携帯用のポイント・オブ・ケアのユーザ起動式流体アッセイ方法およびシステム
ポイント・オブ・ケアの、ユーザ起動式の流体診断アッセイを行うための装置。アッセイシステムは、1以上の流体チャンバを有するハウジングと、1以上の流体チャンバから流体を分注するための摺動可能な油圧弁流体制御装置システムと、流体制御装置システムを制御するためのユーザ起動式のアクチュエータとを備える。アクチュエータは、流体チャンバからの流体の流れを連続的にまたは同時に制御するために、機能的に閉じられた位置から機能的に開かれた位置に流体制御装置を移動させるように構成されてもよい。ハウジングは、流体チャンバのうちの、および/または、流体チャンバとアッセイ部分との間の、1以上の流体経路を含んでもよく、流体制御装置システムは、流体チャンバ排出口を、対応する流体経路と一直線上に連続的に並べるように構成されてもよい。アクチュエータシステムは、機械式アクチュエータシステムを含んでもよく、圧縮可能なバネのアクチュエータシステムを含んでもよい。アッセイ装置は、アッセイ結果を表示するためのディスプレイウィンドウを含んでもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
医療従事者への大きな負担、すなわち、多くのありふれた疾患の罹患率の上昇と、遠隔試験によって起こる治療の大幅な遅れとを考慮すると、効果的かつ正確なポイント・オブ・ケアの疾患検出を可能にする、迅速で使いやすいオートメーション化された診断装置およびプラットフォームの開発は急を要することであった。
【背景技術】
【0002】
ポイント・オブ・ケア・デバイスの歴史的な障害は、製造の困難性、使いやすさの限界、および、政府の規制を含む。このような障害の幾つかは、科学技術の発達と、政府および他の取締機関によるポイント・オブ・ケア検査の重要性の認可とを介して削減された。しかしながら、使いやすさと正確性を含む考慮すべき重要な事柄があるため、ポイント・オブ・ケア検査は、依然として多くの医療機関では不適切なもののままである。
【0003】
従来のポイント・オブ・ケア診断システムは、流体アッセイなどの多くの診断アッセイを行う能力が限られている、毛細管現象または検査ストリップを利用している。
【0004】
酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)などの流体アッセイは、癌から単純ヘルペスII型のような疾患までにわたる多くの疾患の存在を検知することができ、一般的には、必要とする操作工程は比較的少ない。しかしながら、このような工程は、訓練を受けた検査技師によって通常は行われる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書には、実質的に内蔵型の携帯用ユーザ起動式流体アッセイシステムを用いて、ポイント・オブ・ケアのユーザ起動式流体アッセイを実行するための方法およびシステムについて記載されている。
【0006】
代表的なアッセイは、診断アッセイおよび化学検出アッセイを含む。診断アッセイは、無制限に、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)を含み、さらに、1以上の性感染症(STD)診断アッセイを含むこともある。
【0007】
代表的なアッセイシステムは、1以上の流体チャンバを有するハウジングと、1以上の流体チャンバから流体を分注する流体制御システムと、および、流体制御システムを制御するユーザ起動式アクチュエータとを含む。
【0008】
アクチュエータは、流体チャンバからの流量を制御するために、機能的に閉じられた位置から機能的に開かれた位置へと、流体制御装置を連続的に移動させるよう構成されている。
【0009】
流体制御装置システムは、流体を連続的に分注するように構成されてもよく、複数の流体を混合させるよう構成されてもよい。
【0010】
ハウジングはアッセイ部分を有し、流体制御装置システムは、1以上の流体チャンバからアッセイ部分へと流体を分注するように構成されてもよい。
【0011】
ハウジングは、流体チャンバおよび/またはアッセイ部分の間に、1以上の流体経路を有してもよく、流体制御装置システムは、流体チャンバの排水口を対応する流体経路と一直線上に並べるよう構成されている。
【0012】
ハウジングは、生体サンプルなどのアッセイサンプルを収容するサンプルチャンバを有してもよく、1以上の流体経路がサンプルチャンバを有してもよい。
【0013】
ユーザ起動式アクチュエータシステムは、アクチュエータシステムを起動させるために、外部のユーザ操作型トリガー機構を有してもよい。アクチュエータシステムは、機械式アクチュエータを有してもよく、圧縮可能なバネを用いるアクチュエータシステムを有してもよい。
【0014】
アッセイ装置は、アッセイ結果を見るためのディスプレイウィンドウを有してもよい。
【0015】
図において、参照番号は同一のまたは機能的に類似する要素を示す。これに応じて、参照番号の最も左側の数字は、参照番号が最初に現れる図を示している。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実質的に内蔵型のポイント・オブ・ケアのユーザ起動式流体アッセイシステムを用いてアッセイを行う、典型的な方法のプロセス・フローチャートである。
【図2】典型的な携帯用のポイント・オブ・ケアのユーザ起動式流体アッセイシステムのブロック図である。
【図3】典型的な携帯用のポイント・オブ・ケアのユーザ起動式流体アッセイシステムの斜視図である。
【図4】携帯用のポイント・オブ・ケアのユーザ起動式流体アッセイシステムの典型的な方法のプロセス・フローチャートである。
【図5】図4にあわせて用意したアッセイシステムを用いる典型的な方法のプロセス・フローチャートである。
【図6】ポンプ(600)の断面ブロック図である。
【図7】ポンプ(600)の別の断面ブロック図である。
【図8】ポンプ(600)の視点A−Aの断面ブロック図である。
【図9】マルチチャンバポンプ(900)の断面ブロック図である。
【図10】ポンプ(900)の別の断面ブロック図である。
【図11】マルチプル流体チャンバから流体を連続的に混合させるように構成されているポンプ(1100)の断面ブロック図である。
【図12】ポンプ(1100)の別の断面ブロック図である。
【図13】ポンプ(1100)の別の断面ブロック図である。
【図14】ポンプ(1100)の別の断面ブロック図である。
【図15】マルチプル流体チャンバから流体を同時に混合させるように構成されているポンプ(1500)の断面ブロック図である。
【図16】ポンプ(1500)の別の断面ブロック図である。
【図17】ポンプ(1500)の別の断面ブロック図である。
【図18】マルチプル流体チャンバから流体を同時に混合させるように構成されているポンプ(1800)の断面ブロック図である。
【図19】ポンプ(1800)の別の断面ブロック図である。
【図20】ポンプ(1800)の別の断面ブロック図である。
【図21】ユーザ起動式アクチュエータを含む、アッセイシステム(2100)の一部の断面ブロック図である。
【図22】典型的なアッセイシステム(2200)の断面斜視図である。
【図23】アッセイシステム(2200)の断面ブロック図である。
【図24】アッセイシステム(2200)の別の断面ブロック図である。
【図25】アッセイシステム(2200)の別の断面ブロック図である。
【図26】アッセイシステム(2200)の別の断面ブロック図である。
【図27】アッセイシステム(2200)の別の断面ブロック図である。
【図28】典型的なアッセイシステム(2800)の断面斜視図である。
【図29】アッセイシステム(2800)の別の断面ブロック図である。
【図30】アッセイシステム(2800)の別の断面ブロック図である。
【図31】アッセイシステム(2800)の別の断面ブロック図である。
【図32】アッセイシステム(2800)の別の断面ブロック図である。
【図33】アッセイシステム(2800)の別の断面ブロック図である。
【図34】典型的な機械式アクチュエータシステム(3400)の断面図である。
【図35】機械式アクチュエータシステム(3400)の別の断面図である。
【図36】機械式アクチュエータシステム(3400)の別の断面図である。
【図37】典型的なアッセイシステム(3700)の斜視図である。
【図38】アッセイシステム(3700)の別の斜視図である。
【図39】典型的な機械制御ロッドアクチュエータ(3910)の断面図である。
【図40】制御ロッドアクチュエータ(3910)の別の断面図である。
【図41】制御ロッドアクチュエータ(3910)の別の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書には、ポイント・オブ・ケアのユーザ起動式流体アッセイと、実質的に内蔵型の携帯用ポイント・オブ・ケアのユーザ起動式流体アッセイシステムとを行う方法が開示されている。
【0018】
典型的な方法およびシステムが、例示目的のために、免疫測定法に関して、本明細書に記載されている。本明細書の教示内容に基づいて、当業者は、そのような方法が、他の診断アッセイおよび化学アッセイに関連して実行されることを理解するであろう。
【0019】
免疫測定法は、抗体と抗体に特異的な抗原との反応を用いて、血液、唾液、または、尿などの生体サンプル中の、物質を検出するか、または、物質の濃度を測定するための生化学検査である。
【0020】
免疫測定法を用いて、抗体または抗原の存在を検出する。例えば、感染症を検出すると、病原体に対する抗体の存在が測定される。インスリンなどのホルモンが検出されると、インスリンが抗原として使用される。
【0021】
したがって、方法またはシステムが、対応する第2結合対分子を用いて、第1結合対分子を検出するよう記載されている場合、当然のことながら、第1結合対分子は抗体または抗原であってもよく、第2結合対分子は、それぞれ、対応する抗体または抗原であってもよい。同様に、方法またはシステムが、抗体または抗原を検出するよう記載されている場合、この方法またはシステムは、対応する抗原または抗体それぞれを検出するように実施される。
【0022】
免疫測定法を用いて、潜在的にアレルギーを誘発する食品、化学物質または薬物を検出することもある。
【0023】
免疫測定法は、分子の結合対を視覚的に表示するために、標識化した免疫測定法を含む。標識化は、酵素、放射性同位元素、磁気標識、蛍光、凝集、比濁分析、比濁法、および、ウェスタンブロットを含む。
【0024】
標識化した免疫測定法は、競合免疫測定法および非競合免疫測定法を含む。競合免疫測定法において、サンプル中の抗原は、抗体による結合に対して標識化した抗原と競合する。抗体部位に結合させた標識化した抗原の量は、サンプル中の抗原の濃度に反比例する。サンドイッチアッセイとも呼ばれる非競合免疫測定法において、サンプル中の抗原を抗体部位に結合させる。標識化した抗体を、その後、抗原に結合させる。その部位に標識化した抗体の量は、サンプル中の抗原濃度に直接比例する。
【0025】
標識化した免疫測定法は、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)を含む。
【0026】
典型的な免疫測定法において、生体サンプルは、第1結合対分子が存在するかどうかを調べる。
【0027】
典型的なイムノアッセイにおいて、生体サンプルは、第1の結合対分子の存在について検査される。第1の結合対分子に特異的な対応する結合対分子を、アッセイ基質上に固定する。生体サンプルをアッセイ基質へ接触させる。生体サンプル中の任意の第1の結合対分子は、対応する結合対分子に付着するか、または、対応する結合対分子に捕捉される。第1の結合対分子は、同様に、第1の結合対分子に付着する標識化された第2の結合対分子に接触される。これは、第1の結合対分子を、対応する固定化された結合対分子と接触させた後、接触させる前、または、接触させると同時に行ってもよい。生体サンプルの未反応成分と流体は、アッセイ基質から除去または洗浄してもよい。アッセイ基質上に標識が存在することは、生体サンプル中に第1の結合対分子が存在することを示す。
【0028】
標識は、一般的にコロイド金と呼ばれるコロイドまたは溶液中の金粒子のような、ヒトの観察者に見える、直接検出可能な標識を含んでもよい。
【0029】
標識は、酵素のような、間接的な標識を含めてもよく、これによって、該酵素が基質に働きかけることで、検出可能な反応生成物を生成する。例えば、酵素は、第1の結合対分子に付着しても良く、該酵素が蛍光シグナルのような検出可能なシグナルへ変換する物質は、アッセイ基質へ接触される。光がアッセイ基質に向けられると、任意の結合対分子複合体は、第1の結合対分子の存在が観察可能となるように、蛍光を発するようになる。
【0030】
免疫測定法は、生体サンプルを流体化する希釈溶液(dilutent solution)と、標識化した第2結合対分子を有する共役溶液と、および、1以上の洗浄液とを含む、1以上の流体溶液を利用する。生体サンプルと流体は、同時または順次、アッセイ基質に接触させてもよい。アッセイ基質は、対応する結合対分子のコーティングで用意したアッセイ表面またはアッセイ膜を有してもよい。
【0031】
上記のように、第2結合対分子は、生体サンプルで検出される抗体に特異的な抗原を含んでもよく、または、生体サンプルで検出される抗原に特異的な抗体を含んでもよい。例として、検出される第1結合対分子が抗原の場合、固定化した結合対分子と第2の標識化した結合対分子は抗体となり、その双方は抗原と反応する。抗原が生体サンプル中に存在する場合、その抗原は固定化された抗体によって固定化されるとともに、標識化された第2の抗体によって標識化されることで、サンドイッチ様の構築物または複合体が形成される。
【0032】
非特異的なまたは未反応の成分は、アッセイの感度および信号対雑音を改善するために、しばしば、標識検出工程の間および/または標識検出工程の前に、洗浄液を用いて都合良く除去される。他の順列でも同様に可能である。例えば、標識化した第2の結合対分子などの共役溶液は、生体サンプルをアッセイ基質に都合よく輸送するサンプル希釈剤と混合させるか、または、該サンプル希釈剤として作用することで、第1結合対分子と標識化した第2結合対分子とを、固定化した結合対分子に同時結合することができる。代替的に、または、追加的に、サンプル希釈剤は、細胞膜、赤血球のような役に立たない細胞といった生体サンプルの他の成分の有害な効果を都合よく減少させるために、1以上の洗剤および/または溶解剤を含んでもよい。
【0033】
当業者は、このような流体の成分と反応工程の順序が、検体の検出または識別を最適化するため、感度を高めるため、および、信号対雑音比を改善するために、夫々の成分の濃度によって容易に調節可能であることを容易に認識するであろう。
【0034】
容易に理解されるように、第2の抗体が、蛍光標識または他の即時検出可能な標識の代わりに酵素で標識化されると、さらなる基質を用いることで、酵素は都合よく検出可能な反応生成物を生成することができる。酵素ベースの標識化を用いることの利点は、酵素が検出可能な生成物を生成するために余分な基質に働きかけるとともに、検出可能な信号が徐々に増えるということもあるということである。
【0035】
図1は、実質的に内蔵型のポイント・オブ・ケアのユーザ起動式流体アッセイシステムを用いた、生体サンプル中の第1結合対分子を検出する典型的な方法(100)のプロセス・フローチャートである。第1結合対分子は、抗体または抗原に相当する。
【0036】
(102)で、生体サンプルがアッセイシステムに提供される。生体サンプルは、1以上の血液サンプル、唾液サンプル、および、尿サンプルを含んでもよい。生体サンプルは、アッセイシステム内のサンプル基質に適用してもよい。
【0037】
(104)で、アッセイシステム内の流体アクチュエータは、ユーザによって起動される。流体アクチュエータは、圧縮バネを用いるアクチュエータなどの機械式アクチュエータを含んでもよく、ボタン、スイッチ、または、レバーによって起動されることもある。流体アクチュエータは、アッセイシステム内の流体制御装置システムにかかる物理的力、圧力、求心力、気体の圧力、重力、および、これらの組み合わせの1以上を与えるように構成されてもよい。
【0038】
(106)で、生体サンプルは希釈流体で流体化される。希釈流体は、流体制御装置システムの制御下で、サンプル基質を超えてまたはサンプル基質を通って流れてもよい。
【0039】
(108)で、流体化した生体サンプルを、第1結合対分子に特異的な対応する結合対分子に接触させる。対応する結合対分子は、アッセイシステム内のアッセイ基質上で固定化されてもよい。流体化した生体サンプルは、流体制御装置システムの制御下で、サンプル基質を超えてまたはアッセイ基質を通って流れてもよい。
【0040】
流体化した生体サンプルが第1結合対分子を含む場合、第1結合対分子は、対応する結合対分子に付着し、アッセイ基質上で固定化される。例えば、第2結合対分子が病原体部分を含み、さらに、生体サンプルがその病原体の抗体を含む場合、この抗体はアッセイ基質上で固定化された抗原に付着する。
【0041】
(110)で、標識化した共役溶液を、溶液制御装置システムの制御下でアッセイ基質に接触させる。標識化した共役溶液は、第1結合対分子と結合するために、第2結合対分子を含む。第1結合対分子を、対応する結合対分子によってアッセイ基質上に固定化させると、第2結合対分子は、固定化した第1結合対分子に付着し、第1結合対分子のサンドイッチ様構築物、対応する結合対分子、および、標識化した第2結合対分子を効果的にもたらす。
【0042】
第2結合対分子は、生体サンプル中で一般的に見られる1以上のタンパク質を標的にするものとして選択される。例えば、生体サンプルがヒトの血中サンプルを含む場合、第2結合対分子は、ヒトの血液中で一般的に見られる1以上のタンパク質に反応して、非ヒト動物によって発生する抗体を含むこともある。
【0043】
第2結合対分子は、金コロイドなどのヒトに見える粒子、または、水などの流体中の金粒子の懸濁液で標識化される。代替的に、または、追加的に、第2結合対分子は、蛍光プローブで標識化されることもある。
【0044】
標識化した第2結合対分子は、(110)で、対応する結合対分子に付着する第1結合対分子と付着する場合、標識は(112)でユーザは見ることができる。
【0045】
方法(100)は、アッセイシステムにおいて複数の診断アッセイを行うために実施される。例えば、それぞれが異なる抗体に特異的な複数の抗原は、アッセイシステム内部で1以上のアッセイ基質上に固定化されてもよい。同様に、それぞれが異なる抗原に特異的な複数の抗体は、アッセイシステム内部の1以上のアッセイ基質上に固定化されてもよい。
【0046】
図2は、ハウジング(202)、ユーザ起動式アクチュエータ(204)、流体ポンプ(206)、および、アッセイ結果表示器(218)を含む、典型的な携帯用のポイント・オブ・ケアのユーザ起動式流体アッセイシステム(200)のブロック図である。
【0047】
ポンプ(206)は、アッセイで用いられる流体を制御するための、1以上の流体チャンバ(210)を含む。流体チャンバ(210)の1以上は、制限なく、0.5乃至2ミリメートルの範囲内の容積を有する。
【0048】
ポンプ(206)は、サンプルを保持するために、サンプル基質(214)を含む。サンプル基質(214)は、上記のように、1以上のサンプルを収容するために、ハウジング(202)の空洞部またはチャンバ内部に配された表面または膜を含む。
【0049】
サンプル基質(214)は、多孔物質および/または吸収物質を含み、この多孔物質および/または吸収物質は、200μLまでの範囲、および、およそ約25乃至50μLまでの範囲を含む、10乃至500μLの範囲の液体体積を吸収するよう構成されてもよい。
【0050】
ポンプ(206)は、アッセイ材料を保持するために、アッセイ基質(216)を含む。アッセイ基質(216)は、上記のように、抗原または抗体などの1以上のアッセイ化合物または生体要素を収容するために、ハウジング(202)の空洞部またはチャンバ内部に配された表面または膜を含む。
【0051】
流体チャンバ(210)は、廃液チャンバを含んでもよい。
【0052】
ポンプ(206)は、流体制御装置システム(208)を含み、この流体制御装置システムは、アクチュエータ(204)に応答して、1以上の流体チャンバ(212)から1以上のサンプル基質(214)およびアッセイ基質(216)までの流体の流れを制御するために、複数の流体制御装置を含む。
【0053】
アクチュエータ(204)は、圧縮または圧縮可能なバネのアクチュエータを含む機械式アクチュエータを含むとともに、ボタン、スイッチ、レバー、ツイスト・アクチベータ(twist-activator)、または、他のユーザ起動式特性を含んでもよい。
【0054】
アッセイ結果表示器(218)は、ハウジング(202)を通る開口部上、アッセイ基質(216)上に配されたディスプレイウィンドウを含んでもよい。
【0055】
図3は、ハウジング(302)、ユーザ起動式アクチュエータボタン(304)、サンプル基質(306)、および、サンプル基質カバー(308)を含む、典型的な携帯用のポイント・オブ・ケアのユーザ起動式流体アッセイシステム(300)の斜視図である。サンプル基質(308)は、ハウジング(302)にヒンジ結合されてもよい。
【0056】
アッセイシステム(300)は、アッセイ結果表示器(310)をさらに含み、このアッセイ結果表示器はアッセイ基質上に配されてもよい。アッセイ結果表示器(310)は、図3に記載の如く、アッセイシステム(300)の端部に配されるか、または、アッセイシステム(300)の側部に沿って配されてもよい。
【0057】
アッセイシステム(300)は、制限なく、5乃至8センチメートルの幅の長さと、約1センチメートルの幅とを有してもよい。アッセイシステム(300)は、図3に記載の如く、実質的に円筒形状を有してもよく、または、他の形状を有していてもよい。
【0058】
アッセイシステム(300)またはその一部は、1以上の実質的な剛性材料、および/または、1以上の可撓性材料もしくは柔軟性材料で実施されてもよく、この材料は、制限なく、ポリプロピレンを含む。
【0059】
典型的な携帯用のポイント・オブ・ケアのユーザ起動式流体アッセイシステムが以下にさらに開示される。
【0060】
図4は、携帯用のポイント・オブ・ケアのユーザ起動式流体アッセイシステムを用意するための典型的な方法(400)のプロセス・フローチャートである。方法(400)は、例示する目的で、図2のアッセイシステム(200)に関連して以下に記載される。しかしながら、方法(400)は、図2の例に限定されるものではない。
【0061】
(402)で、結合対分子は、図2のアッセイ基質(216)などのアッセイ基質上に固定される。その結合対分子は、抗体に特異的な抗原、または、抗原に特異的な抗体を含む。
【0062】
(404)で、流体チャンバ(210)の第1のチャンバは、サンプルを流体化するために、希釈液とともに提供される。
【0063】
(406)で、流体チャンバ(210)の第2のチャンバは、標識化された第2の結合対分子溶液とともに提供される。
【0064】
(408)で、流体チャンバ(210)の第3のチャンバは、1以上の食塩水および洗剤を含む洗浄液とともに提供される。この洗浄液は、希釈液と実質的に類似してもよい。
【0065】
図5は、方法(500)に応じて用意したアッセイシステムを用いる典型的な方法のプロセス・フローチャートである。方法(500)は、例示する目的で、図2のアッセイシステム(200)、および、図3のアッセイシステム(300)に関連して以下に記載される。しかしながら、方法(500)は、図2および図3に限定されるものではない。
【0066】
(502)で、サンプルは、図2のサンプル基質(214)、および、図3のサンプル基質(306)などのようなサンプル基質に提供される。
【0067】
(504)で、ユーザ起動式アクチュエータは、図2のユーザ起動式アクチベータ(204)、および、図3のボタン(304)など、ユーザによって起動される。ユーザ起動式 アクチュエータは、図2の流体制御装置システム(208)などの流体制御装置システムに作用する。
【0068】
(506)で、流体制御装置システムの制御下で、希釈液は第1流体チャンバから流れて、サンプル基質およびアッセイ基質に接触する。
【0069】
この希釈流体がサンプル基質を超えてまたは通って流れると、サンプルは、サンプル基質から除去され、希釈液とともにアッセイ基質に流れる。
【0070】
(508)で、標識化した第2結合対溶液は、流体制御装置システムの制御下で、第2流体チャンバから流れて、アッセイ基質に接触する。標識化した第2結合対溶液は、アッセイ基質に直接流れたり、サンプル基質超えてまたは通って流れたりすることもある。
【0071】
(510)で、洗浄液は、流体制御装置システム(208)の制御下で、第3の流体チャンバから流れて、アッセイ基質を洗浄する。洗浄液は、アッセイ基質から廃液チャンバへと流れることもある。
【0072】
(512)で、アッセイ結果は、図2のアッセイ結果表示器(218)、および、図3のアッセイ結果表示器(310)などで、見ることができる。
【0073】
典型的なアッセイ基質は、カリフォルニア州のカールズバッドのInvitrogen Corporatationから入手可能なニトロセルロースベースの膜を含むこともある。
【0074】
ニトロセルロースベース膜の典型的な準備は、ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrich Corporationから入手可能な0.2 mg/mLのタンパク質Aの溶液中、リン酸緩衝食塩水(PBS)中における約30分のインキュベーションを含んでもよく、その後、約15分間、約37°で乾燥される。1μLのPBSをその後乾燥膜に加えてもよく、室温下で乾燥させることができる。または、ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrich Corporationから入手可能な1μLのN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)溶液を、この乾燥膜に加えて、室温下で乾燥させることもできる。
【0075】
典型的なアッセイ方法および/またはシステムは、ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrich Corporationから入手可能な、およそ100μLのPBS/0.05%Tween洗浄緩衝液を利用するかまたは含んでも良く、イリノイ州ロックランドのPierce Corporationから入手可能な、およそ100μLのプロテインGコロイド金を利用するかまたは含んでもよい。
【0076】
典型的なアッセイ方法および/またはシステムは、クラミジアについて検査するために構成されても良く、約50μLの血液サンプルが適用される麦芽アグルチニンで処理したサンプル膜を利用するかまたは含んでもよい。約150μLの溶解溶液は、その後、サンプル膜を通過して、アッセイ基質へ接触される。その後、約100μLのコロイド金溶液は、アッセイ基質へ接触させてもよい。その後、溶解溶液を含む約500μLの洗浄溶液は、サンプル膜を通過することなく、アッセイ膜へ接触させる。
【0077】
追加の典型的な特徴および実施形態は、以下に開示されている。本明細書の記載に基づき、当業者は、本明細書に記載された典型的な特徴および実施形態を、互いに様々な組み合わせの中で実行してもよい。ことを理解するだろう。
【0078】
1.典型的な複数の流体チャンバ、連続した流体ポンプ
図6および図7は、内部壁表面(604)を有するハウジング(602) を含み、その内部で空洞部(606)を定義する、典型的なポンプ(600)の断面ブロック図である。
【0079】
流量制御装置またはプランジャ(612)は、ハウジング(602)内部に配される。プランジャ(612)は、第1および第2流体チャンバ(618a)および(618b)を分離させるかまたは定義する。プランジャ(612)は、図6で図示される第1位置と、図7で図示される第2位置との間で移動可能である。ハウジング(602)の底部(624)内の排出口(608) は、第2流体チャンバ(618a)と連通している。プランジャ(612)は、流体チャンバ(618a)から排出口(608)を通って分注するように制御可能である。排出口(608)は、1以上の他の流体チャンバに通じていてもよく、これらの流体チャンバは、1以上のサンプル基質およびアッセイ基質を含んでもよい。
【0080】
留め具(614)は、プランジャ(612)が第2位置(図7)にある際に、プランジャ(612)が排出口(608)を塞いだりまたは密閉したりするのを妨げる。留め具(614)は、様々な方法で実装可能である。図8は、視点AA(図7)による、低部(624)上部の、ハウジング(602)の典型的な断面図であり、留め具(614)は、低部(624)から空洞部(606)へと延出する1以上の突起部を含む。または、留め具(614)は、ハウジングの側壁表面(604)から空洞部(606)へと延出する、および/または、プランジャ(612)の表面(628)から延出する1以上の突起部を含むこともできる。
【0081】
図7で示されるように、プランジャ(612)が第2位置にある場合、第2流体チャンバ(618b)は、通路またはゲート(610)を通って、第1流体チャンバ(618a)と流体連通している。第2位置は、本明細書で機能的に開かれた位置と呼ばれる。
【0082】
ゲート(610)は、形成されたり、エッチされたり、彫り込まれたり、刻まれたり、または、それ以外に、表面(604)上の1以上のチャネル、および/または、ハウジングの内部壁(604)内部の1以上の通路として、実行されたり、もしくは、与えられたりしてもよく、ハウジングの内部壁表面(604)を通る開口部は、1以上の通路を空洞部(606)に晒す。
【0083】
ゲート(610)とプランジャ(612)は、プランジャ(612)が第1位置にある際に、プランジャ(612)が第2流体チャンバ(618b)から、ゲート(610)またはその一部分を塞ぎ、封鎖し、および/または、密閉するように構成および/または成形され、それによって、図6に記載の如く、第1流体チャンバ(618a)を第2流体チャンバ(618b)から分離させる。その第1位置は機能的に閉じられた位置と呼ばれる。
【0084】
図6および図7の例において、ゲート(610)は、長さ(622)を有しており、この長さはプランジャのエッジの高さ(620)よりも寸法的に大きい。機能的に閉じられた位置において、プランジャ(612)は、図6のように、ゲート(610)の少なくとも一部を封鎖するか、または、低部(624)からさらに離れて配されることで、第1流体チャンバ(618a)が、第2流体チャンバ(118b)から分離するようになる。
【0085】
プランジャ(612)は、中身が詰まっていても中空でも構わない。プランジャ表面(626)および(628)は、実質的に平坦であったり、凹面状であったり、凸面状であったり、および/または、これらの組み合わせであってもよい。
【0086】
プランジャ(612)は、例えば、および、無制限に、求心力、気体の圧力、手動による起動を含む物理的圧力、重力、または、これらの組み合わせによって、制御可能である。
【0087】
動作時、プランジャ(612)が図6の非圧縮位置または機能的に閉じられた位置から、図7の圧縮位置または機能的に開かれた位置へと移動すると、第1流体チャンバ(618a)内部の流体は、排出口(608)を通って排出される。プランジャ(612)が図7の圧縮位置または機能的に開かれた位置に到達すると、第1流体チャンバ(618a)は、ゲート(610)を通って第2流体チャンバ(618b)と流体連通することで、第2流体チャンバ(618b)内の流体が、矢印(702)を指し示す流体によって図示されるように、ゲート(610)と排出口(608)を通って排出することができる。 第2流体チャンバ(618b)内の流体は、例えば、および、無制限に、求心力、気体の圧力、手動による起動を含む物理的圧力、重力、または、任意で、第2プランジャを含むこれらの組み合わせによって、排出可能である。
【0088】
本明細書の記載に基づいて、当業者は、ゲート(610)が、ゲート(610)またはその一部がプランジャ(612)内部で実行される構造体を含む、他の構造体とともに実行されることが可能であることを理解するであろう。このような他の構造体は、本発明の開示内容の精神および範囲内のものである。
【0089】
1以上のさらなるプランジャおよび対応するゲートは、任意で実装される。さらなる流体チャンバは、その内部の連続的な分注流体に対して、連続的にまたは順序関係なく制御可能であり、および/または、複数の流体チャンバから内部混合した流体に対して制御可能である。例となる実施形態は、例示目的ために、以下に記載される。
【0090】
ポンプ(600)は、真空装置として、逆順で操作されてもよい。
【0091】
2.連続分注
図9および10は、例示的な複数の流体チャンバ、連続的に分注するポンプ(900)の断面ブロック図である。ポンプ(900)は、流体チャンバ(918a)乃至(918d)を定義する、プランジャ(912a)、(912b)、および、(912c)を含む。 ポンプ(900)は、留め具(914a)乃至(914c)をさらに含み、該留め具は、図6、7、および、8の留め具(614)と類似するかまたは異なるように構成可能である。
【0092】
図9および10の例において、プランジャ(912a)乃至(912c)は、ハウジング空洞部(906)内部で互いに長手方向に並べられ、図9に示される閉じられた位置と、図10に示される機能的に開かれた位置との間で、移動可能である。プランジャ(912a)、(912b)、および、(912c)の機能的に開かれた位置および閉じられた位置は、一般的には、1以上の 流体チャンバに関連した流体連通を許可するかまたは遅らせるかどうかに関して、定義されるものである。
【0093】
ポンプ(900)は、(910a)乃至(910c)のゲートを含む。図9において、プランジャ(912a)がその機能的に開かれた位置にある時、流体チャンバ(918a)と(918b)は、ゲート(910a)を介して互いに流体連通している。図10において、プランジャ(912b)が、その機能的に開かれた状態にある時、流体チャンバ(918b)と(918c)は、ゲート(910b)を介して互いに流体連通している。プランジャ(912c)がその機能的に開かれた位置にある時、流体チャンバ(918c)と(918d)は、ゲート(910c)を介して互いに流体連通している。
【0094】
プランジャ(912a)乃至(912c)およびゲート(910a)乃至(910c)は、流体チャンバ(918a)乃至(918d)の内部にある流体を、連続的に排出または分注することを可能にするために、構成され、形成され、配置され、および/または制御される。プランジャ(912)を制御するための典型的な方法およびシステムが、以下に記載される。
【0095】
図9および10の例において、ゲート(910a)乃至(910c)は、それぞれゲート長(922)、(906)、および(908)(図10)を有する。ゲート長(922)はゲート長(906)より大きく、ゲート長(906)はゲート長(908)より大きい。ゲート(910a)乃至(910c)は、互いに干渉しないように横方向に分注される。ゲート(910a)の一部は、ゲート(910b)の一部と長手方向に重なっている。ゲート(910b)の一部は、ゲート(910c)の一部と長手方向に重なっている。プランジャ(912a)乃至(912c)の端の高さは、それぞれ端の高さが(920)、(912)、(914)である。端の高さ(920)は端の高さ(912)より大きく、端の高さ(912)は端の高さ(914)より大きい。ゲート長(112)は端の高さ(920)より大きい。ゲート長(906)は、端の高さ(912)よりも大きい。ゲート長(908)は端の高さ(914)より大きい。その他の寸法で実装されてもよい。
【0096】
動作時において、プランジャ(112a)がその機能的に閉じられた位置からその機能的に開かれた位置へ移動すると、流体チャンバ(918a)内の流体は、排出口(924)を介して排出される。排出口(924)は、1以上の他の流体チャンバに通じても良く、1以上のサンプル基質およびアッセイ基質を含んでもよい。プランジャ(912b)および(912c)は、概して、プランジャ(912a)と共に動き、それによって(918b)乃至(918c)の各流体チャンバ内の容積をほぼ一定に保つ。
【0097】
プランジャ(912a)がその機能的に開かれた位置に到達すると、流体チャンバ(918b)は、流体チャンバ(918a)および排出口(908)と、ゲート(910a)を介して流体連通する。プランジャ(912b)は、その後、その機能的に閉じられた位置からその機能的に開かれた位置へ移動し、それによって、図10の(1002)に例示されているように、流体チャンバ(918b)の内部の流体を、ゲート(910a)および排出口(908)を介して排出または分注する。
【0098】
プランジャ(912b)がその機能的に開かれた配置に到達すると、流体チャンバ(918c)は、ゲート(910b)を介して流体チャンバ(918b)と流体連通し、したがって、流体チャンバ(918c)は、流体チャンバ(918a)および排出口(908)と、ゲート(910a)を介して流体連通している。プランジャ(912c)が、その後、その機能的に閉じられた位置からその機能的に開かれた位置へ移動し、それによって、図10の(1004)と(1002)に例示されているように、流体チャンバ(918c)の内部の流体を、ゲート(910b)、ゲート(910a)および排出口(908)を介して排出または分注する。
【0099】
プランジャ(912c)がその機能的に開かれた配置に到達すると、流体チャンバ(918d)は、流体チャンバ(918c)と、ゲート(910c)を介して流体連通し、したがって、流体チャンバ(918d)は、ゲート(910b)を介してチャンバ(918b)と流体連通するとともに、ゲート(910a)を介して流体チャンバ(918a)および排出口(908)と流体連通している。流体チャンバ(918d)内の流体は、図10の(1006)、(1004)、(1002)に例示されているように、ゲート(910c)、(910b)、および(910a)、および排出口(908)を介して排出または分注される。
【0100】
プランジャ(912)の動作は、1以上の様々な方法で制御できる。例えば、ポンプ(900)は、圧縮バネまたは他の機械的なアクチュエータのような力を介して、プランジャ(912c)を制御するためにプランジャ(912c)と連結したステム(stem)(920)(図9)、および/または、気体および/または流体の圧力および/または真空を流体チャンバ(918d)に適用するための注入口(922)を含むことができる。
【0101】
ステム(920)は、空洞部(906)内に移動し、および/または、気体または流体の圧力は注入口(922)を介して適用されると、プランジャ(912)は排出口(908)の方向に押し出される。プランジャ(912)が機能的に閉じられた位置にあるために、流体チャンバ(918c)の内部で結果として生じる圧力が、プランジャ(912b)を排出口(908)の方向へ押し込み、流体チャンバ(918b)内部の圧力を上昇させ、プランジャ(912a)を排出口(908)の方向へ押し込み、流体チャンバ(918a)からの流体を排出口(908)を介して分注する。ステム(920)および/または注入口(922)によって持続的に適用された力/圧力によって、プランジャ(912b)および(912c)が、上に記載されたように動き続け、流体チャンバ(918b)からの流体を連続的に分注し、その後、流体チャンバ(918c)からの流体を連続的に分注する。
【0102】
本明細書の記載に基づき、当業者は、複数の流体、連続的な出力部、ディスペンサー、またはポンプが、他のハウジング形状および形態、および他のプランジャ配列、動作、および制御機構を用いて実装できることを理解するであろう。
【0103】
3.連続混合
図11乃至図14は、典型的な複数の流体チャンバである連続混合ポンプ(1100)の断面ブロック図である。
【0104】
ポンプ(1100)は、プランジャ(1112a)乃至(1112d)、流体チャンバ(1118a)乃至(1118c)、およびゲート(1110a)乃至(1110c)を含む。以下の例において、プランジャ(1112a)乃至プランジャ(1112d)が制御されることによって、流体チャンバ(1118c)から流体チャンバ(1118a)に流体を移動させ、その後、流体チャンバ(1118a)へ移動させ、流体チャンバ(1118a)において流体が混合する。その後、流体チャンバ(1118a)内の混合した流体は、ゲート(1110a)を介してもう1つの流体チャンバに送られ、または/または排出口を介して排出される。排出口は、1以上の他の流体チャンバに通じても良く、1以上の他の流体チャンバは、1以上のサンプル基質およびアッセイ基質を含んでもよい。
【0105】
図11は、初期状態におけるポンプ(1100)を説明する。
【0106】
図12は、プランジャ(1112d)が矢印(1120)の方向に移動して、流体を流体チャンバ(1118c)から流体チャンバ(1118a)へゲート(1110c)を介して移動させる際のポンプ(1100)を説明している。プランジャ(1112a)は、流体チャンバ(1118c)からの流体を収容するために、矢印(1122)の方向へ同時に移動する。
【0107】
プランジャ(1112d)がプランジャ(1112c)に到達すると、プランジャ(1112c)および(1112b)は、(11122)と共に縦一列になって動き、これによって、ゲート(1110c)はプランジャ(1112d)よってふさがれ、ゲート(1110b)はプランジャ(1112b)によって開かれる。プランジャ(1112c)と(1112d)が動き続け、これによって、図13に説明されるように、流体チャンバ(1118b)の流体は、流体チャンバ(1118a)に排出され、この流体チャンバ(1118a)において、それは、チャンバ(1118c)からの流体と混合する。プランジャ(1112a)は同様に動き続け、それによって、流体チャンバ(1118b)からの流体を収容する。
【0108】
図14において、プランジャ(1112a)が少し多めに動くと、それによってゲート(1110a)が開かれる。プランジャ(1112b)および任意のプランジャ(1112c)および(1112d)が動くことによって、流体チャンバ(1118a)内の流体はゲート(1110a)を介して排出される。ゲート(1110a)は、1以上の他の流体チャンバに通じても良く、1以上の他の流体チャンバは、1以上のサンプル基質およびアッセイ基質を含んでもよい。。
【0109】
プランジャ(1112)の動作は、1以上の様々な方法で制御できる。例えば、ポンプ(1100)は、ポンプ(900)に関して先に記載されたのとほぼ同じように、プランジャ(1112)を制御するために、プランジャ(1112d)と連結したステム(1120)、および/または、注入口(1122)を含むことができる。しかしながら、プランジャ(1112)の制御は、ステム(1120)または注入口(1122)の例に限定されない。
【0110】
4.同時混合
図15乃至17は、典型的な複数の流体チャンバの、同時混合ポンプ(1500)の断面ブロック図である。
【0111】
ポンプ(1500)は、プランジャ(1512a)乃至(1512d)、流体チャンバ(1518a)乃至(1518c)、およびゲート(1510a)乃至(1510c)を含む。以下の例において、プランジャ(1512a)乃至(1512d)は、流体チャンバ(1518b)および(1518c)から、流体チャンバ(1518a)に流体を同時に移動させるために制御され、流体チャンバ(1518a)においてそれらが互いに混合する。その後、流体チャンバ(1518a)内の混合された流体は、ゲート(1510a)を介して別の流体チャンバに送られ、または/または排出口を介して排出される。排出口は、1以上の他の流体チャンバに通じても良く、1以上の他の流体チャンバは、1以上のサンプル基質またはアッセイ基質を含んでもよい。
【0112】
図15および16において、プランジャ(1512d)は、矢印(1520)の方向に動き、流体はゲート(1510c)を介して、流体チャンバ(1518c)から流体チャンバ(1518a)に移動する。同時に、プランジャ(1512c)は、矢印(1522)の方向に動き、流体は、ゲート(1510b)を介して、流体チャンバ(1518b)から流体チャンバ(1518a)へ移動する。プランジャ(1512a)は、流体チャンバ(1518a)が、流体チャンバ(1518b)および(1518c)からの流体を収容するように、矢印(1524)の方向に同時に動く。
【0113】
図15および16において、プランジャ(1512a)は、ゲート(1510a)をふさぐ。図17において、流体チャンバ(1518b)および流体チャンバ(1518c)からの流体が、流体チャンバ(1518a)内に移動した後、プランジャ(1512a)は矢印(1724)の方向に動き、それによってゲート(1510a)が開かれ、プランジャ(1512b)が矢印(1720)の方向に動き、それによってゲート(1510b)および(1510c)が閉じられる。プランジャ(1512b)および任意のプランジャ(1512c)および(1512d)は、矢印(1720)の方向に動き続け、それによって、流体チャンバ(1518a)内の混合された流体は、ゲート(1510a)を介して排出される。
【0114】
プランジャ(1512)の動作は、ポンプ(400)に関連して先に記載されたような、および/または、図16−19に関連して以下に記載されるような、1以上の様々な方法で制御することができる。しかしながら、プランジャ(1512)の制御は、これらの例に限定されない。
【0115】
5.同時混合、反対方向
図18乃至20は、流体が反対方向から混合チャンバ内に流れる、典型的な複数の流体チャンバの、同時混合ポンプ(1800)の断面ブロック図を説明する。
【0116】
ポンプ(1800)は、プランジャ(1812a)乃至(1812d)、流体チャンバ(1818a)乃至(1818c)、および、ゲート(1810a)乃至(1810c)を含む。以下の例において、プランジャ(1812b)および(1812c)は、流体チャンバ(1818a)および(1818c)からの流体を、流体チャンバ(1818b)に同時に移動させるように制御され、流体チャンバ(1818b)において、それらは互いに混合する。流体チャンバ(1818b)内で混合された流体は、その後、ゲート(1810a)を介して別の流体チャンバに送られ、または/または排出口を介して排出される。
【0117】
図18および19において、プランジャ(1812b)は、矢印(1820)の方向に動き、流体は、ゲート(1810b)を介して流体チャンバ(1818a)から(1818b)に移動する。同時に、プランジャ(1812c)は、矢印(1822)の方向に動き、流体は、ゲート(1810c)介して流体チャンバ(1818c)から流体チャンバ(1818b)に移動する。
【0118】
図18および19において、プランジャ(1812b)は、ゲート(1810a)をふさぐ。図20において、流体チャンバ(1818a)および(1818c)からの流体が、流体チャンバ(1818b)内に移動した後、プランジャ(1812a)および(1812b)は、矢印(2020)の方向にわずかに移動し、それによってゲート(1810a)が開く。プランジャ(1812c)および任意のプランジャ(1812d)は、矢印(2022)の方向に移動し、それによって流体チャンバ(1818b)内で混合された流体をゲート(1810a)を介して排出する。
【0119】
プランジャ(1812)の動作は、ポンプ(400)に関連して先に記載されたような1以上の様々な方法で制御することができる。しかしながら、プランジャ(1812)の制御は、これらの例に限定されない。
【0120】
6.入れ子式プランジャ
図22は、ハウジング部分(2202)および流体制御装置システムを含む典型的なアッセイシステム(2200)の一部の断面斜視図である。流体制御装置システムは、複数の流体制御装置、または、プランジャ(2204)、(2206)および(2208)を含む。流体制御装置(2204)、(2206)および(2208)は、複数の流体チャンバを定義し、それぞれ、第1、第2、および、第3の流体チャンバ、(2210)、(2212)および(2214)として本明細書で示される。流体制御装置(2204)、(2206)および(2208)は、互いに内部で摺動可能なように入れ子式になっている。
【0121】
ハウジング部分(2202)は、サンプルを収容するためのサンプルチャンバ(2216)を含み、サンプル基質、膜、または、パット(2218)を含んでもよい。ハウジング部分(2202)は、カバー部分(2220)などのカバー機構を含んでもよく、該カバー機構は、図3に関連して先に記載されたように、取り外し可能であるか、または、ハウジング部分(2202)とヒンジで連結されてもよい。ハウジング部分(2202)は、サンプルチャンバ注入口(2222)とサンプルチャンバ排出口(2224)を含む。
【0122】
ハウジング部分(2202)は、アッセイチャンバ(2226)とアッセイチャンバ注入口(2228)を含み、アッセイ結果を捕捉、反応、および/または表示するためのアッセイ基質、膜、パッド(2228)を含んでもよい。
【0123】
ハウジング部分(2202)は、アッセイチャンバ(2228)上に配されたディスプレイウィンドウ(2232)として本明細書で図示されるアッセイ結果表示装置を含む。
【0124】
ハウジング部分(2202)は、アッセイチャンバ(2226)からの流体を収容するための廃液流体チャンバ(2234)を含む。
【0125】
ハウジング部分(2202)は、1以上の流体チャネル(2238)を有する一時的な流体チャンバ(2236)を含み、このチャネルは、本明細書では流体制御装置バイパスチャネルとも呼ばれる。
【0126】
ハウジング部分(2202)は、1以上の他の流体チャネル(2258)をさらに含む。
【0127】
第1流体チャンバ(2210)は、流体制御装置(2206)とハウジング部分(2202)の内側表面の間の空間として、本明細書で図示される流体チャンバ排出口(2260)を含む。
【0128】
第2流体チャンバ(2212)は、流体制御装置(2204)を通るゲートまたは通路として、本明細書で図示される流体チャンバ排出口(2248)を含む。
【0129】
第3流体チャンバ(2214)は、流体制御装置(2206)を通るゲートとして、本明細書で図示される流体チャンバ排出口(2254)を含む。
【0130】
流体制御装置(2204)、(2206)、および(2208)は、o−リング(2240)および(22242)、o−リング(2244)および(2246)、o−リング(2250)および(2252)、およびo−リング(2256)として本明細書で図示される1以上の密閉機構を含む。
【0131】
アッセイシステム(2200)の典型的な操作は、図23−27に関連して以下に記載される。
【0132】
図23は、アッセイシステム(2200)の断面ブロック図であり、流体制御装置(2204)、(2206)、および(2208)は、対応する初期の、または、機能的に閉じられた第1位置に図示される。流体制御装置(2204)、(2206)、および(2208)が初期位置にある際、o−リング(2240)が、第1流体チャンバ排出口(2260)とサンプルチャンバ注入口(2222)の間で、ハウジング部分(2202)の内側表面に対して密閉するように係合されることで、流体チャンバ(2210)からの流体の流れを実質的に排除する。同様に、o−リング(2244)および(2246)が、ハウジング部分(2202)の内側表面に対して密閉するように係合されることで、第2流体チャンバ排出口(2248)を通る流体チャンバ(2212)からの流体の流れを実質的に排除する。o−リング(2250)および(2252)が、ハウジング部分(2202)の内側表面に対して密閉するように係合されることで、第3流体チャンバ排出口(2254)を通る流体チャンバ(2214)からの流体の流れを実質的に排除する。
【0133】
o−リング(2244)、(2246)、(2250)、(2252)、および(2256)によって、流体制御装置(2204)、(2206)、および(2208)は互いに加圧的に係合し、その結果、流体制御装置(2206)および(2204)の方向に流体制御装置(2208)へ適用された力によって、流体制御装置システムが、図24−27に関連して以下に記載されるように、第1、第2、第3流体チャンバ(2210)、(2212)、および(2214)に対して機能的に開かれた位置に連続的に移動する。
【0134】
図24は、アッセイシステム(2200)の断面ブロック図であり、流体制御装置システムが、ハウジング部分(2202)に対して矢印(2402)の方向に移動し、第1流体チャンバ排出口(2260)をアッセイチャンバ(2226)への流体経路(2404)と一直線上に並べる。これは、本明細書で第1の機能的に開かれた位置と呼ばれる。流体経路(2404)は、サンプルチャンバ注入口(2222)、サンプルチャンバ(2216)、サンプルチャンバ排出口(2224)一時的な流体チャンバ(2236)、および、アッセイチャンバ注入口(2228)を含む。
【0135】
継続的な力が流体制御装置(2208)に加えられると、流体制御装置(2204)、(2206)、および(2208)が矢印(2402)の方向に動き続けることで、流体が第1流体チャンバ(2210)から流体経路(2204)を通ってアッセイチャンバ(2226)へ排出される。その流体はアッセイ基質(2230)を超えてまたは通過して、廃液流体チャンバ(2234)へ流れることもある。
【0136】
図25は、アッセイシステム(2200)の断面ブロック図であり、流体制御装置システムは矢印(2402)の方向へさらに動いたことで、第2流体チャンバ排出口(2248)を、アッセイチャンバ(2226)への流体経路(2504)と一直線上に並べる。これは、本明細書において第2の機能的に開かれた位置と呼ばれる。流体経路(2504)は、o−リング(2246)と第1流体制御装置(2204)とを迂回する流体チャネル(2258)、第1流体チャンバ排出口(2260)、一時的な流体チャンバ(2236)、o−リング(2240)と(2242)を迂回する流体チャネル(2238)、および、アッセイチャンバ注入口(2228)を含む。
【0137】
継続的な力が流体制御装置(2208)に加えられると、流体制御装置(2206)および(2208)が矢印(2402)の方向に動き続けることで、流体が第2流体チャンバ(2212)から流体経路(2504)を通ってアッセイチャンバ(2226)へ排出される。その流体は、アッセイ基質(2230)を超えてまたは通って、廃液流体チャンバ(2234)へ流れることもある。
【0138】
図26は、アッセイシステム(2200)の断面ブロック図であり、流体制御システムが矢印(2402)の方向へさらに動いたことで、第3流体チャンバ排出口(2254)を、アッセイチャンバ(2226)への流体経路(2604)と一直線上に並べる。これは、本明細書において第3の機能的に開かれた位置と呼ばれる。流体経路(2604)は、第2流体チャンバ排出口(2248)、流体チャネル(2258)、第1流体チャンバ排出口(2260)、一時的な流体チャンバ(2236)、およびアッセイチャンバ注入口(2228)を含む。
【0139】
継続的な力が流体制御装置(2208)に加わられると、流体制御装置(2208)は矢印(2402)の方向に動き続けることで、流体が流体経路(2604)を通って第3流体チャンバ(2214)からアッセイチャンバ(2226)へ排出される。その流体は、アッセイ基質(2230)を超えてまたは通って、廃液流体チャンバ(2234)へ流れることもある。
【0140】
図27は、アッセイシステム(2200)の断面ブロック図であり、流体制御装置システムは第3流体チャンバ(2214)からの流体を排出する。
【0141】
アッセイシステム(2200)は、アクチュエータシステムを含んでもよく、アクチュエータシステムは第3流体制御装置(2208)上で作動するように構成されてもよい。
【0142】
図28は、ハウジング部分(2802)および流体制御装置システムを含む、典型的なアッセイシステム(2800)の一部の断面斜視図であり、流体制御装置システムは、複数の流体制御装置またはプランジャ(2804)、(2806)および(2808)を含む。流体制御装置(2804)、(2806)、および(2808)は、複数の流体チャンバを定義し、それぞれ第1、第2、および第3流体チャンバ(2810)、(2812)、および(2814)として本明細書で図示される。流体制御装置(2808)は、流体制御装置(2806)内部で摺動可能なように入れ子式になっている。
【0143】
ハウジング部分(2802)は、サンプルを収容するためにサンプルチャンバ(2816)を含み、サンプル基質(2818)を含んでもよく、該サンプル基質(2818)はサンプルチャンバ(2816)の表面またはその中の膜を含んでもよい。ハウジング部分(2802)は、カバー部分(2820)などのカバー機構を含んでもよく、図3に関連して先に記載されたように、カバー機構は取り外し可能であるか、または、ハウジング部分(2802)とヒンジで連結されてもよい。ハウジング部分(2802)は、サンプルチャンバ注入口(2822)とサンプルチャンバ排出口(2824)を含んでもよい。
【0144】
ハウジング部分(2802)は、アッセイチャンバ(2826)とアッセイチャンバ注入口(2828)を含み、アッセイ結果を捕捉、反応、および/または表示するためにアッセイ基質(2828)を含んでもよい。アッセイ基質は、アッセイチャンバ(2826)の表面またはその中の膜を含んでもよい。
【0145】
ハウジング部分(2802)はアッセイ結果表示装置を含み、アッセイチャンバ(2828)上に配されるディスプレイウィンドウ(2832)として本明細書で図示される。
【0146】
ハウジング部分(2802)は、アッセイチャンバ(2826)からの流体を収容するために廃液流体チャンバ(2834)を含む。
【0147】
ハウジング部分(2802)は、1以上の流体チャネル(2838)を有する一時的な流体チャンバ(2836)を含み、本明細書で流体制御装置バイパスチャネルとも呼ばれる。
【0148】
ハウジング部分(2802)は、流体チャネル(2858)および(2862)をさらに含む。
【0149】
第1流体チャンバ(2810)は流体チャンバ排出口(2860)を含み、該流体チャンバ排出口(2860)は、流体制御装置(2804)とハウジング部分(2802)の内側表面との間の空間として本明細書で図示される。
【0150】
第2流体チャンバ(2812)は、流体チャンバ排出口(2848)を含み、該流体チャンバ排出口(2848)は、流体制御装置(2806)とハウジング部分(2802)の内側表面との間の空間として本明細書で図示される。
【0151】
第3流体チャンバ(2814)は、流体チャンバ排出口(2854)を含み、該流体チャンバ排出口(2854)は、流体制御装置(2806)を通るゲートまたは通路として本明細書で図示される。
【0152】
流体制御装置(2804)、(2806)、および(2808)は、1以上の密閉機構を含み、該密閉機構は、o−リング(2840)および(2842)、o−リング(2844)および(2846)、およびo−リング(2856)として、本明細書で図示される。
【0153】
アッセイシステム(2800)の典型的な操作は、図29−33に関して以下に記載される。
【0154】
図29は、アッセイシステム(2800)の断面ブロック図であり、流体制御装置(2804)、(2806)、および、(2808)を含む流体制御装置システムは、対応する初期の、または、機能的に閉じられた位置で、図示される。流体制御装置(2804)、(2806)、および、(2808)が初期の位置にある際、o−リング(2842)は、第1流体チャンバ排出口(2860)とサンプルチャンバ注入口(2822)との間のハウジング部分(2802)の内側表面に対して密閉するように係合されることで、流体チャンバ(2810)からの流体の流れを実質的に排除する。同様に、o−リング(2840)は、ハウジング部分(2802)の内側表面に対して密閉するように係合されることで、第2流体チャンバ排出口(2848)を通る流体チャンバ(2812)からの流体の流れを実質的に排除する。o−リング(2844)および(2846)は、ハウジング部分(2802)の内側表面に対して密閉するように係合されることで、第3流体チャンバ排出口(2854)を通る流体チャンバ(2814)からの流体の流れを実質的に排除する。
【0155】
o−リング(2840)、(2842)、(2844)、(2846)、(2856)によって、流体制御装置(2804)、(2806)、および、(2808)が互いに加圧的に係合し、その結果、流体制御装置(2806)および(2804)の方向に流体制御装置(2808)に加えられた力によって、図30−33に関連して以下に記載されるように、流体制御システムが、第1、第2、および第3流体チャンバ(2810)、(2812)、および(2814)に対して機能的に開かれた位置に連続的に移動する。
【0156】
図30は、アッセイシステム(2800)の断面ブロック図であり、流体制御装置システムがハウジング部分(2802)に対して、矢印(3002)の方向に動いたことで、第1流体チャンバ排出口(2860)をアッセイチャンバ(2826)への流体経路(3004)と一直線上に並べる。これは、本明細書で第1の機能的に開かれた位置と呼ぶ。流体経路(3004)は、サンプルチャンバ注入口(2822)、サンプルチャンバ(2816)、サンプルチャンバ排出口(2824)、一時的な流体チャンバ(2836)、および、アッセイチャンバ注入口(2828)を含む。
【0157】
継続的な力が流体制御装置(2808)に加えられると、流体制御装置(2804)、(2806)、および(2808)が矢印(3002)の方向に動き続けることで、流体は第1流体チャンバ(2810)から流体経路(2804)を通ってアッセイチャンバ(2826)へ排出される。
【0158】
図31は、アッセイシステム(2800)の断面ブロック図であり、流体制御装置システムがハウジング部分(2802)に対して、矢印(3002)の方向にさらに動いたことで、第2流体チャンバ排出口(2848)をアッセイチャンバ(2826)への流体経路(3104)と一直線上に並べる。これは、本明細書で第2の機能的に開かれた位置と呼ぶ。流体経路(3104)は、o−リング(2840)と第1流体制御装置(2804)とを迂回する流体チャネル(2858)、第1流体チャンバ排出口(2860)、一時的な流体チャンバ(2836)、o−リング(2842)を迂回する流体チャネル(2838)、およびアッセイチャンバ注入口(2828)を含む。
【0159】
継続的な力が流体制御装置(2808)に加えられると、流体制御装置(2806)、および(2808)が矢印(3002)の方向に動き続けることで、流体は、第2流体チャンバ(2812)から流体経路(3104)を通ってアッセイチャンバ(2826)へ排出される。その流体はアッセイ基質(2830)を超えてまたは通って、廃液流体チャンバ(2834)に流れることもある。
【0160】
図32は、アッセイシステム(2800)の断面ブロック図であり、流体制御装置システムは矢印(3002)の方向にさらに動いたことで、第3流体チャンバ排出口(2848)をアッセイチャンバ(2826)への流体経路(3204)と一直線上に並べる。これは、本明細書で第3の機能的に開かれた位置と呼ぶ。流体経路(3204)は、o−リング(2846)と第2流体制御装置(2806)とを迂回する流体チャネル(2862)、流体チャネル(2858)、第1流体チャンバ排出口(2860)、一時的な流体チャンバ(2836)、およびアッセイチャンバ注入口(2828)を含む。
【0161】
継続的な力が流体制御装置(2808)に加えられると、流体制御装置(2808)が矢印(3002)の方向に動き続けることで、流体は、第3流体チャンバ(2814)から流体経路(3204)を通ってアッセイチャンバ(2826)に排出される。その流体は、アッセイ基質(2830)を超えてまたは通って、廃液流体チャンバ(2834)へ流れることもある。
【0162】
図33は、アッセイシステム(2800)の断面ブロック図であり、流体制御装置システムは、第3流体チャンバ(2814)からの流体を排出する。
【0163】
アッセイシステム(2800)は、アクチュエータシステムを含んでもよく、アクチュエータシステムは第3流体制御装置(2808)上で作動するように構成されてもよい。
【0164】
アッセイシステム(2200)およびアッセイシステム(2800)に関連して、本明細書に記載される1以上の注入口、排出口、および、流体経路は、1以上の前述の例で記載したようなゲートまたは通路として実装され、
−ハウジングの内部表面内の流体チャネル
−前記ハウジングの内側表面を通る複数の開口部を有する、ハウジング内の流体通路
−前記流体のひとつの内側表面内に形成される流体チャネルの1以上を含み、
前記流体通路は流体制御装置を通る。
【0165】
本明細書に記載の1以上の注入口、排出口、チャネル、流体経路、ゲート、通路は、逆止弁のような1以上の流量制限器を含んでもよく、該流量制限器は、流量制限弁を超える圧力差が閾値以下になると流体の流れを妨げるように、もろい逆止弁を含んでもよい。
【0166】
7.典型的なアクチュエータシステム
ユーザ起動式のアクチュエータシステムは、1以上の機械式アクチュエータ、電気式アクチュエータ、電気−機械式アクチュエータ、および、化学反応起動式アクチュエータを含んでもよい。典型的なユーザ起動式アクチュエータシステムは、以下に開示され、そのうちの1以上は、先に開示された典型的なポンプで実装される。
【0167】
図34は、典型的な機械式アクチュエータシステム(3400)の横断面図である。アクチュエータシステム(3400)は、外側ハウジング部分(3406)の開口部(3404)を通って、および、外側ハウジング部分(3406)のもろい内壁(3410)の開口部(3408)を通って摺動的に配置されるボタン(3402)を含む。ボタン(3402)は、ハウジング部分(3406)ともろい内壁(3410)との間にボタン(3402)を固定するために、開口部(3404)および(3408)を超えて延出する戻り止め(3412)を含む。
【0168】
アクチュエータシステム(3400)は、ボタン(3402)の空洞(3416)内部に配された第1端部と、部材(3420)の空洞(3418)内部に配された第2端部とを有する圧縮可能なバネ(3414)を含む。部材(3420)は、流体制御装置システムと連結されるか、または、流体制御装置システムの一部であってもよく、プランジャまたは流体制御装置の一部は、本明細書の1以上の実施例で記載および図示される。
【0169】
アクチュエータシステム(3400)は、外側ハウジング部分(3406)の内部で摺動可能なように係合した内側ハウジング部分(3422)を含む。内側ハウジング部分(3422)は、図35に関連して以下に記載されるように、外側ハウジング部分(3402)の内側表面で、1以上の対応する開口部(3428)および(3430)と施錠するように係合するために、戻り止め(3424)および(3426)として図示される1以上の戻り止めを含む。
【0170】
アクチュエータシステム(3400)は、内側ハウジング部分(3422)と直接的または間接的に連結した、1以上のもろいスナップ部(3432)(frangible snap)を含む。もろいスナップ部(3432)は、施錠戻り止め(3434)を含み、部材(3420)は、部材(3420)をもろいスナップ部(3432)に解放可能なように連結するために、対応する施錠戻り止め(3436)を含む。
【0171】
アクチュエータシステム(3400)の操作は、図35および36に関連して以下に記載される。
【0172】
図35は、アクチュエータシステム(3400)の横断面図であり、内側ハウジングの戻り止め(3424)および(3426)は、外側ハウジング開口部(3428)および(3430)と施錠するように係合する。この構造は、ハウジング部分(3422)および外側部分(3406)を互いに対して摺動または圧縮することで達成されてもよい。図35の構造において、バネ(3414)は圧縮された位置にあり、部材(3402)に関連する流体制御装置システムを上記の例に記載されるように動かす潜在的なエネルギーを有する。この構造において、ボタン(3402)は、もろいスナップ部(3432)と近接し、その一方で、もろいスナップ部の戻り止め(3434)と部材施錠戻り止め(3436)とが互いに係合したままであることによって、圧縮バネ(3414)の潜在的なエネルギーに応じて部材(3420)が動くことを妨げる。内側ハウジングの戻り止め(3424)および(3426)は、外側ハウジングの開口部(3428)および(3430)と施錠するように係合したままであることによって、圧縮バネ(3414)の潜在的なエネルギーに応じて内側ハウジング部分(3422)と外側ハウジング部分(3406)が互いに離れて動くことを妨げる。
【0173】
図36は、典型的なアクチュエータシステム(3400)の横断面図であり、ボタン(3402)を十分な力で押すことで、戻り止め(3412)がもろい壁(3408)を超えて動くとともに、ボタン(3402)はもろいスナップ部(3432)を広げる。もろいスナップ部(3432)を広げると、もろいスナップ部の戻り止め(3434)および部材施錠戻り止め(3436)が互いに外れることによって、圧縮バネ(3424)の潜在的な力が部材(3420)に作用する。
【0174】
アクチュエータシステム(3400)は、図37および38に関連して以下に記載されるように、図3におけるアッセイシステム(300)の内部で実装されてもよい。
【0175】
図37は、典型的なアッセイシステム(3700)の斜視図であり、外側ハウジング部分(3702)および内側ハウジング部分(3704)を含み、外側ハウジング部分(3702)および内側ハウジング部分(3704)は、互いに対する第1の位置を本明細書で図示される。外側ハウジング部分(3702)は、図34乃至36の外側ハウジング部分(3406)に相当してもよく、内側ハウジング部分(3704)は内側ハウジング部分(3422)に相当してもよい。アッセイシステム(3700)は、アクチュエータボタン(3712)および開口部(3714)をさらに含み、アクチュエータボタン(3712)および開口部(3714)は、図34乃至36のボタン(3402)および開口部(3428)にそれぞれ相当してもよい。
【0176】
図38は、典型的なアッセイシステム(3700)の別の斜視図であり、外側ハウジング部分(3702)および内側ハウジング部分(3704)は、互いに対する第2の位置で図示され、外側ハウジング部分(3702)および内側ハウジング部分(3704)は、図35または36に相当してもよい。
【0177】
アッセイシステム(3700)は、サンプルチャンバ(3706)と、サンプルチャンバ(3706)を封入および密閉するために内側ハウジング部分(3704)にヒンジで接続されたサンプルチャンバのふたと、および、ディスプレイウィンドウ(3710)とをさらに含む。
【0178】
アッセイシステム(3700)は、アッセイシステム(2200)(図22−27)を含んでもよく、内側ハウジング部分(3704)はハウジング部分(2202)に相互に関連し、サンプルチャンバ(3706)は、サンプルチャンバ(2216)に相互に関連し、ディスプレイウィンドウ(3710)はディスプレイウィンドウ(2232)に相互に関連する。
【0179】
同様に、アッセイシステム(3700)は、アッセイシステム(2800)(図28−33)を含んでもよく、内側ハウジング部分(3704)は、ハウジング部分(2802)に相互に関連し、サンプルチャンバ(3706)はサンプルチャンバ(2816)に相互に関連し、ディスプレイウィンドウ(3710)はディスプレイウィンドウ(2832)に相互に関連する。
【0180】
同様に、アッセイシステム(3700)は、1以上のポンプ(600)、(900)、(1100)、(1500)、(1800)、(2100)を含んでもよい。
【0181】
ユーザ起動式アクチュエータは、1以上のプランジャまたは流体制御装置の複数のセットを個別に制御するように構成されてもよい。図39は、典型的なアッセイシステム(3900)の一部の横断面図であり、ユーザ起動式アクチュエータからの対応する力に応じて、1以上のプランジャまたは流体制御装置の複数のセットを、押すことおよび/または引くことによって、個別に制御するために、複数の制御ロッド、または、ステム(3910a−3910c)を含む。
【0182】
1以上のステム(3910)は、複数の隣接プランジャおよび/または非隣接プランジャへ連結されてもよい。ステム(3910)は、それぞれのプランジャ上に力を及ぼすため、つまり、押したり、及び/または、引いたりするために、個別に制御可能であってもよい。
【0183】
1以上のステム(3910)は、図40で図示される別の1以上のステム(3910)内部に順に嵌め込まれてもよい。1以上のステム(3910)は、図41で図示されるように、個別のステム(3910)として実装されてもよい。
【0184】
図21は、アッセイシステム(2100)の一部の断面ブロック図であり、ユーザ起動式アクチュエータ(2104)と、ユーザ起動式アクチュエータ(2104)および1以上の流体チャンバの間の、ハウジング内部の1以上の流体通路(2110)とを含む。ユーザ起動式アクチュエータ(2104)は、可撓性を有する引き裂き抵抗性膜(2106)内部に、ユーザ破裂式の膜によって分離された化学物質の組み合わせを含み、該化学物質の組み合わせは、組み合わされると、周知のように加圧流体を生成する。加圧流体は、気体または液体であってもよい。加圧流体は、上記の1以上の例で記載されるように、流体制御装置(2112)を移動させる。複数のユーザ破裂式の膜は、複数の流体通路(2110)のために実装されてもよい。
【技術分野】
【0001】
医療従事者への大きな負担、すなわち、多くのありふれた疾患の罹患率の上昇と、遠隔試験によって起こる治療の大幅な遅れとを考慮すると、効果的かつ正確なポイント・オブ・ケアの疾患検出を可能にする、迅速で使いやすいオートメーション化された診断装置およびプラットフォームの開発は急を要することであった。
【背景技術】
【0002】
ポイント・オブ・ケア・デバイスの歴史的な障害は、製造の困難性、使いやすさの限界、および、政府の規制を含む。このような障害の幾つかは、科学技術の発達と、政府および他の取締機関によるポイント・オブ・ケア検査の重要性の認可とを介して削減された。しかしながら、使いやすさと正確性を含む考慮すべき重要な事柄があるため、ポイント・オブ・ケア検査は、依然として多くの医療機関では不適切なもののままである。
【0003】
従来のポイント・オブ・ケア診断システムは、流体アッセイなどの多くの診断アッセイを行う能力が限られている、毛細管現象または検査ストリップを利用している。
【0004】
酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)などの流体アッセイは、癌から単純ヘルペスII型のような疾患までにわたる多くの疾患の存在を検知することができ、一般的には、必要とする操作工程は比較的少ない。しかしながら、このような工程は、訓練を受けた検査技師によって通常は行われる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書には、実質的に内蔵型の携帯用ユーザ起動式流体アッセイシステムを用いて、ポイント・オブ・ケアのユーザ起動式流体アッセイを実行するための方法およびシステムについて記載されている。
【0006】
代表的なアッセイは、診断アッセイおよび化学検出アッセイを含む。診断アッセイは、無制限に、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)を含み、さらに、1以上の性感染症(STD)診断アッセイを含むこともある。
【0007】
代表的なアッセイシステムは、1以上の流体チャンバを有するハウジングと、1以上の流体チャンバから流体を分注する流体制御システムと、および、流体制御システムを制御するユーザ起動式アクチュエータとを含む。
【0008】
アクチュエータは、流体チャンバからの流量を制御するために、機能的に閉じられた位置から機能的に開かれた位置へと、流体制御装置を連続的に移動させるよう構成されている。
【0009】
流体制御装置システムは、流体を連続的に分注するように構成されてもよく、複数の流体を混合させるよう構成されてもよい。
【0010】
ハウジングはアッセイ部分を有し、流体制御装置システムは、1以上の流体チャンバからアッセイ部分へと流体を分注するように構成されてもよい。
【0011】
ハウジングは、流体チャンバおよび/またはアッセイ部分の間に、1以上の流体経路を有してもよく、流体制御装置システムは、流体チャンバの排水口を対応する流体経路と一直線上に並べるよう構成されている。
【0012】
ハウジングは、生体サンプルなどのアッセイサンプルを収容するサンプルチャンバを有してもよく、1以上の流体経路がサンプルチャンバを有してもよい。
【0013】
ユーザ起動式アクチュエータシステムは、アクチュエータシステムを起動させるために、外部のユーザ操作型トリガー機構を有してもよい。アクチュエータシステムは、機械式アクチュエータを有してもよく、圧縮可能なバネを用いるアクチュエータシステムを有してもよい。
【0014】
アッセイ装置は、アッセイ結果を見るためのディスプレイウィンドウを有してもよい。
【0015】
図において、参照番号は同一のまたは機能的に類似する要素を示す。これに応じて、参照番号の最も左側の数字は、参照番号が最初に現れる図を示している。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実質的に内蔵型のポイント・オブ・ケアのユーザ起動式流体アッセイシステムを用いてアッセイを行う、典型的な方法のプロセス・フローチャートである。
【図2】典型的な携帯用のポイント・オブ・ケアのユーザ起動式流体アッセイシステムのブロック図である。
【図3】典型的な携帯用のポイント・オブ・ケアのユーザ起動式流体アッセイシステムの斜視図である。
【図4】携帯用のポイント・オブ・ケアのユーザ起動式流体アッセイシステムの典型的な方法のプロセス・フローチャートである。
【図5】図4にあわせて用意したアッセイシステムを用いる典型的な方法のプロセス・フローチャートである。
【図6】ポンプ(600)の断面ブロック図である。
【図7】ポンプ(600)の別の断面ブロック図である。
【図8】ポンプ(600)の視点A−Aの断面ブロック図である。
【図9】マルチチャンバポンプ(900)の断面ブロック図である。
【図10】ポンプ(900)の別の断面ブロック図である。
【図11】マルチプル流体チャンバから流体を連続的に混合させるように構成されているポンプ(1100)の断面ブロック図である。
【図12】ポンプ(1100)の別の断面ブロック図である。
【図13】ポンプ(1100)の別の断面ブロック図である。
【図14】ポンプ(1100)の別の断面ブロック図である。
【図15】マルチプル流体チャンバから流体を同時に混合させるように構成されているポンプ(1500)の断面ブロック図である。
【図16】ポンプ(1500)の別の断面ブロック図である。
【図17】ポンプ(1500)の別の断面ブロック図である。
【図18】マルチプル流体チャンバから流体を同時に混合させるように構成されているポンプ(1800)の断面ブロック図である。
【図19】ポンプ(1800)の別の断面ブロック図である。
【図20】ポンプ(1800)の別の断面ブロック図である。
【図21】ユーザ起動式アクチュエータを含む、アッセイシステム(2100)の一部の断面ブロック図である。
【図22】典型的なアッセイシステム(2200)の断面斜視図である。
【図23】アッセイシステム(2200)の断面ブロック図である。
【図24】アッセイシステム(2200)の別の断面ブロック図である。
【図25】アッセイシステム(2200)の別の断面ブロック図である。
【図26】アッセイシステム(2200)の別の断面ブロック図である。
【図27】アッセイシステム(2200)の別の断面ブロック図である。
【図28】典型的なアッセイシステム(2800)の断面斜視図である。
【図29】アッセイシステム(2800)の別の断面ブロック図である。
【図30】アッセイシステム(2800)の別の断面ブロック図である。
【図31】アッセイシステム(2800)の別の断面ブロック図である。
【図32】アッセイシステム(2800)の別の断面ブロック図である。
【図33】アッセイシステム(2800)の別の断面ブロック図である。
【図34】典型的な機械式アクチュエータシステム(3400)の断面図である。
【図35】機械式アクチュエータシステム(3400)の別の断面図である。
【図36】機械式アクチュエータシステム(3400)の別の断面図である。
【図37】典型的なアッセイシステム(3700)の斜視図である。
【図38】アッセイシステム(3700)の別の斜視図である。
【図39】典型的な機械制御ロッドアクチュエータ(3910)の断面図である。
【図40】制御ロッドアクチュエータ(3910)の別の断面図である。
【図41】制御ロッドアクチュエータ(3910)の別の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書には、ポイント・オブ・ケアのユーザ起動式流体アッセイと、実質的に内蔵型の携帯用ポイント・オブ・ケアのユーザ起動式流体アッセイシステムとを行う方法が開示されている。
【0018】
典型的な方法およびシステムが、例示目的のために、免疫測定法に関して、本明細書に記載されている。本明細書の教示内容に基づいて、当業者は、そのような方法が、他の診断アッセイおよび化学アッセイに関連して実行されることを理解するであろう。
【0019】
免疫測定法は、抗体と抗体に特異的な抗原との反応を用いて、血液、唾液、または、尿などの生体サンプル中の、物質を検出するか、または、物質の濃度を測定するための生化学検査である。
【0020】
免疫測定法を用いて、抗体または抗原の存在を検出する。例えば、感染症を検出すると、病原体に対する抗体の存在が測定される。インスリンなどのホルモンが検出されると、インスリンが抗原として使用される。
【0021】
したがって、方法またはシステムが、対応する第2結合対分子を用いて、第1結合対分子を検出するよう記載されている場合、当然のことながら、第1結合対分子は抗体または抗原であってもよく、第2結合対分子は、それぞれ、対応する抗体または抗原であってもよい。同様に、方法またはシステムが、抗体または抗原を検出するよう記載されている場合、この方法またはシステムは、対応する抗原または抗体それぞれを検出するように実施される。
【0022】
免疫測定法を用いて、潜在的にアレルギーを誘発する食品、化学物質または薬物を検出することもある。
【0023】
免疫測定法は、分子の結合対を視覚的に表示するために、標識化した免疫測定法を含む。標識化は、酵素、放射性同位元素、磁気標識、蛍光、凝集、比濁分析、比濁法、および、ウェスタンブロットを含む。
【0024】
標識化した免疫測定法は、競合免疫測定法および非競合免疫測定法を含む。競合免疫測定法において、サンプル中の抗原は、抗体による結合に対して標識化した抗原と競合する。抗体部位に結合させた標識化した抗原の量は、サンプル中の抗原の濃度に反比例する。サンドイッチアッセイとも呼ばれる非競合免疫測定法において、サンプル中の抗原を抗体部位に結合させる。標識化した抗体を、その後、抗原に結合させる。その部位に標識化した抗体の量は、サンプル中の抗原濃度に直接比例する。
【0025】
標識化した免疫測定法は、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)を含む。
【0026】
典型的な免疫測定法において、生体サンプルは、第1結合対分子が存在するかどうかを調べる。
【0027】
典型的なイムノアッセイにおいて、生体サンプルは、第1の結合対分子の存在について検査される。第1の結合対分子に特異的な対応する結合対分子を、アッセイ基質上に固定する。生体サンプルをアッセイ基質へ接触させる。生体サンプル中の任意の第1の結合対分子は、対応する結合対分子に付着するか、または、対応する結合対分子に捕捉される。第1の結合対分子は、同様に、第1の結合対分子に付着する標識化された第2の結合対分子に接触される。これは、第1の結合対分子を、対応する固定化された結合対分子と接触させた後、接触させる前、または、接触させると同時に行ってもよい。生体サンプルの未反応成分と流体は、アッセイ基質から除去または洗浄してもよい。アッセイ基質上に標識が存在することは、生体サンプル中に第1の結合対分子が存在することを示す。
【0028】
標識は、一般的にコロイド金と呼ばれるコロイドまたは溶液中の金粒子のような、ヒトの観察者に見える、直接検出可能な標識を含んでもよい。
【0029】
標識は、酵素のような、間接的な標識を含めてもよく、これによって、該酵素が基質に働きかけることで、検出可能な反応生成物を生成する。例えば、酵素は、第1の結合対分子に付着しても良く、該酵素が蛍光シグナルのような検出可能なシグナルへ変換する物質は、アッセイ基質へ接触される。光がアッセイ基質に向けられると、任意の結合対分子複合体は、第1の結合対分子の存在が観察可能となるように、蛍光を発するようになる。
【0030】
免疫測定法は、生体サンプルを流体化する希釈溶液(dilutent solution)と、標識化した第2結合対分子を有する共役溶液と、および、1以上の洗浄液とを含む、1以上の流体溶液を利用する。生体サンプルと流体は、同時または順次、アッセイ基質に接触させてもよい。アッセイ基質は、対応する結合対分子のコーティングで用意したアッセイ表面またはアッセイ膜を有してもよい。
【0031】
上記のように、第2結合対分子は、生体サンプルで検出される抗体に特異的な抗原を含んでもよく、または、生体サンプルで検出される抗原に特異的な抗体を含んでもよい。例として、検出される第1結合対分子が抗原の場合、固定化した結合対分子と第2の標識化した結合対分子は抗体となり、その双方は抗原と反応する。抗原が生体サンプル中に存在する場合、その抗原は固定化された抗体によって固定化されるとともに、標識化された第2の抗体によって標識化されることで、サンドイッチ様の構築物または複合体が形成される。
【0032】
非特異的なまたは未反応の成分は、アッセイの感度および信号対雑音を改善するために、しばしば、標識検出工程の間および/または標識検出工程の前に、洗浄液を用いて都合良く除去される。他の順列でも同様に可能である。例えば、標識化した第2の結合対分子などの共役溶液は、生体サンプルをアッセイ基質に都合よく輸送するサンプル希釈剤と混合させるか、または、該サンプル希釈剤として作用することで、第1結合対分子と標識化した第2結合対分子とを、固定化した結合対分子に同時結合することができる。代替的に、または、追加的に、サンプル希釈剤は、細胞膜、赤血球のような役に立たない細胞といった生体サンプルの他の成分の有害な効果を都合よく減少させるために、1以上の洗剤および/または溶解剤を含んでもよい。
【0033】
当業者は、このような流体の成分と反応工程の順序が、検体の検出または識別を最適化するため、感度を高めるため、および、信号対雑音比を改善するために、夫々の成分の濃度によって容易に調節可能であることを容易に認識するであろう。
【0034】
容易に理解されるように、第2の抗体が、蛍光標識または他の即時検出可能な標識の代わりに酵素で標識化されると、さらなる基質を用いることで、酵素は都合よく検出可能な反応生成物を生成することができる。酵素ベースの標識化を用いることの利点は、酵素が検出可能な生成物を生成するために余分な基質に働きかけるとともに、検出可能な信号が徐々に増えるということもあるということである。
【0035】
図1は、実質的に内蔵型のポイント・オブ・ケアのユーザ起動式流体アッセイシステムを用いた、生体サンプル中の第1結合対分子を検出する典型的な方法(100)のプロセス・フローチャートである。第1結合対分子は、抗体または抗原に相当する。
【0036】
(102)で、生体サンプルがアッセイシステムに提供される。生体サンプルは、1以上の血液サンプル、唾液サンプル、および、尿サンプルを含んでもよい。生体サンプルは、アッセイシステム内のサンプル基質に適用してもよい。
【0037】
(104)で、アッセイシステム内の流体アクチュエータは、ユーザによって起動される。流体アクチュエータは、圧縮バネを用いるアクチュエータなどの機械式アクチュエータを含んでもよく、ボタン、スイッチ、または、レバーによって起動されることもある。流体アクチュエータは、アッセイシステム内の流体制御装置システムにかかる物理的力、圧力、求心力、気体の圧力、重力、および、これらの組み合わせの1以上を与えるように構成されてもよい。
【0038】
(106)で、生体サンプルは希釈流体で流体化される。希釈流体は、流体制御装置システムの制御下で、サンプル基質を超えてまたはサンプル基質を通って流れてもよい。
【0039】
(108)で、流体化した生体サンプルを、第1結合対分子に特異的な対応する結合対分子に接触させる。対応する結合対分子は、アッセイシステム内のアッセイ基質上で固定化されてもよい。流体化した生体サンプルは、流体制御装置システムの制御下で、サンプル基質を超えてまたはアッセイ基質を通って流れてもよい。
【0040】
流体化した生体サンプルが第1結合対分子を含む場合、第1結合対分子は、対応する結合対分子に付着し、アッセイ基質上で固定化される。例えば、第2結合対分子が病原体部分を含み、さらに、生体サンプルがその病原体の抗体を含む場合、この抗体はアッセイ基質上で固定化された抗原に付着する。
【0041】
(110)で、標識化した共役溶液を、溶液制御装置システムの制御下でアッセイ基質に接触させる。標識化した共役溶液は、第1結合対分子と結合するために、第2結合対分子を含む。第1結合対分子を、対応する結合対分子によってアッセイ基質上に固定化させると、第2結合対分子は、固定化した第1結合対分子に付着し、第1結合対分子のサンドイッチ様構築物、対応する結合対分子、および、標識化した第2結合対分子を効果的にもたらす。
【0042】
第2結合対分子は、生体サンプル中で一般的に見られる1以上のタンパク質を標的にするものとして選択される。例えば、生体サンプルがヒトの血中サンプルを含む場合、第2結合対分子は、ヒトの血液中で一般的に見られる1以上のタンパク質に反応して、非ヒト動物によって発生する抗体を含むこともある。
【0043】
第2結合対分子は、金コロイドなどのヒトに見える粒子、または、水などの流体中の金粒子の懸濁液で標識化される。代替的に、または、追加的に、第2結合対分子は、蛍光プローブで標識化されることもある。
【0044】
標識化した第2結合対分子は、(110)で、対応する結合対分子に付着する第1結合対分子と付着する場合、標識は(112)でユーザは見ることができる。
【0045】
方法(100)は、アッセイシステムにおいて複数の診断アッセイを行うために実施される。例えば、それぞれが異なる抗体に特異的な複数の抗原は、アッセイシステム内部で1以上のアッセイ基質上に固定化されてもよい。同様に、それぞれが異なる抗原に特異的な複数の抗体は、アッセイシステム内部の1以上のアッセイ基質上に固定化されてもよい。
【0046】
図2は、ハウジング(202)、ユーザ起動式アクチュエータ(204)、流体ポンプ(206)、および、アッセイ結果表示器(218)を含む、典型的な携帯用のポイント・オブ・ケアのユーザ起動式流体アッセイシステム(200)のブロック図である。
【0047】
ポンプ(206)は、アッセイで用いられる流体を制御するための、1以上の流体チャンバ(210)を含む。流体チャンバ(210)の1以上は、制限なく、0.5乃至2ミリメートルの範囲内の容積を有する。
【0048】
ポンプ(206)は、サンプルを保持するために、サンプル基質(214)を含む。サンプル基質(214)は、上記のように、1以上のサンプルを収容するために、ハウジング(202)の空洞部またはチャンバ内部に配された表面または膜を含む。
【0049】
サンプル基質(214)は、多孔物質および/または吸収物質を含み、この多孔物質および/または吸収物質は、200μLまでの範囲、および、およそ約25乃至50μLまでの範囲を含む、10乃至500μLの範囲の液体体積を吸収するよう構成されてもよい。
【0050】
ポンプ(206)は、アッセイ材料を保持するために、アッセイ基質(216)を含む。アッセイ基質(216)は、上記のように、抗原または抗体などの1以上のアッセイ化合物または生体要素を収容するために、ハウジング(202)の空洞部またはチャンバ内部に配された表面または膜を含む。
【0051】
流体チャンバ(210)は、廃液チャンバを含んでもよい。
【0052】
ポンプ(206)は、流体制御装置システム(208)を含み、この流体制御装置システムは、アクチュエータ(204)に応答して、1以上の流体チャンバ(212)から1以上のサンプル基質(214)およびアッセイ基質(216)までの流体の流れを制御するために、複数の流体制御装置を含む。
【0053】
アクチュエータ(204)は、圧縮または圧縮可能なバネのアクチュエータを含む機械式アクチュエータを含むとともに、ボタン、スイッチ、レバー、ツイスト・アクチベータ(twist-activator)、または、他のユーザ起動式特性を含んでもよい。
【0054】
アッセイ結果表示器(218)は、ハウジング(202)を通る開口部上、アッセイ基質(216)上に配されたディスプレイウィンドウを含んでもよい。
【0055】
図3は、ハウジング(302)、ユーザ起動式アクチュエータボタン(304)、サンプル基質(306)、および、サンプル基質カバー(308)を含む、典型的な携帯用のポイント・オブ・ケアのユーザ起動式流体アッセイシステム(300)の斜視図である。サンプル基質(308)は、ハウジング(302)にヒンジ結合されてもよい。
【0056】
アッセイシステム(300)は、アッセイ結果表示器(310)をさらに含み、このアッセイ結果表示器はアッセイ基質上に配されてもよい。アッセイ結果表示器(310)は、図3に記載の如く、アッセイシステム(300)の端部に配されるか、または、アッセイシステム(300)の側部に沿って配されてもよい。
【0057】
アッセイシステム(300)は、制限なく、5乃至8センチメートルの幅の長さと、約1センチメートルの幅とを有してもよい。アッセイシステム(300)は、図3に記載の如く、実質的に円筒形状を有してもよく、または、他の形状を有していてもよい。
【0058】
アッセイシステム(300)またはその一部は、1以上の実質的な剛性材料、および/または、1以上の可撓性材料もしくは柔軟性材料で実施されてもよく、この材料は、制限なく、ポリプロピレンを含む。
【0059】
典型的な携帯用のポイント・オブ・ケアのユーザ起動式流体アッセイシステムが以下にさらに開示される。
【0060】
図4は、携帯用のポイント・オブ・ケアのユーザ起動式流体アッセイシステムを用意するための典型的な方法(400)のプロセス・フローチャートである。方法(400)は、例示する目的で、図2のアッセイシステム(200)に関連して以下に記載される。しかしながら、方法(400)は、図2の例に限定されるものではない。
【0061】
(402)で、結合対分子は、図2のアッセイ基質(216)などのアッセイ基質上に固定される。その結合対分子は、抗体に特異的な抗原、または、抗原に特異的な抗体を含む。
【0062】
(404)で、流体チャンバ(210)の第1のチャンバは、サンプルを流体化するために、希釈液とともに提供される。
【0063】
(406)で、流体チャンバ(210)の第2のチャンバは、標識化された第2の結合対分子溶液とともに提供される。
【0064】
(408)で、流体チャンバ(210)の第3のチャンバは、1以上の食塩水および洗剤を含む洗浄液とともに提供される。この洗浄液は、希釈液と実質的に類似してもよい。
【0065】
図5は、方法(500)に応じて用意したアッセイシステムを用いる典型的な方法のプロセス・フローチャートである。方法(500)は、例示する目的で、図2のアッセイシステム(200)、および、図3のアッセイシステム(300)に関連して以下に記載される。しかしながら、方法(500)は、図2および図3に限定されるものではない。
【0066】
(502)で、サンプルは、図2のサンプル基質(214)、および、図3のサンプル基質(306)などのようなサンプル基質に提供される。
【0067】
(504)で、ユーザ起動式アクチュエータは、図2のユーザ起動式アクチベータ(204)、および、図3のボタン(304)など、ユーザによって起動される。ユーザ起動式 アクチュエータは、図2の流体制御装置システム(208)などの流体制御装置システムに作用する。
【0068】
(506)で、流体制御装置システムの制御下で、希釈液は第1流体チャンバから流れて、サンプル基質およびアッセイ基質に接触する。
【0069】
この希釈流体がサンプル基質を超えてまたは通って流れると、サンプルは、サンプル基質から除去され、希釈液とともにアッセイ基質に流れる。
【0070】
(508)で、標識化した第2結合対溶液は、流体制御装置システムの制御下で、第2流体チャンバから流れて、アッセイ基質に接触する。標識化した第2結合対溶液は、アッセイ基質に直接流れたり、サンプル基質超えてまたは通って流れたりすることもある。
【0071】
(510)で、洗浄液は、流体制御装置システム(208)の制御下で、第3の流体チャンバから流れて、アッセイ基質を洗浄する。洗浄液は、アッセイ基質から廃液チャンバへと流れることもある。
【0072】
(512)で、アッセイ結果は、図2のアッセイ結果表示器(218)、および、図3のアッセイ結果表示器(310)などで、見ることができる。
【0073】
典型的なアッセイ基質は、カリフォルニア州のカールズバッドのInvitrogen Corporatationから入手可能なニトロセルロースベースの膜を含むこともある。
【0074】
ニトロセルロースベース膜の典型的な準備は、ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrich Corporationから入手可能な0.2 mg/mLのタンパク質Aの溶液中、リン酸緩衝食塩水(PBS)中における約30分のインキュベーションを含んでもよく、その後、約15分間、約37°で乾燥される。1μLのPBSをその後乾燥膜に加えてもよく、室温下で乾燥させることができる。または、ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrich Corporationから入手可能な1μLのN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)溶液を、この乾燥膜に加えて、室温下で乾燥させることもできる。
【0075】
典型的なアッセイ方法および/またはシステムは、ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrich Corporationから入手可能な、およそ100μLのPBS/0.05%Tween洗浄緩衝液を利用するかまたは含んでも良く、イリノイ州ロックランドのPierce Corporationから入手可能な、およそ100μLのプロテインGコロイド金を利用するかまたは含んでもよい。
【0076】
典型的なアッセイ方法および/またはシステムは、クラミジアについて検査するために構成されても良く、約50μLの血液サンプルが適用される麦芽アグルチニンで処理したサンプル膜を利用するかまたは含んでもよい。約150μLの溶解溶液は、その後、サンプル膜を通過して、アッセイ基質へ接触される。その後、約100μLのコロイド金溶液は、アッセイ基質へ接触させてもよい。その後、溶解溶液を含む約500μLの洗浄溶液は、サンプル膜を通過することなく、アッセイ膜へ接触させる。
【0077】
追加の典型的な特徴および実施形態は、以下に開示されている。本明細書の記載に基づき、当業者は、本明細書に記載された典型的な特徴および実施形態を、互いに様々な組み合わせの中で実行してもよい。ことを理解するだろう。
【0078】
1.典型的な複数の流体チャンバ、連続した流体ポンプ
図6および図7は、内部壁表面(604)を有するハウジング(602) を含み、その内部で空洞部(606)を定義する、典型的なポンプ(600)の断面ブロック図である。
【0079】
流量制御装置またはプランジャ(612)は、ハウジング(602)内部に配される。プランジャ(612)は、第1および第2流体チャンバ(618a)および(618b)を分離させるかまたは定義する。プランジャ(612)は、図6で図示される第1位置と、図7で図示される第2位置との間で移動可能である。ハウジング(602)の底部(624)内の排出口(608) は、第2流体チャンバ(618a)と連通している。プランジャ(612)は、流体チャンバ(618a)から排出口(608)を通って分注するように制御可能である。排出口(608)は、1以上の他の流体チャンバに通じていてもよく、これらの流体チャンバは、1以上のサンプル基質およびアッセイ基質を含んでもよい。
【0080】
留め具(614)は、プランジャ(612)が第2位置(図7)にある際に、プランジャ(612)が排出口(608)を塞いだりまたは密閉したりするのを妨げる。留め具(614)は、様々な方法で実装可能である。図8は、視点AA(図7)による、低部(624)上部の、ハウジング(602)の典型的な断面図であり、留め具(614)は、低部(624)から空洞部(606)へと延出する1以上の突起部を含む。または、留め具(614)は、ハウジングの側壁表面(604)から空洞部(606)へと延出する、および/または、プランジャ(612)の表面(628)から延出する1以上の突起部を含むこともできる。
【0081】
図7で示されるように、プランジャ(612)が第2位置にある場合、第2流体チャンバ(618b)は、通路またはゲート(610)を通って、第1流体チャンバ(618a)と流体連通している。第2位置は、本明細書で機能的に開かれた位置と呼ばれる。
【0082】
ゲート(610)は、形成されたり、エッチされたり、彫り込まれたり、刻まれたり、または、それ以外に、表面(604)上の1以上のチャネル、および/または、ハウジングの内部壁(604)内部の1以上の通路として、実行されたり、もしくは、与えられたりしてもよく、ハウジングの内部壁表面(604)を通る開口部は、1以上の通路を空洞部(606)に晒す。
【0083】
ゲート(610)とプランジャ(612)は、プランジャ(612)が第1位置にある際に、プランジャ(612)が第2流体チャンバ(618b)から、ゲート(610)またはその一部分を塞ぎ、封鎖し、および/または、密閉するように構成および/または成形され、それによって、図6に記載の如く、第1流体チャンバ(618a)を第2流体チャンバ(618b)から分離させる。その第1位置は機能的に閉じられた位置と呼ばれる。
【0084】
図6および図7の例において、ゲート(610)は、長さ(622)を有しており、この長さはプランジャのエッジの高さ(620)よりも寸法的に大きい。機能的に閉じられた位置において、プランジャ(612)は、図6のように、ゲート(610)の少なくとも一部を封鎖するか、または、低部(624)からさらに離れて配されることで、第1流体チャンバ(618a)が、第2流体チャンバ(118b)から分離するようになる。
【0085】
プランジャ(612)は、中身が詰まっていても中空でも構わない。プランジャ表面(626)および(628)は、実質的に平坦であったり、凹面状であったり、凸面状であったり、および/または、これらの組み合わせであってもよい。
【0086】
プランジャ(612)は、例えば、および、無制限に、求心力、気体の圧力、手動による起動を含む物理的圧力、重力、または、これらの組み合わせによって、制御可能である。
【0087】
動作時、プランジャ(612)が図6の非圧縮位置または機能的に閉じられた位置から、図7の圧縮位置または機能的に開かれた位置へと移動すると、第1流体チャンバ(618a)内部の流体は、排出口(608)を通って排出される。プランジャ(612)が図7の圧縮位置または機能的に開かれた位置に到達すると、第1流体チャンバ(618a)は、ゲート(610)を通って第2流体チャンバ(618b)と流体連通することで、第2流体チャンバ(618b)内の流体が、矢印(702)を指し示す流体によって図示されるように、ゲート(610)と排出口(608)を通って排出することができる。 第2流体チャンバ(618b)内の流体は、例えば、および、無制限に、求心力、気体の圧力、手動による起動を含む物理的圧力、重力、または、任意で、第2プランジャを含むこれらの組み合わせによって、排出可能である。
【0088】
本明細書の記載に基づいて、当業者は、ゲート(610)が、ゲート(610)またはその一部がプランジャ(612)内部で実行される構造体を含む、他の構造体とともに実行されることが可能であることを理解するであろう。このような他の構造体は、本発明の開示内容の精神および範囲内のものである。
【0089】
1以上のさらなるプランジャおよび対応するゲートは、任意で実装される。さらなる流体チャンバは、その内部の連続的な分注流体に対して、連続的にまたは順序関係なく制御可能であり、および/または、複数の流体チャンバから内部混合した流体に対して制御可能である。例となる実施形態は、例示目的ために、以下に記載される。
【0090】
ポンプ(600)は、真空装置として、逆順で操作されてもよい。
【0091】
2.連続分注
図9および10は、例示的な複数の流体チャンバ、連続的に分注するポンプ(900)の断面ブロック図である。ポンプ(900)は、流体チャンバ(918a)乃至(918d)を定義する、プランジャ(912a)、(912b)、および、(912c)を含む。 ポンプ(900)は、留め具(914a)乃至(914c)をさらに含み、該留め具は、図6、7、および、8の留め具(614)と類似するかまたは異なるように構成可能である。
【0092】
図9および10の例において、プランジャ(912a)乃至(912c)は、ハウジング空洞部(906)内部で互いに長手方向に並べられ、図9に示される閉じられた位置と、図10に示される機能的に開かれた位置との間で、移動可能である。プランジャ(912a)、(912b)、および、(912c)の機能的に開かれた位置および閉じられた位置は、一般的には、1以上の 流体チャンバに関連した流体連通を許可するかまたは遅らせるかどうかに関して、定義されるものである。
【0093】
ポンプ(900)は、(910a)乃至(910c)のゲートを含む。図9において、プランジャ(912a)がその機能的に開かれた位置にある時、流体チャンバ(918a)と(918b)は、ゲート(910a)を介して互いに流体連通している。図10において、プランジャ(912b)が、その機能的に開かれた状態にある時、流体チャンバ(918b)と(918c)は、ゲート(910b)を介して互いに流体連通している。プランジャ(912c)がその機能的に開かれた位置にある時、流体チャンバ(918c)と(918d)は、ゲート(910c)を介して互いに流体連通している。
【0094】
プランジャ(912a)乃至(912c)およびゲート(910a)乃至(910c)は、流体チャンバ(918a)乃至(918d)の内部にある流体を、連続的に排出または分注することを可能にするために、構成され、形成され、配置され、および/または制御される。プランジャ(912)を制御するための典型的な方法およびシステムが、以下に記載される。
【0095】
図9および10の例において、ゲート(910a)乃至(910c)は、それぞれゲート長(922)、(906)、および(908)(図10)を有する。ゲート長(922)はゲート長(906)より大きく、ゲート長(906)はゲート長(908)より大きい。ゲート(910a)乃至(910c)は、互いに干渉しないように横方向に分注される。ゲート(910a)の一部は、ゲート(910b)の一部と長手方向に重なっている。ゲート(910b)の一部は、ゲート(910c)の一部と長手方向に重なっている。プランジャ(912a)乃至(912c)の端の高さは、それぞれ端の高さが(920)、(912)、(914)である。端の高さ(920)は端の高さ(912)より大きく、端の高さ(912)は端の高さ(914)より大きい。ゲート長(112)は端の高さ(920)より大きい。ゲート長(906)は、端の高さ(912)よりも大きい。ゲート長(908)は端の高さ(914)より大きい。その他の寸法で実装されてもよい。
【0096】
動作時において、プランジャ(112a)がその機能的に閉じられた位置からその機能的に開かれた位置へ移動すると、流体チャンバ(918a)内の流体は、排出口(924)を介して排出される。排出口(924)は、1以上の他の流体チャンバに通じても良く、1以上のサンプル基質およびアッセイ基質を含んでもよい。プランジャ(912b)および(912c)は、概して、プランジャ(912a)と共に動き、それによって(918b)乃至(918c)の各流体チャンバ内の容積をほぼ一定に保つ。
【0097】
プランジャ(912a)がその機能的に開かれた位置に到達すると、流体チャンバ(918b)は、流体チャンバ(918a)および排出口(908)と、ゲート(910a)を介して流体連通する。プランジャ(912b)は、その後、その機能的に閉じられた位置からその機能的に開かれた位置へ移動し、それによって、図10の(1002)に例示されているように、流体チャンバ(918b)の内部の流体を、ゲート(910a)および排出口(908)を介して排出または分注する。
【0098】
プランジャ(912b)がその機能的に開かれた配置に到達すると、流体チャンバ(918c)は、ゲート(910b)を介して流体チャンバ(918b)と流体連通し、したがって、流体チャンバ(918c)は、流体チャンバ(918a)および排出口(908)と、ゲート(910a)を介して流体連通している。プランジャ(912c)が、その後、その機能的に閉じられた位置からその機能的に開かれた位置へ移動し、それによって、図10の(1004)と(1002)に例示されているように、流体チャンバ(918c)の内部の流体を、ゲート(910b)、ゲート(910a)および排出口(908)を介して排出または分注する。
【0099】
プランジャ(912c)がその機能的に開かれた配置に到達すると、流体チャンバ(918d)は、流体チャンバ(918c)と、ゲート(910c)を介して流体連通し、したがって、流体チャンバ(918d)は、ゲート(910b)を介してチャンバ(918b)と流体連通するとともに、ゲート(910a)を介して流体チャンバ(918a)および排出口(908)と流体連通している。流体チャンバ(918d)内の流体は、図10の(1006)、(1004)、(1002)に例示されているように、ゲート(910c)、(910b)、および(910a)、および排出口(908)を介して排出または分注される。
【0100】
プランジャ(912)の動作は、1以上の様々な方法で制御できる。例えば、ポンプ(900)は、圧縮バネまたは他の機械的なアクチュエータのような力を介して、プランジャ(912c)を制御するためにプランジャ(912c)と連結したステム(stem)(920)(図9)、および/または、気体および/または流体の圧力および/または真空を流体チャンバ(918d)に適用するための注入口(922)を含むことができる。
【0101】
ステム(920)は、空洞部(906)内に移動し、および/または、気体または流体の圧力は注入口(922)を介して適用されると、プランジャ(912)は排出口(908)の方向に押し出される。プランジャ(912)が機能的に閉じられた位置にあるために、流体チャンバ(918c)の内部で結果として生じる圧力が、プランジャ(912b)を排出口(908)の方向へ押し込み、流体チャンバ(918b)内部の圧力を上昇させ、プランジャ(912a)を排出口(908)の方向へ押し込み、流体チャンバ(918a)からの流体を排出口(908)を介して分注する。ステム(920)および/または注入口(922)によって持続的に適用された力/圧力によって、プランジャ(912b)および(912c)が、上に記載されたように動き続け、流体チャンバ(918b)からの流体を連続的に分注し、その後、流体チャンバ(918c)からの流体を連続的に分注する。
【0102】
本明細書の記載に基づき、当業者は、複数の流体、連続的な出力部、ディスペンサー、またはポンプが、他のハウジング形状および形態、および他のプランジャ配列、動作、および制御機構を用いて実装できることを理解するであろう。
【0103】
3.連続混合
図11乃至図14は、典型的な複数の流体チャンバである連続混合ポンプ(1100)の断面ブロック図である。
【0104】
ポンプ(1100)は、プランジャ(1112a)乃至(1112d)、流体チャンバ(1118a)乃至(1118c)、およびゲート(1110a)乃至(1110c)を含む。以下の例において、プランジャ(1112a)乃至プランジャ(1112d)が制御されることによって、流体チャンバ(1118c)から流体チャンバ(1118a)に流体を移動させ、その後、流体チャンバ(1118a)へ移動させ、流体チャンバ(1118a)において流体が混合する。その後、流体チャンバ(1118a)内の混合した流体は、ゲート(1110a)を介してもう1つの流体チャンバに送られ、または/または排出口を介して排出される。排出口は、1以上の他の流体チャンバに通じても良く、1以上の他の流体チャンバは、1以上のサンプル基質およびアッセイ基質を含んでもよい。
【0105】
図11は、初期状態におけるポンプ(1100)を説明する。
【0106】
図12は、プランジャ(1112d)が矢印(1120)の方向に移動して、流体を流体チャンバ(1118c)から流体チャンバ(1118a)へゲート(1110c)を介して移動させる際のポンプ(1100)を説明している。プランジャ(1112a)は、流体チャンバ(1118c)からの流体を収容するために、矢印(1122)の方向へ同時に移動する。
【0107】
プランジャ(1112d)がプランジャ(1112c)に到達すると、プランジャ(1112c)および(1112b)は、(11122)と共に縦一列になって動き、これによって、ゲート(1110c)はプランジャ(1112d)よってふさがれ、ゲート(1110b)はプランジャ(1112b)によって開かれる。プランジャ(1112c)と(1112d)が動き続け、これによって、図13に説明されるように、流体チャンバ(1118b)の流体は、流体チャンバ(1118a)に排出され、この流体チャンバ(1118a)において、それは、チャンバ(1118c)からの流体と混合する。プランジャ(1112a)は同様に動き続け、それによって、流体チャンバ(1118b)からの流体を収容する。
【0108】
図14において、プランジャ(1112a)が少し多めに動くと、それによってゲート(1110a)が開かれる。プランジャ(1112b)および任意のプランジャ(1112c)および(1112d)が動くことによって、流体チャンバ(1118a)内の流体はゲート(1110a)を介して排出される。ゲート(1110a)は、1以上の他の流体チャンバに通じても良く、1以上の他の流体チャンバは、1以上のサンプル基質およびアッセイ基質を含んでもよい。。
【0109】
プランジャ(1112)の動作は、1以上の様々な方法で制御できる。例えば、ポンプ(1100)は、ポンプ(900)に関して先に記載されたのとほぼ同じように、プランジャ(1112)を制御するために、プランジャ(1112d)と連結したステム(1120)、および/または、注入口(1122)を含むことができる。しかしながら、プランジャ(1112)の制御は、ステム(1120)または注入口(1122)の例に限定されない。
【0110】
4.同時混合
図15乃至17は、典型的な複数の流体チャンバの、同時混合ポンプ(1500)の断面ブロック図である。
【0111】
ポンプ(1500)は、プランジャ(1512a)乃至(1512d)、流体チャンバ(1518a)乃至(1518c)、およびゲート(1510a)乃至(1510c)を含む。以下の例において、プランジャ(1512a)乃至(1512d)は、流体チャンバ(1518b)および(1518c)から、流体チャンバ(1518a)に流体を同時に移動させるために制御され、流体チャンバ(1518a)においてそれらが互いに混合する。その後、流体チャンバ(1518a)内の混合された流体は、ゲート(1510a)を介して別の流体チャンバに送られ、または/または排出口を介して排出される。排出口は、1以上の他の流体チャンバに通じても良く、1以上の他の流体チャンバは、1以上のサンプル基質またはアッセイ基質を含んでもよい。
【0112】
図15および16において、プランジャ(1512d)は、矢印(1520)の方向に動き、流体はゲート(1510c)を介して、流体チャンバ(1518c)から流体チャンバ(1518a)に移動する。同時に、プランジャ(1512c)は、矢印(1522)の方向に動き、流体は、ゲート(1510b)を介して、流体チャンバ(1518b)から流体チャンバ(1518a)へ移動する。プランジャ(1512a)は、流体チャンバ(1518a)が、流体チャンバ(1518b)および(1518c)からの流体を収容するように、矢印(1524)の方向に同時に動く。
【0113】
図15および16において、プランジャ(1512a)は、ゲート(1510a)をふさぐ。図17において、流体チャンバ(1518b)および流体チャンバ(1518c)からの流体が、流体チャンバ(1518a)内に移動した後、プランジャ(1512a)は矢印(1724)の方向に動き、それによってゲート(1510a)が開かれ、プランジャ(1512b)が矢印(1720)の方向に動き、それによってゲート(1510b)および(1510c)が閉じられる。プランジャ(1512b)および任意のプランジャ(1512c)および(1512d)は、矢印(1720)の方向に動き続け、それによって、流体チャンバ(1518a)内の混合された流体は、ゲート(1510a)を介して排出される。
【0114】
プランジャ(1512)の動作は、ポンプ(400)に関連して先に記載されたような、および/または、図16−19に関連して以下に記載されるような、1以上の様々な方法で制御することができる。しかしながら、プランジャ(1512)の制御は、これらの例に限定されない。
【0115】
5.同時混合、反対方向
図18乃至20は、流体が反対方向から混合チャンバ内に流れる、典型的な複数の流体チャンバの、同時混合ポンプ(1800)の断面ブロック図を説明する。
【0116】
ポンプ(1800)は、プランジャ(1812a)乃至(1812d)、流体チャンバ(1818a)乃至(1818c)、および、ゲート(1810a)乃至(1810c)を含む。以下の例において、プランジャ(1812b)および(1812c)は、流体チャンバ(1818a)および(1818c)からの流体を、流体チャンバ(1818b)に同時に移動させるように制御され、流体チャンバ(1818b)において、それらは互いに混合する。流体チャンバ(1818b)内で混合された流体は、その後、ゲート(1810a)を介して別の流体チャンバに送られ、または/または排出口を介して排出される。
【0117】
図18および19において、プランジャ(1812b)は、矢印(1820)の方向に動き、流体は、ゲート(1810b)を介して流体チャンバ(1818a)から(1818b)に移動する。同時に、プランジャ(1812c)は、矢印(1822)の方向に動き、流体は、ゲート(1810c)介して流体チャンバ(1818c)から流体チャンバ(1818b)に移動する。
【0118】
図18および19において、プランジャ(1812b)は、ゲート(1810a)をふさぐ。図20において、流体チャンバ(1818a)および(1818c)からの流体が、流体チャンバ(1818b)内に移動した後、プランジャ(1812a)および(1812b)は、矢印(2020)の方向にわずかに移動し、それによってゲート(1810a)が開く。プランジャ(1812c)および任意のプランジャ(1812d)は、矢印(2022)の方向に移動し、それによって流体チャンバ(1818b)内で混合された流体をゲート(1810a)を介して排出する。
【0119】
プランジャ(1812)の動作は、ポンプ(400)に関連して先に記載されたような1以上の様々な方法で制御することができる。しかしながら、プランジャ(1812)の制御は、これらの例に限定されない。
【0120】
6.入れ子式プランジャ
図22は、ハウジング部分(2202)および流体制御装置システムを含む典型的なアッセイシステム(2200)の一部の断面斜視図である。流体制御装置システムは、複数の流体制御装置、または、プランジャ(2204)、(2206)および(2208)を含む。流体制御装置(2204)、(2206)および(2208)は、複数の流体チャンバを定義し、それぞれ、第1、第2、および、第3の流体チャンバ、(2210)、(2212)および(2214)として本明細書で示される。流体制御装置(2204)、(2206)および(2208)は、互いに内部で摺動可能なように入れ子式になっている。
【0121】
ハウジング部分(2202)は、サンプルを収容するためのサンプルチャンバ(2216)を含み、サンプル基質、膜、または、パット(2218)を含んでもよい。ハウジング部分(2202)は、カバー部分(2220)などのカバー機構を含んでもよく、該カバー機構は、図3に関連して先に記載されたように、取り外し可能であるか、または、ハウジング部分(2202)とヒンジで連結されてもよい。ハウジング部分(2202)は、サンプルチャンバ注入口(2222)とサンプルチャンバ排出口(2224)を含む。
【0122】
ハウジング部分(2202)は、アッセイチャンバ(2226)とアッセイチャンバ注入口(2228)を含み、アッセイ結果を捕捉、反応、および/または表示するためのアッセイ基質、膜、パッド(2228)を含んでもよい。
【0123】
ハウジング部分(2202)は、アッセイチャンバ(2228)上に配されたディスプレイウィンドウ(2232)として本明細書で図示されるアッセイ結果表示装置を含む。
【0124】
ハウジング部分(2202)は、アッセイチャンバ(2226)からの流体を収容するための廃液流体チャンバ(2234)を含む。
【0125】
ハウジング部分(2202)は、1以上の流体チャネル(2238)を有する一時的な流体チャンバ(2236)を含み、このチャネルは、本明細書では流体制御装置バイパスチャネルとも呼ばれる。
【0126】
ハウジング部分(2202)は、1以上の他の流体チャネル(2258)をさらに含む。
【0127】
第1流体チャンバ(2210)は、流体制御装置(2206)とハウジング部分(2202)の内側表面の間の空間として、本明細書で図示される流体チャンバ排出口(2260)を含む。
【0128】
第2流体チャンバ(2212)は、流体制御装置(2204)を通るゲートまたは通路として、本明細書で図示される流体チャンバ排出口(2248)を含む。
【0129】
第3流体チャンバ(2214)は、流体制御装置(2206)を通るゲートとして、本明細書で図示される流体チャンバ排出口(2254)を含む。
【0130】
流体制御装置(2204)、(2206)、および(2208)は、o−リング(2240)および(22242)、o−リング(2244)および(2246)、o−リング(2250)および(2252)、およびo−リング(2256)として本明細書で図示される1以上の密閉機構を含む。
【0131】
アッセイシステム(2200)の典型的な操作は、図23−27に関連して以下に記載される。
【0132】
図23は、アッセイシステム(2200)の断面ブロック図であり、流体制御装置(2204)、(2206)、および(2208)は、対応する初期の、または、機能的に閉じられた第1位置に図示される。流体制御装置(2204)、(2206)、および(2208)が初期位置にある際、o−リング(2240)が、第1流体チャンバ排出口(2260)とサンプルチャンバ注入口(2222)の間で、ハウジング部分(2202)の内側表面に対して密閉するように係合されることで、流体チャンバ(2210)からの流体の流れを実質的に排除する。同様に、o−リング(2244)および(2246)が、ハウジング部分(2202)の内側表面に対して密閉するように係合されることで、第2流体チャンバ排出口(2248)を通る流体チャンバ(2212)からの流体の流れを実質的に排除する。o−リング(2250)および(2252)が、ハウジング部分(2202)の内側表面に対して密閉するように係合されることで、第3流体チャンバ排出口(2254)を通る流体チャンバ(2214)からの流体の流れを実質的に排除する。
【0133】
o−リング(2244)、(2246)、(2250)、(2252)、および(2256)によって、流体制御装置(2204)、(2206)、および(2208)は互いに加圧的に係合し、その結果、流体制御装置(2206)および(2204)の方向に流体制御装置(2208)へ適用された力によって、流体制御装置システムが、図24−27に関連して以下に記載されるように、第1、第2、第3流体チャンバ(2210)、(2212)、および(2214)に対して機能的に開かれた位置に連続的に移動する。
【0134】
図24は、アッセイシステム(2200)の断面ブロック図であり、流体制御装置システムが、ハウジング部分(2202)に対して矢印(2402)の方向に移動し、第1流体チャンバ排出口(2260)をアッセイチャンバ(2226)への流体経路(2404)と一直線上に並べる。これは、本明細書で第1の機能的に開かれた位置と呼ばれる。流体経路(2404)は、サンプルチャンバ注入口(2222)、サンプルチャンバ(2216)、サンプルチャンバ排出口(2224)一時的な流体チャンバ(2236)、および、アッセイチャンバ注入口(2228)を含む。
【0135】
継続的な力が流体制御装置(2208)に加えられると、流体制御装置(2204)、(2206)、および(2208)が矢印(2402)の方向に動き続けることで、流体が第1流体チャンバ(2210)から流体経路(2204)を通ってアッセイチャンバ(2226)へ排出される。その流体はアッセイ基質(2230)を超えてまたは通過して、廃液流体チャンバ(2234)へ流れることもある。
【0136】
図25は、アッセイシステム(2200)の断面ブロック図であり、流体制御装置システムは矢印(2402)の方向へさらに動いたことで、第2流体チャンバ排出口(2248)を、アッセイチャンバ(2226)への流体経路(2504)と一直線上に並べる。これは、本明細書において第2の機能的に開かれた位置と呼ばれる。流体経路(2504)は、o−リング(2246)と第1流体制御装置(2204)とを迂回する流体チャネル(2258)、第1流体チャンバ排出口(2260)、一時的な流体チャンバ(2236)、o−リング(2240)と(2242)を迂回する流体チャネル(2238)、および、アッセイチャンバ注入口(2228)を含む。
【0137】
継続的な力が流体制御装置(2208)に加えられると、流体制御装置(2206)および(2208)が矢印(2402)の方向に動き続けることで、流体が第2流体チャンバ(2212)から流体経路(2504)を通ってアッセイチャンバ(2226)へ排出される。その流体は、アッセイ基質(2230)を超えてまたは通って、廃液流体チャンバ(2234)へ流れることもある。
【0138】
図26は、アッセイシステム(2200)の断面ブロック図であり、流体制御システムが矢印(2402)の方向へさらに動いたことで、第3流体チャンバ排出口(2254)を、アッセイチャンバ(2226)への流体経路(2604)と一直線上に並べる。これは、本明細書において第3の機能的に開かれた位置と呼ばれる。流体経路(2604)は、第2流体チャンバ排出口(2248)、流体チャネル(2258)、第1流体チャンバ排出口(2260)、一時的な流体チャンバ(2236)、およびアッセイチャンバ注入口(2228)を含む。
【0139】
継続的な力が流体制御装置(2208)に加わられると、流体制御装置(2208)は矢印(2402)の方向に動き続けることで、流体が流体経路(2604)を通って第3流体チャンバ(2214)からアッセイチャンバ(2226)へ排出される。その流体は、アッセイ基質(2230)を超えてまたは通って、廃液流体チャンバ(2234)へ流れることもある。
【0140】
図27は、アッセイシステム(2200)の断面ブロック図であり、流体制御装置システムは第3流体チャンバ(2214)からの流体を排出する。
【0141】
アッセイシステム(2200)は、アクチュエータシステムを含んでもよく、アクチュエータシステムは第3流体制御装置(2208)上で作動するように構成されてもよい。
【0142】
図28は、ハウジング部分(2802)および流体制御装置システムを含む、典型的なアッセイシステム(2800)の一部の断面斜視図であり、流体制御装置システムは、複数の流体制御装置またはプランジャ(2804)、(2806)および(2808)を含む。流体制御装置(2804)、(2806)、および(2808)は、複数の流体チャンバを定義し、それぞれ第1、第2、および第3流体チャンバ(2810)、(2812)、および(2814)として本明細書で図示される。流体制御装置(2808)は、流体制御装置(2806)内部で摺動可能なように入れ子式になっている。
【0143】
ハウジング部分(2802)は、サンプルを収容するためにサンプルチャンバ(2816)を含み、サンプル基質(2818)を含んでもよく、該サンプル基質(2818)はサンプルチャンバ(2816)の表面またはその中の膜を含んでもよい。ハウジング部分(2802)は、カバー部分(2820)などのカバー機構を含んでもよく、図3に関連して先に記載されたように、カバー機構は取り外し可能であるか、または、ハウジング部分(2802)とヒンジで連結されてもよい。ハウジング部分(2802)は、サンプルチャンバ注入口(2822)とサンプルチャンバ排出口(2824)を含んでもよい。
【0144】
ハウジング部分(2802)は、アッセイチャンバ(2826)とアッセイチャンバ注入口(2828)を含み、アッセイ結果を捕捉、反応、および/または表示するためにアッセイ基質(2828)を含んでもよい。アッセイ基質は、アッセイチャンバ(2826)の表面またはその中の膜を含んでもよい。
【0145】
ハウジング部分(2802)はアッセイ結果表示装置を含み、アッセイチャンバ(2828)上に配されるディスプレイウィンドウ(2832)として本明細書で図示される。
【0146】
ハウジング部分(2802)は、アッセイチャンバ(2826)からの流体を収容するために廃液流体チャンバ(2834)を含む。
【0147】
ハウジング部分(2802)は、1以上の流体チャネル(2838)を有する一時的な流体チャンバ(2836)を含み、本明細書で流体制御装置バイパスチャネルとも呼ばれる。
【0148】
ハウジング部分(2802)は、流体チャネル(2858)および(2862)をさらに含む。
【0149】
第1流体チャンバ(2810)は流体チャンバ排出口(2860)を含み、該流体チャンバ排出口(2860)は、流体制御装置(2804)とハウジング部分(2802)の内側表面との間の空間として本明細書で図示される。
【0150】
第2流体チャンバ(2812)は、流体チャンバ排出口(2848)を含み、該流体チャンバ排出口(2848)は、流体制御装置(2806)とハウジング部分(2802)の内側表面との間の空間として本明細書で図示される。
【0151】
第3流体チャンバ(2814)は、流体チャンバ排出口(2854)を含み、該流体チャンバ排出口(2854)は、流体制御装置(2806)を通るゲートまたは通路として本明細書で図示される。
【0152】
流体制御装置(2804)、(2806)、および(2808)は、1以上の密閉機構を含み、該密閉機構は、o−リング(2840)および(2842)、o−リング(2844)および(2846)、およびo−リング(2856)として、本明細書で図示される。
【0153】
アッセイシステム(2800)の典型的な操作は、図29−33に関して以下に記載される。
【0154】
図29は、アッセイシステム(2800)の断面ブロック図であり、流体制御装置(2804)、(2806)、および、(2808)を含む流体制御装置システムは、対応する初期の、または、機能的に閉じられた位置で、図示される。流体制御装置(2804)、(2806)、および、(2808)が初期の位置にある際、o−リング(2842)は、第1流体チャンバ排出口(2860)とサンプルチャンバ注入口(2822)との間のハウジング部分(2802)の内側表面に対して密閉するように係合されることで、流体チャンバ(2810)からの流体の流れを実質的に排除する。同様に、o−リング(2840)は、ハウジング部分(2802)の内側表面に対して密閉するように係合されることで、第2流体チャンバ排出口(2848)を通る流体チャンバ(2812)からの流体の流れを実質的に排除する。o−リング(2844)および(2846)は、ハウジング部分(2802)の内側表面に対して密閉するように係合されることで、第3流体チャンバ排出口(2854)を通る流体チャンバ(2814)からの流体の流れを実質的に排除する。
【0155】
o−リング(2840)、(2842)、(2844)、(2846)、(2856)によって、流体制御装置(2804)、(2806)、および、(2808)が互いに加圧的に係合し、その結果、流体制御装置(2806)および(2804)の方向に流体制御装置(2808)に加えられた力によって、図30−33に関連して以下に記載されるように、流体制御システムが、第1、第2、および第3流体チャンバ(2810)、(2812)、および(2814)に対して機能的に開かれた位置に連続的に移動する。
【0156】
図30は、アッセイシステム(2800)の断面ブロック図であり、流体制御装置システムがハウジング部分(2802)に対して、矢印(3002)の方向に動いたことで、第1流体チャンバ排出口(2860)をアッセイチャンバ(2826)への流体経路(3004)と一直線上に並べる。これは、本明細書で第1の機能的に開かれた位置と呼ぶ。流体経路(3004)は、サンプルチャンバ注入口(2822)、サンプルチャンバ(2816)、サンプルチャンバ排出口(2824)、一時的な流体チャンバ(2836)、および、アッセイチャンバ注入口(2828)を含む。
【0157】
継続的な力が流体制御装置(2808)に加えられると、流体制御装置(2804)、(2806)、および(2808)が矢印(3002)の方向に動き続けることで、流体は第1流体チャンバ(2810)から流体経路(2804)を通ってアッセイチャンバ(2826)へ排出される。
【0158】
図31は、アッセイシステム(2800)の断面ブロック図であり、流体制御装置システムがハウジング部分(2802)に対して、矢印(3002)の方向にさらに動いたことで、第2流体チャンバ排出口(2848)をアッセイチャンバ(2826)への流体経路(3104)と一直線上に並べる。これは、本明細書で第2の機能的に開かれた位置と呼ぶ。流体経路(3104)は、o−リング(2840)と第1流体制御装置(2804)とを迂回する流体チャネル(2858)、第1流体チャンバ排出口(2860)、一時的な流体チャンバ(2836)、o−リング(2842)を迂回する流体チャネル(2838)、およびアッセイチャンバ注入口(2828)を含む。
【0159】
継続的な力が流体制御装置(2808)に加えられると、流体制御装置(2806)、および(2808)が矢印(3002)の方向に動き続けることで、流体は、第2流体チャンバ(2812)から流体経路(3104)を通ってアッセイチャンバ(2826)へ排出される。その流体はアッセイ基質(2830)を超えてまたは通って、廃液流体チャンバ(2834)に流れることもある。
【0160】
図32は、アッセイシステム(2800)の断面ブロック図であり、流体制御装置システムは矢印(3002)の方向にさらに動いたことで、第3流体チャンバ排出口(2848)をアッセイチャンバ(2826)への流体経路(3204)と一直線上に並べる。これは、本明細書で第3の機能的に開かれた位置と呼ぶ。流体経路(3204)は、o−リング(2846)と第2流体制御装置(2806)とを迂回する流体チャネル(2862)、流体チャネル(2858)、第1流体チャンバ排出口(2860)、一時的な流体チャンバ(2836)、およびアッセイチャンバ注入口(2828)を含む。
【0161】
継続的な力が流体制御装置(2808)に加えられると、流体制御装置(2808)が矢印(3002)の方向に動き続けることで、流体は、第3流体チャンバ(2814)から流体経路(3204)を通ってアッセイチャンバ(2826)に排出される。その流体は、アッセイ基質(2830)を超えてまたは通って、廃液流体チャンバ(2834)へ流れることもある。
【0162】
図33は、アッセイシステム(2800)の断面ブロック図であり、流体制御装置システムは、第3流体チャンバ(2814)からの流体を排出する。
【0163】
アッセイシステム(2800)は、アクチュエータシステムを含んでもよく、アクチュエータシステムは第3流体制御装置(2808)上で作動するように構成されてもよい。
【0164】
アッセイシステム(2200)およびアッセイシステム(2800)に関連して、本明細書に記載される1以上の注入口、排出口、および、流体経路は、1以上の前述の例で記載したようなゲートまたは通路として実装され、
−ハウジングの内部表面内の流体チャネル
−前記ハウジングの内側表面を通る複数の開口部を有する、ハウジング内の流体通路
−前記流体のひとつの内側表面内に形成される流体チャネルの1以上を含み、
前記流体通路は流体制御装置を通る。
【0165】
本明細書に記載の1以上の注入口、排出口、チャネル、流体経路、ゲート、通路は、逆止弁のような1以上の流量制限器を含んでもよく、該流量制限器は、流量制限弁を超える圧力差が閾値以下になると流体の流れを妨げるように、もろい逆止弁を含んでもよい。
【0166】
7.典型的なアクチュエータシステム
ユーザ起動式のアクチュエータシステムは、1以上の機械式アクチュエータ、電気式アクチュエータ、電気−機械式アクチュエータ、および、化学反応起動式アクチュエータを含んでもよい。典型的なユーザ起動式アクチュエータシステムは、以下に開示され、そのうちの1以上は、先に開示された典型的なポンプで実装される。
【0167】
図34は、典型的な機械式アクチュエータシステム(3400)の横断面図である。アクチュエータシステム(3400)は、外側ハウジング部分(3406)の開口部(3404)を通って、および、外側ハウジング部分(3406)のもろい内壁(3410)の開口部(3408)を通って摺動的に配置されるボタン(3402)を含む。ボタン(3402)は、ハウジング部分(3406)ともろい内壁(3410)との間にボタン(3402)を固定するために、開口部(3404)および(3408)を超えて延出する戻り止め(3412)を含む。
【0168】
アクチュエータシステム(3400)は、ボタン(3402)の空洞(3416)内部に配された第1端部と、部材(3420)の空洞(3418)内部に配された第2端部とを有する圧縮可能なバネ(3414)を含む。部材(3420)は、流体制御装置システムと連結されるか、または、流体制御装置システムの一部であってもよく、プランジャまたは流体制御装置の一部は、本明細書の1以上の実施例で記載および図示される。
【0169】
アクチュエータシステム(3400)は、外側ハウジング部分(3406)の内部で摺動可能なように係合した内側ハウジング部分(3422)を含む。内側ハウジング部分(3422)は、図35に関連して以下に記載されるように、外側ハウジング部分(3402)の内側表面で、1以上の対応する開口部(3428)および(3430)と施錠するように係合するために、戻り止め(3424)および(3426)として図示される1以上の戻り止めを含む。
【0170】
アクチュエータシステム(3400)は、内側ハウジング部分(3422)と直接的または間接的に連結した、1以上のもろいスナップ部(3432)(frangible snap)を含む。もろいスナップ部(3432)は、施錠戻り止め(3434)を含み、部材(3420)は、部材(3420)をもろいスナップ部(3432)に解放可能なように連結するために、対応する施錠戻り止め(3436)を含む。
【0171】
アクチュエータシステム(3400)の操作は、図35および36に関連して以下に記載される。
【0172】
図35は、アクチュエータシステム(3400)の横断面図であり、内側ハウジングの戻り止め(3424)および(3426)は、外側ハウジング開口部(3428)および(3430)と施錠するように係合する。この構造は、ハウジング部分(3422)および外側部分(3406)を互いに対して摺動または圧縮することで達成されてもよい。図35の構造において、バネ(3414)は圧縮された位置にあり、部材(3402)に関連する流体制御装置システムを上記の例に記載されるように動かす潜在的なエネルギーを有する。この構造において、ボタン(3402)は、もろいスナップ部(3432)と近接し、その一方で、もろいスナップ部の戻り止め(3434)と部材施錠戻り止め(3436)とが互いに係合したままであることによって、圧縮バネ(3414)の潜在的なエネルギーに応じて部材(3420)が動くことを妨げる。内側ハウジングの戻り止め(3424)および(3426)は、外側ハウジングの開口部(3428)および(3430)と施錠するように係合したままであることによって、圧縮バネ(3414)の潜在的なエネルギーに応じて内側ハウジング部分(3422)と外側ハウジング部分(3406)が互いに離れて動くことを妨げる。
【0173】
図36は、典型的なアクチュエータシステム(3400)の横断面図であり、ボタン(3402)を十分な力で押すことで、戻り止め(3412)がもろい壁(3408)を超えて動くとともに、ボタン(3402)はもろいスナップ部(3432)を広げる。もろいスナップ部(3432)を広げると、もろいスナップ部の戻り止め(3434)および部材施錠戻り止め(3436)が互いに外れることによって、圧縮バネ(3424)の潜在的な力が部材(3420)に作用する。
【0174】
アクチュエータシステム(3400)は、図37および38に関連して以下に記載されるように、図3におけるアッセイシステム(300)の内部で実装されてもよい。
【0175】
図37は、典型的なアッセイシステム(3700)の斜視図であり、外側ハウジング部分(3702)および内側ハウジング部分(3704)を含み、外側ハウジング部分(3702)および内側ハウジング部分(3704)は、互いに対する第1の位置を本明細書で図示される。外側ハウジング部分(3702)は、図34乃至36の外側ハウジング部分(3406)に相当してもよく、内側ハウジング部分(3704)は内側ハウジング部分(3422)に相当してもよい。アッセイシステム(3700)は、アクチュエータボタン(3712)および開口部(3714)をさらに含み、アクチュエータボタン(3712)および開口部(3714)は、図34乃至36のボタン(3402)および開口部(3428)にそれぞれ相当してもよい。
【0176】
図38は、典型的なアッセイシステム(3700)の別の斜視図であり、外側ハウジング部分(3702)および内側ハウジング部分(3704)は、互いに対する第2の位置で図示され、外側ハウジング部分(3702)および内側ハウジング部分(3704)は、図35または36に相当してもよい。
【0177】
アッセイシステム(3700)は、サンプルチャンバ(3706)と、サンプルチャンバ(3706)を封入および密閉するために内側ハウジング部分(3704)にヒンジで接続されたサンプルチャンバのふたと、および、ディスプレイウィンドウ(3710)とをさらに含む。
【0178】
アッセイシステム(3700)は、アッセイシステム(2200)(図22−27)を含んでもよく、内側ハウジング部分(3704)はハウジング部分(2202)に相互に関連し、サンプルチャンバ(3706)は、サンプルチャンバ(2216)に相互に関連し、ディスプレイウィンドウ(3710)はディスプレイウィンドウ(2232)に相互に関連する。
【0179】
同様に、アッセイシステム(3700)は、アッセイシステム(2800)(図28−33)を含んでもよく、内側ハウジング部分(3704)は、ハウジング部分(2802)に相互に関連し、サンプルチャンバ(3706)はサンプルチャンバ(2816)に相互に関連し、ディスプレイウィンドウ(3710)はディスプレイウィンドウ(2832)に相互に関連する。
【0180】
同様に、アッセイシステム(3700)は、1以上のポンプ(600)、(900)、(1100)、(1500)、(1800)、(2100)を含んでもよい。
【0181】
ユーザ起動式アクチュエータは、1以上のプランジャまたは流体制御装置の複数のセットを個別に制御するように構成されてもよい。図39は、典型的なアッセイシステム(3900)の一部の横断面図であり、ユーザ起動式アクチュエータからの対応する力に応じて、1以上のプランジャまたは流体制御装置の複数のセットを、押すことおよび/または引くことによって、個別に制御するために、複数の制御ロッド、または、ステム(3910a−3910c)を含む。
【0182】
1以上のステム(3910)は、複数の隣接プランジャおよび/または非隣接プランジャへ連結されてもよい。ステム(3910)は、それぞれのプランジャ上に力を及ぼすため、つまり、押したり、及び/または、引いたりするために、個別に制御可能であってもよい。
【0183】
1以上のステム(3910)は、図40で図示される別の1以上のステム(3910)内部に順に嵌め込まれてもよい。1以上のステム(3910)は、図41で図示されるように、個別のステム(3910)として実装されてもよい。
【0184】
図21は、アッセイシステム(2100)の一部の断面ブロック図であり、ユーザ起動式アクチュエータ(2104)と、ユーザ起動式アクチュエータ(2104)および1以上の流体チャンバの間の、ハウジング内部の1以上の流体通路(2110)とを含む。ユーザ起動式アクチュエータ(2104)は、可撓性を有する引き裂き抵抗性膜(2106)内部に、ユーザ破裂式の膜によって分離された化学物質の組み合わせを含み、該化学物質の組み合わせは、組み合わされると、周知のように加圧流体を生成する。加圧流体は、気体または液体であってもよい。加圧流体は、上記の1以上の例で記載されるように、流体制御装置(2112)を移動させる。複数のユーザ破裂式の膜は、複数の流体通路(2110)のために実装されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯用のポイント・オブ・ケア・アッセイシステムであって、
前記システムは、
サンプル部分とアッセイ部分と複数の流体チャンバとを有する携帯用ハウジングを備え、
前記複数の流体チャンバの各々は流体チャンバ排出口を有し、
前記システムはさらに、
前記複数の流体チャンバ排出口を、前記サンプル部分と前記アッセイ部分の1以上への対応する流体経路と一直線上に並べるために、前記ハウジング内部に移動可能なように配された流体制御装置システムと、
前記流体制御装置システムに連結されたユーザ起動式の機械式アクチュエータとを備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記流体経路の1以上が、
前記ハウジングの内側表面内の流体チャネルと、
前記ハウジングの内側表面を通る、複数の開口部を有する前記ハウジング内部の流体通路と、
前記流体制御装置システム内部の流体制御装置を通る流体通路と、および、
前記流体制御装置の外側表面内部に形成される流体チャネルの、
1以上を備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記流体制御装置システムが、前記複数の流体チャンバ排出口を、前記対応する流体経路と一直線上に連続的に並べるよう構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記流体制御装置システムが、前記流体チャンバの対応する流体から、少なくとも2つの流体を混合するよう構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記流体制御装置システムが複数の流体制御装置を備え、
前記流体チャンバが前記複数の流体制御装置によって、少なくとも部分的に定義され、および、
前記複数の流体制御装置が、前記流体経路に対して前記流体チャンバを配するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ハウジングが、廃液流体チャンバを備え、
前記流体制御装置システムが、前記流体チャンバ排出口の少なくとも1つを、前記アッセイ部分と前記廃液流体チャンバへの流体経路と一直線上に並べるよう構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記流体制御装置システムが、前記アッセイ部分中で少なくとも1つの流体を保持するように構成されることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記流体制御装置システムが、前記ハウジング内部に個別に移動可能なように配された複数の流体制御装置を備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ユーザ起動式の機械式アクチュエータが、前記複数の流体チャンバを加圧するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記ユーザ起動式の機械式アクチュエータが、圧縮バネのアクチュエータを備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記ユーザ起動式の機械式アクチュエータが、
前記ハウジングの表面を介して配されるボタンと、
前記流体制御装置システムに連結されるバネと、
前記バネを解放可能なように固定するとともに、前記ボタンと一直線上に並べられた解放タブを含む、解放可能なロック部をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ハウジングは、
第1および第2ハウジング部分を備え、
前記第2ハウジング部分は、第1相対位置と第2相対位置との間で、前記第1ハウジング部分内部に摺動可能に移動可能であり、
前記ハウジングはさらに、
前記第1および第2ハウジング部分を、前記第2相対位置で互いに連結するためのハウジングロック部を備え、
前記バネは、前記第1相対位置に相当する実質的な非圧縮位置と、前記第2相対位置に相当する実質的な非圧縮位置とを有することを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記流体チャンバの第1流体チャンバ内部に配された希釈流体溶液と、
前記流体チャンバの第2流体チャンバ内部に配された、標識化された第2結合対分子と、および、
前記流体チャンバの第3流体チャンバ内部に配された洗浄液とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記流体制御装置システムは、前記サンプル基質と前記アッセイ基質に、前記希釈流体を連続的に分注し、前記第2の標識化された第2の結合対分子溶液と前記洗浄液を、前記アッセイ基質に直接分注するように構成されることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記アッセイチャンバに対する前記ハウジングの表面内において、開口部の上に配される光透過性ウィンドウをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記流体制御装置は、第1および第2の流体制御装置を備え、
前記第1の流体制御装置は、前記第2の流体制御装置内に少なくとも部分的に配され、および、
前記第1の流体制御装置の内側表面と前記第2の流体制御装置の外側表面は、前記流体チャンバの1つを定義することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
携帯用のポイント・オブ・ケア・アッセイシステムであって、
前記システムは、
サンプル部分とアッセイ部分と複数の流体チャンバとを有する携帯用ハウジングを備え、
前記複数の流体チャンバの各々は流体チャンバ排出口を有し、
前記システムはさらに、
前記流体チャンバ排出口と、前記サンプル部分および前記アッセイ部分の1以上との間に、制御可能なように流体経路を開くために前記ハウジング内部に移動可能なように配された流体制御装置システムと、および、
前記流体制御装置システムに連結されたユーザ起動式の機械式アクチュエータとを備えることを特徴とするシステム。
【請求項18】
前記流体経路の1以上が、
前記ハウジングの内側表面の流体チャネルと、
前記ハウジングの内側表面を通る、複数の開口部を有する前記ハウジングの内部の流体通路と、
前記流体制御装置システム内部の流体制御装置を通る流体通路と、
前記流体制御装置の外側表面内部に形成される流体チャネルとを備えることを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記流体制御装置システムは、前記流体経路の間を連続的に開くように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
携帯用のポイント・オブ・ケア・アッセイシステムであって、
前記システムは、
アッセイ部分と第1および第2の流体チャンバとを有する携帯用ハウジングと、
前記第1および第2の流体チャンバからの流体の流れを制御するために前記ハウジング内に配されるとともに、機能的に閉じられた位置と、第1の流体チャンバの機能的に開かれた位置と、および、第2流体チャンバの機能的に開かれた位置との間を移動可能な、流体制御装置システムと、および、
前記機能的に閉じられた位置から、第1の機能的に開かれた位置および第2の機能的に開かれた位置まで前記流体制御装置を連続的に移動させるために、前記流体制御装置システムに連結されたユーザ起動式のアクチュエータとを備え、
前記流体制御装置システムが前記機能的に閉じられた位置にある際に、前記第1流体チャンバと前記アッセイ部分の間には流体連通はなく、前記第2流体チャンバと前記アッセイ部分との間にも流体連通はなく、
前記流体制御装置システムが前記第1の機能的に開かれた位置にある際に、前記第1流体チャンバと前記アッセイ部分との間には流体連通があり、前記第2流体チャンバと前記アッセイ部分との間には流体連通はなく、および、
前記流体制御装置システムが前記第2の機能的に開かれた位置にある際に、前記第2流体チャンバと前記アッセイ部分との間には流体連通があることを特徴とするシステム。
【請求項21】
第1および第2部分を有するゲートをさらに備え、
前記第1部分は、前記制御装置システムが前記第1の機能的に開かれた位置にある際に、前記第1流体チャンバと前記アッセイ部分の1以上と流体連通し、
前記第2部分は、前記流体制御装置システムが前記第2の機能的に開かれた位置にある際に、前記第2流体チャンバと流体連通し、および、
前記第2の位置は、前記流体制御装置システムが前記機能的に閉じられた位置にある際に、前記第2流体チャンバから離れることを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
携帯用のポイント・オブ・ケア・アッセイシステムであって、
前記システムは、
アッセイ部分と第1及び第2流体チャンバとを有する携帯用ハウジングと、
前記ハウジング内の少なくとも第1流体チャンバを定義する、前記ハウジング内に配された第1の流体制御装置とを備え、
前記第1流体制御装置は、前記第1流体チャンバと前記アッセイ部分との間の流体連通を制御するために、機能的に閉じられた位置と機能的に開かれた位置との間を移動可能であって、
前記システムはさらに、
前記ハウジング内の少なくとも第2流体チャンバを定義する、前記ハウジングと前記第1の流体制御装置とともに前記ハウジング内に配された第2の流体制御装置を備え、
前記第2の流体制御装置は、前記第2流体チャンバおよび第1流体チャンバと前記アッセイ部分との間の流体連通を制御するために、機能的に閉じられた位置と機能的に開かれた位置との間を移動可能であって、
前記第1および第2流体制御装置が機能的に開かれた位置にある際、前記第1流体チャンバと前記第2流体チャンバは互いに流体連通し、
前記第1および第2流体制御装置が機能的に閉じられた位置にある際、前記第1流体チャンバと前記第2流体チャンバの間には流体連通はなく、前記第2流体チャンバと前記アッセイ部分との間には流体連通はなく、および、
前記第2の流体制御装置が前記機能的に閉じられた位置にある際に、前記第2流体チャンバと前記第1流体チャンバの間には流体連通はなく、前記第2流体チャンバと前記アッセイ部分との間には流体連通はないことを特徴とするシステム。
【請求項23】
前記ハウジング内に配された1以上追加の流体制御装置をさらに備え、
前記流体制御装置は、それぞれ機能的に開かれた位置と機能的に閉じられた位置との間を移動可能であり、前記ハウジング内の1以上の夫々の追加的な流体チャンバを定義し、
前記第1および第2流体制御装置がそれらの機能的に開かれた位置にある際に、前記第1および第2流体チャンバ、前記アッセイ部分、および、前記1以上の追加的な流体チャンバの少なくとも1つとの間には流体連通があり、および、
前記第1流体制御装置が前記機能的に閉じられた位置にある際には、前記第1流体チャンバと前記1以上の追加的な流体チャンバのいずれかとの間には流体連通はなく、前記1以上の追加的な流体チャンバのいずれかと前記アッセイ部分との間にも流体連通はないことを特徴とする請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
前記第1流体制御装置が前記機能的に開かれた位置にある際に、前記第1流体チャンバと前記アッセイ部分の1以上と流体連通する第1部分と、前記第1流体制御装置が前記機能的に開かれた位置にある際に、前記第2流体チャンバと流体連通するとともに、前記第1流体制御装置が前記機能的に閉じられた位置にある際に、前記第2流体チャンバから離れる第2部分とを有するゲートをさらに備えることを特徴とする請求項22に記載のデバイス。
【請求項25】
前記ハウジング内に配され、前記第2流体制御装置と前記ハウジングとともに、前記ハウジング内の第3の流体チャンバを定義する、第3の流体制御装置をさらに備え、
前記第3の流体制御装置は、機能的に開かれた位置と機能的に閉じられた位置との間を移動可能であり、
機能的に開かれた位置の前記第2流体制御装置は、機能的に開かれた位置の前記第3の流体制御装置を定義し、
前記第1および第2の流体制御装置が各々、それぞれの機能的に開かれた位置にある際に、前記ハウジングは、前記第2流体チャンバ、前記第1流体チャンバ、および、前記アッセイ部分からなる群の1以上と前記第3の流体チャンバとの間の流体連通を提供する第2ゲートを備え、および、
前記第2流体制御装置が前記機能的に閉じられた位置にある際に、前記第2流体制御装置と前記第2ゲートは、前記第2流体チャンバ、前記第1流体チャンバ、および、前記アッセイ部分からなる群の1以上から、前記第3流体チャンバを離れさせるように構成されていることを特徴とする請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
前記第1流体制御装置が前記機能的に開かれた位置にある際に、前記ハウジングは、前記第1流体制御装置が前記第2流体チャンバを前記アッセイ部分から離れさせることを防ぐように構成されていることを特徴とする請求項22に記載のデバイス。
【請求項27】
前記ゲートが、前記ハウジングの内壁の表面上に形成される1以上のチャネルを備えることを特徴とする請求項24に記載のデバイス。
【請求項28】
前記ゲートが、前記ハウジング内の空洞に1以上の通路を連結する、前記内壁の表面を通って形成される開口部を有する前記ハウジングの内壁内に形成される、1以上の通路を備えることを特徴とする請求項24に記載のデバイス。
【請求項29】
アッセイ部分と、少なくとも2つの流体を別々に保持するための少なくとも2つの流体チャンバとを有するハウジングと、
前記チャンバと流体連通する制御可能な経路を備え、
前記経路は移動可能なゲートによって制御可能であり、
第1位置にある際に、前記ゲートは前記チャンバ間の流体分離を維持し、第2位置にある際に、前記ゲートは前記チャンバ間の流体連通を可能にし、第3位置にある際に、前記少なくとも2つの流体と前記アッセイ部分とのすべてと流体連通を提供することを特徴とするアッセイシステム。
【請求項30】
アッセイシステムであって、
前記システムは、
携帯用のハウジング内で複数の流体を別々に収用するための手段と、
前記ハウジング内のアッセイ基質への前記複数の流体の流れを制御するための制御手段と、
前記制御手段を起動するためのユーザ起動手段とを備え、
前記制御手段は、前記複数の流体のタイミング、速度、および、流れの1以上を制御するための手段を含むことを特徴とするアッセイシステム。
【請求項31】
アッセイを準備するための方法であって、
前記方法は、
携帯用のユーザ起動式の流体アッセイシステムのアッセイ基質上に結合対分子を固定化する工程と、
前記アッセイシステムの第1流体チャンバに希釈液を提供する工程と、
前記アッセイシステムの第2流体チャンバに、標識化された第2結合対分子を提供する工程と、および、
前記アッセイシステムの第3流体チャンバに洗浄液を提供する工程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項32】
アッセイの方法であって、
前記方法は、
携帯用のポイント・オブ・ケアのユーザ起動式の流体アッセイシステム内にサンプルを収容する工程と、
ユーザの操作に反応して前記アッセイシステムの機械式アクチュエータを起動させる工程と、
前記機械式アクチュエータの制御下で、前記サンプルを流体化する工程と、
前記機械式アクチュエータの制御下で、結合対分子を流体化サンプルに接触させる工程と、
前記機械式アクチュエータの制御下で、前記結合対分子を、標識化した第2結合対分子溶液に接触させる工程と、
前記機械式アクチュエータの制御下で、前記アッセイシステム内部でアッセイ基質を洗浄する工程と、および、
接触物の結果を表示する工程とを含む方法。
【請求項1】
携帯用のポイント・オブ・ケア・アッセイシステムであって、
前記システムは、
サンプル部分とアッセイ部分と複数の流体チャンバとを有する携帯用ハウジングを備え、
前記複数の流体チャンバの各々は流体チャンバ排出口を有し、
前記システムはさらに、
前記複数の流体チャンバ排出口を、前記サンプル部分と前記アッセイ部分の1以上への対応する流体経路と一直線上に並べるために、前記ハウジング内部に移動可能なように配された流体制御装置システムと、
前記流体制御装置システムに連結されたユーザ起動式の機械式アクチュエータとを備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記流体経路の1以上が、
前記ハウジングの内側表面内の流体チャネルと、
前記ハウジングの内側表面を通る、複数の開口部を有する前記ハウジング内部の流体通路と、
前記流体制御装置システム内部の流体制御装置を通る流体通路と、および、
前記流体制御装置の外側表面内部に形成される流体チャネルの、
1以上を備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記流体制御装置システムが、前記複数の流体チャンバ排出口を、前記対応する流体経路と一直線上に連続的に並べるよう構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記流体制御装置システムが、前記流体チャンバの対応する流体から、少なくとも2つの流体を混合するよう構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記流体制御装置システムが複数の流体制御装置を備え、
前記流体チャンバが前記複数の流体制御装置によって、少なくとも部分的に定義され、および、
前記複数の流体制御装置が、前記流体経路に対して前記流体チャンバを配するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ハウジングが、廃液流体チャンバを備え、
前記流体制御装置システムが、前記流体チャンバ排出口の少なくとも1つを、前記アッセイ部分と前記廃液流体チャンバへの流体経路と一直線上に並べるよう構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記流体制御装置システムが、前記アッセイ部分中で少なくとも1つの流体を保持するように構成されることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記流体制御装置システムが、前記ハウジング内部に個別に移動可能なように配された複数の流体制御装置を備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ユーザ起動式の機械式アクチュエータが、前記複数の流体チャンバを加圧するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記ユーザ起動式の機械式アクチュエータが、圧縮バネのアクチュエータを備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記ユーザ起動式の機械式アクチュエータが、
前記ハウジングの表面を介して配されるボタンと、
前記流体制御装置システムに連結されるバネと、
前記バネを解放可能なように固定するとともに、前記ボタンと一直線上に並べられた解放タブを含む、解放可能なロック部をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ハウジングは、
第1および第2ハウジング部分を備え、
前記第2ハウジング部分は、第1相対位置と第2相対位置との間で、前記第1ハウジング部分内部に摺動可能に移動可能であり、
前記ハウジングはさらに、
前記第1および第2ハウジング部分を、前記第2相対位置で互いに連結するためのハウジングロック部を備え、
前記バネは、前記第1相対位置に相当する実質的な非圧縮位置と、前記第2相対位置に相当する実質的な非圧縮位置とを有することを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記流体チャンバの第1流体チャンバ内部に配された希釈流体溶液と、
前記流体チャンバの第2流体チャンバ内部に配された、標識化された第2結合対分子と、および、
前記流体チャンバの第3流体チャンバ内部に配された洗浄液とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記流体制御装置システムは、前記サンプル基質と前記アッセイ基質に、前記希釈流体を連続的に分注し、前記第2の標識化された第2の結合対分子溶液と前記洗浄液を、前記アッセイ基質に直接分注するように構成されることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記アッセイチャンバに対する前記ハウジングの表面内において、開口部の上に配される光透過性ウィンドウをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記流体制御装置は、第1および第2の流体制御装置を備え、
前記第1の流体制御装置は、前記第2の流体制御装置内に少なくとも部分的に配され、および、
前記第1の流体制御装置の内側表面と前記第2の流体制御装置の外側表面は、前記流体チャンバの1つを定義することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
携帯用のポイント・オブ・ケア・アッセイシステムであって、
前記システムは、
サンプル部分とアッセイ部分と複数の流体チャンバとを有する携帯用ハウジングを備え、
前記複数の流体チャンバの各々は流体チャンバ排出口を有し、
前記システムはさらに、
前記流体チャンバ排出口と、前記サンプル部分および前記アッセイ部分の1以上との間に、制御可能なように流体経路を開くために前記ハウジング内部に移動可能なように配された流体制御装置システムと、および、
前記流体制御装置システムに連結されたユーザ起動式の機械式アクチュエータとを備えることを特徴とするシステム。
【請求項18】
前記流体経路の1以上が、
前記ハウジングの内側表面の流体チャネルと、
前記ハウジングの内側表面を通る、複数の開口部を有する前記ハウジングの内部の流体通路と、
前記流体制御装置システム内部の流体制御装置を通る流体通路と、
前記流体制御装置の外側表面内部に形成される流体チャネルとを備えることを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記流体制御装置システムは、前記流体経路の間を連続的に開くように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
携帯用のポイント・オブ・ケア・アッセイシステムであって、
前記システムは、
アッセイ部分と第1および第2の流体チャンバとを有する携帯用ハウジングと、
前記第1および第2の流体チャンバからの流体の流れを制御するために前記ハウジング内に配されるとともに、機能的に閉じられた位置と、第1の流体チャンバの機能的に開かれた位置と、および、第2流体チャンバの機能的に開かれた位置との間を移動可能な、流体制御装置システムと、および、
前記機能的に閉じられた位置から、第1の機能的に開かれた位置および第2の機能的に開かれた位置まで前記流体制御装置を連続的に移動させるために、前記流体制御装置システムに連結されたユーザ起動式のアクチュエータとを備え、
前記流体制御装置システムが前記機能的に閉じられた位置にある際に、前記第1流体チャンバと前記アッセイ部分の間には流体連通はなく、前記第2流体チャンバと前記アッセイ部分との間にも流体連通はなく、
前記流体制御装置システムが前記第1の機能的に開かれた位置にある際に、前記第1流体チャンバと前記アッセイ部分との間には流体連通があり、前記第2流体チャンバと前記アッセイ部分との間には流体連通はなく、および、
前記流体制御装置システムが前記第2の機能的に開かれた位置にある際に、前記第2流体チャンバと前記アッセイ部分との間には流体連通があることを特徴とするシステム。
【請求項21】
第1および第2部分を有するゲートをさらに備え、
前記第1部分は、前記制御装置システムが前記第1の機能的に開かれた位置にある際に、前記第1流体チャンバと前記アッセイ部分の1以上と流体連通し、
前記第2部分は、前記流体制御装置システムが前記第2の機能的に開かれた位置にある際に、前記第2流体チャンバと流体連通し、および、
前記第2の位置は、前記流体制御装置システムが前記機能的に閉じられた位置にある際に、前記第2流体チャンバから離れることを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
携帯用のポイント・オブ・ケア・アッセイシステムであって、
前記システムは、
アッセイ部分と第1及び第2流体チャンバとを有する携帯用ハウジングと、
前記ハウジング内の少なくとも第1流体チャンバを定義する、前記ハウジング内に配された第1の流体制御装置とを備え、
前記第1流体制御装置は、前記第1流体チャンバと前記アッセイ部分との間の流体連通を制御するために、機能的に閉じられた位置と機能的に開かれた位置との間を移動可能であって、
前記システムはさらに、
前記ハウジング内の少なくとも第2流体チャンバを定義する、前記ハウジングと前記第1の流体制御装置とともに前記ハウジング内に配された第2の流体制御装置を備え、
前記第2の流体制御装置は、前記第2流体チャンバおよび第1流体チャンバと前記アッセイ部分との間の流体連通を制御するために、機能的に閉じられた位置と機能的に開かれた位置との間を移動可能であって、
前記第1および第2流体制御装置が機能的に開かれた位置にある際、前記第1流体チャンバと前記第2流体チャンバは互いに流体連通し、
前記第1および第2流体制御装置が機能的に閉じられた位置にある際、前記第1流体チャンバと前記第2流体チャンバの間には流体連通はなく、前記第2流体チャンバと前記アッセイ部分との間には流体連通はなく、および、
前記第2の流体制御装置が前記機能的に閉じられた位置にある際に、前記第2流体チャンバと前記第1流体チャンバの間には流体連通はなく、前記第2流体チャンバと前記アッセイ部分との間には流体連通はないことを特徴とするシステム。
【請求項23】
前記ハウジング内に配された1以上追加の流体制御装置をさらに備え、
前記流体制御装置は、それぞれ機能的に開かれた位置と機能的に閉じられた位置との間を移動可能であり、前記ハウジング内の1以上の夫々の追加的な流体チャンバを定義し、
前記第1および第2流体制御装置がそれらの機能的に開かれた位置にある際に、前記第1および第2流体チャンバ、前記アッセイ部分、および、前記1以上の追加的な流体チャンバの少なくとも1つとの間には流体連通があり、および、
前記第1流体制御装置が前記機能的に閉じられた位置にある際には、前記第1流体チャンバと前記1以上の追加的な流体チャンバのいずれかとの間には流体連通はなく、前記1以上の追加的な流体チャンバのいずれかと前記アッセイ部分との間にも流体連通はないことを特徴とする請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
前記第1流体制御装置が前記機能的に開かれた位置にある際に、前記第1流体チャンバと前記アッセイ部分の1以上と流体連通する第1部分と、前記第1流体制御装置が前記機能的に開かれた位置にある際に、前記第2流体チャンバと流体連通するとともに、前記第1流体制御装置が前記機能的に閉じられた位置にある際に、前記第2流体チャンバから離れる第2部分とを有するゲートをさらに備えることを特徴とする請求項22に記載のデバイス。
【請求項25】
前記ハウジング内に配され、前記第2流体制御装置と前記ハウジングとともに、前記ハウジング内の第3の流体チャンバを定義する、第3の流体制御装置をさらに備え、
前記第3の流体制御装置は、機能的に開かれた位置と機能的に閉じられた位置との間を移動可能であり、
機能的に開かれた位置の前記第2流体制御装置は、機能的に開かれた位置の前記第3の流体制御装置を定義し、
前記第1および第2の流体制御装置が各々、それぞれの機能的に開かれた位置にある際に、前記ハウジングは、前記第2流体チャンバ、前記第1流体チャンバ、および、前記アッセイ部分からなる群の1以上と前記第3の流体チャンバとの間の流体連通を提供する第2ゲートを備え、および、
前記第2流体制御装置が前記機能的に閉じられた位置にある際に、前記第2流体制御装置と前記第2ゲートは、前記第2流体チャンバ、前記第1流体チャンバ、および、前記アッセイ部分からなる群の1以上から、前記第3流体チャンバを離れさせるように構成されていることを特徴とする請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
前記第1流体制御装置が前記機能的に開かれた位置にある際に、前記ハウジングは、前記第1流体制御装置が前記第2流体チャンバを前記アッセイ部分から離れさせることを防ぐように構成されていることを特徴とする請求項22に記載のデバイス。
【請求項27】
前記ゲートが、前記ハウジングの内壁の表面上に形成される1以上のチャネルを備えることを特徴とする請求項24に記載のデバイス。
【請求項28】
前記ゲートが、前記ハウジング内の空洞に1以上の通路を連結する、前記内壁の表面を通って形成される開口部を有する前記ハウジングの内壁内に形成される、1以上の通路を備えることを特徴とする請求項24に記載のデバイス。
【請求項29】
アッセイ部分と、少なくとも2つの流体を別々に保持するための少なくとも2つの流体チャンバとを有するハウジングと、
前記チャンバと流体連通する制御可能な経路を備え、
前記経路は移動可能なゲートによって制御可能であり、
第1位置にある際に、前記ゲートは前記チャンバ間の流体分離を維持し、第2位置にある際に、前記ゲートは前記チャンバ間の流体連通を可能にし、第3位置にある際に、前記少なくとも2つの流体と前記アッセイ部分とのすべてと流体連通を提供することを特徴とするアッセイシステム。
【請求項30】
アッセイシステムであって、
前記システムは、
携帯用のハウジング内で複数の流体を別々に収用するための手段と、
前記ハウジング内のアッセイ基質への前記複数の流体の流れを制御するための制御手段と、
前記制御手段を起動するためのユーザ起動手段とを備え、
前記制御手段は、前記複数の流体のタイミング、速度、および、流れの1以上を制御するための手段を含むことを特徴とするアッセイシステム。
【請求項31】
アッセイを準備するための方法であって、
前記方法は、
携帯用のユーザ起動式の流体アッセイシステムのアッセイ基質上に結合対分子を固定化する工程と、
前記アッセイシステムの第1流体チャンバに希釈液を提供する工程と、
前記アッセイシステムの第2流体チャンバに、標識化された第2結合対分子を提供する工程と、および、
前記アッセイシステムの第3流体チャンバに洗浄液を提供する工程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項32】
アッセイの方法であって、
前記方法は、
携帯用のポイント・オブ・ケアのユーザ起動式の流体アッセイシステム内にサンプルを収容する工程と、
ユーザの操作に反応して前記アッセイシステムの機械式アクチュエータを起動させる工程と、
前記機械式アクチュエータの制御下で、前記サンプルを流体化する工程と、
前記機械式アクチュエータの制御下で、結合対分子を流体化サンプルに接触させる工程と、
前記機械式アクチュエータの制御下で、前記結合対分子を、標識化した第2結合対分子溶液に接触させる工程と、
前記機械式アクチュエータの制御下で、前記アッセイシステム内部でアッセイ基質を洗浄する工程と、および、
接触物の結果を表示する工程とを含む方法。
【図3】
【図7】
【図8】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図40】
【図41】
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図39】
【図7】
【図8】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図40】
【図41】
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図39】
【公表番号】特表2011−528441(P2011−528441A)
【公表日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−518899(P2011−518899)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際出願番号】PCT/US2009/050775
【国際公開番号】WO2010/009283
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(511015618)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際出願番号】PCT/US2009/050775
【国際公開番号】WO2010/009283
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(511015618)
【Fターム(参考)】
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