説明

携帯用浣腸器

本発明による携帯用浣腸器は、排便障害のある患者、または便秘などの結腸疾患の人が使用でき、特に持ち運びつついつでも簡便に使用できるものである。本発明による携帯用浣腸器は、挿入ノズルと、チューブ型受動ポンプ、供給ホースとからなるものの、上部キャップが螺旋状に締結及び分離されており、内部供給チューブがチューブ型受動ポンプ内に延長されており、上記チューブ型受動ポンプ下部に輸液供給通路を備えたスライディングパイプが設けられており、内部スライディングパイプが同心円状に設けられてなる構造となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排便障害のある患者、または便秘などの結腸疾患の人が使用できる携帯用浣腸器に関し、特に持ち運びつついつでも簡便に使用できる携帯用浣腸器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
既に知られているように、浣腸器は、排便障害や便秘などの結腸疾患の治療のために使用される機器として、結腸内の宿便による毒素を除去することから、種々の疾病の予防及び治療において効果を出しているので、広く使用されている。
【0003】
このような浣腸器は、従来よりも種々提案されて使用されてきたが、複雑な構造により、使用の煩わしさがあり、使用者が肛門を経由して大腸内に輸液を供給する際にうまく作動しないなどの不便さを持っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記のような従来の使用上の問題点などを解決するために提案されたものであり、その目的は、患者または使用者がより簡便に利用することで、結腸内の便を容易に排出させるように使用できる携帯用型浣腸器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明は、肛門に輸液を供給する挿入ノズルと、該挿入ノズルに輸液を供給するチューブ型受動ポンプ及び該チューブ型受動ポンプ内に外からの輸液を供給する供給ホースとを備えてなる浣腸器において、上記挿入ノズルが一体になって設けられた上部キャップは、チューブ型受動ポンプの上端部と螺旋状に締結及び分離され、該挿入ノズルと連通するとともに、上部チェックバルブを備えた内部供給チューブがチューブ型受動ポンプ内に延長されており、上記チューブ型受動ポンプ下部には、該チューブ型受動ポンプ内に入り込む、あるいは外側に突出する輸液供給通路を備えたスライディングパイプが設けられており、該スライディングパイプにはその長さ方向に沿って外側に突出する、あるいは内に入り込む内部スライディングパイプが同心円状に設けられている。
【発明の効果】
【0006】
本発明による携帯用浣腸器は、その構造が簡単で使いやすく、携帯・保管が容易であり、使用者が必要な時に使用できるなどの利点を持つ。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明による浣腸器の外観斜視図である。
【図2】図1に示すのI-I線上における断面図である。
【図3】本発明におけるスライディングパイプと内部スライディングパイプを突出させた状態を示す浣腸器の外観斜視図である。
【図4】図3に示すII-II線上における断面図である。
【図5】(A)〜(D)は本発明の作用状態を示す順序図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を詳しく説明する。
【0009】
図1は本発明による携帯用浣腸器の外観斜視図であり、図2は図1に示すのI-I線上における断面図であり、図3は本発明による携帯用浣腸器のチューブ型受動ポンプに外からの輸液を供給するためにスライディングパイプと内部スライディングパイプ全てを突出させた状態を示す外観斜視図であり、図4は図3に示すII-II線上における断面図である。
【0010】
本発明は、排便障害のある患者、または便秘などの結腸疾患の人が使用できる携帯用浣腸器であり、肛門に輸液を供給する挿入ノズル(1)と、該挿入ノズルに輸液を供給するチューブ型受動ポンプ(2)及び該チューブ型受動ポンプ(2)内に外からの輸液を供給する供給ホースとからなる浣腸器において、上記挿入ノズル(1)が一体になって設けられた上部キャップ(3)は、チューブ型受動ポンプ(2)の上端部と螺旋状に分離及び結合され、該挿入ノズル(1)と連通するとともに、逆流防止用上部チェックバルブ(13)を備えた内部供給チューブ(4)がチューブ型受動ポンプ(2)内に延長されて位置し、上記チューブ型受動ポンプ(2)下部には、該チューブ型受動ポンプ(2)内に入り込む、あるいは外側に突出する輸液供給通路(5a)を備えたスライディングパイプ(6)が設けられており、該スライディングパイプ(6)にはその長さ方向に沿って突出する、あるいは入り込む内部スライディングパイプ(7)が同心円状に設けられている。
【0011】
ここで、上記スライディングパイプ(6)の長さ方向に設けられる内部スライディングパイプ(7)には、スライディングパイプ(6)の輸液供給通路(5a)と連通する異なる輸液供給通路(5b)が形成され、この末端にはナット型握り(8)が一体になって形成されている。
【0012】
また、上記スライディングパイプ(6)から内部スライディングパイプ(7)が外側に突出する際に、更なる突出を防止するため、上記内部スライディングパイプ(7)の先端にはOリング(14a)が設けられている。
【0013】
なお、上記スルリイディングパイプ(6)の下部先端にストッパー(9)が設けられていることで、浣腸後、このスライディングパイプ(6)をチューブ型受動ポンプ(2)内に押し入れる際に、上記スライディングパイプ(6)がホルダー(15)にかかってチューブ型受動ポンプ(2)内に入ることを防止する。
【0014】
上記スライディングパイプ(6)の上端部に内部スライディングパイプ(7)の異なる輸液供給通路(5b)を通じてチューブ型受動ポンプ(2)内に供給された輸液が、このスライディングパイプ(6)の輸液供給通路(5a)と内部スライディングパイプ(7)の輸液供給通路(5b)を通じて外側に再び流れ出さないように、逆流防止用下部チェックバルブ(10)が設けられている。
【0015】
なお、上記チューブ型受動ポンプ(2)内に位置する、あるいは下部に設けられたホルダー(15)に挟まれるスライディングパイプ(6)の上端には、このスライディングパイプ(6)が外側に突出した際に、チューブ型受動ポンプ(2)内の水が外側に流れ出さないように、このチューブ型受動ポンプ(2)下部の入り口(11)に設けられたホルダー(15)の穴に挟まれ、パッキングの役目を果たすOリング(14b)を備えた上部突起(12)が一体になって形成されている。
【0016】
一方、本発明は、人体の肛門に使用するもので、挿入ノズル(1)とチューブ型受動ポンプ(2)は人体に無害なシリコーン材を用いる。
【0017】
以下、本発明の作用について説明する。
【0018】
まず、図1と図2に示す本発明の浣腸器において、使用者は手でナット型握り(8)を引っ張ると、一次的にスライディングパイプ(6)が突出すると同時に、上記スライディングパイプ(6)の上部突起(12)がチューブ型受動ポンプ(2)下部の入り口(11)におけるホルダー(15)に安着される(図5(A)参照)。
【0019】
更に、ナット型握り(8)を引っ張りつづけると、内部スライディングパイプ(7)がスライディングパイプ(6)から、図5(B)または図4に示すように、突出して抜ける。
【0020】
次に、図5(C)に示すように、内部スライディングパイプ(7)とスライディングパイプ(6)全てが突出した状態で、ケース(16)に含まれている純粋な輸液(蒸溜水などの輸液)にこのスライディングパイプ(6)と内部スライディングパイプ(7)を入れて手でチューブ型受動ポンプ(2)を作動させると、輸液が輸液供給通路(5b、5a)を通じて供給されるので、所望の輸液をこのチューブ型受動ポンプ(2)内に保存することができる。
【0021】
次に、上記図5(D)に示すように、内部スライディングパイプ(7)をスライディングパイプ(6)内に入れ、その状態で使用者は挿入ノズル(1)を肛門に挿入してチューブ型受動ポンプ(2)を作動させると、このチューブ型受動ポンプ(2)内の輸液は内部供給チューブ(4)と挿入ノズル(1)を通じて結腸に輸液を供給するようになっており、この際、上記挿入ノズル(1)を通じて供給された輸液は、この内部供給チューブ(4)の上部チェックバルブ(13)によってチューブ型受動ポンプ(2)内に逆流されないようになっている。
【0022】
このように使い終わって上記チューブ型受動ポンプ(2)に輸液が残っている場合には、手でポンプを作動させてチューブ型受動ポンプ(2)内に輸液を除去してから、挿入ノズル(1)が設けられた上部キャップ(3)をチューブ型受動ポンプ(2)から分離させた後、きれいに掃除して再結合させることで次回使用のための準備をしておく。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
肛門に輸液を供給する挿入ノズル(1)と、該挿入ノズルに輸液を供給するチューブ型受動ポンプ(2)及び上記チューブ型受動ポンプ(2)内に外からの輸液を供給する供給ホースとからなる浣腸器において、上記挿入ノズル(1)が一体になって設けられた上部キャップ(3)は、チューブ型受動ポンプ(2)の上端部と螺旋状に分離及び結合され、該挿入ノズル(1)と連通するとともに、逆流防止用上部チェックバルブ(13)を備えた内部供給チューブ(4)がチューブ型受動ポンプ(2)内に延長されて位置し、上記チューブ型受動ポンプ(2)下部には、該チューブ型受動ポンプ(2)内に入り込む、あるいは外側に突出する輸液供給通路(5a)を備えたスライディングパイプ(6)が設けられており、該スライディングパイプ(6)にはその長さ方向に沿って突出する、あるいは入り込む内部スライディングパイプ(7)が同心円状に設けられていることを特徴とする携帯用浣腸器。
【請求項2】
上記スライディングパイプ(6)の長さ方向に設けられる内部スライディングパイプ(7)には、スライディングパイプ(6)の輸液供給通路(5a)と連通する異なる輸液供給通路(5b)が形成され、この末端にはナット型握り(8)が一体になって形成されている、請求項1に記載の携帯用浣腸器。
【請求項3】
上記スライディングパイプ(6)から内部スライディングパイプ(7)が外側に突出する際に、更なる突出を防止するため、Oリング(14a)が内部スライディングパイプ(7)の先端に設けられてなる、請求項1に記載の携帯用浣腸器。
【請求項4】
スライディングパイプ(6)の上端には、チューブ型受動ポンプ(2)下部の入り口(11)に設けられたホルダー(15)に挟まれるOリング(14b)を備えた上部突起(12)が一体になって形成されている、請求項1に記載の携帯用浣腸器。
【請求項5】
上記内部供給チューブ(4)とスルリイディングパイプ(6)には、逆流防止用下部チェックバルブ(10、13)がそれぞれ設けられている、請求項1に記載の携帯用浣腸器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5(A)】
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【図5(B)】
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【図5(C)】
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【図5(D)】
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【公表番号】特表2013−510636(P2013−510636A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538742(P2012−538742)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【国際出願番号】PCT/KR2010/001232
【国際公開番号】WO2011/105644
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(512124072)
【氏名又は名称原語表記】YOO, BYUNG EUN
【Fターム(参考)】