説明

携帯通信機器および着信制御方法

【課題】任意の発信元からの着信を受信可能にしつつ、セキュリティの低下を抑止する。
【解決手段】予め登録された発信元からの着信のみに応答可能な応答制限モードと、予め登録されていない発信元からの着信に応答可能な応答制限緩和モードとを切り替え可能な携帯通信機器10は、通信部26と、携帯通信機器10が応答制限緩和モードにあるときに通信部26で着信が受け付けられた場合に、着信の発信元との通話が、携帯通信機器10と、着信の発信元の通信機器と、予め登録された通信機器との三者通話になるように制御する制御部22と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯通信機器および着信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯情報機器には、予め登録された発信元以外からの着信を拒否する応答制限機能を有しているものがある。このような応答制限機能は、セキュリティ保護の観点からみて非常に有用であるが、時に不便を生じる場合もある。例えば、警察等の緊急連絡先への緊急発信を行った場合、警察等から折り返しの電話があることが考えられるが、応答制限機能が有効であると、警察等の電話番号が着信を許可する電話番号のリストに入っていない限り、着信が拒否されてしまう。
【0003】
そこで、応答制限機能を有する携帯情報機器について、警察等への緊急発信を行った場合に、応答制限を一定時間緩和して任意の発信元からの着信を受信可能にする技術が提案されている(例えば、特許文献1)。このような技術を利用することにより、応答制限機能を有する携帯情報機器であっても、緊急発信後に警察等からの着信を受信することが一定時間可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−121547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術のように、応答制限を一定時間緩和して任意の発信元からの着信を受信可能にすると、その間に、警察等以外の悪意の第三者からの着信も受信されることとなり、セキュリティが低下してしまう。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、任意の発信元からの着信を受信可能にしつつ、セキュリティの低下を抑止することができる携帯通信機器および着信制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、予め登録された発信元からの着信のみに応答可能な応答制限モードと、予め登録されていない発信元からの着信に応答可能な応答制限緩和モードとを切り替え可能な携帯通信機器であって、通信部と、当該携帯通信機器が前記応答制限緩和モードにあるときに前記通信部で着信が受け付けられた場合に、前記着信の発信元との通話が、当該携帯通信機器と、前記着信の発信元の通信機器と、予め登録された通信機器との三者通話になるように制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
ここで、前記制御部は、当該携帯通信機器が前記応答制限モードから前記応答制限緩和モードへ切り替わった場合に、前記予め登録された通信機器への発信を前記通信部に行わせて、前記予め登録された通信機器との通話を維持し、前記予め登録された通信機器との通話を維持している間に前記通信部で着信が受け付けられた場合に、前記予め登録された通信機器との通話を、当該携帯通信機器と、前記着信の発信元の通信機器と、前記予め登録された通信機器との三者通話へ移行させることが好ましい。
【0009】
また、前記制御部は、当該携帯通信機器が前記応答制限緩和モードにある場合は、前記予め登録された通信機器との通話を切断する操作を受け付けないことが好ましい。
【0010】
また、前記制御部は、当該携帯通信機器が前記応答制限緩和モードにある間に前記予め登録された通信機器によって通話が切断された場合に、前記着信の発信元の通信機器との通話を切断させ、当該携帯通信機器を前記応答制限モードへ切り替えることが好ましい。
【0011】
また、前記制御部は、前記予め登録された通信機器によって三者通話が終了させられた場合に、前記着信の発信元を、着信を受け付けない発信元のリストに追加することが好ましい。
【0012】
また、前記制御部は、当該携帯通信機器が前記応答制限緩和モードにある間に前記通信部で着信が受け付けられた場合に、前記着信を前記予め登録された通信機器へ転送させ、前記予め登録された通信機器から当該携帯通信機器へなされる発信を前記通信部に受け付けさせることにより、当該携帯通信機器と、前記着信の発信元の通信機器と、前記予め登録された通信機器との三者通話を成立させることが好ましい。
【0013】
また、前記制御部は、前記三者通話から、前記三者通話が当該携帯通信機器と、前記着信の発信元の通信機器との二者通話へ移行した場合に、通話内容を録音させることが好ましい。
【0014】
また、前記制御部は、前記通信部から予め定められた緊急連絡先への発信がなされた場合に、所定の期間だけ、当該携帯通信機器を前記応答制限モードから前記応答制限緩和モードへ切り替えさせることが好ましい。
【0015】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、携帯通信機器であって、通信部と、通話内容を記憶するための記憶部と、予め登録された通信機器からの着信を契機に実行される通信機器および他の通信機器との三者通話中に、前記記憶部に空き容量があれば通話内容を前記記憶部に記憶させ、前記記憶部に空き容量がなければ前記予め登録された通信機器に通話内容を録音させる制御部と、を備えることを特徴とする。
【0016】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、着信制御方法であって、予め登録された発信元からの着信のみに応答可能な応答制限モードと、め登録されていない発信元からの着信に応答可能な応答制限緩和モードとを切り替え可能な携帯通信機器が、前記応答制限モードから前記応答制限緩和モードへ切り替わるステップと、前記携帯通信機器が、前記携帯通信機器が前記応答制限緩和モードにあるときに、第1の通信機器からの着信を受け付けるステップと、前記携帯通信機器が、着信が受け付けられた前記第1の通信機器との通話が前記携帯通信機器と、前記第1の通信機器と、予め登録された第2の通信機器との三者通話になるように制御するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る携帯通信機器および着信制御方法は、任意の発信元からの着信を受信可能にしつつ、セキュリティの低下を抑止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、携帯通信機器の機能の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、発着信許可リストの一例を示す図である。
【図3】図3は、緊急発信先リストの一例を示す図である。
【図4】図4は、三者通話時発信番号の一例を示す図である。
【図5】図5は、緊急発信履歴の一例を示す図である。
【図6】図6は、緊急発信後の着信制御を示すシーケンス図である。
【図7】図7は、緊急発信後の着信制御動作における携帯通信機器の処理手順を示すフロー図である。
【図8】図8は、緊急発信後の着信制御を示すシーケンス図である。
【図9】図9は、緊急発信後の着信制御動作における携帯通信機器の処理手順を示すフロー図である。
【図10】図10は、登録済通信機器の機能の概略構成を示すブロック図である。
【図11】図11は、三者通話対象電話番号の一例を示す図である。
【図12】図12は、緊急発信後の着信制御を示すシーケンス図である。
【図13】図13は、緊急発信後の着信制御動作における携帯通信機器の処理手順を示すフロー図である。
【図14】図14は、登録済通信機器の着信制御動作における処理手順を示すフロー図である。
【図15】図15は、緊急発信後の着信制御を示すシーケンス図である。
【図16】図16は、緊急発信後の着信制御動作における携帯通信機器の処理手順を示すフロー図である。
【図17】図17は、登録済通信機器の着信制御動作の処理手順を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、携帯通信機器として携帯電話機を例として説明するが、本発明の適用対象は携帯電話機に限定されるものではなく、例えば、PHS(Personal Handyphone System)、通話機能付携帯情報処理装置等に対しても本発明は適用できる。
【0020】
(実施形態1)
まず、携帯通信機器10の機能の概略構成を説明する。図1は、携帯通信機器10の機能の概略構成を示すブロック図である。携帯通信機器10は、無線通信機能を備えた携帯電話機である。図1に示すように携帯通信機器10は、制御部22と、記憶部24と、通信部26と、操作部28と、音声処理部30と、表示部32と、通話記録部34と、を有する。
【0021】
制御部22は、携帯通信機器10の全体的な動作を統括的に制御する処理部、例えばCPU(Central Processing Unit)である。すなわち、携帯通信機器10の各種の処理が、操作部28の操作や携帯通信機器10の記憶部24に保存されるソフトウェアに応じて適切な手順で実行されるように、通信部26、表示部32等の動作を制御する。制御部22は、記憶部24に保存されているプログラム(例えば、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、制御部22は、複数のプログラム(アプリケーション、ソフトウェア)を並列で実行することができる。
【0022】
制御部22は、携帯通信機器10の動作の制御の一部として、携帯通信機器10を、予め許可された発信元からの着信のみに応答する応答制限モードと、任意の発信元からの着信に応答する応答制限緩和モードのいずれかへ切り替える。例えば、携帯通信機器10が応答制限モードへ切り替わっているときに利用者が携帯通信機器10から警察等の緊急連絡先への緊急発信を行うと、携帯通信機器10を応答制限緩和モードへ一定時間切り替える。このように制御することにより、携帯通信機器10は、警察等からの折り返しの電話を着信させることができる。
【0023】
なお、警察等への緊急発信を行った場合、発信先からだけでなく、所轄の警察署等から折り返しの電話が着信することがある。このような着信に応答可能にするには、単に発信先からの着信に応答可能にするのではなく、携帯通信機器10を、任意の発信元からの着信に応答可能な応答制限緩和モードへ切り替える必要がある。
【0024】
また、制御部22は、携帯通信機器10が応答制限緩和モードへ切り替わっているときに予め許可された発信元以外からの着信があると、その着信による通話を、予め登録された他の通信機器でも通話内容の聞き取りや発言が可能な三者通話へ移行させる。このように、携帯通信機器10の利用者以外にも通話内容の聞き取りや発言を可能にすることにより、携帯通信機器10を応答制限緩和モードへ切り替えて任意の発信元からの着信に応答可能にすることによるセキュリティの低下を抑止することができる。
【0025】
記憶部24は、各種情報を記憶する記憶装置であり、例えば、フラッシュメモリ等の半導体に情報を記憶させる。記憶部24には、制御部22での処理に利用されるアプリケーションのプログラムやデータが保存されている。具体的には、アプリケーションのプログラムとして、メールの送受信を行うアプリケーションのプログラム、音声データの再生を行うアプリケーションプログラム、発信、着信、通話処理を行うアプリケーションのプログラム等が保存されている。また、データとしては、画像データ、音声データ、文字変換のための辞書データ、アドレス帳データ等が記憶されている。
【0026】
また、記憶部24には、データとして、発着信許可リスト24a、緊急発信先リスト24b、三者通話時発信番号24c、緊急発信履歴24dが記憶されている。
【0027】
発着信許可リスト24aは、携帯通信機器10が応答制限モードへ切り替わっているときに着信と発信が許可される電話番号が登録されるデータである。発着信許可リスト24aの一例を図2に示す。図2に示す発着信許可リスト24aでは、4件の電話番号が登録されており、各電話番号には、電話番号に対応する通信機器の所有者を容易に識別できるように、「母親」、「父親」、「家」、「学校」という名前が対応付けられている。
【0028】
緊急発信先リスト24bは、何らかの緊急事態が生じた際の連絡先である警察や消防機関等の電話番号が登録されるデータである。携帯通信機器10は、応答制限モード中でも、利用者の操作に応じて、緊急発信先リスト24bに登録されている電話番号へ発信を行う。そして、制御部22は、応答制限モード中に緊急発信先リスト24bに登録されている電話番号への発信が行われた場合、携帯通信機器10を応答制限緩和モードへ一定時間切り替える。
【0029】
緊急発信先リスト24bの一例を図3に示す。図3に示す緊急発信先リスト24bでは、3件の電話番号が登録されており、各電話番号には、電話番号に対応する発信先を容易に識別できるように、「警察」、「消防」、「警備会社」という名前が対応付けられている。
【0030】
三者通話時発信番号24cは、携帯通信機器10が応答制限緩和モードへ切り替わっているときに発着信許可リスト24aに登録されていない第三者からの着信があった場合に、その着信による通話を三者通話に移行させるために発信する電話番号が登録されるデータである。例えば、携帯通信機器10の利用者が子供である場合は、三者通話時発信番号24cに親の携帯電話機器の電話番号や家の固定電話機器の電話番号を登録しておくことで、子供と第三者の通話中に、子供の家族が通話内容の聞き取りや発言を行うことが可能になる。
【0031】
三者通話時発信番号24cの一例を図4に示す。図4に示す三者通話時発信番号24cでは、1件の電話番号が登録されており、電話番号には、電話番号に対応する発信先を容易に識別できるように、「家」という名前が対応付けられている。
【0032】
緊急発信履歴24dは、緊急発信先リスト24bに登録されている電話番号への発信が携帯通信機器10から行われるたびに、発信に関する情報が時系列に記録されていくデータである。緊急発信履歴24dの一例を図5に示す。図5に示す緊急発信履歴24dは、緊急発信先リスト24bに登録されている電話番号への発信が2回あったことを示しており、それぞれの発信について、緊急発信先リスト24bに登録されている発信先の名前および電話番号と、発信日時と、通話終了日時が記録されている。
【0033】
なお、発着信許可リスト24a、緊急発信先リスト24b、三者通話時発信番号24cおよび緊急発信履歴24dは、利用者が携帯通信機器10を操作することによって作成、更新可能になっていてもよいし、携帯通信機器10の契約者が所有する他の通信機器を操作することによって作成、更新可能になっていてもよい。例えば、携帯通信機器10の利用者が子供である場合は、携帯通信機器10の契約者である親が、携帯通信機器10と予め対応付けされている自らの携帯通信機器を操作して、これらのデータを作成、更新できるようにしてもよい。
【0034】
再び図1を参照すると、通信部26は、アンテナ26aを有し、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信および情報通信を行う。操作部28は、各種キーを備え、これらのキーがユーザの操作により入力されると、その操作内容に対応する信号を発生させる。そして、発生した信号は、ユーザの指示として制御部22へ入力される。
【0035】
音声処理部30は、マイク15に入力される音声信号やレシーバ16から出力される音声信号の処理を実行する。表示部32は、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro-Luminescence)パネルなどで構成された表示パネルを備え、制御部22から供給される映像データに応じた映像、画像データに応じた画像を表示パネルに表示させる。通話記録部34は、所定の形式で符号化された音声データを記憶する記憶装置であり、例えば、フラッシュメモリ等の半導体に音声データを記憶させる。なお、通話記録部34は、記憶部24と一体に構成されていてもよい。
【0036】
次に、図6を用いて携帯通信機器10における着信制御について説明する。図6は、緊急発信後の着信制御を示すシーケンス図である。
【0037】
なお、以下の説明において、第三者通信機器とは、発着信許可リスト24aに電話番号が登録されていない通信機器を意味する。また、登録済通信機器とは、三者通話時発信番号24cに電話番号が登録されている通信機器を意味し、緊急発信先通信機器は、緊急発信先リスト24bに電話番号が登録されている通信機器を意味する。また、以下の説明においては、登録済通信機器50の利用者は、携帯通信機器10の利用者の親であるものとする。
【0038】
図6に示すように、ステップS12として、利用者の操作に従って、携帯通信機器10から、緊急発信先通信機器41への緊急発信が行われたものとする。この場合、携帯通信機器10の制御部22は、発信先の電話番号が緊急発信先リスト24bに登録されているため、携帯通信機器10を応答制限緩和モードへ一定時間切り替える。
【0039】
そして、ステップS13として、携帯通信機器10が応答制限緩和モードへ切り替わっている間に、第三者通信機器40から携帯通信機器10への着信があったものとする。この場合、携帯通信機器10の制御部22は、ステップS14として、第三者通信機器40と、携帯通信機器10との間の通話を、第三者通信機器40と、携帯通信機器10と、登録済通信機器50との間の三者通話へ移行させる。
【0040】
このように、通話を三者通話へ移行させることにより、携帯通信機器10の利用者の親が、第三者通信機器40と携帯通信機器10との間でやりとりされる通話内容を、登録済通信機器50を通じて聞くことができ、また、必要に応じて発言をすることができる。
【0041】
このため、悪意の第三者が携帯通信機器10の利用者に不正な誘いかけを行っても、そのことを利用者の親が登録済通信機器50を通じて確認し、即座に中止させることができる。また、悪意の第三者は、携帯通信機器10がこのような機能をもつことを知れば、それ以降、携帯通信機器10に対して不正目的の発信を行うことはなくなると考えられるため、抑止効果も得られる。
【0042】
なお、二者間の通話を三者通話へ移行させる処理は、携帯通信機器10に備わっている機能を呼び出すことによって実現してもよいし、登録済通信機器50に備わっている機能を呼び出すことによって実現してもよいし、電話サービス会社が提供している機能を呼び出すことによって実現してもよいし、これらの機能を組み合わせて実現することとしてもよい。
【0043】
三者通話への移行後、ステップS15として、登録済通信機器50で受話器を置く操作や通話停止ボタンを押下する操作等の切断操作が受け付けられると、携帯通信機器10と登録済通信機器50の間の通話が切断される。そして、携帯通信機器10と登録済通信機器50の間の通話が切断されると、制御部22は、即座にステップS16として、第三者通信機器40と携帯通信機器10の間の通話を切断させる。
【0044】
このように、第三者通信機器40と携帯通信機器10との間でやりとりされる通話内容が適切でない場合は、登録済通信機器50で切断操作を行うことにより、第三者通信機器40と携帯通信機器10の間の通話を強制的に切断させることができる。
【0045】
また、制御部22は、三者通話への移行後、第三者通信機器40で切断操作が受け付けられて第三者通信機器40と携帯通信機器10の間の通話が切断された場合には、携帯通信機器10と登録済通信機器50の間の通話を切断させる。また、制御部22は、携帯通信機器10で切断操作が受け付けられた場合は、第三者通信機器40と携帯通信機器10の間の通話と、携帯通信機器10と登録済通信機器50の間の通話を切断させる。
【0046】
そして、制御部22は、一定時間が経過した後に、携帯通信機器10を応答制限モードへ戻す。
【0047】
次に、図7を用いて携帯通信機器10の着信制御動作、具体的には、緊急発信後の着信制御動作について説明する。図7は、緊急発信後の着信制御動作における携帯通信機器10の処理手順を示すフロー図である。なお、以下の説明は、携帯通信機器10が応答制限モードになっていることを前提としている。
【0048】
ステップS100として、携帯通信機器10が、緊急発信先通信機器41への緊急発信を行うと、制御部22は、ステップS101として、発信先の電話番号、発信日時、通話終了日時を緊急発信履歴24dに記録し、ステップS102として、携帯通信機器10を応答制限緩和モードへ移行させる。
【0049】
そして、制御部22は、ステップS103として、携帯通信機器10を応答制限モードへ移行させる移行期間が経過したかを判定する。移行期間を経過したか否かは、例えば、緊急発信履歴24dに記録されている最後の緊急発信の通話終了日時と現在日時との差を、予め設定されている移行期間と比較することによって判断される。
【0050】
ここで、移行期間を経過していた場合(ステップS103,Yes)、制御部22は、ステップS114として、携帯通信機器10を応答制限モードへ移行させる。一方、移行期間を経過していなければ(ステップS103,No)、ステップS104として、制御部22は、通信部26に着信があるかを確認する。そして、着信がない場合(ステップS104,No)、制御部22は、ステップS103以降を再実行する。
【0051】
着信がある場合(ステップS104,Yes)、制御部22は、ステップS105として、着信許可があるか、すなわち、着信の発信元の電話番号が発着信許可リスト24aに登録されているかを判定する。ここで、着信許可があった場合(ステップS105,Yes)、制御部22は、ステップS106として、通常の着信処理を実行し、通話の完了後に、ステップS103以降を再実行する。
【0052】
一方、着信許可がなかった場合(ステップS105,No)、制御部22は、ステップS107として、着信の発信元である第三者通信機器との間の通話を、第三者通信機器と、携帯通信機器10と、登録済通信機器との間の三者通話へ移行させる。
【0053】
三者通話への移行後、制御部22は、ステップS108として、いずれかの通信機器によって通話が切断されるのを待つ。そして、第三者通信機器によって通話が切断された場合は(ステップS109,Yes)、制御部22は、ステップS110として、登録済通信機器との通話を切断させて、ステップS103以降を再実行する。
【0054】
また、登録済通信機器によって通話が切断された場合は(ステップS109,No、ステップS111,Yes)、制御部22は、ステップS112として、第三者通信機器との通話を切断させて、ステップS103以降を再実行する。また、携帯通信機器10において切断操作が受け付けられた場合は(ステップS109,No、ステップS111,No)、制御部22は、ステップS113として、登録済通信機器との通話と、第三者通信機器との通話とを切断させて、ステップS103以降を再実行する。
【0055】
上述してきたように、実施形態1では、携帯通信機器10が応答制限緩和モードへ切り替わっている場合には、第三者通信機器との通話を三者通話へ移行させることとしたので、応答制限緩和モードにおいて、任意の通信機器からの着信を許可しつつ、セキュリティの低下を抑止することができる。
【0056】
(実施形態2)
実施形態2では、通話を三者通話へ移行させる方式として、登録済通信機器との間で予め呼接続を行っておく方式を用いる例について説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分には既に説明した部分と同一の符号を付して、重複する説明を省略することとする。
【0057】
実施形態2では、制御部22は、携帯通信機器10が応答制限緩和モードへ切り替えた場合に、登録済通信機器へ発信し、携帯通信機器10が応答制限緩和モードへ切り替わっている間は、登録済通信機器との呼接続を維持する。そして、携帯通信機器10が応答制限緩和モードへ切り替わっているときに着信があると、その着信による通話と、維持している呼接続による通話を、三者通話へ移行させる。
【0058】
このように呼接続が維持されている間に着信があった場合に通話を三者通話へ移行する技術は、既に実用化されている。このため、この方式を用いれば、通話を三者通話へ移行させる機能を容易に実現できる。
【0059】
次に、図8を用いて携帯通信機器10における着信制御について説明する。図8は、緊急発信後の着信制御を示すシーケンス図である。
【0060】
図8に示すように、ステップS20として、利用者の操作に従って、携帯通信機器10から、緊急発信先通信機器41への緊急発信が行われたものとする。この場合、携帯通信機器10の制御部22は、発信先の電話番号が緊急発信先リスト24bに登録されているため、携帯通信機器10を応答制限緩和モードへ一定時間切り替える。
【0061】
制御部22は、携帯通信機器10を応答制限緩和モードへ切り替えると、ステップS21として、三者通話時発信番号24cに登録されている電話番号へ発信して、登録済通信機器50との呼接続を通話が可能な状態で維持する。この呼接続は、携帯通信機器10が応答制限モードへ切り替わるまで維持される。また、制御部22は、呼接続を維持するため、携帯通信機器10が応答制限モードへ切り替わるまでは、携帯通信機器10における切断操作を禁止する。なお、ここでいう「禁止」には、切断操作を行うことを不可能にすることだけでなく、切断操作が行われてもその操作を無視することも含まれる。
【0062】
そして、ステップS22として、携帯通信機器10が応答制限緩和モードへ切り替わっている間に、第三者通信機器40から携帯通信機器10への着信があったものとする。この場合、携帯通信機器10の制御部22は、ステップS23として、既に呼接続が確立されている携帯通信機器10と、登録済通信機器50との間の通話を、第三者通信機器40と、携帯通信機器10と、登録済通信機器50との間の三者通話へ移行させる。
【0063】
制御部22は、三者通話への移行後、ステップS24として、登録済通信機器50で切断操作が受け付けられて携帯通信機器10と登録済通信機器50の間の通話が切断された場合には、ステップS25として、第三者通信機器40と携帯通信機器10との間の通話を切断させる。
【0064】
ここで、携帯通信機器10がまだ応答制限緩和モードに切り替わっている場合、ステップS26として、三者通話時発信番号24cに登録されている電話番号へ発信して、登録済通信機器50との呼接続を通話が可能な状態で維持する。この呼接続は、携帯通信機器10が応答制限モードへ切り替わるまで維持される。
【0065】
そして、制御部22は、一定時間が経過した後に、携帯通信機器10を応答制限モードへ戻し、登録済通信機器50との通話を切断させる。
【0066】
このように、第三者通信機器40と携帯通信機器10との間でやりとりされる通話内容が適切でない場合は、登録済通信機器50で切断操作を行うことにより、第三者通信機器40と携帯通信機器10の間の通話を強制的に切断させることができる。また、このように登録済通信機器50で切断操作を行った場合、携帯通信機器10がまだ応答制限緩和モードに切り替わっている状態であれば、登録済通信機器50との呼接続が再確立され、いずれかの第三者通信機器からの新たな着信があった場合に、通話を三者通話へ移行させることができる。
【0067】
なお、制御部22は、登録済通信機器50で切断操作が受け付けられた場合と同様の動作を、電波障害等によって携帯通信機器10と登録済通信機器50との間の通信が切断された場合にも行う。これにより、障害によって携帯通信機器10と登録済通信機器50との間の通信が切断された場合にも、携帯通信機器10の利用者が保護されることになる。
【0068】
また、三者通話への移行後、第三者通信機器40で切断操作が受け付けられて、第三者通信機器40と携帯通信機器10の間の通話が切断された場合、制御部22は、携帯通信機器10が応答制限モードへ切り替わるまで、登録済通信機器50との呼接続を通話が可能な状態で維持する。このように登録済通信機器50との呼接続を維持することにより、いずれかの第三者通信機器からの新たな着信があった場合に、通話を三者通話へ移行させることができる。
【0069】
次に、図9を用いて携帯通信機器10の着信制御動作、具体的には、緊急発信後の着信制御動作について説明する。図9は、緊急発信後の着信制御動作における携帯通信機器10の処理手順を示すフロー図である。なお、以下の説明は、携帯通信機器10が応答制限モードになっていることを前提としている。
【0070】
ステップS200として、携帯通信機器10が、緊急発信先通信機器41への緊急発信を行うと、制御部22は、ステップS201として、発信先の電話番号、発信日時、通話終了日時を緊急発信履歴24dに記録し、ステップS202として、携帯通信機器10を応答制限緩和モードへ移行させる。続いて、制御部22は、ステップS203として、登録済通信機器へ発信し、ステップS204として、携帯通信機器10での切断操作を禁止する。
【0071】
そして、制御部22は、ステップS205として、携帯通信機器10を応答制限モードへ移行させる移行期間が経過したかを判定する。移行期間を経過したか否かは、例えば、緊急発信履歴24dに記録されている最後の緊急発信の通話終了日時と現在日時との差を、予め設定されている移行期間と比較することによって判断される。
【0072】
ここで、移行期間を経過していた場合(ステップS205,Yes)、制御部22は、ステップS212として、通話を切断させ、ステップS213として、携帯通信機器10を応答制限モードへ移行させ、ステップS214として、携帯通信機器10での切断操作を許可する。
【0073】
一方、移行期間を経過していなければ(ステップS205,No)、ステップS206として、制御部22は、通信部26に着信があるかを確認する。そして、着信がない場合(ステップS206,No)、制御部22は、ステップS205以降を再実行する。
【0074】
着信がある場合(ステップS206,Yes)、制御部22は、ステップS207として、既に確立している登録済通信機器との間の通話を、着信の発信元である第三者通信機器と、携帯通信機器10と、登録済通信機器との間の三者通話へ移行させる。
【0075】
三者通話への移行後、制御部22は、ステップS208として、いずれかの通信機器によって通話が切断されるのを待つ。そして、第三者通信機器によって通話が切断された場合は(ステップS209,Yes)、制御部22は、登録済通信機器との通話を維持したまま、ステップS205以降を再実行する。
【0076】
また、登録済通信機器によって通話が切断された場合は(ステップS209,No)、制御部22は、ステップS210として、第三者通信機器との通話を切断させる。続いて、制御部22は、ステップS211として、登録済通信機器へ発信し、登録済通信機器との通話を再開させて、ステップS205以降を再実行する。
【0077】
上述してきたように、実施形態2では、携帯通信機器10が、登録済通信機器との間で予め呼接続を行っておくこととしたので、三者通話への移行を容易に実現して、応答制限緩和モードにおいて、任意の通信機器からの着信を許可しつつ、セキュリティの低下を抑止することができる。
【0078】
(実施形態3)
実施形態3では、通話を三者通話へ移行させる方式として、第三者通信機器からの着信を登録済通信機器へ転送する方式を用いる例について説明する。
【0079】
実施形態3では、制御部22は、携帯通信機器10が応答制限緩和モードへ切り替わっているときに第三者通信機器からの着信があると、その着信を登録済通信機器へ転送させ、第三者通信機器と登録済通信機器との間で通話を成立させる。そして、制御部22は、登録済通信機器からの着信に応答させることで、第三者通信機器と登録済通信機器の間の通話を、携帯通信機器10を含めた三者通話へ移行させる。
【0080】
このように着信を転送する技術は、既に実用化されている。このため、この方式を用いれば、通話を三者通話へ移行させる機能を容易に実現できる。
【0081】
次に、登録済通信機器50の機能の概略構成を説明する。図10は、登録済通信機器50の機能の概略構成を示すブロック図である。登録済通信機器50は、携帯通信機器10の三者通話時発信番号24cに電話番号が登録されている通信機器である。なお、登録済通信機器50は、携帯電話機器であってもよいし、固定電話機器であってもよい。
【0082】
図10に示すように登録済通信機器50は、制御部62と、記憶部64と、通信部66と、操作部68と、音声処理部70と、表示部72と、通話記録部74と、を有する。
【0083】
記憶部64は、各種情報を記憶する記憶装置であり、例えば、フラッシュメモリ等の半導体に情報を記憶させる。記憶部64には、制御部62での処理に利用されるアプリケーションのプログラムやデータが保存されている。例えば、記憶部64には、データとして、三者通話対象電話番号64bが記憶されている。
【0084】
三者通話対象電話番号64bは、三者通話時発信番号24cに登録済通信機器50の電話番号が登録されている携帯通信機器10の電話番号が登録されるデータである。三者通話対象電話番号64bの一例を図11に示す。図11に示す三者通話対象電話番号64bでは、1件の電話番号が登録されており、電話番号には、電話番号に対応する通信機器の所有者を容易に識別できるように、「花子」という名前が対応付けられている。三者通話対象電話番号64bは、例えば、登録済通信機器50の利用者の操作によって作成、更新される。
【0085】
制御部62は、登録済通信機器50の全体的な動作を統括的に制御する処理部、例えばCPUである。すなわち、登録済通信機器50の各種の処理が、操作部68の操作や登録済通信機器50の記憶部64に保存されるソフトウェアに応じて適切な手順で実行されるように、通信部66、表示部72等の動作を制御する。制御部62は、記憶部64に保存されているプログラム(例えば、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、制御部62は、複数のプログラム(アプリケーション、ソフトウェア)を並列で実行することができる。
【0086】
制御部62は、登録済通信機器50の動作の制御の一部として、三者通話対象電話番号64bに登録されている電話番号を転送元とする転送が着信した場合に、転送元に発信を行って、転送された着信による通話を、転送元を含めた三者通話へ移行させる。
【0087】
通信部66は、無線通信もしくは有線通信によって電話通信および情報通信を行う。操作部68は、各種キーを備え、これらのキーがユーザの操作により入力されると、その操作内容に対応する信号を発生させる。そして、発生した信号は、ユーザの指示として制御部62へ入力される。
【0088】
音声処理部70は、マイク55に入力される音声信号やレシーバ56から出力される音声信号の処理を実行する。表示部72は、液晶ディスプレイや、有機ELパネルなどで構成された表示パネルを備え、制御部62から供給される映像データに応じた映像、画像データに応じた画像を表示パネルに表示させる。通話記録部74は、所定の形式で符号化された音声データを記憶する記憶装置であり、例えば、フラッシュメモリ等の半導体に音声データを記憶させる。なお、通話記録部74は、記憶部64と一体に構成されていてもよい。
【0089】
次に、図12を用いて携帯通信機器10および登録済通信機器50における着信制御について説明する。図12は、緊急発信後の着信制御を示すシーケンス図である。
【0090】
図12に示すように、ステップS30として、利用者の操作に従って、携帯通信機器10から、緊急発信先通信機器41への緊急発信が行われたものとする。この場合、携帯通信機器10の制御部22は、発信先の電話番号が緊急発信先リスト24bに登録されているため、携帯通信機器10を応答制限緩和モードへ一定時間切り替える。
【0091】
そして、ステップS31として、携帯通信機器10が応答制限緩和モードへ切り替わっている間に、第三者通信機器40から携帯通信機器10への着信があったものとする。この場合、制御部22は、ステップS32として、第三者通信機器40からの着信を三者通話時発信番号24cに電話番号が登録されている登録済通信機器50へ転送する。この転送により、第三者通信機器40と登録済通信機器50の間の通話が確立する。
【0092】
続いて、登録済通信機器50の制御部62は、着信した転送の転送元の電話番号が三者通話対象電話番号64bに登録されているため、ステップS33として、着信元である携帯通信機器10へ発信を行い、第三者通信機器40と登録済通信機器50の間の通話を、第三者通信機器40と、携帯通信機器10と、登録済通信機器50との間の三者通話へ移行させる。
【0093】
このように、通話を三者通話へ移行させることにより、携帯通信機器10の利用者の親が、第三者通信機器40と携帯通信機器10との間でやりとりされる通話内容を、登録済通信機器50を通じて聞くことができ、また、必要に応じて発言をすることができる。
【0094】
三者通話への移行後、ステップS34として、登録済通信機器50で切断操作が受け付けられると、携帯通信機器10と登録済通信機器50の間の通話が切断されるとともに、第三者通信機器40と登録済通信機器50との間の通話が切断され、登録済通信機器50と携帯通信機器10との間の通話は不能になる。
【0095】
このように、第三者通信機器40と携帯通信機器10との間でやりとりされる通話内容が適切でない場合は、登録済通信機器50で切断操作を行うことにより、第三者通信機器40と携帯通信機器10の間の通話を強制的に切断させることができる。
【0096】
なお、第三者通信機器40または携帯通信機器10で切断操作が受け付けられて、登録済通信機器50との間の通話が切断された場合は、登録済通信機器50は、残っている通信機器との通話を継続してもよいし、切断してもよい。
【0097】
次に、図13を用いて携帯通信機器10の着信制御動作、具体的には、緊急発信後の着信制御動作について説明する。図13は、緊急発信後の着信制御動作における携帯通信機器10の処理手順を示すフロー図である。なお、以下の説明は、携帯通信機器10が応答制限モードになっていることを前提としている。
【0098】
ステップS300として、携帯通信機器10が、緊急発信先通信機器41への緊急発信を行うと、制御部22は、ステップS301として、発信先の電話番号、発信日時、通話終了日時を緊急発信履歴24dに記録し、ステップS302として、携帯通信機器10を応答制限緩和モードへ移行させる。
【0099】
そして、制御部22は、ステップS303として、携帯通信機器10を応答制限モードへ移行させる移行期間が経過したかを判定する。移行期間を経過したか否かは、例えば、緊急発信履歴24dに記録されている最後の緊急発信の通話終了日時と現在日時との差を、予め設定されている移行期間と比較することによって判断される。
【0100】
ここで、移行期間を経過していた場合(ステップS303,Yes)、制御部22は、ステップS309として、携帯通信機器10を応答制限モードへ移行させる。
【0101】
一方、移行期間を経過していなければ(ステップS303,No)、ステップS304として、制御部22は、通信部26に着信があるかを確認する。そして、着信がない場合(ステップS304,No)、制御部22は、ステップS303以降を再実行する。
【0102】
着信がある場合(ステップS304,Yes)、制御部22は、ステップS305として、着信元が登録済通信機器であるかを判定する。そして、着信元が登録済通信機器でない場合(ステップS305,No)、制御部22は、ステップS306として、着信を登録済通信機器へ転送させ、ステップS303以降を再実行する。なお、この転送は、第三者通信機器と登録済通信機器との間の通話を成立させるとともに、登録済通信機器から折り返しの着信を得るために行われる。
【0103】
一方、着信元が登録済通信機器である場合(ステップS305,Yes)、制御部22は、ステップS307として、通常の着信処理を行う。登録済通信機器からの着信が携帯通信機器10からの着信転送を契機とするものであれば、この着信処理によって三者通話が成立する。
【0104】
そして、制御部22は、ステップS308として、携帯通信機器10または登録済通信機器によって通話が切断されるのを待ち、通話が切断された場合は(ステップS308,Yes)、ステップS303以降を再実行する。
【0105】
次に、図14を用いて登録済通信機器50の着信制御動作について説明する。図14は、登録済通信機器50の着信制御動作における処理手順を示すフロー図である。登録済通信機器50の制御部62は、着信機能が有効である間、図14に示す処理手順を繰り返して実行する。
【0106】
登録済通信機器50の制御部62は、ステップS320として、着信を待つ。そして、着信があると(ステップS320,Yes)、制御部62は、ステップS321として、その着信が転送されたものであるかを判断する。ここで、着信が転送されたものでなければ(ステップS321,No)、制御部62は、ステップS322として、通常の着信処理を実行する。
【0107】
着信が転送されたものであれば(ステップS321,Yes)、制御部62は、ステップS323として、転送元の電話番号を三者通話対象電話番号64bに登録されている電話番号と比較する。ここで、電話番号が一致しなければ(ステップS324,No)、制御部62は、ステップS322として、通常の着信処理を実行する。
【0108】
一方、転送元の電話番号と三者通話対象電話番号64bに登録されている電話番号が一致した場合(ステップS324,Yes)、制御部62は、ステップS325として、着信処理を実行した後、ステップS326として、転送元へ発信を行って三者通話を成立させる。
【0109】
上述してきたように、実施形態3では、携帯通信機器10が、第三者通信機器からの着信を登録済通信機器へ転送し、登録済通信機器からの着信を受けることによって三者通話を成立させることとしたので、三者通話への移行を容易に実現して、応答制限緩和モードにおいて、任意の通信機器からの着信を許可しつつ、セキュリティの低下を抑止することができる。
【0110】
(実施形態4)
実施形態4では、三者通話での通話内容を登録済通信機器において録音する例について説明する。なお、以下の説明では、通話を三者通話へ移行させる方式として実施形態2で説明した方式を用いることとするが、他の方式によって通話を三者通話へ移行させる場合にも、同様に三者通話での通話内容を登録済通信機器において録音することが可能である。
【0111】
実施形態4では、携帯通信機器10の制御部22は、携帯通信機器10が応答制限緩和モードへ切り替えた場合に、登録済通信機器へ発信し、携帯通信機器10が応答制限緩和モードへ切り替わっている間は、登録済通信機器との呼接続を維持する。そして、携帯通信機器10が応答制限緩和モードへ切り替わっているときに着信があると、その着信による通話と、維持している呼接続による通話を、三者通話へ移行させる。
【0112】
また、制御部22は、応答制限緩和モードへ切り替わっている間に登録済通信機器との通話が切断された場合、登録済通信機器以外の通信機器との通話内容を通話記録部34に記録させる。通話記録部34に記録された通話内容は、電子メールでの伝送や、電話サービス会社のサーバ装置を介した伝送によって事後的に登録済通信機器へ送信される。
【0113】
このように何らかの理由によって登録済通信機器との通話が切断された場合に通話内容を記録し、登録済通信機器へ送信することにより、切断後の通話内容を登録済通信機器の利用者が事後的に確認することが可能になり、携帯通信機器10を応答制限緩和モードへ切り替えて任意の発信元からの着信に応答可能にすることによるセキュリティの低下を抑止することができる。
【0114】
また、実施形態4では、登録済通信機器50の制御部62は、登録済通信機器50の動作の制御の一部として、三者通話対象電話番号64bに登録されている電話番号からの着信があり、その着信に対する着信音や振動での呼び出しに利用者が応じない場合に、着信を受け付けて通話内容を通話記録部74に記録させる。また、制御部62は、通話内容を通話記録部74に記録させている間に通話記録部74が容量不足となった場合には、通話内容の記録を着信元の通信機器に引き継がせる。
【0115】
ここで、携帯通信機器10の電話番号を三者通話対象電話番号64bに登録しておけば通話内容が記録されるので、登録済通信機器50の利用者は、何らかの理由で着信に応じられない場合でも、携帯通信機器10と第三者通信機器の間の通話内容を事後的に確認できることとなる。このことにより、携帯通信機器10を応答制限緩和モードへ切り替えて任意の発信元からの着信に応答可能にすることによるセキュリティの低下を抑止することができる。
【0116】
次に、図15を用いて携帯通信機器10および登録済通信機器50における着信制御について説明する。図15は、緊急発信後の着信制御を示すシーケンス図である。
【0117】
図15に示すように、ステップS40として、利用者の操作に従って、携帯通信機器10から、緊急発信先通信機器41への緊急発信が行われたものとする。この場合、携帯通信機器10の制御部22は、発信先の電話番号が緊急発信先リスト24bに登録されているため、携帯通信機器10を応答制限緩和モードへ一定時間切り替える。
【0118】
制御部22は、携帯通信機器10を応答制限緩和モードへ切り替えると、ステップS41として、三者通話時発信番号24cに登録されている電話番号へ発信して、登録済通信機器50との呼接続を通話が可能な状態で維持する。この呼接続は、携帯通信機器10が応答制限モードへ切り替わるまで維持される。また、制御部22は、呼接続を維持するため、携帯通信機器10が応答制限モードへ切り替わるまでは、携帯通信機器10における切断操作を禁止する。
【0119】
一方、登録済通信機器50の制御部62は、三者通話対象電話番号64bに電話番号が登録されている携帯通信機器10の着信による呼び出しに利用者が応じないと、ステップS42として、着信を受け付けて通話内容を通話記録部74に記録させる。
【0120】
そして、ステップS43として、携帯通信機器10が応答制限緩和モードへ切り替わっている間に、第三者通信機器40から携帯通信機器10への着信があったものとする。この場合、携帯通信機器10の制御部22は、ステップS44として、既に呼接続が確立されている携帯通信機器10と、登録済通信機器50との間の通話を、第三者通信機器40と、携帯通信機器10と、登録済通信機器50との間の三者通話へ移行させる。
【0121】
このように、通話を三者通話へ移行させることにより、携帯通信機器10の利用者の親が、第三者通信機器40と携帯通信機器10との間でやりとりされる通話内容が、登録済通信機器50の通話記録部74に記録されるようになる。
【0122】
三者通話への移行後、第三者通信機器40で切断操作が受け付けられて、第三者通信機器40と携帯通信機器10の間の通話が切断された場合、制御部22は、携帯通信機器10が応答制限モードへ切り替わるまで、登録済通信機器50との呼接続を通話が可能な状態で維持する。このように登録済通信機器50との呼接続を維持することにより、いずれかの第三者通信機器からの新たな着信があった場合に、通話を三者通話へ移行させることができる。
【0123】
そして、制御部22は、一定時間が経過した後に、携帯通信機器10を応答制限モードへ戻し、登録済通信機器50との通話を切断させる。通話が切断されると、登録済通信機器50の制御部62は、通話内容の記録を終了させる。
【0124】
また、登録済通信機器50の制御部62は、通話内容の記録中に通話記録部74の容量が不足すると、図15に示すように、通話内容の記録を中止して通話を切断させる。携帯通信機器10の制御部22は、応答制限緩和モードへ切り替わっている間に登録済通信機器50との通話が切断されると、ステップS45として、第三者通信機器40との通話内容を通話記録部34に記録させる。
【0125】
なお、制御部62は、通話内容の記録を中止する際に、所定の信号を携帯通信機器10へ送信させて、通話内容の記録を引き継ぐように携帯通信機器10に明示的に依頼することとしてもよい。
【0126】
その後、携帯通信機器10が応答制限緩和モードへ切り替わっている間に、第三者通信機器40で切断操作が受け付けられて、第三者通信機器40と携帯通信機器10の間の通話が切断されたものとする。この場合、制御部22は、通話内容の記録を終了させる。なお、その後は、制御部22が、携帯通信機器10を応答制限モードへ切り替えることとしてもよいし、一定時間が経過するまでは第三者通信機器からの着信を許可して通話内容を通話記録部34に記録させることとしてもよい。
【0127】
次に、図16を用いて携帯通信機器10の着信制御動作、具体的には、緊急発信後の着信制御動作について説明する。図16は、緊急発信後の着信制御動作における携帯通信機器10の処理手順を示すフロー図である。なお、以下の説明は、携帯通信機器10が応答制限モードになっていることを前提としている。
【0128】
ステップS400として、携帯通信機器10が、緊急発信先通信機器41への緊急発信を行うと、制御部22は、ステップS401として、発信先の電話番号、発信日時、通話終了日時を緊急発信履歴24dに記録し、ステップS402として、携帯通信機器10を応答制限緩和モードへ移行させる。続いて、制御部22は、ステップS403として、登録済通信機器へ発信し、ステップS404として、携帯通信機器10での切断操作を禁止する。
【0129】
そして、制御部22は、ステップS405として、携帯通信機器10を応答制限モードへ移行させる移行期間が経過したかを判定する。移行期間を経過したか否かは、例えば、緊急発信履歴24dに記録されている最後の緊急発信の通話終了日時と現在日時との差を、予め設定されている移行期間と比較することによって判断される。
【0130】
ここで、移行期間を経過していた場合(ステップS405,Yes)、制御部22は、ステップS415として、通話内容を録音中であるかを判定する。そして、録音中であれば(ステップS415,Yes)、制御部22は、ステップS412として、録音を終了させ、ステップS413として、携帯通信機器10を応答制限モードへ移行させ、ステップS414として、携帯通信機器10での切断操作を許可する。録音中でなければ(ステップS415,No)、制御部22は、ステップS416として、通話を切断させ、ステップS413として、携帯通信機器10を応答制限モードへ移行させ、ステップS414として、携帯通信機器10での切断操作を許可する。
【0131】
一方、移行期間を経過していなければ(ステップS405,No)、ステップS406として、制御部22は、通信部26に着信があるかを確認する。そして、着信がない場合(ステップS406,No)、制御部22は、ステップS405以降を再実行する。
【0132】
着信がある場合(ステップS406,Yes)、制御部22は、ステップS407として、既に確立している登録済通信機器との間の通話を、着信の発信元である第三者通信機器と、携帯通信機器10と、登録済通信機器との間の三者通話へ移行させる。
【0133】
三者通話への移行後、制御部22は、ステップS408として、いずれかの通信機器によって通話が切断されるのを待つ。登録済通信機器によって通話が切断された場合(ステップS409,Yes)、制御部22は、ステップS410として、通話内容の記録を開始させ、ステップS408以降を再実行する。
【0134】
また、第三者通信機器によって通話が切断された場合は(ステップS409,No)、制御部22は、ステップS411として、通話内容の録音中であるかを判定する。ここで、録音中であれば(ステップS411,Yes)、既に登録済通信機器との通話は切断されているので、制御部22は、ステップS412として、録音を終了させ、ステップS413として、携帯通信機器10を応答制限モードへ移行させ、ステップS414として、携帯通信機器10での切断操作を許可する。
【0135】
一方、録音中でなければ(ステップS411,No)、登録済通信機器との通話は維持されているので、制御部22は、ステップS405以降を再実行する。
【0136】
次に、図17を用いて登録済通信機器50の着信制御動作について説明する。図17は、登録済通信機器50の着信制御動作の処理手順を示すフロー図である。登録済通信機器50の制御部62は、着信機能が有効である間、図17に示す処理手順を繰り返して実行する。
【0137】
登録済通信機器50の制御部62は、ステップS420として、着信を待つ。そして、着信があると(ステップS420,Yes)、制御部62は、ステップS421として、着信元の電話番号を三者通話対象電話番号64bに登録されている電話番号と比較する。ここで、電話番号が一致しなければ(ステップS422,No)、制御部62は、ステップS423として、通常の着信処理を実行する。
【0138】
一方、着信元の電話番号と三者通話対象電話番号64bに登録されている電話番号が一致した場合(ステップS422,Yes)、制御部62は、ステップS424として、着信音や振動等により利用者を呼び出し、着信に応答するように求める。そして、着信への応答がなされた場合(ステップS425,Yes)、制御部62は、ステップS423として、通常の着信処理を実行する。
【0139】
着信への応答がなされない場合(ステップS425,No)、制御部62は、ステップS426として、着信処理を行って着信を受け付けさせ、ステップS427として、通話内容の録音を開始させる。そして、制御部62は、ステップS428およびステップS430として、通話が切断されるか、通話記録部74の容量が満杯になるのを待つ。
【0140】
通話が切断された場合(ステップS428,Yes)、制御部62は、ステップS429として、通話内容の録音を終了させる。また、通話記録部74の容量が満杯になった場合(ステップS430,Yes)、制御部62は、ステップS431として、通話を切断させる。
【0141】
上述してきたように、実施形態4では、登録済通信機器50や携帯通信機器10が、通話内容を記録することとしたので、登録済通信機器50の利用者が着信に応答することができない場合でも、応答制限緩和モードにおいて、任意の通信機器からの着信を許可しつつ、セキュリティの低下を抑止することができる。
【0142】
(その他の実施形態)
上記の各実施形態における各種通信機器の構成は、要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができる。例えば、三者通話中に登録済通信機器によって通話が切断された場合に、携帯通信機器が、第三者通信機器の電話番号を、応答制限緩和モードにおいても着信を拒否する電話番号のリストに登録することとしてもよい。このように構成することにより、悪意の第三者からの着信に何度も対応する必要がなくなる。
【0143】
また、実施形態1〜4では、緊急発信を契機として携帯通信機器が応答制限モードから応答制限緩和モードへ一定時間切り替わることとしたが、緊急発信に限らずに、着信を許可する電話番号のリストに登録されていない電話番号への発信が行われた場合に、携帯通信機器が応答制限モードから応答制限緩和モードへ一定時間切り替わることとしてもよい。
【0144】
また、実施形態1〜4では、緊急発信を契機として携帯通信機器が応答制限モードから応答制限緩和モードへ切り替わった場合に第三者通信機器との通話を三者通話へ移行させることとしたが、利用者の操作によって携帯通信機器が応答制限モードから応答制限緩和モードへ切り替わった場合にも、第三者通信機器との通話を三者通話へ移行させることとしてよい。
【0145】
また、実施形態2では、登録済通信機器の側から三者通話を終了させるために、三者通話中に登録済通信機器が通話を切断することとしたが、登録済通信機器の側から三者通話を終了させることが必要になった場合に、特定の信号を登録済通信機器から携帯通信機器へ送信し、携帯通信機器は特定の信号を受信すると、登録済通信機器との通話を維持したままで、第三者通信機器との通話のみを切断することとしてもよい。
【0146】
また、実施形態2では、三者通話中に登録済通信機器が通話を切断した場合に、携帯通信機器が、第三者通信機器との通話を切断した後、登録済通信機器へ再度発信することとしたが、三者通話中に登録済通信機器が通話を切断した場合には、携帯通信機器が、第三者通信機器との通話を切断した後、登録済通信機器へ発信を行うことなく、応答制限モードへ移行することとしてもよい。
【0147】
また、実施形態3では、予め登録された電話番号からの転送があった場合に登録済通信機器が自動的に転送元へ発信を行うこととしたが、予め登録された電話番号からの転送があった場合に、登録済通信機器が、転送元への発信を実行するか否かを問い合わせる画面を表示し、利用者が発信を実行する旨を選択した場合に転送元へ発信を行うこととしてもよい。このように構成することにより、登録済通信機器の利用者が、第三者通信機器からの着信の要件を確認した上で、三者通話の要否を判定することができる。
【0148】
また、実施形態4では、特定の電話番号からの着信に利用者が応じない場合に登録済通信機器が着信を受け付けて通話内容の録音を開始することとしたが、着信に利用者が応じた場合でも、常に、または、利用者によって指示された期間だけ、通話内容を録音することとしてもよい。また、通話内容の録音に際しては、無声区間は録音を停止することとしてもよい。このように構成することにより、録音されるデータの容量を節約することができる。
【産業上の利用可能性】
【0149】
以上のように、本発明に係る携帯通信機器および着信制御方法は、任意の発信元からの着信を受信可能にする場合に有用であり、特に、任意の発信元からの着信を受信可能にしつつ、セキュリティの低下を抑止することが必要な場合に適している。
【符号の説明】
【0150】
10 携帯通信機器
15、55 マイク
16、56 レシーバ
22、62 制御部
24、64 記憶部
24a 発着信許可リスト
24b 緊急発信先リスト
24c 三者通話時発信番号
24d 緊急発信履歴
26、66 通信部
26a アンテナ
28、68 操作部
30、70 音声処理部
32、72 表示部
34、74 通話記録部
40 第三者通信機器
41 緊急発信先通信機器
50 登録済通信機器
64b 三者通話対象電話番号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め登録された発信元からの着信のみに応答可能な応答制限モードと、予め登録されていない発信元からの着信に応答可能な応答制限緩和モードとを切り替え可能な携帯通信機器であって、
通信部と、
当該携帯通信機器が前記応答制限緩和モードにあるときに前記通信部で着信が受け付けられた場合に、前記着信の発信元との通話が、当該携帯通信機器と、前記着信の発信元の通信機器と、予め登録された通信機器との三者通話になるように制御する制御部と、
を備えることを特徴とする携帯通信機器。
【請求項2】
前記制御部は、当該携帯通信機器が前記応答制限モードから前記応答制限緩和モードへ切り替わった場合に、前記予め登録された通信機器への発信を前記通信部に行わせて、前記予め登録された通信機器との通話を維持し、前記予め登録された通信機器との通話を維持している間に前記通信部で着信が受け付けられた場合に、前記予め登録された通信機器との通話を、当該携帯通信機器と、前記着信の発信元の通信機器と、前記予め登録された通信機器との三者通話へ移行させることを特徴とする請求項1に記載の携帯通信機器。
【請求項3】
前記制御部は、当該携帯通信機器が前記応答制限緩和モードにある場合は、前記予め登録された通信機器との通話を切断する操作を受け付けないことを特徴とする請求項2に記載の携帯通信機器。
【請求項4】
前記制御部は、当該携帯通信機器が前記応答制限緩和モードにある間に前記予め登録された通信機器によって通話が切断された場合に、前記着信の発信元の通信機器との通話を切断させ、当該携帯通信機器を前記応答制限モードへ切り替えることを特徴とする請求項2または3に記載の携帯通信機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記予め登録された通信機器によって三者通話が終了させられた場合に、前記着信の発信元を、着信を受け付けない発信元のリストに追加することを特徴とする請求項4に記載の携帯通信機器。
【請求項6】
前記制御部は、当該携帯通信機器が前記応答制限緩和モードにある間に前記通信部で着信が受け付けられた場合に、前記着信を前記予め登録された通信機器へ転送させ、前記予め登録された通信機器から当該携帯通信機器へなされる発信を前記通信部に受け付けさせることにより、当該携帯通信機器と、前記着信の発信元の通信機器と、前記予め登録された通信機器との三者通話を成立させることを特徴とする請求項1に記載の携帯通信機器。
【請求項7】
前記制御部は、前記三者通話から、前記三者通話が当該携帯通信機器と、前記着信の発信元の通信機器との二者通話へ移行した場合に、通話内容を録音させることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の携帯通信機器。
【請求項8】
前記制御部は、前記通信部から予め定められた緊急連絡先への発信がなされた場合に、所定の期間だけ、当該携帯通信機器を前記応答制限モードから前記応答制限緩和モードへ切り替えさせることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の携帯通信機器。
【請求項9】
通信部と、
通話内容を記憶するための記憶部と、
予め登録された通信機器からの着信を契機に実行される通信機器および他の通信機器との三者通話中に、前記記憶部に空き容量があれば通話内容を前記記憶部に記憶させ、前記記憶部に空き容量がなければ前記予め登録された通信機器に通話内容を録音させる制御部と、
を備えることを特徴とする携帯通信機器。
【請求項10】
予め登録された発信元からの着信のみに応答可能な応答制限モードと、予め登録されていない発信元からの着信に応答可能な応答制限緩和モードとを切り替え可能な携帯通信機器が、前記応答制限モードから前記応答制限緩和モードへ切り替わるステップと、
前記携帯通信機器が、前記携帯通信機器が前記応答制限緩和モードにあるときに、第1の通信機器からの着信を受け付けるステップと、
前記携帯通信機器が、着信が受け付けられた前記第1の通信機器との通話が前記携帯通信機器と、前記第1の通信機器と、予め登録された第2の通信機器との三者通話になるように制御するステップと、
を含むことを特徴とする着信制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−233960(P2011−233960A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99863(P2010−99863)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】