説明

携帯電子機器

【課題】ユーザの意思を反映することが可能な携帯電子機器を提供すること。
【解決手段】制御部45は、着信の待受状態において、第1キーのいずれかが押下されたときには、当該第1キーに割り当てられている第1種記号を表示する第1種記号表示領域101及び当該第1キーに割り当てられている第2種記号を表示する第2種記号表示領域102を表示するように制御する。制御部45は、第1種記号表示領域101及び第2種記号表示領域102を表示するように制御しているときに、第2キーが押下された場合には、第1種記号に対する第1の処理を実行する。また、第2種記号表示領域102を消去するように制御する。制御部45は、第1種記号表示領域101及び第2種記号表示領域102を表示するように制御しているときに、第3キーが押下された場合には、第2種記号に対する第2の処理を実行する。また、第1種記号表示領域101を消去するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作部を有する携帯電子機器に関し、特に、複数種類の記号が同一のキーに割り当てられている携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電子機器は、各種の情報を表示する表示部と、複数のキーにより構成されている操作部を備えている。
【0003】
ここで、携帯電話等の携帯電子機器では、着信を待ち受けるときやその他のアプリケーションの起動を待ち受けるときには、表示部に初期画面が表示される。この初期状態において、数字が割り当てられている操作キーが押下されると、当該押下された操作キーに対応する数字を表示部に表示する。そして、携帯電話装置は、表示部に数字が表示されている状態において、例えば、オンフックキーが押下された場合には、入力されている数字に基づいた電話発信処理を行い、また、計算機(電卓)を起動するキーが押下された場合には、入力されている数字を初期の数値として計算機アプリケーションを起動する。
【0004】
また、携帯電子機器では、初期画面からキー操作をしたときに、当該キー操作に応じた文字が表示部に表示され、所定の操作(アプリケーションの一覧を表示するキーを押下する操作)が実行されたときに、表示されている文字列に対応するアプリケーションの一覧が表示され、当該一覧の中から一のアプリケーションを選択することによりアプリケーションの起動を実行する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−200243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、初期画面の状態において、ユーザが数字と文字とが割り当てられているキーを押下した場合に、キー操作の初期段階においては、ユーザがどちらの記号を意識しながら操作しているか分からない。特許文献1の技術のように文字の入力を優先させた場合には、数字の入力が無視されることになり、一方、数字の入力を優先させると、文字の入力が無視されることになり、ユーザの意思が反映されない可能性がある。
【0007】
本発明は、初期画面が表示されている状態において、キー操作が行われた場合に、当該キーに割り当てられている複数の記号(例えば、数字や文字)のそれぞれを、表示部に並列的に表示し、その後の操作によって表示されている一方の記号を有効にし、他方の記号が表示されている画面を消去することにより、視認性を確保しつつユーザの意思を反映することが可能な携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る携帯電子機器は、上記課題を解決するために、表示部と、キー操作部と、前記表示部及び前記キー操作部の制御を行う制御部と、を備え、前記キー操作部は、第1種記号と第2種記号とが割り当てられている複数のキーよりなる第1キーと、前記第1種記号及び前記第2種記号が割り当てられていない第2キーと、前記第1種記号及び前記第2種記号が割り当てられておらず、前記第2キーとは異なる第3キーとを含んで構成されており、前記制御部は、前記第1キーのいずれかが操作されたときには、操作された当該第1キーに割り当てられている前記第1種記号及び操作された当該第1キーに割り当てられている前記第2種記号を、共に前記表示部に表示するように制御し、前記表示部に前記第1種記号及び前記第2種記号が、共に表示されているときに、前記第2キーが操作された場合には、前記第1種記号に対する第1の処理を実行し、前記表示部への前記操作に対応する前記第2種記号の表示を抑制するように制御し、前記表示部に前記第1種記号及び前記第2種記号を、共に表示するように制御しているときに、前記第3キーが操作された場合には、前記操作に対応する第2種記号に対する第2の処理を実行し、前記表示部への前記操作に対応する前記第1種記号の表示を抑制するように制御することを特徴とする。
【0009】
また、上記携帯電子機器では、前記制御部は、前記表示部に前記第1種記号及び前記第2種記号を、共に表示するように制御しているときに、前記第2キーが操作された場合には、前記第1種記号に対する第1の処理を実行し、かつ前記表示への前記第2種記号の表示を抑制するように制御すると共に、前記第3キーに対して割り当てられている機能を前記第1種記号に関連する第3の処理を実行する機能に変更する構成でも良い。
【0010】
また、上記携帯電子機器では、前記制御部は、前記第1種記号に対する第1の処理を実行し、かつ前記表示部への前記第2種記号の表示を抑制するように制御したときに、前記第3キーが操作された場合には、前記第1の処理が実行された後の第1種記号に対してどのような処理が行われるかを報知制御する構成でも良い。
【0011】
また、上記携帯電子機器では、前記第2キーに割り当てられている機能は、前記第1種記号に係る記号を編集する機能であり、前記第1の処理は、前記第2キーが操作されることにより、前記第1種記号に係る記号の変換候補の中から特定の記号を選択し、確定するための処理であり、前記第3キーに割り当てられている機能は、前記第2種記号に係る記号に基づいて電話を発信するための機能であり、前記第2の処理は、前記第3キーが操作されることにより、前記第2種記号に係る記号を電話番号として発信するための処理であっても良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、初期画面が表示されている状態からのキー操作において、視認性を確保しつつユーザの意思を反映することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】携帯電話装置1の外観斜視図である。
【図2】携帯電話装置1を折畳んだ状態の斜視図である。
【図3】携帯電話装置1の機能を示す機能ブロック図である。
【図4】キーアサインについての説明に供する図である。
【図5】初期画面から第1種記号表示領域と第2種記号表示領域による分割画面に表示状態が変化し、その後、第1種記号表示領域に表示状態が変化する様子についての説明に供する図である。
【図6】制御部による第1の動作処理の方法についての説明に供するフローチャートである。
【図7】制御部による第1の動作処理の方法についての説明に供するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明に係る携帯電子機器の一例である携帯電話装置1の外観斜視図を示す。なお、図1は、いわゆる折り畳み型の携帯電話装置の形態を示しているが、本発明に係る携帯電話装置の形態としては特にこれに限られない。例えば、両筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターンタイプ)や、操作部と表示部とが一つの筐体に配置され、連結部を有さない形式(ストレートタイプ)でも良い。
【0015】
携帯電話装置1は、操作部側筐体部2と、表示部側筐体部3と、を備えて構成される。操作部側筐体部2は、表面部10に、操作部11と、携帯電話装置1の使用者が通話時に発した音声が入力されるマイク12と、を備えて構成される。操作部11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作キー14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作キー15と、から構成されている。
【0016】
また、表示部側筐体部3は、表面部20に、各種情報を表示するためのLCD(Liquid Crystal Display)表示部21と、通話の相手側の音声を出力するスピーカ22と、を備えて構成されている。
【0017】
また、操作部側筐体部2の上端部と表示部側筐体部3の下端部とは、ヒンジ機構4を介して連結されている。また、携帯電話装置1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを互いに開いた状態(開放状態)にしたり、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを折り畳んだ状態(折畳み状態)にしたりできる。
【0018】
また、図2は、携帯電話装置1を折畳んだ状態の斜視図を示している。操作部側筐体部2は、外平面部に、時計やメールの着信等が表示されるサブLCD表示部30が備えられている。
【0019】
また、図3は、携帯電話装置1の機能を示す機能ブロック図である。携帯電話装置1は、図3に示すように、操作部11(キー操作部)と、マイク12と、メインアンテナ40と、RF回路部41と、LCD制御部42と、音声処理部43と、メモリ44と、制御部45と、が操作部側筐体部2に備えられ、LCD表示部21(表示部)と、スピーカ22と、ドライバIC23と、サブLCD表示部30とが表示部側筐体部3に備えられている。
【0020】
メインアンテナ40は、第1の使用周波数帯(例えば、800MHz)で基地局等と通信を行い、GPS通信のための第2の使用周波数帯(例えば、1.5GHz)に対応できるデュアルバンド対応構成である。なお、本実施の形態では、第1の使用周波数帯として、800MHzとしたが、これ以外の周波数帯であっても良い。また、メインアンテナ40は、第1の使用周波数帯で外部装置と通信を行い、GPS通信のための第2の使用周波数帯に対応できるアンテナを別途設けても良い。
【0021】
RF回路部41は、メインアンテナ40によって受信した信号を復調処理し、処理後の信号を制御部45に供給する。そして、制御部45から供給された信号を変調処理し、メインアンテナ40を介して外部装置(基地局)に送信する。また、その一方で、メインアンテナ40によって受信している信号の強度を制御部45に通知を行う。
【0022】
LCD制御部42は、制御部45の制御にしたがって、所定の画像処理を行い、処理後の画像データをドライバIC23に出力する。ドライバIC23は、LCD制御部42から供給された画像データをフレームメモリに蓄え、所定のタイミングでLCD表示部21又はサブLCD表示部30に出力する。
【0023】
音声処理部43は、制御部45の制御にしたがって、RF回路部41から供給された信号に対して所定の音声処理を行い、処理後の信号をスピーカ22に出力する。スピーカ22は、音声処理部43から供給された信号を外部に出力する。
【0024】
また、音声処理部43は、制御部45の制御にしたがって、マイク12から入力された信号を処理し、処理後の信号をRF回路部41に出力する。RF回路部41は、音声処理部43から供給された信号に所定の処理を行い、処理後の信号をメインアンテナ40に出力する。
【0025】
メモリ44は、例えば、ワーキングメモリを含み、制御部45による演算処理に利用される。また、メモリ44には、複数のアプリケーションや当該アプリケーションが必要とする各種のテーブル等が記憶されている。また、メモリ44は、着脱可能な外部メモリを兼ねていても良い。
【0026】
制御部45は、携帯電話装置1の全体を制御しており、中央処理装置(CPU)等を用いて構成される。ここで、操作部11によるキー操作に応じた制御部45の制御動作について説明する。制御部45は、原則的に現在アクティブに起動されているアプリケーションに応じて、操作部11を構成する各キー(機能設定操作キー13、入力操作キー14、決定操作キー15)に割り当てる記号や機能を変化させる。
【0027】
具体的には、操作部11は、いずれかのキーが押下されたときに、当該キーの位置情報(例えば、図4(a)に示すように、入力操作キー14の第2行左列のキー(「1」と「あ」が表面に印刷されているキー)が押下された場合には、(X2、Y1)なる位置情報)を制御部45に送信する。制御部45は、メモリ44にアクセスして、現在アクティブになっているアプリケーションに対応するキーアサインテーブルを参照し、操作部11から送信されてきた位置情報から割り当てられている記号や機能の処理を実行する。例えば、メモリ44には、図4(b)〜図4(d)に示すように、複数のキーアサインテーブルが格納されている。なお、図4(b)は、電話発信を行う際に利用されるテーブルであり、図4(c)は、メモ帳アプリケーションやメールアプリケーションにおいて利用されるテーブルであり、図4(d)は、テレビアプリケーションにおいてチャンネルを変更する際に利用されるテーブルである。
【0028】
なお、記号の処理の実行とは、例えば、現在アクティブになっているアプリケーションがメモ帳の場合には、「1」や「あ」をLCD表示部21に表示することを意味している。また、機能の処理の実行とは、例えば、現在アクティブになっているアプリケーションがテレビの場合には、表示チャンネルを1chに設定することを意味している。
【0029】
このようにして、メモリ44には、複数のキーアサインテーブルが格納されており、制御部45は、アプリケーションに応じて、参照するキーアサインテーブルを切り替え、操作部11から送信されてくるキーの位置情報に基づいて所定のキーアサインテーブルを参照して、所定の処理を実行する。
【0030】
このように構成される携帯電話装置1では、初期状態である通信の待ち受け状態において、キー操作が行われた場合に、当該キーに割り当てられている複数の記号(例えば、数字や文字)それぞれを、例えば、別々の画面領域に並列的に表示し、所定のキー操作が行われた場合に一方の記号が表示されている画面を有効にする機能を有している。また、携帯電話装置1では、所定のキー操作が行われた場合に一方の記号が表示されている画面を有効にしたときに、他方の記号が表示されていた画面において割り当てられていたキーアサインを変更する機能を有している。
【0031】
ここで、上述した機能を発揮するための制御部45の動作について説明する。なお、操作部11は、第1キー(例えば、図1中Cに示す、入力操作キー14の第2行目から第5行目に位置するキー)と、第2キー(例えば、決定操作キー15)と、第3キー(例えば、図1中Bに示す、入力操作キー14の左列最上位行に位置するオンフックキー)とを含んで構成されている。
【0032】
第1キーは、第1種記号(例えば、「あ」、「い」、「う」等のひらがな)と第2種記号(例えば、「1」、「2」、「3」等の数字)とが割り当てられている複数のキーより構成されている。第2キーは、第1種記号及び第2種記号が割り当てられておらず、複数の機能(例えば、かなを漢字に変換する機能等)が割り当てられているキーである。第3キーは、第1種記号及び第2種記号が割り当てられておらず、第2キーとは異なる機能(例えば、電話発信を行う機能等)が割り当てられているキーである。
【0033】
制御部45は、着信を待ち受ける初期画面100をLCD表示部21に表示させている状態において(図5(a))、第1キーのいずれかが押下されたときには、押下された当該第1キーに割り当てられている第1種記号(例えば、「あ」、「い」、「う」等のひらがな)及び押下された当該第1キーに割り当てられている第2種記号(例えば、「1」、「2」、「3」等の数字)を、共にLCD表示部21に表示するように制御する(図5(b))。具体的には、制御部45は、初期画面100に替えて、第1種記号を第1種記号表示領域101に表示し、第2種記号を第2種記号表示領域102に表示するように制御する。
【0034】
また、制御部45は、LCD表示部21に第1種記号表示領域101及び第2種記号表示領域102を表示するように制御しているときに、第2キーが押下された場合には、第1種記号に対する第1の処理(例えば、かなを漢字に変換する処理)を実行する。また、制御部45は、第2種記号の表示を抑制する。ここで、抑制とは、例えば、LCD表示部21から第2種記号表示領域102を消去するように制御したり、また、第1種記号を第2種記号よりも視覚的に強調表示し、かつ第2種記号に対する処理(編集処理)を禁止し、第1種記号に対する処理(編集処理)のみ可能な状態に制御することをいう。
【0035】
また、制御部45は、LCD表示部21に第1種記号表示領域101及び第2種記号表示領域102を表示するように制御しているときに、第3キーが押下された場合には、第2種記号表示領域102に入力されている第2種記号に対する第2の処理(例えば、電話発信に係る処理)を実行する。また、制御部45は、第1種記号の表示を抑制する。ここで、抑制とは、例えば、LCD表示部21から第1種記号表示領域101を消去するように制御したり、また、第2種記号を第1種記号よりも視覚的に強調表示し、かつ第1種記号に対する処理(編集処理)を禁止し、第2種記号に対する処理(編集処理)のみ可能な状態に制御することをいう。
【0036】
このように構成されることにより、携帯電話装置1は、通信の待ち受け状態において、キー操作が行われた場合に、第1種記号表示領域101及び第2種記号表示領域102を表示するように制御するので、容易に第1種記号及び第2種記号の双方を入力できる。さらに、携帯電話装置1は、特定のキー(第2キー又は第3キー)が押下されることにより、第1種記号表示領域101又は第2種記号表示領域102のいずれか一方が選択され、所定の処理(第1の処理又は第2の処理)が実行されると共に、選択されなかった第1種記号表示領域101又は第2種記号表示領域102をLCD表示部21の表示画面から消去するので、不要な表示領域を消去するためのユーザによる操作を不要とし、視認性を確保しつつユーザの意思を反映することができる。
【0037】
また、制御部45は、LCD表示部21に第1種記号及び第2種記号を、共に表示するように制御しているときに、第2キー(例えば、決定操作キー15の上下キー(文字変換キー))が押下された場合には、第1種記号に対する第1の処理を実行する。また、制御部45は、第2種記号の表示を抑制する。ここで、抑制とは、例えば、LCD表示部21から第2種記号表示領域102を消去するように制御したり、また、第1種記号を第2種記号よりも視覚的に強調表示し、かつ第2種記号に対する処理(編集処理)を禁止し、第1種記号に対する処理(編集処理)のみ可能な状態に制御する。
【0038】
また、制御部45は、第3キーに対して割り当てられている機能(例えば、第2種記号表示領域102に表示されている数字に基づく電話発信を行う機能)を第1種記号に関連する第3の処理を実行する機能(例えば、第1種記号表示領域101に表示されている文字の拡大又は縮小を行う機能)に変更する。
【0039】
具体的には、制御部45は、通信の待ち受け状態からキー操作が行われ、LCD表示部21に第1種記号表示領域101及び第2種記号表示領域102を表示させているときに第3キーが押下されたときには、第2種記号表示領域102に表示されている数字に基づいて電話発信の処理を実行し(図5(b)及び図5(c)を参照)、第2種記号表示領域102がLCD表示部21から消去された後に第3キーが押下されたときには、第1種記号表示領域101に表示されている文字の拡大又は縮小の処理を実行する(図5(d)を参照)。
【0040】
このようにして、制御部45は、通信の待ち受け状態からキー操作が行われ、任意の記号が入力された後、決定操作キー15が押下されるか否かによって、第3キー(オンフックキー)に対して、異なる機能を割り当てる制御を行うので、キーの構成数が少ない携帯電話装置1において、キーの数を増加させることなくキーの利用効率を向上させることができる。
【0041】
また、制御部45は、LCD表示部21に第1種記号表示領域101及び第2種記号表示領域102を表示するように制御する。その後、制御部45は、第2キー(例えば、決定操作キー15の上下キー(文字変換キー))が押下されたときには、第1種記号表示領域101に入力されている第1種記号に対する第1の処理を実行する。このときに制御部45は、第2種記号の表示を抑制したときに、第3キーが押下された場合には、入力されている第1種記号に対してどのような処理が行われるかを報知制御する。ここで、抑制とは、例えば、LCD表示部21から第2種記号表示領域102を消去するように制御したり、また、第1種記号を第2種記号よりも視覚的に強調表示し、かつ第2種記号に対する処理(編集処理)を禁止(インアクティブ)詩、第1種記号に対する処理(編集処理)のみ可能(アクティブ)な状態に制御することである。また、報知制御とは、例えば、図5(d)中Cに示すように、オンフックキーを押下することにより、第1種記号表示領域101に表示されている文字の拡大又は縮小が行える旨をオンフックキーの表面に印刷されている画像を示しながら報知する制御のことである。
【0042】
このように構成されることにより、携帯電話装置1は、第2種記号表示領域102がLCD表示部21から消去された後、第3キーが押下された場合には、どのような処理が実行されるのかを報知するので、操作における利便性の向上を図ることができる。
【0043】
また、第2キーに割り当てられている機能は、(第1種記号表示領域101に表示されている)第1種記号に係る記号を編集(上下キーの押圧により、文字の変換を行い、中央キーの押圧により入力文字の確定を行い、左右キーの押圧により、カーソルの移動を行う)する機能である。また、第1の処理は、第2キーが押下されることにより、(第1種記号表示領域101に表示されている)第1種記号に係る記号の変換候補の中から特定の記号を選択し、確定するための処理である。また、第3キーに割り当てられている機能は、(第2種記号表示領域102に表示されている)第2種記号に係る記号に基づいて電話を発信するための機能である。また、第2の処理は、第3キーが押下されることにより、(第2種記号表示領域102に表示されている)第2種記号に係る記号を電話番号として発信するための処理である。
【0044】
ここで、図5に示す例においては、初期画面(図5(a))において、キー操作(「0」と「わをん」が表面に印刷されているキー)を行った場合には、第1種記号が表示される第1種記号表示領域101に「わ」が表示され、同時に、第2種記号が表示される第2種記号表示領域102に「0」が表示される(図5(b))。そして、連続して、複数のキー操作が行われ、第1種記号表示領域101には「わたなべ」が表示され、第2種記号表示領域102には「0456666*」が表示される(図5(c))。
【0045】
また、表示画面が図5(b)や図5(c)等の状態において、決定操作キー15が上下操作された場合には、制御部45は、かなを漢字に変換する処理を実行する。また、第1種記号表示領域101が表示画面全体に渡って表示される(図5(d))。また、制御部45は、図5(d)の状態において、入力操作キー14の左列最上位のキー(いわゆる、オンフックキー)が押下された場合には、表示されている文字を拡大等の処理を行う(図5(e))。
【0046】
また、表示画面が図5(b)や図5(c)等の状態において、入力操作キー14の左列最上位のキー(オンフックキー)が押下された場合には、制御部45は、第2種記号表示領域102に表示されている数字列に基づいて電話発信の処理を行う。
【0047】
このようにして、制御部45は、通信の待ち受け状態からキー操作が行われ、任意の記号が入力された後、決定操作キー15が押下されるか否かによって、オンフックキーに対して、異なる機能を割り当てる制御を行うので、キーの構成数が少ない携帯電話装置1において、各キーの利用効率を向上させることができる。
【0048】
ここで、携帯電話装置1では、「5」と「な」が表面に印刷されている操作部11のキーを1回押下した場合には、第1種記号表示領域101において、変換候補として、「5、な、ナ」等を表示するが、当該変換候補の表示をいつまでも有効な情報として扱い続ける(アクティブにし続ける)よりも、入力された情報を早い段階でユーザの必要な情報に絞り込む判断、すなわち、ユーザが意識的に入力している表示画面は、第1種記号表示領域101であるのか、又は第2種記号表示領域102であるのかを絞り込む判断をするほうが好ましい。これにより、ユーザが意識的に入力していない表示領域を消去し、制御部45に与えている処理負担を早期に取り除くことがより好ましい。
【0049】
携帯電話装置1は、例えば、
1.変換動作(第2キー(決定操作キー15)の上下押下)が行われた場合や、
2.入力された文字列に対して、左送り、右送り(第2キー(決定操作キー15)の左右押下)をした場合や、
3.入力中に入力文字種の切り替えを行った場合
等に、ユーザが意識的に入力している表示画面は第1種記号表示領域101であると判断する。また、第2種記号表示領域102を消去する。
【0050】
また、表示画面の状態を設定し、当該設定を反映する制御部45の動作手順について、図6に示すフローチャートを参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、操作部11を構成するいずれかのキーの入力があったものとする。
【0051】
ステップS1において、制御部45は、操作部11の第1キー(図1中Cに示す、入力操作キー14の第2行目から第5行目に位置するキー)が押下されたか否かを判断する。当該第1キーが押下されたと判断した場合(Yes)には、ステップS2に進み、当該第1キーの押下ではないと判断した場合(No)には、ステップS5に進む。
【0052】
ステップS2において、制御部45は、1文字目の入力であるか否かを判断する。1文字目の入力であると判断した場合(Yes)には、ステップS3に進み、1文字目の入力ではないと判断した場合(No)には、ステップS4に進む。
【0053】
ステップS3において、制御部45は、表示画面を第1種記号表示領域101と第2種記号表示領域102の2画面表示にする設定(2画面表示の設定)を行う。
【0054】
ステップS4において、制御部45は、表示画面を前画面と同様の状態に維持するように設定する。
【0055】
ステップS5において、制御部45は、変換動作(第2キー(決定操作キー15)の上下押下)が行われたか否かを判断する。変換動作が行われたと判断した場合(Yes)には、ステップS8に進み、変換動作が行われていないと判断した場合(No)には、ステップS6に進む。
【0056】
ステップS6において、制御部45は、入力された文字列に対して、左送り又は右送り(第2キーの押下(決定操作キー15)の左右押下)の操作が行われたか否かを判断する。左送り又は右送りの操作が行われたと判断した場合(Yes)には、ステップS8に進み、左送り又は右送りの操作が行われていないと判断した場合(No)には、ステップS7に進む。
【0057】
ステップS7において、制御部45は、機能設定操作キー13が押下され、入力文字の種類(漢字・ひらがな、カタカナ、英数字等)の切り替えが行われたか否かを判断する。入力文字の種類の切り替えが行われたと判断した場合(Yes)には、ステップS8に進み、入力文字の種類の切り替えが行われていないと判断した場合(No)には、ステップS9に進む。
【0058】
ステップS8において、制御部45は、表示画面を第1種記号表示領域101のみの1画面表示にする設定(1画面表示の設定)を行う。
【0059】
また、ステップS9において、制御部45は、表示画面を前画面と同様の状態に維持するように設定する。
【0060】
ステップS10において、制御部45は、ステップS3の工程による設定、ステップS4の工程による設定、ステップS8の工程による設定又はステップS9の工程による設定により、表示画面の設定状態が1画面表示の設定であるか否かを判断する。表示画面の設定状態が1画面設定である場合(Yes)には、ステップS11に進み、表示画面の設定状態が1画面設定ではない場合(No)には、ステップS12に進む。
【0061】
ステップS11において、制御部45は、入力されたキーに応じた表示を第1種記号表示領域101の1画面表示で行うように制御する。
【0062】
また、ステップS12において、制御部45は、入力されたキーに応じた表示を第1種記号表示領域101及び第2種記号表示領域102の2画面表示で行うように制御する。
【0063】
また、上述した各工程による手順は、一例であってこれに限られず、特に、ステップS5乃至ステップS7は、図7に示すように、変換動作が行われたか否かを判断し(ステップS21)、変換動作が行われた場合(Yes)には、次に、変換された文字による確定をするか否かを判断し(ステップS22)、変換された文字による確定をする場合(Yes)には、ステップS8の工程に進み、また、ステップS21の工程において、変換動作が行われない場合(No)又はステップS22の工程において、変換された文字による確定を行わない場合(No)には、ステップS9の工程に進む手順により置換されても良い。
【0064】
このように構成されることにより、携帯電話装置1は、通信の待ち受け状態において、キー操作が行われた場合に、当該キー操作に応じて、第1種記号表示領域101及び第2種記号表示領域102を表示するように制御し、その後の操作部11のキー入力に応じて、ユーザが意識的に入力している表示画面が第1種記号表示領域101又は第2種記号表示領域102のいずれであるのかを判断し、ユーザが意識的に入力していない表示画面を消去し、ユーザが意識的に入力している表示画面のみを表示するので、LCD表示部21上の視認性を向上させることができ、また、制御部45の負担を軽減することができる。
【0065】
また、第1種記号表示領域101及び第2種記号表示領域102に文字列が入力された場合、どちらの表示画面が有効となるのかが決定されるまでの間は、第1種記号表示領域101及び第2種記号表示領域102において、候補となるすべてのデータを更新し続ける必要があったが、携帯電話装置1では、上述したような判断方法を実行するので、有効とされる表示画面を早期に判断し、2画面表示から1画面表示に切り替えるため、LCD表示部21上の視認性を向上させることができ、また、制御部45の負担を軽減することができる。
【0066】
なお、図4に示したキーアサインの方法は、一例であって本方法に限定されることはない。
【符号の説明】
【0067】
1 携帯電話装置
11 操作部(キー操作部)
21 LCD表示部(表示部)
44 メモリ
45 制御部
100 初期画面
101 第1種記号表示領域
102 第2種記号表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、キー操作部と、前記表示部及び前記キー操作部の制御を行う制御部と、を備え、
前記キー操作部は、第1種記号と第2種記号とが割り当てられている複数のキーよりなる第1キーと、前記第1種記号及び前記第2種記号が割り当てられていない第2キーと、前記第1種記号及び前記第2種記号が割り当てられておらず、前記第2キーとは異なる第3キーとを含んで構成されており、
前記制御部は、前記第1キーのいずれかが操作されたときには、操作された当該第1キーに割り当てられている前記第1種記号及び操作された当該第1キーに割り当てられている前記第2種記号を、共に前記表示部に表示するように制御し、
前記表示部に前記第1種記号及び前記第2種記号が、共に表示されているときに、前記第2キーが操作された場合には、前記第1種記号に対する第1の処理を実行し、前記表示部への前記操作に対応する前記第2種記号の表示を抑制するように制御し、
前記表示部に前記第1種記号及び前記第2種記号を、共に表示するように制御しているときに、前記第3キーが操作された場合には、前記操作に対応する第2種記号に対する第2の処理を実行し、前記表示部への前記操作に対応する前記第1種記号の表示を抑制するように制御することを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記表示部に前記第1種記号及び前記第2種記号を、共に表示するように制御しているときに、前記第2キーが操作された場合には、前記第1種記号に対する第1の処理を実行し、かつ前記表示への前記第2種記号の表示を抑制するように制御すると共に、前記第3キーに対して割り当てられている機能を前記第1種記号に関連する第3の処理を実行する機能に変更することを特徴とする請求項1記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1種記号に対する第1の処理を実行し、かつ前記表示部への前記第2種記号の表示を抑制するように制御したときに、前記第3キーが操作された場合には、前記第1の処理が実行された後の第1種記号に対してどのような処理が行われるかを報知制御することを特徴とする請求項2記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記第2キーに割り当てられている機能は、前記第1種記号に係る記号を編集する機能であり、
前記第1の処理は、前記第2キーが操作されることにより、前記第1種記号に係る記号の変換候補の中から特定の記号を選択し、確定するための処理であり、
前記第3キーに割り当てられている機能は、前記第2種記号に係る記号に基づいて電話を発信するための機能であり、
前記第2の処理は、前記第3キーが操作されることにより、前記第2種記号に係る記号を電話番号として発信するための処理であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−178166(P2012−178166A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−100760(P2012−100760)
【出願日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【分割の表示】特願2008−196453(P2008−196453)の分割
【原出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】