説明

携帯端末装置及びプログラム

【課題】携帯端末装置において、ユーザが画面を見る際の姿勢に影響を受けることなく、ユーザにとって視認しやすい方向で画面を表示するように表示制御が行えるようにする。
【解決手段】画像を表示する表示装置及び自端末の移動を検出するための検出装置を備える携帯端末装置であって、検出装置から自端末の移動に関する情報を取得する検出情報取得手段と、検出情報取得手段により取得された情報を用いて、自端末の移動量及び移動方向を判定する端末移動判定手段と、端末移動判定手段による判定結果に基づいて、表示装置に対する画面の表示制御を行う表示制御手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置及びプログラムに関し、特に、端末自体の回転状態に応じて画面表示を回転させる表示制御に好ましく適用される技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今の携帯電話、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末装置では、加速度センサにより携帯端末装置自身の傾きを検出して画面表示を回転させるものや、筐体のデザインにより液晶ディスプレイ(LCD(Liquid Crystal Display))等を含む画像表示部を回転させて画面表示を切り替えるものが登場しており、画面表示の切り替えが主流となりつつある。
【0003】
これらに関連する技術として、例えば特許文献1には、ユーザの姿勢や使い方、携帯端末装置の持ち方に依存せず、ユーザの顔画像の上下方向を検出し、ユーザの顔画像の上下方向に応じたディスプレイの表示を実現できる携帯端末装置が開示されている。当該携帯端末装置では、携帯端末装置に実装されているカメラを使用し、ユーザの顔画像の上下左右方向を判定して、顔画像の向きに応じて画像を回転させている。
【0004】
また、例えば特許文献2には、端末自体を回転させるだけで、自動的にコンテンツの表示方向を切り替えることが可能な携帯端末装置が開示されている。当該携帯端末装置では、携帯端末装置の回転を認識させるXY方向の角度範囲を設けて、携帯端末装置の回転方向、回転角度に応じて画像を自動的に回転させている。また、画像を自動的に回転させないためのスイッチ(物理スイッチ、ソフトウェアスイッチ等)を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−177819号公報
【特許文献2】特開2008−131616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1で開示された技術では、カメラという追加の部品が必要であり、ユーザの顔画像の上下左右方向を判定して画像を回転させるには随時カメラを起動しておく必要があり、バッテリ接続時間に多大な影響を与えることになる。また、暗い場所等、カメラがユーザの顔を認識しにくい状況では利用することができない。
【0007】
また、特許文献2で開示された技術は、加速度センサ等のモーションセンサを用いて携帯端末装置の向きを検出し、画面の下方向と重力方向とが一致するように、表示方向を自動的に切り替えるものといえるが、これは、ユーザの顔の下方向と重力方向とが一致している状況でしか利用できない。例えば、ユーザが横たわった状態で携帯端末装置を操作する場合、ユーザの顔の下方向と重力方向とが必ずしも一致しない。このため、画面の上下方向とユーザの顔の上下方向とが異なった状態となることがあり、ユーザの意図しない向きに画像が回転してしまう。
【0008】
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みて、携帯端末装置において、ユーザが画面を見る際の姿勢に影響を受けることなく、ユーザにとって視認しやすい方向で画面を表示するように表示制御が行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面である携帯端末装置は、画像を表示する表示装置及び自端末の移動を検出するための検出装置を備える携帯端末装置であって、検出装置から自端末の移動に関する情報を取得する検出情報取得手段と、検出情報取得手段により取得された情報を用いて、自端末の移動量及び移動方向を判定する端末移動判定手段と、端末移動判定手段による判定結果に基づいて、表示装置に対する画面の表示制御を行う表示制御手段と、を有する。
【0010】
また、本発明の携帯端末装置は、上記において、表示制御手段が、端末移動判定手段により自端末が重力方向の反対方向である上方向に移動したと判定された場合、自端末の回転状態に応じて画面を回転して表示する第1表示モードで画面の表示制御を行うものであってもよい。
【0011】
また、本発明の携帯端末装置は、上記において、表示制御手段が、端末移動判定手段により自端末が重力方向である下方向に移動したと判定された場合、自端末の回転状態に応じて画面を回転せずに表示方向を固定して表示する第2表示モードで画面の表示制御を行うものであってもよい。
【0012】
また、本発明の携帯端末装置は、上記において、端末移動判定手段が、自端末の回転状態に応じて画面を回転して表示する第1表示モードで画面の表示制御が行われており、自端末の移動量が第1閾値と第1閾値より大きい第2閾値との間にある場合、自端末が重力方向である下方向に移動したと判定し、表示制御手段が、端末移動判定手段による下方向への移動との判定結果に基づいて、第1表示モードから、自端末の回転状態に応じて画面を回転せずに表示方向を固定して表示する第2表示モードに切り替えて画面の表示制御を行うものであってもよい。
【0013】
また、本発明の携帯端末装置は、上記において、端末移動判定手段が、自端末の回転状態に応じて画面を回転せずに表示方向を固定して表示する第2表示モードで画面の表示制御が行われており、自端末の移動量が第3閾値を下回った場合、自端末が重力方向の反対方向である上方向に移動したと判定し、表示制御手段が、端末移動判定手段による上向きとの判定結果に基づいて、第2表示モードから、自端末の回転状態に応じて画面を回転して表示する第1表示モードに切り替えて画面の表示制御を行うものであってもよい。
【0014】
本発明の一側面であるプログラムは、画像を表示する表示装置及び自端末の移動を検出するための検出装置を備える携帯端末装置に用いられるプログラムであって、コンピュータに、検出装置から自端末の移動に関する情報を取得する検出情報取得処理と、検出情報取得処理で取得された情報を用いて、自端末の移動量及び移動方向を判定する端末移動判定処理と、端末移動判定処理での判定結果に基づいて、表示装置に対する画面の表示制御を行う表示制御処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、携帯端末装置において、ユーザが画面を見る際の姿勢に影響を受けることなく、ユーザにとって視認しやすい方向で画面を表示するように表示制御が行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯端末装置のハードウェア構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る携帯端末装置の機能構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係る表示制御処理の流れを示したフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係る表示制御処理の流れを示したフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態における表示モード切り替え(第1表示モード(回転表示モード)から第2表示モード(ロック表示モード))の説明図である。
【図6】本発明の実施形態における表示モード切り替え(第2表示モード(ロック表示モード)から第1表示モード(回転表示モード))の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
はじめに構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る携帯端末装置のハードウェア構成図である。本実施形態の携帯端末装置10は、一般的なハードウェア構成を持つ端末であり、CPU11、メモリ12、HDD13、入力装置14、出力装置15、加速度センサ16を備える。携帯端末装置の例としては、携帯電話、PHS、PDA、PC等が挙げられる。
【0019】
CPU11は、メモリ12に格納されたOSや本実施形態特有のプログラムに従って、携帯端末装置10の全体動作制御を行うとともに、携帯端末装置10の移動状態(移動方向、移動量)及び回転状態に基づく表示制御処理を行う。メモリ12は、OSや本実施形態特有のプログラムを格納する記憶領域(ROM)、CPU11の各種処理等で用いる作業用の記憶領域(RAM)を持つ。HDD13は、各種データを保持する外部記憶装置である。
【0020】
入力装置14は、ユーザによる入力操作を受け付ける装置で、入力キー、タッチパネル等である。出力装置15は、各種データの画面出力や音声出力を行う装置で、ディスプレイ、スピーカ等である。加速度センサ16は、重力加速度の計測が可能で、携帯端末装置10の移動状態(移動方向、移動量)、携帯端末装置10のディスプレイ面の姿勢(縦横状態)を検出するためのセンサである。携帯端末装置10の移動状態(移動方向、移動量)や姿勢(縦横状態)を検出するためのセンサは、加速度センサ等を用いることができる。
【0021】
図2は、本発明の実施形態に係る携帯端末装置の機能構成図である。本実施形態の携帯端末装置10は、CPU11がメモリ12に格納された本実施形態特有のプログラムを読み込んで、携帯端末装置10の移動状態(移動方向、移動量)及び回転状態に基づく表示制御処理を行うための機能部である制御部100を構成する。制御部100は、移動情報取得手段110、端末移動判定手段120、表示制御手段130を論理的に有する。なお、各手段は、上記のようにソフト的に実現するほか、回路等を用いてハード的に実現してもよい。
【0022】
移動情報取得手段110は、加速度センサ16から携帯端末装置10の移動に関する情報を取得する。携帯端末装置10の移動に関する情報は、移動方向及び移動量を求めるための情報であり、具体的には移動に際して発生した加速度及びその継続時間の情報である。継続時間の情報は、加速度センサ16内部にタイマを組み込んでおき、加速度センサ16に計測させてもよいし、加速度センサ16とは別に携帯端末装置10内部にタイマを設けておき、これにより計測させてもよい。
【0023】
また、移動情報取得手段110は、携帯端末装置10の移動に関する情報のほか、携帯端末装置10の傾きに関する情報も取得する。携帯端末装置10の傾きに関する情報には、ディスプレイ面の縦横をXY軸と捉えた場合の重力方向とXY軸の傾き(例えばディスプレイを地面に対して垂直に立てた状態で左右に斜めにしたときの傾き)、ディスプレイ面に垂直な線をZ軸と捉えた場合の重力方向とZ軸の傾き(例えばディプレイ面を地面に対して垂直から水平に向けて斜めにしたときの傾き)の情報が含まれる。
【0024】
端末移動判定手段120は、検出情報取得手段110で取得された携帯端末装置10の移動に関する情報を用いて、携帯端末装置10の移動状態を判定する。すなわち、携帯端末装置10が下方(重力方向と同じ方向)に所定の距離移動したか、あるいは、携帯端末装置10が上方(重力方向の逆方向)に所定の距離移動したかを判定する。
【0025】
表示制御手段130は、端末移動判定手段120による判定結果に基づいて、出力装置15(ディスプレイ)に対する画面の表示制御を行う。具体的には、携帯端末装置10の移動状態(上方/下方)に基づいて、自端末の回転状態に応じて画面を回転して表示する第1表示モード(以下、回転表示モードという)、あるいは、自端末の回転状態に応じて画面を回転せずに固定して表示する第2表示モード(以下、ロック表示モードという)により画面の表示制御を行う。
【0026】
次に、動作処理について説明する。本発明では、例えばユーザが横たわった状態で携帯端末装置を操作する場合に、ユーザの意図しない向きに画像が回転してしまうことを防止するため、ユーザが横たわって操作しているときに表示方向の自動切り替え(回転表示)を行わずに表示方向を固定して画面を表示するような表示制御を行う。ユーザが横たわって操作している状態といえるかは、端末の移動状態(移動方向、移動量)に応じて判定し、例えば端末の重力方向への移動量が50cmから200cmの範囲内にある場合、携帯端末装置が下方へ移動しているとして、ユーザが横たわって操作している状態にあると判断する。
【0027】
図3は、本発明の実施形態に係る表示制御処理の流れを示したフローチャートである。まず、検出情報取得手段110は、加速度センサからイベント発生の通知を取得する(ステップS101)。そして、現在の表示モードの情報をメモリ12から取得する(ステップS102)。
【0028】
次に、ステップS102で取得した現在の表示モードの情報が回転表示モードであった場合(ステップS103/YES)、検出情報取得手段110は、移動に際して発生した加速度及びその継続時間の情報を加速度センサ16の計測結果から取得する(ステップS104)。加速度に時間を乗じることで移動量(移動した距離)を求めることができる。また、移動方向に関しては、加速度の発生する方向を一方向に決めておくことで、加速度の数値(プラス/マイナスの表示)で相反する2つの方向を表現することが可能である。
【0029】
ステップS104で取得した携帯端末装置10の移動量が50cm以上200cm以下である場合(ステップS105/YES)、端末移動判定手段120は、ユーザが例えば横たわって操作している状態に移行したとみなせるような移動、すなわち携帯端末装置10が下方(重力方向と同じ方向)へ移動したと判定し、回転表示モードからロック表示モードへの切り替えを行う(ステップS107)。逆に、携帯端末装置10の移動量が50cmから200cmの範囲にない場合(ステップS105/NO)、表示向き判定手段120は、携帯端末装置10の移動が上記状態に移行したとみなせるような移動ではないと判定し、回転表示モードでの表示制御を行う。すなわち、ディスプレイの縦横検出による表示画像の回転を行う(ステップS106)。
【0030】
他方、ステップS102で取得した現在の表示モードの情報が回転表示モードでない、すなわちロック表示モードであった場合(ステップS103/NO)、検出情報取得手段110は、移動に際して発生した加速度及びその継続時間の情報を加速度センサ16の計測結果から取得する(ステップS108)。
【0031】
ステップS108で取得した携帯端末装置10の移動量が−50cm以下である場合(ステップS109/YES)、端末移動判定手段120は、ユーザが例えば立って操作している状態に移行したとみなせるような移動、すなわち携帯端末装置10が上方(重力方向と反対の方向)へ移動したと判定し、ロック表示モードから回転表示モードへの切り替えを行う(ステップS110)。そして、回転表示モードでの表示制御、すなわち、ディスプレイの縦横検出による表示画像の回転を行う(ステップS111)。逆に、携帯端末装置10の移動量が−50cm以下でない場合(ステップS105/NO)、表示向き判定手
段120は、携帯端末装置10の移動が上記状態に移行したとみなせるような移動ではないと判定し、ロック表示モードを維持して、携帯端末装置の回転状態に応じて画面を回転させず表示方向を固定して画面を表示する。
【0032】
なお、端末移動判定手段120が携帯端末装置10の移動状態を判定する際に用いる基準値は、判定時点が回転回転モード時とロック表示モード時とで異なっている。図3の例では、回転表示モードからロック表示モードへの切り替えを判定する際は50cm以上200cm以下というように閾値を2つ設けており、ロック表示モードから回転表示モードへの切り替えを判定する際は−50cmという1つの閾値のみを用いている。
【0033】
回転表示モードからロック表示モードへの切り替えの判定では、例えばユーザが立って操作している状態から横たわって操作している状態に移行したとみなせるような端末移動があったかどうかを問題にしている。ユーザの端末操作中では端末の軽微な移動は発生するため、このような軽微な移動を横たわった操作状態への移行とみなせるような端末移動から排除し、表示モード切り替えを行わないようにするために第1の閾値(上記の50cm)を設けている。また、ユーザが立った状態ではエレベータ等で端末操作を行う場合もあり、このような場合での端末移動を横たわった操作状態への移行とみなせるような端末移動から排除し、表示モード切り替えを行わないようにするために第2の閾値(上記の200cm)を設けている。
【0034】
他方、ロック表示モードから回転表示モードへの切り替えの判定では、例えばユーザが横たわって操作している状態から立って操作している状態に移行したとみなせるような端末移動があったかどうかを問題にしている。ここでは、端末操作中の軽微な移動のみを考慮すればよいため(ユーザがエレベータ等において横たわった状態で操作するような場合を考慮する必要はない)、閾値を1つとしており、回転表示モードからロック表示モードへの切り替え判定時と同じ絶対値で符号(プラスマイナス)の異なる値を閾値としている。
【0035】
携帯端末装置の移動状態判定の基準値として図3で示した50cm、200cm、−50cmはあくまで例であり、回転表示モードでの判定時において2つの閾値を基準値とするのであれば、30cm、150cm、−30cmというように任意の値を採用することができる。また、一方向に決めておく加速度の方向によっては(上記と逆の方向に決めた場合)、−150cm以上−30cm以下や、30cm以上というように設定することもできる。さらに、この基準値は、ユーザの入力により任意のタイミングで変更し設定し直すことができるようにしてもよく、このように構成することでユーザの使い勝手が向上する。
【0036】
図4は、本発明の実施形態に係る表示制御処理の流れを示したフローチャートで、図3のステップS106やステップS111の処理を詳しく表したものである。まず、傾き情報取得手段110は、加速度センサ16の測定結果から携帯端末装置の表示姿勢(ディプレイ面が縦になっているか、横になっていか)の情報を取得する(ステップS201)。次に、傾き情報取得手段110は、携帯端末装置の表示方向(画面が縦に表示されているか、横に表示されているか)の情報を取得する(ステップS202)。
【0037】
ディスプレイ面が縦になっているか、横になっているかの情報は、加速度センサ16で測定された重力加速度と傾斜のデータから得ることができる。例えば、ディスプレイ面を縦長にしたときに0Gの重力加速度が測定されるように加速度センサ16を配置し、ディスプレイ面を90度傾けて横長にした場合には1Gの重力加速度が測定される。これを利用すれば、加速度センサ16の測定結果からディスプレイ面の表示姿勢の情報が得られる。
【0038】
フローに戻ると、携帯端末装置の表示姿勢が縦で(ステップS203/YES)、表示方向が横の場合(ステップS204/YES)、表示制御手段130は、地面に対して縦に置かれたディスプレイに縦長に表示されるように画面を回転させて表示する。すなわち、画面の下方向と重力方向が一致するように画面を回転させて縦に表示する(ステップS205)。
【0039】
一方、携帯端末装置の表示姿勢が横で(ステップS203/NO)、表示方向が縦の場合(ステップS206/NO)、表示制御手段130は、地面に対して横に置かれたディスプレイに横長に表示されるように画面を回転させて表示する。すなわち、画面の下方向と重力方向が一致するように画面を回転させて横に表示する(ステップS207)。
【0040】
なお、図3や図4では、ディスプレイの縦横検出により画面の回転表示を行うように構成したが、上述した特許文献2による技術(携帯端末装置の回転方向、回転角度に応じた画像の回転表示)や、特許文献1による技術(顔画像認識による画像の回転表示)を用いて構成することも可能である。
【0041】
本実施形態では、図5に示すように、携帯端末装置10が下方(重力方向と同じ方向)に所定の距離(図3の例で50cmから200cmの範囲内)だけ移動した場合、例えばユーザが立って操作している状態から横たわって操作している状態に移行したとみなせるような端末移動があったと判定し、回転表示モードからロック表示モードに切り替わり、ロック表示モードでの表示制御を行う。ロック表示モードは、ユーザが横になった状態等の通常とは異なる姿勢でディスプレイを見るのに適した表示モードであり、携帯端末装置(ディスプレイ)の回転状態に応じて表示画面を回転させずに固定して表示する。つまり、視点の方向が変わるユーザは、ディスプレイを回転させても画面の下方向がディスプレイの下方向と一致した状態(ユーザにとって画面の上下左右が自然な状態)で画面を見ることができる。
【0042】
そして、表示モードの切り替えを判定する移動量について、50cm以上200cm以下というように閾値を2つ設けている。これにより、操作中に発生する端末の軽微な移動や、エレベータ等での端末操作における距離の大きい移動を、横たわった操作状態への移行とみなせるような端末移動から排除し、表示モード切り替えを行わないようにすることができる。このため、ユーザの意図しないタイミングでの表示モードの切り替えは発生せず、ユーザは、意図したタイミングに意図した向きでディスプレイ上の画像を見ることができ、ユーザの使い勝手が向上する。
【0043】
また、本実施形態では、図6に示すように、携帯端末装置10が上方(重力方向と反対方向)に所定の距離(図3の例で50cm以上)だけ移動した場合、例えばユーザが横たわって操作している状態から立って操作している状態に移行したとみなせるような端末移動があったと判定し、ロック表示モードから回転表示モードに切り替わり、回転表示モードでの表示制御を行う。回転表示モードは、ユーザが立った状態等の通常の姿勢でディスプレイを見るのに適した表示モードであり、携帯端末装置(ディスプレイ)の回転状態に応じて表示画面を回転させる。つまり、視点の方向が変わらないユーザは、ディスプレイを回転させても画面の下方向が重力方向と一致した状態(ユーザにとって画面の上下左右が自然な状態)で画面を見ることができる。
【0044】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0045】
すなわち、本実施形態における携帯端末装置で実行されるプログラムは、先に述べた各手段(検出情報取得手段110、端末移動判定手段120、表示制御手段130)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアを用いて具体的手段を実現する。すなわち、コンピュータ(CPU)が所定の記録媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各手段が主記憶装置上にロードされて生成される。
【0046】
本実施形態における携帯端末装置で実行されるプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供されるように構成してもよい。また、上記プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供あるいは配布するように構成してもよい。
【0047】
また、上記プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD、不揮発性のメモリカード等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されるように構成してもよい。また、上記プログラムは、ROM等にあらかじめ組み込んで提供するように構成してもよい。
【0048】
この場合、上記記録媒体から読み出された又は通信回線を通じてロードし実行されたプログラムコード自体が前述の実施形態の機能を実現することになる。そして、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成する。
【符号の説明】
【0049】
10 携帯端末装置
11 CPU
12 メモリ
13 HDD
14 入力装置
15 出力装置
16 加速度センサ
100 制御部
110 検出情報取得手段
120 端末移動判定手段
130 表示制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示装置及び自端末の移動を検出するための検出装置を備える携帯端末装置であって、
前記検出装置から自端末の移動に関する情報を取得する検出情報取得手段と、
前記検出情報取得手段により取得された情報を用いて、自端末の移動量及び移動方向を判定する端末移動判定手段と、
前記端末移動判定手段による判定結果に基づいて、前記表示装置に対する画面の表示制御を行う表示制御手段と、
を有することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記端末移動判定手段により自端末が重力方向の反対方向である上方向に移動したと判定された場合、自端末の回転状態に応じて画面を回転して表示する第1表示モードで画面の表示制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記端末移動判定手段により自端末が重力方向である下方向に移動したと判定された場合、自端末の回転状態に応じて画面を回転せずに表示方向を固定して表示する第2表示モードで画面の表示制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記端末移動判定手段は、自端末の回転状態に応じて画面を回転して表示する第1表示モードで画面の表示制御が行われており、自端末の移動量が第1閾値と前記第1閾値より大きい第2閾値との間にある場合、自端末が重力方向である下方向に移動したと判定し、
前記表示制御手段は、前記端末移動判定手段による下方向への移動との判定結果に基づいて、前記第1表示モードから、自端末の回転状態に応じて画面を回転せずに表示方向を固定して表示する第2表示モードに切り替えて画面の表示制御を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記端末移動判定手段は、自端末の回転状態に応じて画面を回転せずに表示方向を固定して表示する第2表示モードで画面の表示制御が行われており、自端末の移動量が第3閾値を下回った場合、自端末が重力方向の反対方向である上方向に移動したと判定し、
前記表示制御手段は、前記端末移動判定手段による上向きとの判定結果に基づいて、前記第2表示モードから、自端末の回転状態に応じて画面を回転して表示する第1表示モードに切り替えて画面の表示制御を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項6】
画像を表示する表示装置及び自端末の移動を検出するための検出装置を備える携帯端末装置に用いられるプログラムであって、
コンピュータに、
前記検出装置から自端末の移動に関する情報を取得する検出情報取得処理と、
前記検出情報取得処理で取得された情報を用いて、自端末の移動量及び移動方向を判定する端末移動判定処理と、
前記端末移動判定処理での判定結果に基づいて、前記表示装置に対する画面の表示制御を行う表示制御処理と、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−58332(P2012−58332A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−199163(P2010−199163)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】