携帯用ワイピンググッズ
【課題】良好なクリーニング機能を長期にわたって得ることができる、携帯電話等の各種携帯機器の表示画面の清掃に好適な携帯用ワイピンググッズを得ることを目的とする。
【解決手段】本発明に係る携帯用ワイピンググッズは、クリーニング機能を発揮する多数枚のワイピングシート2からなるシート束3と、シート束3の前後面をカバーする前カバー10および後カバー11を備えた外装カバー4とを含む。ワイピングシート2は、極細繊維を含んだワイピング繊維からなる織布又は不織布である。
【解決手段】本発明に係る携帯用ワイピンググッズは、クリーニング機能を発揮する多数枚のワイピングシート2からなるシート束3と、シート束3の前後面をカバーする前カバー10および後カバー11を備えた外装カバー4とを含む。ワイピングシート2は、極細繊維を含んだワイピング繊維からなる織布又は不織布である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用ワイピンググッズに関する。本発明に係る携帯用ワイピンググッズは、携帯電話、携帯テレビ、携帯カメラ、携帯ゲーム機等の各種携帯機器の表示画面に付着の脂分や塵埃等の拭き取りに使用するのに好適である。
【背景技術】
【0002】
例えば、カメラのレンズに付着に皮脂の汚れ等を拭き取るものとして、極細繊維を織り込んだ織布からなるハンカチ状のメガネ拭き(ワイピングクロス)が広く知られている。
【0003】
クリーニング機能を備えた携帯電話用のストラップにも多数のものがあり、例えば特許文献1には、単繊維繊度が0.001〜1.1デシテックスの極細繊維を少なくとも表面に有する繊維布で形成されたストラップが開示されている。また、特許文献2には、クリーニング機能を備えたワイピングクロスと、模様形成が可能な可撓シート材とが面接合されてなる携帯用ワイピンググッズが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−78522号公報
【特許文献2】特開2003−322829号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これら特許文献に記載のストラップや携帯用ワイピンググッズの問題は、クリーニング機能を発揮する拭布部分の面積があまりに少なく、拭布部分に脂分や塵埃が付着して、クリーニング機能が低下しやすいことにある。このように、一度汚れた拭布部分で携帯機器の表示画面を拭くと、表示画面に油分等の汚れが移行しやすい。
【0006】
本発明の目的は、上記のような従来の携帯用ワイピンググッズの抱える問題を解決するためになされたものであり、良好なクリーニング機能を長期にわたって得ることができる、携帯電話等の各種携帯機器の表示画面の清掃に好適な携帯用ワイピンググッズを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る携帯用ワイピンググッズは、図1、図2、図6および図7に示すように、クリーニング機能を発揮する多数枚のワイピングシート2からなるシート束3と、シート束3の前後面をカバーする前カバー10および後カバー11を備えた外装カバー4とを含む。そして、ワイピングシート2が、極細繊維を含んだワイピング繊維からなる織布又は不織布であることを特徴とする。
【0008】
本発明におけるワイピングシート2とは、極細繊維を含んだワイピング繊維からなる織布又は不織布である。極細繊維の繊度は、0.01〜0.1デシテックスとすることができる。極細繊維の材質としては、アクリル系繊維、ポリエステル系繊維、ナイロン系繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、セルロース繊維等を用いることができる。これら繊維を混合又は他の異種繊維と混合させてもよい。
【0009】
極細繊維には、多角断面繊維を用いることが好ましい。すなわち、一本の繊維を径中心から放射状に分割してなる繊維や、一本の繊維を上下方向に層状に分割してなる繊維を採用することが好ましい。このような多角断面の極細繊維でワイピングシート2を形成していると、多角断面に由来するカキ取り効果により、携帯機器の表示画面等に付着の脂分や塵埃等の汚れを効果的に拭き取ることができる。
【0010】
図4に示すごとく、シート束3は、外装カバー4に対して交換可能に構成することが望ましい。
具体的には、図4に示すごとく、シート束3の上端に設けられた貫通孔23および前後カバー10・11の上端に設けられた開口24に、シャフト17が前後一方向の抜け止めを図って挿入されており、シャフト17の一端にはねじ部22が形成されており、該ねじ部22にはエンド部材18が螺合接合されている形態を採ることができる。
【0011】
外装カバー4は、前後カバー10・11と、両カバー10・11の上端において、これらカバー10・11を接合する背表紙部12とを含み、前後カバー10・11がシート束3の前後面に沿う閉姿勢と、背表紙部12との境界部を支点として本を開くように展開する開姿勢との間で姿勢変位可能に構成されており、図5に示すごとく、外装カバー4に、前後カバー10・11が不用意に閉姿勢から開姿勢に姿勢変位することを防ぐための姿勢保持具26を設けることができる。
【0012】
図6および図7に示すごとく、外装カバー4は前後カバー10・11からなり、ワイピングシート2が、シャフト17に対して揺動自在に構成されているものとすることができる。
【0013】
図1および図4に示すごとく、シート束3には、各ワイピングシート2を切り離すための易切断部8を設けることが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、クリーニング機能を発揮する多数枚のワイピングシート2からなるシート束3と、これをカバーする二つ折り状の外装カバー4とを含んで携帯用ワイピンググッズ1を構成した。このように多数枚のワイピングシート2からなるシート束3を備える構成としていると、一枚のワイピングシート2の表裏面が汚れた場合にも、次のワイピングシート2を用いれば、良好なクリーニング機能を得ることができ、ワイピングシート2の枚数分だけ良好なクリーニング機能を得ることができる。したがって、汚れたワイピングシート2で携帯機器の表示画面を拭くことによる汚れの転移を効果的に防ぐことができ、使い勝手に優れた携帯用ワイピンググッズ1を得ることができる。外装カバー4の前後カバー10・11でシート束3をカバーできるので、携帯時においてワイピングシート2が汚れるおそれがなく、携帯性にも優れている。
【0015】
シート束3が、外装カバー4に対して交換可能に構成されていると、ワイピングシート2を使い切ったときには、新しいシート束3に交換すればよく、携帯用ワイピンググッズ1の全体を交換する形態に比べて、経済性に優れている。外装カバー4が汚れた場合には、これのみを洗浄することができ、実用性に優れる。
【0016】
具体的には、シート束3の上端に設けられた貫通孔23および前後カバー10・11の上端に設けられた開口24に、シャフト17が前後一方向の抜け止めを図って挿入されており、シャフト17の一端にはねじ部22が形成されており、該ねじ部22にはエンド部材18が螺合接合されている形態を採ることができる。これによれば、エンド部材18のシャフト17に対する螺合接合を解除したうえで、シャフト17をシート束3の貫通孔23および前後カバー10・11の開口24から抜き取れば、シート束3を外装カバー4から分離することができ、また、貫通孔23と開口24とを位置合わせしたうえでシャフト17を貫通孔23および開口24に挿入し、エンド部材18を螺合接合することで、シート束3を外装カバー4に接合することができる。したがって、外装カバー4に対するシート束3の交換作業を簡単確実に行うことができる。
【0017】
図1、図2および図5に示すごとく外装カバー4は、前後カバー10・11が本を開くように展開できる開姿勢と、前後カバー10・11が閉じられる閉姿勢との間で姿勢変位可能に構成されており、外装カバー4に、前後カバー10・11が不用意に閉姿勢から展開姿勢に姿勢変位することを防ぐための姿勢保持具26を設けることができる。これによれば、不用意に外装カバー4が展開姿勢になることを姿勢保持具26で防ぐことができるので、シート束3が表面に露出してワイピングシート2が汚れることを防いで、携帯用ワイピンググッズ1の携帯性や信頼性を向上できる。
【0018】
ワイピングシート2がシャフト17に対して揺動自在に構成されていると、図6に示すごとく、ワイピングシート2が前後カバー10・11と重畳する常態姿勢と、図7に示すごとく、シャフト17まわりにワイピングシート2を回転させて、該ワイピングシート2が前後カバー10・11の間から引き出される使用姿勢との間で、ワイピングシート2を姿勢変位させることができる。かかる使用姿勢においては、ワイピングシート2の前後面を使って、携帯機器の表示画面等を清掃することができる。また、常態姿勢においては、前後カバー10・11でワイピングシート2をカバーできるので、携帯時においてワイピングシート2が汚れるおそれがなく、携帯性にも優れている。
【0019】
シート束3に、各ワイピングシート2を切り離すための易切断部8が設けられていると、軽い力で以て、ワイピングシート2を一枚ずつ切り離すことができる。したがって、一枚ずつワイピングシート2を切り離して使用することが容易である。また、使用済みのワイピングシート2を切り離して廃棄することで、常に未使用のワイピングシート2のみを残しておくことができ、実用性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(第1実施形態) 図1ないし図4に本発明に係る携帯用ワイピンググッズ(以下、単にワイピンググッズと記す)の第1実施形態を示す。図1および図2においてワイピンググッズ1は、クリーニング機能を発揮する多数枚のワイピングシート2からなるシート束3と、このシート束3をカバーする外装カバー4と、脱落防止用、紛失防止用のストラップ5とで構成される。このストラップ5は、携帯電話等の携帯機器のストラップ装着部に連結することができる。
【0021】
シート束3は、四角形状の多数枚のワイピングシート2で構成され、これらワイピングシート2を重畳した状態で、その一側辺部(図示例では上端部)を糊等で固着してなる。すなわち、シート束3は、上端部から所定幅で糊付けされた固着部7と、該固着部7の下方に形成された多数枚のワイピングシート2とで構成される。各ワイピングシート2の固着部7との境界部には、ミシン目(易切断部)8が設けられており、例えばワイピングシート2の下端部を指先で摘んで、これを引っ張ることで、ミシン目8に沿ってワイピングシート2を一枚ずつ確実に切り離すことができる。
なお、図1においては、シート束3は9枚のワイピングシート2を備えるものを示したが、ワイピングシート2の枚数は、これ以上であってもこれ以下であってもよい。また、本実施形態においては、説明の便宜上、図1および図2に示すごとく、上下、前後および左右方向を規定する。
【0022】
ワイピングシート2は、極細繊維を含んだワイピング繊維からなる織布又は不織布である。極細繊維の繊度は、0.01〜0.1デシテックスとする。極細繊維の材質としては、アクリル系繊維、ポリエステル系繊維、ナイロン系繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、セルロース繊維等を用いることができる。これら繊維を混合又は他の異種繊維と混合させてもよい。
【0023】
極細繊維には、多角断面繊維を用いることが好ましい。すなわち、一本の繊維を径中心から放射状に分割してなる繊維や、一本の繊維を上下方向に層状に分割してなる繊維を採用することが好ましい。このような多角断面の極細繊維でワイピングシート2を形成していると、多角断面に由来するカキ取り効果により、携帯機器の表示画面等に付着の脂分や塵埃等の汚れを効果的に拭き取ることができる。
【0024】
図2および図3(a)・(b)に示すように、外装カバー4は、長方形状の可撓性を有するプラスチック製のシート体をブックカバー形に折り曲げてなるものであり、シート束3の前後面を覆う前後カバー10・11と、両カバー10・11の上端において、これらカバー10・11を接合する背表紙部12とで構成される。外装カバー4は、前後カバー10・11がシート束3の前後面に沿う閉姿勢と、背表紙部12との境界部を支点として、本を開くように展開する開姿勢との間で姿勢変位可能である。また、携帯に際してシート束3が汚れることが無いように、前後カバー10・11の盤面積は、シート束3のそれよりも若干大きく形成されている(図2参照)。
【0025】
図2および図3に示すように、外装カバー4の前後カバー10・11の表面には、各種模様13が印刷形成により現出される。マスコットキャラクター等を印刷形成することもできる。
本実施形態では外装カバー4の裏面にも、クリーニング機能を発揮するワイピング布14が縫合されている。かかるワイピング布14は、先に挙げた極細繊維等からなる織布又は不織布である。
【0026】
図1および図4において、符号17はシート束3と外装カバー4とを締結固定するためのシャフトを、符号18は、該シャフト17の一端に装着されるエンド金具(エンド部材)18を示す。シャフト17は、前後方向に伸びる径寸法が一定なシャフト本体19を基体とする金属成形品であり、シャフト本体19の一端に抜止用のフランジ20を備え、他端にエンド金具18の雄ねじ体21に螺合接合される雌ねじ体(ねじ部)22を備える。図3(a)・(b)および図4に示すように、シート束3の固着部7の左右中央には、シャフト17を挿入するための貫通孔23が形成されており、該貫通孔23に対応して、前後カバー10・11およびワイピング布14には、一対の開口24が形成されている。エンド金具18の頭部には、通孔25が設けられており、該通孔25にはストラップ5が装着されている。
【0027】
しかるに、シート束3を外装カバー4に包持させた状態で、外装カバー4の開口24をシート束3の貫通孔23に位置合わせしてから、雌ねじ体22の側からシャフト本体19を後シート11の開口24およびシート束3の貫通孔23に挿入し、前カバー10の開口24から突き出たシャフト本体19にエンド金具18を螺合固定させることで、外装カバー4にシート束3を脱落不能に保持させることができる。また、エンド金具18のシャフト本体19との接合状態を解除したうえで、シャフト17をシート束3および外装カバー4から抜き取ることで、シート束3を外装カバー4から取り外すことができる。また、先の取り外し作業の後、新たなシート束3を装着することで、外装カバー4に対してシート束3を交換することができる。
【0028】
以上のように本実施形態に係る携帯用ワイピンググッズ1では、多数枚のワイピングシート2からなるシート束3を備えるものとしたため、これらワイピングシート2の枚数分だけ、フレッシュなワイピングシート2で携帯機器の表示画面等のクリーニングを行うことができる。つまり、携帯機器等には脂分や塵埃などの汚れが付いているため、一度ワイピングシート2を使って脂分等を拭き取ると、当該脂分等がワイピングシート2に移行してクリーニング機能が著しく低下しやすい。また、一度使用したワイピングシート2で再びクリーニングを行うと、ワイピングシート2に付着の脂分が携帯機器等に再び移行するおそれもある。この点、本実施形態に係る携帯用ワイピンググッズ1のように、多数枚のワイピングシート2を備えるものとしていると、ワイピングシート2を順々にシート束3から切り離して使用すれば、常にフレッシュなクリーニング機能を備えたワイピングシート2で携帯機器のクリーニングやワイピングを行うことができる。したがって、クリーニング機能の低下や脂分等の携帯機器への再付着等の問題は生じず、良好なクリーニング機能で以て、確実に携帯機器を清掃することができる。
また、シート束3よりも大きな盤面積を有する前後カバー10・11で、該シート束3を抱持するので、ワイピンググッズ1の携帯時にワイピングシート2が汚れたり、折れ曲がったりすることを効果的に防止できる。
【0029】
シート束3が、外装カバー4に対して交換可能に構成されていると、ワイピングシート2を使い切ったときには、新しいシート束3に交換すればよく、携帯用ワイピンググッズ1の全体を交換する形態に比べて、経済性に優れている。外装カバー4が汚れた場合には、これのみを洗浄することができ、実用性に優れている。
【0030】
シート束3の固着部7との境界部に、各ワイピングシート2を切り離すためのミシン目8が設けられていると、ワイピングシート2を指先で摘み引っ張るだけで、ミシン目8に沿ってワイピングシート2を綺麗に切り離すことができる。クリーニング機能が低下した使用済みのワイピングシート2を切り離して廃棄することも容易となる。
【0031】
(第2実施形態) 図5(a)・(b)に本発明の第2実施形態に係る携帯用ワイピンググッズを示す。そこでは、外装カバー4に、前後カバー10・11が不用意に閉姿勢から開姿勢に姿勢変位することを防ぐための姿勢保持具26を設けた点が先の第1実施形態と相違する。それ以外の点は、先の第1実施形態と同様であるので、同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0032】
姿勢保持具26は、基端部が後カバー11の表面の下端部に固定されて、下方に向けて片持ち状に伸びる舌片27と、舌片27の遊端部に装着された凹状のボタン28と、前カバー10の表面の下端部に設けられて、ボタン28と係合する凸状のスナップ29とで構成される。舌片27は、後カバー11の左右中央部に固定される。舌片27は、可撓性を有するプラスチックシートであり、外装カバー4を閉姿勢として、後カバー11および前カバー10の下端に沿わしたうえで、遊端を上方に折り返すことで、ボタン28をスナップ29に係合させることができる。
【0033】
以上のような携帯用ワイピンググッズ1によれば、ボタン28とスナップ29との係合力により、前後カバー10・11が不用意に閉姿勢から開姿勢になることを防ぐことができる。したがって、携帯時等において、ワイピングシート2が汚れたり、折れ曲がったりすることを効果的に防止できる。
【0034】
(第3実施形態) 図6および図7に本発明の第3実施形態に係る携帯用ワイピンググッズを示す。そこでは、外装カバー4を前後カバー10・11で構成してシート束3の上方を開放した点、および、ワイピングシート2をシャフト17に対して揺動自在に構成した点が、先の第1実施形態と相違する。ここでのシート束3を構成する各ワイピングシート2は、糊付けされずに互いに分離されており、図7に示すごとく、1枚のワイピングシート2を前後カバー10・11および他のワイピングシート2に対して揺動変位させることができる。なお、各ワイピングシート2は、第1実施形態のそれと比べて厚手に形成されている。
【0035】
以上の構成によれば、図6に示すごとく、ワイピングシート2が前後カバー10・11と重畳する常態姿勢と、図7に示すごとく、シャフト17まわりにワイピングシート2を回転させて、該ワイピングシート2が前後カバー10・11の間から引き出される使用姿勢との間で、ワイピングシート2を姿勢変位させることができる。かかる使用姿勢においては、ワイピングシート2の前後面を使って、携帯機器の表示画面等を清掃することができる。また、常態姿勢においては、前後カバー10・11でワイピングシート2をカバーできるので、携帯時においてワイピングシート2が汚れるおそれがなく、携帯性にも優れている。
【0036】
本実施形態に係るワイピンググッズ1のストラップ6は、その一端がエンド金具18の頭部に連結され、他端がシャフト17のフランジ20に連結されている。それ以外の点は、先の第1実施形態と同様であるので、同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0037】
(第4実施形態) 図8に本発明の第4実施形態に係る携帯用ワイピンググッズを示す。そこでは、各ワイピングシート2が二つ折り状態でシャフト17に保持されている点が、先の第3実施形態と相違する。詳しくは、各ワイピングシート2の折り目の近傍には、貫通孔23・23が形成されており、各ワイピングシート2は折り目を上方に向けた状態で該貫通孔23・23に挿入されたシャフト17に保持されている。それ以外の点は、先の第3実施形態と同様であるので、同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0038】
(第1参考実施例) 図9ないし図11に、携帯用ワイピンググッズの第1参考実施例を示す。この携帯用ワイピンググッズ1は、前後シート31・32と、これら前後シート31・32の上端を接合する背表紙部33とからなるシート体30と、該シート体30の上端に装着された脱落防止用のストラップ5とで構成される。シート体30は、前後シート31・32が背表紙部33との境界部において折り曲げられた二つ折りのブックカバー状となる閉姿勢と、前後シート31・32が本を開くように展開された展開姿勢との間で姿勢変位可能に構成されている。
【0039】
シート体30は、内外のシート基材35・36と、両シート基材35・36の間に配されたクッション材37とで構成されており、クッション材37を介在させた状態で両シート基材35・36の周縁を縫合してなる。内シート基材35の内面には、クリーニング機能を発揮するワイピング部38が設けられている。ワイピング部38の詳細は、先の第1実施形態と同様である。背表紙部33には、リング39を介して、脱落防止用のストラップ5が装着されている。前後シート31・32のそれぞれの盤面中央には、キャラクター等の各種模様40が印刷形成により現出されている。
【0040】
(第2参考実施例) 図12に、携帯用ワイピンググッズの第2参考実施例を示す。この携帯用ワイピンググッズは、前後カバー42・43と、該前後カバー42・43の上端部を繋ぐ背表紙部44とで構成されるブックカバー形の外装カバー45と、背表紙部44の内面に固定される2枚のワイピングシート46と、脱落防止用のストラップ5とで構成される。前後カバー42・43の内面およびワイピングシート46の前後面は、クリーニング機能を発揮するワイピング部とされている。外装カバー45の内部、およびワイピングシート46の内部には、クッション材47が配されている。
【0041】
前後カバー42・43およびワイピングシート46の上端部を貫くように、シャフト17が装着されており、このシャフト17の一端にはストラップ5を有するエンド金具18が装着されている。これらシャフト17等の構成は、先の第1実施形態に示したものと同様である。前後カバー42・43の表面には、マスコットキャラクター等の各種模様40が現出されている。
【0042】
図13に、第2参考実施例に係る携帯用ワイピンググッズ1の変形例を示す。そこでは、ワイピングシート46の前後面の一方のみを、クリーニング機能を発揮するワイピング部とした点が先の第1実施形態と相違する。それ以外の点は図12と同様であるので、同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0043】
(第3参考実施例) 図14および図15に携帯用ワイピンググッズ1の第3参考実施例を示す。この携帯用ワイピンググッズ1は、携帯機器である携帯電話50の破損防止用のホルダーに、クリーニング機能を付与している。すなわち、携帯用ワイピンググッズ1は、携帯電話50の前後面を抱持するホルダー姿勢(図14参照)と、平坦状となる展開姿勢との間で姿勢変位可能に構成されたシート体51を主体とする。そして、シート体51のホルダー姿勢における内面側に、クリーニング機能を発揮するワイピング部52が設けられている。図14に示すように、シート体51は、クリーニング機能を発揮するワイピング布53と外装シート54とを、クッション材55を介在させた状態で縫合してなるものであり、外装シート54の表面には、マスコットキャラクター等の模様40が現出されている。
【0044】
詳しくは、シート体51は、携帯電話50の前面を覆う前カバー56と、携帯電話50の後面を覆う後カバー57と、これら前後カバー56・57の下端部を繋ぎ、携帯電話50の下面を覆う下カバー58とからなる。シート体51は、携帯電話50の前後面および下面を抱持するホルダー姿勢と、平坦状となる展開姿勢との間で姿勢変位可能に構成されている。
【0045】
ホルダー姿勢を保持することを目的として、シート体51には姿勢保持具が設けられている。姿勢保持具は、前後カバー56・57の左右縁の上下方向の中央部のそれぞれから片持ち状に張り出し形成された可撓性を有する舌片59と、舌片59に設けられた面ファスナー60とからなる。対向する前後の舌片59・59の面ファスナー60・60どうしを掛止させることにより、シート体51をホルダー姿勢に保つことができ、また、面ファスナー60・60どうしの掛止状態を解除することにより、ホルダー姿勢を解いて、シート体51を展開姿勢とすることができる。
【0046】
(第4参考実施例) 図16および図17に携帯用ワイピンググッズの第4参考実施例を示す。この携帯用ワイピンググッズ1は、上下方向に長い有底筒形のハウジング65と、ハウジング65の上端開口に着脱自在に装着される蓋体66と、蓋体66の下面から下方に向けて立設状に形成された棒体67と、棒体67に装着されたシート体68と、蓋体66の上部に装着された脱落防止用のストラップ5で構成される。ハウジング65は、プラスチックを素材とするものであり、その筒壁の外表面には、マスコットキャラクターなどの各種模様40が現出されている。ハウジング65の上端開口縁には、雄ねじ体69が形成されており、蓋体66の内面には、該雄ねじ体69と螺合接合される雌ねじ体70が形成されている(図17参照)。
【0047】
シート体68は、四角長方形状のクリーニング機能を発揮するワイピング布であり、長方形の一方の短辺が棒体67に縫合装着されている。シート体68は、図17に示すごとく棒体67に巻かれた捲回姿勢と、棒体67から引き出された図16に示すような展開姿勢との間で姿勢変位可能に構成されている。図17に示すように、シート体68を捲回姿勢として、これを棒体67とともにハウジング65の内部に挿入することで、シート体68をハウジング65内に収容することができる。また、展開姿勢とすることで、シート体68を使った携帯機器の表示画面等に対するワイピング動作を行うことができる。
【0048】
(第5参考実施例) 図18および図19に携帯用ワイピンググッズの第5参考実施例を示す。この携帯用ワイピンググッズ1は、上下方向に長い無底筒形のハウジング71と、ハウジング71の内部において、上下方向にスライド移動可能に装着されたホルダー72と、ホルダー72の下部に装着されたクリーニング機能を発揮するワイピング布からなるシート体73と、ホルダー72の上部に装着された脱落防止用のストラップ5とで構成される。ハウジング71は、プラスチックを素材とするものであり、その表面には、マスコットキャラクターなどの各種模様40が現出されている。
【0049】
図19に示すように、ホルダー72は、ハウジング71の上端開口の内径寸法と略同寸法の内径寸法を有し、ハウジング71の上端開口と係合する係合部72aと、該係合部72aよりも大きな外形寸法を有するフランジ部72bと、フランジ部72bの下方に設けられて、シート体73の上端を保持するホールド部72cとで構成される。フランジ部72bの上面が、ハウジング71の開口周縁の内面と係合することで、ホルダー72の上方への抜止が図られる。
【0050】
シート体73は、図18に示すごとく、ハウジング71の下面開口から引き出される使用姿勢と、図19に示すごとく、ハウジング71の内部に収納される収納姿勢との間で、姿勢変位可能である。詳しくは、図19に示すような収納姿勢から、係合部72aを押し下げ操作することにより、シート体73の下端をハウジング71から露出させる。そして、シート体73の下端を指先で摘んで引っ張ることで、ホルダー72を下方にスライド移動させて、シート体73の全体をハウジング71から引き出して、図18に示すような使用姿勢とすることができる。また、ストラップ5を引っ張り上げることで、ハウジング71内でホルダー72を上方へスライド移動させて、図19に示すような収納姿勢とすることができる。
【0051】
(第6参考実施例) 図20および図21に携帯用ワイピンググッズの第6参考実施例を示す。この携帯用ワイピンググッズは、クリーニング機能を発揮するシート体75と、シート体75を取り出すための取出口76を備える扁平な袋体77と、袋体77に装着された脱落防止用のストラップ5とで構成される。図21に示すように、シート体75は、クッション材78を介在させた状態で四角形状のワイピング布79の周縁を縫合してなるものであり、その表裏面がクリーニング機能を発揮するワイピング部となっている。
【0052】
袋体77は、シート体75の後面を受ける長方形状の第1シート基材80と、第1シート基材80よりも上下方向の長さ寸法の小さい、シート体75の前面を受ける長方形状の第2シート基材81とからなり、第2シート基材81の上辺を除く三辺を第1シート基材80に縫合或いは熱溶着してなる。これら第1および第2シート基材80・81の間に、上方に取出口76を有するシート体75の収納部82が形成される。第2シート基材81の外表面には、マスコットキャラクターなどの各種模様40が現出されている。
【0053】
図22に第6参考実施例の変形例を示す。そこでは、シート体75の外形形状が、袋体77と相似形をなしている。図示例では、第1シート基材80及び第2シート基材81をハート形とするとともに、シート体75をこれと相似のハート形とした。
【0054】
図23および図24に第6参考実施例の他の変形例を示す。そこでは、袋体77を長方形状の一枚の袋基材85で形成した点が先の図21の形態と相違する。具体的には、袋基材85の前端部85aを内方側に折り返し重畳部分を熱溶着することで、シート体75の下面を受ける二重の底部86を形成したうえで、後端部85bを底部86に重ねて前辺を除く三辺を熱溶着して、取出口76を有するシート体75の収納部82を形成した。収納部82の上方を区画する袋基材85の上表面には、マスコットキャラクター等の模様40を現出した。
【0055】
(第7参考実施例) 図25および図26に携帯用ワイピンググッズの第7参考実施例を示す。この携帯用ワイピンググッズ1では、扁平四角形状の袋体90の内部に、多数枚のワイピングシート2からなるシート束3が収納されている。袋体90を構成する袋基材91は、シート束3の下面を受ける下面部92と、下面部92の前方に連なってシート束3の上面前方部分を覆う前方上面部93と、下面部92の後方に連なってシート束3の上面後方部分を覆う後方上面部94とを有しており、前方上面部93の連出端93aと後方上面部94の連出端94aとが、上下に重なっている。前方上面部93と後方上面部94の左右縁が下面部の左右縁に熱溶着されており、前方上面部93の連出端93aと後方上面部94の連出端94aとの間が、取出口95となっている。前方上面部93と後方上面部94の上表面には、マスコットキャラクター等の模様40が現出されている。
【0056】
シート束3を構成するワイピングシート2は、極細繊維を含んだワイピング繊維からなる織布又は不織布であり、複数枚のワイピングシート2が重ねられたシート束3の状態で袋体90の内部に収納されている。ワイピングシート2の詳細は、第1実施形態に示したものと同様であるので、その説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の第1実施形態に係る携帯用ワイピンググッズの縦断正面図である。
【図2】第1実施形態に係る携帯用ワイピンググッズの斜視図である。
【図3】(a)は外装カバーの平面図、(b)は外装カバーの裏面を示す図である。
【図4】外装カバーに対するシート束の交換方法を説明するための図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る携帯用ワイピンググッズを示しており、(a)は斜視図、(b)は要部の拡大正面図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る携帯用ワイピンググッズの縦断正面図である。
【図7】第3実施形態に係る携帯用ワイピンググッズの斜視図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る携帯用ワイピンググッズの縦断正面図である。
【図9】第1参考実施例に係る携帯用ワイピンググッズの縦断正面図である
【図10】第1参考実施例に係る形態用ワイピンググッズの斜視図である。
【図11】(a)はシート体の平面図、(b)はシート体の裏面を示す図である。
【図12】第2参考実施例に係る携帯用ワイピンググッズの縦断正面図である。
【図13】第2参考実施例の変形例に係る携帯用ワイピンググッズの縦断正面図である。
【図14】第3参考実施例に係る携帯用ワイピンググッズの縦断正面図である。
【図15】第3参考実施例に係る携帯用ワイピンググッズの斜視図である。
【図16】第4参考実施例に係る携帯用ワイピンググッズの斜視図である。
【図17】第4参考実施例に係る携帯用ワイピンググッズの縦断正面図である。
【図18】第5参考実施例に係る携帯用ワイピンググッズの斜視図である。
【図19】第5参考実施例に係る携帯用ワイピンググッズの縦断正面図である。
【図20】第6参考実施例に係る携帯用ワイピンググッズの斜視図である。
【図21】第6参考実施例に係る携帯用ワイピンググッズの縦断正面図である。
【図22】第6参考実施例の変形例に係る携帯用ワイピンググッズの斜視図である。
【図23】第6参考実施例に他の変形例に係る携帯用ワイピンググッズの縦断正面図である。
【図24】第6参考実施例の他の変形例に係る携帯用ワイピンググッズの斜視図である。
【図25】第7参考実施例に係る携帯用ワイピンググッズの縦断正面図である。
【図26】第7参考実施例の変形例に係る携帯用ワイピンググッズの斜視図である。
【符号の説明】
【0058】
1 携帯用ワイピンググッズ
2 ワイピングシート
3 シート束
4 外装カバー
8 易切断部
10 前カバー
11 後カバー
12 背表紙部
17 シャフト
18 エンド部材(エンド金具)
22 雌ねじ体(ねじ部)
23 貫通孔
24 開口
26 姿勢保持具
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用ワイピンググッズに関する。本発明に係る携帯用ワイピンググッズは、携帯電話、携帯テレビ、携帯カメラ、携帯ゲーム機等の各種携帯機器の表示画面に付着の脂分や塵埃等の拭き取りに使用するのに好適である。
【背景技術】
【0002】
例えば、カメラのレンズに付着に皮脂の汚れ等を拭き取るものとして、極細繊維を織り込んだ織布からなるハンカチ状のメガネ拭き(ワイピングクロス)が広く知られている。
【0003】
クリーニング機能を備えた携帯電話用のストラップにも多数のものがあり、例えば特許文献1には、単繊維繊度が0.001〜1.1デシテックスの極細繊維を少なくとも表面に有する繊維布で形成されたストラップが開示されている。また、特許文献2には、クリーニング機能を備えたワイピングクロスと、模様形成が可能な可撓シート材とが面接合されてなる携帯用ワイピンググッズが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−78522号公報
【特許文献2】特開2003−322829号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これら特許文献に記載のストラップや携帯用ワイピンググッズの問題は、クリーニング機能を発揮する拭布部分の面積があまりに少なく、拭布部分に脂分や塵埃が付着して、クリーニング機能が低下しやすいことにある。このように、一度汚れた拭布部分で携帯機器の表示画面を拭くと、表示画面に油分等の汚れが移行しやすい。
【0006】
本発明の目的は、上記のような従来の携帯用ワイピンググッズの抱える問題を解決するためになされたものであり、良好なクリーニング機能を長期にわたって得ることができる、携帯電話等の各種携帯機器の表示画面の清掃に好適な携帯用ワイピンググッズを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る携帯用ワイピンググッズは、図1、図2、図6および図7に示すように、クリーニング機能を発揮する多数枚のワイピングシート2からなるシート束3と、シート束3の前後面をカバーする前カバー10および後カバー11を備えた外装カバー4とを含む。そして、ワイピングシート2が、極細繊維を含んだワイピング繊維からなる織布又は不織布であることを特徴とする。
【0008】
本発明におけるワイピングシート2とは、極細繊維を含んだワイピング繊維からなる織布又は不織布である。極細繊維の繊度は、0.01〜0.1デシテックスとすることができる。極細繊維の材質としては、アクリル系繊維、ポリエステル系繊維、ナイロン系繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、セルロース繊維等を用いることができる。これら繊維を混合又は他の異種繊維と混合させてもよい。
【0009】
極細繊維には、多角断面繊維を用いることが好ましい。すなわち、一本の繊維を径中心から放射状に分割してなる繊維や、一本の繊維を上下方向に層状に分割してなる繊維を採用することが好ましい。このような多角断面の極細繊維でワイピングシート2を形成していると、多角断面に由来するカキ取り効果により、携帯機器の表示画面等に付着の脂分や塵埃等の汚れを効果的に拭き取ることができる。
【0010】
図4に示すごとく、シート束3は、外装カバー4に対して交換可能に構成することが望ましい。
具体的には、図4に示すごとく、シート束3の上端に設けられた貫通孔23および前後カバー10・11の上端に設けられた開口24に、シャフト17が前後一方向の抜け止めを図って挿入されており、シャフト17の一端にはねじ部22が形成されており、該ねじ部22にはエンド部材18が螺合接合されている形態を採ることができる。
【0011】
外装カバー4は、前後カバー10・11と、両カバー10・11の上端において、これらカバー10・11を接合する背表紙部12とを含み、前後カバー10・11がシート束3の前後面に沿う閉姿勢と、背表紙部12との境界部を支点として本を開くように展開する開姿勢との間で姿勢変位可能に構成されており、図5に示すごとく、外装カバー4に、前後カバー10・11が不用意に閉姿勢から開姿勢に姿勢変位することを防ぐための姿勢保持具26を設けることができる。
【0012】
図6および図7に示すごとく、外装カバー4は前後カバー10・11からなり、ワイピングシート2が、シャフト17に対して揺動自在に構成されているものとすることができる。
【0013】
図1および図4に示すごとく、シート束3には、各ワイピングシート2を切り離すための易切断部8を設けることが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、クリーニング機能を発揮する多数枚のワイピングシート2からなるシート束3と、これをカバーする二つ折り状の外装カバー4とを含んで携帯用ワイピンググッズ1を構成した。このように多数枚のワイピングシート2からなるシート束3を備える構成としていると、一枚のワイピングシート2の表裏面が汚れた場合にも、次のワイピングシート2を用いれば、良好なクリーニング機能を得ることができ、ワイピングシート2の枚数分だけ良好なクリーニング機能を得ることができる。したがって、汚れたワイピングシート2で携帯機器の表示画面を拭くことによる汚れの転移を効果的に防ぐことができ、使い勝手に優れた携帯用ワイピンググッズ1を得ることができる。外装カバー4の前後カバー10・11でシート束3をカバーできるので、携帯時においてワイピングシート2が汚れるおそれがなく、携帯性にも優れている。
【0015】
シート束3が、外装カバー4に対して交換可能に構成されていると、ワイピングシート2を使い切ったときには、新しいシート束3に交換すればよく、携帯用ワイピンググッズ1の全体を交換する形態に比べて、経済性に優れている。外装カバー4が汚れた場合には、これのみを洗浄することができ、実用性に優れる。
【0016】
具体的には、シート束3の上端に設けられた貫通孔23および前後カバー10・11の上端に設けられた開口24に、シャフト17が前後一方向の抜け止めを図って挿入されており、シャフト17の一端にはねじ部22が形成されており、該ねじ部22にはエンド部材18が螺合接合されている形態を採ることができる。これによれば、エンド部材18のシャフト17に対する螺合接合を解除したうえで、シャフト17をシート束3の貫通孔23および前後カバー10・11の開口24から抜き取れば、シート束3を外装カバー4から分離することができ、また、貫通孔23と開口24とを位置合わせしたうえでシャフト17を貫通孔23および開口24に挿入し、エンド部材18を螺合接合することで、シート束3を外装カバー4に接合することができる。したがって、外装カバー4に対するシート束3の交換作業を簡単確実に行うことができる。
【0017】
図1、図2および図5に示すごとく外装カバー4は、前後カバー10・11が本を開くように展開できる開姿勢と、前後カバー10・11が閉じられる閉姿勢との間で姿勢変位可能に構成されており、外装カバー4に、前後カバー10・11が不用意に閉姿勢から展開姿勢に姿勢変位することを防ぐための姿勢保持具26を設けることができる。これによれば、不用意に外装カバー4が展開姿勢になることを姿勢保持具26で防ぐことができるので、シート束3が表面に露出してワイピングシート2が汚れることを防いで、携帯用ワイピンググッズ1の携帯性や信頼性を向上できる。
【0018】
ワイピングシート2がシャフト17に対して揺動自在に構成されていると、図6に示すごとく、ワイピングシート2が前後カバー10・11と重畳する常態姿勢と、図7に示すごとく、シャフト17まわりにワイピングシート2を回転させて、該ワイピングシート2が前後カバー10・11の間から引き出される使用姿勢との間で、ワイピングシート2を姿勢変位させることができる。かかる使用姿勢においては、ワイピングシート2の前後面を使って、携帯機器の表示画面等を清掃することができる。また、常態姿勢においては、前後カバー10・11でワイピングシート2をカバーできるので、携帯時においてワイピングシート2が汚れるおそれがなく、携帯性にも優れている。
【0019】
シート束3に、各ワイピングシート2を切り離すための易切断部8が設けられていると、軽い力で以て、ワイピングシート2を一枚ずつ切り離すことができる。したがって、一枚ずつワイピングシート2を切り離して使用することが容易である。また、使用済みのワイピングシート2を切り離して廃棄することで、常に未使用のワイピングシート2のみを残しておくことができ、実用性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(第1実施形態) 図1ないし図4に本発明に係る携帯用ワイピンググッズ(以下、単にワイピンググッズと記す)の第1実施形態を示す。図1および図2においてワイピンググッズ1は、クリーニング機能を発揮する多数枚のワイピングシート2からなるシート束3と、このシート束3をカバーする外装カバー4と、脱落防止用、紛失防止用のストラップ5とで構成される。このストラップ5は、携帯電話等の携帯機器のストラップ装着部に連結することができる。
【0021】
シート束3は、四角形状の多数枚のワイピングシート2で構成され、これらワイピングシート2を重畳した状態で、その一側辺部(図示例では上端部)を糊等で固着してなる。すなわち、シート束3は、上端部から所定幅で糊付けされた固着部7と、該固着部7の下方に形成された多数枚のワイピングシート2とで構成される。各ワイピングシート2の固着部7との境界部には、ミシン目(易切断部)8が設けられており、例えばワイピングシート2の下端部を指先で摘んで、これを引っ張ることで、ミシン目8に沿ってワイピングシート2を一枚ずつ確実に切り離すことができる。
なお、図1においては、シート束3は9枚のワイピングシート2を備えるものを示したが、ワイピングシート2の枚数は、これ以上であってもこれ以下であってもよい。また、本実施形態においては、説明の便宜上、図1および図2に示すごとく、上下、前後および左右方向を規定する。
【0022】
ワイピングシート2は、極細繊維を含んだワイピング繊維からなる織布又は不織布である。極細繊維の繊度は、0.01〜0.1デシテックスとする。極細繊維の材質としては、アクリル系繊維、ポリエステル系繊維、ナイロン系繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、セルロース繊維等を用いることができる。これら繊維を混合又は他の異種繊維と混合させてもよい。
【0023】
極細繊維には、多角断面繊維を用いることが好ましい。すなわち、一本の繊維を径中心から放射状に分割してなる繊維や、一本の繊維を上下方向に層状に分割してなる繊維を採用することが好ましい。このような多角断面の極細繊維でワイピングシート2を形成していると、多角断面に由来するカキ取り効果により、携帯機器の表示画面等に付着の脂分や塵埃等の汚れを効果的に拭き取ることができる。
【0024】
図2および図3(a)・(b)に示すように、外装カバー4は、長方形状の可撓性を有するプラスチック製のシート体をブックカバー形に折り曲げてなるものであり、シート束3の前後面を覆う前後カバー10・11と、両カバー10・11の上端において、これらカバー10・11を接合する背表紙部12とで構成される。外装カバー4は、前後カバー10・11がシート束3の前後面に沿う閉姿勢と、背表紙部12との境界部を支点として、本を開くように展開する開姿勢との間で姿勢変位可能である。また、携帯に際してシート束3が汚れることが無いように、前後カバー10・11の盤面積は、シート束3のそれよりも若干大きく形成されている(図2参照)。
【0025】
図2および図3に示すように、外装カバー4の前後カバー10・11の表面には、各種模様13が印刷形成により現出される。マスコットキャラクター等を印刷形成することもできる。
本実施形態では外装カバー4の裏面にも、クリーニング機能を発揮するワイピング布14が縫合されている。かかるワイピング布14は、先に挙げた極細繊維等からなる織布又は不織布である。
【0026】
図1および図4において、符号17はシート束3と外装カバー4とを締結固定するためのシャフトを、符号18は、該シャフト17の一端に装着されるエンド金具(エンド部材)18を示す。シャフト17は、前後方向に伸びる径寸法が一定なシャフト本体19を基体とする金属成形品であり、シャフト本体19の一端に抜止用のフランジ20を備え、他端にエンド金具18の雄ねじ体21に螺合接合される雌ねじ体(ねじ部)22を備える。図3(a)・(b)および図4に示すように、シート束3の固着部7の左右中央には、シャフト17を挿入するための貫通孔23が形成されており、該貫通孔23に対応して、前後カバー10・11およびワイピング布14には、一対の開口24が形成されている。エンド金具18の頭部には、通孔25が設けられており、該通孔25にはストラップ5が装着されている。
【0027】
しかるに、シート束3を外装カバー4に包持させた状態で、外装カバー4の開口24をシート束3の貫通孔23に位置合わせしてから、雌ねじ体22の側からシャフト本体19を後シート11の開口24およびシート束3の貫通孔23に挿入し、前カバー10の開口24から突き出たシャフト本体19にエンド金具18を螺合固定させることで、外装カバー4にシート束3を脱落不能に保持させることができる。また、エンド金具18のシャフト本体19との接合状態を解除したうえで、シャフト17をシート束3および外装カバー4から抜き取ることで、シート束3を外装カバー4から取り外すことができる。また、先の取り外し作業の後、新たなシート束3を装着することで、外装カバー4に対してシート束3を交換することができる。
【0028】
以上のように本実施形態に係る携帯用ワイピンググッズ1では、多数枚のワイピングシート2からなるシート束3を備えるものとしたため、これらワイピングシート2の枚数分だけ、フレッシュなワイピングシート2で携帯機器の表示画面等のクリーニングを行うことができる。つまり、携帯機器等には脂分や塵埃などの汚れが付いているため、一度ワイピングシート2を使って脂分等を拭き取ると、当該脂分等がワイピングシート2に移行してクリーニング機能が著しく低下しやすい。また、一度使用したワイピングシート2で再びクリーニングを行うと、ワイピングシート2に付着の脂分が携帯機器等に再び移行するおそれもある。この点、本実施形態に係る携帯用ワイピンググッズ1のように、多数枚のワイピングシート2を備えるものとしていると、ワイピングシート2を順々にシート束3から切り離して使用すれば、常にフレッシュなクリーニング機能を備えたワイピングシート2で携帯機器のクリーニングやワイピングを行うことができる。したがって、クリーニング機能の低下や脂分等の携帯機器への再付着等の問題は生じず、良好なクリーニング機能で以て、確実に携帯機器を清掃することができる。
また、シート束3よりも大きな盤面積を有する前後カバー10・11で、該シート束3を抱持するので、ワイピンググッズ1の携帯時にワイピングシート2が汚れたり、折れ曲がったりすることを効果的に防止できる。
【0029】
シート束3が、外装カバー4に対して交換可能に構成されていると、ワイピングシート2を使い切ったときには、新しいシート束3に交換すればよく、携帯用ワイピンググッズ1の全体を交換する形態に比べて、経済性に優れている。外装カバー4が汚れた場合には、これのみを洗浄することができ、実用性に優れている。
【0030】
シート束3の固着部7との境界部に、各ワイピングシート2を切り離すためのミシン目8が設けられていると、ワイピングシート2を指先で摘み引っ張るだけで、ミシン目8に沿ってワイピングシート2を綺麗に切り離すことができる。クリーニング機能が低下した使用済みのワイピングシート2を切り離して廃棄することも容易となる。
【0031】
(第2実施形態) 図5(a)・(b)に本発明の第2実施形態に係る携帯用ワイピンググッズを示す。そこでは、外装カバー4に、前後カバー10・11が不用意に閉姿勢から開姿勢に姿勢変位することを防ぐための姿勢保持具26を設けた点が先の第1実施形態と相違する。それ以外の点は、先の第1実施形態と同様であるので、同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0032】
姿勢保持具26は、基端部が後カバー11の表面の下端部に固定されて、下方に向けて片持ち状に伸びる舌片27と、舌片27の遊端部に装着された凹状のボタン28と、前カバー10の表面の下端部に設けられて、ボタン28と係合する凸状のスナップ29とで構成される。舌片27は、後カバー11の左右中央部に固定される。舌片27は、可撓性を有するプラスチックシートであり、外装カバー4を閉姿勢として、後カバー11および前カバー10の下端に沿わしたうえで、遊端を上方に折り返すことで、ボタン28をスナップ29に係合させることができる。
【0033】
以上のような携帯用ワイピンググッズ1によれば、ボタン28とスナップ29との係合力により、前後カバー10・11が不用意に閉姿勢から開姿勢になることを防ぐことができる。したがって、携帯時等において、ワイピングシート2が汚れたり、折れ曲がったりすることを効果的に防止できる。
【0034】
(第3実施形態) 図6および図7に本発明の第3実施形態に係る携帯用ワイピンググッズを示す。そこでは、外装カバー4を前後カバー10・11で構成してシート束3の上方を開放した点、および、ワイピングシート2をシャフト17に対して揺動自在に構成した点が、先の第1実施形態と相違する。ここでのシート束3を構成する各ワイピングシート2は、糊付けされずに互いに分離されており、図7に示すごとく、1枚のワイピングシート2を前後カバー10・11および他のワイピングシート2に対して揺動変位させることができる。なお、各ワイピングシート2は、第1実施形態のそれと比べて厚手に形成されている。
【0035】
以上の構成によれば、図6に示すごとく、ワイピングシート2が前後カバー10・11と重畳する常態姿勢と、図7に示すごとく、シャフト17まわりにワイピングシート2を回転させて、該ワイピングシート2が前後カバー10・11の間から引き出される使用姿勢との間で、ワイピングシート2を姿勢変位させることができる。かかる使用姿勢においては、ワイピングシート2の前後面を使って、携帯機器の表示画面等を清掃することができる。また、常態姿勢においては、前後カバー10・11でワイピングシート2をカバーできるので、携帯時においてワイピングシート2が汚れるおそれがなく、携帯性にも優れている。
【0036】
本実施形態に係るワイピンググッズ1のストラップ6は、その一端がエンド金具18の頭部に連結され、他端がシャフト17のフランジ20に連結されている。それ以外の点は、先の第1実施形態と同様であるので、同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0037】
(第4実施形態) 図8に本発明の第4実施形態に係る携帯用ワイピンググッズを示す。そこでは、各ワイピングシート2が二つ折り状態でシャフト17に保持されている点が、先の第3実施形態と相違する。詳しくは、各ワイピングシート2の折り目の近傍には、貫通孔23・23が形成されており、各ワイピングシート2は折り目を上方に向けた状態で該貫通孔23・23に挿入されたシャフト17に保持されている。それ以外の点は、先の第3実施形態と同様であるので、同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0038】
(第1参考実施例) 図9ないし図11に、携帯用ワイピンググッズの第1参考実施例を示す。この携帯用ワイピンググッズ1は、前後シート31・32と、これら前後シート31・32の上端を接合する背表紙部33とからなるシート体30と、該シート体30の上端に装着された脱落防止用のストラップ5とで構成される。シート体30は、前後シート31・32が背表紙部33との境界部において折り曲げられた二つ折りのブックカバー状となる閉姿勢と、前後シート31・32が本を開くように展開された展開姿勢との間で姿勢変位可能に構成されている。
【0039】
シート体30は、内外のシート基材35・36と、両シート基材35・36の間に配されたクッション材37とで構成されており、クッション材37を介在させた状態で両シート基材35・36の周縁を縫合してなる。内シート基材35の内面には、クリーニング機能を発揮するワイピング部38が設けられている。ワイピング部38の詳細は、先の第1実施形態と同様である。背表紙部33には、リング39を介して、脱落防止用のストラップ5が装着されている。前後シート31・32のそれぞれの盤面中央には、キャラクター等の各種模様40が印刷形成により現出されている。
【0040】
(第2参考実施例) 図12に、携帯用ワイピンググッズの第2参考実施例を示す。この携帯用ワイピンググッズは、前後カバー42・43と、該前後カバー42・43の上端部を繋ぐ背表紙部44とで構成されるブックカバー形の外装カバー45と、背表紙部44の内面に固定される2枚のワイピングシート46と、脱落防止用のストラップ5とで構成される。前後カバー42・43の内面およびワイピングシート46の前後面は、クリーニング機能を発揮するワイピング部とされている。外装カバー45の内部、およびワイピングシート46の内部には、クッション材47が配されている。
【0041】
前後カバー42・43およびワイピングシート46の上端部を貫くように、シャフト17が装着されており、このシャフト17の一端にはストラップ5を有するエンド金具18が装着されている。これらシャフト17等の構成は、先の第1実施形態に示したものと同様である。前後カバー42・43の表面には、マスコットキャラクター等の各種模様40が現出されている。
【0042】
図13に、第2参考実施例に係る携帯用ワイピンググッズ1の変形例を示す。そこでは、ワイピングシート46の前後面の一方のみを、クリーニング機能を発揮するワイピング部とした点が先の第1実施形態と相違する。それ以外の点は図12と同様であるので、同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0043】
(第3参考実施例) 図14および図15に携帯用ワイピンググッズ1の第3参考実施例を示す。この携帯用ワイピンググッズ1は、携帯機器である携帯電話50の破損防止用のホルダーに、クリーニング機能を付与している。すなわち、携帯用ワイピンググッズ1は、携帯電話50の前後面を抱持するホルダー姿勢(図14参照)と、平坦状となる展開姿勢との間で姿勢変位可能に構成されたシート体51を主体とする。そして、シート体51のホルダー姿勢における内面側に、クリーニング機能を発揮するワイピング部52が設けられている。図14に示すように、シート体51は、クリーニング機能を発揮するワイピング布53と外装シート54とを、クッション材55を介在させた状態で縫合してなるものであり、外装シート54の表面には、マスコットキャラクター等の模様40が現出されている。
【0044】
詳しくは、シート体51は、携帯電話50の前面を覆う前カバー56と、携帯電話50の後面を覆う後カバー57と、これら前後カバー56・57の下端部を繋ぎ、携帯電話50の下面を覆う下カバー58とからなる。シート体51は、携帯電話50の前後面および下面を抱持するホルダー姿勢と、平坦状となる展開姿勢との間で姿勢変位可能に構成されている。
【0045】
ホルダー姿勢を保持することを目的として、シート体51には姿勢保持具が設けられている。姿勢保持具は、前後カバー56・57の左右縁の上下方向の中央部のそれぞれから片持ち状に張り出し形成された可撓性を有する舌片59と、舌片59に設けられた面ファスナー60とからなる。対向する前後の舌片59・59の面ファスナー60・60どうしを掛止させることにより、シート体51をホルダー姿勢に保つことができ、また、面ファスナー60・60どうしの掛止状態を解除することにより、ホルダー姿勢を解いて、シート体51を展開姿勢とすることができる。
【0046】
(第4参考実施例) 図16および図17に携帯用ワイピンググッズの第4参考実施例を示す。この携帯用ワイピンググッズ1は、上下方向に長い有底筒形のハウジング65と、ハウジング65の上端開口に着脱自在に装着される蓋体66と、蓋体66の下面から下方に向けて立設状に形成された棒体67と、棒体67に装着されたシート体68と、蓋体66の上部に装着された脱落防止用のストラップ5で構成される。ハウジング65は、プラスチックを素材とするものであり、その筒壁の外表面には、マスコットキャラクターなどの各種模様40が現出されている。ハウジング65の上端開口縁には、雄ねじ体69が形成されており、蓋体66の内面には、該雄ねじ体69と螺合接合される雌ねじ体70が形成されている(図17参照)。
【0047】
シート体68は、四角長方形状のクリーニング機能を発揮するワイピング布であり、長方形の一方の短辺が棒体67に縫合装着されている。シート体68は、図17に示すごとく棒体67に巻かれた捲回姿勢と、棒体67から引き出された図16に示すような展開姿勢との間で姿勢変位可能に構成されている。図17に示すように、シート体68を捲回姿勢として、これを棒体67とともにハウジング65の内部に挿入することで、シート体68をハウジング65内に収容することができる。また、展開姿勢とすることで、シート体68を使った携帯機器の表示画面等に対するワイピング動作を行うことができる。
【0048】
(第5参考実施例) 図18および図19に携帯用ワイピンググッズの第5参考実施例を示す。この携帯用ワイピンググッズ1は、上下方向に長い無底筒形のハウジング71と、ハウジング71の内部において、上下方向にスライド移動可能に装着されたホルダー72と、ホルダー72の下部に装着されたクリーニング機能を発揮するワイピング布からなるシート体73と、ホルダー72の上部に装着された脱落防止用のストラップ5とで構成される。ハウジング71は、プラスチックを素材とするものであり、その表面には、マスコットキャラクターなどの各種模様40が現出されている。
【0049】
図19に示すように、ホルダー72は、ハウジング71の上端開口の内径寸法と略同寸法の内径寸法を有し、ハウジング71の上端開口と係合する係合部72aと、該係合部72aよりも大きな外形寸法を有するフランジ部72bと、フランジ部72bの下方に設けられて、シート体73の上端を保持するホールド部72cとで構成される。フランジ部72bの上面が、ハウジング71の開口周縁の内面と係合することで、ホルダー72の上方への抜止が図られる。
【0050】
シート体73は、図18に示すごとく、ハウジング71の下面開口から引き出される使用姿勢と、図19に示すごとく、ハウジング71の内部に収納される収納姿勢との間で、姿勢変位可能である。詳しくは、図19に示すような収納姿勢から、係合部72aを押し下げ操作することにより、シート体73の下端をハウジング71から露出させる。そして、シート体73の下端を指先で摘んで引っ張ることで、ホルダー72を下方にスライド移動させて、シート体73の全体をハウジング71から引き出して、図18に示すような使用姿勢とすることができる。また、ストラップ5を引っ張り上げることで、ハウジング71内でホルダー72を上方へスライド移動させて、図19に示すような収納姿勢とすることができる。
【0051】
(第6参考実施例) 図20および図21に携帯用ワイピンググッズの第6参考実施例を示す。この携帯用ワイピンググッズは、クリーニング機能を発揮するシート体75と、シート体75を取り出すための取出口76を備える扁平な袋体77と、袋体77に装着された脱落防止用のストラップ5とで構成される。図21に示すように、シート体75は、クッション材78を介在させた状態で四角形状のワイピング布79の周縁を縫合してなるものであり、その表裏面がクリーニング機能を発揮するワイピング部となっている。
【0052】
袋体77は、シート体75の後面を受ける長方形状の第1シート基材80と、第1シート基材80よりも上下方向の長さ寸法の小さい、シート体75の前面を受ける長方形状の第2シート基材81とからなり、第2シート基材81の上辺を除く三辺を第1シート基材80に縫合或いは熱溶着してなる。これら第1および第2シート基材80・81の間に、上方に取出口76を有するシート体75の収納部82が形成される。第2シート基材81の外表面には、マスコットキャラクターなどの各種模様40が現出されている。
【0053】
図22に第6参考実施例の変形例を示す。そこでは、シート体75の外形形状が、袋体77と相似形をなしている。図示例では、第1シート基材80及び第2シート基材81をハート形とするとともに、シート体75をこれと相似のハート形とした。
【0054】
図23および図24に第6参考実施例の他の変形例を示す。そこでは、袋体77を長方形状の一枚の袋基材85で形成した点が先の図21の形態と相違する。具体的には、袋基材85の前端部85aを内方側に折り返し重畳部分を熱溶着することで、シート体75の下面を受ける二重の底部86を形成したうえで、後端部85bを底部86に重ねて前辺を除く三辺を熱溶着して、取出口76を有するシート体75の収納部82を形成した。収納部82の上方を区画する袋基材85の上表面には、マスコットキャラクター等の模様40を現出した。
【0055】
(第7参考実施例) 図25および図26に携帯用ワイピンググッズの第7参考実施例を示す。この携帯用ワイピンググッズ1では、扁平四角形状の袋体90の内部に、多数枚のワイピングシート2からなるシート束3が収納されている。袋体90を構成する袋基材91は、シート束3の下面を受ける下面部92と、下面部92の前方に連なってシート束3の上面前方部分を覆う前方上面部93と、下面部92の後方に連なってシート束3の上面後方部分を覆う後方上面部94とを有しており、前方上面部93の連出端93aと後方上面部94の連出端94aとが、上下に重なっている。前方上面部93と後方上面部94の左右縁が下面部の左右縁に熱溶着されており、前方上面部93の連出端93aと後方上面部94の連出端94aとの間が、取出口95となっている。前方上面部93と後方上面部94の上表面には、マスコットキャラクター等の模様40が現出されている。
【0056】
シート束3を構成するワイピングシート2は、極細繊維を含んだワイピング繊維からなる織布又は不織布であり、複数枚のワイピングシート2が重ねられたシート束3の状態で袋体90の内部に収納されている。ワイピングシート2の詳細は、第1実施形態に示したものと同様であるので、その説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の第1実施形態に係る携帯用ワイピンググッズの縦断正面図である。
【図2】第1実施形態に係る携帯用ワイピンググッズの斜視図である。
【図3】(a)は外装カバーの平面図、(b)は外装カバーの裏面を示す図である。
【図4】外装カバーに対するシート束の交換方法を説明するための図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る携帯用ワイピンググッズを示しており、(a)は斜視図、(b)は要部の拡大正面図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る携帯用ワイピンググッズの縦断正面図である。
【図7】第3実施形態に係る携帯用ワイピンググッズの斜視図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る携帯用ワイピンググッズの縦断正面図である。
【図9】第1参考実施例に係る携帯用ワイピンググッズの縦断正面図である
【図10】第1参考実施例に係る形態用ワイピンググッズの斜視図である。
【図11】(a)はシート体の平面図、(b)はシート体の裏面を示す図である。
【図12】第2参考実施例に係る携帯用ワイピンググッズの縦断正面図である。
【図13】第2参考実施例の変形例に係る携帯用ワイピンググッズの縦断正面図である。
【図14】第3参考実施例に係る携帯用ワイピンググッズの縦断正面図である。
【図15】第3参考実施例に係る携帯用ワイピンググッズの斜視図である。
【図16】第4参考実施例に係る携帯用ワイピンググッズの斜視図である。
【図17】第4参考実施例に係る携帯用ワイピンググッズの縦断正面図である。
【図18】第5参考実施例に係る携帯用ワイピンググッズの斜視図である。
【図19】第5参考実施例に係る携帯用ワイピンググッズの縦断正面図である。
【図20】第6参考実施例に係る携帯用ワイピンググッズの斜視図である。
【図21】第6参考実施例に係る携帯用ワイピンググッズの縦断正面図である。
【図22】第6参考実施例の変形例に係る携帯用ワイピンググッズの斜視図である。
【図23】第6参考実施例に他の変形例に係る携帯用ワイピンググッズの縦断正面図である。
【図24】第6参考実施例の他の変形例に係る携帯用ワイピンググッズの斜視図である。
【図25】第7参考実施例に係る携帯用ワイピンググッズの縦断正面図である。
【図26】第7参考実施例の変形例に係る携帯用ワイピンググッズの斜視図である。
【符号の説明】
【0058】
1 携帯用ワイピンググッズ
2 ワイピングシート
3 シート束
4 外装カバー
8 易切断部
10 前カバー
11 後カバー
12 背表紙部
17 シャフト
18 エンド部材(エンド金具)
22 雌ねじ体(ねじ部)
23 貫通孔
24 開口
26 姿勢保持具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーニング機能を発揮する多数枚のワイピングシート(2)からなるシート束(3)と、シート束(3)の前後面をカバーする前カバー(10)および後カバー(11)を備えた外装カバー(4)とを含み、
ワイピングシート(2)が、極細繊維を含んだワイピング繊維からなる織布又は不織布であることを特徴とする携帯用ワイピンググッズ。
【請求項2】
シート束(3)が、外装カバー(4)に対して交換可能に構成されている請求項1記載の携帯用ワイピンググッズ。
【請求項3】
シート束(3)の上端に設けられた貫通孔(23)および前後カバー(10・11)の上端に設けられた開口(24)に、シャフト(17)が前後一方向の抜け止めを図って挿入されており、
シャフト(17)の一端にはねじ部(22)が形成されており、該ねじ部(22)にはエンド部材(18)が螺合接合されている請求項2記載の携帯用ワイピンググッズ。
【請求項4】
外装カバー(4)は、前後カバー(10・11)と、両カバー(10・11)の上端において、これらカバー(10・11)を接合する背表紙部(12)とを含み、前後カバー(10・11)がシート束(3)の前後面に沿う閉姿勢と、背表紙部(12)との境界部を支点として本を開くように展開する開姿勢との間で姿勢変位可能に構成されており、
外装カバー(4)に、前後カバー(10・11)が不用意に閉姿勢から開姿勢に姿勢変位することを防ぐための姿勢保持具(26)が設けられている請求項1ないし3のいずれかに記載の携帯用ワイピンググッズ。
【請求項5】
外装カバー(4)は前後カバー(10・11)からなり、
ワイピングシート(2)が、シャフト(17)に対して揺動自在に構成されている請求項3記載の携帯用ワイピンググッズ。
【請求項6】
シート束(3)に、各ワイピングシート(2)を切り離すための易切断部(8)が設けられている請求項4記載の携帯用ワイピンググッズ。
【請求項1】
クリーニング機能を発揮する多数枚のワイピングシート(2)からなるシート束(3)と、シート束(3)の前後面をカバーする前カバー(10)および後カバー(11)を備えた外装カバー(4)とを含み、
ワイピングシート(2)が、極細繊維を含んだワイピング繊維からなる織布又は不織布であることを特徴とする携帯用ワイピンググッズ。
【請求項2】
シート束(3)が、外装カバー(4)に対して交換可能に構成されている請求項1記載の携帯用ワイピンググッズ。
【請求項3】
シート束(3)の上端に設けられた貫通孔(23)および前後カバー(10・11)の上端に設けられた開口(24)に、シャフト(17)が前後一方向の抜け止めを図って挿入されており、
シャフト(17)の一端にはねじ部(22)が形成されており、該ねじ部(22)にはエンド部材(18)が螺合接合されている請求項2記載の携帯用ワイピンググッズ。
【請求項4】
外装カバー(4)は、前後カバー(10・11)と、両カバー(10・11)の上端において、これらカバー(10・11)を接合する背表紙部(12)とを含み、前後カバー(10・11)がシート束(3)の前後面に沿う閉姿勢と、背表紙部(12)との境界部を支点として本を開くように展開する開姿勢との間で姿勢変位可能に構成されており、
外装カバー(4)に、前後カバー(10・11)が不用意に閉姿勢から開姿勢に姿勢変位することを防ぐための姿勢保持具(26)が設けられている請求項1ないし3のいずれかに記載の携帯用ワイピンググッズ。
【請求項5】
外装カバー(4)は前後カバー(10・11)からなり、
ワイピングシート(2)が、シャフト(17)に対して揺動自在に構成されている請求項3記載の携帯用ワイピンググッズ。
【請求項6】
シート束(3)に、各ワイピングシート(2)を切り離すための易切断部(8)が設けられている請求項4記載の携帯用ワイピンググッズ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図7】
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【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2009−160024(P2009−160024A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−339473(P2007−339473)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(390022851)
【出願人】(000169983)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(390022851)
【出願人】(000169983)
【Fターム(参考)】
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