携帯電子機器
【課題】筐体への認証カードの脱着性を確保し、筐体の小型化を達成できる携帯電子機器を提供する。
【解決手段】長手方向D1及び短手方向D2を含む平面に沿って拡がる第1面2b並びに長手方向D1及び厚み方向D3を含む平面に沿って拡がり且つ第1面2bに短手方向D2に隣接する第2面2cを有し、第1面2bと第2面2cに跨って形成される開口部61を介して電池Qが収容される電池収容凹部60を有する筐体2と、筐体2に短手方向D2に装着され、開口部61の第1面2b側に開口する第1開口部61A及び第2面2c側に開口する第2開口部61Bを覆う電池蓋部材90と、第2開口部61Bを介して認証カードIDが挿入されるカード挿入孔83を有し、カード挿入孔83に短手方向D2に挿入された認証カードIDを保持するカードホルダ80と、と備える。電池蓋部材90は、カードホルダ80に認証カードIDが保持された状態で筐体2に装着される。
【解決手段】長手方向D1及び短手方向D2を含む平面に沿って拡がる第1面2b並びに長手方向D1及び厚み方向D3を含む平面に沿って拡がり且つ第1面2bに短手方向D2に隣接する第2面2cを有し、第1面2bと第2面2cに跨って形成される開口部61を介して電池Qが収容される電池収容凹部60を有する筐体2と、筐体2に短手方向D2に装着され、開口部61の第1面2b側に開口する第1開口部61A及び第2面2c側に開口する第2開口部61Bを覆う電池蓋部材90と、第2開口部61Bを介して認証カードIDが挿入されるカード挿入孔83を有し、カード挿入孔83に短手方向D2に挿入された認証カードIDを保持するカードホルダ80と、と備える。電池蓋部材90は、カードホルダ80に認証カードIDが保持された状態で筐体2に装着される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機などの携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電子機器としての携帯電話機においては、筐体の小型化(薄型化、厚み方向と直交する面方向の小型化など)が進んでいる。
一方、携帯電子機器としての携帯電話機においては、UIMカード(User Identity Module Card)や、SIMカード(Subscriber Identity Module Card)等の個人を認証するためのカード(以下「認証カード」ともいう)を筐体に装着する必要がある。そのため、一般的に、筐体の内部には、認証カードを保持するカードホルダが設けられている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−287651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、UIMカード、SIMカード等の認証カードは、サイズが小さいものではあるものの、カードホルダは、認証カードを保持するため、サイズが自ずと認証カードよりも大きくなる。このようなカードホルダは、筐体に対してサイズが比較的大きいものであり、筐体の小型化を妨げるものとなる。また、携帯電話機においては、筐体の小型化を図るだけではなく、筐体(カードホルダ)に対する認証カードの脱着性を確保する必要もある。
前述の問題点は、携帯電話機以外の携帯電子機器においても同様に発生する場合がある。
【0005】
従って、本発明は、筐体に対する認証カードの脱着性を確保しつつ、筐体の小型化を達成することができる携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、長手方向、短手方向及び厚み方向を有する筐体であって、前記長手方向及び前記短手方向を含む平面に沿って拡がる第1面並びに前記長手方向及び前記厚み方向を含む平面に沿って拡がり且つ前記第1面に前記短手方向に隣接する第2面を有するとともに、前記第1面と前記第2面とに跨って形成される開口部を介して電池が収容される電池収容凹部を有する筐体と、前記筐体に対して前記短手方向に装着され、前記開口部における前記第1面側に開口する第1開口部及び前記第2面側に開口する第2開口部をともに覆う電池蓋部材と、前記第2開口部を介して認証カードが挿入されるカード挿入孔を有し、該カード挿入孔に前記短手方向に挿入された認証カードを保持するカードホルダと、を備え、前記電池蓋部材は、前記カードホルダに認証カードが保持された状態で前記筐体に装着される携帯電子機器に関する。
【0007】
また、前記電池は、前記電池収容凹部における、前記カードホルダと前記電池蓋部材との間を含む領域に収容されることが好ましい。
【0008】
また、前記電池蓋部材は、前記筐体に装着された状態において前記カード挿入孔と対向する位置に、前記カードホルダに保持された認証カードに当接し又は近接して認証カードの抜け止めとして機能する抜け止め部を有することが好ましい。
【0009】
また、前記筐体の内部に、前記長手方向及び前記短手方向を含む平面に沿う面積が最大の主回路基板を更に備え、前記カードホルダは、前記筐体を前記厚み方向に視た場合に、前記主回路基板と重ならず且つ前記主回路基板と隣り合う位置に配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、筐体に対する認証カードの脱着性を確保しつつ、筐体の小型化を達成することができる携帯電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態の携帯電話機1を開状態で示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態の携帯電話機1を閉状態で示す斜視図である。
【図3】図2に示す携帯電話機1を示す背面図である。
【図4】図3に示す携帯電話機1においてバッテリリッド90を外した状態を示す背面図である。
【図5】操作部側筐体2に内蔵される部品を示す分解斜視図である。
【図6A】カードホルダ80及び認証カードIDを分離させた状態で示す斜視図である。
【図6B】カードホルダ80に認証カードIDを保持させた状態を示す斜視図である。
【図7A】バッテリリッド90を内側から示す斜視図である。
【図7B】バッテリリッド90を外側から示す斜視図である。
【図8】図4に示すA−A切断線で切断した断面図である。
【図9】図8に示す携帯電話機1において認証カードID、バッテリQ及びバッテリリッド90を外した状態を示す断面図である。
【図10】図3に示すB−B切断線で切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、本発明の携帯電子機器の一実施形態である携帯電話機1の基本構造について、図1から図5を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態の携帯電話機1を開状態で示す斜視図である。図2は、本発明の一実施形態の携帯電話機1を閉状態で示す斜視図である。図3は、図2に示す携帯電話機1を示す背面図である。図4は、図3に示す携帯電話機1においてバッテリリッド90を外した状態を示す背面図である。図5は、操作部側筐体2に内蔵される部品を示す分解斜視図である。
【0013】
図1から図3に示すように、本実施形態の携帯電話機1は、折り畳み型の携帯電話機1であって、筐体としての操作部側筐体2と、表示部側筐体3と、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを連結する連結部4と、を備える。
【0014】
操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、連結部4を介して開閉可能に連結される。つまり、連結部4は、表示部側筐体3と操作部側筐体2とを開閉軸を中心に開閉可能に連結する。携帯電話機1は、連結部4を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とが相対的に回転(回動)されることにより、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが互いに開いた状態(開状態、図1参照)や、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが折り畳まれた状態(閉状態、図2及び図3参照)に変形される。
【0015】
本実施形態の各構成部材の説明においては、携帯電話機1を図2に示す折り畳まれた状態とした場合に、連結部4からその反対側に向かう方向を「先端方向D11」といい、先端方向D11の反対方向を「基端方向D12」という。先端方向D11及び基端方向D12に沿う方向を「長手方向D1」という。
操作部側筐体2から表示部側筐体3に向かう方向を「前面方向D31」といい、前面方向D31の反対方向を「背面方向D32」という。前面方向D31及び背面方向D32に沿う方向を「厚み方向D3」という。
携帯電話機1を背面方向D32に視た場合における左方向及び右方向をそれぞれ「左方向D21」及び「右方向D22」という。左方向D21及び右方向D22に沿う方向を「短手方向D2」という。
【0016】
操作部側筐体2は、長手方向D1、短手方向D2及び厚み方向D3を有する略直方体形状の筐体である。
操作部側筐体2の前面2a及び背面2bは、長手方向D1及び短手方向D2を含む平面に沿って拡がる面である。そのうち、操作部側筐体2の背面2bは、本発明における「第1面」に該当する。
操作部側筐体2の右側面2c及び左側面2dは、長手方向D1及び厚み方向D3を含む平面に沿って拡がり且つ第1面である背面2bに短手方向D2に隣接する面である。そのうち、操作部側筐体2の右側面2cは、本発明における「第2面」に該当する。
【0017】
まず、操作部側筐体2について説明する。図1から図5に示すように、操作部側筐体2は、外郭を形成するフロントケース21、フロントカバー24及びリアケース22を備える。フロントケース21及びフロントカバー24は、操作部側筐体2の前面2a側を構成する。操作部側筐体2の前面2aは、携帯電話機1が折り畳まれた状態で表示部側筐体3と向かい合う面である。リアケース22は、操作部側筐体2における前面2aと反対側の面である背面2b側を構成する。
【0018】
フロントケース21は、前面2aの外周部分を構成する。フロントケース21は、板金部材25が樹脂部材26にインサート成形されて形成される。この外周部分よりも内側の部分(内側部分)は、主として、板金部材25における露出部分から形成され、背面2b側に凹んでいる。
【0019】
フロントカバー24は、フロントケース21の前記内側部分を塞ぐように配置される。フロントカバー24は、操作キー群11が前面2aに露出するように構成される。操作キー群11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するためのテンキー等の入力操作キー14と、各種操作における決定や上下左右方向のスクロール等を行う決定操作キー15と、を有する。
【0020】
操作キー群11を構成する各キーそれぞれには、操作部側筐体2と表示部側筐体3との開閉状態や、起動されているアプリケーションの種類に応じて所定の機能が割り当てられる(キー・アサイン)。携帯電話機1において、操作キー群11を構成する各キーがユーザにより押圧されることで、各キーに割り当てられている機能に応じた動作が実行される。
【0021】
操作部側筐体2の前面2aには、携帯電話機1のユーザが通話時に発した音声が入力される音声入力部12が配置される。音声入力部12は、操作部側筐体2の長手方向における連結部4とは反対側の端部(下端部)の近傍に配置される。
【0022】
操作部側筐体2の側面(右側面2c及び左側面2d)には、例えば、外部機器(例えば、ホスト装置)とデータの送受信を行うためのインターフェースや、ヘッドホン/マイク端子、着脱可能な外部メモリのインターフェースや、バッテリを充電するための充電端子等が設けられる。
【0023】
図4及び図5に示すように、操作部側筐体2は、電池収容凹部60を有する。電池収容凹部60には、背面2bと右側面2cとに跨って形成される開口部61を介して、電池(バッテリ)Qが収容される。操作部側筐体2の内部構造(電池収容凹部60を含む)については、後述する。
【0024】
次に、表示部側筐体3について説明する。図1及び図2に示すように、表示部側筐体3は、外郭を形成するフロントケース30a、カバー部材33及びリアケース30bを備える。フロントケース30a及びカバー部材33は、表示部側筐体3の前面3a側を構成する。表示部側筐体3の前面3aは、携帯電話機1が折り畳まれた状態で操作部側筐体2と向かい合う面である。リアケース30bは、表示部側筐体3における前面3aと反対側の面である背面3b側を構成する。
【0025】
フロントケース30aには、通話の相手側における音声を出力する音声出力部31が配置される。音声出力部31は、表示部側筐体3の長手方向における連結部4とは反対の端部側に配置される。
【0026】
メイン液晶モジュール34の一方の面(フロントケース30a側の面)には、メイン表示部34aが設けられ、このメイン表示部34aには、各種情報が表示される。メイン表示部34aは、全部又は一部が透明なカバー部材33を介して、表示部側筐体3の前面3a側から視認可能となっている。
【0027】
メイン液晶モジュール34は、液晶パネルと、液晶パネルを駆動する駆動回路と、液晶パネルの背面側から光を照射するバックライトとを有する。
【0028】
続けて、図4から図10を参照しながら、操作部側筐体2の内部構造について説明する。図6Aは、カードホルダ80及び認証カードIDを分離させた状態で示す斜視図である。図6Bは、カードホルダ80に認証カードIDを保持させた状態を示す斜視図である。図7Aは、バッテリリッド90を内側から示す斜視図である。図7Bは、バッテリリッド90を外側から示す斜視図である。図8は、図4に示すA−A切断線で切断した断面図である。図9は、図8に示す携帯電話機1において認証カードID、バッテリQ及びバッテリリッド90を外した状態を示す断面図である。図10は、図3に示すB−B切断線で切断した断面図である。
【0029】
図4及び図5に示すように、操作部側筐体2は、フロントカバー24と、キー構造部40と、キー基板50と、フロントケース21と、主回路基板70と、カードホルダ80と、リアケース22と、電池としてのバッテリQと、電池蓋部材としてのバッテリリッド90と、メインアンテナPと、を備える。
【0030】
フロントケース21は、金属製の板金部材25と、板金部材25の一部を覆う樹脂部材26とが、インサート成形により一体的に成形されて構成される。
樹脂部材26は、主として、フロントケース21の外周部分を枠状に形成する。
板金部材25は、主として、フロントケース21における枠状の樹脂部材26の内側の部分を形成する。
【0031】
フロントカバー24は、フロントケース21における枠状の樹脂部材26に囲まれて形成される凹状領域を塞ぐように配置される。また、フロントケース21とリアケース22とは、互いの凹状の内側面が向き合うように配置され、互いの外周縁が重なり合うようにして結合される。
【0032】
キー構造部40及びキー基板50は、フロントカバー24と、フロントケース21における板金部材25との間に挟まれるようにして内蔵される。また、主回路基板70及びカードホルダ80は、フロントケース21における板金部材25とリアケース22との間に挟まれるようにして内蔵される。
即ち、操作部側筐体2においては、バッテリリッド90、バッテリQ、リアケース22、主回路基板70、カードホルダ80、板金部材25、キー基板50、キー構造部40及びフロントカバー24が、この順で積層されている。
【0033】
図5に示すように、フロントカバー24には、携帯電話機1の閉状態において表示部側筐体3のメイン表示部34aと対向する内側面に、キー孔13a、14a、15aが形成される。キー孔13a、14a、15aそれぞれからは、機能設定操作キー13を構成する機能設定操作キー部材13bの押圧面、入力操作キー14を構成する入力操作キー部材14bの押圧面、及び決定操作キー15を構成する決定操作キー部材15bの押圧面が露出する。
【0034】
キー基板50は、複数の絶縁層(絶縁フィルム)の間に配線を挟み込んで形成されるフレキシブル基板である。キー基板50は、フロントケース21を構成する板金部材25の前面方向D31側に配置される。
【0035】
キー基板50は、機能設定操作キー13、入力操作キー14及び決定操作キー15にそれぞれ対応してキー構造部40側に形成される複数のキースイッチ51、52、53を備える。キースイッチ51、52、53は、椀状に湾曲して立体的に形成された金属板のメタルドームを有する。メタルドームは、その椀状形状の頂点が押圧されると、キー基板50の表面に印刷された電気回路(図示せず)に形成されるスイッチ端子に接触して、電気的に導通するように構成される。
【0036】
キー構造部40は、キー基板50の前面方向D31側に対向して配置される。換言すると、キー構造部40は、キー基板50を挟んで、板金部材25とは反対側に配置される。キー構造部40は、複数のキースイッチ51、52、53を押圧可能な押し子と、操作キー群11の押圧面を有するキートップとが、弾性を有するシリコンゴム等で構成された基体シートに設けられて構成される。キー構造部40における操作キー群11を構成する機能設定操作キー13、入力操作キー14及び決定操作キー15は、キー基板50におけるキースイッチ51、52、53と対向する位置に配置されると共に、フロントカバー24に形成されるキー孔13a、14a、15aから露出するように配置される。
【0037】
主回路基板70は、操作部側筐体2の内部に配設される複数の回路基板のうち、長手方向D1及び短手方向D2を含む平面に沿う面積が最大の基板である。
主回路基板70には、メインアンテナPが送受信する信号を処理する信号処理部を含む複数の電子部品71が配置される。これらの電子部品71は、所定の組み合わせにより複数の回路ブロックを形成する。例えば、主回路基板70には、RF(Radio Frequency)回路、電源回路等を含む各種回路ブロックが形成される。
【0038】
主回路基板70における基端方向D12側の部分(「幅広部分」ともいう)70Cは、操作部側筐体2の内部における短手方向D2の幅に近い幅を有する。主回路基板70における先端方向D11側の部分(「幅狭部分」ともいう)70Dは、操作部側筐体2の短手方向D2の幅よりも大幅に狭い幅を有しており、左方向D21側に偏在している。つまり、主回路基板70は、厚み方向D3に視た場合に略L字形状を有している。
【0039】
メインアンテナPは、基台上に所定形状のアンテナエレメント(図示せず)が設けられることにより構成される。メインアンテナPは、操作部側筐体2の内部における連結部4とは反対側(先端方向D11側)の端部に配置される。メインアンテナPのアンテナエレメントは、帯状の板金により形成される。アンテナエレメントは、主回路基板70のRFモジュール等と接続される。
【0040】
次に、カードホルダ80について説明する。図6Aに示すように、カードホルダ80は、カード挿入孔83(後述)に短手方向D2に挿入された認証カードIDを保持する部材である。カードホルダ80は、カード基板81と、収容空間形成部材82と、接続ケーブル84とを備える。
【0041】
認証カードIDは、UIMカード(User Identity Module Card)や、SIMカード(Subscriber Identity Module Card)等の個人を認証するためのカードである。認証カードIDは、その外部に露出するカード側端子(図示せず)を備える。
認証カードIDは、カードホルダ80を保持された状態で、カードホルダ80などを介して主回路基板70に電気的に接続される。
【0042】
カード基板81は、前記カード側端子に接触して電気的に接続する基板側端子(図示せず)を有する基板である。
【0043】
収容空間形成部材82は、カード基板81の一方の面(背面方向D32側の面)に取り付かれる。その状態において、収容空間形成部材82とカード基板81との間に、カード収容空間が形成される。カード収容空間は、認証カードIDが収容される空間である。
【0044】
カード収容空間における右方向D22側は、カード挿入孔83となっている。カード挿入孔83は、電池収容凹部60の開口部61のうち右側面2c側に開口する第2開口部61Bを介して認証カードIDが挿入される孔である。カード挿入孔83に挿入された認証カードIDは、カードホルダ80のカード収容空間に収容されて保持される。
【0045】
接続ケーブル84は、カード基板81と主回路基板70とを電気的に接続するケーブルである。接続ケーブル84は、例えば、フレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuits)からなり、第1コネクタ84Aと、第2コネクタ84Bと、配線部84Cとを備える。
第1コネクタ84Aは、カード基板81に設けられたコネクタ部(図示せず)に接続される。第2コネクタ84Bは、主回路基板70に設けられたコネクタ部(図示せず)に接続される。配線部84Cは、第1コネクタ84Aと第2コネクタ84Bとを電気的に導通させる。
【0046】
図6Bに示すように、認証カードIDは、カードホルダ80のカード収容空間に向けて左方向D21(短手方向D2)に移動され、カード挿入孔83からカード収容空間に収容される。認証カードIDは、カード収容空間に収容された状態でカードホルダ80に保持される。
【0047】
図4、図5及び図8に示すように、カードホルダ80は、主回路基板70の幅狭部分70Dの右方向D22側に配置される。従って、カードホルダ80は、操作部側筐体2を厚み方向D3に視た場合に、主回路基板70と重ならず且つ主回路基板70と隣り合う位置に配置される。
また、図8に示すように、カード基板81の前面方向D31側は、両面テープなどの接合部材85を介して、フロントケース21の板金部材25に接合されている。
【0048】
次に、電池収容凹部60について説明する。図4、図5及び図8から図10に示すように、電池収容凹部60は、バッテリQを操作部側筐体2に装着する際に、バッテリQを収容する凹部(空間)である。電池収容凹部60は、バッテリQが収容された後、開口部61がバッテリリッド90により塞がれる。
電池収容凹部60は、操作部側筐体2の内部における先端方向D11側(連結部4とは反対側)の約半分の領域に配置される。電池収容凹部60は、右方向D22に偏在している。短手方向D2において、電池収容凹部60と操作部側筐体2の左側面2dとの間には、バイブレータ27(図8参照)などが配設されている。
【0049】
図9に示すように、電池収容凹部60は、操作部側筐体2の背面2bと右側面2cとに跨って形成される開口部61を有する。開口部61のうち、背面2b側に開口する部分を「第1開口部61A」といい、右側面2c側に開口する部分を「第2開口部61B」という。ここでいう「開口する」には、「凹む」ことを含むものとする。
電池収容凹部60の前面方向D31側には、主回路基板70の幅狭部分70D、カードホルダ80等が配置される。電池収容凹部60の背面方向D32側には、バッテリリッド90の第1外面部91等が配置される。電池収容凹部60の長手方向D1側及び短手方向D2側には、周壁部62等が配置される。
【0050】
図5に示すように、周壁部62は、第1周壁部62Aと、第2周壁部62Bと、第3周壁部62Cと、第4周壁部62Dとを有する。
第1周壁部62Aは、先端方向D11側に位置し、短手方向D2に延びる壁部である。第2周壁部62Bは、基端方向D12側に位置し、短手方向D2に延びる壁部である。第3周壁部62Cは、右方向D22側に位置し、長手方向D1に延びる壁部である。第4周壁部62Dは、左方向D21側に位置し、長手方向D1に延びる壁部である。
【0051】
図4及び図10に示すように、電池収容凹部60には、凹部側係止部63が設けられる。凹部側係止部63は、電池収容凹部60の左方向D21側で且つ背面方向D32側であって、電池収容凹部60の長手方向D1の略中央部に設けられる。凹部側係止部63は、バッテリリッド90が操作部側筐体2に装着された状態において、バッテリリッド90の蓋側係止部94に係合する。
【0052】
次に、バッテリリッド90について説明する。図4、図5及び図8から図10に示すように、バッテリリッド90は、バッテリQを電池収容凹部60に収納した後、リアケース22に装着される。バッテリリッド90は、操作部側筐体2に対して短手方向D2(左方向D21)に装着され、電池収容凹部60を塞ぐ蓋部材である。詳細には、バッテリリッド90は、開口部61における第1開口部61A及び第2開口部61Bをともに覆う部材である。
また、図7A及び図7Bに示すように、バッテリリッド90は、第1外面部91と、第2外面部92と、抜け止め部93と、蓋側係止部94とを備える。
【0053】
第1外面部91は、操作部側筐体2の電池収容凹部60における開口部61の第1開口部61Aを覆う部分である。第1外面部91は、バッテリリッド90が操作部側筐体2に装着された状態において、長手方向D1及び短手方向D2を含む平面に沿って拡がる。
第2外面部92は、操作部側筐体2の電池収容凹部60における開口部61の第2開口部61Bを覆う部分である。第2外面部92は、バッテリリッド90が操作部側筐体2に装着された状態において、長手方向D1及び厚み方向D3を含む平面に沿って拡がる。
バッテリリッド90を長手方向D1に視た場合において、第1外面部91と第2外面部92とは、略L字状に屈曲した形状を有する。
【0054】
抜け止め部93は、第2外面部92の左方向D21側の面から左方向D21に突出しており、長手方向D1及び短手方向D2を含む平面に沿って拡がる板状部である。抜け止め部93は、第2外面部92の前面方向D31側で且つ先端方向D11側に設けられる。
図8及び図9に示すように、抜け止め部93は、バッテリリッド90が操作部側筐体2に装着された状態においてカードホルダ80のカード挿入孔83と対向する位置に位置する。そして、抜け止め部93は、カードホルダ80に保持された認証カードIDに当接し又は近接して、認証カードの抜け止めとして機能する。特に、抜け止め部93の突出先端93aは、認証カードIDの挿入方向における後端面IDaに当接し、認証カードIDの脱落方向への移動を規制する。
【0055】
蓋側係止部94は、第1外面部91の左方向D21側の端縁における長手方向D1の略中央部に設けられる。蓋側係止部94は、第1外面部91に対して前面方向D31側に段差状に凹んで形成される。
図10に示すように、蓋側係止部94は、バッテリリッド90が操作部側筐体2に装着された状態において、操作部側筐体2の電池収容凹部60の凹部側係止部63と係合する。
【0056】
バッテリリッド90は、カードホルダ80に認証カードIDが保持された状態で操作部側筐体2に装着される。バッテリリッド90が操作部側筐体2に装着された状態においては、抜け止め部93がフロントケース21とリアケース22の第3周壁部62Cとの間に配置されると共に、蓋側係止部94と凹部側係止部63とが係合することにより、操作部側筐体2へのバッテリリッド90の装着状態が維持される。
ここで、バッテリQは、電池収容凹部60における、カードホルダ80とバッテリリッド90との間(厚み方向D3の間)を含む領域に収容される。
【0057】
なお、操作部側筐体2の内部には、シールドケース(図示せず)を配設することができる。シールドケースは、主回路基板70に配置される複数の電子部品71に外部からの高周波等のノイズが作用することを抑制する部材である。
【0058】
本実施形態の携帯電話機1によれば、以下に示す各効果が奏される。
本実施形態の携帯電話機1においては、背面2bと右側面2cとに跨って形成される開口部61を介してバッテリQが収容される電池収容凹部60を有する操作部側筐体2と、電池収容凹部60の第2開口部61Bを介して認証カードIDが挿入されるカード挿入孔83を有し、カード挿入孔83に短手方向D2に挿入された認証カードIDを保持するカードホルダ80と、操作部側筐体2に対して短手方向D2に装着され、第1開口部61A及び第2開口部61Bをともに覆うバッテリリッド90と、と備え、バッテリリッド90は、カードホルダ80に認証カードIDが保持された状態で操作部側筐体2に装着される。
【0059】
そのため、操作部側筐体2の内部におけるカードホルダ80の配置位置の自由度が高く、操作部側筐体2の小型化が容易である。また、認証カードIDを短手方向D2に挿入してカードホルダ80に保持させることができ、操作部側筐体2に対する認証カードIDの脱着性を確保することができる。更に、操作部側筐体2にバッテリQが装着された状態において、バッテリリッド90により、認証カードIDが操作部側筐体2から脱落することを防止できる。
【0060】
また、本実施形態の携帯電話機1においては、バッテリQは、電池収容凹部60における、カードホルダ80とバッテリリッド90との間を含む領域に収容される。そのため、バッテリQを厚み方向D3にカードホルダ80とバッテリリッド90との間で挟む構成を実現でき、例えば、バッテリQを厚み方向D3に挟む部材などを削減できる。
【0061】
また、本実施形態の携帯電話機1においては、バッテリリッド90は、操作部側筐体2に装着された状態においてカード挿入孔83と対向する位置に、抜け止め部93を有する。そのため、操作部側筐体2のカードホルダ80に一旦保持(装着)された認証カードIDがカードホルダ80から外れることを防止でき、例えば、認証カードIDの瞬断を防止できる。
【0062】
また、本実施形態の携帯電話機1においては、カードホルダ80は、操作部側筐体2を厚み方向D3に視た場合に、主回路基板70と重ならず且つ主回路基板70と隣り合う位置に配置される。そのため、主回路基板70が配置されていない領域にカードホルダ80が配置されることになるため、操作部側筐体2の厚み(厚み方向D3の長さ)を抑制することができる。
【0063】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、本発明における筐体の第2面は、前記実施形態においては、操作部側筐体2の右側面2cから構成されているが、これに制限されず、例えば、操作部側筐体2の左側面2dから構成されていてもよい。
【0064】
また、本発明の携帯電子機器は、前記実施形態のような折り畳み式ではなく、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式の携帯電子機器であってもよい。また、本発明の携帯電子機器は、操作部側筐体2と表示部側筐体3との重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターン式)の携帯電子機器であってもよい。また、本発明の携帯電子機器は、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが一つの筐体に配置され連結部を有さない型式(ストレートタイプ)でもよい。また、本発明の携帯電子機器は、開閉及び回転が可能ないわゆる2軸ヒンジタイプであってもよい。
【0065】
本発明は、携帯電話機以外の携帯電子機器に適用することができる。携帯電話機以外の携帯電子機器としては、例えば、PHS(登録商標:Personal Handy phone System)、ポータブルゲーム機、ポータブルナビゲーション装置、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートパソコンが挙げられる。
【符号の説明】
【0066】
1 携帯電話機(携帯電子機器)
2 操作部側筐体(筐体)
2b 背面(第1面)
2c 右側面(第2面)
60 電池収容凹部
61 開口部
61A 第1開口部
61B 第2開口部
63 抜け止め部
80 カードホルダ
83 カード挿入孔
90 バッテリリッド(電池蓋部材)
70 主回路基板
D1 長手方向
D2 短手方向
D3 厚み方向
ID 認証カード
Q バッテリ(電池)
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機などの携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電子機器としての携帯電話機においては、筐体の小型化(薄型化、厚み方向と直交する面方向の小型化など)が進んでいる。
一方、携帯電子機器としての携帯電話機においては、UIMカード(User Identity Module Card)や、SIMカード(Subscriber Identity Module Card)等の個人を認証するためのカード(以下「認証カード」ともいう)を筐体に装着する必要がある。そのため、一般的に、筐体の内部には、認証カードを保持するカードホルダが設けられている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−287651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、UIMカード、SIMカード等の認証カードは、サイズが小さいものではあるものの、カードホルダは、認証カードを保持するため、サイズが自ずと認証カードよりも大きくなる。このようなカードホルダは、筐体に対してサイズが比較的大きいものであり、筐体の小型化を妨げるものとなる。また、携帯電話機においては、筐体の小型化を図るだけではなく、筐体(カードホルダ)に対する認証カードの脱着性を確保する必要もある。
前述の問題点は、携帯電話機以外の携帯電子機器においても同様に発生する場合がある。
【0005】
従って、本発明は、筐体に対する認証カードの脱着性を確保しつつ、筐体の小型化を達成することができる携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、長手方向、短手方向及び厚み方向を有する筐体であって、前記長手方向及び前記短手方向を含む平面に沿って拡がる第1面並びに前記長手方向及び前記厚み方向を含む平面に沿って拡がり且つ前記第1面に前記短手方向に隣接する第2面を有するとともに、前記第1面と前記第2面とに跨って形成される開口部を介して電池が収容される電池収容凹部を有する筐体と、前記筐体に対して前記短手方向に装着され、前記開口部における前記第1面側に開口する第1開口部及び前記第2面側に開口する第2開口部をともに覆う電池蓋部材と、前記第2開口部を介して認証カードが挿入されるカード挿入孔を有し、該カード挿入孔に前記短手方向に挿入された認証カードを保持するカードホルダと、を備え、前記電池蓋部材は、前記カードホルダに認証カードが保持された状態で前記筐体に装着される携帯電子機器に関する。
【0007】
また、前記電池は、前記電池収容凹部における、前記カードホルダと前記電池蓋部材との間を含む領域に収容されることが好ましい。
【0008】
また、前記電池蓋部材は、前記筐体に装着された状態において前記カード挿入孔と対向する位置に、前記カードホルダに保持された認証カードに当接し又は近接して認証カードの抜け止めとして機能する抜け止め部を有することが好ましい。
【0009】
また、前記筐体の内部に、前記長手方向及び前記短手方向を含む平面に沿う面積が最大の主回路基板を更に備え、前記カードホルダは、前記筐体を前記厚み方向に視た場合に、前記主回路基板と重ならず且つ前記主回路基板と隣り合う位置に配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、筐体に対する認証カードの脱着性を確保しつつ、筐体の小型化を達成することができる携帯電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態の携帯電話機1を開状態で示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態の携帯電話機1を閉状態で示す斜視図である。
【図3】図2に示す携帯電話機1を示す背面図である。
【図4】図3に示す携帯電話機1においてバッテリリッド90を外した状態を示す背面図である。
【図5】操作部側筐体2に内蔵される部品を示す分解斜視図である。
【図6A】カードホルダ80及び認証カードIDを分離させた状態で示す斜視図である。
【図6B】カードホルダ80に認証カードIDを保持させた状態を示す斜視図である。
【図7A】バッテリリッド90を内側から示す斜視図である。
【図7B】バッテリリッド90を外側から示す斜視図である。
【図8】図4に示すA−A切断線で切断した断面図である。
【図9】図8に示す携帯電話機1において認証カードID、バッテリQ及びバッテリリッド90を外した状態を示す断面図である。
【図10】図3に示すB−B切断線で切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、本発明の携帯電子機器の一実施形態である携帯電話機1の基本構造について、図1から図5を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態の携帯電話機1を開状態で示す斜視図である。図2は、本発明の一実施形態の携帯電話機1を閉状態で示す斜視図である。図3は、図2に示す携帯電話機1を示す背面図である。図4は、図3に示す携帯電話機1においてバッテリリッド90を外した状態を示す背面図である。図5は、操作部側筐体2に内蔵される部品を示す分解斜視図である。
【0013】
図1から図3に示すように、本実施形態の携帯電話機1は、折り畳み型の携帯電話機1であって、筐体としての操作部側筐体2と、表示部側筐体3と、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを連結する連結部4と、を備える。
【0014】
操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、連結部4を介して開閉可能に連結される。つまり、連結部4は、表示部側筐体3と操作部側筐体2とを開閉軸を中心に開閉可能に連結する。携帯電話機1は、連結部4を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とが相対的に回転(回動)されることにより、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが互いに開いた状態(開状態、図1参照)や、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが折り畳まれた状態(閉状態、図2及び図3参照)に変形される。
【0015】
本実施形態の各構成部材の説明においては、携帯電話機1を図2に示す折り畳まれた状態とした場合に、連結部4からその反対側に向かう方向を「先端方向D11」といい、先端方向D11の反対方向を「基端方向D12」という。先端方向D11及び基端方向D12に沿う方向を「長手方向D1」という。
操作部側筐体2から表示部側筐体3に向かう方向を「前面方向D31」といい、前面方向D31の反対方向を「背面方向D32」という。前面方向D31及び背面方向D32に沿う方向を「厚み方向D3」という。
携帯電話機1を背面方向D32に視た場合における左方向及び右方向をそれぞれ「左方向D21」及び「右方向D22」という。左方向D21及び右方向D22に沿う方向を「短手方向D2」という。
【0016】
操作部側筐体2は、長手方向D1、短手方向D2及び厚み方向D3を有する略直方体形状の筐体である。
操作部側筐体2の前面2a及び背面2bは、長手方向D1及び短手方向D2を含む平面に沿って拡がる面である。そのうち、操作部側筐体2の背面2bは、本発明における「第1面」に該当する。
操作部側筐体2の右側面2c及び左側面2dは、長手方向D1及び厚み方向D3を含む平面に沿って拡がり且つ第1面である背面2bに短手方向D2に隣接する面である。そのうち、操作部側筐体2の右側面2cは、本発明における「第2面」に該当する。
【0017】
まず、操作部側筐体2について説明する。図1から図5に示すように、操作部側筐体2は、外郭を形成するフロントケース21、フロントカバー24及びリアケース22を備える。フロントケース21及びフロントカバー24は、操作部側筐体2の前面2a側を構成する。操作部側筐体2の前面2aは、携帯電話機1が折り畳まれた状態で表示部側筐体3と向かい合う面である。リアケース22は、操作部側筐体2における前面2aと反対側の面である背面2b側を構成する。
【0018】
フロントケース21は、前面2aの外周部分を構成する。フロントケース21は、板金部材25が樹脂部材26にインサート成形されて形成される。この外周部分よりも内側の部分(内側部分)は、主として、板金部材25における露出部分から形成され、背面2b側に凹んでいる。
【0019】
フロントカバー24は、フロントケース21の前記内側部分を塞ぐように配置される。フロントカバー24は、操作キー群11が前面2aに露出するように構成される。操作キー群11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するためのテンキー等の入力操作キー14と、各種操作における決定や上下左右方向のスクロール等を行う決定操作キー15と、を有する。
【0020】
操作キー群11を構成する各キーそれぞれには、操作部側筐体2と表示部側筐体3との開閉状態や、起動されているアプリケーションの種類に応じて所定の機能が割り当てられる(キー・アサイン)。携帯電話機1において、操作キー群11を構成する各キーがユーザにより押圧されることで、各キーに割り当てられている機能に応じた動作が実行される。
【0021】
操作部側筐体2の前面2aには、携帯電話機1のユーザが通話時に発した音声が入力される音声入力部12が配置される。音声入力部12は、操作部側筐体2の長手方向における連結部4とは反対側の端部(下端部)の近傍に配置される。
【0022】
操作部側筐体2の側面(右側面2c及び左側面2d)には、例えば、外部機器(例えば、ホスト装置)とデータの送受信を行うためのインターフェースや、ヘッドホン/マイク端子、着脱可能な外部メモリのインターフェースや、バッテリを充電するための充電端子等が設けられる。
【0023】
図4及び図5に示すように、操作部側筐体2は、電池収容凹部60を有する。電池収容凹部60には、背面2bと右側面2cとに跨って形成される開口部61を介して、電池(バッテリ)Qが収容される。操作部側筐体2の内部構造(電池収容凹部60を含む)については、後述する。
【0024】
次に、表示部側筐体3について説明する。図1及び図2に示すように、表示部側筐体3は、外郭を形成するフロントケース30a、カバー部材33及びリアケース30bを備える。フロントケース30a及びカバー部材33は、表示部側筐体3の前面3a側を構成する。表示部側筐体3の前面3aは、携帯電話機1が折り畳まれた状態で操作部側筐体2と向かい合う面である。リアケース30bは、表示部側筐体3における前面3aと反対側の面である背面3b側を構成する。
【0025】
フロントケース30aには、通話の相手側における音声を出力する音声出力部31が配置される。音声出力部31は、表示部側筐体3の長手方向における連結部4とは反対の端部側に配置される。
【0026】
メイン液晶モジュール34の一方の面(フロントケース30a側の面)には、メイン表示部34aが設けられ、このメイン表示部34aには、各種情報が表示される。メイン表示部34aは、全部又は一部が透明なカバー部材33を介して、表示部側筐体3の前面3a側から視認可能となっている。
【0027】
メイン液晶モジュール34は、液晶パネルと、液晶パネルを駆動する駆動回路と、液晶パネルの背面側から光を照射するバックライトとを有する。
【0028】
続けて、図4から図10を参照しながら、操作部側筐体2の内部構造について説明する。図6Aは、カードホルダ80及び認証カードIDを分離させた状態で示す斜視図である。図6Bは、カードホルダ80に認証カードIDを保持させた状態を示す斜視図である。図7Aは、バッテリリッド90を内側から示す斜視図である。図7Bは、バッテリリッド90を外側から示す斜視図である。図8は、図4に示すA−A切断線で切断した断面図である。図9は、図8に示す携帯電話機1において認証カードID、バッテリQ及びバッテリリッド90を外した状態を示す断面図である。図10は、図3に示すB−B切断線で切断した断面図である。
【0029】
図4及び図5に示すように、操作部側筐体2は、フロントカバー24と、キー構造部40と、キー基板50と、フロントケース21と、主回路基板70と、カードホルダ80と、リアケース22と、電池としてのバッテリQと、電池蓋部材としてのバッテリリッド90と、メインアンテナPと、を備える。
【0030】
フロントケース21は、金属製の板金部材25と、板金部材25の一部を覆う樹脂部材26とが、インサート成形により一体的に成形されて構成される。
樹脂部材26は、主として、フロントケース21の外周部分を枠状に形成する。
板金部材25は、主として、フロントケース21における枠状の樹脂部材26の内側の部分を形成する。
【0031】
フロントカバー24は、フロントケース21における枠状の樹脂部材26に囲まれて形成される凹状領域を塞ぐように配置される。また、フロントケース21とリアケース22とは、互いの凹状の内側面が向き合うように配置され、互いの外周縁が重なり合うようにして結合される。
【0032】
キー構造部40及びキー基板50は、フロントカバー24と、フロントケース21における板金部材25との間に挟まれるようにして内蔵される。また、主回路基板70及びカードホルダ80は、フロントケース21における板金部材25とリアケース22との間に挟まれるようにして内蔵される。
即ち、操作部側筐体2においては、バッテリリッド90、バッテリQ、リアケース22、主回路基板70、カードホルダ80、板金部材25、キー基板50、キー構造部40及びフロントカバー24が、この順で積層されている。
【0033】
図5に示すように、フロントカバー24には、携帯電話機1の閉状態において表示部側筐体3のメイン表示部34aと対向する内側面に、キー孔13a、14a、15aが形成される。キー孔13a、14a、15aそれぞれからは、機能設定操作キー13を構成する機能設定操作キー部材13bの押圧面、入力操作キー14を構成する入力操作キー部材14bの押圧面、及び決定操作キー15を構成する決定操作キー部材15bの押圧面が露出する。
【0034】
キー基板50は、複数の絶縁層(絶縁フィルム)の間に配線を挟み込んで形成されるフレキシブル基板である。キー基板50は、フロントケース21を構成する板金部材25の前面方向D31側に配置される。
【0035】
キー基板50は、機能設定操作キー13、入力操作キー14及び決定操作キー15にそれぞれ対応してキー構造部40側に形成される複数のキースイッチ51、52、53を備える。キースイッチ51、52、53は、椀状に湾曲して立体的に形成された金属板のメタルドームを有する。メタルドームは、その椀状形状の頂点が押圧されると、キー基板50の表面に印刷された電気回路(図示せず)に形成されるスイッチ端子に接触して、電気的に導通するように構成される。
【0036】
キー構造部40は、キー基板50の前面方向D31側に対向して配置される。換言すると、キー構造部40は、キー基板50を挟んで、板金部材25とは反対側に配置される。キー構造部40は、複数のキースイッチ51、52、53を押圧可能な押し子と、操作キー群11の押圧面を有するキートップとが、弾性を有するシリコンゴム等で構成された基体シートに設けられて構成される。キー構造部40における操作キー群11を構成する機能設定操作キー13、入力操作キー14及び決定操作キー15は、キー基板50におけるキースイッチ51、52、53と対向する位置に配置されると共に、フロントカバー24に形成されるキー孔13a、14a、15aから露出するように配置される。
【0037】
主回路基板70は、操作部側筐体2の内部に配設される複数の回路基板のうち、長手方向D1及び短手方向D2を含む平面に沿う面積が最大の基板である。
主回路基板70には、メインアンテナPが送受信する信号を処理する信号処理部を含む複数の電子部品71が配置される。これらの電子部品71は、所定の組み合わせにより複数の回路ブロックを形成する。例えば、主回路基板70には、RF(Radio Frequency)回路、電源回路等を含む各種回路ブロックが形成される。
【0038】
主回路基板70における基端方向D12側の部分(「幅広部分」ともいう)70Cは、操作部側筐体2の内部における短手方向D2の幅に近い幅を有する。主回路基板70における先端方向D11側の部分(「幅狭部分」ともいう)70Dは、操作部側筐体2の短手方向D2の幅よりも大幅に狭い幅を有しており、左方向D21側に偏在している。つまり、主回路基板70は、厚み方向D3に視た場合に略L字形状を有している。
【0039】
メインアンテナPは、基台上に所定形状のアンテナエレメント(図示せず)が設けられることにより構成される。メインアンテナPは、操作部側筐体2の内部における連結部4とは反対側(先端方向D11側)の端部に配置される。メインアンテナPのアンテナエレメントは、帯状の板金により形成される。アンテナエレメントは、主回路基板70のRFモジュール等と接続される。
【0040】
次に、カードホルダ80について説明する。図6Aに示すように、カードホルダ80は、カード挿入孔83(後述)に短手方向D2に挿入された認証カードIDを保持する部材である。カードホルダ80は、カード基板81と、収容空間形成部材82と、接続ケーブル84とを備える。
【0041】
認証カードIDは、UIMカード(User Identity Module Card)や、SIMカード(Subscriber Identity Module Card)等の個人を認証するためのカードである。認証カードIDは、その外部に露出するカード側端子(図示せず)を備える。
認証カードIDは、カードホルダ80を保持された状態で、カードホルダ80などを介して主回路基板70に電気的に接続される。
【0042】
カード基板81は、前記カード側端子に接触して電気的に接続する基板側端子(図示せず)を有する基板である。
【0043】
収容空間形成部材82は、カード基板81の一方の面(背面方向D32側の面)に取り付かれる。その状態において、収容空間形成部材82とカード基板81との間に、カード収容空間が形成される。カード収容空間は、認証カードIDが収容される空間である。
【0044】
カード収容空間における右方向D22側は、カード挿入孔83となっている。カード挿入孔83は、電池収容凹部60の開口部61のうち右側面2c側に開口する第2開口部61Bを介して認証カードIDが挿入される孔である。カード挿入孔83に挿入された認証カードIDは、カードホルダ80のカード収容空間に収容されて保持される。
【0045】
接続ケーブル84は、カード基板81と主回路基板70とを電気的に接続するケーブルである。接続ケーブル84は、例えば、フレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuits)からなり、第1コネクタ84Aと、第2コネクタ84Bと、配線部84Cとを備える。
第1コネクタ84Aは、カード基板81に設けられたコネクタ部(図示せず)に接続される。第2コネクタ84Bは、主回路基板70に設けられたコネクタ部(図示せず)に接続される。配線部84Cは、第1コネクタ84Aと第2コネクタ84Bとを電気的に導通させる。
【0046】
図6Bに示すように、認証カードIDは、カードホルダ80のカード収容空間に向けて左方向D21(短手方向D2)に移動され、カード挿入孔83からカード収容空間に収容される。認証カードIDは、カード収容空間に収容された状態でカードホルダ80に保持される。
【0047】
図4、図5及び図8に示すように、カードホルダ80は、主回路基板70の幅狭部分70Dの右方向D22側に配置される。従って、カードホルダ80は、操作部側筐体2を厚み方向D3に視た場合に、主回路基板70と重ならず且つ主回路基板70と隣り合う位置に配置される。
また、図8に示すように、カード基板81の前面方向D31側は、両面テープなどの接合部材85を介して、フロントケース21の板金部材25に接合されている。
【0048】
次に、電池収容凹部60について説明する。図4、図5及び図8から図10に示すように、電池収容凹部60は、バッテリQを操作部側筐体2に装着する際に、バッテリQを収容する凹部(空間)である。電池収容凹部60は、バッテリQが収容された後、開口部61がバッテリリッド90により塞がれる。
電池収容凹部60は、操作部側筐体2の内部における先端方向D11側(連結部4とは反対側)の約半分の領域に配置される。電池収容凹部60は、右方向D22に偏在している。短手方向D2において、電池収容凹部60と操作部側筐体2の左側面2dとの間には、バイブレータ27(図8参照)などが配設されている。
【0049】
図9に示すように、電池収容凹部60は、操作部側筐体2の背面2bと右側面2cとに跨って形成される開口部61を有する。開口部61のうち、背面2b側に開口する部分を「第1開口部61A」といい、右側面2c側に開口する部分を「第2開口部61B」という。ここでいう「開口する」には、「凹む」ことを含むものとする。
電池収容凹部60の前面方向D31側には、主回路基板70の幅狭部分70D、カードホルダ80等が配置される。電池収容凹部60の背面方向D32側には、バッテリリッド90の第1外面部91等が配置される。電池収容凹部60の長手方向D1側及び短手方向D2側には、周壁部62等が配置される。
【0050】
図5に示すように、周壁部62は、第1周壁部62Aと、第2周壁部62Bと、第3周壁部62Cと、第4周壁部62Dとを有する。
第1周壁部62Aは、先端方向D11側に位置し、短手方向D2に延びる壁部である。第2周壁部62Bは、基端方向D12側に位置し、短手方向D2に延びる壁部である。第3周壁部62Cは、右方向D22側に位置し、長手方向D1に延びる壁部である。第4周壁部62Dは、左方向D21側に位置し、長手方向D1に延びる壁部である。
【0051】
図4及び図10に示すように、電池収容凹部60には、凹部側係止部63が設けられる。凹部側係止部63は、電池収容凹部60の左方向D21側で且つ背面方向D32側であって、電池収容凹部60の長手方向D1の略中央部に設けられる。凹部側係止部63は、バッテリリッド90が操作部側筐体2に装着された状態において、バッテリリッド90の蓋側係止部94に係合する。
【0052】
次に、バッテリリッド90について説明する。図4、図5及び図8から図10に示すように、バッテリリッド90は、バッテリQを電池収容凹部60に収納した後、リアケース22に装着される。バッテリリッド90は、操作部側筐体2に対して短手方向D2(左方向D21)に装着され、電池収容凹部60を塞ぐ蓋部材である。詳細には、バッテリリッド90は、開口部61における第1開口部61A及び第2開口部61Bをともに覆う部材である。
また、図7A及び図7Bに示すように、バッテリリッド90は、第1外面部91と、第2外面部92と、抜け止め部93と、蓋側係止部94とを備える。
【0053】
第1外面部91は、操作部側筐体2の電池収容凹部60における開口部61の第1開口部61Aを覆う部分である。第1外面部91は、バッテリリッド90が操作部側筐体2に装着された状態において、長手方向D1及び短手方向D2を含む平面に沿って拡がる。
第2外面部92は、操作部側筐体2の電池収容凹部60における開口部61の第2開口部61Bを覆う部分である。第2外面部92は、バッテリリッド90が操作部側筐体2に装着された状態において、長手方向D1及び厚み方向D3を含む平面に沿って拡がる。
バッテリリッド90を長手方向D1に視た場合において、第1外面部91と第2外面部92とは、略L字状に屈曲した形状を有する。
【0054】
抜け止め部93は、第2外面部92の左方向D21側の面から左方向D21に突出しており、長手方向D1及び短手方向D2を含む平面に沿って拡がる板状部である。抜け止め部93は、第2外面部92の前面方向D31側で且つ先端方向D11側に設けられる。
図8及び図9に示すように、抜け止め部93は、バッテリリッド90が操作部側筐体2に装着された状態においてカードホルダ80のカード挿入孔83と対向する位置に位置する。そして、抜け止め部93は、カードホルダ80に保持された認証カードIDに当接し又は近接して、認証カードの抜け止めとして機能する。特に、抜け止め部93の突出先端93aは、認証カードIDの挿入方向における後端面IDaに当接し、認証カードIDの脱落方向への移動を規制する。
【0055】
蓋側係止部94は、第1外面部91の左方向D21側の端縁における長手方向D1の略中央部に設けられる。蓋側係止部94は、第1外面部91に対して前面方向D31側に段差状に凹んで形成される。
図10に示すように、蓋側係止部94は、バッテリリッド90が操作部側筐体2に装着された状態において、操作部側筐体2の電池収容凹部60の凹部側係止部63と係合する。
【0056】
バッテリリッド90は、カードホルダ80に認証カードIDが保持された状態で操作部側筐体2に装着される。バッテリリッド90が操作部側筐体2に装着された状態においては、抜け止め部93がフロントケース21とリアケース22の第3周壁部62Cとの間に配置されると共に、蓋側係止部94と凹部側係止部63とが係合することにより、操作部側筐体2へのバッテリリッド90の装着状態が維持される。
ここで、バッテリQは、電池収容凹部60における、カードホルダ80とバッテリリッド90との間(厚み方向D3の間)を含む領域に収容される。
【0057】
なお、操作部側筐体2の内部には、シールドケース(図示せず)を配設することができる。シールドケースは、主回路基板70に配置される複数の電子部品71に外部からの高周波等のノイズが作用することを抑制する部材である。
【0058】
本実施形態の携帯電話機1によれば、以下に示す各効果が奏される。
本実施形態の携帯電話機1においては、背面2bと右側面2cとに跨って形成される開口部61を介してバッテリQが収容される電池収容凹部60を有する操作部側筐体2と、電池収容凹部60の第2開口部61Bを介して認証カードIDが挿入されるカード挿入孔83を有し、カード挿入孔83に短手方向D2に挿入された認証カードIDを保持するカードホルダ80と、操作部側筐体2に対して短手方向D2に装着され、第1開口部61A及び第2開口部61Bをともに覆うバッテリリッド90と、と備え、バッテリリッド90は、カードホルダ80に認証カードIDが保持された状態で操作部側筐体2に装着される。
【0059】
そのため、操作部側筐体2の内部におけるカードホルダ80の配置位置の自由度が高く、操作部側筐体2の小型化が容易である。また、認証カードIDを短手方向D2に挿入してカードホルダ80に保持させることができ、操作部側筐体2に対する認証カードIDの脱着性を確保することができる。更に、操作部側筐体2にバッテリQが装着された状態において、バッテリリッド90により、認証カードIDが操作部側筐体2から脱落することを防止できる。
【0060】
また、本実施形態の携帯電話機1においては、バッテリQは、電池収容凹部60における、カードホルダ80とバッテリリッド90との間を含む領域に収容される。そのため、バッテリQを厚み方向D3にカードホルダ80とバッテリリッド90との間で挟む構成を実現でき、例えば、バッテリQを厚み方向D3に挟む部材などを削減できる。
【0061】
また、本実施形態の携帯電話機1においては、バッテリリッド90は、操作部側筐体2に装着された状態においてカード挿入孔83と対向する位置に、抜け止め部93を有する。そのため、操作部側筐体2のカードホルダ80に一旦保持(装着)された認証カードIDがカードホルダ80から外れることを防止でき、例えば、認証カードIDの瞬断を防止できる。
【0062】
また、本実施形態の携帯電話機1においては、カードホルダ80は、操作部側筐体2を厚み方向D3に視た場合に、主回路基板70と重ならず且つ主回路基板70と隣り合う位置に配置される。そのため、主回路基板70が配置されていない領域にカードホルダ80が配置されることになるため、操作部側筐体2の厚み(厚み方向D3の長さ)を抑制することができる。
【0063】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、本発明における筐体の第2面は、前記実施形態においては、操作部側筐体2の右側面2cから構成されているが、これに制限されず、例えば、操作部側筐体2の左側面2dから構成されていてもよい。
【0064】
また、本発明の携帯電子機器は、前記実施形態のような折り畳み式ではなく、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式の携帯電子機器であってもよい。また、本発明の携帯電子機器は、操作部側筐体2と表示部側筐体3との重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターン式)の携帯電子機器であってもよい。また、本発明の携帯電子機器は、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが一つの筐体に配置され連結部を有さない型式(ストレートタイプ)でもよい。また、本発明の携帯電子機器は、開閉及び回転が可能ないわゆる2軸ヒンジタイプであってもよい。
【0065】
本発明は、携帯電話機以外の携帯電子機器に適用することができる。携帯電話機以外の携帯電子機器としては、例えば、PHS(登録商標:Personal Handy phone System)、ポータブルゲーム機、ポータブルナビゲーション装置、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートパソコンが挙げられる。
【符号の説明】
【0066】
1 携帯電話機(携帯電子機器)
2 操作部側筐体(筐体)
2b 背面(第1面)
2c 右側面(第2面)
60 電池収容凹部
61 開口部
61A 第1開口部
61B 第2開口部
63 抜け止め部
80 カードホルダ
83 カード挿入孔
90 バッテリリッド(電池蓋部材)
70 主回路基板
D1 長手方向
D2 短手方向
D3 厚み方向
ID 認証カード
Q バッテリ(電池)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向、短手方向及び厚み方向を有する筐体であって、前記長手方向及び前記短手方向を含む平面に沿って拡がる第1面並びに前記長手方向及び前記厚み方向を含む平面に沿って拡がり且つ前記第1面に前記短手方向に隣接する第2面を有するとともに、前記第1面と前記第2面とに跨って形成される開口部を介して電池が収容される電池収容凹部を有する筐体と、
前記筐体に対して前記短手方向に装着され、前記開口部における前記第1面側に開口する第1開口部及び前記第2面側に開口する第2開口部をともに覆う電池蓋部材と、
前記第2開口部を介して認証カードが挿入されるカード挿入孔を有し、該カード挿入孔に前記短手方向に挿入された認証カードを保持するカードホルダと、
を備え、
前記電池蓋部材は、前記カードホルダに認証カードが保持された状態で前記筐体に装着される
携帯電子機器。
【請求項2】
前記電池は、前記電池収容凹部における、前記カードホルダと前記電池蓋部材との間を含む領域に収容される
請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記電池蓋部材は、前記筐体に装着された状態において前記カード挿入孔と対向する位置に、前記カードホルダに保持された認証カードに当接し又は近接して認証カードの抜け止めとして機能する抜け止め部を有する
請求項1又は2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記筐体の内部に、前記長手方向及び前記短手方向を含む平面に沿う面積が最大の主回路基板を更に備え、
前記カードホルダは、前記筐体を前記厚み方向に視た場合に、前記主回路基板と重ならず且つ前記主回路基板と隣り合う位置に配置される
請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項1】
長手方向、短手方向及び厚み方向を有する筐体であって、前記長手方向及び前記短手方向を含む平面に沿って拡がる第1面並びに前記長手方向及び前記厚み方向を含む平面に沿って拡がり且つ前記第1面に前記短手方向に隣接する第2面を有するとともに、前記第1面と前記第2面とに跨って形成される開口部を介して電池が収容される電池収容凹部を有する筐体と、
前記筐体に対して前記短手方向に装着され、前記開口部における前記第1面側に開口する第1開口部及び前記第2面側に開口する第2開口部をともに覆う電池蓋部材と、
前記第2開口部を介して認証カードが挿入されるカード挿入孔を有し、該カード挿入孔に前記短手方向に挿入された認証カードを保持するカードホルダと、
を備え、
前記電池蓋部材は、前記カードホルダに認証カードが保持された状態で前記筐体に装着される
携帯電子機器。
【請求項2】
前記電池は、前記電池収容凹部における、前記カードホルダと前記電池蓋部材との間を含む領域に収容される
請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記電池蓋部材は、前記筐体に装着された状態において前記カード挿入孔と対向する位置に、前記カードホルダに保持された認証カードに当接し又は近接して認証カードの抜け止めとして機能する抜け止め部を有する
請求項1又は2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記筐体の内部に、前記長手方向及び前記短手方向を含む平面に沿う面積が最大の主回路基板を更に備え、
前記カードホルダは、前記筐体を前記厚み方向に視た場合に、前記主回路基板と重ならず且つ前記主回路基板と隣り合う位置に配置される
請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−278627(P2010−278627A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−127670(P2009−127670)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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