説明

携帯型の眠気防止装置

【課題】携帯型の眠気防止装置に関し、椅子に着席した使用者の臀部による圧力を計測し、使用者が所定の時間内に臀部を浮かせる動作をしない場合に、使用者が眠気をもよおしていると判断し、臀部に振動を与えることで、使用者に警告を与える。
【解決手段】電子的制御装置60には、振動発生間隔を計測するためのタイマー手段300、使用者が椅子から臀部を浮かせることにより、計測中の圧力が開放された否かを判定するための圧力判定手段310、圧力判定手段310により圧力が開放されたと判定された場合に、タイマー手段300による振動発生間隔の計測をリセットするためのタイマーリセット手段320、タイマー手段300がタイムオーバーした場合に、振動発生装置50を駆動するための振動発生手段330を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯型の眠気防止装置に関し、椅子に着席した使用者の臀部による圧力を計測し、使用者が所定の時間内に臀部を浮かせる動作をしない場合に、使用者が眠気をもよおしていると判断し、他人に気づかせずに臀部に振動を与えることで、使用者に警告を与えることができるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、運転者の姿勢変化を複数個の圧力センサーで検知し、姿勢変化の回数にもとづいて疲労の度合いを判断し、液晶ディスプレイや警告ランプを通じて運転者に視覚的に警告を行うことができるようにした車両用の疲労警告表示装置が知られている(例えば特許文献1の明細書の6頁12行〜7頁最下行、第1〜4図参照)。
上記した従来の装置には、警告ブザーやチャイム等の可聴式警告手段を用いることができるとの記載もある(例えば特許文献1の明細書の11頁8〜9行参照)
また、自動車のハンドルにかかる圧力と、シートにかかる圧力とを検知し、両者の圧力を比較することで、運転者の疲労の度合いを判断し、ハープ等の香りによる刺激や、シートの下に風船を設置しておき、当該風船の空気圧を増減させることににより、運転者の警告を行うことができるようにした居眠り運転防止装置が知られている(例えば特許文献2の明細書の段落番号「0030」〜「0031」、図1参照)。
【0003】
さらに、運転者の前傾姿勢を判断し、ブザーやランプ等の警報装置により運転者に警告を行うことができるようにした居眠り運転警報装置が知られている(例えば特許文献3の明細書の段落番号「0011」〜「0014」、段落番号「0028」、図1、図2、図4図参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平4−77355号公報
【特許文献2】特開平7−232571号公報
【特許文献3】特開平8−293085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記した従来の装置では、居眠り運転の判断が複雑で、装置が大型化し、携行が困難であるという問題点があった。
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次の点にある。
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、次の点を目的とする。
【0006】
請求項1に記載の発明は、椅子に着席した使用者の臀部による圧力を計測し、使用者が所定の時間内に臀部を浮かせる動作をしない場合に、使用者が眠気をもよおしていると判断し、臀部に振動を与えることで、他人に気づかせずに使用者に警告を与えることができるようにしたものである。
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、居眠り運転を判断するということでなく、使用者が所定の時間内に臀部を浮かせる動作しない場合には、臀部に振動を与えるという条件を設定し、使用者に臀部を浮かせる動作を要求することで、当該発明に係る装置の存在を絶えず自覚させることで、眠気の発生を防止することができる。
【0007】
また、請求項1に記載の発明によれば、居眠り運転の防止に役立つほか、本来的にはズボンの後ろポケットに入れて携行することで、通学・通勤中の車内での居眠りの防止や、勉強やディスクワーク中の集中力の低下、或いは臀部を浮かす動作や振動による刺激を通じて、腰部への血流を促すことにより、腰痛を予防することができる。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、振動発生間隔をランダムな時間に設定することができるようにしたものである。
すなわち、請求項2に記載の発明によれば、振動発生間隔を予想することが困難となるので、振動発生間隔の最短時間に合わせて臀部を浮かす動作うことで、振動の発生を抑制したり、或いは使用者が予測した振動発生間隔に合わせて臀部を浮かす動作うこととなるが、後者の場合には予測が外れることがあり、振動による刺激を通じて、使用者の眠気を防止する効果も期待できる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、カッコ内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
また、図面番号も、発明の実施の形態において用いた図番を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、次の点を特徴とする。
【0010】
第1に、携帯型の眠気防止装置(10)には、例えば図1〜3に示すように、次の構成を内蔵している。
(1)圧力センサー(20)
圧力センサー(20)は、図示しないが、椅子に着席した使用者の臀部による圧力を計測するためのものである。
【0011】
(2)振動発生装置(50)
振動発生装置(50)は、図示しないが、使用者の臀部に振動を伝達するためのものである。
(3)電子的制御装置(60)
電子的制御装置(60)は、例えば図1に示すように、圧力センサー(20)及び振動発生装置(50)にそれぞれ接続されるものである。
【0012】
第2に、電子的制御装置(60)には、例えば図1に示すように、次の構成を備える。
(4)タイマー手段(300)
タイマー手段(300)は、振動発生間隔を計測するためのものである。
(5)圧力判定手段(310)
圧力判定手段(310)は、図示しないが、使用者が椅子から臀部を浮かせることにより、計測中の圧力が開放された否かを判定するためのものである。
【0013】
(6)タイマーリセット手段(220)
タイマーリセット手段(220)は、圧力判定手段(310)により圧力が開放されたと判定された場合に、タイマー手段(300)による振動発生間隔の計測をリセットするためのものである。
(7)振動発生手段(320)
振動発生手段(320)は、タイマー手段(300)がタイムオーバーした場合に、振動発生装置(50)を駆動するためのものである。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0014】
すなわち、タイマーリセット手段(220)には、例えば図1に示すように、次の構成を備える。
(1)振動発生間隔再設定手段(321)
振動発生間隔再設定手段(321)は、振動発生間隔としてランダムな時間を設定するためのものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1)
請求項1に記載の発明によれば、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、椅子に着席した使用者の臀部による圧力を計測し、使用者が所定の時間内に臀部を浮かせる動作をしない場合に、使用者が眠気をもよおしていると判断し、臀部に振動を与えることで、他人に気づかせずに使用者に警告を与えることができる。
【0016】
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、居眠り運転を判断するということでなく、使用者が所定の時間内に臀部を浮かせる動作しない場合には、臀部に振動を与えるという条件を設定し、使用者に臀部を浮かせる動作を要求することで、当該発明に係る装置の存在を絶えず自覚させることで、眠気の発生を防止することができる。
また、請求項1に記載の発明によれば、居眠り運転の防止に役立つほか、本来的にはズボンの後ろポケットに入れて携行することで、通学・通勤中の車内での居眠りの防止や、勉強やディスクワーク中の集中力の低下、或いは臀部を浮かす動作や振動による刺激を通じて、腰部への血流を促すことにより、腰痛を予防することができる。
(請求項2)
請求項2に記載の発明によれば、上記した請求項1に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、振動発生間隔をランダムな時間に設定することができる。
すなわち、請求項2に記載の発明によれば、振動発生間隔を予想することが困難となるので、振動発生間隔の最短時間に合わせて臀部を浮かす動作うことで、振動の発生を抑制したり、或いは使用者が予測した振動発生間隔に合わせて臀部を浮かす動作うこととなるが、後者の場合には予測が外れることがあり、振動による刺激を通じて、使用者の眠気を防止する効果も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】眠気防止装置の概略を示すブロック図である。
【図2】眠気防止装置の平面図である。
【図3】眠気防止装置の斜視図である。
【図4】眠気防止装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1〜3中、10は、携帯型の眠気防止装置に関し、その筐体は、図示しないが、ズボンの後ろポケットに入れられる程度の大きさである。眠気防止装置10は、ズボンの後ろポケットに入れた状態で、椅子に着席すると、臀部と椅子との間に当該眠気防止装置10が位置する。
なお、眠気防止装置10を、専用機として説明したが、これに限定されず、携帯電話、歩数計、携帯ゲーム機、携帯用音楽再生装置等の携帯用電子機器と組み合わせて利用しても良い。
【0020】
具体的には、眠気防止装置10には、大別すると、図1〜3に示すように、次のパーツを内蔵している。
なお、次の(1)〜(5)については、後述する。
(1)圧力センサー20
(2)操作手段30
(3)表示装置40
(4)振動発生装置50
(5)電子的制御装置60
なお、眠気防止装置10のパーツは、上記した(1)〜(5)に限定されない。
(圧力センサー20)
圧力センサー20は、図示しないが、椅子に着席した使用者の臀部による圧力を計測するためのものである。圧力センサー20は、常態では圧力が掛かっておらず、圧力開放状態(例えばオフ状態)にある。使用者が、図示しないが、ズボンの後ろポケットに眠気防止装置10を入れた状態で、椅子に着席すると、圧力センサー20が臀部に圧迫されて圧力検知状態(例えばオン状態)となる。その後、使用者が椅子から臀部を浮かせると、圧力センサー20に対する圧力が開放されて、圧力センサー20が圧力検知状態(例えばオン状態)から圧力開放状態(例えばオフ状態)に復帰する。
【0021】
なお、眠気防止装置10を入れたが、これに限定されず、椅子に置いて、その上に腰掛けるようにして使用しても良い。
具体的には、圧力センサー20は、図3に示すように、5個のセンサー21〜25から構成されている。5個のセンサー21〜25は、眠気防止装置10の筐体の裏面にサイコロの「5」のように配置している。
【0022】
なお、圧力センサー20の個数として、5個を例示したが、これに限定されず、単数、2〜4個、或いは6個以上として良い。また、5個のセンサー21〜25の配置も、図3に例示した配置に限定されない。
(操作手段30)
操作手段30は、眠気防止装置10を操作するためのものである。
【0023】
具体的には、操作手段30は、図2及び図3に示すように、次の4個のスイッチ31〜34から構成され、眠気防止装置10の筐体の側面に配置されている。なお、操作手段30のスイッチは、次の(1)〜(4)に限定されず、個数も4個に限定されず、単数、2個、3個、或いは5個以上でも良い。また、4個のスイッチ31〜34の配置も、筐体の側面に限定されない。
【0024】
(1)セットスイッチ31
セットスイッチ31は、入力値を確定するためのものである。
(2)モード切替スイッチ32
モード切替スイッチ32は、モードを切り替えるためのものである。モードの種類としては、(a)設定モード、(b)眠気防止モード、(c)時計モード、(d)タイマーモード、(e)アラームモード、(f)時報モードがある。
【0025】
なお、モードの種類は、上記した(a)〜(f)の6種類に限定されない。
(3)第1アジャストスイッチ33
第1アジャストスイッチ33は、入力値を調整するためのものであり、第1アジャストスイッチ33を操作すると、入力値が「+1」される。
(4)第2アジャストスイッチ34
第2アジャストスイッチ34は、入力値を調整するためのものであり、第1アジャストスイッチ33を操作すると、入力値が「−1」される。
(表示装置40)
表示装置40は、図2に示すように、眠気防止装置10の各種の状態を表示するためのものであり、例えば液晶ディスプレイから構成されている。液晶ディスプレイは、眠気防止装置10の筐体の表面に配置されている。
【0026】
なお、表示装置40として、液晶ディスプレイを例示したが、これに限定されず、7セグメント、ドットマトリクス、有機ELを使用したものでも良い。また、表示装置40の配置も、筐体の表面に限定されない。
(振動発生装置50)
振動発生装置50は、図示しないが、使用者の臀部に振動を伝達するためのものであり、眠気防止装置10の筐体の内部に内蔵されている。
(電子的制御装置60)
電子的制御装置60は、図1に示すように、圧力センサー20及び振動発生装置50にそれぞれ接続されるものである。また、電子的制御装置60の出力段には、振動発生装置50及び表示装置40がそれぞれ接続されている。
【0027】
具体的には、電子的制御装置60には、図1に示すように、次の手段を備える。
なお、次の(1)〜(3)については、後述する。
(1)設定手段100
(2)モード切替手段110
(3)モード制御手段120
なお、電子的制御装置60の手段は、上記した(1)〜(3)に限定されない。
(設定手段100)
設定手段100は、電子的制御装置60の各種の状態を設定・変更できるようにするとともに、当該設定値或いは変更値を記憶するためのものである。
【0028】
具体的には、設定手段100には、図1に示すように、次の手段を備える。
なお、次の(1)〜(3)については、後述する。
(1)センサー感度設定手段101
(2)振動発生間隔設定手段102
(3)振動パターン設定手段103
なお、設定手段100の手段は、上記した(1)〜(3)に限定されない。
(モード切替手段110)
モード切替手段110は、モードの種類を切り替えるためのものである。
(モード制御手段120)
モード制御手段120は、各種のモードを制御するためのものである。
【0029】
具体的には、モード制御手段120には、図1に示すように、次の手段を備える。
なお、次の(1)〜(5)については、後述する。
(1)眠気防止モード制御手段200
(2)時計モード制御手段210
(3)タイマーモード制御手段220
(4)アラームモード制御手段230
(5)時報モード制御手段240
なお、モード制御手段120の手段は、上記した(1)〜(5)に限定されない。
(センサー感度設定手段101)
センサー感度設定手段101は、圧力センサー20を感度を設定するためのものである。
【0030】
センサー感度設定手段101により設定可能な圧力センサー20の感度には、次の種類がある。
なお、圧力センサー20の感度の種類は、次の(1)〜(3)に限定されない。
(1)高感度
高感度は、5個のセンサー21〜25が全て圧力検知状態(例えばオン状態)にあり、そのうち少なくとも1個のセンサー21〜25が圧力検知状態(例えばオン状態)から圧力開放状態(例えばオフ状態)に復帰したことを条件に、後述する圧力判定手段310から圧力開放判定信号を出力させる。
【0031】
(2)中感度(デフォルト)
中感度は、デフォルトとして設定され、5個のセンサー21〜25が全て圧力検知状態(例えばオン状態)にあり、そのうち少なくとも3個のセンサー21〜25が圧力検知状態(例えばオン状態)から圧力開放状態(例えばオフ状態)に復帰したことを条件に、後述する圧力判定手段310から圧力開放判定信号を出力させる。
【0032】
(3)低感度
低感度は、5個のセンサー21〜25が全て圧力検知状態(例えばオン状態)にあり、その5個全てのセンサー21〜25が圧力検知状態(例えばオン状態)から圧力開放状態(例えばオフ状態)に復帰したことを条件に、後述する圧力判定手段310から圧力開放判定信号を出力させる。
(振動発生間隔設定手段102)
振動発生間隔設定手段102は、振動発生間隔を設定するためのものである。
【0033】
振動発生間隔設定手段102により設定可能な振動発生間隔には、次の種類がある。
なお、圧力センサー20の感度の種類は、次の(1)及び(2)に限定されない。
(1)固定時間(デフォルト)
固定時間は、デフォルトとして設定され、後述するタイマー手段300の設定時間を一定にするものである。デフォルトとしては、例えば「5分」が設定されているが、任意の時間に変更可能である。
【0034】
(2)ランダム時間
ランダム時間は、後述するタイマー手段300の設定時間を不規則にするものである。
ランダム時間が設定された場合には、後述する振動発生間隔再設定手段321が作動し、タイマー手段300にランダム時間が設定される。
(振動パターン設定手段103)
振動パターン設定手段103は、振動発生装置50による発生させる振動パターンを設定するためのものである。
【0035】
振動パターンとしては、振動を連続的に発生させる(デフォルト)か、或いは所定時間置きに断続的に発生させるかを選択できるようにしている。所定時間は、例えば1秒間隔等のように規則的な時間としても良いし、或いはランダムな不規則な時間としても良い。また、振動パターンとしては、振動の周波数や、或いは振動の強弱を変更できるようにしている。なお、振動の周波数や強弱は、一定にしたものに限らず、時間軸上で周波数や強度を変化させるようにしても良い。
(眠気防止モード制御手段200)
眠気防止モード制御手段200は、振動発生間隔設定手段102により設定した振動発生間隔内に、使用者が椅子から臀部を浮かせない場合に、振動発生装置50を駆動し、使用者の注意を喚起する眠気防止モードを制御するためのものである。
【0036】
具体的には、眠気防止モード制御手段200には、図1に示すように、次の手段を備える。
なお、次の(1)〜(4)については、後述する。
(1)タイマー手段300
(2)圧力判定手段310
(3)タイマーリセット手段320
(4)振動発生手段330
なお、眠気防止モード制御手段200の手段は、上記した(1)〜(4)に限定されない。
(時計モード制御手段210)
時計モード制御手段210は、表示装置40に時刻を表示させる時計モードを制御するためのものである。
(タイマーモード制御手段220)
タイマーモード制御手段220は、タイマーの設定時間、例えば15分経過すると、振動発生装置50を駆動し、使用者の注意を喚起するタイマーモードを制御するためのものである。
(アラームモード制御手段230)
アラームモード制御手段230は、アラームの設定時間、例えば午前7時30分になると、振動発生装置50を駆動し、使用者の注意を喚起するアラームモードを制御するためのものである。
(時報モード制御手段240)
時報モード制御手段240は、毎時丁度に振動発生装置50を駆動し、使用者の注意を喚起する時報モードを制御するためのものである。
(タイマー手段300)
タイマー手段300は、振動発生間隔を計測するためのものである。
【0037】
具体的には、タイマー手段300には、振動発生間隔設定手段102により設定された振動発生間隔、若しくは後述する振動発生間隔再設定手段321により再設定された振動発生間隔がセットされ、後述するタイマーリセット手段320によりリセットされることなく、設定或いは再設定された振動発生間隔が経過すると、タイムアウト信号を出力する。
(圧力判定手段310)
圧力判定手段310は、図示しないが、使用者が椅子から臀部を浮かせることにより、計測中の圧力が開放された否かを判定するためのものである。
【0038】
具体的には、圧力判定手段310は、センサー感度設定手段101により設定された感度にもとづいて判定を行うものである。例えば、中感度(デフォルト)が設定されている場合には、5個のセンサー21〜25のうち、少なくとも3個のセンサー21〜25が圧力検知状態(例えばオン状態)から圧力開放状態(例えばオフ状態)に復帰したことを条件に、圧力開放判定信号を出力する。
(タイマーリセット手段320)
タイマーリセット手段220は、圧力判定手段310により圧力が開放されたと判定された場合に、タイマー手段300による振動発生間隔の計測をリセットするためのものである。
【0039】
具体的には、タイマーリセット手段220は、圧力判定手段310から圧力開放判定信号が所定時間、例えば1秒以上継続的に出力されたことを条件として、タイマーリセット信号を出力するようにしている。
圧力開放判定信号の継続的な出力を条件としたのは、誤作動を防止するためである。
なお、圧力開放判定信号の継続的な出力時間として、1秒以上を例示したが、これに限定されない。
【0040】
また、タイマーリセット手段220は、後述するが、振動発生装置50の駆動の開始後、圧力判定手段310から圧力開放判定信号が出力されたことを条件として、タイマーリセット信号を出力するようにしている。
タイマーリセット手段320には、図1に示すように、次の手段を備える。
なお、タイマーリセット手段320の手段は、次の(1)に限定されない。
【0041】
(1)振動発生間隔再設定手段321
振動発生間隔再設定手段321は、振動発生間隔としてランダムな時間を設定するためのものである。
具体的には、振動発生間隔再設定手段321は、振動発生間隔設定手段102によりランダム時間が選択された場合に作動し、例えば「3分」、「5分」、「8分」、「10分」のうちから、1個をランダムに選択し、選択した振動発生間隔をタイマー手段300にセットする。
【0042】
なお、振動発生間隔は、例示した「3分」、「5分」、「8分」、「10分」に限定されない。
(振動発生手段330)
振動発生手段320は、タイマー手段300がタイムオーバーした場合に、振動発生装置50を駆動するためのものである。
【0043】
具体的には、振動発生手段320は、振動の開始条件として、タイマー手段300からタイムアウト信号を入力すると、振動発生装置50の駆動を開始する。振動発生装置50の駆動は、振動パターン設定手段103により設定された振動パターンにより制御される。
また、振動発生手段320は、圧力判定手段310から圧力開放判定信号が所定時間、例えば1秒以上継続的に出力されたことを停止条件として、振動発生装置50の駆動を停止する。
【0044】
圧力開放判定信号の継続的な出力を条件としたのは、誤作動を防止するためである。
なお、圧力開放判定信号の継続的な出力時間として、1秒以上を例示したが、これに限定されない。
(図4のフローチャートの説明)
つぎに、上記した構成を備える眠気防止装置10の動作について、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0045】
まず、ステップS1に進み、初期設定を行う。
初期設定は、図1の設定手段100により行われる。
具体的には、図1のセンサー感度設定手段101により、圧力センサー20を感度を設定する。センサー感度設定手段101により設定可能な圧力センサー20の感度を、例えば、「中感度」(デフォルト)に設定する。振動発生間隔設定手段102により、振動発生間隔を設定する。振動発生間隔設定手段102により設定可能な振動発生間隔を、例えば固定時間(デフォルト)で、且つ「5分」(デフォルト)に設定する。振動パターン設定手段103により、振動発生装置50による発生させる振動パターンを設定する。振動パターン設定手段103により設定可能な振動パターンを、「振動を連続的に発生させる(デフォルト)」に設定する。
【0046】
初期設定後、図4に示すように、ステップS1から次のステップS2に進み、タイマースタートを実行する。
タイマースタートは、図1のタイマー手段300により実行される。
具体的には、図1のタイマー手段300に、振動発生間隔設定手段102により設定された振動発生間隔として、例えば「5分」をセットし、タイマー手段300のタイマー動作を開始する。
【0047】
上記タイマースタート後、図4に示すように、ステップS2から次のステップS3に進み、圧力検知状態か否かが判定される。
上記圧力検知状態の判定は、図1の圧力判定手段310により行われる。
その結果、圧力判定手段310から圧力開放判定信号を出力されていない場合、すなわち使用者が椅子から臀部を浮かせていない場合には、図4に示すように、ステップS3から次のステップS4に進み、タイムアウトしたか否かが判定される。
【0048】
上記タイムアウトの判定は、図1のタイマー手段300により行われる。
その結果、タイマー手段300からタイムアウト信号が出力されていない場合、すなわち「5分」が経過していない場合には、図4に示すように、ステップS3から先のステップS3に戻り、圧力があるか否かが判定される。
これに対し、タイマー手段300からタイムアウト信号が出力されている場合、すなわち「5分」が経過している場合には、図4に示すように、ステップS3から次のステップS5に進み、振動の発生が実行される。
【0049】
上記振動の発生は、振動発生手段330により実行される。
具体的には、振動発生手段330は、タイマー手段300からタイムアウト信号を入力すると、振動発生装置50の駆動を開始する。
上記振動の発生後、図4に示すように、ステップS5から次のステップS6に進み、圧力検知状態から圧力開放状態に移行したか否かが判定される。
【0050】
上記圧力開放状態の判定は、図1の圧力判定手段310により行われる。
上記判定の結果、圧力開放状態に移行していないと判定された場合、すなわち振動を発生させたにもかかわらず、使用者が椅子から臀部を浮かせない場合には、図4に示すように、図4に示すように、当該ステップS6を繰り返すことで、振動状態を継続させる。
これに対し、上記ステップS6において、圧力検知状態から圧力開放状態に移行したと判定された場合、すなわち振動の発生により、使用者が椅子から臀部を浮かせた場合には、図4に示すように、次のステップS7に進み、タイマーリセットが実行される。
【0051】
上記タイマーリセットは、図1のタイマーリセット手段320により実行される。
具体的には、タイマーリセット手段320は、圧力判定手段310から圧力開放判定信号が所定時間、例えば1秒以上継続的に出力されたことを停止条件として、振動発生装置50の駆動を停止する。
上記タイマーリセット後、図4に示すように、ステップS7から先のステップS3に戻り、圧力検知状態か否かが判定される。
【0052】
一方、先のステップS3において、圧力判定手段310から圧力開放判定信号が出力された場合、すなわち使用者が椅子から臀部を浮かせた場合には、図4に示すように、ステップS3から前述したステップS7に進み、タイマーリセットが実行される。
なお、ステップS1の初期設定において、振動発生間隔設定手段102により設定可能な振動発生間隔として、例えばランダム時間が設定された場合には、ステップS2において、振動発生間隔再設定手段321により選択されたランダムな時間が、タイマー手段300に設定される。その後、ステップS7において、振動発生間隔再設定手段321により新たに選択されたランダムな時間が、タイマー手段300に再設定される。
【符号の説明】
【0053】
10 眠気防止装置
20 圧力センサー 21〜25 第1〜第5センサー
30 操作手段
31 セットスイッチ 32 モード切替スイッチ
33 第1アジャストスイッチ 34 第2アジャストスイッチ
40 表示装置 50 振動発生装置
60 電子的制御装置 100 設定手段
101 センサー感度設定手段 102 振動発生間隔設定手段
103 振動パターン設定手段
110 モード切替手段 120 モード制御手段
200 眠気防止モード制御手段
210 時計モード制御手段 220 タイマーモード制御手段
230 アラームモード制御手段 240 時報モード制御手段
300 タイマー手段 310 圧力判定手段
320 タイマーリセット手段 321 振動発生間隔再設定手段
330 振動発生手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
椅子に着席した使用者の臀部による圧力を計測するための圧力センサーと、
前記使用者の臀部に振動を伝達するための振動発生装置と、
前記圧力センサー及び前記振動発生装置にそれぞれ接続される電子的制御装置とを内蔵した携帯型の眠気防止装置であって、
前記電子的制御装置には、
振動発生間隔を計測するためのタイマー手段と、
前記使用者が前記椅子から臀部を浮かせることにより、計測中の圧力が開放された否かを判定するための圧力判定手段と、
前記圧力判定手段により圧力が開放されたと判定された場合に、前記タイマー手段による振動発生間隔の計測をリセットするためのタイマーリセット手段と、
前記タイマー手段がタイムオーバーした場合に、前記振動発生装置を駆動するための振動発生手段とを備えていることを特徴とする携帯型の眠気防止装置。
【請求項2】
請求項1に記載に携帯型の眠気防止装置であって、
前記タイマーリセット手段には、
振動発生間隔としてランダムな時間を設定するための振動発生間隔再設定手段を備えていることを特徴とする携帯型の眠気防止装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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