説明

携帯端末

【課題】通信機能を有している携帯端末であって、ユーザの体温を測定して、容易に、かつ適切に、ユーザの健康管理を行うことが可能である携帯端末を提供することを課題とする。
【解決手段】通信機能を有する携帯端末1であって、携帯端末1を保持するユーザの体温を測定して、体温を示す情報である体温情報を取得する体温測定部101と、体温測定部101が取得した体温情報を出力する出力部104と、を備えている携帯端末1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話等の携帯端末等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、携帯電話等の通信機能を有する携帯端末等で、健康に関する情報を管理できるものが知られていた。例えば、健康測定装置からワイヤレス手段により健康情報を入力する健康情報入力部と、特定のネットワークサービスを利用するためのアクセス情報を記憶するアクセス情報記憶部と、携帯電話装置に健康情報およびアクセス情報を出力する携帯電話情報入出力部と、健康情報入力部およびアクセス情報記憶部および携帯電話情報入出力部を制御する制御部を備えた携帯電話用健康情報収集装置を携帯電話装置に接続することによって特定の在宅健康管理端末を必要とせず、かつ携帯電話装置の簡便性を損なわず、操作も簡略化できるものが知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−125097号公報(第1頁、第1図等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、通信機能を有する携帯端末を、外出時等も含めて常時、携帯するユーザが増えてきている。このため、上記のように携帯端末でユーザの健康を管理することで、ユーザは居場所等に関わらず常時健康状態を確認できることとなり、ユーザに取って利便性が高い。しかしながら、従来の技術においては、携帯端末で健康に関する情報を管理するために、健康状態を測定するための機器や、この機器で測定されたデータを収集して携帯電話装置等の携帯端末に出力する装置等が必要となり、システム構成が複雑であり、導入が困難であるという課題があった。また、健康状態を測定する装置がなければ、ユーザの健康状態を測定することができないため、ユーザが外出している際には、健康状態を測定することができず、健康状態を適切に管理できない、という課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の携帯端末は、通信機能を有する携帯端末であって、体温を測定して、体温を示す情報である体温情報を取得する体温測定部と、体温測定部が取得した体温情報を出力する出力部と、を備えた携帯端末である。
【0006】
かかる構成により、ユーザの体温を測定して、容易にかつ適切にユーザの健康管理を行うことができる。特に、ユーザが常時携帯する携帯端末で体温を測定して健康管理を行うことができるため、ユーザの居場所等に関係なく健康管理を行うことができ、利便性が高い。また、健康状態を測定する装置等を用いる必要がないため、装置構成を簡略化することができる。
【0007】
また、本発明の携帯端末は、前記携帯端末において、予め指定されている処理を行う処理部と、処理部が予め指定された処理を行っているか否かを判断する判断部とを更に備え、出力部は、処理部が予め指定された処理を行っていると判断部が判断した場合に、体温情報を出力する携帯端末である。
【0008】
かかる構成により、予め指定された処理が行われている場合にだけユーザの体温の情報が出力されるようにすることで、ユーザが携帯端末を手で保持している状態に自動的に体温測定を行うことが可能となる。この結果、体温測定のための操作を行う手間を省いて、体温測定の煩わしさを無くすことができるとともに、ユーザが体温測定を行うことを気を付けていなくても自動的に体温測定が行われることで、健康管理を適切に行うことが可能となる。
【0009】
また、本発明の携帯端末は、前記携帯端末において、処理部は、音声による通話を行う処理である音声通話処理を行う音声通話処理手段を備え、判断部は、音声通話処理手段が音声通話処理を行っている場合に、予め指定された処理を行っていると判断する携帯端末である。
【0010】
かかる構成により、音声通話処理が行われている場合にだけユーザの体温の情報が出力されるようにすることで、ユーザが携帯端末を手で保持している状態に自動的に体温測定を行うことが可能となる。
【0011】
また、本発明の携帯端末は、前記携帯端末において、処理部は、データ通信を行う処理であるデータ通信処理を行うデータ通信処理手段を備え、判断部は、データ通信処理手段がデータ通信処理を行っている場合に、予め指定された処理を行っていると判断する携帯端末である。
【0012】
かかる構成により、データ通信処理が行われている場合にだけユーザの体温の情報が出力されるようにすることで、ユーザが携帯端末を手で保持している状態に自動的に体温測定を行うことが可能となる。
【0013】
また、本発明の携帯端末は、前記携帯端末において、体温測定部が取得した体温情報と、体温情報が取得された時刻を示す情報である測定時刻情報とを有する体温測定情報が格納される体温測定情報格納部と、体温測定部が取得した体温情報と、体温を測定した時刻である測定時刻とを取得し、体温情報と測定時刻情報とを対応付けた体温測定情報を体温測定情報格納部に蓄積する体温測定情報蓄積部と、体温測定情報格納部に格納されている体温測定情報を、予め指定された条件に合致する場合に、予め指定された送信先に送信する体温測定情報送信部とを備えた携帯端末である。
【0014】
かかる構成により、体温測定情報を収集することができる。また、収集した体温測定情報を、予め指定された送信先に送信して管理することが可能となる。
【0015】
また、本発明の携帯端末は、前記携帯端末において、携帯端末は、駆動電源である充電式電池を有しており、充電式電池に対する充電状況を検出する充電検出部を更に備え、体温測定情報送信部は、充電検出部が検出した充電状況が、充電開始直前、充電開始直後、または充電中である場合に、体温測定情報を送信する携帯端末である。
【0016】
かかる構成により、携帯端末の電池残量がなくなる心配のない状態に、蓄積した体温測定情報を送信することができ、体温測定情報の送信が確実に行えるとともに、体温測定情報の送信によって、携帯端末の電池残量がなくなって、携帯端末が使用できなくなることを防ぐことができる。
【0017】
また、本発明の携帯端末は、前記携帯端末において、認証処理を行う認証処理部を更に備え、出力部は、認証処理部が認証許可した場合に、体温情報を出力する携帯端末である。
【0018】
かかる構成により、認証されたユーザの体温情報だけを取得して出力することができる。
【0019】
また、本発明の携帯端末は、前記携帯端末において、音声による通話を行う処理である音声通話処理を行う音声通話処理手段を有する処理部を備えており、認証処理部は、音声通話処理手段に入力される音声を用いて、認証処理を行う携帯端末である。
【0020】
かかる構成により、音声通話の音声を利用して、認証が可能となり、認証のための操作を不要として、利便性が向上する。
【0021】
また、本発明の携帯端末は、前記携帯端末において、体温測定部が測定した体温が、予め指定された閾値を超える場合に、予め指定された1以上の送信先のうちの1以上の送信先に、体温が閾値を超えたことを示す情報を送信する通知部を更に備えた携帯端末である。
【0022】
かかる構成により、ユーザの体温が閾値を超えたことを、予め指定された通知先に通知することができる。
【0023】
また、本発明の携帯端末は、前記携帯端末において、画像を撮影する撮影部と、体温測定部が測定した体温が、予め指定された閾値を超える場合に、ユーザを撮影することを促す出力を行う撮影勧告出力部とを更に備えた携帯端末である。
【0024】
かかる構成により、ユーザの顔等の画像を撮影させることができる。これにより、体温が閾値を超えた状態で撮影された画像を用いて、ユーザの状態を判断することが可能となる。
【0025】
また、本発明の携帯端末は、前記携帯端末において、撮影部が撮影した画像を、予め指定された送信先に送信する撮影画像送信部を更に備えた携帯端末である。
【0026】
かかる構成により、体温が閾値を超えた状態で撮影された画像を、予め指定された送信先に送信することが可能となる。これにより、例えば、撮影した画像によるユーザの状態の判断を通知先に依頼すること等が可能となる。
【発明の効果】
【0027】
本発明による携帯端末によれば、ユーザの体温を測定して、容易にかつ適切にユーザの健康管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態1における携帯端末のブロック図
【図2】同携帯端末の動作を示すフローチャート
【図3】同携帯端末の斜視図
【図4】同携帯端末をユーザが手に持った状態を示す図
【図5】同携帯端末の体温測定情報の一例を示す図
【図6】同携帯端末の体温情報の表示例を示す図
【図7】同携帯端末のユーザを撮影することを促す出力の表示例を示す図
【図8】同携帯端末の送信先管理情報を示す図
【図9】同携帯端末により送信されたメールの表示例を示す図
【図10】同携帯端末の充電時の状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、携帯端末等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0030】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における携帯端末1のブロック図である。
【0031】
携帯端末1は、体温測定部101、処理部102、判断部103、出力部104、体温測定情報格納部105、体温測定情報蓄積部106、体温測定情報送信部107、充電式電池108、充電検出部109、認証処理部110、通知部111、撮影部112、撮影勧告出力部113、撮影画像送信部114、及び送信先管理情報格納部115を備える。
【0032】
体温測定部101は、温度センサー1011、体温取得手段1012を備える。
【0033】
処理部102は、音声通話処理手段1021、データ通信処理手段1022を備える。
【0034】
携帯端末1は、通信機能を有する携帯端末である。携帯端末1は、例えば、携帯電話(いわゆるスマートフォンも含む)や、携帯情報端末、電子手帳、携帯型パーソナルコンピュータ等である。ここでの通信とは、電話等の通信回線を利用する通信であっても、ネットワークを利用する通信であってもよい。例えば、データ通信や、電話回線による通話等も通信と考える。携帯端末1は無線によりネットワークや通信回線に接続可能なものであることが好ましいが、有線によりネットワークや通信回線に接続可能なものであってもよい。なお、携帯端末1としては、ユーザが高い頻度で持ち歩く携帯電話であることが好ましい。
【0035】
体温測定部101は、体温を測定して、体温を示す情報である体温情報を取得する。体温情報は、例えば、人体の温度を示す値の情報である。体温測定部101は、温度センサーが接触した人体の部分の温度を測定するものであっても良いし、人体から放射されている赤外線をセンサ等で検出することで人体の温度を測定するものであってもよく、体温を測定する方式は問わない。体温測定部101は、センサーが検知した温度の情報をそのまま取得する実測式のものであってもよいし、センサー部分の温度上昇の変化等から、実際の温度を予測する予測式のものであっても良い。体温測定部101は、いわゆる電子体温計の体温を測定するための構成が利用可能である。
【0036】
体温測定部101は、後述する処理部102が予め指定された処理を行っている場合にだけ、体温を測定するようにしてもよい。そして、その他の場合には、体温を測定しないようにしてもよい。
【0037】
例えば、体温測定部101は、後述する処理部102の音声通話処理手段1021が音声通話処理を行っている場合にだけ、体温を出力するようにしてもよい。そして、その他の場合には、体温を測定しないようにしてもよい。
【0038】
また、体温測定部101は、例えば、後述する処理部102のデータ通信処理手段1022がデータ通信処理を行っている場合に、体温を出力するようにしてもよい。そして、その他の場合には、体温を測定しないようにしてもよい。
【0039】
あるいは、体温測定部101は、後述する処理部102の音声通話処理手段1021が音声通話処理を行っている場合、または、後述する処理部102のデータ通信処理手段1022がデータ通信処理を行っている場合にだけ体温を測定するようにしても良い。
【0040】
また、体温測定部101は、後述する処理部102が行っている処理に関係なく、常に体温の測定を繰り返し行うようにしても良いし、予め指定されたタイミングやトリガー等で体温の測定を行うようにしてもよく、タイミングやトリガー等は問わない。
【0041】
例えば、体温測定部101は、後述する処理部102が行っている処理に関係なく、常に体温の測定を繰り返し行うようにし、後述する処理部102が予め指定された処理を行っている場合にだけ、測定した体温の情報の蓄積等の出力を行うようにし、予め指定された処理を行っている場合は、測定した体温の情報は破棄する等により出力しないようにしてもよい。
【0042】
体温測定部101は、例えば、認証処理部110が認証許可した場合に、体温の測定を行うようにしてもよい。認証許可とは、正規ユーザであると認証したことであり、ここでは、例えば、ユーザを携帯端末1の正規のユーザであると認証したことである。このようにすることで、例えば、認証許可されたユーザの体温の測定結果だけを携帯端末1に蓄積していくことが可能となり、携帯端末のユーザの体温の管理だけを的確に行うことが可能となる。
【0043】
なお、体温測定部101は、温度センサー等のセンサーを有していると考えても良いし、有していないと考えても良い。
【0044】
本実施の形態においては、体温測定部101は、携帯端末1の外装ケース(図示せず)等に取り付けられた温度センサー1011と、温度センサー1011の出力する電気信号から体温の情報を取得する体温取得手段1012とを備えている場合を例に挙げて説明する。
【0045】
温度センサー1011は、温度を電気信号に変換して出力するものである。温度センサー1011としては、例えば、サーミスタや熱電対、測温抵抗体等を用いたものが知られている。温度センサー1011の温度を検知する部分(検知部分)は、携帯端末1の外装ケース等の、携帯端末1を手で持った際に手に触れる部分に検知部分を設けることが好ましい。例えば、携帯端末1の把持部やホールド部である。携帯電話の重心に近い裏面や側面に検知部分を設けるようにしても良い。例えば、携帯端末1が携帯電話であれば、通話口近傍や、テンキーの裏面側や側面、携帯電話の下部の裏面または側面に温度を検知部分を設けるようにしてもよい。また、携帯端末1の複数の位置にそれぞれ温度センサー1011を設けるようにし、検知した温度が最も高い温度センサー1011を後述する体温取得手段1012が選択するようにして、温度を測定するようにしても良い。
【0046】
体温取得手段1012は、温度センサー1011が出力する信号を体温情報に変換する。体温取得手段1012は、例えば、予め用意された温度センサー1011が出力する信号の値と、体温情報とを対応付けた体温変換表や、予め用意された温度センサー1011が出力する信号の値と、体温情報との関係を示す演算式等を用いて、温度センサー1011が出力する信号を、体温情報に変換する。なお、上述したような体温測定部101が行う体温情報を取得するか否かの判断の処理は、体温取得手段1012が行うようにしても良い。
【0047】
処理部102は、1以上の予め指定されている処理を行う。1以上の予め指定されている処理とは、携帯端末1の1以上の機能として実行される処理である。処理部102が行う処理は、例えば、体温情報を取得する処理以外の処理である。例えば、予め指定されている処理は、音声による通話を行う処理や、メール等のデータ通信を行う処理である。また、携帯端末で文字等を入力する処理や、写真を撮影する処理や、ゲーム等を行う処理であっても良い。処理部102は、ユーザから発せられる音声やユーザの画像を受け付けるマイクロフォンや、カメラ等の入力デバイスや、スピーカーやモニタ等の出力デバイス等を備えていると考えても良いし、備えていないと考えても良い。また、キー入力等による文字の入力を受け付ける受付部を備えていると考えても良いし、備えていないと考えても良い。
【0048】
本実施の形態においては、処理部102が音声通話処理手段1021と、データ通信処理手段1022とを備えている場合を例に挙げて説明する。
【0049】
音声通話処理手段1021は、音声による通話を行う処理である音声通話処理を行う。音声通話処理は、例えば、携帯電話等で行われる音声通話処理である。ここで述べる音声通話とは、少なくとも音声を含む通話であればよく、テレビ通話も含むと考えて良い。音声通話処理手段1021は、例えば、音声情報を含む情報の入力を受け付ける音声受付手段(図示せず)と、音声受付手段が受け付けた情報を送信する音声送信手段(図示せず)と、情報の受信を行う音声受信手段(図示せず)と、音声受信手段が受信した情報を出力する音声出力手段(図示せず)と、を有する。音声受付手段は、例えば、マイクロフォンや、音声入力のインターフェース等である。音声出力手段は、スピーカや、音声出力のインターフェース等である。音声送信手段や音声受信手段は、例えばネットワークや通信回線等を介して音声情報の送受信を行う通信手段である。また、音声通話処理手段1021は、通話の呼出のための構成、例えば呼出音を出力する構成等を備えていても良い。音声通話処理手段1021は、ユーザが発する音声等受け付けるマイクロフォン等の入力デバイスやスピーカー等の出力デバイス等を備えていると考えても良いし、備えていないと考えても良い。
【0050】
データ通信処理手段1022は、データ通信を行う処理であるデータ通信処理を行う。データ通信は、例えば、電子メールや、WEBサイトの閲覧のための通信や、アプリケーションや画像等のデータのダウンロードやアップロード等のための通信である。例えば、データ通信処理手段1022は、データの入力を受け付けるデータ受付手段(図示せず)と、データ受付手段が受け付けたデータを送信するデータ送信手段(図示せず)と、データの受信を行うデータ受信手段(図示せず)と、データ受信手段が受信したデータを出力するデータ出力手段(図示せず)と、を有する。データ受付手段は、例えば、データの入力を受け付けるためのキーボードや写真等を撮影して画像データを取得するカメラ等の入力デバイスや、メモリ等からデータを読み出す読み出し手段である。データ出力手段は、例えば、モニタやスピーカー等のデータ出力が可能な出力デバイスや、これらの出力装置に接続可能なインターフェース等である。データ送信手段やデータ受信手段は、ネットワークや通信回線を介してデータの送受信を行う通信手段である。データ通信処理手段1022は、キーボードやカメラ等の入力デバイスや、モニタやスピーカ等の出力デバイス等を備えていても良いし、備えていなくても良い。
【0051】
判断部103は、処理部102が予め指定された処理を行っているか否かを判断する。例えば、処理部102が実行している処理のプロセス名等の識別情報や、処理部102が実行しているアプリケーション名等の識別情報等を、処理部102から取得して、これらが、予め指定されたプロセス名やアプリケーション名等の識別情報と一致するか否かを判断し、一致する場合、予め指定された処理を行っていると判断し、一致しない場合、予め指定された処理を行っていないと判断する。あるいは、処理を開始する際に入力されるコマンド名等から、予め指定された処理を行っているか否かを判断しても良い。ただし、予め指定された処理を行っているか否かをどのように判断するかは問わない。
【0052】
出力部104は、体温測定部101が取得した体温情報を出力する。出力部104は、例えば、処理部102が上述したような予め指定された処理を行っていると判断部103が判断した場合に、体温情報を出力するようにしてもよい。また、出力部104は、例えば、処理部102が、上述したような予め指定された処理が実行されていないと判断した場合に、体温情報を出力しないようにしてもよい。なお、出力部104が体温情報を出力しないようにするということは、結果的に出力部104から体温情報が出力されなければ、どのようにして、体温情報を出力しないようにするかは問わない。例えば、処理部102が、上述したような予め指定された処理が実行されていないと判断した場合に、体温測定部101が測定した体温情報を、出力部104が出力しないことであっても良い。また、処理部102が、上述したような予め指定された処理が実行されていないと判断した場合に、体温測定部101が、体温の測定を行わないようにして、体温情報を取得しないようにして、出力部104が体温情報を出力しないようにしても良い。つまり出力部104が出力する体温情報を体温測定部101が供給しないようにして、結果的に出力部104から体温情報が出力されないようにしてもよい。
【0053】
また、出力部104は、後述する認証処理部110が認証許可した場合に、体温情報を出力するようにしてもよい。また、認証が許可されなかった場合は、体温情報を出力しないようにすることが好ましい。
【0054】
ここで述べる出力とは、ディスプレイへの表示、プリンタへの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラム等への処理結果の引渡し等を含む概念である。出力部104は、ディスプレイやプリンタ等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部104は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0055】
なお、出力部104は、適宜、体温情報を加工した情報を出力するようにしても良く、このような場合も、ここでは体温情報を出力すると考える。例えば、出力部104は、体温情報をグラフ等で表示しても良い。また、体温情報の示す値に対応した画像等を表示しても良い。
【0056】
体温測定情報格納部105には、体温測定部101が取得した体温情報と、体温情報が取得された時刻を示す情報である測定時刻情報とを有する体温測定情報が格納される。体温測定情報格納部105に格納される体温測定情報は、携帯端末1のユーザの体温情報を含む体温測定情報であることが好ましい。体温測定情報格納部105は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0057】
体温測定情報蓄積部106は、体温測定部101が取得した体温情報と、体温を測定した時刻である測定時刻とを取得し、体温情報と測定時刻情報とを対応付けた体温測定情報を体温測定情報格納部105に蓄積する。体温測定情報蓄積部106は、測定時刻情報をどのように取得しても良い。例えば、携帯端末1が内部に有する時計(図示せず)等から測定時刻を取得しても良いし、NTP(Network Time Protocol)サーバ(図示せず)からネットワーク経由で時刻を取得しても良い。また、携帯端末1が携帯電話である場合、基地局から時刻を取得しても良い。
【0058】
体温測定情報送信部107は、予め指定された条件に合致する場合に、体温測定情報格納部105に格納されている体温測定情報を予め指定された送信先に送信する。予め指定された条件とは、例えば、後述する充電検出部109が検出した充電式電池108の充電状況が、充電開始直前、充電開始直後、または充電中のいずれかである場合という条件である。このような条件とすることで、携帯端末1をユーザが使用しない場合に、体温測定情報を送信することが可能となり、体温測定情報の送信によって携帯端末1の充電池の残量がなくなって、携帯端末1が利用できなくなること等を防ぐことができる。予め指定された送信先はどのような送信先でも良い。送信先は、例えば、体温情報の管理や保管を行うネットワーク上のサーバ等である。あるいは、ユーザのメールアドレスやユーザの利用するネットワーク上の格納部等(図示せず)を送信先としてもよい。
【0059】
体温測定情報送信部107は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。体温測定情報送信部107は、通信デバイスを含むと考えても、含まないと考えても良い。
【0060】
充電式電池108は、充電可能な電池である。充電式電池108は、携帯端末1の駆動電源として用いられる電池である。充電式電池108は、例えば、ニッカド電池や、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池である。
【0061】
充電検出部109は、充電式電池108に対する充電の状況である充電状況を検出する。充電検出部109は、充電式電池108に対する充電状況が、例えば、充電開始直前、充電開始直後、または充電中のうちのいずれか一つであるか否かを検出する。充電状況が充電中であるか否かは、例えば、充電式電池108に対して充電のための電流が供給されているか否か等で判断される。また、例えば、携帯端末1と、充電器(図示せず)やいわゆる充電用のクレイドル(図示せず)等との接続が検出された時点を充電開始直前の状況であると検出しても良い。また、同様に、充電器やクレイドル等と携帯端末1が接続された直後に、充電式電池108に対して充電のための電流の供給は開始された時点で、充電開始直後の状況であると判断しても良い。なお、充電状況を検出する技術は、通常の充電器等の技術として公知であるので、詳細な説明は省略する。
【0062】
認証処理部110は、認証処理を行う。ここでの認証処理は、例えば、体温測定を行うユーザが、携帯端末1の正規のユーザであるか否か、あるいは、体温測定を行うことが許可されているユーザであるか否かを判断するための認証処理である。認証が成功した、ということは、ユーザが携帯端末1の正規のユーザであると判断されたことと考えても良いし、ユーザが体温測定を行う対象として認められたことを考えても良い。認証処理部110が行う認証はどのような認証処理でも良い。
【0063】
例えば、携帯端末1が音声通話処理手段1021を有する処理部102を備えている場合においては、認証処理部110は、音声通話処理手段1021に入力される音声を用いて、認証処理を行う。入力される音声は、認証用の特定のフレーズであっても良いし、音声通話の中から取りだした任意の音声であっても良い。例えば、音声通話処理手段1021に入力される音声から音声の特徴量のベクトルを取り出し、この特徴量と、予め登録されている正規ユーザ等の音声の特徴量のベクトルとの距離等を算出することで、入力された音声が正規ユーザの音声であるか否かを判断して、正規ユーザの音声であると判断された場合に、認証が成功したと判断する。あるいは、正規ユーザの音声の特徴量を機械学習させて、入力された音声が正規のユーザのものであるか否かを判断するようにしてもよい。なお、音声通話処理手段1021に入力される音声が、特定の音声である場合、声紋認証の技術等を用いることも可能である。
【0064】
また、携帯端末1が、後述するような撮影部112を有している場合、この撮影部112で撮影したユーザの顔の画像や、ユーザの目の画像等から、画像処理等によって認証をおこなってもよい。例えば、ユーザの顔の画像から特徴点のベクトルを取得してこの特徴点のベクトルを機械学習させたり、特徴点のベクトル間の距離を算出することで、認証を行っても良い。また、ユーザの目を接写した画像を用いて、虹彩認証を行っても良い。
【0065】
また、携帯端末1に指紋をスキャンするスキャナ等を設けるようにして、このスキャナで読み取った指紋を用いて認証を行っても良い。
【0066】
また、一般的な暗証コードとのキー入力による認証を行っても良い。
【0067】
認証処理部110が認証処理を行うタイミングは問わない。例えば、体温を測定する直前に認証を行っても良いし、携帯端末1の起動時や、待機状態やスリープ状態からの復帰時に認証を行うようにしてもよい。
【0068】
通知部111は、体温測定部101が測定した体温が、予め指定された閾値を超える場合に、予め指定された1以上の送信先のうちの1以上の送信先に、体温が閾値を超えたことを示す情報を送信する。例えば、通知部111は、体温測定部101が測定した体温が、予め指定された閾値を超えるか否かを判断し、超える場合に、予め指定された1以上の送信先のうちの1以上の送信先に、体温が閾値を超えたことを示す情報を送信する。この閾値は、複数指定することができても良い。例えば、「37.0」、「37.8」、「39.0」等複数指定することで、後述する、通知、撮影等の処理判断として用いることに使われる。ただし、予め指定された閾値を超えるか否かの判断は、後述する撮影勧告出力部113等の同様の判断を行う部分の判断結果を利用するようにしても良いし、判断を行う部分を共用しても良い。かかることは、撮影勧告出力部113においても同様である。予め指定された閾値は、例えば、正常な人間の体温の上限、あるいは下限と考えられる温度の値である。あるいは、ユーザにとって正常と考えられる体温の上限、あるいは下限と考えられる温度の値であってもよい。体温測定部101が測定した体温とは、体温測定部101が取得した体温情報が示す体温と考えても良い。予め指定された1以上の送信先は、例えば、予め指定されたメールアドレスや、電話番号や、ファクシミリ番号等で表される送信先である。なお、閾値を超えると判断された場合に、予め指定された1以上の送信先を、送信先の選択対象の候補として表示し、この候補のうちの1以上の送信先を、ユーザにより選択させるようにして、選択された送信先に体温が閾値を超えたことを示す情報を送信するようにしても良い。体温が閾値を超えたことを示す情報は、テキスト情報や画像情報、音声情報等どのような情報であっても良い。体温が閾値を超えたことを示す情報は、ユーザの体温が閾値を超えたことを結果的に送信先に通知できる情報であれば、どのような情報であっても良く、例えば、「Aさんの体温が閾値を超えました。」という情報であって、「Aさんの体調が不良です。」等の情報であってもよい。なお、上述した予め指定された閾値の情報は、例えば、図示しない記憶媒体等に予め蓄積しておくようにする。また、予め指定された送信先を指定するメールアドレスや電話番号等の情報は、送信先を管理する送信先管理情報として、例えば、後述する送信先管理情報格納部115等の記憶媒体等に予め蓄積しておくようにする。
【0069】
通知部111は、通常、MPUやメモリ等や通信手段等から実現され得る。通知部111の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0070】
撮影部112は、ユーザの指示等に応じて画像を撮影する。撮影部112は、例えば、ユーザの顔の画像等を撮影する。撮影部112が撮影する画像は、通常は静止画像であるが動画像であってもよい。撮像部112は、例えばカメラである。
【0071】
撮影勧告出力部113は、体温測定部101が測定した体温が、予め指定された閾値を超える場合に、ユーザを撮影することを促す出力を行う。例えば、撮影勧告出力部113は、体温測定部101が測定した体温が、予め指定された閾値を超えるか否かを判断し、超える場合に、ユーザを撮影することを促す出力を行う。ユーザを撮影するとは、主としてユーザの顔を撮影することである。ユーザの口腔内を撮影することであっても良い。予め指定された閾値とは、上記の閾値と同様である。撮影することを促す出力は、例えば、「自分の顔を、撮影して下さい。」等の撮影を促すメッセージの出力である。ただし、撮影することを促す出力は、撮影を促すガイダンスや、ウィザード等の出力であっても良い。撮影することを促す出力のデータ形式等は問わない。例えば、出力は音声データであっても良いし、画像データやテキストデータ等であっても良い。
【0072】
撮影勧告出力部113は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。撮影勧告出力部113は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。また、撮影勧告出力部113は、判断処理を行うためのMPUやメモリ等を有していても良い。
【0073】
撮影画像送信部114は、撮影部112が撮影した画像を、予め指定された送信先に送信する。ここでの、撮影部112が撮影した画像とは、例えば、上述した撮影を促す出力に応じて撮影した画像である。例えば、撮影画像送信部114は、撮影勧告出力部113がユーザを撮影することを促す出力を行った後の予め指定された時間内に、撮影部112によって撮影された画像を、予め指定された送信先に送信する。予め指定された送信先とは、通知部111の通知先となる予め指定された送信先と同じであっても良いし、異なる送信先であっても良い。また、通知部111の場合と同様に予め指定された1以上の送信先のうちの、ユーザが選択した1以上の送信先に撮影した画像を送信するようにしてもよい。送信先を示す情報は、通知部111の送信先を示す情報と同様である。撮影した画像の送信先を示す情報は、通知部111の場合と同様に、例えば、送信先管理情報格納部115に格納された送信先管理情報で管理される。
【0074】
撮影画像送信部114は、通常、MPUやメモリ等や通信手段等から実現され得る。撮影画像送信部114の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、撮影画像送信部114と通知部111とを、1の送信部等で実現するようにしても良い。
【0075】
送信先管理情報格納部115には、1以上の予め指定された送信先を管理する送信先管理情報格納部115が格納される。送信先管理情報格納部115は、例えば、1以上の予め指定された送信先を示す情報を有する情報である。送信先を示す情報は、例えば、メールアドレスや電話番号やファクシミリの番号等である。送信先管理情報格納部115に送信先を示す情報が蓄積される手段等は問わない。送信先管理情報格納部115は、例えば、、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0076】
次に、携帯端末1の動作について図2のフローチャートを用いて説明する。
【0077】
(ステップS200)音声通話処理手段1021は、音声通話処理を開始したか否かを判断する。例えば、携帯端末1が携帯電話等である場合、電話による通話が可能な状態となったか否かを判断し、通話可能な状態である場合、音声通話処理を開始したと判断する。音声通話処理を開始した場合、ステップS201に進み、開始していない場合、ステップS214に進む。なお、音声通話処理は、処理の開始から、ステップS205あるいはステップS206において音声通話処理が終了するまでの間等に、適宜行われるものとする。
【0078】
(ステップS201)認証処理部110は、音声による通話中にユーザから入力された音声を用いて認証処理を行う。
【0079】
(ステップS202)認証処理部110は、ステップS201で音声による認証処理によって認証が許可されたか否かを判断する。つまり、通話中のユーザが、体温測定の対象として認証されたか否かを判断する。認証が許可された場合、ステップS203に進み、認証が許可されていない場合、ステップS206に進む。
【0080】
(ステップS203)体温測定部101は、体温情報を取得する。なお、温度センサー1011等を用いて体温情報を取得する処理は公知技術であるので、ここでは説明を省略する。
【0081】
(ステップS204)体温測定情報蓄積部106は、現在の時刻を示す測定時刻情報を、図示しない時計等から取得して、取得した測定時刻情報と、ステップS203で取得した体温情報と対応付けた体温測定情報を、体温測定情報格納部105に蓄積する。
【0082】
(ステップS205)音声通話処理手段1021は、音声通話処理を終了したか否かを判断する。終了した場合、ステップS207に進み、終了していない場合、ステップS205に戻る。
【0083】
(ステップS206)音声通話処理手段1021は、音声通話処理を終了したか否かを判断する。終了した場合、ステップS207に進み、終了していない場合、ステップS206に戻る。
【0084】
(ステップS207)出力部104は、ステップS203(あるいはステップS218)で取得した体温情報を出力する。例えば、体温情報を表示画面等に表示する。
【0085】
(ステップS208)通知部111は、ステップS203(あるいは、ステップS218)で取得した体温情報が、予め用意された閾値を超えたか否かを判断する。超えていればステップS209に進み、超えていなければステップS200に戻る。なお、体温情報が閾値と一致する場合は、閾値を超えたと判断するようにしても良いし、超えないと判断するようにしても良い。
【0086】
(ステップS209)撮影勧告出力部113は、ユーザを被写体とした写真撮影を促す情報を出力する。
【0087】
(ステップS210)撮影部112は、ユーザの撮影が行われたか否かを判断する。撮影が行われた場合、ステップS211に進み、行われていない場合、ステップS210に戻る。撮影された画像は、例えば、図示しない記憶媒体等に一時記憶される。
【0088】
(ステップS211)通知部111は、送信先管理情報格納部115等に予め格納されている送信先管理情報から1以上の送信先を示す情報を読み出し、これをリスト化した送信先リストを表示する。
【0089】
(ステップS212)通知部111は、送信先リスト内の1以上の送信先が選択されたか否かを判断する。選択された場合、ステップS213に進み、選択されていない場合、ステップS212に戻る。
【0090】
(ステップS213)通知部111と、撮影画像送信部114とは、ステップS212で選択された送信先に、測定された体温が閾値を超えたことを示す情報と、ステップS210で撮影されたユーザの画像とを、それぞれ送信する。なお、通知部111と、撮影画像送信部114とを一の送信部等で構成するようにして、これらの情報を一の情報として、送信するようにしても良い。そして、ステップS200に戻る。
【0091】
(ステップS214)データ通信処理手段1022は、データ通信処理を開始したか否かを判断する。例えば、携帯端末1がWEBページ等を閲覧可能な装置等である場合、WEBページの閲覧が開始されたか(あるいは閲覧ソフトが立ち上げられたか等)否かを判断し、閲覧が開始された場合、データ通信処理を開始したと判断する。データ通信処理を開始した場合、ステップS215に進み、開始していない場合、ステップS223に進む。なお、データ通信処理は処理の開始から、ステップS221あるいはステップS222においてデータ通信処理が終了するまでの間等に、適宜行われるものとする。
【0092】
(ステップS215)認証処理部110は、ユーザにパスワードを要求する情報を出力する。例えば、パスワード入力のためのインターフェース画面を表示する。
【0093】
(ステップS216)認証処理部110は、図示しない受付部等を介して、パスワードが入力されたか否かを判断する。入力された場合、ステップS217に進み、入力されていない場合、ステップS216に戻る。
【0094】
(ステップS217)認証処理部110は、ステップS216で入力されたパスワードを用いて認証処理を行う。
【0095】
(ステップS218)認証処理部110は、ステップS217の認証処理によって認証が許可されたか否かを判断する。つまり、データ通信中のユーザが、体温測定の対象として認証されたか否かを判断する。認証が許可された場合、ステップS219に進み、認証が許可されていない場合、ステップS222に進む。
【0096】
(ステップS219)体温測定部101は、体温情報を取得する。なお、温度センサー1011等を用いて体温情報を取得する処理は公知技術であるので、ここでは説明を省略する。
【0097】
(ステップS220)体温測定情報蓄積部106は、現在の時刻を示す測定時刻情報を、図示しない時計等から取得して、取得した測定時刻情報と、ステップS219で取得した体温情報と対応付けた体温測定情報を、体温測定情報格納部105に蓄積する。
【0098】
(ステップS221)データ通信処理手段1022は、データ通信処理を終了したか否かを判断する。終了した場合、ステップS207に進み、終了していない場合、ステップS221に戻る。
【0099】
(ステップS222)データ通信処理手段1022は、データ通信処理を終了したか否かを判断する。終了した場合、ステップS200に戻り、終了していない場合、ステップS222に戻る。
【0100】
(ステップS223)充電検出部109は、充電式電池108に対して充電が開始されたか否かを判断する。なお、充電が開始されたか否かを判断する代わりに、充電が行われる直前であるか否かを判断したり、充電中であるか否かを判断するようにしてもよい。充電が開始された場合、ステップS224に進み、充電が開始されていない場合、ステップS200に戻る。
【0101】
(ステップS224)体温測定情報送信部107は、ステップS204およびステップS220で蓄積した体温測定情報を体温測定情報格納部105から読み出して、予め指定された送信先に送信する。予め指定された送信先は、例えば、携帯端末1とネットワーク接続された予め指定されたサーバの、ユーザ用に予め用意されたフォルダ等である。なお、送信後の体温測定情報は、体温測定情報格納部105から削除しても良いし、送信済であることを示すフラグの情報を体温測定情報に付与するようにして、次回からの送信には、送信済であるフラグが付与された体温測定情報は送信しないようにしても良い。
【0102】
(ステップS225)充電検出部109は、充電が終了したか否かを判断する。例えば、充電式電池108の充電量が、予め指定された値に達した場合、充電が終了したと判断しても良いし、携帯端末1が充電器(図示せず)から取り外された場合等に、充電が終了したと判断してもよい。充電が終了した場合、ステップS200に戻り、終了していない場合、ステップS225に戻る。
【0103】
なお、ここでは、ステップS215でパスワードを要求し、ステップS217でパスワードを用いた認証処理を行うようにしたが、ステップS217で行う認証処理はどのような認証処理であっても良い。例えば、ステップS215でユーザの音声を要求し、入力された音声を用いてステップS217で音声による認証処理を行うようにしてもよい。
【0104】
なお、図1のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0105】
以下、本実施の形態における携帯端末1の具体的な動作について説明する。
【0106】
図3は、携帯端末1の一例を示す斜視図である。ここでは、携帯端末1は、折りたたみ式の携帯電話であるとする。携帯端末1の入力キーを有する部分の外装ケースの側面には、温度センサー1011の温度を検出する部分である温度検出部1011aが設けられている。温度検出部1011aは、携帯端末1を握った際に、手に触れるような位置に設けられている。また、携帯端末の表示画面30の上部には、撮影部112が設けられている。また、携帯端末1は、無線により通信回線やネットワークに接続可能であるものとする。また、通信回線には、ユーザが利用可能なフォルダを有するサーバ装置(図示せず)や、携帯端末1から送信される電子メール等の受信先となるコンピュータや他の携帯端末等(図示せず)が接続されているものとする。
【0107】
図4は、ユーザが電話をかけるために携帯端末1を手に持った状態を示す図である。
【0108】
例えば、ユーザが、図4に示すように手に持った携帯端末1のキー等を操作して、電話番号を押すことで所望の通話先に電話をかけたとする。
【0109】
音声通話処理手段1021は、ユーザが電話をかけたことによって、音声通話の処理を開始する。音声通話処理手段1021が音声通話の処理を開始すると、判断部103は、音声通話が開始されていることを検出する。
【0110】
このため、認証処理部110は、ユーザが発する通話中の音声の一部を、音声通話に用いられるマイクロフォン31から取得する。そして、例えば、取得した音声の特徴量を示すベクトルを取得して、予め図示しない記憶媒体等に用意された携帯端末1の所有者であるユーザの音声から取得した特徴量を示すベクトルとの距離を求め、その距離の値によって認証が許可されるか否かを判断する。
【0111】
認証処理部110によって、認証が許可された場合、即ち、通話しているユーザが携帯端末1の所有者のユーザであると判断された場合、体温測定部101はユーザの体温測定を開始する。具体的には、ユーザの手の温度検出部1011aに触れている部分からユーザの体温を測定する。
【0112】
測定した体温が、例えば、摂氏37.5度であったとする。なお、ここで取得した値は、実測値であっても予測値であっても良い。体温測定部101は、この測定した温度を示す体温情報を取得する。
【0113】
そして、体温測定情報蓄積部106は、現在の時刻である「2010年11月30日15時24分」を測定時刻情報として、携帯端末1の内部の図示しない時計から取得する。そして、この測定時刻情報と体温測定部101が取得した体温情報と対応付けて有する体温測定情報を、体温測定情報格納部105に蓄積する。例えば、既に、以前に取得した体温測定情報が蓄積されている場合には、新たに取得した体温測定情報を追記する。なお、ここでは、測定時刻情報は、年月日等の日付の情報も含むものとする。
【0114】
図5は、体温測定情報格納部105に蓄積された体温測定情報の一例を示す図である。
【0115】
そして、ユーザが、携帯端末1を操作して音声通話を終了したとする。
【0116】
出力部104は、体温測定部101が取得した体温情報を携帯端末1の表示画面30に表示する。
【0117】
図6は、出力部104による体温情報の表示例を示す図である。
【0118】
通知部111は、体温測定部101が測定した体温、即ち体温測定部101が取得した体温情報が示す体温が、予め指定されている閾値よりも高いか否かを判断する。この閾値は、例えば、成人の体調に異常が有ると判断される一般的な値であるとする。例えば、摂氏37.0度であるとする。通知部111は、体温測定部101が取得した体温情報が示す体温の値「37.5」と閾値「37.0」とを比較して、体温測定部101が取得した体温の方が閾値よりも高いと判断する。このため、体温が閾値よりも高いことを示す情報を、予め指定された送信先の一つに送信することを決定する。
【0119】
さらに、測定された体温が、閾値よりも高いと判断されたため、撮影勧告出力部113は、ユーザに、自分の顔の写真を撮影して送信することを促す表示を、表示画面30に表示する。
【0120】
図7は、ユーザを撮影することを促す出力の表示例を示す図である。
【0121】
そして、ユーザが、携帯端末1のキー等を操作して、撮影部112で自分の顔を撮影したとする。撮影して生成されたユーザの顔の画像は、図示しない記憶媒体等に一時記憶される。
【0122】
次に、ユーザの画像が撮影されたため、通知部111は、予め図示しない記憶媒体等に蓄積されている送信先管理情報から、1以上の送信先の情報を読み出してリスト表示する。
【0123】
図8は、送信先管理情報格納部115に予め蓄積されている送信先管理情報を示す図である。送信先管理情報において、「送信先情報」は、送信先の情報であり、ここでは、送信先のメールアドレスであるとする。送信先は、例えば、ユーザの家族や、ユーザの主治医や、ユーザの勤務先の上司の、パーソナルコンピュータや、携帯端末等であるとする。
【0124】
通知部111は、図8に示すような送信先管理情報から「送信先情報」の値を読み出して、表示画面30にリスト表示する。
【0125】
そして、ユーザが、携帯端末1のキー等を操作して、一の「送信先情報」である「Dr.Yamamoto@abcdehospital…」を送信先に選択したとすると、通知部111は、選択されたメールアドレスに、予め用意されたユーザについて測定された体温が閾値を超えたことを示す文字列と、閾値を超えた体温を示す体温測定情報を含むメールを送信する。例えば、送信される情報は、「ユーザAさんは熱があるようです。アドバイスをお願いします。測定時刻:2010年11月30日15時24分 体温:37.5度」であるとする。
【0126】
また、撮影画像送信部114は、撮影部112が撮影したユーザの画像を、同じ送信先に電子メールで送信する。
【0127】
図9は、通知部111および撮影画像送信部114で送信されたメールの表示例を示す図である。なお、通知部111と撮影画像送信部114が個別にメールを送信する代わりに、送信内容を併合した一のメールを通知部111または撮影画像送信部114が送信してもよく、このような場合も、両方がそれぞれのメールを送信したと考えて良い。
【0128】
次に、ユーザが、例えば、図4に示すように手に持った携帯端末1のキー等を操作して、WEBページを見るためにブラウザを起動して、所望のWEBサイトにアクセスする操作を行ったとする。
【0129】
データ通信処理手段1022は、WEBサイトにアクセスするためにデータ通信を開始する。データ通信処理手段1022がデータ通信の処理を開始すると、判断部103は、データ通信が開始されていることを検出する。
【0130】
このため、認証処理部110は、体温測定を行うための認証処理を行う。ただし、ここでは、処理部102が行っている処理が音声通信でなく、音声を処理部102による処理から取得することができないことから、認証処理部110は、パスワードを用いた認証を行う。なお、パスワードを用いた認証処理は、通常の認証処理と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。但し、パスワードを用いた認証以外の認証を行っても良く、例えば、ユーザに認証用に音声を入力させて、この音声を用いて認証を行っても良い。また、その後の体温測定等の処理は、上述した音声通話時に処理と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0131】
次に、ユーザが、携帯端末1の充電を行うために、携帯端末1を充電器としての機能を有するクレイドル70に載置したとする。
【0132】
図10は、充電のためにクレイドル70に載置された携帯端末1を示す図である。
【0133】
携帯端末1をクレイドル70に載置すると、クレイドル70の給電用の端子(図示せず)と、携帯端末1の充電用の端子(図示せず)とが接続されて、携帯端末1内の充電式電池108に対する充電が開始される。
【0134】
充電検出部109は、充電式電池108に対する充電が開始されるか否かを監視しており、充電が開始されると、充電が開始されたことを検出する。例えば、充電が開始されたか否かは、充電のための回路に電流が供給されたか否かを判断することで検出可能である。
【0135】
充電検出部109が、充電が開始されたことを検出すると、携帯端末1の電池残量を気にする必要がなくなるため、体温測定情報送信部107は、図5に示したような体温測定情報格納部105に格納されている体温測定情報を、予め指定された送信先に送信する。例えば、予め指定された送信先は、予め指定されたサーバ内の、ユーザのデータを保管するためのユーザ専用のフォルダであるとする。このフォルダを送信先に示す情報は、例えば、URLや、サーバのIPアドレスとフォルダのパスの組合せ等で示され、この送信先を示す情報は、図示しない記憶媒体に予め格納されており、送信時に読み出される。
【0136】
そして、送信された結果、図5に示した体温測定情報が、予め指定された送信先のフォルダに蓄積されることとなる。
【0137】
以上、本実施の形態によれば、携帯端末1を持つだけでユーザの体温の情報を取得することができるため、ユーザが体温測定を意識することなく手軽にかつ容易に体温の情報を取得することができ、ユーザの健康管理を適切に行うことが可能となる。
【0138】
また、音声通話中等の特定の処理が行われている場合にだけユーザの体温の情報が取得されるようにすることで、ユーザが携帯端末を手で保持している状態に、手から自動的に体温測定を行うことが可能となり、体温測定のための操作を行う手間を省いて、体温測定の煩わしさを無くすことができるとともに、ユーザが体温測定を行うことを気を付けていなくても自動的に体温測定が行われることで、健康管理を適切に行うことが可能となる。また、音声通話中等の特定の処理が行われている場合にだけ、ユーザの体温の情報が取得されるため、ほぼ同じ状況下での体温の測定結果が取得されることとなり、体温の測定結果の測定状況によるばらつきの影響を小さくすることができる。
【0139】
また、音声通話中のユーザの音声を用いて、認証を行うことで、ユーザの認証処理の手間を省くことができ、使い勝手が向上する。
【0140】
また、測定した体温が、閾値よりも高い場合に、予め指定された送信先に、閾値よりも高いことを示す情報を送信するようにすることで、例えば、ユーザの体調を管理する人等に、ユーザの体調に異常が生じている可能性があることを知らせることが可能となり、体調管理を適切に行うことができる。
【0141】
また、測定した体温が、閾値よりも高い場合に、ユーザの画像を撮影することを促すことで、ユーザの外観の状況を記録させて、ユーザの体調を診察する際の参考等に利用することが可能となる。
【0142】
また、このようなユーザの画像を予め指定された送信先に送信することで、ユーザの体温と外観との両方から、ユーザの現在の健康状態を知ることが可能となる。
【0143】
また、上記実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0144】
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。
【0145】
例えば、上記実施の形態において、体温測定部101、体温取得手段1012、処理部102、音声通話処理手段1021、データ通信処理手段1022、判断部103、体温測定情報蓄積部106、充電検出部109、および認証処理部110等は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。体温測定部101の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0146】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0147】
以上のように、本発明にかかる携帯端末等は、ユーザの健康を管理する携帯端末として適しており、特に、ユーザの体温の情報を用いて健康管理を行う携帯端末等として有用である。
【符号の説明】
【0148】
1 携帯端末
30 表示画面
70 クレイドル
101 体温測定部
102 処理部
103 判断部
104 出力部
105 体温測定情報格納部
106 体温測定情報蓄積部
107 体温測定情報送信部
108 充電式電池
109 充電検出部
110 認証処理部
111 通知部
112 撮影部
113 撮影勧告出力部
114 撮影画像送信部
115 送信先管理情報格納部
1011 温度センサー
1012 体温取得手段
1021 音声通話処理手段
1022 データ通信処理手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信機能を有する携帯端末であって、
体温を測定して、体温を示す情報である体温情報を取得する体温測定部と、
前記体温測定部が取得した体温情報を出力する出力部と、を備えた携帯端末。
【請求項2】
予め指定されている処理を行う処理部と、
前記処理部が予め指定された処理を行っているか否かを判断する判断部とを更に備え、
前記出力部は、前記処理部が予め指定された処理を行っていると前記判断部が判断した場合に、前記体温情報を出力する請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記処理部は、音声による通話を行う処理である音声通話処理を行う音声通話処理手段を備え、
前記判断部は、前記音声通話処理手段が音声通話処理を行っている場合に、予め指定された処理を行っていると判断する請求項2記載の携帯端末。
【請求項4】
前記処理部は、データ通信を行う処理であるデータ通信処理を行うデータ通信処理手段を備え、
前記判断部は、前記データ通信処理手段がデータ通信処理を行っている場合に、予め指定された処理を行っていると判断する請求項2記載の携帯端末。
【請求項5】
前記体温測定部が取得した前記体温情報と、当該体温情報が取得された時刻を示す情報である測定時刻情報とを有する体温測定情報が格納される体温測定情報格納部と、
前記体温測定部が取得した体温情報と、当該体温を測定した時刻である測定時刻とを取得し、当該体温情報と測定時刻情報とを対応付けた体温測定情報を前記体温測定情報格納部に蓄積する体温測定情報蓄積部と、
前記体温測定情報格納部に格納されている前記体温測定情報を、予め指定された条件に合致する場合に、予め指定された送信先に送信する体温測定情報送信部とを備えた請求項1から請求項4いずれか記載の携帯端末。
【請求項6】
前記携帯端末は、駆動電源である充電式電池を有しており、
前記充電式電池に対する充電状況を検出する充電検出部を更に備え、
前記体温測定情報送信部は、前記充電検出部が検出した充電状況が、充電開始直前、充電開始直後、または充電中である場合に、前記体温測定情報を送信する請求項5記載の携帯端末。
【請求項7】
認証処理を行う認証処理部を更に備え、
前記出力部は、前記認証処理部が認証許可した場合に、前記体温情報を出力する請求項1から請求項6いずれか記載の携帯端末。
【請求項8】
音声による通話を行う処理である音声通話処理を行う音声通話処理手段を有する処理部を備えており、
前記認証処理部は、前記音声通話処理手段に入力される音声を用いて、認証処理を行う請求項7記載の携帯端末。
【請求項9】
前記体温測定部が測定した体温が、予め指定された閾値を超える場合に、予め指定された1以上の送信先のうちの1以上の送信先に、体温が閾値を超えたことを示す情報を送信する通知部を更に備えた請求項1から請求項8いずれか記載の携帯端末。
【請求項10】
画像を撮影する撮影部と、
前記体温測定部が測定した体温が、予め指定された閾値を超える場合に、ユーザを撮影することを促す出力を行う撮影勧告出力部とを更に備えた請求項1から請求項9記載の携帯端末。
【請求項11】
前記撮影部が撮影した画像を、予め指定された送信先に送信する撮影画像送信部を更に備えた請求項10記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−119863(P2012−119863A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266814(P2010−266814)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(595155484)株式会社クレオ (23)
【Fターム(参考)】