説明

携帯端末装置及び無線通信方法

【課題】他の携帯端末装置との無線通信の切断理由を特定する携帯端末装置及び無線通信方法を提供する。
【解決手段】スマートフォン100とタブレット端末150とが無線接続中に、切断検出部163が通信切断を検出した場合、通信切断直前のスマートフォン100の電池残量に基づいて、判定部164が電池残量低下による通信切断か、または互いの距離が離れてしまい、通信相手不明による通信切断かを判定する。通知部165は、判定した通信切断理由をユーザに通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他の携帯端末装置と直接接続を行う携帯端末装置及び複数の携帯端末装置間の無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン、携帯ゲーム機などの携帯端末や、パソコンなどの情報端末が普及しており、これらの端末同士が無線接続し、データの送受信を行う技術が確立されている。このような無線通信規格として、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)やWi−Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)などの規格がある。
【0003】
このような無線通信規格を用いて、端末間でデータの送受信を行うだけではなく、一方の端末で他方の端末の動作状態を確認することにより、ユーザの使い勝手を向上させることができる。このような技術として、例えば、特許文献1に開示の技術が知られている。
【0004】
特許文献1には、携帯電話とパーソナルコンピュータとがブルートゥースによって接続され、携帯電話からパーソナルコンピュータへ携帯電話の受信電界強度、バッテリーの残量、残り使用時間等を転送して、パーソナルコンピュータのディスプレイに表示する技術が開示されている。これにより、ユーザは携帯電話の表示を見ることなく、パーソナルコンピュータのディスプレイを見るだけで携帯電話の動作状態を確認することができるようになり、携帯電話を鞄やポケットから取り出す手間を省くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−311606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1に開示の技術において、いずれも移動可能な複数の携帯端末同士を無線接続することを想定し、接続していた携帯端末間の通信が切断した場合、ユーザは、ディスプレイを見ただけでは、通信が切断した理由を特定できないという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、他の携帯端末装置との無線通信の切断理由を特定する携帯端末装置及び無線通信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の携帯端末装置は、無線通信中の他の携帯端末装置から前記他の携帯端末装置の電池残量情報を受信する受信手段と、前記他の携帯端末装置との無線通信の切断を検出する切断検出手段と、前記他の携帯端末装置との無線通信の切断が検出された場合、前記他の携帯端末装置の電池残量情報に基づいて、前記無線通信の切断理由が前記他の携帯端末装置の電池残量低下による通信切断であるか、前記他の携帯端末装置が不明になったことによる通信切断であるかを判定する判定手段と、判定された前記無線通信切断理由をユーザに通知する通知手段と、を具備する構成を採る。
【0009】
本発明の無線通信方法は、無線通信中の他の携帯端末装置から前記他の携帯端末装置の電池残量情報を受信し、前記他の携帯端末装置との無線通信が切断された場合、前記他の携帯端末装置の電池残量情報に基づいて、前記無線通信の切断理由が前記他の携帯端末装置の電池残量低下による通信切断であるか、前記他の携帯端末装置が不明になったことによる通信切断であるかを判定し、判定された前記無線通信切断理由をユーザに通知するようにした。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、他の携帯端末装置との無線通信の切断理由を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1に係るスマートフォンの構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係るタブレット端末の構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1に係るタブレット端末の機能構成を示すブロック図
【図4】図1に示したスマートフォンと、図2に示したタブレット端末とが無線接続中に、互いの距離が離れてしまい、通信相手不明により通信が切断する場合の通信手順を示すシーケンス図
【図5】図1に示したスマートフォンと、図2に示したタブレット端末とが無線接続中に、スマートフォンの電池残量低下により通信が切断する場合の通信手順を示すシーケンス図
【図6】図1に示したスマートフォンと、図2に示したタブレット端末とが無線接続中に、スマートフォンの電池残量低下により通信が切断する場合の通信手順を示すシーケンス図
【図7】電池残量の通知方法の説明に供する図
【図8】通信切断理由のユーザへの通知方法の説明に供する図
【図9】通信切断理由のユーザへの他の通知方法の説明に供する図
【図10】通信切断理由のユーザへの他の通知方法の説明に供する図
【図11】本発明の実施の形態2に係るタブレット端末の機能構成を示すブロック図
【図12】本発明の実施の形態2に係るスマートフォンとタブレット端末とが無線接続中に、互いの距離が離れてしまい、通信相手不明により通信が切断する場合の通信手順を示すシーケンス図
【図13】本発明の実施の形態2に係るスマートフォンとタブレット端末とが無線接続中に、電池残量低下により通信が切断する場合の通信手順を示すシーケンス図
【図14】再接続間隔を段階的に長くする様子を示す概念図
【図15】再接続間隔を段階的に短くする様子を示す概念図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1では、PDA(Personal Data Assistance)に音声通話機能を融合したスマートフォンと呼ばれる携帯電話、タブレット端末と呼ばれるタッチパネル式の携帯端末を直接無線接続し、タブレット端末がスマートフォンを制御する場合を例に説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態1に係るスマートフォン100の構成を示すブロック図である。この図において、CPU(Central Processing Unit)101は、内部バス102を介して接続された記憶部103、WiFi通信部106及びBT(Bluetooth)通信部107からデータを取得し、取得したデータを用いて種々の演算処理を行い、スマートフォン100を制御する。
【0015】
記憶部103は、種々のデータを格納し、格納したデータが内部バス102を介してCPU101、WiFi通信部106及びBT通信部107に読み出される。
【0016】
電源部104は、スマートフォンを駆動する電源を供給する。具体的には、充放電可能な充電池、または外部電源などである。電源制御部105は、電源部104の電源供給を制御する。
【0017】
WiFi通信部106は、WiFi通信により他の通信機器とデータの送受信を行い、BT通信部107は、BT通信により他の通信機器とデータの送受信を行う。
【0018】
図2は、本発明の実施の形態1に係るタブレット端末150の構成を示すブロック図である。この図において、CPU151は、内部バス152を介して接続された記憶部153、WiFi通信部155及びBT通信部156からデータを取得し、取得したデータを用いて種々の演算処理を行い、タブレット端末150を制御する。
【0019】
記憶部153は、種々のデータを格納し、格納したデータが内部バス152を介してCPU151、WiFi通信部155及びBT通信部156に読み出される。
【0020】
表示部154は、アイコンやタブレット端末の状態を示すインジケータ等の画像データを表示する。
【0021】
WiFi通信部155は、WiFi通信により他の通信機器とデータの送受信を行い、BT通信部156は、BT通信により他の通信機器とデータの送受信を行う。
【0022】
図3は、図2に示したタブレット端末150の機能構成を示すブロック図である。この図において、受信部161は、スマートフォン100から送信されたスマートフォン100の電池残量情報を受信し、受信した電池残量情報を記憶部162及び通知部165に出力する。また、受信部161は、スマートフォン100から送信されたデータ信号を切断検出部163に出力する。
【0023】
記憶部162は、受信部161から出力されたスマートフォン100の電池残量情報を記憶し、必要に応じて判定部164によって読み出される。
【0024】
切断検出部163は、受信部161から出力されたデータ信号を監視し、スマートフォン100との無線通信が切断したか否かを検出する。無線通信の切断を検出した場合、切断検出部163はその旨を判定部164に通知する。
【0025】
判定部164は、切断検出部163から無線通信の切断検出通知を取得すると、記憶部162からスマートフォン100の電池残量情報を読み出し、読み出した電池残量と所定の閾値との閾値判定を行う。電池残量が閾値以上である場合、判定部164は、スマートフォン100との距離が一定以上離れたり、スマートフォン100が発する無線信号が妨害を受けたりするなど、電池残量が十分であるにもかかわらず電波を受信できない状態(例えば、受信電界強度が所定値未満)を通信相手不明により通信が切断したものと判定する。一方、電池残量が閾値未満である場合、判定部164は、スマートフォン100の電池残量が低下したことにより通信が切断したものと判定する。判定結果、すなわち、通信切断理由は通知部165に出力される。
【0026】
通知部165は、受信部161から出力されたスマートフォン100の電池残量情報をユーザに通知する。また、通知部165は、判定部164から出力された通信切断理由をユーザに通知する。なお、この通知方法の詳細については後述する。
【0027】
次に、図1に示したスマートフォン100と、図2に示したタブレット端末150とが無線接続中に、互いの距離が離れてしまい、通信相手不明により通信が切断する場合の通信手順について図4を用いて説明する。
【0028】
図4において、ステップ(以下、「ST」と省略する)201では、スマートフォン100が電池残量を検出し、ST202では、検出された電池残量をタブレット端末150に通知する。
【0029】
ST203では、タブレット端末150の通知部165がスマートフォン100から通知された電池残量をユーザに通知する。ST201〜ST203は、スマートフォン100が電池残量の変動を検出する毎に行われるか、一定の周期毎に行われる。
【0030】
ST204では、タブレット端末150の切断検出部163がスマートフォン100との通信切断を検出し、ST205では、タブレット端末150の判定部164が通信切断前に受信したスマートフォン100の電池残量と所定の閾値との閾値判定を行う。ここでは、スマートフォン100の電池残量が閾値以上であるとし、スマートフォン100とタブレット端末150との距離が増大し、通信相手不明による通信切断と判定する。
【0031】
ST206では、タブレット端末150の通知部165は通信相手が不明であることをユーザに通知する。
【0032】
次に、図1に示したスマートフォン100と、図2に示したタブレット端末150とが無線接続中に、スマートフォン100の電池残量低により通信が切断する場合の通信手順について図5を用いて説明する。なお、図5が図4と共通する部分には、図4と同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0033】
図5において、ST301では、タブレット端末150の判定部164が通信切断前に受信したスマートフォン100の電池残量と所定の閾値との閾値判定を行う。ここでは、スマートフォン100の電池残量が閾値未満であるとし、スマートフォン100の電池残量が低下したことによる通信切断と判定する。
【0034】
ST302では、タブレット端末150の通知部165はスマートフォン100の電池残量が低下したことをユーザに通知する。
【0035】
次に、図1に示したスマートフォン100と、図2に示したタブレット端末150とが無線接続中に、スマートフォン100の電池残量低下により通信が切断する場合の通信手順について図6を用いて説明する。
【0036】
図6において、ST401では、スマートフォン100がLVAを検出し、ST402では、検出されたLVAをタブレット端末150に通知する。
【0037】
ST403では、タブレット端末150の通知部165がスマートフォン100から通知されたLVAをユーザに通知する。
【0038】
ST404では、タブレット端末150の切断検出部163がスマートフォン100との通信切断を検出し、ST405では、ST403においてLVAの通知を受けているので、判定部164はスマートフォン100の電池残量が低下したことによる通信切断と判定する。
【0039】
ST406では、タブレット端末150の通知部165はスマートフォン100の電池残量が低下したことをユーザに通知する。
【0040】
ここで、電池残量の通知方法として、1−(1)現在の電池残量、電池残量の最大値及び電池状態を通知する方法(図7(a)参照)、1−(2)現在の電池残量をパーセント(%)で通知する方法(図7(b)参照)、1−(3)現在の電池残量をインデックスで通知する方法(図7(c)、(d)参照)が考えられる。
【0041】
1−(1)現在の電池残量、電池残量の最大値及び電池状態を通知する方法では、図7(a)に示すように、電池残量を0〜電池残量最大値の電池残量レベルで通知し、電池残量最大値を電池残量レベルで通知し、また、電池状態を、通常であれば0、LVA発生中であれば1、充電中であれば2で通知する。
【0042】
1−(2)現在の電池残量をパーセント(%)で通知する方法では、図7(b)に示すように、電池残量を0〜100のパーセント値で通知する。
【0043】
1−(3)現在の電池残量をインデックスで通知する方法では、図7(c)に示すように、電池残量を0〜インデックスの最大数で通知する。このインデックスは、例えば、図7(d)に示すように、0〜9のインデックスに電池残量及び電池状態を割り当て、スマートフォン100とタブレット端末150とで共有しておくものとする。
【0044】
次に、タブレット端末150の判定部164における通信切断理由の判定方法について説明する。この判定方法として、2−(1)時間の推移から算出する方法、2−(2)LVAを利用する方法、2−(3)通信累積時間を利用する方法が考えられる。
【0045】
2−(1)時間の推移から算出する方法は、タブレット端末150が通信切断の検出直前にスマートフォン100から受信した電池残量、電池残量受信時刻、及び、現在時刻から電圧の低下を推測し、電池残量受信時刻から電池残量に応じた一定の時間が経過している場合、電池残量低下による通信切断と判定し、電池残量受信時刻から電池残量に応じた一定の時間が経過していない場合、通信相手不明による通信切断と判定する。
【0046】
なお、タブレット端末150は通信切断の検出直前にスマートフォン100から受信した最後の電池残量からのみ電池残量を判定するのではなく、通信切断の検出前までにスマートフォン100から受信した2回以上の電池残量に基づいて通信切断理由を判定してもよい。これにより、2回以上の受信した電池残量情報から電池残量減少の進度を算出することができ、より正確に判定することができる。
【0047】
また、タブレット端末150は通信切断の検出直前にスマートフォン100から受信した電池残量に限らず、通信切断理由をいずれの電池残量に基づいて判定してもよい。更に、電池残量受信時刻から電池残量減少の進度を算出することにより、より正確に判定することができる。
【0048】
2−(2)LVAを利用する方法は、タブレット端末150が通信切断の検出直前にLVAを受信した場合、電池残量低下による通信切断と判定し、LVAを受信していない場合、通信相手不明による通信切断と判定する。
【0049】
2−(3)通信累積時間を利用する方法は、タブレット端末150がスマートフォン100との通信開始から通信切断の検出までの通信累積時間から電圧の低下を推測し、通信累積時間が所定時間を超える場合、電池残量低下による通信切断と判定し、所定時間未満の場合、通信相手不明による通信切断と判定する。
【0050】
なお、上記2−(1)〜2−(3)は適宜組み合わせて、通信切断理由を判定してもよい。
【0051】
次に、タブレット端末150の通知部165における通信切断理由のユーザへの通知方法について説明する。例えば、図8(a)に示すように、通信相手不明による通信切断では、タブレット端末150は切断を示すアイコンを表示し、通信相手不明を示すポップアップ表示を行う。このとき、スマートフォン100は電池残量不明を示すアイコンを表示してもよい。また、電池残量低下による通信切断では、タブレット端末150は切断を示すアイコンを表示し、スマートフォン100の電池切れを示すポップアップ表示を行う。このとき、スマートフォン100は電池残量低下を示すアイコンを表示してもよい。
【0052】
また、例えば、図8(b)に示すように、通信相手不明による通信切断では、タブレット端末150は通信中を示すアイコンを消灯するようにしてもよい。このとき、スマートフォン100は電池残量を示すアイコンを消灯してもよい。また、電池残量低下による通信切断では、タブレット端末150は通信中を示すアイコンを消灯するようにしてもよい。このとき、スマートフォン100は電池残量を示すアイコンを消灯してもよい。なお、ここでは、タブレット端末150及びスマートフォン100の双方において、アイコンを消灯するものとして説明したが、消灯する代わりに、アイコンのグレーアウト、点滅、色の変更等によって切断理由を通知してもよい。要は、表示状態を変更することにより、切断理由を通知できればよい。
【0053】
また、例えば、図9に示すように、ステータスバーの1つのアイコンで複数の状態を表示するようにしてもよい。図9(a)は、電池残量が十分(例えば、電池残量10%以上)であり、かつ、通信中であることを○によって表示している。また、図9(b)は、電池残量が十分(例えば、電池残量10%以上)であり、かつ、通信相手が不明であることを△によって表示している。さらに、図9(c)は、電池残量が不十分(例えば、LVA発生)であることを×によって表示している。ここでは、○、△、×を例に挙げて説明したが、これはあくまで一例であり、他のアイコンで表示してもよい。
【0054】
さらに、例えば、図10に示すように、タブレット端末150のメニュー画面において表示されるアイコンのうち、スマートフォン100が動作することを前提としたアプリケーション(図10では、ブラウザ)の起動用アイコンの表示状態を変更するようにしてもよい。図10(a)は、スマートフォン100の電池残量が十分(例えば、電池残量10%以上)であり、かつ、通信中である場合を示しており、図10(b)は、スマートフォン100の電池残量が不十分(例えば、LVA発生)である場合を示している。これらの図から分かるように、スマートフォン100の電池残量が不十分な場合には、ブラウザ起動用アイコンをグレーアウトするなど表示状態を変更する。なお、このとき、図10(b)に示すブラウザ起動用アイコンに起動操作を行っても、ブラウザの起動を禁止しておけば、ブラウザ起動処理、スマートフォン100へのアクセス処理等を回避することができ、これらの処理に要するリソースを節約することができる。
【0055】
タブレット端末150における通信切断理由のユーザへの上記以外の通知方法として、音、バイブレーション、LCDバックライト、LED等によって通知することも考えられる。音で通知する場合には、ヘッドフォン又はスピーカーから「ピピピ・・・」というDTIM(Delivery Traffic Indication Message)トーンやシンセティックオーディオ(MIDI等)によって通知したり、「通信相手が不明になりました」や「スマートフォンの電池残量が低下しました」等の音声ガイダンスによって通知したりしてもよい。また、バイブレーションで通知する場合には、異なる振動パターンに通信切断の理由を対応付けておくことにより、振動パターンで通信切断理由を通知する。また、LCDバックライトで通知する場合には、LCDバックライトの点滅パターンに通信切断の理由を対応付けておくことにより、点滅パターンで通信切断理由を通知する。さらに、LEDで通知する場合には、LEDの発光色に通信切断の理由を対応付けておくことにより、LEDの発光色で通信切断理由を通知する。また、LEDの点滅パターンに通信切断の理由を対応付けておくことにより、点滅パターンで通信切断理由を通知する。
【0056】
このように、実施の形態1によれば、スマートフォンとタブレット端末とが無線接続中に、通信切断を検出した場合、通信切断直前のスマートフォンの電池残量に基づいて、電池残量低下による通信切断か、または互いの距離が離れてしまい、通信相手不明による通信切断かを判定することにより、切断理由に応じた処理を行うことができる。
【0057】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係るスマートフォンの構成は、実施の形態1の図1に示した構成とそれぞれ同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0058】
図11は、本発明の実施の形態2に係るタブレット端末170の機能構成を示すブロック図である。図11が図3と異なる点は、接続間隔制御部171及び接続処理部172を追加した点である。
【0059】
接続間隔制御部171は、判定部164から出力された通信切断理由に応じて、再接続処理の繰り返し間隔を制御し、接続処理部172に接続間隔を通知する。
【0060】
接続処理部172は、接続間隔制御部171から通知された接続間隔でスマートフォンに対して再接続処理を行う。
【0061】
図12は、本発明の実施の形態2に係るスマートフォンとタブレット端末170とが無線接続中に、互いの距離が離れてしまい、通信相手不明により通信が切断する場合の通信手順を示すシーケンス図である。図12において、図4と共通する部分には図4と同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0062】
ST501では、タブレット端末170の接続処理部172からスマートフォン100に再接続要求を送信し、ST502では、タブレット端末170が一定時間(T1)スマートフォン100からの再接続応答を待ち受ける。
【0063】
ST503では、一定時間(T1)が経過したため、再度、タブレット端末170の接続処理部172からスマートフォン100に再接続要求を送信し、ST504では、タブレット端末170が一定時間(T1)スマートフォン100からの再接続応答を待ち受ける。タブレット端末170は、スマートフォン100から再接続応答を受信するまで再接続要求の送信処理を継続する。
【0064】
図13は、本発明の実施の形態2に係るスマートフォン100とタブレット端末170とが無線接続中に、電池残量低下により通信が切断する場合の通信手順を示すシーケンス図である。図13において、図5と共通する部分には図5と同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0065】
ST601では、タブレット端末170の接続処理部172からスマートフォン100に再接続要求を送信し、ST602では、タブレット端末170が一定時間(T2(≠T1))スマートフォン100からの再接続応答を待ち受ける。
【0066】
ST603では、一定時間(T2)が経過したため、再度、タブレット端末170の接続処理部172からスマートフォン100に再接続要求を送信し、ST604では、タブレット端末170が一定時間(T2)スマートフォン100からの再接続応答を待ち受ける。タブレット端末170は、スマートフォン100から再接続応答を受信するまで再接続要求の送信処理を継続する。
【0067】
上述した再接続周期は、T1又はT2の一定時間として説明したが、図14に示すように、再接続間隔を段階的に長くするようにしてもよい。また、再接続間隔を2回の再接続毎に段階的に長くするようにしてもよい。なお、これらいずれの場合においても、所定の再接続間隔以上には長くしないようにしてもよい。
【0068】
このように、再接続間隔を段階的に長くすることにより、弱電界から復帰する場合など、通信相手が不明になってもすぐに見つかる条件下では、サービスを継続することができる。すなわち、図12の再接続処理において、再接続間隔を段階的に長くすることが望ましい。
【0069】
また、図15に示すように、再接続間隔を段階的に短くするようにしてもよい。また、再接続間隔を2回の再接続毎に段階的に短くするようにしてもよい。なお、これらいずれの場合においても、所定の再接続間隔以上には短くしないようにしてもよい。
【0070】
このように、再接続間隔を段階的に短くすることにより、電池残量が低下した状態から充電などによって再接続が可能になるまで一定の待ち時間が必要な条件下で、再接続処理によるタブレット端末の電力消費を抑制することができる。すなわち、図13の再接続処理において、再接続間隔を段階的に短くすることが望ましい。
【0071】
このように、本実施の形態2では、通信切断理由に応じて、タブレット端末が行う再接続の間隔を変えることにより、再接続までに要する時間の短縮と、再接続に要する電力消費の抑制の両立を図ることができる。
【0072】
なお、本実施の形態では、図13において、再接続処理を行う場合について示しているが、再接続処理を行わないようにしてもよい。これにより、タブレット端末の電力消費を抑制することができる。
【0073】
なお、上記各実施の形態では、スマートフォンとタブレット端末とを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、2台以上の複数の携帯端末であればよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明にかかる携帯端末装置等は、他の携帯端末装置との無線通信の切断理由を特定する携帯端末装置等として有用である。
【符号の説明】
【0075】
101、151 CPU
102、152 内部バス
103、153、162 記憶部
104 電源部
105 電源制御部
106、155 WiFi通信部
107、156 BT通信部
154 表示部
161 受信部
163 切断検出部
164 判定部
165 通知部
171 接続間隔制御部
172 接続処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信中の他の携帯端末装置から前記他の携帯端末装置の電池残量情報を受信する受信手段と、
前記他の携帯端末装置との無線通信の切断を検出する切断検出手段と、
前記他の携帯端末装置との無線通信の切断が検出された場合、前記他の携帯端末装置の電池残量情報に基づいて、前記無線通信の切断理由が前記他の携帯端末装置の電池残量低下による通信切断であるか、前記他の携帯端末装置が不明になったことによる通信切断であるかを判定する判定手段と、
判定された前記無線通信切断理由をユーザに通知する通知手段と、
を具備する携帯端末装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記他の携帯端末装置から送信された電波を受信できない状態を前記他の携帯端末装置が不明になったことによる通信切断と判定する請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記無線通信の切断理由に応じて、再接続間隔を変更する接続処理手段を具備する請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記接続処理手段は、前記無線通信の切断理由が前記他の携帯端末装置の電池残量低下による通信切断である場合、前記再接続間隔を段階的に短くする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記接続処理手段は、前記無線通信の切断理由が前記他の携帯端末装置が不明になったことによる通信切断である場合、前記再接続間隔を段階的に長くする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記接続処理手段は、前記無線通信の切断理由が前記他の携帯端末装置の電池残量低下による通信切断である場合、再接続を停止する請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項7】
無線通信中の他の携帯端末装置から前記他の携帯端末装置の電池残量情報を受信し、
前記他の携帯端末装置との無線通信が切断された場合、前記他の携帯端末装置の電池残量情報に基づいて、前記無線通信の切断理由が前記他の携帯端末装置の電池残量低下による通信切断であるか、前記他の携帯端末装置が不明になったことによる通信切断であるかを判定し、
判定された前記無線通信切断理由をユーザに通知する、
無線通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−178663(P2012−178663A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39714(P2011−39714)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】