携帯装置
【課題】第1及び第2筺体が重なった状態においてもアンテナの受信感度の低減が抑制された携帯装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本実施例の携帯装置は、第1筐体と、前記第1筐体に引き出し可能に収納された収納部材と、絶縁材製の壁部を有し前記第1筐体に重畳可能に連結された第2筺体と、前記第2筐体に収納され少なくとも一部を前記壁部に包囲されたアンテナと、を備え、前記収納部材は、前記第1筐体に収納された際に前記第1筐体から露出し絶縁部材製の露出部を有し、前記第1及び第2筺体が重なった重畳状態のときに、前記アンテナの少なくとも一部は前記壁部を介して前記露出部に対向する。
【解決手段】本実施例の携帯装置は、第1筐体と、前記第1筐体に引き出し可能に収納された収納部材と、絶縁材製の壁部を有し前記第1筐体に重畳可能に連結された第2筺体と、前記第2筐体に収納され少なくとも一部を前記壁部に包囲されたアンテナと、を備え、前記収納部材は、前記第1筐体に収納された際に前記第1筐体から露出し絶縁部材製の露出部を有し、前記第1及び第2筺体が重なった重畳状態のときに、前記アンテナの少なくとも一部は前記壁部を介して前記露出部に対向する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第1筐体、第1筐体に重畳可能に連結された第2筺体、を備えた携帯装置が知られている。第2筺体にはアンテナが収納される場合がある。アンテナを包囲する第2筺体の壁部は、アンテナによる電波の送受信への影響を抑制するために、絶縁材で形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002‐232220号公報
【特許文献2】実用新案登録3027116号公報
【特許文献3】特開2000‐17466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
重畳状態においては、第2筺体に収納されたアンテナは、第2筺体の壁部を介して第1筐体に対向する。従って、第1筐体の材料によっては、重畳状態において第1筐体がアンテナの受信感度に影響を与えるおそれがある。
【0005】
本発明は、第1及び第2筺体が重なった状態においてもアンテナの受信感度の低減が抑制された携帯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示の携帯装置は、第1筐体と、前記第1筐体に引き出し可能に収納された収納部材と、絶縁材製の壁部を有し前記第1筐体に重畳可能に連結された第2筺体と、前記第2筐体に収納され少なくとも一部を前記壁部に包囲されたアンテナと、を備え、前記収納部材は、前記第1筐体に収納された際に前記第1筐体から露出し絶縁部材製の露出部を有し、前記第1及び第2筺体が重なった重畳状態のときに、前記アンテナの少なくとも一部は前記壁部を介して前記露出部に対向する。
【発明の効果】
【0007】
第1及び第2筺体が重なった状態においてもアンテナの受信感度の低減が抑制された携帯装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1A〜1Cは、本実施例のノート型コンピュータの説明図である。
【図2】図2は、筐体の分解斜視図である。
【図3】図3は、収納部材を取外した状態のノート型コンピュータの斜視図である。
【図4】図4A、4Bは、収納部材の斜視図である。
【図5】図5は、収納部材の断面図である。
【図6】図6は、収納部材の分解斜視図である。
【図7】図7は、下ケースにロック部を組み付けた状態での収納部材の部分拡大図である。
【図8】図8Aは、筐体を分解したノート型コンピュータの斜視図であり、図8Bは、図8Aの部分拡大図である。
【図9】図9は、筐体のケース及びカバーからアンテナ、カメラユニットを取外した状態を示している。
【図10】図10は、アンテナ、カメラユニットの位置を示した第1重畳状態でのノート型コンピュータの斜視図である。
【図11】図11は、アンテナ、カメラユニットの位置を示した第2重畳状態でのノート型コンピュータの斜視図である。
【図12】図12は、第2重畳状態でのノート型コンピュータの断面図である。
【図13】図13は、第1変形例である収納部材の説明図である。
【図14】図14は、下ケースにロック部を組み付けた状態での第1変形例の収納部材の部分拡大図である。
【図15】図15は、第2変形例である収納部材の説明図である。
【図16】図16は、第2変形例である収納部材の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ノート型コンピュータを携帯装置の一例として説明する。図1A〜1Cは、本実施例のノート型コンピュータ1の説明図である。ノート型コンピュータ1は、筐体10、20を有している。筐体10は第1筺体の一例である。筐体20は、第2筺体の一例である。筐体10、20は、2軸ヒンジHにより連結されている。筐体10は、上面11、上面11と対向する底面、上面11及び底面の各面積よりも小さい側面13、15、を有している。側面13、15は、上面11と底面とを連結する。筐体10の上面11及び底面は、それぞれ第3及び第4面の一例である。側面13は、第5面の一例である。上面11には、ノート型コンピュータ1を操作するためのキーボードK、カバー30が設けられている。側面15には、複数のポート、コネクタが設けられている。筐体10内には、ノート型コンピュータ1の動作全体を制御するためのマザーボードが収納されている。筐体10には、取外し可能な2つの収納部材Bが収納されている。2つの収納部材Bは、カバー30を挟むように設けられている。
【0010】
筐体20は、正面21、正面21と対向する背面22、正面21及び背面22の各面積よりも小さい面積を有した側面23、25を有している。側面23、25は、正面21と背面22を連結する面である。筐体20の正面21及び背面22は、それぞれ第1面、第2面の一例である。正面21には、表示ユニットUが設けられている。表示ユニットUは、画像を表示可能な表示パネルと、接触することにより操作可能なタッチパネルとを含んでいる。なお、タッチパネルは、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、など各種方式のものを採用しうる。また、タッチペンが不要でユーザの指先と導電膜との間での静電容量の変化を利用する静電容量方式のタッチパネルを採用してもよい。また、タッチパネルの代わりに、電子ペンを利用する電磁誘導方式のペンタブレットも採用しうる。
【0011】
2軸ヒンジHは、筐体10、20を異なる2つの軸心A1、A2周りに回転可能に連結している。軸心A1、A2は直交している。軸心A1は、上面11が広がる方向と平行に延びる。軸心A2は、上面11と交差する方向に延びる。つまり、軸心A1と軸心A2とは交差する。
【0012】
図1Aは、筐体10の上面11に筐体20の正面21が重なった第1重畳状態を示している。図1Bは、筐体10、20が開いた開状態を示している。図1Cは、筐体10の上面11に筐体20の背面22が重なった第2重畳状態を示している。ユーザは、第1重畳状態から筐体20を軸心A1周りに回転させることにより、ノート型コンピュータ1を開状態になる。ユーザは、図1Bの開状態から筐体20を軸心A2周りに回転させることより、図1Bの状態から筐体20の背面22と筐体10の上面11とが対向する。ユーザは、筐体20の背面22と筐体10の上面11とが対向した状態で、筐体20が筐体10に重なるように軸心A1周りに回転させることができる。これにより、ノート型コンピュータ1は、筐体10の上面11と筐体20の背面22が対向した第2重畳状態となる。
【0013】
図2は、筐体10の分解斜視図である。筐体10は、ケース10F、10R、カバー30を含む。ケース10F、10Rは、金属製である。カバー30は、絶縁材製、具体的には合成樹脂製であるがこれに限定されない。例えばカバー30はゴム製であってもよい。カバー30は、静電容量方式のタッチセンサSNを覆う。ユーザの指がカバー30に触れることにより、カバー30の内側に配置されているタッチセンサSNがユーザの指の位置を検出する。カバー30はケース10Fに組み付けられている。筐体10の上面11は、ケース10Fとカバー30とにより画定される。筐体10の底面12は、ケース10Rによって画定される。
【0014】
ケース10R側には、マザーボードM、マザーボードMに実装された半導体チップCPから受熱するヒートパイプHP、ヒートパイプHPに連結されたラジエータR、ラジエータRを冷却するファンF、が配置されている。ケース10Rには、表示ユニットUのタッチパネルを操作するためのタッチペンPが収納されている。ケース10Rには、2つの収納部材Bが配置されている。この2つの収納部材Bは、筐体10に収納され、カバー30を挟む。
【0015】
筐体10の大部分は、金属製のケース10F、10Rにより画定される。一般的に、金属の密度は絶縁材の密度よりも大きく、金属の強度は絶縁材の強度よりも大きい。このため、薄い金属により筐体を形成することにより、絶縁材により筐体を形成した場合に比して、筺体の強度を確保しつつ軽量化が図られている。本実施例では、筐体10の大部分を金属製で形成することにより、筐体10の強度と軽量化とを確保している。
【0016】
図3は、収納部材Bを取外した状態のノート型コンピュータ1の斜視図である。筐体10の側面13に、収納部材Bを挿入可能な挿入口18が形成されている。筐体10の側面13には、収納部材Bをロックするためのロック部19が設けられている。ロック部19を筐体10の側面13の長手方向にスライドすることにより、筐体10に収納された収納部材Bのロックを解除する。尚、収納部材Bは、筐体10から完全に取外すことができるが、筐体10から引き出し可能であれば筐体10から完全に取外しできなくてもよい。収納部材Bは、筐体10に引き出し可能に収納された収納部材の一例である。挿入口18は、収納部材Bが挿入可能な開口の一例である。
【0017】
収納部材Bについて説明する。図4A、4Bは、収納部材Bの斜視図である。図5は、収納部材Bの断面図である。図6は、収納部材Bの分解斜視図である。図7は、下ケース40にロック部70を組み付けた状態での収納部材Bの部分拡大図である。収納部材Bは、下ケース40、上ケース50、蓋60、ロック部70を含む。下ケース40、上ケース50、蓋60、ロック部70は、絶縁材製、具体的には合成樹脂製である。下ケース40、上ケース50は互いに組み合わされてバッテリBTを収納する。バッテリBTは、金属製である。図5Bに示すように、下ケース40の前方側には、ユーザが手で収納部材Bを取外す際に指が挿入される凹部48が形成されている。
【0018】
図6に示すように、下ケース40、上ケース50には、それぞれ貫通孔44、54が形成されている。蓋60には、ネジ孔が形成されている。貫通孔44、54に挿入されたネジNは、蓋60のネジ孔に螺合する。これにより、上ケース50は下ケース40上に固定され、蓋60は上ケース50上に固定される。
【0019】
図6、7に示すように、下ケース40の前方側の側面には突状の係合部49が形成されている。収納部材Bが筐体10に収納された際に、係合部49が筐体10のロック部19に係合することにより、収納部材Bは筐体10からの取外しがロックされる。ロック部19は、収納部材に対して離脱可能に係合するロック部の一例である。
【0020】
図6、7に示すように、下ケース40、上ケース50との間にはロック部70がスライド可能に保持される。ロック部70は、延在部71、操作部72、係合部73、ピン部75、を含む。延在部71は所定方向に延びている。操作部72は、延在部71の一端に設けられ、下ケース40の正面の中央に形成された切欠部42を介して露出する。係合部73は突状であり延在部71の他端に設けられ、下ケース40の側面の手前側に形成された切欠部43から露出している。ロック部70の係合部73は、収納部材Bが筐体10に収納された際に筐体10と係合する。ピン部75は、延在部71と平行に係合部73から延びている。ピン部75は、コイル状のバネSに挿入される。
【0021】
図7に示すように、バネSは、下ケース40に組み付けられたロック部70を付勢方向Dに付勢する。これにより、収納部材Bが筐体10に収納された際にロック部70の係合部73と筐体10との係合が維持され、収納部材Bの取外しがロックされる。ロック部70は、第1筐体に対して離脱可能に係合するロック部の一例である。ユーザは、筐体10のロック部19をスライドさせて筐体10と収納部材Bとのロックを解除し、更にロック部70の操作部72をバネSの付勢方向Dと反対方向にスライドさせることにより、ロック部70と筐体10とのロックは解除される。これにより、筐体10から収納部材Bが取外される。
【0022】
図1A〜1C、図2に示すように、筐体10に収納された収納部材Bは、蓋60が露出している。換言すれば、蓋60は、収納部材Bが筐体10に収納された際に筐体10の挿入口18を塞ぐ。筐体10の側面13は、筐体10の一部とカバー30と収納部材Bの蓋60とにより画定される。蓋60は、第1筐体に収納された際に第1筐体から露出し絶縁部材製の露出部の一例である。
【0023】
次に筐体20に収納されたアンテナについて説明する。図8Aは、筐体20を分解したノート型コンピュータ1の斜視図であり、図8Bは、図8Aの部分拡大図である。筐体20は、正面側のケース20F、背面側のケース20R及びカバー20R1を含む。ケース20Fは、正面21を画定する。ケース20R及びカバー20R1は、背面22を画定する。ケース20F、カバー20R1は、絶縁材製、具体的には合成樹脂製である。ケース20F、カバー20R1は、絶縁材製の壁部の一例である。尚、ケース20F、カバー20R1の少なくとも一方は、例えばゴム製であってもよい。ケース20Rは、金属製である。カバー20R1は、ケース20Rの上部に位置する。ケース20F、カバー20R1は、筐体20の側面23を画定する。カバー20R1の内側には、アンテナAT1〜AT4、カメラユニットCMが配置されている。
【0024】
図9は、筐体20のケース20R及びカバー20R1からアンテナAT1〜AT4、カメラユニットCMを取外した状態を示している。アンテナAT1、AT2、AT4の下部には、それぞれグランド部AT11、AT21、AT41が設けられている。グランド部AT11、AT21、AT41は、表示ユニットUの背面に固定された金属板に導通接続される。アンテナAT1、AT2、AT4の上部には、それぞれ放射部AT13、AT23、AT43が形成されている。放射部AT13、AT23、AT43は、グランド部AT11、AT21、AT41が接続した金属板には接続していない。図8Bに示すように、アンテナAT1、AT2、AT4のそれぞれの放射部AT13、AT23、AT43、及びアンテナAT2は、合成樹脂製のケース20F、カバー20R1に包囲される。
【0025】
従って、各アンテナAT1〜AT4は、少なくとも一部が第2筺体に収納され壁部に包囲されたアンテナの一例である。一般的に、アンテナ近傍に金属製の部材が存在していると、アンテナの受信感度が低減する。本実施例のアンテナAT1〜AT4の少なくとも一部は、合成樹脂製のケース20F、カバー20R1により包囲されているので、展開状態でのアンテナAT1〜AT4の受信感度の低減は抑制される。
【0026】
前述したように、金属の密度は絶縁材の密度よりも大きく、金属の強度は絶縁材の強度よりも大きい。このため、薄い金属により筐体を形成することにより、絶縁材により筐体を形成した場合に比して、筺体の強度を確保しつつ軽量化が図られている。本実施例では、筐体20の一部であるケース20Rが金属製であることにより、筐体20の強度と軽量化とを確保している。また、筐体20の一部であるケース20F、カバー20R1が絶縁材製であることにより、アンテナAT1〜AT4の受信感度の低減を抑制している。尚、図8Aに示すように、ケース20FにはカメラユニットCMのレンズを露出する開口CMOが形成されている。
【0027】
図10は、アンテナAT1〜AT4、カメラユニットCMの位置を示した第1重畳状態でのノート型コンピュータ1の斜視図である。図10には、アンテナAT1〜AT4、カメラユニットCMを示している。第1重畳状態では、アンテナAT2、AT4は、合成樹脂製のケース20Fを介して合成樹脂製の収納部材Bの蓋60と対向する。換言すれば、第1重畳状態において、アンテナAT2、AT4はケース20Fを介して金属製であるバッテリBT及びケース10Fとは対向しない。
【0028】
アンテナAT2、AT4がケース20Fを介して金属製の部材と対向すると、アンテナAT2、AT4の受信感度は低減する。しかしながら、実際にはアンテナAT2、AT4は、金属製であるバッテリBT及びケース10Fには対向しない。従って、第1重畳状態においてもアンテナAT2、AT4の受信感度の低減は抑制される。また、第1重畳状態において、アンテナAT3はカバー30と対向する。上述したようにカバー30は合成樹脂製である。これにより、第1重畳状態においてもアンテナAT3は受信感度の低減が抑制される。このように、アンテナAT1〜AT3は、第1重畳状態において受信感度の低減が抑制されている。尚、第1重畳状態においては、開口CMOは筐体10に覆われるためカメラユニットCMは使用できない。
【0029】
図11は、アンテナAT1〜AT4、カメラユニットCMの位置を示した第2重畳状態でのノート型コンピュータ1の斜視図である。図12は、第2重畳状態でのノート型コンピュータ1の断面図である。第2重畳状態においても、アンテナAT1〜AT4は、合成樹脂製のカバー20R1を介して合成樹脂製の収納部材B又はカバー30に対向する。従って、アンテナAT1〜AT4は、第2重畳状態において受信感度の低減が抑制されている。以上のように、アンテナAT2〜AT4に関しては、何れの状態においても受信感度の低減が抑制されている。尚、第2重畳状態においては、開口CMOは筐体10の外側を向くためカメラユニットCMは使用可能である。
【0030】
図13は、第1変形例である収納部材Baの説明図である。尚、収納部材Baについては、上ケース50、蓋60については図示を省略してある。図14は、下ケース40aにロック部70aを組み付けた状態での第1変形例の収納部材Baの部分拡大図である。操作部80aは、鉛直方向に突出した2つのガイドピン87aが設けられている。ロック部70aの延在部71aの一端には、水平方向に平行な板状の連結部76aが形成されている。連結部76aには、ガイドピン87aにスライド可能に係合する2つのガイド溝77aが形成されている。ガイド溝77aは、バネSaの付勢方向Dに対して斜めに延びている。ユーザは、操作部80aをバネSaの付勢方向Dと直交する方向D1に押すことにより、操作部80aのガイドピン87aがガイド溝77a内を移動する。これにより、ロック部70aはバネSaの付勢方向Dとは逆方向に移動し、筐体10とロック部70aとのロックが解除される。
【0031】
図15は、第2変形例である収納部材Bbの説明図である。図16は、第2変形例である収納部材Bbの分解斜視図である。操作部80bは、水平方向であって収納部材Bbの手前側に突出した2つのガイドピン87bを有している。上ケース50b、蓋60bには、それぞれ操作部80bを逃がす切欠部52b、62bが形成されている。ロック部70bの延在部71bの一端には、連結部76bが形成されている。連結部76bには、ガイドピン87bにスライド可能に係合する2つのガイド溝77bが形成されている。ガイド溝77bは、鉛直方向に対して斜めに延びている。ユーザは、操作部80bをバネSbの付勢方向Dと直交する鉛直下方向D2に押すことにより、操作部80bのガイドピン87bがガイド溝77b内を移動する。これにより、ロック部70bはバネSbの付勢方向Dの逆方向に移動し、筐体10とロック部70bとのロックが解除される。
【0032】
以上本発明の好ましい一実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0033】
上記実施例においては、携帯装置の一例としてノート型コンピュータを例に説明したが、携帯装置はそれ以外であってもよい。例えば、携帯電話、携帯テレビ、電子辞書、PDA、ゲーム機、カメラ、音楽プレイヤー、ナビゲーション装置等である。
【0034】
上記実施例において、バッテリBTを保持した収納部材Bを例に説明したが収納部材Bはこれに限定されない。例えば、収納部材Bは、フラッシュメモリ、ハードディスク、記憶媒体の少なくとも一つを保持可能なトレイであってもよい。
【0035】
上記実施例において、アンテナAT1〜AT4の少なくとも一つが、第1重畳状態において、ケース20Fを介して収納部材Bの蓋60及びカバー30の双方と対向してもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 ノート型コンピュータ
10、20 筐体
13 側面
18 挿入口
19 ロック部
20F、20R ケース
30R1 カバー
30 カバー
40 下ケース
50 上ケース
60 蓋
70 ロック部
AT1〜AT4 アンテナ
B 収納部材
U 表示ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第1筐体、第1筐体に重畳可能に連結された第2筺体、を備えた携帯装置が知られている。第2筺体にはアンテナが収納される場合がある。アンテナを包囲する第2筺体の壁部は、アンテナによる電波の送受信への影響を抑制するために、絶縁材で形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002‐232220号公報
【特許文献2】実用新案登録3027116号公報
【特許文献3】特開2000‐17466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
重畳状態においては、第2筺体に収納されたアンテナは、第2筺体の壁部を介して第1筐体に対向する。従って、第1筐体の材料によっては、重畳状態において第1筐体がアンテナの受信感度に影響を与えるおそれがある。
【0005】
本発明は、第1及び第2筺体が重なった状態においてもアンテナの受信感度の低減が抑制された携帯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示の携帯装置は、第1筐体と、前記第1筐体に引き出し可能に収納された収納部材と、絶縁材製の壁部を有し前記第1筐体に重畳可能に連結された第2筺体と、前記第2筐体に収納され少なくとも一部を前記壁部に包囲されたアンテナと、を備え、前記収納部材は、前記第1筐体に収納された際に前記第1筐体から露出し絶縁部材製の露出部を有し、前記第1及び第2筺体が重なった重畳状態のときに、前記アンテナの少なくとも一部は前記壁部を介して前記露出部に対向する。
【発明の効果】
【0007】
第1及び第2筺体が重なった状態においてもアンテナの受信感度の低減が抑制された携帯装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1A〜1Cは、本実施例のノート型コンピュータの説明図である。
【図2】図2は、筐体の分解斜視図である。
【図3】図3は、収納部材を取外した状態のノート型コンピュータの斜視図である。
【図4】図4A、4Bは、収納部材の斜視図である。
【図5】図5は、収納部材の断面図である。
【図6】図6は、収納部材の分解斜視図である。
【図7】図7は、下ケースにロック部を組み付けた状態での収納部材の部分拡大図である。
【図8】図8Aは、筐体を分解したノート型コンピュータの斜視図であり、図8Bは、図8Aの部分拡大図である。
【図9】図9は、筐体のケース及びカバーからアンテナ、カメラユニットを取外した状態を示している。
【図10】図10は、アンテナ、カメラユニットの位置を示した第1重畳状態でのノート型コンピュータの斜視図である。
【図11】図11は、アンテナ、カメラユニットの位置を示した第2重畳状態でのノート型コンピュータの斜視図である。
【図12】図12は、第2重畳状態でのノート型コンピュータの断面図である。
【図13】図13は、第1変形例である収納部材の説明図である。
【図14】図14は、下ケースにロック部を組み付けた状態での第1変形例の収納部材の部分拡大図である。
【図15】図15は、第2変形例である収納部材の説明図である。
【図16】図16は、第2変形例である収納部材の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ノート型コンピュータを携帯装置の一例として説明する。図1A〜1Cは、本実施例のノート型コンピュータ1の説明図である。ノート型コンピュータ1は、筐体10、20を有している。筐体10は第1筺体の一例である。筐体20は、第2筺体の一例である。筐体10、20は、2軸ヒンジHにより連結されている。筐体10は、上面11、上面11と対向する底面、上面11及び底面の各面積よりも小さい側面13、15、を有している。側面13、15は、上面11と底面とを連結する。筐体10の上面11及び底面は、それぞれ第3及び第4面の一例である。側面13は、第5面の一例である。上面11には、ノート型コンピュータ1を操作するためのキーボードK、カバー30が設けられている。側面15には、複数のポート、コネクタが設けられている。筐体10内には、ノート型コンピュータ1の動作全体を制御するためのマザーボードが収納されている。筐体10には、取外し可能な2つの収納部材Bが収納されている。2つの収納部材Bは、カバー30を挟むように設けられている。
【0010】
筐体20は、正面21、正面21と対向する背面22、正面21及び背面22の各面積よりも小さい面積を有した側面23、25を有している。側面23、25は、正面21と背面22を連結する面である。筐体20の正面21及び背面22は、それぞれ第1面、第2面の一例である。正面21には、表示ユニットUが設けられている。表示ユニットUは、画像を表示可能な表示パネルと、接触することにより操作可能なタッチパネルとを含んでいる。なお、タッチパネルは、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、など各種方式のものを採用しうる。また、タッチペンが不要でユーザの指先と導電膜との間での静電容量の変化を利用する静電容量方式のタッチパネルを採用してもよい。また、タッチパネルの代わりに、電子ペンを利用する電磁誘導方式のペンタブレットも採用しうる。
【0011】
2軸ヒンジHは、筐体10、20を異なる2つの軸心A1、A2周りに回転可能に連結している。軸心A1、A2は直交している。軸心A1は、上面11が広がる方向と平行に延びる。軸心A2は、上面11と交差する方向に延びる。つまり、軸心A1と軸心A2とは交差する。
【0012】
図1Aは、筐体10の上面11に筐体20の正面21が重なった第1重畳状態を示している。図1Bは、筐体10、20が開いた開状態を示している。図1Cは、筐体10の上面11に筐体20の背面22が重なった第2重畳状態を示している。ユーザは、第1重畳状態から筐体20を軸心A1周りに回転させることにより、ノート型コンピュータ1を開状態になる。ユーザは、図1Bの開状態から筐体20を軸心A2周りに回転させることより、図1Bの状態から筐体20の背面22と筐体10の上面11とが対向する。ユーザは、筐体20の背面22と筐体10の上面11とが対向した状態で、筐体20が筐体10に重なるように軸心A1周りに回転させることができる。これにより、ノート型コンピュータ1は、筐体10の上面11と筐体20の背面22が対向した第2重畳状態となる。
【0013】
図2は、筐体10の分解斜視図である。筐体10は、ケース10F、10R、カバー30を含む。ケース10F、10Rは、金属製である。カバー30は、絶縁材製、具体的には合成樹脂製であるがこれに限定されない。例えばカバー30はゴム製であってもよい。カバー30は、静電容量方式のタッチセンサSNを覆う。ユーザの指がカバー30に触れることにより、カバー30の内側に配置されているタッチセンサSNがユーザの指の位置を検出する。カバー30はケース10Fに組み付けられている。筐体10の上面11は、ケース10Fとカバー30とにより画定される。筐体10の底面12は、ケース10Rによって画定される。
【0014】
ケース10R側には、マザーボードM、マザーボードMに実装された半導体チップCPから受熱するヒートパイプHP、ヒートパイプHPに連結されたラジエータR、ラジエータRを冷却するファンF、が配置されている。ケース10Rには、表示ユニットUのタッチパネルを操作するためのタッチペンPが収納されている。ケース10Rには、2つの収納部材Bが配置されている。この2つの収納部材Bは、筐体10に収納され、カバー30を挟む。
【0015】
筐体10の大部分は、金属製のケース10F、10Rにより画定される。一般的に、金属の密度は絶縁材の密度よりも大きく、金属の強度は絶縁材の強度よりも大きい。このため、薄い金属により筐体を形成することにより、絶縁材により筐体を形成した場合に比して、筺体の強度を確保しつつ軽量化が図られている。本実施例では、筐体10の大部分を金属製で形成することにより、筐体10の強度と軽量化とを確保している。
【0016】
図3は、収納部材Bを取外した状態のノート型コンピュータ1の斜視図である。筐体10の側面13に、収納部材Bを挿入可能な挿入口18が形成されている。筐体10の側面13には、収納部材Bをロックするためのロック部19が設けられている。ロック部19を筐体10の側面13の長手方向にスライドすることにより、筐体10に収納された収納部材Bのロックを解除する。尚、収納部材Bは、筐体10から完全に取外すことができるが、筐体10から引き出し可能であれば筐体10から完全に取外しできなくてもよい。収納部材Bは、筐体10に引き出し可能に収納された収納部材の一例である。挿入口18は、収納部材Bが挿入可能な開口の一例である。
【0017】
収納部材Bについて説明する。図4A、4Bは、収納部材Bの斜視図である。図5は、収納部材Bの断面図である。図6は、収納部材Bの分解斜視図である。図7は、下ケース40にロック部70を組み付けた状態での収納部材Bの部分拡大図である。収納部材Bは、下ケース40、上ケース50、蓋60、ロック部70を含む。下ケース40、上ケース50、蓋60、ロック部70は、絶縁材製、具体的には合成樹脂製である。下ケース40、上ケース50は互いに組み合わされてバッテリBTを収納する。バッテリBTは、金属製である。図5Bに示すように、下ケース40の前方側には、ユーザが手で収納部材Bを取外す際に指が挿入される凹部48が形成されている。
【0018】
図6に示すように、下ケース40、上ケース50には、それぞれ貫通孔44、54が形成されている。蓋60には、ネジ孔が形成されている。貫通孔44、54に挿入されたネジNは、蓋60のネジ孔に螺合する。これにより、上ケース50は下ケース40上に固定され、蓋60は上ケース50上に固定される。
【0019】
図6、7に示すように、下ケース40の前方側の側面には突状の係合部49が形成されている。収納部材Bが筐体10に収納された際に、係合部49が筐体10のロック部19に係合することにより、収納部材Bは筐体10からの取外しがロックされる。ロック部19は、収納部材に対して離脱可能に係合するロック部の一例である。
【0020】
図6、7に示すように、下ケース40、上ケース50との間にはロック部70がスライド可能に保持される。ロック部70は、延在部71、操作部72、係合部73、ピン部75、を含む。延在部71は所定方向に延びている。操作部72は、延在部71の一端に設けられ、下ケース40の正面の中央に形成された切欠部42を介して露出する。係合部73は突状であり延在部71の他端に設けられ、下ケース40の側面の手前側に形成された切欠部43から露出している。ロック部70の係合部73は、収納部材Bが筐体10に収納された際に筐体10と係合する。ピン部75は、延在部71と平行に係合部73から延びている。ピン部75は、コイル状のバネSに挿入される。
【0021】
図7に示すように、バネSは、下ケース40に組み付けられたロック部70を付勢方向Dに付勢する。これにより、収納部材Bが筐体10に収納された際にロック部70の係合部73と筐体10との係合が維持され、収納部材Bの取外しがロックされる。ロック部70は、第1筐体に対して離脱可能に係合するロック部の一例である。ユーザは、筐体10のロック部19をスライドさせて筐体10と収納部材Bとのロックを解除し、更にロック部70の操作部72をバネSの付勢方向Dと反対方向にスライドさせることにより、ロック部70と筐体10とのロックは解除される。これにより、筐体10から収納部材Bが取外される。
【0022】
図1A〜1C、図2に示すように、筐体10に収納された収納部材Bは、蓋60が露出している。換言すれば、蓋60は、収納部材Bが筐体10に収納された際に筐体10の挿入口18を塞ぐ。筐体10の側面13は、筐体10の一部とカバー30と収納部材Bの蓋60とにより画定される。蓋60は、第1筐体に収納された際に第1筐体から露出し絶縁部材製の露出部の一例である。
【0023】
次に筐体20に収納されたアンテナについて説明する。図8Aは、筐体20を分解したノート型コンピュータ1の斜視図であり、図8Bは、図8Aの部分拡大図である。筐体20は、正面側のケース20F、背面側のケース20R及びカバー20R1を含む。ケース20Fは、正面21を画定する。ケース20R及びカバー20R1は、背面22を画定する。ケース20F、カバー20R1は、絶縁材製、具体的には合成樹脂製である。ケース20F、カバー20R1は、絶縁材製の壁部の一例である。尚、ケース20F、カバー20R1の少なくとも一方は、例えばゴム製であってもよい。ケース20Rは、金属製である。カバー20R1は、ケース20Rの上部に位置する。ケース20F、カバー20R1は、筐体20の側面23を画定する。カバー20R1の内側には、アンテナAT1〜AT4、カメラユニットCMが配置されている。
【0024】
図9は、筐体20のケース20R及びカバー20R1からアンテナAT1〜AT4、カメラユニットCMを取外した状態を示している。アンテナAT1、AT2、AT4の下部には、それぞれグランド部AT11、AT21、AT41が設けられている。グランド部AT11、AT21、AT41は、表示ユニットUの背面に固定された金属板に導通接続される。アンテナAT1、AT2、AT4の上部には、それぞれ放射部AT13、AT23、AT43が形成されている。放射部AT13、AT23、AT43は、グランド部AT11、AT21、AT41が接続した金属板には接続していない。図8Bに示すように、アンテナAT1、AT2、AT4のそれぞれの放射部AT13、AT23、AT43、及びアンテナAT2は、合成樹脂製のケース20F、カバー20R1に包囲される。
【0025】
従って、各アンテナAT1〜AT4は、少なくとも一部が第2筺体に収納され壁部に包囲されたアンテナの一例である。一般的に、アンテナ近傍に金属製の部材が存在していると、アンテナの受信感度が低減する。本実施例のアンテナAT1〜AT4の少なくとも一部は、合成樹脂製のケース20F、カバー20R1により包囲されているので、展開状態でのアンテナAT1〜AT4の受信感度の低減は抑制される。
【0026】
前述したように、金属の密度は絶縁材の密度よりも大きく、金属の強度は絶縁材の強度よりも大きい。このため、薄い金属により筐体を形成することにより、絶縁材により筐体を形成した場合に比して、筺体の強度を確保しつつ軽量化が図られている。本実施例では、筐体20の一部であるケース20Rが金属製であることにより、筐体20の強度と軽量化とを確保している。また、筐体20の一部であるケース20F、カバー20R1が絶縁材製であることにより、アンテナAT1〜AT4の受信感度の低減を抑制している。尚、図8Aに示すように、ケース20FにはカメラユニットCMのレンズを露出する開口CMOが形成されている。
【0027】
図10は、アンテナAT1〜AT4、カメラユニットCMの位置を示した第1重畳状態でのノート型コンピュータ1の斜視図である。図10には、アンテナAT1〜AT4、カメラユニットCMを示している。第1重畳状態では、アンテナAT2、AT4は、合成樹脂製のケース20Fを介して合成樹脂製の収納部材Bの蓋60と対向する。換言すれば、第1重畳状態において、アンテナAT2、AT4はケース20Fを介して金属製であるバッテリBT及びケース10Fとは対向しない。
【0028】
アンテナAT2、AT4がケース20Fを介して金属製の部材と対向すると、アンテナAT2、AT4の受信感度は低減する。しかしながら、実際にはアンテナAT2、AT4は、金属製であるバッテリBT及びケース10Fには対向しない。従って、第1重畳状態においてもアンテナAT2、AT4の受信感度の低減は抑制される。また、第1重畳状態において、アンテナAT3はカバー30と対向する。上述したようにカバー30は合成樹脂製である。これにより、第1重畳状態においてもアンテナAT3は受信感度の低減が抑制される。このように、アンテナAT1〜AT3は、第1重畳状態において受信感度の低減が抑制されている。尚、第1重畳状態においては、開口CMOは筐体10に覆われるためカメラユニットCMは使用できない。
【0029】
図11は、アンテナAT1〜AT4、カメラユニットCMの位置を示した第2重畳状態でのノート型コンピュータ1の斜視図である。図12は、第2重畳状態でのノート型コンピュータ1の断面図である。第2重畳状態においても、アンテナAT1〜AT4は、合成樹脂製のカバー20R1を介して合成樹脂製の収納部材B又はカバー30に対向する。従って、アンテナAT1〜AT4は、第2重畳状態において受信感度の低減が抑制されている。以上のように、アンテナAT2〜AT4に関しては、何れの状態においても受信感度の低減が抑制されている。尚、第2重畳状態においては、開口CMOは筐体10の外側を向くためカメラユニットCMは使用可能である。
【0030】
図13は、第1変形例である収納部材Baの説明図である。尚、収納部材Baについては、上ケース50、蓋60については図示を省略してある。図14は、下ケース40aにロック部70aを組み付けた状態での第1変形例の収納部材Baの部分拡大図である。操作部80aは、鉛直方向に突出した2つのガイドピン87aが設けられている。ロック部70aの延在部71aの一端には、水平方向に平行な板状の連結部76aが形成されている。連結部76aには、ガイドピン87aにスライド可能に係合する2つのガイド溝77aが形成されている。ガイド溝77aは、バネSaの付勢方向Dに対して斜めに延びている。ユーザは、操作部80aをバネSaの付勢方向Dと直交する方向D1に押すことにより、操作部80aのガイドピン87aがガイド溝77a内を移動する。これにより、ロック部70aはバネSaの付勢方向Dとは逆方向に移動し、筐体10とロック部70aとのロックが解除される。
【0031】
図15は、第2変形例である収納部材Bbの説明図である。図16は、第2変形例である収納部材Bbの分解斜視図である。操作部80bは、水平方向であって収納部材Bbの手前側に突出した2つのガイドピン87bを有している。上ケース50b、蓋60bには、それぞれ操作部80bを逃がす切欠部52b、62bが形成されている。ロック部70bの延在部71bの一端には、連結部76bが形成されている。連結部76bには、ガイドピン87bにスライド可能に係合する2つのガイド溝77bが形成されている。ガイド溝77bは、鉛直方向に対して斜めに延びている。ユーザは、操作部80bをバネSbの付勢方向Dと直交する鉛直下方向D2に押すことにより、操作部80bのガイドピン87bがガイド溝77b内を移動する。これにより、ロック部70bはバネSbの付勢方向Dの逆方向に移動し、筐体10とロック部70bとのロックが解除される。
【0032】
以上本発明の好ましい一実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0033】
上記実施例においては、携帯装置の一例としてノート型コンピュータを例に説明したが、携帯装置はそれ以外であってもよい。例えば、携帯電話、携帯テレビ、電子辞書、PDA、ゲーム機、カメラ、音楽プレイヤー、ナビゲーション装置等である。
【0034】
上記実施例において、バッテリBTを保持した収納部材Bを例に説明したが収納部材Bはこれに限定されない。例えば、収納部材Bは、フラッシュメモリ、ハードディスク、記憶媒体の少なくとも一つを保持可能なトレイであってもよい。
【0035】
上記実施例において、アンテナAT1〜AT4の少なくとも一つが、第1重畳状態において、ケース20Fを介して収納部材Bの蓋60及びカバー30の双方と対向してもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 ノート型コンピュータ
10、20 筐体
13 側面
18 挿入口
19 ロック部
20F、20R ケース
30R1 カバー
30 カバー
40 下ケース
50 上ケース
60 蓋
70 ロック部
AT1〜AT4 アンテナ
B 収納部材
U 表示ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1筐体と、
前記第1筐体に引き出し可能に収納された収納部材と、
絶縁材製の壁部を有し前記第1筐体に重畳可能に連結された第2筺体と、
前記第2筐体に収納され少なくとも一部を前記壁部に包囲されたアンテナと、を備え、
前記収納部材は、前記第1筐体に収納された際に前記第1筐体から露出し絶縁部材製の露出部を有し、
前記第1及び第2筺体が重なった重畳状態のときに、前記アンテナの少なくとも一部は前記壁部を介して前記露出部に対向する、携帯装置。
【請求項2】
前記第2筺体は、互いに対向する第1及び第2面を有し、
前記重畳状態は、前記第1面が前記第1筐体に重なった第1重畳状態、前記第2面が前記第1筐体に重なった第2重畳状態、を含む、請求項1の携帯装置。
【請求項3】
前記収納部材は、前記第1筐体に収納されるバッテリを保持し、
前記重畳状態のときに、前記アンテナの前記少なくとも一部は前記壁部を介して前記バッテリに対向しない、請求項1又は2の携帯装置。
【請求項4】
前記第1筐体は、互いに対向する第3及び第4面、前記第3及び第4面を連結する第5面、を有し、
前記第5面は、前記収納部材が挿入可能な挿入口が形成されている、請求項1乃至3の何れかの携帯装置。
【請求項5】
前記収納部材は、前記第1筐体に対して離脱可能に係合するロック部を有している、請求項1乃至4の何れかの携帯装置。
【請求項6】
前記第1筐体には、前記収納部材に対して離脱可能に係合するロック部が設けられている、請求項1乃至5の何れかの携帯装置。
【請求項7】
前記第1筐体は、タッチセンサを覆う絶縁材製のカバーを有し、
前記カバーは、前記収納部材が前記第1筐体に収納された際の前記露出部に当接し、
前記重畳状態のときに、前記アンテナは前記壁部を介して前記露出部及び前記カバーと対向する、請求項1乃至6の何れかの携帯装置。
【請求項1】
第1筐体と、
前記第1筐体に引き出し可能に収納された収納部材と、
絶縁材製の壁部を有し前記第1筐体に重畳可能に連結された第2筺体と、
前記第2筐体に収納され少なくとも一部を前記壁部に包囲されたアンテナと、を備え、
前記収納部材は、前記第1筐体に収納された際に前記第1筐体から露出し絶縁部材製の露出部を有し、
前記第1及び第2筺体が重なった重畳状態のときに、前記アンテナの少なくとも一部は前記壁部を介して前記露出部に対向する、携帯装置。
【請求項2】
前記第2筺体は、互いに対向する第1及び第2面を有し、
前記重畳状態は、前記第1面が前記第1筐体に重なった第1重畳状態、前記第2面が前記第1筐体に重なった第2重畳状態、を含む、請求項1の携帯装置。
【請求項3】
前記収納部材は、前記第1筐体に収納されるバッテリを保持し、
前記重畳状態のときに、前記アンテナの前記少なくとも一部は前記壁部を介して前記バッテリに対向しない、請求項1又は2の携帯装置。
【請求項4】
前記第1筐体は、互いに対向する第3及び第4面、前記第3及び第4面を連結する第5面、を有し、
前記第5面は、前記収納部材が挿入可能な挿入口が形成されている、請求項1乃至3の何れかの携帯装置。
【請求項5】
前記収納部材は、前記第1筐体に対して離脱可能に係合するロック部を有している、請求項1乃至4の何れかの携帯装置。
【請求項6】
前記第1筐体には、前記収納部材に対して離脱可能に係合するロック部が設けられている、請求項1乃至5の何れかの携帯装置。
【請求項7】
前記第1筐体は、タッチセンサを覆う絶縁材製のカバーを有し、
前記カバーは、前記収納部材が前記第1筐体に収納された際の前記露出部に当接し、
前記重畳状態のときに、前記アンテナは前記壁部を介して前記露出部及び前記カバーと対向する、請求項1乃至6の何れかの携帯装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−212971(P2012−212971A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76337(P2011−76337)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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