説明

携帯端末及びアラーム機能制御方法

【課題】 センサ情報に基づくアラームの停止あるいは実行を適切に行う。
【解決手段】 携帯電話機10は、設定された時刻にアラームを行い、ユーザからの停止操作を受け付けてアラームを停止するアラーム部11と、センサ情報を取得するセンサ情報取得部12と、アラームの停止が行われてから所定時間が経過するまでに停止操作以外のユーザの操作を検出する操作検出部13と、ユーザの操作が検出された場合にアラームが行われた後に取得されたセンサ情報に基づいて、アラームの実行可否を判断するための閾値を設定する閾値設定部14と、取得されたセンサ情報と閾値とに基づいて、アラームの実行可否を判断して、当該判断に応じたアラームの実行可否の制御を行うアラーム制御部15とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アラーム機能を備える携帯端末、及び当該携帯端末によるアラーム機能制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯電話機等の携帯端末には、ユーザの目覚まし機能等に用いられる、設定した時刻にアラームを行うアラーム機能が備えられている。このようなアラーム機能には、スヌーズ機能と呼ばれる、一旦アラームを止めてもユーザの二度寝の防止等を目的として、所定時間を経過した後に再度アラームを行う機能を備えているものがある。再度のアラームは、ユーザが寝ている場合には有効であるが、ユーザが起床している場合には望ましくない。
【0003】
これに対して、ユーザが起床していると判断された場合には、アラームを行わないという技術が提案されている。例えば、特許文献1では、携帯端末において自端末の振動数を計測して、振動数が閾値以上の場合にアラーム音の鳴動を解除するという技術が提案されている。また、特許文献2では、目覚まし時計において、人の瞳から反射された光を検出して目覚まし機能を停止することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−62931号公報
【特許文献2】特開2008−14904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、従来の技術では、振動数や瞳から反射された光等の携帯端末に備えられるセンサによって検出されたセンサ情報を検出してアラームを停止することが提案されている。しかしながら、アラームを停止させるための判断基準である閾値は、プリセットされたものであったり、手動で設定したりする必要がある。ユーザが起床している状況はユーザ毎に異なるため、上記のような閾値の設定方法では適切な閾値を設定することが困難であった。その結果、アラームの停止あるいは実行が適切に行われないことがあった。
【0006】
本発明は、上記を鑑みてなされたものであり、センサ情報に基づくアラームの停止あるいは実行を適切に行うことができる携帯端末及びアラーム機能制御方法を提供することを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明に係る携帯端末は、設定された時刻にアラームを行い、ユーザからの停止操作を受け付けてアラームを停止するアラーム手段と、自端末又は自端末の周囲の状態を検出して当該状態を示す情報をセンサ情報として取得するセンサ情報取得手段と、アラーム手段によるアラームの停止が行われてから所定時間が経過するまでに自端末に対する停止操作以外のユーザの操作を検出する操作検出手段と、操作検出手段によってユーザの操作が検出された場合にアラーム手段によるアラームが行われた後にセンサ情報取得手段によって取得されたセンサ情報に基づいて、アラームの実行可否を判断するための閾値を設定する閾値設定手段と、センサ情報取得手段によって取得されたセンサ情報と、閾値設定手段によって設定された閾値とに基づいて、アラームの実行可否を判断して、当該判断に応じたアラームの実行可否の制御を行うアラーム制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る携帯端末では、アラームの停止操作が行われてからユーザの操作が行われた場合に取得されたセンサ情報が用いられて閾値が設定される。従って、ユーザが起床している場合のセンサ情報を用いて閾値を設定することができ、その結果、適切な閾値の設定が可能となる。これによって、本発明に係る携帯端末によれば、センサ情報に基づくアラームの停止あるいは実行を適切に行うことが可能となる。
【0009】
閾値設定手段は、アラーム手段によるアラームが行われた前後にセンサ情報取得手段によって取得された各センサ情報に所定の差があるか否かを判断して、当該所定の差があると判断された場合に当該センサ情報を閾値の設定に利用することが望ましい。この構成によれば、アラームが行われた前後、即ち、ユーザの起床前後で変動したセンサ情報が閾値の設定に用いられるので、より適切な閾値の設定が可能になる。
【0010】
閾値設定手段は、アラーム手段によるアラームが行われる前にセンサ情報取得手段によって取得されたセンサ情報にも基づいて閾値を設定することが望ましい。この構成によれば、アラームが行われる前のセンサ情報が用いられた適切な閾値の設定が可能になる。
【0011】
閾値設定手段は、センサ情報取得手段によって複数の回数、取得されたセンサ情報に基づいて閾値を設定することが望ましい。この構成によれば、複数回のセンサ情報が用いられて閾値が設定されるため、ノイズデータ等で不適切な閾値が設定されることを防止し適切な閾値を設定することができる。
【0012】
センサ情報取得手段は、自端末の加速度、並びに自端末の周囲の照度、温度及び音量の少なくとも何れかをセンサ情報として取得することが望ましい。この構成によれば、確実に本発明を実施することができる。
【0013】
ところで、本発明は、上記のように携帯端末の発明として記述できる他に、以下のように携帯端末によるアラーム機能制御方法の発明としても記述することができる。これはカテゴリが異なるだけで、実質的に同一の発明であり、同様の作用及び効果を奏する。
【0014】
即ち、本発明に係るアラーム機能制御方法は、携帯端末によるアラーム機能制御方法であって、設定された時刻にアラームを行い、ユーザからの停止操作を受け付けてアラームを停止するアラームステップと、自端末又は自端末の周囲の状態を検出して当該状態を示す情報をセンサ情報として取得するセンサ情報取得ステップと、アラームステップにおけるアラームの停止が行われてから所定時間が経過するまでに自端末に対する停止操作以外のユーザの操作を検出する操作検出ステップと、操作検出ステップにおけるユーザの操作が検出された場合にアラームステップにおけるアラームが行われた後にセンサ情報取得ステップにおいて取得されたセンサ情報に基づいて、アラームの実行可否を判断するための閾値を設定する閾値設定ステップと、センサ情報取得ステップにおいて取得されたセンサ情報と、閾値設定ステップにおいて設定された閾値とに基づいて、アラームの実行可否を判断して、当該判断に応じたアラームの実行可否の制御を行うアラーム制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、ユーザが起床している場合のセンサ情報を用いて閾値を設定することができ適切な閾値の設定が可能となる。これによって、本発明によれば、センサ情報に基づくアラームの停止あるいは実行を適切に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯端末である携帯電話機の機能構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る携帯電話機のハードウェア構成を示す図である。
【図3】携帯電話機で取得され記憶されるセンサ情報の例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る携帯電話機で、閾値の設定時に実行される処理(アラーム機能制御方法)を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係る携帯電話機で、設定した閾値を用いたアラーム機能の制御時に実行される処理(アラーム機能制御方法)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面と共に本発明に係る携帯端末及びアラーム機能制御方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】
図1に、本実施形態に係る携帯端末である携帯電話機10を示す。携帯電話機10は、ユーザによって携帯(所持)され、移動体通信等の通信機能を備えている装置である。携帯電話機10はアラーム機能を有しており、当該アラーム機能はユーザの目覚まし機能等として用いられる。
【0019】
図2に携帯電話機10のハードウェア構成を示す。図2に示すように、携帯電話機10は、CPU(Central Processing Unit)101、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)102及びROM103(ReadOnly Memory)、操作部104、無線通信部105、ディスプレイ106、アンテナ107等のハードウェアにより構成されている。また、携帯電話機10は、上記のハードウェアに加えて、スピーカ108及びセンサ109等のハードウェアを備えている。
【0020】
センサ109は、具体的には、加速度センサ、照度センサ、温度センサ及び音センサ等である。加速度センサは、携帯電話機10に加わる加速度(単位は、例えばm/sec)を検出するセンサである。照度センサは、携帯電話機10の周囲の照度(単位は、例えばルクス)を検出するセンサである。温度センサは、携帯電話機10の周囲の温度(単位は、例えば摂氏温度)を検出するセンサである。音センサは、携帯電話機10の周囲の音量(単位は、例えばdB)を検出するセンサである。これらのセンサは、従来から知られているものを用いることができる。これらの構成要素が動作することにより、後述する携帯電話機10の各機能が発揮される。
【0021】
引き続いて、携帯電話機10の本発明に係る機能について説明する。図1に示すように、携帯電話機10は、アラーム部11と、センサ情報取得部12と、操作検出部13と、閾値設定部14と、アラーム制御部15とを備えて構成される。なお、携帯電話機10は上記以外にも、例えば、通話機能、メール機能、Web閲覧機能等の通常の携帯電話機としての機能も備えている(図示せず)。
【0022】
アラーム部11は、設定された時刻にアラームを行うアラーム手段である。アラームは、具体的には、携帯電話機10が備えるスピーカ108によってアラーム音を鳴動させることによって行われる。また、アラームは、アラーム音の鳴動以外にも、携帯電話機10を振動(バイブレーション)させる等のその他の方法で行われてもよい。時刻の設定は、ユーザの携帯電話機10に対する操作によって行われ、アラーム部11は、アラームを行う時刻を記憶している。この時刻は、例えば、ユーザが起床したいと思う時刻に設定される。アラーム部11は、設定されたアラームを行う時刻をセンサ情報取得部12に通知しておく。
【0023】
アラーム部11は、アラームを行っているときにユーザからの停止操作を受け付けてアラームを停止する。停止操作は、例えば、携帯電話機10に設けられるアラームの停止するための操作ボタンを押下することである。アラーム部11は、アラームを停止すると、当該停止したことを操作検出部13に通知する。また、アラーム部11は、後述するようにアラーム制御部15からのアラームの実行可否の制御を受ける。この制御を受けて、アラーム部11はアラームの再実行を行う(いわゆるスヌーズ機能である)。アラームの再実行を行うタイミング(前のアラームを行ってからどの程度後のタイミングか)については、予め設定しておくことができる。例えば、後述するように15分後とすることができる。
【0024】
センサ情報取得部12は、携帯電話機10(自端末)又は携帯電話機10の周囲の状態を検出して当該状態を示す情報をセンサ情報として取得するセンサ情報取得手段である。センサ情報の取得は、具体的には、携帯電話機10が備えるセンサ109によって行われる。センサ情報取得部12は、アラーム部11によってアラームが行われる時刻の前後にセンサ情報を取得する。具体的には、例えば、センサ情報取得部12は、アラーム部11から通知されたアラームを行う時刻の5分前と、15分後に各種のセンサ情報を取得する。センサ情報取得部12は、取得したセンサ情報を閾値設定部14に出力する。また、センサ情報取得部12は、アラーム後に取得したセンサ情報をアラーム制御部15に出力する。
【0025】
なお、例えば、加速度といった特定のタイミングのみでの取得が適当でない(特定のタイミングに加速がはたらいていないと検出されない)センサ情報については、ある程度の幅を持った時間帯でのセンサ情報の取得を行うこととしてもよい。具体的には、加速度については、例えば、アラームが行われる時刻の5分前からアラームが行われる時刻まで、及びアラームが行われた時刻からアラームが行われた時刻の15分後までの時間帯について、加速度を常に検出しておき、加速度が検出された(携帯電話機10が加速されている)場合の値のそれぞれの平均値(m/sec)をアラーム前後のセンサ情報とすることとしてもよい。あるいは、上記の時間帯において、加速度を常に検出しておき、連続して加速度が検出された(携帯電話機10が加速されている)場合の時間の平均値(秒)をセンサ情報とすることとしてもよい。なお、携帯電話機10は起床前には置かれており、起床後に持ち歩かれるものと考えられるので、アラームが行われる前の加速度については、必ずしも取得されなくてもよい。その場合、例えば、加速度の値は、ゼロとして扱われる。
【0026】
操作検出部13は、アラーム部11によるアラームの停止が行われてから所定時間が経過するまでに、携帯電話機10(自端末)に対する上記のアラーム停止操作以外のユーザの操作を検出する操作検出手段である。アラーム停止操作以外のユーザの操作とは、例えば、Web接続やメール作成等のためにユーザが携帯電話機10に設けられる操作ボタンを押下することである。この操作の検出は、アラームが停止した後、ユーザが起床しているかどうかを確認するためのものである。上記の所定時間は、予め設定された時間であり、具体的には例えば、15分間である。この時間は、例えば、アラームの停止操作が行われてからアラームを再実行するまでの時間としてもよい。操作検出部13は、当該時間の間にアラーム停止操作以外のユーザの操作を検出したら、閾値設定部14及びアラーム制御部15にその旨を通知する。
【0027】
閾値設定部14は、アラームの実行可否を判断するための閾値を設定する閾値設定手段である。後述するように、この閾値は、取得されたセンサ情報と比較されてアラームの実行可否の判断に用いられる。閾値設定部14は、操作検出部13によってユーザの操作が検出された場合に、アラーム部11によるアラームが行われた後にセンサ情報取得部12によって取得されたセンサ情報に基づいて、閾値を設定する。ここで、操作検出部13によってユーザの操作が検出された場合のセンサ情報を用いているのは、ユーザが起床している(と推定される)場合のセンサ情報のみを閾値の設定に反映させるためである。
【0028】
また、閾値設定部14は、センサ情報取得部12によって複数の回数、取得されたセンサ情報に基づいて閾値を設定することとしてもよい。具体的には、閾値設定部14は、図3に示すように各センサ情報を、センサ情報の種別ごとに一定の値の幅(間隔)で区切って、当該値の幅毎に(ユーザの操作が検出されて)取得されたセンサ情報の数を履歴情報としてカウントする。図3(a)は照度、図3(b)は加速度、図3(c)は温度、図3(d)は音量の履歴情報である。例えば、図3に示すように、照度であれば100ルクスの幅毎に、加速度であれば1m/secの幅毎に、温度であれば5度の幅毎に、音量であれば10dBの幅毎にセンサ情報の数をカウントする。
【0029】
また、閾値設定部14は、アラーム部11によるアラームが行われる前にセンサ情報取得部12によって取得されたセンサ情報と、アラームが行われた後に取得されたセンサ情報とを比較して、それらに所定の差があるか否かを判断して、所定の差があると判断された場合に(アラームが行われた後に取得された)センサ情報を閾値の設定に利用することとしてもよい。例えば、アラーム前のセンサ情報の値とアラーム後のセンサ情報の値とが、上記のカウントの値幅で2つ以上変動している場合のみ、閾値の設定に利用する。例えば、アラーム前の照度値が50ルクス(値幅は0〜100ルクス)、アラーム後の照度値が320(値幅は300〜400ルクス)であった場合、値幅は3つ変動しているので当該アラーム後の照度値は、図3に示す履歴情報としてカウントされる。一方、アラーム前の照度値が50ルクス(値幅は0〜100ルクス)、アラーム後の照度値が120(値幅は100〜200ルクス)であった場合、値幅は1つしか変動していないので当該アラーム後の照度値は、図3に示す履歴情報としてカウントされない。
【0030】
これは、誤差レベルでの変動を履歴情報として記憶しないためのものである。どの程度の差分があれば、カウントするかについては、値幅やセンサ情報の特性等が考慮されて予め設定される。
【0031】
閾値設定部14は、一定数、例えば10回分のセンサ情報の履歴情報が取得できた場合に、当該センサ情報について閾値を設定することとする。なお、閾値の設定は、精度を高めるという観点から、上記のように10回分といった複数回のセンサ情報が取得されてから行うことが望ましいが、センサ情報が1回取得された段階で行うこととしてもよい。
【0032】
閾値設定部14は、図3に示す履歴情報において、最頻値となる値幅の下限値を閾値とする。図3(a)の照度の履歴情報では、300〜400ルクスが最頻値となっているため、閾値設定部14は、下限値の300ルクスを閾値とする。最頻値の値幅が2つ存在している場合には、値が小さい方の値幅を用いる。閾値として下限値を設定するのは、予め起床後には起床前よりもセンサ情報が大きな値を取ると分かっているものに対してであり、予め起床後(アラーム後)には起床前(アラーム前)よりもセンサ情報が大きな値を取ると分かっているものに対しては、閾値として最頻値の上限値を設定することとしてもよい。また、アラームが行われる前後のセンサ情報で示される値の増減の傾向を参照して、下限値、上限値の何れを閾値とするかを決めてもよい。
【0033】
上述した閾値の設定は、アラーム後のセンサ情報のみを利用したものであったが、以下のようにアラーム前のセンサ情報を利用して決定することとしてもよい。アラーム前のセンサ情報の履歴情報を、図3に示すアラーム後のセンサ情報の履歴情報と同様に記憶しておく。アラーム前後の履歴情報のそれぞれの最頻値の中間となる値を閾値として設定する。例えば、アラーム前の履歴情報による最頻値が0〜100ルクス、アラーム後の履歴情報による最頻値が300〜400ルクスであった場合、50ルクスと350ルクスとの中間地である200ルクスを閾値とする。
【0034】
閾値設定部14は、設定した閾値を示す情報をアラーム制御部15に出力する。なお、閾値を設定した後も引き続いてセンサ情報を取得して、取得したセンサ情報に基づいて新たに閾値を設定し直すこととしてもよい。また、ユーザの環境やライフスタイルが変化した場合や季節の変動等を考慮して、1ヶ月あるいは3ヶ月(季節)ごとに閾値及び履歴情報をリセットすることが望ましい。また、リセットを行う場合であっても、リセット前の10回の履歴情報から算出した閾値を、リセット後すぐに再設定することとしてもよい。リセット後に10回履歴を貯めていると、その間の閾値が設定されない状態となり、例えば、1ヶ月でリセットをする場合には半月程度しか閾値が設定される期間がなくなるためである。
【0035】
アラーム制御部15は、センサ情報取得部12によって取得されたセンサ情報と、閾値設定部14によって設定された閾値とに基づいて、アラームの実行可否を判断して、当該判断に応じたアラームの実行可否の制御を行うアラーム制御手段である。アラーム制御部15は、閾値設定部14によって設定された閾値に基づいて、再アラームを停止するか否かを判断する。この判断は、例えば、再アラームを行うタイミングで行われる。具体的には、センサ情報取得部12によって各種のセンサ情報が取得されてアラーム制御部15に出力されるタイミングである、アラーム部11によるアラームの実行から15分後に行われる。
【0036】
アラーム制御部15は、閾値設定部14によって設定された閾値に対応する、アラーム後のセンサ情報がセンサ情報取得部12から入力されると、当該センサ情報と閾値とを比較する。アラーム後のセンサ情報が閾値よりも大きいと判断すると、アラーム制御部15は再アラームを停止する(実行しない)と判断して、その旨の制御をアラーム部11に対して行う。なお、上記の判断は、アラーム後のセンサ情報が起床時には起床前よりも大きな値をとる種類のセンサ情報(即ち、閾値設定部14によって値幅の下限値が閾値と決定される種類のセンサ情報)に対して行われる。アラーム後のセンサ情報が起床時には起床前よりも小さな値をとる種類のセンサ情報については、アラーム後に取得されたセンサ情報が閾値よりも小さいと判断された場合に、再アラームを停止する旨の制御が行われる。
【0037】
また、閾値による再アラームの実行可否の判断は、閾値が閾値設定部14から入力された種類のセンサ情報についてのみ行われる。複数の種類のセンサ情報の閾値が入力された場合には、そのうちいずれかのセンサ情報について閾値を超えている(あるいは、閾値を下回る)という判断がされた場合に再アラームを停止することとすればよい。あるいは、全てのセンサ情報について閾値を超えている(あるいは、閾値を下回る)という判断がされた場合に再アラームを停止することとしてもよい。
【0038】
また、アラーム制御部15は、操作検出部13によってアラームの停止操作が行われてからアラームを再実行するまでの時間にユーザの操作が検出された場合には、センサ情報と閾値との関係にかかわらず再アラームを停止するという制御を行う。
【0039】
アラーム制御部15は、上記のようにアラームの再実行のタイミングで停止するという判断を行わない場合には、アラーム部11に対してアラームを再実行させる制御を行う。なお、上記の、再アラームを停止する旨の制御は、必ずしも当該制御が能動的に行われる必要はなく、アラームを再実行させる制御が行われなければよい。
【0040】
また、上記では、アラーム制御部15によるセンサ情報によるアラームの実行可否の判断は、一度アラームが行われて再度アラームが実行されるときとしているが、必ずしもこのタイミングでなくてもよく一度目のアラームの際に行われてもよい。その場合、判断のタイミングでセンサ情報取得部12によってセンサ情報が取得される。以上が、携帯電話機10の本発明に係る機能である。
【0041】
引き続いて、図4及び図5のフローチャートを用いて、本実施形態に係る携帯電話機10で実行される処理(アラーム機能制御方法)を説明する。まず、図4のフローチャートを用いて、閾値の設定時に実行される処理を説明する。その後に、図5のフローチャートを用いて、設定した閾値を用いたアラーム機能の制御時に実行される処理を説明する。この2種類の処理は、同時にも行われえるが、簡単のためそれぞれ分けて説明する。
【0042】
携帯電話機10では、アラームが行われる時刻の5分前のタイミングで、センサ情報取得部12によって各種のセンサ情報が取得される(S01、センサ情報取得ステップ)。具体的には、上述したように加速度、照度、温度及び音量が検出されて、それらに係るセンサ情報が取得される。取得されたセンサ情報は、センサ情報取得部12から閾値設定部14に入力される。続いて、アラームが行われる時刻になると、アラーム部11によってアラームが行われる(S02、アラームステップ)。具体的には、上述したようにアラーム音の鳴動が行われる。アラームの実行は、ユーザからの携帯電話機10に対する停止操作が行われるまで続けられる。当該停止操作が行われると、アラーム部11によって、当該停止操作が受け付けられ、アラームの実行が停止される(S03、アラームステップ)。
【0043】
続いて、アラームの停止から15分が経過するまでに、操作検出部13によって、携帯電話機に対する上記のアラーム停止操作以外のユーザの操作が検出される(S04、操作検出ステップ)。もし、ユーザの操作が検出されない(ユーザが操作していない)場合には、上述したS01以降の処理が繰り返される。S01以降の繰り返しの処理は、アラームの再実行(スヌーズ)の際に行われてもよいし、次の日の1度目のアラームの実行の際に行われてもよい。また、ユーザによってアラームの時刻を再設定された場合は、再設定された時刻でのアラームの実行の際に、S01以降の繰り返しの処理が行われてもよい。
【0044】
S04において、ユーザの操作が検出された(ユーザが操作した)場合には、その旨が操作検出部13から閾値設定部14に通知される。また、アラームが行われた時刻の15分後のタイミングで、センサ情報取得部12によって各種のセンサ情報が取得される(S05、センサ情報取得ステップ)。取得されたセンサ情報は、センサ情報取得部12から閾値設定部14に入力される。
【0045】
続いて、閾値設定部14によって、アラームの前後で取得されたセンサ情報が比較されてそれらに所定の差があるか否かが判断される。所定の差がある場合に、閾値設定部14によって、アラーム後のセンサ情報が、図3に示すような履歴情報として記憶される(S06、閾値設定ステップ)。なお、アラーム前のセンサ情報も閾値の設定に用いる場合には、アラーム前のセンサ情報についても同様に記憶しておく。この記憶は、S05で取得されたセンサ情報の種別毎に行われる。
【0046】
続いて、閾値設定部14によって、センサ情報の履歴情報が10回分、蓄積されているか否かが判断される(S07、閾値設定ステップ)。即ち、S06におけるセンサ情報の蓄積が、何れかの種別のセンサ情報が10回なされているかが判断される。10回分の履歴情報が蓄積されていないと判断された場合には、上述したS01以降の処理が繰り返される。この場合、S01以降の繰り返しの処理は、次の日の1度目のアラームの実行の際に行われる。また、ユーザによってアラームの時刻を再設定された場合は、再設定された時刻でのアラームの実行の際に、S01以降の繰り返しの処理が行われてもよい。
【0047】
10回分の履歴情報が蓄積されていると判断された場合には、閾値設定部14によって、その種別のセンサ情報について、履歴情報に基づいて閾値が設定される(S08、閾値設定ステップ)。設定された閾値は、閾値設定部14からアラーム制御部15に入力される。なお、このようにして、一度閾値が設定された場合でも、再度、S01以降の処理を繰り返して閾値を更新するようにしてもよい。以上が、閾値の設定時に実行される処理である。
【0048】
引き続いて、図5のフローチャートを用いて、設定した閾値を用いたアラーム機能の制御時に実行される処理を説明する。携帯電話機10では、アラームが行われる時刻になると、アラーム部11によってアラームが行われる(S11、アラームステップ(図4のS02に対応))。アラームの実行は、ユーザからの携帯電話機10に対する停止操作が行われるまで続けられる。当該停止操作が行われると、アラーム部11によって、当該停止操作が受け付けられ、アラームの実行が停止される(S12、アラームステップ(図4のS02に対応))。
【0049】
続いて、アラームが行われた時刻の15分後のタイミングで、センサ情報取得部12によって各種のセンサ情報が取得される(S13、センサ情報取得ステップ(図4のS05に対応))。取得されたセンサ情報は、センサ情報取得部12からアラーム制御部15に入力される。
【0050】
ここで、アラームの停止から15分が経過するまでに、操作検出部13によって、携帯電話機に対する上記のアラーム停止操作以外のユーザの操作が検出される。ユーザの操作が検出された場合、その旨の情報が操作検出部13からアラーム制御部15に通知される。
【0051】
アラーム制御部15では、アラームの再実行が行われるか否かが判断され、それに基づいたアラームの実行可否の制御が行われる(S14、アラーム制御ステップ)。具体的には、アラーム制御部15では、操作検出部13からユーザの操作が検出された旨の通知が行われた場合には、再アラームは行われないと判断される。また、アラーム制御部15では、S13でセンサ情報取得部12から入力されたセンサ情報と当該センサ情報に対応する閾値とが比較されて、再アラームの実行の可否が判断される。例えば、センサ情報により示される値が閾値を超えていると判断された場合には、再アラームは行われないと判断される。上記の何れかの判断により、再アラームは行われないと判断されると再アラームの制御は行われず(再アラームの実行は停止される)処理は終了する。
【0052】
一方で、上記の何れかの判断により、再アラームは行われないと判断されない場合には、アラーム制御部15からアラーム部11に対してアラームを再度行うように制御がなされ、アラーム部11によって再度アラームが実行される(S11、アラームステップ)。以上が、設定した閾値を用いたアラーム機能の制御時に実行される処理である。
【0053】
上述したように本実施形態によれば、アラームの停止操作が行われてから更にユーザの操作が行われた場合に取得されたセンサ情報が用いられて閾値が設定される。従って、ユーザが起床している場合のセンサ情報を用いて閾値を設定することができ、その結果、適切な閾値の設定が可能となる。これによって、本実施形態によれば、センサ情報に基づくアラームの停止あるいは実行を適切に行うことが可能となる。また、本実施形態によれば、ユーザが手動で閾値を設定することなく自動で適切な閾値が設定されるので、ユーザの手間を発生させずにユーザの利便性を向上させることができる。
【0054】
また、本実施形態のように、アラームの前後、即ち、ユーザの起床前後で変動したセンサ情報のみを閾値の設定に用いることが望ましい。これにより、より適切な閾値の設定が可能になる。但し、必ずしもアラーム前のセンサ情報との比較を行う必要はなく、アラームの停止操作の後の操作が行われた場合のセンサ情報を一律に用いることとしてもよい。
【0055】
また、本実施形態のように、アラーム前のセンサ情報を用いて閾値を用いることとしてもよい。この構成によれば、アラームの前後でセンサ情報の差が大きい場合等には適切な閾値の設定が可能になる。
【0056】
また、本実施形態のように複数回取得されたセンサ情報が用いられて閾値が設定されることが望ましい。この構成によれば、ノイズデータ等で不適切な閾値が設定されることを防止し適切な閾値を設定することができる。
【符号の説明】
【0057】
10…携帯電話機、11…アラーム部、12…センサ情報取得部、13…操作検出部、14…閾値設定部、15…アラーム制御部、101…CPU、102…RAM、103…ROM、104…操作部、105…無線通信部、106…ディスプレイ、107…アンテナ、108…スピーカ、109…センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定された時刻にアラームを行い、ユーザからの停止操作を受け付けてアラームを停止するアラーム手段と、
自端末又は自端末の周囲の状態を検出して当該状態を示す情報をセンサ情報として取得するセンサ情報取得手段と、
前記アラーム手段によるアラームの停止が行われてから所定時間が経過するまでに自端末に対する前記停止操作以外のユーザの操作を検出する操作検出手段と、
前記操作検出手段によってユーザの操作が検出された場合に前記アラーム手段によるアラームが行われた後に前記センサ情報取得手段によって取得されたセンサ情報に基づいて、アラームの実行可否を判断するための閾値を設定する閾値設定手段と、
前記センサ情報取得手段によって取得されたセンサ情報と、前記閾値設定手段によって設定された閾値とに基づいて、アラームの実行可否を判断して、当該判断に応じたアラームの実行可否の制御を行うアラーム制御手段と、
を備える携帯端末。
【請求項2】
前記閾値設定手段は、前記アラーム手段によるアラームが行われた前後に前記センサ情報取得手段によって取得された各センサ情報に所定の差があるか否かを判断して、当該所定の差があると判断された場合に当該センサ情報を閾値の設定に利用することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記閾値設定手段は、前記アラーム手段によるアラームが行われる前に前記センサ情報取得手段によって取得されたセンサ情報にも基づいて前記閾値を設定することを特徴とする請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記閾値設定手段は、前記センサ情報取得手段によって複数の回数、取得されたセンサ情報に基づいて前記閾値を設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記センサ情報取得手段は、自端末の加速度、並びに自端末の周囲の照度、温度及び音量の少なくとも何れかをセンサ情報として取得することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項6】
携帯端末によるアラーム機能制御方法であって、
設定された時刻にアラームを行い、ユーザからの停止操作を受け付けてアラームを停止するアラームステップと、
自端末又は自端末の周囲の状態を検出して当該状態を示す情報をセンサ情報として取得するセンサ情報取得ステップと、
前記アラームステップにおけるアラームの停止が行われてから所定時間が経過するまでに自端末に対する前記停止操作以外のユーザの操作を検出する操作検出ステップと、
前記操作検出ステップにおけるユーザの操作が検出された場合に前記アラームステップにおけるアラームが行われた後に前記センサ情報取得ステップにおいて取得されたセンサ情報に基づいて、アラームの実行可否を判断するための閾値を設定する閾値設定ステップと、
前記センサ情報取得ステップにおいて取得されたセンサ情報と、前記閾値設定ステップにおいて設定された閾値とに基づいて、アラームの実行可否を判断して、当該判断に応じたアラームの実行可否の制御を行うアラーム制御ステップと、
を含むアラーム機能制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−202825(P2012−202825A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67718(P2011−67718)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】