説明

携帯無線機

【課題】 持ち易くて扱い易い携帯無線機を提供する。
【解決手段】 携帯無線機1の外部筐体の端部側に、先端にフック部3を有するグリップ部1bを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯無線機に係り、特にフック形状をしたグリップを備えた携帯無線機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯無線機としては、通常、外部筐体が略直方体をなし、その筐体からアンテナが突出するようにした携帯無線機が知られている(例えば下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−274775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、携帯無線機として特に業務用携帯無線機においては、一般に普及しているものよりも堅牢性を有し、かつ高出力のものが要求される。
それにより本体とバッテリ共に大型となり、重量では通常のものよりも2〜3倍程度大きくなる。さらに、携帯無線機本体は直接手で持つのが普通であるが、手で持つためには、少し形状が大きく、従って取り扱い難いものとなっている。その結果、携帯無線機を落として破損や故障を招き易く、またアンテナ部を把持しての持ち運びや使用により、アンテナ部の破損や故障も招き易くなるという問題点があった。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、持ち易くて扱い易い携帯無線機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明は、携帯無線機の外部筐体の端部側に、先端がフック形状とされたグリップ部を設けるようにした。
このような構成とすることにより、携帯無線機の把持が容易となり、扱い易く、落とし難いものとなる。またフック形状の部分に指を引っ掛けることのみで持ち運びも容易に行うことができる。
【0007】
また、実施の形態においては、そのグリップ部に充電用端子を設け、例えばハンガーのように、フックを充電器の懸架部に吊るすことで、充電器の電源端子とグリップ部の充電用端子とが接触し易くし、確実に充電を行うことができるようにしている。なお、この充電用端子は、フック形状に沿って設けることで、あるいは、充電器の電源端子を懸架部の外周に沿った形状とすることで、携帯無線機を充電器に懸架した場合に、多少の傾き等が生じても確実に端子同士が接触を行うことができ、充電の確実性を高めることができる。
【0008】
なお、グリップ部を把持した場合に、例えば親指等、把持するに必要の無い指において携帯無線機のPTT(Push to talk)ボタンを押下できるように、PTTボタンと把持部の位置関係を設けるようにすることで、携帯無線機を把持したままPTTボタンを容易に扱え、ひいては携帯無線機の取り扱いが極めて容易となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、持ち易くて扱い易い携帯無線機を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態における全体構成を示す斜視図である。
【図2】本実施の形態における該携帯無線機の充電器を示す斜視図である。
【図3】図2で示した充電器で図1で示した携帯無線機を充電している様子を示す斜視図である。
【図4】(a)(b)は、それぞれフック部を充電器の懸架部に引っ掛けた様子を示す図3の平面断面図、図3のA方向矢視図である。
【図5】充電の様子を示す断面側面図である。
【図6】携帯無線機が図5に示す状態から多少傾いて円柱部に吊り下げられた場合を示す図(その1)である。
【図7】携帯無線機が図5に示す状態から多少傾いて円柱部に吊り下げられた場合を示す図(その2)である。
【図8】左手を用いて携帯無線機を取り扱う例を示す図である。
【図9】右手を用いて携帯無線機を取り扱う例を示す図である。
【図10】フック部に一本の指(例えば人差し指)を引っ掛けて携帯無線機を持ち運ぶ様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図を用いて説明する。
【0012】
図1は本発明の実施の形態における全体構成を示す斜視図、図2は本実施の形態における携帯無線機の充電器を示す斜視図、図3は図2で示した充電器で図1で示した携帯無線機を充電している様子を示す斜視図、図4(a)(b)は、それぞれフック部を充電器の懸架部に引っ掛けた様子を示す図3の平面断面図、図3のA方向矢視図、図5は充電の様子を示す断面側面図である。
【0013】
携帯無線機1は、その本体部1aと把持部(グリップ部)1bを有する。本体部1aにおける外部筐体は、正面視でその上端部1cが円弧状をなし、側面視で略長方形状をなしている。本体部外部筐体の正面には、ディスプレイ1d及びキーボタン1eが設けられ、本体部外部筐体の側面には、下部近傍にPTTボタン6が設けられている。
【0014】
把持部1bは、その正面視における右側縁が本体部の右側縁をほぼ下方に、又は若干左方に寄せるように延長されるとともに、把持部1bの左側縁が本体部1aの左側縁を右側縁に近づけるようになだらかに延長されてなり、その把持部1bの横断面周縁長は本体部1aの横断面周縁長よりも短くなるように形成されている。そして、その把持部1bの先端部が湾曲するフック形状とされ、フック部3が設けられている。
【0015】
そして、そのフック部3の両側には、フック部3のフック形状に沿うように、所定長さを有する略円弧状の充電用端子(充電用接点)4が設けられている。またフック部3の先端には後述する充電器7への挿入が容易なようにフィレット5が設けられている。
【0016】
充電器7は携帯無線機のフック部3を挿入し易いように、充電器7の開口部7aの対向壁面7b上部には、フィレット10が設けられ、その対向壁面7b下部には、対向壁面7bを懸架するように円柱部(懸架部)8が設けられている。この円柱部8には、携帯無線機1のフック部3が吊り下げられる。このとき、フック部3の側部に設けられた充電用端子4に充電器7の電源端子9が接触するよう、合対向する対向壁面7bを懸架する円柱部8近傍に、充電器7の電源端子9が設けられている。充電用端子4の円弧と円柱部8の外周面は同心円状となっている。
【0017】
そして、充電器7の円柱部8に携帯無線機1のフック部3を引っ掛けた際に、図5に示すように、フック部3の充電用端子(接点)4に充電器の電源端子9が接触し充電を行うことができる。フック部3の充電用端子4は、円弧状の線状とされているため、図6、図7に示されるように、携帯無線機1が図5に示す状態から多少傾いて円柱部8に吊り下げられた場合でも充電器7の電源端子9とフック部3の充電用端子4は確実に接触することができ、携帯無線機1の傾きが多少変動しても確実に充電を行うことができる。なお、本実施形態では、フック部3の充電用端子を円弧状(線状)とし、充電器側の電源端子を点状としたが、逆でも良いことは言うまでもない。
【0018】
なお、充電器は、壁掛け設置や天井設置等とすることにより、床やテーブル上以外のスペースを利用することができ、その円柱部に携帯無線機のフック部を吊り下げようにすることにより、携帯無線機を充電しながら、スペースをとることなく、保管することも可能となる。
【0019】
図8ないし図10は本実施の形態の携帯無線機の持ち方、扱い方を示す説明図である。図8は、左手を用いて携帯無線機を取り扱う例であり、親指で携帯無線機の正面視左縁部を押さえ、小指、薬指、中指でグリップ部1bを把持し、人指指でPTTボタン6を操作する様子を示している。
【0020】
図9は右手を用いて携帯無線機を取り扱う例であり、人指し指で携帯無線機の正面視左縁部を押さえ、小指、薬指、中指でグリップ部を把持し、親指でPTTボタンを操作する様子を示している。
【0021】
図10は、フック部に一本の指(例えば人差し指)を引っ掛けて携帯無線機を持ち運ぶ様子を示している。
【0022】
このように、本実施の形態における携帯無線機によれば、左右のどちらの手を使っても、その取り扱い、及び持ち運びが容易である。
【0023】
以上の構成において、例えば携帯無線機のアンテナは本体部1内に保持することができるが、グリップ部に設けるようにしても良い。
【符号の説明】
【0024】
1 携帯無線機、1a 携帯無線機本体部、1b 把持部(グリップ部)、3 フック部、4 充電用端子、7 充電器、9 電源端子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯無線機の外部筐体の端部側に、先端がフック形状とされたグリップ部を設けた携帯無線機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−161522(P2010−161522A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−1260(P2009−1260)
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】