携帯端末装置
【課題】閉状態及び開状態の双方において効率的に放音できる重ね合せ型の携帯端末装置を提供する。
【解決手段】携帯電話機101は、一端に凸部118を有する受話筐体102と、一端に凸部118が嵌入される凹部119を有すると共に、報知用スピーカー125を内蔵した送話筐体103とを有し、凸部118を凹部119内に回動可能に連結することにより受話筐体102と送話筐体103とを開閉可能に構成した携帯電話機101であって、凸部118と凹部119との間には空間T2を有すると共に、空間T2を形成する凹部壁面119bに、報知用スピーカー125からの音を放音する放音口107kを形成してなり、開状態において受話筐体102と送話筐体103との回動を規制するとともに、空間T2の一方端を閉塞するストッパ部150を具備する。
【解決手段】携帯電話機101は、一端に凸部118を有する受話筐体102と、一端に凸部118が嵌入される凹部119を有すると共に、報知用スピーカー125を内蔵した送話筐体103とを有し、凸部118を凹部119内に回動可能に連結することにより受話筐体102と送話筐体103とを開閉可能に構成した携帯電話機101であって、凸部118と凹部119との間には空間T2を有すると共に、空間T2を形成する凹部壁面119bに、報知用スピーカー125からの音を放音する放音口107kを形成してなり、開状態において受話筐体102と送話筐体103との回動を規制するとともに、空間T2の一方端を閉塞するストッパ部150を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機、無線機能を有するPDAやデジタルカメラ等の携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機、無線機能を有するPDAやデジタルカメラ等の携帯端末装置では、折り畳み式のものが主流となっている。この種の携帯端末装置は、折り畳むことでコンパクトにできるため、持ち運びに有利であり、また、開くことで十分な大きさを確保できると共に、携帯電話機においてはスピーカーとマイクをそれぞれ使用者の耳元と口元に近づけることができるようになっている。
【0003】
ところで、携帯端末装置は着信を知らせたり、誤操作を知らせるための報知用スピーカーを有しており、折り畳み式のように、閉状態で2つの筐体を重ね合せ可能なものにおいては、閉状態において報知音を外方へ放音できるように、通常、閉状態において互いに対向する筐体の対向面と反対側の面(背面)に報知用スピーカーの放音口が設けられている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−254026号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、携帯端末装置の開状態においては、背面側の放音口から放音されると、使用者とは反対側に放音されることになるから、使用者への音の伝達効率が低くなる。このため、使用者にとって十分な音量を確保するためには、スピーカーの出力を大きくする必要があり、スピーカーやアンプの大型化、電力消費の増大等を招くことになる。
【0005】
本発明の目的は、閉状態及び開状態の双方において効率的に放音できる重ね合せ型の携帯端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の携帯端末装置は、一端に凸部を有する第1筐体と、一端に前記凸部が嵌入される凹部を有すると共に、スピーカーを内蔵した第2筐体とを有し、前記凸部を前記凹部内に回動可能に連結することにより前記第1筐体と前記第2筐体とを開閉可能に構成した携帯端末装置であって、前記凸部と前記凹部との間には空間を有すると共に、前記空間を形成する凹部壁面に、前記スピーカーからの音を放音する第1の放音口を形成してなり、前記第1筐体及び/又は前記第2筐体には携帯端末装置の開状態において互いに当接して回動を規制すると共に、前記空間の一方端を略閉塞するストッパ部を具備する。
【0007】
好適には、前記第1筐体のうち前記第2筐体との対向面には操作部を有すると共に、前記第2筐体のうち前記第1筐体との対向面には表示部を有する。
【0008】
好適には、前記第2筐体内には前記スピーカーからの音を前記第1の放音口へ導くための導音空間を有すると共に、前記スピーカーの放音面が前記第2筐体のうち前記第1筐体との対向面と反対側の面を向くように前記スピーカーを前記第2筐体内に配置してある。
【0009】
好適には、前記第2筐体のうち前記第1筐体との対向面と反対側の面に前記導音空間と連通する第2の放音口を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、閉状態及び開状態の双方において効率的に放音できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(第1の実施形態)
図1及び図2は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機1を示す外観斜視図である。携帯電話機1はいわゆる折り畳み式の携帯電話機として構成されており、図1は開状態を、図2(a)及び図2(b)は閉状態をそれぞれ示している。
【0012】
携帯電話機1は、受話筐体(第1筐体)2と、送話筐体(第2筐体)3とを備えている。受話筐体2及び送話筐体3は、それぞれの端部が連結部4により連結されており、携帯電話機1は、連結部4側を回動の中心として開閉可能である。受話筐体2及び送話筐体3は、それぞれ概ね薄型直方体に形成されており、閉状態では互いに重ね合わされ、一方の筐体側から他方の筐体側を見たときに互いの輪郭が略一致するようになっている。
【0013】
受話筐体2は、閉状態で送話筐体3に対向する側の対向面側ケース6と、その背面側の背面側ケース7とを備えている。対向面側ケース6及び背面側ケース7は、例えば樹脂によりそれぞれ成形されている。受話筐体2には、対向面に画像を表示するメイン表示部11と、背面に画像を表示するサブ表示部12とが設けられている。メイン表示部11及びサブ表示部12は、例えば液晶表示ディスプレイによって構成されている。なお、受話筐体2には、この他、通話用のスピーカー41(図8参照)が設けられ、当該スピーカーの放音口17が対向面側ケース6に設けられている。
【0014】
送話筐体3は、閉状態で受話筐体2に対向する側の対向面側ケース8と、その背面側の背面側ケース9と、背面側ケース9の背面側に被せられる蓋体10とを備えている。対向面側ケース8、背面側ケース9及び蓋体10は、例えば樹脂によりそれぞれ成形されている。送話筐体3には、ユーザの操作を受け付ける操作部13、アンテナ38(図8参照)、ICチップや電子部品を実装した回路基板(不図示)、バッテリー26(図4参照)、通話用マイクロフォン40(図8参照)、報知用スピーカー25(図3参照)が設けられている。操作部13には、例えばテンキーボタン14aやカーソルキー14b等の各種ボタンが配置されており、対向面側ケース8より露出するようになっている。送話筐体3の対向面には通話用のマイクロフォン40の集音口15が開口し、送話筐体3の背面には報知用スピーカー25の放音口(第2の放音口)16が開口している。なお、第2の放音口は省略してもよい。
【0015】
図3は、開状態の携帯電話機1の連結部4付近を一部破断して示す斜視図である。連結部4は、受話筐体2の一端から突出した凸部18が送話筐体3の一端に設けられた凹部19に嵌入されるとともに、軸部材20が凹部19の壁部及び凸部18に挿通されて構成されている。軸部材20は、凹部19の壁部及び凸部18のうち少なくとも一方に対して軸支されており、受話筐体2及び送話筐体3は軸部材20を回転軸として互いに回転可能である。
【0016】
凸部18は、回転軸周りの半円筒状に概ね形成されている。凸部18の回転軸周りの外周面18aと凹部19の回転軸に平行な壁面19aとの間には空間を形成する隙間があり、凸部18の凹部19に対する回転は許容されている。一方、凸部18の回転軸に直交する端面18bと凹部19の凸部18を挟み込む壁面19bとの間にはほとんど隙間がない構成となっている。
【0017】
送話筐体3内の凹部19側近傍には、報知用スピーカー25が設けられている。報知用スピーカー25は、着信を使用者に報知したり、誤操作を使用者に報知する際に報知音を放音するためのものである。また、報知用スピーカー25は他の用途にも種々利用される。例えば、携帯電話機1をユーザの耳元に近づけずに通話を行う、いわゆるハンズフリー機能を利用する場合に、受話用のスピーカーとして機能する。携帯電話機1のムービー再生機能を利用する場合に、再生される音声を出力するスピーカーとして機能する。
【0018】
報知用スピーカー25は、例えば略円盤状に構成されており、円盤の一方の面に電極部25aを、他方の面に放音面25b(図4参照)を有し、放音面25bを送話筐体3の背面側(図3の紙面下方)にして配置されている。報知用スピーカー25は、電極部25aに入力された電流に応じて放音面25b側に配置されたコーン紙(振動板)を振動させて音声を出力する。
【0019】
図4は、送話筐体3の一部を示す断面図(図5のIV−IV線矢視方向)である。なお、紙面上方は送話筐体3の背面側である。報知用スピーカー25は、背面側ケース9の筐体内部側(紙面下方)に配置されている。背面側ケース9の背面側には、携帯電話機1の電源としてのバッテリー26が配置されている。報知用スピーカー25及びバッテリー26は蓋体10により覆われている。
【0020】
図5は、送話筐体3の背面側ケース9を送話筐体3の背面側から見た斜視図である。背面側ケース9は、全体として、筐体内部側を凹とする箱状に概ね形成されており、背面側ケース9と対向面側ケース8とを合体させると、その間には空間が形成される。当該空間には例えば高周波回路等が設けられた不図示の回路基板が配置される。
【0021】
図2に示すように、対向面側ケース8と背面側ケース9は、互いに同等の広さに形成されている。蓋体10は、背面側ケース9に被せられ、送話筐体3の略背面全体を構成している。具体的には、蓋体10は、背面全体のうち、連結部4とは反対側の端部から凹部19に至るまでの範囲を形成し、凸部18を挟み込む凸部9aの背面のみが背面側ケース9により構成されている。なお、図5にも示すように、背面側ケース9は、凸部9aを残して背面を切り欠いたように形成されており、蓋体10が背面側ケース9に被せられると、図2及び図4に示すように、凸部9aの背面と蓋体10の背面とは連続する。
【0022】
図4及び図5に示すように、背面側ケース9には、報知用スピーカー25を保持する保持部9bが設けられている。具体的には、背面側ケース9の凹部19側の部分に、背面側を凹とする凹部9cが設けられており、保持部9bは、凹部9cの底部から背面側に突出するように形成されている。保持部9bは、背面側ケース9の筐体内部側を凹とする略円筒状に形成され、壁部9d及び端面部9eを有している。端面部9eは、報知用スピーカー25の放音面25bよりも径の小さい円形の開口部9fが開口するように円形の枠状に形成されている。報知用スピーカー25は、保持部9bの凹部に筐体内部側から挿入嵌合されるとともに、電極部25a側を回路基板等により抑止されることにより、保持部9bに保持される。
【0023】
図4に示すように、保持部9bの突出量は凹部9cの深さに比較して小さく、端面部9eと、蓋体10との間には隙間が生じる。従って、保持部9bの周囲には、報知用スピーカー25から出力され、開口部9fから放出された音を筐体外部へ導くための導音空間SPが形成されている。
【0024】
導音空間SPは、開口部9fからの音を導く第1空間SPaと、第1空間SPaからの音を導く第2空間SPbとを有している。第1空間SPaは、蓋体10、端面部9e及び凹部9cの背面中央側の壁部により規定されている。第2空間SPbは、蓋体10、壁部9d、凹部9cの底部9h及び凹部9cの凹部19側の壁部9gにより規定されている。第2空間SPbは第1空間SPaに比較して、保持部9bの突出量だけ蓋体10からの幅(深さ)が大きい。第1空間SPaにおける蓋体10と端面部9eとの距離Wは、例えば、報知用スピーカー25の厚さの1/10〜1/2であり、例えば、1mmである。保持部9bの突出量Vは、例えば報知用スピーカー25の厚さと同程度であり、例えば5mmである。
【0025】
第1空間SPaには、蓋体10に設けられた放音口16が連通している。従って、第1空間SPaにより導かれた音は放音口16を介して筐体外部へ放出される。
【0026】
第2空間SPbには、複数の放音口9kが連通している。放音口9kは、凹部9cの壁部9gに開口しており、例えば、連結部4の回転軸方向に沿って一列に配列されている。壁部9gは、凹部19を形成する壁部でもあり、第2空間SPbにより導かれた音は放音口9kを介して凹部19へ放出される。
【0027】
なお、図5に示すように、凹部9cは、背面側ケース9中央側が保持部9bと同径の弧状に形成されており、背面中央側から凹部19側へ広がるように形成されている。換言すれば、第2空間SPbは凹部19側へ広がるように形成されている。また、放音口9kは、報知用スピーカー25の直径と略同程度若しくはそれよりも広い範囲に亘って配列されている。従って、効率的に報知用スピーカー25の音が放出される。
【0028】
図6は、閉状態における、報知用スピーカー25の放音経路を示す断面図である。図6では、送話筐体3を、背面を下にして机DIに載置した状態を示している。送話筐体3の背面は略平面状に形成されており、机DIの表面に当接している。従って、放音口16は机DIにより塞がれている。
【0029】
凸部18は、受話筐体2の送話筐体3に対向する面から送話筐体3側へ突出しており、その頂面18cは、送話筐体3の背面を含む平面よりも内側にある。従って、頂面18cと机DIの表面との間には隙間Sがある。なお、送話筐体3の背面を含む平面は、送話筐体3の背面の平面状部分を含む仮想平面である。背面の平面状部分は、当該平面状部分により机上等に安定して載置可能な広さを有していればよい。図6においては、机DIの表面は背面を含む平面と一致している。
【0030】
また、上述のように、凸部18の外周面18aと凹部19の壁面19aとの間には空間Tがあり、壁面19aには放音口9kが開口している。従って、報知用スピーカー25から出力された音は、矢印y1で示すように、放音口9k、凸部18と凹部19との間の空間T、頂面18cと机DIの表面との間の隙間Sを通過して外方へ伝わる。
【0031】
図7は、開状態における、報知用スピーカー25の放音経路を示す断面図である。凸部18は、受話筐体2の端部よりも若干中央側の位置から突出するように形成されており、前記凸部18と端面との間には平坦面29を有している。そして、開状態においては、受話筐体2の平坦面29と送話筐体3の蓋体10の端部30とが当接することにより受話筐体2の送話筐体3に対する回転を規制するようになっており、前記受話筐体2の平坦面29と送話筐体3の蓋体10の端部30とでストッパ部31を構成するようになっている。なお、平坦面29は連結部4の回転軸方向において凹部19に亘る長さを有している。
【0032】
ストッパ部31により、受話筐体2の回転が規制される。このとき、凸部18と凹部19との間の空間Tは、背面側がストッパ部31により塞がれる。一方、当該空間Tは対向面側へ開口している。従って、報知用スピーカー25から出力された音は、矢印y2で示すように、放音口9k、凸部18と凹部19との間の空間を通過して、筐体対向面側へ放出される。
【0033】
なお、凸部18は半円筒状に形成されていることから、凸部18及び凹部19との間の空間は、ラッパ状に拡径しており、効率的に外方へ音を出力することができる。
【0034】
図8は、携帯電話機1の信号処理系の構成の一例を示すブロック図である。携帯電話機1は、CPU35、メモリ36、通信処理部37、アンテナ38、音声処理部39、報知用スピーカー25、マイクロフォン40、通話用のスピーカー41、メイン表示部11、サブ表示部12、画像処理部42、操作部13を備えている。
【0035】
CPU36及びメモリ36は例えばICにより構成され、操作部13等の各種手段からの信号に基づいて所定の演算を行い、画像処理部42等の各種手段の制御を実行する。通信処理部37は、高周波回路を含んで構成され、電波を利用した無線通信を行うために、CPU35で処理された音声データ、画像データ等の各種データを変調して、アンテナ38を介して送信する。また、通信処理部37は、アンテナ38を介して受信した信号を復調してCPU35に出力する。音声処理部39は、CPU35からの音声データを音声信号に変換してスピーカ25、41に出力し、又、マイクロフォン40からの音声信号を音声データに変換してCPU35に出力する。画像処理部42は、CPU35からの映像データを映像信号に変換してメイン表示部11、サブ表示部12に出力する。
【0036】
以上の第1の実施形態によれば、受話筐体2の凸部18と、送話筐体3の凹部19との間には空間Tを有すると共に、空間Tを形成する凹部19壁面に、報知用スピーカー25からの音を放音する放音口9kを形成してなり、回動を規制すると共に、空間Tの一方端を閉塞するストッパ部31を具備することから、閉状態においては送話筐体3の背面側から放音でき、開状態においては受話筐体2及び送話筐体3の対向面側から放音することができる。従って、報知用スピーカー25からの音を効率的に使用者に放出することができる。
【0037】
送話筐体3内には報知用スピーカー25からの音を放音口9kへ導くための導音空間SPを有すると共に、報知用スピーカー25の放音面25bが背面側を向くように報知用スピーカー25を送話筐体3内に配置してあることから、報知用スピーカー25により出力した音を導音空間SPを介して効率的に筐体外部へ放出しつつ、放音口9kから侵入した水分が直接的に放音面25bに侵入することが抑制される。
【0038】
送話筐体3の背面に導音空間SPと連通する放音口16を有することから、背面に向く放音面25bからの音を直接的に筐体外部から放出することもでき、閉状態における放音の効率を向上させることができる。放音口9k及び放音口16の相対的な大きさを調整することにより、開状態における効率と閉状態における効率とのバランスを、使用者のニーズに合わせて適切に調整することができる。
【0039】
(第2の実施形態)
図9は、本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機101の外観斜視図であり、図9(a)は開状態を、図9(b)は閉状態を示している。
【0040】
携帯電話機101の基本的な構成は、第1の実施形態の携帯電話機1と略同様である。すなわち、携帯電話機101は、いわゆる折り畳み式の携帯電話機であり、連結部104において回動可能な受話筐体102及び送話筐体103を備え、受話筐体102は、対向面側ケース106及び背面側ケース107からなり、対向面に画像を表示する表示部111及び通話用のスピーカー112を有し、送話筐体103は、対向面側ケース108、背面側ケース109及び不図示の蓋体からなり、対向面に露出するキートップを含む操作部113、アンテナ、ICチップや電子部品を実装した回路基板、バッテリー、通話用マイク114を有している。信号処理系の構成も第1の実施形態(図8)と略同様である。
【0041】
ただし、携帯電話機101では、凸部118が送話筐体(第1筐体)103に設けられ、凹部119が受話筐体(第2筐体)102に設けられている。また、報知用スピーカー125(図1では不図示)は、受話筐体102に設けられている。
【0042】
図9(a)に示すように、受話筐体102の対向面には、対向面側ケース106に挿通されるとともに背面側ケース107に螺合されて、対向面側ケース106と背面側ケース107とを固定するねじ160を隠すためのスクリューキャップ156が設けられている。スクリューキャップ156は、例えば、ゴム等の弾性部材により形成されている。スクリューキャップ156は、例えば、連結部104の回転軸方向に延びる長尺状に形成されており、その長さは、凹部119に亘る長さ以上、受話筐体102の幅に相当する長さ以下の間で設定されている。スクリューキャップ156は、携帯電話機1を閉状態としたときに、送話筐体103の対向面に当接するように、受話筐体102の対向面よりも突出するように形成されている(図12参照)。なお、スクリューキャップ156は、送話筐体103に設けられていてもよいし、受話筐体102及び送話筐体103の双方に設けられていてもよい。
【0043】
図10は、連結部104の拡大図である。送話筐体103の凸部118側端面には、連結部104の回転軸方向に延びる突条部131を備え、突条部131は送話筐体103の幅に亘る長さを有している。突条部131は、断面三角形に形成されており、傾斜面131aを有している。そして、受話筐体102が送話筐体103に対して160度程度開いたときに、受話筐体102の端部側に設けられた傾斜面102a(図11も参照)が、送話筐体103の端部側に設けられた突条部131の傾斜面131aに当接してそれ以上の回転が規制されるようになっている。このとき、受話筐体102の傾斜面102aと、送話筐体103の傾斜面131aとが面接触するようになっており、受話筐体102の傾斜面102aと、送話筐体103の突条部131とでストッパ部150を構成するようになっている(図13も参照)。
【0044】
図11は、受話筐体102の分解斜視図である。背面側ケース107の凹部119を形成する壁部107gには、複数の放音口107kが開口している。放音口107kは、例えば連結部104の回転軸方向に延びるように3列で配列されている。
【0045】
対向面側ケース106側には表示部111が配置されている。表示部111は、例えば液晶ディスプレイにより構成され、その広さは対向面側ケース106の半分強であり、連結部104とは反対側の端部寄りに配置されている。
【0046】
表示部111の背面側ケース107側には、フレキシブルプリント配線板(FPC)151が配置されている。FPC151は、例えば表示部111と同等の広さを有するとともに、連結部104側に延出する延出部151aを有している。FPC151は、表示部111と接続されるともに、表示部111を駆動するための画像処理部(図8の画像処理部42参照)を構成するIC等が設けられる。
【0047】
受話筐体102内のうち連結部104側には、報知用スピーカー125が配置される。報知用スピーカー125は、例えば略円盤状に構成され、電極部125aを対向面側ケース106側に、放音面125bを背面側ケース107側に向けて配置される。電極部125aの対向位置には、FPC151の延出部151aが延びてきており、電極部125aは延出部151aに設けられた接点152に接続される。
【0048】
報知用スピーカー125は、スピーカーホルダー154により受話筐体102へ取り付けられる。スピーカーホルダー154は、例えば内周部154a及び外周部154bを備えている。
【0049】
内周部154aは、報知用スピーカー125の厚さと同程度の厚さ(高さ)の円筒状に形成されており、対向面側ケース106側から報知用スピーカー125が嵌入される。内周部154aの背面側ケース107側は、報知用スピーカー125の放音面125bよりも径の小さい開口部154cが形成されている。なお、報知用スピーカー125と内周部154aとはネジや接着剤により互いに固定してもよい。
【0050】
外周部154bは、内周部154aの周囲を囲む板状に概ね形成されている。なお、厳密には、外周部154bは、内周部154aの表示部111側の一部を構成している(図12も参照)。外周部154bは内周部154aよりも紙面上下方向において高く形成されており、外周部154bが対向面側ケース106及び背面側ケース107に挟まれることにより、スピーカーホルダー154は受話筐体102に対して固定される。
【0051】
外周部154bは、連結部104側においては内周部154aを囲んでおらず、連結部104側には空所154dが形成されている。空所154dは、例えば、報知用スピーカー125の円周の3割〜5割に亘って設けられている。外周部154bの連結部104側と反対側(内周部154aの表示部111側も構成)には、対向面側ケース106側に切り欠き部154eが設けられている。切り欠き部145eは、例えば、報知用スピーカー125の円周の3割〜5割に亘って設けられている。
【0052】
なお、スピーカーホルダー154の材質は、対向面側ケース106や背面側ケース107との密閉性を向上させるためにエストラマ等の柔軟な材質とすることが好ましい。あるいは、PC、ABS等の樹脂により形成し、密閉箇所にスポンジ等の弾性部材を配置することが好ましい。
【0053】
図12は、閉状態における、報知用スピーカー125の放音経路を示す断面図である。図12では、受話筐体102を送話筐体103の上にして机等(不図示)に載置した状態を示しており、紙面上方が天面側である。
【0054】
凸部118は、送話筐体103から天面側へ突出している。また、第1の実施形態と同様に、凸部118の外周面118aと凹部119の壁面119aとの間には空間T2がある。そして、壁面119aには放音口107kが開口している。従って、報知用スピーカー125から出力された音は、矢印y11で示すように、スピーカーホルダー154の開口部154c及び空所154d(図11参照)、放音口107k、凸部118と凹部119との間の空間T2を通過して外方(上方)へ伝わる。
【0055】
この際、空間T2は、受話筐体102及び送話筐体103の対向面側がスクリューキャップ156により閉塞されており、受話筐体102及び送話筐体103の対向面間に音が逃げることが防止され、上方への音量が大きくなる。
【0056】
また、報知用スピーカー125は、スピーカーホルダー154により受話筐体102の対向面との間に空間B1を形成するように保持されている。また、スピーカーホルダー154の表示部111側の空間B2は、切り欠き部154eにより空間B1と連通されている。従って、空間B1及び空間B2により、報知用スピーカー125のバックキャビティが十分に確保され、報知用スピーカー125の振動板の背面側の圧力変動が吸収されて音質が向上する。
【0057】
図13は、開状態における、報知用スピーカー125の放音経路を示す断面図である。上述のように、開状態では、送話筐体103の傾斜面131aが受話筐体102の傾斜面102aに係合することにより、受話筐体102の回転が規制される。このとき、凸部118と凹部119との間の空間T2は、背面側がストッパ部131により塞がれる。一方、空間T2は対向面側へ開口している。従って、報知用スピーカー125から出力された音は、矢印y12で示すように、スピーカーホルダー154の開口部154c及び空所154d(図11参照)、放音口107k、凸部118と凹部119との間の空間T2を通過して受話筐体102及び送話筐体103の対向面側へ伝わる。
【0058】
なお、携帯電話機1において、受話筐体102の背面側の報知用スピーカー125に対向する位置(図12の領域157)に、第2の放音口を設けてもよい。この場合、報知用スピーカー125の音を直接的に筐体外部へ放出することができ、また、第1の実施形態のように、机等により塞がれるおそれもない。
【0059】
以上の第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。即ち、送話筐体103の凸部118と、受話筐体102の凹部119との間には空間T2を有すると共に、空間T2を形成する凹部119壁面に、報知用スピーカー125からの音を放音する放音口107kを形成してなり、回動を規制すると共に、空間T2の一方端を閉塞するストッパ部131を具備することから、閉状態においては送話筐体103の背面側から放音でき、開状態においては受話筐体102及び送話筐体103の対向面側から放音することができる。従って、報知用スピーカー125からの音を効率的に使用者に放出することができる。
【0060】
さらに、第2の実施形態では、操作部113を有する送話筐体103に凸部118を設け、表示部111を有する受話筐体102に凹部119及び報知用スピーカー125を設けている。一般に、折り畳み式の携帯端末装置では、表示部を有する筐体が操作部を有する筐体の上になるように机等に載置される。このことは、閉状態及び開状態の双方についていえ、また、特にノートパソコンでは、操作部を有する筐体が表示部を有する筐体の下側になるのが極めて一般的である。従って、第1の実施形態では、図6に示したように、凸部18の頂面18cと机DIとの間に隙間Sが生じるように、凸部18の高さを送話筐体3の背面から突出しないように設定したが、第2の実施形態では、凸部118は天面側に向くから、凸部118の高さをどのように設定しても報知用スピーカー125の音を空間T2から外方へ放出でき、凸部118の設計の自由度が高い。
【0061】
本発明は以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施してよい。
【0062】
本発明の携帯端末装置は、第1筐体及び第2筐体が凹部及び凸部により開閉可能に連結され、スピーカーを有するものであればよい。スピーカーは、閉状態及び開状態において、音声を出力して何らかの情報をユーザに報知するものであればよい。従って、携帯端末装置は、携帯電話機に限定されず、例えばノートパソコンでもよいし、PDAでもよい。スピーカーは、電話やメールの着信を報知するものに限定されず、例えば時刻を知らせるものやバッテリー切れを報知するものであってもよい。換言すれば、携帯端末装置は通信機能を有していなくてもよい。
【0063】
ストッパ部は、開状態において第1筐体と第2筐体とを互いに当接させて回動を規制するものであればよい。換言すれば、第1筐体と第2筐体とが係合して回動が規制されれば、当該係合した部分がストッパ部であるといえる。従って、ストッパ部は、筐体から明示的に突出する部分でなくてもよく、第1の実施形態のように、筐体の自然な形状を形成する一部分であってもよい。また、第1筐体及び第2筐体が互いに係合しているのであるから、ストッパ部は、第1筐体に設けられているとも、第2筐体に設けられているとも、双方に設けられているとも捉えることができる。例えば、図13の受話筐体102の傾斜面102aもストッパ部であると捉えることができる。
【0064】
ストッパ部は、第1の実施形態のように線接触するものでもよいし、第2の実施形態のように面接触するものでもよい。ただし、面接触にすれば、連結部における凸部と凹部との間の空間の一方端を密に略閉塞することができる。また、密閉性を高めるために、ストッパ部をゴム等の弾性部材により構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1の実施形態の携帯電話機を開状態で示す外観斜視図。
【図2】図1の携帯電話機を閉状態で示す外観斜視図。
【図3】図1の携帯電話機の連結部を一部破断して示す斜視図。
【図4】図1の携帯電話機の送話筐体の一部を示す断面図。
【図5】図1の携帯電話機の送話筐体の背面側カバーの斜視図。
【図6】図1の携帯電話機の報知用スピーカーの閉状態における放音経路を示す断面図。
【図7】図1の携帯電話機の報知用スピーカーの開状態における放音経路を示す断面図。
【図8】図1の携帯電話機の信号処理系の構成を示すブロック図。
【図9】本発明の第2の実施形態の携帯電話機を示す外観斜視図。
【図10】図9の携帯電話機の連結部の拡大図。
【図11】図9の携帯電話機の受話筐体の分解斜視図。
【図12】図9の携帯電話機の報知用スピーカーの閉状態における放音経路を示す断面図。
【図13】図9の携帯電話機の報知用スピーカーの開状態における放音経路を示す断面図。
【符号の説明】
【0066】
1…携帯電話機(携帯端末装置)、2…受話筐体(第1筐体)、3…送話筐体(第2筐体)、18…凸部、19…凹部、25…報知用スピーカー、9k…第1の放音口、150…ストッパ部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機、無線機能を有するPDAやデジタルカメラ等の携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機、無線機能を有するPDAやデジタルカメラ等の携帯端末装置では、折り畳み式のものが主流となっている。この種の携帯端末装置は、折り畳むことでコンパクトにできるため、持ち運びに有利であり、また、開くことで十分な大きさを確保できると共に、携帯電話機においてはスピーカーとマイクをそれぞれ使用者の耳元と口元に近づけることができるようになっている。
【0003】
ところで、携帯端末装置は着信を知らせたり、誤操作を知らせるための報知用スピーカーを有しており、折り畳み式のように、閉状態で2つの筐体を重ね合せ可能なものにおいては、閉状態において報知音を外方へ放音できるように、通常、閉状態において互いに対向する筐体の対向面と反対側の面(背面)に報知用スピーカーの放音口が設けられている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−254026号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、携帯端末装置の開状態においては、背面側の放音口から放音されると、使用者とは反対側に放音されることになるから、使用者への音の伝達効率が低くなる。このため、使用者にとって十分な音量を確保するためには、スピーカーの出力を大きくする必要があり、スピーカーやアンプの大型化、電力消費の増大等を招くことになる。
【0005】
本発明の目的は、閉状態及び開状態の双方において効率的に放音できる重ね合せ型の携帯端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の携帯端末装置は、一端に凸部を有する第1筐体と、一端に前記凸部が嵌入される凹部を有すると共に、スピーカーを内蔵した第2筐体とを有し、前記凸部を前記凹部内に回動可能に連結することにより前記第1筐体と前記第2筐体とを開閉可能に構成した携帯端末装置であって、前記凸部と前記凹部との間には空間を有すると共に、前記空間を形成する凹部壁面に、前記スピーカーからの音を放音する第1の放音口を形成してなり、前記第1筐体及び/又は前記第2筐体には携帯端末装置の開状態において互いに当接して回動を規制すると共に、前記空間の一方端を略閉塞するストッパ部を具備する。
【0007】
好適には、前記第1筐体のうち前記第2筐体との対向面には操作部を有すると共に、前記第2筐体のうち前記第1筐体との対向面には表示部を有する。
【0008】
好適には、前記第2筐体内には前記スピーカーからの音を前記第1の放音口へ導くための導音空間を有すると共に、前記スピーカーの放音面が前記第2筐体のうち前記第1筐体との対向面と反対側の面を向くように前記スピーカーを前記第2筐体内に配置してある。
【0009】
好適には、前記第2筐体のうち前記第1筐体との対向面と反対側の面に前記導音空間と連通する第2の放音口を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、閉状態及び開状態の双方において効率的に放音できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(第1の実施形態)
図1及び図2は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機1を示す外観斜視図である。携帯電話機1はいわゆる折り畳み式の携帯電話機として構成されており、図1は開状態を、図2(a)及び図2(b)は閉状態をそれぞれ示している。
【0012】
携帯電話機1は、受話筐体(第1筐体)2と、送話筐体(第2筐体)3とを備えている。受話筐体2及び送話筐体3は、それぞれの端部が連結部4により連結されており、携帯電話機1は、連結部4側を回動の中心として開閉可能である。受話筐体2及び送話筐体3は、それぞれ概ね薄型直方体に形成されており、閉状態では互いに重ね合わされ、一方の筐体側から他方の筐体側を見たときに互いの輪郭が略一致するようになっている。
【0013】
受話筐体2は、閉状態で送話筐体3に対向する側の対向面側ケース6と、その背面側の背面側ケース7とを備えている。対向面側ケース6及び背面側ケース7は、例えば樹脂によりそれぞれ成形されている。受話筐体2には、対向面に画像を表示するメイン表示部11と、背面に画像を表示するサブ表示部12とが設けられている。メイン表示部11及びサブ表示部12は、例えば液晶表示ディスプレイによって構成されている。なお、受話筐体2には、この他、通話用のスピーカー41(図8参照)が設けられ、当該スピーカーの放音口17が対向面側ケース6に設けられている。
【0014】
送話筐体3は、閉状態で受話筐体2に対向する側の対向面側ケース8と、その背面側の背面側ケース9と、背面側ケース9の背面側に被せられる蓋体10とを備えている。対向面側ケース8、背面側ケース9及び蓋体10は、例えば樹脂によりそれぞれ成形されている。送話筐体3には、ユーザの操作を受け付ける操作部13、アンテナ38(図8参照)、ICチップや電子部品を実装した回路基板(不図示)、バッテリー26(図4参照)、通話用マイクロフォン40(図8参照)、報知用スピーカー25(図3参照)が設けられている。操作部13には、例えばテンキーボタン14aやカーソルキー14b等の各種ボタンが配置されており、対向面側ケース8より露出するようになっている。送話筐体3の対向面には通話用のマイクロフォン40の集音口15が開口し、送話筐体3の背面には報知用スピーカー25の放音口(第2の放音口)16が開口している。なお、第2の放音口は省略してもよい。
【0015】
図3は、開状態の携帯電話機1の連結部4付近を一部破断して示す斜視図である。連結部4は、受話筐体2の一端から突出した凸部18が送話筐体3の一端に設けられた凹部19に嵌入されるとともに、軸部材20が凹部19の壁部及び凸部18に挿通されて構成されている。軸部材20は、凹部19の壁部及び凸部18のうち少なくとも一方に対して軸支されており、受話筐体2及び送話筐体3は軸部材20を回転軸として互いに回転可能である。
【0016】
凸部18は、回転軸周りの半円筒状に概ね形成されている。凸部18の回転軸周りの外周面18aと凹部19の回転軸に平行な壁面19aとの間には空間を形成する隙間があり、凸部18の凹部19に対する回転は許容されている。一方、凸部18の回転軸に直交する端面18bと凹部19の凸部18を挟み込む壁面19bとの間にはほとんど隙間がない構成となっている。
【0017】
送話筐体3内の凹部19側近傍には、報知用スピーカー25が設けられている。報知用スピーカー25は、着信を使用者に報知したり、誤操作を使用者に報知する際に報知音を放音するためのものである。また、報知用スピーカー25は他の用途にも種々利用される。例えば、携帯電話機1をユーザの耳元に近づけずに通話を行う、いわゆるハンズフリー機能を利用する場合に、受話用のスピーカーとして機能する。携帯電話機1のムービー再生機能を利用する場合に、再生される音声を出力するスピーカーとして機能する。
【0018】
報知用スピーカー25は、例えば略円盤状に構成されており、円盤の一方の面に電極部25aを、他方の面に放音面25b(図4参照)を有し、放音面25bを送話筐体3の背面側(図3の紙面下方)にして配置されている。報知用スピーカー25は、電極部25aに入力された電流に応じて放音面25b側に配置されたコーン紙(振動板)を振動させて音声を出力する。
【0019】
図4は、送話筐体3の一部を示す断面図(図5のIV−IV線矢視方向)である。なお、紙面上方は送話筐体3の背面側である。報知用スピーカー25は、背面側ケース9の筐体内部側(紙面下方)に配置されている。背面側ケース9の背面側には、携帯電話機1の電源としてのバッテリー26が配置されている。報知用スピーカー25及びバッテリー26は蓋体10により覆われている。
【0020】
図5は、送話筐体3の背面側ケース9を送話筐体3の背面側から見た斜視図である。背面側ケース9は、全体として、筐体内部側を凹とする箱状に概ね形成されており、背面側ケース9と対向面側ケース8とを合体させると、その間には空間が形成される。当該空間には例えば高周波回路等が設けられた不図示の回路基板が配置される。
【0021】
図2に示すように、対向面側ケース8と背面側ケース9は、互いに同等の広さに形成されている。蓋体10は、背面側ケース9に被せられ、送話筐体3の略背面全体を構成している。具体的には、蓋体10は、背面全体のうち、連結部4とは反対側の端部から凹部19に至るまでの範囲を形成し、凸部18を挟み込む凸部9aの背面のみが背面側ケース9により構成されている。なお、図5にも示すように、背面側ケース9は、凸部9aを残して背面を切り欠いたように形成されており、蓋体10が背面側ケース9に被せられると、図2及び図4に示すように、凸部9aの背面と蓋体10の背面とは連続する。
【0022】
図4及び図5に示すように、背面側ケース9には、報知用スピーカー25を保持する保持部9bが設けられている。具体的には、背面側ケース9の凹部19側の部分に、背面側を凹とする凹部9cが設けられており、保持部9bは、凹部9cの底部から背面側に突出するように形成されている。保持部9bは、背面側ケース9の筐体内部側を凹とする略円筒状に形成され、壁部9d及び端面部9eを有している。端面部9eは、報知用スピーカー25の放音面25bよりも径の小さい円形の開口部9fが開口するように円形の枠状に形成されている。報知用スピーカー25は、保持部9bの凹部に筐体内部側から挿入嵌合されるとともに、電極部25a側を回路基板等により抑止されることにより、保持部9bに保持される。
【0023】
図4に示すように、保持部9bの突出量は凹部9cの深さに比較して小さく、端面部9eと、蓋体10との間には隙間が生じる。従って、保持部9bの周囲には、報知用スピーカー25から出力され、開口部9fから放出された音を筐体外部へ導くための導音空間SPが形成されている。
【0024】
導音空間SPは、開口部9fからの音を導く第1空間SPaと、第1空間SPaからの音を導く第2空間SPbとを有している。第1空間SPaは、蓋体10、端面部9e及び凹部9cの背面中央側の壁部により規定されている。第2空間SPbは、蓋体10、壁部9d、凹部9cの底部9h及び凹部9cの凹部19側の壁部9gにより規定されている。第2空間SPbは第1空間SPaに比較して、保持部9bの突出量だけ蓋体10からの幅(深さ)が大きい。第1空間SPaにおける蓋体10と端面部9eとの距離Wは、例えば、報知用スピーカー25の厚さの1/10〜1/2であり、例えば、1mmである。保持部9bの突出量Vは、例えば報知用スピーカー25の厚さと同程度であり、例えば5mmである。
【0025】
第1空間SPaには、蓋体10に設けられた放音口16が連通している。従って、第1空間SPaにより導かれた音は放音口16を介して筐体外部へ放出される。
【0026】
第2空間SPbには、複数の放音口9kが連通している。放音口9kは、凹部9cの壁部9gに開口しており、例えば、連結部4の回転軸方向に沿って一列に配列されている。壁部9gは、凹部19を形成する壁部でもあり、第2空間SPbにより導かれた音は放音口9kを介して凹部19へ放出される。
【0027】
なお、図5に示すように、凹部9cは、背面側ケース9中央側が保持部9bと同径の弧状に形成されており、背面中央側から凹部19側へ広がるように形成されている。換言すれば、第2空間SPbは凹部19側へ広がるように形成されている。また、放音口9kは、報知用スピーカー25の直径と略同程度若しくはそれよりも広い範囲に亘って配列されている。従って、効率的に報知用スピーカー25の音が放出される。
【0028】
図6は、閉状態における、報知用スピーカー25の放音経路を示す断面図である。図6では、送話筐体3を、背面を下にして机DIに載置した状態を示している。送話筐体3の背面は略平面状に形成されており、机DIの表面に当接している。従って、放音口16は机DIにより塞がれている。
【0029】
凸部18は、受話筐体2の送話筐体3に対向する面から送話筐体3側へ突出しており、その頂面18cは、送話筐体3の背面を含む平面よりも内側にある。従って、頂面18cと机DIの表面との間には隙間Sがある。なお、送話筐体3の背面を含む平面は、送話筐体3の背面の平面状部分を含む仮想平面である。背面の平面状部分は、当該平面状部分により机上等に安定して載置可能な広さを有していればよい。図6においては、机DIの表面は背面を含む平面と一致している。
【0030】
また、上述のように、凸部18の外周面18aと凹部19の壁面19aとの間には空間Tがあり、壁面19aには放音口9kが開口している。従って、報知用スピーカー25から出力された音は、矢印y1で示すように、放音口9k、凸部18と凹部19との間の空間T、頂面18cと机DIの表面との間の隙間Sを通過して外方へ伝わる。
【0031】
図7は、開状態における、報知用スピーカー25の放音経路を示す断面図である。凸部18は、受話筐体2の端部よりも若干中央側の位置から突出するように形成されており、前記凸部18と端面との間には平坦面29を有している。そして、開状態においては、受話筐体2の平坦面29と送話筐体3の蓋体10の端部30とが当接することにより受話筐体2の送話筐体3に対する回転を規制するようになっており、前記受話筐体2の平坦面29と送話筐体3の蓋体10の端部30とでストッパ部31を構成するようになっている。なお、平坦面29は連結部4の回転軸方向において凹部19に亘る長さを有している。
【0032】
ストッパ部31により、受話筐体2の回転が規制される。このとき、凸部18と凹部19との間の空間Tは、背面側がストッパ部31により塞がれる。一方、当該空間Tは対向面側へ開口している。従って、報知用スピーカー25から出力された音は、矢印y2で示すように、放音口9k、凸部18と凹部19との間の空間を通過して、筐体対向面側へ放出される。
【0033】
なお、凸部18は半円筒状に形成されていることから、凸部18及び凹部19との間の空間は、ラッパ状に拡径しており、効率的に外方へ音を出力することができる。
【0034】
図8は、携帯電話機1の信号処理系の構成の一例を示すブロック図である。携帯電話機1は、CPU35、メモリ36、通信処理部37、アンテナ38、音声処理部39、報知用スピーカー25、マイクロフォン40、通話用のスピーカー41、メイン表示部11、サブ表示部12、画像処理部42、操作部13を備えている。
【0035】
CPU36及びメモリ36は例えばICにより構成され、操作部13等の各種手段からの信号に基づいて所定の演算を行い、画像処理部42等の各種手段の制御を実行する。通信処理部37は、高周波回路を含んで構成され、電波を利用した無線通信を行うために、CPU35で処理された音声データ、画像データ等の各種データを変調して、アンテナ38を介して送信する。また、通信処理部37は、アンテナ38を介して受信した信号を復調してCPU35に出力する。音声処理部39は、CPU35からの音声データを音声信号に変換してスピーカ25、41に出力し、又、マイクロフォン40からの音声信号を音声データに変換してCPU35に出力する。画像処理部42は、CPU35からの映像データを映像信号に変換してメイン表示部11、サブ表示部12に出力する。
【0036】
以上の第1の実施形態によれば、受話筐体2の凸部18と、送話筐体3の凹部19との間には空間Tを有すると共に、空間Tを形成する凹部19壁面に、報知用スピーカー25からの音を放音する放音口9kを形成してなり、回動を規制すると共に、空間Tの一方端を閉塞するストッパ部31を具備することから、閉状態においては送話筐体3の背面側から放音でき、開状態においては受話筐体2及び送話筐体3の対向面側から放音することができる。従って、報知用スピーカー25からの音を効率的に使用者に放出することができる。
【0037】
送話筐体3内には報知用スピーカー25からの音を放音口9kへ導くための導音空間SPを有すると共に、報知用スピーカー25の放音面25bが背面側を向くように報知用スピーカー25を送話筐体3内に配置してあることから、報知用スピーカー25により出力した音を導音空間SPを介して効率的に筐体外部へ放出しつつ、放音口9kから侵入した水分が直接的に放音面25bに侵入することが抑制される。
【0038】
送話筐体3の背面に導音空間SPと連通する放音口16を有することから、背面に向く放音面25bからの音を直接的に筐体外部から放出することもでき、閉状態における放音の効率を向上させることができる。放音口9k及び放音口16の相対的な大きさを調整することにより、開状態における効率と閉状態における効率とのバランスを、使用者のニーズに合わせて適切に調整することができる。
【0039】
(第2の実施形態)
図9は、本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機101の外観斜視図であり、図9(a)は開状態を、図9(b)は閉状態を示している。
【0040】
携帯電話機101の基本的な構成は、第1の実施形態の携帯電話機1と略同様である。すなわち、携帯電話機101は、いわゆる折り畳み式の携帯電話機であり、連結部104において回動可能な受話筐体102及び送話筐体103を備え、受話筐体102は、対向面側ケース106及び背面側ケース107からなり、対向面に画像を表示する表示部111及び通話用のスピーカー112を有し、送話筐体103は、対向面側ケース108、背面側ケース109及び不図示の蓋体からなり、対向面に露出するキートップを含む操作部113、アンテナ、ICチップや電子部品を実装した回路基板、バッテリー、通話用マイク114を有している。信号処理系の構成も第1の実施形態(図8)と略同様である。
【0041】
ただし、携帯電話機101では、凸部118が送話筐体(第1筐体)103に設けられ、凹部119が受話筐体(第2筐体)102に設けられている。また、報知用スピーカー125(図1では不図示)は、受話筐体102に設けられている。
【0042】
図9(a)に示すように、受話筐体102の対向面には、対向面側ケース106に挿通されるとともに背面側ケース107に螺合されて、対向面側ケース106と背面側ケース107とを固定するねじ160を隠すためのスクリューキャップ156が設けられている。スクリューキャップ156は、例えば、ゴム等の弾性部材により形成されている。スクリューキャップ156は、例えば、連結部104の回転軸方向に延びる長尺状に形成されており、その長さは、凹部119に亘る長さ以上、受話筐体102の幅に相当する長さ以下の間で設定されている。スクリューキャップ156は、携帯電話機1を閉状態としたときに、送話筐体103の対向面に当接するように、受話筐体102の対向面よりも突出するように形成されている(図12参照)。なお、スクリューキャップ156は、送話筐体103に設けられていてもよいし、受話筐体102及び送話筐体103の双方に設けられていてもよい。
【0043】
図10は、連結部104の拡大図である。送話筐体103の凸部118側端面には、連結部104の回転軸方向に延びる突条部131を備え、突条部131は送話筐体103の幅に亘る長さを有している。突条部131は、断面三角形に形成されており、傾斜面131aを有している。そして、受話筐体102が送話筐体103に対して160度程度開いたときに、受話筐体102の端部側に設けられた傾斜面102a(図11も参照)が、送話筐体103の端部側に設けられた突条部131の傾斜面131aに当接してそれ以上の回転が規制されるようになっている。このとき、受話筐体102の傾斜面102aと、送話筐体103の傾斜面131aとが面接触するようになっており、受話筐体102の傾斜面102aと、送話筐体103の突条部131とでストッパ部150を構成するようになっている(図13も参照)。
【0044】
図11は、受話筐体102の分解斜視図である。背面側ケース107の凹部119を形成する壁部107gには、複数の放音口107kが開口している。放音口107kは、例えば連結部104の回転軸方向に延びるように3列で配列されている。
【0045】
対向面側ケース106側には表示部111が配置されている。表示部111は、例えば液晶ディスプレイにより構成され、その広さは対向面側ケース106の半分強であり、連結部104とは反対側の端部寄りに配置されている。
【0046】
表示部111の背面側ケース107側には、フレキシブルプリント配線板(FPC)151が配置されている。FPC151は、例えば表示部111と同等の広さを有するとともに、連結部104側に延出する延出部151aを有している。FPC151は、表示部111と接続されるともに、表示部111を駆動するための画像処理部(図8の画像処理部42参照)を構成するIC等が設けられる。
【0047】
受話筐体102内のうち連結部104側には、報知用スピーカー125が配置される。報知用スピーカー125は、例えば略円盤状に構成され、電極部125aを対向面側ケース106側に、放音面125bを背面側ケース107側に向けて配置される。電極部125aの対向位置には、FPC151の延出部151aが延びてきており、電極部125aは延出部151aに設けられた接点152に接続される。
【0048】
報知用スピーカー125は、スピーカーホルダー154により受話筐体102へ取り付けられる。スピーカーホルダー154は、例えば内周部154a及び外周部154bを備えている。
【0049】
内周部154aは、報知用スピーカー125の厚さと同程度の厚さ(高さ)の円筒状に形成されており、対向面側ケース106側から報知用スピーカー125が嵌入される。内周部154aの背面側ケース107側は、報知用スピーカー125の放音面125bよりも径の小さい開口部154cが形成されている。なお、報知用スピーカー125と内周部154aとはネジや接着剤により互いに固定してもよい。
【0050】
外周部154bは、内周部154aの周囲を囲む板状に概ね形成されている。なお、厳密には、外周部154bは、内周部154aの表示部111側の一部を構成している(図12も参照)。外周部154bは内周部154aよりも紙面上下方向において高く形成されており、外周部154bが対向面側ケース106及び背面側ケース107に挟まれることにより、スピーカーホルダー154は受話筐体102に対して固定される。
【0051】
外周部154bは、連結部104側においては内周部154aを囲んでおらず、連結部104側には空所154dが形成されている。空所154dは、例えば、報知用スピーカー125の円周の3割〜5割に亘って設けられている。外周部154bの連結部104側と反対側(内周部154aの表示部111側も構成)には、対向面側ケース106側に切り欠き部154eが設けられている。切り欠き部145eは、例えば、報知用スピーカー125の円周の3割〜5割に亘って設けられている。
【0052】
なお、スピーカーホルダー154の材質は、対向面側ケース106や背面側ケース107との密閉性を向上させるためにエストラマ等の柔軟な材質とすることが好ましい。あるいは、PC、ABS等の樹脂により形成し、密閉箇所にスポンジ等の弾性部材を配置することが好ましい。
【0053】
図12は、閉状態における、報知用スピーカー125の放音経路を示す断面図である。図12では、受話筐体102を送話筐体103の上にして机等(不図示)に載置した状態を示しており、紙面上方が天面側である。
【0054】
凸部118は、送話筐体103から天面側へ突出している。また、第1の実施形態と同様に、凸部118の外周面118aと凹部119の壁面119aとの間には空間T2がある。そして、壁面119aには放音口107kが開口している。従って、報知用スピーカー125から出力された音は、矢印y11で示すように、スピーカーホルダー154の開口部154c及び空所154d(図11参照)、放音口107k、凸部118と凹部119との間の空間T2を通過して外方(上方)へ伝わる。
【0055】
この際、空間T2は、受話筐体102及び送話筐体103の対向面側がスクリューキャップ156により閉塞されており、受話筐体102及び送話筐体103の対向面間に音が逃げることが防止され、上方への音量が大きくなる。
【0056】
また、報知用スピーカー125は、スピーカーホルダー154により受話筐体102の対向面との間に空間B1を形成するように保持されている。また、スピーカーホルダー154の表示部111側の空間B2は、切り欠き部154eにより空間B1と連通されている。従って、空間B1及び空間B2により、報知用スピーカー125のバックキャビティが十分に確保され、報知用スピーカー125の振動板の背面側の圧力変動が吸収されて音質が向上する。
【0057】
図13は、開状態における、報知用スピーカー125の放音経路を示す断面図である。上述のように、開状態では、送話筐体103の傾斜面131aが受話筐体102の傾斜面102aに係合することにより、受話筐体102の回転が規制される。このとき、凸部118と凹部119との間の空間T2は、背面側がストッパ部131により塞がれる。一方、空間T2は対向面側へ開口している。従って、報知用スピーカー125から出力された音は、矢印y12で示すように、スピーカーホルダー154の開口部154c及び空所154d(図11参照)、放音口107k、凸部118と凹部119との間の空間T2を通過して受話筐体102及び送話筐体103の対向面側へ伝わる。
【0058】
なお、携帯電話機1において、受話筐体102の背面側の報知用スピーカー125に対向する位置(図12の領域157)に、第2の放音口を設けてもよい。この場合、報知用スピーカー125の音を直接的に筐体外部へ放出することができ、また、第1の実施形態のように、机等により塞がれるおそれもない。
【0059】
以上の第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。即ち、送話筐体103の凸部118と、受話筐体102の凹部119との間には空間T2を有すると共に、空間T2を形成する凹部119壁面に、報知用スピーカー125からの音を放音する放音口107kを形成してなり、回動を規制すると共に、空間T2の一方端を閉塞するストッパ部131を具備することから、閉状態においては送話筐体103の背面側から放音でき、開状態においては受話筐体102及び送話筐体103の対向面側から放音することができる。従って、報知用スピーカー125からの音を効率的に使用者に放出することができる。
【0060】
さらに、第2の実施形態では、操作部113を有する送話筐体103に凸部118を設け、表示部111を有する受話筐体102に凹部119及び報知用スピーカー125を設けている。一般に、折り畳み式の携帯端末装置では、表示部を有する筐体が操作部を有する筐体の上になるように机等に載置される。このことは、閉状態及び開状態の双方についていえ、また、特にノートパソコンでは、操作部を有する筐体が表示部を有する筐体の下側になるのが極めて一般的である。従って、第1の実施形態では、図6に示したように、凸部18の頂面18cと机DIとの間に隙間Sが生じるように、凸部18の高さを送話筐体3の背面から突出しないように設定したが、第2の実施形態では、凸部118は天面側に向くから、凸部118の高さをどのように設定しても報知用スピーカー125の音を空間T2から外方へ放出でき、凸部118の設計の自由度が高い。
【0061】
本発明は以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施してよい。
【0062】
本発明の携帯端末装置は、第1筐体及び第2筐体が凹部及び凸部により開閉可能に連結され、スピーカーを有するものであればよい。スピーカーは、閉状態及び開状態において、音声を出力して何らかの情報をユーザに報知するものであればよい。従って、携帯端末装置は、携帯電話機に限定されず、例えばノートパソコンでもよいし、PDAでもよい。スピーカーは、電話やメールの着信を報知するものに限定されず、例えば時刻を知らせるものやバッテリー切れを報知するものであってもよい。換言すれば、携帯端末装置は通信機能を有していなくてもよい。
【0063】
ストッパ部は、開状態において第1筐体と第2筐体とを互いに当接させて回動を規制するものであればよい。換言すれば、第1筐体と第2筐体とが係合して回動が規制されれば、当該係合した部分がストッパ部であるといえる。従って、ストッパ部は、筐体から明示的に突出する部分でなくてもよく、第1の実施形態のように、筐体の自然な形状を形成する一部分であってもよい。また、第1筐体及び第2筐体が互いに係合しているのであるから、ストッパ部は、第1筐体に設けられているとも、第2筐体に設けられているとも、双方に設けられているとも捉えることができる。例えば、図13の受話筐体102の傾斜面102aもストッパ部であると捉えることができる。
【0064】
ストッパ部は、第1の実施形態のように線接触するものでもよいし、第2の実施形態のように面接触するものでもよい。ただし、面接触にすれば、連結部における凸部と凹部との間の空間の一方端を密に略閉塞することができる。また、密閉性を高めるために、ストッパ部をゴム等の弾性部材により構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1の実施形態の携帯電話機を開状態で示す外観斜視図。
【図2】図1の携帯電話機を閉状態で示す外観斜視図。
【図3】図1の携帯電話機の連結部を一部破断して示す斜視図。
【図4】図1の携帯電話機の送話筐体の一部を示す断面図。
【図5】図1の携帯電話機の送話筐体の背面側カバーの斜視図。
【図6】図1の携帯電話機の報知用スピーカーの閉状態における放音経路を示す断面図。
【図7】図1の携帯電話機の報知用スピーカーの開状態における放音経路を示す断面図。
【図8】図1の携帯電話機の信号処理系の構成を示すブロック図。
【図9】本発明の第2の実施形態の携帯電話機を示す外観斜視図。
【図10】図9の携帯電話機の連結部の拡大図。
【図11】図9の携帯電話機の受話筐体の分解斜視図。
【図12】図9の携帯電話機の報知用スピーカーの閉状態における放音経路を示す断面図。
【図13】図9の携帯電話機の報知用スピーカーの開状態における放音経路を示す断面図。
【符号の説明】
【0066】
1…携帯電話機(携帯端末装置)、2…受話筐体(第1筐体)、3…送話筐体(第2筐体)、18…凸部、19…凹部、25…報知用スピーカー、9k…第1の放音口、150…ストッパ部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に凸部を有する第1筐体と、一端に前記凸部が嵌入される凹部を有すると共に、スピーカーを内蔵した第2筐体とを有し、前記凸部を前記凹部内に回動可能に連結することにより前記第1筐体と前記第2筐体とを開閉可能に構成した携帯端末装置であって、前記凸部と前記凹部との間には空間を有すると共に、前記空間を形成する凹部壁面に、前記スピーカーからの音を放音する第1の放音口を形成してなり、前記第1筐体及び/又は前記第2筐体には携帯端末装置の開状態において互いに当接して回動を規制すると共に、前記空間の一方端を略閉塞するストッパ部を具備することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記第1筐体のうち前記第2筐体との対向面には操作部を有すると共に、前記第2筐体のうち前記第1筐体との対向面には表示部を有することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記第2筐体内には前記スピーカーからの音を前記第1の放音口へ導くための導音空間を有すると共に、前記スピーカーの放音面が前記第2筐体のうち前記第1筐体との対向面と反対側の面を向くように前記スピーカーを前記第2筐体内に配置してあることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記第2筐体のうち前記第1筐体との対向面と反対側の面に前記導音空間と連通する第2の放音口を有することを特徴とする請求項3に記載の携帯端末装置。
【請求項1】
一端に凸部を有する第1筐体と、一端に前記凸部が嵌入される凹部を有すると共に、スピーカーを内蔵した第2筐体とを有し、前記凸部を前記凹部内に回動可能に連結することにより前記第1筐体と前記第2筐体とを開閉可能に構成した携帯端末装置であって、前記凸部と前記凹部との間には空間を有すると共に、前記空間を形成する凹部壁面に、前記スピーカーからの音を放音する第1の放音口を形成してなり、前記第1筐体及び/又は前記第2筐体には携帯端末装置の開状態において互いに当接して回動を規制すると共に、前記空間の一方端を略閉塞するストッパ部を具備することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記第1筐体のうち前記第2筐体との対向面には操作部を有すると共に、前記第2筐体のうち前記第1筐体との対向面には表示部を有することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記第2筐体内には前記スピーカーからの音を前記第1の放音口へ導くための導音空間を有すると共に、前記スピーカーの放音面が前記第2筐体のうち前記第1筐体との対向面と反対側の面を向くように前記スピーカーを前記第2筐体内に配置してあることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記第2筐体のうち前記第1筐体との対向面と反対側の面に前記導音空間と連通する第2の放音口を有することを特徴とする請求項3に記載の携帯端末装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−96893(P2007−96893A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−284899(P2005−284899)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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