説明

携帯情報端末

【課題】タッチパネル部を有する携帯情報端末の携帯性を向上させる。
【解決手段】携帯情報端末10は、表示部13を有する筺体12と、筺体12に取り付けられたタッチパネル部14と、ユーザがタッチする位置を特定するための所定の画像18が形成された画像領域19を有するプレート16と、を有する。プレート16はコネクタ17を介して筺体12と着脱可能に構成されている。タッチパネル部14は、筺体12の表示部13を覆う位置と、筺体12に取り付けられたプレート16の画像領域19を覆う位置と、の間を移動可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを備えた携帯情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機などの携帯情報端末において、タッチパネルを搭載したものが増えている。そのような携帯情報端末として、入力キーを搭載せずタッチパネルで文字入力を行うものが増えてきている。
【0003】
特許文献1はタッチパネル部を備えた携帯型電子装置を開示している。特許文献1に記載の携帯型電子装置では、タッチパネル部が、キーボードとフラットパネルディスプレイとの間で回動可能に構成されている。タッチパネル部は、必要に応じてキーボードを覆う状態またはフラットパネルディスプレイを覆う状態にされる。これにより、携帯型電子装置のユーザによる入力方法が切り替えられる。
【0004】
特許文献2は、本体部と表示装置との間でヒンジによって回動可能に構成されたタッチパネルを備えた情報処理装置を開示している。これにより、タッチパネルは、表示装置の表示画面を覆う状態と本体部を覆う状態にすることができる。タッチパネルが表示画面を覆っているとき、ユーザは、タッチパネルを介して表示画面に表示されるアイコンなどをタッチすることで入力操作を行うことができる。タッチパネルが本体部を覆っているとき、ユーザは、タッチパネルを介して、本体部の表面に表示されている図柄をタッチすることで入力操作を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−112567号
【特許文献2】特開2003−330616号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1および特許文献2に記載の装置では、必要に応じてタッチパネルの位置を変えることで、入力方式を変更することができる。しかし、タッチパネルが表示部を覆った状態で装置を使用する場合、キーボードまたは本体部がユーザによる入力操作の邪魔になり、利便性が低下することがある。
【0007】
また、特許文献1および特許文献2に記載の装置は、キーボードまたは本体部と、表示装置と、タッチパネルとを備える必要があるため、装置の小型化に限界がある。したがって、装置の携帯性の向上にも限界がある。
【0008】
本発明の目的は、上記課題に鑑み、タッチパネル部を有する携帯情報端末の携帯性および利便性のうちの少なくとも一方を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様における携帯情報機器は、表示部を有する筺体と、筺体に取り付けられたタッチパネル部と、ユーザがタッチする位置を特定するための所定の画像が形成された画像領域を有するプレートと、を有する。プレートはコネクタを介して筺体と着脱可能に構成されている。タッチパネル部は、筺体の表示部を覆う位置と、筺体に取り付けられたプレートの画像領域を覆う位置と、の間を移動可能に構成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、タッチパネル部を有する携帯情報端末の携帯性および利便性のうちの少なくとも一方を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態の携帯情報端末において、筺体とプレートとが分離した状態を示す概略平面図である。
【図2】タッチパネル部が筺体の表示部を覆った状態を示す概略平面図である。
【図3】タッチパネル部がプレートの画像領域を覆った状態を示す概略平面図である。
【図4】タッチパネル部がスライドする様子を示す概略断面図である。
【図5】第2の実施形態の携帯情報端末においてタッチパネル部が回動する様子を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1および図2は、第1の実施形態における携帯情報端末の概略平面図を示している。携帯情報端末10は、表示部13を有する筺体12と、筺体12に取り付けられたタッチパネル部14とを有する。筺体12は、例えばCPUのような制御部やハードディスクドライブのようなメモリなどを収容している。表示部13は、例えば液晶パネルを用いることができる。
【0014】
また、ユーザがタッチすべき位置を特定するための所定の画像18が形成された画像領域19を有するプレート16が、コネクタ17を介して筺体12と着脱可能に構成されている。図1は筺体12からプレート16が取り外された状態を示しており、図2はプレート16が筺体12に取り付けられた状態を示している。なお、本明細書において、画像とは、文字や記号などを含むものとする。
【0015】
タッチパネル部14は、図2に示すように筺体12の表示部13を覆う位置と、図3に示すように筺体12に取り付けられたプレート16の画像領域19を覆う位置と、の間を移動可能に構成されている。タッチパネル部14は透明または半透明である。タッチパネル部14が表示部13を覆っているとき、ユーザは、タッチパネル部14の、表示部13に表示されたアイコンなどの直上の部分をタッチすることで、所定の入力操作を行うことができる。この場合、プレート16を筺体12から取り外しておくと、ユーザの入力操作の邪魔にならないという利便性がある。
【0016】
タッチパネル部14がプレート16の画像領域19を覆っているとき、ユーザは、タッチパネル部14の、画像領域19内の所定の画像18の直上の部分をタッチすることで、所定の入力操作を行うことができる。このように、ユーザは、タッチパネル部14を可動させて、携帯情報端末10の入力方式を必要に応じて変えることができる。
【0017】
プレート16は筺体12に着脱可能になっているため、複数の異なる種別のプレート16を使用することができる。この場合、各々のプレート16に付されている画像18の種類を変えることにより、ユーザは様々な用途に対応してプレートを交換することができる。具体的には、日本語入力用の平仮名が付されたプレートや、英語入力用のローマ字が付されたプレートや、ゲーム用のボタンの画像が付されたプレートや、ドキュメント編集用の画像が付されたプレートなどを用いることができる。これにより、携帯情報端末10の利便性や汎用性が向上する。
【0018】
また、ユーザは、タッチパネル部14を有する筺体12とプレート16とを分離した状態で携帯情報端末10を持ち運ぶことができる。したがって、携帯情報端末10の携帯性は向上する。
【0019】
第1の実施形態の携帯情報端末10では、筺体12はプレート16に設けられたコネクタ17に対応する不図示のコネクタを有する。プレート16のコネクタ17が雄型で筺体12のコネクタが雌型であっても良く、プレート16のコネクタ17が雌型で筺体12のコネクタが雄型であっても良い。
【0020】
次に、筺体12に対してタッチパネル部14を移動させるための構成について、図2〜図4を用いて説明する。図2は、タッチパネル部14が筺体12の表示部13を覆った状態を示している。図3は、タッチパネル部14がプレート16の画像領域19を覆った状態を示している。図4(a)は、図2の4A−4A線に沿った概略断面図である。図4(b)は、図3の4B−4B線に沿った概略断面図である。
【0021】
第1の実施形態における携帯情報端末10では、タッチパネル部14は、図4(a)および図4(b)の矢印で示すように、筺体12に対してスライド可能に構成されている。タッチパネル部14のスライド構造は、スライド式の携帯情報端末で用いられている構造を適用することができる。また、プレート16が筺体12に取り付けされた状態で、表示部13が設けられている筺体12の一面と、画像18が付されているプレート16の一面とが、同一平面を構成することが好ましい。これにより、タッチパネル部14がスライドし易くなるという利点がある。
【0022】
プレート16は、プレートの種別を特定する識別情報を内蔵したメモリを有することが好ましい。筺体12は、プレート16のメモリから識別情報を読み出してプレート16の種別を識別する制御部を収容していることが好ましい。これにより、筺体12は、取り付けられたプレート16の種別を自動で認識することができる。
【0023】
プレート16は、その表面に画像18が印字されているだけであり、実際のハードキーを備える必要が無い。これにより、実際のハードキーを搭載した携帯情報端末よりも薄型化が可能である。もしくは、プレート16にハードキー以外の様々な部品を搭載するスペースが確保されるため、プレート16に様々な機能を持たせることも可能である。プレート16は、電子部品を搭載せず、表面に画像18が形成された単なる板であっても良い。
【0024】
タッチパネル部が表示部上に固定された携帯情報端末では、表示部の一部に常にタッチする位置を特定するための画像を表示する必要がある。そのため、その他の画像を表示する領域が狭くなるという問題がある。これに対し、本実施形態の携帯情報端末10では、タッチパネル部14がプレート16の画像領域19を覆った状態で携帯情報端末10を使用する場合には、その他の画像を表示するために表示部全体を使用することができる。また、プレート16の一面全体を画像領域19とすることもできるため、入力用の画像18を十分に大きくすることができる。これにより、ユーザによる入力ミスを抑制することができるという利点もある。
【0025】
次に、図5を参照して第2の実施形態の携帯情報端末について説明する。この携帯情報端末20は、表示部23を有する筺体22と、筺体22に取り付けられたタッチパネル部24と、筺体22にコネクタ27を介して着脱可能なプレート26とを有する。プレート26の表面に、ユーザがタッチする位置を特定するための所定の画像が形成されている。以下では、第1の実施形態の携帯情報端末10と異なる構成について説明する。
【0026】
第2の実施形態の携帯情報端末20では、タッチパネル部24がヒンジ25によって筺体22に対して回動自在に構成されている。具体的には、筺体22の一端辺付近とタッチパネル部24の一端辺付近とが、ヒンジ25によって互いに接続されている。これにより、タッチパネル部24は、図5(a)に示すように表示部23を覆う位置と、図5(b)に示すように筺体22に取り付けられたプレート26の画像領域を覆う位置と、の間で回動自在になっている。
【0027】
タッチパネル部24が表示部23を覆っているときと、タッチパネル部24がプレート26の画像領域を覆っているときとでは、タッチパネル部24は反対の面が外側に向けられる。したがって、タッチパネル部24は、どちらの面からでもタッチ入力できるものとする。
【0028】
これに対し、第1の実施形態の携帯情報端末10では、タッチパネル部14がスライド構造であるため、常にタッチパネル部14の一方の面が外側に向けられる。したがって、タッチパネル部14は、一方の面からのみタッチ入力できるものであって良い。
【0029】
以上、本発明の望ましい実施形態について提示し、詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない限り、さまざまな変更及び修正が可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0030】
10,20 携帯情報端末
12,22 筺体
13,23 表示部
14,24 タッチパネル部
25 ヒンジ
16,26 プレート
17,27 コネクタ
18 画像
19 画像領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を有する筺体と、前記筺体に取り付けられたタッチパネル部と、ユーザがタッチする位置を特定するための所定の画像が形成された画像領域を有するプレートと、を有し、
前記プレートはコネクタを介して前記筺体と着脱可能に構成されており、
前記タッチパネル部は、前記筺体の前記表示部を覆う位置と、前記筺体に取り付けられた前記プレートの前記画像領域を覆う位置と、の間を移動可能に構成されている、携帯情報端末。
【請求項2】
前記タッチパネル部は、前記筺体に対してスライド可能に構成されている、請求項1に記載の携帯情報端末。
【請求項3】
前記タッチパネル部は、前記筺体に対して回動自在に構成されている、請求項1に記載の携帯情報端末。
【請求項4】
前記プレートは、該プレートの種別を特定する識別情報を内蔵したメモリを有し、前記筺体は、前記メモリから前記識別情報を読み出して前記プレートの種別を識別する制御部を有している、請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯情報端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−133554(P2012−133554A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284679(P2010−284679)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】