説明

携帯装置及び画像ファイル検索方法

【課題】 携帯装置内に保存されている画像ファイルから、容易かつ迅速に所望の画像ファイルを検索できる携帯装置を提供することにある。
【解決手段】 本発明に係る携帯装置は、画像を撮影する撮影手段と、撮影された画像ファイルを保存する画像ファイル保存手段と、当該画像ファイルを閲覧するために、前記画像ファイルを表示する画像表示手段と、現在情報を検出する検出手段と、前記画像ファイル毎に、当該画像ファイルの撮影情報と、前記画像ファイルの閲覧履歴情報とを関連付けて保存する情報保存手段と、保存されている前記画像ファイルから所望の前記画像ファイルを検索する検索処理手段と備え、前記検索処理手段は、前記現在情報、前記撮影情報、前記閲覧履歴情報から少なくとも2つの情報を用いて前記所望の画像ファイルを検索することとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、位置情報取得機能と、画像撮影機能と、日時情報取得機能とを備えた携帯装置に関する。さらには、位置情報取得機能を用いて取得した位置情報や日時情報取得機能を用いて取得した日時情報を利用して、画像撮影機能を用いて撮影され、装置内に保存された撮影画像の検索を行う携帯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カメラ機能付き携帯装置、特に、カメラ機能付き携帯電話装置が広く普及しており、静止画および動画の撮影機能は携帯電話装置の基本機能となっている。このような状況に伴い、携帯電話装置のカメラ機能の差別化技術として、記録画素数におけるカメラ性能の向上や装置内に記録できる静止画の枚数の向上、動画の記録時間の向上等が競って行われている。
【0003】
そのため、撮影機能を有する携帯電話装置は、一時的なメモ代わりとしてだけではなく、旅行先などでの記念写真、記録写真の撮影に使用されるなど、その利用範囲が広がっている。その結果、撮影を行ったユーザが、撮影場所から撮影画像をメールに添付して送信するために撮影画像の状態を確認するという、撮影から閲覧まで短時間しかかからない利用方法以外に、旅行先の撮影画像を帰宅後に家族や友人に見せる場合や、撮影画像を紙媒体に印刷するといった、撮影から閲覧までに長期間かかるような利用方法が新たに生じている。
【0004】
ところで従来、携帯装置における記録画像の管理方法及び検索方法として、装置内に記録、保存された複数の撮影画像から特定の撮影画像を選択する場合、撮影画像を低解像度で伸長し、一画面内に同時に複数の撮影画像を表示することにより、ユーザが所望の撮影画像を選択する際の利便性を向上させる方法があった(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開7−203360号公報(段落0021〜6、図2、3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、パーソナルコンピュータ等の機器とは異なり、携帯装置は機器本体の容量等の制約により、高処理速度の演算処理回路を搭載することが出来ない場合がある。このような携帯装置を用いて、上記特許文献1に記載されている撮像画像の検索を行うと、一画面内に表示する撮影画像の枚数が多い場合、たとえ個々の撮影画像の解像度を低下させても全体の画像処理に処理に時間がかかってしまう。特に、現在のように、記録画素数の増大により撮影画像のファイルサイズが増大している状況下では、処理の遅延は顕著となり、ユーザにストレスを与えてしまう。また、装置内に記録できる撮影枚数が多くなっていることから、ユーザが所望の撮影画像を見つけるには、何度も表示画面を更新する必要がある。
【0007】
本発明は上記のような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、装置内に記録された画像ファイルから容易かつ迅速に所望の画像ファイルを検索することができる携帯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る携帯装置は、
画像を撮影する撮影手段と、
撮影された画像ファイルを保存する画像ファイル保存手段と、
当該画像ファイルを閲覧するために、前記画像ファイルを表示する画像表示手段と、
現在情報を検出する検出手段と、
前記画像ファイル毎に、当該画像ファイルの撮影情報と、前記画像ファイルの閲覧履歴情報とを関連付けて保存する情報保存手段と、
保存されている前記画像ファイルから所望の前記画像ファイルを検索する検索処理手段と
を備え、
前記検索処理手段は、前記現在情報、前記撮影情報、前記閲覧履歴情報から少なくとも2つの情報を用いて前記所望の画像ファイルを検索すること
としたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、携帯装置内に記録された画像ファイルから容易かつ迅速に所望の画像ファイルを検索することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
本実施の形態にて説明する携帯装置は、現在情報、撮影情報、閲覧履歴情報を用いて画像ファイルの検索を行うことに特徴がある。以下、本実施の形態に係る携帯装置について説明する。
【0011】
<構造>
図1に、本実施の形態の携帯装置10の構成を示す。撮影手段1は、CCDやCMOSセンサ等の撮像素子から構成されている。情報処理手段2はCPU、及び演算処理の実行のためのメモリ等から構成されており、撮影手段1から得られた撮影データを圧縮して画像ファイルに変換する処理や、画像ファイル保存手段3に記録されている画像ファイルを伸長する処理、ユーザ操作受信手段6からの検知情報により撮影手段1から入力される撮影データを取り込む等、画像処理を行う。また、画像ファイル保存手段3に画像ファイルを記録する際に、撮影データの撮影情報を撮影情報保存手段7に記録したり、閲覧履歴を画像ファイルに対応して閲覧履歴情報保存手段8に記録する。なお、情報処理手段2は、画像ファイル保存手段3に保存された複数の画像ファイルから、所望の画像ファイルを検索する検索処理手段2aを有している。
【0012】
画像ファイル保存手段3は、例えば、不揮発メモリであるFlashメモリなどにより構成され、情報処理手段2から出力された画像ファイルを保存する。位置検出手段4は、GPS(Global Positioning System)等を用いて携帯装置10の現在位置を検出する。日時検出手段5は、現在の日時を検出する。ユーザ操作受信手段6は、ユーザによる携帯装置のボタン操作を検知し、情報処理手段2に検知情報を入力する。撮影情報保存手段7は、撮影した画像を画像ファイル保存手段3に保存する際に、その画像ファイルに対応する撮影情報を保存する機能を有しており、画像ファイル保存手段3と同様に、Flashメモリなどにより構成される。なお、撮影情報とは、日時検出手段5で検出される日時情報や、位置検出手段4で検出される位置情報と撮影とを関連付けた、撮影日時情報や撮影位置情報である。また、位置検出手段4が検出する現在位置、及び日時検出手段5が検出する現在日時は現在情報を構成する。
【0013】
閲覧履歴情報保存手段8は、画像ファイルの閲覧履歴情報を画像ファイルに対応して保存する機能を有しており、画像ファイル保存手段3、撮影情報保存手段7と同様、Flashメモリなどにより構成される。なお、閲覧履歴情報とは、日時検出手段5で検出される日時情報や、位置検出手段4で検出される位置情報と閲覧履歴とを関連付けた、閲覧日時情報や閲覧位置情報である。画像表示手段9は、情報処理手段2で生成されたGUIとしての画像や、画像ファイルの表示を行う機能を有しており、LCDなどにより構成される。
【0014】
<撮影操作>
次に、操作について説明する。まず、図2に基づいて、携帯装置10における撮影操作に関する処理フローを説明する。最初に、ステップ101において、ユーザは携帯装置10のボタンの操作を行う。情報処理手段2は、ユーザ操作受信手段6から出力される検知情報に基づいて撮影手段1を起動し、携帯装置10を撮影可能な状態とする。次に、ステップ102において、ユーザは撮影動作を行う。情報処理手段2は、ユーザ操作受信手段6から出力される検知情報に基づいて撮影手段1を動作させ、撮影を行い、撮影データを画像表示手段9に表示させる。撮影後、ユーザが画像表示手段9に表示された撮像データを確認し、この撮影データを記録すると判断した場合、ステップ103、104の処理が行われる。すなわちステップ103において、情報処理手段2は、位置検出手段4から得られる現在位置を撮影位置情報として取得し、日時検出手段5から得られる現在日時を撮影日時情報として取得する。次に、ステップ104において、撮影データを画像ファイルに変換し画像ファイル保存手段3に保存すると共に、撮影位置情報、撮影日時情報と画像データとを関連付けた撮影情報を撮影手段情報保存手段7に保存する。
【0015】
以上の操作により、携帯装置10により撮影された撮影データは、画像ファイルに変換された後に画像ファイル保存手段3に保存される。さらに、保存された画像ファイルと関連付けられた撮影情報が撮影情報保存手段7に保存される。従って、携帯装置10により撮影され、この携帯装置10内に保存された全ての画像ファイルは、撮影位置情報及び撮影日時情報の撮影情報を持つことになる。
【0016】
図3は、携帯装置10内の画像ファイルデータベースのイメージ図であり、この画像ファイルデータベースに複数の画像ファイルの情報が登録されている状態を示している。図3に示すように、登録レコード401は、画像ファイル名、ファイル属性、画像ファイルに変換される前の撮影データの撮影日時、撮影位置、閲覧日時、閲覧位置、閲覧回数(1)、(2)から構成されている。
【0017】
登録レコードに登録されているファイル数は3、ファイル名「AAAA」の画像ファイルの属性はJPEG、撮影日時が2004年4月11日10時54分、過去の閲覧回数は3回、閲覧時期は7月から9月の間であること等が分かる。それに対し、ファイル名「AAAC」の画像ファイルは撮影直後であるので、撮影日時情報、撮影位置情報は登録されているが、閲覧回数は0回であり、閲覧日時、閲覧位置が空欄となっている。なお、各項目、例えば画像ファイルは画像ファイル保存手段3に保存されており、撮影日時や撮影位置の撮影情報は撮影情報保存手段7に保存されており、閲覧回数や閲覧位置の閲覧履歴情報は閲覧履歴情報保存手段8に保存されている。また、図3では、閲覧回数(1)を3月単位の時間情報、閲覧回数(2)を1度単位の位置情報とし、グループ分けをして管理している。
【0018】
<閲覧操作1>
次に図4に基づいて、携帯装置10に保存された画像ファイルを閲覧する場合の閲覧操作に関する処理フローを説明する。なおこの図4における画像ファイルの閲覧方法は、画像ファイル保存手段3に保存されている画像ファイルが少ない状態であり、背景技術において説明した特許文献1と同じ方法であり、現在位置、撮影位置、閲覧位置を用いた検索は行わない。この場合、画像表示手段9の1画面内に、縮小された画像ファイル4枚程度を一度に表示するサムネイル一覧表示を行い、この一覧表示画面から各画像ファイルを確認し、所望の画像を選び出す。
【0019】
まず、ステップ201において、ユーザは、画像表示手段9に画像ファイルをサムネイル一覧表示させるために携帯装置10のボタンの操作する。ステップ202において、情報処理手段2は、ユーザ操作受信手段6から出力される検知情報に基づいて画像ファイル保存手段3に保存されている画像ファイルを画像表示手段9に複数個表示できる所定の大きさに伸長処理し、画像表示手段9にサムネイル一覧表示を行う。所望の画像ファイルが表示されていない場合、ユーザは、さらに新たな画像ファイルをサムネイル一覧表示する操作を行い、情報処理手段2は、その操作に基づいて画像表示手段9に画像ファイルを表示する。そして、所望の画像ファイルを確認した場合、ユーザは、ステップ202において、所望の画像ファイルを選択する操作を行う。情報処理手段2はユーザ操作受信手段6から出力される検知情報に基づいて、選択された画像ファイルを画像表示手段9に1画面表示できる大きさに伸長し、表示させる。さらに、情報処理手段2は、携帯装置10内に設置されている図示しないタイマーを起動し、選択した画像ファイルの表示開始からの時間を計測する。
【0020】
画像表示手段9での画像ファイルの表示を終了する場合、ユーザは、ステップ203において、画像ファイルの表示を終了させるボタン操作を行う。情報処理手段2はユーザ操作受信手段6から出力される検知情報に基づいて、ステップ204において、画像表示手段9での画像ファイルの表示を終了すると共に、タイマーでの計測を停止する。そして、ステップ205において、情報処理手段2は、画像表示手段9で画像ファイルが表示された時間が所定の基準を超えたか否か、例えば1分以上であったか否かを判断する。表示時間が一定の基準を超えた場合、ユーザにとって有意な閲覧が実施されたものと判断し、ステップ206において、位置検出手段4から現在位置を取得し、閲覧位置情報とする。情報処理手段2は、ステップ207において、画像ファイルデータベースに、ステップ206において取得した閲覧位置情報を登録し、さらに、閲覧回数を1、加算する。なお、画像ファイルデータベースへの登録は、実際は閲覧履歴情報保存手段8に閲覧履歴情報を登録する処理となる。表示時間が一定基準に満たない場合、表示画像はユーザの所望の画像ではないと判断し、閲覧履歴への登録を行うことなく、処理を終了する。なお、ステップ206において日時検出手段から得られる日時情報を閲覧日時情報として取得し、ステップ207において画像ファイルデータベースに登録してもよい。
【0021】
図5は、図3に示した画像ファイルデータベースに登録されていたファイル名「AAAC」の画像ファイルが閲覧され、この閲覧履歴情報の登録が完了した状態を示す図である。図5の登録レコード501の状態を図3の登録レコード401の状態と比較すると、登録レコード501の閲覧日時、閲覧位置閲覧回数が登録され、閲覧履歴情報が更新されている。
【0022】
<閲覧操作2>
次に、図6に基づいて、図3に示した処理フローとは異なる携帯装置10に保存された画像ファイルの閲覧操作に関する他の処理フローを説明する。図6では、携帯装置10内に保存された画像ファイルが増加し、図4の処理フローで説明したサムネイル一覧表示では表示しきれない場合、あるいはサムネイル一覧表示をした場合でも何度も画面を更新しなければユーザが所望する画像ファイルを見つけ出すことができない場合について説明する。この図6の処理フローでは、現在位置、撮影位置、閲覧位置を用いた検索を行う。
【0023】
まず、ステップ301において、ユーザは携帯装置10のボタンを操作し、図7(a)に示すメニュー一覧を画像表示手段9に表示させた後、図7(b)に示すユーザインターフェイスを表示させる。さらにユーザは、図7(b)のインターフェイスから「検索」を選択し、図8に示す検索画面を表示させる。次に、ステップ302において、情報処理手段2は、位置検出手段4から入力される現在位置が、すでに検索項目に登録されているか否か、すなわち、現在位置を検索項目として使用できるか否かを判断する。現在位置を検索項目として使用できる場合は、ステップ303において、情報処理手段2が位置検出手段4から入力される現在位置情報を取得する。その後ユーザは、検索画面において、以下に入力する検索項目をアクティブにするため「条件1」701にチェックを入れた後、検索第一項目702を選択し、現在位置、閲覧位置、撮像位置から検索項目を決定する。さらに、検索第ニ項目703を選択し、現在位置、閲覧位置、撮像位置から検索項目を決定する。なお、検索第二項目703で選択可能な位置は、検索第一項目703で決定された位置と異なる位置である。最後に、検索第三項目704を選択し、検索第一項目702と検索第ニ項目703とが完全一致、近傍一致、不一致なのかの検索条件を決定する。このような手順により決定された検索項目に従い、情報処理手段2内の検索処理手段2aはステップ304において、画像ファイルデータベースの検索を行う。
【0024】
なお、ステップ302において現在位置を検索項目として使用できないと判断された場合、ステップ304の検索に用いる項目は、撮影位置と閲覧位置である。
【0025】
ところで、撮影位置、現在位置は一意に決まるが、複数回閲覧された画像ファイルには、複数の閲覧位置が存在する。従って、ステップ304では、登録された画像ファイルが複数ある場合、例えば閲覧回数の多い画像ファイルを優先的に検索するよう、検索処理手段2aが検索を行う。また、ステップ305では、閲覧回数の多い画像ファイルを優先的に表示するよう、情報処理手段2が並び替えを行う。最後に、検索された画像ファイルの一覧を画像表示手段9に表示する。ステップ306における画像ファイル一覧表示の後の処理は、図4に示したステップ201以降と同一である。
【0026】
このように、過去の閲覧履歴を有効に活用した、閲覧回数の多い画像ファイルを優先的に検索する検索方法や、閲覧回数の多い画像ファイルを優先的に表示する表示方法は、ユーザの好みに沿った的確な検索を可能とする。従って、所望の画像ファイルを迅速かつ容易に検索することが可能となる。
【0027】
すなわち、図4に示すように、ファイル名「AAAA」の画像ファイルは3度の閲覧履歴があり、「AAAB」は1度しか閲覧履歴が無い。このような状態の場合、まずは「AAAA」から検索するようにしてもよい。また、検索が実施され、両者が検索条件に適合する場合、「AAAA」を優先的に表示するようにしてもよい。さらに、両者に複数の閲覧履歴がある場合、単に閲覧履歴の回数が多い画像ファイルを優先して検索、表示してもよい。また、検索条件に適合する閲覧履歴を有する画像ファイルが複数ある場合、閲覧履歴の総数が多い画像ファイルを優先的に表示してもよく、閲覧履歴の中で条件に合致する回数の多いファイルを優先的に表示してもよい。
【0028】
さらに、ステップ305の検索結果の並び替えでは、ステップ304における検索条件に近い位置情報をもつ画像ファイルから優先的に並べてもよく、上記の閲覧履歴の回数と位置情報の両者から並び替えを行ってもよい。
【0029】
なお、ステップ304の検索第三項目704では、完全一致の他、ほぼ一致という近傍一致を設定可能とすることにより、ある程度の曖昧さを持った検索を行うことができるようになり、有効な検索結果が得ることが可能となる。従って、フォルダでの画像ファイルの管理やファイル名の変更等を行っていない場合でも、容易に所望の画像ファイルを検索することが可能となる。
【0030】
このように、本実施の形態の携帯装置10では、撮影位置、閲覧位置、現在位置の3つの情報から少なくとも2つを用いて画像ファイルの検索を行うこととしたので、簡単な検索操作で所望の画像ファイルを見つけることが可能となる。
【0031】
<閲覧履歴情報>
ここで、さらに、閲覧履歴情報を用いて検索を行った場合の利点について、図9を用いて説明する。図9において、縦軸は現在位置と閲覧位置との関係を表し、図中、上側が現在位置と閲覧位置とが近く、下側が現在位置と閲覧位置とが遠い関係にあることを表す。横軸は、現在位置と撮影位置との関係を表し、図中、右側が現在位置と撮影位置とが近く、左側が現在位置と撮影位置とが遠い関係にあることを表す。従って、画像ファイル保存手段3に保存されている画像ファイルをこの2つの軸で構成される空間上に分布させることができる。
【0032】
なお、図中右上の領域1301にある画像ファイルは、現在位置と撮影位置と閲覧位置の三者が近い関係にあり、左上の領域1302にある画像ファイルは、現在位置と閲覧位置は近いが現在位置と撮影位置が遠い関係にある。また、右下の領域1303にある画像ファイルは現在位置と撮影位置は近いが現在位置と閲覧位置が遠い関係にあり、左下の領域1304にある画像ファイルは三者とも遠い関係にある。
【0033】
一般に、ユーザがある画像ファイルを閲覧したいと考えた場合、対象となる画像ファイルの撮影場所や、友人等に見せた場所等ある程度の情報が認識された状態である場合が多い。このおおよその記憶から撮影位置や閲覧位置を特定し、検索を行うことができる。
【0034】
撮影位置は記憶していないが、閲覧位置は記憶している場合、例えば、閲覧したい画像ファイルの撮影時期が現時点よりかなり前であるため、撮影位置を思い出すことができないが、最近、その画像ファイルを閲覧している場合を考える。この場合、閲覧した状況等を覚えていれば、その記憶を用いて閲覧位置と現在位置とから画像ファイルを検索することが可能となる。さらに、更新履歴が最も新しい日時のファイルを優先的に検索、表示するように検索条件を設定すると、さらに迅速かつ容易な検索や表示が可能となる。
【0035】
以下では具体的な状況を想定する。例えば、夏休みに子供をつれて帰省した場合、自宅で撮影した孫の画像ファイルを祖父や祖母に見せる場合を考える。この場合、現在位置と撮影位置が離れているので、検索第一項目702を「現在位置」、検索第二項目703を「撮影位置」、検索第三項目704を「不一致」として検索を行うと所望の画像ファイルを選択することが可能となる。その後、この画像ファイルを閲覧した場合、画像ファイルに関連付けられた閲覧履歴情報が閲覧履歴情報保存手段8に保存される。なお、この時点では、閲覧された画像ファイルは、現在位置と撮影位置が遠い関係にあり、かつ、現在位置と閲覧位置が一致する関係にある。従って、この画像ファイルは図9の領域1302に分布することとなる。
【0036】
次に、この帰省先に来た親戚に、先ほど閲覧した画像ファイルを見せる場合を考える。この場合、現在位置と閲覧位置が一致するので、検索第一項目702を「現在位置」、検索第二項目703を「閲覧位置」、検索第三項目704を「一致」あるいは「ほぼ一致」として検索を行うと所望の画像ファイルを選択することが可能となる。
【0037】
なお、検索第一項目702を「閲覧位置」、検索第二項目703を「撮影位置」、検索第三項目704を「不一致」として検索を行ってもよく、検索第一項目702を「現在位置」、検索第二項目703を「撮影位置」、検索第三項目704を「不一致」として検索を行ってもよい。ただし、撮影よりも閲覧が近々に行われているので、検索項目として「撮影位置」よりも「閲覧位置」を用いる方がユーザにとっては検索項目の設定を直感的に行うことができ、容易かつ迅速な検索を行うことが可能となる。すなわち、「閲覧」は「撮影」より必ず時間的に後の行為となるので、ユーザが閲覧行為を覚えている可能性が高い。本願発明は、このような人間の特性を考慮し、閲覧履歴情報を用いて画像ファイルの検索を行えるようにした点にも特徴がある。
【0038】
さらに、自宅に戻った後に、友人にこの画像ファイルを見せる場合を考える。この場合、現在位置と撮影位置は一致し、現在位置と閲覧位置は遠い関係にある。従って、この画像ファイルは図9の領域1303に分布している。この画像ファイルを検索するには、検索第一項目702を「現在位置」、検索第二項目703を「閲覧位置」、検索第三項目704を「不一致」として検索を行ってもよく、検索第一項目702を「閲覧位置」、検索第二項目703を「撮影位置」、検索第三項目704を「不一致」として検索を行ってもよい。また、検索第一項目702を「現在位置」、検索第二項目703を「撮影位置」、検索第三項目704を「一致」あるいは「ほぼ一致」として検索を行ってもよい。ただし、検索項目として「撮影位置」よりも「閲覧位置」を用いる方が、容易かつ迅速な検索を可能とするのは上記で説明した通りである。
【0039】
次に、旅行先で撮影した風景の画像ファイルであり、かつ、その旅行先で閲覧した画像ファイルを自宅で見る場合を考える。この場合、現在位置と撮影位置とは遠い関係にあり、現在位置と閲覧位置も遠い関係にある。従って、この画像ファイルは図9の領域1304に分布することとなる。この画像ファイルを検索するには、検索第一項目702を「現在位置」、検索第二項目703を「閲覧位置」、検索第三項目704を「不一致」として検索を行ってもよく、検索第一項目702を「閲覧位置」、検索第二項目703を「撮影位置」、検索第三項目704を「一致」あるいは「ほぼ一致」として検索を行ってもよい。また、検索第一項目702を「現在位置」、検索第二項目703を「撮影位置」、検索第三項目704を「不一致」として検索を行ってもよい。
【0040】
また、旅行先で撮影した風景の画像ファイルであり、かつ、その自宅で閲覧した画像ファイルを自宅近くに住む友人に見せる場合を考える。この場合、現在位置と撮影位置とは遠い関係にあり、現在位置と閲覧位置は近い関係にある。従って、この画像ファイルは図9の領域1302に分布することとなる。この画像ファイルを検索するには、検索第一項目702を「現在位置」、検索第二項目703を「閲覧位置」、検索第三項目704を「ほぼ一致」として検索を行ってもよく、検索第一項目702を「閲覧位置」、検索第二項目703を「撮影位置」、検索第三項目704を「不一致」として検索を行ってもよい。また、検索第一項目702を「現在位置」、検索第二項目703を「撮影位置」、検索第三項目704を「不一致」として検索を行ってもよい。
【0041】
その他、旅行だけなく、ビジネスにおいて携帯装置10を利用する場合がある。例えば、現在、社内で業務中のユーザが、出張先で撮影し、かつ、これまでに社内で閲覧したことがある画像ファイルを検索しようとした場合を考える。この場合、現在位置と撮影位置とは遠い関係にあり、現在位置と閲覧位置は近い関係にある。従って、この画像ファイルは図9の領域1302に分布することとなる。この画像ファイルを検索するには、検索第一項目702を「現在位置」、検索第二項目703を「閲覧位置」、検索第三項目704を「ほぼ一致」として検索を行ってもよく、検索第一項目702を「閲覧位置」、検索第二項目703を「撮影位置」、検索第三項目704を「不一致」として検索を行ってもよい。
【0042】
このように、画像ファイルの撮影位置は、自宅、外出先、旅行先、出張先など多様な場所となることが想定されるが、本実施の形態の携帯装置10によれば、画像ファイルに関する大まかな記憶を利用して「閲覧履歴情報」という新たな検索項目を用いて画像ファイルの検索を行うことが可能となる。これにより、厳密な情報を必要とせずに迅速かつ容易な検索が可能となり、また、検索項目が増えるため、ユーザの意図に沿った的確な検索が可能となる。
【0043】
なお、本実施の形態では、画像ファイル保存手段3、撮影情報保存手段7、閲覧履歴情報保存手段8が異なる構成としたが、これらがすべて一体的に構成し、保存手段としてもよく、撮影情報保存手段7、閲覧履歴情報保存手段8とからなる情報保存手段と画像ファイル保存手段3により構成してもよい。
【0044】
また、位置検出手段4と日時検出手段5が異なる構成として説明したが、両検出手段から検出する情報は共に現在の情報であるので、位置検出手段4と日時検出手段5とを一体的に構成し、検出手段としてもよい。
【0045】
実施の形態2.
本実施の形態では、実施の形態1で説明した検索処理フローにおいて、地図を用いた検索項目の入力が可能な携帯装置について説明する。
【0046】
図10に、本実施の形態における検索画面を示す。図10では、検索第一項目802において、現在位置とともに位置指定を行うことが可能となっている。ユーザが検索第一項目802において位置指定を選択した場合、図11(a)に示す位置指定画面が表示される。ユーザは携帯装置10のボタンを操作し、地図上のカーソル901を移動して位置指定行う。この場合、位置指定による情報入力は、ユーザ操作受信手段6から情報処理手段2に入力され、その結果が画像表示手段9に表示されている地図に反映される。従って、ユーザ操作受信手段6が情報入力手段としての機能を有することとなる。
【0047】
なお、図11(a)に示す位置指定画面上にてユーザが位置指定を行うと、図11(b)に示すような、より詳細な地図を表示するようにしてもよい。これにより、更に詳細な位置指定を行うことが可能となる。なお、検索第一項目802において位置指定を選択した場合、検索第二項目703で選択可能な位置は、撮影位置又は閲覧位置である。
【0048】
これにより、いずれの場所で撮影、閲覧された画像に対しても有効に検索を行い、ユーザの意図に沿った的確な画像ファイルの検索が可能となる。なお、位置指定画面の数は3以上であってもよく、数が多いほど詳細な位置指定が可能となるとともに、ユーザフレンドリーな位置指定方法となる。
【0049】
実施の形態3.
本実施の形態では、日時情報を用いた画像ファイルの検索が可能な携帯装置について説明する。
【0050】
図12に、本実施の形態における画像ファイルの検索処理フローを示す。まず、ステップ1001において、ユーザは携帯装置10のボタンを操作し、図7(a)に示す一覧を画像表示手段9に表示させた後、図7(b)に示すユーザインターフェイスを表示させる。さらにユーザは、図7(b)のインターフェイスから「検索」を選択し、図13に示す検索画面を表示させる。その後ユーザは、検索画面において、以下に入力する検索項目をアクティブにするため「条件1」1101にチェックを入れた後、検索画面において検索第一項目1102を選択し、現在日時、閲覧日時、撮像日時、日時指定から検索項目を決定する。さらに、検索第ニ項目1103を選択し、現在日時、閲覧日時、撮像日時から検索項目を決定する。なお、検索第二項目1103で選択可能な日時は、検索第一項目1102で決定された日時と異なる項目である。最後に、検索第三項目1104を選択し、検索第一項目1102と検索第ニ項目1103とが完全一致、近傍一致、不一致なのかの検索条件を決定する。このような手順により決定された検索項目に従い、情報処理手段2内の検索処理手段2aはステップ1004において、画像ファイルデータベースの検索を行う。
【0051】
ステップ1002、ステップ1003は、それぞれ図6のステップ305、ステップ306と同様の処理内容である。なお、検索第一項目1102にて日時指定が設定された場合、携帯装置10のボタンを操作して日時を数値にて入力する。
【0052】
このように、本実施の形態では、日時情報を用いて検索を可能としている。これにより、撮影や閲覧を行った日時による検索をユーザが自由に設定でき、ユーザの意図に沿った的確な検索が可能となる。
【0053】
なお、日時の検索処理では、同一時間帯による検索、同一曜日による検索、同一季節による検索など、グルーピングに基づく検索を実施できるようにしてもよい。このように時間情報に幅を持たせることで、より曖昧な条件でも検索可能となり、所望の画像ファイルが得られる確率が向上する。
【0054】
また、本実施の形態でも、ユーザが入力する日時を検索項目としてもよい。この場合、撮影日時又は閲覧日時のいずれか一方とユーザが指定する日時とにより画像ファイルの検索条件を設定することとなる。
【0055】
また、実施の形態1と2では位置情報による画像ファイルの検索、実施の形態3では、日時情報による画像ファイルの検索についてそれぞれ説明したが、位置情報と日時情報とを組み合わせた検索を行えるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】この発明の実施の形態1の携帯装置の機能ブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1の携帯装置における撮影の処理フロー図である。
【図3】この発明の実施の形態1の携帯装置における画像ファイルデータベースである。
【図4】この発明の実施の形態1の携帯装置における画像ファイルの閲覧の処理フロー図である。
【図5】この発明の実施の形態1の携帯装置における画像ファイルデータベースである。
【図6】この発明の実施の形態1の携帯装置における画像ファイルの閲覧の処理フロー図である。
【図7】この発明の実施の形態1の携帯装置におけるメニュー一覧画面である。
【図8】この発明の実施の形態1の携帯装置における画像ファイルの検索画面である。
【図9】この発明の実施の形態1の携帯装置における画像ファイルの分布図である。
【図10】この発明の実施の形態2の携帯装置における画像ファイルの閲覧の処理フロー図である。
【図11】この発明の実施の形態2の携帯装置における位置指定画面である。
【図12】この発明の実施の形態3の携帯装置における画像ファイルの閲覧の処理フロー図である。
【図13】この発明の実施の形態3の携帯装置における画像ファイルの検索画面である。
【符号の説明】
【0057】
1 撮影手段、 2 情報処理手段、 2a 検索処理手段、 3 画像ファイル保存手段、 4 位置検出手段、 5 日時検出手段、 6 ユーザ操作受信手段、 7 撮影情報保存手段、 8 閲覧履歴情報保存手段、 9 画像表示手段、 10 携帯装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を撮影する撮影手段と、
撮影された画像ファイルを保存する画像ファイル保存手段と、
当該画像ファイルを閲覧するために、前記画像ファイルを表示する画像表示手段と、
現在情報を検出する検出手段と、
前記画像ファイル毎に、当該画像ファイルの撮影情報と、前記画像ファイルの閲覧履歴情報とを関連付けて保存する情報保存手段と、
保存されている前記画像ファイルから所望の前記画像ファイルを検索する検索処理手段と
を備え、
前記検索処理手段は、前記現在情報、前記撮影情報、前記閲覧履歴情報から少なくとも2つの情報を用いて前記所望の画像ファイルを検索すること
を特徴とする携帯装置。
【請求項2】
検出手段にて検出される現在情報は、現在位置情報、又は現在日時情報であること
を特徴とする請求項1に記載の携帯装置。
【請求項3】
撮影情報は、撮影位置情報、又は撮影日時情報であること
を特徴とする請求項1に記載の携帯装置。
【請求項4】
閲覧履歴情報は、閲覧位置情報、又は閲覧日時情報であること
を特徴とする請求項1に記載の携帯装置。
【請求項5】
情報保存手段は、各画像ファイルに対し、複数の閲覧履歴情報を保存することが可能であること
を特徴とする請求項4に記載の携帯装置。
【請求項6】
情報保存手段は、画像ファイルが所定時間以上、画像表示手段に表示された場合に閲覧履歴情報を保存すること
を特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の携帯装置。
【請求項7】
情報入力を行う情報入力手段を有し、
検索手段は、入力された情報と、撮影情報、又は閲覧履歴情報の少なくともいずれか一方の情報を用いて所望の画像ファイルを検索すること
を特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の携帯装置。
【請求項8】
入力された情報は、位置、又は日時であること
を特徴とする請求項7に記載の携帯装置。
【請求項9】
画像を撮影する撮影ステップと、
撮影された画像ファイルを保存する画像ファイル保存ステップと、
当該画像ファイルを閲覧するために、前記画像ファイルを表示する画像表示ステップと、
現在情報を検出する検出ステップと、
前記画像ファイル毎に、当該画像ファイルの撮影情報と、前記画像ファイルの閲覧履歴情報とを関連付けて保存する情報保存ステップと、
保存されている前記画像ファイルから所望の前記画像ファイルを検索する検索処理ステップと
を備え、
前記検索処理ステップは、前記現在情報、前記撮影情報、前記閲覧履歴情報から少なくとも2つの情報を用いて前記所望の画像ファイルを検索すること
を特徴とする画像ファイル検索方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−133947(P2006−133947A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−320300(P2004−320300)
【出願日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】