説明

携帯型情報読取装置

【課題】 厚みが異なる大型電池と小型電池とをそれぞれ収容可能な携帯型情報読取装置を提供する。
【解決手段】 小型電池56Sが電池収容部70に1個収容される際に、当該小型電池56Sの上面に当接して支持する爪部86aを電池蓋80が備える。該爪部86aで押さえて支持することで、例え、携帯型情報読取装置10が落下した際にも、小型電池56Sの端子が携帯型情報読取装置側の接続端子72から外れて、電力供給が絶えることが無くなる。一方、大型電池56Lが電池収容部70に収容される際に、該爪部86aが該電池収容部70の凹形状の側壁74方向へ待避するため、厚い大型電池56Lを収容することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学情報コード、IDタグに対する読取り機能を備えた電池駆動式の携帯型情報読取装置に関し、特に、2種類の電池を収容可能な携帯型情報読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯型情報読取装置は、使用者の利用態様によって、長時間、電池交換無しに利用したい場合と、また、通常のペースで電池交換を行いながら利用できる場合とがある。それぞれの要求に対応するためには、1台の携帯型情報読取装置において、容量の大きな大型電池と、容量の小さな小型電池とのいずれでも収容できるようにすることが望ましい。ここで、特許文献1には、角形二次電池と円筒形単三型電池とのいずれも収容可能な電池収容構造が開示されている。
【特許文献1】特開平11−144693号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、図8(A)に示すように、凹部274を有する電池収容部270と凹部281を有する電池蓋280とに大型電池56Lを収容する構造に、図8(B)に示すように小型電池56Sを収容すると、電池蓋280の凹部281に空間が空く。このため、携帯型情報読取装置が落下した際に、小型電池の端子が携帯型情報読取装置側の接続端子から外れて、電力供給が絶えることとなる。
【0004】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、厚みが異なる大型電池と小型電池とをそれぞれ収容可能な携帯型情報読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、筐体60に凹形状の電池収容部70を備え、当該電池収容部70に収容した電池を筐体60に対して着脱自在な電池蓋80により保持させる携帯型情報読取装置10であって、
該電池収容部70は、縦横長が同じで厚みが2倍以上の大型電池56Lを1個、又は、小型電池56Sを1個挿入可能であって、
前記電池蓋80は、小型電池56Sを一個装着可能であって、前記小型電池56Sが前記電池収容部70に1個収容される際に、当該小型電池56Sの上面に当接して当該小型電池を押さえる爪部86aを備え、
該爪部86aは、前記大型電池56Lが前記電池収容部70に収容される際に、該電池収容部70の凹形状の側壁74方向へ退避可能に構成されていることを技術的特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の携帯型情報読取装置では、電池蓋が、小型電池の下面が電池収容部の凹形状の底部と対向するように1個収容される際に、当該小型電池の上面に当接して支持する爪部を備えるため、該爪部で押さえて支持することで、電池収容部に小型電池が収容された際にも、小型電池が動くことが無く、例え、携帯型情報読取装置が落下した際にも、小型電池の端子が携帯型情報読取装置側の接続端子から外れて、電力供給が絶えることが無くなる。一方、大型電池が電池収容部に収容される際に、該爪部が該電池収容部の凹形状の側壁方向へ退避するため、厚い大型電池を収容することが可能である。
【0007】
請求項2の携帯型情報読取装置では、電池収容部に小型電池が1個、電池蓋に1個収容される際に、電池収容部に収容される1個の小型電池の下面が電池収容部の凹形状の底部と対向し、該小型電池の上面が爪部により押さえられ、電池蓋に装着された小型電池が、上面が電池蓋側に当接され、下面が爪部により当接支持される。即ち、電池蓋に装着された小型電池が、電池蓋側に支持されるので、電池蓋に装着された小型電池を収容した状態で、電池蓋を筐体側へ容易に取り付けることができる。更に、該爪部、撓み片及び電池蓋を一体に成形することが可能であり、製造コストを削減することができる。
【0008】
請求項3の携帯型情報読取装置では、爪部が、小型電池の厚み方向の下面と当接する撓み片の先端に形成されているため、当該撓み片が小型電池の側面と当接することで小型電池が移動することが無くなり、電池蓋に装着された小型電池を収容した状態で、電池蓋を筐体側へ容易に取り付けることができる。また、電池蓋を筐体に取り付けた状態で、電池蓋に装着された小型電池が動くことが無くなり、該小型電池と電池蓋との衝突によるがたつきを防ぐことができる。
【0009】
請求項4の携帯型情報読取装置では、小型電池の下面が電池収容部の凹形状の底部と対向するように1個収容される際に、該小型電池の上面に当接して当該小型電池を押さえる第2の爪部が電池収容部に備えられているため、該1個の小型電池を電池蓋が外された状態でも固定することができる。更に、該1個の小型電池を取り外す際には、第2の爪部を支持する撓み片を撓ませることで、容易に取り外しができる。このため、電池取り外し用のリボンを無くすことが可能となる。
【0010】
請求項5の携帯型情報読取装置では、小型電池の下面が電池収容部の凹形状の底部と対向するように1個収容される際に、付勢部材により付勢されて電池蓋から爪部が突出し当該小型電池の上面に当接して支持するため、電池収容部に小型電池が収容された際にも、小型電池が動くことが無く、例え、携帯型情報読取装置が落下した際にも、小型電池の端子が携帯型情報読取装置側の接続端子から外れて、電力供給が絶えることが無くなる。一方、大型電池が電池収容部に収容される際に、該爪部が電池蓋へ退避するため、厚い大型電池を収容することが可能である。
【0011】
請求項6の携帯型情報読取装置では、板状の爪部の側面側に斜面が設けられているため、電池蓋の取り付けの際に、該爪部が大型電池と当接した際の退避が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
[第1実施形態]
以下、本発明を携帯型情報読取装置に適用した第1実施形態を図1乃至図6を参照して説明する。図1は携帯型情報読取装置10の断面を示している。携帯型情報読取装置10は握り部を兼用する操作部12、例えば液晶からなる表示部14などを備えている。操作部12には、例えば複数のキースイッチ16が設けられ、これらキースイッチ16により、動作内容を指示するようになっている。この操作部12には、キースイッチ16に加えて、読取り開始を指示するためのトリガースイッチ18が設けられている。
【0013】
携帯型情報読取装置10の筐体60内にはプリント配線基板20が固定されており、そのプリント配線基板20の一方の面にキースイッチ16がマトリクス状に搭載されている。また、プリント配線基板20の他方の面には2次元受光センサ32が立設して実装されている。
【0014】
筐体60の前端に形成された開口部60Aには光学系ユニット30が配設されており、筐体60内において光学系ユニット30の光軸上となる位置に反射鏡34が配設されていると共に、反射鏡34により折曲げられた光軸上に2次元受光センサ32が位置している。検出対象物は光学系ユニット30及び反射鏡34を介して2次元受光センサ32に結像されるようになっている。
【0015】
開口部60A近傍のプリント配線基板22の中央には孔22aが形成されており、その孔22aの周囲に複数の照明用LED38が搭載されている。また、プリント配線基板22の周縁部に対応して送信アンテナコイル42が配置されている。
【0016】
プリント配線基板22に形成された孔22aにはレンズユニット36が装着されている。このレンズユニット36は、検出対象物からの反射光を集光する集光レンズ36aと、照明用LED38からの光を正面に投光するための投光レンズ36bとを一体にして形成されている。一方、プリント配線基板22の裏面には受信アンテナコイル44が配置されている。
【0017】
図2は携帯型情報読取装置10の電気的構成を示している。マイクロコンピュータ(以下、マイコン)50は、トリガースイッチ18が操作されたことに応じて照明用LED38の点灯を制御すると共に、2次元受光センサ32からの画像信号を検出するようになっている。また、マイコン50は、送信アンテナコイル42に電力信号を出力すると共に、受信アンテナコイル44が受信したIDタグからの受信信号を抽出するようになっている。
【0018】
ここで、マイコン50は、IDタグと通信を行うときは、自動同調回路52により送信アンテナコイル42とコンデンサによって共振回路を構成するが、その共振周波数を送信周波数とほぼ同一となるように自動的に共振回路のコンデンサ容量を制御するようになっている。また、マイコン50は、発音部54を駆動することにより使用者に読取り終了を報知するようになっている。
【0019】
第1実施形態の携帯型情報読取装置10は、図1(A)に示すように小型電池56Sを2個収容することと(この際、1個を電源として接続、他の1個は交換用)、図1(B)に示すように小型電池56Sを1個収容することと、図1(C)に示すように大型電池56Lを1個収容することとができる。ここで、小型電池56Sと大型電池56Lとは、縦横長が同じで、厚みが2倍強異なる。
【0020】
この収容構造について、図3〜図6を参照して説明する。
図3(A)は、図1(A)中に示す小型電池56Sを2個収容した携帯型情報読取装置10を下側から見た底面図であり、図3(B)は、図3(A)のb−b断面図であり、図3(C)は、図3(A)のc−c断面図であり、図3(D)は、図3(C)に示す携帯型情報読取装置から電池蓋を外した状態を示す断面図である。図4(A)は、小型電池56Sを収容した状態の電池蓋の側面図であり、図4(B)は、図4(A)の電池蓋の底面図である。図4(C)は、小型電池56Sを収容しない状態の電池蓋の側面図であり、図4(D)は、図4(C)の電池蓋の底面図である。図5(A)は、図1(C)中の大型電池56Lを収容した携帯型情報読取装置10を下側から見た底面図であり、図5(B)は、図5(A)のb2−b2断面図であり、図5(C)は、図5(A)のc2−c2断面図である。図5(D)は小型電池56Sが一個収容された状態の断面図である。図6(A)は、図3(B)に示す小型電池56Sを2個収容した携帯型情報読取装置のa1−a1断面図であり、図6(B)は、b1−b1断面図である。図6(C)は、小型電池56Sを1個収容した状態の断面図である。図6(D)は、図5(B)に示す大型電池56Lを1個収容した携帯型情報読取装置のd1−d1断面図であり、図6(E)は、e1−e1断面図である。
【0021】
図3(A)及び図3(B)に示すように、筐体60には、凹形状の電池収容部70が形成され、該筐体60には、着脱可能な電池蓋80が取り付けられる。図3(B)は、図1に対して上下反転させて表示されており、以降の説明では、電池蓋80側を上側、電池収容部70側を下側として参照する。電池蓋80の縦方向後端側(以降、縦方向とは携帯型情報読取装置の長手方向を意味し、縦方向先端側とは開口部60A側を、縦方向後端側とは先端側の反対側を意味する)には、係合片82が形成され、縦方向先端側には鍵状の鍵部材84が形成されている。該係合片82を筐体の係合孔60aに嵌入し、鍵部材84にロック部材62の先端を係合させることで、電池蓋80が筐体60に取り付けられる。ロック部材62は、ロックノブ62aにより図中で矢印Y方向にスライドされることで、鍵部材84にロック部材62の先端が係合、係合解除され、ロック、アンロックが成される。
【0022】
凹形状の電池収容部70は、側壁74と底部76とからなり、底部76は収容される小型電池56S、又は、大型電池56Lの下面と対向する。底部76の上面には、緩衝用のクッション材79が設けられている。側壁74は、図3(D)に示すように縦方向先端側及び後端側は、垂直壁に形成されている。一方、図3(B)のa1−a1断面図である図6(A)に示すように横方向(以降、横方向とは携帯型情報読取装置の短手方向を意味する)の側壁74は、断面クランク状に形成され、該横方向の側壁74の底部76側の部位は、小型電池56S、大型電池56Lの側面と当接する幅に形成され、該小型電池56S、大型電池56Lを収容できるようになっている。側壁74の上方は、側方に幅が広がり、小型電池56S、大型電池56Lに対してクリアランスを持たせ交換を容易にしている。図3(D)に示すように、該電池収容部70の縦方向先端側には、小型電池56S、大型電池56Lの端子と接続するための接続端子72が設けられる。縦方向後端側に、収容された小型電池56Sを保持するための第2の爪78が形成されている。該第2の爪78は、下面が小型電池56Sの上面と当接する第2の爪部78aと、該第2の爪部78aを保持し、縦方向後端側の側壁74方向に撓む撓み片78bとからなる。
【0023】
第1実施形態の携帯型情報読取装置10では、小型電池56Sの下面が電池収容部70の底部76と対向するように1個収容される際に、該小型電池56Sの上面に当接して当該小型電池56Sを押さえる第2の爪部78aが電池収容部70に備えられているため、該1個の小型電池56Sを電池蓋80が外された状態でも固定することができる。更に、該1個の小型電池56Sを取り外す際には、第2の爪部78aを支持する撓み片78bを撓ませることで、容易に取り外しができる。このため、電池取り外し用のリボンを無くすことが可能となる。
【0024】
電池蓋80は、図4(B)に示すように小型電池56Sの縦方向後端側を保持する保持板88と、該電池蓋80に収容される小型電池56Sを保持する2対の爪86とを備える。図6(A)に断面を示すL字形状の爪86は、先端側の爪部86aと該爪部86aを支持する撓み片86bから成る。該撓み片86bは、該電池蓋80に保持される小型電池56Sの側面に当接する。一方、図6(D)に示すように大型電池56Lが収容される際には、撓み片86bは、爪部78aを電池収容部の横方向の側壁74側に退避させるように撓む。図6(A)に示すように爪部86aの上面は、該保持される小型電池56Sの下面に当接し、該爪部86aの下面は、電池収容部70に収容された小型電池56Sの上面に当接する。図4(A)に示すように電池蓋80は、小型電池56Sを保持した状態でも、図4(C)に示すように小型電池56Sを保持しない状態でも筐体60に対して取り付け可能であり、電池蓋80が小型電池56を保持しない状態では、図5(D)に示すように爪部86aの下面は、電池収容部70に収容された小型電池56Sの上面に当接し、該小型電池56Sを電池収容部70に固定させる。一方、図6(D)に示すように、電池収容部70に大型電池56Lが収容されている際には、撓み片86bが横方向の側壁74側に撓むことで、爪部78aが側壁74側に退避し、当該大型電池56Lが収容される際にも、電池蓋80を筐体60に取り付け可能にしている。
【0025】
第1実施形態の携帯型情報読取装置10では、電池蓋80が、小型電池56Sの下面が電池収容部70の凹形状の底部76と対向するように1個収容される際に、当該小型電池56Sの上面に当接して支持する爪部86aを備えるため、該爪部86aで押さえて支持することで、電池収容部70に小型電池56Sが収容された際にも、小型電池56Sが動くことが無く、例え、携帯型情報読取装置10が落下した際にも、小型電池56Sの端子が携帯型情報読取装置側の接続端子72から外れて、電力供給が絶えることが無くなる。一方、大型電池56Lが電池収容部70に収容される際に、該爪部86aが該電池収容部70の凹形状の側壁74方向へ退避するため、厚い大型電池56Lを収容することが可能である。
【0026】
また、第1実施形態の携帯型情報読取装置10では、電池収容部70に小型電池56Sが1個、電池蓋80に1個収容される際に、電池収容部70に収容される1個の小型電池56Sの下面が電池収容部70の凹形状の底部76と対向し、該小型電池56Sの上面が爪部86aにより押さえられ、電池蓋80に装着された小型電池56Sが、上面が電池蓋80側に当接され、下面が爪部86aにより当接支持される。即ち、電池蓋80に装着された小型電池56Sが、電池蓋80側に支持されるので、電池蓋80に装着された小型電池56Sを収容した状態で、電池蓋80を筐体60側へ容易に取り付けることができる。更に、該爪部86a及び撓み片86bから成る爪86を電池蓋80と一体に成形することで、製造コストを削減できる。
【0027】
更に、第1実施形態の携帯型情報読取装置10では、爪部86aが、小型電池56Sの厚み方向の下面と当接する撓み片86bの先端に形成されているため、当該撓み片86bが小型電池56Sの側面と当接することで小型電池56Sが移動することが無くなり、電池蓋80に装着された小型電池56Sを収容した状態で、電池蓋80を筐体60側へ容易に取り付けることができる。また、電池蓋80を筐体60に取り付けた状態で、電池蓋80に装着された小型電池56Sが動くことが無くなり、該小型電池56Sと電池蓋80との衝突によるがたつきを防ぐことができる。
【0028】
[第2実施形態]
引き続き、本発明の第2実施形態に係る携帯型情報読取装置について、図7を参照して説明する。
図7(A)は、第2実施形態の携帯型情報読取装置の電池収容部に小型電池56Sが収容された際の説明図であり、図7(B)は、図7(A)のb3−b3断面に対応する説明図であり、図7(A)は、図7(B)中のa3−a3断面に対応する。図7(C)は、電池収容部に大型電池56Lが収容された際の説明図であり、図7(D)は、図7(C)のd3−d3断面に対応する説明図であり、図7(C)は、図7(D)中のc3−c3断面に対応する。図7(E)及び図7(F)は、電池収容部に大型電池56Lが収容された際の電池蓋80の取り付けの説明図であり、図7(F)は、図7(E)中のf3−f3断面に対応する。
【0029】
上述した第1実施形態では、爪部86aで小型電池56Sを保持し、大型電池56Lが収容される際には、撓み片86bが撓むことで爪部86aを側方へ退避させた。これに対して、第2実施形態で、図7(B)に示すように、板状の爪部96により、小型電池56Sを保持し、図7(D)に示すように大型電池56Lが収容される際には、付勢部材を構成するバネ94によって、電池蓋180側に板状の爪部96が退避する。バネ94は、支持部材92に支持されている。支持部材92は、電池蓋180に設けられた溝孔186に取り付けられる。
【0030】
即ち、図7(B)に示すように、電池蓋180の凹部184に小型電池56Sが収容された状態で、板状の爪部96は、電池蓋180から突出し、該板状の爪部96の上面(図7(B)中の右側)が該小型電池56Sの下面に当接して支持する。電池収容部170の凹部174に小型電池56Sが収容され、小型電池56Sの端子が電池収容部170の接続端子172に接続された状態で、該小型電池56Sの上面が板状の爪部96の下面に当接して支持される。
【0031】
一方、図7(C)、図7(D)に示すように、電池収容部170の凹部174及び電池蓋180の凹部184に大型電池56Lが収容された状態では、バネ94によって、電池蓋180内に板状の爪部96が退避する。
【0032】
第2実施形態の携帯型情報読取装置では、小型電池56Sの下面が電池収容部170の凹部174の底部と対向するように1個収容される際に、バネ94により付勢されて電池蓋180から爪部96が突出し当該小型電池56Sの上面に当接して支持するため、電池収容部170に小型電池56Sが収容された際にも、小型電池56Sが動くことが無く、例え、携帯型情報読取装置が落下した際にも、小型電池56Sの端子が携帯型情報読取装置側の接続端子172から外れて、電力供給が絶えることが無くなる。一方、大型電池56Lが電池収容部170に収容される際に、該爪部96が電池蓋180へ退避するため、厚い大型電池56Lを収容することが可能である。
【0033】
図7(E)、図7(F)に示すように、板状の爪部96は4角形に形成され、バネ94の付勢方向に対する側面側(縦方向後端側)の斜面96aが形成されている。板状の爪部96の側面側に斜面96aが設けられているため、電池蓋180の取り付けの際に、該爪部96が大型電池56Lと当接した際の退避が容易になる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
上述した実施形態では、携帯型情報読取装置として、光学情報コード、IDタグの両方が読み取り可能な携帯型情報読取装置を例示したが、本発明の電池収容構造は、光学情報コード、IDタグの一方のみの読み取り用の携帯型情報読取装置に適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1実施形態に係る携帯型情報読取装置の断面図である。
【図2】第1実施形態の携帯型情報読取装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】図3(A)は、図1(A)中に示す小型電池を2個収容した携帯型情報読取装置を下側から見た底面図であり、図3(B)は、図3(A)のb−b断面図であり、図3(C)は、図3(A)のc−c断面図であり、図3(D)は、図3(C)に示す携帯型情報読取装置から電池蓋を外した状態を示す断面図である。
【図4】図4(A)は、小型電池を収容した状態の電池蓋の側面図であり、図4(B)は、図4(A)の電池蓋の底面図である。図4(C)は、小型電池を収容しない状態の電池蓋の側面図であり、図4(D)は、図4(C)の電池蓋の底面図である。
【図5】図5(A)は、図1(C)中の大型電池を収容した携帯型情報読取装置を下側から見た底面図であり、図5(B)は、図5(A)のb2−b2断面図であり、図5(C)は、図5(A)のc2−c2断面図である。図5(D)は小型電池が一個収容された状態の断面図である。
【図6】図6(A)は、図3(B)に示す小型電池を2個収容した携帯型情報読取装置のa1−a1断面図であり、図6(B)は、b1−b1断面図である。図6(C)は、小型電池を1個収容した状態の断面図である。図6(D)は、図5(B)に示す大型電池を1個収容した携帯型情報読取装置のd1−d1断面図であり、図6(E)は、e1−e1断面図である。
【図7】図7(A)は、第2実施形態の携帯型情報読取装置の電池収容部に小型電池が収容された際の説明図であり、図7(B)は、図7(A)のb3−b3断面に対応する説明図である。図7(C)は、電池収容部に大型電池が収容された際の説明図であり、図7(D)は、図7(C)のd3−d3断面に対応する説明図である。図7(E)及び図7(F)は、電池収容部に大型電池が収容された際の電池蓋の取り付けの説明図である。
【図8】先行技術の電池収容構造の説明図である。
【符号の説明】
【0036】
10 携帯型情報読取装置
60 筐体
70 電池収容部
74 側壁
76 底部
78a 爪部
78b 撓み片
80 電池蓋
86a 爪部
86b 撓み片
94 バネ(付勢部材)
96 板状の爪部
170 電池収容部
180 電池蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に凹形状の電池収容部を備え、当該電池収容部に収容した電池を筐体に対して着脱自在な電池蓋により保持させる携帯型情報読取装置であって、
該電池収容部は、縦横長が同じで厚みが2倍以上の大型電池を1個、又は、小型電池を1個挿入可能であって、
前記電池蓋は、小型電池を一個装着可能であって、前記小型電池が前記電池収容部に1個収容される際に、当該小型電池の上面に当接して当該小型電池を押さえる爪部を備え、 該爪部は、前記大型電池が前記電池収容部に収容される際に、該電池収容部の凹形状の側壁方向へ退避可能に構成されていることを特徴とする携帯型情報読取装置。
【請求項2】
前記電池収容部に前記小型電池が1個収容され、前記電池蓋に前記小型電池が1個装着される際に、
前記電池収容部に収容される小型電池の下面が前記電池収容部の凹形状の底部と対向し、該小型電池の上面が前記爪部により押さえられ、
前記電池蓋に装着される前記小型電池が、上面が前記電池蓋側に当接され、下面が前記爪部により当接支持されることを特徴とする請求項1の携帯型情報読取装置。
【請求項3】
前記爪部が、前記電池蓋に装着される前記小型電池の厚み方向の下面と当接する位置に、電池収容部の側壁方向へ撓み可能な撓み片の先端に形成されていることを特徴とする請求項2の携帯型情報読取装置。
【請求項4】
前記電池収容部は、前記小型電池が1個収容される際に、該小型電池の上面に当接して該小型電池を押さえる第2の爪部を備え、該第2の爪部が、前記1個の小型電池の上面と当接すると共に、電池収容部の凹形状の側壁方向へ撓み可能な撓み片に形成されていることを特徴とする請求項3の携帯型情報読取装置。
【請求項5】
前記爪部が、板状に形成され、付勢部材によって前記電池蓋から突出可能であると共に、電池蓋側に退避可能に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2の携帯型情報読取装置。
【請求項6】
前記板状の爪部が、4角形に形成され、前記付勢部材の付勢方向に対する側面側に、斜面が設けられていることを特徴とする請求項5の携帯型情報読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−269137(P2008−269137A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−109184(P2007−109184)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】