携帯電子機器
【課題】携帯電子機器の部品点数を少なくすることを目的とする。
【解決手段】携帯電話機は、外面の少なくとも一部が開放された外面開口と内部空間への水の浸入を遮断する防水壁76とを有し、回路基板8を収容し、一体に構成されるケース7を備える。更に、携帯電話機は、外面開口を覆蓋するキースイッチ基板9と、使用者が操作する際にケース7における使用者に対向する面を正面とした場合に、正面に直交する側面に沿って配置され、防水壁76を貫通して回路基板8に接続される通話用アンテナ82及び/又はTV用ロッドアンテナ80と、を備える。
【解決手段】携帯電話機は、外面の少なくとも一部が開放された外面開口と内部空間への水の浸入を遮断する防水壁76とを有し、回路基板8を収容し、一体に構成されるケース7を備える。更に、携帯電話機は、外面開口を覆蓋するキースイッチ基板9と、使用者が操作する際にケース7における使用者に対向する面を正面とした場合に、正面に直交する側面に沿って配置され、防水壁76を貫通して回路基板8に接続される通話用アンテナ82及び/又はTV用ロッドアンテナ80と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話、携帯情報端末、電子辞書、電子手帳、電子書籍、計算機、携帯型のパーソナルコンピュータ等の、各種の携帯通信機器や携帯情報機器である携帯電子機器が世間一般に普及している。また、これらの携帯電子機器は、カメラ、通話用及びデータ通信用アンテナ及びTV用ロッドアンテナ等を備え、カメラ撮像(撮影)機能、ワンセグ視聴機能や電磁データ送受信機能等の多機能を有するものが多くある。
【0003】
従来の携帯電子機器において、上部筐体(携帯電子機器の筐体の部分であって、使用者が携帯電子機器を操作する場合に、使用者と対面する面(以下、「上面」という)を含む部分を言う。なお、上部筐体には、一般に、携帯電子機器の操作入力装置(例えば、キーボード)や表示装置(例えば、液晶ディスプレイ)等が配置される)と、下部筐体(携帯電子機器の筐体の部分であって、前記上面と対向する面(以下、「底面」という)を含む部分、言い替えれば、携帯電子機器の筐体の部分であって、使用者が携帯電子機器を操作する場合に、使用者から見て裏側になる面を含む部分を言う)と、を別個に成型して、両者を結合して携帯電子機器の筐体を組み立てていた。
【0004】
例えば、特許文献1には、上部筐体と下部筐体とのはめ合いによって形成される内部空間に、アンテナその他の実装部品を保持する携帯端末装置の筐体構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−268154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された携帯端末装置の筐体(以下、「従来の筐体」という)は、上部筐体と下部筐体を締結するための締結要素(例えばビス)を必要とする。また、筐体を防水構造とするために上部筐体と下部筐体の間にゴムパッキン(又は樹脂パッキン)等を挟み込む必要がある。
【0007】
そのため、従来の筐体には、構成部品の点数が多く、組立工数が多いという問題があった。言うまでもないことだが、部品点数や工数の増加は、製造コストの上昇につながる。
【0008】
また、筐体の防水性を確保するために、ゴムパッキン等を圧縮して上部筐体と下部筐体を満遍なく密着させる必要がある。そのために、ゴムパッキン等が無い場合と比較して締結要素(ビス等)の点数が多くする必要があるため、部品点数や工数が更に増加する。
【0009】
本発明は以上のような背景に鑑みて成されたものであり、携帯電子機器の部品点数を少なくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る携帯電子機器は、
外面の少なくとも一部を開放する外面開口を有し、回路基板を収容し、一体に構成される筐体と、
前記外面開口を覆蓋するシート状部材と、
使用者が操作する際に前記筐体における使用者に対向する面を正面とした場合に、前記正面に直交する側面に沿って配置されるアンテナと、を備える、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、携帯電子機器の部品点数を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機を示す斜視図である。
【図2】携帯電話機を上側から示す分解斜視図である。
【図3】携帯電話機を下側から示す分解斜視図である。
【図4】携帯電話機を示す側面図である。
【図5】(A)は、図4に示された操作部のA−A’断面を示す図である。(B)は、図4に示された操作部のB−B’断面を示す図である。
【図6】操作部を下側から示す斜視図である。
【図7】(A)は、図6に示された操作部のI0断面を示す図である。(B)は、図6に示された操作部のII0断面を示す図である。(C)は、図6に示された操作部のIII0断面を示す図である。(D)は、図6に示された操作部のIV0断面を示す図である。
【図8】変形例1に係る操作部の断面を示す図である。
【図9】変形例2に係る操作部の断面を示す図である。
【図10】変形例3に係る操作部の断面を示す図である。
【図11】(A)は、変形例4に係る携帯電話機を示す側面図である。(B)は、(A)に示された操作部のC−C’断面を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機を上側から示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら説明する。
【0014】
<第1の実施形態>
図1に示された携帯電話機1Aは、本発明の第1の実施形態を示す携帯電子機器であり、表示部2と操作部3とからなる、いわゆる折り畳み型の携帯電話機である。また、表示部2と操作部3とは回動軸4を介して互いに連結されている。また、表示部2は、文字、図形、画像を表示する液晶ディスプレイ5を備えて、使用者に各種の情報を提示するモジュールである。操作部3は、操作入力キー6を備えて、使用者が携帯電話機1Aに対して各種の操作入力を行うモジュールである。
【0015】
次に、操作部3の各部品について、図2〜図5を参照して説明する。
【0016】
操作部3は、操作入力部として、ケース(筐体)7の上面(後述するオーバーハング部7cの上面)に貼り付けられるキーシート12、キーシート12の直下に設けられケース7内に収容されるキースイッチ基板(シート状部材)9及びケース7内に収容される回路基板8を備える。
【0017】
更に、操作部3は、各種機能を実行するものとして、カメラ50、TV用ロッドアンテナ80、通話用及びデータ通信用アンテナ82(以下、通話用アンテナ82と記載)、並びに携帯電話機1Aに電力を供給する電池10を備える。
【0018】
ケース7は、操作部3の外殻を構成する構造体、つまり筐体に相当するものである。詳細については後述するが、従来の筐体が上部筐体と下部筐体とが組み合わされて構成されていたのに対して、本実施形態におけるケース7は一体で形成されている。また、ケース7の端部にはヒンジ部40が形成されており、ヒンジ部40内に設けられた回転ヒンジ42及び回転軸4を中心に、表示部2と操作部3とが開閉する。また、ケース7は、後述する通話用アンテナ82を覆い、ケース7の側面上部に組み付けられヒンジ部40の一部を構成するアンテナカバー702を備える。
【0019】
キースイッチ基板9は、操作入力キー6を備えるキーシート12と組み合わされて操作入力部を構成するプリント回路基板であり、感圧センサを備える。つまり、操作入力キー6が押圧されると、キーシート12が変形し、キースイッチ基板9の感圧センサがそれを感知して、操作入力が行われる。
【0020】
キーシート12は、例えば、シリコンゴムやフッ素ゴムなどの防水性の素材で形成されたシートであり、操作入力キー6に押圧力が加わると変形して、その押圧力をキースイッチ基板9上の感圧センサに伝達する。一方、キーシート12は、押圧力が加わらない場合には所定の形状に保たれるような程度の適度な柔軟性を有する。
【0021】
また、操作入力キー6の表面には、図形あるいは文字が表示されており、操作入力キー6上の特定の図形・文字が表示された部位が押圧されると、当該図形・文字に対応する操作入力が回路基板8に搭載された図示せぬ制御部へと成されることとなる。
【0022】
回路基板8は、携帯電話機1Aに必要な電子回路が形成されたプリント回路基板である。
【0023】
カメラ50は、ケース7の底面に形成された孔72にレンズが対向するように、ケース7の内部に配設されている。
【0024】
TV用ロッドアンテナ80は、基端部を中心に折曲及び回転可能であり、長手方向に伸縮可能な構成を備え、使用者の使用状態に応じて変形可能であり、収縮した状態でケース7の側面に形成された溝74内に収納可能である。TV用ロッドアンテナ80は、図7(C)を参照して後述するが、基端部が防水壁77を貫通して回路基板8に接続される。
【0025】
通話用アンテナ82は、金属板から成り、図7(B)を参照して後述するが、基端部が防水壁76の一端部を貫通して回路基板8に接続され、ヒンジ部40の内部にヒンジ部40に沿うように配置される。なお、通話用アンテナ82は、無線特性上、使用者の手に触れないようにすることが好ましく、このため、アンテナカバー702に覆われて、外部に露出しないようにケース7内に配置される。
【0026】
配線60は、回路基板8と液晶ディスプレイ5に接続された表示基板(不図示)とを接続するもので、図7(D)を参照して後述するが、一端が防水壁76の他端部を貫通して回路基板8に接続され、ヒンジ部40の内部に回転軸4に沿うように配置され、表示部2内で表示基板(不図示)と接続されている。
【0027】
次に、操作部3を構成し上下一体として形成されたケース7及び各部品について、説明する。
【0028】
上述のように、操作部3のケース7の内部には、回路基板8、キースイッチ基板9及び電池10が実装されている。また、図5(A)に示すように、ケース7の上面の一部は、切り開かれた上面開口(外面開口)11が形成され、上面開口11はキーシート12で覆蓋されている。また、図5(B)に示すように、ケース7は、電池10の下方に位置するケース7の底面が切り開けられて形成された底面開口(他の開口)13を有する。底面開口13は電池蓋14で塞がれている。なお、ケース7と電池蓋14の端縁は、互いに嵌り合う向きで鉤状の断面を有するように形成されており、この端縁が互いに嵌合するようにして、ケース7に電池蓋14が固定されている。また、この端縁に沿って電池蓋14がスライドされることで、電池蓋14がケース7から取り外されることとなる。
【0029】
図5(A)及び(B)から明らかなように、ケース7は、上面(キーシート12が取り付けられた面)から底面(上面と対向する面)まで連続して、一体に構成されている。つまり、ケース7は、上部筐体と下部筐体とが分かれて構成される従来の筐体の構成とは異なるものである。さらに詳しく説明すると、ケース7の横断面形は、底面7aと、底面7aの両端に連続する側面7bと、側面7bの上部と連続して、上面の一部を構成するオーバーハング部7cを備えて構成されている。また、上面開口11は、左右のオーバーハング部7cの間に形成されている。
【0030】
このように、ケース7の横断面形は、オーバーハング部7cを含んで全体として「C」字形を成しているので、ケース7は曲げ剛性が高い。特に、オーバーハング部7cがケース7の曲げ剛性の向上に大きく寄与している。
【0031】
なお、ケース7の素材は合成樹脂(例えばABS樹脂)であり、射出成型によって形成される。また、射出成型に使用する金型は、スライド自在に取り付けられたスライド片(図示しない)を備える。このスライド片によって、底面7a、側面7b及びオーバーハング部7cで囲まれる空間15が形成される。スライド片は金型にスライド自在に取り付けられているので、スライド片は、空間15を形成後(ケース7を成型後)に側面7bから離れる方向(中央方向)にスライド移動させられ、上面開口11を通って上方に抜き取られる。このように、スライド片は、ケース7を成型後に、オーバーハング部7cと干渉せずに容易に取り外される。また、金型にスライド片を備えると、スライド片の位置に応じて側面7bの肉厚を容易に変更できるため、成型時にヒケ(凹み)が生じないような寸法に側面7bの肉厚を適切に設定することができる。
【0032】
また、キーシート12の下面の周縁部は、ケース7の上部に形成されたオーバーハング部7cの上面に、防水両面テープ16によって接着固定される。なお、防水両面テープ16は接着後に十分な水密性を有するものである。このように構成されるので、ケース7の上面開口11にキーシート12が接着されていることによって、ケース7内に水が浸入することが防がれる。
【0033】
次に、フレーム7を貫通する部位の防水構造について、図6及び図7を参照して説明する。
【0034】
まず、図6における矢印I方向でI0断面を示す図7(A)を参照して、カメラ50近傍の防水構造部について説明する。カメラ50近傍の防水構造部は、中央の開孔にアクリル板504が埋設された化粧板(封止部材)502と、化粧板502の下面(図7(A)に示された下面)の周縁とフレーム7の上面(図7(A)に示された上面)の孔72の周囲に貼り付けられる防水両面テープ500と、によって構成される。
【0035】
化粧板502は、アクリル板504がカメラ50のレンズ(不図示)に対向するように、防水両面テープ502によってフレーム7に取り付けられる。化粧板502とフレーム7とは、防水両面テープ502によって密着され、ケース7の内部及びカメラ50への水の浸入を防ぐ。このような、構成により、カメラ50を防水するために大きな筐体を取り付けることなく、防水両面テープ502を有する小さな化粧板502を取り付けることで容易に防水構造を備えさせることができる。
【0036】
次に、図6における矢印II方向でII0断面を示す図7(B)を参照して、通話用アンテナ82近傍の防水構造部について説明する。通話用アンテナ82自体は浸水しても不良が生じないが、フレーム7内に水が浸入するのを防ぐために、通話用アンテナ82における防水壁76を貫通する部位に防水構造を設ける必要がある。通話用アンテナ82近傍の防水構造部は、フレーム7の一部である防水壁76とアンテナ82とに密着するパッキン820によって構成され、ケース7内部への水の浸入が防がれる。
【0037】
次に、図6における矢印III方向でIII0断面を示す図7(C)を参照して、TV用ロッドアンテナ80近傍の防水構造部について説明する。TV用ロッドアンテナ80近傍の防水構造部は、フレーム7の一部である防水壁77の内面とTV用ロッドアンテナ80の外面とに密着するO−リング(パッキン)800によって構成される。
【0038】
TV用ロッドアンテナ80は、フレーム7側面に形成された溝74に対向する位置から差し込まれ、防水壁77を貫通して回路基板8に接続されている。この貫通部の外面と、防水壁77の内面との間にO−リング800が密着することで、ケース7内部への水の浸入を防ぐ。なお、TV用ロッドアンテナ80は、O−リング800を圧縮させ防水壁77に密着させた状態となるように、ネジ802にてケース7に固定される。
【0039】
次に、図6における矢印IV方向でIV0断面を示す図7(D)を参照して、配線60近傍の防水構造部について説明する。配線60自体は、絶縁性を有する合成樹脂チューブにその周囲を覆われており、このチューブによって通話用アンテナ82内部の導線は防水されている。よって、配線60自体は浸水しても不良が生じないが、フレーム7内に水が浸入するのを防ぐために、配線60における防水壁76を貫通する部位に防水構造を設ける必要がある。配線60近傍の防水構造部は、フレーム7の一部である防水壁76の内面と配線60の外面とに密着するO−リング(パッキン)600によって構成され、ケース7内部への水の浸入が防がれる。
【0040】
次に、図2及び図3を参照して、携帯電話機1Aの組立手順を説明し、これに伴って、防水機能を実現する構造について説明していく。
【0041】
表示部2と操作部3を繋ぐ配線60をヒンジ40側から差し込み、ケース7の防水壁76を貫通させ、回路基板8と接続する。このとき、O−リング600によって防水壁76の貫通穴が封止されることで、ケース7の内部へ水が浸入することが防がれる。
【0042】
次に、電池開口部70からケース7内に電池10を組み込んだ後、電池開口部70を覆うようにパッキン140が貼着された電池カバー14を取り付ける。このようにすると、パッキン140がケース7の底面に密着することで、電池開口部70からケース7の内部へ水が浸入することが防がれる。
【0043】
次に、回路基板8とキースイッチ基板9を組込んだ後、防水両面テープ16の上下面をキーシート12の下面の周縁とオーバーハング部7cの上面に貼り付ける。このようにすると、上面開口11からケース7の内部へ水が浸入することが防がれる。
【0044】
次に、アンテナカバー702を、通話用アンテナ82が配設されたケース7の開放部に取り付けることを最後に組立てが完了するが、通話用アンテナ82の収納部は浸水を許容しているため、アンテナカバー702は防水構造を持たない外装部品でも構わない。
【0045】
上記の構成を備える本実施形態にかかる携帯電話機1Aにおいては、操作部3が、上部筐体と下部筐体とによって構成された従来の筐体の構成と異なり、一体的に構成されているため、容易に組立て可能であり、ケース7の製造工数及び携帯電話機1Aの組立工数を少なくすることができる。そのため、携帯電話機1Aの製造コストを減少させることができる。また、上部筐体と下部筐体が一体に構成されているので、ケース7を軽量かつ高強度に構成することができる。
【0046】
更に、ケース7が、上部筐体と下部筐体とに分かれた従来の筐体の構成とは異なり、一体で形成されているため、上部筐体と下部筐体との間に防水構造を備える必要がそもそも生じない。つまり、それ以外のケース7の内部に通じる部位(カメラ50近傍、通話用アンテナ82近傍、TV用ロッドアンテナ80近傍及び配線60近傍)のみに防水構造を備えるようにすればよい。よって、ケース7が一体であるため部品を削減でき、上部筐体と下部筐体との防水のためにパッキンを設ける必要がなく、防水箇所が少ないために防水性を高めることができる。
【0047】
更に、従来の筐体は、上部筐体と下部筐体とに分かれていたため、上部筐体と下部筐体のそれぞれの突き合わせ部が、パッキンを挟み込み(保持)可能な形状(例えば溝形の形状)を有する必要があった。そして、所定の容積を保ち、かかる構造を備えるようにすると、各筐体が厚くなることによって筐体の外形が大きくなるという問題もあった。対して、本発明によれば、この必要が無いため、ケース7を薄くすることができる。また、ケース7を成形する型を単純化でき、型の製造コストが減少できる。
【0048】
また、TV用ロッドアンテナ80、通話用アンテナ82及び表示部2と操作部3を繋ぐ配線60の各部品自体は水に濡れる事の性能劣化が無いため、浸水部に当たる位置に配置することができる。
【0049】
また、上部筐体と下部筐体の間にゴムパッキン等を挟む必要がないので、経年劣化したゴムパッキン等を交換する煩わしさがない。
【0050】
更に、通話用アンテナ82、TV用ロッドアンテナ80及び配線60は、ケース7の底面(下面)に配置されるものではなく、ケース7の側面に配置されている。このため、ケース7の底面を(カメラ50用の化粧板502を除いて)平坦にすることができ、各種デザインを施すキャンバスとして、ケース7の底面を好適に利用することが可能となる。また、ケース7の底面の滑らかな手触り感を使用者に付与することができ、操作感を良好にすることができる。更に、携帯電話機のバリエーションの一つとなり、使用者が購入する際の選択枝の一つとなり得る。結果として、使用者の購買意欲を高めることになる。
【0051】
なお、ケース7の底面から突出しているのは、カメラ50を防水するための化粧板502のみである。これは、カメラ50の使用状態においてカメラ50のレンズがケース7の底面から外に向くようにするのが適当であるため、化粧板502はケース7の底面に配置されることとなる。
【0052】
(変形例1)
図8に示すように、ケース7の内部に、ネジボス(突起部)17を底面7aから突出させて、回路基板8を挟み込むようにビス18をネジボス17に螺合して、回路基板8をケース7に固定するようにしてもよい。ネジボス17はケース7の本体部分、つまりネジボス17以外の部分とは別に成型されて、成型後にケース7の底面7a上に溶着して固定される。これは、前述したスライド片とネジボス17とが配置的に干渉するため、空間15(図5(A)参照)の形成することが困難であり、ネジボス17とケース7の本体部分とを同時に成形することが困難であるためである。
【0053】
(変形例2)
また、図5(B)に示した横断面では、ケース7を成型用の金型(図示しない)から押し出すインジェクションピン(図示しない)を押し当てるのに適当な部位がないので、ケース7を金型から取り出し難いことがある。そこで、図9に示すように、上面開口11と底面開口13の間に、ダミーリブ19が形成されている構成を採用し、インジェクションピンをダミーリブ19に押し当てて取り出すようにすればよい。なお、ダミーリブ19の両端はケース7の側面7bの内側に結合されており、ケース7を成型用の金型から取り出した後で、ダミーリブ19の破線で示される部分は切断除去される。なお、ダミーリブ19の前記部分を切除した後に残る切り残し部19aの大きさを考慮してケース7を設計すれば、つまり、切り残し部19aがあってもケース7の内部に必要な容積が確保されるようにケース7を設計すれば、仕上げ加工(例えば、研削加工)を行って、切り残し部19bを除去する必要がなくなる。
【0054】
(変形例3)
あるいは、図10に示すように、ケース7が、側面7bの一部が切り開けられて形成された側面開口20を有するようにしても良い。側面開口20は、例えば、回路基板8上の外部インターフェイス(不図示)に接続されるケーブル(不図示)等を通す開口であって、ケーブル等を通さないときは、目隠しカバー21で閉塞される。なお、側面7bはケース7の成型時にヒケ(凹み)が生じやすい部位であり、このような部位に側面開口20を設けると、ヒケ(凹み)が生じる部位がなくなるのでケース7の見栄えが良くなる。
【0055】
(変形例4)
また、あるいは、図11(A)及び(B)に示すように、ケース7が、側面7bに形成された溝21を有するようにしても良い。溝21を備えることによって、側面7bの高さ、つまりケース7の厚みが、(視覚的に)分割されるので、ケース7が薄く見え、見栄えが良くなる。更に、溝21によって、使用者がケース7を持ちやすくなる。
【0056】
<第2の実施形態>
図12に示された携帯電話機1Bは、本発明の第2の実施形態を示す携帯電子機器であり、スマートフォンのような一体型(ストレート型)の携帯端末に適用したものである。
【0057】
携帯電話機1Bは、その基本的構成については第1の実施形態に係る携帯電話機1Aと変わらないが、携帯電話機1Aとは異なり表示筐体と操作筐体とが分かれていない一体型(ストレート型)であるため、ヒンジ部が存在せず、ヒンジ部内に設けられ表示部と操作部とを繋ぐ配線も設けられていない。なお、以下において、第2の実施形態に係る携帯電話機1Bの特徴を明確にするため、第1の実施形態に係る携帯電話機1Aの備える特徴と重複する特徴については説明を概ね省略する。つまり、特に説明がない限り、携帯電話機1Bの構成部品は、携帯電話機1Aと同様の構成部品である。
【0058】
携帯電話機1Bは、ケース78、液晶ディスプレイ5、タッチパネル90、回路基板8、TV用ロッドアンテナ80、通話用アンテナ82及びカメラ50を有する表示・操作部22を備えている。
【0059】
ケース78は、通話用アンテナ82を覆いケース78の側面上部に面一に組み付けられる平板状のアンテナカバー703を備える。
【0060】
液晶ディスプレイ5とタッチパネル90とは、回路基板8に接続されるフレキケーブル62とフレキケーブル64とを夫々備えている。また、タッチパネル90と回路基板8との間に、携帯電話機1Bの剛性を上げる目的でフレーム92が組み込まれている。カメラ50及びTV用ロッドアンテナ80は、第1の実施形態に係る携帯電話機1Aと同様に、ケース78に組み込まれる。なお、通話用アンテナ82は、基端部がケース78の側面に設けられた防水壁760を貫通して、回路基板8に接続され、ケース78の側面に沿うようにケース78の内部に配置される。
【0061】
表示・操作部22における液晶ディスプレイ5の外縁の下面に貼り付けられた防水両面テープ16がオーバーハング部7cの上面に貼り付けられることで、携帯電話機1Bの上面からケース78内部への水の浸入が防がれる。
【0062】
アンテナカバー703を通話用アンテナ82が配設されたケース78の開放部に取り付けることを最後に組立てが完了するが、通話用アンテナ82の収納部は浸水を許容しているため、アンテナカバー703は防水構造を持たない外装部品でもよい。
【0063】
操作部3は、操作入力部として、ケース7の上面(の後述するオーバーハング部7cの上面)に貼り付けられるキーシート12、キーシート12の直下に設けられケース7内に収容されるキースイッチ基板9及びケース7内に収容される回路基板8を備える。
【0064】
更に、操作部3は、各種機能を実行するものとして、カメラ50、TV用ロッドアンテナ80、通話用及びデータ通信用アンテナ82(以下、通話用アンテナ82と記載)、並びに携帯電話機1Aに電力を供給する電池10を備える。
【0065】
上記の構成を備える第2の実施形態に係るストレート型の携帯電話機1Bについても、フレーム78が上部筐体と下部筐体とから成る従来の筐体とは異なるため、第1の実施形態に係る折り畳み型の携帯電話機1Aと同様の効果を奏することができる。
【0066】
以上、説明したように、本発明によれば、携帯電子機器の操作部のフレームは、上部筐体と下部筐体とから構成されるものではなく、上部筐体と下部筐体の間に(防水性に難がある)結合のための継ぎ手を要しないので、携帯電子機器の防水性能が向上する。また、筐体の上面に形成された上面開口を通して、内部実装部品を筐体の内部に挿入実装して、その後に上面開口はシート状部材で覆蓋することができるので、一体的に形成されたフレームであっても携帯電子機器の容易に組み立てることができる。
【0067】
さて、携帯電話機1A、1Bを例にして、本発明の具体的実施態様を説明したが、これらは例示であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明は、特許請求の範囲で示された技術的思想の範囲において、自由に応用、変形あるいは改良して実施できる。
【0068】
例えば、上記実施形態において、合成樹脂を射出成型してケース7,78を形成にする例を示したが、本発明の筐体は射出成型によって成型されるものには限定されない。各種の加工手段、加工方法を選択して、本発明の筐体を製造することができる。また、合成樹脂は電磁波を透過するので、携帯電話機の筐体にとって最適な素材である。また、電磁波に対する透過性を要求されなければ、筐体の素材は合成樹脂には限定されない、例えば各種金属であってもよいし、樹脂と金属を複合した複合素材であってもよい。
【0069】
また、「上部筐体と下部筐体が一体に構成される」とは上部筐体と下部筐体が分離不能な状態で結合されていること、あるいは上部筐体と下部筐体の間に分離自在な継ぎ手が存在しないことを言う。また、筐体は、完成時において上部筐体と下部筐体が一体に構成されていれば十分であり、筐体を製造する途中のプロセスにおいて、上部筐体と下部筐体が分離していてもよい。例えば、上部筐体と下部筐体をそれぞれ別個に成型して、成型後に両者を、例えば接着や融着によって、分離不能に結合して製造された筐体も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0070】
上記実施形態に係る携帯電話機1A,1Bにおいては、通信アンテナ82及びTV用ロッドアンテナ80等がケース7,78の側面に設けられるものとして説明したが、本発明はこれらを備えるものに限定されない。例えば、赤外線センサその他の電子部品を側面に設けるようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施形態においては、筐体の一部に開口を備える例、つまり、ケース7に上面開口11、底面開口13あるいは側面開口20を備える例を示したが、これらの開口の一部あるいは全部がなくてもよい。あるいは、別の開口が追加されてもよい。
【0072】
また、上記実施形態において、本発明に係る筐体の例として、携帯電話機1Aの操作部3の外殻を構成するケース7を示したが、本発明の適用対象はケース7には限定されない。携帯電話機1Aの表示部2の外殻にも本発明を適用できる。
【0073】
また、第1の実施形態において、いわゆる折り畳み型の携帯電話端末(携帯電話機1A)を示し、第2の実施形態において、いわゆるストレート型の携帯電話端末(携帯電話機1B)を示したが、本発明の適用対象の携帯電話端末は、これらのタイプには限定されない。表示部と操作部がスライド可能に取り付けられた、いわゆるスライド式の携帯電話端末であっても、折り畳み用のヒンジ軸に加えて該折り畳み用のヒンジ軸に直交する反転用ヒンジ軸を備えて、表示部が該反転用ヒンジ軸に回りに回転するように構成された、いわゆる2軸ヒンジ型の携帯電話端末であってもよい。
【0074】
そもそも、本発明の適用対象は、携帯電話端末には限定されない。各種携帯電子機器、例えば、携帯電話、携帯情報端末、電子辞書、電子手帳、電子書籍、計算機、携帯型のパーソナルコンピュータなどの筐体に広く適用できる。
【0075】
また、上記実施形態において、内部実装部品の例として、回路基板8、キースイッチ基板9及び電池10を示したが、これらは例示であって、本発明の適用対象はこれらが実装される携帯電子機器には限定されない。内部実装部品とは、要するに、筐体の内部に実装されて、携帯電子機器を構成する部品である。部品の名称や機能は問われない。
【0076】
また、第1の実施形態に係る携帯電話機1Aにおいて、外面開口の例として、上面開口11を示したが、外面開口は、筐体の上面に設けられた開口には限定されない。筐体の底面や側面に外面開口を設けて、該外面開口をシート状部材で覆蓋してもよい。例えば、底面開口13や側面開口20を外面開口としてもよい。この変形については、第2の実施形態に係る携帯電話機1Bについても同様に適用できる。
【0077】
また、ケース7の横断面形を説明するに当たって、「上面」、「底面」の語を用いたが、これは説明の便宜のためであって、「上面」が常に「底面」よりも高い位置にあることを意味しない。本発明の技術的範囲の解釈においても同様である。例えば、図5を上下反転した構成、つまり、オーバーハング部が「底面」より低い位置にある構成が選ばれてもよい。要するに、ケースの横断面形が、全体として「C」字形を成していれば十分であり、「C」字形が、上下左右のいずれの方向に向いているかは問わない。
【0078】
また、第1の実施形態において、シート状部材の例としてキーシート12を示したが、本発明を構成するシート状部材はキーシート12には限定されない。シート状部材は筐体に設けた開口(上面開口11)を覆蓋できればよく、それ以外の機能は要求されない。また、シート状部材は柔軟性を備えていても良いし、固いものであってもよい。また、シート状部材を取り付ける筐体は、操作部3には限定されない。例えば、表示部2に開口を設けて、該開口を液晶ディスプレイ5で覆蓋するように構成すれば、液晶ディスプレイ5は本発明を構成するシート状部材として機能する。また、シート状部材は、全体としてほぼ平坦に構成されていればよいが、多少の凹凸が、つまり平面形の寸法に比べて小さい凹凸があってもよい。例えば、キーシート12の表面に機械式のボタンスイッチを模した凸部を構成しても良いし、文字や図形が凹凸で表現されてもよい。
【0079】
また、図面に示した携帯電話機1Aの形状や寸法は例示である。そもそも該図面は、携帯電話機1Aの機械的な構成を概念的に表示するものであって、現実の携帯電話機1Aの形状や寸法を正確に表示するものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、これらの形状や寸法によって限定されるものではない。
【0080】
なお、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0081】
(付記1)
外面の少なくとも一部を開放する外面開口を有し、回路基板を収容し、一体に構成される筐体と、
前記外面開口を覆蓋するシート状部材と、
使用者が操作する際に前記筐体における使用者に対向する面を正面とした場合に、前記正面に直交する側面に沿って配置されるアンテナと、を備える、
ことを特徴とする携帯電子機器。
【0082】
(付記2)
前記筐体は、内部空間への水の浸入を遮断する防水壁を有し、
前記アンテナは、前記防水壁を貫通して前記回路基板に接続される、
ことを特徴とする付記1に記載の携帯電子機器。
【0083】
(付記3)
前記筐体は、底面と、前記底面の端に配置されて前記底面に連続する一対の側面と、前記一対の側面それぞれの上端に配置されて前記各側面に連続する一対のオーバーハング部を有し、
前記一対のオーバーハング部の間に前記外面開口が形成されている、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の携帯電子機器。
【0084】
(付記4)
前記シート状部材は、前記筐体に接着されて、前記外面開口を水密に封止している、
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか1に記載の携帯電子機器。
【0085】
(付記5)
前記アンテナは、通話用及びデータ通信用アンテナ及びTV用アンテナの少なくともいずれか1つである、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1に記載の携帯電子機器。
【0086】
(付記6)
前記筐体は、底面と、前記筐体の内部に前記底面から立ち上がる突起部とを備え、
前記突起部は、前記筐体の他の部分とは別に成型されて、前記筐体の他の部分の成型後に前記底面に結合されて前記筐体内に形成される、
ことを特徴とする付記1乃至5のいずれか1に記載の携帯電子機器。
【0087】
(付記7)
前記筐体は、前記外面開口に対向するように他の面の一部が開放された他の開口を有し、
前記他の開口と前記外面開口の間にあって前記筐体の両側面を連結するダミーリブを備えて成型され、
前記ダミーリブは、前記筐体の成型後に切除される、
ことを特徴とする付記1乃至6のいずれか1に記載の携帯電子機器。
【0088】
(付記8)
前記アンテナの前記防水壁を貫通する部位と前記防水壁とに、パッキンが密着している、
ことを特徴とする付記2に記載の携帯電子機器。
【0089】
(付記9)
前記筐体内に設けられ、画像を撮像及び/又は映像を撮影するカメラと、
前記筐体に形成され前記カメラのレンズを露出する孔を前記筐体の外面から覆い、前記カメラの周囲空間を水密に封止する封止部材と、を更に備える、
ことを特徴とする付記1乃至8のいずれか1に記載の携帯電子機器。
【符号の説明】
【0090】
1A,1B 携帯電話機
2 表示部
3 操作部
4 回動軸
5 液晶ディスプレイ
6 操作入力キー
7 ケース(筐体)
7c オーバーハング部
8 回路基板
9 キースイッチ基板(シート状部材)
10 電池
11 上面開口(外面開口)
12 キーシート
13 底面開口(他の開口)
15 空間
16 防水両面テープ
17 ネジボス(突起部)
19 ダミーリブ
20 側面開口
21 溝
502 化粧板(封止部材)
60 配線
600,800 O−リング(パッキン)
76,77 防水壁
80 TV用ロッドアンテナ
82 通話用及びデータ通信用アンテナ
820 パッキン
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話、携帯情報端末、電子辞書、電子手帳、電子書籍、計算機、携帯型のパーソナルコンピュータ等の、各種の携帯通信機器や携帯情報機器である携帯電子機器が世間一般に普及している。また、これらの携帯電子機器は、カメラ、通話用及びデータ通信用アンテナ及びTV用ロッドアンテナ等を備え、カメラ撮像(撮影)機能、ワンセグ視聴機能や電磁データ送受信機能等の多機能を有するものが多くある。
【0003】
従来の携帯電子機器において、上部筐体(携帯電子機器の筐体の部分であって、使用者が携帯電子機器を操作する場合に、使用者と対面する面(以下、「上面」という)を含む部分を言う。なお、上部筐体には、一般に、携帯電子機器の操作入力装置(例えば、キーボード)や表示装置(例えば、液晶ディスプレイ)等が配置される)と、下部筐体(携帯電子機器の筐体の部分であって、前記上面と対向する面(以下、「底面」という)を含む部分、言い替えれば、携帯電子機器の筐体の部分であって、使用者が携帯電子機器を操作する場合に、使用者から見て裏側になる面を含む部分を言う)と、を別個に成型して、両者を結合して携帯電子機器の筐体を組み立てていた。
【0004】
例えば、特許文献1には、上部筐体と下部筐体とのはめ合いによって形成される内部空間に、アンテナその他の実装部品を保持する携帯端末装置の筐体構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−268154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された携帯端末装置の筐体(以下、「従来の筐体」という)は、上部筐体と下部筐体を締結するための締結要素(例えばビス)を必要とする。また、筐体を防水構造とするために上部筐体と下部筐体の間にゴムパッキン(又は樹脂パッキン)等を挟み込む必要がある。
【0007】
そのため、従来の筐体には、構成部品の点数が多く、組立工数が多いという問題があった。言うまでもないことだが、部品点数や工数の増加は、製造コストの上昇につながる。
【0008】
また、筐体の防水性を確保するために、ゴムパッキン等を圧縮して上部筐体と下部筐体を満遍なく密着させる必要がある。そのために、ゴムパッキン等が無い場合と比較して締結要素(ビス等)の点数が多くする必要があるため、部品点数や工数が更に増加する。
【0009】
本発明は以上のような背景に鑑みて成されたものであり、携帯電子機器の部品点数を少なくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る携帯電子機器は、
外面の少なくとも一部を開放する外面開口を有し、回路基板を収容し、一体に構成される筐体と、
前記外面開口を覆蓋するシート状部材と、
使用者が操作する際に前記筐体における使用者に対向する面を正面とした場合に、前記正面に直交する側面に沿って配置されるアンテナと、を備える、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、携帯電子機器の部品点数を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機を示す斜視図である。
【図2】携帯電話機を上側から示す分解斜視図である。
【図3】携帯電話機を下側から示す分解斜視図である。
【図4】携帯電話機を示す側面図である。
【図5】(A)は、図4に示された操作部のA−A’断面を示す図である。(B)は、図4に示された操作部のB−B’断面を示す図である。
【図6】操作部を下側から示す斜視図である。
【図7】(A)は、図6に示された操作部のI0断面を示す図である。(B)は、図6に示された操作部のII0断面を示す図である。(C)は、図6に示された操作部のIII0断面を示す図である。(D)は、図6に示された操作部のIV0断面を示す図である。
【図8】変形例1に係る操作部の断面を示す図である。
【図9】変形例2に係る操作部の断面を示す図である。
【図10】変形例3に係る操作部の断面を示す図である。
【図11】(A)は、変形例4に係る携帯電話機を示す側面図である。(B)は、(A)に示された操作部のC−C’断面を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機を上側から示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら説明する。
【0014】
<第1の実施形態>
図1に示された携帯電話機1Aは、本発明の第1の実施形態を示す携帯電子機器であり、表示部2と操作部3とからなる、いわゆる折り畳み型の携帯電話機である。また、表示部2と操作部3とは回動軸4を介して互いに連結されている。また、表示部2は、文字、図形、画像を表示する液晶ディスプレイ5を備えて、使用者に各種の情報を提示するモジュールである。操作部3は、操作入力キー6を備えて、使用者が携帯電話機1Aに対して各種の操作入力を行うモジュールである。
【0015】
次に、操作部3の各部品について、図2〜図5を参照して説明する。
【0016】
操作部3は、操作入力部として、ケース(筐体)7の上面(後述するオーバーハング部7cの上面)に貼り付けられるキーシート12、キーシート12の直下に設けられケース7内に収容されるキースイッチ基板(シート状部材)9及びケース7内に収容される回路基板8を備える。
【0017】
更に、操作部3は、各種機能を実行するものとして、カメラ50、TV用ロッドアンテナ80、通話用及びデータ通信用アンテナ82(以下、通話用アンテナ82と記載)、並びに携帯電話機1Aに電力を供給する電池10を備える。
【0018】
ケース7は、操作部3の外殻を構成する構造体、つまり筐体に相当するものである。詳細については後述するが、従来の筐体が上部筐体と下部筐体とが組み合わされて構成されていたのに対して、本実施形態におけるケース7は一体で形成されている。また、ケース7の端部にはヒンジ部40が形成されており、ヒンジ部40内に設けられた回転ヒンジ42及び回転軸4を中心に、表示部2と操作部3とが開閉する。また、ケース7は、後述する通話用アンテナ82を覆い、ケース7の側面上部に組み付けられヒンジ部40の一部を構成するアンテナカバー702を備える。
【0019】
キースイッチ基板9は、操作入力キー6を備えるキーシート12と組み合わされて操作入力部を構成するプリント回路基板であり、感圧センサを備える。つまり、操作入力キー6が押圧されると、キーシート12が変形し、キースイッチ基板9の感圧センサがそれを感知して、操作入力が行われる。
【0020】
キーシート12は、例えば、シリコンゴムやフッ素ゴムなどの防水性の素材で形成されたシートであり、操作入力キー6に押圧力が加わると変形して、その押圧力をキースイッチ基板9上の感圧センサに伝達する。一方、キーシート12は、押圧力が加わらない場合には所定の形状に保たれるような程度の適度な柔軟性を有する。
【0021】
また、操作入力キー6の表面には、図形あるいは文字が表示されており、操作入力キー6上の特定の図形・文字が表示された部位が押圧されると、当該図形・文字に対応する操作入力が回路基板8に搭載された図示せぬ制御部へと成されることとなる。
【0022】
回路基板8は、携帯電話機1Aに必要な電子回路が形成されたプリント回路基板である。
【0023】
カメラ50は、ケース7の底面に形成された孔72にレンズが対向するように、ケース7の内部に配設されている。
【0024】
TV用ロッドアンテナ80は、基端部を中心に折曲及び回転可能であり、長手方向に伸縮可能な構成を備え、使用者の使用状態に応じて変形可能であり、収縮した状態でケース7の側面に形成された溝74内に収納可能である。TV用ロッドアンテナ80は、図7(C)を参照して後述するが、基端部が防水壁77を貫通して回路基板8に接続される。
【0025】
通話用アンテナ82は、金属板から成り、図7(B)を参照して後述するが、基端部が防水壁76の一端部を貫通して回路基板8に接続され、ヒンジ部40の内部にヒンジ部40に沿うように配置される。なお、通話用アンテナ82は、無線特性上、使用者の手に触れないようにすることが好ましく、このため、アンテナカバー702に覆われて、外部に露出しないようにケース7内に配置される。
【0026】
配線60は、回路基板8と液晶ディスプレイ5に接続された表示基板(不図示)とを接続するもので、図7(D)を参照して後述するが、一端が防水壁76の他端部を貫通して回路基板8に接続され、ヒンジ部40の内部に回転軸4に沿うように配置され、表示部2内で表示基板(不図示)と接続されている。
【0027】
次に、操作部3を構成し上下一体として形成されたケース7及び各部品について、説明する。
【0028】
上述のように、操作部3のケース7の内部には、回路基板8、キースイッチ基板9及び電池10が実装されている。また、図5(A)に示すように、ケース7の上面の一部は、切り開かれた上面開口(外面開口)11が形成され、上面開口11はキーシート12で覆蓋されている。また、図5(B)に示すように、ケース7は、電池10の下方に位置するケース7の底面が切り開けられて形成された底面開口(他の開口)13を有する。底面開口13は電池蓋14で塞がれている。なお、ケース7と電池蓋14の端縁は、互いに嵌り合う向きで鉤状の断面を有するように形成されており、この端縁が互いに嵌合するようにして、ケース7に電池蓋14が固定されている。また、この端縁に沿って電池蓋14がスライドされることで、電池蓋14がケース7から取り外されることとなる。
【0029】
図5(A)及び(B)から明らかなように、ケース7は、上面(キーシート12が取り付けられた面)から底面(上面と対向する面)まで連続して、一体に構成されている。つまり、ケース7は、上部筐体と下部筐体とが分かれて構成される従来の筐体の構成とは異なるものである。さらに詳しく説明すると、ケース7の横断面形は、底面7aと、底面7aの両端に連続する側面7bと、側面7bの上部と連続して、上面の一部を構成するオーバーハング部7cを備えて構成されている。また、上面開口11は、左右のオーバーハング部7cの間に形成されている。
【0030】
このように、ケース7の横断面形は、オーバーハング部7cを含んで全体として「C」字形を成しているので、ケース7は曲げ剛性が高い。特に、オーバーハング部7cがケース7の曲げ剛性の向上に大きく寄与している。
【0031】
なお、ケース7の素材は合成樹脂(例えばABS樹脂)であり、射出成型によって形成される。また、射出成型に使用する金型は、スライド自在に取り付けられたスライド片(図示しない)を備える。このスライド片によって、底面7a、側面7b及びオーバーハング部7cで囲まれる空間15が形成される。スライド片は金型にスライド自在に取り付けられているので、スライド片は、空間15を形成後(ケース7を成型後)に側面7bから離れる方向(中央方向)にスライド移動させられ、上面開口11を通って上方に抜き取られる。このように、スライド片は、ケース7を成型後に、オーバーハング部7cと干渉せずに容易に取り外される。また、金型にスライド片を備えると、スライド片の位置に応じて側面7bの肉厚を容易に変更できるため、成型時にヒケ(凹み)が生じないような寸法に側面7bの肉厚を適切に設定することができる。
【0032】
また、キーシート12の下面の周縁部は、ケース7の上部に形成されたオーバーハング部7cの上面に、防水両面テープ16によって接着固定される。なお、防水両面テープ16は接着後に十分な水密性を有するものである。このように構成されるので、ケース7の上面開口11にキーシート12が接着されていることによって、ケース7内に水が浸入することが防がれる。
【0033】
次に、フレーム7を貫通する部位の防水構造について、図6及び図7を参照して説明する。
【0034】
まず、図6における矢印I方向でI0断面を示す図7(A)を参照して、カメラ50近傍の防水構造部について説明する。カメラ50近傍の防水構造部は、中央の開孔にアクリル板504が埋設された化粧板(封止部材)502と、化粧板502の下面(図7(A)に示された下面)の周縁とフレーム7の上面(図7(A)に示された上面)の孔72の周囲に貼り付けられる防水両面テープ500と、によって構成される。
【0035】
化粧板502は、アクリル板504がカメラ50のレンズ(不図示)に対向するように、防水両面テープ502によってフレーム7に取り付けられる。化粧板502とフレーム7とは、防水両面テープ502によって密着され、ケース7の内部及びカメラ50への水の浸入を防ぐ。このような、構成により、カメラ50を防水するために大きな筐体を取り付けることなく、防水両面テープ502を有する小さな化粧板502を取り付けることで容易に防水構造を備えさせることができる。
【0036】
次に、図6における矢印II方向でII0断面を示す図7(B)を参照して、通話用アンテナ82近傍の防水構造部について説明する。通話用アンテナ82自体は浸水しても不良が生じないが、フレーム7内に水が浸入するのを防ぐために、通話用アンテナ82における防水壁76を貫通する部位に防水構造を設ける必要がある。通話用アンテナ82近傍の防水構造部は、フレーム7の一部である防水壁76とアンテナ82とに密着するパッキン820によって構成され、ケース7内部への水の浸入が防がれる。
【0037】
次に、図6における矢印III方向でIII0断面を示す図7(C)を参照して、TV用ロッドアンテナ80近傍の防水構造部について説明する。TV用ロッドアンテナ80近傍の防水構造部は、フレーム7の一部である防水壁77の内面とTV用ロッドアンテナ80の外面とに密着するO−リング(パッキン)800によって構成される。
【0038】
TV用ロッドアンテナ80は、フレーム7側面に形成された溝74に対向する位置から差し込まれ、防水壁77を貫通して回路基板8に接続されている。この貫通部の外面と、防水壁77の内面との間にO−リング800が密着することで、ケース7内部への水の浸入を防ぐ。なお、TV用ロッドアンテナ80は、O−リング800を圧縮させ防水壁77に密着させた状態となるように、ネジ802にてケース7に固定される。
【0039】
次に、図6における矢印IV方向でIV0断面を示す図7(D)を参照して、配線60近傍の防水構造部について説明する。配線60自体は、絶縁性を有する合成樹脂チューブにその周囲を覆われており、このチューブによって通話用アンテナ82内部の導線は防水されている。よって、配線60自体は浸水しても不良が生じないが、フレーム7内に水が浸入するのを防ぐために、配線60における防水壁76を貫通する部位に防水構造を設ける必要がある。配線60近傍の防水構造部は、フレーム7の一部である防水壁76の内面と配線60の外面とに密着するO−リング(パッキン)600によって構成され、ケース7内部への水の浸入が防がれる。
【0040】
次に、図2及び図3を参照して、携帯電話機1Aの組立手順を説明し、これに伴って、防水機能を実現する構造について説明していく。
【0041】
表示部2と操作部3を繋ぐ配線60をヒンジ40側から差し込み、ケース7の防水壁76を貫通させ、回路基板8と接続する。このとき、O−リング600によって防水壁76の貫通穴が封止されることで、ケース7の内部へ水が浸入することが防がれる。
【0042】
次に、電池開口部70からケース7内に電池10を組み込んだ後、電池開口部70を覆うようにパッキン140が貼着された電池カバー14を取り付ける。このようにすると、パッキン140がケース7の底面に密着することで、電池開口部70からケース7の内部へ水が浸入することが防がれる。
【0043】
次に、回路基板8とキースイッチ基板9を組込んだ後、防水両面テープ16の上下面をキーシート12の下面の周縁とオーバーハング部7cの上面に貼り付ける。このようにすると、上面開口11からケース7の内部へ水が浸入することが防がれる。
【0044】
次に、アンテナカバー702を、通話用アンテナ82が配設されたケース7の開放部に取り付けることを最後に組立てが完了するが、通話用アンテナ82の収納部は浸水を許容しているため、アンテナカバー702は防水構造を持たない外装部品でも構わない。
【0045】
上記の構成を備える本実施形態にかかる携帯電話機1Aにおいては、操作部3が、上部筐体と下部筐体とによって構成された従来の筐体の構成と異なり、一体的に構成されているため、容易に組立て可能であり、ケース7の製造工数及び携帯電話機1Aの組立工数を少なくすることができる。そのため、携帯電話機1Aの製造コストを減少させることができる。また、上部筐体と下部筐体が一体に構成されているので、ケース7を軽量かつ高強度に構成することができる。
【0046】
更に、ケース7が、上部筐体と下部筐体とに分かれた従来の筐体の構成とは異なり、一体で形成されているため、上部筐体と下部筐体との間に防水構造を備える必要がそもそも生じない。つまり、それ以外のケース7の内部に通じる部位(カメラ50近傍、通話用アンテナ82近傍、TV用ロッドアンテナ80近傍及び配線60近傍)のみに防水構造を備えるようにすればよい。よって、ケース7が一体であるため部品を削減でき、上部筐体と下部筐体との防水のためにパッキンを設ける必要がなく、防水箇所が少ないために防水性を高めることができる。
【0047】
更に、従来の筐体は、上部筐体と下部筐体とに分かれていたため、上部筐体と下部筐体のそれぞれの突き合わせ部が、パッキンを挟み込み(保持)可能な形状(例えば溝形の形状)を有する必要があった。そして、所定の容積を保ち、かかる構造を備えるようにすると、各筐体が厚くなることによって筐体の外形が大きくなるという問題もあった。対して、本発明によれば、この必要が無いため、ケース7を薄くすることができる。また、ケース7を成形する型を単純化でき、型の製造コストが減少できる。
【0048】
また、TV用ロッドアンテナ80、通話用アンテナ82及び表示部2と操作部3を繋ぐ配線60の各部品自体は水に濡れる事の性能劣化が無いため、浸水部に当たる位置に配置することができる。
【0049】
また、上部筐体と下部筐体の間にゴムパッキン等を挟む必要がないので、経年劣化したゴムパッキン等を交換する煩わしさがない。
【0050】
更に、通話用アンテナ82、TV用ロッドアンテナ80及び配線60は、ケース7の底面(下面)に配置されるものではなく、ケース7の側面に配置されている。このため、ケース7の底面を(カメラ50用の化粧板502を除いて)平坦にすることができ、各種デザインを施すキャンバスとして、ケース7の底面を好適に利用することが可能となる。また、ケース7の底面の滑らかな手触り感を使用者に付与することができ、操作感を良好にすることができる。更に、携帯電話機のバリエーションの一つとなり、使用者が購入する際の選択枝の一つとなり得る。結果として、使用者の購買意欲を高めることになる。
【0051】
なお、ケース7の底面から突出しているのは、カメラ50を防水するための化粧板502のみである。これは、カメラ50の使用状態においてカメラ50のレンズがケース7の底面から外に向くようにするのが適当であるため、化粧板502はケース7の底面に配置されることとなる。
【0052】
(変形例1)
図8に示すように、ケース7の内部に、ネジボス(突起部)17を底面7aから突出させて、回路基板8を挟み込むようにビス18をネジボス17に螺合して、回路基板8をケース7に固定するようにしてもよい。ネジボス17はケース7の本体部分、つまりネジボス17以外の部分とは別に成型されて、成型後にケース7の底面7a上に溶着して固定される。これは、前述したスライド片とネジボス17とが配置的に干渉するため、空間15(図5(A)参照)の形成することが困難であり、ネジボス17とケース7の本体部分とを同時に成形することが困難であるためである。
【0053】
(変形例2)
また、図5(B)に示した横断面では、ケース7を成型用の金型(図示しない)から押し出すインジェクションピン(図示しない)を押し当てるのに適当な部位がないので、ケース7を金型から取り出し難いことがある。そこで、図9に示すように、上面開口11と底面開口13の間に、ダミーリブ19が形成されている構成を採用し、インジェクションピンをダミーリブ19に押し当てて取り出すようにすればよい。なお、ダミーリブ19の両端はケース7の側面7bの内側に結合されており、ケース7を成型用の金型から取り出した後で、ダミーリブ19の破線で示される部分は切断除去される。なお、ダミーリブ19の前記部分を切除した後に残る切り残し部19aの大きさを考慮してケース7を設計すれば、つまり、切り残し部19aがあってもケース7の内部に必要な容積が確保されるようにケース7を設計すれば、仕上げ加工(例えば、研削加工)を行って、切り残し部19bを除去する必要がなくなる。
【0054】
(変形例3)
あるいは、図10に示すように、ケース7が、側面7bの一部が切り開けられて形成された側面開口20を有するようにしても良い。側面開口20は、例えば、回路基板8上の外部インターフェイス(不図示)に接続されるケーブル(不図示)等を通す開口であって、ケーブル等を通さないときは、目隠しカバー21で閉塞される。なお、側面7bはケース7の成型時にヒケ(凹み)が生じやすい部位であり、このような部位に側面開口20を設けると、ヒケ(凹み)が生じる部位がなくなるのでケース7の見栄えが良くなる。
【0055】
(変形例4)
また、あるいは、図11(A)及び(B)に示すように、ケース7が、側面7bに形成された溝21を有するようにしても良い。溝21を備えることによって、側面7bの高さ、つまりケース7の厚みが、(視覚的に)分割されるので、ケース7が薄く見え、見栄えが良くなる。更に、溝21によって、使用者がケース7を持ちやすくなる。
【0056】
<第2の実施形態>
図12に示された携帯電話機1Bは、本発明の第2の実施形態を示す携帯電子機器であり、スマートフォンのような一体型(ストレート型)の携帯端末に適用したものである。
【0057】
携帯電話機1Bは、その基本的構成については第1の実施形態に係る携帯電話機1Aと変わらないが、携帯電話機1Aとは異なり表示筐体と操作筐体とが分かれていない一体型(ストレート型)であるため、ヒンジ部が存在せず、ヒンジ部内に設けられ表示部と操作部とを繋ぐ配線も設けられていない。なお、以下において、第2の実施形態に係る携帯電話機1Bの特徴を明確にするため、第1の実施形態に係る携帯電話機1Aの備える特徴と重複する特徴については説明を概ね省略する。つまり、特に説明がない限り、携帯電話機1Bの構成部品は、携帯電話機1Aと同様の構成部品である。
【0058】
携帯電話機1Bは、ケース78、液晶ディスプレイ5、タッチパネル90、回路基板8、TV用ロッドアンテナ80、通話用アンテナ82及びカメラ50を有する表示・操作部22を備えている。
【0059】
ケース78は、通話用アンテナ82を覆いケース78の側面上部に面一に組み付けられる平板状のアンテナカバー703を備える。
【0060】
液晶ディスプレイ5とタッチパネル90とは、回路基板8に接続されるフレキケーブル62とフレキケーブル64とを夫々備えている。また、タッチパネル90と回路基板8との間に、携帯電話機1Bの剛性を上げる目的でフレーム92が組み込まれている。カメラ50及びTV用ロッドアンテナ80は、第1の実施形態に係る携帯電話機1Aと同様に、ケース78に組み込まれる。なお、通話用アンテナ82は、基端部がケース78の側面に設けられた防水壁760を貫通して、回路基板8に接続され、ケース78の側面に沿うようにケース78の内部に配置される。
【0061】
表示・操作部22における液晶ディスプレイ5の外縁の下面に貼り付けられた防水両面テープ16がオーバーハング部7cの上面に貼り付けられることで、携帯電話機1Bの上面からケース78内部への水の浸入が防がれる。
【0062】
アンテナカバー703を通話用アンテナ82が配設されたケース78の開放部に取り付けることを最後に組立てが完了するが、通話用アンテナ82の収納部は浸水を許容しているため、アンテナカバー703は防水構造を持たない外装部品でもよい。
【0063】
操作部3は、操作入力部として、ケース7の上面(の後述するオーバーハング部7cの上面)に貼り付けられるキーシート12、キーシート12の直下に設けられケース7内に収容されるキースイッチ基板9及びケース7内に収容される回路基板8を備える。
【0064】
更に、操作部3は、各種機能を実行するものとして、カメラ50、TV用ロッドアンテナ80、通話用及びデータ通信用アンテナ82(以下、通話用アンテナ82と記載)、並びに携帯電話機1Aに電力を供給する電池10を備える。
【0065】
上記の構成を備える第2の実施形態に係るストレート型の携帯電話機1Bについても、フレーム78が上部筐体と下部筐体とから成る従来の筐体とは異なるため、第1の実施形態に係る折り畳み型の携帯電話機1Aと同様の効果を奏することができる。
【0066】
以上、説明したように、本発明によれば、携帯電子機器の操作部のフレームは、上部筐体と下部筐体とから構成されるものではなく、上部筐体と下部筐体の間に(防水性に難がある)結合のための継ぎ手を要しないので、携帯電子機器の防水性能が向上する。また、筐体の上面に形成された上面開口を通して、内部実装部品を筐体の内部に挿入実装して、その後に上面開口はシート状部材で覆蓋することができるので、一体的に形成されたフレームであっても携帯電子機器の容易に組み立てることができる。
【0067】
さて、携帯電話機1A、1Bを例にして、本発明の具体的実施態様を説明したが、これらは例示であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明は、特許請求の範囲で示された技術的思想の範囲において、自由に応用、変形あるいは改良して実施できる。
【0068】
例えば、上記実施形態において、合成樹脂を射出成型してケース7,78を形成にする例を示したが、本発明の筐体は射出成型によって成型されるものには限定されない。各種の加工手段、加工方法を選択して、本発明の筐体を製造することができる。また、合成樹脂は電磁波を透過するので、携帯電話機の筐体にとって最適な素材である。また、電磁波に対する透過性を要求されなければ、筐体の素材は合成樹脂には限定されない、例えば各種金属であってもよいし、樹脂と金属を複合した複合素材であってもよい。
【0069】
また、「上部筐体と下部筐体が一体に構成される」とは上部筐体と下部筐体が分離不能な状態で結合されていること、あるいは上部筐体と下部筐体の間に分離自在な継ぎ手が存在しないことを言う。また、筐体は、完成時において上部筐体と下部筐体が一体に構成されていれば十分であり、筐体を製造する途中のプロセスにおいて、上部筐体と下部筐体が分離していてもよい。例えば、上部筐体と下部筐体をそれぞれ別個に成型して、成型後に両者を、例えば接着や融着によって、分離不能に結合して製造された筐体も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0070】
上記実施形態に係る携帯電話機1A,1Bにおいては、通信アンテナ82及びTV用ロッドアンテナ80等がケース7,78の側面に設けられるものとして説明したが、本発明はこれらを備えるものに限定されない。例えば、赤外線センサその他の電子部品を側面に設けるようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施形態においては、筐体の一部に開口を備える例、つまり、ケース7に上面開口11、底面開口13あるいは側面開口20を備える例を示したが、これらの開口の一部あるいは全部がなくてもよい。あるいは、別の開口が追加されてもよい。
【0072】
また、上記実施形態において、本発明に係る筐体の例として、携帯電話機1Aの操作部3の外殻を構成するケース7を示したが、本発明の適用対象はケース7には限定されない。携帯電話機1Aの表示部2の外殻にも本発明を適用できる。
【0073】
また、第1の実施形態において、いわゆる折り畳み型の携帯電話端末(携帯電話機1A)を示し、第2の実施形態において、いわゆるストレート型の携帯電話端末(携帯電話機1B)を示したが、本発明の適用対象の携帯電話端末は、これらのタイプには限定されない。表示部と操作部がスライド可能に取り付けられた、いわゆるスライド式の携帯電話端末であっても、折り畳み用のヒンジ軸に加えて該折り畳み用のヒンジ軸に直交する反転用ヒンジ軸を備えて、表示部が該反転用ヒンジ軸に回りに回転するように構成された、いわゆる2軸ヒンジ型の携帯電話端末であってもよい。
【0074】
そもそも、本発明の適用対象は、携帯電話端末には限定されない。各種携帯電子機器、例えば、携帯電話、携帯情報端末、電子辞書、電子手帳、電子書籍、計算機、携帯型のパーソナルコンピュータなどの筐体に広く適用できる。
【0075】
また、上記実施形態において、内部実装部品の例として、回路基板8、キースイッチ基板9及び電池10を示したが、これらは例示であって、本発明の適用対象はこれらが実装される携帯電子機器には限定されない。内部実装部品とは、要するに、筐体の内部に実装されて、携帯電子機器を構成する部品である。部品の名称や機能は問われない。
【0076】
また、第1の実施形態に係る携帯電話機1Aにおいて、外面開口の例として、上面開口11を示したが、外面開口は、筐体の上面に設けられた開口には限定されない。筐体の底面や側面に外面開口を設けて、該外面開口をシート状部材で覆蓋してもよい。例えば、底面開口13や側面開口20を外面開口としてもよい。この変形については、第2の実施形態に係る携帯電話機1Bについても同様に適用できる。
【0077】
また、ケース7の横断面形を説明するに当たって、「上面」、「底面」の語を用いたが、これは説明の便宜のためであって、「上面」が常に「底面」よりも高い位置にあることを意味しない。本発明の技術的範囲の解釈においても同様である。例えば、図5を上下反転した構成、つまり、オーバーハング部が「底面」より低い位置にある構成が選ばれてもよい。要するに、ケースの横断面形が、全体として「C」字形を成していれば十分であり、「C」字形が、上下左右のいずれの方向に向いているかは問わない。
【0078】
また、第1の実施形態において、シート状部材の例としてキーシート12を示したが、本発明を構成するシート状部材はキーシート12には限定されない。シート状部材は筐体に設けた開口(上面開口11)を覆蓋できればよく、それ以外の機能は要求されない。また、シート状部材は柔軟性を備えていても良いし、固いものであってもよい。また、シート状部材を取り付ける筐体は、操作部3には限定されない。例えば、表示部2に開口を設けて、該開口を液晶ディスプレイ5で覆蓋するように構成すれば、液晶ディスプレイ5は本発明を構成するシート状部材として機能する。また、シート状部材は、全体としてほぼ平坦に構成されていればよいが、多少の凹凸が、つまり平面形の寸法に比べて小さい凹凸があってもよい。例えば、キーシート12の表面に機械式のボタンスイッチを模した凸部を構成しても良いし、文字や図形が凹凸で表現されてもよい。
【0079】
また、図面に示した携帯電話機1Aの形状や寸法は例示である。そもそも該図面は、携帯電話機1Aの機械的な構成を概念的に表示するものであって、現実の携帯電話機1Aの形状や寸法を正確に表示するものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、これらの形状や寸法によって限定されるものではない。
【0080】
なお、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0081】
(付記1)
外面の少なくとも一部を開放する外面開口を有し、回路基板を収容し、一体に構成される筐体と、
前記外面開口を覆蓋するシート状部材と、
使用者が操作する際に前記筐体における使用者に対向する面を正面とした場合に、前記正面に直交する側面に沿って配置されるアンテナと、を備える、
ことを特徴とする携帯電子機器。
【0082】
(付記2)
前記筐体は、内部空間への水の浸入を遮断する防水壁を有し、
前記アンテナは、前記防水壁を貫通して前記回路基板に接続される、
ことを特徴とする付記1に記載の携帯電子機器。
【0083】
(付記3)
前記筐体は、底面と、前記底面の端に配置されて前記底面に連続する一対の側面と、前記一対の側面それぞれの上端に配置されて前記各側面に連続する一対のオーバーハング部を有し、
前記一対のオーバーハング部の間に前記外面開口が形成されている、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の携帯電子機器。
【0084】
(付記4)
前記シート状部材は、前記筐体に接着されて、前記外面開口を水密に封止している、
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか1に記載の携帯電子機器。
【0085】
(付記5)
前記アンテナは、通話用及びデータ通信用アンテナ及びTV用アンテナの少なくともいずれか1つである、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1に記載の携帯電子機器。
【0086】
(付記6)
前記筐体は、底面と、前記筐体の内部に前記底面から立ち上がる突起部とを備え、
前記突起部は、前記筐体の他の部分とは別に成型されて、前記筐体の他の部分の成型後に前記底面に結合されて前記筐体内に形成される、
ことを特徴とする付記1乃至5のいずれか1に記載の携帯電子機器。
【0087】
(付記7)
前記筐体は、前記外面開口に対向するように他の面の一部が開放された他の開口を有し、
前記他の開口と前記外面開口の間にあって前記筐体の両側面を連結するダミーリブを備えて成型され、
前記ダミーリブは、前記筐体の成型後に切除される、
ことを特徴とする付記1乃至6のいずれか1に記載の携帯電子機器。
【0088】
(付記8)
前記アンテナの前記防水壁を貫通する部位と前記防水壁とに、パッキンが密着している、
ことを特徴とする付記2に記載の携帯電子機器。
【0089】
(付記9)
前記筐体内に設けられ、画像を撮像及び/又は映像を撮影するカメラと、
前記筐体に形成され前記カメラのレンズを露出する孔を前記筐体の外面から覆い、前記カメラの周囲空間を水密に封止する封止部材と、を更に備える、
ことを特徴とする付記1乃至8のいずれか1に記載の携帯電子機器。
【符号の説明】
【0090】
1A,1B 携帯電話機
2 表示部
3 操作部
4 回動軸
5 液晶ディスプレイ
6 操作入力キー
7 ケース(筐体)
7c オーバーハング部
8 回路基板
9 キースイッチ基板(シート状部材)
10 電池
11 上面開口(外面開口)
12 キーシート
13 底面開口(他の開口)
15 空間
16 防水両面テープ
17 ネジボス(突起部)
19 ダミーリブ
20 側面開口
21 溝
502 化粧板(封止部材)
60 配線
600,800 O−リング(パッキン)
76,77 防水壁
80 TV用ロッドアンテナ
82 通話用及びデータ通信用アンテナ
820 パッキン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面の少なくとも一部を開放する外面開口を有し、回路基板を収容し、一体に構成される筐体と、
前記外面開口を覆蓋するシート状部材と、
使用者が操作する際に前記筐体における使用者に対向する面を正面とした場合に、前記正面に直交する側面に沿って配置されるアンテナと、を備える、
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記筐体は、内部空間への水の浸入を遮断する防水壁を有し、
前記アンテナは、前記防水壁を貫通して前記回路基板に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記筐体は、底面と、前記底面の端に配置されて前記底面に連続する一対の側面と、前記一対の側面それぞれの上端に配置されて前記各側面に連続する一対のオーバーハング部を有し、
前記一対のオーバーハング部の間に前記外面開口が形成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記シート状部材は、前記筐体に接着されて、前記外面開口を水密に封止している、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記アンテナは、通話用及びデータ通信用アンテナ及びTV用アンテナの少なくともいずれか1つである、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記筐体は、底面と、前記筐体の内部に前記底面から立ち上がる突起部とを備え、
前記突起部は、前記筐体の他の部分とは別に成型されて、前記筐体の他の部分の成型後に前記底面に結合されて前記筐体内に形成される、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記筐体は、前記外面開口に対向するように他の面の一部が開放された他の開口を有し、
前記他の開口と前記外面開口の間にあって前記筐体の両側面を連結するダミーリブを備えて成型され、
前記ダミーリブは、前記筐体の成型後に切除される、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記アンテナの前記防水壁を貫通する部位と前記防水壁とに、パッキンが密着している、
ことを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
前記筐体内に設けられ、画像を撮像及び/又は映像を撮影するカメラと、
前記筐体に形成され前記カメラのレンズを露出する孔を前記筐体の外面から覆い、前記カメラの周囲空間を水密に封止する封止部材と、を更に備える、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項1】
外面の少なくとも一部を開放する外面開口を有し、回路基板を収容し、一体に構成される筐体と、
前記外面開口を覆蓋するシート状部材と、
使用者が操作する際に前記筐体における使用者に対向する面を正面とした場合に、前記正面に直交する側面に沿って配置されるアンテナと、を備える、
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記筐体は、内部空間への水の浸入を遮断する防水壁を有し、
前記アンテナは、前記防水壁を貫通して前記回路基板に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記筐体は、底面と、前記底面の端に配置されて前記底面に連続する一対の側面と、前記一対の側面それぞれの上端に配置されて前記各側面に連続する一対のオーバーハング部を有し、
前記一対のオーバーハング部の間に前記外面開口が形成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記シート状部材は、前記筐体に接着されて、前記外面開口を水密に封止している、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記アンテナは、通話用及びデータ通信用アンテナ及びTV用アンテナの少なくともいずれか1つである、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記筐体は、底面と、前記筐体の内部に前記底面から立ち上がる突起部とを備え、
前記突起部は、前記筐体の他の部分とは別に成型されて、前記筐体の他の部分の成型後に前記底面に結合されて前記筐体内に形成される、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記筐体は、前記外面開口に対向するように他の面の一部が開放された他の開口を有し、
前記他の開口と前記外面開口の間にあって前記筐体の両側面を連結するダミーリブを備えて成型され、
前記ダミーリブは、前記筐体の成型後に切除される、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記アンテナの前記防水壁を貫通する部位と前記防水壁とに、パッキンが密着している、
ことを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
前記筐体内に設けられ、画像を撮像及び/又は映像を撮影するカメラと、
前記筐体に形成され前記カメラのレンズを露出する孔を前記筐体の外面から覆い、前記カメラの周囲空間を水密に封止する封止部材と、を更に備える、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−74343(P2013−74343A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209959(P2011−209959)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】
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