説明

携帯端末およびその制御方法

【課題】携帯端末のセキュリティを向上させる。
【解決手段】本発明の携帯端末は、端末本体と前記端末本体に着脱自在に装着される複数用意されたパネルとからなり、前記複数のパネルの装着状態に応じて、機能を利用可能にする携帯端末であって、前記端末本体は、前記パネルを1以上装着可能な装着部と、前記装着部に前記パネルが装着されると、該パネルの装着位置を示すパネル情報を出力する検出部と、前記パネルの装着位置に対応して利用可能にする機能を記憶する記憶部と、前記パネル情報に示される前記パネルの装着位置に対応して前記記憶部に記憶された機能を利用可能にする制御部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末には、通話を行う機能、メールを送受信する機能、インターネットに接続する機能など、様々な機能を有するものがある。なお、携帯端末の具体例としては、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Data Assistance)などがある。
【0003】
上述したような様々な機能を利用可能とするために、特許文献1(特開2009−159276号公報)には、端末本体と端末本体に着脱自在に装着され、携帯端末の機能の利用に必要な情報を記憶するパネルとからなり、端末本体にパネルが装着されると、そのパネルに記憶された情報を用いて機能が利用可能となる携帯端末が開示されている。この携帯端末によれば、パネルを携帯端末に装着することで、そのパネルに応じた機能が利用可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−159276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の携帯端末においては、携帯端末を利用する権限の無い第三者であっても、パネルを装着しさえすれば、携帯端末の機能が利用可能となる。そのため、特許文献1に開示の携帯端末には、権限の無い第三者による機能の利用を制限することが困難であり、十分にセキュリティを確保することができないという課題がある。
【0006】
本発明の目的は、上述した課題を解決することができる携帯端末およびその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の携帯端末は、
端末本体と前記端末本体に着脱自在に装着される複数用意されたパネルとからなり、前記複数のパネルの装着状態に応じて、機能を利用可能にする携帯端末であって、
前記端末本体は、
前記パネルを1以上装着可能な装着部と、
前記装着部に前記パネルが装着されると、該パネルの装着位置を示すパネル情報を出力する検出部と、
前記パネルの装着位置に対応して利用可能にする機能を記憶する記憶部と、
前記パネル情報に示される前記パネルの装着位置に対応して前記記憶部に記憶された機能を利用可能にする制御部と、を有する。
【0008】
上記目的を達成するために本発明の携帯端末の制御方法は、
端末本体と前記端末本体に着脱自在に装着される複数用意されたパネルとからなり、前記複数のパネルの装着状態に応じて、機能を利用可能にする携帯端末の制御方法であって、
検出部が、前記1以上のパネルが装着されると、該パネルの装着位置を示すパネル情報を出力し、
記憶部が、前記パネルの装着位置に対応して利用可能にする機能を記憶し、
制御部が、前記パネル情報に示される前記パネルの装着位置に対応して前記記憶部に記憶された機能を利用可能にする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、携帯端末のセキュリティの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態の携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す記憶部が記憶するセキュリティ設定テーブルの構成の一例を示す図である。
【図3】図1に示す携帯端末へのパネルの装着状態を示す図である。
【図4】図1に示す携帯端末の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態の携帯端末の構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示す携帯端末100は、端末本体110と端末本体110に着脱自在に装着される、複数用意されたパネル120とからなる。
【0014】
また、端末本体110は、装着部111と、検出部112と、制御部113と、記憶部114と、を有する。
【0015】
装着部111は、1以上のパネル120が着脱自在に装着可能である。
【0016】
なお、装着部111は、例えば、ネジ孔を備えており、パネル120にもネジ孔を設け、ネジ孔を介して装着部111とパネル120とをネジ止めすることで、パネル120が装着される。
【0017】
検出部112は、装着部111にパネル120が装着されると、パネル120の装着状態を検出し、検出した状態を示すパネル情報を制御部113に出力する。
【0018】
制御部113は、パネル120の装着状態に対応して利用可能にする機能である利用制限解除機能を設定するセキュリティ設定が行われると、設定されたパネル120の装着状態と利用制限解除機能とを対応付けて記憶部114に記憶させる。
【0019】
また、制御部113は、検出部112から出力されたパネル情報に応じて、携帯端末100の機能の利用を可能にする。
【0020】
記憶部114は、図2に示すように、パネル120の装着状態に対応する利用制限解除機能を、テーブル形式で記憶する。以下では、図2に示す、パネル120の装着状態と、利用制限解除機能と、を対応付けたテーブルを、セキュリティ設定テーブルと称する。
【0021】
また、記憶部114は、携帯端末100の初期化後、初めての携帯端末100の起動(以下、初回起動と称する)であるか否かを示す初回起動フラグを記憶する。
【0022】
図3は、パネル120の装着状態の一例を示す図である。
【0023】
図3に示すように、端末本体110には、パネル120との接触箇所にボタン115が設けられており、パネル120が装着されるとボタン115が押下げられる。
【0024】
検出部112は、ボタン115の押下状態に応じて、パネル120の装着位置を検出する。
【0025】
以下では、パネル120の装着位置を、パネル120の装着状態として説明する。
【0026】
次に、本実施形態の携帯端末100の動作について説明する。
【0027】
図4は、携帯端末100の動作を示すフローチャートである。
【0028】
なお、以下では、パネル120が装着部111に装着されているものとする。
【0029】
携帯端末100の起動が開始されると、制御部113は、記憶部114に記憶された初回起動フラグを確認し、初回起動であるか否かを判定する(ステップS101)。
【0030】
初回起動である場合(ステップS102:Yes)、検出部112は、パネル120の装着位置を検出してパネル情報を取得し、制御部113に出力する(ステップS102)。
【0031】
制御部113は、初回起動が行われた旨を示す初回起動フラグと検出部112から出力されたパネル情報とを記憶部114に記憶させる。
【0032】
なお、記憶部114は、データを記憶するための領域として、データの記憶を行う際に認証が必要な管理データ領域と認証が不要なユーザデータ領域とを有しており、初回起動フラグおよびパネル情報を管理データ領域に記憶する(ステップS103)。以下では、管理データ領域に記憶されたパネル情報を管理パネル情報と称する。
【0033】
次に、制御部113は、不図示の表示部などを介して、セキュリティ設定を行うようにユーザに要求する(ステップS104)。
【0034】
セキュリティ設定が行われ、パネル120の装着位置が変更されると、検出部112は、変更後のパネル120の装着位置を検出してパネル情報を取得し、制御部113に出力する。
【0035】
また、制御部113は、記憶部114に、検出部112から出力されたパネル情報に示されるパネル120の装着位置に対応する、セキュリティ設定により設定された利用制限解除機能をセキュリティ設定テーブルに記憶させる(ステップS105)。なお、記憶部114は、セキュリティ設定テーブルをユーザデータ領域内に記憶する。
【0036】
次に、制御部113は、表示部などを介して、セキュリティ設定をさらに行うか否かを確認する(ステップS106)。
【0037】
制御部113は、セキュリティ設定をさらに行う旨が入力されると(ステップS106:Yes)、ステップS104の処理に戻り、セキュリティ設定を行わない旨が入力されると(ステップS106:No)、処理を終了する。
【0038】
初回起動ではない場合(ステップS102:No)、検出部112は、パネル120の装着位置を検出してパネル情報を取得し、制御部113に出力する(ステップS107)。
【0039】
制御部113は、検出部112から出力されたパネル情報が、管理パネル情報と一致するか否かを判定する(ステップS108)。
【0040】
管理パネル情報と一致する場合(ステップS108:Yes)、制御部113は、ステップS104の処理に進む。すなわち、制御部113は、初回起動時以外では、管理パネル情報に示されるパネル120の装着位置と同じ位置にパネル120が装着された場合に、セキュリティ設定を受け付ける。
【0041】
管理パネル情報と一致しない場合(ステップS108:No)、制御部113は、検出部112から出力されたパネル情報に示されるパネル120の装着位置と一致するパネル120の装着位置が記憶部114に記憶されているか否かを判定する(ステップS109)。
【0042】
一致するパネル120の装着位置が記憶されている場合(ステップS109:Yes)、制御部113は、そのパネル120の装着位置に対応する利用制限解除機能を利用可能にする(ステップS110)。
【0043】
一致するパネル120の装着位置が記憶されていない場合(ステップS109:Yes)、制御部113は、所定の機能のみ、例えば、通話を行なう機能のみ、利用可能にする(ステップS111)。
【0044】
このように本実施形態によれば、携帯端末100は、ユーザにより設定されたパネル120の装着状態(装着位置)に対応する利用制限解除機能を記憶し、パネル120の装着状態を検出し、検出した装着状態に対応する利用制限解除機能を利用可能にする。
【0045】
そのため、ユーザにより設定されたパネル120の装着状態となった場合にのみ、携帯端末100の機能の利用が可能となるので、セキュリティの向上を図ることができる。また、パネル120の装着状態に応じて、利用制限解除機能を設定することができるので、簡易な方法で、様々なレベルの利用制限を行なうことができる。
【0046】
なお、検出部112から出力されたパネル情報と管理パネル情報とが一致しない場合、ステップS109においてセキュリティ設定テーブルの確認を行ったのち、記憶部114のデータ領域への電源供給を停止させるようにしてもよい。記憶部114のデータ領域への電源供給が停止されることで、データ領域へのアクセスすることができなくするとともに、携帯端末100の消費電力を低減させることができる。
【符号の説明】
【0047】
100 携帯端末
110 端末本体
111 装着部
112 検出部
113 制御部
114 記憶
115 ボタン
120 パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末本体と前記端末本体に着脱自在に装着される複数用意されたパネルとからなり、前記複数のパネルの装着状態に応じて、機能を利用可能にする携帯端末であって、
前記端末本体は、
前記パネルを1以上装着可能な装着部と、
前記装着部に前記パネルが装着されると、該パネルの装着位置を示すパネル情報を出力する検出部と、
前記パネルの装着位置に対応して利用可能にする機能を記憶する記憶部と、
前記パネル情報に示される前記パネルの装着位置に対応して前記記憶部に記憶された機能を利用可能にする制御部と、を有することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
請求項1記載の携帯端末において、
前記制御部は、前記パネル情報に示される前記パネルの装着位置が前記記憶部に記憶されていない場合には、所定の機能のみ利用可能にすることを特徴とする携帯端末。
【請求項3】
端末本体と前記端末本体に着脱自在に装着される複数用意されたパネルとからなり、前記複数のパネルの装着状態に応じて、機能を利用可能にする携帯端末の制御方法であって、
検出部が、前記1以上のパネルが装着されると、該パネルの装着位置を示すパネル情報を出力し、
記憶部が、前記パネルの装着位置に対応して利用可能にする機能を記憶し、
制御部が、前記パネル情報に示される前記パネルの装着位置に対応して前記記憶部に記憶された機能を利用可能にすることを特徴とする携帯端末の制御方法。
【請求項4】
請求項3記載の携帯端末の制御方法において、
前記制御部が、前記パネル情報に示される前記パネルの装着位置が前記記憶部に記憶されていない場合には、所定の機能のみ利用可能にすることを特徴とする携帯端末の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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