携帯型無線通信装置
【課題】防水構造の端末装置が水上でも効果的に使用できるようにする。
【解決手段】防水構造とされた筐体を備えた携帯型無線通信装置とする。そして、筐体内に無線通信処理部を備えて無線通信ができると共に、制御部の制御で、装置の動作モードを通常用のモードと水中用又は水上用のモードとの内の選択されたモードに設定するにした。水中用又は水上用のモードを有することで、例えば端末装置が水中又は水上にある場合に、その状態での使用に適した動作モードとすることができ、水中や水上での使い勝手を向上させることができる。
【解決手段】防水構造とされた筐体を備えた携帯型無線通信装置とする。そして、筐体内に無線通信処理部を備えて無線通信ができると共に、制御部の制御で、装置の動作モードを通常用のモードと水中用又は水上用のモードとの内の選択されたモードに設定するにした。水中用又は水上用のモードを有することで、例えば端末装置が水中又は水上にある場合に、その状態での使用に適した動作モードとすることができ、水中や水上での使い勝手を向上させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話端末装置に適用して好適な携帯型無線通信装置に関し、特に防水構造の携帯型無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話端末装置の如き通信装置として、防水構造のものが提案され、実用化されている。この防水構造の端末装置の場合には、端末装置本体を構成する筐体内部に水が入らないように、筐体の接合部やキー,端子などの配置箇所を防水構造としてある。この防水構造の端末装置を使うことで、例えば海岸や水辺、スキー場などで携帯電話端末装置を使用でき、使い勝手が向上する。
特許文献1には、防水構造の携帯電話端末装置の一例についての記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−172677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の防水型の携帯電話端末装置は、上述したように基本的に端末装置に水がかかることがあっても、端末装置内部に水が侵入しないことを目的としてあり、例えば風呂の中やプール内のような水中で使用することは考慮されていない。従って、防水型といっても限られた使い方しかできない問題があった。
【0005】
本発明はかかる点に鑑み、防水構造の端末装置が水上や水中でも効果的に使用できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、防水構造とされた筐体を備えた携帯型無線通信装置としたものである。
そして、筐体内に無線通信処理部を備えて無線通信ができると共に、制御部の制御で、装置の動作モードを通常用のモードと水中用又は水上用のモードとの内の選択されたモードに設定するにした。
【0007】
水中用又は水上用のモードを有することで、例えば端末装置が水中又は水上にある場合に、その状態での使用に適した動作モードとすることができ、水中や水上での使い勝手を向上させることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、水中や水上での使い勝手を向上させた専用の動作モードを設けたので、水中又は水上で無線通信装置を良好に使えるようになる。例えば、水上での着信などが判りやすい動作モードにするようなことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施の形態の携帯型無線通信装置の例を示した斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の携帯型無線通信装置の内部構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の携帯型無線通信装置の動作モードの設定例を示したフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態の携帯型無線通信装置を振動させた波紋の例(例1)を示した説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の携帯型無線通信装置を振動させた波紋の例(例2)を示した説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態の携帯型無線通信装置の例を示した斜視図である。
【図7】図6例の携帯型無線通信装置を分解して示した分解斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態の携帯型無線通信装置を水に浮かべた状態の例の説明図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態の携帯型無線通信装置が水面移動する例を示した説明図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態の携帯型無線通信装置の変形例を示した斜視図である。
【図11】図10例の携帯型無線通信装置を水に浮かべた状態の例の説明図である。
【図12】図10例の携帯型無線通信装置が水面移動する例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の順序で本発明の実施の形態について説明する。
1.第1の実施の形態の携帯電話端末装置の構成(図1,図2)
2.第1の実施の形態の携帯電話端末装置の制御モード設定例(図3)
3.水面に浮かべた状態での動作例(図4,図5)
4.第2の実施の形態の携帯電話端末装置の構成(図6,図7)
5.水面に浮かべた状態での動作例(図8〜図12)
6.変形例の説明
【0011】
[1.第1の実施の形態の携帯電話端末装置の構成(図1,図2)]
まず、図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施の形態の例による無線通信端末装置の構成について説明する。本実施の形態の例においては、基地局等と無線通信を行って無線電話回線に接続される携帯電話端末装置に適用した例である。
【0012】
図1は、携帯電話端末装置100の形状を示し、図1(a)は表面側を示し、図1(b)は裏面側を示す。本実施の形態の例の携帯電話端末装置100は、防水構造としてあり、かつ水に浮く構成としてある。このため、携帯電話端末装置100の筐体は、防水用の構造としてある。ここでは防水構造の詳細は省略するが、従来からこの種の小型の端末装置に適用されている各種防水構造が適用可能である。
【0013】
携帯電話端末装置100の表面には、表示部103を構成する表示パネルが配置してあり、文字,数字,画像などの表示が行われる。また表面には、操作部104を構成する複数の操作キーが配置してあり、操作キーが押されることで電話端末としての動作が行われる。また、携帯電話端末装置100の表面側には、第1の水検知センサ141を配置してあり、裏面側には、第2の水検知センサ142が配置してある。この水検知センサ141は、端末装置100を水面に浮かべたときに、そのことを検知するセンサであり、例えば水の圧力を検出するセンサや、水面からの反射を検出するセンサなど、各種方式のものが適用可能である。図1に示すように表面と裏面の両面にセンサ141,142を配置したことで、いずれの面を上にして浮かべた状態でも、検出することが可能である。
【0014】
図2は、本実施の形態の例の携帯電話端末装置100の内部構成を示すブロック図である。
図2に示した構成について説明すると、携帯電話端末装置100は、中央制御ユニット(CPU)として構成された制御部101を備え、その制御部101が制御ライン150を介して各部の制御を行う。制御を行う上で必要なデータ(プログラム)については、メモリ105に記憶させてある。後述する水面モードを設定した際の動作についても、このメモリ105に記憶されたプログラムに基づいて設定される。
また、制御ライン150とは別に、音声データなどを伝送させるためのデータライン160についても備える。制御部101には、操作部104からの操作指令が供給される。操作部104としては、例えば操作キーを構成するボタンと、そのボタンが押された際に切り替わるスイッチが配置された基板などで構成される。
【0015】
また携帯電話端末装置100は、携帯電話端末として基地局などと無線通信を行う通信回路102を備え、通信回路102にアンテナ106が接続してある。この通信回路102で受信したデータの内の音声データは、音声処理回路107に送って復調などを行い、復調されたアナログ音声信号をスピーカ108に供給して出力させる。また、マイクロフォン109が拾った音声信号を音声処理回路107に供給して、伝送用に変調し、変調された音声データを、通信回路102に供給して、基地局側に無線送信させる。
【0016】
また携帯電話端末装置100は、近距離通信回路110を備える。近距離通信回路110にはアンテナ111が接続してある。この近距離通信回路110は、例えばBluetooth(商標)と称される無線通信方式に準拠した通信回路としてあり、図示しないBluetooth用のヘッドセットなどと通信を行う。
【0017】
また、メールデータ、ウェブの閲覧画面のデータ、ダウンロードした画像データや音楽データなどの各種データを通信回路102で受信した場合には、それらのデータをメモリ105に記憶させ、画像表示や音楽再生などを行う。
これらの受信したデータによる画像表示や、携帯電話端末として必要な発信時や着信時の表示、電話帳表示などを行うために、表示部103を備える。表示部103としては、例えば液晶表示パネル、有機EL(Organic Electro-Luminescence)表示パネルなどの各種方式の表示パネルが適用可能である。
【0018】
また本例の携帯電話端末装置100は、電源としてリチウムイオン電池などで構成される二次電池121を備える。この二次電池121の充放電は、充放電制御部120により制御される。ここで、本例の場合には、端末装置100が充電用コイル122を備える構成として、非接触で充電が可能な構成としてある。
充電用コイル122は、例えば携帯電話端末装置100の裏面側に配置して、図示しない充電器側のコイルと近接させることで、充電器から電力の供給を受けて、二次電池121を充電させる。
【0019】
また本例の携帯電話端末装置100は、バイブレータ131を備え、着信時やメール受信時などに、携帯電話端末装置100自身を振動させるようにしてある。バイブレータ131は、制御部101からの駆動信号の供給で振動する。その振動状態としては、例えば往復振動するタイプのものや、回転部材の偏心した位置に重りが取り付けられて、円形に振動するタイプのものなどがあり、いずれもものも適用可能である。
【0020】
また先に説明した第1の水検知センサ141及び第2の水検知センサ142が配置してあり、それぞれの検出出力を制御部101が判断する構成としてある。
【0021】
[2.第1の実施の形態の携帯電話端末装置の制御モード設定例(図3)]
次に、各水検知センサ141,142の検出出力に基づいて、制御部101が設定する動作モードについて説明する。ここでは、動作モードとして、通常の携帯電話端末として作動させる通常モードと、水中(又は水面)での使用に適した水中モードとの2つのモードを用意する。
そして、例えば携帯電話端末装置100の電源が投入された状態では、定期的に2つの水検知センサ141,142の検出状態を制御部101が監視する。そして、第1の水検知センサ141が水を検知したか否か判断する(ステップS11)。この判断で、水を検知しない場合には、第2の水検知センサ142が水を検知したか否か判断する(ステップS12)。そして、両水検知センサ141,142のいずれか一方で水を検知した場合には、制御部101が水中モードを設定する(ステップS13)。水中モードで行われる処理状態については後述する。
【0022】
この水中モードを設定した状態で、両水検知センサ141,142で水を検知しなくなったか否か判断し(ステップS14)、水を検知し続ける限り、ステップS13の水中モードを続ける。
そして、ステップS14で水を検知しなくなったと判断した場合には、ステップS15に移行して通常モードとする。また、ステップS12で第2の水検知センサ142が水を検知しない場合にも、ステップS15に移行して通常モードとする。その後、ステップS11の判断に戻る。
【0023】
このようにモードの設定処理が行われることで、端末装置100が水上又は水中にある場合にだけ、水中モードが設定されるようになる。
【0024】
次に、水中モードを設定した際の動作の例について説明する。
水中モードでの動作としては、以下の各例が考えられる。
【0025】
例1)
音声処理回路107での処理状態として、水中又は水上での出力に適した状態とする。具体的には、例えば、スピーカ108での音声出力を比較的大きくして、水中又は水上で伝わりやすい音声とする。また例えば、マイクロフォン109の感度についても、水中又は水上で音声を拾いやすい感度に設定する。これらの出力状態や感度は、水中モード時には予め決められた値に固定するようにしてもよい。通常モード時には、これらの設定は、ユーザ操作で自由に調整した値が設定される。
また、着信やメール受信などを知らせる音を、通常モード時と水中モード時とで異なる音(メロディなど)にする。
【0026】
例2)
表示部103での表示状態として、水中又は水上での出力に適した状態とする。具体的には、例えば、水中や水上でも表示が見やすいように、表示サイズの制御を行って、比較的大きな文字や画像として表示させる。また例えば、バックライトの発光輝度や表示素子の発光輝度を制御して、水中や水上で見やすい表示状態を設定する。通常モード時には、これらの表示サイズや表示輝度についても、ユーザ操作で設定した状態とし、水中モード時には、水中に適した固定値とする。
【0027】
例3)
図2の構成には示していないが、着信などを通知するランプなどの照明手段を端末装置100に設けて、着信やメール受信があった際に、そのランプの点灯色や点滅パターンなどを、水中モード時と通常時で変化させる。水中モード時には、特に目立つような点灯色や点滅パターンとする。
【0028】
例4)
着信やメール受信などを振動で通知するバイブレータ131の振動パターンや出力を、水中モード時に、通常モードでの振動パターンから変化させる。具体的には、端末装置100を水に浮かべた状態で、端末装置100自身の振動で、水面に特定の波紋を発生させて、着信などが判るようにする。
通常モード時には、端末装置100を所持しているユーザに、端末装置自身の振動で着信を知らせるのに適した振動パターンや出力で振動させる。
【0029】
[3.水面に浮かべた状態での動作例(図4,図5)]
ここで、例4のバイブレータ131の振動パターンや出力を変化させる場合の例について、図4及び図5を参照して説明する。
図4の例は、バイブレータ131を一定の状態で連続して駆動した例である。図4(b)は、バイブレータ131が振動する波形を示し、連続的に駆動するようにしてある。駆動出力についても、端末装置100を水に浮かべた状態で、水面に波紋を発生させるのに十分な出力としてある。
【0030】
このようにバイブレータ131を駆動することで、図4(a)に示すように、水に浮いた携帯電話端末装置100を中心として、同心円状に広がっていく波紋X1,X2,X3・・・が次々に発生する。この例では、比較的短い間隔で各波紋X1,X2,X3・・・が発生する。
【0031】
図5は別の発生例を示した図である。この図5の例は、バイブレータ131を間欠的に駆動した例である。図5(b)は、バイブレータ131が振動する波形を示し、連続的に動かす状態と、休止させる状態とを交互に行う駆動状態としてある。駆動出力についても、端末装置100を水に浮かべた状態で、水面に波紋を発生させるのに十分な出力としてある。
【0032】
このようにバイブレータ131を駆動することで、図5(a)に示すように、水に浮いた携帯電話端末装置100を中心として、同心円状に広がっていく波紋X11,X12,・・・が、ある程度の間隔で次々に発生する。
【0033】
この図4(a)に示した駆動状態と、図5(a)に示した駆動状態とは、水中モード時にいずれか一方を選択してもよいが、水中モード時に告知した状態に応じて自動的に制御部101が選ぶようにしてもよい。例えば、電話の着信時には、図5のパターンで通知し、メール受信時には、図6のパターンで通知するようにしてもよい。
【0034】
以上説明したように、本例の携帯電話端末装置100によると、水に浮かべたり、水中である場合には、センサ141,142でそのことが検知されて、動作モードが対応した状態に自動的に変化する。従って、ユーザは何等操作をすることなく、水中や水上で使いやすい状態に自動的に変化し、水中でも水中以外でもいずれの状況でも最適な動作モードになる。
【0035】
なお、図3のフローチャートでは、センサ141,142の検出出力に応じて、自動的に水中モードが設定されるようにしたが、センサ141,142は端末装置100に設けない構成として、ユーザ操作で水中モードと通常モードを選択できるようにしてもよい。この場合には、例えば表示部103に表示されるメニュー画面中に、そのモード選択を行う項目を用意すればよい。或いは、水中モードのオン・オフ操作を行う専用の操作キーを設けても良い。
【0036】
[4.第2の実施の形態の携帯電話端末装置の構成(図6,図7)]
次に、本発明の第2の実施の形態の例を、図6〜図12を参照して説明する。
本実施の形態の例についても、携帯電話端末装置に適用したものであり、図6以降の図において、第1の実施の形態の例で説明した図1〜図5に対応する部分には同一符号を付す。本実施の形態の場合には、端末装置の形状に特徴を有しており、端末装置の内部構成については、基本的に図2に示した端末装置100と同じである。
【0037】
図6は、本実施の形態の例の携帯電話端末装置100′の形状を示した図であり、図6(a)は表面側を示し、図6(b)は裏面側を示す。本実施の形態の例の携帯電話端末装置100′についても、防水構造としてあり、かつ水に浮く構成としてある。このため、携帯電話端末装置100′の筐体は、防水用の構造としてある。即ち、携帯電話端末装置100′は、第1筐体200と第2筐体300とを接合した形状としてある。
【0038】
図6(a)に示すように、携帯電話端末装置100の表面には、表示部103を構成する表示パネルが配置してあり、文字,数字,画像などの表示が行われる。また表面には、操作部104を構成する複数の操作キーが配置してあり、操作キーが押されることで電話端末としての動作が行われる。これらの表示部103及び操作部104に対応した筐体表面には、窓部201,202を設けてある。窓部201,202は、開口させるのではく、透明な部材で覆う構成として、防水性を確保してもよい。
【0039】
筐体200の表面には、スピーカ配置部203とマイクロフォン配置部204とセンサ配置部205とを設けてある。スピーカ配置部203には、図2に示したスピーカ108が配置される。マイクロフォン配置部204には、図2に示したマイクロフォン109が配置される。センサ配置部205には、第1の水検知センサ141が配置される。
【0040】
図6(b)に示すように、携帯電話端末装置100の裏面には、凸状部材である多数のフィン311を配置してある。また裏面にセンサ配置部302を設けてあり、第2の水検知センサ142が配置される。
【0041】
裏面に設けた多数のフィン311は、突起させる部材の方向を傾けて配置してあり、中心位置から一方と他方とで、その傾ける方向を変えてある。
【0042】
図7は、携帯電話端末装置100′を分解して示した図である。基板130に表示部103や操作部104などの図2に示した各部材を取り付けてあり、その基板130と各部材とが、第1筐体200と第2筐体300との間の収納部310に納められた状態で、防水状態に組み立てられる。基板130には、バイブレータ131′が取り付けてある。
【0043】
そして本例の携帯電話端末装置100′の場合にも、センサ141,142の検出出力などに基づいて、通常動作モードと水中モード(水上モード)とを自動的、又はユーザ操作で設定されるようにしてある。
【0044】
[5.水面に浮かべた状態での動作例(図8〜図12)]
次に、本実施の形態の例の携帯電話端末装置100′を水中モードとして、水に浮かべた際の動作例について説明する。
本例の携帯電話端末装置100′は、例えば図8に示したように、フィン311を設けた裏面側が水に浸かった状態で、水面Wに浮く構成としてある。裏面側が下になるようにするために、例えば端末装置100′の重心位置を裏面側寄りの位置とするようにしてもよいが、ユーザが手で図8に示した状態に浮かべるようにしてもよい。
【0045】
この例では、図9に示したように、バイブレータ131′として、左右方向に力P1(図9参照)が働く配置状態としてある。そして、裏面の中心位置から一方寄りと他方寄りとで向きを変えてフィン311を配置してあることで、バイブレータ131′の振動で、図9(a)に回転方向θで示すように水面上に回転するようになり、例えば図9(b)に示すように傾いた位置にすることができる。
水中モード時に、このような動きをするバイブレータ131′の振動を行うことで、水面に浮かべた端末装置100′が回転するようになり、例えば着信やメール受信が、端末装置自体の水面上の動きから判るようになる。
【0046】
図10〜図12は、第2の実施の形態の変形例を示したものである。
この例では、図10に示したように、携帯電話端末装置100″の裏面に、同じ方向(ここでは上側)を向いた多数のフィン311′を設けた例である。そして、バイブレータ131″として、上下方向に力P2(図10参照)が働く配置状態としてある。そして、同じ方向にフィン311′を多数配置してあることで、バイブレータ131″の振動で、図12に移動方向Mで示すように水面上を直線状に上側に移動する。
水中モード時に、このような動きをするバイブレータ131″の振動を行うことで、水面に浮かべた端末装置100′が移動するようになり、例えば着信やメール受信が、端末装置自体の水面上の動きから判るようになる。
【0047】
なお、図6や図10の例では、凸状に突起したフィンを多数配置して、水面を移動する構成としたが、逆に裏面に多数の凹状に窪んだ箇所(凹部)を設けて、その凹部の作用で移動させるようにしてもよい。また、図9や図12の例ではバイブレータが振動時に往復移動するようにしてあるが、同様の方向に力が働くものであれば、回転するタイプのバイブレータとしてもよい。
【0048】
[6.変形例の説明]
ここまで説明した各例では、携帯電話端末装置に本発明を適用した例について説明したが、携帯電話端末装置以外のその他の各種携帯型無線通信装置に本発明を適用してもよい。
各図に示した構成についても好適な例を示したものであり、図示した構成に限定されるものではない。
【0049】
また、上述した実施の形態では、図9に示した端末装置の水面上の回転を着信通知時などに行うようにしたが、回転する位置で、何らかの告知をするようにしてもよい。例えば、端末装置内に方位センサを内蔵させて、その端末装置内の方位センサで検出した方位に基づいて、端末装置の上端が向く方向が、常に同じ方位(例えば北など)を向くようにしてもよい。
【符号の説明】
【0050】
100,100′…携帯電話端末装置、101…制御部、102…通信回路、103…表示部、104…操作部、105…メモリ、106…アンテナ、107…音声処理回路、108…スピーカ、109…マイクロフォン、110…近距離通信回路、111…アンテナ120…充放電制御部、121…二次電池、122…充電用コイル、130…基板、131,131′,131″…バイブレータ、141…第1水検知センサ、142…第2水検知センサ、200…第1筐体、201,202…窓部、203…スピーカ配置部、204…マイクロフォン配置部、205…センサ配置部、300…第2筐体、301…収納部、302…センサ配置部、310…底面、311,311′…フィン
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話端末装置に適用して好適な携帯型無線通信装置に関し、特に防水構造の携帯型無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話端末装置の如き通信装置として、防水構造のものが提案され、実用化されている。この防水構造の端末装置の場合には、端末装置本体を構成する筐体内部に水が入らないように、筐体の接合部やキー,端子などの配置箇所を防水構造としてある。この防水構造の端末装置を使うことで、例えば海岸や水辺、スキー場などで携帯電話端末装置を使用でき、使い勝手が向上する。
特許文献1には、防水構造の携帯電話端末装置の一例についての記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−172677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の防水型の携帯電話端末装置は、上述したように基本的に端末装置に水がかかることがあっても、端末装置内部に水が侵入しないことを目的としてあり、例えば風呂の中やプール内のような水中で使用することは考慮されていない。従って、防水型といっても限られた使い方しかできない問題があった。
【0005】
本発明はかかる点に鑑み、防水構造の端末装置が水上や水中でも効果的に使用できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、防水構造とされた筐体を備えた携帯型無線通信装置としたものである。
そして、筐体内に無線通信処理部を備えて無線通信ができると共に、制御部の制御で、装置の動作モードを通常用のモードと水中用又は水上用のモードとの内の選択されたモードに設定するにした。
【0007】
水中用又は水上用のモードを有することで、例えば端末装置が水中又は水上にある場合に、その状態での使用に適した動作モードとすることができ、水中や水上での使い勝手を向上させることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、水中や水上での使い勝手を向上させた専用の動作モードを設けたので、水中又は水上で無線通信装置を良好に使えるようになる。例えば、水上での着信などが判りやすい動作モードにするようなことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施の形態の携帯型無線通信装置の例を示した斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の携帯型無線通信装置の内部構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の携帯型無線通信装置の動作モードの設定例を示したフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態の携帯型無線通信装置を振動させた波紋の例(例1)を示した説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の携帯型無線通信装置を振動させた波紋の例(例2)を示した説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態の携帯型無線通信装置の例を示した斜視図である。
【図7】図6例の携帯型無線通信装置を分解して示した分解斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態の携帯型無線通信装置を水に浮かべた状態の例の説明図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態の携帯型無線通信装置が水面移動する例を示した説明図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態の携帯型無線通信装置の変形例を示した斜視図である。
【図11】図10例の携帯型無線通信装置を水に浮かべた状態の例の説明図である。
【図12】図10例の携帯型無線通信装置が水面移動する例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の順序で本発明の実施の形態について説明する。
1.第1の実施の形態の携帯電話端末装置の構成(図1,図2)
2.第1の実施の形態の携帯電話端末装置の制御モード設定例(図3)
3.水面に浮かべた状態での動作例(図4,図5)
4.第2の実施の形態の携帯電話端末装置の構成(図6,図7)
5.水面に浮かべた状態での動作例(図8〜図12)
6.変形例の説明
【0011】
[1.第1の実施の形態の携帯電話端末装置の構成(図1,図2)]
まず、図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施の形態の例による無線通信端末装置の構成について説明する。本実施の形態の例においては、基地局等と無線通信を行って無線電話回線に接続される携帯電話端末装置に適用した例である。
【0012】
図1は、携帯電話端末装置100の形状を示し、図1(a)は表面側を示し、図1(b)は裏面側を示す。本実施の形態の例の携帯電話端末装置100は、防水構造としてあり、かつ水に浮く構成としてある。このため、携帯電話端末装置100の筐体は、防水用の構造としてある。ここでは防水構造の詳細は省略するが、従来からこの種の小型の端末装置に適用されている各種防水構造が適用可能である。
【0013】
携帯電話端末装置100の表面には、表示部103を構成する表示パネルが配置してあり、文字,数字,画像などの表示が行われる。また表面には、操作部104を構成する複数の操作キーが配置してあり、操作キーが押されることで電話端末としての動作が行われる。また、携帯電話端末装置100の表面側には、第1の水検知センサ141を配置してあり、裏面側には、第2の水検知センサ142が配置してある。この水検知センサ141は、端末装置100を水面に浮かべたときに、そのことを検知するセンサであり、例えば水の圧力を検出するセンサや、水面からの反射を検出するセンサなど、各種方式のものが適用可能である。図1に示すように表面と裏面の両面にセンサ141,142を配置したことで、いずれの面を上にして浮かべた状態でも、検出することが可能である。
【0014】
図2は、本実施の形態の例の携帯電話端末装置100の内部構成を示すブロック図である。
図2に示した構成について説明すると、携帯電話端末装置100は、中央制御ユニット(CPU)として構成された制御部101を備え、その制御部101が制御ライン150を介して各部の制御を行う。制御を行う上で必要なデータ(プログラム)については、メモリ105に記憶させてある。後述する水面モードを設定した際の動作についても、このメモリ105に記憶されたプログラムに基づいて設定される。
また、制御ライン150とは別に、音声データなどを伝送させるためのデータライン160についても備える。制御部101には、操作部104からの操作指令が供給される。操作部104としては、例えば操作キーを構成するボタンと、そのボタンが押された際に切り替わるスイッチが配置された基板などで構成される。
【0015】
また携帯電話端末装置100は、携帯電話端末として基地局などと無線通信を行う通信回路102を備え、通信回路102にアンテナ106が接続してある。この通信回路102で受信したデータの内の音声データは、音声処理回路107に送って復調などを行い、復調されたアナログ音声信号をスピーカ108に供給して出力させる。また、マイクロフォン109が拾った音声信号を音声処理回路107に供給して、伝送用に変調し、変調された音声データを、通信回路102に供給して、基地局側に無線送信させる。
【0016】
また携帯電話端末装置100は、近距離通信回路110を備える。近距離通信回路110にはアンテナ111が接続してある。この近距離通信回路110は、例えばBluetooth(商標)と称される無線通信方式に準拠した通信回路としてあり、図示しないBluetooth用のヘッドセットなどと通信を行う。
【0017】
また、メールデータ、ウェブの閲覧画面のデータ、ダウンロードした画像データや音楽データなどの各種データを通信回路102で受信した場合には、それらのデータをメモリ105に記憶させ、画像表示や音楽再生などを行う。
これらの受信したデータによる画像表示や、携帯電話端末として必要な発信時や着信時の表示、電話帳表示などを行うために、表示部103を備える。表示部103としては、例えば液晶表示パネル、有機EL(Organic Electro-Luminescence)表示パネルなどの各種方式の表示パネルが適用可能である。
【0018】
また本例の携帯電話端末装置100は、電源としてリチウムイオン電池などで構成される二次電池121を備える。この二次電池121の充放電は、充放電制御部120により制御される。ここで、本例の場合には、端末装置100が充電用コイル122を備える構成として、非接触で充電が可能な構成としてある。
充電用コイル122は、例えば携帯電話端末装置100の裏面側に配置して、図示しない充電器側のコイルと近接させることで、充電器から電力の供給を受けて、二次電池121を充電させる。
【0019】
また本例の携帯電話端末装置100は、バイブレータ131を備え、着信時やメール受信時などに、携帯電話端末装置100自身を振動させるようにしてある。バイブレータ131は、制御部101からの駆動信号の供給で振動する。その振動状態としては、例えば往復振動するタイプのものや、回転部材の偏心した位置に重りが取り付けられて、円形に振動するタイプのものなどがあり、いずれもものも適用可能である。
【0020】
また先に説明した第1の水検知センサ141及び第2の水検知センサ142が配置してあり、それぞれの検出出力を制御部101が判断する構成としてある。
【0021】
[2.第1の実施の形態の携帯電話端末装置の制御モード設定例(図3)]
次に、各水検知センサ141,142の検出出力に基づいて、制御部101が設定する動作モードについて説明する。ここでは、動作モードとして、通常の携帯電話端末として作動させる通常モードと、水中(又は水面)での使用に適した水中モードとの2つのモードを用意する。
そして、例えば携帯電話端末装置100の電源が投入された状態では、定期的に2つの水検知センサ141,142の検出状態を制御部101が監視する。そして、第1の水検知センサ141が水を検知したか否か判断する(ステップS11)。この判断で、水を検知しない場合には、第2の水検知センサ142が水を検知したか否か判断する(ステップS12)。そして、両水検知センサ141,142のいずれか一方で水を検知した場合には、制御部101が水中モードを設定する(ステップS13)。水中モードで行われる処理状態については後述する。
【0022】
この水中モードを設定した状態で、両水検知センサ141,142で水を検知しなくなったか否か判断し(ステップS14)、水を検知し続ける限り、ステップS13の水中モードを続ける。
そして、ステップS14で水を検知しなくなったと判断した場合には、ステップS15に移行して通常モードとする。また、ステップS12で第2の水検知センサ142が水を検知しない場合にも、ステップS15に移行して通常モードとする。その後、ステップS11の判断に戻る。
【0023】
このようにモードの設定処理が行われることで、端末装置100が水上又は水中にある場合にだけ、水中モードが設定されるようになる。
【0024】
次に、水中モードを設定した際の動作の例について説明する。
水中モードでの動作としては、以下の各例が考えられる。
【0025】
例1)
音声処理回路107での処理状態として、水中又は水上での出力に適した状態とする。具体的には、例えば、スピーカ108での音声出力を比較的大きくして、水中又は水上で伝わりやすい音声とする。また例えば、マイクロフォン109の感度についても、水中又は水上で音声を拾いやすい感度に設定する。これらの出力状態や感度は、水中モード時には予め決められた値に固定するようにしてもよい。通常モード時には、これらの設定は、ユーザ操作で自由に調整した値が設定される。
また、着信やメール受信などを知らせる音を、通常モード時と水中モード時とで異なる音(メロディなど)にする。
【0026】
例2)
表示部103での表示状態として、水中又は水上での出力に適した状態とする。具体的には、例えば、水中や水上でも表示が見やすいように、表示サイズの制御を行って、比較的大きな文字や画像として表示させる。また例えば、バックライトの発光輝度や表示素子の発光輝度を制御して、水中や水上で見やすい表示状態を設定する。通常モード時には、これらの表示サイズや表示輝度についても、ユーザ操作で設定した状態とし、水中モード時には、水中に適した固定値とする。
【0027】
例3)
図2の構成には示していないが、着信などを通知するランプなどの照明手段を端末装置100に設けて、着信やメール受信があった際に、そのランプの点灯色や点滅パターンなどを、水中モード時と通常時で変化させる。水中モード時には、特に目立つような点灯色や点滅パターンとする。
【0028】
例4)
着信やメール受信などを振動で通知するバイブレータ131の振動パターンや出力を、水中モード時に、通常モードでの振動パターンから変化させる。具体的には、端末装置100を水に浮かべた状態で、端末装置100自身の振動で、水面に特定の波紋を発生させて、着信などが判るようにする。
通常モード時には、端末装置100を所持しているユーザに、端末装置自身の振動で着信を知らせるのに適した振動パターンや出力で振動させる。
【0029】
[3.水面に浮かべた状態での動作例(図4,図5)]
ここで、例4のバイブレータ131の振動パターンや出力を変化させる場合の例について、図4及び図5を参照して説明する。
図4の例は、バイブレータ131を一定の状態で連続して駆動した例である。図4(b)は、バイブレータ131が振動する波形を示し、連続的に駆動するようにしてある。駆動出力についても、端末装置100を水に浮かべた状態で、水面に波紋を発生させるのに十分な出力としてある。
【0030】
このようにバイブレータ131を駆動することで、図4(a)に示すように、水に浮いた携帯電話端末装置100を中心として、同心円状に広がっていく波紋X1,X2,X3・・・が次々に発生する。この例では、比較的短い間隔で各波紋X1,X2,X3・・・が発生する。
【0031】
図5は別の発生例を示した図である。この図5の例は、バイブレータ131を間欠的に駆動した例である。図5(b)は、バイブレータ131が振動する波形を示し、連続的に動かす状態と、休止させる状態とを交互に行う駆動状態としてある。駆動出力についても、端末装置100を水に浮かべた状態で、水面に波紋を発生させるのに十分な出力としてある。
【0032】
このようにバイブレータ131を駆動することで、図5(a)に示すように、水に浮いた携帯電話端末装置100を中心として、同心円状に広がっていく波紋X11,X12,・・・が、ある程度の間隔で次々に発生する。
【0033】
この図4(a)に示した駆動状態と、図5(a)に示した駆動状態とは、水中モード時にいずれか一方を選択してもよいが、水中モード時に告知した状態に応じて自動的に制御部101が選ぶようにしてもよい。例えば、電話の着信時には、図5のパターンで通知し、メール受信時には、図6のパターンで通知するようにしてもよい。
【0034】
以上説明したように、本例の携帯電話端末装置100によると、水に浮かべたり、水中である場合には、センサ141,142でそのことが検知されて、動作モードが対応した状態に自動的に変化する。従って、ユーザは何等操作をすることなく、水中や水上で使いやすい状態に自動的に変化し、水中でも水中以外でもいずれの状況でも最適な動作モードになる。
【0035】
なお、図3のフローチャートでは、センサ141,142の検出出力に応じて、自動的に水中モードが設定されるようにしたが、センサ141,142は端末装置100に設けない構成として、ユーザ操作で水中モードと通常モードを選択できるようにしてもよい。この場合には、例えば表示部103に表示されるメニュー画面中に、そのモード選択を行う項目を用意すればよい。或いは、水中モードのオン・オフ操作を行う専用の操作キーを設けても良い。
【0036】
[4.第2の実施の形態の携帯電話端末装置の構成(図6,図7)]
次に、本発明の第2の実施の形態の例を、図6〜図12を参照して説明する。
本実施の形態の例についても、携帯電話端末装置に適用したものであり、図6以降の図において、第1の実施の形態の例で説明した図1〜図5に対応する部分には同一符号を付す。本実施の形態の場合には、端末装置の形状に特徴を有しており、端末装置の内部構成については、基本的に図2に示した端末装置100と同じである。
【0037】
図6は、本実施の形態の例の携帯電話端末装置100′の形状を示した図であり、図6(a)は表面側を示し、図6(b)は裏面側を示す。本実施の形態の例の携帯電話端末装置100′についても、防水構造としてあり、かつ水に浮く構成としてある。このため、携帯電話端末装置100′の筐体は、防水用の構造としてある。即ち、携帯電話端末装置100′は、第1筐体200と第2筐体300とを接合した形状としてある。
【0038】
図6(a)に示すように、携帯電話端末装置100の表面には、表示部103を構成する表示パネルが配置してあり、文字,数字,画像などの表示が行われる。また表面には、操作部104を構成する複数の操作キーが配置してあり、操作キーが押されることで電話端末としての動作が行われる。これらの表示部103及び操作部104に対応した筐体表面には、窓部201,202を設けてある。窓部201,202は、開口させるのではく、透明な部材で覆う構成として、防水性を確保してもよい。
【0039】
筐体200の表面には、スピーカ配置部203とマイクロフォン配置部204とセンサ配置部205とを設けてある。スピーカ配置部203には、図2に示したスピーカ108が配置される。マイクロフォン配置部204には、図2に示したマイクロフォン109が配置される。センサ配置部205には、第1の水検知センサ141が配置される。
【0040】
図6(b)に示すように、携帯電話端末装置100の裏面には、凸状部材である多数のフィン311を配置してある。また裏面にセンサ配置部302を設けてあり、第2の水検知センサ142が配置される。
【0041】
裏面に設けた多数のフィン311は、突起させる部材の方向を傾けて配置してあり、中心位置から一方と他方とで、その傾ける方向を変えてある。
【0042】
図7は、携帯電話端末装置100′を分解して示した図である。基板130に表示部103や操作部104などの図2に示した各部材を取り付けてあり、その基板130と各部材とが、第1筐体200と第2筐体300との間の収納部310に納められた状態で、防水状態に組み立てられる。基板130には、バイブレータ131′が取り付けてある。
【0043】
そして本例の携帯電話端末装置100′の場合にも、センサ141,142の検出出力などに基づいて、通常動作モードと水中モード(水上モード)とを自動的、又はユーザ操作で設定されるようにしてある。
【0044】
[5.水面に浮かべた状態での動作例(図8〜図12)]
次に、本実施の形態の例の携帯電話端末装置100′を水中モードとして、水に浮かべた際の動作例について説明する。
本例の携帯電話端末装置100′は、例えば図8に示したように、フィン311を設けた裏面側が水に浸かった状態で、水面Wに浮く構成としてある。裏面側が下になるようにするために、例えば端末装置100′の重心位置を裏面側寄りの位置とするようにしてもよいが、ユーザが手で図8に示した状態に浮かべるようにしてもよい。
【0045】
この例では、図9に示したように、バイブレータ131′として、左右方向に力P1(図9参照)が働く配置状態としてある。そして、裏面の中心位置から一方寄りと他方寄りとで向きを変えてフィン311を配置してあることで、バイブレータ131′の振動で、図9(a)に回転方向θで示すように水面上に回転するようになり、例えば図9(b)に示すように傾いた位置にすることができる。
水中モード時に、このような動きをするバイブレータ131′の振動を行うことで、水面に浮かべた端末装置100′が回転するようになり、例えば着信やメール受信が、端末装置自体の水面上の動きから判るようになる。
【0046】
図10〜図12は、第2の実施の形態の変形例を示したものである。
この例では、図10に示したように、携帯電話端末装置100″の裏面に、同じ方向(ここでは上側)を向いた多数のフィン311′を設けた例である。そして、バイブレータ131″として、上下方向に力P2(図10参照)が働く配置状態としてある。そして、同じ方向にフィン311′を多数配置してあることで、バイブレータ131″の振動で、図12に移動方向Mで示すように水面上を直線状に上側に移動する。
水中モード時に、このような動きをするバイブレータ131″の振動を行うことで、水面に浮かべた端末装置100′が移動するようになり、例えば着信やメール受信が、端末装置自体の水面上の動きから判るようになる。
【0047】
なお、図6や図10の例では、凸状に突起したフィンを多数配置して、水面を移動する構成としたが、逆に裏面に多数の凹状に窪んだ箇所(凹部)を設けて、その凹部の作用で移動させるようにしてもよい。また、図9や図12の例ではバイブレータが振動時に往復移動するようにしてあるが、同様の方向に力が働くものであれば、回転するタイプのバイブレータとしてもよい。
【0048】
[6.変形例の説明]
ここまで説明した各例では、携帯電話端末装置に本発明を適用した例について説明したが、携帯電話端末装置以外のその他の各種携帯型無線通信装置に本発明を適用してもよい。
各図に示した構成についても好適な例を示したものであり、図示した構成に限定されるものではない。
【0049】
また、上述した実施の形態では、図9に示した端末装置の水面上の回転を着信通知時などに行うようにしたが、回転する位置で、何らかの告知をするようにしてもよい。例えば、端末装置内に方位センサを内蔵させて、その端末装置内の方位センサで検出した方位に基づいて、端末装置の上端が向く方向が、常に同じ方位(例えば北など)を向くようにしてもよい。
【符号の説明】
【0050】
100,100′…携帯電話端末装置、101…制御部、102…通信回路、103…表示部、104…操作部、105…メモリ、106…アンテナ、107…音声処理回路、108…スピーカ、109…マイクロフォン、110…近距離通信回路、111…アンテナ120…充放電制御部、121…二次電池、122…充電用コイル、130…基板、131,131′,131″…バイブレータ、141…第1水検知センサ、142…第2水検知センサ、200…第1筐体、201,202…窓部、203…スピーカ配置部、204…マイクロフォン配置部、205…センサ配置部、300…第2筐体、301…収納部、302…センサ配置部、310…底面、311,311′…フィン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
防水構造とされた筐体と、
前記筐体内に配置された無線通信処理部と、
装置の動作モードを通常用のモードと水中用又は水上用のモードとの内の選択されたモードに設定する制御部とを備えた
携帯型無線通信装置。
【請求項2】
前記筐体に配置され、前記筐体が水中又は水上であることを検出するセンサを備え、
前記制御部は、前記センサが水中又は水上であることを検出した場合に、前記水中用又は水上用のモードを設定し、前記センサが水中又は水上を検出しない場合に、前記通常用のモードを設定する
請求項1記載の携帯型無線通信装置。
【請求項3】
前記水中用又は水上用のモードが設定されたとき、前記制御部は、無線通信での着信又は受信を通知する着信音を、通常モード時とは異なる状態で出力させる
請求項1記載の携帯型無線通信装置。
【請求項4】
無線通信での着信又は受信を、筐体を振動させて通知するバイブレータを備え、
前記水中用又は水上用のモードが設定されたとき、前記制御部は、前記バイブレータを通常モード時とは異なる振動状態とするようにした
請求項1記載の携帯型無線通信装置。
【請求項5】
前記水中用又は水上用のモードでの前記バイブレータの振動で、水面に所定の波紋を形成させるようにした
請求項4記載の携帯型無線通信装置。
【請求項6】
前記筐体の所定面に凸部又は凹部を連続して配置し、
前記凸部又は前記凹部が配置された面を水中とした状態で、前記水中用又は水上用のモードでの前記バイブレータを振動させることで、水面に浮かんだ前記筐体を所定の方向に回転又は進行させる
請求項4記載の携帯型無線通信装置。
【請求項7】
前記筐体の所定位置を照明させる照明部を備え、
前記制御部は、前記通常用のモードでの照明状態と、前記水中用又は水上用のモードでの照明状態とを変化させる
請求項1記載の携帯型無線通信装置。
【請求項1】
防水構造とされた筐体と、
前記筐体内に配置された無線通信処理部と、
装置の動作モードを通常用のモードと水中用又は水上用のモードとの内の選択されたモードに設定する制御部とを備えた
携帯型無線通信装置。
【請求項2】
前記筐体に配置され、前記筐体が水中又は水上であることを検出するセンサを備え、
前記制御部は、前記センサが水中又は水上であることを検出した場合に、前記水中用又は水上用のモードを設定し、前記センサが水中又は水上を検出しない場合に、前記通常用のモードを設定する
請求項1記載の携帯型無線通信装置。
【請求項3】
前記水中用又は水上用のモードが設定されたとき、前記制御部は、無線通信での着信又は受信を通知する着信音を、通常モード時とは異なる状態で出力させる
請求項1記載の携帯型無線通信装置。
【請求項4】
無線通信での着信又は受信を、筐体を振動させて通知するバイブレータを備え、
前記水中用又は水上用のモードが設定されたとき、前記制御部は、前記バイブレータを通常モード時とは異なる振動状態とするようにした
請求項1記載の携帯型無線通信装置。
【請求項5】
前記水中用又は水上用のモードでの前記バイブレータの振動で、水面に所定の波紋を形成させるようにした
請求項4記載の携帯型無線通信装置。
【請求項6】
前記筐体の所定面に凸部又は凹部を連続して配置し、
前記凸部又は前記凹部が配置された面を水中とした状態で、前記水中用又は水上用のモードでの前記バイブレータを振動させることで、水面に浮かんだ前記筐体を所定の方向に回転又は進行させる
請求項4記載の携帯型無線通信装置。
【請求項7】
前記筐体の所定位置を照明させる照明部を備え、
前記制御部は、前記通常用のモードでの照明状態と、前記水中用又は水上用のモードでの照明状態とを変化させる
請求項1記載の携帯型無線通信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−283540(P2010−283540A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−134422(P2009−134422)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
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