説明

携帯端末装置、フレキシブル基板の設置方法、閉操作矯正方法、及びフレキシブル基板の損傷防止方法

【課題】 上筐体を下筐体に対してスライド移動させた後に回転移動させることで、該上筐体を下筐体に対して斜めに起立させて開状態とするスライド回転機構を備えた携帯端末装置において、上記開状態から閉状態に戻す際に、上記回転移動が終了する前にスライド移動がなされることで、フレキシブル基板が上筐体で押され、下筐体との間で擦られて損傷する不都合を防止する。
【解決手段】
上筐体1に設けられた電気部品と下筐体2に設けられた電気部品とを電気的に接続するフレキシブル基板のうち、上筐体1から露出した直後の部分から所定の長さ分を、接着部材を介してスライド補助プレート21に接着することで、上筐体1から露出するフレキシブル基板の撓みを防止する。上記上筐体の回転移動が終了する前にスライド移動がなされても、フレキシブル基板が下筐体との間で擦られて損傷する不都合を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話機、PHS電話機(PHS:Personal Handyphone System)、PDA装置(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯ゲーム機等の携帯機器に適用して好適な携帯端末装置、フレキシブル基板の設置方法、閉操作矯正方法、及びフレキシブル基板の損傷防止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日において、一つの筐体に表示部及び操作部を設けた、いわゆるストレート型の携帯機器や、表示部等が設けられた上筐体と操作部等が設けられた下筐体とを重ね合わせた状態で携帯する携帯機器が知られている。
【0003】
また、表示部等が設けられた上筐体と操作部等が設けられた下筐体とを重ね合わせた状態で携帯する携帯機器としては、ヒンジ部を介して上筐体及び下筐体を相互に回動可能に接続した、いわゆるクラムシェル型の携帯機器や、例えば特開2009−267614号の公開特許公報(特許文献1)に開示されている携帯機器のように、上筐体及び下筐体が相互に該各筐体の長手方向に沿ってスライド移動する、いわゆるスライド型の携帯機器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−267614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、本願発明の出願人は、上筐体及び下筐体を重ね合わせた状態から、上筐体及び下筐体が該各筐体の短手方向に沿ってスライド移動すると共に、上筐体の長手方向の他端部が下筐体の一端部近傍までスライド移動した際に、該上筐体が回動し、該上筐体が下筐体に対して斜めに起立する、スライド型及びクラムシェル型の両方の機能を合わせ持つ携帯端末装置を開発するに至った。
【0006】
この新たに開発した携帯電話機は、下筐体に対して上筐体が斜めに起立した開状態から、各筐体が略々重なり合った状態である閉状態に戻す場合、まず、上筐体を回動させて、一旦、上筐体と下筐体とを平行状態とする。次に、上記平行状態となっている上筐体に対して閉方向の力を加えることで、上筐体を下筐体に対して平行にスライド移動させ、当該携帯端末装置を閉状態とする。これが、当該携帯電話機を開状態から閉状態に戻す際の正規の操作順序である。
【0007】
しかし、この新たに開発した携帯端末装置の動作検証を行ったところ、開状態から閉状態に戻す際に、起立している上筐体を下筐体に対して平行としないうちに、上筐体を下筐体に対してスライド移動させることが可能であることがわかった。
【0008】
上筐体内に設けられている電気部品と下筐体内に設けられている電気部品は、可撓性を有するフレキシブル基板により電気的に接続されているのであるが、起立している上筐体を下筐体に対して平行としないうちに、上筐体を下筐体に対してスライド移動させると、フレキシブル基板が損傷する可能性がある。
【0009】
この問題は、当該携帯電話機を開状態から閉状態に戻す際に、上述の正規の操作順序で閉操作を行うように、ユーザに対して強いることにより解決可能である。しかし、このようなことを各ユーザに対して強いることは、非現実的なことである。
【0010】
本発明は、このような動作検証結果に基づいてなされたものであり、開状態から閉状態に戻す際に、上述の正規の操作順序で閉操作が行われなかった場合でも、フレキシブル基板の損傷を防止することができるようなスライド回転機構、及び携帯端末装置の提供を目的とする。
【0011】
また、本発明は、上述の動作検証結果に基づいてなされたものであり、開状態から閉状態に戻す際に、ユーザに意識させることなく、自然に上述の正規の操作順序で閉操作を行わせることができ、これにより、フレキシブル基板の損傷を防止することができるような携帯端末装置、フレキシブル基板の設置方法、閉操作矯正方法、及びフレキシブル基板の損傷防止方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る携帯端末装置は、上述の課題を解決するために
上筐体と、
下筐体と、
開操作時には、上記上筐体に固定されて設けられ、該上筐体をスライド移動可能に保持するスライド補助プレートを介して該上筐体を開方向にスライド移動させ、この開方向へのスライド移動後に、上記スライド補助プレートを介して上記上筐体を開方向に回転移動させ、該上筐体を上記下筐体に対して所定の角度で起立させ、閉操作時には、上記下筐体に対して所定の角度で起立している上記上筐体を、上記スライド補助プレートを介して上記開方向の回転移動に対する反対方向となる閉方向に回転移動させ、この閉方向への回転移動後に、上記スライド補助プレートを介して上記上筐体を、上記開方向のスライド移動に対して反対方向となる閉方向にスライド移動させるスライド回転機構と、
上記上筐体に設けられた電気部品と上記下筐体に設けられた電気部品とを電気的に接続するように、該上筐体と該下筐体との間に設けられ、上記上筐体から露出した直後の部分から所定の長さ分を、接着部材を介して上記スライド補助プレートに接着したフレキシブル基板と
を有する。
【0013】
このような携帯端末装置は、上記上筐体に設けられた電気部品と上記下筐体に設けられた電気部品とを電気的に接続するフレキシブル基板のうち、上記上筐体から露出した直後の部分から所定の長さ分を、接着部材を介して上記スライド補助プレートに接着する。
【0014】
これにより、上筐体から露出するフレキシブル基板の撓みを防止することができる。このため、上記閉操作を行う際に、上記上筐体の閉方向の回転移動が終了する前に該上筐体が上記閉方向にスライド移動された場合でも、フレキシブル基板が上筐体で押され、下筐体との間で擦られて損傷する不都合を防止することができる(=当該携帯電話機が正規の操作順序で閉操作されないことでフレキシブル基板が損傷する不都合を防止することができる。)。
【0015】
また、本発明に係る携帯端末装置は、上述の課題を解決するために
上筐体と、
下筐体と、
上記上筐体に固定されて設けられ、該上筐体をスライド移動可能に保持するスライド補助プレートを介して上記上筐体をスライド移動させるスライド機構と、上記下筐体に対して上記上筐体を回動させる回転機構とを備え、開操作時には、上記スライド補助プレートを介して該上筐体を開方向にスライド移動させ、この開方向にスライド移動させた後に、上記スライド補助プレートを介して上記上筐体を開方向に回転移動させ、該上筐体を上記下筐体に対して所定の角度で起立させ、閉操作時には、上記下筐体に対して所定の角度で起立している上記上筐体を、上記スライド補助プレートを介して上記開方向の回転移動に対して反対方向となる閉方向に回転移動させ、この閉方向への回転移動後に、上記スライド補助プレートを介して上記上筐体を、上記開方向のスライド移動に対して反対方向となる閉方向にスライド移動させるスライド回転機構と、
上記上筐体側から上記下筐体側に突出するように、該上筐体に固定されて設けられた突出部材と、
上記スライド回転機構の上記回転機構に連動して回動するように該回転機構に固定して設けられ、上記上筐体が上記下筐体に対して所定の角度で起立している状態で、該上筐体が上記閉方向にスライド移動された際に、該上筐体に設けられた上記突出部材と当接して、該上筐体のスライド移動を規制するロックブロックと
を有する。
【0016】
このような携帯端末装置は、上記スライド回転機構の上記回転機構に連動して回動するように該回転機構に固定してロックブロックを設け、上筐体が下筐体に対して所定の角度で起立している状態で、該上筐体が上記閉方向にスライド移動された際に、上記ロックブロックを上記上筐体に設けられた突出部材と当接させて、該上筐体の上記閉方向へのスライド移動を規制する。
【0017】
これにより、ユーザに意識させることなく、自然に、正規の操作順序で当該携帯電話機を開状態から閉状態に戻す操作を行わせることができる(ユーザの閉操作を正規の操作順序となるように矯正することができる。)。
【0018】
また、本発明に係る携帯端末装置は、上述の課題を解決するために
上筐体と、
下筐体と、
上記上筐体に固定されて設けられ、該上筐体をスライド移動可能に保持するスライド補助プレートを介して上記上筐体をスライド移動させるスライド機構と、上記下筐体に対して上記上筐体を回動させる回転機構とを備え、開操作時には、上記スライド補助プレートを介して該上筐体を開方向にスライド移動させ、この開方向へのスライド移動後に、上記スライド補助プレートを介して上記上筐体を開方向に回転移動させ、該上筐体を上記下筐体に対して所定の角度で起立させ、閉操作時には、上記下筐体に対して所定の角度で起立している上記上筐体を、上記スライド補助プレートを介して上記開方向の回転移動に対して反対方向となる閉方向に回転移動させ、この閉方向への回転移動後に、上記スライド補助プレートを介して上記上筐体を、上記開方向のスライド移動に対して反対方向となる閉方向にスライド移動させるスライド回転機構と、
上記上筐体側から上記下筐体側に突出するように、該上筐体に固定されて設けられた突出部材と、
上記スライド回転機構の上記回転機構に連動して回動するように該回転機構に固定して設けられ、上記上筐体が上記下筐体に対して所定の角度で起立している状態で、該上筐体が上記閉方向にスライド移動された際に、該上筐体に設けられた上記突出部材と当接して、該上筐体のスライド移動を規制するロックブロックと
上記上筐体に設けられた電気部品と上記下筐体に設けられた電気部品とを電気的に接続するように、該上筐体と該下筐体との間に設けられ、上記上筐体から露出した直後の部分から所定の長さ分を、接着部材を介して上記スライド補助プレートに接着したフレキシブル基板と
を有する。
【0019】
このような携帯端末装置は、上記上筐体に設けられた電気部品と上記下筐体に設けられた電気部品とを電気的に接続するフレキシブル基板のうち、上記上筐体から露出した直後の部分から所定の長さ分を、接着部材を介して上記スライド補助プレートに接着することで、上筐体から露出するフレキシブル基板の撓みを防止する。
【0020】
また、スライド回転機構の回転機構に連動して回動するように該回転機構に固定してロックブロックを設け、上筐体が下筐体に対して所定の角度で起立している状態で、該上筐体が上記閉方向にスライド移動された際に、上記ロックブロックを上記上筐体に設けられた突出部材と当接させて、該上筐体の上記閉方向へのスライド移動を規制する。
【0021】
これにより、フレキシブル基板の撓みを防止したうえで、開状態から閉状態に戻す際に、閉方向の回動移動前は、閉方向へのスライド移動が規制されるため、フレキシブル基板の損傷を強力に防止することができるうえ、ユーザに意識させることなく、自然に、正規の操作順序で当該携帯電話機を開状態から閉状態に戻す操作を行わせることができる(ユーザの閉操作を正規の操作順序となるように矯正することができる。)。
【0022】
また、本発明に係るフレキシブル基板の設置方法は、上述の課題を解決するために
開操作時には、上筐体に固定されて設けられ、該上筐体をスライド移動可能に保持するスライド補助プレートを介して上記上筐体を開方向にスライド移動させ、この開方向へのスライド移動後に、上記スライド補助プレートを介して上記上筐体を開方向に回転移動させ、該上筐体を上記下筐体に対して所定の角度で起立させ、閉操作時には、上記下筐体に対して所定の角度で起立している上記上筐体を、上記スライド補助プレートを介して上記開方向に対して反対方向となる閉方向に回転移動させ、この閉方向への回転移動後に、上記スライド補助プレートを介して上記上筐体を、上記開方向に対して反対方向となる閉方向にスライド移動させるスライド回転機構を備えた携帯端末装置のフレキシブル基板の設置方法であって、
上記上筐体に設けられた電気部品と上記下筐体に設けられた電気部品とを電気的に接続するようにフレキシブル基板を設け
上記フレキシブル基板の、上記上筐体から露出した直後の部分から所定の長さ分を、接着部材を介して上記スライド補助プレートに接着する。
【0023】
これにより、上筐体から露出するフレキシブル基板の撓みを防止することができる。このため、上記閉操作を行う際に、上記上筐体の閉方向への回転移動が終了する前に該上筐体が上記閉方向にスライド移動された場合でも、フレキシブル基板が上筐体で押され、下筐体との間で擦られて損傷する不都合を防止することができる(=当該携帯電話機が正規の操作順序で閉操作されないことでフレキシブル基板が損傷する不都合を防止することができる。)。
【0024】
また、本発明に係る閉操作矯正方法は、上述の課題を解決するために
上筐体に固定されて設けられ、該上筐体をスライド移動可能に保持するスライド補助プレートを介して上記上筐体をスライド移動させるスライド機構と、上記下筐体に対して上記上筐体を回動させる回転機構とを備え、開操作時には、上記スライド補助プレートを介して該上筐体を開方向にスライド移動させ、この開方向へのスライド移動後に、上記スライド補助プレートを介して上記上筐体を開方向に回転移動させ、該上筐体を上記下筐体に対して所定の角度で起立させ、閉操作時には、上記下筐体に対して所定の角度で起立している上記上筐体を、上記スライド補助プレートを介して上記開方向の回転移動に対して反対方向となる閉方向に回転移動させ、この閉方向への回転移動後に、上記スライド補助プレートを介して上記上筐体を、上記開方向のスライド移動に対して反対方向となる閉方向にスライド移動させるスライド回転機構を備えた携帯端末装置の閉操作矯正方法であって、
上記上筐体側から上記下筐体側に突出するように突出部材を上記上筐体に固定して設け、
上記スライド回転機構の上記回転機構に連動して回動するロックブロックを該回転機構に固定して設け、
上記上筐体が上記下筐体に対して所定の角度で起立している状態で、該上筐体が上記閉方向にスライド移動された際に、上記該上筐体に設けられた上記突出部材を上記ロックブロックに当接させて該上筐体のスライド移動を規制することで、上記携帯端末装置の閉操作を矯正する。
【0025】
このような閉操作矯正方法は、上記スライド回転機構の上記回転機構に連動して回動するように該回転機構に固定してロックブロックを設け、上筐体が下筐体に対して所定の角度で起立している状態で、該上筐体が上記閉方向にスライド移動された際に、上記ロックブロックを上記上筐体に設けられた突出部材と当接させて、該上筐体の上記閉方向へのスライド移動を規制する。
【0026】
これにより、ユーザに意識させることなく、自然に、正規の操作順序で当該携帯電話機を開状態から閉状態に戻す操作を行わせることができる(ユーザの閉操作を正規の操作順序となるように矯正することができる。)。
【0027】
また、本発明に係るフレキシブル基板の損傷防止方法は、上述の課題を解決するために
上筐体に固定されて設けられ、該上筐体をスライド移動可能に保持するスライド補助プレートを介して上記上筐体をスライド移動させるスライド機構と、上記下筐体に対して上記上筐体を回動させる回転機構とを備え、開操作時には、上記スライド補助プレートを介して該上筐体を開方向にスライド移動させ、この開方向へのスライド移動後に、上記スライド補助プレートを介して上記上筐体を開方向に回転移動させ、該上筐体を上記下筐体に対して所定の角度で起立させ、閉操作時には、上記下筐体に対して所定の角度で起立している上記上筐体を、上記スライド補助プレートを介して上記開方向の回転移動に対して反対方向となる閉方向に回転移動させ、この閉方向への回転移動後に、上記スライド補助プレートを介して上記上筐体を、上記開方向のスライド移動に対して反対方向となる閉方向にスライド移動させるスライド回転機構を備えた携帯端末装置に設けられるフレキシブル基板の損傷防止方法であって、
上記上筐体に設けられた電気部品と上記下筐体に設けられた電気部品とを電気的に接続するようにフレキシブル基板を設け
上記フレキシブル基板の、上記上筐体から露出した直後の部分から所定の長さ分を、接着部材を介して上記スライド補助プレートに接着し、
上記上筐体側から上記下筐体側に突出するように突出部材を上記上筐体に固定して設け、
上記スライド回転機構の上記回転機構に連動して回動するロックブロックを該回転機構に固定して設け、
上記上筐体が上記下筐体に対して所定の角度で起立している状態で、該上筐体が上記閉方向にスライド移動された際に、上記該上筐体に設けられた上記突出部材を上記ロックブロックに当接させて該上筐体のスライド移動を規制することで、上記フレキシブル基板の損傷を防止する。
【0028】
このようなフレキシブル基板の損傷防止方法は、上記上筐体に設けられた電気部品と上記下筐体に設けられた電気部品とを電気的に接続するフレキシブル基板のうち、上記上筐体から露出した直後の部分から所定の長さ分を、接着部材を介して上記スライド補助プレートに接着することで、上筐体から露出するフレキシブル基板の撓みを防止する。
【0029】
また、スライド回転機構の回転機構に連動して回動するように該回転機構に固定してロックブロックを設け、上筐体が下筐体に対して所定の角度で起立している状態で、該上筐体が上記閉方向にスライド移動された際に、上記ロックブロックを上記上筐体に設けられた突出部材と当接させて、該上筐体の上記閉方向へのスライド移動を規制する。
【0030】
これにより、フレキシブル基板の撓みを防止したうえで、開状態から閉状態に戻す際に、上記閉方向の回動移動前は、上記閉方向のスライド移動が規制されるため、フレキシブル基板の損傷を強力に防止することができるうえ、ユーザに意識させることなく、自然に、正規の操作順序で当該携帯電話機を開状態から閉状態に戻す操作を行わせることができる(ユーザの閉操作を正規の操作順序となるように矯正することができる。)。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、上筐体に設けられた電気部品と下筐体に設けられた電気部品とを電気的に接続するフレキシブル基板のうち、上筐体から露出した直後の部分から所定の長さ分を、接着部材を介して上記スライド補助プレートに接着することで、上筐体から露出するフレキシブル基板の撓みを防止することができる。このため、閉操作を行う際に、上筐体の閉方向の回転移動が終了する前に該上筐体が閉方向にスライド移動された場合でも、フレキシブル基板が上筐体で押され、下筐体との間で擦られて損傷する不都合を防止することができる(=正規の操作順序で閉操作されないことでフレキシブル基板が損傷する不都合を防止することができる。)。
【0032】
また、本発明は、スライド回転機構の回転機構に連動して回動するように該回転機構に固定してロックブロックを設け、上筐体が下筐体に対して所定の角度で起立している状態で、該上筐体が閉方向にスライド移動された際に、上記ロックブロックを上記上筐体に設けられた突出部材と当接させて、該上筐体の閉方向のスライド移動を規制する。これにより、ユーザに意識させることなく、自然に、正規の操作順序で当該携帯電話機を開状態から閉状態に戻す操作を行わせることができる(ユーザの閉操作を正規の操作順序となるように矯正することができる。)。
【0033】
また、本発明は、上筐体に設けられた電気部品と下筐体に設けられた電気部品とを電気的に接続するフレキシブル基板のうち、上筐体から露出した直後の部分から所定の長さ分を、接着部材を介して上記スライド補助プレートに接着することで、上筐体から露出するフレキシブル基板の撓みを防止すると共に、スライド回転機構の回転機構に連動して回動するように該回転機構に固定してロックブロックを設け、上筐体が下筐体に対して所定の角度で起立している状態で、該上筐体が閉方向にスライド移動された際に、上記ロックブロックを上記上筐体に設けられた突出部材と当接させて、該上筐体の閉方向のスライド移動を規制する。
【0034】
これにより、フレキシブル基板の撓みを防止したうえで、開状態時における閉方向の回動移動前における閉方向のスライド移動を規制することができ、フレキシブル基板の損傷を強力に防止することができるうえ、ユーザに意識させることなく、自然に、正規の操作順序で当該携帯電話機を開状態から閉状態に戻す操作を行わせることができる(ユーザの閉操作を正規の操作順序となるように矯正することができる。)。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明を適用した第1の実施例となる携帯電話機の分解斜視図である。
【図2】第1の実施例となる携帯電話機のスライド回転機構の拡大斜視図である。
【図3】第1の実施例となる携帯電話機のスライド回転動作の流れを示す図である。
【図4】第1の実施例となる携帯電話機の上筐体及び下筐体に設けられているフレキシブル基板を示す図である。
【図5】第1の実施例となる携帯電話機のスライド補助プレートに対するフレキシブル基板の接着構成を説明するための図である。
【図6】本発明を適用した第2の実施例となる携帯電話機の要部を透視した状態の斜視図である。
【図7】本発明を適用した第2の実施例となる携帯電話機の要部を他の方向から透視した状態の斜視図である。
【図8】本発明を適用した第2の実施例となる携帯電話機の開動作を説明するための図である。
【図9】本発明を適用した第2の実施例となる携帯電話機の開動作時における要部を示す図である。
【図10】本発明を適用した第2の実施例となる携帯電話機の開状態時における要部を示す図である。
【図11】本発明を適用した第2の実施例となる携帯電話機の閉動作時に回転操作を行う前にスライド操作を行った際に、該スライド操作が規制される様子を示す図である。
【図12】本発明を適用した第2の実施例となる携帯電話機の閉動作時に少ない回転操作からスライド操作を行った場合に、各アームの回転操作が加速(補助)される様子を示す図である。
【図13】本発明を適用した第2の実施例となる携帯電話機の回転動作終了直前の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
[第1の実施例]
まず、図1に、本発明を適用した第1の実施例となる携帯電話機の要部の分解斜視図を示す。この図1からわかるように、この第1の実施例となる携帯電話機は、略長方形状の上筐体1、及びこの上筐体1と略々同じ大きさの長方形状の下筐体2とを有している。
【0037】
上筐体1の上面部1a(=下筐体2に相対向する面部に対して反対側となる面部)には、液晶表示部や有機EL表示部(Organic Electro Luminescence)等の表示部や補助操作部等が設けられている。下筐体2の上面部2a(=上筐体1に相対向する面部)には、複数の押圧操作キーや回転操作キー等を備えた主操作部等が設けられている。
【0038】
上筐体1の上面部1aに設けられた表示部や補助操作部等は、各筐体1,2のスライド位置や回動位置に拘わらず常時露出するようになっている。また、下筐体1の上面部2aに設けられた主操作部等は、上筐体1をスライド回転操作して当該携帯端末装置を開状態とした際に露出するようになっている。
【0039】
〔スライド回転機構〕
図2に、この第1の実施例となる携帯電話機が有するのスライド回転機構の拡大斜視図を示す。上記図1及びこの図2に示すようにスライド回転機構11は、基本的な構成部材として、第1のアーム15、第2のアーム16、スライド補助プレート21、及び4本の回転支持ピン22〜25を有している。
【0040】
スライド補助プレート21の上記コの字状に折曲加工された部分、及び上記逆コの字状に折曲加工された部分には、このスライド補助プレート21に対して第1のアーム15を回動自在に装着するための嵌合凹部51と、このスライド補助プレート21に対して第2のアーム16を回動自在に装着するための嵌合凹部52とが設けられている。
【0041】
第1のアーム15の他端部は、このスライド補助プレート21の嵌合凹部51に嵌合した回転支持ピン24により、回動可能に支持されている。また、第2のアーム16の他端部は、このスライド補助プレート21の嵌合凹部52に嵌合した回転支持ピン25により、回動可能に支持されている。
【0042】
また、スライド回転機構11の設置位置に対応する下筐体2の短手側の側面部には、第1のアーム15を回動自在に装着するための孔部53と、第2のアーム16を回動自在に装着するための孔部54とが設けられている。第1のアーム15の一端部は、この孔部53を介して下筐体2に装着された回転支持ピン22により、回動自在に支持されている。また、第2のアーム16の一端部は、この孔部54を介して下筐体2に装着された回転支持ピン23により、回動自在に支持されている。
【0043】
この携帯電話機は、このようなスライド回転機構11を一対有しており、一方のスライド回転機構11は、下筐体2の一端部2b近傍の右側面側に設けられており、他方のスライド回転機構11は、下筐体2の一端部2b近傍の左側面側に設けられている。
【0044】
なお、この携帯電話機は、上記スライド回転機構11を一対有することとして説明を進めるが、いずれか一方のスライド回転機構11のみを設けるようにしてもよい。
【0045】
〔スライド回転動作〕
このような携帯電話機において、図3(a)に示すように上筐体1及び下筐体2が略々略々重なり合った状態である閉状態から、図3(b)に示すように下筐体2に対して上筐体1が斜めに起立した開状態とする場合、ユーザは上筐体1に対して図3(a)に示す開方向の力を加えることで、該上筐体1を上記開方向にスライド操作する。
【0046】
上筐体1を上記開方向にスライド移動させると、図3(b)に示すように上筐体1の端部1bがスライド補助プレート21に当接する。この状態でさらに開方向の力を上筐体1に加え続けると、上記回転支持ピン22〜25をそれぞれ回転軸とする第1のアーム15及び第2のアーム16が回転して起立する。これにより、図3(c)に示すように下筐体2に対して略45度の回転角度で上筐体1を起立させることができる。
【0047】
〔閉操作時の問題点〕
ここで、この携帯電話機を図3(c)に示したように下筐体2に対して上筐体1が斜めに起立した開状態から、図3(a)に示したように各筐体1,2が略々重なり合った状態である閉状態に戻す場合、まず、上筐体1を閉方向に回動させて、一旦、上筐体1と下筐体2とを平行状態とする。次に、上記平行状態となっている上筐体1に対して閉方向の力を加えることで、上筐体1を下筐体2に対して平行に閉方向にスライド移動させ、当該携帯端末装置を閉状態とする。これが、当該携帯電話機を開状態から閉状態に戻す際の正規の操作順序である。
【0048】
しかし、この新たに開発した携帯端末装置の動作検証を行ったところ、開状態から閉状態に戻す際に、起立している上筐体1を下筐体2に対して平行としないうちに、上筐体1を下筐体2に対して閉方向にスライド移動させることが可能であることがわかった。
【0049】
上筐体1内に設けられている電気部品と下筐体2内に設けられている電気部品は、図4(a)に示すように可撓性を有するフレキシブル基板により電気的に接続されているのであるが、当該携帯電話機は、図4(b)に矢印で示すように、起立している上筐体1を下筐体2に対して平行としないうちに、上筐体1を下筐体2に対して閉方向にスライド移動させることも可能となっている。
【0050】
起立している上筐体1を下筐体2に対して平行としないうちに、上筐体1を下筐体2に対して閉方向にスライド移動させると、図4(c)に示すようにフレキシブル基板が上筐体1で押されて、下筐体2上を擦りながら閉状態に戻るようになる。このため、当該携帯電話機を開状態から閉状態に戻す場合は、正規の操作順序で閉状態に戻さないと、フレキシブル基板が損傷する可能性がある。
【0051】
この問題は、当該携帯電話機を開状態から閉状態に戻す際に、上述の正規の操作順序で閉操作を行うように、ユーザに対して強いることにより解決可能である。しかし、このようなことを各ユーザに対して強いることは、非現実的である。
【0052】
〔第1の実施例の要部の機能及び効果〕
このようなことから、この第1の実施例の携帯電話機は、図5に示すように上筐体1と下筐体2との間に位置するフレキシブル基板のうち、上筐体1から露出した直後の部分から略1/3程度を、接着剤や両面テープ等の接着部材を用いて上筐体1の背面部1d側に接着している。
【0053】
この接着位置は、当該携帯電話機の閉状態時に上筐体1と下筐体2とが重なることで、ユーザからは視認できない位置である。また、当該携帯電話機の開状態時には、上筐体1の陰となって、やはりユーザからは非常に視認し難い位置である。
【0054】
これにより、上筐体1から下筐体2にかけて設けられるフレキシブル基板全体が、上記上筐体1の背面部1b側に接着した部分から上筐体1内に収納されている部分であるスライド用のフレキシブル基板と、上記上筐体1の背面部1b側に接着した部分から下筐体2内に収納されている部分である回転用のフレキシブル基板とに分離されることとなる。そして、上述のスライド回転動作により上記スライド用のフレキシブル基板に相当する部分に生じた撓みは、上筐体1内の範囲でのみ生ずるようになる。
【0055】
このため、上述のスライド回転動作により、撓んだフレキシブル基板が上筐体1外に大きく突出することがなく、図4(c)を用いて説明したように、起立している上筐体1を下筐体2に対して平行としないうちに、上筐体1を下筐体2に対して閉方向にスライド移動させた場合でも、フレキシブル基板が上筐体1で押され、下筐体2との間で擦られて損傷する不都合を防止することができる(=当該携帯電話機が正規の操作順序で閉操作されないことでフレキシブル基板が損傷する不都合を防止することができる。)。
【0056】
また、当該携帯電話機が正規の操作順序で閉操作されないことでフレキシブル基板が損傷する不都合を防止することができるため、正規の操作順序で当該携帯電話機を開状態から閉状態に戻すようにユーザに対して強制する、閉操作の強制を不要とすることができる。
【0057】
[第2の実施例]
次に、本発明を適用した第2の実施例の携帯電話機を説明する。上述の第1の実施例の携帯電話機は、上筐体1から露出した直後の部分のフレキシブル基板を上筐体1の背面部1d側に接着することで、閉操作時におけるフレキシブル基板の損傷を防止するものであった。
【0058】
これに対して、この第2の実施例の携帯電話機は、当該携帯電話機を開状態から閉状態に戻す際に、上筐体1の閉方向の回動操作が終わらないうちは、該上筐体1の閉方向のスライド移動ができない構造とすることで、意識することなく自然に正規の操作順序で閉操作をユーザに行わせ、閉操作時におけるフレキシブル基板の損傷を防止するようにしたものである。
【0059】
〔第2の実施例の携帯電話機の構成〕
この第2の実施例の携帯電話機の場合、図6及び図7に示すように第1のアーム15と同軸となるように該第1のアーム15に固定して設けられ、該第1のアーム15と共に回転するロックブロック30を有している。
【0060】
このロックブロック30は、円柱形状を有しており、周面部の一部を、中心軸に沿って直線的に切り落とすことで径の断面が略Dの字状となる、いわゆるDカット加工が施されている。
【0061】
また、この携帯電話機は、当該携帯電話機の閉操作中に上筐体1が閉方向の回転動作を行っている間、ロックブロック30の周面の曲面部30aに当接することで、閉方向の回転動作中における閉方向のスライド動作への移行を規制し、上筐体1が閉方向の回転動作を終了したタイミングで、ロックブロック30の平面部30b上に位置することで、閉方向のスライド動作の規制を解除する、上筐体1側からロックブロック30に向かって突出するように該上筐体1に設けられた突出部材35を有している。
【0062】
〔第2の実施例の携帯電話機の開動作〕
このような第2の実施例の携帯電話機において、図8(a)に示すように上筐体1及び下筐体2が略々重なり合った閉状態から、下筐体2に対して上筐体1を斜めに起立させる開状態とする場合、ユーザは上筐体1に対して図8(a)に示す開方向の力を加えることで、該上筐体1を上記開方向にスライド操作する。
【0063】
この閉状態においては、図8(a)に示すようにロックブロック30の平面部30bは、下筐体2に対して略平行となっている。また、上筐体1から下筐体2側に突出するように該上筐体1に設けられている突出部材35は、ロックブロック30とは当接していない。
【0064】
上筐体1を上記開方向にスライド移動させると、上筐体1の端部がスライド補助プレート21に当接する。この状態でさらにスライド方向の力を上筐体1に加え続けると、上記回転支持ピン22〜25をそれぞれ回転軸して、図8(b)に示すように第1のアーム15及び第2のアーム16が開方向に回転を開始する。
【0065】
図9に、この回転開始時における第1のアーム15及び第2のアーム16の状態を示す。この図9からわかるように、各アーム15,16が開方向に回転を開始すると、第1のアーム15に固定して設けられているロックブロック30も、該第1のアーム15の回転に連動して図9に矢印で示す開方向に回転を開始する。
【0066】
そして、図10に示すように上筐体1の回転角度が下筐体2に対して略45度となった際に、各アーム15,16の回転が停止する。これにより、上筐体1は、下筐体2に対して略45度の回転角度で起立し、当該携帯電話機が開状態となる。この開状態では、ロックブロック30の平面部30bは、図10に示すように下筐体2に対して略垂直となっている。
【0067】
〔第2の実施例の携帯電話機の閉動作〕
次に、当該携帯電話機をこのような開状態から上記閉状態に戻す場合、まず、上筐体1を閉方向に回動させて、一旦、上筐体1と下筐体2とを平行状態とし、次に、上記平行状態となっている上筐体1に対して閉方向にスライド移動させる力を加えることで、上筐体1を下筐体2に対して平行に閉方向にスライド移動させる手順で操作を行う必要がある。
【0068】
しかし、上筐体1を閉方向に回動させることなく該上筐体1に対して閉方向にスライド移動させる力が加えられたり、或いは少ししか上筐体1を閉方向に回動させていない状態で該上筐体1に対して閉方向にスライド移動させる力が加えられたり、上筐体1が閉方向に回動している途中で該上筐体1に対して閉方向にスライド移動させる力が加えられることも想定される。
【0069】
当該第2の実施例の携帯電話機では、上筐体1を閉方向に回動させることなく該上筐体1に対して閉方向にスライド移動させる力が加えられたり、或いは少ししか上筐体1を閉方向に回動させていない状態で該上筐体1に対して閉方向にスライド移動させる力が加えられた場合、図11に示すように上筐体1から突出している突出部材35が、ロックブロック30の曲面部30aに当接し、上筐体1の閉方向へのスライド移動を規制する。
【0070】
これにより、当該携帯電話機の開状態時において、上筐体1を閉方向に回動させることなく該上筐体1に対して閉方向にスライド移動させる力が加えられたり、或いは少ししか上筐体1を閉方向に回動させていない状態で該上筐体1に対して閉方向にスライド移動させる力が加えられた場合でも、上筐体1の閉方向へのスライド移動を規制することができる。ユーザは、この状態では、上筐体1を閉方向にスライド移動させることができないことから、該上筐体1を閉方向に回転操作することとなる。
【0071】
これに対して、上筐体1が閉方向に回動している途中で該上筐体1に対して閉方向にスライド移動させる力が加えられた場合、図12に示すように上筐体1から突出している突出部材35が、ロックブロック30の平面部30bに当接することで、該上筐体1の閉方向へのスライド移動の規制が解除される。そして、突出部材35がロックブロック30の平面部30bに当接することで、該突出部材35により、第1のアーム15が閉方向に回転するように押圧される。換言すれば、突出部材35がロックブロック30の平面部30bに当接すると、閉方向のスライド操作で加えられた力が、第1のアーム15を閉方向に回転させる力に変換される。
【0072】
これにより、図13に示すように上筐体1の閉方向への回転動作を加速させることができ(=閉方向への回転動作を補助することができ)、上筐体1の閉方向の回転が終了した後に、上筐体1の閉方向へのスライド操作に移行させて、当該携帯電話機を図8(a)に示したように閉状態に戻すことができる。
【0073】
すなわち、当該第2の実施例の携帯電話機は、当該携帯電話機を開状態から閉状態に戻す際に行われた閉方向への回転操作が、ロックブロック30の曲面部30aに突出部材35が当接する範囲の回転操作であった場合には、閉方向のスライド操作を行っても、突出部材35がロックブロック30の曲面部30aに当接して、該閉方向のスライド操作が規制されるようになっている。
【0074】
これに対して、当該携帯電話機を開状態から閉状態に戻す際に行われた閉方向への回転操作が、ロックブロック30の平面部30bに突出部材35が当接する範囲の回転操作であった場合には、突出部材35がロックブロック30の平面部30bに当接することで、閉方向へのスライド操作の規制が解除される。そして、突出部材35がロックブロック30の平面部30bに当接することで、第1のアーム15の閉方向への回転が加速されると共に、閉方向へのスライド操作が可能となっている。
【0075】
〔第2の実施例の効果〕
以上の説明から明らかなように、この第2の実施例の携帯電話機は、第1のアーム15と共に回動するロックブロック30、及び上筐体1から突出させた突出部材35により、上筐体1を閉方向に回動させることなく該上筐体1に対して閉方向にスライド移動させる力が加えられたり、或いは少ししか上筐体1を閉方向に回動させていない状態で該上筐体1に対して閉方向にスライド移動させる力が加えられた場合には、上筐体1の閉方向へのスライド操作を規制する。
【0076】
また、上筐体1が閉方向に回動している途中で該上筐体1に対して閉方向にスライド移動させる力が加えられた場合には、上筐体1の閉方向への回転動作を加速させて(=閉方向への回転動作を補助して)、上筐体1の閉方向の回転が終了した後に、上筐体1の閉方向へのスライド操作に移行させる。
【0077】
これにより、ユーザに意識させることなく、自然に、正規の操作順序で当該携帯電話機を開状態から閉状態に戻す操作を行わせることができる(ユーザの閉操作を正規の操作順序となるように矯正することができる。)。
【0078】
また、正規の操作順序で当該携帯電話機を開状態から閉状態に戻す操作を行わせることができるため、当該携帯電話機の開状態時に、上筐体1の閉方向への回転が終了する前に閉方向へのスライド操作が行われ、上筐体1でフレキシブル基板が押され、下筐体2上を擦りながら当該携帯電話機が閉状態に戻ることで、フレキシブル基板が損傷する不都合を防止することができる(=当該携帯電話機が正規の操作順序で閉操作されないことでフレキシブル基板が損傷する不都合を防止することができる。)。
【0079】
また、当該携帯電話機が正規の操作順序で閉操作されないことでフレキシブル基板が損傷する不都合を防止することができるため、正規の操作順序で当該携帯電話機を開状態から閉状態に戻すようにユーザに対して強制する、閉操作の強制を不要とすることができる。
【0080】
[第3の実施例]
次に、本発明を適用した第3の実施例の携帯電話機を説明する。上述の第1の実施例の携帯電話機は、上筐体1から露出した直後の部分のフレキシブル基板を上筐体1の背面部1d側に接着することで、閉操作時におけるフレキシブル基板の損傷を防止するものであった。
【0081】
また、上述の第2の実施例の携帯電話機は、当該携帯電話機を開状態から閉状態に戻す際に、上筐体1の閉方向への回動操作が終わらないうちは、該上筐体1の閉方向へのスライド移動ができない構造とすることで、意識することなく自然に正規の操作順序で閉操作をユーザに行わせ、閉操作時におけるフレキシブル基板の損傷を防止するものであった。
【0082】
これらに対して、当該第3の実施例の携帯電話機は、上筐体1から露出した直後の部分のフレキシブル基板を上筐体1の背面部1d側に接着すると共に、当該携帯電話機を開状態から閉状態に戻す際に、上筐体1の閉方向への回動操作が終わらないうちは、該上筐体1の閉方向へのスライド移動ができない構造とすることで、閉操作時におけるフレキシブル基板の損傷をさらに強力に防止すると共に、意識することなく自然に正規の操作順序で閉操作をユーザに行わせるようにしたものである。
【0083】
〔第3の実施例の携帯電話機の構成〕
この第3の実施例の携帯電話機の場合、図5に示すように上筐体1と下筐体2との間に位置するフレキシブル基板のうち、上筐体1から露出した直後の部分から略1/3程度を、接着剤や両面テープ等の接着部材を用いて上筐体1の背面部1d側に接着している。
【0084】
この接着位置は、当該携帯電話機の閉状態時に上筐体1と下筐体2とが重なることで、ユーザからは視認できない位置である。また、当該携帯電話機の開状態時には、上筐体1の陰となって、やはりユーザからは非常に視認し難い位置である。
【0085】
また、この第3の実施例の携帯電話機の場合、図6及び図7に示すように第1のアーム15と同軸となるように該第1のアーム15に固定して設けられ、該第1のアーム15と共に回転するロックブロック30を有している。
【0086】
このロックブロック30は、円柱形状を有しており、周面部の一部を、中心軸に沿って直線的に切り落とすことで径の断面が略Dの字状となる、いわゆるDカット加工が施されている。
【0087】
また、この携帯電話機は、当該携帯電話機の閉操作中に上筐体1が閉方向への回転動作を行っている間、ロックブロック30の周面の曲面部30aに当接することで、回転動作中における閉方向へのスライド動作への移行を規制し、上筐体1が閉方向への回転動作を終了したタイミングで、ロックブロック30の平面部30b上に位置することで、閉方向へのスライド動作への移行を可能とする、上筐体1側からロックブロック30に向かって突出するように該上筐体1に設けられた突出部材35を有している。
【0088】
〔第3の実施例の携帯電話機の開動作〕
このような第3の実施例の携帯電話機において、図8(a)に示すように上筐体1及び下筐体2が略々重なり合った閉状態から、下筐体2に対して上筐体1を斜めに起立させる開状態とする場合、ユーザは上筐体1に対して図8(a)に示す開方向の力を加えることで、該上筐体1を上記開方向にスライド操作する。
【0089】
この閉状態においては、図8(a)に示すようにロックブロック30の平面部30bは、下筐体2に対して略平行となっている。また、上筐体1から下筐体2側に突出するように該上筐体1に設けられている突出部材35は、ロックブロック30とは当接していない。
【0090】
上筐体1を上記開方向にスライド移動させると、上筐体1の端部がスライド補助プレート21に当接する。この状態でさらにスライド方向の力を上筐体1に加え続けると、上記回転支持ピン22〜25をそれぞれ回転軸として、図8(b)に示すように第1のアーム15及び第2のアーム16が開方向への回転を開始する。
【0091】
図9に、この開方向への回転開始時における第1のアーム15及び第2のアーム16の状態を示す。この図9からわかるように、各アーム15,16が開方向への回転を開始すると、第1のアーム15に固定して設けられているロックブロック30も、該第1のアーム15の回転に連動して図9に矢印で示す開方向に回転を開始する。
【0092】
そして、図10に示すように上筐体1の回転角度が下筐体2に対して略45度数となった際に、各アーム15,16の回転が停止する。これにより、上筐体1は、下筐体2に対して略45度の回転角度で起立し、当該携帯電話機が開状態となる。この開状態では、ロックブロック30の平面部30bは、図10に示すように下筐体2に対して略垂直となっている。
【0093】
〔第3の実施例の携帯電話機の閉動作〕
次に、当該第3の実施例の携帯電話機をこのような開状態から上記閉状態に戻す場合、まず、上筐体1を閉方向に回動させて、一旦、上筐体1と下筐体2とを平行状態とし、次に、上記平行状態となっている上筐体1に対して閉方向へスライド移動させる力を加えることで、上筐体1を下筐体2に対して平行にスライド移動させる手順で操作を行う必要がある。
【0094】
しかし、上筐体1を閉方向へ回動させることなく該上筐体1に対して閉方向へスライド移動させる力が加えられたり、或いは少ししか上筐体1を閉方向に回動させていない状態で該上筐体1に対して閉方向へスライド移動させる力が加えられたり、上筐体1が閉方向に回動している途中で該上筐体1に対して閉方向へスライド移動させる力が加えられることも想定される。そして、このような状態で上筐体1に閉方向へスライド移動させる力が加えられると、上述のようにフレキシブル基板の破損等の不都合が生ずる。
【0095】
このため、この第3の実施例の携帯電話機は、図5に示したように、上筐体1と下筐体2との間に位置するフレキシブル基板のうち、上筐体1から露出した直後の部分から略1/3程度を、接着剤や両面テープ等の接着部材を用いて上筐体1の背面部1d側に接着している。
【0096】
これにより、上筐体1から下筐体2にかけて設けられるフレキシブル基板全体が、上記上筐体1の背面部1b側に接着した部分から上筐体1内に収納されている部分であるスライド用のフレキシブル基板と、上記上筐体1の背面部1b側に接着した部分から下筐体2内に収納されている部分である回転用のフレキシブル基板とに分離されることとなる。そして、上述のスライド回転動作により上記スライド用のフレキシブル基板に相当する部分に生じた撓みは、上筐体1内の範囲でのみ生ずるようになる。
【0097】
このため、上述のスライド回転動作により、撓んだフレキシブル基板が上筐体1外に大きく突出することがなく、図4(c)を用いて説明したように、上筐体1と下筐体2との間にフレキシブル基板が挟まれて損傷する不都合を防止することができる。
【0098】
また、この第3の実施例の携帯電話機の場合、上筐体1を閉方向に回動させることなく該上筐体1に対して閉方向へスライド移動させる力が加えられたり、或いは少ししか上筐体1を閉方向に回動させていない状態で該上筐体1に対して閉方向へスライド移動させる力が加えられた場合、図11に示すように上筐体1から突出している突出部材35が、ロックブロック30の曲面部30aに当接し、上筐体1のスライド移動を規制する。
【0099】
これにより、当該携帯電話機の開状態時において、上筐体1を閉方向に回動させることなく該上筐体1に対して閉方向にスライド移動させる力が加えられたり、或いは少ししか上筐体1を閉方向に回動させていない状態で該上筐体1に対して閉方向にスライド移動させる力が加えられた場合でも、上筐体1の閉方向へのスライド移動を規制することができる。ユーザは、この状態では、上筐体1を閉方向にスライド移動させることができないことから、該上筐体1を閉方向に回転操作することとなる。
【0100】
これに対して、上筐体1が閉方向に回動している途中で該上筐体1に対して閉方向にスライド移動させる力が加えられた場合、図12に示すように上筐体1から突出している突出部材35が、ロックブロック30の平面部30bに当接することで、該上筐体1の閉方向へのスライド移動の規制が解除される。そして、突出部材35がロックブロック30の平面部30bに当接することで、該突出部材35により、第1のアーム15が閉方向に回転するように押圧される。換言すれば、突出部材35がロックブロック30の平面部30bに当接すると、閉方向のスライド操作で加えられた力が、第1のアーム15を閉方向に回転させる力に変換される。
【0101】
これにより、図13に示すように上筐体1の閉方向への回転動作を加速させることができ(=閉方向への回転動作を補助することができ)、上筐体1の閉方向の回転が終了した後に、上筐体1の閉方向へのスライド操作に移行させて、当該携帯電話機を図8(a)に示したように閉状態に戻すことができる。
【0102】
すなわち、当該第2の実施例の携帯電話機は、当該携帯電話機を開状態から閉状態に戻す際に行われた閉方向への回転操作が、ロックブロック30の曲面部30aに突出部材35が当接する範囲の回転操作であった場合には、閉方向のスライド操作を行っても、突出部材35がロックブロック30の曲面部30aに当接して、該閉方向のスライド操作が規制されるようになっている。
【0103】
これに対して、当該携帯電話機を開状態から閉状態に戻す際に行われた閉方向への回転操作が、ロックブロック30の平面部30bに突出部材35が当接する範囲の回転操作であった場合には、突出部材35がロックブロック30の平面部30bに当接することで、閉方向へのスライド操作の規制が解除される。そして、突出部材35がロックブロック30の平面部30bに当接することで、第1のアーム15の閉方向への回転が加速されると共に、閉方向へのスライド操作が可能となっている。
【0104】
〔第3の実施例の効果〕
以上の説明から明らかなように、この第3の実施例の携帯電話機は、上筐体1と下筐体2との間に位置するフレキシブル基板のうち、上筐体1から露出した直後の部分から略1/3程度を、接着剤や両面テープ等の接着部材を用いて上筐体1の背面部1d側に接着することで、撓んだフレキシブル基板が上筐体1外に大きく突出する不都合を防止している。
【0105】
また、第1のアーム15と共に回動するロックブロック30、及び上筐体1から突出させた突出部材35により、上筐体1を閉方向に回動させることなく該上筐体1に対して閉方向にスライド移動させる力が加えられたり、或いは少ししか上筐体1を閉方向に回動させていない状態で該上筐体1に対して閉方向にスライド移動させる力が加えられた場合には、上筐体1のスライド操作を規制する。
【0106】
また、上筐体1が閉方向に回動している途中で該上筐体1に対して閉方向にスライド移動させる力が加えられた場合には、上筐体1の閉方向への回転動作を加速させて(=閉方向への回転動作を補助して)、上筐体1の閉方向の回転が終了した後に、上筐体1の閉方向へのスライド操作に移行させる。
【0107】
これにより、撓んだフレキシブル基板が上筐体1外に大きく突出する不都合を防止したうえで、閉操作時において、閉方向への回転操作終了前の閉方向へのスライド操作を規制することができる。このため、ユーザに意識させることなく、自然に、正規の操作順序で当該携帯電話機を開状態から閉状態に戻す操作を行わせることができるうえ(ユーザの閉操作を正規の操作順序となるように矯正することができるうえ)、上筐体1と下筐体2との間にフレキシブル基板が挟まれて損傷する不都合を、さらに強力に防止することができる。
【0108】
また、当該携帯電話機が正規の操作順序で閉操作されないことでフレキシブル基板が損傷する不都合を防止することができるため、正規の操作順序で当該携帯電話機を開状態から閉状態に戻すようにユーザに対して強制する、閉操作の強制を不要とすることができる。
【0109】
[変形例]
上述の各実施例は、本発明を携帯電話機に適用した例であったが、本発明は、この他、PHS電話機(PHS:Personal Handyphone System)、PDA装置(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯ゲーム機、携帯音楽プレーヤ装置等にも適用することができる。いずれの場合でも上述と同じ効果を得ることができる。
【0110】
最後に、上述の各実施例は、本発明の一例である。このため、本発明は上述の各実施例に限定されることはなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論であることを付け加えておく。
【符号の説明】
【0111】
1 携帯電話機の上筐体、1a 上筐体の上面部、1b 上筐体の背面部、1d 上筐体の背面部、2 携帯電話機の下筐体、2a 下筐体の上面部、2b 下筐体の一端部、11 スライド回転機構、15 第1のアーム、16 第2のアーム、21 スライド補助プレート、22 回転支持ピン、23 回転支持ピン、24 回転支持ピン、25 回転支持ピン、30 ロックブロック、30a ロックブロックの曲面部、30b ロックブロックの平面部、35 突出部材、51 嵌合凹部、52 嵌合凹部、53 孔部、54 孔部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上筐体と、
下筐体と、
開操作時には、上記上筐体に固定されて設けられ、該上筐体をスライド移動可能に保持するスライド補助プレートを介して該上筐体を開方向にスライド移動させ、この開方向のスライド移動後に、上記スライド補助プレートを介して上記上筐体を開方向に回転移動させ、該上筐体を上記下筐体に対して所定の角度で起立させ、閉操作時には、上記下筐体に対して所定の角度で起立している上記上筐体を、上記スライド補助プレートを介して上記開方向の回転移動に対して反対方向となる閉方向に回転移動させ、この閉方向の回転移動後に、上記スライド補助プレートを介して上記上筐体を、上記開方向のスライド移動に対して反対方向となる閉方向にスライド移動させるスライド回転機構と、
上記上筐体に設けられた電気部品と上記下筐体に設けられた電気部品とを電気的に接続するように、該上筐体と該下筐体との間に設けられ、上記上筐体から露出した直後の部分から所定の長さ分を、接着部材を介して上記スライド補助プレートに接着したフレキシブル基板と
を有する携帯端末装置。
【請求項2】
上記スライド回転機構は、
上記スライド補助プレートと、
一端部が上記スライド補助プレートに回動可能に接続され、他端部が上記下筐体に回動可能に接続された第1のアームと、
上記上筐体のスライド移動方向に沿って上記第1のアームと共に並設され、一端部が上記スライド補助プレートに回動可能に接続され、他端部が上記下筐体に回動可能に接続された第2のアームと
を有する請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
上筐体と、
下筐体と、
上記上筐体に固定されて設けられ、該上筐体をスライド移動可能に保持するスライド補助プレートを介して上記上筐体をスライド移動させるスライド機構と、上記下筐体に対して上記上筐体を回動させる回転機構とを備え、開操作時には、上記スライド補助プレートを介して該上筐体を開方向にスライド移動させ、この開方向のスライド移動後に、上記スライド補助プレートを介して上記上筐体を開方向に回転移動させ、該上筐体を上記下筐体に対して所定の角度で起立させ、閉操作時には、上記下筐体に対して所定の角度で起立している上記上筐体を、上記スライド補助プレートを介して上記開方向の回転移動に対して反対方向となる閉方向に回転移動させ、この閉方向の回転移動後に、上記スライド補助プレートを介して上記上筐体を、上記開方向のスライド移動に対して反対方向となる閉方向にスライド移動させるスライド回転機構と、
上記上筐体側から上記下筐体側に突出するように、該上筐体に固定されて設けられた突出部材と、
上記スライド回転機構の上記回転機構に連動して回動するように該回転機構に固定して設けられ、上記上筐体が上記下筐体に対して所定の角度で起立している状態で、該上筐体が上記閉方向にスライド移動された際に、該上筐体に設けられた上記突出部材と当接して、該上筐体のスライド移動を規制するロックブロックと
を有する携帯端末装置。
【請求項4】
上記ロックブロックは、上記上筐体が上記下筐体に対して所定の角度で起立している状態から、該上筐体が所定の範囲で上記閉方向に回転移動された後に上記閉方向にスライド移動された場合に、上記突出部と当接して上記上筐体の上記閉方向へのスライド移動を規制するスライド移動規制部と、上記上筐体が上記下筐体に対して所定の角度で起立している状態から、該上筐体が上記所定の範囲以上、上記閉方向に回転移動された後に上記閉方向にスライド移動された場合に、上記突出部と当接して上記上筐体の上記閉方向へのスライド移動の規制を解除するスライド移動規制解除部と
を有する請求項3に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
上記スライド回転機構は、
上記スライド補助プレートを備えた上記スライド機構と、
一端部が上記スライド補助プレートに回動可能に接続され、他端部が上記下筐体に回動可能に接続された第1のアーム、及び上記上筐体のスライド移動方向に沿って上記第1のアームと共に並設され、一端部が上記スライド補助プレートに回動可能に接続され、他端部が上記下筐体に回動可能に接続された第2のアームを備えた上記回転機構とを有し、
上記ロックブロックは、上記回転機構の上記第1のアームに連動して回動するように、該第1のアームの上記一端部に固定して設けられた
請求項3又は請求項4に記載の携帯端末装置。
【請求項6】
上筐体と、
下筐体と、
上記上筐体に固定されて設けられ、該上筐体をスライド移動可能に保持するスライド補助プレートを介して上記上筐体をスライド移動させるスライド機構と、上記下筐体に対して上記上筐体を回動させる回転機構とを備え、開操作時には、上記スライド補助プレートを介して該上筐体を開方向にスライド移動させ、この開方向のスライド移動後に、上記スライド補助プレートを介して上記上筐体を開方向に回転移動させ、該上筐体を上記下筐体に対して所定の角度で起立させ、閉操作時には、上記下筐体に対して所定の角度で起立している上記上筐体を、上記スライド補助プレートを介して上記開方向の回転移動に対して反対方向となる閉方向に回転移動させ、この閉方向の回転移動後に、上記スライド補助プレートを介して上記上筐体を、上記開方向のスライド移動に対して反対方向となる閉方向にスライド移動させるスライド回転機構と、
上記上筐体側から上記下筐体側に突出するように、該上筐体に固定されて設けられた突出部材と、
上記スライド回転機構の上記回転機構に連動して回動するように該回転機構に固定して設けられ、上記上筐体が上記下筐体に対して所定の角度で起立している状態で、該上筐体が上記閉方向にスライド移動された際に、該上筐体に設けられた上記突出部材と当接して、該上筐体のスライド移動を規制するロックブロックと
上記上筐体に設けられた電気部品と上記下筐体に設けられた電気部品とを電気的に接続するように、該上筐体と該下筐体との間に設けられ、上記上筐体から露出した直後の部分から所定の長さ分を、接着部材を介して上記スライド補助プレートに接着したフレキシブル基板と
を有する携帯端末装置。
【請求項7】
上記ロックブロックは、上記上筐体が上記下筐体に対して所定の角度で起立している状態から、該上筐体が所定の範囲で上記閉方向に回転移動された後に上記閉方向にスライド移動された場合に、上記突出部と当接して上記上筐体のスライド移動を規制するスライド移動規制部と、上記上筐体が上記下筐体に対して所定の角度で起立している状態から、該上筐体が上記所定の範囲以上、上記閉方向の回転移動された後に上記閉方向のスライド移動がなされた場合に、上記突出部と当接して上記上筐体の上記閉方向へのスライド移動の規制を解除するスライド移動規制解除部と
を有する請求項6に記載の携帯端末装置。
【請求項8】
上記スライド回転機構は、
上記スライド補助プレートを備えた上記スライド機構と、
一端部が上記スライド補助プレートに回動可能に接続され、他端部が上記下筐体に回動可能に接続された第1のアーム、及び上記上筐体のスライド移動方向に沿って上記第1のアームと共に並設され、一端部が上記スライド補助プレートに回動可能に接続され、他端部が上記下筐体に回動可能に接続された第2のアームを備えた上記回転機構とを有し、
上記ロックブロックは、上記回転機構の上記第1のアームに連動して回動するように、該第1のアームの上記一端部に固定して設けられた
請求項6又は請求項7に記載の携帯端末装置。
【請求項9】
開操作時には、上筐体に固定されて設けられ、該上筐体をスライド移動可能に保持するスライド補助プレートを介して上記上筐体を開方向にスライド移動させ、この開方向のスライド移動後に、上記スライド補助プレートを介して上記上筐体を開方向に回転移動させ、該上筐体を上記下筐体に対して所定の角度で起立させ、閉操作時には、上記下筐体に対して所定の角度で起立している上記上筐体を、上記スライド補助プレートを介して上記開方向に対して反対方向となる閉方向に回転移動させ、この閉方向の回転移動後に、上記スライド補助プレートを介して上記上筐体を、上記開方向に対して反対方向となる閉方向にスライド移動させるスライド回転機構を備えた携帯端末装置のフレキシブル基板の設置方法であって、
上記上筐体に設けられた電気部品と上記下筐体に設けられた電気部品とを電気的に接続するようにフレキシブル基板を設け
上記フレキシブル基板の、上記上筐体から露出した直後の部分から所定の長さ分を、接着部材を介して上記スライド補助プレートに接着した
フレキシブル基板の設置方法。
【請求項10】
上筐体に固定されて設けられ、該上筐体をスライド移動可能に保持するスライド補助プレートを介して上記上筐体をスライド移動させるスライド機構と、上記下筐体に対して上記上筐体を回動させる回転機構とを備え、開操作時には、上記スライド補助プレートを介して該上筐体を開方向にスライド移動させ、この開方向のスライド移動後に、上記スライド補助プレートを介して上記上筐体を開方向に回転移動させ、該上筐体を上記下筐体に対して所定の角度で起立させ、閉操作時には、上記下筐体に対して所定の角度で起立している上記上筐体を、上記スライド補助プレートを介して上記開方向の回転移動に対して反対方向となる閉方向に回転移動させ、この閉方向の回転移動後に、上記スライド補助プレートを介して上記上筐体を、上記開方向のスライド移動に対して反対方向となる閉方向にスライド移動させるスライド回転機構を備えた携帯端末装置の閉操作矯正方法であって、
上記上筐体側から上記下筐体側に突出するように突出部材を上記上筐体に固定して設け、
上記スライド回転機構の上記回転機構に連動して回動するロックブロックを該回転機構に固定して設け、
上記上筐体が上記下筐体に対して所定の角度で起立している状態で、該上筐体が上記閉方向にスライド移動された際に、上記該上筐体に設けられた上記突出部材を上記ロックブロックに当接させて該上筐体のスライド移動を規制することで、上記携帯端末装置の閉操作を矯正する
閉操作矯正方法。
【請求項11】
上筐体に固定されて設けられ、該上筐体をスライド移動可能に保持するスライド補助プレートを介して上記上筐体をスライド移動させるスライド機構と、上記下筐体に対して上記上筐体を回動させる回転機構とを備え、開操作時には、上記スライド補助プレートを介して該上筐体を開方向にスライド移動させ、この開方向のスライド移動後に、上記スライド補助プレートを介して上記上筐体を開方向に回転移動させ、該上筐体を上記下筐体に対して所定の角度で起立させ、閉操作時には、上記下筐体に対して所定の角度で起立している上記上筐体を、上記スライド補助プレートを介して上記開方向の回転移動に対して反対方向となる閉方向に回転移動させ、この閉方向の回転移動後に、上記スライド補助プレートを介して上記上筐体を、上記開方向のスライド移動に対して反対方向となる閉方向にスライド移動させるスライド回転機構を備えた携帯端末装置に設けられるフレキシブル基板の損傷防止方法であって、
上記上筐体に設けられた電気部品と上記下筐体に設けられた電気部品とを電気的に接続するようにフレキシブル基板を設け
上記フレキシブル基板の、上記上筐体から露出した直後の部分から所定の長さ分を、接着部材を介して上記スライド補助プレートに接着し、
上記上筐体側から上記下筐体側に突出するように突出部材を上記上筐体に固定して設け、
上記スライド回転機構の上記回転機構に連動して回動するロックブロックを該回転機構に固定して設け、
上記上筐体が上記下筐体に対して所定の角度で起立している状態で、該上筐体が上記閉方向にスライド移動された際に、上記該上筐体に設けられた上記突出部材を上記ロックブロックに当接させて該上筐体のスライド移動を規制することで、上記フレキシブル基板の損傷を防止する
フレキシブル基板の損傷防止方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−142475(P2011−142475A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−1598(P2010−1598)
【出願日】平成22年1月6日(2010.1.6)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】