携帯型電子機器、信号処理方法および再生方法
【課題】例えば、携帯型電子機器に対する充電を不要とする。
【解決手段】携帯型電子機器は、例えば、信号処理部と、信号処理部に対してコントロール信号を供給するコントローラと、電力としての電気信号を生成し、生成する電気信号を信号処理部に供給する発電部とを備える。
【解決手段】携帯型電子機器は、例えば、信号処理部と、信号処理部に対してコントロール信号を供給するコントローラと、電力としての電気信号を生成し、生成する電気信号を信号処理部に供給する発電部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば、充電が不要とされる携帯型電子機器、信号処理方法および再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話や携帯型の音楽プレーヤなどのように、ユーザが屋外で使用する携帯型電子機器が広く普及している。このような携帯型電子機器は、特許文献1に記載されているように、電源として充放電可能な二次電池を有することが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−283609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている携帯型電子機器において、二次電池の残容量が不足した場合には、商用電源を使用して二次電池を充電しなければならない。このため、屋外などの商用電源がない場所で電池の残容量が不足した場合には、携帯型電子機器の使用を中止せざるを得ないという問題があった。さらに、携帯型電子機器が長時間、使用されない場合には二次電池が放電されてしまうため、携帯型電子機器を即座に使用することができないという問題があった。
【0005】
したがって、本開示の目的の一つは、例えば、充電が不要な携帯型電子機器、信号処理方法および再生方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本開示は、例えば、
信号処理部と、
信号処理部に対してコントロール信号を供給するコントローラと、
電力としての電気信号を生成し、生成する電気信号を信号処理部に供給する発電部と
を備える携帯型電子機器である。
【0007】
本開示は、例えば、
コンテンツを再生する処理を行う信号処理部と、
電力としての電気信号を生成し、電気信号を蓄電部に供給する発電部と
を備え、
信号処理部は、蓄電部の残容量に応じてコンテンツの再生態様を変化させる携帯型電子機器である。
【0008】
本開示は、例えば、
信号処理部と、コントローラと、発電部とを備える携帯型電子機器における信号処理方法であり、
コントローラから出力されるコントロール信号が信号処理部に供給され、
発電部によって生成される電力としての電気信号が、信号処理部に供給される信号処理方法である。
【0009】
本開示は、例えば、
信号処理部によってコンテンツを再生し、
発電部によって電力としての電気信号を生成し、電気信号を蓄電部に供給し、
蓄電部の残容量に応じて、コンテンツの再生態様を変化させる再生方法である。
【発明の効果】
【0010】
少なくとも一の実施形態によれば、携帯型電子機器において発電することができ、商用電源等の外部電源を使用して携帯型電子機器を充電することが不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態の概要を示す略線図である。
【図2】第1の実施形態における携帯型音楽再生機の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】発電部が組み込まれる位置の一例を説明するための略線図である。
【図4】発電部の構成の一例を説明するための略線図である。
【図5】エレクトレットローターおよびエレクトレットステーターのそれぞれの対向面の一例を説明するための略線図である。
【図6】第2の実施形態の概要を示す略線図である。
【図7】第2の実施形態における携帯型音楽再生機の構成の一例を示すブロック図である。
【図8】コントロール信号生成ブロックの構成の一例等を説明するためのブロック図である。
【図9】変形例を説明するためのブロック図である。
【図10】他の変形例を説明するためのブロック図である。
【図11】他の変形例を説明するためのブロック図である。
【図12】他の変形例を説明するためのブロック図である。
【図13】第3の実施形態の概要を示す略線図である。
【図14】第3の実施形態における携帯型音楽再生機の構成の一例を示すブロック図である。
【図15】変形例を説明するためのブロック図である。
【図16】他の変形例を説明するためのブロック図である。
【図17】第4の実施形態の概要を示す略線図である。
【図18】第4の実施形態における携帯型音楽再生機の構成の一例を示すブロック図である。
【図19】第5の実施形態における携帯型音楽再生機の構成の一例を示すブロック図である。
【図20】第6の実施形態における携帯型音楽再生機の構成の一例を示すブロック図である。
【図21】第7の実施形態における携帯型音楽再生機の構成の一例を示すブロック図である。
【図22】第8の実施形態における携帯型音楽再生機の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の複数の実施形態等について説明する。なお、説明は、以下の順序で行う。
<1.第1の実施形態>
<2.第2の実施形態>
<3.第3の実施形態>
<4.第4の実施形態>
<5.第5の実施形態>
<6.第6の実施形態>
<7.第7の実施形態>
<8.第8の実施形態>
<9.変形例>
以下に説明するそれぞれの実施形態において、同一の構成については同一の符号を付す。同一の符号が付された構成は、それぞれの実施形態において特に断らない限り同一の機能を有し、重複した説明を適宜、省略する。
なお、本開示は、以下に説明する実施形態および変形例に限定されない。それぞれの実施形態の全部または一部は、技術的矛盾が生じない限り相互に組み合わせることができる。
【0013】
<1.第1の実施形態>
「第1の実施形態の概要」
以下に説明する複数の実施形態では、携帯型電子機器の一例として、携帯型音楽再生機を用いて説明する。本開示は、携帯型音楽再生機の他に、携帯電話、ディジタルスチルカメラ、携帯型パーソナルコンピュータ、スマートフォンなどの他の携帯型電子機器に対して適用することができる。
【0014】
図1は、第1の実施形態の概要を示す。ユーザが靴1aおよび靴1bからなる靴1を履いて歩行または走行(以下、適宜、歩行等と称する)している。靴1は、運動靴、長靴、ハイヒール、ビジネス用の靴、サンダルなどの履物に適用できる。
【0015】
第1の実施形態では、携帯型音楽再生機10が靴1aに組み込まれており、携帯型音楽再生機10と靴1aとが一体的に構成されている。携帯型音楽再生機10が靴1bと一体的に構成されてもよい。靴1aおよび靴1bの双方に、携帯型音楽再生機10が組み込まれていてもよい。
【0016】
携帯型音楽再生機10は、例えば、信号処理部およびコントローラからなる10aと、発電部10bと、超指向性スピーカ10cとを含む構成である。信号処理部およびコントローラからなる10aおよび発電部10bが靴1aに内蔵され、超指向性スピーカ10cが靴1aの表面に取り付けられる。
【0017】
コントローラからのコントロール信号に応じて、信号処理部が、例えば、音楽コンテンツを再生するための再生処理を行う。再生処理がなされた音楽コンテンツが超指向性スピーカ10cから再生される。超指向性スピーカ10cは、靴1を履いているユーザの耳元付近に音楽コンテンツを再生する指向特性を有している。このため、超指向性スピーカ10cから再生された音楽コンテンツは周囲に拡散されることなく、靴1を履いているユーザのみが、再生された音楽コンテンツを聴取できる。
【0018】
発電部10bは、例えば、靴1を使用した歩行等に伴う、足を上下させる動作に応じて、電力としての電気信号(以下、単に電力または電気信号と略すこともある)を生成する。すなわち、地面に向かって足を踏み込む動作と、踏み込んだ足を持ち上げる動作に応じて、発電部10bは電力を生成する。足を踏み込む動作と、足を持ち上げる動作とからなる動作を適宜、足踏み動作と称する。発電部10bによって生成された電力が携帯型音楽再生機10の各部に対して供給される。携帯型音楽再生機10の各部は、発電部10bから供給される電力によって動作する。携帯型音楽再生機10が発電部10bを有するので、携帯型音楽再生機10に対して外部電源から電力を供給する必要がない。さらに、外部電源を使用して携帯型音楽再生機10を充電する必要がない。
【0019】
「携帯型音楽再生機の構成」
図2は、携帯型音楽再生機10の構成の一例を示す。携帯型音楽再生機10は、信号処理部の一例としての制御部11を備える。制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)などによって構成される。制御部11に対して、表示部12と、操作部13と、増幅部14と、記憶部16とが接続される。増幅部14に対しては、上述した超指向性スピーカ10cに対応するスピーカ15が接続される。記憶部16に対して、外部I/F(Interface)17が接続される。
【0020】
携帯型音楽再生機10は、発電部10bに対応する発電部18を備える。発電部18は、例えば、足踏み動作に応じて電力を生成する。発電部18によって生成された電力が蓄電部19に供給され、蓄電部19が蓄電される。蓄電部19から携帯型音楽再生機10の各部に電力が供給される。図において電力の供給ラインの一例を点線で示す。例えば、蓄電部19から制御部11に対して電力が供給される。蓄電部19から表示部12や操作部13などの他の構成に電力が供給されてもよい。なお、発電部18によって生成された電力が、蓄電部19を介さずに直接、制御部11等に供給されてもよい。
【0021】
携帯型音楽再生機10の各部の詳細について説明する。制御部11は、例えば、コントロール信号に応じた処理を行う。制御部11は、例えば、圧縮符号化されて記憶されている音楽コンテンツデータを記憶部16から読み出し、読み出した音楽コンテンツデータに対して復号処理、エラー訂正処理を含む再生処理を行う。再生処理がなされた音楽コンテンツデータが制御部11から増幅部14に供給される。さらに、制御部11は、例えば、音楽コンテンツの再生状況に応じた表示コントロール信号を生成し、生成した表示コントロール信号を表示部12に供給するようにしてもよい。表示部12には、表示コントロール信号に基づく表示がなされる。
【0022】
制御部11に対して、操作部13からコントロール信号が供給される。コントロール信号は、例えば、音楽コンテンツの再生または停止の指示や音楽コンテンツの再生順序を変更させる指示等を内容とする信号である。制御部11は、操作部13から供給されるコントロール信号に応じた処理を実行する。
【0023】
表示部12は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)などからなり、制御部11から供給される表示コントロール信号に応じた内容を表示する。表示部12には、例えば、音楽コンテンツの再生経過時間や、再生中の音楽コンテンツのタイトルが表示される。なお、表示部12は靴1aに設けられてもよく、携帯型音楽再生機10と別体とされてもよい。例えば、表示部12を腕時計のようにユーザの腕に装着可能とし、表示コントロール信号を無線によって表示部12に送信する。表示部12に、送信された表示コントロール信号に基づく表示がなされるようにしてもよい。
【0024】
コントローラの一例である操作部13は、例えば、音楽コンテンツの再生を開始または停止するボタンや、蓄電部19からの電力の供給をオン/オフするスイッチなどからなる。これらのボタン等の操作に応じてコントロール信号が生成され、生成されたコントロール信号が制御部11に供給される。
【0025】
操作部13は、例えば、靴1aの表面に取り付けられる。操作部13をユーザの手元で操作できるリモートコントロール装置として構成し、操作部13から制御部11に対して、無線によってコントロール信号を送信してもよい。靴1aの表面に操作部13が設けられた場合には、靴1aを履く動作とともに操作部13を操作して、例えば、音楽コンテンツの再生を指示することができる。操作部13および表示部12を一体として構成し、操作部13をタッチパネルとして構成してもよい。
【0026】
増幅部14は、制御部11から供給される音楽コンテンツデータを所定の増幅率で増幅する。増幅部14によって増幅された音楽コンテンツデータがスピーカ15に供給され、スピーカ15から音楽コンテンツが再生される。スピーカ15は、音楽コンテンツをユーザの耳の近傍に向かって放射する指向性を有している。したがって、スピーカ15から再生された音楽コンテンツは、靴1を履いているユーザに対してのみ再生される。
【0027】
記憶部16は、例えば、半導体メモリからなる不揮発性メモリである。記憶部16は、ハードディスクでもよい。記憶部16は、光ディスクやUSB(Universal Serial Bus)メモリのように、携帯型音楽再生機10に着脱自在とされてもよい。記憶部16には、例えば、MP3(MPEG Audio Layer3)方式で圧縮符号化された音楽コンテンツデータが複数記憶される。
【0028】
記憶部16に対して外部I/F17が接続される。外部I/F17を介して、パーソナルコンピュータや、ネットワークに接続された配信サーバから音楽コンテンツデータを携帯型音楽再生機10に取り込むことができる。取り込まれた音楽コンテンツデータが記憶部16に記憶される。外部I/F17を介して取り込まれた音楽コンテンツデータが記憶部16を介さずに、制御部11に直接、供給されるようにしてもよい。供給された音楽コンテンツデータに対して、制御部11による再生処理(ストリーミング再生)がなされるようにしてもよい。
【0029】
発電部18は、所定の動作に応じて電力を生成する。例えば、靴1aを使用した足踏み動作に応じて電力を生成する。発電部18の詳細については、後述する。発電部18によって生成された電力が蓄電部19に供給され、蓄電部19が蓄電される。
【0030】
蓄電部19は、二次電池やキャパシタなどの蓄電デバイスを含む。蓄電部19に、電力の供給の開始および停止を切り替えるためのスイッチ回路や整流回路、昇圧回路等が含まれてもよい。二次電池は、例えば、リチウムイオン電池、ナトリウム・硫黄電池、鉛電池、ニッケル・水素電池、ニッケル・亜鉛電池、ニッケル・鉄電池、銀・亜鉛電池、ニッケル・カドミウム電池、レドックス・フロー電池が挙げられる。複数の二次電池を組み合わせて用いてもよい。キャパシタは、例えば、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタである。
【0031】
「携帯型音楽再生機の動作」
次に、携帯型音楽再生機10の動作の一例について説明する。始めに、靴1が履かれるとともに、例えば、操作部13の起動スイッチがオンされる。起動スイッチがオンされることで、蓄電部19から携帯型音楽再生機10の各部に電力が供給される。操作部13によって、例えば、音楽コンテンツの再生を指示する操作がなされる。操作に応じて操作部13はコントロール信号を生成し、生成したコントロール信号を制御部11に供給する。操作部13による操作が、遠隔操作でなされてもよい。
【0032】
操作部13から供給されるコントロール信号に応じて、制御部11は、記憶部16から所定の音楽コンテンツデータを読み出し、読み出した音楽コンテンツデータに対する再生処理を行う。再生処理が施された音楽コンテンツデータが制御部11から増幅部14に供給される。増幅部14によって音楽コンテンツデータ増幅され、増幅された音楽コンテンツデータがスピーカ15に供給される。スピーカ15から音楽コンテンツが再生される。
【0033】
靴1を使用した歩行等がなされ、歩行等にともなう足踏み動作に応じて、発電部18が電力を生成する。発電部18によって生成された電力が蓄電部19に供給され、蓄電部19が蓄電される。蓄電部19から携帯型音楽再生機10の各部に電力が供給される。蓄電部19に蓄電された電力が携帯型音楽再生機10の各部に供給されるので、足踏み動作が中断した場合でも、携帯型音楽再生機10の各部に対する電力の供給を継続することができる。
【0034】
携帯型音楽再生機10の使用が終了すると、操作部13の起動スイッチがオフされる。起動スイッチがオフされると、蓄電部19から携帯型音楽再生機10の各部に対する電力の供給が停止し、音楽コンテンツの再生が停止する。蓄電部19から携帯型音楽再生機10の各部に対する電力の供給が停止した状態で足踏み動作がなされると、発電部18が生成する電力により蓄電部19を充電することができる。なお、発電部18から所定時間、蓄電部19に電力が供給されない場合には、靴1の使用が終了したものとして、蓄電部19から各部への電力の供給を停止してもよい。
【0035】
「発電部について」
発電部18の一例について説明する。図3の点線で囲まれた位置は、発電部18が内蔵される位置の一例を示す。発電部18は、例えば、靴1aにおいて踵で踏まれる位置に内蔵される。靴1aの種類によって名称は異なるが、例えば、積上げ、ミッドソール、バックスティなどと称される位置に発電部18が内蔵される。発電部18は、例えば、エレクトレットを使用した静電誘導型の発電器である。
【0036】
図4は、発電部18の構成の一例を示す。発電部18は、例えば、圧力印加部180aと、変換軸180bと、エレクトレットローター180cと、エレクトレットステーター180dとを含む構成である。圧力印加部180aは、加わる力に応じて撓む可撓性を有する。足踏み動作における足を踏み込む動作がなされると、圧力印加部180aに図面に向かって上方から下方への垂直方向の圧力が印加される。足踏み動作における足を持ち上げる動作がなされると、圧力印加部180aには、復元力による下方から上方に向かう力が加わる。
【0037】
圧力印加部180aには、変換軸180bの一端が取り付けられる。変換軸180bの他端にはエレクトレットローター180cが取り付けられる。変換軸180bは、圧力印加部180aに加わる垂直方向の圧力に応じて所定方向に回転し、垂直方向の力を水平方向の力に変換する。圧力印加部180aに上方から下方に向かう力が加わると、変換軸180bが一方向に回転し、圧力印加部180aに下方から上方に向かう力が加わると、変換軸180bが他の方向に回転する。なお、垂直方向の力を水平方向の力に変換する構成は図4に示した構成に限られず、種々の構成を採用できる。まいぎりの原理に基づく構成でもよい。
【0038】
変換軸180bが回転することに応じて、変換軸180bに取り付けられたエレクトレットローター180cが回転する。エレクトレットローター180cは、例えば、略円形状であり、中心付近に変換軸180bの他端が取り付けられる。エレクトレットローター180cの一面が対向面とされる。エレクトレットローター180cの対向面と、エレクトレットステーター180dの対向面とが、互いに対向する。エレクトレットステーター180dは、例えば、略円形状であり固定される。
【0039】
図5Aは、エレクトレットローター180cの対向面の一例を示す。エレクトレットローター180cの対向面の一部(例えば半分)には、誘電体に電荷が打ちこまれたエレクトレット膜181aが形成され、他の部分は基板181bである。エレクトレット膜181aによって静電場が形成される。
【0040】
図5Bは、エレクトレットステーター180dの対向面の一例を示す。エレクトレットステーター180dの対向面には、複数の電極として、電極182a、電極182b、電極182c・・・電極182hが形成される。複数の電極が、発電部18における図示しない出力回路に接続される。なお、エレクトレット膜および電極が形成される位置や個数は、適宜変更できる。
【0041】
発電部18の動作の一例について説明する。例えば、靴1を使用して足踏み動作がなされ足を踏み込む動作がなされると、上方から下方に向かう垂直方向の力(圧力)が圧力印加部180aに印加される。圧力印加部180aに印加された垂直方向の力に応じて変換軸180bが所定方向に回転し、変換軸180bが回転することで垂直方向の力が水平方向に回転する力に変換される。変換軸180bが回転することに応じてエレクトレットローター180cが、変換軸180bを軸に所定方向に回転する。エレクトレットローター180cが回転することで、エレクトレット膜181aと電極182a等とが重なる面積が変化する。変化に応じて電気信号が発生し、発電部18が電力を生成する。
【0042】
足踏み動作において、足を踏み込む状態から足を持ち上げる動作がなされると、復元力によって下方から上方に向かう垂直方向の力が圧力印加部180aに働く。この垂直方向の力に応じて、変換軸180bが所定方向とは反対の方向に回転する。変換軸180bが回転することでエレクトレットローター180cが所定方向と反対の方向に回転する。エレクトレットローター180cが回転することで、エレクトレット膜181aと電極182a等とが重なる面積が変化する。変化に応じて電気信号が発生し、発電部18が電力を生成する。なお、周波数を変換する機構によって通常は高周波側に周波数が変換されることや、慣性力の作用により、発電部18の発電が継続するといった要因で1回の足踏み動作によって複数の周期の交流電力が発生する。
【0043】
発電部18からは、例えば、交流電力が振幅変調されて出力される。足踏み動作において、足を踏み込んだ直後の平均電力は大きく、次第に減衰する。振幅が時間変動する交流電力を整流し、整流した後に平滑化処理を行うことで、1回の足踏み動作に対応して1サイクルの電力量の変化を測定できる。例えば、LPF(Low Pass Filter)を使用して包絡線検波すると、発電部18による発電量が0または微小の段階から発電量が増加する段階を経て発電量が減少(減衰)する段階からなるサイクルを測定できる。この電力量の変化のサイクルの数(サイクル数)を検出することで、足踏み動作がなされた回数を検出することができる。発電部18から出力された電力が、例えば、蓄電部19における整流回路で整流され、直流電圧が形成される。形成された直流電圧によって蓄電部19の蓄電デバイスが蓄電される。整流回路は、例えば、ダイオードブリッジ回路により構成される。
【0044】
以上説明したように、第1の実施形態では、携帯型音楽再生機が発電部を有し、発電部が発電して電力を生成する。発電部によって発電された電力が、例えば、蓄電部を介して携帯型音楽再生機の各部に供給される。このため、携帯型音楽再生機に充電を行う必要がなくなる。
【0045】
なお、上述した発電部18の例では、エレクトレットローター180cが回転するものとしたが、エレクトレットステーター180dが回転するようにしてもよい。エレクトレットローター180cおよびエレクトレットステーター180dが回転するようにしてもよい。回転に限らず、エレクトレットローター180cを水平方向にスライドさせるようにしてもよい。
【0046】
携帯型音楽再生機10において、ユーザの耳元の近傍に取り付け可能な鉱石ラジオを設け、鉱石ラジオを使用して音楽コンテンツを再生するようにしてもよい。鉱石ラジオは、例えば、アンテナを有し、並列共振回路とダイオード等の鉱石検波器とが接続された構成である。鉱石ラジオは、無電源でも動作する。制御部11によって音楽コンテンツデータが特定の周波数で周波数変調(FM(Frequency Modulation)変調)される。FM変調された音楽コンテンツデータが鉱石ラジオに送信される。例えば、近距離無線によって音楽コンテンツデータが送信される。送信された音楽コンテンツデータが鉱石ラジオによって検波および復調される。復調された音楽コンテンツデータが、鉱石ラジオが有するイヤホンから再生される。
【0047】
<2.第2の実施形態>
「第2の実施形態の概要」
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、発電部が生成する電力によって、コントロール信号が形成される例である。
【0048】
図6は、第2の実施形態の概要を示す。第2の実施形態における携帯型音楽再生機20は靴1aと一体的に構成されている。携帯型音楽再生機20は、信号処理部およびコントローラからなる20aと、発電部20bと、超指向性スピーカ20cを含む構成である。超指向性スピーカ20cから音楽コンテンツが再生される。超指向性スピーカ20cは、靴1を履いているユーザの耳元付近に音楽コンテンツが聞こえるような指向特性を有している。このため、超指向性スピーカ20cから再生された音楽コンテンツは周囲に拡散されることなく、靴1を履いているユーザのみが、再生された音楽コンテンツを聴取できる。
【0049】
携帯型音楽再生機20は、検出部20dを備える。検出部20dは、例えば、携帯型音楽再生機20と別体とされ、例えば、ユーザの手元で検出部20dに対する操作が可能とされるものである。検出部20dに対して、例えば、押下操作が可能とされる。
【0050】
第2の実施形態では、所定のモーション(動作)によって携帯型音楽再生機20をコントロール(制御)できる。例えば、靴1aを使用した足踏み動作に応じて、携帯型音楽再生機20をコントロールすることができる。コントロールの内容は適宜設定できる。例えば、所定時間内(例えば、5秒)に2回の足踏み動作を行うことで、音楽コンテンツの再生を開始させることができる。所定時間内に、3回の足踏み動作を行うことで、音楽コンテンツの再生を停止することができる。所定時間内に、4回の足踏み動作を行うことで音楽コンテンツの再生をスキップし、次の音楽コンテンツを再生させることができる。
【0051】
足踏み回数に対応するコントロールの内容は、例えば、制御部11と接続されるROM(Read Only Memory)に記憶される。コントロールの内容を設定できるようにしてもよい。足踏み動作によって携帯型音楽再生機20をコントロールする際には、検出部20dが押下される。
【0052】
「携帯型音楽再生機の構成」
図7は、第2の実施形態における携帯型音楽再生機20の構成の一例を示す。携帯型音楽再生機20は、制御部11と、表示部12と、操作部13と、増幅部14と、スピーカ15と、記憶部16と、外部I/F17と、発電部18と、蓄電部19と、コントロール信号生成ブロック100と、スイッチSWと、検出部21とを含む構成である。20aにおける信号処理部に制御部11が対応し、コントローラとして、例えば、操作部13およびコントロール信号生成ブロック100が対応する。発電部20bに発電部18が対応し、超指向性スピーカ20cにスピーカ15が対応し、検出部20dに検出部21が対応する。
【0053】
制御部11に、表示部12と、操作部13と、増幅部14と、記憶部16とが接続される。スピーカ15が増幅部14に接続される。外部I/F17が記憶部16に接続される。携帯型音楽再生機20は、発電部18を備える。発電部18は、足踏み動作に応じて発電し、電力を生成する。発電部18が生成した電力が蓄電部19に供給され、蓄電部19が蓄電される。蓄電部19から携帯型音楽再生機20の各部に対して電力が供給され、携帯型音楽再生機20が動作する。図において電力の供給ラインの一例を点線で示す。携帯型音楽再生機20が動作することで、例えば、音楽コンテンツが再生される。
【0054】
制御部11は、検出部21と接続される。検出部21は、所定の動作を検出すると動作検出信号を生成し、生成した動作検出信号を制御部11に供給する。検出部21は、例えば、検出部21に対する押下操作を検出すると動作検出信号を生成する。そして、検出部21は、生成した動作検出信号を制御部11に対して出力する。所定の動作は、押下操作に限られない。例えば、検出部21をタッチセンサとして構成し、触れられることに応じて検出部21が動作検出信号を生成するようにしてもよい。検出部21は、接触操作がなされたことによる熱を検出するセンサでもよい。
【0055】
なお、制御部11と検出部21とは、有線で接続されてもよく無線で接続されてもよい。しかしながら、有線による接続はケーブルを必要とするため、制御部11と検出部21とが無線で接続されることが好ましい。検出部21から出力された動作検出信号が、図示しない送信部によって無線を介して送信される。送信された動作検出信号が、図示しない受信部によって受信され、受信された動作検出信号が制御部11に供給される。
【0056】
制御部11は、スイッチSWを介してコントロール信号生成ブロック100と接続される。スイッチSWのオン/オフは、制御部11によって切り替えられる。制御部11は、例えば、検出部21から動作検出信号が供給されるとスイッチSWをオンする。なお、スイッチSWは、コントロール信号生成ブロック100と発電部18との間に設けられてもよい。
【0057】
コントロール信号生成ブロック100は、発電部18と接続され、発電部18が生成する電力がコントロール信号生成ブロック100に供給される。コントロール信号生成ブロック100は、発電部18から供給される電力によってコントロール信号を生成する。コントロール信号生成ブロック100で生成されたコントロール信号が、スイッチSWを介して制御部11に供給される。供給されたコントロール信号に応じて、制御部11が所定の処理を実行する。
【0058】
検出部21に対する押下操作が解除されると、検出部21は動作検出信号の出力を停止する。検出部21からの動作検出信号の供給が停止すると、制御部11はスイッチSWをオフする。スイッチSWがオフされるので、コントロール信号生成ブロック100で生成されたコントロール信号は、制御部11に供給されない。
【0059】
「コントロール信号生成ブロックについて」
図8を参照して、コントロール信号生成ブロック100の構成の一例等について説明する。コントロール信号生成ブロック100は、例えば、フィルタ100aと、A/D(Analog to Digital)変換部100bと、演算部100cとを備える。
【0060】
発電部18により生成された電力が分配され、一方の電力に対して高抵抗の負荷(ハイインピーダンス)がかけられ、他方の電力に低抵抗の負荷(ローインピーダンス)がかけられる。ハイインピーダンス側の電力が、コントロール信号生成ブロック100に入力される。コントロール生成信号ブロック100に入力された電力が、例えば、整流され、整流された後にフィルタ100aによるフィルタ処理がなされる。フィルタ100aによって、例えば、波形整形処理、平滑化処理(LPF処理)、ノイズ除去等を含むフィルタ処理がなされる。フィルタ処理がなされた電気信号がA/D変換部100bによってデジタル信号に変換される。A/D変換部100bから出力されたデジタル信号が演算部100cに供給される。
【0061】
演算部100cは、フィルタ処理がなされたデジタル信号を使用して、発電部18が発電する電力量の変化を測定する。第1の実施形態で説明したように、例えば、1回の足踏み動作に応じて発電部18が生成した電力にフィルタ処理を行うと、1サイクルの電力量の変化が測定される。演算部100cは、A/D変換部100bから供給されるデジタル信号を使用して、電力量の変化のサイクル数を測定する。そして、演算部100cは、測定したサイクル数から、足踏み踏み動作がなされた回数を検出する。演算部100cは、例えば、1サイクルの電力量の変化が2回、測定された場合(サイクル数が2)は、2回の足踏み動作がなされたものと判別する。
【0062】
演算部100cは、判別した足踏み動作の回数に対応する処理を制御部11に実行させるための、コントロール信号を生成する。演算部100cは、例えば、足踏み動作の回数が2回である判別すると、音楽コンテンツの再生を開始させるコントロール信号を生成する。生成されたコントロール信号が演算部100cから出力される。そして、コントロール信号生成ブロック100からコントロール信号が出力される。
【0063】
スイッチSWがオンされている場合に、コントロール信号生成ブロック100から出力されたコントロール信号が制御部11に供給される。制御部11は、コントロール信号に応じた処理を行う。例えば、制御部11は、記憶部16から所定の音楽コンテンツデータを読み出し、読み出した音楽コンテンツデータに対する再生処理を行う。
【0064】
演算部100cは、1サイクルの電力量の変化が3回、測定された場合は、3回の足踏み動作がなされたものと判別する。演算部100cは、足踏み動作の回数が3回であると判別すると、例えば、音楽コンテンツの再生を停止させるためのコントロール信号を生成する。コントロール信号がスイッチSWを介して制御部11に供給される。コントロール信号が供給されることに応じて、制御部11は音楽コンテンツの再生処理を停止する。
【0065】
なお、演算部100cによって電力量の変化以外の他のパラメータが判別されるようにしてもよい。例えば、発電部18からコントロール信号生成ブロック100に入力される信号間の間隔を判別するようにしてもよい。判別された間隔に応じたコントロール信号が演算部100cにより生成されてもよい。発電部18から供給される電気信号のレベルを演算部100cが判別するようにしてもよい。判別されたレベルに応じたコントロール信号が演算部100cにより生成されてもよい。
【0066】
ローインピーダンス側の出力が蓄電部19に供給される。発電部18からの電力は、ローインピーダンス側に多く分配される。このため、発電部18が生成する電力の多くを蓄電部19に供給することができる。蓄電部19に供給された電力が蓄電部19における整流回路190aによって整流され、直流電圧が形成される。なお、昇圧または降圧するためのレギュレータを設け、電力のレベルに応じて適宜、昇圧または降圧の処理がなされるようにしてもよい。
【0067】
整流回路190aによって形成された直流電圧が、例えば、電力供給ラインL1を介して携帯型音楽再生機20の各部に直接、供給される。蓄電部19にバッテリ190bを設け、整流回路からの直流電圧が電力供給ラインL2を介してバッテリ190bに供給されてもよい。そして、バッテリ190bから携帯型音楽再生機20の各部に、電力供給ラインL2を介して電力が供給されるようにしてもよい。
【0068】
蓄電部19にキャパシタ190cを設け、整流回路からの直流電圧が電力供給ラインL3を介してキャパシタ190cに供給されてもよい。そして、キャパシタ190cから携帯型音楽再生機20の各部に、電力供給ラインL3を介して電力が供給されるようにしてもよい。さらに、バッテリ190bおよびキャパシタ190cを設け、バッテリ190bとキャパシタ190cとの間で、電力供給ラインL4を介して電力のやり取りがなされてもよい。足踏み動作がなされながら音楽コンテンツの再生が行われるときはキャパシタ190cが使用され、足踏み動作のみがなされるときはバッテリ190bが使用されるようにしてもよい。なお、上述した蓄電部19の構成等は一例であり、蓄電部19の構成および携帯型音楽再生機20の各部に電力を供給する方法は、適宜変更できる。
【0069】
「携帯型音楽再生機の動作」
携帯型音楽再生機20の動作の一例について説明する。靴1を履いた状態で歩行等に伴う足踏み動作がなされると、発電部18が発電し、電力を生成する。発電部18によって生成された電力が蓄電部19に供給される。蓄電部19に供給された電力が整流回路190aによって直流に整流され直流電圧が形成される。形成された直流電圧により蓄電部19が蓄電される。なお、発電部18が直流電圧を生成する場合には、整流処理は行われず、直流電圧が直接、蓄電部19に供給される。
【0070】
携帯型音楽再生機20に対して、例えば、操作部13を使用したコントロールがなされる。操作部13を使用して、例えば、音楽コンテンツの再生開始を指示する操作がなされると、操作内容に応じたコントロール信号が操作部13により生成される。操作部13は、生成したコントロール信号を制御部11に供給する。制御部11は、コントロール信号に応じた処理を行う。制御部11は、例えば、記憶部16から所定の音楽コンテンツデータを読み出し、読み出した音楽コンテンツデータに対して再生処理を行う。そして、制御部11は、再生処理を施した音楽コンテンツデータを増幅部14に供給する。
【0071】
増幅部14は、制御部11から供給された音楽コンテンツデータを所定の増幅率で増幅する。増幅された音楽コンテンツデータがスピーカ15に供給される。スピーカ15から音楽コンテンツが再生される。
【0072】
携帯型音楽再生機20に対して、モーションによるコントロールが可能とされる。例えば、足踏み動作によって携帯型音楽再生機20がコントロールされる。足踏み動作によって携帯型音楽再生機20をコントロールする際には、例えば、検出部21が押下される。検出部21が押下されると、検出部21により動作検出信号が生成され、生成された動作検出信号が制御部11に供給される。動作検出信号が供給されると、制御部11はスイッチSWをオンする。そして、検出部21が押下された状態で、例えば、靴1aを使用した足踏み動作が所定時間内に連続して2回なされる。この足踏み動作に応じて発電部18が電力を生成する。発電部18によって生成された電力がコントロール信号生成ブロック100に供給される。
【0073】
コントロール信号生成ブロック100は、発電部18から供給される電気信号を整流し、整流した電気信号に対して、フィルタ100aによるフィルタ処理を行う。フィルタ処理が行われた電気信号がA/D変換部100bによってデジタル信号に変換される。デジタル信号が演算部100cに供給される。演算部100cは、A/D変換部100bから供給されたデジタル信号を使用して、例えば、コントロール信号生成ブロック100に入力された電力の電力量の変化のサイクル数を判別する。所定時間(例えば、5秒)におけるサイクル数が判別される。この例では、2回の足踏み動作がなされたことから、1サイクルの電力量の変化が2回、測定され、サイクル数が2と判別される。サイクル数が2であることから、演算部100cは、2回の足踏み動作がなされたと判別する。
【0074】
演算部100cは、判別した足踏み動作の回数に対応するコントロール信号を生成する。演算部100cは、足踏み動作の回数が2回であることに対応して、例えば、音楽コンテンツの再生を開始させるためのコントロール信号を生成する。演算部100cによって生成されたコントロール信号がコントロール信号生成ブロック100から出力され、出力されたコントロール信号がスイッチSWを介して制御部11に供給される。
【0075】
制御部11は、コントロール信号生成ブロック100から供給されたコントロール信号に応じた処理を行う。制御部11は、例えば、音楽コンテンツの再生を開始する処理を行う。すなわち、制御部11は、記憶部16から所定の音楽コンテンツデータを読み出し、読み出した音楽コンテンツデータに対して再生処理を行う。制御部11は、再生処理を施した音楽コンテンツデータを増幅部14に供給する。増幅部14によって音楽コンテンツデータが増幅され、増幅された音楽コンテンツデータがスピーカ15に供給される。スピーカ15から音楽コンテンツが再生される。
【0076】
検出部21に対する押下操作が解除されると、検出部21から制御部11に対する動作検出信号の供給が停止する。動作検出信号の供給が停止すると、制御部11は、スイッチSWをオフする。スイッチSWがオフされた後は、コントロール信号生成ブロック100から出力されたコントロール信号は制御部11に供給されない。検出部21に対する押下操作が解除された場合に、発電部18が生成した信号が蓄電部19のみに供給されるようにしてもよい。例えば、発電部18とコントロール信号生成ブロック100との間にスイッチSWを設け、検出部21に対する押下操作が解除されることに応じてスイッチSWがオフされてもよい。
【0077】
音楽コンテンツの再生中に、再度、検出部21に対して押下操作がなされ、検出部21が押下された状態で、靴1aを使用した足踏み動作が所定時間内に3回なされる。検出部21が押下されることに応じて動作検出信号が制御部11に供給される。動作検出信号が供給されることで、制御部11はスイッチSWをオンする。そして、3回の足踏み動作に応じて発電部18が電力を生成する。生成された電力が発電部18からコントロール信号生成ブロック100に供給される。
【0078】
コントロール信号生成ブロック100に供給された電気信号に対して、フィルタ100aによるフィルタ処理がなされ、フィルタ処理がなされた電気信号がA/D変換部100bによってデジタル信号に変換される。デジタル信号がA/D変換部100bから演算部100cに供給される。
【0079】
演算部100cは、デジタル信号を使用して、例えば、電力量の変化のサイクル数を判別する。足踏み動作が3回なされたことから、1サイクルの電力量の変化が3回、測定され、サイクル数が3と判別される。サイクル数が3であることから、演算部100cは、足踏み動作が3回なされたと判別する。そして、演算部100cは、足踏み動作の回数が3回であることに対応したコントロール信号を生成する。例えば、音楽コンテンツの再生を停止させるコントロール信号を生成する。生成されたコントロール信号が、スイッチSWを介して制御部11に供給される。制御部11は、供給されたコントロール信号に応じて、音楽コンテンツの再生を停止する。
【0080】
このように、携帯型音楽再生機20では、発電部18が生成する電力によってコントロール信号が形成され、形成されたコントロール信号が制御部11に供給される。すなわち、操作部13とコントロール信号生成ブロック100とがコントローラの一例として機能する。なお、携帯型音楽再生機20に対する全てのコントロールが足踏み動作によって行われるようにし、操作部13の構成を省略してもよい。この場合は、コントロール信号生成ブロック100のみがコントローラとして機能する。
【0081】
モーションによって携帯型音楽再生機20がコントロールされる場合でも、発電部18から出力される電力の多くを、蓄電部19に供給することができる。したがって、蓄電部19を蓄電することができ、蓄電部19から携帯型音楽再生機20の各部に対する電力の供給を継続することができる。さらに、検出部21が押下されながら足踏み動作がなされたときのみ、足踏み動作によるコントロールが有効になる。したがって、検出部21が押下されないで足踏み動作がなされた場合に、ユーザが意図しない処理が行われることを防止できる。
【0082】
携帯型音楽再生機20の変形例について説明する。なお、以下に説明する変形例は、第2の実施形態に限らず、他の実施形態に対しても技術的矛盾が生じない範囲で適用できる。
【0083】
図9に示すように、携帯型音楽再生機20に複数の発電部を設けてもよい。例えば、発電部18aと、発電部18bとを設けてもよい。発電部18aに対応して、コントロール信号生成ブロック100aと、蓄電部19aとが設けられる。発電部18bに対応して、コントロール信号生成ブロック100bと、蓄電部19bとが設けられる。
【0084】
蓄電部19aおよび蓄電部19bから出力される電力が携帯型音楽再生機20の各部に供給される。携帯型音楽再生機20において、蓄電部19aから電力が供給される構成と、蓄電部19bから電力が供給される構成とがそれぞれ設定されてもよい。さらに、蓄電部19aおよび蓄電部19bのうち、残容量に余裕のある一方の蓄電部から電力が供給されるようにしてもよい。
【0085】
コントロール信号生成ブロック100aおよびコントロール信号生成ブロック100bのそれぞれから出力されたコントロール信号が、制御部11に供給される。制御部11は、コントロール信号生成ブロック100aから供給されるコントロール信号と、コントロール信号生成ブロック100bから供給されるコントロール信号に応じた処理を行う。
【0086】
図10に示すように、複数の発電部を設け、それぞれの発電部が生成する電力が、一の蓄電部に供給されてもよい。例えば、発電部18aおよび発電部18bを設け、発電部18aおよび発電部18bから供給される電力によって蓄電部19が蓄電される。
【0087】
蓄電部19に、バッテリ190bと、キャパシタ190cとが設けられる場合に、発電部18aからの電力によってバッテリ190bが蓄電され、発電部18bからの電力によってキャパシタ190cが蓄電されるようにしてもよい。発電部18aおよび発電部18bからの電力が切り換えられて、蓄電部19に供給されるようにしてもよい。図11に示すように、発電部18aおよび発電部18bからそれぞれ出力される電力が、一のコントロール信号生成ブロック100に供給されるようにしてもよい。
【0088】
なお、靴1bに発電部を設けてもよい。図12に示すように、靴1aには、発電部18aと、コントロール信号生成ブロック100と、蓄電部19と、制御部11と、図示しない受信処理部が設けられる。靴1bには、発電部18bと、図示しない送信処理部が設けられる。
【0089】
発電部18bによって生成された電力が、ハイインピーダンス側とローインピーダンス側とに分配される。ローインピーダンス側から出力される電力が、送信処理部により無線伝送される。無線伝送された電力が靴1aにおける受信処理部で受信される。受信処理部により受信された電力が蓄電部19に供給される。このように、靴1bに発電部18bを設け、靴1bを使用した足踏み動作に応じて発電部18bが生成した電力により蓄電部19を蓄電することができる。
【0090】
ハイインピーダンスから出力される電力が、靴1bの送信処理部から靴1aに無線で送信される。送信された電気信号が靴1aの受信処理部で受信される。受信された電気信号がコントロール信号生成ブロック100に供給される。ここで、コントロール信号生成ブロック100には、靴1aを使用した足踏み動作の回数に応じたサイクル数を有する電力が発電部18aから供給される。さらに、靴1bを使用した足踏み動作の回数に応じたサイクル数を有する電力が発電部18bから無線により送信される。
【0091】
コントロール信号生成ブロック100におけるフィルタ100aによって、発電部18aから供給される電力に対してフィルタ処理がなされ、フィルタ処理がなされた信号がA/D変換部100bによってデジタル信号に変換される。演算部100cは、デジタル信号を使用して、電力量の変化のサイクル数を判別する。演算部100cは、判別したサイクル数に対応する足踏み動作の回数Mを判別する。
【0092】
コントロール信号生成ブロック100におけるフィルタ100aによって、発電部18bから供給される電力に対してフィルタ処理がなされ、フィルタ処理がなされた信号がA/D変換部100bによってデジタル信号に変換される。演算部100cは、デジタル信号を使用して、電力量の変化のサイクル数を判別する。演算部100cは、判別したサイクル数に対応する足踏み動作の回数Nを求める。
【0093】
演算部100cは、回数Mと回数Nとに応じたコントロール信号を生成する。例えば、M=1、N=0の場合は、制御部11に音楽コンテンツの再生を開始させるためのコントロール信号を生成し、M=0、N=1の場合は、制御部11に音楽コンテンツの再生を停止させるためのコントロール信号を生成する。例えば、M=2、N=0の場合は、制御部11に再生中の音楽コンテンツのスキップさせるためのコントロール信号を生成し、M=0、N=2の場合は、制御部11に再生中の音楽コンテンツの1曲前の音楽コンテンツを再生させる(逆スキップ)コントロール信号を生成する。演算部100cによって生成されたコントロール信号が制御部11に供給される。図12に示す変形例では、携帯型音楽再生装置20に対して、両足の足踏み動作に応じたコントロールを行うことができる。携帯型音楽再生装置20に対して、より多くのコントロールを行うことができる。
【0094】
<3.第3の実施形態>
「第3の実施形態の概要」
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、再生処理がなされた音楽コンテンツデータを無線によってヘッドセットに送信し、ヘッドセットで音楽コンテンツを再生するものである。
【0095】
図13は、第3の実施形態の概要を示す。第3の実施形態における携帯型音楽再生機30は、信号処理部およびコントローラを含む30aと発電部30bとを含む。信号処理部およびコントローラを含む30aと発電部30bとが、靴1aと一体的に形成されている。携帯型音楽再生機30は、さらに、ヘッドセット30cを備える。ヘッドセット30cは、例えば、処理部30dと、発電部30eと、センサ30fとを備える。処理部30dは、例えば、通信部と、増幅部と、スピーカとからなる。発電部30eは、例えば、発電部と蓄電部とからなる。
【0096】
携帯型音楽再生機30の信号処理部で再生処理がなされた音楽コンテンツデータが、例えば、近距離無線によりヘッドセット30cに送信される。送信された音楽コンテンツデータがヘッドセット30cにおいて受信される。ヘッドセット30cにおいて、受信された音楽コンテンツデータに対する復調処理および増幅処理がなされ、ヘッドセット30cのスピーカから音楽コンテンツが再生される。
【0097】
「携帯型音楽再生機の構成」
図14は、携帯型音楽再生機30の構成の一例を示す。携帯型音楽再生機30は、制御部11と、表示部12と、操作部13と、記憶部16と、外部I/F17と、発電部18と、蓄電部19と、通信部31と、コントロール信号生成ブロック100と、スイッチSWと、ヘッドセット30cとを含む構成である。30aの信号処理部に制御部11が対応する。発電部30bに発電部18が対応する。
【0098】
制御部11に、表示部12と、操作部13と、記憶部16と、通信部31とが接続される。外部I/F17が記憶部16に接続される。発電部18は、足踏み動作に応じて発電し、電力を生成する。発電部18により生成された電力が蓄電部19に供給され、蓄電部19が蓄電される。蓄電部19から携帯型音楽再生機30の各部に対して電力が供給され、携帯型音楽再生機30が動作する。図において電力の供給ラインの一例を点線で示す。携帯型音楽再生機30が動作することで、例えば、音楽コンテンツが再生される。
【0099】
制御部11は、スイッチSWを介してコントロール信号生成ブロック100と接続される。コントロール信号生成ブロック100は、発電部18と接続され、発電部18から供給される電力によってコントロール信号を生成する。スイッチSWのオン/オフは、制御部11によって切り替えられる。制御部11は、例えば、センサ37から動作検出信号が供給されるとスイッチSWをオンする。スイッチSWがオンされると、コントロール信号生成ブロック100で生成されたコントロール信号が制御部11に供給される。制御部11は、供給されたコントロール信号に応じて所定の処理を実行する。
【0100】
通信部31は、制御部11と接続される。通信部31は、通信部32から送信される信号を受信して制御部11に供給する。通信部31は、例えば、通信部32から送信される動作検出信号を受信する。受信した動作検出信号に対して復調処理等を施し、復調処理等を施した動作検出信号を制御部11に供給する。動作検出信号が供給された制御部11は、スイッチSWをオンする。
【0101】
さらに、通信部31は、制御部11から供給された信号を通信部32に送信する。通信部31に、例えば、制御部11によって再生処理が施された音楽コンテンツデータが供給される。通信部31は、制御部11から供給された音楽コンテンツデータに対して変調処理等を施し、変調処理等を施した音楽コンテンツデータを近距離無線によってヘッドセット30cに送信する。
【0102】
通信部31および通信部32が行う変調処理の変調方式は、AM(Amplitude Modulation)変調、FM(Frequency Modulation)変調などを適宜、採用できる。通信部31と通信部32との間でなされる近距離無線の方式は、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)などを採用できる。人体を導体とし、人体に微弱な電流を流して通信を行う人体通信を使用してもよい。
【0103】
ヘッドセット30cは、通信部32と、増幅部33と、スピーカ34と、発電部35と、蓄電部36と、センサ37とを含む構成である。通信部32は、通信部31から送信された音楽コンテンツデータを受信する。そして、通信部32は、受信した音楽コンテンツデータに対して復調処理等を施す。復調処理等が施された音楽コンテンツデータが増幅部33に供給される。
【0104】
さらに、通信部32は、センサ37から供給される動作検出信号を所定の変調方式で変調し、変調した動作検出信号を通信部31に対して送信する。送信された動作検出信号が通信部31によって受信される。なお、通信部31および通信部32が行う通信において、動作検出信号を送受信する際に使用される周波数帯域と、音楽コンテンツデータを送受信する際に使用される周波通帯域とが、例えば、異なる周波数帯域とされる。
【0105】
増幅部33は、通信部32から供給された音楽コンテンツデータを所定の増幅率で増幅する。増幅された音楽コンテンツデータが増幅部33からスピーカ34に供給され、スピーカ34から音楽コンテンツが再生される。
【0106】
発電部35は、例えば、ヘッドセット30cの表面に設けられる太陽電池である。発電部35は、振動や運動による変位で発電する装置(静電型、電磁型、逆磁歪型、圧電型のいずれでもよい)、熱によって発電する熱電変換素子、酵素電池などでもよい。発電部35によって発電された電力が蓄電部36に供給され、蓄電部36が蓄電される。発電部35から交流電力が供給される場合は、蓄電部36の整流回路で交流電力が整流され、直流電圧が形成される。形成された直流電圧によって蓄電部36が蓄電される。
【0107】
蓄電部36は、二次電池やキャパシタなどの蓄電デバイスを含む。蓄電部36に、電力の供給の開始および停止を切り替えるためのスイッチ回路や整流回路、昇圧回路等が含まれてもよい。二次電池は、例えば、リチウムイオン電池、ナトリウム・硫黄電池、鉛電池、ニッケル・水素電池、ニッケル・亜鉛電池、ニッケル・鉄電池、銀・亜鉛電池、ニッケル・カドミウム電池、レドックス・フロー電池が挙げられる。複数の二次電池を組み合わせて用いてもよい。キャパシタは、例えば、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタである。
【0108】
センサ37は、例えば、ヘッドセット30cの表面の所定位置に設けられ、センサ37に対する接触操作を検出する接触センサである。熱を検出するセンサでもよい。センサ37は、センサ37に触れられたことを検出すると動作検出信号を生成し、生成した動作検出信号を通信部32に供給する。動作検出信号が、通信部32および通信部31を介して制御部11に供給される。
【0109】
「携帯型音楽再生機の動作」
携帯型音楽再生機30の動作の一例について説明する。靴1を使用して歩行等に伴う足踏み動作がなされると、発電部18が発電し、電力を生成する。発電部18によって生成された電力が、例えば、蓄電部19の整流回路190aによって整流され直流電圧が形成される。形成された直流電圧により蓄電部19が蓄電される。
【0110】
携帯型音楽再生機30に対して、例えば、操作部13を使用したコントロールがなされる。操作部13を使用して、例えば、音楽コンテンツの再生開始を指示する操作がなされると、操作内容に応じたコントロール信号が操作部13で生成される。操作部13は、生成したコントロール信号を制御部11に供給する。制御部11は、コントロール信号に応じた処理を行う。制御部11は、例えば、記憶部16から所定の音楽コンテンツデータを読み出し、読み出した音楽コンテンツデータに対する再生処理を行う。そして、制御部11は、再生処理を施した音楽コンテンツデータを通信部31に供給する。
【0111】
通信部31は、制御部11から供給された音楽コンテンツデータに対して変調処理等を行う。通信部31によって変調処理等が施された音楽コンテンツデータが、通信部31から通信部32に送信される。通信部31から送信された音楽コンテンツデータが、通信部32によって受信される。通信部32は、受信した音楽コンテンツデータに対して復調処理等を行う。通信部32によって復調処理等が施された音楽コンテンツデータが増幅部33に供給される。増幅部33は、通信部32から供給された音楽コンテンツデータを所定の増幅率で増幅する。増幅された音楽コンテンツデータがスピーカ34に供給される。スピーカ34から音楽コンテンツが再生される。
【0112】
携帯型音楽再生機30に対して、モーションによるコントロールが可能とされる。例えば、足踏み動作によって携帯型音楽再生機30がコントロールされる。モーションによるコントロールを行う際には、例えば、センサ37を触れる接触操作がなされる。接触操作がなされると、センサ37は動作検出信号を生成し、生成した動作検出信号を通信部32に供給する。通信部32は、センサ37から供給された動作検出信号を変調し、変調した動作検出信号を通信部31に送信する。
【0113】
送信された動作検出信号が、通信部31によって受信され、受信された動作検出信号に対して通信部31による復調処理等がなされる。復調処理等がなされた動作検出信号が、通信部31から制御部11に供給される。動作検出信号が供給されることに応じて、制御部11はスイッチSWをオンする。そして、センサ37に対して接触操作がなされた状態で、例えば、靴1aを使用した足踏み動作が所定時間内に連続して2回なされる。この足踏み動作に応じて発電部18が電力を生成する。生成された電力がコントロール信号生成ブロック100に供給される。
【0114】
コントロール信号生成ブロック100は、発電部18から供給される電力に対して、フィルタ100aを使用したフィルタ処理を行う。フィルタ処理がなされた信号がA/D変換部100bによってデジタル信号に変換される。デジタル信号が演算部100cに供給される。演算部100cは、A/D変換部100bから供給されたデジタル信号を使用して、電力量の変化のサイクル数を判別する。この例では、2回の足踏み動作に応じて、1サイクルの電力量の変化が演算部100cにより2回、測定される。演算部100cは、サイクル数が2回であることから、足踏み動作が2回なされたと判別する。
【0115】
演算部100cは、判別した足踏み動作の回数に対応するコントロール信号を生成する。演算部100cは、足踏み動作の回数が2回であることに対応して、例えば、音楽コンテンツの再生を開始させるためのコントロール信号を生成する。生成されたコントロール信号がスイッチSWを介して制御部11に供給される。
【0116】
制御部11は、コントロール信号生成ブロック100から供給されたコントロール信号に応じた処理を行う。制御部11は、例えば、音楽コンテンツの再生を開始する処理を行う。すなわち、制御部11は、記憶部16から所定の音楽コンテンツデータを読み出し、読み出した音楽コンテンツデータに対して再生処理を行う。制御部11は、再生処理を施した音楽コンテンツデータを通信部31に供給する。通信部31から通信部32に音楽コンテンツデータが送信される。通信部32において、音楽コンテンツデータに対する復調処理等がなされ、復調処理等がなされた音楽コンテンツデータが増幅部33に供給される。増幅部33によって音楽コンテンツデータが増幅され、増幅された音楽コンテンツがスピーカ34から再生される。
【0117】
センサ37に対する接触操作が解除されると、センサ37は、動作検出信号の出力を停止する。そして、制御部11に対する動作検出信号の供給が停止する。動作検出信号の供給が停止すると、制御部11は、スイッチSWをオフする。スイッチSWがオフされた後は、コントロール信号生成ブロック100から出力されたコントロール信号は制御部11に供給されない。
【0118】
なお、センサ37に対して接触操作がなされた状態で、例えば、3回の足踏み動作がなされると、第2の実施形態で説明した処理と同様の処理によって、音楽コンテンツの再生を停止するコントロールを行うことができる。
【0119】
このように、携帯型音楽再生機30では、発電部18が生成する電力によってコントロール信号が形成され、形成されたコントロール信号が制御部11に供給される。すなわち、操作部13およびコントロール信号生成ブロック100がコントローラとして機能する。なお、携帯型音楽再生機30に対する全てのコントロールが足踏み動作によってなされるようにし、操作部13の構成を省略してもよい。この場合は、コントロール信号生成ブロック100のみがコントローラとして機能する。
【0120】
モーションによるコントロールがなされる場合でも、発電部18が生成する電力の多くを蓄電部19に供給し、蓄電部19を蓄電することができる。したがって、蓄電部19から携帯型音楽再生機30の各部に対する電力の供給が継続し、携帯型音楽再生機30の動作が停止することはない。さらに、センサ37に対して接触操作がなされているときのみにモーションによるコントロールが可能となるため、足踏み動作に応じて意図しない処理が行われることを防止できる。さらに、音楽コンテンツデータが無線により送受信されるため、ケーブルが不要となる。
【0121】
携帯型音楽再生機30の変形例について説明する。なお、以下に説明する変形例は、第3の実施形態に限らず、他の実施形態に対しても技術的矛盾が生じない範囲で適用できる。上述した携帯型音楽再生機30は、ヘッドセット30cに発電部35および蓄電部36を設けたが、ヘッドセット30cで使用される電力を発電部18が発電する電力で賄うようにしてもよい。
【0122】
図15に示すように、例えば、発電部18により生成された電力が、電力送信部91に供給される。電力送信部91に供給された電力が、電力中継部92を介して、ヘッドセット30cに設けられた電力受信部93に無線伝送される。無線伝送された電力が電力受信部93により受信される。電力受信部93からヘッドセット30cの各部に電力が供給される。電力受信部93により受信された電力によりヘッドセット30cの蓄電部が蓄電され、蓄電部からヘッドセット30cの各部に電力が供給されるようにしてもよい。
【0123】
図16に示すように、例えば、蓄電部19から電力送信部91に電力が供給されるようにしてもよい。電力送信部91に供給された電力が、電力中継部92を介して、ヘッドセット30cに設けられた電力受信部93に無線伝送される。無線伝送された電力が電力受信部93で受信される。電力受信部93からヘッドセット30cの各部に電力が供給される。電力受信部93によって受信された電力によりヘッドセット30cの蓄電部が蓄電され、蓄電部からヘッドセット30cの各部に電力が供給されるようにしてもよい。
【0124】
電力送信部91は、例えば、靴1aに取り付けられており、電力受信部93は、例えば、ヘッドセット30cに取り付けられている。電力中継部92は、必要に応じて設けられる。電力中継部92は、例えば、ユーザの腰付近に取り付け可能とされる。
【0125】
電力送信部91と電力受信部93との間で、例えば、無線による電力の伝送がなされる。無線による電力の伝送方式は、例えば、電波方式、電磁誘導方式、電磁界共鳴方式が挙げられる。電波方式の場合は、電力送信部91と電力受信部93とが例えば、アンテナで構成される。電磁誘導方式や電磁界共鳴方式の場合は、電力中継部92が設けられ、電力中継部92と電力受信部93とが例えば、コイルで構成される。
【0126】
電力送信部91と電力受信部93との間で、人体を導体とした人体通信によって電力が伝送されるようにしてもよい。例えば、送信電極としての電力送信部91から送信された電力が人体を導体として伝送され、伝送された電力が受信電極としての電力受信部93によって受信されるようにしてもよい。
【0127】
このように、発電部18が生成する電力をヘッドセット30cに供給することができる。このため、ヘッドセット30cに発電部を設ける必要がなくなり、ヘッドセット30cの小型化および軽量化を図ることができる。
【0128】
<4.第4の実施形態>
「第4の実施形態の概要」
次に、第4の実施形態について説明する。図17は、第4の実施形態の概要を示す。第4の実施形態の携帯型音楽再生機40は、発電部を含む構成40aが靴1aと一体的に形成され、携帯型音楽再生機40の他の構成がヘッドセット40bとして構成されている。発電部40aによって発電された電力が、無線によってヘッドセット40bに供給される。
【0129】
「携帯型音楽再生機の構成」
図18は、携帯型音楽再生機40の構成の一例を示す。携帯型音楽再生機40において、発電部40aに対応する、発電部18および伝送部41が靴1aに取り付けられている。発電部18は、上述したように、靴1aを使用した足踏み動作に応じて電力を生成する。発電部18により生成された電力が伝送部41に供給される。伝送部41は、発電部18が生成した電気信号を、例えば、電波によってヘッドセット40bに供給する。
【0130】
ヘッドセット40bは、制御部11を含み、制御部11に、操作部13と、記憶部16と、センサ43と、増幅部44とが接続される。さらに、制御部11には、スイッチSWを介してコントロール信号生成ブロック100が接続される。増幅部44には、スピーカ45が接続され、記憶部16には外部I/F17が接続される。ヘッドセット40bは、蓄電部19を備え、蓄電部19から供給される電力によって、ヘッドセット40bの各部が動作する。図において電力の供給ラインの一例を点線で示す。
【0131】
ヘッドセット40bにおいて、コントロール信号生成ブロック100および蓄電部19が伝送部42と接続されている。伝送部42は、伝送部41から伝送される電力を受信する。伝送部42により受信された電力が蓄電部19に供給され、蓄電部19が蓄電される。さらに、伝送部42は、伝送部41から伝送された電力をコントロール信号生成ブロック100に供給する。コントロール信号生成ブロック100は、伝送部42から供給される電力に応じたコントロール信号を生成する。コントロール信号生成ブロック100によって生成されたコントロール信号が、スイッチSWを介して制御部11に供給される。
【0132】
センサ43は、例えば、センサ43に対する接触動作を検出するセンサである。熱を検出するセンサでもよい。センサ43は、ヘッドセット40bの表面に取り付けられる。センサ43は、センサ43に対する接触操作を検出すると、動作検出信号を生成する。センサ43は、生成した動作検出信号を制御部11に供給する。動作検出信号が供給されることに応じて、制御部11はスイッチSWをオンする。携帯型音楽再生機40に対してモーションによるコントロールを行うときに、センサ43に対する接触操作がなされる。
【0133】
増幅部44は、制御部11から供給される音楽コンテンツデータを増幅し、増幅した音楽コンテンツデータをスピーカ45に供給する。スピーカ45から音楽コンテンツが再生される。
【0134】
「携帯型音楽再生機の動作」
携帯型音楽再生機40の動作の一例について説明する。例えば、ヘッドセット40bが装着された状態で、靴1を使用した歩行等の動作がなされる。歩行等の動作に伴う足踏み動作に応じて、発電部18が電力を生成する。発電部18によって生成された電力が伝送部41を介してヘッドセット40bに無線で伝送される。伝送された電力が、ヘッドセット40bの伝送部42によって受信される。伝送部42で受信された電力が蓄電部19に供給され、蓄電部19が蓄電される。ヘッドセット40bの各部に対して蓄電部19から電力が供給される。
【0135】
携帯型音楽再生機40に対して、例えば、操作部13を使用した操作がなされる。例えば、操作部13に対して音楽コンテンツの再生を指示する操作がなされると、操作部13は、音楽コンテンツの再生を開始するためのコントロール信号を生成する。操作部13により生成されたコントロール信号が制御部11に供給される。制御部11は、供給されたコントロール信号に応じて所定の音楽コンテンツデータを記憶部16から読み出す。制御部11は、読み出した音楽コンテンツデータに対して、復号処理等の再生処理を行う。再生処理が施された音楽コンテンツデータが増幅部44に供給される。
【0136】
増幅部44は、制御部11から供給された音楽コンテンツデータを増幅する。増幅された音楽コンテンツデータがスピーカ45に供給される。スピーカ45から音楽コンテンツが再生される。なお、操作部13は、例えば、手元で操作可能なリモートコントロール装置で構成されてもよい。
【0137】
携帯型音楽再生機40に対して、モーションによるコントロールが可能とされる。例えば、足踏み動作によって携帯型音楽再生機40がコントロールされる。モーションによるコントロールを行う際には、例えば、ヘッドセンサ40bにおけるセンサ43を触れる接触操作がなされる。接触操作がなされると、センサ43は動作検出信号を生成し、生成した動作検出信号を制御部11に供給する。動作検出信号が供給されることに応じて、制御部11はスイッチSWをオンする。そして、センサ43に対して接触操作がなされた状態で、例えば、靴1aを使用した足踏み動作が所定時間内に連続して2回なされる。この足踏み動作に応じて発電部18が電力を生成する。
【0138】
生成された電力が伝送部41から送信される。送信された電力が伝送部42によって受信される。伝送部42によって受信された電力が蓄電部19およびコントロール信号生成ブロック100に供給される。なお、モーションによって携帯型音楽再生機40を制御する際は、伝送部42からコントロール信号生成ブロック100のみに電力が供給されるようにしてもよい。
【0139】
コントロール信号生成ブロック100は、上述したようにフィルタ100aと、A/D変換部100bと、演算部100cとを備える。発電部18から供給される電力に対して、フィルタ100aを使用したフィルタ処理が行われ、フィルタ処理が行われた信号がA/D変換部100bによってデジタル信号に変換される。デジタル信号が演算部100cに供給される。演算部100cは、フィルタ処理がなされたデジタル信号を使用して、発電部18が発電する電力量の変化を測定する。
【0140】
演算部100cは、A/D変換部100bから供給されるデジタル信号を使用して、電力の電力量の変化のサイクル数を測定する。演算部100cは、測定したサイクル数から足踏み動作がなされた回数を検出する。演算部100cは、例えば、1サイクルの電力量の変化が2回、測定され、サイクル数が2である場合は、2回の足踏み動作がなされたものと判別する。
【0141】
演算部100cは、判別した足踏み動作の回数に対応するコントロール信号を生成する。演算部100cは、足踏み動作の回数が2回であることに対応して、例えば、音楽コンテンツの再生を開始させるためのコントロール信号を生成する。生成されたコントロール信号がスイッチSWを介して制御部11に供給される。
【0142】
制御部11は、コントロール信号生成ブロック100から供給されたコントロール信号に応じた処理を行う。制御部11は、例えば、音楽コンテンツの再生を開始する処理を行う。すなわち、制御部11は、記憶部16から所定の音楽コンテンツデータを読み出し、読み出した音楽コンテンツデータに対して再生処理を行う。制御部11は、再生処理を施した音楽コンテンツデータを増幅部44に供給する。増幅部44によって音楽コンテンツデータが増幅され、増幅された音楽コンテンツデータがスピーカ45を介して再生される。
【0143】
センサ43に対する接触操作が解除されると、センサ43から制御部11に対する動作検出信号の供給が停止する。動作検出信号の供給が停止すると、制御部11は、スイッチSWをオフする。スイッチSWがオフされた後は、コントロール信号生成ブロック100から出力されたコントロール信号は制御部11に供給されない。
【0144】
なお、センサ43に対して接触操作がなされた状態で、例えば、3回の足踏み動作がなされた場合に、第2の実施形態で説明した処理と同様の処理によって、音楽コンテンツの再生を停止するコントロールを行うことができる。この他にも、足踏み動作の回数に応じて、携帯型音楽再生機40に対する様々なコントロールを行うことができる。
【0145】
このように、携帯型音楽再生機40では、発電部18が生成する電力によってコントロール信号が形成され、形成されたコントロール信号が制御部11に供給される。すなわち、操作部13およびコントロール信号生成ブロック100がコントローラとして機能する。なお、携帯型音楽再生機40に対する全てのコントロールがモーションによってなされるようにし、操作部13の構成を省略してもよい。この場合は、コントロール信号生成ブロック100のみがコントローラとして機能する。
【0146】
なお、発電部18および伝送部41を靴1aに対して着脱可能としてもよい。発電部18および伝送部41を、例えば、靴1aの中敷きに対して着脱可能としてもよい。このような構成によって、特定の靴に限定されず、実際に使用される靴により発電することができる。発電部が靴に内蔵されて装着されてもよく、靴に着脱自在とされる発電部が、靴に取り付けられて装着されてもよい。さらに、携帯型音楽再生機40において、第3の実施形態と同様に、音楽コンテンツデータをヘッドセット40bに送信してもよい。
【0147】
<5.第5の実施形態>
「第5の実施形態の概要」
次に、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態における携帯型音楽再生機は、発電部を備え、発電部の発電状況に応じて、再生する音楽コンテンツを選択する例である。発電部の発電状況に応じて、音楽コンテンツの再生態様を変化させるようにしてもよい。
【0148】
「携帯型音楽再生機の構成」
図19は、第5の実施形態における携帯型音楽再生機50の構成の一例を示す。携帯型音楽再生機50は、例えば、靴1aに取り付けられている。携帯型音楽再生機50においてヘッドセットを使用し、ヘッドセットから音楽コンテンツの再生がなされるようにしてもよい。
【0149】
携帯型音楽再生機50は、制御部11を備える。制御部11に、表示部12と、操作部13と、増幅部14と、記憶部16と、発電状況取得部51とが接続される。スピーカ15が増幅部14に接続される。外部I/F17が記憶部16に接続される。携帯型音楽再生機50は、発電部18を備える。発電部18は、足踏み動作に応じて電力を生成する。発電部18が生成した電力が蓄電部19に供給され、蓄電部19が蓄電される。蓄電部19から携帯型音楽再生機50の各部に対して電力が供給され、携帯型音楽再生機50が動作する。図において電力の供給ラインの一例を点線で示す。
【0150】
記憶部16には、例えば、複数の音楽コンテンツデータが記憶される。それぞれの音楽コンテンツデータには、メタデータが対応付けられている。メタデータは、例えば、タイトル、再生時間、BPM(Beats Per Minute)である。BPMは、音楽コンテンツにおいて、平均的に1分間にいくつの4分音符が入るかを示す単位である。制御部11の制御によって、メタデータの内容を表示部12に表示させることもできる。
【0151】
発電状況取得部51は、発電部18の発電状況を取得する。発電状況取得部51は、例えば、発電部18が出力する複数の電気信号間の時間の間隔tを取得する。例えば、あるタイミングで発電部18が電気信号を出力し、0.5秒後に発電部18がさらに電気信号を出力した場合は、間隔tは0.5となる。発電状況取得部51は、発電部18から出力される電気信号のレベルや、発電部18から出力される電気信号の出力回数を取得するようにしてもよい。所定時間内に取得される複数の間隔の平均値を間隔tとしてもよい。
【0152】
発電状況取得部51において、例えば、コントロール信号生成ブロック100と同様の処理がなされてもよい。例えば、発電状況取得部51がフィルタ100a、A/D変換部100b、演算部100cを備えるようにしてもよい。発電状況取得部51は、発電部18が生成する電力に対してフィルタ100aによるフィルタ処理を行い、フィルタ処理を行った後にA/D変換部100bによってデジタル信号を形成する。演算部100cは、デジタル信号を使用して、所定時間内における、電力量の変化のサイクル数を求める。サイクル数から、所定時間内になされた足踏み動作の回数を検出するようにしてもよい。
【0153】
発電状況取得部51は、間隔tに応じてコンテンツ選択信号を生成する。生成されたコンテンツ選択信号が制御部11に供給される。制御部11は、コンテンツ選択信号に応じて再生するコンテンツを選択する。
【0154】
「携帯型音楽再生機の動作」
携帯型音楽再生機50の動作の一例について説明する。靴1を使用した歩行等がなされ、歩行等に伴い足踏み動作がなされる。足踏み動作がなされることで発電部18が電力を生成する。生成された電力が蓄電部19に供給され、蓄電部19が蓄電される。
【0155】
発電状況取得部51は、発電部18が出力する電力(電気信号)の間隔tを取得する。発電状況取得部51は、取得した間隔tに応じてコンテンツ選択信号を生成する。発電状況取得部51は、例えば、閾値Th1および閾値Th2(但し、Th1<Th2)と間隔tとを比較し、以下のいずれのパターンに該当するかを判別する。
t<Th1・・・パターン(1)
Th1≦t≦Th2・・・パターン(2)
Th2<t・・・パターン(3)
【0156】
パターン(1)は、間隔tが短いことを示し、発電部18から電気信号が頻繁に出力されていることを示す。すなわち、足踏み動作が頻繁に行われていることを示し、靴1を使用して走行がなされているものと発電状況取得部51が判別する。
【0157】
パターン(2)は、間隔tが通常の間隔であることを示す。すなわち、靴1を使用して、平均的な速度の歩行がなされているものと発電状況取得部51が判別する。
【0158】
パターン(3)は、間隔tが長いことを示す。すなわち、靴1を使用して、ゆったりとした歩行がなされているものと発電状況取得部51が判別する。
【0159】
発電状況取得部51は、判別結果に応じてコンテンツ選択信号を生成する。発電状況取得部51は、パターン(1)と判別した場合は、テンポが速い音楽コンテンツを選択するためのコンテンツ選択信号を生成する。例えば、BPMが160以上の音楽コンテンツデータを選択するコンテンツ選択信号を生成する。生成されたコンテンツ選択信号が発電状況取得部51から制御部11に供給される。
【0160】
制御部11は、供給されたコンテンツ選択信号に応じて、記憶部16に記憶された音楽コンテンツデータから所定の音楽コンテンツデータを選択する。制御部11は、例えば、音楽コンテンツデータ毎に対応づけられたメタデータを参照して、BPMが160以上の音楽コンテンツデータを記憶部16から読み出す。読み出された音楽コンテンツデータに対して制御部11による再生処理がなされ、再生処理がなされた音楽コンテンツデータが増幅部14で増幅される。増幅された音楽コンテンツデータがスピーカ15から再生される。
【0161】
発電状況取得部51は、パターン(2)と判別した場合は、通常のテンポの音楽コンテンツを選択するためのコンテンツ選択信号を生成する。例えば、BPMが90以上で160未満の音楽コンテンツデータを選択するためのコンテンツ選択信号を生成する。生成されたコンテンツ選択信号が発電状況取得部51から制御部11に供給される。
【0162】
制御部11は、供給されたコンテンツ選択信号に応じて、記憶部16に記憶された音楽コンテンツデータから所定の音楽コンテンツデータを選択する。制御部11は、例えば、音楽コンテンツデータ毎に対応づけられたメタデータを参照して、BPMが90以上で160未満の音楽コンテンツデータを記憶部16から読み出す。読み出された音楽コンテンツデータに対して制御部11による再生処理がなされ、再生処理がなされた音楽コンテンツデータが増幅部14で増幅される。増幅された音楽コンテンツデータがスピーカ15から再生される。
【0163】
発電状況取得部51は、パターン(3)と判別した場合は、テンポが遅い音楽コンテンツを選択するためのコンテンツ選択信号を生成する。例えば、BPMが90未満の音楽コンテンツデータを選択するためのコンテンツ選択信号を生成する。生成されたコンテンツ選択信号が発電状況取得部51から制御部11に供給される。
【0164】
制御部11は、供給されたコンテンツ選択信号に応じて、記憶部16に記憶された音楽コンテンツデータから所定の音楽コンテンツデータを選択する。制御部11は、例えば、音楽コンテンツデータ毎に対応づけられたメタデータを参照して、BPMが90未満の音楽コンテンツデータを記憶部16から読み出す。読み出された音楽コンテンツデータに対して制御部11による再生処理がなされ、再生処理がなされた音楽コンテンツデータが増幅部14で増幅される。増幅された音楽コンテンツデータがスピーカ15から再生される。
【0165】
このように、発電部18から出力される電気信号(電力)に応じて歩行等の状況が判別され、判別結果に応じた音楽コンテンツが再生される。例えば、ゆっくり歩いているときはテンポが遅い音楽コンテンツが再生され、通常の速度の歩行のときは通常のテンポの音楽コンテンツが再生され、走っているときはテンポが速い音楽コンテンツを再生でき、歩行等の速度に適したテンポの音楽コンテンツを再生できる。さらに、発電部18が生成する電力に応じて歩行等の速度が判別できるため、歩行等の速度を測定するためのセンサ等を設ける必要がない。
【0166】
なお、上述した発電状況取得部51の機能を制御部11が有するようにしてもよい。すなわち、制御部11が発電部18の発電状況を取得し、発電状況に応じて音楽コンテンツデータを選択するようにしてもよい。間隔tを示す信号が発電状況取得部51から制御部11に供給され、制御部11によって上述したパターンを判別する処理などがなされてもよい。
【0167】
発電状況に応じて、再生中の音楽コンテンツの再生態様を変化させる処理が制御部11によってなされるようにしてもよい。制御部11は、例えば、音楽コンテンツデータのテンポを変化させるテンポコントロール機能を有する。テンポを変化させる処理は、公知の処理を適用できる。パターン(1)の場合は、再生中の音楽コンテンツのテンポを速くする処理がなされ、パターン(3)の場合には、再生中の音楽コンテンツのテンポを遅くする処理が制御部11によってなされるようにしてもよい。パターン(2)の場合は、音楽コンテンツのテンポは変化されない。発電状況から歩行等の速度が判別され、歩行等の速度に適したテンポで音楽コンテンツを再生することができる。
【0168】
音楽コンテンツデータを選択する際に使用されるメタデータの内容は、BPMに限られない。例えば、メタデータとして「散歩用」「ウォーキング用」「運動用」からなる使用ジャンルが音楽コンテンツデータ毎に対応づけられる。発電状況からパターン(1)と判別された場合に、運動用のメタデータが対応付けられている音楽コンテンツデータが再生され、パターン(2)と判別された場合に、ウォーキング用のメタデータが対応付けられている音楽コンテンツデータが再生され、パターン(3)と判別された場合に散歩用のメタデータが対応付けられている音楽コンテンツデータが再生されるようにしてもよい。
【0169】
閾値は、2個に限られることはない。例えば、5個の閾値を使用して、発電状況をより詳細に分析し、分析結果に応じて音楽コンテンツデータを選択するようにしてもよい。さらに、歩行等の速度に適した音楽コンテンツデータが制御部11によって自動的に生成されるようにしてもよい。
【0170】
発電状況取得部51によって、所定時間内でなされた足踏み動作の回数が判別可能な場合は、判別された足踏み動作の回数に応じて、再生する音楽コンテンツを選択してもよい。足踏み動作の回数に応じて、音楽コンテンツの再生態様を変化させてもよい。例えば、所定時間を10秒間とし、10秒間で20回以上の足踏み動作がなされたと判別された場合は、パターン(1)と同様にテンポの速い音楽コンテンツデータが選択される。10秒間で7回以上20回未満の足踏み動作がなされた場合は、パターン(2)と判別された場合と同様に通常のテンポの音楽コンテンツデータが選択される。10秒間で7回未満の足踏み動作がなされた場合は、パターン(3)と同様にテンポの遅い音楽コンテンツデータが選択されるようにしてもよい。
【0171】
<6.第6の実施形態>
「第6の実施形態の概要」
次に、第6の実施形態について説明する。第6の実施形態では、発電状況に応じて再生する音楽コンテンツが選択されるとともに、携帯型音楽再生装置に対してモーションによるコントロールが可能とされる。
【0172】
「携帯型音楽再生機の構成および動作」
図20は、第6の実施形態における携帯型音楽再生機60の構成の一例を示す。携帯型音楽再生機60は、携帯型音楽再生機50の構成に、検出部21と、コントロール信号生成ブロック100と、スイッチSWとが付加されたものである。検出部21は、制御部11に対して接続される。コントロール信号生成ブロック100は、発電部18と接続される。コントロール信号生成ブロック100は、さらに、スイッチSWを介して制御部11に接続される。図において電力の供給ラインの一例を点線で示す。
【0173】
携帯型音楽再生機60に対して、モーションによるコントロールが可能とされる。例えば、足踏み動作によって携帯型音楽再生機60をコントロールできる。足踏み動作によってコントロールを行う処理は、例えば、第2の実施形態における携帯型音楽再生機20の同様であるので、概略的な説明にとどめる。
【0174】
検出部21が例えば押下されながら、靴1aを使用した足踏み動作がなされる。検出部21が押下されることでスイッチSWが制御部11によりオンされる。足踏み動作にともなって発電部18が生成する信号に応じて、コントロール信号生成ブロック100がコントロール信号を生成する。例えば、コントロール信号生成ブロック100によって足踏み動作の回数が判別され、足踏み動作の回数に応じたコントロール信号が生成される。生成されたコントロール信号が、コントロール信号生成ブロック100からスイッチSWを介して制御部11に供給される。制御部11は、供給されたコントロール信号に応じた処理を行う。
【0175】
さらに、携帯型音楽再生機60では、発電状況に応じて歩行等の速度を判別し、歩行等の速度に適したテンポを有する音楽コンテンツを再生することができる。処理の内容は、上述した第5の実施形態と同様であり、重複した説明を省略する。
【0176】
携帯型音楽再生機60は、例えば、以下のように使用できる。歩行等の開始時に検出部21を操作しながら足踏み動作を2回行い、音楽コンテンツの再生を開始させる。そして、検出部21に対する操作を解除して、例えば、走行を開始する。走行の速度に適したテンポの音楽コンテンツがスピーカ15から再生される。ヘッドセットを使用して音楽コンテンツを再生してもよい。携帯型音楽再生機60の使用例は、上述の使用例に限られることはない。
【0177】
さらに、スイッチSWおよび発電状況取得部51を省略してもよい。例えば、検出部21が操作されているときは、上述した処理によってコントロール信号生成ブロック100がコントロール信号を生成する。生成されたコントロール信号が制御部11に供給される。検出部21が操作されていないときは、コントロール信号生成ブロック100により、所定時間内における足踏み動作の回数が判別される。判別された足踏み動作の回数が制御部11に供給される。制御部11は、供給された足踏み動作の回数に応じて音楽コンテンツを選択したり、音楽コンテンツの再生態様を変化させる。このように、発電状況取得部51の機能をコントロール信号生成ブロック100が有するようにしてもよい。コントロール信号生成ブロック100の機能が制御部11によって切り替えられてもよい。
【0178】
<7.第7の実施形態>
「第7の実施形態の概要」
次に、第7の実施形態について説明する。第7の実施形態は、蓄電部の残容量に応じて音楽コンテンツの再生態様を変化させる例である。
【0179】
「携帯型音楽再生機の構成」
図21は、携帯型音楽再生機70の構成の一例を示す。携帯型音楽再生機70は、例えば、靴1aに取り付けられている。携帯型音楽再生機70においてヘッドセットを使用し、ヘッドセットから音楽コンテンツが再生されてもよい。
【0180】
携帯型音楽再生機70は、制御部11を備える。制御部11は、再生中の音楽コンテンツデータのテンポを変化させるテンポコントロール機能を有する。制御部11に、表示部12と、操作部13と、増幅部14と、記憶部16と、残容量取得部71とが接続される。スピーカ15が増幅部14に接続される。外部I/F17が記憶部16に接続される。
【0181】
携帯型音楽再生機70は、発電部18を備える。発電部18は、足踏み動作に応じて電力を生成する。発電部18により生成された電力が蓄電部19に供給され、蓄電部19が蓄電される。蓄電部19から携帯型音楽再生機70の各部に対して電力が供給され、携帯型音楽再生機70が動作する。図において電力の供給ラインの一例を点線で示す。
【0182】
記憶部16には、例えば、複数の音楽コンテンツデータが記憶される。それぞれの音楽コンテンツデータには、メタデータが対応付けられている。メタデータは、例えば、タイトル、再生時間、BPMである。メタデータの内容を、制御部11の制御によって表示部12に表示させることもできる。
【0183】
制御部11には、残容量取得部71が接続される。残容量取得部71は、蓄電部19に対して接続され、蓄電部19の残容量を取得する。蓄電部19が、例えば、リチウムイオン2次電池である場合には、残容量取得部71は、リチウムイオン2次電池の端子間の電圧を測定することで残容量を取得する。残容量取得部71は、蓄電部19の残容量を示す残容量信号を制御部11に供給する。蓄電部19の残容量が、所定値以下、例えば、満充電に対して30%以下に低下したときに残容量信号が制御部11に供給されるようにしてもよい。
【0184】
制御部11は、供給された残容量信号に応じた処理を行う。制御部11は、残容量信号で示される残容量が例えば30%以下に低下した場合に、再生中の音楽コンテンツのテンポを速くする処理を行う。制御部11によってテンポコントロールがなされた音楽コンテンツデータが増幅部14によって増幅され、増幅された音楽コンテンツデータがスピーカ15に供給される。なお、テンポを速くするテンポコントロールの方法は、公知の方法を適用できる。
【0185】
「携帯型音楽再生機の動作」
携帯型音楽再生機70の動作の一例について説明する。携帯型音楽再生機70が使用され、制御部11によって記憶部16から読みだされた音楽コンテンツデータが、スピーカ15から再生される。残容量取得部71は、残容量信号を生成し、生成した残容量信号を制御部11に供給する。
【0186】
制御部11は、供給された残容量信号に応じた処理を行う。制御部11は、残容量信号で示される残容量が例えば30%以下に低下した場合に、再生中の音楽コンテンツのテンポを速くする処理を行う。制御部11によってテンポコントロールがなされた音楽コンテンツデータが増幅部14によって増幅され、増幅された音楽コンテンツデータがスピーカ15に供給される。
【0187】
一般に、音楽コンテンツを聴きながら歩行等がなされるときは、歩行等の速度が音楽コンテンツのテンポに追従することが知られている。このため、再生中の音楽コンテンツのテンポが速くなると、歩行等の速度が速くなる。歩行等の速度が速くなることで靴1aを使用した足踏み動作の回数が増加する。足踏み動作の回数が増加することで、発電部18によって生成される電力が増加する。すなわち、発電部18によって発電される電力が増加し、蓄電部19に対して供給される電力量が増加する。このため、残容量が低下した蓄電部19を速やかに充電することができる。
【0188】
なお、残容量信号に応じて制御部11が行う処理は、音楽コンテンツデータのテンポを速くする処理に限られない。残容量信号に応じて、制御部11が一部の処理を停止してもよい。例えば、残容量信号で示される残容量が30%以下に低下した場合に、制御部11がイコライザを使用した処理を行わないようにしてもよい。制御部11によって実行される処理の一部が停止されることで、制御部11により消費される電力を減少させることができ、蓄電部19の残容量が低下することを防止できる。イコライザの処理が省略された再生処理が施された音楽コンテンツデータがスピーカ15から再生される。残容量信号に応じて、制御部11が音楽コンテンツデータのレベルを低下させる処理を行うようしてもよい。
【0189】
残容量信号で示される残容量が、例えば、30%以下に低下した場合に、イコライザの処理を停止し、さらに、残容量が10%以下に低下した場合に、音楽コンテンツのテンポを速くする処理がなされるようにしてもよい。
【0190】
なお、残容量取得部71の機能を制御部11が有するようにしてもよい。制御部11が蓄電部19の残容量を取得し、残容量に応じてコンテンツの再生態様を変化させるようにしてもよい。
【0191】
<8.第8の実施形態>
「第8の実施形態の概要」
次に、第8の実施形態について説明する。第8の実施形態では、蓄電部の残容量に応じて音楽コンテンツの再生態様を変化させるとともに、発電部18が生成する電力によってコントロール信号を形成する例である。
【0192】
「携帯型音楽再生機の構成および動作」
図22は、携帯型音楽再生機80の構成の一例を示す。携帯型音楽再生機80は、携帯型音楽再生機70の構成に、検出部21と、コントロール信号生成ブロック100と、スイッチSWとが付加されたものである。検出部21が制御部11に接続される。コントロール信号生成ブロック100がスイッチSWを介して制御部11に接続される。コントロール信号生成ブロック100は発電部18に接続され、発電部18が生成する電力によってコントロール信号を形成する。図において電力の供給ラインの一例を点線で示す。
【0193】
携帯型音楽再生機80に対して、例えば、モーションによるコントロールを行うことができる。モーションによるコントロールの処理の内容は、例えば、第2の実施形態における携帯型音楽再生機20における処理と同様であるので、概略的な説明にとどめる。
【0194】
検出部21が、例えば押下されながら、靴1aを使用した足踏み動作がなされる。検出部21が押下されることでスイッチSWが制御部11によりオンされる。足踏み動作にともなって発電部18が電力を生成する。生成された電力がコントロール信号生成ブロック100に供給する。コントロール信号生成ブロック100は、供給された電力からコントロール信号を生成する。例えば、コントロール信号生成ブロック100によって足踏み動作の回数が判別され、足踏み動作の回数に応じたコントロール信号が生成される。生成されたコントロール信号が、コントロール信号生成ブロック100からスイッチSWを介して制御部11に供給される。制御部11は、供給されたコントロール信号に応じた処理を行う。
【0195】
携帯型音楽再生機80では、蓄電部19の残容量に応じて音楽コンテンツの再生態様を変化させる処理が行われる。例えば、蓄電部19の残容量が低下すると、音楽コンテンツのテンポを速くする処理が制御部11によって行われる。処理の内容は、上述した携帯型音楽再生機70と同様の処理であるので重複した説明を省略する。
【0196】
携帯型音楽再生機80において、ヘッドセットを設け、ヘッドセットから音楽コンテンツが再生されてもよい。検出部21に代えて、ヘッドセットに設けられるセンサ37によって動作検出信号が生成されるようにしてもよい。
【0197】
<9.変形例>
以上、本開示の複数の実施形態について具体的に説明したが、本開示は、これらの実施形態に限定されるものではない。上述した複数の実施形態では、コンテンツの一例として音楽コンテンツを例にしたが、他の映像コンテンツなどに対して本開示を適用することができる。
【0198】
本開示は、携帯型音楽再生機に限られることはない。例えば、本開示は、携帯電話やスマートフォンに対して適用できる。例えば、表示部を有するスマートフォンに、振動によって発電する発電部を設けてもよい。通常の使用時には、スマートフォンが振られることで発電部が発電し、蓄電部が蓄電される。そして、例えば、表示部の所定箇所が触れられた状態でスマートフォンが振られると、発電部が発電するとともに、振られた回数に応じたコントロール信号が生成されるようにしてもよい。コントロール信号に応じて、例えば、メニュー画面が遷移されるようにしてもよい。さらに、本開示をディジタルスチルカメラに適用してもよい。発電部の発電する電力によってディジタルスチルカメラのイメージャを動作させるようにしてもよい。
【0199】
本開示におけるモーションは、足踏み動作に限られるとはない、発電部は、足踏み動作とは異なる動作で発電するようにしてもよい。例えば、圧電素子等のように、発電部が変形することで発電するようにしてもよい。そして、発電部を、例えば、ユーザの肘に取り付け可能とし、肘の屈曲動作に応じて発電部が変形し発電するようにしてもよい。腕を振るジェスチャに応じて発電部が発電するとともに、発電部が生成する信号によってコントロール信号が形成されるようにしてもよい。
【0200】
発電部を熱電変換によって発電する構成とし、発電部を頭部に取り付け可能としてもよい。発電部を熱電変換および変位によって発電する構成とし、発電部を首に取り付け可能としてもよい。発電部を電磁誘導によって発電する構成とし、発電部を腰部に取り付け可能としてもよい。発電部を逆磁歪によって発電する構成とし、発電部を大腿部に取り付け可能としてもよい。発電部の発電方式および発電部が取り付けられる位置は、適宜変更することができる。
【0201】
発電部、制御部等の構成を全てヘッドセットに設けてもよい。ヘッドセットにおける発電部の発電方式は、太陽光発電や太陽光発電と熱電発電との組合せや太陽光発電と振動発電との組合せなどの方式を採用できる。
【0202】
モーションに対応するコントロール内容は適宜、変更できる。例えば、1回の足踏み動作に応じて音楽コンテンツの音量レベルを上げるコントロールがなされてもよい。2回の足踏み動作に応じて音楽コンテンツの音量レベルを下げるコントロールがなされてもよい。上述した携帯型音楽再生機は、靴に限らず衣服に組み込まれてもよい。
【0203】
上述した複数の実施形態および変形例における構成、処理の内容等については、技術的矛盾が生じない範囲で相互に適用することができる。本開示において、必須でない構成は適宜、省略することができる。さらに、本開示の構成および処理の全部または一部は、装置のほか、方法、プログラム、プログラムを記録した記録媒体として構成することもできる。
【0204】
なお、本開示は、例えば、以下の構成をとることもできる。
(1)
信号処理部と、
前記信号処理部に対してコントロール信号を供給するコントローラと、
電力としての電気信号を生成し、前記生成する電気信号を前記信号処理部に供給する発電部と
を備える携帯型電子機器。
(2)
前記発電部が生成する前記電気信号によって、前記コントロール信号が形成される請求項1に記載の携帯型電子機器。
(3)
前記発電部は、足を踏み込む動作と、足を持ち上げる動作とからなる足踏み動作に応じて前記電気信号を生成する(1)または(2)に記載の携帯型電子機器。
(4)
少なくとも前記発電部が靴に装着される(1)乃至(3)のいずれか1に記載の携帯型電子機器。
(5)
前記信号処理部は、コンテンツを再生する処理を行い、前記発電部の発電状況に応じて前記再生するコンテンツを選択する(1)乃至(4)のいずれか1に記載の携帯型電子機器。
(6)
前記信号処理部は、コンテンツを再生する処理を行い、前記発電部の発電状況に応じて前記コンテンツの再生態様を変化させる(1)乃至(4)のいずれか1に記載の携帯型電子機器。
(7)
コンテンツを再生する処理を行う信号処理部と、
電力としての電気信号を生成し、前記電気信号を蓄電部に供給する発電部と
を備え、
前記信号処理部は、前記蓄電部の残容量に応じて前記コンテンツの再生態様を変化させる携帯型電子機器。
(8)
前記発電部が生成する前記電気信号によって、前記信号処理部に対するコントロール信号が形成される(7)に記載の携帯型電子機器。
(9)
信号処理部と、コントローラと、発電部とを備える携帯型電子機器における信号処理方法であり、
前記コントローラから出力されるコントロール信号が前記信号処理部に供給され、
前記発電部によって生成される電力としての電気信号が、前記信号処理部に供給される信号処理方法。
(10)
信号処理部によってコンテンツを再生し、
発電部によって電力としての電気信号を生成し、前記電気信号を蓄電部に供給し、
前記蓄電部の残容量に応じて、前記コンテンツの再生態様を変化させる再生方法。
【符号の説明】
【0205】
10、20、30、40、50、60、70、80・・・携帯型音楽再生機
11・・・制御部
13・・・操作部
18・・・発電部
19・・・蓄電部
51・・・発電状況取得部
71・・・残容量取得部
100・・・コントロール信号生成ブロック
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば、充電が不要とされる携帯型電子機器、信号処理方法および再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話や携帯型の音楽プレーヤなどのように、ユーザが屋外で使用する携帯型電子機器が広く普及している。このような携帯型電子機器は、特許文献1に記載されているように、電源として充放電可能な二次電池を有することが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−283609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている携帯型電子機器において、二次電池の残容量が不足した場合には、商用電源を使用して二次電池を充電しなければならない。このため、屋外などの商用電源がない場所で電池の残容量が不足した場合には、携帯型電子機器の使用を中止せざるを得ないという問題があった。さらに、携帯型電子機器が長時間、使用されない場合には二次電池が放電されてしまうため、携帯型電子機器を即座に使用することができないという問題があった。
【0005】
したがって、本開示の目的の一つは、例えば、充電が不要な携帯型電子機器、信号処理方法および再生方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本開示は、例えば、
信号処理部と、
信号処理部に対してコントロール信号を供給するコントローラと、
電力としての電気信号を生成し、生成する電気信号を信号処理部に供給する発電部と
を備える携帯型電子機器である。
【0007】
本開示は、例えば、
コンテンツを再生する処理を行う信号処理部と、
電力としての電気信号を生成し、電気信号を蓄電部に供給する発電部と
を備え、
信号処理部は、蓄電部の残容量に応じてコンテンツの再生態様を変化させる携帯型電子機器である。
【0008】
本開示は、例えば、
信号処理部と、コントローラと、発電部とを備える携帯型電子機器における信号処理方法であり、
コントローラから出力されるコントロール信号が信号処理部に供給され、
発電部によって生成される電力としての電気信号が、信号処理部に供給される信号処理方法である。
【0009】
本開示は、例えば、
信号処理部によってコンテンツを再生し、
発電部によって電力としての電気信号を生成し、電気信号を蓄電部に供給し、
蓄電部の残容量に応じて、コンテンツの再生態様を変化させる再生方法である。
【発明の効果】
【0010】
少なくとも一の実施形態によれば、携帯型電子機器において発電することができ、商用電源等の外部電源を使用して携帯型電子機器を充電することが不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態の概要を示す略線図である。
【図2】第1の実施形態における携帯型音楽再生機の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】発電部が組み込まれる位置の一例を説明するための略線図である。
【図4】発電部の構成の一例を説明するための略線図である。
【図5】エレクトレットローターおよびエレクトレットステーターのそれぞれの対向面の一例を説明するための略線図である。
【図6】第2の実施形態の概要を示す略線図である。
【図7】第2の実施形態における携帯型音楽再生機の構成の一例を示すブロック図である。
【図8】コントロール信号生成ブロックの構成の一例等を説明するためのブロック図である。
【図9】変形例を説明するためのブロック図である。
【図10】他の変形例を説明するためのブロック図である。
【図11】他の変形例を説明するためのブロック図である。
【図12】他の変形例を説明するためのブロック図である。
【図13】第3の実施形態の概要を示す略線図である。
【図14】第3の実施形態における携帯型音楽再生機の構成の一例を示すブロック図である。
【図15】変形例を説明するためのブロック図である。
【図16】他の変形例を説明するためのブロック図である。
【図17】第4の実施形態の概要を示す略線図である。
【図18】第4の実施形態における携帯型音楽再生機の構成の一例を示すブロック図である。
【図19】第5の実施形態における携帯型音楽再生機の構成の一例を示すブロック図である。
【図20】第6の実施形態における携帯型音楽再生機の構成の一例を示すブロック図である。
【図21】第7の実施形態における携帯型音楽再生機の構成の一例を示すブロック図である。
【図22】第8の実施形態における携帯型音楽再生機の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の複数の実施形態等について説明する。なお、説明は、以下の順序で行う。
<1.第1の実施形態>
<2.第2の実施形態>
<3.第3の実施形態>
<4.第4の実施形態>
<5.第5の実施形態>
<6.第6の実施形態>
<7.第7の実施形態>
<8.第8の実施形態>
<9.変形例>
以下に説明するそれぞれの実施形態において、同一の構成については同一の符号を付す。同一の符号が付された構成は、それぞれの実施形態において特に断らない限り同一の機能を有し、重複した説明を適宜、省略する。
なお、本開示は、以下に説明する実施形態および変形例に限定されない。それぞれの実施形態の全部または一部は、技術的矛盾が生じない限り相互に組み合わせることができる。
【0013】
<1.第1の実施形態>
「第1の実施形態の概要」
以下に説明する複数の実施形態では、携帯型電子機器の一例として、携帯型音楽再生機を用いて説明する。本開示は、携帯型音楽再生機の他に、携帯電話、ディジタルスチルカメラ、携帯型パーソナルコンピュータ、スマートフォンなどの他の携帯型電子機器に対して適用することができる。
【0014】
図1は、第1の実施形態の概要を示す。ユーザが靴1aおよび靴1bからなる靴1を履いて歩行または走行(以下、適宜、歩行等と称する)している。靴1は、運動靴、長靴、ハイヒール、ビジネス用の靴、サンダルなどの履物に適用できる。
【0015】
第1の実施形態では、携帯型音楽再生機10が靴1aに組み込まれており、携帯型音楽再生機10と靴1aとが一体的に構成されている。携帯型音楽再生機10が靴1bと一体的に構成されてもよい。靴1aおよび靴1bの双方に、携帯型音楽再生機10が組み込まれていてもよい。
【0016】
携帯型音楽再生機10は、例えば、信号処理部およびコントローラからなる10aと、発電部10bと、超指向性スピーカ10cとを含む構成である。信号処理部およびコントローラからなる10aおよび発電部10bが靴1aに内蔵され、超指向性スピーカ10cが靴1aの表面に取り付けられる。
【0017】
コントローラからのコントロール信号に応じて、信号処理部が、例えば、音楽コンテンツを再生するための再生処理を行う。再生処理がなされた音楽コンテンツが超指向性スピーカ10cから再生される。超指向性スピーカ10cは、靴1を履いているユーザの耳元付近に音楽コンテンツを再生する指向特性を有している。このため、超指向性スピーカ10cから再生された音楽コンテンツは周囲に拡散されることなく、靴1を履いているユーザのみが、再生された音楽コンテンツを聴取できる。
【0018】
発電部10bは、例えば、靴1を使用した歩行等に伴う、足を上下させる動作に応じて、電力としての電気信号(以下、単に電力または電気信号と略すこともある)を生成する。すなわち、地面に向かって足を踏み込む動作と、踏み込んだ足を持ち上げる動作に応じて、発電部10bは電力を生成する。足を踏み込む動作と、足を持ち上げる動作とからなる動作を適宜、足踏み動作と称する。発電部10bによって生成された電力が携帯型音楽再生機10の各部に対して供給される。携帯型音楽再生機10の各部は、発電部10bから供給される電力によって動作する。携帯型音楽再生機10が発電部10bを有するので、携帯型音楽再生機10に対して外部電源から電力を供給する必要がない。さらに、外部電源を使用して携帯型音楽再生機10を充電する必要がない。
【0019】
「携帯型音楽再生機の構成」
図2は、携帯型音楽再生機10の構成の一例を示す。携帯型音楽再生機10は、信号処理部の一例としての制御部11を備える。制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)などによって構成される。制御部11に対して、表示部12と、操作部13と、増幅部14と、記憶部16とが接続される。増幅部14に対しては、上述した超指向性スピーカ10cに対応するスピーカ15が接続される。記憶部16に対して、外部I/F(Interface)17が接続される。
【0020】
携帯型音楽再生機10は、発電部10bに対応する発電部18を備える。発電部18は、例えば、足踏み動作に応じて電力を生成する。発電部18によって生成された電力が蓄電部19に供給され、蓄電部19が蓄電される。蓄電部19から携帯型音楽再生機10の各部に電力が供給される。図において電力の供給ラインの一例を点線で示す。例えば、蓄電部19から制御部11に対して電力が供給される。蓄電部19から表示部12や操作部13などの他の構成に電力が供給されてもよい。なお、発電部18によって生成された電力が、蓄電部19を介さずに直接、制御部11等に供給されてもよい。
【0021】
携帯型音楽再生機10の各部の詳細について説明する。制御部11は、例えば、コントロール信号に応じた処理を行う。制御部11は、例えば、圧縮符号化されて記憶されている音楽コンテンツデータを記憶部16から読み出し、読み出した音楽コンテンツデータに対して復号処理、エラー訂正処理を含む再生処理を行う。再生処理がなされた音楽コンテンツデータが制御部11から増幅部14に供給される。さらに、制御部11は、例えば、音楽コンテンツの再生状況に応じた表示コントロール信号を生成し、生成した表示コントロール信号を表示部12に供給するようにしてもよい。表示部12には、表示コントロール信号に基づく表示がなされる。
【0022】
制御部11に対して、操作部13からコントロール信号が供給される。コントロール信号は、例えば、音楽コンテンツの再生または停止の指示や音楽コンテンツの再生順序を変更させる指示等を内容とする信号である。制御部11は、操作部13から供給されるコントロール信号に応じた処理を実行する。
【0023】
表示部12は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)などからなり、制御部11から供給される表示コントロール信号に応じた内容を表示する。表示部12には、例えば、音楽コンテンツの再生経過時間や、再生中の音楽コンテンツのタイトルが表示される。なお、表示部12は靴1aに設けられてもよく、携帯型音楽再生機10と別体とされてもよい。例えば、表示部12を腕時計のようにユーザの腕に装着可能とし、表示コントロール信号を無線によって表示部12に送信する。表示部12に、送信された表示コントロール信号に基づく表示がなされるようにしてもよい。
【0024】
コントローラの一例である操作部13は、例えば、音楽コンテンツの再生を開始または停止するボタンや、蓄電部19からの電力の供給をオン/オフするスイッチなどからなる。これらのボタン等の操作に応じてコントロール信号が生成され、生成されたコントロール信号が制御部11に供給される。
【0025】
操作部13は、例えば、靴1aの表面に取り付けられる。操作部13をユーザの手元で操作できるリモートコントロール装置として構成し、操作部13から制御部11に対して、無線によってコントロール信号を送信してもよい。靴1aの表面に操作部13が設けられた場合には、靴1aを履く動作とともに操作部13を操作して、例えば、音楽コンテンツの再生を指示することができる。操作部13および表示部12を一体として構成し、操作部13をタッチパネルとして構成してもよい。
【0026】
増幅部14は、制御部11から供給される音楽コンテンツデータを所定の増幅率で増幅する。増幅部14によって増幅された音楽コンテンツデータがスピーカ15に供給され、スピーカ15から音楽コンテンツが再生される。スピーカ15は、音楽コンテンツをユーザの耳の近傍に向かって放射する指向性を有している。したがって、スピーカ15から再生された音楽コンテンツは、靴1を履いているユーザに対してのみ再生される。
【0027】
記憶部16は、例えば、半導体メモリからなる不揮発性メモリである。記憶部16は、ハードディスクでもよい。記憶部16は、光ディスクやUSB(Universal Serial Bus)メモリのように、携帯型音楽再生機10に着脱自在とされてもよい。記憶部16には、例えば、MP3(MPEG Audio Layer3)方式で圧縮符号化された音楽コンテンツデータが複数記憶される。
【0028】
記憶部16に対して外部I/F17が接続される。外部I/F17を介して、パーソナルコンピュータや、ネットワークに接続された配信サーバから音楽コンテンツデータを携帯型音楽再生機10に取り込むことができる。取り込まれた音楽コンテンツデータが記憶部16に記憶される。外部I/F17を介して取り込まれた音楽コンテンツデータが記憶部16を介さずに、制御部11に直接、供給されるようにしてもよい。供給された音楽コンテンツデータに対して、制御部11による再生処理(ストリーミング再生)がなされるようにしてもよい。
【0029】
発電部18は、所定の動作に応じて電力を生成する。例えば、靴1aを使用した足踏み動作に応じて電力を生成する。発電部18の詳細については、後述する。発電部18によって生成された電力が蓄電部19に供給され、蓄電部19が蓄電される。
【0030】
蓄電部19は、二次電池やキャパシタなどの蓄電デバイスを含む。蓄電部19に、電力の供給の開始および停止を切り替えるためのスイッチ回路や整流回路、昇圧回路等が含まれてもよい。二次電池は、例えば、リチウムイオン電池、ナトリウム・硫黄電池、鉛電池、ニッケル・水素電池、ニッケル・亜鉛電池、ニッケル・鉄電池、銀・亜鉛電池、ニッケル・カドミウム電池、レドックス・フロー電池が挙げられる。複数の二次電池を組み合わせて用いてもよい。キャパシタは、例えば、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタである。
【0031】
「携帯型音楽再生機の動作」
次に、携帯型音楽再生機10の動作の一例について説明する。始めに、靴1が履かれるとともに、例えば、操作部13の起動スイッチがオンされる。起動スイッチがオンされることで、蓄電部19から携帯型音楽再生機10の各部に電力が供給される。操作部13によって、例えば、音楽コンテンツの再生を指示する操作がなされる。操作に応じて操作部13はコントロール信号を生成し、生成したコントロール信号を制御部11に供給する。操作部13による操作が、遠隔操作でなされてもよい。
【0032】
操作部13から供給されるコントロール信号に応じて、制御部11は、記憶部16から所定の音楽コンテンツデータを読み出し、読み出した音楽コンテンツデータに対する再生処理を行う。再生処理が施された音楽コンテンツデータが制御部11から増幅部14に供給される。増幅部14によって音楽コンテンツデータ増幅され、増幅された音楽コンテンツデータがスピーカ15に供給される。スピーカ15から音楽コンテンツが再生される。
【0033】
靴1を使用した歩行等がなされ、歩行等にともなう足踏み動作に応じて、発電部18が電力を生成する。発電部18によって生成された電力が蓄電部19に供給され、蓄電部19が蓄電される。蓄電部19から携帯型音楽再生機10の各部に電力が供給される。蓄電部19に蓄電された電力が携帯型音楽再生機10の各部に供給されるので、足踏み動作が中断した場合でも、携帯型音楽再生機10の各部に対する電力の供給を継続することができる。
【0034】
携帯型音楽再生機10の使用が終了すると、操作部13の起動スイッチがオフされる。起動スイッチがオフされると、蓄電部19から携帯型音楽再生機10の各部に対する電力の供給が停止し、音楽コンテンツの再生が停止する。蓄電部19から携帯型音楽再生機10の各部に対する電力の供給が停止した状態で足踏み動作がなされると、発電部18が生成する電力により蓄電部19を充電することができる。なお、発電部18から所定時間、蓄電部19に電力が供給されない場合には、靴1の使用が終了したものとして、蓄電部19から各部への電力の供給を停止してもよい。
【0035】
「発電部について」
発電部18の一例について説明する。図3の点線で囲まれた位置は、発電部18が内蔵される位置の一例を示す。発電部18は、例えば、靴1aにおいて踵で踏まれる位置に内蔵される。靴1aの種類によって名称は異なるが、例えば、積上げ、ミッドソール、バックスティなどと称される位置に発電部18が内蔵される。発電部18は、例えば、エレクトレットを使用した静電誘導型の発電器である。
【0036】
図4は、発電部18の構成の一例を示す。発電部18は、例えば、圧力印加部180aと、変換軸180bと、エレクトレットローター180cと、エレクトレットステーター180dとを含む構成である。圧力印加部180aは、加わる力に応じて撓む可撓性を有する。足踏み動作における足を踏み込む動作がなされると、圧力印加部180aに図面に向かって上方から下方への垂直方向の圧力が印加される。足踏み動作における足を持ち上げる動作がなされると、圧力印加部180aには、復元力による下方から上方に向かう力が加わる。
【0037】
圧力印加部180aには、変換軸180bの一端が取り付けられる。変換軸180bの他端にはエレクトレットローター180cが取り付けられる。変換軸180bは、圧力印加部180aに加わる垂直方向の圧力に応じて所定方向に回転し、垂直方向の力を水平方向の力に変換する。圧力印加部180aに上方から下方に向かう力が加わると、変換軸180bが一方向に回転し、圧力印加部180aに下方から上方に向かう力が加わると、変換軸180bが他の方向に回転する。なお、垂直方向の力を水平方向の力に変換する構成は図4に示した構成に限られず、種々の構成を採用できる。まいぎりの原理に基づく構成でもよい。
【0038】
変換軸180bが回転することに応じて、変換軸180bに取り付けられたエレクトレットローター180cが回転する。エレクトレットローター180cは、例えば、略円形状であり、中心付近に変換軸180bの他端が取り付けられる。エレクトレットローター180cの一面が対向面とされる。エレクトレットローター180cの対向面と、エレクトレットステーター180dの対向面とが、互いに対向する。エレクトレットステーター180dは、例えば、略円形状であり固定される。
【0039】
図5Aは、エレクトレットローター180cの対向面の一例を示す。エレクトレットローター180cの対向面の一部(例えば半分)には、誘電体に電荷が打ちこまれたエレクトレット膜181aが形成され、他の部分は基板181bである。エレクトレット膜181aによって静電場が形成される。
【0040】
図5Bは、エレクトレットステーター180dの対向面の一例を示す。エレクトレットステーター180dの対向面には、複数の電極として、電極182a、電極182b、電極182c・・・電極182hが形成される。複数の電極が、発電部18における図示しない出力回路に接続される。なお、エレクトレット膜および電極が形成される位置や個数は、適宜変更できる。
【0041】
発電部18の動作の一例について説明する。例えば、靴1を使用して足踏み動作がなされ足を踏み込む動作がなされると、上方から下方に向かう垂直方向の力(圧力)が圧力印加部180aに印加される。圧力印加部180aに印加された垂直方向の力に応じて変換軸180bが所定方向に回転し、変換軸180bが回転することで垂直方向の力が水平方向に回転する力に変換される。変換軸180bが回転することに応じてエレクトレットローター180cが、変換軸180bを軸に所定方向に回転する。エレクトレットローター180cが回転することで、エレクトレット膜181aと電極182a等とが重なる面積が変化する。変化に応じて電気信号が発生し、発電部18が電力を生成する。
【0042】
足踏み動作において、足を踏み込む状態から足を持ち上げる動作がなされると、復元力によって下方から上方に向かう垂直方向の力が圧力印加部180aに働く。この垂直方向の力に応じて、変換軸180bが所定方向とは反対の方向に回転する。変換軸180bが回転することでエレクトレットローター180cが所定方向と反対の方向に回転する。エレクトレットローター180cが回転することで、エレクトレット膜181aと電極182a等とが重なる面積が変化する。変化に応じて電気信号が発生し、発電部18が電力を生成する。なお、周波数を変換する機構によって通常は高周波側に周波数が変換されることや、慣性力の作用により、発電部18の発電が継続するといった要因で1回の足踏み動作によって複数の周期の交流電力が発生する。
【0043】
発電部18からは、例えば、交流電力が振幅変調されて出力される。足踏み動作において、足を踏み込んだ直後の平均電力は大きく、次第に減衰する。振幅が時間変動する交流電力を整流し、整流した後に平滑化処理を行うことで、1回の足踏み動作に対応して1サイクルの電力量の変化を測定できる。例えば、LPF(Low Pass Filter)を使用して包絡線検波すると、発電部18による発電量が0または微小の段階から発電量が増加する段階を経て発電量が減少(減衰)する段階からなるサイクルを測定できる。この電力量の変化のサイクルの数(サイクル数)を検出することで、足踏み動作がなされた回数を検出することができる。発電部18から出力された電力が、例えば、蓄電部19における整流回路で整流され、直流電圧が形成される。形成された直流電圧によって蓄電部19の蓄電デバイスが蓄電される。整流回路は、例えば、ダイオードブリッジ回路により構成される。
【0044】
以上説明したように、第1の実施形態では、携帯型音楽再生機が発電部を有し、発電部が発電して電力を生成する。発電部によって発電された電力が、例えば、蓄電部を介して携帯型音楽再生機の各部に供給される。このため、携帯型音楽再生機に充電を行う必要がなくなる。
【0045】
なお、上述した発電部18の例では、エレクトレットローター180cが回転するものとしたが、エレクトレットステーター180dが回転するようにしてもよい。エレクトレットローター180cおよびエレクトレットステーター180dが回転するようにしてもよい。回転に限らず、エレクトレットローター180cを水平方向にスライドさせるようにしてもよい。
【0046】
携帯型音楽再生機10において、ユーザの耳元の近傍に取り付け可能な鉱石ラジオを設け、鉱石ラジオを使用して音楽コンテンツを再生するようにしてもよい。鉱石ラジオは、例えば、アンテナを有し、並列共振回路とダイオード等の鉱石検波器とが接続された構成である。鉱石ラジオは、無電源でも動作する。制御部11によって音楽コンテンツデータが特定の周波数で周波数変調(FM(Frequency Modulation)変調)される。FM変調された音楽コンテンツデータが鉱石ラジオに送信される。例えば、近距離無線によって音楽コンテンツデータが送信される。送信された音楽コンテンツデータが鉱石ラジオによって検波および復調される。復調された音楽コンテンツデータが、鉱石ラジオが有するイヤホンから再生される。
【0047】
<2.第2の実施形態>
「第2の実施形態の概要」
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、発電部が生成する電力によって、コントロール信号が形成される例である。
【0048】
図6は、第2の実施形態の概要を示す。第2の実施形態における携帯型音楽再生機20は靴1aと一体的に構成されている。携帯型音楽再生機20は、信号処理部およびコントローラからなる20aと、発電部20bと、超指向性スピーカ20cを含む構成である。超指向性スピーカ20cから音楽コンテンツが再生される。超指向性スピーカ20cは、靴1を履いているユーザの耳元付近に音楽コンテンツが聞こえるような指向特性を有している。このため、超指向性スピーカ20cから再生された音楽コンテンツは周囲に拡散されることなく、靴1を履いているユーザのみが、再生された音楽コンテンツを聴取できる。
【0049】
携帯型音楽再生機20は、検出部20dを備える。検出部20dは、例えば、携帯型音楽再生機20と別体とされ、例えば、ユーザの手元で検出部20dに対する操作が可能とされるものである。検出部20dに対して、例えば、押下操作が可能とされる。
【0050】
第2の実施形態では、所定のモーション(動作)によって携帯型音楽再生機20をコントロール(制御)できる。例えば、靴1aを使用した足踏み動作に応じて、携帯型音楽再生機20をコントロールすることができる。コントロールの内容は適宜設定できる。例えば、所定時間内(例えば、5秒)に2回の足踏み動作を行うことで、音楽コンテンツの再生を開始させることができる。所定時間内に、3回の足踏み動作を行うことで、音楽コンテンツの再生を停止することができる。所定時間内に、4回の足踏み動作を行うことで音楽コンテンツの再生をスキップし、次の音楽コンテンツを再生させることができる。
【0051】
足踏み回数に対応するコントロールの内容は、例えば、制御部11と接続されるROM(Read Only Memory)に記憶される。コントロールの内容を設定できるようにしてもよい。足踏み動作によって携帯型音楽再生機20をコントロールする際には、検出部20dが押下される。
【0052】
「携帯型音楽再生機の構成」
図7は、第2の実施形態における携帯型音楽再生機20の構成の一例を示す。携帯型音楽再生機20は、制御部11と、表示部12と、操作部13と、増幅部14と、スピーカ15と、記憶部16と、外部I/F17と、発電部18と、蓄電部19と、コントロール信号生成ブロック100と、スイッチSWと、検出部21とを含む構成である。20aにおける信号処理部に制御部11が対応し、コントローラとして、例えば、操作部13およびコントロール信号生成ブロック100が対応する。発電部20bに発電部18が対応し、超指向性スピーカ20cにスピーカ15が対応し、検出部20dに検出部21が対応する。
【0053】
制御部11に、表示部12と、操作部13と、増幅部14と、記憶部16とが接続される。スピーカ15が増幅部14に接続される。外部I/F17が記憶部16に接続される。携帯型音楽再生機20は、発電部18を備える。発電部18は、足踏み動作に応じて発電し、電力を生成する。発電部18が生成した電力が蓄電部19に供給され、蓄電部19が蓄電される。蓄電部19から携帯型音楽再生機20の各部に対して電力が供給され、携帯型音楽再生機20が動作する。図において電力の供給ラインの一例を点線で示す。携帯型音楽再生機20が動作することで、例えば、音楽コンテンツが再生される。
【0054】
制御部11は、検出部21と接続される。検出部21は、所定の動作を検出すると動作検出信号を生成し、生成した動作検出信号を制御部11に供給する。検出部21は、例えば、検出部21に対する押下操作を検出すると動作検出信号を生成する。そして、検出部21は、生成した動作検出信号を制御部11に対して出力する。所定の動作は、押下操作に限られない。例えば、検出部21をタッチセンサとして構成し、触れられることに応じて検出部21が動作検出信号を生成するようにしてもよい。検出部21は、接触操作がなされたことによる熱を検出するセンサでもよい。
【0055】
なお、制御部11と検出部21とは、有線で接続されてもよく無線で接続されてもよい。しかしながら、有線による接続はケーブルを必要とするため、制御部11と検出部21とが無線で接続されることが好ましい。検出部21から出力された動作検出信号が、図示しない送信部によって無線を介して送信される。送信された動作検出信号が、図示しない受信部によって受信され、受信された動作検出信号が制御部11に供給される。
【0056】
制御部11は、スイッチSWを介してコントロール信号生成ブロック100と接続される。スイッチSWのオン/オフは、制御部11によって切り替えられる。制御部11は、例えば、検出部21から動作検出信号が供給されるとスイッチSWをオンする。なお、スイッチSWは、コントロール信号生成ブロック100と発電部18との間に設けられてもよい。
【0057】
コントロール信号生成ブロック100は、発電部18と接続され、発電部18が生成する電力がコントロール信号生成ブロック100に供給される。コントロール信号生成ブロック100は、発電部18から供給される電力によってコントロール信号を生成する。コントロール信号生成ブロック100で生成されたコントロール信号が、スイッチSWを介して制御部11に供給される。供給されたコントロール信号に応じて、制御部11が所定の処理を実行する。
【0058】
検出部21に対する押下操作が解除されると、検出部21は動作検出信号の出力を停止する。検出部21からの動作検出信号の供給が停止すると、制御部11はスイッチSWをオフする。スイッチSWがオフされるので、コントロール信号生成ブロック100で生成されたコントロール信号は、制御部11に供給されない。
【0059】
「コントロール信号生成ブロックについて」
図8を参照して、コントロール信号生成ブロック100の構成の一例等について説明する。コントロール信号生成ブロック100は、例えば、フィルタ100aと、A/D(Analog to Digital)変換部100bと、演算部100cとを備える。
【0060】
発電部18により生成された電力が分配され、一方の電力に対して高抵抗の負荷(ハイインピーダンス)がかけられ、他方の電力に低抵抗の負荷(ローインピーダンス)がかけられる。ハイインピーダンス側の電力が、コントロール信号生成ブロック100に入力される。コントロール生成信号ブロック100に入力された電力が、例えば、整流され、整流された後にフィルタ100aによるフィルタ処理がなされる。フィルタ100aによって、例えば、波形整形処理、平滑化処理(LPF処理)、ノイズ除去等を含むフィルタ処理がなされる。フィルタ処理がなされた電気信号がA/D変換部100bによってデジタル信号に変換される。A/D変換部100bから出力されたデジタル信号が演算部100cに供給される。
【0061】
演算部100cは、フィルタ処理がなされたデジタル信号を使用して、発電部18が発電する電力量の変化を測定する。第1の実施形態で説明したように、例えば、1回の足踏み動作に応じて発電部18が生成した電力にフィルタ処理を行うと、1サイクルの電力量の変化が測定される。演算部100cは、A/D変換部100bから供給されるデジタル信号を使用して、電力量の変化のサイクル数を測定する。そして、演算部100cは、測定したサイクル数から、足踏み踏み動作がなされた回数を検出する。演算部100cは、例えば、1サイクルの電力量の変化が2回、測定された場合(サイクル数が2)は、2回の足踏み動作がなされたものと判別する。
【0062】
演算部100cは、判別した足踏み動作の回数に対応する処理を制御部11に実行させるための、コントロール信号を生成する。演算部100cは、例えば、足踏み動作の回数が2回である判別すると、音楽コンテンツの再生を開始させるコントロール信号を生成する。生成されたコントロール信号が演算部100cから出力される。そして、コントロール信号生成ブロック100からコントロール信号が出力される。
【0063】
スイッチSWがオンされている場合に、コントロール信号生成ブロック100から出力されたコントロール信号が制御部11に供給される。制御部11は、コントロール信号に応じた処理を行う。例えば、制御部11は、記憶部16から所定の音楽コンテンツデータを読み出し、読み出した音楽コンテンツデータに対する再生処理を行う。
【0064】
演算部100cは、1サイクルの電力量の変化が3回、測定された場合は、3回の足踏み動作がなされたものと判別する。演算部100cは、足踏み動作の回数が3回であると判別すると、例えば、音楽コンテンツの再生を停止させるためのコントロール信号を生成する。コントロール信号がスイッチSWを介して制御部11に供給される。コントロール信号が供給されることに応じて、制御部11は音楽コンテンツの再生処理を停止する。
【0065】
なお、演算部100cによって電力量の変化以外の他のパラメータが判別されるようにしてもよい。例えば、発電部18からコントロール信号生成ブロック100に入力される信号間の間隔を判別するようにしてもよい。判別された間隔に応じたコントロール信号が演算部100cにより生成されてもよい。発電部18から供給される電気信号のレベルを演算部100cが判別するようにしてもよい。判別されたレベルに応じたコントロール信号が演算部100cにより生成されてもよい。
【0066】
ローインピーダンス側の出力が蓄電部19に供給される。発電部18からの電力は、ローインピーダンス側に多く分配される。このため、発電部18が生成する電力の多くを蓄電部19に供給することができる。蓄電部19に供給された電力が蓄電部19における整流回路190aによって整流され、直流電圧が形成される。なお、昇圧または降圧するためのレギュレータを設け、電力のレベルに応じて適宜、昇圧または降圧の処理がなされるようにしてもよい。
【0067】
整流回路190aによって形成された直流電圧が、例えば、電力供給ラインL1を介して携帯型音楽再生機20の各部に直接、供給される。蓄電部19にバッテリ190bを設け、整流回路からの直流電圧が電力供給ラインL2を介してバッテリ190bに供給されてもよい。そして、バッテリ190bから携帯型音楽再生機20の各部に、電力供給ラインL2を介して電力が供給されるようにしてもよい。
【0068】
蓄電部19にキャパシタ190cを設け、整流回路からの直流電圧が電力供給ラインL3を介してキャパシタ190cに供給されてもよい。そして、キャパシタ190cから携帯型音楽再生機20の各部に、電力供給ラインL3を介して電力が供給されるようにしてもよい。さらに、バッテリ190bおよびキャパシタ190cを設け、バッテリ190bとキャパシタ190cとの間で、電力供給ラインL4を介して電力のやり取りがなされてもよい。足踏み動作がなされながら音楽コンテンツの再生が行われるときはキャパシタ190cが使用され、足踏み動作のみがなされるときはバッテリ190bが使用されるようにしてもよい。なお、上述した蓄電部19の構成等は一例であり、蓄電部19の構成および携帯型音楽再生機20の各部に電力を供給する方法は、適宜変更できる。
【0069】
「携帯型音楽再生機の動作」
携帯型音楽再生機20の動作の一例について説明する。靴1を履いた状態で歩行等に伴う足踏み動作がなされると、発電部18が発電し、電力を生成する。発電部18によって生成された電力が蓄電部19に供給される。蓄電部19に供給された電力が整流回路190aによって直流に整流され直流電圧が形成される。形成された直流電圧により蓄電部19が蓄電される。なお、発電部18が直流電圧を生成する場合には、整流処理は行われず、直流電圧が直接、蓄電部19に供給される。
【0070】
携帯型音楽再生機20に対して、例えば、操作部13を使用したコントロールがなされる。操作部13を使用して、例えば、音楽コンテンツの再生開始を指示する操作がなされると、操作内容に応じたコントロール信号が操作部13により生成される。操作部13は、生成したコントロール信号を制御部11に供給する。制御部11は、コントロール信号に応じた処理を行う。制御部11は、例えば、記憶部16から所定の音楽コンテンツデータを読み出し、読み出した音楽コンテンツデータに対して再生処理を行う。そして、制御部11は、再生処理を施した音楽コンテンツデータを増幅部14に供給する。
【0071】
増幅部14は、制御部11から供給された音楽コンテンツデータを所定の増幅率で増幅する。増幅された音楽コンテンツデータがスピーカ15に供給される。スピーカ15から音楽コンテンツが再生される。
【0072】
携帯型音楽再生機20に対して、モーションによるコントロールが可能とされる。例えば、足踏み動作によって携帯型音楽再生機20がコントロールされる。足踏み動作によって携帯型音楽再生機20をコントロールする際には、例えば、検出部21が押下される。検出部21が押下されると、検出部21により動作検出信号が生成され、生成された動作検出信号が制御部11に供給される。動作検出信号が供給されると、制御部11はスイッチSWをオンする。そして、検出部21が押下された状態で、例えば、靴1aを使用した足踏み動作が所定時間内に連続して2回なされる。この足踏み動作に応じて発電部18が電力を生成する。発電部18によって生成された電力がコントロール信号生成ブロック100に供給される。
【0073】
コントロール信号生成ブロック100は、発電部18から供給される電気信号を整流し、整流した電気信号に対して、フィルタ100aによるフィルタ処理を行う。フィルタ処理が行われた電気信号がA/D変換部100bによってデジタル信号に変換される。デジタル信号が演算部100cに供給される。演算部100cは、A/D変換部100bから供給されたデジタル信号を使用して、例えば、コントロール信号生成ブロック100に入力された電力の電力量の変化のサイクル数を判別する。所定時間(例えば、5秒)におけるサイクル数が判別される。この例では、2回の足踏み動作がなされたことから、1サイクルの電力量の変化が2回、測定され、サイクル数が2と判別される。サイクル数が2であることから、演算部100cは、2回の足踏み動作がなされたと判別する。
【0074】
演算部100cは、判別した足踏み動作の回数に対応するコントロール信号を生成する。演算部100cは、足踏み動作の回数が2回であることに対応して、例えば、音楽コンテンツの再生を開始させるためのコントロール信号を生成する。演算部100cによって生成されたコントロール信号がコントロール信号生成ブロック100から出力され、出力されたコントロール信号がスイッチSWを介して制御部11に供給される。
【0075】
制御部11は、コントロール信号生成ブロック100から供給されたコントロール信号に応じた処理を行う。制御部11は、例えば、音楽コンテンツの再生を開始する処理を行う。すなわち、制御部11は、記憶部16から所定の音楽コンテンツデータを読み出し、読み出した音楽コンテンツデータに対して再生処理を行う。制御部11は、再生処理を施した音楽コンテンツデータを増幅部14に供給する。増幅部14によって音楽コンテンツデータが増幅され、増幅された音楽コンテンツデータがスピーカ15に供給される。スピーカ15から音楽コンテンツが再生される。
【0076】
検出部21に対する押下操作が解除されると、検出部21から制御部11に対する動作検出信号の供給が停止する。動作検出信号の供給が停止すると、制御部11は、スイッチSWをオフする。スイッチSWがオフされた後は、コントロール信号生成ブロック100から出力されたコントロール信号は制御部11に供給されない。検出部21に対する押下操作が解除された場合に、発電部18が生成した信号が蓄電部19のみに供給されるようにしてもよい。例えば、発電部18とコントロール信号生成ブロック100との間にスイッチSWを設け、検出部21に対する押下操作が解除されることに応じてスイッチSWがオフされてもよい。
【0077】
音楽コンテンツの再生中に、再度、検出部21に対して押下操作がなされ、検出部21が押下された状態で、靴1aを使用した足踏み動作が所定時間内に3回なされる。検出部21が押下されることに応じて動作検出信号が制御部11に供給される。動作検出信号が供給されることで、制御部11はスイッチSWをオンする。そして、3回の足踏み動作に応じて発電部18が電力を生成する。生成された電力が発電部18からコントロール信号生成ブロック100に供給される。
【0078】
コントロール信号生成ブロック100に供給された電気信号に対して、フィルタ100aによるフィルタ処理がなされ、フィルタ処理がなされた電気信号がA/D変換部100bによってデジタル信号に変換される。デジタル信号がA/D変換部100bから演算部100cに供給される。
【0079】
演算部100cは、デジタル信号を使用して、例えば、電力量の変化のサイクル数を判別する。足踏み動作が3回なされたことから、1サイクルの電力量の変化が3回、測定され、サイクル数が3と判別される。サイクル数が3であることから、演算部100cは、足踏み動作が3回なされたと判別する。そして、演算部100cは、足踏み動作の回数が3回であることに対応したコントロール信号を生成する。例えば、音楽コンテンツの再生を停止させるコントロール信号を生成する。生成されたコントロール信号が、スイッチSWを介して制御部11に供給される。制御部11は、供給されたコントロール信号に応じて、音楽コンテンツの再生を停止する。
【0080】
このように、携帯型音楽再生機20では、発電部18が生成する電力によってコントロール信号が形成され、形成されたコントロール信号が制御部11に供給される。すなわち、操作部13とコントロール信号生成ブロック100とがコントローラの一例として機能する。なお、携帯型音楽再生機20に対する全てのコントロールが足踏み動作によって行われるようにし、操作部13の構成を省略してもよい。この場合は、コントロール信号生成ブロック100のみがコントローラとして機能する。
【0081】
モーションによって携帯型音楽再生機20がコントロールされる場合でも、発電部18から出力される電力の多くを、蓄電部19に供給することができる。したがって、蓄電部19を蓄電することができ、蓄電部19から携帯型音楽再生機20の各部に対する電力の供給を継続することができる。さらに、検出部21が押下されながら足踏み動作がなされたときのみ、足踏み動作によるコントロールが有効になる。したがって、検出部21が押下されないで足踏み動作がなされた場合に、ユーザが意図しない処理が行われることを防止できる。
【0082】
携帯型音楽再生機20の変形例について説明する。なお、以下に説明する変形例は、第2の実施形態に限らず、他の実施形態に対しても技術的矛盾が生じない範囲で適用できる。
【0083】
図9に示すように、携帯型音楽再生機20に複数の発電部を設けてもよい。例えば、発電部18aと、発電部18bとを設けてもよい。発電部18aに対応して、コントロール信号生成ブロック100aと、蓄電部19aとが設けられる。発電部18bに対応して、コントロール信号生成ブロック100bと、蓄電部19bとが設けられる。
【0084】
蓄電部19aおよび蓄電部19bから出力される電力が携帯型音楽再生機20の各部に供給される。携帯型音楽再生機20において、蓄電部19aから電力が供給される構成と、蓄電部19bから電力が供給される構成とがそれぞれ設定されてもよい。さらに、蓄電部19aおよび蓄電部19bのうち、残容量に余裕のある一方の蓄電部から電力が供給されるようにしてもよい。
【0085】
コントロール信号生成ブロック100aおよびコントロール信号生成ブロック100bのそれぞれから出力されたコントロール信号が、制御部11に供給される。制御部11は、コントロール信号生成ブロック100aから供給されるコントロール信号と、コントロール信号生成ブロック100bから供給されるコントロール信号に応じた処理を行う。
【0086】
図10に示すように、複数の発電部を設け、それぞれの発電部が生成する電力が、一の蓄電部に供給されてもよい。例えば、発電部18aおよび発電部18bを設け、発電部18aおよび発電部18bから供給される電力によって蓄電部19が蓄電される。
【0087】
蓄電部19に、バッテリ190bと、キャパシタ190cとが設けられる場合に、発電部18aからの電力によってバッテリ190bが蓄電され、発電部18bからの電力によってキャパシタ190cが蓄電されるようにしてもよい。発電部18aおよび発電部18bからの電力が切り換えられて、蓄電部19に供給されるようにしてもよい。図11に示すように、発電部18aおよび発電部18bからそれぞれ出力される電力が、一のコントロール信号生成ブロック100に供給されるようにしてもよい。
【0088】
なお、靴1bに発電部を設けてもよい。図12に示すように、靴1aには、発電部18aと、コントロール信号生成ブロック100と、蓄電部19と、制御部11と、図示しない受信処理部が設けられる。靴1bには、発電部18bと、図示しない送信処理部が設けられる。
【0089】
発電部18bによって生成された電力が、ハイインピーダンス側とローインピーダンス側とに分配される。ローインピーダンス側から出力される電力が、送信処理部により無線伝送される。無線伝送された電力が靴1aにおける受信処理部で受信される。受信処理部により受信された電力が蓄電部19に供給される。このように、靴1bに発電部18bを設け、靴1bを使用した足踏み動作に応じて発電部18bが生成した電力により蓄電部19を蓄電することができる。
【0090】
ハイインピーダンスから出力される電力が、靴1bの送信処理部から靴1aに無線で送信される。送信された電気信号が靴1aの受信処理部で受信される。受信された電気信号がコントロール信号生成ブロック100に供給される。ここで、コントロール信号生成ブロック100には、靴1aを使用した足踏み動作の回数に応じたサイクル数を有する電力が発電部18aから供給される。さらに、靴1bを使用した足踏み動作の回数に応じたサイクル数を有する電力が発電部18bから無線により送信される。
【0091】
コントロール信号生成ブロック100におけるフィルタ100aによって、発電部18aから供給される電力に対してフィルタ処理がなされ、フィルタ処理がなされた信号がA/D変換部100bによってデジタル信号に変換される。演算部100cは、デジタル信号を使用して、電力量の変化のサイクル数を判別する。演算部100cは、判別したサイクル数に対応する足踏み動作の回数Mを判別する。
【0092】
コントロール信号生成ブロック100におけるフィルタ100aによって、発電部18bから供給される電力に対してフィルタ処理がなされ、フィルタ処理がなされた信号がA/D変換部100bによってデジタル信号に変換される。演算部100cは、デジタル信号を使用して、電力量の変化のサイクル数を判別する。演算部100cは、判別したサイクル数に対応する足踏み動作の回数Nを求める。
【0093】
演算部100cは、回数Mと回数Nとに応じたコントロール信号を生成する。例えば、M=1、N=0の場合は、制御部11に音楽コンテンツの再生を開始させるためのコントロール信号を生成し、M=0、N=1の場合は、制御部11に音楽コンテンツの再生を停止させるためのコントロール信号を生成する。例えば、M=2、N=0の場合は、制御部11に再生中の音楽コンテンツのスキップさせるためのコントロール信号を生成し、M=0、N=2の場合は、制御部11に再生中の音楽コンテンツの1曲前の音楽コンテンツを再生させる(逆スキップ)コントロール信号を生成する。演算部100cによって生成されたコントロール信号が制御部11に供給される。図12に示す変形例では、携帯型音楽再生装置20に対して、両足の足踏み動作に応じたコントロールを行うことができる。携帯型音楽再生装置20に対して、より多くのコントロールを行うことができる。
【0094】
<3.第3の実施形態>
「第3の実施形態の概要」
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、再生処理がなされた音楽コンテンツデータを無線によってヘッドセットに送信し、ヘッドセットで音楽コンテンツを再生するものである。
【0095】
図13は、第3の実施形態の概要を示す。第3の実施形態における携帯型音楽再生機30は、信号処理部およびコントローラを含む30aと発電部30bとを含む。信号処理部およびコントローラを含む30aと発電部30bとが、靴1aと一体的に形成されている。携帯型音楽再生機30は、さらに、ヘッドセット30cを備える。ヘッドセット30cは、例えば、処理部30dと、発電部30eと、センサ30fとを備える。処理部30dは、例えば、通信部と、増幅部と、スピーカとからなる。発電部30eは、例えば、発電部と蓄電部とからなる。
【0096】
携帯型音楽再生機30の信号処理部で再生処理がなされた音楽コンテンツデータが、例えば、近距離無線によりヘッドセット30cに送信される。送信された音楽コンテンツデータがヘッドセット30cにおいて受信される。ヘッドセット30cにおいて、受信された音楽コンテンツデータに対する復調処理および増幅処理がなされ、ヘッドセット30cのスピーカから音楽コンテンツが再生される。
【0097】
「携帯型音楽再生機の構成」
図14は、携帯型音楽再生機30の構成の一例を示す。携帯型音楽再生機30は、制御部11と、表示部12と、操作部13と、記憶部16と、外部I/F17と、発電部18と、蓄電部19と、通信部31と、コントロール信号生成ブロック100と、スイッチSWと、ヘッドセット30cとを含む構成である。30aの信号処理部に制御部11が対応する。発電部30bに発電部18が対応する。
【0098】
制御部11に、表示部12と、操作部13と、記憶部16と、通信部31とが接続される。外部I/F17が記憶部16に接続される。発電部18は、足踏み動作に応じて発電し、電力を生成する。発電部18により生成された電力が蓄電部19に供給され、蓄電部19が蓄電される。蓄電部19から携帯型音楽再生機30の各部に対して電力が供給され、携帯型音楽再生機30が動作する。図において電力の供給ラインの一例を点線で示す。携帯型音楽再生機30が動作することで、例えば、音楽コンテンツが再生される。
【0099】
制御部11は、スイッチSWを介してコントロール信号生成ブロック100と接続される。コントロール信号生成ブロック100は、発電部18と接続され、発電部18から供給される電力によってコントロール信号を生成する。スイッチSWのオン/オフは、制御部11によって切り替えられる。制御部11は、例えば、センサ37から動作検出信号が供給されるとスイッチSWをオンする。スイッチSWがオンされると、コントロール信号生成ブロック100で生成されたコントロール信号が制御部11に供給される。制御部11は、供給されたコントロール信号に応じて所定の処理を実行する。
【0100】
通信部31は、制御部11と接続される。通信部31は、通信部32から送信される信号を受信して制御部11に供給する。通信部31は、例えば、通信部32から送信される動作検出信号を受信する。受信した動作検出信号に対して復調処理等を施し、復調処理等を施した動作検出信号を制御部11に供給する。動作検出信号が供給された制御部11は、スイッチSWをオンする。
【0101】
さらに、通信部31は、制御部11から供給された信号を通信部32に送信する。通信部31に、例えば、制御部11によって再生処理が施された音楽コンテンツデータが供給される。通信部31は、制御部11から供給された音楽コンテンツデータに対して変調処理等を施し、変調処理等を施した音楽コンテンツデータを近距離無線によってヘッドセット30cに送信する。
【0102】
通信部31および通信部32が行う変調処理の変調方式は、AM(Amplitude Modulation)変調、FM(Frequency Modulation)変調などを適宜、採用できる。通信部31と通信部32との間でなされる近距離無線の方式は、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)などを採用できる。人体を導体とし、人体に微弱な電流を流して通信を行う人体通信を使用してもよい。
【0103】
ヘッドセット30cは、通信部32と、増幅部33と、スピーカ34と、発電部35と、蓄電部36と、センサ37とを含む構成である。通信部32は、通信部31から送信された音楽コンテンツデータを受信する。そして、通信部32は、受信した音楽コンテンツデータに対して復調処理等を施す。復調処理等が施された音楽コンテンツデータが増幅部33に供給される。
【0104】
さらに、通信部32は、センサ37から供給される動作検出信号を所定の変調方式で変調し、変調した動作検出信号を通信部31に対して送信する。送信された動作検出信号が通信部31によって受信される。なお、通信部31および通信部32が行う通信において、動作検出信号を送受信する際に使用される周波数帯域と、音楽コンテンツデータを送受信する際に使用される周波通帯域とが、例えば、異なる周波数帯域とされる。
【0105】
増幅部33は、通信部32から供給された音楽コンテンツデータを所定の増幅率で増幅する。増幅された音楽コンテンツデータが増幅部33からスピーカ34に供給され、スピーカ34から音楽コンテンツが再生される。
【0106】
発電部35は、例えば、ヘッドセット30cの表面に設けられる太陽電池である。発電部35は、振動や運動による変位で発電する装置(静電型、電磁型、逆磁歪型、圧電型のいずれでもよい)、熱によって発電する熱電変換素子、酵素電池などでもよい。発電部35によって発電された電力が蓄電部36に供給され、蓄電部36が蓄電される。発電部35から交流電力が供給される場合は、蓄電部36の整流回路で交流電力が整流され、直流電圧が形成される。形成された直流電圧によって蓄電部36が蓄電される。
【0107】
蓄電部36は、二次電池やキャパシタなどの蓄電デバイスを含む。蓄電部36に、電力の供給の開始および停止を切り替えるためのスイッチ回路や整流回路、昇圧回路等が含まれてもよい。二次電池は、例えば、リチウムイオン電池、ナトリウム・硫黄電池、鉛電池、ニッケル・水素電池、ニッケル・亜鉛電池、ニッケル・鉄電池、銀・亜鉛電池、ニッケル・カドミウム電池、レドックス・フロー電池が挙げられる。複数の二次電池を組み合わせて用いてもよい。キャパシタは、例えば、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタである。
【0108】
センサ37は、例えば、ヘッドセット30cの表面の所定位置に設けられ、センサ37に対する接触操作を検出する接触センサである。熱を検出するセンサでもよい。センサ37は、センサ37に触れられたことを検出すると動作検出信号を生成し、生成した動作検出信号を通信部32に供給する。動作検出信号が、通信部32および通信部31を介して制御部11に供給される。
【0109】
「携帯型音楽再生機の動作」
携帯型音楽再生機30の動作の一例について説明する。靴1を使用して歩行等に伴う足踏み動作がなされると、発電部18が発電し、電力を生成する。発電部18によって生成された電力が、例えば、蓄電部19の整流回路190aによって整流され直流電圧が形成される。形成された直流電圧により蓄電部19が蓄電される。
【0110】
携帯型音楽再生機30に対して、例えば、操作部13を使用したコントロールがなされる。操作部13を使用して、例えば、音楽コンテンツの再生開始を指示する操作がなされると、操作内容に応じたコントロール信号が操作部13で生成される。操作部13は、生成したコントロール信号を制御部11に供給する。制御部11は、コントロール信号に応じた処理を行う。制御部11は、例えば、記憶部16から所定の音楽コンテンツデータを読み出し、読み出した音楽コンテンツデータに対する再生処理を行う。そして、制御部11は、再生処理を施した音楽コンテンツデータを通信部31に供給する。
【0111】
通信部31は、制御部11から供給された音楽コンテンツデータに対して変調処理等を行う。通信部31によって変調処理等が施された音楽コンテンツデータが、通信部31から通信部32に送信される。通信部31から送信された音楽コンテンツデータが、通信部32によって受信される。通信部32は、受信した音楽コンテンツデータに対して復調処理等を行う。通信部32によって復調処理等が施された音楽コンテンツデータが増幅部33に供給される。増幅部33は、通信部32から供給された音楽コンテンツデータを所定の増幅率で増幅する。増幅された音楽コンテンツデータがスピーカ34に供給される。スピーカ34から音楽コンテンツが再生される。
【0112】
携帯型音楽再生機30に対して、モーションによるコントロールが可能とされる。例えば、足踏み動作によって携帯型音楽再生機30がコントロールされる。モーションによるコントロールを行う際には、例えば、センサ37を触れる接触操作がなされる。接触操作がなされると、センサ37は動作検出信号を生成し、生成した動作検出信号を通信部32に供給する。通信部32は、センサ37から供給された動作検出信号を変調し、変調した動作検出信号を通信部31に送信する。
【0113】
送信された動作検出信号が、通信部31によって受信され、受信された動作検出信号に対して通信部31による復調処理等がなされる。復調処理等がなされた動作検出信号が、通信部31から制御部11に供給される。動作検出信号が供給されることに応じて、制御部11はスイッチSWをオンする。そして、センサ37に対して接触操作がなされた状態で、例えば、靴1aを使用した足踏み動作が所定時間内に連続して2回なされる。この足踏み動作に応じて発電部18が電力を生成する。生成された電力がコントロール信号生成ブロック100に供給される。
【0114】
コントロール信号生成ブロック100は、発電部18から供給される電力に対して、フィルタ100aを使用したフィルタ処理を行う。フィルタ処理がなされた信号がA/D変換部100bによってデジタル信号に変換される。デジタル信号が演算部100cに供給される。演算部100cは、A/D変換部100bから供給されたデジタル信号を使用して、電力量の変化のサイクル数を判別する。この例では、2回の足踏み動作に応じて、1サイクルの電力量の変化が演算部100cにより2回、測定される。演算部100cは、サイクル数が2回であることから、足踏み動作が2回なされたと判別する。
【0115】
演算部100cは、判別した足踏み動作の回数に対応するコントロール信号を生成する。演算部100cは、足踏み動作の回数が2回であることに対応して、例えば、音楽コンテンツの再生を開始させるためのコントロール信号を生成する。生成されたコントロール信号がスイッチSWを介して制御部11に供給される。
【0116】
制御部11は、コントロール信号生成ブロック100から供給されたコントロール信号に応じた処理を行う。制御部11は、例えば、音楽コンテンツの再生を開始する処理を行う。すなわち、制御部11は、記憶部16から所定の音楽コンテンツデータを読み出し、読み出した音楽コンテンツデータに対して再生処理を行う。制御部11は、再生処理を施した音楽コンテンツデータを通信部31に供給する。通信部31から通信部32に音楽コンテンツデータが送信される。通信部32において、音楽コンテンツデータに対する復調処理等がなされ、復調処理等がなされた音楽コンテンツデータが増幅部33に供給される。増幅部33によって音楽コンテンツデータが増幅され、増幅された音楽コンテンツがスピーカ34から再生される。
【0117】
センサ37に対する接触操作が解除されると、センサ37は、動作検出信号の出力を停止する。そして、制御部11に対する動作検出信号の供給が停止する。動作検出信号の供給が停止すると、制御部11は、スイッチSWをオフする。スイッチSWがオフされた後は、コントロール信号生成ブロック100から出力されたコントロール信号は制御部11に供給されない。
【0118】
なお、センサ37に対して接触操作がなされた状態で、例えば、3回の足踏み動作がなされると、第2の実施形態で説明した処理と同様の処理によって、音楽コンテンツの再生を停止するコントロールを行うことができる。
【0119】
このように、携帯型音楽再生機30では、発電部18が生成する電力によってコントロール信号が形成され、形成されたコントロール信号が制御部11に供給される。すなわち、操作部13およびコントロール信号生成ブロック100がコントローラとして機能する。なお、携帯型音楽再生機30に対する全てのコントロールが足踏み動作によってなされるようにし、操作部13の構成を省略してもよい。この場合は、コントロール信号生成ブロック100のみがコントローラとして機能する。
【0120】
モーションによるコントロールがなされる場合でも、発電部18が生成する電力の多くを蓄電部19に供給し、蓄電部19を蓄電することができる。したがって、蓄電部19から携帯型音楽再生機30の各部に対する電力の供給が継続し、携帯型音楽再生機30の動作が停止することはない。さらに、センサ37に対して接触操作がなされているときのみにモーションによるコントロールが可能となるため、足踏み動作に応じて意図しない処理が行われることを防止できる。さらに、音楽コンテンツデータが無線により送受信されるため、ケーブルが不要となる。
【0121】
携帯型音楽再生機30の変形例について説明する。なお、以下に説明する変形例は、第3の実施形態に限らず、他の実施形態に対しても技術的矛盾が生じない範囲で適用できる。上述した携帯型音楽再生機30は、ヘッドセット30cに発電部35および蓄電部36を設けたが、ヘッドセット30cで使用される電力を発電部18が発電する電力で賄うようにしてもよい。
【0122】
図15に示すように、例えば、発電部18により生成された電力が、電力送信部91に供給される。電力送信部91に供給された電力が、電力中継部92を介して、ヘッドセット30cに設けられた電力受信部93に無線伝送される。無線伝送された電力が電力受信部93により受信される。電力受信部93からヘッドセット30cの各部に電力が供給される。電力受信部93により受信された電力によりヘッドセット30cの蓄電部が蓄電され、蓄電部からヘッドセット30cの各部に電力が供給されるようにしてもよい。
【0123】
図16に示すように、例えば、蓄電部19から電力送信部91に電力が供給されるようにしてもよい。電力送信部91に供給された電力が、電力中継部92を介して、ヘッドセット30cに設けられた電力受信部93に無線伝送される。無線伝送された電力が電力受信部93で受信される。電力受信部93からヘッドセット30cの各部に電力が供給される。電力受信部93によって受信された電力によりヘッドセット30cの蓄電部が蓄電され、蓄電部からヘッドセット30cの各部に電力が供給されるようにしてもよい。
【0124】
電力送信部91は、例えば、靴1aに取り付けられており、電力受信部93は、例えば、ヘッドセット30cに取り付けられている。電力中継部92は、必要に応じて設けられる。電力中継部92は、例えば、ユーザの腰付近に取り付け可能とされる。
【0125】
電力送信部91と電力受信部93との間で、例えば、無線による電力の伝送がなされる。無線による電力の伝送方式は、例えば、電波方式、電磁誘導方式、電磁界共鳴方式が挙げられる。電波方式の場合は、電力送信部91と電力受信部93とが例えば、アンテナで構成される。電磁誘導方式や電磁界共鳴方式の場合は、電力中継部92が設けられ、電力中継部92と電力受信部93とが例えば、コイルで構成される。
【0126】
電力送信部91と電力受信部93との間で、人体を導体とした人体通信によって電力が伝送されるようにしてもよい。例えば、送信電極としての電力送信部91から送信された電力が人体を導体として伝送され、伝送された電力が受信電極としての電力受信部93によって受信されるようにしてもよい。
【0127】
このように、発電部18が生成する電力をヘッドセット30cに供給することができる。このため、ヘッドセット30cに発電部を設ける必要がなくなり、ヘッドセット30cの小型化および軽量化を図ることができる。
【0128】
<4.第4の実施形態>
「第4の実施形態の概要」
次に、第4の実施形態について説明する。図17は、第4の実施形態の概要を示す。第4の実施形態の携帯型音楽再生機40は、発電部を含む構成40aが靴1aと一体的に形成され、携帯型音楽再生機40の他の構成がヘッドセット40bとして構成されている。発電部40aによって発電された電力が、無線によってヘッドセット40bに供給される。
【0129】
「携帯型音楽再生機の構成」
図18は、携帯型音楽再生機40の構成の一例を示す。携帯型音楽再生機40において、発電部40aに対応する、発電部18および伝送部41が靴1aに取り付けられている。発電部18は、上述したように、靴1aを使用した足踏み動作に応じて電力を生成する。発電部18により生成された電力が伝送部41に供給される。伝送部41は、発電部18が生成した電気信号を、例えば、電波によってヘッドセット40bに供給する。
【0130】
ヘッドセット40bは、制御部11を含み、制御部11に、操作部13と、記憶部16と、センサ43と、増幅部44とが接続される。さらに、制御部11には、スイッチSWを介してコントロール信号生成ブロック100が接続される。増幅部44には、スピーカ45が接続され、記憶部16には外部I/F17が接続される。ヘッドセット40bは、蓄電部19を備え、蓄電部19から供給される電力によって、ヘッドセット40bの各部が動作する。図において電力の供給ラインの一例を点線で示す。
【0131】
ヘッドセット40bにおいて、コントロール信号生成ブロック100および蓄電部19が伝送部42と接続されている。伝送部42は、伝送部41から伝送される電力を受信する。伝送部42により受信された電力が蓄電部19に供給され、蓄電部19が蓄電される。さらに、伝送部42は、伝送部41から伝送された電力をコントロール信号生成ブロック100に供給する。コントロール信号生成ブロック100は、伝送部42から供給される電力に応じたコントロール信号を生成する。コントロール信号生成ブロック100によって生成されたコントロール信号が、スイッチSWを介して制御部11に供給される。
【0132】
センサ43は、例えば、センサ43に対する接触動作を検出するセンサである。熱を検出するセンサでもよい。センサ43は、ヘッドセット40bの表面に取り付けられる。センサ43は、センサ43に対する接触操作を検出すると、動作検出信号を生成する。センサ43は、生成した動作検出信号を制御部11に供給する。動作検出信号が供給されることに応じて、制御部11はスイッチSWをオンする。携帯型音楽再生機40に対してモーションによるコントロールを行うときに、センサ43に対する接触操作がなされる。
【0133】
増幅部44は、制御部11から供給される音楽コンテンツデータを増幅し、増幅した音楽コンテンツデータをスピーカ45に供給する。スピーカ45から音楽コンテンツが再生される。
【0134】
「携帯型音楽再生機の動作」
携帯型音楽再生機40の動作の一例について説明する。例えば、ヘッドセット40bが装着された状態で、靴1を使用した歩行等の動作がなされる。歩行等の動作に伴う足踏み動作に応じて、発電部18が電力を生成する。発電部18によって生成された電力が伝送部41を介してヘッドセット40bに無線で伝送される。伝送された電力が、ヘッドセット40bの伝送部42によって受信される。伝送部42で受信された電力が蓄電部19に供給され、蓄電部19が蓄電される。ヘッドセット40bの各部に対して蓄電部19から電力が供給される。
【0135】
携帯型音楽再生機40に対して、例えば、操作部13を使用した操作がなされる。例えば、操作部13に対して音楽コンテンツの再生を指示する操作がなされると、操作部13は、音楽コンテンツの再生を開始するためのコントロール信号を生成する。操作部13により生成されたコントロール信号が制御部11に供給される。制御部11は、供給されたコントロール信号に応じて所定の音楽コンテンツデータを記憶部16から読み出す。制御部11は、読み出した音楽コンテンツデータに対して、復号処理等の再生処理を行う。再生処理が施された音楽コンテンツデータが増幅部44に供給される。
【0136】
増幅部44は、制御部11から供給された音楽コンテンツデータを増幅する。増幅された音楽コンテンツデータがスピーカ45に供給される。スピーカ45から音楽コンテンツが再生される。なお、操作部13は、例えば、手元で操作可能なリモートコントロール装置で構成されてもよい。
【0137】
携帯型音楽再生機40に対して、モーションによるコントロールが可能とされる。例えば、足踏み動作によって携帯型音楽再生機40がコントロールされる。モーションによるコントロールを行う際には、例えば、ヘッドセンサ40bにおけるセンサ43を触れる接触操作がなされる。接触操作がなされると、センサ43は動作検出信号を生成し、生成した動作検出信号を制御部11に供給する。動作検出信号が供給されることに応じて、制御部11はスイッチSWをオンする。そして、センサ43に対して接触操作がなされた状態で、例えば、靴1aを使用した足踏み動作が所定時間内に連続して2回なされる。この足踏み動作に応じて発電部18が電力を生成する。
【0138】
生成された電力が伝送部41から送信される。送信された電力が伝送部42によって受信される。伝送部42によって受信された電力が蓄電部19およびコントロール信号生成ブロック100に供給される。なお、モーションによって携帯型音楽再生機40を制御する際は、伝送部42からコントロール信号生成ブロック100のみに電力が供給されるようにしてもよい。
【0139】
コントロール信号生成ブロック100は、上述したようにフィルタ100aと、A/D変換部100bと、演算部100cとを備える。発電部18から供給される電力に対して、フィルタ100aを使用したフィルタ処理が行われ、フィルタ処理が行われた信号がA/D変換部100bによってデジタル信号に変換される。デジタル信号が演算部100cに供給される。演算部100cは、フィルタ処理がなされたデジタル信号を使用して、発電部18が発電する電力量の変化を測定する。
【0140】
演算部100cは、A/D変換部100bから供給されるデジタル信号を使用して、電力の電力量の変化のサイクル数を測定する。演算部100cは、測定したサイクル数から足踏み動作がなされた回数を検出する。演算部100cは、例えば、1サイクルの電力量の変化が2回、測定され、サイクル数が2である場合は、2回の足踏み動作がなされたものと判別する。
【0141】
演算部100cは、判別した足踏み動作の回数に対応するコントロール信号を生成する。演算部100cは、足踏み動作の回数が2回であることに対応して、例えば、音楽コンテンツの再生を開始させるためのコントロール信号を生成する。生成されたコントロール信号がスイッチSWを介して制御部11に供給される。
【0142】
制御部11は、コントロール信号生成ブロック100から供給されたコントロール信号に応じた処理を行う。制御部11は、例えば、音楽コンテンツの再生を開始する処理を行う。すなわち、制御部11は、記憶部16から所定の音楽コンテンツデータを読み出し、読み出した音楽コンテンツデータに対して再生処理を行う。制御部11は、再生処理を施した音楽コンテンツデータを増幅部44に供給する。増幅部44によって音楽コンテンツデータが増幅され、増幅された音楽コンテンツデータがスピーカ45を介して再生される。
【0143】
センサ43に対する接触操作が解除されると、センサ43から制御部11に対する動作検出信号の供給が停止する。動作検出信号の供給が停止すると、制御部11は、スイッチSWをオフする。スイッチSWがオフされた後は、コントロール信号生成ブロック100から出力されたコントロール信号は制御部11に供給されない。
【0144】
なお、センサ43に対して接触操作がなされた状態で、例えば、3回の足踏み動作がなされた場合に、第2の実施形態で説明した処理と同様の処理によって、音楽コンテンツの再生を停止するコントロールを行うことができる。この他にも、足踏み動作の回数に応じて、携帯型音楽再生機40に対する様々なコントロールを行うことができる。
【0145】
このように、携帯型音楽再生機40では、発電部18が生成する電力によってコントロール信号が形成され、形成されたコントロール信号が制御部11に供給される。すなわち、操作部13およびコントロール信号生成ブロック100がコントローラとして機能する。なお、携帯型音楽再生機40に対する全てのコントロールがモーションによってなされるようにし、操作部13の構成を省略してもよい。この場合は、コントロール信号生成ブロック100のみがコントローラとして機能する。
【0146】
なお、発電部18および伝送部41を靴1aに対して着脱可能としてもよい。発電部18および伝送部41を、例えば、靴1aの中敷きに対して着脱可能としてもよい。このような構成によって、特定の靴に限定されず、実際に使用される靴により発電することができる。発電部が靴に内蔵されて装着されてもよく、靴に着脱自在とされる発電部が、靴に取り付けられて装着されてもよい。さらに、携帯型音楽再生機40において、第3の実施形態と同様に、音楽コンテンツデータをヘッドセット40bに送信してもよい。
【0147】
<5.第5の実施形態>
「第5の実施形態の概要」
次に、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態における携帯型音楽再生機は、発電部を備え、発電部の発電状況に応じて、再生する音楽コンテンツを選択する例である。発電部の発電状況に応じて、音楽コンテンツの再生態様を変化させるようにしてもよい。
【0148】
「携帯型音楽再生機の構成」
図19は、第5の実施形態における携帯型音楽再生機50の構成の一例を示す。携帯型音楽再生機50は、例えば、靴1aに取り付けられている。携帯型音楽再生機50においてヘッドセットを使用し、ヘッドセットから音楽コンテンツの再生がなされるようにしてもよい。
【0149】
携帯型音楽再生機50は、制御部11を備える。制御部11に、表示部12と、操作部13と、増幅部14と、記憶部16と、発電状況取得部51とが接続される。スピーカ15が増幅部14に接続される。外部I/F17が記憶部16に接続される。携帯型音楽再生機50は、発電部18を備える。発電部18は、足踏み動作に応じて電力を生成する。発電部18が生成した電力が蓄電部19に供給され、蓄電部19が蓄電される。蓄電部19から携帯型音楽再生機50の各部に対して電力が供給され、携帯型音楽再生機50が動作する。図において電力の供給ラインの一例を点線で示す。
【0150】
記憶部16には、例えば、複数の音楽コンテンツデータが記憶される。それぞれの音楽コンテンツデータには、メタデータが対応付けられている。メタデータは、例えば、タイトル、再生時間、BPM(Beats Per Minute)である。BPMは、音楽コンテンツにおいて、平均的に1分間にいくつの4分音符が入るかを示す単位である。制御部11の制御によって、メタデータの内容を表示部12に表示させることもできる。
【0151】
発電状況取得部51は、発電部18の発電状況を取得する。発電状況取得部51は、例えば、発電部18が出力する複数の電気信号間の時間の間隔tを取得する。例えば、あるタイミングで発電部18が電気信号を出力し、0.5秒後に発電部18がさらに電気信号を出力した場合は、間隔tは0.5となる。発電状況取得部51は、発電部18から出力される電気信号のレベルや、発電部18から出力される電気信号の出力回数を取得するようにしてもよい。所定時間内に取得される複数の間隔の平均値を間隔tとしてもよい。
【0152】
発電状況取得部51において、例えば、コントロール信号生成ブロック100と同様の処理がなされてもよい。例えば、発電状況取得部51がフィルタ100a、A/D変換部100b、演算部100cを備えるようにしてもよい。発電状況取得部51は、発電部18が生成する電力に対してフィルタ100aによるフィルタ処理を行い、フィルタ処理を行った後にA/D変換部100bによってデジタル信号を形成する。演算部100cは、デジタル信号を使用して、所定時間内における、電力量の変化のサイクル数を求める。サイクル数から、所定時間内になされた足踏み動作の回数を検出するようにしてもよい。
【0153】
発電状況取得部51は、間隔tに応じてコンテンツ選択信号を生成する。生成されたコンテンツ選択信号が制御部11に供給される。制御部11は、コンテンツ選択信号に応じて再生するコンテンツを選択する。
【0154】
「携帯型音楽再生機の動作」
携帯型音楽再生機50の動作の一例について説明する。靴1を使用した歩行等がなされ、歩行等に伴い足踏み動作がなされる。足踏み動作がなされることで発電部18が電力を生成する。生成された電力が蓄電部19に供給され、蓄電部19が蓄電される。
【0155】
発電状況取得部51は、発電部18が出力する電力(電気信号)の間隔tを取得する。発電状況取得部51は、取得した間隔tに応じてコンテンツ選択信号を生成する。発電状況取得部51は、例えば、閾値Th1および閾値Th2(但し、Th1<Th2)と間隔tとを比較し、以下のいずれのパターンに該当するかを判別する。
t<Th1・・・パターン(1)
Th1≦t≦Th2・・・パターン(2)
Th2<t・・・パターン(3)
【0156】
パターン(1)は、間隔tが短いことを示し、発電部18から電気信号が頻繁に出力されていることを示す。すなわち、足踏み動作が頻繁に行われていることを示し、靴1を使用して走行がなされているものと発電状況取得部51が判別する。
【0157】
パターン(2)は、間隔tが通常の間隔であることを示す。すなわち、靴1を使用して、平均的な速度の歩行がなされているものと発電状況取得部51が判別する。
【0158】
パターン(3)は、間隔tが長いことを示す。すなわち、靴1を使用して、ゆったりとした歩行がなされているものと発電状況取得部51が判別する。
【0159】
発電状況取得部51は、判別結果に応じてコンテンツ選択信号を生成する。発電状況取得部51は、パターン(1)と判別した場合は、テンポが速い音楽コンテンツを選択するためのコンテンツ選択信号を生成する。例えば、BPMが160以上の音楽コンテンツデータを選択するコンテンツ選択信号を生成する。生成されたコンテンツ選択信号が発電状況取得部51から制御部11に供給される。
【0160】
制御部11は、供給されたコンテンツ選択信号に応じて、記憶部16に記憶された音楽コンテンツデータから所定の音楽コンテンツデータを選択する。制御部11は、例えば、音楽コンテンツデータ毎に対応づけられたメタデータを参照して、BPMが160以上の音楽コンテンツデータを記憶部16から読み出す。読み出された音楽コンテンツデータに対して制御部11による再生処理がなされ、再生処理がなされた音楽コンテンツデータが増幅部14で増幅される。増幅された音楽コンテンツデータがスピーカ15から再生される。
【0161】
発電状況取得部51は、パターン(2)と判別した場合は、通常のテンポの音楽コンテンツを選択するためのコンテンツ選択信号を生成する。例えば、BPMが90以上で160未満の音楽コンテンツデータを選択するためのコンテンツ選択信号を生成する。生成されたコンテンツ選択信号が発電状況取得部51から制御部11に供給される。
【0162】
制御部11は、供給されたコンテンツ選択信号に応じて、記憶部16に記憶された音楽コンテンツデータから所定の音楽コンテンツデータを選択する。制御部11は、例えば、音楽コンテンツデータ毎に対応づけられたメタデータを参照して、BPMが90以上で160未満の音楽コンテンツデータを記憶部16から読み出す。読み出された音楽コンテンツデータに対して制御部11による再生処理がなされ、再生処理がなされた音楽コンテンツデータが増幅部14で増幅される。増幅された音楽コンテンツデータがスピーカ15から再生される。
【0163】
発電状況取得部51は、パターン(3)と判別した場合は、テンポが遅い音楽コンテンツを選択するためのコンテンツ選択信号を生成する。例えば、BPMが90未満の音楽コンテンツデータを選択するためのコンテンツ選択信号を生成する。生成されたコンテンツ選択信号が発電状況取得部51から制御部11に供給される。
【0164】
制御部11は、供給されたコンテンツ選択信号に応じて、記憶部16に記憶された音楽コンテンツデータから所定の音楽コンテンツデータを選択する。制御部11は、例えば、音楽コンテンツデータ毎に対応づけられたメタデータを参照して、BPMが90未満の音楽コンテンツデータを記憶部16から読み出す。読み出された音楽コンテンツデータに対して制御部11による再生処理がなされ、再生処理がなされた音楽コンテンツデータが増幅部14で増幅される。増幅された音楽コンテンツデータがスピーカ15から再生される。
【0165】
このように、発電部18から出力される電気信号(電力)に応じて歩行等の状況が判別され、判別結果に応じた音楽コンテンツが再生される。例えば、ゆっくり歩いているときはテンポが遅い音楽コンテンツが再生され、通常の速度の歩行のときは通常のテンポの音楽コンテンツが再生され、走っているときはテンポが速い音楽コンテンツを再生でき、歩行等の速度に適したテンポの音楽コンテンツを再生できる。さらに、発電部18が生成する電力に応じて歩行等の速度が判別できるため、歩行等の速度を測定するためのセンサ等を設ける必要がない。
【0166】
なお、上述した発電状況取得部51の機能を制御部11が有するようにしてもよい。すなわち、制御部11が発電部18の発電状況を取得し、発電状況に応じて音楽コンテンツデータを選択するようにしてもよい。間隔tを示す信号が発電状況取得部51から制御部11に供給され、制御部11によって上述したパターンを判別する処理などがなされてもよい。
【0167】
発電状況に応じて、再生中の音楽コンテンツの再生態様を変化させる処理が制御部11によってなされるようにしてもよい。制御部11は、例えば、音楽コンテンツデータのテンポを変化させるテンポコントロール機能を有する。テンポを変化させる処理は、公知の処理を適用できる。パターン(1)の場合は、再生中の音楽コンテンツのテンポを速くする処理がなされ、パターン(3)の場合には、再生中の音楽コンテンツのテンポを遅くする処理が制御部11によってなされるようにしてもよい。パターン(2)の場合は、音楽コンテンツのテンポは変化されない。発電状況から歩行等の速度が判別され、歩行等の速度に適したテンポで音楽コンテンツを再生することができる。
【0168】
音楽コンテンツデータを選択する際に使用されるメタデータの内容は、BPMに限られない。例えば、メタデータとして「散歩用」「ウォーキング用」「運動用」からなる使用ジャンルが音楽コンテンツデータ毎に対応づけられる。発電状況からパターン(1)と判別された場合に、運動用のメタデータが対応付けられている音楽コンテンツデータが再生され、パターン(2)と判別された場合に、ウォーキング用のメタデータが対応付けられている音楽コンテンツデータが再生され、パターン(3)と判別された場合に散歩用のメタデータが対応付けられている音楽コンテンツデータが再生されるようにしてもよい。
【0169】
閾値は、2個に限られることはない。例えば、5個の閾値を使用して、発電状況をより詳細に分析し、分析結果に応じて音楽コンテンツデータを選択するようにしてもよい。さらに、歩行等の速度に適した音楽コンテンツデータが制御部11によって自動的に生成されるようにしてもよい。
【0170】
発電状況取得部51によって、所定時間内でなされた足踏み動作の回数が判別可能な場合は、判別された足踏み動作の回数に応じて、再生する音楽コンテンツを選択してもよい。足踏み動作の回数に応じて、音楽コンテンツの再生態様を変化させてもよい。例えば、所定時間を10秒間とし、10秒間で20回以上の足踏み動作がなされたと判別された場合は、パターン(1)と同様にテンポの速い音楽コンテンツデータが選択される。10秒間で7回以上20回未満の足踏み動作がなされた場合は、パターン(2)と判別された場合と同様に通常のテンポの音楽コンテンツデータが選択される。10秒間で7回未満の足踏み動作がなされた場合は、パターン(3)と同様にテンポの遅い音楽コンテンツデータが選択されるようにしてもよい。
【0171】
<6.第6の実施形態>
「第6の実施形態の概要」
次に、第6の実施形態について説明する。第6の実施形態では、発電状況に応じて再生する音楽コンテンツが選択されるとともに、携帯型音楽再生装置に対してモーションによるコントロールが可能とされる。
【0172】
「携帯型音楽再生機の構成および動作」
図20は、第6の実施形態における携帯型音楽再生機60の構成の一例を示す。携帯型音楽再生機60は、携帯型音楽再生機50の構成に、検出部21と、コントロール信号生成ブロック100と、スイッチSWとが付加されたものである。検出部21は、制御部11に対して接続される。コントロール信号生成ブロック100は、発電部18と接続される。コントロール信号生成ブロック100は、さらに、スイッチSWを介して制御部11に接続される。図において電力の供給ラインの一例を点線で示す。
【0173】
携帯型音楽再生機60に対して、モーションによるコントロールが可能とされる。例えば、足踏み動作によって携帯型音楽再生機60をコントロールできる。足踏み動作によってコントロールを行う処理は、例えば、第2の実施形態における携帯型音楽再生機20の同様であるので、概略的な説明にとどめる。
【0174】
検出部21が例えば押下されながら、靴1aを使用した足踏み動作がなされる。検出部21が押下されることでスイッチSWが制御部11によりオンされる。足踏み動作にともなって発電部18が生成する信号に応じて、コントロール信号生成ブロック100がコントロール信号を生成する。例えば、コントロール信号生成ブロック100によって足踏み動作の回数が判別され、足踏み動作の回数に応じたコントロール信号が生成される。生成されたコントロール信号が、コントロール信号生成ブロック100からスイッチSWを介して制御部11に供給される。制御部11は、供給されたコントロール信号に応じた処理を行う。
【0175】
さらに、携帯型音楽再生機60では、発電状況に応じて歩行等の速度を判別し、歩行等の速度に適したテンポを有する音楽コンテンツを再生することができる。処理の内容は、上述した第5の実施形態と同様であり、重複した説明を省略する。
【0176】
携帯型音楽再生機60は、例えば、以下のように使用できる。歩行等の開始時に検出部21を操作しながら足踏み動作を2回行い、音楽コンテンツの再生を開始させる。そして、検出部21に対する操作を解除して、例えば、走行を開始する。走行の速度に適したテンポの音楽コンテンツがスピーカ15から再生される。ヘッドセットを使用して音楽コンテンツを再生してもよい。携帯型音楽再生機60の使用例は、上述の使用例に限られることはない。
【0177】
さらに、スイッチSWおよび発電状況取得部51を省略してもよい。例えば、検出部21が操作されているときは、上述した処理によってコントロール信号生成ブロック100がコントロール信号を生成する。生成されたコントロール信号が制御部11に供給される。検出部21が操作されていないときは、コントロール信号生成ブロック100により、所定時間内における足踏み動作の回数が判別される。判別された足踏み動作の回数が制御部11に供給される。制御部11は、供給された足踏み動作の回数に応じて音楽コンテンツを選択したり、音楽コンテンツの再生態様を変化させる。このように、発電状況取得部51の機能をコントロール信号生成ブロック100が有するようにしてもよい。コントロール信号生成ブロック100の機能が制御部11によって切り替えられてもよい。
【0178】
<7.第7の実施形態>
「第7の実施形態の概要」
次に、第7の実施形態について説明する。第7の実施形態は、蓄電部の残容量に応じて音楽コンテンツの再生態様を変化させる例である。
【0179】
「携帯型音楽再生機の構成」
図21は、携帯型音楽再生機70の構成の一例を示す。携帯型音楽再生機70は、例えば、靴1aに取り付けられている。携帯型音楽再生機70においてヘッドセットを使用し、ヘッドセットから音楽コンテンツが再生されてもよい。
【0180】
携帯型音楽再生機70は、制御部11を備える。制御部11は、再生中の音楽コンテンツデータのテンポを変化させるテンポコントロール機能を有する。制御部11に、表示部12と、操作部13と、増幅部14と、記憶部16と、残容量取得部71とが接続される。スピーカ15が増幅部14に接続される。外部I/F17が記憶部16に接続される。
【0181】
携帯型音楽再生機70は、発電部18を備える。発電部18は、足踏み動作に応じて電力を生成する。発電部18により生成された電力が蓄電部19に供給され、蓄電部19が蓄電される。蓄電部19から携帯型音楽再生機70の各部に対して電力が供給され、携帯型音楽再生機70が動作する。図において電力の供給ラインの一例を点線で示す。
【0182】
記憶部16には、例えば、複数の音楽コンテンツデータが記憶される。それぞれの音楽コンテンツデータには、メタデータが対応付けられている。メタデータは、例えば、タイトル、再生時間、BPMである。メタデータの内容を、制御部11の制御によって表示部12に表示させることもできる。
【0183】
制御部11には、残容量取得部71が接続される。残容量取得部71は、蓄電部19に対して接続され、蓄電部19の残容量を取得する。蓄電部19が、例えば、リチウムイオン2次電池である場合には、残容量取得部71は、リチウムイオン2次電池の端子間の電圧を測定することで残容量を取得する。残容量取得部71は、蓄電部19の残容量を示す残容量信号を制御部11に供給する。蓄電部19の残容量が、所定値以下、例えば、満充電に対して30%以下に低下したときに残容量信号が制御部11に供給されるようにしてもよい。
【0184】
制御部11は、供給された残容量信号に応じた処理を行う。制御部11は、残容量信号で示される残容量が例えば30%以下に低下した場合に、再生中の音楽コンテンツのテンポを速くする処理を行う。制御部11によってテンポコントロールがなされた音楽コンテンツデータが増幅部14によって増幅され、増幅された音楽コンテンツデータがスピーカ15に供給される。なお、テンポを速くするテンポコントロールの方法は、公知の方法を適用できる。
【0185】
「携帯型音楽再生機の動作」
携帯型音楽再生機70の動作の一例について説明する。携帯型音楽再生機70が使用され、制御部11によって記憶部16から読みだされた音楽コンテンツデータが、スピーカ15から再生される。残容量取得部71は、残容量信号を生成し、生成した残容量信号を制御部11に供給する。
【0186】
制御部11は、供給された残容量信号に応じた処理を行う。制御部11は、残容量信号で示される残容量が例えば30%以下に低下した場合に、再生中の音楽コンテンツのテンポを速くする処理を行う。制御部11によってテンポコントロールがなされた音楽コンテンツデータが増幅部14によって増幅され、増幅された音楽コンテンツデータがスピーカ15に供給される。
【0187】
一般に、音楽コンテンツを聴きながら歩行等がなされるときは、歩行等の速度が音楽コンテンツのテンポに追従することが知られている。このため、再生中の音楽コンテンツのテンポが速くなると、歩行等の速度が速くなる。歩行等の速度が速くなることで靴1aを使用した足踏み動作の回数が増加する。足踏み動作の回数が増加することで、発電部18によって生成される電力が増加する。すなわち、発電部18によって発電される電力が増加し、蓄電部19に対して供給される電力量が増加する。このため、残容量が低下した蓄電部19を速やかに充電することができる。
【0188】
なお、残容量信号に応じて制御部11が行う処理は、音楽コンテンツデータのテンポを速くする処理に限られない。残容量信号に応じて、制御部11が一部の処理を停止してもよい。例えば、残容量信号で示される残容量が30%以下に低下した場合に、制御部11がイコライザを使用した処理を行わないようにしてもよい。制御部11によって実行される処理の一部が停止されることで、制御部11により消費される電力を減少させることができ、蓄電部19の残容量が低下することを防止できる。イコライザの処理が省略された再生処理が施された音楽コンテンツデータがスピーカ15から再生される。残容量信号に応じて、制御部11が音楽コンテンツデータのレベルを低下させる処理を行うようしてもよい。
【0189】
残容量信号で示される残容量が、例えば、30%以下に低下した場合に、イコライザの処理を停止し、さらに、残容量が10%以下に低下した場合に、音楽コンテンツのテンポを速くする処理がなされるようにしてもよい。
【0190】
なお、残容量取得部71の機能を制御部11が有するようにしてもよい。制御部11が蓄電部19の残容量を取得し、残容量に応じてコンテンツの再生態様を変化させるようにしてもよい。
【0191】
<8.第8の実施形態>
「第8の実施形態の概要」
次に、第8の実施形態について説明する。第8の実施形態では、蓄電部の残容量に応じて音楽コンテンツの再生態様を変化させるとともに、発電部18が生成する電力によってコントロール信号を形成する例である。
【0192】
「携帯型音楽再生機の構成および動作」
図22は、携帯型音楽再生機80の構成の一例を示す。携帯型音楽再生機80は、携帯型音楽再生機70の構成に、検出部21と、コントロール信号生成ブロック100と、スイッチSWとが付加されたものである。検出部21が制御部11に接続される。コントロール信号生成ブロック100がスイッチSWを介して制御部11に接続される。コントロール信号生成ブロック100は発電部18に接続され、発電部18が生成する電力によってコントロール信号を形成する。図において電力の供給ラインの一例を点線で示す。
【0193】
携帯型音楽再生機80に対して、例えば、モーションによるコントロールを行うことができる。モーションによるコントロールの処理の内容は、例えば、第2の実施形態における携帯型音楽再生機20における処理と同様であるので、概略的な説明にとどめる。
【0194】
検出部21が、例えば押下されながら、靴1aを使用した足踏み動作がなされる。検出部21が押下されることでスイッチSWが制御部11によりオンされる。足踏み動作にともなって発電部18が電力を生成する。生成された電力がコントロール信号生成ブロック100に供給する。コントロール信号生成ブロック100は、供給された電力からコントロール信号を生成する。例えば、コントロール信号生成ブロック100によって足踏み動作の回数が判別され、足踏み動作の回数に応じたコントロール信号が生成される。生成されたコントロール信号が、コントロール信号生成ブロック100からスイッチSWを介して制御部11に供給される。制御部11は、供給されたコントロール信号に応じた処理を行う。
【0195】
携帯型音楽再生機80では、蓄電部19の残容量に応じて音楽コンテンツの再生態様を変化させる処理が行われる。例えば、蓄電部19の残容量が低下すると、音楽コンテンツのテンポを速くする処理が制御部11によって行われる。処理の内容は、上述した携帯型音楽再生機70と同様の処理であるので重複した説明を省略する。
【0196】
携帯型音楽再生機80において、ヘッドセットを設け、ヘッドセットから音楽コンテンツが再生されてもよい。検出部21に代えて、ヘッドセットに設けられるセンサ37によって動作検出信号が生成されるようにしてもよい。
【0197】
<9.変形例>
以上、本開示の複数の実施形態について具体的に説明したが、本開示は、これらの実施形態に限定されるものではない。上述した複数の実施形態では、コンテンツの一例として音楽コンテンツを例にしたが、他の映像コンテンツなどに対して本開示を適用することができる。
【0198】
本開示は、携帯型音楽再生機に限られることはない。例えば、本開示は、携帯電話やスマートフォンに対して適用できる。例えば、表示部を有するスマートフォンに、振動によって発電する発電部を設けてもよい。通常の使用時には、スマートフォンが振られることで発電部が発電し、蓄電部が蓄電される。そして、例えば、表示部の所定箇所が触れられた状態でスマートフォンが振られると、発電部が発電するとともに、振られた回数に応じたコントロール信号が生成されるようにしてもよい。コントロール信号に応じて、例えば、メニュー画面が遷移されるようにしてもよい。さらに、本開示をディジタルスチルカメラに適用してもよい。発電部の発電する電力によってディジタルスチルカメラのイメージャを動作させるようにしてもよい。
【0199】
本開示におけるモーションは、足踏み動作に限られるとはない、発電部は、足踏み動作とは異なる動作で発電するようにしてもよい。例えば、圧電素子等のように、発電部が変形することで発電するようにしてもよい。そして、発電部を、例えば、ユーザの肘に取り付け可能とし、肘の屈曲動作に応じて発電部が変形し発電するようにしてもよい。腕を振るジェスチャに応じて発電部が発電するとともに、発電部が生成する信号によってコントロール信号が形成されるようにしてもよい。
【0200】
発電部を熱電変換によって発電する構成とし、発電部を頭部に取り付け可能としてもよい。発電部を熱電変換および変位によって発電する構成とし、発電部を首に取り付け可能としてもよい。発電部を電磁誘導によって発電する構成とし、発電部を腰部に取り付け可能としてもよい。発電部を逆磁歪によって発電する構成とし、発電部を大腿部に取り付け可能としてもよい。発電部の発電方式および発電部が取り付けられる位置は、適宜変更することができる。
【0201】
発電部、制御部等の構成を全てヘッドセットに設けてもよい。ヘッドセットにおける発電部の発電方式は、太陽光発電や太陽光発電と熱電発電との組合せや太陽光発電と振動発電との組合せなどの方式を採用できる。
【0202】
モーションに対応するコントロール内容は適宜、変更できる。例えば、1回の足踏み動作に応じて音楽コンテンツの音量レベルを上げるコントロールがなされてもよい。2回の足踏み動作に応じて音楽コンテンツの音量レベルを下げるコントロールがなされてもよい。上述した携帯型音楽再生機は、靴に限らず衣服に組み込まれてもよい。
【0203】
上述した複数の実施形態および変形例における構成、処理の内容等については、技術的矛盾が生じない範囲で相互に適用することができる。本開示において、必須でない構成は適宜、省略することができる。さらに、本開示の構成および処理の全部または一部は、装置のほか、方法、プログラム、プログラムを記録した記録媒体として構成することもできる。
【0204】
なお、本開示は、例えば、以下の構成をとることもできる。
(1)
信号処理部と、
前記信号処理部に対してコントロール信号を供給するコントローラと、
電力としての電気信号を生成し、前記生成する電気信号を前記信号処理部に供給する発電部と
を備える携帯型電子機器。
(2)
前記発電部が生成する前記電気信号によって、前記コントロール信号が形成される請求項1に記載の携帯型電子機器。
(3)
前記発電部は、足を踏み込む動作と、足を持ち上げる動作とからなる足踏み動作に応じて前記電気信号を生成する(1)または(2)に記載の携帯型電子機器。
(4)
少なくとも前記発電部が靴に装着される(1)乃至(3)のいずれか1に記載の携帯型電子機器。
(5)
前記信号処理部は、コンテンツを再生する処理を行い、前記発電部の発電状況に応じて前記再生するコンテンツを選択する(1)乃至(4)のいずれか1に記載の携帯型電子機器。
(6)
前記信号処理部は、コンテンツを再生する処理を行い、前記発電部の発電状況に応じて前記コンテンツの再生態様を変化させる(1)乃至(4)のいずれか1に記載の携帯型電子機器。
(7)
コンテンツを再生する処理を行う信号処理部と、
電力としての電気信号を生成し、前記電気信号を蓄電部に供給する発電部と
を備え、
前記信号処理部は、前記蓄電部の残容量に応じて前記コンテンツの再生態様を変化させる携帯型電子機器。
(8)
前記発電部が生成する前記電気信号によって、前記信号処理部に対するコントロール信号が形成される(7)に記載の携帯型電子機器。
(9)
信号処理部と、コントローラと、発電部とを備える携帯型電子機器における信号処理方法であり、
前記コントローラから出力されるコントロール信号が前記信号処理部に供給され、
前記発電部によって生成される電力としての電気信号が、前記信号処理部に供給される信号処理方法。
(10)
信号処理部によってコンテンツを再生し、
発電部によって電力としての電気信号を生成し、前記電気信号を蓄電部に供給し、
前記蓄電部の残容量に応じて、前記コンテンツの再生態様を変化させる再生方法。
【符号の説明】
【0205】
10、20、30、40、50、60、70、80・・・携帯型音楽再生機
11・・・制御部
13・・・操作部
18・・・発電部
19・・・蓄電部
51・・・発電状況取得部
71・・・残容量取得部
100・・・コントロール信号生成ブロック
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号処理部と、
前記信号処理部に対してコントロール信号を供給するコントローラと、
電力としての電気信号を生成し、前記生成する電気信号を前記信号処理部に供給する発電部と
を備える携帯型電子機器。
【請求項2】
前記発電部が生成する前記電気信号によって、前記コントロール信号が形成される請求項1に記載の携帯型電子機器。
【請求項3】
前記発電部は、足を踏み込む動作と、足を持ち上げる動作とからなる足踏み動作に応じて前記電気信号を生成する請求項1に記載の携帯型電子機器。
【請求項4】
少なくとも前記発電部が靴に装着される請求項1に記載の携帯型電子機器。
【請求項5】
前記信号処理部は、コンテンツを再生する処理を行い、前記発電部の発電状況に応じて前記再生するコンテンツを選択する請求項1に記載の携帯型電子機器。
【請求項6】
前記信号処理部は、コンテンツを再生する処理を行い、前記発電部の発電状況に応じて前記コンテンツの再生態様を変化させる請求項1に記載の携帯型電子機器。
【請求項7】
コンテンツを再生する処理を行う信号処理部と、
電力としての電気信号を生成し、前記電気信号を蓄電部に供給する発電部と
を備え、
前記信号処理部は、前記蓄電部の残容量に応じて前記コンテンツの再生態様を変化させる携帯型電子機器。
【請求項8】
前記発電部が生成する前記電気信号によって、前記信号処理部に対するコントロール信号が形成される請求項7に記載の携帯型電子機器。
【請求項9】
信号処理部と、コントローラと、発電部とを備える携帯型電子機器における信号処理方法であり、
前記コントローラから出力されるコントロール信号が前記信号処理部に供給され、
前記発電部によって生成される電力としての電気信号が、前記信号処理部に供給される信号処理方法。
【請求項10】
信号処理部によってコンテンツを再生し、
発電部によって電力としての電気信号を生成し、前記電気信号を蓄電部に供給し、
前記蓄電部の残容量に応じて、前記コンテンツの再生態様を変化させる再生方法。
【請求項1】
信号処理部と、
前記信号処理部に対してコントロール信号を供給するコントローラと、
電力としての電気信号を生成し、前記生成する電気信号を前記信号処理部に供給する発電部と
を備える携帯型電子機器。
【請求項2】
前記発電部が生成する前記電気信号によって、前記コントロール信号が形成される請求項1に記載の携帯型電子機器。
【請求項3】
前記発電部は、足を踏み込む動作と、足を持ち上げる動作とからなる足踏み動作に応じて前記電気信号を生成する請求項1に記載の携帯型電子機器。
【請求項4】
少なくとも前記発電部が靴に装着される請求項1に記載の携帯型電子機器。
【請求項5】
前記信号処理部は、コンテンツを再生する処理を行い、前記発電部の発電状況に応じて前記再生するコンテンツを選択する請求項1に記載の携帯型電子機器。
【請求項6】
前記信号処理部は、コンテンツを再生する処理を行い、前記発電部の発電状況に応じて前記コンテンツの再生態様を変化させる請求項1に記載の携帯型電子機器。
【請求項7】
コンテンツを再生する処理を行う信号処理部と、
電力としての電気信号を生成し、前記電気信号を蓄電部に供給する発電部と
を備え、
前記信号処理部は、前記蓄電部の残容量に応じて前記コンテンツの再生態様を変化させる携帯型電子機器。
【請求項8】
前記発電部が生成する前記電気信号によって、前記信号処理部に対するコントロール信号が形成される請求項7に記載の携帯型電子機器。
【請求項9】
信号処理部と、コントローラと、発電部とを備える携帯型電子機器における信号処理方法であり、
前記コントローラから出力されるコントロール信号が前記信号処理部に供給され、
前記発電部によって生成される電力としての電気信号が、前記信号処理部に供給される信号処理方法。
【請求項10】
信号処理部によってコンテンツを再生し、
発電部によって電力としての電気信号を生成し、前記電気信号を蓄電部に供給し、
前記蓄電部の残容量に応じて、前記コンテンツの再生態様を変化させる再生方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2013−27253(P2013−27253A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162515(P2011−162515)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】
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