説明

携帯端末装置ホルダ

【課題】携帯端末装置を置かれた状態において携帯端末装置による振動を利用した各種報知等を利用者が気づきやすいようにできる携帯端末装置ホルダを提供する。
【解決手段】携帯端末装置ホルダ100は、基礎部101と、携帯端末装置10が載置され、携帯端末装置10の振動を受けて振動可能なように設けられた載置台部102aと、基礎部101に対して相対的に回転可能に設けられた相対回転部材102と、載置台部102aに載置された携帯端末装置10の振動を駆動力として載置台部102aの振動を基礎部101と相対回転部材102との相対的な回転運動に変換する変換部110とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体が振動することにより着信等の報知を行う携帯端末装置が置かれる携帯端末装置ホルダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話端末等の携帯端末装置では、着信等があったときの報知は、音を利用したり、画面やランプ等により表示したりすることが通常行われている。
また、いわゆるマナーモード等を利用しているときに着信等の報知を振動により行うことができるものが多い(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、着信があったときに携帯電話端末のバイブレータによる振動を検出し、音響や可視光を発生することにより着信を報知する装置が特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−159527号公報
【特許文献2】特開2009−290534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、振動による報知では、利用者が携帯端末装置を身に付けていないと、利用者が報知に気がつかない場合があった。
また、特許文献2に開示されている装置では、センサ、判別器、リンガー等が必要となり、装置が複雑になり、価格が高くなるおそれがあった。また、特許文献2に開示されている装置では、電源が必要であるという問題があった。さらに、特許文献2に開示されている装置の音による報知では、周辺の騒音が大きい場合には、利用者が報知に気がつかない場合があるという問題があった。
さらにまた、特許文献2に開示されている装置の表示による報知では、画面やランプ等の向きによっては、利用者が報知に気がつかない場合があったりするという問題があった。
また、上記いずれの報知手法を選択、又は、組み合わせて用いても、例えば、周辺の騒音が大きい環境下で、携帯端末装置を携帯端末装置ホルダに置いた状態では、携帯端末装置の置かれる向きによっては、利用者が報知に気がつかないおそれがあった。
【0006】
本発明の課題は、携帯端末装置を置かれた状態において携帯端末装置による振動を利用した各種報知等を利用者が気づきやすいようにできる携帯端末装置ホルダを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0008】
(1)本発明は、基礎部(101,201,320)と、携帯端末装置(10)が載置され、前記携帯端末装置の振動を受けて振動可能なように設けられた載置台部(102a,330a)と、前記基礎部に対して相対的に回転可能に設けられた相対回転部材(102,341)と、前記載置台部に載置された携帯端末装置の振動を駆動力として前記載置台部の振動を前記基礎部と前記相対回転部材との相対的な回転運動に変換する変換部(110,210,310)と、を備える携帯端末装置ホルダ(100,200,300)を提案している。
【0009】
この発明によれば、載置台部は、携帯端末装置が載置され、携帯端末装置の振動を受けて振動可能なように設けられている。相対回転部材は、基礎部に対して相対的に回転可能に設けられている。変換部は、載置台部に載置された携帯端末装置の振動を駆動力として載置台部の振動を基礎部と相対回転部材との相対的な回転運動に変換する。したがって、携帯端末装置を載置台に置かれた状態において、携帯端末装置による振動を利用した各種報知等に応じて、相対回転部材を回転させることができる。よって、その回転を利用者に見えるようにすることにより、着信に利用者が気づきやすいようにできる。
【0010】
(2)本発明は、(1)に記載の携帯端末装置ホルダにおいて、前記載置台部(102a)は、前記相対回転部材(102)の一部であって、前記基礎部(101,201)に対して相対的に回転可能なように設けられており、前記変換部(110,210)は、前記載置台部を前記基礎部に対して相対的に回転運動させるように前記載置台部の振動を回転運動に変換すること、を特徴とする携帯端末装置ホルダ(100,200)を提案している。
【0011】
この発明によれば、載置台部は、相対回転部材の一部であって、基礎部に対して相対的に回転可能なように設けられている。変換部は、載置台部を基礎部に対して相対的に回転運動させるように載置台部の振動を回転運動に変換する。したがって、携帯端末装置ホルダを簡単な構成とすることができる。
【0012】
(3)本発明は、(1)に記載の携帯端末装置ホルダにおいて、前記載置台部(330a)は、前記基礎部(320)に対して相対的に回転しないように回転規制されて設けられており、前記相対回転部材(341)は、前記載置台部の振動を受けて振動するように設けられており、前記変換部(310)は、前記相対回転部材を前記基礎部に対して相対的に回転運動させるように前記載置台部から前記相対回転部材に伝わった前記振動を回転運動に変換すること、を特徴とする携帯端末装置ホルダ(300)を提案している。
【0013】
この発明によれば、載置台部は、基礎部に対して相対的に回転しないように回転規制されて設けられている。相対回転部材は、載置台部の振動を受けて振動するように設けられている。変換部は、相対回転部材を基礎部に対して相対的に回転運動させるように載置台部から相対回転部材に伝わった振動を回転運動に変換する。したがって、携帯端末装置ホルダは、携帯端末装置及び載置台部を回転させずに、相対回転部材を回転させることができる。
【0014】
(4)本発明は、(3)に記載の携帯端末装置ホルダにおいて、前記相対回転部材(341)の回転運動を伝達する伝達部(341a,342a,343a)と、前記伝達部から回転運動を伝達されて回転して前記載置台部(330a)に載置された携帯端末装置(10)が振動していることを外部に視覚的に報知する報知部(343,343b)と、を備えること、を特徴とする携帯端末装置ホルダ(300)を提案している。
【0015】
この発明によれば、伝達部は、相対回転部材の回転運動を伝達する。報知部は、伝達部から回転運動を伝達されて回転して載置台部に載置された携帯端末装置が振動していることを外部に視覚的に報知する。したがって、携帯端末装置ホルダは、携帯端末装置及び載置台部を回転させずに、相対回転部材から回転力を得て報知部を回転させて、携帯端末装置が振動していることを外部に視覚的に報知できる。
【0016】
(5)本発明は、(1)から(4)までのいずれか1項に記載の携帯端末装置ホルダにおいて、前記変換部(110,310)は、前記回転運動の回転中心を中心として円周方向に並んで前記基礎部(101,320)に配置され、前記円周方向に傾斜した斜面(111a)を有する複数の第1の突起(111,311)と、前記回転運動の回転中心を中心として円周方向に並んで前記相対回転部材(102,341)に配置され、前記円周方向に傾斜した斜面(112a)を有する複数の第2の突起(112,312)と、を有する携帯端末装置ホルダを提案している。そして、前記第1の突起の斜面と前記第2の突起の斜面とは、両者が互いに対向する向きとなるように設けられており、前記第1の突起が前記円周方向に並ぶ間隔(P1)と前記第2の突起が前記円周方向に並ぶ間隔(P2)とは、異なる間隔となっていること、を特徴とする携帯端末装置ホルダを提案している。
【0017】
この発明によれば、変換部は、回転運動の回転中心を中心として円周方向に並んで基礎部に配置され、円周方向に傾斜した斜面を有する複数の第1の突起と、回転運動の回転中心を中心として円周方向に並んで相対回転部材に配置され、円周方向に傾斜した斜面を有する複数の第2の突起とを有する。第1の突起の斜面と第2の突起の斜面とは、両者が互いに対向する向きとなるように設けられている。第1の突起が円周方向に並ぶ間隔と第2の突起が円周方向に並ぶ間隔とは、異なる間隔となっている。したがって、変換部は、振動を基礎部と相対回転部材との相対的な回転運動へと、より確実に変換できる。
【0018】
(6)本発明は、(1)に記載の携帯端末装置ホルダにおいて、前記変換部(210)は、前記回転運動の回転中心を中心として円周方向に並んで配置され、前記振動により弾性変形する複数の毛状体(211)又は複数の板状体を前記円周方向に傾斜させて有していること、を特徴とする携帯端末装置ホルダ(200)を提案している。
【0019】
この発明によれば、変換部は、回転運動の回転中心を中心として円周方向に並んで配置され、振動により弾性変形する複数の毛状体又は複数の板状体を円周方向に傾斜させて有している。したがって、携帯端末装置ホルダの変換部をより簡単な構成とすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、携帯端末装置ホルダは、携帯端末装置を置かれた状態において携帯端末装置による振動を利用した各種報知等を利用者が気づきやすいようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による携帯端末装置ホルダ100に携帯端末装置10を置いた状態を示す斜視図である。
【図2】携帯端末装置ホルダ100を図1中の矢印D−Dで示した位置で切断した断面図である。
【図3】相対回転部材102に設けられた第1の突起111と、基礎部101に設けられた第2の突起112とを示す図である。
【図4】第1の突起111と第2の突起112とが対向している状態を説明する図である。
【図5】携帯端末装置ホルダ200を第1実施形態の図2と同様に切断して示した断面図である。
【図6】変換部210を拡大して示した図である。図6は、本来は、円周方向に並んで配置された毛状体211を円周方向で展開して模式的に示している。
【図7】本発明による携帯端末装置ホルダ300に携帯端末装置10を置こうとしている状態を示す斜視図である。
【図8】携帯端末装置ホルダ300を図7中の矢印E−Eで示した位置で切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合わせを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0023】
(第1実施形態)
図1は、本発明による携帯端末装置ホルダ100に携帯端末装置10を置いた状態を示す斜視図である。
図2は、携帯端末装置ホルダ100を図1中の矢印D−Dで示した位置で切断した断面図である。なお、図2では、携帯端末装置10は、切断せずに示している。また、図2は、携帯端末装置ホルダ100をテーブルT上に置いて使用している状態を示している。
携帯端末装置ホルダ100は、基礎部101と、相対回転部材102と、変換部110とを備えている。
【0024】
基礎部101は、携帯端末装置ホルダ100の使用時にテーブルT等の上に置くときに、机等に接触する土台となる部材である。基礎部101は、底部101aと、軸部101bと、軸端部101cとを備えている。
底部101aは、図2の状態でテーブルTに接触している最も下部に設けられた部分である。底部101aは、携帯端末装置10を載置した状態であっても安定するように十分な大きさを持っている。
軸部101bは、円柱形状に形成された回転中心軸であり、相対回転部材102に対して回転可能に嵌合している。
軸端部101cは、基礎部101が相対回転部材102から抜けないように軸部101bよりも外径の大きな鍔形状に形成されている。なお、図2では、基礎部101及び相対回転部材102は、いずれも1つの部品であるかのように示しているが、これらは、製造、組み立て上の都合により、適宜、複数の部品により形成してよい。なお、基礎部101は、相対回転部材102に支持されていなくてもよく、相対回転部材102に対して相対的に回転可能に設けられていればよい。
【0025】
相対回転部材102は、載置台部102aと、壁部102bと、孔102cとを有している。
載置台部102aは、携帯端末装置10が載置される部分である。
壁部102bは、載置台部102aの外周において上方に突出して設けられた壁状の部分である。壁部102bは、載置台部102a上に載置された携帯端末装置10が脱落することを防止する。
孔102cには、軸部101bが嵌合している。
よって、相対回転部材102と基礎部101とは、相対的に回転可能な関係となっている。また、相対回転部材102は、載置された携帯端末装置10の振動を受けて振動可能なように設けられている。すなわち、相対回転部材102は、携帯端末装置10の振動を受けて、軸部101bの軸線方向に沿って振動(図2では、上下振動)可能なように、軸部101bの軸線方向に沿った方向(図2中の上下方向)に遊び(ガタ)を与えて取り付けられている。
【0026】
変換部110は、載置台部102aに載置された携帯端末装置10の振動を駆動力として、載置台部102aの振動を相対回転部材102の回転運動に変換する。変換部110は、第1の突起111と、第2の突起112とを有している。なお、図2では、わかりやすくするために、第1の突起111と、第2の突起112との間に間隔が空く方向に基礎部101と相対回転部材102との間のガタを寄せて示している。
【0027】
図3は、相対回転部材102に設けられた第1の突起111と、基礎部101に設けられた第2の突起112とを示す図である。図3(a)は、第1の突起111を示し、図3(b)は、第2の突起112を示す。
図4は、第1の突起111と第2の突起112とが対向している状態を説明する図である。図4は、本来は、円周方向に並んで対向して配置された第1の突起111と第2の突起112とを、円周方向で展開して模式的に示している。
【0028】
第1の突起111は、相対回転部材102の裏面側の面に、孔102cを中心として円周方向に並んで複数配置されている。第1の突起111は、円周方向に傾斜した斜面111aを有している。
【0029】
第2の突起112は、基礎部101の上面側の面に、軸部101bを中心として円周方向に並んで複数配置されている。第2の突起112は、円周方向に傾斜した斜面112aを有している。
【0030】
ここで、第1の突起111の斜面111aと第2の突起112の斜面112aとは、両者が互いに対向する向きとなるように設けられている。また、第1の突起111が円周方向に並ぶ間隔(ピッチP1)と第2の突起112が円周方向に並ぶ間隔(ピッチP2)とは、異なる間隔となっている。本実施形態では、第1の突起111の数を、第2の突起112の数よりも1つ多く配置することにより、ピッチP1をピッチP2よりも短くしている。
【0031】
携帯端末装置10が図1、図2に示すように携帯端末装置ホルダ100の載置台部102aの上に置かれた状態で、携帯端末装置10に着信があった場合、携帯端末装置10が振動するモードに設定されていれば、携帯端末装置10が振動を開始する。携帯端末装置10が振動すると、載置台部102aに振動が伝わり、載置台部102aは、軸部101bの軸線方向に沿って振動する。この載置台部102aの振動により第1の突起111と第2の突起112とが接近と離間を繰り返す。このとき、第1の突起111の斜面111aと第2の突起112の斜面112aとが、互いに対向する向きとなるように設けられているので、基礎部101と相対回転部材102との間に、相対的な回転運動を起こすことができる。また、第1の突起111が円周方向に並ぶ間隔(ピッチP1)と第2の突起112が円周方向に並ぶ間隔(ピッチP2)とを異なるようにしたので、基礎部101と相対回転部材102との相対的な回転運動をより確実にすることができる。
【0032】
基礎部101と相対回転部材102とが相対的に回転運動を行うことにより、載置台部102a上に載置された携帯端末装置10とともに、載置台部102a(相対回転部材102)は、テーブルTに対して回転する。したがって、利用者からは、携帯端末装置10とともに載置台部102aが回転するのを視認して、着信等の報知を認知することができる。
【0033】
以上説明したように、第1実施形態によれば、携帯端末装置ホルダ100は、携帯端末装置10の着信報知時等に、携帯端末装置10の振動を駆動力として利用して載置台部102aを回転させることができる。よって、周辺の騒音が大きい環境下で、携帯端末装置10を載置台部102aの上に置いた状態であっても、着信報知等の各種報知を利用者に気づきやすくできる。
【0034】
(第2実施形態)
図5は、携帯端末装置ホルダ200を第1実施形態の図2と同様に切断して示した断面図である。
図6は、変換部210を拡大して示した図である。図6は、本来は、円周方向に並んで配置された毛状体211を円周方向で展開して模式的に示している。
第2実施形態の携帯端末装置ホルダ200は、変換部210の形態が第1実施形態の変換部110と異なる他は、第1実施形態の携帯端末装置ホルダ100と同様である。したがって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0035】
第2実施形態の変換部210は、複数の毛状体211を有している。
毛状体211は、相対回転部材102の裏面側の面に、孔102cを中心として円周方向に並んで複数配置されている。毛状体211は、携帯端末装置10の振動を駆動源とする相対回転部材102の振動により弾性変形する材料により形成されている。毛状体211の材料は、上記弾性変形が可能で有れば、金属であってもよいし、樹脂であってもよいし、その他の材料により形成してもよい。また、毛状体211は、上述したように相対回転部材102の裏面側の面に円周方向に並んで配置されているが、この円周方向の同一方向に傾斜させて設けられている。
【0036】
第2実施形態の携帯端末装置ホルダ200は、携帯端末装置10が振動すると、載置台部102aに振動が伝わり、載置台部102aは、軸部101bの軸線方向に沿って振動する。この載置台部102aの振動により毛状体211は、弾性変形を繰り返す。このとき、毛状体211の先端が基礎部201に接触している部分での摩擦力の作用は、毛状体211が弾性変形をしていくときと、復元していくときとで異なる。よって、携帯端末装置ホルダ200は、基礎部201と相対回転部材102との間に、相対的な回転運動を起こすことができる。
なお、基礎部201の毛状体211と接触する面に、摩擦力を調整する表面処理等を行ってもよい。
【0037】
以上説明したように、第2実施形態によれば、携帯端末装置ホルダ200は、携帯端末装置10の着信報知時等に、携帯端末装置10の振動を駆動力として利用して載置台部102aを回転させることができる。よって、周辺の騒音が大きい環境下で、携帯端末装置10を載置台部102aの上に置いた状態であっても、着信報知等の各種報知を利用者に気づきやすくできる。
【0038】
(第3実施形態)
図7は、本発明による携帯端末装置ホルダ300に携帯端末装置10を置こうとしている状態を示す斜視図である。
図8は、携帯端末装置ホルダ300を図7中の矢印E−Eで示した位置で切断した断面図である。なお、図8では、携帯端末装置10は、切断せずに示している。また、図8は、携帯端末装置ホルダ100をテーブルT上に置いて使用している状態を示している。
携帯端末装置ホルダ300は、基礎部320と、載置台部材330と、相対回転部材341と、変換部310と、アイドルギヤ342と、報知回転部343とを備えている。
【0039】
基礎部320は、底部321と、側壁部322と、天井部323とを備えている。基礎部320は、テーブルTの上で携帯端末装置ホルダ300が使用されるとき、テーブルTに対して移動しない部分である。
底部321は、携帯端末装置ホルダ300の使用時に、基礎部320の最も下部に位置する部分であり、基礎部320の底面を形成している。底部321には、係合孔321aと、回転軸孔321b,321cとが設けられている。
側壁部322は、底部321と天井部323との間において側面の壁を形成する。
天井部323は、携帯端末装置ホルダ300の使用時に、基礎部320の状部に位置する部分であり、基礎部320の上面を形成している。天井部323には、係合孔323aと、回転軸孔323b,323cとが設けられている。
【0040】
載置台部材330は、載置台部330aと、壁部330bと、軸部330cと、鍔部330dと、係合部330eとを有している。
載置台部330aは、携帯端末装置10が載置される部分である。
壁部330bは、載置台部330aの外周において上方に突出して設けられた壁状の部分である。壁部330bは、載置台部330a上に載置された携帯端末装置10が脱落することを防止する。
軸部330cは、載置台部330aの下方に円柱状に突出した軸部分である。軸部330cは、係合孔323aを貫通している。
鍔部330dは、軸部330cの下端からわずかに上方において軸部330cの外周方向に鍔状に延出した部分である。
係合部330eは、軸部330cの下端に設けられており、係合孔321aと係合している。本実施形態の係合部330eは、下方に突出した2本のピン形状となっている。
【0041】
上記構成の載置台部材330は、係合部330eの係合によって、基礎部320に対して、軸部330cまわりでの回転を規制された状態で支持されている。ただし、載置台部材330は、基礎部320に対して、上下方向(図8における上下方向)で振動できるように、上下方向には、遊び(ガタ)を与えて取り付けられている。なお、図8では、載置台部材330は、1つの部品であるかのように示しているが、これは、製造、組み立て上の都合により、適宜、複数の部品により形成してよい。
【0042】
相対回転部材341は、載置台部材330の軸部330cまわりで回転可能、かつ、軸部330cの軸線方向に沿って移動可能(振動可能)なように、軸部330cに嵌合し、鍔部330d上に当接している。したがって、相対回転部材341は、載置台部材330が上下方向に振動すると、鍔部330dから振動が伝えられて、上下方向に振動可能である。また、相対回転部材341は、ギヤ部341aを有している。
【0043】
変換部310は、載置台部330aに載置された携帯端末装置10の振動を駆動力として、載置台部材330の振動を相対回転部材341の回転運動に変換する。変換部310は、第1の突起311と、第2の突起312とを有している。
変換部310の第1の突起311及び第2の突起312は、第1実施形態における変換部110の第1の突起111及び第2の突起112と同様な形態をしているので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0044】
アイドルギヤ342は、回転軸孔321b,323bに回転可能なように嵌合している。また、アイドルギヤ342は、ギヤ部342aを有し、このギヤ部342aは、相対回転部材341のギヤ部341aとかみ合い、さらに、報知回転部343のギヤ部343aとかみ合っている。上記ギヤ部341a,342a,343aが回転運動を伝達する伝達部として機能することにより、アイドルギヤ342は、相対回転部材341の回転を報知回転部343へ伝えることができる。
【0045】
報知回転部343は、回転軸孔321c,323cに回転可能なように嵌合している。また、報知回転部343は、上述したように、相対回転部材341の回転を伝えられる。したがって、報知回転部343は、相対回転部材341が回転すると、回転する。報知回転部343は、回転軸孔323cを貫通して上方に突出しており、その上端には、飾り部343bが設けられている。本実施形態の飾り部343bは、報知回転部343の上端から4方向に延出した4本の棒の先端に、紐でぶら下げられた星形のプレートを有している。
【0046】
携帯端末装置10が図8に示すように携帯端末装置ホルダ300の載置台部330aの上に置かれた状態で、携帯端末装置10に着信があった場合、携帯端末装置10が振動するモードに設定されていれば、携帯端末装置10が振動を開始する。携帯端末装置10が振動すると、載置台部330aに振動が伝わり、載置台部材330は、軸部330cの軸線方向(上下方向)に沿って振動する。載置台部材330が振動すると、その振動は、相対回転部材341に伝わり、相対回転部材341も軸部330cの軸線方向に沿って振動する。この相対回転部材341の振動により第1の突起311と第2の突起312とが接近と離間を繰り返す。よって、基礎部320と相対回転部材341との間に、相対的な回転運動を起こすことができ、相対回転部材341が回転する。このとき、載置台部材330は、上下方向に振動するが、回転が規制されているので、回転することはない。したがって、例えば、携帯端末装置10に充電用のコードや通信用のコード等を接続しておくことができる。相対回転部材341が回転すると、その回転がアイドルギヤ342を介して報知回転部343に伝わり、報知回転部343が回転して、着信を報知できる。
【0047】
以上説明したように、第3実施形態によれば、携帯端末装置ホルダ300は、携帯端末装置10の着信報知時等に、携帯端末装置10の振動を駆動力として利用して報知回転部343を回転させることができる。よって、周辺の騒音が大きい環境下で、携帯端末装置10を載置台部330aの上に置いた状態であっても、着信報知等の各種報知を利用者に気づきやすくできる。また、携帯端末装置10に充電コード等を接続した状態であっても、報知回転部343を回転させることができる。さらに、飾り部343bにより、認知されやすさを向上するばかりではなく、意匠性を向上させたり、楽しさを向上させたりすることもできる。
【0048】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0049】
(変形形態)
(1)各実施形態において、変換部110,210,310を構成する突起や毛状体は、基礎部や相対回転部材に直接設けてもよいし、他の部材に配置して、間接的に基礎部や相対回転部材に設けてもよい。
【0050】
(2)第2実施形態において、変換部210は、毛状体211を複数設ける例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、毛状体211と同様な作用をする板状の部材(板状体)を毛状体211の代わりに設けてもよい。
【0051】
(3)各実施形態において、基礎部と相対回転部材とを相対的に上下方向への遊び(ガタ)を設ける例を説明した。これに限らず、上下方向に加え横方向のガタを有するようにして、振動によって変換部の一部が噛み合うようにさせてもよい。
【0052】
(4)各実施形態において、携帯電話を置く位置や、テーブルの傾きによって相対回転材の重心が偏り重力によって逆回転することを防止するために、ラチェット等の逆転防止機構を設けてもよい。
【0053】
なお、第1実施形態から第3実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【符号の説明】
【0054】
10 携帯端末装置
100 携帯端末装置ホルダ
101 基礎部
101a 底部
101b 軸部
101c 軸端部
102 相対回転部材
102a 載置台部
102b 壁部
102c 孔
110 変換部
111 第1の突起
111a 斜面
112 第2の突起
112a 斜面
200 携帯端末装置ホルダ
201 基礎部
210 変換部
211 毛状体
300 携帯端末装置ホルダ
310 変換部
311 第1の突起
312 第2の突起
320 基礎部
321 底部
321a 係合孔
321b 回転軸孔
321c 回転軸孔
322 側壁部
323 天井部
323a 係合孔
323b 回転軸孔
323c 回転軸孔
330 載置台部材
330a 載置台部
330b 壁部
330c 軸部
330d 鍔部
330e 係合部
341 相対回転部材
341a ギヤ部
342 アイドルギヤ
342a ギヤ部
343 報知回転部
343a ギヤ部
343b 飾り部
T テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎部と、
携帯端末装置が載置され、前記携帯端末装置の振動を受けて振動可能なように設けられた載置台部と、
前記基礎部に対して相対的に回転可能に設けられた相対回転部材と、
前記載置台部に載置された携帯端末装置の振動を駆動力として前記載置台部の振動を前記基礎部と前記相対回転部材との相対的な回転運動に変換する変換部と、
を備える携帯端末装置ホルダ。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末装置ホルダにおいて、
前記載置台部は、前記相対回転部材の一部であって、前記基礎部に対して相対的に回転可能なように設けられており、
前記変換部は、前記載置台部を前記基礎部に対して相対的に回転運動させるように前記載置台部の振動を回転運動に変換すること、
を特徴とする携帯端末装置ホルダ。
【請求項3】
請求項1に記載の携帯端末装置ホルダにおいて、
前記載置台部は、前記基礎部に対して相対的に回転しないように回転規制されて設けられており、
前記相対回転部材は、前記載置台部の振動を受けて振動するように設けられており、
前記変換部は、前記相対回転部材を前記基礎部に対して相対的に回転運動させるように前記載置台部から前記相対回転部材に伝わった前記振動を回転運動に変換すること、
を特徴とする携帯端末装置ホルダ。
【請求項4】
請求項3に記載の携帯端末装置ホルダにおいて、
前記相対回転部材の回転運動を伝達する伝達部と、
前記伝達部から回転運動を伝達されて回転して前記載置台部に載置された携帯端末装置が振動していることを外部に視覚的に報知する報知部と、
を備えること、
を特徴とする携帯端末装置ホルダ。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の携帯端末装置ホルダにおいて、
前記変換部は、
前記回転運動の回転中心を中心として円周方向に並んで前記基礎部に配置され、前記円周方向に傾斜した斜面を有する複数の第1の突起と、
前記回転運動の回転中心を中心として円周方向に並んで前記相対回転部材に配置され、前記円周方向に傾斜した斜面を有する複数の第2の突起と、
を有し、
前記第1の突起の斜面と前記第2の突起の斜面とは、両者が互いに対向する向きとなるように設けられており、
前記第1の突起が前記円周方向に並ぶ間隔と前記第2の突起が前記円周方向に並ぶ間隔とは、異なる間隔となっていること、
を特徴とする携帯端末装置ホルダ。
【請求項6】
請求項1に記載の携帯端末装置ホルダにおいて、
前記変換部は、前記回転運動の回転中心を中心として円周方向に並んで配置され、前記振動により弾性変形する複数の毛状体又は複数の板状体を前記円周方向に傾斜させて有していること、
を特徴とする携帯端末装置ホルダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−30981(P2013−30981A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165589(P2011−165589)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】