説明

携帯機

【課題】携帯機において、より操作性及び視認性を向上させることにある。
【解決手段】電子キー10は車載機20からの点灯要求信号を受信したとき、自身のバックライト14a,14bを点灯させることで両スイッチ16,17を照明する。従って、電子キー10における両スイッチ16,17の位置が認識し易くなって、特に夜間における両スイッチ16,17の操作が容易となる。これにより、電子キー10の操作性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、無線通信を通じて制御対象の制御を実行する携帯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両等には電子キー(携帯機)との無線通信を通じてドアの施解錠が可能となる電子キーシステムが搭載されている。この電子キーには施錠スイッチや解錠スイッチ等の各種スイッチが配置されている。これらスイッチが操作されることで、電子キーから車両に制御を要求する無線信号が送信される。これにより、遠隔で車両ドアの施解錠等が可能となる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−54525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電子キーは一般的に各種スイッチを含めて黒一色で構成されている。このため、一見したところスイッチの位置がわかりづらく、スムーズな操作が困難である。また、たとえ、スイッチのみ他の部位と異なる配色がされていたとしても、特に夜間においては依然としてスイッチを選択的に操作することは困難である。
【0005】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より操作性及び視認性を向上させた携帯機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、制御対象との間での無線通信を通じて同制御対象を制御する携帯機において、前記制御対象に制御要求信号を送信する際に操作される制御要求スイッチと、点灯することで前記制御要求スイッチを照明するライトと、前記制御対象から送信される第1の無線信号を受信したとき、前記ライトを点灯させる制御装置と、を備えたことをその要旨としている。
【0007】
同構成によれば、携帯機は、制御対象からの第1の無線信号を受信したとき、制御対象に接近したとして自身のライトを点灯させることで制御要求スイッチを照明する。従って、携帯機における制御要求スイッチの位置が認識し易くなって、特に夜間における制御要求スイッチの操作が容易となる。これにより、携帯機の操作性及び視認性を向上させることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の携帯機において、前記制御対象は、前記制御要求信号の受信に基づく制御の実行が完了したとき、第2の無線信号を送信し、前記制御装置は、前記第2の無線信号を受信したとき、前記ライトを消灯することをその要旨としている。
【0009】
同構成によれば、携帯機における制御要求スイッチの操作を通じた制御対象の制御の実行が完了した後に制御要求スイッチの照明が消灯される。これにより、制御要求スイッチの照明に関する消費電力を低減することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の携帯機において、前記制御要求スイッチは、前記制御対象を第1の状態から第2の状態とすることを要求する旨の第1の制御要求スイッチと、前記制御対象を前記第2の状態から前記第1の状態とすることを要求する旨の第2の制御要求スイッチと、を備え、前記制御対象は、前記第1の無線信号に現在の自身の状態の情報を含ませて送信し、前記制御装置は、受信した前記第1の無線信号に含まれる情報に基づき、前記制御対象の状態が前記第1の状態である旨認識したとき前記第1の制御要求スイッチを照明し、前記制御対象の状態が前記第2の状態である旨認識したとき前記第2の制御要求スイッチを照明することをその要旨としている。
【0011】
同構成によれば、携帯機において有効な操作が可能となるスイッチのみが照明される。すなわち、制御対象が第1の状態にあればその状態から第2の状態とする第1の制御要求スイッチが照明されて、制御対象が第2の状態にあればその状態から第1の状態とする第2の制御要求スイッチが照明される。これにより、ユーザは光っているスイッチを操作すればよく、スイッチの誤操作が抑制される。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の携帯機において、前記制御装置は、前記ライトの点灯から一定時間が経過したとき、前記ライトを消灯することをその要旨としている。
【0013】
同構成によれば、携帯機におけるライトは点灯から一定時間を経過したときに消灯される。これにより、制御要求スイッチの照明に関する消費電力を低減することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の携帯機において、前記制御対象は、自身の状態が前記第1及び第2の状態間で切り替わったとき、前記第1の無線信号を送信することをその要旨としている。
【0014】
同構成によれば、制御対象の状態が第1及び第2の状態間で切り替わったときにも、携帯機において有効な操作が可能となる第1又は第2の制御要求スイッチを迅速に照明することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、携帯機において、より操作性及び視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】電子キーシステムの構成図。
【図2】車両の上面図。
【図3】電子キー制御部の処理手順を示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる携帯機を電子キーシステムに具体化した第1の実施形態について図1〜図3を参照して説明する。
【0018】
図1に示すように、電子キーシステムは、ユーザにより所持される電子キー10と、車両2に設けられる車載機20とを備え、電子キー10から車載機20への無線信号の送信を通じて車両ドアの施解錠が可能となる。以下、電子キー10及び車載機20の構成について説明する。
【0019】
<電子キー>
図1に示すように、電子キー10は、電子キー制御部11と、キー受信部12と、キー送信部13と、解錠スイッチ16と、施錠スイッチ17と、バックライト14a,14bとを備える。
【0020】
電子キー制御部11はコンピュータユニットによって構成されるとともに、不揮発性のメモリ11aと、タイマ11bとを備える。このメモリ11aには電子キー10に固有のIDコードが記憶されている。また、タイマ11bは、バックライト14a,14bの点灯時間を計測する。
【0021】
解錠スイッチ16及び施錠スイッチ17は、電子キー10の表面に押し操作可能に配置されている。また、電子キー10の内部における解錠スイッチ16及び施錠スイッチ17に対応する位置にはそれぞれバックライト14a,14bが設けられている。バックライト14a,14bは、例えばLED(発光ダイオード)で構成されるとともに、解錠スイッチ16及び施錠スイッチ17(正確にはその操作部分)をその背面から照明する。電子キー制御部11は、バックライト14aを点灯することで解錠スイッチ16を光らせるとともに、バックライト14bを点灯することで施錠スイッチ17を光らせる。
【0022】
解錠スイッチ16又は施錠スイッチ17は操作されるとその旨を示す操作信号を電子キー制御部11へ出力する。
電子キー制御部11は、解錠スイッチ16が操作された旨の操作信号を受けると、自身のメモリ11aに記憶されるIDコードを含む車両ドアの解錠を要求する旨の解錠要求信号を生成し、それをキー送信部13に出力する。キー送信部13は、電子キー制御部11から入力された解錠要求信号を変調し、それを送信アンテナ13aを介してUHF(Ultra High Frequency)帯の無線信号として送信する。電子キー制御部11は、施錠スイッチ17が操作された旨の操作信号を受けた場合も、上記と同様に、IDコードを含むドアの施錠を要求する旨の施錠要求信号を、キー送信部13を介して無線送信する。
【0023】
図2に示すように、車両2のエンジンが停止した状態において車載機20からは車両の周辺に一定周期毎にUHF帯の点灯要求信号が送信される。また、車両ドアの施解錠状態が切り替わったとき車載機20から車両の周辺にUHF帯の車両状態信号が送信される。点灯要求信号及び車両状態信号は、例えば車両を中心とした半径10mのエリアAに送信される。なお、このエリアAは、上記解錠要求信号及び施錠要求信号の送信エリアでもある。すなわち、電子キー10は、エリアA内において解錠要求信号等を車載機20に送信することができる。換言すると、解錠要求信号等の電波到達距離はエリアAに応じた距離(例えば10m)に設定されている。
【0024】
ユーザに携帯される電子キー10がエリアAに進入すると、そのキー受信部12は、自身の受信アンテナ12aを介して点灯要求信号及び車両状態信号を受信する。そして、キー受信部12は、その受信信号を復調したうえで電子キー制御部11に出力する。
【0025】
電子キー制御部11は、図2の下側に拡大して示すように、点灯要求信号を認識すると、バックライト14a,14bを点灯することで、両スイッチ16,17を照明する。これにより、ユーザは特に夜間において電子キー10における両スイッチ16,17の位置を認識し易くなる。また、ユーザは両スイッチ16,17が照明されることで、エリアAに入ったこと、換言すると両スイッチ16,17の有効な操作が可能となったことを認識できる。
【0026】
また、電子キー制御部11は、バックライト14a,14bの点灯中に車載機20からの車両状態信号を認識すると、バックライト14a,14bを消灯する。
さらに、電子キー制御部11は、タイマ11bを通じてバックライト14a,14bの点灯開始からの点灯時間を計測する。そして、電子キー制御部11は、車両状態信号を受信しない場合であっても、点灯時間が一定時間を経過したとき、バックライト14a,14bを消灯する。以上のように、適宜、バックライト14a,14bを消灯することで、バックライト14a,14bの点灯に関する電力消費を低減することができる。
【0027】
<車載機>
図1に示すように、車載機20は、車載制御部21と、車外送信部22と、車載受信部24と、を備える。また、車載制御部21にはドアロック装置35が電気的に接続されている。
【0028】
車載制御部21はコンピュータユニットにて構成されるとともに、不揮発性のメモリ21aを備える。このメモリ21aには電子キー10のIDコードと同一のIDコードが記憶されている。
【0029】
車載受信部24は、自身の受信アンテナ24aを通じて受信した解錠要求信号又は施錠要求信号を復調して、それを車載制御部21に出力する。車載制御部21は、車載受信部24からの解錠要求信号を認識すると、解錠要求信号に含まれるIDコードと、メモリ21aに記憶されるIDコードとの照合を行う。車載制御部21は、このIDコードの照合が成立した旨判断したとき車両ドアを解錠する。これと同様に、車載制御部21は、施錠要求信号に含まれるIDコードについての照合が成立した旨判断したとき車両ドアを施錠する。
【0030】
車載制御部21は、エンジン停止状態において、一定周期毎に点灯要求信号を生成し、それを車外送信部22に出力する。車外送信部22は、車載制御部21から入力された点灯要求信号を変調し、それを送信アンテナ22aを介してUHF帯の無線信号として送信する。
【0031】
ここで、ドアロック装置35はキーシリンダ35aを備える。メカニカルキーをキーシリンダ35aに挿入した状態で回動されることで、機械的に車両ドアの施解錠状態の切り替えが実行される。
【0032】
また、車載制御部21は、電子キー10又はキーシリンダ35aを通じて車両ドアの施解錠状態が切り替わったとき車両状態信号を生成し、それを車外送信部22に出力する。車外送信部22は、車載制御部21から入力された車両状態信号を変調し、それを送信アンテナ22aを介してUHF帯の無線信号として送信する。
【0033】
なお、点灯要求信号は第1の無線信号に相当し、車両状態信号は第2の無線信号に相当する。
次に、電子キー制御部11の処理手順について図3のフローチャートに従って説明する。当該フローチャートは所定の制御周期毎に実行される。
【0034】
まず、点灯要求信号の受信が待たれる(S101でNO)。点灯要求信号が受信されると(S101でYES)、バックライト14a,14bを点灯させる(S102)。そして、タイマ11bを通じて点灯時間の計測が開始される(S103)。
【0035】
そして、解錠スイッチ16の操作の有無が判断される(S104)。解錠スイッチ16の操作がある旨判断されたときには(S104でYES)、解錠要求信号が送信される(S105)。解錠スイッチ16の操作がない旨判断されたときには(S104でNO)、施錠スイッチ17の操作の有無が判断される(S106)。施錠スイッチ17の操作がある旨判断されたときには(S106でYES)、施錠要求信号が送信される(S107)。
【0036】
施錠要求信号又は解錠要求信号が送信されたときには(S105又はS107)、車両状態信号が受信されるか否かが判断される(S108)。車両状態信号を受信した旨判断されたとき(S108でYES)、施錠要求信号又は解錠要求信号を通じて車両ドアの施解錠状態が切り替えられたとして、バックライト14a,14bが消灯される(S109)。そして、点灯時間の計測を終了して、リセットした後(S110)、処理が終了される。
【0037】
一方、車両状態信号を受信できない旨判断されたとき(S108でNO)、点灯時間が一定時間を経過するか否かが判断される(S111)。ステップS108でNOとなる場合としては、例えば電子キー10が点灯要求信号を受けた後にエリアA外となる等の理由で施錠要求信号又は解錠要求信号の送信に関わらず、車両ドアの施解錠状態が切り替えられないことが考えられる。点灯時間が一定時間を経過しない場合には(S111でNO)、再び解錠スイッチ16の操作の有無が判断される(S104)。
【0038】
点灯時間が一定時間を経過した旨判断されたとき(S111でYES)、バックライト14a,14bが消灯される(S109)。そして、タイマ11bをリセットした後(S110)、処理が終了される。
【0039】
一方、解錠スイッチ16及び施錠スイッチ17の操作がない旨判断された場合(S104及びS106でNO)、車両状態信号が受信されるか否かが判断される(S108)。
車両状態信号を受信しない旨判断されたとき(S108でNO)、点灯時間が一定時間を経過するか否かが判断され(S111)、点灯時間が一定時間を経過しない旨判断されたとき(S111でNO)、再び、解錠スイッチ16及び施錠スイッチ17の操作の有無が判断される(S104及びS106)。すなわち、車両状態信号を受信しない限り、一定時間に亘って解錠スイッチ16及び施錠スイッチ17の操作の有無が監視される。
【0040】
ステップS106でNOの処理を経て車両状態信号を受信した旨判断されたとき(S108でYES)、メカニカルキー及びキーシリンダ35aを通じて手動で車両ドアの施解錠状態が切り替えられたとして、バックライト14a,14bを消灯させる(S109)。そして、タイマ11bをリセットした後(S110)、処理が終了される。
【0041】
以上、説明した実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)電子キー10は車載機20からの点灯要求信号を受信したとき、自身のバックライト14a,14bを点灯させることで両スイッチ16,17を照明する。従って、電子キー10における両スイッチ16,17の位置が認識し易くなって、特に夜間における両スイッチ16,17の操作が容易となる。これにより、電子キー10の操作性及び視認性を向上させることができる。
【0042】
(2)電子キー10における両スイッチ16,17の操作を通じた車両ドアの施解錠が完了した後に、車両状態信号を通じて両スイッチ16,17の照明が消灯される。従って、両スイッチ16,17の操作が必要なときにのみ両スイッチ16,17を照明して、不要なときにはそれを消灯することができる。これにより、両スイッチ16,17の照明に関する消費電力を低減することができる。また、ユーザは両スイッチ16,17の照明を通じて、何れかのスイッチの操作が有効な状態であることを認識できる。さらに、ユーザは両スイッチ16,17における照明の消灯を通じて車両ドアの施解錠状態の切り替えが完了したことを認識することができる。
【0043】
(3)バックライト14a,14bは点灯から一定時間を経過したときに消灯される。これにより、電子キー10がたとえ車両状態信号を受信できなかった場合であっても点灯が継続することがないので両スイッチ16,17の照明に関する消費電力を低減することができる。
【0044】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。この実施形態の電子キーは、操作が有効となるスイッチのみが照明される点が上記第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、この実施形態の電子キーシステムは、図1に示す第1の実施形態と同様の構成を備えている。
【0045】
車載制御部21は、点灯要求信号に現在の車両ドアの施解錠状態に関する情報を含ませて、車外送信部22を通じて無線送信する。
電子キー制御部11は、認識した点灯要求信号に含まれる現在の車両ドアの施解錠状態に関する情報に基づき、両バックライト14a,14bの何れかを点灯する。具体的には、電子キー制御部11は、車両ドアが施錠状態にあるとき、バックライト14aを点灯することで解錠スイッチ16を光らせる。電子キー制御部11は、車両ドアが解錠状態にあるとき、バックライト14bを点灯することで施錠スイッチ17を光らせる。
【0046】
以上、説明した実施形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(3)の効果に加え、以下の効果を奏することができる。
(4)電子キー10において有効な操作が可能となるスイッチのみが照明される。すなわち、車両ドアが施錠状態にあればそれを解錠状態とする解錠スイッチ16が照明され、車両ドアが解錠状態にあればそれを施錠状態とする施錠スイッチ17が照明される。従って、ユーザは照明されているスイッチを操作すればよく、スイッチの誤操作が抑制される。また、操作性も向上する。
【0047】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記両実施形態においては、メカニカルキーを使用して手動にて車両ドアの施解錠状態が切り替えられたときにも、車両状態信号を通じてバックライト14a,14bが消灯されていた。しかし、手動で車両ドアの施解錠状態が切り替えられた場合にはバックライト14a,14bが消灯されないように構成されてもよい。この場合、車載制御部21は、キーシリンダ35aを通じて車両ドアの施解錠状態が切り替えられたときには、車両状態信号を生成しない。また、図3のフローチャートにおいては、施錠スイッチ17の操作がない旨判断された場合(S106でNO)、車両状態信号の受信の有無が判断(S108)されることなく、一定時間の経過が判断される(S111)。以降の処理は同様である。
【0048】
・上記両実施形態においては、車両ドアの施解錠状態を切り替える携帯機として電子キー10が採用されていた。しかし、携帯機であれば電子キー10に限らず、例えば携帯電話であってもよい。近年、携帯電話には短距離無線通信機能が搭載されている。携帯電話は、自身の短距離無線通信機能を利用して、車載機20との間で無線通信を行う。携帯電話における短距離無線通信機能部は、図1に示した電子キー10とほぼ同様の構成からなる。携帯電話は、解錠スイッチ16又は施錠スイッチ17に替えて既存のテンキーを備え、同テンキーの操作を通じて施錠要求信号等を送信する。
【0049】
上記両実施形態と同様に、車載機20及び携帯電話間で施錠及び解錠要求信号、点灯要求信号並びに車両状態信号を送受信する。本構成においても、携帯電話は点灯要求信号を受信すると、テンキーのバックライトを点灯する。また、一定時間の経過や、車両状態信号の受信によりバックライトが消灯される。これにより、上記両実施形態と同様の効果が得られる。
【0050】
・上記両実施形態における電子キー10は制御対象である車載機20との無線通信を通じて車両ドアの施解錠が可能であったが、例えばスライドドアやトランクの開閉が可能であってもよい。本構成においても、車載機20はエンジン停止状態において点灯要求信号を送信するとともに、スライドドア等の開閉状態が切り替わったとき車両状態信号を送信する。これにより、電子キー10におけるスライドドアやトランクを開閉する際に操作されるスイッチを適切なタイミングで照明することができる。また、制御対象は車両用に限らず住宅用のドアロック装置であってもよい。
【0051】
・上記両実施形態においては、電子キーシステムとして、電子キー10のキー操作を通じて車両ドアの施解錠状態を切り替えるワイヤレスキーシステムが採用されていた。しかし、このシステムに加えて、電子キー10のキー操作なしで車両ドアの施解錠状態の切り替えを可能とする、いわゆるキー操作フリーシステムを採用してもよい。具体的には、車載機20は、車両2の周辺にリクエスト信号を送信する。電子キー10は、リクエスト信号を受信すると、同リクエスト信号に対してレスポンス信号を返信する。車両2は、レスポンス信号の妥当性を確認すると、車両ドアを解錠可能状態とする。この状態において、例えば、車両ドアに設けられるタッチセンサに触れる、若しくはドアハンドルスイッチが押し操作されると車両ドアが解錠される。解錠可能状態において、ドアハンドルスイッチが再び押し操作されると車両ドアが施錠される。
【0052】
本システムにおいては、車載機20にはリクエスト信号を送信する構成、電子キー10にはリクエスト信号を受信する構成が新たに必要となる。これら構成を、上記両実施形態における点灯要求信号等を送受信する構成(車外送信部22及びキー受信部12)と共用することで、上記両キーシステムが搭載されている車両については、新たな構成を追加することなく、上記両実施形態における発明を適用することができる。
【0053】
・第2の実施形態において、車載制御部21は車両ドアの施解錠状態が切り替わったときに点灯要求信号を送信してもよい。これにより、車両ドアの施解錠状態が切り替わったときには、有効な操作が可能となるスイッチ16,17のみを迅速に照明することができる。
【0054】
・第1の実施形態における点灯要求信号及び車両状態信号の両方に現在の車両ドアの施解錠状態に関する情報を含ませてもよい。この場合、まず、電子キー制御部11は、点灯要求信号に含まれる車両ドアの施解錠状態を認識する。そして、この施解錠状態と、車両状態信号に含まれる車両ドアの施解錠状態との間で状態が切り替えられている旨判断したとき、バックライト14a,14bを消灯する。本構成によれば、電子キー10においてより確実に車両ドアの施解錠状態の切り替わりを認識できる。
【0055】
・上記両実施形態においては、バックライトによって解錠スイッチ16及び施錠スイッチ17はその背面から照明されていた。しかし、解錠スイッチ16及び施錠スイッチ17が照明されていれば、バックライトに限らず、解錠スイッチ16及び施錠スイッチ17に隣接するライトが点灯する構成であってもよい。
【0056】
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想をその効果と共に記載する。
(イ)請求項3に記載の携帯機において、前記第1の状態は施錠状態であるとともに、前記第2の状態は解錠状態である携帯機。
【符号の説明】
【0057】
11…電子キー制御部(制御装置)、12…キー受信部、13…キー送信部、14a,14b…バックライト、16…解錠スイッチ、17…施錠スイッチ、20…車載機、21…車載制御部、22…車外送信部、24…車載受信部、35…ドアロック装置、35a…キーシリンダ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御対象との間での無線通信を通じて同制御対象を制御する携帯機において、
前記制御対象に制御要求信号を送信する際に操作される制御要求スイッチと、
点灯することで前記制御要求スイッチを照明するライトと、
前記制御対象から送信される第1の無線信号を受信したとき、前記ライトを点灯させる制御装置と、を備えた携帯機。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯機において、
前記制御対象は、前記制御要求信号の受信に基づく制御の実行が完了したとき、第2の無線信号を送信し、
前記制御装置は、前記第2の無線信号を受信したとき、前記ライトを消灯する携帯機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の携帯機において、
前記制御要求スイッチは、前記制御対象を第1の状態から第2の状態とすることを要求する旨の第1の制御要求スイッチと、前記制御対象を前記第2の状態から前記第1の状態とすることを要求する旨の第2の制御要求スイッチと、を備え、
前記制御対象は、前記第1の無線信号に現在の自身の状態の情報を含ませて送信し、
前記制御装置は、受信した前記第1の無線信号に含まれる情報に基づき、前記制御対象の状態が前記第1の状態である旨認識したとき前記第1の制御要求スイッチを照明し、前記制御対象の状態が前記第2の状態である旨認識したとき前記第2の制御要求スイッチを照明する携帯機。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の携帯機において、前記制御装置は、前記ライトの点灯から一定時間が経過したとき、前記ライトを消灯する携帯機。
【請求項5】
請求項3に記載の携帯機において、
前記制御対象は、自身の状態が前記第1及び第2の状態間で切り替わったとき、前記第1の無線信号を送信する携帯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−214996(P2012−214996A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79838(P2011−79838)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】