説明

携帯通信システム、携帯通信端末、および、プログラム

【課題】より効果的な情報取得を実現する。
【解決手段】携帯通信システム1は、通信ネットワークNWを介して情報を配信する情報サーバ200と、情報サーバ200が配信する情報を、通信ネットワークNWを介して取得する携帯通信端末100と、携帯通信端末100と無線通信可能な周辺機器400と、から構成される。携帯通信端末100は、情報サーバ200から取得した情報を当該携帯通信端末100で出力した場合に、ユーザに認知されるか否かを判別し、認知不可と判別した場合には、当該携帯通信端末100と通信可能な周辺機器400を探索する。携帯通信端末100は、探索された周辺機器400に、配信された情報の取得にかかる通知を送信する。周辺機器400は、携帯通信端末100が送信した通知を受信すると、受信した通知を出力することで、配信情報の取得にかかる通知をおこなう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯通信システム、携帯通信端末、および、プログラムに関し、特に、様々なアラーム事象に対して適切な手段で報知を行う機能を備えた携帯通信システム、携帯通信端末、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やパーソナルコンピュータなどの小型化と高性能化により、インターネットなどを介した情報の取得を無線通信によっておこなうことが一般的となっており、位置的な制約を受けずに情報の収集や閲覧をおこなうことができる。
【0003】
種々の情報をいつでも取得できる環境において、例えば、株取引や動産、不動産などの資産取引をおこなう場合、タイミングが重要であり、随時更新される情報をウォッチしながら売買判断を行う。よって、このような更新情報を、携帯通信端末を介して即時的に受信可能とする手法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
【0004】
しかしながら、利用者の置かれている状況、端末の状況によっては、情報の更新を認識できないこともある。すなわち、利用者が携帯通信端末を鞄やポケット内に収納し、或いは利用者が騒音等の大きい環境にいる場合などは、携帯通信端末が情報を受信可能で、携帯通信端末の本体報知部からアラームが出力されても、利用者は認識することは出来ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−213649号公報
【特許文献2】特開平02−151962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
すなわち、特許文献1や特許文献2に開示された手法では、携帯通信端末の本体報知部からアラームが出力されても、利用者や端末の存在する状況によっては、当該アラームが認識されない、認識率が低下するなどの問題があった。
【0007】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、携帯端末が備えた報知手段のみでなく、周辺に存在する電子機器の報知手段を活用して利用者にアラームを行う携帯通信システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる携帯通信システムは、
通信ネットワークを介して情報を配信するサーバと、
前記サーバが配信する情報を、前記通信ネットワークを介して取得する携帯通信端末と、
前記携帯通信端末と無線通信可能な周辺機器と、から構成される携帯通信システムであって、
前記携帯通信端末は、
前記サーバから取得した情報を前記携帯通信端末で出力した場合に、該携帯通信端末のユーザに認知されるか否かを判別する認知可否判別手段と、
前記認知可否判別手段によって認知不可と判別された場合に、前記携帯通信端末と通信可能な前記周辺機器を探索する周辺機器探索手段と、
前記周辺機器探索手段によって探索された前記周辺機器に、前記配信された情報の取得にかかる通知を送信する通知送信手段と、を備え、
前記周辺機器は、
前記通知送信手段が送信した通知を受信する通知受信手段と、
前記通知受信手段が受信した通知を出力する出力手段と、を備える、
ことを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかる携帯通信端末は、
通信ネットワークを介して配信される情報を取得する機能と、
周辺機器と無線通信をおこなう機能と、を有する携帯通信端末において、
前記取得した情報を当該携帯通信端末で出力した場合に、該携帯通信端末のユーザに認知されるか否かを判別する認知可否判別手段と、
前記認知可否判別手段によって認知不可と判別された場合に、前記携帯通信端末と通信可能な前記周辺機器を探索する周辺機器探索手段と、
前記周辺機器探索手段によって探索された前記周辺機器に、前記配信された情報の取得にかかる通知を送信し、該通知を当該周辺機器に出力させる外部出力手段と、を備える、
ことを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点にかかるプログラムは、
通信ネットワークを介して配信される情報を取得する機能と、
周辺機器と無線通信をおこなう機能と、を有する携帯通信端末を制御するコンピュータに、
前記取得した情報を当該携帯通信端末で出力した場合に、該携帯通信端末のユーザに認知されるか否かを判別する機能と、
認知不可と判別された場合に、前記携帯通信端末と通信可能な前記周辺機器を探索する機能と、
探索された前記周辺機器に、前記配信された情報の取得にかかる通知を送信し、該通知を当該周辺機器に出力させる機能と、
を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、より効率的な情報取得を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態にかかる携帯通信システムの構成を示す図である。
【図2】図1に示す携帯通信端末の外観構成を示す図である。
【図3】図1に示す携帯通信端末の内部構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態にかかる「情報通知処理」を説明するためのフローチャートである。
【図5】図4に示す「情報通知処理」で実行される「代替通知処理」を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明にかかる実施形態を説明する。
【0014】
まず、本発明の一実施例の携帯通信システムについて、図1を参照して説明する。図1は、携帯通信システム1の構成を模式的に示す図である。
【0015】
図示するように、本実施形態にかかる携帯通信システム1は、携帯通信端末100と、携帯通信端末100と通信ネットワークNWを介して接続される情報サーバ200と、携帯通信端末100と無線通信可能な複数種類の周辺機器400と、から構成される。
【0016】
携帯通信端末100は、少なくとも、通信機能(通話、メール送受信、インターネット接続)を備えた携帯電話端末などのような携帯型の情報処理装置であり、基本機能であるセルラ通信などによる通信機能の他に、例えば、セルラ通信以外の無線通信機能やテレビ放送受信機能などの付加機能を備えているものとする。
【0017】
このような携帯通信端末100の構成を、図2および図3を参照して説明する。図2は、本実施形態にかかる携帯通信端末100の外観構成を模式的に示す図である。
【0018】
図示するように、携帯通信端末100は、主に表示部107などが構成された第1筐体100Aと、主に操作部108などが構成された第2筐体100Bとから構成される。第1筐体100Aと第2筐体100Bとは、ヒンジ機構などによって構造的、電気的に結合されている。すなわち、本実施形態にかかる携帯通信端末100は、折り畳み型の携帯電話端末である。
【0019】
次に、このような携帯通信端末100の内部構成を、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態にかかる携帯通信端末100の内部構成を示すブロック図である。
【0020】
図示するように、携帯通信端末100は、無線通信部101、放送受信部102、カメラ部103、音声処理部104、マイク105、スピーカ106、表示部107、操作部108、スピーカ109、測位部110、状態検出部111、振動部112、近距離無線部113、RFID部114、記憶部115、制御部116、などから構成されている。
【0021】
無線通信部101は、例えば、セルラ通信用の無線通信モジュールなどから構成され、アンテナ(不図示)を介して近傍の無線基地局装置(不図示)と無線通信をおこなうことで、通信ネットワークNWを介した情報の送受を行う。本実施形態では、無線通信部101の動作により、携帯通信端末100と情報サーバ200との通信が実現されるものとする。
【0022】
放送受信部102は、例えば、ワンセグメント放送用のチューナモジュールなどから構成され、放送局(地上局、放送衛星など)から送信された放送信号を、アンテナ(不図示)を介して受信し、該受信した信号の復調による映像データ、音声データ、情報データ等の放送信号処理を行う。
【0023】
カメラ部103は、例えば、レンズや撮像素子などから構成されるカメラモジュールなどから構成され、画像情報の取得(撮影)を行う。
【0024】
音声処理部104は、例えば、音声用のADC(Analog-Digital Converter:アナログ−デジタル変換器)、DAC(Digital-Analog Converter:デジタル−アナログ変換器)、DSP(Digital Signal Processor)、などから構成され、送話部(マイク105)および受話部(スピーカ106)を介して入出力された音声信号の処理を行うことで、主に音声通話にかかる音声の入出力をおこなう。
【0025】
表示部107は、例えば、液晶表示パネルやその駆動回路などから構成され、画像、図形、文字、記号などの情報表示出力(映像信号処理)を行う。
【0026】
操作部108は、例えば、図2に示すようなテンキー、方向キー/決定キー、ファンクションキー等を含むキーパッドなどから構成され、キーパッドが操作されることに応じた入力信号を生成することで、携帯通信端末100に対する利用者の各種情報入力を行う。
【0027】
スピーカ109は、音声通話の受話音声以外の音声(例えば、楽音や報知音など)の鳴音出力を行う。
【0028】
測位部110は、例えば、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)モジュールなどから構成され、図示しないGPS衛星から発射された電波が携帯通信端末100に到達するまでの時間を測定し、この時間差からGPS衛星と携帯通信端末100との距離を求め、この距離を利用して位置座標を求める。
【0029】
状態検出部111は、携帯通信端末100の状態を検出するためのセンサ群から構成される。本実施形態にかかる状態検出部111は、例えば、折り畳み型である携帯通信端末100の開閉(第1筐体100Aと第2筐体100Bの変位)を検出するための、磁気/ホール素子あるいは凸部/押下スイッチ等によって構成された開閉センサや、携帯通信端末100の姿勢状態(静止、移動中)を検出するための加速度センサ、携帯通信端末100が鞄などの暗部に収納されている状態であるかを検出するための光(照光)センサ、などから構成される。
【0030】
振動部112は、例えば、モータの軸に重心を偏らせた重りを取り付けたバイブレータユニットなどから構成され、モータを回転させることで振動を発生させることで、マナーモード時の着信通知などをおこなう。
【0031】
近距離無線部113は、セルラ通信以外の通信方式によって外部装置との無線通信をおこなうものであり、例えば、IrDA(Infrared Data Association)などの赤外線通信モジュール、Bluetooth(商標)モジュール、無線LANモジュール、などから構成され、携帯通信端末の近傍に存在する電子機器と直接、情報の送受を行う。本実施形態では、周辺機器400との無線通信をおこなう。
【0032】
RFID部114は、例えば、情報を記録するICチップと無線通信用のアンテナなどから構成され、情報の読み出し、書き換え/追記が可能なRFID(Radio Frequency IDentification)機能を実現する。
【0033】
記憶部115は、例えば、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置などから構成され、携帯通信端末100の動作に必要なデータやプログラム、あるいは、携帯通信端末100の動作によって生成されたデータ(例えば、電話帳情報、送受信メール情報、発着呼情報、コンテンツ情報、アプリケーションプログラム情報、撮影画像、及び携帯通信端末100の諸設定等)などを格納する。
【0034】
制御部116は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)やメモリなどから構成され、記憶部115に格納されているプログラムを実行することで、携帯通信端末100の各部を制御するとともに、携帯通信端末100が有する各種機能(例えば、電話機能、メール機能、インターネット(web)接続機能、カメラ機能、テレビ受信機能、コンテンツ再生機能、近距離無線通信機能、など)を実現するための動作をおこなう。
【0035】
以上が本発明を実現可能な携帯通信端末100の代表的な構成例であるが、携帯電話端末としての基本機能や付加機能を実現するために必要なその他の構成は、必要に応じて携帯通信端末100に備えられているものとする。また、上述した構成のうち、本発明の実現に必須ではない構成を除いた携帯通信端末100であってもよい。すなわち、上述した構成のうち、少なくとも、無線通信部101、状態検出部111、近距離無線部113、制御部116を備えている携帯通信端末であれば、本発明を実現することができる。
【0036】
次に、このような構成の携帯通信端末100と通信する情報サーバ200と周辺機器400について説明する。
【0037】
情報サーバ200(図1参照)は、サーバ機能を有するワークステーションやパーソナルコンピュータなどの情報処理装置であり、各種の情報を取得して内部の記憶装置に蓄積する。また、情報サーバ200は、通信ネットワークNWを介して蓄積した情報を配信する機能を有し、本実施形態では、サービス提供先である携帯通信端末100からの要求(事前の登録)に応じて、情報(更新情報)を携帯通信端末100に配信する。本実施形態では、情報サーバ200により、例えば、株価情報などのような、随時変動する情報をリアルタイムで配信するサービスがおこなわれているものとする。
【0038】
周辺機器400(図1参照)は、携帯通信端末100と無線通信可能な各種の電子機器である。すなわち、携帯通信端末100の近距離無線部113によって実現される無線通信方式と同じ無線通信方式(例えば、赤外線(IrDA)、Bluetooth(商標)、無線LANなど)で無線通信をおこなうための構成(近距離無線通信手段)を備えた電子機器である。
【0039】
このような無線通信機能を備えたものであれば、種々の電子機器を周辺機器400として用いることができる。本実施形態では、例えば、テレビ受像機、モニタ装置、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ(PC)、家庭用ゲーム機、モバイルPC、PDA(Personal Digital Assistants:携帯情報端末)、携帯型ゲーム機、デジタルカメラ、携帯型オーディオプレーヤ、プロジェクタ、などの電子機器が周辺機器400として想定される。
【0040】
本実施形態で採用しうる周辺機器400は、本来の機能に加えて、近距離無線通信手段を介して携帯通信端末100から取得した情報を、音、表示(文字、画像)、光等により出力する機能を備えているものが望ましい。この場合、携帯通信端末100と周辺機器400とは、例えば、DLNA(Digital Living Network Alliance)などの相互接続規格に準じた無線通信モジュールやプログラムを用いることで、相互に通信可能であるものとする。
【0041】
次に、以上のような本発明の一実施例にかかる携帯通信システムの動作について、図面を参照して説明する。ここでは、本実施形態にかかる携帯通信端末100が実行する「情報通知処理」を、図4に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、携帯通信端末100は、例えば、一定間隔毎に情報サーバ200にアクセスして情報配信を要求するものとし、「情報通知処理」は、情報サーバ200への情報配信要求と同時に開始されるものとする。
【0042】
処理が開始されると、制御部116は、無線通信部101を制御することで、情報サーバ200から配信される情報を受信し、受信した情報を記憶部115に格納する(ステップS101)。
【0043】
情報サーバ200からの配信情報を受信すると、制御部116は、今回受信した情報が更新情報であるか否かを判別する(ステップS102)。ここでは、情報サーバ200がリアルタイム配信する株価情報を取得するものとし、今回受信した株価情報が前回受信した株価情報に対する更新情報であるか否かを判別する。この場合、例えば、配信された情報の作成日時やバージョン情報などに基づいて、更新情報であるか否かを判別する。
【0044】
前回受信した情報から更新されていない場合(ステップS102:No)は、処理を終了する。
【0045】
一方、前回受信した情報からの更新情報である場合(ステップS102:Yes)、制御部116は、受信した更新情報が、携帯通信端末100のユーザに通知すべき情報(以下、「通知対象情報」とする)であるか否かを判別する(ステップS103)。
【0046】
ここでは、予めユーザによって設定された通知条件を示す情報が記憶部115に格納されているものとし、制御部116は、今回受信した情報がこの通知条件に合致するものであるか否かを判別する。例えば、株価情報の場合、全体としての配信情報が更新されていても、ユーザが所望する銘柄についての株価に変動がなければ、ユーザにとっては有用な情報とはならない。よって、通知条件として、例えば、任意の銘柄などを指定しておき、前回受信した情報と今回受信した情報とを比較する際、指定された銘柄についての情報に変動があるか否かを判別することで、通知条件に合致するか否かを判別する。
【0047】
ここで、今回受信した情報が通知条件に合致せず、ユーザへの報知不要であると判別した場合(ステップS103:No)、処理を終了する。
【0048】
一方、通知条件に合致し、今回受信した情報がユーザに報知すべき情報(通知対象情報)である場合(ステップS103:Yes)、制御部116は、状態検出部111を制御することで、現在の携帯通信端末100の状態を確認し(ステップS104)、受信した情報を携帯通信端末100で報知した場合にユーザによって認知される状態(以下、「認知可能状態」とする)であるか否かを判別する(ステップS105)。
【0049】
ここでは、携帯通信端末100の開閉状態や姿勢、および、周辺光量などを示す検出信号を状態検出部111から取得することで、現在の携帯通信端末100の状態が認知可能状態であるか否かを判別する。例えば、携帯通信端末100が閉じられている場合は使用中ではない可能性が高く、さらに、携帯通信端末100が天地反転のような姿勢であったり、周辺光量が暗かったりする場合は、鞄などに収納されている可能性が高い。このような状態の場合、受信した情報を表示部107に表示出力しても、ユーザが認知できない可能性が高い。このような状態を、以下、「認知不可状態」とする。
【0050】
一方、携帯通信端末100が開いている状態であればユーザによって使用中である可能性が高く、さらに、通常使用される際の姿勢であったり、周辺光量が明るかったりする場合は、認知可能状態であると判別できる。
【0051】
このような認知可能状態であると判別した場合(ステップS105:Yes)、受信した情報を表示部107に表示出力してもユーザに認知されるので、制御部116は、表示部107を制御することで、情報が更新されたことを表すメッセージや今回受信した更新情報を表示出力するとともに、必要に応じて、例えば、音声をスピーカ109から報音するなどの出力処理をおこなって(ステップS106)、処理を終了する。
【0052】
一方、認知不可状態であると判別した場合(ステップS105:No)、制御部116は、周辺機器400を代替的に用いてユーザに通知するための「代替通知処理」を実行する(ステップS200)。この「代替通知処理」を、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0053】
処理が開始されると、制御部116は、近距離無線部113を制御し、携帯通信端末100の周辺に、携帯通信端末100と通信可能な周辺機器400があるか探索する(ステップS201)。ここでは、採用している通信方式に応じて規定されている、リンク確立や接続制御のためのプロトコルにしたがった動作をおこなうことで、通信可能な周辺機器400の探索をおこなう。
【0054】
ここで、通信可能な周辺機器400が携帯通信端末100の周辺にない場合(ステップS202:No)は、処理を終了し、「情報通知処理」(図4)のフローに戻る。この場合、受信した情報をユーザに通知する方法が現時点ではないため、「情報通知処理」もそのまま終了し、例えば、次回の情報受信時に再度通知を試みる。
【0055】
一方、携帯通信端末100の周辺に、携帯通信端末100と通信可能な周辺機器400が存在する場合(ステップS202:Yes)、制御部116は、当該周辺機器400を使って、配信情報が更新されたことをユーザに通知する(更新通知)。この場合、制御部116は、探索された周辺機器400で、更新通知を段階的におこなえるか否かを判別する(ステップS203)。
【0056】
つまり、この「代替通知処理」では、認知不可状態である携帯通信端末100の代わりに、周辺機器400を用いることで、所望する情報(株価情報など)が更新されたことをユーザに通知する。ここで、携帯通信端末100が認知不可状態であるということは、ユーザが携帯通信端末100を使用できない状態(例えば、移動中である場合や会議中である場合など)が考えられるため、周辺機器400を用いた通知も、なるべく目立たない方法でおこなうことが望ましい。
【0057】
この場合、例えば、通知にかかる出力の規模が小さい機器(例えば、携帯型オーディオプレーヤや、表示画面がより小さい機器)から通知をおこない、ユーザが認知できなければ、徐々に出力規模の大きい装置で通知をおこなうよう段階的に機器を選択する。
【0058】
このように、携帯通信端末100と通信可能な周辺機器400が複数(複数種類)ある場合や、同じ周辺機器400でも段階的な出力(例えば、音量や表示状態を徐々に変更する出力)が可能である場合(ステップS203:Yes)、制御部116は、段階出力の順位付けをおこなう(ステップS204)。ここでは、検索された周辺機器400の種類や出力規模、画面サイズや音量などに応じて順位付けがなされる。
【0059】
すなわち、ステップS204での順位付けでは使用する順序(選択される周辺機器400もしくは出力レベル(音量など))が決定され、順序が若い順に1〜n(n=通信可能な周辺機器400の数もしくは出力レベルの段数)の番号が割り当てられる。
【0060】
この場合、制御部116は、順序を指定するポインタPに、初期値「1」を設定し(ステップS205)、近距離無線部113を制御することで、P番目の順位となっている設定(対応する周辺機器400もしくは出力レベル)で、情報が更新されたことを通知する情報(以下、「更新通知情報」とする)を該当する周辺機器400に送信する(ステップS206)。
【0061】
ここで、周辺機器400に送信される更新通知情報は、例えば、ユーザが所望する配信情報(例えば、株価情報など)が更新された旨や、当該更新情報を携帯通信端末100が受信した旨、などを示した文字情報や音声情報であるものとする。よって、このような更新通知情報をユーザが認知すれば、携帯通信端末100を操作し、更新情報を確認する操作(以下、「確認操作」とする)をおこなうことになる。
【0062】
制御部116は、更新通知情報を周辺機器400に送信した時点から計時を開始し、操作部108からの入力信号などに基づいて、所定の経過時間以内に確認操作がなされなかったか否かを判別する(ステップS207)。
【0063】
ここで、所定時間内に確認操作がなされない場合(ステップS207:Yes)は、P番目の順位の設定による出力ではユーザに認知されなかったことになるので、制御部116は、次の順位となっている設定を指定し(ステップS208)、この順位が順位付けの総数であるn以内であれば(ステップS209:No)、ステップS206以降の処理をおこなうことで、次の順位に指定された設定での更新通知をおこなう。
【0064】
このように、周辺機器400を用いた更新通知をユーザが認知しなければ、ステップS204でおこなった順位付けの順位を徐々にシフトさせることで、段階的な出力をおこなう。この過程でユーザが更新通知を認知し、確認操作がおこなわれた場合(ステップS207:No)、その時点で処理を終了する。
【0065】
また、出力規模を段階的に変えてもユーザが認知しない場合(ステップS209:Yes)も、処理を終了する。この場合は、例えば、次回の更新情報受信にかかる通知を試みる。
【0066】
一方、例えば、探索された周辺機器400が1種類であり、かつ、段階的な出力レベルの変更ができない場合などのような、段階出力をおこなえない場合(ステップS203:No)、制御部116は、近距離無線部113を制御することで、探索された周辺機器400に更新通知情報を送信する(ステップS210)。
【0067】
この場合も同様に、制御部116は、送信時点からの経過時間を計時し、所定時間内での確認操作がなければ(ステップS211:Yes)、規定されている再送回数の範囲内で、同じ周辺機器400に対する更新通知情報の送信を繰り返しおこなう(ステップS212:No、ステップS210)。
【0068】
更新通知情報を送信してから所定時間内に確認動作があった場合(ステップS211:No)は、その時点で処理を終了する。また、再送回数が規定回数を超過した場合(ステップS212:Yes)も、その時点で処理を終了する。この場合は、例えば、次回の更新情報受信にかかる通知を試みる。
【0069】
以上のような処理により、例えば、携帯通信端末100を鞄の中に収納している場合のような、携帯通信端末100での情報出力をユーザが認知できない場合において、携帯通信端末100の近傍にある周辺機器400を用いて、携帯通信端末100での情報取得などをユーザに通知することができる。
【0070】
上記処理においては、更新通知に用いる周辺機器400に関する順位付けをおこなったが、更新通知にかかる出力の設定は任意であり、上述した例に限られるものではない。
【0071】
例えば、探索された周辺機器400の種類に基づいて、複数の周辺機器400を組み合わせて更新通知をおこなうようにしてもよい。例えば、表示画面を持たない携帯型オーディオプレーヤと音声出力機能を持たないプロジェクタが携帯通信端末100と通信可能である場合、携帯型オーディオプレーヤで音声の更新通知情報を出力させるとともに、プロジェクタで文字情報の更新通知情報を出力させるように組み合わせてもよい。
【0072】
また、出力方法はユーザが任意に設定しておいてもよい。この場合において、例えば、音声による更新通知が所望されていれば、音声出力機能を有する周辺機器400を探索すればよい。
【0073】
なお、上記処理においては、受信した情報が更新情報であるか否かの判別や通知対象情報であるか否かの判別をおこなったが、これらの判別をおこなわずに、認知可能状態であるか否かの判別をおこなってもよい。
【0074】
また、段階的な出力にかかる処理をおこなわずに、探索された周辺機器400に更新通知情報を送信するだけであってもよい。
【0075】
以上説明したように、本発明を上記実施形態の如く適用することにより、情報の効率的な取得を実現することができる。
【0076】
上記実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
【0077】
例えば、上記実施形態で示した周辺機器400は一例であり、携帯通信端末100と通信することができ、携帯通信端末100から送信された情報を出力することができるのであれば、種々の電子機器を周辺機器400として採用することができる。また、周辺機器400と携帯通信端末100との通信方式なども任意である。
【0078】
また、上記実施形態では、携帯通信端末100からの要求に応じて情報サーバ200が情報を配信する例を示したが、携帯通信端末100が情報を取得する方法は任意であり、上述した例に限られるものではない。例えば、情報サーバ200がプッシュ配信する場合でもよく、この場合は、プッシュ配信された情報を携帯通信端末100が受信したことを契機に「情報通知処理」(図4)を開始すればよい。
【0079】
また、上記実施形態では、携帯電話端末によって実現された携帯通信端末100を例示したが、通信ネットワークを介して配信される情報を取得し、当該取得にかかる通知を外部装置(周辺機器400)におこなうことができるのであれば、携帯電話端末に限られず、任意の電子機器(例えば、パーソナルコンピュータやPDAなど)を携帯通信端末100として適用することができる。
【0080】
また、本発明にかかる構成を予め備えた携帯通信端末だけでなく、本発明にかかる携帯通信端末として適用可能な電子機器を制御するコンピュータにプログラムを適用することで、本発明にかかる携帯通信端末として機能させることができる。すなわち、上記実施形態で例示した制御部116が実行するプログラムと同様のプログラムを既存の電子機器に適用し、当該電子機器のコンピュータがプログラムを実行することで、上記制御部116と同様の機能が実現され、本発明にかかる携帯通信端末として機能させることができる。
【0081】
このようなプログラムの適用方法は任意であり、例えば、CD−ROMやメモリカードなどの記憶媒体に格納して適用できる他、例えば、インターネットなどの通信媒体を介して適用することもできる。
【符号の説明】
【0082】
1…携帯通信システム
NW…通信ネットワーク
100…携帯通信端末
101…無線通信部
102…放送受信部
103…カメラ部
104…音声処理部
105…マイク
106…スピーカ
107…表示部
108…操作部
109…スピーカ
110…測位部
111…状態検出部
112…振動部
113…近距離無線部
114…RFID部
115…記憶部
116…制御部
200…情報サーバ
400…周辺機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介して情報を配信するサーバと、
前記サーバが配信する情報を、前記通信ネットワークを介して取得する携帯通信端末と、
前記携帯通信端末と無線通信可能な周辺機器と、から構成される携帯通信システムであって、
前記携帯通信端末は、
前記サーバから取得した情報を前記携帯通信端末で出力した場合に、該携帯通信端末のユーザに認知されるか否かを判別する認知可否判別手段と、
前記認知可否判別手段によって認知不可と判別された場合に、前記携帯通信端末と通信可能な前記周辺機器を探索する周辺機器探索手段と、
前記周辺機器探索手段によって探索された前記周辺機器に、前記配信された情報の取得にかかる通知を送信する通知送信手段と、を備え、
前記周辺機器は、
前記通知送信手段が送信した通知を受信する通知受信手段と、
前記通知受信手段が受信した通知を出力する出力手段と、を備える、
ことを特徴とする携帯通信システム。
【請求項2】
通信ネットワークを介して配信される情報を取得する機能と、
周辺機器と無線通信をおこなう機能と、を有する携帯通信端末において、
前記取得した情報を当該携帯通信端末で出力した場合に、該携帯通信端末のユーザに認知されるか否かを判別する認知可否判別手段と、
前記認知可否判別手段によって認知不可と判別された場合に、前記携帯通信端末と通信可能な前記周辺機器を探索する周辺機器探索手段と、
前記周辺機器探索手段によって探索された前記周辺機器に、前記配信された情報の取得にかかる通知を送信し、該通知を当該周辺機器に出力させる外部出力手段と、を備える、
ことを特徴とする携帯通信端末。
【請求項3】
前記外部出力手段は、前記周辺機器による前記通知の出力が段階的におこなわれるように該通知を送信する段階出力手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項2に記載の携帯通信端末。
【請求項4】
前記段階出力手段は、前記周辺機器の出力規模に応じた順序で前記通知を段階的に送信する、
ことを特徴とする請求項3に記載の携帯通信端末。
【請求項5】
前記認知可否判別手段は、前記携帯通信端末が使用中であるか否かを検出する使用状態検出手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の携帯通信端末。
【請求項6】
前記認知可否判別手段は、前記携帯通信端末の姿勢を検出する姿勢検出手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の携帯通信端末。
【請求項7】
前記認知可否判別手段は、前記携帯通信端末の周辺光量を検出する光量検出手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の携帯通信端末。
【請求項8】
通信ネットワークを介して配信される情報を取得する機能と、
周辺機器と無線通信をおこなう機能と、を有する携帯通信端末を制御するコンピュータに、
前記取得した情報を当該携帯通信端末で出力した場合に、該携帯通信端末のユーザに認知されるか否かを判別する機能と、
認知不可と判別された場合に、前記携帯通信端末と通信可能な前記周辺機器を探索する機能と、
探索された前記周辺機器に、前記配信された情報の取得にかかる通知を送信し、該通知を当該周辺機器に出力させる機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−109285(P2011−109285A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−260575(P2009−260575)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】