説明

携帯端末装置およびプログラム

【課題】閲覧できない表示面の画面を、現在使用している表示面に簡単に表示させることができる携帯端末装置を提供する。
【解決手段】携帯電話機1は、第1表示面14を備える第1キャビネット10と、第2表示面24を備える第2キャビネット20と、第1表示面14と第2表示面24に関する制御を実行するCPU100とを備える。第1キャビネット10と第2キャビネット20は、第1表示面14のみが外部を臨む1画面状態と、第1表示面14および第2表示面24の両方が外部を臨む2画面状態とを切り替え可能に支持される。CPU100は、画面切替操作を検出すると、第1表示面14における第1画面の表示を解除させるとともに、第2表示面24に表示させるための第2画面を、第1表示面14に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)、タブレットPC(TabletPC)、電子書籍端末、携帯ゲーム機等の携帯端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、2つの表示面を有する携帯端末装置が知られている。このような携帯端末装置では、一方の表示面のみが外部を臨むよう配置された1画面状態や、両方の表示面が外部を臨むよう配置された2画面状態など、複数の画面状態においてアプリケーションプログラム(以下、「アプリケーション」と言う。)の実行が可能である(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記携帯端末装置では、画面状態が2画面状態から1画面状態へ変化したとき、一方の表示面に表示されていた画面が、外部を臨む方の表示面に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−305262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ユーザは、1画面状態において、隠された画面に対応する機能を利用することができない。隠された画面に対応する機能を、1画面状態を保ったままで、ユーザが簡単に利用できることが望ましい。
【0006】
上記特許文献1では、画面状態が変化したことによって隠された画面に対応する機能を、隠された後に再び利用することについての記載はない。
【0007】
隠された画面に対応する機能を、1画面状態においてあらためて起動することも可能であり得るが、この場合、ユーザによる操作が煩雑になり得る。
【0008】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、閲覧できない表示面の画面を、現在使用している表示面に簡単に表示させることができる携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様に係る携帯端末装置は、第1表示面を備える第1キャビネットと、第2表示面を備える第2キャビネットと、前記第2表示面の上に前記第1キャビネットが重ねられ、前記第1表示面が外部を臨む1画面状態と、前記第1キャビネットおよび前記第2キャビネットが並べて配置され、前記第1表示面および前記第2表示面が外部を臨む2画面状態とに切り替え可能に、前記第1キャビネットおよび前記第2キャビネットを支持する支持部と、前記画面切替操作を検出する画面切替操作検出部と、前記第1表示面と前記第2表示面に関する制御を実行する制御部とを備える。ここで、前記制御部は、前記1画面状態において、前記画面切替操検出部が前記画面切替操作を検出すると、前記第1表示面における第1画面の表示を解除させるとともに、前記第2表示面に表示させるための第2画面を、前記第1表示面に表示させる。
【0010】
本発明に係る携帯端末装置において、前記制御部は、前記1画面状態において、前記画
面切替操検出部が前記画面切替操作を検出すると、前記2画面状態から当該第1画面状態へと移行する前に前記第2表示面に表示されていた前記第2画面を、前記第1表示面に表示させ得る。
【0011】
本発明に係る携帯端末装置において、前記制御部は、前記画面切替操作がなされたときに前記第2表示面に表示させるための前記第2画面が存在しない場合、所定画面を前記第1表示面に表示させ得る。
【0012】
本発明に係る携帯端末装置において、前記所定画面は、アプリケーションを起動するためのアイコンを含むアプリケーション起動画面であり得る。
【0013】
本発明に係る携帯端末装置において、前記第1表示面に表示させるための前記第1画面を記憶する第1画面記憶部と、前記第2表示面に表示させるための前記第2画面を記憶する第2画面記憶部と、をさらに備え得る。この場合、前記制御部は、前記画面切替操作がなされたとき、前記第1画面記憶部に記憶されている前記第1画面を新たな第2画面として前記第2画面記憶部に記憶させ、前記第2画面記憶部に記憶されている前記第2画面を新たな第1画面として前記第1画面記憶部に記憶させ、前記新たな第1画面を前記第1表示面に表示させる。
【0014】
この場合、前記第1画面記憶部は、前記第1画面が前記第1表示面に表示される前に表示された過去の第1画面群をさらに記憶し、前記第2画面記憶部は、前記第2画面が前記第2表示面に表示される前に表示された過去の第2画面群をさらに記憶し、前記1画面状態において画面を戻す操作を検出する戻し操作検出部をさらに備える。そして、前記制御部は、前記戻し操作検出部が前記画面を戻す操作を検出すると、前記第1画面記憶部に記憶された前記過去の第1画面群の画面のうち、前記第1表示面に現在表示されている画面よりも表示順が一つ古い画面を前記第1表示面に表示させる表示処理を実行する。
【0015】
本発明に係る携帯端末装置において、前記制御部は、前記画面切替操作がなされたとき、前記第1画面記憶部に記憶されている前記過去の第1画面群を新たな過去の第2画面群として前記第2画面記憶部に記憶させ、前記第2画面記憶部に記憶されている前記過去の第2画面群を新たな過去の第1画面群として前記第1画面記憶部に記憶させ、当該画面切替操作後に、前記戻し操作検出部が前記画面を戻す操作を検出すると、前記新たな過去の第1画面群に基づいて、前記第1表示面に対する前記表示処理を実行し得る。
【0016】
本発明に係る携帯端末装置において、前記画面切替操作の登録を受け付ける画面切替設定部をさらに備え得る。
【0017】
本発明に係る携帯端末装置において、前記画面切替操作は、前記第1表示面に対する所定の入力操作であり得る。
【0018】
本発明に係る携帯端末装置において、前記画面切替操作は、前記携帯端末装置を振る操作であり得る。
【0019】
本発明の第2の態様に係るプログラムは、第1表示面を備える第1キャビネットと、第2表示面を備える第2キャビネットと、前記第2表示面の上に前記第1キャビネットが重ねられ、前記第1表示面が外部を臨む1画面状態と、前記第1キャビネットおよび前記第2キャビネットが並べて配置され、前記第1表示面および前記第2表示面が外部を臨む2画面状態とに切り替え可能に、前記第1キャビネットおよび前記第2キャビネットを支持する支持部と、前記画面切替操作を検出する画面切替操作検出部と、を備える携帯端末装置のコンピュータに、前記1画面状態において、前記画面切替操検出部が前記画面切替操
作を検出すると、前記第1表示面における第1画面の表示を解除させるとともに、前記第2表示面に表示させるための第2画面を、前記第1表示面に表示させる機能を付与する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、閲覧できない表示面の画面を、現在使用している表示面に簡単に表示させることができる携帯端末装置を提供することができる。
【0021】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施の形態に係る、閉状態および開状態の携帯電話機の外観構成および断面構成を示す図である。
【図2】実施の形態に係る、チルト状態の携帯電話機の外観構成を示す図である。
【図3】実施の形態に係る、携帯電話機の、閉状態から開状態へ変形される様子を説明する図である。
【図4】実施の形態に係る、携帯電話機の全体構成を説明するブロック図である。
【図5】実施例1に係る、画面状態が2画面状態から1画面状態に遷移したときの画面の表示例を説明する図である。
【図6】実施例1に係る、画面状態が2画面状態から1画面状態へ遷移したときに実行される制御処理を説明するフローチャートと表である。
【図7】実施例1に係る、画面切替処理を説明するフローチャートである。
【図8】実施例1に係る、画面切替処理を説明するための画面の表示例と、タスクの実行状態の変化を説明する表である。
【図9】実施例1に係る、画面切替処理を説明するための画面の表示例と、タスクの実行状態の変化を説明する表である。
【図10】実施例1に係る、画面状態が1画面状態から2画面状態へ遷移したときに実行される制御処理を説明するフローチャートである。
【図11】実施例1に係る、画面状態が1画面状態から2画面状態へ遷移したときの画面の表示例とタスクの実行状態の変化を説明する図である。
【図12】実施例1に係る、画面切替のための操作を設定するための制御処理を説明するフローチャートと、処理の実行時における画面を説明する図である。
【図13】実施例2に係る、第1タスクリストを説明するための画面の表示例と表である。
【図14】実施例2に係る、第2タスクリストを説明するための画面の表示例と表である。
【図15】実施例2に係る、画面切替処理を説明するフローチャートである。
【図16】実行例2に係る、画面切替のための操作と画面切替処理の動作を説明するための画面の表示例と表である。
【図17】変更例1に係る、画面切替処理を説明するフローチャートと、画面切替のための操作されているときの様子を説明する図である。
【図18】変更例2に係る、画面切替処理を説明するフローチャートと、画面切替のための操作されているときの様子を説明する図である。
【図19】変更例3に係る、画面切替処理を説明するフローチャートと、画面切替のための操作されているときの様子を説明する図である。
【図20】その他の構成に係る、横向きの1画面状態における画面切替処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態に係る携帯電話機について説明する。
【0024】
本実施の形態に係る携帯電話機は、第1表示面と第2表示面の、2つの表示面を有する。この携帯電話機は、第1表示面のみが外部を臨む配置状態である1画面状態と、両方の表示面が外部を臨む配置状態である2画面状態において、各種のアプリケーションを実行できる。画面状態が2画面状態から1画面状態へ切り換えられたとき、第2表示面に表示されていた画面の表示は解除され、同時に、この画面に対応して実行されていたタスクは、一時停止される。
【0025】
なお、2画面状態は、以下の実施の形態における「開状態」と「チルト状態」が対応し、1画面状態は、以下の実施の形態における「閉状態」が対応する。
【0026】
以下、本発明の実施の形態の携帯電話機の全体構成、実施例および実施例の変更例について、図面を参照して、順に説明する。
【0027】
<携帯電話機の構成>
図1(a)〜(d)、図2(a)および(b)は、本実施の形態に係る携帯電話機1の構成を示す図である。図1(a)は、閉状態の携帯電話機1の構成を示す斜視図、図1(b)は、開状態の携帯電話機1の構成を示す斜視図である。図1(c)は、図1(a)の携帯電話機1を右側から見たときの内部透視図、図1(d)は、図1(b)の携帯電話機1を右側から見たときの内部透視図である。
【0028】
図2(a)は、チルト状態の携帯電話機1を、第1キャビネット10の手前側から見た斜視図、図2(b)は、チルト状態の携帯電話機1を、第1キャビネット10の奥側から見た斜視図である。
【0029】
図1を参照して、携帯電話機1は、第1キャビネット10と、第2キャビネット20と、これら第1および第2キャビネット10、20を連結する連結部30とで構成されている。
【0030】
以下、携帯電話機1に対する「右」、「左」、「上」、「下」、「手前」および「奥」の方向は、図1(a)および(b)に示すように設定される。X軸、Y軸およびZ軸の正方向は、それぞれ、上、左および手前方向に対応する。第1および第2キャビネット10、20の「前面」は、それぞれ第1および第2キャビネット10、20の手前側の面である。第1および第2キャビネット10、20の「背面」は、それぞれ第1および第2キャビネット10、20の奥側の面である。
【0031】
閉状態は、第1キャビネット10が、第2キャビネット20の前面に重ねられて配された状態である。開状態は、第1キャビネット10が、第2キャビネット20の上側に並べられた状態である。
【0032】
第1キャビネット10は、左右方向に長い平坦な直方体形状を有する。第1キャビネット10の前面には、第1タッチパネル11が配されている。第1タッチパネル11は、第1ディスプレイ12および第1タッチセンサ13を含む。
【0033】
第1ディスプレイ12は、液晶ディスプレイであり、液晶パネル、バックライトおよびこれらを駆動するドライバ回路を備える(図示せず)。ドライバ回路が、表示制御装置(後述)から受信する画面信号および制御信号に基づき、液晶パネルおよびバックライトを駆動することにより、液晶パネルが画面を描画し、バックライトが点灯する。これによって、第1タッチパネル11の外面である第1表示面14を介して、ユーザは、描画された
画面(第1画面)を閲覧できる。以下、第1表示面14に表示された画面を「第1画面」という。
【0034】
第1タッチセンサ13は、長方形状の透明なシートであり、第1ディスプレイ12の上に重ねられて配されている。第1タッチセンサ13は、ユーザが第1表示面14に対して入力したとき、すなわち第1表示面14をタッチしたとき、タッチされた第1表示面14上の位置(入力位置)を検出する。第1タッチセンサ13は、検出した入力位置に応じた位置信号を出力する。
【0035】
なお、ユーザが第1表示面14を「タッチ」するとは、ユーザが指やペンなどの接触部材によって第1表示面14に触れることである。ユーザが接触部材によって第1表示面14を押したり、撫でたり、第1表示面14に図形や文字を描いたりする場合に「タッチ」が行われる。ユーザが第1表示面14を「タップ」するとは、接触部材や指が第1表示面14を弾くように、第1表示面14のある位置において接触部材や指をタッチさせ、短時間のうちにリリースさせる動作を言う。ユーザが第1表示面14を「スライド」するとは、ユーザが接触部材や指を、第1表示面14に接触したまま、第1表示面14に沿って動かす動作を言う。
【0036】
第1キャビネット10の、背面部の左側には、動画および静止画の撮像のためのレンズ窓15(図2(b)参照)が配される。
【0037】
第1キャビネット10の前面には、キー群16が配される。キー群16は、ホーム画面を第1表示面14に表示させるためのホームキー16H、アプリケーションの実行の際に第1表示面14に表示される画面をひとつ戻すためのバックキー16B、アプリケーションの起動のためのアイコンを含むアプリケーション起動画面(ランチャ画面)を第1表示面14に表示させるためのランチャキー16R等を含む。
【0038】
ホームキー16H、バックキー16Bおよびランチャキー16Rは、タッチキーである。指等により、ホームキー16H、バックキー16Bおよびランチャキー16Rのいずれかがタッチされると、キー入力回路(後述)が備えるタッチセンサ(図示せず)がこのタッチの操作を検出し、タッチされたキーに応じた信号を出力する。
【0039】
第2キャビネット20は、左右方向に長い平坦な直方体形状を有する。第2キャビネット20の前面には、第2タッチパネル21が配されている。第2タッチパネル21は、第2ディスプレイ22および第2タッチセンサ23を含む。
【0040】
第2ディスプレイ22の構成は、第1ディスプレイ12の構成に略同じである。第2ディスプレイ22は、液晶ディスプレイであり、液晶パネル、バックライトおよびこれらを駆動するドライバ回路を備える(図示せず)。ドライバ回路が、表示制御装置(後述)から受信する画面信号および制御信号に基づき液晶パネルおよびバックライトを駆動することにより、液晶パネルが画面を描画し、バックライトが点灯する。これによって、第2タッチパネル21の外面である第2表示面24を介して、ユーザは描画された画面(第2画面)を閲覧できる。以下、第2表示面24に表示された画面を「第2画面」という。
【0041】
第2タッチセンサ23は、長方形状の透明なシートであり、第2ディスプレイ22の上に重ねられて配されている。第2タッチセンサ23は、ユーザが第2表示面24をタッチしたとき、タッチされた第2表示面24上の位置を検出する。第2タッチセンサ23は、検出した位置に応じた信号を出力する。
【0042】
第2キャビネット20の前面および側面には、キー群26が配される。キー群26は、
ホーム画面を第2表示面24に表示させるためのホームキー26H、アプリケーションの実行の際に第2表示面24に表示される画面をひとつ戻すためのバックキー26B、アプリケーション起動画面を第2表示面24に表示させるためのランチャキー26R等を含む。ホームキー26H、バックキー26Bおよびランチャキー26Rは、タッチキーである。指等により、ホームキー26H、バックキー26Bおよびランチャキー26Rのいずれかがタッチされると、キー入力回路(図4参照)が備えるタッチセンサ(図示せず)がこのタッチの操作を検出し、タッチされたキーに応じた位置信号を出力する。
【0043】
キー群26は、第2キャビネット20の下側側面部に配された機能キー26F1、26F2、26F3をさらに含む。機能キー26F1、26F2、26F3は、所定アプリケーションの起動、またはアプリケーションの実行時における音量調節その他の各種の機能のためのキーである。機能キー26F1、26F2、26F3が押下されると、キー入力回路(図4参照)がこの押下を検出し、押下されたキーに応じた信号を出力する。
【0044】
図1(c)を参照して、閉状態において、第1および第2表示面14、24のうち第1表示面14のみが外部を臨む。第2表示面24は、第1キャビネット10の背後に配され、外部を臨まない。図1(d)を参照して、開状態において、第1および第2表示面14、24は、携帯電話機1の前面側から外部を臨む。
【0045】
なお、開状態において、第1表示面14の下側の境界は、第1キャビネット10の下側側面に近い位置(数ミリメートル)に位置する。同様に、第2表示面24の上側の境界は、第2キャビネット20の上側側面に近い位置(数ミリメートル)に位置する。このように、開状態において、第1表示面14と第2表示面24との間の隙間は小さいため、ユーザは、第1表示面14と第2表示面24とを、一体化された一つの表示面として、認識できる。
【0046】
図2(a)および(b)に示されるチルト状態において、第1キャビネット10が、第2キャビネット20の上側に並べられて配される。ただし、チルト状態での第1および第2キャビネット10、20の各前面は、開状態の場合と異なり、図2(a)および(b)に示される如く、所定の鈍角(たとえば百数十度)を有するよう配されている。
【0047】
連結部30は、中央フレーム31、第1右フレーム32、第1左フレーム33、第2右フレーム34および第2左フレーム35を有する。中央フレーム31は、左右に延びる形状を有する。中央フレーム31の右端は、第1右フレーム32の一端および第2右フレーム34の一端に接続する。中央フレーム31の左端は、第1左フレーム33の一端および第2左フレーム35の一端に接続する。
【0048】
第1右フレーム32および第1左フレーム33の他端には、それぞれ左右方向に延びる軸(図示せず)が配される。この軸が、第1キャビネット10の左右の側面部に配された溝部17により挟まれる。なお、図2(b)において、左側側面部の溝部17のみが描かれる。これらの軸が、溝部17に沿ってスライド移動可能に第1キャビネット10に保持されることにより、第1キャビネット10が、軸を中心に回転可能、且つ溝部17に沿って上下方向にスライド可能に、第1右フレーム32および第1左フレーム33により保持される。
【0049】
第2右フレーム34および第2左フレーム35は、第2キャビネット20を、左右方向を軸として回転可能に保持する。
【0050】
連結部30は、以下に図3(a)〜(f)を用いて説明するように、第1および第2キャビネット10、20を、開状態と閉状態とを、チルト状態を介して切り替え可能に保持
する。ユーザは、手動で、携帯電話機1の使用状態を遷移させることができる。
【0051】
図3(a)〜(f)は、携帯電話機1の画面状態が閉状態(図3(a))から、チルト状態(図3(d))を介して開状態(図3(f))へ遷移される過程を、携帯電話機1の右側から見て説明する図である。
【0052】
携帯電話機1が図3(a)のように閉状態にあるとき、第1キャビネット10が手前方向(図3(a)の破線矢印)へ移動されると、図3(b)に示す如く、第1キャビネット10の背面が、第2キャビネット20の前面から離れる。このとき、第1キャビネット10の移動に応じて、連結部30は、時計回りの方向へ回転(実線矢印)される。
【0053】
図3(b)に示される状態において、第1キャビネット10がさらに手前方向へ移動され、且つ第1表示面14が下側を向くように回転されると(破線矢印)、携帯電話機1の状態は、図3(c)の配置状態を介して、図3(d)のチルト状態に至る。チルト状態において、第1キャビネット10の背面の下側は、連結部30に当接する。
【0054】
第1キャビネット10の背面の下側が連結部30に当接した状態が保たれたまま、連結部30がさらに時計回りの方向(図3(d)の破線矢印)へ回転されると、携帯電話機1は、図3(e)に示される、第1表示面14と第2表示面24とが略一面状態になる状態に至る。
【0055】
図3(e)において、第1キャビネット10および第2キャビネット20との間には、間隙(数ミリメートル)が存在する。第1キャビネット10を、第2キャビネット20に対して下方向(一点鎖線矢印)へスライドさせると、図3(f)のように、携帯電話機1は開状態へと至る。このとき、第1キャビネット10の下側側面と、第2キャビネット20の上側側面とが、互いに接した状態となる。
【0056】
なお、携帯電話機1が図3(d)で示されるチルト状態にあるとき、すなわち第1右フレーム32および第1左フレーム33と第2キャビネット20とが所定の鈍角をなす状態にあるとき、連結部30は、連結部30の回転を弱く係止するための構造を有する。回転が弱く係止されるため、ユーザは、チルト状態を保ったまま携帯電話機1を使用することが可能であり、且つ、使用状態をチルト状態から開状態または閉状態へ、容易に変化させることができる。
【0057】
図4は、携帯電話機1の全体構成を示すブロック図である。本実施の形態の携帯電話機1は、上述した各構成要素の他、CPU100、メモリ200、カメラモジュール301、マイク302、音声エンコーダ303、キー入力回路304、通信モジュール305、第1表示制御装置306、第2表示制御装置307、第1VRAM308、第2VRAM309、音声デコーダ310、スピーカ311、開閉センサ312および加速度センサ313を備えている。
【0058】
カメラモジュール301は、第1キャビネット10に配されている。カメラモジュール301はレンズ窓15を介して撮像し、カメラモジュール301が内蔵する映像エンコーダ(図示せず)によりデジタル撮像信号を生成する。カメラモジュール301は、生成した撮像信号をCPU100へ出力する。
【0059】
マイク302は、第1キャビネット10に配される。マイク302は、集音した音声を音声信号に変換して音声エンコーダ303へ出力する。音声エンコーダ303は、マイク302からのアナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換し、変換されたデジタルの音声信号をCPU100へ出力する。
【0060】
キー入力回路304は、キー群16、26の各キーが押下されたときに、押下されたキーに応じた信号をCPU100へ出力する。
【0061】
通信モジュール305は、通話や通信のための電波を送受信するアンテナ(図示せず)を備える。通信モジュール305は、CPU100から入力される信号を無線信号に変換し、変換された無線信号を、アンテナを介して、基地局や他の通信装置等の通信先へ送信する。また、通信モジュール305は、アンテナを介して受信した無線信号をCPU100が利用できる形式の信号へ変換し、変換された信号をCPU100へ出力する。
【0062】
第1表示制御装置306および第2表示制御装置307は、それぞれ、第1ディスプレイ12および第2ディスプレイ22を制御する。第1表示制御装置306はおよび第2表示制御装置307は、それぞれLCDコントローラを有する。また、第1表示制御装置306はおよび第2表示制御装置307は、それぞれ、画面を記憶する第1VRAM308および第2VRAM309を有する。
【0063】
第1表示制御装置306は、CPU100から入力する画像データに基づき画面表示のためのデータ(以下、このデータを「第1画面データ」という)を生成し、生成した第1画面データを、CPU100から入力する制御信号にもとづいて、第1VRAM308に記憶させる。第1VRAM308は、複数の画面(たとえば数画面分)の画面データを記憶できる。第1表示制御装置306は、第1VRAM308に記憶された表示対象の画面データを、所定の時間間隔(たとえば、1秒に数10回程度)で、第1ディスプレイ12のドライバ回路へ出力する。
【0064】
第2表示制御装置307は、第1表示制御装置306と同様の構成がとられている。すなわち、第2表示制御装置307は、CPU100から入力する制御信号および画面データに基づき、第2VRAM309に複数の画面データを記憶させる。第2表示制御装置307は、第2VRAM309に記憶された表示対象の画面データを、所定の時間間隔(たとえば、1秒に数10回程度)で、第2ディスプレイ22のドライバ回路に出力する。
【0065】
なお、第1および第2ディスプレイ12、22は、LEDディスプレイ等の、他の平面型表示装置であってもよい。
【0066】
音声デコーダ310は、CPU100からの音信号にデコード処理およびD/A変換を施し、変換された信号をスピーカ311に出力する。スピーカ311は、音声デコーダ310から入力する信号に基づき、音を出力する。
【0067】
開閉センサ312は、画面状態を検出し、画面状態に応じたデジタル信号をCPU100へ出力する。開閉センサ312は、1画面状態(閉状態)と2画面状態(開状態、チルト状態)とにおける連結部30の第2キャビネット20に対する角度の変化を検出するための磁気センサ(図示せず)を内蔵する。磁気センサは、第2キャビネット20と連結部30とを接続する軸部の回転を検出するよう配されている。CPU100は、開閉センサ312からの信号にもとづき、現在の画面状態が1画面状態と2画面状態の何れであるかを検出する処理を実行する。
【0068】
なお、開閉センサ312は、磁気センサのかわりに、上記軸部の回転の角度を検出する角度センサを備えてもよい。
【0069】
CPU100は、画面状態が、2画面状態から1画面状態へ遷移したことを検出したとき、第2画面の描画を停止させ、また第2ディスプレイ22のバックライトを消灯させる
よう、第2表示制御装置307を介して第2ディスプレイ22を制御する。画面状態が1画面状態から2画面状態へ遷移されたことを検出したとき、CPU100は、実行中の機能にもとづき、第2画面の描画を開始させ、また、第2ディスプレイ22のバックライトを点灯させるよう、第2表示制御装置307を介して第2ディスプレイ22を制御する。
【0070】
加速度センサ313は、第2キャビネット20に配され、携帯電話機1に掛かる加速度を検出する。加速度センサ313は3軸加速度センサであり、図1のX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の3方向に生じる加速度を検出する。加速度センサ313は、検出した加速度に応じた加速度信号をCPU100へ出力する。CPU100は、加速度センサ313からの加速度信号に基づき、携帯電話機1が、横向きおよび縦向きの何れの方向を向いているかを検出する。なお、使用状態がチルト状態であるとき、CPU100は、加速度センサ313が配された第2キャビネット20の向きを基準にして、携帯電話機1の向きが、横向きおよび縦向きの何れの方向を向いているかを検出する。
【0071】
なお、図1(a)、(b)の上下方向が水平方向であるとき、携帯電話機1の向きが「縦向き」であると検出され、図1(a)、(b)の左右方向が水平方向であるとき、携帯電話機1の向きが「横向き」であると検出される。
【0072】
メモリ200は、ROMおよびRAMを含む。メモリ200には、CPU100に制御機能を付与するための制御プログラムと種々のアプリケーションが記憶されている。また、メモリ200は、アプリケーションの実行の際に一時的に利用または生成される各種のデータを記憶するワーキングメモリとしても使用される。各アプリケーションは、画面生成のためのデータと、各画面に割り当てられた後述のタスクとを含んでいる。
【0073】
メモリ200は、これら制御プログラムおよびアプリケーションの他に、第1および第2タッチセンサ13、23により入力された情報、第1および第2VRAM308、309に記憶されている画面のアドレス、実行が一時停止されたアプリケーションまたはタスク(後述)の実行状態、第1および第2表示面14、24に表示された画面の履歴であるタスクリスト(後述)等が、所定のファイル形式で保存される。
【0074】
CPU100は、制御プログラムに従って、カメラモジュール301、マイク302、通信モジュール305、第1および第2ディスプレイ12、22、スピーカ311等を動作させる。これにより、CPU100は、通話、カメラ機能、電子メール、ウェブブラウザ、地図、音楽プレーヤ等、各種のアプリケーションを実行する。
【0075】
CPU100は、アプリケーションの実行時、各表示面14、24に画面を表示するとともに、表示される各画面に対応したタスクを実行する。ここで、「タスク」とは、表示された画面に対する入力によって所定の処理を実行するプログラムのことである。以下、第1表示面14に表示される第1画面に対応するタスクを「第1タスク」といい、第2表示面24に表示される第2画面に対応するタスクを「第2タスク」という。
【0076】
以下は、タスクの例である。たとえば、ウェブ検索のアプリケーションの実行時、入力された検索キーワードとキーワード入力のためのソフトキーボードを含む画面が表示される。この画面には、画面に対する文字の入力によって検索キーワードの欄に文字を表示するタスクや、画面上の検索実行ボタンの押下によって検索を実行するタスク等が割り当てられている。
【0077】
また、ウェブブラウザのアプリケーションの実行時、対応するウェブページの画面が表示される。この画面には、画面に対するスクロールの入力やリンク先のウェブページを表示するための操作等を受け付けて、これらに対応する処理を実行するためのタスクが割り
当てられる。ユーザが、画面上のリンクテキストを選択すると、リンク先の画面が表示され、表示された画面に割り当てられたタスクが実行可能となる。ユーザがバックキー(16B、26B)を押下すると、CPU100は、現在の画面の表示を解除して、一つ前の履歴の画面を表示し、この画面に対応するタスクを再び実行可能とする。
【0078】
電子メールのアプリケーションの実行時、受信メール一覧のための画面、選択された電子メール本文閲覧のための画面、電子メールの本文を作成するための画面等が表示され、それぞれの画面に対応したタスクが実行可能とされる。
【0079】
所定の画面のタスクが他の画面に移行する入力を受け付けると、当該タスクが当該他の画面に応じたタスクを指定する。そして、指定されたタスクが実行可能な状態とされ、当該タスクに対応づけられた画面が表示される。
【0080】
<実施例1>
図5(a)および(b)は、2画面状態および1画面状態におけるアプリケーションの実行画面を説明する図である。図5(a)および(b)において、第1表示面14には、ウェブブラウザの実行に基づくウェブページの画面401が表示される。図5(a)において、第2表示面24には、地図のアプリケーションの実行に基づく地図の画面402が表示されている。
【0081】
携帯電話機1の画面状態が、2画面状態から1画面状態へ遷移されると、図5(b)のように、ウェブページの画面401のみが閲覧可能となる。このとき、CPU100は、上述の通り第2画面である地図の画面402の表示を解除する。
【0082】
図5(a)のように画面が表示されているとき、第1VRAM308は画面401のデータを、第1画面データとして記憶し、第2VRAM309は画面402のデータを、第2画面データとして記憶している。
【0083】
CPU100は、画面401に対応する第1タスクと、画面402に対応する第2タスクを、ユーザによる操作により実行可能な状態に設定する。すなわち、第1表示面14に対するタッチは、第1タスクに対する操作として受け付けられ、第1タスクに基づく処理が実行される。また、第2表示面24に対するタッチは、第2タスクに対する操作として受け付けられ、第2タスクに基づく処理が実行される。
【0084】
図6(a)は、画面状態が2画面状態から1画面状態へ遷移したときに実行される制御処理を説明するフローチャートである。この制御処理は、画面状態が2画面状態であるときに実行される。図6(b)は、画面状態が2画面状態から1画面状態へ遷移するときの、第1および第2表示面14、24の状態と、第1および第2画面に割り当てられた第1および第2タスクの実行状態(実行、停止)とを説明する表である。この表の“実行”はタスクが実行可能な状態にあることを意味し、“停止”は、タスクが実行途中で中断され、あるいは、完全に実行された後に、実行可能でない状態になることを意味する。以下、この表の“実行”に対応する状態を「実行状態」といい、“停止”に対応する状態を「停止状態」という。
【0085】
ステップS101において、CPU100は、携帯電話機1の画面状態が2画面状態から1画面状態へ変化したか否かを判定する。画面状態が2画面状態から1画面状態へ変化すると(S101:YES)、CPU100は、第2タスクを停止し(S102)、停止された第2タスクに対応する第2画面を、第2VRAM309に保持させたまま、第2ディスプレイ22の液晶パネルの描画を停止させる(S103)。これによって、第2表示面24への第2画面の表示は解除される。この結果、図6(b)の表に示されるように、
第2表示面24での表示状態がON(表示)からOFF(非表示)に切り替えられ、第2タスクが実行状態から停止状態へ切り換えられる。
【0086】
なお、タスクが実行途中で中断されて“停止”となった場合、CPU100は、そのタスクを中断時点から再開できるように、当該タスクの実行過程をメモリ200に記憶する。このタスクが再度“実行状態”に切り替えられると、CPU100は、メモリ200から当該タスクの実行過程を取得し、当該タスクの処理を、中断時点から進める。
【0087】
図7は、画面状態が2画面状態から1画面状態へ遷移したことにより表示が解除された第2画面を第1表示面14に表示させる際の処理を説明するフローチャートである。この処理は、1画面状態において実行される。ユーザは、1画面状態において、第1表示面14に対して所定のジェスチャ入力することで、第1表示面14に表示される画面を、第1画面から第2画面に切り替えることができる。
【0088】
ステップS111において、CPU100は、第1表示面14に所定のジェスチャ入力がなされたか否かを判定する。
【0089】
本実施例では、上、下、上に向かう線分をこの順番で一筆書きに描画する一連のスライドの操作が、画面切替のための所定ジェスチャ入力として、メモリ200に記憶されている。CPU100は、スライドの操作により描かれた軌跡を、ほぼ直線をなす線分に分割し、分割された線分の向きが上下左右の4方向の何れに最も近いかを検出する。これによって、CPU100は、ステップS111において、スライドの操作から検出されたジェスチャが、所定のジェスチャに一致するか否かを判定する。
【0090】
第1表示面14に上記ジェスチャの入力がなされると(S111:YES)、CPU100は、以下のようにステップS112〜S120の処理を実行し、第1表示面14に表示される画面を、第1画面から第2画面に切り替える。
【0091】
図8(a)および(b)は、画面切替処理の際の画面表示例である。図8(c)は、画面切替の前後における、第1および第2表示面14、24の状態と、第1および第2VRAM308、309の状態と、第1および第2タスクの状態とを説明する表である。
【0092】
図8(a)の軌跡403に示されるように、画面切替のためのジェスチャ入力がなされると(S111:YES)、CPU100は、ステップS112へと処理を進める。なお、軌跡403は、実際には、第1表示面14に表示されないが、軌跡403が表示される構成がとられてもよい。
【0093】
ステップS112において、CPU100は、実行状態であった第1タスクを停止する。そしてCPU100は、第1画面データを第1VRAM308に保持したまま、第1画面の第1表示面14への表示を停止する(S113)。
【0094】
次に、CPU100は、第2VRAM309が第2画面データを記憶しているか否かを判定する(S114)。図5(a)および(b)のように、1画面状態への切り替え前の2画面状態において第2表示面24に画像が表示されていた場合、第2VRAM309には第2画面データが記憶されている。この場合、ステップS114においてYESと判定され、処理がステップS115へと進められる。また、携帯電話機1の電源がONにされてから、携帯電話機1が2画面状態で使用されていなかったような場合、第2VRAM309には画面のデータが記憶されていない。この場合、ステップS114においてNOと判定され、ステップS118の処理が実行される。
【0095】
第2VRAM309に第2画面データが記憶されている場合(S114:YES)、CPU100は、第1VRAM308に記憶された第1画面データと、第2VRAM309に記憶された第2画面データとを入れ替える。この場合、入れ替えられる第2画面データは、たとえば、2画面状態から1画面状態に移行される直前に第2表示面24に表示されていた第2画面データである。
【0096】
CPU100は、第2VRAM309に記憶された第2画面データを、新たな第1画面データとして第1VRAM308の所定のアドレスへ転送する。この際、所定のアドレスは、既存の第1画面データに上書きがなされないよう選択される。そして、CPU100は、第1VRAM308に記憶された第1画面データを、新たな第2画面データとして、第2VRAM309の所定のアドレスへ転送する。なお、かかる転送の際に、メモリ200のRAMが一時記憶領域として利用されてもよい。
【0097】
なお、ステップS115の処理の際、CPU100は、第1タスクと第2タスクを入れ替える。すなわち、第1表示面14に表示されていた第1画面の第1画面データが、第2画面データとして第2VRAM309に記憶されたことに応じて、この画面に対応する第1タスクが、新たに第2タスクとしてメモリ200に記憶される。また、第2表示面24に表示されていた第2画面の第2画面データが、第1画面データとして第1VRAM308に記憶されたことに応じて、この画面に対応する第2タスクが、新たに第1タスクとしてメモリ200に記憶される。
【0098】
次に、CPU100は、新たな第1画面を、第1表示面14に表示させるとともに(S116)、当該第1画面に対応する新たな第1タスクを、再度、実行状態に設定する(S117)。なお、新たな第2タスクは停止状態に維持される。
【0099】
たとえば、上述のようにジェスチャ入力(図8(a)参照)がなされた場合(S114:YES)、ウェブページの画面401のデータが、第2画面データとして第2VRAM309に記憶され、地図の画面402のデータが、第1画面データとして第1VRAM308に記憶される。画面401、402の入れ替えに応じて、画面401のタスクが第2タスクとされ、また、画面402のタスクが第1タスクとされる(S115)。そして、図8(b)に表示されるように、新たな第1画面である地図の画面402が第1表示面14に表示され(S116)、地図の画面402に対応するタスクが、第1タスクとして、再度、実行状態に設定される。このとき、ウェブページの画面401に対応する第2タスクは、図8(c)に示されるように、停止状態にある。
【0100】
なお、図8(b)の表示状態において、ユーザが再び画面切替の操作(ジェスチャ入力)を行うと、図7のフローチャートに基づき、ウェブページの画面401が再び第1表示面14に表示されることとなる。
【0101】
さて、ステップS114においてNOと判定された場合には、表示されるべき画面とタスクが無いため、アプリケーション起動画面(図9(b)参照)が第1表示面14に表示される。
【0102】
ステップS118において、CPU100は、第1VRAM308に記憶された第1画面データを第2VRAM309へ転送する。そして、CPU100は、アプリケーション起動画面のデータを生成し、生成したデータを、新たな第1画面データとして第1VRAM308に記憶させる(S119)。そして、CPU100は、新たな第1画面であるアプリケーション起動画面の第1表示面14への表示を開始するとともに、アプリケーション起動画面に対応するタスクを、第1タスクとして実行状態に設定する(S120)。
【0103】
図9(a)および(b)は、第2VRAM309が第2画面を記憶していない場合における、画面切替処理の際の画面表示例である。図9(c)は、画面切替処理の前後における、第1および第2表示面14、24の状態、第1および第2VRAM308、309の状態、および、第1および第2タスクの状態を説明する表である。
【0104】
図9(a)に示されるように画面切替のジェスチャ入力がされ(S111:YES)、且つ、第2VRAM309が第2画面を記憶していない場合(S114:NO)、CPU100は、ウェブページの画面401のデータを第2VRAM309へ転送して第2画面データとして記憶させる(S118)。さらに、CPU100は、生成したアプリケーション起動画面のデータを、第1画面データとして第1VRAM308に記憶させる(S119)。そして、CPU100は、第1画面の第1表示面14への表示を開始させる(S120)。これによって、図9(b)のようにアプリケーション起動画面が第1表示面14に表示される。そして、CPU100は、アプリケーション起動画面に割り当てられた各アプリケーションを起動するためのタスクを、第1タスクとして、実行状態に設定する(S120)。これにより、アプリケーションのアイコンが操作されると、当該アイコンに対応するアプリケーションが起動する。
【0105】
図10は、画面状態が1画面状態から2画面状態へ遷移したときに実行される制御処理を説明するフローチャートである。この処理は、画面状態が1画面状態であるときに実行される。
【0106】
ステップS121において、CPU100は、画面状態が1画面状態から2画面状態へ遷移したか否かを判定する。2画面状態へ遷移した場合(S121:YES)、CPU100は、第2VRAM309が、第2画面データを記憶しているか否かを判定する(S122)。
【0107】
第2VRAM309が、第2画面データを記憶している場合(S122)、CPU100は、第2VRAM309に記憶されている第2画面の第2表示面24への表示を開始(S123)するとともに、表示された第2画面に対応する第2タスクを、再度、実行状態に設定する(S124)。
【0108】
図11は、画面状態が1画面状態から2画面状態へ遷移した場合における画面の表示例を説明する図である。この表示例は、図7の処理により、図8(a)の状態から図8(b)の状態となった後に、画面状態が1画面状態から2画面状態へ遷移した場合のものである。図11(a)の図は、図8(b)と同じ状態の携帯電話機1を表す。図11(b)は、図11(a)の表示状態において、画面状態が2画面状態へ遷移した後の画面の表示例である。
【0109】
図11(a)の状態において、画面状態が1画面状態から2画面状態へ遷移したとき、CPU100は、第2VRAM309に記憶されている第2画面であるウェブページの画面401を、図11(b)のように、第2表示面24に表示させ(S123)、この第2画面に対応するウェブページの画面401に対応する第2タスクを、再度、実行状態に設定する(S124)。
【0110】
図11(c)は、画面状態が1画面状態から2画面状態へ遷移したときの、第1および第2表示面14、24の状態と、第1および第2タスクの状態を説明する表である。この表に示されるように、第2表示面24の表示状態は、OFFからONへ切り替えられ、第2タスクは、実行状態に設定される。
【0111】
図11(d)は、第2VRAM309が第2画面を記憶していなかった場合における、
第1および第2表示面14、24の画面の表示例を示す図である。
【0112】
第2VRAM309が第2画面を記憶していない場合(S122:NO)、CPU100は、図11(d)のように、アプリケーション起動画面404を第2表示面24に表示させ(S126)、アプリケーション起動画面に割り当てられた各アプリケーションを起動するためのタスクを、第1タスクとして実行状態に設定する(S127)。
【0113】
図12(a)は、画面切替のためのジェスチャ登録処理を説明するフローチャートである。図12(b)〜(d)は、ジェスチャ登録処理の実行画面405、407、409の表示例を示す図である。
【0114】
画面切替のためのジェスチャ登録処理が開始されると、CPU100は、ステップS131において、図12(b)および(c)のように、ユーザによる画面切替のためのジェスチャ入力(軌跡406、407参照)を2回受け付ける(S131、S132)。CPU100は、これら2つのスライドの操作からジェスチャを検出し、検出された2つのジェスチャが同一であるか否かを判定する(S133)。これら2つのジェスチャが同一でない場合(S133:NO)、ステップS131へ戻る。
【0115】
図12(b)および(c)の場合、CPU100は、これら2つの軌跡から、操作方向の要素として、「上、下、上」なる同一のジェスチャを検出する。この場合、ステップS133においてYESと判定され、ステップS134へ進む。ステップS134において、図12(d)の画面409ように、入力されたジェスチャを、画面切替のための操作として登録するか否かをユーザに確認する(S134)。ユーザが入力したジェスチャの登録を選択すると(S134:OK)、CPU100は、入力されたジェスチャ(「上、下、上」の方向要素)を、画面切替のためのジェスチャとして登録する(メモリ200に記憶させる)。
【0116】
以上、本実施例によれば、1画面状態において画面切替のための操作がなされると、第1表示面14に表示されている第1画面の表示が解除される。そして、画面状態が2画面状態から1画面状態へ遷移するときに第2表示面に表示されていた第2画面が、新たな第1画面として、第1表示面14に表示される。このとき、画面切り替え前に表示されていた第1画面に対応する第1タスクは停止される。そして、画面状態が2画面状態から1画面状態へ遷移するときに第2表示面に表示されていた第2画面に対応する第2タスクが、新たな第1タスクとして実行状態とされる。これにより、当該第1タスクについて、第1表示面14に対する入力が受け付け可能になる。
【0117】
ユーザは、画面切替のために、第1表示面に対して、所定の入力操作(ジェスチャ入力)をするだけでよい。この操作がなされると、上記の通り第1画面と第2画面とが入れ替えられる。よって、ユーザは、1画面状態において、簡単に、第2表示面24に表示させていた画面を第1表示面14に表示させることができる。ユーザは、画面切替のための操作を複数回行うことができるため、第1画面と第2画面を複数回互いに入れ替えることができ、便利である。
【0118】
ところで、第1画面データは第1VRAM308に記憶され、第2画面データは第2VRAM309に記憶される。画面切替のための操作がなされると、これら第1および第2画面データは、第1VRAM308と第2VRAM309の間で入れ替えられる。すなわち、上記第1画面データが、新たな第2画面データとして第2VRAM309に記憶され、上記第2画面データが、新たな第1画面データとして第1VRAM308に記憶される。このため、画面切替操作によって、新たな第2画面が第1表示面に表示される際、第1表示面に表示される画面を新たに生成するための処理が実行される必要はなく、CPU1
00がこの処理のために時間を費やす必要がない。よって、画面切替の操作がなされたとき、即座に新たな第1画面が第1表示面14に表示され得る。
【0119】
画面状態が1画面状態から2画面状態へ遷移される開操作がなされる際にも、第2表示面に表示される画面を生成するための処理が実行される必要はない。すなわち、CPU100は、既に第2VRAM309に記憶されている第2画面データを第2表示部に表示させるだけでよい。よって、開操作がなされたとき、即座に第2画面が第2表示面24に表示され得る。
【0120】
また、第2VRAM309が第2画面データを記憶していない場合に、画面切替のための操作がなされると、CPU100は、アプリケーション起動画面を第1表示面に表示させる。このため、ユーザは、画面切替の操作の後、アプリケーション起動画面に含まれるアイコンの画像の何れかを選択することにより、所望のアプリケーションを起動でき、便利である。
【0121】
<実施例2>
上記実施例1では、画面切り替えの際に、現在表示されている第1画面(以下、「現在の第1画面」という)のデータ(以下、「現在の第1画面データ」という)と、2画面状態において最後に第2表示面24に表示されていた第2画面(以下、「現在の第2画面」という)のデータ(以下、「現在の第2画面データ」という)とが、第1VRAM308と第2VRAM309との間で切り替えられた。これに対し、本実施例では、画面切り替えの際に、これら現在の第1画面データと現在の第2画面データの他、第1VRAM308と第2VRAM309に記憶されている、過去に表示された第1画面(以下、「過去の第1画面」という)および第2画面(以下、「過去の第2画面」という)のデータ(以下、これらを「過去の第1画面データ」、「過去の第2画面データ」という)が、第1VRAM308と第2VRAM309との間で切り替えられる。
【0122】
以下、第1VRAM308に記憶されているデータ群、すなわち、現在の第1画面データと全ての過去の第1画面データとからなるデータ群を「第1画面データ群」といい、第2VRAM309に記憶されているデータ群、すなわち、現在の第2画面データと全ての過去の第2画面データとからなるデータ群を「第2画面データ群」という。
【0123】
このような処理が実行されることにより、上記実施例1のように現在の第1画面と第2画面との切替処理がすばやく実行されるだけでなく、画面切り替え後に一つ前の画面にもどるための操作(バックキー16B、26Bの押下など)がなされた場合にも、当該画面をすばやく表示できるという効果が奏される。
【0124】
図13(a)〜(e)は、第1タスクリストを説明する図である。第1タスクリストは、第1表示面14に表示された画面と、当該画面の表示終了時に実行されていたタスクの実行過程とを履歴として含むリストであり、CPU100により生成・更新され、メモリ200に記憶される。図13(a)〜(d)は、第1表示面14に表示された画面を順番に説明する図である。図13(e)は、この画面の順番の履歴に対応する第1タスクリストを示す図である。
【0125】
第1表示面14にホーム画面(図示せず)が表示されているときに、ランチャキー16Rが押下されると、図13(a)のようにアプリケーション起動画面404が表示される。ここで、アプリケーション起動画面404に含まれるアイコンA1〜A9の何れかが押下(タッチ)されたことにより、たとえば検索のためのアプリケーションが起動されると、図13(b)のように、検索画面410が表示される。ユーザが、第1表示面14に対して、検索キーワードを入力して検索を開始するための操作を行うと、図13(c)のよ
うに、検索結果を含むウェブページ(以下、「ウェブページ1」と言う。)の画面411が第1表示面14に表示される。ここで、ウェブページ1の画面411に表示される何れかのリンクテキストが選択されると、図13(d)のように、次のウェブページ(以下、「ウェブページ2」と言う。)の画面412が第1表示面14に表示される。これら画面404〜412の一部または全ては、第1VRAM308に記憶される。
【0126】
この結果、図13(e)に示されるような、第1タスクリストが生成され、メモリ200に記憶される。この第1タスクリストは、画面の表示順序(番号)と、各順位の画面において実行されたタスク(現在の第1タスクと過去の第1タスク)における最後の実行過程を示す情報(タスクの実行過程)とを対応づける。図13(e)において、番号が大きいほど画面の表示順が新しい。すなわち、最尾の3番には、最新の画面である現在の第1画面(ウェブページ2の画面412)が対応し、1番には、最も古い第1画面(検索画面410)が対応する。
【0127】
図14(a)〜(f)は、第2タスクリストを説明する図である。第2タスクリストは、第2表示面24に表示された画面と、当該画面の表示終了時に実行されていたタスクの実行過程とを履歴として含むリストである。第2タスクリストは、第1タスクリストと同様の様式で、メモリ200に記憶される。
【0128】
図14(b)〜(e)は、2画面状態において、図14(a)のアプリケーション起動画面404が表示された後の、第2表示面24に表示された画面を順番に説明する図である。なお、これらの図では、第1表示面14の図示が省略されている。
【0129】
図14(b)〜(e)は、図14(a)の状態から順に、電子メールのアプリケーションの実行の際の受信メール一覧画面413(1番)と、受信メール本文画面414(2番)と、ウェブブラウザのアプリケーションの実行の際のウェブページ3の画面415(3番)と、地図のアプリケーションの地図の画面416(4番)が、表示されたことを表している。図14(f)は、この順番で表示面24に表示された画面の履歴を表す第2タスクリストである。
【0130】
図15は、本変更例に係る画面切替処理を説明するフローチャートである。図15のフローチャートでは、図7のフローチャートに対し、ステップS113の処理がステップS141の処理に置き換えられ、ステップS115の処理がステップS142の処理に置き換えられ、ステップS118の処理がステップS143の処理に置き換えられている。
【0131】
ステップS141において、CPU100は、現在の第1画面および過去の第1画面からなる第1画面群の第1画面データ(以下、「第1画面群データ」という)を第1VRAMに保持したまま、第1画面の第1表示面への表示を停止する。すなわち、現在の第1画面データだけでなく、過去の第1画面データも第1VRAM308に保持される。
【0132】
ステップS142において、CPU100は、第1画面群と、現在の第2画面および過去の第2画面からなる第2画面群の第2画面データ(以下、第2画面群データとう)とを、第1VRAM308と第2VRAM309との間で入れ替える。この際、第1VRAM308に転送された第2画面群データが、第1画面群データとされ、第2VRAM309に転送された第1画面群データが、第2画面群データとされる。同様に、第1画面群に対応する第1タスクリストと、第2画面群に対応する第2タスクリストとが、入れ替えられる。
【0133】
なお、過去の第1画面が請求項に記載の過去の第1画面群に対応し、過去の第2画面が請求項に記載の過去の第2画面群に対応する。
【0134】
ステップS143において、第1画面群データが、第2VRAM309へ転送される。すなわち、現在の第1画面データだけでなく過去の第2画面データも第2VRAM309へ転送される。さらに、第1タスクリストが第2タスクリストとして登録される。
【0135】
このようにして、画面切替のための操作(ジェスチャ)がされると、現在の第1画面と第2画面とが切り替えられるだけでなく、過去の第1画面と第2画面が第1および第2VRAM間で入れ替えられる。
【0136】
たとえば、図13と図14で説明された第1および第2タスクリストがメモリ200に記憶されている場合、図15の画面切替処理の実行の結果、第1画面群と第2画面群とが入れ替えられ、さらに、第1タスクリストと第2タスクリストとが入れ替えられる。この場合、図13(d)の画面412(第1画面)の第1表示面14への表示が解除され、図14(e)の画面416が、新たな第1画面として、第1表示面14へ表示される。この際、図16(a)および(b)に示されるように、表示される画面が遷移する。
【0137】
図16(b)の状態において、さらに第1キャビネット10に配されたバックキー16Bが押下されると、CPU100は、現在の第1画面(図16(b))の表示を解除するとともに、この第1画面に対応する地図のアプリケーションを停止する。そして、CPU100は、現在の第1タスクリスト(図14(f))に登録されている、最尾欄(4番)を削除する(図16(d)参照)とともに、3番のタスクを第1表示面14において実行する。すなわち、CPU100は、図16(c)のように、ウェブページ3の画面415を、現在の第1画面として、第1表示面14に表示するとともに、この第1画面に対応するタスクの実行を開始する。このとき、タスクは、図16(d)の第1タスクリストの3番に登録されたタスクの実行過程から実行される。
【0138】
CPU100は、ウェブページ3の画面415を第1表示面14に表示する際、画面415を新たに生成することはせず、第1VRAM308に記憶されているタスクリストの3番に対応する画面415のデータを第1ディスプレイ12へ出力させるだけでよい。これによって、CPU100は画面生成のための処理を省くことができ、バックキー16Bが押下されてから、画面生成に要する時間よりも短い時間で、画面415を第1表示面14に表示させることができる。
【0139】
また、第2VRAM309が第2画面を記憶していない場合には、図16(c)のような既存の第2画面が表示されるのではなく、実施例1と同様に、アプリケーション起動画面404が、第1表示面14に表示される(S120)。
【0140】
以上、本実施の構成によれば、前記画面切替操作がなされたときに、前記第1タスクリストと前記第2タスクリストが、互いに入れ替えられる。さらに、第1画面群データと第2画面群データとが、第1VRAM308と第2VRAM309との間で、入れ替えられる。
【0141】
これによって、画面切り替え後に一つ前の画面を表示させるための操作(バックキー16Bの押下)がされたとき、CPU100は、一つ前の画面である過去の第1画面が第1VRAM309に記憶されている場合には、この過去の第1画面を生成するための処理を実行せずに、第1VRAM308に記憶されている過去の第1画面を利用して、これを第1表示面14に表示させる。よって、実施例1のように画面切替のための操作がなされたときに限らず、一つ前の画面を表示させるときにおいても、即座に表示対象の第1画面が、第1表示面14に表示され、さらに、この画面に対する入力が円滑に受け付けられ得る。
【0142】
以上、本発明に係る実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に何ら制限されるものではない。また、本発明の実施例も、上記以外に、各種の変更が可能である。
【0143】
<変更例1>
上記実施例1、2では、所定のジェスチャ入力により(S111)、第1画面と第2画面とが切り替えられたが、画面切替のための操作は、ジェスチャ入力に限られる必要はなく、ユーザが所望のタイミングで行えるような操作であればよい。変更例1では、ジェスチャ入力のかわりに、第2キャビネット20に配された能機キー26F1の押下がなされたか否かに基づいて、画面の切替が実行される。
【0144】
この場合、図7のフローチャートは、図17(a)のように変更される。図17(a)のフローチャートは、図7のステップS111が、ステップS151に置き換えられている。ステップS151において、CPU100は、画面切替のための操作として、図17(b)の機能キー26F1が押下されたか否かを判定し、機能キー26F1が押下された場合(S151:YES)、ステップS112以降の処理を実行する。
【0145】
<変更例2>
変更例2では、第1表示面14に表示されたアイコンへのタッチがなされたか否かに基づいて、画面の切替が実行される。
【0146】
この場合、図18(b)のように、画面切替をさせるための半透過アイコン420が、第1表示面14に表示される。アイコン420が表示される場所は、第1表示面14のどの位置でもよいが、第1表示面14の枠の近くなど、現在の第1画面の閲覧を妨げない位置に表示されることが望ましい。また、表示されるアイコン420は、第1画面の閲覧を妨げないよう半透過の状態で表示されるが、視認性を高める等のために、たとえば非透過の状態で表示されてもよい。
【0147】
また、図7のフローチャートは、図18(a)のように変更される。図18(a)のフローチャートは、図7のステップS111が、ステップS152の処理に置き換えられている。ステップS152において、CPU100は、アイコン420がタッチされたか否かを判定し、アイコン420がタッチされると(S152:YES)、ステップS112以降の処理を実行する。
【0148】
<変更例3>
変更例3では、第1表示面14やキーに対する操作のかわりに、加速度センサ312が検出する加速度に基づいて、画面の切替が実行される。
【0149】
この場合、図7のフローチャートは、図19(a)のように変更される。図19(a)のフローチャートは、図7のステップS111が、ステップS153に置き換えられている。
【0150】
CPU100は、加速度センサ312が検出する加速度に基づいて、図19(b)に示されるように、携帯電話機1をすばやく一回振る操作(以下、「シェイク」と言う。)を検出する。CPU100は、所定時間内(例えば数100ミリ秒)の間に、加速度センサ312が所定閾値以上の大きさの加速度を検出し、その後、通常の大きさ(静止状態の重力加速度に近い大きさ)の加速度にもどったか否かを検出する。CPU100は、このような加速度が検出された場合に、シェイクの操作がされたと判定する。
【0151】
ステップS153において、CPU100は、画面切替のための操作として、シェイク
の操作がなされたか否かを判定し、シェイクの操作がなされた場合(S153:YES)、ステップS112以降の処理を実行する。
【0152】
<その他>
上記変更例1〜3の構成は、実施例1だけではなく、実施例2にも適用可能である。すなわち、ハードキーの押下、アイコンの選択、シェイクの操作等がなされることに基づいて、第1表示面14に表示される画面が切り替えられると同時に、第1および第2タスクリストが互いに入れ替えられてもよい。
【0153】
また、上記変更例1〜3では、画面の切り替えにハードキー、アイコン、シェイクの操作等が利用されたが、ハードキーではなく第1表示面14に表示されるソフトキー等、各種のキーやボタン等が利用されてもよく、また、アイコンの画像ではなく、他の画像が表示されてもよい。さらに、シェイクの操作ではなく、他のセンサ部を用いて、所定の操作を検出したことに基づき、画面の切替処理が実行されてもよい。これら、画面切替のための操作は、ユーザが簡単に行えるものであれば、各種の手段が用いられ得る。
【0154】
上記実施例1、2および変更例1〜3では、1画面状態且つ縦向きの携帯電話機1を例にして、本発明の実施の形態について、説明および図示をしたが、本発明は、携帯電話機1がどのような向きで使用されていても適用できる。たとえば、図8(a)、(b)の画面切替処理は、図20(a)、(b)のように携帯電話機1が横向きである場合にも実行可能である。
【0155】
また、上記実施例1、2では、画面切替のための操作として、上下左右の4方向へのスライドからなるジェスチャ入力が例示されたが、スライドされる方向は、4方向に限られる必要はなく、たとえば8方向へのスライドからなるジェスチャ入力であってもよい。また、円弧等所定の曲線を描くスライドや、所定位置を通過するスライド等がにより、画面切り替え用のジェスチャが設定されてもよい。このように、画面切替のためのジェスチャ入力による操作は、各種のタッチの操作であってよい。
【0156】
上記実施例1、2および変更例1〜3では、画面切替のための操作として、ジェスチャ入力、ハードキーの押下、タッチキーの押下、アイコンのタップ、シェイク等が例示された。これらの画面切替のための操作は、あくまでも例示であり、他の形態の操作に基づき、画面切替のための処理が実行されてもよい。たとえば、携帯電話機1が備えるマイク302に向かって、所定の音声を入力する音声入力に基づき、画面切替のための処理が実行されてもよい。このように、画面切替のための処理は、ユーザによりなされる各種の操作に基づき行うことができる。
【0157】
上記実施例2では、第1VRAM308に記憶される第1画面群データと第2VRAM309に記憶される第2画面群データとが一度に入れ替えられたが、第1画面群データと第2画面群データがVRAM間で入れ替えられるタイミングは、画面ごと異なっていてもよい。たとえば、第2画面群データのうち、現在の第2画面データのみが、画面切替のための処理の実行時に第1VRAM308へ転送される構成がとられてもよい。この場合、たとえば、過去の第2画面データは、バックキー16Bが押下さる等、第1表示面14に表示される必要が生じたときに、現在の第1画面として第1VRAM308に転送されて記憶されてよい。このような処理が実行された場合においても、画面をあらためて生成するための処理に要する時間に比較して、第1および第2VRAM308、309間でのデータの転送の方が速く完了しやすい。また、過去の第1画面データおよび過去の第2画面データの転送は、バックグラウンド処理で行われる構成がとられてもよい。
【0158】
上記実施例1、2および変更例1〜3では、画面切替処理の際に、第2VRAM309
が第2画面を記憶していない場合には、第1表示面14にアプリケーション起動画面が表示されたが、アプリケーション起動画面に代えて、ホーム画面等、他の画面が表示されてもよい。また、画面切替処理の際に、第2VRAM309が第2画面を記憶していない場合に表示される画面が、あらかじめユーザにより選択され設定されていてもよい。また、このようにして表示されるアプリケーション起動画面、ホーム画面やユーザにより設定された画面は、あらかじめ第1または第2VRAM308、309やメモリ200に記憶され、必要な時に読みだされる構成がとられてもよい。
【0159】
また、上記実施形態では、携帯電話機1を用いたが、PDAやタブレットPC、電子書籍端末、携帯ゲーム機などの携帯端末装置を用いることもできる。
【0160】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。たとえば、上記実施形態の一部または全部を組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0161】
1 携帯電話機 (携帯端末装置)
10 第1キャビネット
13 第1タッチセンサ (入力位置検出部)
14 第1表示面
16B バックキー (戻し操作検出部)
20 第2キャビネット
23 第2タッチセンサ (入力位置検出部)
24 第2表示面
30 連結部 (支持部)
100 CPU (制御部、使用状態検出部、対応関係設定部、入力位置検出部、画面切替操作検出部)
200 メモリ (記憶部)
308 第1VRAM (第1画面記憶部)
309 第2VRAM (第2画面記憶部)
312 開閉センサ (画面切替操作検出部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表示面を備える第1キャビネットと、
第2表示面を備える第2キャビネットと、
前記第2表示面の上に前記第1キャビネットが重ねられ、前記第1表示面が外部を臨む1画面状態と、前記第1キャビネットおよび前記第2キャビネットが並べて配置され、前記第1表示面および前記第2表示面が外部を臨む2画面状態とに切り替え可能に、前記第1キャビネットおよび前記第2キャビネットを支持する支持部と、
前記画面切替操作を検出する画面切替操作検出部と、
前記第1表示面と前記第2表示面に関する制御を実行する制御部とを備え、
前記制御部は、前記1画面状態において、前記画面切替操検出部が前記画面切替操作を検出すると、前記第1表示面における第1画面の表示を解除させるとともに、前記第2表示面に表示させるための第2画面を、前記第1表示面に表示させる、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末装置において、
前記制御部は、前記1画面状態において、前記画面切替操検出部が前記画面切替操作を検出すると、前記2画面状態から当該第1画面状態へと移行する前に前記第2表示面に表示されていた前記第2画面を、前記第1表示面に表示させる、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の携帯端末装置において、
前記制御部は、前記画面切替操作がなされたときに前記第2表示面に表示させるための前記第2画面が存在しない場合、所定画面を前記第1表示面に表示させる、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項4】
請求項3に記載の携帯端末装置において、
前記所定画面は、アプリケーションを起動するためのアイコンを含むアプリケーション起動画面である、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一項に記載の携帯端末装置において、
前記第1表示面に表示させるための前記第1画面を記憶する第1画面記憶部と、
前記第2表示面に表示させるための前記第2画面を記憶する第2画面記憶部と、をさらに備え、
前記制御部は、前記画面切替操作がなされたとき、前記第1画面記憶部に記憶されている前記第1画面を新たな第2画面として前記第2画面記憶部に記憶させ、前記第2画面記憶部に記憶されている前記第2画面を新たな第1画面として前記第1画面記憶部に記憶させ、前記新たな第1画面を前記第1表示面に表示させる、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項6】
請求項5に記載の携帯端末装置において、
前記第1画面記憶部は、前記第1画面が前記第1表示面に表示される前に表示された過去の第1画面群をさらに記憶し、
前記第2画面記憶部は、前記第2画面が前記第2表示面に表示される前に表示された過去の第2画面群をさらに記憶し、
前記1画面状態において画面を戻す操作を検出する戻し操作検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記戻し操作検出部が前記画面を戻す操作を検出すると、前記第1画面記憶部に記憶された前記過去の第1画面群の画面のうち、前記第1表示面に現在表示されている画面よりも表示順が一つ古い画面を前記第1表示面に表示させる表示処理を実行す
る、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項7】
請求項6に記載の携帯端末装置において、
前記制御部は、前記画面切替操作がなされたとき、前記第1画面記憶部に記憶されている前記過去の第1画面群を新たな過去の第2画面群として前記第2画面記憶部に記憶させ、前記第2画面記憶部に記憶されている前記過去の第2画面群を新たな過去の第1画面群として前記第1画面記憶部に記憶させ、当該画面切替操作後に、前記戻し操作検出部が前記画面を戻す操作を検出すると、前記新たな過去の第1画面群に基づいて、前記第1表示面に対する前記表示処理を実行する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項8】
請求項1ないし7の何れか一項に記載の携帯端末装置において、
前記画面切替操作の登録を受け付ける画面切替設定部をさらに備える、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項9】
請求項1ないし8の何れか一項に記載の携帯端末装置において、
前記画面切替操作は、前記第1表示面に対する所定の入力操作である、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項10】
請求項1ないし8の何れか一項に記載の携帯端末装置において、
前記画面切替操作は、前記携帯端末装置を振る操作である、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項11】
第1表示面を備える第1キャビネットと、
第2表示面を備える第2キャビネットと、
前記第2表示面の上に前記第1キャビネットが重ねられ、前記第1表示面が外部を臨む1画面状態と、前記第1キャビネットおよび前記第2キャビネットが並べて配置され、前記第1表示面および前記第2表示面が外部を臨む2画面状態とに切り替え可能に、前記第1キャビネットおよび前記第2キャビネットを支持する支持部と、
前記画面切替操作を検出する画面切替操作検出部と、を備える携帯端末装置のコンピュータに、
前記1画面状態において、前記画面切替操検出部が前記画面切替操作を検出すると、前記第1表示面における第1画面の表示を解除させるとともに、前記第2表示面に表示させるための第2画面を、前記第1表示面に表示させる機能、
を付与するプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−230572(P2012−230572A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98804(P2011−98804)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】