)との一致性の有無を判断し、一致性有りと判断した場合には、第2変速後目標速度V1n(2)を最終変速後目標速度V1n(last)として速度計算を終了する(ステップ14)。また、一致性無しと判断した場合には、前記ステップ5に戻った後、第2変速後目標速度V1n(2)を第1変速後目標速度V1n(1)と置き直して再計算(再度ループ計算)を実行する。
【0046】
つまり、仮想隙間δn_tmpより逆算されたV1n(2)が前段で計算されたV1n(1)±許容範囲[%]外であればV1n(2)を前段で計算されたV1n(1)と置き直して再計算を実行し、また、仮想隙間δn_tmpより逆算されたV1n(2)が前段で計算されたV1n(1)±許容範囲[%]以内であればV1n(2)をV1n(last)として計算を終了する。すなわち、制御手段21は、ループ計算の収束値を最終目標速度とする。
【0047】
次いで、制御手段21は、可変速コンベヤ3の速度が最終変速後目標速度V1n(last)になるように、先行の搬送物Wの所定位置が変速影響点に到着した時に、可変速コンベヤ3の変速を開始する(ステップ15)。この際、制御手段21は、エンコーダ15および変速影響点検知手段23の検知に基づき、先行の搬送物Wの所定位置が変速影響点に到着したことを把握する。
【0048】
ここでいう先行の搬送物Wの所定位置が変速影響点に到着した時とは、例えば先行の搬送物Wの搬送方向中央位置である重心位置が変速影響点に到着し、先行の搬送物Wの一部である搬送方向前側半分が定速コンベヤ4の搬送面4a上に乗り移った時である(図2参照)。
【0049】
なお、例えば搬送物Wの重心位置が搬送方向中央位置からずれている場合には、その重心位置が変速影響点に到着した時であってもよい。
【0050】
このように、制御手段21は、可変速コンベヤ3の速度V1が最終変速後目標速度V1n(last)になるように可変速コンベヤ3のモータ14の制御を開始し、また同時に、搬入可変速コンベヤ2の速度V0がV1/V0=一定となるように搬入可変速コンベヤ2のモータ9の制御を開始する。
【0051】
そして、このような制御手段21によるインダクション制御方式の速度決定方法によって、例えば比較的小さい搬送物Wに関して、先行の搬送物(小)Wである先ワークWの先端と後続の搬送物(小)Wである後ワークWの先端との距離が目標ピッチになる場合の搬送状況を図6(a)〜(c)および図7(d)〜(h)に示す。
【0052】
また、制御手段21によるインダクション制御方式の速度決定方法によって、例えば比較的大きな搬送物Wに関して、先行の搬送物(大)Wである先ワークWの先端と後続の搬送物(大)Wである後ワークWの先端との距離が目標ピッチになる場合の搬送状況を図8(a)〜(c)および図9(d)〜(h)に示す。なお、図示しないが、大きさが異なる搬送物Wが混在する場合であっても、先後の搬送物Wの先端間距離を所望の目標ピッチにすることが可能である。
【0053】
そして、このような搬送装置1によれば、可変速コンベヤ3上での先後の両搬送物W間の隙間が小さくても、可変速コンベヤ3が完全に停止しないため、一時停止動作で可変速コンベヤ3に停止・起動の衝撃がかかる不具合を防止しつつ、先行の搬送物Wの先端と後続の搬送物Wの先端との距離を適切に目標ピッチにすることができる。
【0054】
また、先後の両搬送物W間の隙間の下限値が拡大、つまり計測可能な最小隙間が制御可能な最小隙間となったため、制御可能な範囲を拡大することができ、先行の搬送物Wの先端と後続の搬送物Wの先端との距離をより一層適切に目標ピッチにすることができる。
【0055】
さらに、制御手段21がループ計算の収束値を最終目標速度とするため、必要以上の隙間拡大を防止することができる。
【0056】
なお、上記実施の形態では、変速影響点検知手段23が変速影響点、つまり、側面視で円筒状の従動ローラ18の回転中心線の真上の位置に設けられた構成について説明したが、エンコーダ15を設ければ、変速影響点検知手段23を設けない構成でもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 搬送装置
2 搬入可変速コンベヤ
3 可変速コンベヤ
4 定速コンベヤ
21 制御手段
22 検知手段
W 搬送物
【技術分野】
【0001】
本発明は、先行の搬送物の先端と後続の搬送物の先端との距離を目標ピッチにする搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載された搬送装置が知られている。
【0003】
この従来の搬送装置は、2段階の間隔制御によって、先行の搬送物の後端と後続の搬送物の先端との間隔を一定間隙に設定するものである。そして、この搬送装置は、搬送物を搬入する搬入搬送手段と、この搬入搬送手段により搬入された搬送物を所定の間隔に設定する間隔設定搬送手段と、この間隔設定搬送手段により設定された搬送物の間隔を一定に保持して搬送する間隔保持搬送手段と、搬入搬送手段および間隔設定搬送手段の速度差に基づき搬送物間の間隔を所定距離に設定すべく搬入搬送手段の速度を制御する搬入搬送制御手段と、間隔設定搬送手段上の搬送物間の距離を検出する間隔設定搬送上距離検出手段と、この間隔設定搬送上距離検出手段で検出された搬送物間の距離に基づき間隔設定搬送手段の速度を制御する間隔設定搬送制御手段とを具備している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−127659号公報(図1等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の搬送装置では、例えば2段目実測間隔が小さい場合には、間隔設定搬送手段が一時停止動作となるため、間隔設定搬送手段に停止・起動の衝撃がかかるという問題がある。また、例えば2段目実測間隔が小さすぎる場合には、一時停止動作中に下流側の間隔保持搬送手段へ搬送物が乗り移ってしまうこともあり、制御できる最小隙間の制約も存在していた。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、可変速コンベヤに停止・起動の衝撃がかかる不具合を防止できかつ制御可能な範囲を拡大することができる搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の搬送装置は、複数の搬送物を搬送方向に搬送しながら、先行の搬送物の先端と後続の搬送物の先端との距離を目標ピッチにする搬送装置であって、搬入可変速コンベヤと、この搬入可変速コンベヤの下流に位置し、前記搬入可変速コンベヤの速度よりも速い速度で駆動する可変速コンベヤと、この可変速コンベヤの下流に位置し、一定速度で駆動する定速コンベヤと、少なくとも前記搬入可変速コンベヤの速度および前記可変速コンベヤの速度を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、先行の搬送物の搬送方向長さ、後続の搬送物の搬送方向長さ、前記可変速コンベヤ上の先後の両搬送物間の隙間、目標ピッチ、および前記定速コンベヤの一定速度に基づいて、前記可変速コンベヤの第1変速後目標速度を計算し、この計算した第1変速後目標速度への変速時間間の先行の搬送物の進行距離を、この先行の搬送物が変速前速度の前記可変速コンベヤにて搬送されるとして計算し、この計算した先行の搬送物の進行距離を考慮して前記第1変速後目標速度への変速完了時における先後の両搬送物間の仮想隙間を計算し、この計算した先後の両搬送物間の仮想隙間を考慮して前記可変速コンベヤの第2変速後目標速度を計算し、この計算した第2変速後目標速度と前記第1変速後目標速度との一致性の有無を判断し、一致性有りと判断した場合には前記第2変速後目標速度を最終変速後目標速度として計算を終了し、前記可変速コンベヤの速度が前記最終変速後目標速度になるように、先行の搬送物の所定位置が変速影響点に到着した時に前記可変速コンベヤの変速を開始するものである。
【0008】
請求項2記載の搬送装置は、請求項1記載の搬送装置において、先行の搬送物の所定位置が変速影響点に到着した時とは、先行の搬送物の搬送方向前側半分が定速コンベヤ上に乗り移った時であるものである。
【0009】
請求項3記載の搬送装置は、請求項1または2記載の搬送装置において、可変速コンベヤ上の搬送物を検知する検知手段を備えるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、一時停止動作で可変速コンベヤに停止・起動の衝撃がかかる不具合を防止しつつ制御可能な範囲を拡大することができ、よって、先行の搬送物の先端と後続の搬送物の先端との距離を適切に目標ピッチにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施の形態に係る搬送装置の概略構成図である。
【図2】同上搬送装置による制御方法を説明するための図である。
【図3】同上搬送装置による制御方法を示すフローチャートである。
【図4】切り離しの公式を示す図である。
【図5】加減速度の再計算式を示す図である。
【図6】同上搬送装置上の搬送物(小)の搬送状況を示す図である。
【図7】図6に続く搬送物(小)の搬送状況を示す図である。
【図8】同上搬送装置上の搬送物(大)の搬送状況を示す図である。
【図9】図8に続く搬送物(大)の搬送状況を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施の形態に係る搬送装置について図面を参照して説明する。
【0013】
図1において、1は搬送装置で、この搬送装置1は、複数の搬送物Wを搬送方向に搬送しながら、先行の搬送物Wの先端と後続の搬送物Wの先端との距離を目標ピッチにするものである。搬送装置1は、例えばベルト式のソータや他の高能力ソータ等の仕分け装置(図示せず)の上流に設置される。
【0014】
搬送装置1は、図1に示されるように、搬送物Wを搬入して搬送方向に搬送する搬入可変速コンベヤ2と、搬入可変速コンベヤ2の下流に位置し搬入可変速コンベヤ2の速度V0よりも速い速度V1で駆動し搬送物Wを搬送方向に搬送する可変速コンベヤ3と、可変速コンベヤ3の下流に位置し可変速コンベヤ3の速度V1よりも速い一定速度V2で駆動し搬送物Wを搬送方向にする定速コンベヤ4とを備えている。つまり、搬送装置1は、互いに隣接して搬送方向に並ぶ3つのコンベヤ2,3,4を備えている。
【0015】
可変する速度V1は、可変する速度V0よりも常に速く(V1>V0)、これらV1とV0との速度比は常に一定である。なお、V1とV0との速度比が一定でない構成でもよい。また、可変しない一定速度V2は、可変する速度V1よりも常に速い(V2>V1)。そして、これらコンベヤ2,3,4の速度差によって、互いに隣接していた搬送物Wが搬送途中で切り離されて、先行の搬送物Wの先端と後続の搬送物Wの先端との距離が一定の目標ピッチ(予め設定された設定目標ピッチ)に設定される。
【0016】
搬入可変速コンベヤ2は、搬送物Wを上面の搬送面2aに載せて搬送する無端状の搬送ベルト6と、この搬送ベルト6が掛け渡された駆動ローラ7および従動ローラ8と、駆動ローラ7を回転させる駆動手段であるモータ(サーボモータ)9とを有している。
【0017】
可変速コンベヤ3は、搬送物Wを上面の搬送面3aに載せて搬送する無端状の搬送ベルト11と、この搬送ベルト11が掛け渡された駆動ローラ12および従動ローラ13と、駆動ローラ12を回転させる駆動手段であるモータ(サーボモータ)14と、このモータ14に設けられモータ出力軸の回転角等を検知するコンベヤ移動距離検知用のエンコーダ15とを有している。
【0018】
定速コンベヤ4は、搬送物Wを上面の搬送面4aに載せて搬送する無端状の搬送ベルト16と、この搬送ベルト16が掛け渡された駆動ローラ17および従動ローラ18と、駆動ローラ17を回転させる駆動手段であるモータ19とを有している。
【0019】
また、搬送装置1は、少なくとも搬入可変速コンベヤ2の速度V0および可変速コンベヤ3の速度V1を制御する制御手段21と、可変速コンベヤ3の上流側に配設され可変速コンベヤ3上に位置する搬送物Wを検知する検知手段22と、定速コンベヤ4の上流端部(変速影響点)に配設され可変速コンベヤ3と定速コンベヤ4とに跨って位置する搬送物Wを検知する変速影響点検知手段23とを備えている。
【0020】
制御手段21には、搬入可変速コンベヤ2のモータ9と、可変速コンベヤ3のモータ14およびエンコーダ15と、定速コンベヤ4のモータ19と、検知手段22と、変速影響点検知手段23とがそれぞれ電気的に接続されている。
【0021】
検知手段22および変速影響点検知手段23は、いずれも例えば搬送物Wの通過でオンオフする光学系のセンサ(荷検知用PH)である。
【0022】
次に、搬送装置1の動作等を説明する。
【0023】
図2および図3に示すように、搬送装置1の制御手段21は、まず、検知手段22の検知に基づき、先行の搬送物Wの搬送方向長さLnを把握して、δn-1、Pn-1_実際、Pn-1_目標を算出し(ステップ1)、また、後続の搬送物Wの搬送方向長さLn+1を把握し、δn、Pn_実際、Pn_目標を算出する(ステップ2)。
【0024】
なお、δnは、計測された先行の搬送物Wの後端と後続の搬送物Wの先端との距離、つまり可変速コンベヤ3上の先後の両搬送物W間の隙間(計測隙間)である。Pn_実際は、計測された先行の搬送物Wの先端と後続の搬送物Wの先端との距離(実際ピッチ)である。Pn_目標は、次工程の仕分け装置での要求能力等により求められる目標とする、先行の搬送物Wの先端と後続の搬送物Wの先端との距離(目標ピッチ)である。
【0025】
次いで、制御手段21は、Pn_実際<Pn_目標である場合には可変速コンベヤ3の第1変速後目標速度V1n(1)を次の式(1)により計算し、Pn_実際≧Pn_目標である場合にはV1n(1)の計算を行わずに現状速度V1n-1(last)を最終変速後目標速度V1n(last)とする(ステップ3)。
【0026】
【数1】
【0027】
次いで、制御手段21は、可変速コンベヤ3の加減速度αn=9.8MaxGを設定する(ステップ4)。αnは通常の加減速度制限値であり、MaxGは経験則から決定される係数である。
【0028】
次いで、制御手段21は、可変速コンベヤ3の変速中における後続の搬送物Wの進行可能距離SSn+1を次の式(2)により計算する(ステップ5)。つまり、可変速コンベヤ3の速度を変速制御するとして、その変速中に先行の搬送物Wが可変速コンベヤ(低速側コンベヤ)3の変速に影響されず、かつ、後続の搬送物Wが下流の定速コンベヤ(高速側コンベヤ)4の影響を全く受けない範囲内において可変速コンベヤ3上で進行可能な距離SSn+1を次の式(2)により計算する。なお、可変速コンベヤ3の変速は、先行の搬送物Wの重心位置(搬送物Wの搬送方向中央位置)が予め設定された一定の変速影響点(変速影響位置)に到着した時点で開始するものとする。
【0029】
【数2】
【0030】
次いで、制御手段21は、V1n-1(last)→V1n(1)への変速時間T1n、つまり、可変速コンベヤ3の現状速度V1n-1(last)から第1変速後目標速度V1n(1)への変速に要する時間T1nを次の式(3)により計算する(ステップ6)。
【0031】
【数3】
【0032】
次いで、制御手段21は、可変速コンベヤ3上における変速時間T1n間の後続の搬送物Wの進行距離Sn+1を次の式(4)により計算する(ステップ7)。
【0033】
【数4】
【0034】
次いで、制御手段21は、加減速度を後続の搬送物Wが乗移り開始前に変速完了するように再計算する(ステップ8)。つまり、可変速コンベヤ3の変速中に後続の搬送物Wが下流の定速コンベヤ4の影響を受けてしまう場合(後続の搬送物Wの先端が変速影響点に到着してしまう場合)には、そうならない加減速度αnを次の式(5)により再計算する。
【0035】
【数5】
【0036】
次いで、制御手段21は、再計算した加減速度αnを考慮して、V1n-1(last)→V1n(1)への変速時間T1nを前記式(3)により再計算する(ステップ9)。
【0037】
次いで、制御手段21は、再計算した変速時間T1n間の後続の搬送物Wの進行距離Sn+1を前記式(4)により再計算する(ステップ10)。
【0038】
次に、制御手段21は、変速時間T1n間の先行の搬送物Wの進行距離Snを、この先行の搬送物Wが変速前速度V1n-1(last)の可変速コンベヤ3にて搬送されるとして、次の式(6)により計算する(ステップ11)。
【0039】
つまり、可変速コンベヤ3の変速間の先行の搬送物Wの進行距離Snを可変速コンベヤ3の速度が変速前速度のままであると仮定して計算する。実際には先行の搬送物Wの所定位置(例えば搬送方向中央位置、重心位置)が定速コンベヤ4の変速影響点に到達しているので、先行の搬送物Wは、可変速コンベヤ3よりも高速の定速コンベヤ4の速度へ移行中(移行状態は不明)の状態であるが、速度差による切り離しにおいて、切り離し前後の状態は切り離し前の速度と切り離し完了後の速度のみによって支配されるため、上記の仮定を置くことができる。
【0040】
【数6】
【0041】
次いで、制御手段21は、先行の搬送物Wの進行距離Snを考慮して、現状速度V1n-1(last)から第1変速後目標速度V1n(1)への変速完了時における可変速コンベヤ3上の先後の両搬送物W間の仮想隙間δn_tmpを次の式(7)により計算する(ステップ12)。
【0042】
【数7】
【0043】
次いで、制御手段21は、先後の両搬送物W間の仮想隙間δn_tmpを考慮して、可変速コンベヤ3の第2変速後目標速度V1n(2)を次の式(8)により計算する(ステップ13)。
【0044】
【数8】
【0045】
次いで、制御手段21は、第1変速後目標速度V1n(1)と第2変速後目標速度V1n(2)との一致性の有無を判断し、一致性有りと判断した場合には、第2変速後目標速度V1n(2)を最終変速後目標速度V1n(last)として速度計算を終了する(ステップ14)。また、一致性無しと判断した場合には、前記ステップ5に戻った後、第2変速後目標速度V1n(2)を第1変速後目標速度V1n(1)と置き直して再計算(再度ループ計算)を実行する。
【0046】
つまり、仮想隙間δn_tmpより逆算されたV1n(2)が前段で計算されたV1n(1)±許容範囲[%]外であればV1n(2)を前段で計算されたV1n(1)と置き直して再計算を実行し、また、仮想隙間δn_tmpより逆算されたV1n(2)が前段で計算されたV1n(1)±許容範囲[%]以内であればV1n(2)をV1n(last)として計算を終了する。すなわち、制御手段21は、ループ計算の収束値を最終目標速度とする。
【0047】
次いで、制御手段21は、可変速コンベヤ3の速度が最終変速後目標速度V1n(last)になるように、先行の搬送物Wの所定位置が変速影響点に到着した時に、可変速コンベヤ3の変速を開始する(ステップ15)。この際、制御手段21は、エンコーダ15および変速影響点検知手段23の検知に基づき、先行の搬送物Wの所定位置が変速影響点に到着したことを把握する。
【0048】
ここでいう先行の搬送物Wの所定位置が変速影響点に到着した時とは、例えば先行の搬送物Wの搬送方向中央位置である重心位置が変速影響点に到着し、先行の搬送物Wの一部である搬送方向前側半分が定速コンベヤ4の搬送面4a上に乗り移った時である(図2参照)。
【0049】
なお、例えば搬送物Wの重心位置が搬送方向中央位置からずれている場合には、その重心位置が変速影響点に到着した時であってもよい。
【0050】
このように、制御手段21は、可変速コンベヤ3の速度V1が最終変速後目標速度V1n(last)になるように可変速コンベヤ3のモータ14の制御を開始し、また同時に、搬入可変速コンベヤ2の速度V0がV1/V0=一定となるように搬入可変速コンベヤ2のモータ9の制御を開始する。
【0051】
そして、このような制御手段21によるインダクション制御方式の速度決定方法によって、例えば比較的小さい搬送物Wに関して、先行の搬送物(小)Wである先ワークWの先端と後続の搬送物(小)Wである後ワークWの先端との距離が目標ピッチになる場合の搬送状況を図6(a)〜(c)および図7(d)〜(h)に示す。
【0052】
また、制御手段21によるインダクション制御方式の速度決定方法によって、例えば比較的大きな搬送物Wに関して、先行の搬送物(大)Wである先ワークWの先端と後続の搬送物(大)Wである後ワークWの先端との距離が目標ピッチになる場合の搬送状況を図8(a)〜(c)および図9(d)〜(h)に示す。なお、図示しないが、大きさが異なる搬送物Wが混在する場合であっても、先後の搬送物Wの先端間距離を所望の目標ピッチにすることが可能である。
【0053】
そして、このような搬送装置1によれば、可変速コンベヤ3上での先後の両搬送物W間の隙間が小さくても、可変速コンベヤ3が完全に停止しないため、一時停止動作で可変速コンベヤ3に停止・起動の衝撃がかかる不具合を防止しつつ、先行の搬送物Wの先端と後続の搬送物Wの先端との距離を適切に目標ピッチにすることができる。
【0054】
また、先後の両搬送物W間の隙間の下限値が拡大、つまり計測可能な最小隙間が制御可能な最小隙間となったため、制御可能な範囲を拡大することができ、先行の搬送物Wの先端と後続の搬送物Wの先端との距離をより一層適切に目標ピッチにすることができる。
【0055】
さらに、制御手段21がループ計算の収束値を最終目標速度とするため、必要以上の隙間拡大を防止することができる。
【0056】
なお、上記実施の形態では、変速影響点検知手段23が変速影響点、つまり、側面視で円筒状の従動ローラ18の回転中心線の真上の位置に設けられた構成について説明したが、エンコーダ15を設ければ、変速影響点検知手段23を設けない構成でもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 搬送装置
2 搬入可変速コンベヤ
3 可変速コンベヤ
4 定速コンベヤ
21 制御手段
22 検知手段
W 搬送物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の搬送物を搬送方向に搬送しながら、先行の搬送物の先端と後続の搬送物の先端との距離を目標ピッチにする搬送装置であって、
搬入可変速コンベヤと、
この搬入可変速コンベヤの下流に位置し、前記搬入可変速コンベヤの速度よりも速い速度で駆動する可変速コンベヤと、
この可変速コンベヤの下流に位置し、一定速度で駆動する定速コンベヤと、
少なくとも前記搬入可変速コンベヤの速度および前記可変速コンベヤの速度を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
先行の搬送物の搬送方向長さ、後続の搬送物の搬送方向長さ、前記可変速コンベヤ上の先後の両搬送物間の隙間、目標ピッチ、および前記定速コンベヤの一定速度に基づいて、前記可変速コンベヤの第1変速後目標速度を計算し、
この計算した第1変速後目標速度への変速時間間の先行の搬送物の進行距離を、この先行の搬送物が変速前速度の前記可変速コンベヤにて搬送されるとして計算し、
この計算した先行の搬送物の進行距離を考慮して前記第1変速後目標速度への変速完了時における先後の両搬送物間の仮想隙間を計算し、
この計算した先後の両搬送物間の仮想隙間を考慮して前記可変速コンベヤの第2変速後目標速度を計算し、
この計算した第2変速後目標速度と前記第1変速後目標速度との一致性の有無を判断し、一致性有りと判断した場合には前記第2変速後目標速度を最終変速後目標速度として計算を終了し、
前記可変速コンベヤの速度が前記最終変速後目標速度になるように、先行の搬送物の所定位置が変速影響点に到着した時に前記可変速コンベヤの変速を開始する
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
先行の搬送物の所定位置が変速影響点に到着した時とは、先行の搬送物の搬送方向前側半分が定速コンベヤ上に乗り移った時である
ことを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
【請求項3】
可変速コンベヤ上の搬送物を検知する検知手段を備える
ことを特徴とする請求項1または2記載の搬送装置。
【請求項1】
複数の搬送物を搬送方向に搬送しながら、先行の搬送物の先端と後続の搬送物の先端との距離を目標ピッチにする搬送装置であって、
搬入可変速コンベヤと、
この搬入可変速コンベヤの下流に位置し、前記搬入可変速コンベヤの速度よりも速い速度で駆動する可変速コンベヤと、
この可変速コンベヤの下流に位置し、一定速度で駆動する定速コンベヤと、
少なくとも前記搬入可変速コンベヤの速度および前記可変速コンベヤの速度を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
先行の搬送物の搬送方向長さ、後続の搬送物の搬送方向長さ、前記可変速コンベヤ上の先後の両搬送物間の隙間、目標ピッチ、および前記定速コンベヤの一定速度に基づいて、前記可変速コンベヤの第1変速後目標速度を計算し、
この計算した第1変速後目標速度への変速時間間の先行の搬送物の進行距離を、この先行の搬送物が変速前速度の前記可変速コンベヤにて搬送されるとして計算し、
この計算した先行の搬送物の進行距離を考慮して前記第1変速後目標速度への変速完了時における先後の両搬送物間の仮想隙間を計算し、
この計算した先後の両搬送物間の仮想隙間を考慮して前記可変速コンベヤの第2変速後目標速度を計算し、
この計算した第2変速後目標速度と前記第1変速後目標速度との一致性の有無を判断し、一致性有りと判断した場合には前記第2変速後目標速度を最終変速後目標速度として計算を終了し、
前記可変速コンベヤの速度が前記最終変速後目標速度になるように、先行の搬送物の所定位置が変速影響点に到着した時に前記可変速コンベヤの変速を開始する
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
先行の搬送物の所定位置が変速影響点に到着した時とは、先行の搬送物の搬送方向前側半分が定速コンベヤ上に乗り移った時である
ことを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
【請求項3】
可変速コンベヤ上の搬送物を検知する検知手段を備える
ことを特徴とする請求項1または2記載の搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2012−111577(P2012−111577A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−260244(P2010−260244)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(000103426)オークラ輸送機株式会社 (84)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(000103426)オークラ輸送機株式会社 (84)
【Fターム(参考)】
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