説明

携帯無線端末

【課題】受信したメールを、送信元のイメージした内容で閲覧できるようにする。
【解決手段】 メールを受信すると、携帯電話機の制御部は、1行あたりの表示文字数を変更するための学習機能が設定されているかどうかを確認し(S12)、設定されていない場合は、携帯電話機の初期設定にてメールを開いて表示部に表示する(S18)。1行あたりの表示文字数を変更するための学習機能が設定されている場合は、制御部はメール内容から、判定対象となり得る文章を選定して解析し(S13)、改行ズレがあると判断した場合(S14,YES)、受信携帯電話機の表示部における1行あたりの表示文字数を、メール送信元の携帯電話機の表示部で表示できる1行あたりの表示文字数と一致させるように修正して(S15)、受信メールを表示する(S17)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メール機能を有する携帯電話機等の携帯無線端末に関し、メール文章を液晶表示画面に表示する際の文章のレイアウト技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子メール機能を備えた携帯電話機は広く普及しており、ユーザがこの端末で電子メールによる通信を行う場合、電子メールの宛先となる端末装置の画面に電子メールが読みやすく表示されるように、端末装置の画面上でスペースや改行などを挿入することにより電子メールの文章の体裁を整える場合がある。このようにすると、宛先が同じ機種の携帯端末装置である場合、受信した携帯端末装置の画面には、送信元の携帯端末装置の画面で確認したのと同等の体裁の文章が表示される。
【0003】
しかし、利用している通信会社や携帯電話機の機種の違いにより、宛先の携帯電話機の表示機能が異なる場合には、メール作成側の意図している通りに情報を伝達できないことがある。例えば、メール文章における液晶表示画面のサイズによる見え方や文字サイズの違いによる改行文字数の違いにより、メール作成側のイメージが違った形で閲覧側に伝わってしまうことが頻繁に起こり得る。また、この場合作成側が気付いていないケースがほとんどであり修正が困難である。
【0004】
従来、送受信側の表示形態が異なっている装置間で送受信される電子メールにおいて、受信メールを読み易くするための技術が種々提案されている。例えば特許文献1では、文字情報を受信する無線手段と、該無線手段により受信した文字情報を記憶する表示文字情報記憶手段と、該表示文字情報記憶手段により記憶された文字情報を解析し、表示幅を調整する表示幅調整手段と、該表示幅調整手段により表示幅の調整された文字情報を表示する表示手段を備え、表示幅の調整が必要と判断した行の文字情報の表示幅を自動調整することにより、機種間の相違等によって起こる改行ずれ、及び本来行頭にあるべきでない句読点、ピリオド等の改行を解消している。
【0005】
また特許文献2では、メール送付先のメールアドレスを登録するメールアドレス登録手段に事前に通信相手側の機種情報を入手して登録しておき、メール送信宛先アドレスから通信相手側の機種を判定してメール表示条件を求め、この求められたメール表示条件に応じてメール作成時の作成表示条件を設定するメール作成表示条件設定手段を備え、メール作成時に、受信装置のメール表示条件に合せた作成表示条件でメールを作成することにより、機種の異なる受信装置であっても読み易い表示形態で電子メールを表示させることを可能にしている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−228853号公報
【特許文献2】特開2002−082877号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の発明の場合、表示部に文字情報(メール)を表示する際に、句読点等行頭にあるべきでない文字の改行を抑制でき、不必要な改行ずれ及び句読点のみが改行される状況を回避できるので、文字情報を表示する際の改行ずれから生ずる意思の誤解された伝達及び読み難さを解消することができるが、そのために該当する行の前の行に対して文字間隔を短縮する制御を行う必要が生じるという問題がある。さらに特許文献1に記載の発明では、受信メールから送信側の機種(表示機能)を判別することについては考慮されていない。
【0008】
また特許文献2に記載の発明の場合、事前に通信相手側の機種情報を入手して登録しておき、メール送信宛先アドレスから通信相手側の機種を判定してメール表示条件を求め、通信相手側の機種に合った表示フォーマットでメール送信を行うので、機種の異なる受信装置であっても読み易い表示形態で受信電子メールを表示させることが可能であるが、そのために、予め通信相手側の機種を登録しておかなければならないという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、送信側のメール表示機能を予め登録することなく、受信したメール文章から送信側のメール表示機能を受信端末側で判定し、自端末のメール表示機能を該判定したメール表示機能と合わせることにより、送信元のイメージした内容を閲覧できるようにする手段を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、前記受信したメールに対する返信メールを、前記判定したメール表示機能で送信することにより、送信元のメール表示機能を変更することなく、イメージした内容の返信メールを送信元の端末に表示させることを可能にする手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の受信メール表示部を有するメール機能付き携帯無線端末は、受信したメールを前記表示部に表示させた場合の表示内容を分析することにより、前記表示部の1行あたりの文字数表示機能と送信元の携帯電話機が有している表示部の1行あたりの文字数表示機能の相違を判定する送信元表示機能判定手段と、前記受信したメールの表示を、前記送信元表示機能判定手段により判定した前記送信元の携帯電話機が有している表示部の1行あたりの表示文字数に合わせて表示する表示設定変更手段を備えていることを特徴とする。
【0012】
具体的には、送信元表示機能判定手段は、受信したメールの内容(文章)を分析し、句読点や絵文字記号等の文の終わりの位置と、次の文の始まりの位置を参考として、文の改行位置にズレを見つけた場合、送信元と1行あたりの表示文字数に不一致が発生していると判断し、表示設定変更手段は、送信元と同一の表示内容を表示できるように1行あたりの表示文字数を自動的に変更することにより、送信元のイメージした通りの内容を受信先で閲覧できるように修正する機能を持つことを特徴とする。
【0013】
1行あたりの表示文字数の不一致判定は、受信したメールの最初の文章あるいは改行後の最初のマス目から始まる文章の少なくとも一つを判定対象として選定し、該選定した文章を自端末の表示部で表示すると当該文章の最後を示す句読点や絵文字記号等の区切り文字記号が、当該文章のN行目(Nは1以上の整数)において、前記区切り文字記号の次のマス目から当該行の最後までのマス目の個数がn×N個(nは1以上の整数)となる位置に現れ、かつ前記区切り文字記号の次のマス目から前記受信メールの次の文章が連続して表示されるとき、「メール送信元の携帯電話機の表示部が1行に表示できる領域は、受信側の携帯電話機(自端末)の表示部が1行に表示できる領域に比べて全角でn文字少ない」と判断する。
【0014】
また、自端末の表示部が1行に表示できる文字数から前記判定されたnの値を引いた値が予め設定した所定値よりも小さい場合には、前記判定結果を無効にして、表示文字数の変更制御は行わずに、携帯電話機(自端末)の初期設定(自端末の表示部が1行に表示できる文字数)にてメールを表示する。
【0015】
また、本発明の受信メール表示部を有するメール機能付き携帯無線端末は、前記送信元表示機能判定手段による前記判定の結果を、前記受信したメールの送信元メールアドレスと関連付けてメモリに記憶する記憶手段を備えている。
【0016】
そして使用者がこの携帯無線端末から送信メールの作成を開始すると、上記メモリに、前記判定の結果が宛先のメールアドレスと関連付けされて記憶されているか否かが検索され、入力された宛先のメールアドレスに前記判定の結果が関連付けされて記憶されているときには上記メモリからその判定結果が読み出され、前記表示設定変更手段は、判定結果に合うように当該携帯無線端末の表示部の1行あたりの表示文字数を変更する。
【0017】
したがって、使用者がキー操作部から入力した送信メールは、この変更されたメール作成画面により作成され、この変更されたメール作成画面のデータが宛先のメールアドレスに送信されるので、宛先の携帯無線端末の表示部には、上記変更されたメール作成画面により作成されたメールのレイアウトと同じレイアウトで表示される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、閲覧側の携帯無線端末が受信したメール内容を分析して、句読点や絵文字記号などの位置と文の始まりの位置を参考として、作成側との改行位置のズレを発見し自動的に修正するので、メールを作成した場合に作成側(送信元)と閲覧側(受信先)の液晶画面のサイズの見え方や文字サイズ設定による改行文字数が異なり、改行位置がずれてメール内容をそのままの形で伝えることができなくなる場合であっても、メール閲覧側の携帯無線端末がメール開封前に作成側の見え方を考慮した改行位置を自動的に閲覧画面に盛り込むことによって回避することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、本発明が適用可能な携帯電話機を示す外観図であり、図2は、図1に示す携帯電話機における本発明と関連する部分を示す内部ブロック図である。なお、携帯電話機には、図2に示すブロック構成以外に、アンテナ、無線部、音声処理部、スピーカ、マイク等の構成も備えているが、それらの構成は本発明と直接関係するものではないので、図2では図示を省略している。
【0020】
携帯電話機1の前面には、各種メッセージを表示する機能を有する液晶等からなる表示部11と、利用者が文章入力のために使う数字キーや各種設定を行うメニューキーなどのキー操作部12が設けられ、背面には電源供給を行うバッテリー13が設けられている。また、制御部21は、携帯電話機1が有する全ての機能の制御を行うが、本発明と関連する制御として、キー操作部12の文字キーが押下されたときその文字列を入力し、表示部11に表示させる制御や、メールアドレスなどを記憶しておくメモリ22の内容を読み出す制御、編集する制御などがある。メモリ22は、携帯電話機1の通話機能や電子メール機能などの各種機能を実現するためのプログラムや各種機能を実行するための設定等を記憶するとともに、受信メールアドレスの記憶、メール等の受信データの一時記憶等、各種のデータを記憶する。
【0021】
本実施形態では、制御部21は、送信元から受信したメールの内容を分析し、文の始まりの位置と句読点や絵文字記号の位置とを参考として、携帯電話機1(自端末)の表示部11に受信メールを表示すると文の改行位置にズレが生ずることを見つけた場合、送信元と1行あたりの表示文字数に不一致が発生していると判断し、送信元と同一の表示内容を表示できるように1行あたりの表示文字数を自動的に変更する。
【0022】
上記1行あたりの表示文字数の不一致判定にあたって、制御部21は、受信したメールの最初の文章あるいは改行後の最初のマス目から始まる文章の少なくとも一つを判定対象として選定し、該選定した文章を自端末の表示部で表示すると当該文章の最後を示す句読点や絵文字記号等の区切り文字記号の位置が、当該文章のN行(Nは1以上の整数)目となり、前記区切り文字記号の次のマス目から当該行の最後までのマス目の個数がn×N個(nは1以上の整数)であり、かつ前記区切り文字記号の次のマス目から前記受信メールの次の文章が連続して表示されると判定したとき、「メール送信元の携帯電話機の表示部が1行に表示できる領域は、受信側の携帯電話機(自端末)の表示部が1行に表示できる領域に比べて全角でn文字少ない。」と判断する。
【0023】
次に、制御部21による1行あたりの表示文字数自動変更動作の具体例について図3を参照して説明する。
【0024】
送信元が1行あたり全角12文字表示できる携帯電話機1で、図3(a)の例文を作成して送信を行ったとする。このとき、1行目の最後のマス目(12文字目)には文章の終わりを示す句読点が入力されているが、句読点が行の最後のマス目に入力されると改行動作を行わなくても文字入力位置が自動的に次の行の最初のマス目に移るので、この句読点と次の文章の最初の文字の間は改行入力が省略されてしまう。一方、図3(a)に示すメールを受信した受信先の携帯電話機1の表示機能が1行あたり全角13文字であった場合、未処理のままメール内容を閲覧すると、全角1文字分表示が多いためにズレが発生し、図3(b)に示すように、受信先の携帯電話機1の表示部11では、1行目に「。貯」まで表示されてしまい、送信元の表示形態と受信先が閲覧する表示形態に不一致が発生する。
【0025】
そこで、制御部21は、1行あたり全角13文字の表示機能を有する自端末の表示部に受信したメール内容が表示された場合の中身(図3(b))を分析し、受信したメールの最初の文章の1行目に句読点「。」があり、この句読点の次のマス目である1行目の最後のマス目に、次の文章の最初の文字「貯」が入力されていることから、送信元の表示部の1行あたりの表示文字数は、受信先(自端末)の表示部11の1行あたりの表示文字数(全角13文字)よりも1文字少ないと判断する。
【0026】
制御部21は、送信元のメールアドレスに、この受信メールから判断した内容を付加情報として関連付けを行ってメモリ22に格納する。そして、上記判断した内容をもとに受信先(自端末)の1行あたりの表示文字数を送信元と同一の設定に変更して(図3(c))、受信先で閲覧する内容を送信元が作成した内容と同一の状態で閲覧できるようにする(図3(d))。
【0027】
なお図3に示す例では、送信元の表示部の1行あたりの表示可能文字数(全角12文字)が、受信先(自端末)の表示部の1行あたりの表示可能文字数(全角13文字)よりも1文字少ない場合について説明したが、例えば、受信先(自端末)の表示部の1行あたりの表示可能文字数が全角14文字であれば、自端末の表示部に表示される受信メールの1行目の最後の3マス目には、「。貯金」と表示され、句読点の後に次の文章の2文字が表示されることになるので、制御部21は、送信元の表示部の1行あたりの表示可能文字数は、受信先(自端末)の表示部11の1行あたりの表示文字数(全角14文字)よりも2文字少ないと判断することができる。
【0028】
したがって、メールの最初の1行目に句読点「。」があり、句読点「。」の次のマス目から当該行の最後までに入力可能な文字数(マス目の個数)がn(nは1以上の整数)であって、かつ句読点「。」の次のマス目から次の文章が連続して入力されている場合には、制御部21は、送信元の表示部の1行あたりの表示可能文字数は、受信先(自端末)の表示部11の1行あたりの表示文字数(全角14文字)よりもn文字少ないと判断することができる。
【0029】
また図3(a)では、1行目の最後のマス目(12文字目)に文章の終わりを示す句読点が入力された場合の例を示しているが、例えば2行目の最後のマス目(12文字目)に文章の終わりを示す句読点が入力されている場合には、1行あたり全角13文字の表示機能を有する受信側端末の表示部では、2行目に表示される句読点の後に2マス目分の文字入力領域が生じ、そこに次の文章の最初の2文字が入力されることになる。したがって、受信メールの最初の文章がN行であり、このN行目にある句読点の次のマス目から当該行の最後までのマス目の個数がN(Nは1以上の整数)であり、かつ該句読点の次のマス目から前記受信メールの次の文章が連続して表示されれば、制御部21は、送信元の表示部の1行あたりの表示可能文字数は、受信先(自端末)の表示部11の1行あたりの表示文字数よりも1文字少ないと判断することができる。
【0030】
さらに図3(a)において、例えば2行目の最後のマス目(12文字目)に文章の終わりを示す句読点が入力されている場合であって、受信先(自端末)の表示部の1行あたりの表示文字数が全角14文字の場合には、受信先(自端末)の表示部では、2行目に表示される句読点の後に4マス目(2文字×2行)分の文字入力領域が生じ、そこに次の文章の最初の4文字が入力されることになる。
【0031】
したがって、受信メールの最初の文章がN行であり、このN行目にある句読点の次のマス目から当該行の最後までのマス目の個数がn×N(n,Nは1以上の整数)となり、かつ該句読点の次のマス目から前記受信メールの次の文章が連続して表示されれば、制御部21は、送信元の表示部の1行あたりの表示可能文字数は、受信先(自端末)の表示部11の1行あたりの表示文字数よりもn文字少ないと判断することができる。
【0032】
図3に示す例では、図3(b)に示すように受信メールの最初の文章「自転車通勤を始めました。」は受信側表示部の1行目(N=1)で終了しており、この1行目にある句読点「。」の次のマス目からこの行の最後までのマス目の個数は1であるから、n×1=1より、n=1となる。そしてこの句読点「。」の次のマス目から受信メールの次の文章「貯金を使って・・・」が連続して表示されているので、制御部21は、送信元の表示部の1行あたりの表示可能文字数は、受信先(自端末)の表示部11の1行あたりの表示文字数よりも1文字少ないと判定する。
【0033】
また、図3の例では、受信メールの最初の文章が文字数不一致判定可能な文章となっているが、例えば改行後の最初のマス目から始まる文章の中に文字数不一致判定可能な文章があれば、それを判定対象として選定することができる。また、受信メールの中にこのような文字数不一致判定可能な文章が発見できなかった場合は、送信元の表示との間に特に違和感は生じていないと考えられるので、受信側携帯電話機の初期設定(自端末の表示部が1行に表示できる文字数)にて受信メールをそのまま表示する。この場合でも、メールのやり取りを何回か繰り返す中で受信メール中に文字数不一致判定可能な文章が生ずることがあるので、その時点で判定することが可能になる。
【0034】
なお、携帯電話機に設けられている表示部の表示幅は携帯電話機のサイズにより限られており、1行あたりの表示文字数が携帯電話機の機種により異なるとしても、1行あたりの全角表示可能文字数は10〜15文字程度であって、通常この範囲内の表示文字数が採用されている。したがって、自端末の表示部が1行に表示可能な文字数から前記判定されたnの値を引いた値が、1行に表示可能な文字数が最も少ない携帯電話機の値(例えば10文字)よりも小さな値となるような場合は、メール送信元の携帯電話機の表示部の方が自端末の表示部よりも1行あたりの表示文字数が多いと考えられるので、その場合には制御部21は、表示文字数の変更制御は行わずに、携帯電話機1の初期設定(自端末の表示部が1行に表示できる文字数)にてメールを表示する。
【0035】
このようにメール送信元の携帯電話機の表示部の方が自端末の表示部よりも1行あたりの表示文字数が多い場合には、受信端末は本発明による表示文字数の変更制御を行うことができないが、メールの返信等のメールのやり取りを繰り返す中で、1行あたりの表示文字数が多いメール送信元の携帯電話機により本発明の表示文字数変更制御が行われるので、以降のメール通信では互いに改行ずれのない読みやすいメール表示が実現できる。
【0036】
図4は、本発明の携帯電話機がメールを受信したときの動作を示すフローチャートである。
【0037】
メールを受信すると(S11)、制御部21は、携帯電話機1に、1行あたりの表示文字数を変更する本発明の動作を実行するための学習機能が設定されているかどうかを確認する(S12)。設定されていない場合は、携帯電話機1の初期設定にてメールを開いて表示部11に表示する(S18)。したがって使用者は、携帯電話機1の表示部11が1行に表示できる文字数で表示されたメール内容(図3(b))を閲覧する。
【0038】
本発明の動作を実行するための学習機能が設定されている場合は、制御部21はメール内容から、前記判定対象となる文章を選定して解析する(S13)、改行ズレがあると判断した場合(S14,YES)、即ち、句読点や絵文字記号等の文の最後に入力される文字の次のマス目が1行目の最後のマス目であり、且つこの最後のマス目に、文の初めに入力される一般文字列が入力されている場合には、制御部21は「メール送信元の携帯電話機1の表示部11が表示できる領域は、受信側の携帯電話機1の表示部11が表示できる領域に比べて全角1文字少ない」と判断して、送信元のイメージしている表示内容と同一となるように、1行あたりの表示文字数を全角1文字分少なくする変更(図3(c))を実行する(S15)。
【0039】
このとき制御部21は、送信元のメールアドレスに対して、上記変更した内容を関連付けしてメモリ22に格納する(S16)。したがって、使用者は表示文字数が変更された設定(図3(d))にて、受信したメール内容を閲覧できる(S17)。一方、改行ズレを発見できなかった場合、あるいはメール送信元の携帯電話機1の表示部の方が1行あたりの表示文字数が多いと判断した場合(S14,NO)は、携帯電話機1の初期設定にてメールを開く(S18)。
【0040】
次に、図3に示すメールを受信して改行ずれを検出した受信側端末(自端末)が送信元へ返信メールを送信する場合の、制御部21による1行あたりの表示文字数自動変更動作の具体例について図5を参照して説明する。
【0041】
図3に示すメールを受信した後、学習機能設定中に受信先が送信元に対してメールの返信を行う場合、制御部21は、返信先のメールアドレスに関連付けされた学習内容を読み出して1行あたり全角13文字の表示設定から全角12文字の表示設定に変更し(図5(a))、返信メール作成画面を開く。キー操作部12から入力された返信メールに対して、制御部21はこの作成画面にて、返信元メールを作成する(図5(b))ことにより、返信先と表示文字数を揃えた同一の内容にてメールを送信することができる。したがって、送信元の携帯電話機では、送信元端末が有している表示機能により、返信先の同一の表示内容にてメールを閲覧(図5(c))できる。
【0042】
図6は、本発明の携帯電話機がメールを送信する場合の動作を示すフローチャートである。
【0043】
本発明の携帯電話機の使用者が送信メールを作成開始すると(S21)、制御部21は、入力された宛先のメールアドレスに関連付けされた情報がメモリ22にあるかどうか確認する(S22)。関連付けされた情報がない場合(S22,NO)は、使用者によりキー入力されたメールは携帯電話機1の初期設定で開かれたメール作成画面により作成される(S25)。
【0044】
一方、入力された宛先のメールアドレスに関連付けされた情報がメモリ22にある場合(S22,YES)には、制御部21はメモリ22から宛先のメールアドレスに関連付けされた学習内容を読み込み、1行あたりの文字数を宛先の端末が有している表示可能文字数に変更する(S23)。したがって、使用者がキー操作部12から入力したメールは、この変更されたメール作成画面によりメール内容が作成される(S24)。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明が適用可能な携帯電話機を示す外観図である。
【図2】図1に示す携帯電話機における本発明と関連する部分を示す内部ブロック図である。
【図3】本発明の携帯電話機によるメール受信の際の、1行あたりの表示文字数自動変更動作の具体例を示す説明図である。
【図4】本発明の携帯電話機がメールを受信したときの動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の携帯電話機によるメール送信の際の、1行あたりの表示文字数自動変更動作の具体例を示す説明図である。
【図6】本発明の携帯電話機がメールを送信するときの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
1 携帯電話機
11 表示部
12 キー操作部
13 バッテリー
21 制御部
22 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信したメールを表示する表示部を有するメール機能付き携帯無線端末において、
受信したメールを前記表示部に表示させた場合の表示内容を分析することにより、前記表示部の1行あたりの文字数表示機能と送信元の携帯電話機が有している表示部の1行あたりの文字数表示機能の相違を判定する送信元表示機能判定手段と、
前記受信したメールの表示を、前記送信元表示機能判定手段により判定した前記送信元の携帯電話機が有している表示部の1行あたりの表示文字数に合わせて表示する表示設定変更手段を備えていることを特徴とするメール機能付き携帯無線端末。
【請求項2】
前記送信元表示機能判定手段は、前記受信したメールの最初の文章あるいは改行後の最初のマス目から始まる文章の少なくとも一つを判定対象として選定し、該選定した文章を前記表示部で表示すると当該文章の最後を示す句読点等の区切り文字記号の位置が、当該文章のN行目(Nは1以上の整数)において前記区切り文字記号の次のマス目から当該行の最後までのマス目の個数がn×N個(nは1以上の整数)となる位置であって、かつ前記区切り文字記号の次のマス目から前記受信メールの次の文章が連続して表示されるときに、前記送信元の携帯電話機が有している表示部の1行あたりの表示文字数は、当該携帯電話機の前記表示部の1行あたりの表示可能文字数よりも全角でn文字少ないと判定する機能を有していることを特徴とする請求項1に記載のメール機能付き携帯無線端末。
【請求項3】
前記送信元表示機能判定手段は、当該携帯電話機の前記表示部の1行あたりの表示可能文字数から前記判定されたnの値を引いた値が、予め設定した所定値よりも小さい場合には、前記判定を無効にする機能を有していることを特徴とする請求項2に記載のメール機能付き携帯無線端末。
【請求項4】
前記表示設定変更手段は、前記送信元表示機能判定手段から前記文字数表示機能の相違を示す判定入力がないときは、前記受信メールを初期設定により表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のメール機能付き携帯無線端末。
【請求項5】
前記送信元表示機能判定手段による前記判定の結果を、前記受信したメールの送信元メールアドレスと関連付けて記憶する記憶手段を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のメール機能付き携帯無線端末。
【請求項6】
前記表示設定変更手段は、使用者による送信メールの作成開始を検出して前記記憶手段に当該送信メールのメールアドレスと関連付けされた前記判定情報が記憶されているか否かを検索する機能と、前記送信メールのメールアドレスと関連付けされた前記判定情報が記憶されているとき、前記使用者により作成されて当該携帯電話機の表示部に表示される1行あたりの表示文字数を前記判定情報に従って変更する機能を有していることを特徴とする請求項5に記載のメール機能付き携帯無線端末。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−158795(P2007−158795A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−352070(P2005−352070)
【出願日】平成17年12月6日(2005.12.6)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】