説明

携帯端末装置

【課題】閉状態で載置された場合でも報知音を外方へ放音できる携帯端末装置を提供する。
【解決手段】携帯電話機1は、一端に凸部18を有する受話筐体2と、一端に凸部18が嵌入される凹部19を有すると共に、報知用スピーカー25を内蔵した送話筐体3とを有し、凸部18を凹部19内に回動可能に連結することにより受話筐体2と送話筐体3とを開閉可能に構成した携帯電話機1であって、凸部18の頂面18cは、携帯電話機1の閉状態において送話筐体3の対向面と反対側にある背面を含む平面より内側にあり、かつ凸部18と凹部19との間には空間を有すると共に、その空間を形成する凹部壁面19bに、報知用スピーカー25からの音を放音する放音口9kを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機、無線機能を有するPDAやデジタルカメラ等の携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機、無線機能を有するPDAやデジタルカメラ等の携帯端末装置では、折り畳み式のものが主流となっている。この種の携帯端末装置は、折り畳むことでコンパクトにできるため、持ち運びに有利であり、また、開くことで十分な大きさを確保できると共に、携帯電話機においてはスピーカーとマイクをそれぞれ使用者の耳元と口元に近づけることができるようになっている。
【0003】
ところで、携帯端末装置は着信を知らせたり、誤操作を知らせるための報知用スピーカーを有しており、折り畳み式のように、閉状態で2つの筐体を重ね合せ可能なものにおいては、閉状態において報知音を外方へ放音できるように、通常、閉状態において互いに対向する筐体の対向面と反対側の面(背面)に報知用スピーカーの放音口が設けられている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−254026号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、携帯端末装置を机上に載置する際、背面が机上面と当接し、報知用スピーカーの放音口を塞いでしまい、使用者が携帯端末装置から離れているときに着信があった場合に使用者が着信に気付かない恐れがあった。
【0005】
本発明の目的は、閉状態で載置された場合でも報知音を外方へ放音できる重ね合せ型の携帯端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の携帯端末装置は、一端に凸部を有する第1筐体と、一端に前記凸部が嵌入される凹部を有すると共に、スピーカーを内蔵した第2筐体とを有し、前記凸部を前記凹部内に回動可能に連結することにより前記第1筐体と前記第2筐体とを開閉可能に構成した携帯端末装置であって、前記凸部の頂面は、当該携帯端末装置の閉状態において前記第2筐体の対向面と反対側にある背面を含む平面より内側にあり、かつ前記凸部と前記凹部との間には空間を有すると共に、前記空間を形成する凹部壁面に、前記スピーカーからの音を放音する第1の放音口を備える。
【0007】
好適には、前記第2筐体の前記背面に前記スピーカーからの音を放音する第2の放音口を有する。
【0008】
好適には、前記第2筐体にはバッテリーを備える共に、前記第2筐体の略背面全体が前記バッテリーの蓋体で構成されてなり、前記第2の放音口が前記蓋体に形成してある。
【0009】
好適には、前記第2筐体内には前記スピーカーからの音を第1及び第2の放音口へそれぞれ導くための導音空間を有し、該導音空間は、前記第2筐体の前記背面を構成する背面板及び前記背面板から第1の距離だけ離間した第1の面によって形成される第1空間と、前記背面板及び前記背面板から前記第1の距離よりも離間した第2の面によって形成される第2空間とを有し、前記第1の放音口は前記第2空間と連通し、前記第2の放音口は前記第1空間と連通するように構成してある。
【0010】
好適には、前記第1空間において、前記背面板と向かい合う面に前記スピーカーのスピーカー面を有する。
【0011】
好適には、前記第1筐体の前記凸部の根元側に、開状態において前記第2筐体の背面に係合して更なる開方向への回転を規制する回転規制部を備え、前記凹部と前記凸部との間の空間は、前記携帯電話機の開状態において、前記対向面側に開口するとともに、前記回転規制部により前記背面側が塞がれる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、閉状態で載置された場合でも報知音を外方へ放音できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1及び図2は、本発明の実施形態に係る携帯電話機1を示す外観斜視図である。携帯電話機1はいわゆる折り畳み式の携帯電話機として構成されており、図1は開状態を、図2(a)及び図2(b)は閉状態をそれぞれ示している。
【0014】
携帯電話機1は、受話筐体(第1筐体)2と、送話筐体(第2筐体)3とを備えている。受話筐体2及び送話筐体3は、それぞれの端部が連結部4により連結されており、携帯電話機1は、連結部4側を回動の中心として開閉可能である。受話筐体2及び送話筐体3は、それぞれ概ね薄型直方体に形成されており、閉状態では互いに重ね合わされ、一方の筐体側から他方の筐体側を見たときに互いの輪郭が略一致するようになっている。
【0015】
受話筐体2は、閉状態で送話筐体3に対向する面(正面)側の正面側ケース6と、その背面側の背面側ケース7とを備えている。正面側ケース6及び背面側ケース7は、例えば樹脂によりそれぞれ成形されている。受話筐体2には、正面に画像を表示するメイン表示部11と、背面に画像を表示するサブ表示部12とが設けられている。メイン表示部11及びサブ表示部12は、例えば液晶表示ディスプレイによって構成されている。なお、受話筐体2には、この他、通話用のスピーカーが設けられ、当該スピーカーの放音口17が正面側ケース6に設けられている。
【0016】
送話筐体3は、閉状態で受話筐体2に対向する面側の正面側ケース8と、その背面側の背面側ケース9と、背面側ケース9の背面側に被せられる蓋体(背面板)10とを備えている。正面側ケース8、背面側ケース9及び蓋体10は、例えば樹脂によりそれぞれ成形されている。送話筐体3には、ユーザの操作を受け付ける操作部13、アンテナ、ICチップや電子部品を実装した回路基板、バッテリー26、通話用マイク、報知用スピーカー25が設けられている。操作部13には、例えばテンキーボタン14aやカーソルキー14b等の各種ボタンが配置されており、正面側ケース8より露出するようになっている。送話筐体3の正面には通話用のマイク(不図示)の集音口15が開口し、送話筐体3の背面には後述する報知用スピーカー25の放音口(第2の放音口)16が開口している。
【0017】
図3は、開状態の携帯電話機1の連結部4付近を一部破断して示す斜視図である。連結部4は、受話筐体2の一端から突出した凸部18が送話筐体3の一端に設けられた凹部19に嵌入されるとともに、軸部材20が凹部19の壁部及び凸部18に挿通されて構成されている。軸部材20は、凹部19の壁部及び凸部18のうち少なくとも一方に対して軸支されており、受話筐体2及び送話筐体3は軸部材20を回転軸として互いに回転可能である。
【0018】
凸部18は、回転軸周りの半円筒状に概ね形成されている。凸部18の回転軸周りの外周面18aと凹部19の回転軸に平行な壁面19aとの間には隙間があり、凸部18の凹部19に対する回転は許容されている。一方、凸部18の回転軸に直交する端面18bは、凹部19の凸部18を挟み込む壁面19bに当接しており、携帯電話機1の開閉の際には凹部19の壁面19bに対して摺動する。
【0019】
凹部19の壁部の筐体内側には、報知用スピーカー25が設けられている。報知用スピーカー25は、着信を使用者に報知したり、誤操作を使用者に報知する際に報知音を放音するためのものである。また、報知用スピーカー25は他の用途にも種々利用される。例えば、携帯電話機1をユーザの耳元に近づけずに通話を行う、いわゆるハンズフリー機能を利用する場合に、受話用のスピーカーとして機能する。携帯電話機1のムービー再生機能を利用する場合に、再生される音声を出力するスピーカーとして機能する。
【0020】
報知用スピーカー25は、例えば略円盤状に構成されており、円盤の一方の面に電極部25aを、他方の面にスピーカー面25b(図4参照)を有し、スピーカー面25bを送話筐体3の背面側(図3の紙面下方)にして配置されている。報知用スピーカー25は、電極部25aに入力された電流に応じてスピーカー面25b側に配置されたコーン紙(振動板)を振動させて音声を出力する。
【0021】
図4は、送話筐体3の一部を示す断面図(図5のIV−IV線矢視方向)である。なお、紙面上方は送話筐体3の背面側である。報知用スピーカー25は、背面側ケース9の筐体内部側(紙面下方)に配置されている。背面側ケース9の背面側には、携帯電話機1の電源としてのバッテリー26が配置されている。報知用スピーカー25及びバッテリー26は蓋体10により覆われている。
【0022】
図5は、送話筐体3の背面側ケース9を送話筐体3の背面側から見た斜視図である。背面側ケース9は、全体として、筐体内部側を凹とする箱状に概ね形成されており、背面側ケース9と正面側ケース8とを合体させると、その間には空間が形成される。当該空間には例えば高周波回路等が設けられた不図示の回路基板が配置される。
【0023】
図2に示すように、正面側ケース8と背面側ケース9は、互いに同等の広さに形成されている。蓋体10は、背面側ケース9に被せられ、送話筐体3の略背面全体を構成している。具体的には、蓋体10は、背面全体のうち、連結部4とは反対側の端部から凹部19に至るまでの範囲を形成し、凸部18を挟み込む凸部9aの背面のみが背面側ケース9により構成されている。なお、図5にも示すように、背面側ケース9は、凸部9aを残して背面を切り欠いたように形成されており、蓋体10が背面側ケース9に被せられると、図2及び図4に示すように、凸部9aの背面と蓋体10の背面とは連続する。
【0024】
図4及び図5に示すように、背面側ケース9には、報知用スピーカー25を保持する保持部9bが設けられている。具体的には、背面側ケース9の凹部19側の部分に、背面側を凹とする凹部9cが設けられており、保持部9bは、凹部9cの底部から背面側に突出するように形成されている。保持部9bは、背面側ケース9の筐体内部側を凹とする円筒状に形成され、壁部9d及び端面部9eを有している。端面部9eは、報知用スピーカー25のスピーカー面25bよりも径の小さい円形の開口部9fが開口するように円形の枠状に形成されている。報知用スピーカー25は、保持部9bの凹部に筐体内部側から挿入嵌合されるとともに、電極部25a側を回路基板等により抑止されることにより、保持部9bに保持される。
【0025】
図4に示すように、保持部9bの突出量は凹部9cの深さに比較して小さく、端面部9eと、蓋体10との間には隙間が生じる。従って、保持部9bの周囲には、報知用スピーカー25から出力され、開口部9fから放出された音を筐体外部へ導くための導音空間SPが形成されている。
【0026】
導音空間SPは、開口部9fからの音を導く第1空間SPaと、第1空間SPaからの音を導く第2空間SPbとを有している。第1空間SPaは、蓋体(背面板)10、端面部(第1の面)9e及び凹部9cの背面中央側の壁部により規定されている。第2空間SPbは、蓋体10、壁部9d、凹部9cの底部(第2の面)9h及び凹部9cの凹部19側の壁部9gにより規定されている。第2空間SPbは第1空間SPaに比較して、保持部9bの突出量だけ蓋体10からの幅(深さ)が大きい。第1空間SPaにおける蓋体10と端面部9eとの距離(第1の距離)Wは、例えば、報知用スピーカー25の厚さの1/10〜1/2であり、例えば、1mmである。保持部9bの突出量Vは、例えば報知用スピーカー25の厚さと同程度であり、例えば5mmである。
【0027】
第1空間SPaには、蓋体(背面板10)に設けられた放音口16が連通している。従って、第1空間SPaにより導かれた音は放音口16を介して筐体外部へ放出される。
【0028】
第2空間SPbには、複数の放音口9kが連通している。放音口9kは、凹部9cの壁部9gに開口しており、例えば、連結部4の回転軸方向に沿って一列に配列されている。壁部9gは、凹部19を形成する壁部でもあり、第2空間SPbにより導かれた音は放音口9kを介して凹部19へ放出される。
【0029】
なお、図5に示すように、凹部9cは、背面側ケース9中央側が保持部9bと同径の弧状に形成されており、背面中央側から凹部19側へ広がるように形成されている。換言すれば、第2空間SPbは凹部19側へ広がるように形成されている。また、放音口9kは、報知用スピーカー25の直径と略同程度若しくはそれよりも広い範囲に亘って配列されている。従って、効率的に報知用スピーカー25の音が放出される。
【0030】
図6は、閉状態における、報知用スピーカー25の放音経路を示す断面図である。図6では、送話筐体3を、背面を下にして机DIに載置した状態を示している。送話筐体3の背面は略平面状に形成されており、机DIの表面に当接している。従って、放音口16は机DIにより塞がれている。
【0031】
凸部18は、受話筐体2の送話筐体3に対向する面から送話筐体3側へ突出しており、その頂面18cは、送話筐体3の背面を含む平面よりも内側にある。従って、頂面18cと机DIの表面との間には隙間Sがある。なお、送話筐体3の背面を含む平面は、送話筐体3の背面の平面状部分を含む仮想平面である。背面の平面状部分は、当該平面状部分により机上等に安定して載置可能な広さを有していればよい。図6においては、机DIの表面は背面を含む平面と一致している。
【0032】
また、上述のように、凸部18の外周面18aと凹部19の壁面19aとの間には空間があり、壁面19aには放音口9kが開口している。従って、報知用スピーカー25から出力された音は、矢印y1で示すように、放音口9k、凸部18と凹部19との間の空間、頂面18cと机DIの表面との間の空間を通過して外方へ伝わる。
【0033】
図7は、開状態における、報知用スピーカー25の放音経路を示す断面図である。凸部18の根元側には、受話筐体2の送話筐体3に対する回転を規制するストッパー部31が形成されている。具体的には、凸部18は、受話筐体2の端部よりも若干中央側の位置から突出するように形成されており、受話筐体2の端面と正面(紙面上方の面)とにより形成される角部がストッパー部31として機能する。従って、ストッパー部31は、連結部4の回転軸方向において凹部19に亘る長さを有している。
【0034】
ストッパー部31が蓋体10の端部に係合することにより、受話筐体2の回転が規制される。このとき、凸部18と凹部19との間の空間は、背面側がストッパー部31により塞がれる。一方、当該空間は正面側へ開口している。従って、報知用スピーカー25から出力された音は、矢印y2で示すように、放音口9k、凸部18と凹部19との間の空間を通過して、筐体正面側へ放出される。
【0035】
なお、凸部18は半円筒状に形成されていることから、凸部18及び凹部19との間の空間は、ラッパ状に拡径しており、効率的に外方へ音を出力することができる。
【0036】
以上の実施形態によれば、凸部18の頂面18cは、携帯電話機1の閉状態において送話筐体3の背面を含む平面より内側にあり、かつ凸部18と凹部19との間には空間Tを有すると共に、この空間Tを形成する凹部19の壁面19aに、報知用スピーカー25からの音を放音する放音口9kを備えたことから、携帯電話機1が閉状態で送話筐体3の背面を下にして机上に載置され、放音口16が塞がれた場合でも報知音を外方へ放音できる。
【0037】
送話筐体3にバッテリー26を備える共に、送話筐体3の略背面全体がバッテリーの蓋体10で構成されてなり、放音口16が蓋体10に形成してあることから、バッテリーへの水分の浸入が低減される。即ち、従来は、背面の放音口(放音口16に相当)は背面側ケースに形成され、蓋体は、その放音口を避けるように、背面全体よりも狭い範囲に亘って被せられていた。従って、蓋体と、背面側ケースと境界線が背面に位置することになり、当該境界線を介して筐体の背面から水分が浸入することが考えられた。しかし、本実施形態では、図2(b)および図5に示すように、凹部19を挟み込む凸部9aの根元の境界線のみが背面に位置するとともに、バッテリー26の収容凹部との間が仕切られることから、背面からの水分の侵入が抑制される。
【0038】
導音空間SPは、第1空間SPaと、第1空間SPaよりも蓋体10から深く形成された第2空間SPbとを有し、放音口9kは第2空間SPbと連通し、放音口16は第1空間SPaと連通するから、筐体内部への水分の浸入が低減される。すなわち、放音口9kは凹部19を形成する壁面に開口するから、放音口9kから浸入した水分は、報知用スピーカーの開口部9fより浸入するところ、第1空間SPaは第2空間SPbよりも蓋体10から浅く形成されているため、放音口9kから浸入した水分は第2空間SPbに滞留し、第1空間SPaへの浸入は抑制される。さらに、本実施形態では、第1空間SPaは第2空間SPbとバッテリーとの間に位置するから、バッテリー26の収容凹部への水分の浸入も抑制される。一方、放音口16は背面に開口するとともに第2空間SPbと連通し、第2空間SPbは比較的背面板から浅く形成されているから、報知用スピーカー25と放音口16との距離が比較的短くなり、音を効率的に放出できる。
【0039】
第1空間SPaにおいて、蓋体10と向かい合う面に報知用スピーカー25のスピーカー面25bを有するようにしたことから、報知用スピーカー25内部への水分の浸入が抑制される。すなわち、上述のように、放音口9kから浸入した水分の第1空間SPaへの浸入は抑制されているから、スピーカー面25bからの水分の浸入が抑制される。なお、報知用スピーカー25は、スピーカー面25bのみを導音空間に対して露出させればよいから、報知用スピーカー25の側面や電極部側の防水は、本実施形態のように、保持部9bにより報知用スピーカー25の周囲を囲むことにより対処すればよい。
【0040】
凸部18の根元側に、開状態において送話筐体の背面に当接して更なる開方向への回転を規制するストッパー部31を備え、凹部19と凸部18との間の空間は、携帯電話機1の開状態において、対向面側に開口するとともに、ストッパー部31により背面側が塞がれることから、開状態において報知用スピーカー25の出力した音を、携帯電話機1の正面側に効率的に放出できる。これにより、例えば、ハンズフリー機能利用時やムービー再生時等の開状態で報知用スピーカー25を利用するときにも、報知用スピーカー25の出力した音を効率的にユーザに聞かせることができる。
【0041】
本発明は以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施してよい。
【0042】
本発明の携帯端末装置は、第1筐体及び第2筐体が凹部及び凸部により開閉可能に連結され、スピーカーを有するものであればよい。スピーカーは、閉状態において、音声を出力して何らかの情報をユーザに報知するものであればよい。従って、携帯端末装置は、携帯電話機に限定されず、例えばノートパソコンでもよいし、PDAでもよい。スピーカーは、電話やメールの着信を報知するものに限定されず、例えば時刻を知らせるものやバッテリー切れを報知するものであってもよい。換言すれば、携帯端末装置は通信機能を有していなくてもよい。
【0043】
第2の放音口は設けずに、第1の放音口のみによりスピーカーの音を筐体外部へ出力してもよい。この場合、スピーカーの放音口を目立たなくすることができ、デザイン性が向上する。一方、第2の放音口を設ける場合には、携帯端末装置が吊り下げられている場合等、第2の放音口が塞がれていない場合により確実にスピーカーの音を筐体外部へ出力することができる。なお、第1の放音口から放音可能であることから、第2の放音口は、従来の背面側の放音口に比較して小さくすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施形態の携帯電話機を開状態で示す外観斜視図。
【図2】図1の携帯電話機を閉状態で示す外観斜視図。
【図3】図1の携帯電話機の連結部を一部破断して示す斜視図。
【図4】図1の携帯電話機の送話筐体の一部を示す断面図。
【図5】図1の携帯電話機の送話筐体の背面側カバーの斜視図。
【図6】図1の携帯電話機の報知用スピーカーの閉状態における放音経路を示す断面図。
【図7】図1の携帯電話機の報知用スピーカーの開状態における放音経路を示す断面図。
【符号の説明】
【0045】
1…携帯電話機(携帯端末装置)、2…受話筐体(第1筐体)、3…送話筐体(第2筐体)、18…凸部、18c…凸部の頂面、19…凹部、25…報知用スピーカー、9k…第1の放音口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に凸部を有する第1筐体と、一端に前記凸部が嵌入される凹部を有すると共に、スピーカーを内蔵した第2筐体とを有し、前記凸部を前記凹部内に回動可能に連結することにより前記第1筐体と前記第2筐体とを開閉可能に構成した携帯端末装置であって、前記凸部の頂面は、当該携帯端末装置の閉状態において前記第2筐体の対向面と反対側にある背面を含む平面より内側にあり、かつ前記凸部と前記凹部との間には空間を有すると共に、前記空間を形成する凹部壁面に、前記スピーカーからの音を放音する第1の放音口を備えたことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記第2筐体の前記背面に前記スピーカーからの音を放音する第2の放音口を有することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記第2筐体にはバッテリーを備える共に、前記第2筐体の略背面全体が前記バッテリーの蓋体で構成されてなり、前記第2の放音口が前記蓋体に形成してあることを特徴とする請求項2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記第2筐体内には前記スピーカーからの音を第1及び第2の放音口へそれぞれ導くための導音空間を有し、該導音空間は、前記第2筐体の前記背面を構成する背面板及び前記背面板から第1の距離だけ離間した第1の面によって形成される第1空間と、前記背面板及び前記背面板から前記第1の距離よりも離間した第2の面によって形成される第2空間とを有し、前記第1の放音口は前記第2空間と連通し、前記第2の放音口は前記第1空間と連通するように構成してあることを特徴とする請求項2に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記第1空間において、前記背面板と向かい合う面に前記スピーカーのスピーカー面を有することを特徴とする請求項4に記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記第1筐体の前記凸部の根元側に、開状態において前記第2筐体の背面に係合して更なる開方向への回転を規制する回転規制部を備え、前記凹部と前記凸部との間の空間は、前記携帯電話機の開状態において、前記対向面側に開口するとともに、前記回転規制部により前記背面側が塞がれることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−36871(P2007−36871A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−219360(P2005−219360)
【出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】