説明

携帯電話機によるトイレ音消しシステム

【課題】
着信あるいは発信により、トイレルーム内で携帯電話機による通話が行われていること検知して音楽等の背景音を流すトイレシステムを提供する。
【解決手段】
携帯電話機100は、着信・発信等の携帯電話の機能を実行する携帯電話制御部101、通話の開始・継続・終了を監視する通話監視部102、ブルートゥース部104、トイレルーム装置に背景音の再生の開始及び終了を指示する背景音制御部103とから構成されている。トイレルーム装置110はトイレルーム内に設置されるものであり、ブルートゥース部113、携帯電話機100の存在を判別すると共に、携帯電話機100からの指示を実行するトイレルーム制御部111、背景音を記憶する背景音記憶部114、トイレルーム制御部111の指示により背景音記憶部114から背景音のデータを読み出し音声信号に変換してスピーカ115から出力する背景音発生部112から構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機による通話中にトイレルーム内の騒音を消音し、又は爽やかな音楽や擬音を背景音として発生させる携帯電話機によるトイレ音消しシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
トイレの使用中に発生する音を消音あるいは音楽等によりマスキングして、使用者の気分を和らげる装置が提供されている。トイレルーム内に音楽、自然音等を背景音としてスピーカより出力して、トイレの使用による音をマスキングする技術文献には、例えば特開平9−125492号公報、特開2002−302984号公報がある。
これらの公報には、トイレルーム内に人が居ることを赤外線等により検知する人体検知センサと、音楽等の背景音のデータを記憶する外部記憶装置と、外部記憶装置に記憶された背景音のデータを出力するスピーカをトイレルーム内に設置し、人体検知センサがトイレルーム内に人が居ることを検知することにより、外部記憶装置に記憶された背景音のデータを音声に変換してスピーカから出力し、人がトイレルームから退室したことにより、体検知センサの人の検知信号が無くなったことに応答して、スピーカから出力する背景音を停止させる技術が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平9−125492号公報
【特許文献2】特開2002−302984号公報
【非特許文献1】モバイルコンピューティング推進コンソーシアム MCPC BT Watch for Mobile Phone Technical Reference Ver1.0 (2005年9月8日)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1あるいは特許文献2に開示される技術は、いずれも人がトイレルームに入ったことを検知して背景音の再生を開始する。従って、利用者が背景音を望まない等、背景音の再生が不必要な場合であっても自動的に実行され、利用者が不快に感じる場合がある。しかし、通常は背景音を望まない利用者がであっても、トイレルーム内で携帯電話機を使用する場合は、通話相手に対する気配りから、あるいは利用自身の心理的な影響をやわらげるために、トイレ音の消音、あるいは背景音の再生が望ましい場合がある。
【0005】
本発明は、トイレルーム内で携帯電話機による通話が行われていること検知して、トイレの不快音を消音する、あるいは音楽等の背景音をトイレルーム内流す、あるいは通話音に被せて相手方に送信するトイレシステムを提供するものである。また、本発明は、利用者が背景音の中止を指示したこと、携帯電話機による通話が終了したこと、あるいは通話中の携帯電話機がトイレルームから退出したことを検知して消音動作あるいは背景音の発生を中止するトイレシステムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
音楽等の背景音を再生する本発明の構成は、(1)トイレルーム内で携帯電話機による通話が行われていることを検知する手段と、(2)通話が行われていることを検知したことに応答して音楽等の背景音を再生する等、音消し動作を実行する手段と、(3)トイレルーム内での通話が終了した等を検知して音消し動作を終了する手段とから構成されている。
(1) トイレルーム内には例えば便座に設けられ、トイレルーム内に背景音を流す等の制御を実行するトイレルーム装置が設けられている。トイレルーム内の携帯電話機はトイレルーム装置と近距離通信手段よりによりリンクされる。近距離通信手段は1メートルないし数メートルの有効距離内の複数の装置が相互の確認を行い、通信を行うものであり、例えば下記の形式が採用可能である。
(1-1)携帯電話機とトイレルーム内の制御装置の間の接続認証をリンクキー等によりペアリングして行う方法、例えばブルートゥース(Bluetooth)を用いる方法。
(1-2)接続認証を行わない無線方式による方法。
【0007】
(2) トイレルーム内の携帯電話機が通話状態にあることを検知した時、音消しのための背景音の再生を行う。背景音を再生する形態には下記の形態が考えられる。
(2-1)背景音のデータと背景音の再生手段をトイレルーム内、例えばトイレ(便座)に設置する構成。携帯電話機による通話を検知したトイレルーム装置の制御部は、トイレルーム装置に予め記憶されている背景音を再生しトイレルーム内に流す。
(2-2)背景音を携帯電話機からトイレルーム装置に転送し、トイレルーム装置により再生する構成。トイレルーム内の携帯電話機が通話を開始すると、携帯電話機の制御部は携帯電話機内に記憶されている背景音データを直接、あるいは背景音データを音声に変換して、トイレルーム装置に転送する。トイレルーム装置は転送された背景音データを音声に変換して、あるいは転送された背景音の音声をトイレルーム内に流す。
(2-3)携帯電話機内に記憶された音楽等を携帯電話機が再生し、携帯電話機内で通話音とミキシングして通話者に送信するする構成。トイレルーム内であることを検知した携帯電話機が通話を開始すると、携帯電話機内に記憶されている背景音を自身が持つ音声再生手段により再生し、再生音を通話音にミキシングして被せ、通話者に送信する。
【0008】
(3) 携帯電話機が特定の状態になると背景音の再生を終了する。背景音の再生を終了する条件とその制御には、例えば下記の3つがある。
(3-1)携帯電話機による通話が終了した時、通話の終了を検出して背景音の出力を終了する。
(3-2)通話中であっても、携帯電話機の使用者が携帯電話機あるいはトイレルーム装置に設けられている背景音中止スイッチを操作した時、背景音の出力を終了する。
(3-3)通話中であっても、携帯電話機の使用者がトイレルームから退出した時背景音の出力を終了する。
【0009】
本発明の第1、第3、第5、及び第7の実施形態は、携帯電話機とトイレルーム装置の間のリンクにブルートゥースを用いる構成である。
携帯電話機内のブルートゥースとトイレルーム装置のブルートゥースのペアリングは、通常のブルートゥース接続手順に従って行われる。 (非特許文献1:モバイルコンピューティング推進コンソーシアム MCPC BT Watch for Mobile Phone Technical Reference Ver1.0 (2005年9月8日)参照)。その概要は以下の通りである。
【0010】
1.一方の機器を「探索(発見)可能状態」に設定する。
2.他方の機器から「探索(発見)操作」を行う。
3.探索可能状態にある周囲のブルートゥース機器の一覧が提示されるので、その中から所望の接続相手を指定する。
4.双方に同一のパスキー(認証鍵、PINともいう)を入力する。
ブルートゥースには伝送路の劣化からマスターとスレーブが通信不可能な状況に陥ることがある。このため、通信リンク監視用のタイマーが定義され、通信が監視されている。
【0011】
本件発明の一部の実施形態では携帯電話機がトイレルーム内に位置することを検知し、携帯電話機とトイレルーム装置をリンクする手段としてブルートゥースを用いる。これらの実施形態では、トイレルーム装置内のブルートゥース部は「探索(発見)可能状態」に設定されている。また、携帯電話機はリンク相手のブルートゥースを探索(発見)する操作を所定時間毎に常時実行するように設定されている。利用者が携帯電話機をトイレルーム内に持ち込むと携帯電話機のブルートゥース部が実行する「探索(発見)操作」によりトイレルーム内のブルートゥースが認知され、両者のペアリングが行われる。
ペアリングの方法には、利用者がトイレルーム内で携帯電話機による着信、あるいは発信動作を開始した時に「探索(発見)操作」を開始する構成も可能である。この形式は、利用者が着信あるいは発信動作を行うと、携帯電話機のブルートゥース制御部は「探索(発見)操作」を開始し、発見されたトイレルーム内のブルートゥース制御部とペアリングを行う。何れの形式であっても、携帯電話機の通話が実際に開始された時点では、既に両者のペアリングによるリンクは確立されている。
【0012】
図1は、本発明に係るトイレ音消しシステムの第1の実施形態を示す図である。
携帯電話機100は、着信・発信等の通常の携帯電話の機能を実行する携帯電話制御部101と、携帯電話制御部101が着信あるいは発信を開始したこと、及び、通話が継続しているか、終了したかを監視する通話監視部102と、ブルートゥース部104と、ブルートゥース部104を介してトイレルーム装置に背景音の再生の開始及び終了を指示する背景音制御部103とから構成されている。
トイレルーム装置110は、トイレルーム内に、例えば便座に設置されるものであり、ブルートゥース部113と、ブルートゥース部113のリンク状態から携帯電話機100の存在を判別すると共に、携帯電話機100からの指示を実行するトイレルーム制御部111と、背景音を記憶する背景音記憶部114と、トイレルーム制御部111の指示により背景音記憶部114から背景音のデータを読み出し音声信号に変換してスピーカ115から出力する背景音発生部112から構成されている。
【0013】
図2は第1の実施形態においてトイレルーム内の携帯電話機100に着信があり、利用者が着信に応答した時に行われる携帯電話機100とトイレルーム装置110の処理フローの図である。
ステップ201:トイレルーム内の携帯電話機100に着信がある。
ステップ202:利用者が応答ボタンを押下し、オフフックする。携帯電話機100が対応するトイレルーム内に在れば、携帯電話機100のブルートゥース部104とトイレルーム装置のブルートゥース部とのペアリングは通話を開始する時までに確立される。
ステップ203:携帯電話制御部101を監視し、着信に対してオフフックされたことを検出した通話監視部102は、ブルートゥース部104が音消し機能を有するトイレルーム装置とペアリングしているか否かを判別する。
ステップ204:対応するトイレルーム装置とペアリングしていない場合はステップ205に進む。対応するトイレルーム装置が存在した時はステップ206に進む。
ステップ205:携帯電話機100は背景音の処理を中止し、通常の通話処理のみを行う。
ステップ206:携帯電話機100は通常の通話処理行うと同時に、背景音制御部103を制御し、ブルートゥース部104を介してトイレルーム装置110に音消しのための背景音の再生を指示する。
ステップ207:トイレルーム装置110のブルートゥース部113を介して携帯電話機100から背景音を再生する指示を受信したトイレルーム制御部111は、背景音発生部112に背景音の出力を指示する。
ステップ208:背景音発生部112は背景音記憶部114から背景音のデータを読み出し音声に変換してスピーカ115から出力する。
【0014】
図2は、トイレルーム内の携帯電話機100に着信が在ったことに応答して、トイレルーム装置110に背景音の再生を指示する構成である。しかし、利用者がトイレルーム内の携帯電話機100から発呼した時にもトイレルーム装置110に背景音の再生を指示する構成とすることが可能である。この場合、通話監視部102の処理には、ステップ201及びステップ202に加え、携帯電話制御部101が発呼したことを検知してステップ203に進む過程が追加される。
【0015】
図3−1と図3−2は、第1の実施形態において各々携帯電話機100とトイレルーム装置110が、背景音の出力を終了する時に実行する処理のフロー図である。
図3−1に示される携帯電話機100の終了処理フローは以下の通りである。
ステップ211:図2のステップ206に対応する。通話を開始した携帯電話機100はペアリングしているトイレルーム装置110に背景音の再生を指示する。
ステップ212:通話監視部102は携帯電話制御部101を検査し通話が行われているか否かを判別する。通話監視部102が、携帯電話機100がオンフックされたこと、あるいは接続先が通話を終了したことを検知するとステップ215に進む。通話が継続されている場合はステップ213に進み次の条件を判別する。
ステップ213:通話監視部102はブルートゥース部104を検査し、トイレルーム装置110とのリンクは維持されているか否かを判別する。利用者がトイレルームから退出するとトイレルーム装置110とのリンクは切れる。通話監視部102がブルートゥース部104とトイレルーム装置110とのリンクが切断されたことを検知するとステップステップ216に進み、背景音に関する処理を終了する。
ステップ214:通話監視部102はブルートゥース部104を検査し、トイレルーム装置110からの電波の強度を調べる。用者がトイレルームから退出しトイレルーム装置110との距離が大きくなると受信する電波が弱くなる。受信電波の強度が所定値以下となった時は、利用者はトイレルームを退出したと考えられるため、ステップ215に進み終了処理を行う。背景音を終了すべき条件が成立しなかった時は、ステップ212に戻る。
ステップ215:通話監視部102は背景音制御部103を制御し、背景音の中止を指示する。この指示を受けた背景音制御部103はブルートゥース部104を介してトイレルーム装置110に背景音の中止を指示する。
ステップ216:通話監視部102は背景音に関する処理を終了し、通常の待ち受け処理あるいは通話処理等を行う。
【0016】
図3−2に示されるトイレルーム装置110が背景音を終了する処理フローは以下の通りである。
ステップ221:図2のステップ207及びステップ208に対応する。ブルートゥース部113を介して携帯電話機100から背景音の再生指示を受信したトイレルーム制御部111は、背景音発生部112を制御して背景音記憶部114に記憶されている背景音のデータを読み出し、スピーカ115により再生する。また、トイレルーム制御部111はタイマーをセットする。このタイマーは、一定時間再生すればよい利用者に対応すると共に、携帯電話機が送信した終了指示の受信に失敗した等の原因により、背景音の再生が無限に継続されること防ぐ目的である。このタイマー部は省略可能である。
ステップ222:トイレルーム装置110の操作卓には、再生中の背景音を終了するボタンが設けてある。利用者が背景音は必要ないと判断した時、背景音終了ボタンを操作して背景音を中止する。トイレルーム制御部111はステップ222で背景音の終了ボタンが操作されたか否かを判別する。終了ボタンが操作された時はステップ227に進み背景音を終了する。背景音の終了ボタンとステップ222は省略可能である。
ステップ223:トイレルーム制御部111はステップ221でセットされたタイマー時間が経過したか否かを判別する。タイマーが終了した時はステップ227に進み背景音を終了する。
ステップ224:図3−1のステップ213に対応する処理である。トイレルーム制御部111がブルートゥース部113と携帯電話機100のリンクが切断されたことを検知すると、ステップステップ227に進み背景音を終了する。
ステップ225:図3−1のステップ215に対応する処理である。トイレルーム制御部111は、ブルートゥース部113を介して携帯電話機100から終了信号を受信すると、ステップステップ227に進み背景音を終了する。
ステップ226:背景音を継続してステップ222に戻る。
ステップ227:背景音を終了する。トイレルーム装置110は内部状態を初期化し、携帯電話機からの次の要求を待つ。
【0017】
本発明の第1の実施形態に係るトイレ音消しシステムは、携帯電話機が有するブルートゥースの機能を利用して、トイレルーム内での背景音の再生と終了を制御する。ブルートゥースは携帯電話機に広く採用されている技術であり、かつ汎用性の高い技術である。従って、携帯電話機に対して簡単な変更を加えることにより本件実施例に必要な機能を実現することが可能である。
【0018】
図4は本件発明の第2の実施形態の概要を示す図である。この形態は、携帯電話機とトイレルーム装置の間のリンクを、相互の接続認証を行わない無線方式により行う構成である。
携帯電話機300の携帯電話制御部301、通話監視部302、及び背景音制御部303は、図1に示される携帯電話機100の携帯電話制御部101、通話監視部102、及び背景音制御部103と同様の構成である。また、トイレルーム装置310のトイレルーム制御部311、背景音記憶部314、背景音発生部312、及びスピーカ315は、図1に示されるトイレルーム装置110のトイレルーム制御部111、背景音記憶部114、背景音発生部112、及びスピーカ115と同様の構成である。
携帯電話機300の指示送信部304は、携帯電話機300の背景音制御部303が出力する背景音の再生開始/終了の指示をトイレルーム装置310に無線により送信する。また、トイレルーム装置310の指示受信部314は携帯電話機300から送信された背景音の再生開始/終了の指示を受信してトイレルーム制御部311に渡す。
指示送信部304と指示受信部314は探索信号と応答返信を授受することにより相互間のリンクを確立する。探索信号と応答返信の授受には、携帯電話機300がマスターとなりトイレルーム装置310にトリガーする構成、トイレルーム装置310がマスターとなり携帯電話機300にトリガーする構成を取り得る。
【0019】
図5−1は、携帯電話機300がマスターとなりトイレルーム装置310にトリガーする構成の制御フローの例である。
(a)携帯電話機300の利用者が着信に対してオフフック動作を行った、あるいは通話を開始したことを検知した通話監視部302は、背景音制御部303を介して指示送信部304にトイレルーム装置の探査の開始を指示する。この指示を受けた送信部304はトイレルーム装置を探査するための[PING]を発信する。
(b)[PING]を受信したトイレルーム装置310は、トイレルーム装置310の識別情報等必要な情報を含む応答信号[PONG]を携帯電話機300に返信する。
(c)[PONG]を受信した携帯電話機300の指示送信部304は、背景音の再生処理に必要な情報を含むリンク確立信号[ESTABLISH]をトイレルーム装置310に送信する。
(d)[ESTABLISH]を受信したトイレルーム装置310は携帯電話機300との間のリンクを確定する。
【0020】
図5−2は、携帯電話機300とトイレルーム装置310の間のリンクが確定された後、トイレルーム装置310が背景音の出力を開始する処理フローを示す図である。
ステップ401:トイレルーム内の携帯電話機300に着信がある。
ステップ402:携帯電話機300の利用者が着信に応答してオフフック動作を行う。携帯電話制御部301の動作を監視する通話監視部302は、オフフック動作が行われたことを認知して次のステップに進む。なお、第1の実施形態と同様、携帯電話機300から発信を行った時にも背景音の再生を行う構成とすることも可能である。
ステップ403:通話監視部302は利用者のオフフックに応答して指示送信部304を制御し、図4−1に示されるトイレルーム装置の探査を開始する。
ステップ404:通話監視部302は所定時間内に対応するトイレルーム装置が発見されたか否かを判別する。トイレルーム装置が発見されなかった場合はステップ405に進み、発見された場合はステップ406に進む。
ステップ405:背景音の再生に対応するトイレルーム装置が発見されなかったため、背景音の処理を終了し通常の通話処理を続行する。
ステップ406:通話監視部302は背景音制御部303に背景音に関する処理を指示する。
ステップ407、ステップ408:背景音制御部303からの指示を受信したトイレルーム装置310は携帯電話機300との接続を確認し、背景音記憶部314に記憶されている背景音を読み出しスピーカ315により再生する。
【0021】
図6−1は、トイレルーム装置310がマスターとなり携帯電話機300にトリガーする構成の制御フローの例である。
(a1)〜(an)トイレルーム装置310の指示受信部313は、常に携帯電話機を探査するための[TOILET SIGNAL]を発信する構成となっている。トイレルームの扉の開閉、または人の存在を検知して[TOILET SIGNAL]の発信を開始する構成も可能である。この場合、携帯電話機からの応答が所定時間無かった時に[TOILET SIGNAL]の発信を中止する。
(b)トイレルームに入った利用者が所持する携帯電話機300がトイレルーム装置310が発した[TOILET SIGNAL]信号(an)を検知すると、携帯電話機300の識別情報等必要な情報を含む応答信号[ACKNOWLEDGE]をトイレルーム装置310に送信する。
(c)応答信号[ACKNOWLEDGE]を受信したトイレルーム装置310はリンク確立のための信号[ESTABLISHED]を携帯電話機300に送信する。
(d)[ESTABLISHED]を受信した携帯電話機300はトイレルーム装置310の間のリンクを確定する。
【0022】
図6−2は、図6−1に示される形態のトイレシステムが背景音の再生を開始する時の動作フローである。
ステップ501:図6−1に示される信号の授受により、トイレルームに持ち込まれた携帯電話機300とトイレルーム装置310の間のリンクが確立される。
ステップ502:トイレルーム内の携帯電話機300に着信がある。
ステップ503:携帯電話機300の利用者が着信に応答してオフフックする。なお、携帯電話機300から発信を行った時にも背景音の再生を行う構成とすることも可能である。
ステップ504:通話監視部302から背景音の再生指示を受理した背景音制御部303は指示送信部304を介してトイレルーム装置310に背景音の出力を指示する。
ステップ505:トイレルーム装置310の指示受信部313は携帯電話機300からの背景音を出力する指示を受信する。
ステップ506:指示受信部313から背景音の出力指示を受理したトイレルーム制御部311は背景音記憶部314に記憶されている背景音を読み出しスピーカ315により再生する。
ステップ507:所定の条件が成立した時(図7−1及び図7−2参照)、携帯電話機300とトイレルーム装置310の間の接続を終了する。
【0023】
図7−1及び図7−2は、図4に示される接続認証を行わない無線方式によるトイレ音消しシステムにおいて、携帯電話機300とトイレルーム装置310が背景音を中止する時の処理フローの図であり、各々、ブルートゥースを用いる構成の図3−1と図3−2に対応している。
図7−1に示される携帯電話機300の終了処理フローは以下の通りである。
ステップ611:通話を開始した携帯電話機300は接続されているトイレルーム装置310に背景音の出力を指示する。
ステップ612:通話監視部302は携帯電話制御部301を検査し、通話が行われているか否かを判別する。通話監視部302が、携帯電話機300がオンフックされたこと、あるいは接続先が通話を終了したことを検知するとステップ615に進む。通話が継続している場合はステップ613に進み次の条件を判別する。
ステップ613:通話監視部302は指示送信部304を検査し、トイレルーム装置310との接続が維持されているか否かを判別する。トイレルーム装置310とのリンクが切断されたのは、利用者がトイレルームから退出したと考えられる。従って、リンクの切断を検知した時はステップステップ616に進み背景音に関する処理を終了する。
ステップ614:通話監視部302は指示送信部304を検査し、トイレルーム装置310からの電波の強度を検知する。利用者がトイレルームから退出しトイレルーム装置310との距離が大きくなると受信する電波が弱くなる。受信電波の強度が小さくなったのは、利用者がトイレルームを退出したと考えられるため、ステップ615に進み終了処理を行う。ステップ612ないしステップ614の条件に該当しない時は、利用者はトイレルーム内で通話を継続していることを意味する。従ってステップ312に戻り、通話状態の監視を続ける。
ステップ615:通話監視部302は背景音制御部303を制御し、指示送信部304を介してトイレルーム装置310に背景音の中止を指示する。
ステップ616:通話監視部302は背景音に関する処理を終了し、通常の通話状態あるいは待ち受け状態になる。
【0024】
図7−2に示されるトイレルーム装置310の終了処理フローは以下の通りである。
ステップ621:指示受信部313を介し携帯電話機300から背景音を出力する指示を受信したトイレルーム制御部311は、背景音発生部312を制御して背景音記憶部314に記憶されている背景音のデータを読み出し、スピーカ315により再生する。また、トイレルーム制御部311はタイマーをセットする。このタイマーは、一定時間再生すればよい利用者向けであると共に、終了指示信号の誤検知によって背景音の出力が無限に継続されることを防ぐ目的を有している。このタイマー部は省略可能である。
ステップ622:トイレルーム装置310の操作卓には、再生中の背景音を終了するボタンが設けてある。背景音は不必要と判断した利用者は、この背景音終了ボタンを操作して背景音を中止する。トイレルーム制御部311は、ステップ622でトイレルーム装置310は背景音終了ボタンが操作されたか否かを判別する。背景音終了ボタンが操作された時はステップ627に進み背景音を終了する。背景音終了ボタンとステップ622は省略可能である。
ステップ623:トイレルーム制御部311はステップ621でセットされたタイマー時間が経過したか否かを判別する。タイマーが終了した時はステップ627に進み背景音を終了する。
ステップ624:図7−1のステップ613に対応する処理であり、トイレルーム制御部311は指示受信部313と携帯電話機300の指示送信部304のリンクが切断されたことを検知するとステップステップ627に進み背景音を終了する。
ステップ625:図7−1のステップ615に対応する処理であり、トイレルーム制御部311が指示受信部313を介して携帯電話機300から終了信号を受信するとステップステップ627に進み背景音を終了する。
ステップ626:背景音の出力を継続してステップ622に戻る。
ステップ627:背景音の出力を終了する。トイレルーム装置310は内部状態を初期化して携帯電話機からの次の要求を待つ。
【0025】
本発明の第2の実施形態に係るトイレ音消しシステムは、携帯電話機とトイレルーム装置の接続を、接続認証を行わない無線方式により行う構成である。近距離通信に適した接続認証を行わない無線方式には各種の方式が提案されている。これら方式は、微弱な電波を用いるものであり消費電力が少なく携帯電話機に実装するには適した方式である。
【0026】
図1ないし図7−2に示される第1及び第2の実施形態は、トイレルーム装置の背景音記憶部にトイレルーム内で再生する背景音のデータを記憶しておき、携帯電話機の指示により、背景音記憶部から背景音のデータを読み出して音声に変化して再生する構成である。これらの構成は、携帯電話機とトイレルーム装置の間で授受されるデータは再生の開始・終了等を指示するデータのみであり、両者間の通信は少なくてすむ。しかし、トイレルーム内に流される背景音は予めトイレルーム装置の背景音記憶部に記憶されたものに限られ、利用者あるいは状況に応じて変更することは困難である。
本発明の第3及び第4の実施に係る形態は、トイレルーム内で再生する背景音のデータを携帯電話機内の背景音記憶部に記憶する構成とし、トイレルーム内で携帯電話機の通話が開始された時、背景音のデータを携帯電話機からトイレルーム装置に送信し、トイレルーム内の再生装置により音声に変換してトイレルームに流す構成である。
【0027】
図8は本発明に係るトイレシステムの第3の実施形態を示す図であり、下記の構成を有している。
携帯電話機800は着信・発信等の通常の携帯電話の機能を実行する携帯電話制御部801と、携帯電話制御部801が着信あるいは発信を開始したこと、及び、通話が継続しているか、終了したかを監視する通話監視部802と、ブルートゥース部804と、トイレルーム装置に対す指示とその応答をブルートゥース部804を介して授受し、背景音のデータをブルートゥース部804を介してトイレルーム装置に送信する背景音制御部803と、背景音のデータを記憶する背景音記憶部805とから構成されている。
トイレルーム装置810は、トイレルーム内に設置されるものであり、ブルートゥース部813と、ブルートゥース部813のリンク状態から携帯電話機800の存在を判別すると共に、携帯電話機800の指示に基づいて、携帯電話機800が送信した背景音のデータを背景音発生部812に渡すトイレルーム制御部811と、トイレルーム制御部811から渡された背景音のデータを音声に変換しスピーカ815から出力する背景音発生部812から構成されている。
【0028】
図9はトイレルーム内の携帯電話機800に着信があり、利用者が着信に応答した時に携帯電話機800とトイレルーム装置810で実行される処理のフローの図である。
ステップ901:トイレルーム内の携帯電話機800に着信がある。
ステップ902:利用者が応答ボタンを押下し、オフフックする。この時点までに、携帯電話機800とトイレルーム装置810の間のブルートゥースのペアリングが確立される。
ステップ903:携帯電話制御部801を監視することによりオフフックされたことを検出した通話監視部802は、ブルートゥース部804が音消し機能を有するトイレルーム装置とペアリングしているか否かを判別する。
ステップ904:対応するトイレルーム装置とペアリングしていない場合はステップ905に進む。対応するトイルーム装置が存在した時はステップ906に進む。
ステップ905:携帯電話機800は背景音の制御を中止し、通常の通話処理のみを行う。
ステップ906:携帯電話制御部801が通常の通話処理行うと同時に、通話監視部802は背景音制御部803に背景音の再生と送信を指示する。
ステップ907:背景音制御部803は背景音記憶部805に記憶された背景音のデータを再生してブルートゥース部804に渡す。
ステップ908:ブルートゥース部804はリンクされているトイレルーム装置810のブルートゥース部813に背景音を流す指示と共に背景音を送信する。
ステップ909:携帯電話機800から音楽等の再生指示を受信したトイレルーム装置810のトイレルーム制御部811は、携帯電話機800から送信されてくる背景音を背景音発生部812に渡し出力する。
ステップ910:背景音発生部812は渡された背景音をピーカ815から出力する。
【0029】
図9は、トイレルーム内の携帯電話機800に着信が在ったことに応答して、トイレルーム装置810に背景音の再生を指示する構成となっている。しかし、利用者がトイレルーム内の携帯電話機800から発呼した時にもトイレルーム装置810に背景音の再生を指示する構成とすることが可能である。また、図9の動作フローは、携帯電話機800は通話のバックエンドで音楽プレイヤーを動作させ背景音を再生して、トイレルーム装置810に送信する構成である。記憶部805に記憶した音声データあるいは音声データを圧縮したデータを、トイレルーム装置810に送信し、トイレルーム装置810が有する音楽プレイヤーにより音声データあるいは圧縮データを音声に変換して出力する構成も可能である。
【0030】
図10−1及び図10−2は各々携帯電話機800とトイレルーム装置810で背景音の出力を中止する時の処理のフロー図である。
図10−1に示される携帯電話機800の終了処理フローは以下の通りである。
ステップ1001:図9のステップ908に対応する。通話を開始した携帯電話機800はペアリングしているトイレルーム装置810に背景音の再生を指示する。
ステップ1002:利用者が背景音を不要と考えた場合、携帯電話機800の所定のキー操作を行うことにより背景音を中止することが可能となっている。本実施例では利用者が携帯電話機800の任意のキーを押下すると背景音が中止される構成となっている。ステップ1002で利用者が背景音の中止を指示したか否かを判別する。中止が指示された場合はステップ1006に進む。中止を指示するキー操作がなされていない時はステップ1003に進み次の条件を判別する。
ステップ1003:通話監視部802は携帯電話制御部801を検査し通話が行われているか否かを判別する。携帯電話機800がオンフックされたこと、あるいは接続先が通話を終了したことを検知するとステップ1006に進む。通話が継続されている場合はステップ1004に進み次の条件を判別する。
ステップ1004:通話監視部802はブルートゥース部804を検査し、トイレルーム装置810とのリンクは維持されているか否かを判別する。トイレルーム装置810とのリンクが切断されたことを検知するとステップステップ1008に進み背景音に関する処理を終了する。
ステップ1005:通話監視部802はブルートゥース部804を検査し、トイレルーム装置810からの電波の強度を検知する。用者がトイレルームから退出しトイレルーム装置810との距離が大きくなると受信する電波が弱くなる。受信電波の強度が所定値以下となった時は利用者はトイレルームを退出したと考えられるため、ステップ1006に進み終了処理を行う。所定の電波強度が検出された場合はステップ1002に戻り監視を続行する。
ステップ1006:通話監視部802は背景音制御部803を制御し、背景音の再生を中止する。
ステップ1007:通話監視部802はブルートゥース部804を介してトイレルーム装置810に背景音の再生の中止を指示する。
ステップ1008:通話監視部802は背景音の再生に関する処理を終了し、通常の待ち受け状態、あるいは通話状態になる。
【0031】
図10−2に示されるトイレルーム装置810の終了処理フローは以下の通りである。
ステップ1011:図9のステップ908に対応する。ブルートゥース部813を介し携帯電話機800から背景音を受信したトイレルーム制御部811は、受信した背景音をスピーカ815により再生する。
ステップ1012:図10−1のステップ1004に対応する処理であり、トイレルーム制御部811はブルートゥース部813と携帯電話機800のブルートゥース部804のリンクが切断されたことを検知するとステップステップ1015に進み背景音を終了する。
ステップ1013:図10−1のステップ1007に対応する処理であり、トイレルーム制御部811が携帯電話機800から終了信号を受信するとステップステップ1015に進み背景音を終了する。
ステップ1014:背景音の再生を継続してステップ1012に戻る。
ステップ1015:背景音の再生を終了する。トイレルーム装置810は内部状態を初期化して携帯電話機からの次の要求を待つ。
【0032】
本発明の第3の実施形態に係るトイレ音消しシステムは、携帯電話機に背景音のデータを保持し、必要時に当該背景音のデータを再生してトイレルーム内装置に送信する、あるいは背景音のデータをトイレルーム内装置に送信して再生する構成である。当実施携帯の構成により、利用者が状況に応じて背景音を任意に変更することが可能となり、トイレルーム内で携帯電話機を使用した際の心理的な影響をやわらげる効果を大きくすることが可能となる。また、ブルートゥースは携帯電話機に広く採用されている技術であり、かつ汎用性の高い技術である。従って、携帯電話機に対して簡単な変更を加えることにより本件実施例に必要な機能を実現することが可能である。
【0033】
図11は、携帯電話機とトイレルーム装置との間を、接続認証を行わない無線方式によりリンクする第4の実施形態の概要を示す図である。
携帯電話機1100の携帯電話制御部1101、通話監視部1102、背景音記憶部1105、及び背景音制御部1103は、図8に示される携帯電話機800の携帯電話制御部801、通話監視部802、背景音記憶部805、及び背景音制御部803と同様の構成である。また、トイレルーム装置1110のトイレルーム制御部1111、背景音発生部1112、及びスピーカ1115は、図1に示されるトイレルーム装置810のトイレルーム制御部811、背景音発生部812、及びスピーカ815と同様の構成である。
携帯電話機1100の指示/背景音送信部1104は、背景音制御部1103が出力する背景音の再生開始/終了の指示と、背景音記憶部1105から読み出された背景音をトイレルーム装置1110に無線により送信する。また、トイレルーム装置1110の指示/背景音受信部1113は携帯電話機1100から送信された背景音の再生開始/終了の指示と背景音を受信してトイレルーム制御部1111に渡す。
指示/背景音送信部1104と指示/背景音受信部1113は探索信号と応答返信を授受することにより相互間のリンクを確立する。探索信号と応答返信の授受には、携帯電話機1100がマスターとなりトイレルーム装置1110にトリガーする構成と、トイレルーム装置1110がマスターとなり携帯電話機1100にトリガーする構成が在る。
【0034】
図12−1は、携帯電話機1100がマスターとなりトイレルーム装置1110にトリガーする制御フローの例である。同図のフローは図5−1に示される携帯電話機300とトイレルーム装置310との間の制御の授受と同じであり詳細な説明は省略する。
図12−2は、携帯電話機1100とトイレルーム装置1110の間のリンクが確定された後、トイレルーム装置1110が背景音の再生を開始する処理フローを示す。
ステップ1201:トイレルーム内の携帯電話機1100に着信がある。
ステップ1202:携帯電話機1100の利用者が着信に応答してオフフック動作を行う。携帯電話制御部1101を監視する通話監視部1102はオフフック動作が行われたことを認知して次のステップに進む。なお、携帯電話機1100から発信を行った時にも背景音の再生を行う構成も可能である。
ステップ1203:通話監視部1102は利用者のオフフックに応答して指示送信部1104を制御して、図4−1に示されるトイレルーム装置1110の探査を開始する。
ステップ1204:通話監視部1102は所定時間内にトイレルーム装置が発見されたか否かを判別する。トイレルーム装置が発見されなかった場合はステップ1205に、発見された場合はステップ1206に進む。
ステップ1205:背景音再生に対応するトイレルーム装置が発見されなかったため、背景音再生のための処理を終了し通常の通話処理を続行する。
ステップ1206:通話監視部1102はトイレルーム装置1110との接続を確認し、背景音制御部1103に背景音の再生処理を指示する。
ステップ1207:背景音制御部1103は背景音記憶部1105に記憶されている背景音を読み出し再生するための準備を行う。
ステップ1208:背景音制御部1103は背景音記憶部1105から読み出された背景音を再生し、指示/背景音送信部1104を介してリンクされているトイレルーム装置1110に送信する。
ステップ1209:背景音発生部1112はトイレルーム制御部1111から渡された背景音をスピーカ1115から出力する。
【0035】
図13−1は、トイレルーム装置1110がマスターとなり携帯電話機1100にトリガーする制御フローの例である。同図のフローは図6−1に示される携帯電話機300とトイレルーム装置310との間の制御の授受と同じであり詳細な説明は省略する。
図13−2は、図13−1に示される形態の動作フローである。
ステップ1301:図13−1に示される信号の授受により、トイレルームに持ち込まれた携帯電話機1100とトイレルーム装置1110の間のリンクが確立される。
ステップ1302:トイレルーム内の携帯電話機1100に着信がある。
ステップ1303:携帯電話機1100の利用者が着信に応答してオフフック動作を行う。なお、携帯電話機1100から発信を行った時にも背景音の再生を行う構成とすることも可能である。
ステップ1304:通話監視部1102から再生指示を受理した背景音制御部1103は指示/背景音送信部1104を介してトイレルーム装置1110に背景音の再生を指示する。
ステップ1305:携帯電話機1100から背景音の再生指示を受信したトイレルーム装置1110の指示/背景音受信部1113は、トイレルーム制御部1111に指示を渡す。トイレルーム制御部1111は当該指示に基づいて背景音発生部1112を設定し再生のための準備を行う。
ステップ1306:トイレルーム装置1110に背景音の再生指示を送信した携帯電話機1100の背景音制御部1103は、指示の送信後直ちに、あるいはトイレルーム装置1110からの返信を待って、音楽プレイヤーの起動等、背景音記憶部1105から再生音を読み出し再生を実行する準備を行う。
ステップ1307:背景音制御部1103は、背景音記憶部1105から読み出し、音楽プレイヤーにより再生した背景音を指示/背景音送信部1104を介してトイレルーム装置1110に送信する。
ステップ1308:トイレルーム装置1110のトイレルーム制御部1111は受信した背景音を、背景音発生部1112を介してスピーカ1115により再生する。
ステップ1309:所定の条件となるまで背景音の出力を続ける。
なお、図8及び図9に示される構成と同様、記憶部1105に記憶した音声データあるいは音声データを圧縮したデータを、トイレルーム装置1110に送信し、トイレルーム装置1110が有する音楽プレイヤーにより音声データあるいは圧縮データを音声に変換して出力する構成も可能である。
【0036】
図14−1及び図14−2は、図11に示される接続認証を行わない無線方式によるトイレ音消しシステムにおいて、トイレルーム装置1110が背景音の出力を中止する時に、携帯電話機1100とトイレルーム装置1110が実行する処理フローの図である。
図14−1に示される携帯電話機1100の終了処理フローは以下の通りである。
ステップ1401:図13−2のステップ1307に対応する。通話を開始した携帯電話機1100は接続されているトイレルーム装置1110に背景音の再生を指示する。
ステップ1402:利用者が背景音を不要と考えた場合、携帯電話機1100の所定のキー操作を行うことにより背景音を中止することが可能となっている。本実施例では利用者が携帯電話機1100の任意のキーを押下すると背景音が中止される構成となっている。ステップ1402で利用者が背景音の中止を指示したか否かを判別する。中止が指示された場合はステップ1406に進む。中止を指示するキー操作がなされていない時はステップ1403に進み次の条件を判別する。
ステップ1403:通話監視部1102は携帯電話制御部1101を検査し通話が行われているか否かを判別する。通話監視部1102が携帯電話機1100がオンフックされたこと、あるいは接続先が通話を終了したことを検知するとステップ1406に進む。通話が継続されている場合はステップ1404に進み次の条件を判別する。
ステップ1404:通話監視部1102は指示/背景音送信部1104を検査し、トイレルーム装置1110とのリンクは維持されているか否かを判別する。トイレルーム装置1110とのリンクが切断されたことを検知するとステップステップ1408に進み背景音の再生に関する処理を終了する。
ステップ1405:通話監視部1102は指示/背景音送信部1104を検査し、トイレルーム装置1110からの電波の強度を検知する。利用者がトイレルームから退出しトイレルーム装置1110との距離が大きくなると受信する電波が弱くなる。受信電波の強度が所定値以下となった時は利用者はトイレルームを退出したと考えられるため、ステップ1006に進み終了処理を行う。所定の電波強度が検出された場合はステップ1402に戻り監視を続行する。
ステップ1406:通話監視部1102は背景音制御部1103を制御し、背景音の再生を中止する。
ステップ1407:通話監視部1102は指示/背景音送信部1104を介してトイレルーム装置1110に背景音の中止を指示する。
ステップ1408:通話監視部1102は背景音の再生に関する処理を終了し、通常の待ち受け状態、あるいは通話状態になる。
【0037】
図14−2に示されるトイレルーム装置1110の終了処理フローは以下の通りである。
ステップ1411:指示/背景音受信部1113を介し携帯電話機1100から背景音を受信したトイレルーム装置1110のトイレルーム制御部1111は、受信した背景音を背景音発生部1112を介してスピーカ1115により再生する。
ステップ1412:図14−1のステップ1404に対応する処理であり、トイレルーム制御部1111は指示/背景音受信部1113と携帯電話機1100の指示/背景音送信部1104のリンクが切断されたことを検知するとステップステップ1415に進み背景音の再生を終了する。
ステップ1413:図14−1のステップ1407に対応する処理であり、トイレルーム制御部1111が携帯電話機1100から終了信号を受信するとステップステップ1015に進み背景音を終了する。
ステップ1414:背景音の再生を継続してステップ1412に戻る。
ステップ1415:背景音の再生を終了する。トイレルーム装置1110は内部状態を初期化して携帯電話機からの次の要求を待つ。
【0038】
第1ないし第4の実施形態は、トイレルーム装置からトイレルーム内に音楽等の背景音を出力する構成である。トイレルーム内の騒音を打ち消すためには、イレルーム内に音楽等の背景音を直接出力せず、通話相手に送信する音声に音楽等の背景音を被せる構成、即ち、携帯電話機のマイクから入力された音声に背景音をミキシングして相手方に送信する構成が可能である。本発明の第5及び第6の実施形態は、トイレルーム内に在る携帯電話機のマイクから入力された音声と背景音をミキシングし、相手方に送信する構成である。
【0039】
図15は本発明の第5の実施形態であり、下記の構成を有している。
携帯電話機1500は着信・発信等の通常の携帯電話の機能を実行する携帯電話制御部1501と、携帯電話制御部1501が着信あるいは発信を開始したこと、及び、通話が継続しているか終了したかを監視する通話監視部1502と、ブルートゥース部1504と、背景音の制御を行う背景音制御部1503と、背景音のデータを記憶する背景音記憶部1505と、携帯電話機のマイクから入力された音声に背景音をミキシングする背景音ミキシング部1506から構成されている。
トイレルーム装置1510は、トイレルーム内に設置されるものであり、ブルートゥース部1513と、ブルートゥース部1513のリンク状態から携帯電話機1500の存在を判別するトイレルーム制御部1511とから構成されている。
【0040】
図16はトイレルーム内の携帯電話機1500に着信があり、利用者が着信に応答した時に行われる携帯電話機1500とトイレルーム装置1510の処理フローの図である。図1に示される第1の実施形態と同様、携帯電話機1500による通話が実際に開始された時点で既に携帯電話機1500とトイレルーム装置1510のブルートゥース間はペアリングによるリンクされている。
ステップ1601:トイレルーム内の携帯電話機1500に着信がある。
ステップ1602:利用者が応答ボタンを押下し、オフフックする。
ステップ1603:携帯電話制御部1501を監視することによりオフフックされたことを検出した通話監視部1502は、ブルートゥース部1504が音消しを指示するトイレルーム装置とペアリングしているか否かを判別する。
ステップ1604:対応するトイレルーム装置とペアリングしていない場合はステップ1605に進む。対応するトイレルーム装置が存在した時はステップ1606に進む。
ステップ1605:携帯電話機1500は背景音に関する制御を中止し、通常の通話処理を行う。
ステップ1606:ブルートゥース部1504が音消しを指示するトイレルーム装置とペアリングしていることを検知した背景音制御部1503は、背景音制御部1503にマイクから入力された話者の音声と背景音のミキシングを指示する。
ステップ1607:携帯電話機1500は通常の通話処理行うと同時に、背景音制御部1503を介して背景音ミキシング部1506を制御する。背景音ミキシング部1506は景音記憶部1505に記憶されている音楽等の背景音を再生し、マイクから入力された利用者の音声に背景音をミキシングし被せる。携帯電話制御部1501はミキシングされた利用者の音声と背景を相手方電話機に送信する。
【0041】
図16は、トイレルーム内の携帯電話機1500に着信が在ったことに応答して、トイレルーム装置1510に背景音の再生を指示する構成となっている。しかし、利用者がトイレルーム内の携帯電話機1500から発呼した時にもトイレルーム装置1510に背景音の再生を指示する構成とすることが可能である。この場合、通話監視部1502は、ステップ1601及びステップ1602に加え、携帯電話制御部1501が発呼したことを検知してステップ1603に進む過程が追加される。
【0042】
図17は携帯電話機1500が背景音のミキシングを中止する時に実行する処理フローの図である。
ステップ1701:図16のステップ1607に対応する。対応するトイレルーム内で通話を開始した携帯電話機1500は通話音声と背景音のミキシングを開始する。
ステップ1702:利用者が背景音を不要と考えた場合、携帯電話機1500の所定のキー操作を行うことにより背景音を中止することが可能となっている。本実施例では利用者が携帯電話機1500の任意のキーを押下すると背景音が中止される構成となっている。ステップ1702で利用者が背景音の中止を指示したか否かを判別する。中止が指示された場合はステップ1707に進む。中止を指示するキー操作がなされていない時はステップ1703に進み次の条件を判別する。
ステップ1703:通話監視部1502は携帯電話制御部1510を検査し通話が行われているか否かを判別する。携帯電話機1500がオンフックされたこと、あるいは接続先が通話を終了したことを検知するとステップ1707に進む。通話が継続されている場合はステップ1704に進み次の条件を判別する。
ステップ1704:通話監視部1502はブルートゥース部1504を検査し、トイレルーム装置1510とのリンクは維持されているか否かを判別する。トイレルーム装置1510とのリンクが切断されたことを検知するとステップステップ1707に進み背景音のミキシングに関する処理を終了する。
ステップ1705:通話監視部1502はブルートゥース部1504を検査し、トイレルーム装置1510からの電波の強度を検知する。受信電波の強度が所定値以下となった時、利用者はトイレルームを退出したと考えられるため、ステップ1707に進みミキシングの終了処理を行う。
ステップ1706:ミキシングを終了する条件が成立しなかったため、背景音のミキシングを続行し、ステップ1702に戻り監視を続行する。
ステップ1707:通話監視部1502は背景音制御部1503を介して背景音のミキシングを中止する。トイレルーム装置1510のトイレルーム制御部1511は、ブルートゥース部1513とブルートゥース部1504のリンクが切れたことを検知してトイレルーム装置1510は内部状態を初期化する。
【0043】
図18は本発明の第6の実施形態であり、第6の実施形態のブルートゥースにより対応するトイレルーム内か否かを判定する構成を、接続認証を行わない無線方式による構成である。図18に示される構成は以下の構成を有している。
携帯電話機1800は着信・発信等の通常の携帯電話の機能を実行する携帯電話制御部1801と、携帯電話制御部1801が着信あるいは発信を開始したこと、及び、通話が継続しているか終了したかを監視する通話監視部1802と、パイロット信号部1804と、背景音の制御を行う背景音制御部1803と、背景音のデータを記憶する背景音記憶部1805と、携帯電話機のマイクから入力された音声に背景音をミキシングする背景音ミキシング部1806から構成されている。
トイレルーム装置1810は、トイレルーム内に設置されるものであり、パイロット信号部1813を有している。
【0044】
図19-1は、第6の実施形態において携帯電話機1800がマスターとなりトイレルーム装置1810にトリガーする形態の制御フローの例である。
(a)携帯電話機1800の利用者が着信に対してオフフック動作を行った、あるいは発信動作を開始したことに検知した通話監視部1802は、背景音制御部1803を介してパイロット信号部1804にトイレルーム装置1810を探査するための[PING]の発信を指示する。
(b)[PING]を受信したトイレルーム装置1810は、トイレルーム装置1810の識別情報等必要な情報を含む応答信号[PONG]を、パイロット信号部1813を介して携帯電話機1800に送信する。応答信号[PONG]を受信した携帯電話機1800は自身が対応するトイレルーム内に位置すると判断しで音消しの動作を開始する。
携帯電話機1800による[PING]の発信と、トイレルーム装置1810による[PONG]の応答は所定時間毎に実行される。[PING]に対する応答が所定回数無かった時は、携帯電話機1800は対応するトイレルームではない、あるいは、トイレルームから退出したと考えられる。この場合は、背景音のミキシングを中止し、[PING]の発信を停止する。
【0045】
図19−2は、図19-1に示されるトリガー方式により、携帯電話機1800がトイレルーム装置1810を認識した後、背景音のミキシングを開始する処理フローを示す。
ステップ1901:トイレルーム内の携帯電話機1800に着信がある。
ステップ1902:携帯電話機1800の利用者が着信に応答してオフフック動作を行う。携帯電話制御部1801を監視する通話監視部1802はオフフック動作が行われたことを認知して次のステップに進む。なお、携帯電話機1800から発信を行った時にも背景音の再生を行う構成とすることも可能である。
ステップ1903:通話監視部1802は利用者のオフフックに応答してパイロット信号部1804を制御して、図19−1に示される[PING]の発信を開始する。所定回数の[PING]の発信に対して[PONG]による応答を検知しなかった時はステップ1904に進み、応答信号[PONG]を検知した場合はステップ1905に進む。
ステップ1904:背景音によるミキシングは行わず、通常の通話処理を行う。
ステップ1905:通話処理を行うと共に、バックグラウンドで背景音のミキシング処理を実行する。
【0046】
図19−3は、図19-1に示されるトリガー方式により、再生音のミキシングを行っている携帯電話機1800がミキシングを終了する処理フローを示す。
ステップ1911:図19−2のステップ1905に対応するものであり、携帯電話機は背景音をマイクからの音声にミキシングする処理を開始する。
ステップ1912:通話監視部1802が携帯電話機1800の利用者が通話を終了したこと、あるいは相手方から通話の接続が切られたこと検知すると、ステップ1915に進み、背景音のミキシングの中止を指示す。
ステップ1913:通話監視部1802は図19−1に示される[PING]に対する応答の有無を検査するする。応答の[PONG]が所定回数検知されない時は、携帯電話機の利用者がトイレルームを退出したと考えられるため、ステップ1915に進み、背景音のミキシングの中止を指示す。
ステップ1914:背景音の再生とミキシングを継続してステップ1912に戻る。
ステップ1915:背景音の再生とミキシングを中止する。
【0047】
図20−1は、第6の実施形態においてトイレルーム装置1810がマスターとなり携帯電話機1800にトリガーする制御フローの例である。
トイレルーム装置1810は、トイレルームの存在を示す信号[TOILET SIGNAL]を一定間隔で発信する。[TOILET SIGNAL]の発信は常時行う構成であっても、トイレルームの扉の開閉を検知して、あるいは、赤外線検知器等によりトイレルームの人を検知して発信を開始する構成であっても良い。
図20−2は、図20−1に示される形態において背景音の再生とミキシングを開始する時の動作フローである。
ステップ2001:トイレルームに持ち込まれた携帯電話機1800はトイレルーム装置1810が発信する[TOILET SIGNAL]を受信して自身が対応するトイレルーム内に位置することを検知する。
ステップ2002:トイレルーム内の携帯電話機1800に着信がある。
ステップ2003:利用者のオフフックに応答して、背景音制御部1803は、背景音制御部1803に背景音のミキシングを指示する。
ステップ2004:背景音制御部1803はマイクから入力された話者の音声に背景音をミキシングし、携帯電話制御部1801を介して相手方に送信する。
ステップ2005:通話の終了等、所定の条件の下で背景音のミキシングを終了する。
【0048】
図20−3は、図20−1に示されるトリガー方式において、再生音のミキシングを行っている携帯電話機1800がミキシングを終了する処理フローを示す。
ステップ2011:図20−2のステップ2004に対応するものであり、携帯電話機は再生された背景音をマイクからの音声にミキシングする処理を開始する。
ステップ2012:通話監視部1802が携帯電話機1800の利用者が通話を終了したこと、あるいは相手方から通話の接続が切られたこと検知すると、ステップ2015に進み、背景音のミキシングの中止を指示す。
ステップ2013:通話監視部1802は図20−1に示される[TOILET SIGNAL]の受信の有無を検査するする。[TOILET SIGNAL]が所定時間受信されない時は、携帯電話機の利用者がトイレルームを退出したと考えられるため、ステップ2015に進み、背景音のミキシングの中止を指示す。
ステップ2014:背景音の再生とミキシングを継続してステップ2012に戻る。
ステップ2015:背景音のミキシングを中止する。
【0049】
第5及び第6の実施形態のトイレシステムは、携帯電話機内に記憶された背景音を通話音声にミキシングし、被せて相手方に送信する構成である。従って、再生中の背景音がトイレルーム内に流れることが無い。また、背景音を携帯電話機内に記憶する構成であるため、利用者は背景音を任意に設定し選択することが可能となる。
【0050】
図21は本発明の第7の実施形態であり、トイレルームで携帯電話機を使用した時に背景音をマイクから入力した音声にミキシングして送信かるか否かをあらかじめ利用者が設定するである。
図21の携帯電話機2100は、着信・発信等の通常の携帯電話の機能を実行する携帯電話制御部2101と、携帯電話制御部2101が着信あるいは発信を開始したこと、及び、通話が継続しているか、終了したかを監視する通話監視部2102と、背景音の制御を行う背景音制御部2103と、背景音を記憶する背景音記憶部2105と、携帯電話機のマイクから入力された音声に背景音をミキシングする背景音ミキシング部2106と、利用者が音声に背景音をミキシングする、あるいはミキシングしないを指示するキー(以下「モードキー2107」と言う)と、利用者が設定したモードを記憶するモード記憶部2104から構成されている。
【0051】
モードキー2107は、携帯電話機2100のキーパットに設けられた単一の特定のキーであっても、複数のキーの組み合わせ、例えば「#」キーと数字キーの組み合わせであっても良い。モードキー2107を操作することにより、モード記憶部214には音声に背景音をミキシングするモード(「トイレモード」)を示すデータが設定され、解除キーを操作することにより、モード記憶部2104はリセットされる。
【0052】
図22−1は、携帯電話機2100が着信に応答した時の処理フローである。
ステップ2201:トイレルーム内の携帯電話機2100に着信がある。
ステップ2202:携帯電話機2100の利用者が着信に応答してオフフック動作を行う。携帯電話制御部2101を監視する通話監視部2102はオフフック動作が行われたことを認知して次のステップに進む。なお、携帯電話機2100から発信を行った時にも背景音の再生を行う構成とすることも可能である。
ステップ2203:利用者のオフフックに応答して背景音制御部2103はモード記憶部2104に設定されているモードデータを検査する。モード記憶部2104にトイレモードが設定されている時はステップ2205に進み、トイレモードが設定されていない時はステップ2204に進む。
ステップ2204:背景音によるミキシングは行わず、通常の通話処理を行う。
ステップ2205:通話処理を行うと共に、バックグラウンドで背景音を再生し、マイクから入力された音声に背景音のミキシング処理を実行する。
【0053】
図22−2は、携帯電話機2100が背景音の出力を中止する時に実行する処理フローの図である。
ステップ2211:図22−1のステップ2205に相当する。トイレルーム内での通話を開始した携帯電話機2100は背景音のミキシングが開始する。
ステップ2212:利用者が背景音を不要と考えた場合、携帯電話機2100の所定のキー操作を行うことにより背景音を中止することが可能となっている。本実施例では利用者が携帯電話機2100の任意のキーを押下すると背景音のミキシングが中止される構成となっている。ステップ2212で利用者が背景音の中止を指示したか否かを判別する。中止が指示された場合はステップ2215に進む。中止を指示するキー操作がなされていない時はステップ2213に進み次の条件を判別する。
ステップ2213:通話監視部2102は携帯電話制御部2110を検査し通話が行われているか否かを判別する。通話監視部2102が、携帯電話機2100がオンフックされたこと、あるいは接続先が通話を終了したことを検知するとステップ2215に進む。通話が継続されている場合はステップ2214に進む。
ステップ2214:背景音のミキシングを続行し、ステップ2212に戻り監視を続行する。
ステップ2215:通話監視部2102は背景音制御部2103を介して背景音のミキシングを中止する。
【0054】
本発明の第7の実施形態は、トイレ使用時に背景音をミキシングする構成である。当実施形態は、携帯電話機とトイレルーム装置の間で相互に相手を認識する手段を必要とせず、携帯電話機のみで実現可能である。従って、携帯電話に簡単な構成を追加するのみで背景音をミキシングする構成を実現することが可能である。また、ミキシングする背景音を携帯電話機内に記憶させる構成である。従って、利用者は背景音を任意に変更可能であり、背景音を複数記憶することにより、状況に応じて背景音を変更することが可能となる。
【0055】
図23−1ないし図23−3は、本発明の第8の実施形態である。トイレルームで発生する騒音は、特定の周波数成分を除去、あるいは減衰させることにより、受話者の印象を和らげることが可能であり、結果として利用者の心理的影響を軽減させ、トイレ使用中においても、安心して携帯電話で通話することが可能となる。
本発明の第8の実施形態は、通話中の携帯電話機がトイレルーム内に位置することを検知した時、あるいは携帯電話機がトイレモードであることを検知した時、携帯電話機のマイクからに有力された音声信号の経路を、不快感を与える特定の周波数の成分を除去、あるいは減衰するフィルタを通す経路に変更する構成、あるいは、携帯電話機が有する通常の音声フィルタの特性を変更することにより、トイレの不快な騒音を除去する、あるいは低減する構成である。
【0056】
図23−1ないし図23−3に示される本発明の第8の実施形態は、各々、図15、図18、及び図21に示される構成において、背景音記憶部を省略し、背景音ミキシング部、背景音制御部をフィルタ部、フィルタ制御部とした構成である。図23−1ないし図23−3の上記以外の構成は、各々対応する図に記載される構成と同じであり同じ動作を行う。従って、図23−1ないし図23−3ではフィルタ部とフィルタ制御部を説明し、他の構成の説明は省略する。
【0057】
図23−1及び図23−2の構成は、既に説明した方法により、携帯電話機が対応するトイレルーム内に在ることを検知すると、携帯電話機のフィルタ制御部(2313,2323)がフィルタ部(2316,2326)に対する制御を行う。又、図23−3に示される構成は、携帯電話機が通話を開始した時、携帯電話機内のモード記憶部にトイレモードが設定されていることを検知すると、フィルタ制御部(2333)はフィルタ部(2336)に対する制御を行う。フィルタ部(2316,2326、2336)は不快感を与える特定の周波数成分を除去する、あるいは減衰するフィルタであり、フィルタ制御部(2313,2323、2333)の指示により、マイクから入力された音声信号をフィルタ部(2316,2326、2336)を介して相手方に送信するように変更する構成である。また、フィルタ部(2316,2326、2336)の構成として、フィルタ制御部(2313,2323、2333)の指示により、携帯電話機が有する通常の音声信号のフィルタの特性を、不快な音の原因となる特定の周波数成分を除去あるいは減衰する特性に変更する構成とすることも可能である。
【0058】
本発明の第8の実施形態の構成は、携帯電話機がトイレルーム内に位置すること、あるいはトイレモードに設定されていることを検知すると、通話時に自動的に利用者の音声の特定の周波数成分を除去あるいは減衰して相手方に送信する構成である。この構成により、受話者の印象を和らげ、結果として利用者の心理的影響を軽減することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の第1ないし第6の実施形態は、ブルートゥース等の近距離通信手段を用いて、携帯電話機がトイレルーム内に位置することを検知して、背景音を再生しトイレルーム内に流す、あるいは携帯電話機の送信音に背景音をミキシングする構成である。この構成により、トイレルーム内で携帯電話機による通話が行われていること検知して消音動作あるいは音楽等の再生を行うことが可能となる。また、本発明は、携帯電話機による通話が終了したこと、あるいは通話中の携帯電話機がトイレルームから退出したことを検知して音消し動作あるいは背景音の再生を自動的に中止することが可能となる。
【0060】
本発明の第7の実施形態は、利用者が予め携帯電話機にトイレモードを設定する構成である。トイレモードが設定された携帯電話機によりトイレルーム内で通話を開始すると自動的に送信音に背景音をミキシングする。この構成により、簡単な構成と操作によりトイレでの音消しが可能となる。
本発明の第8の実施形態は、トイレルーム内で携帯電話機による通話が行われたことを検知して、携帯電話機のマイクにより入力された音声信号から不快感を与える周波数成分を除去、あるいは低減するフィルタを働かせル構成であり、簡単な構成と操作によりトイレでの不快な音を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】ブルートゥースを用いる第1の実施形態の概要図
【図2】第1の実施形態の開始フローの図
【図3−1】第1の実施形態の携帯電話機の終了フローの図
【図3−2】第1の実施形態のトイレルーム装置の終了フローの図
【図4】接続認証を行わない無線方式による第2の実施形態の概要図
【図5−1】第2の実施形態において携帯トリガーによる接続方法の図
【図5−2】第2の実施形態の携帯トリガーによる開始フローの図
【図6−1】第2の実施形態のトイレルーム装置トリガーによる接続方法の図
【図6−2】第2の実施形態のトイレルーム装置トリガーによる開始フローの図
【図7−1】第2の実施形態の携帯電話機の終了フローの図
【図7−2】第2の実施形態のトイレルーム装置の終了フローの図
【図8】ブルートゥースを用いる第3の実施形態の概要図
【図9】第3の実施形態の開始フローの図
【図10−1】第3の実施形態の携帯電話機の終了フローの図
【図10−2】第3の実施形態のトイレルーム装置の終了フローの図
【図11】接続認証を行わない無線方式による第4の実施形態の概要図
【図12−1】第4の実施形態において携帯トリガーによる接続方法の図
【図12−2】第4の実施形態の携帯トリガーによる開始フローの図
【図13−1】第4の実施形態のトイレルーム装置トリガーによる接続方法の図
【図13−2】第4の実施形態のトイレルーム装置トリガーによる開始フローの図
【図14−1】第4の実施形態の携帯電話機の終了フローの図
【図14−2】第4の実施形態のトイレルーム装置の終了フローの図
【図15】ブルートゥースを用いる第5の実施形態の概要図
【図16】第5の実施形態の開始フローの図
【図17】第5の実施形態の終了フローの図
【図18】接続認証を行わない無線方式による第6の実施形態の概要図
【図19−1】第6の実施形態において携帯電話機トリガーによる接続方法の図
【図19−2】第6の実施形態の携帯電話機トリガーによる開始フローの図
【図19−3】第6の実施形態の携帯電話機トリガーによる終了フローの図
【図20−1】第6の実施形態のトイレルーム装置トリガーによる接続方法の図
【図20−2】第6の実施形態のトイレルーム装置トリガーによる開始フローの図
【図20−3】第6の実施形態のトイレルーム装置トリガーによる終了フローの図
【図21】モードキーによる第7の実施形態の概要図
【図22−1】第7の実施形態の開始フローの図
【図22−2】第7の実施形態の終了フローの図
【図23−1】ブルートゥースによる第8の実施形態の概要図
【図23−2】接続認証を行わない無線方式による第8の実施形態の概要図
【図23−3】モードキーによる第8の実施形態の概要図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話機とトイレルーム装置とからなる携帯電話機によるトイレ音消しシステムであって、
前記トイレルーム装置は前記携帯電話機とリンクする第1の近距離通信手段と、
前記近距離通信手段を介して前記携帯電話機から背景音の出力指示を受信して背景音を出力する背景音発生手段とかなり、
前記携帯電話機は
前記トイレルーム装置とリンクする第2の近距離通信手段と、
前記第2の近距離通信手段が前記第1の近距離通信手段とリンクしていることを検出するリンク検出手段と、
前記携帯電話機が通話中であることを検出する通話監視部と、
前記リンク検出手段と前記通話監視部の出力に応答して前記トイレルーム装置に背景音の出力を指示する背景音制御部とからなること
を特徴とする携帯電話機によるトイレ音消しシステム。
【請求項2】
請求項1記載の携帯電話機によるトイレ音消しシステムであって、
前記第1の近距離通信手段と前記第2の近距離通信手段はブルートゥースであることを特徴とする携帯電話機によるトイレ音消しシステム。
【請求項3】
請求項1記載の携帯電話機によるトイレ音消しシステムであって、
前記第1の近距離通信手段と前記第2の近距離通信手段は接続認証を行わない無線方式による通信手段であることを特徴とする携帯電話機によるトイレ音消しシステム。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3記載の携帯電話機によるトイレ音消しシステムであって、
前記トイレルーム装置は背景音を記憶する背景音記憶手段と、
前記背景音再生手段は前記背景音の出力指示力に応答して前記背景音記憶手段に記憶されている背景音を再生すること
を特徴とする携帯電話機によるトイレ音消しシステム。
【請求項5】
請求項1ないし請求項3記載の携帯電話機によるトイレ音消しシステムであって、
前記前記携帯電話機は背景音を記憶する背景音記憶手段を有し、
前記背景音制御部は前記リンク検出手段と前記通話監視部の出力に応答して前記トイレルーム装置に背景音の出力を指示すると共に前記前記背景音記憶手段に記憶されている背景音を前記トイレルーム装置に送信するものであり、
前記トイレルーム装置の前記背景音発生手段は前記携帯電話機から送信された背景音を出力すること
を特徴とする携帯電話機によるトイレ音消しシステム。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5記載の携帯電話機によるトイレ音消しシステムであって、
前記前記携帯電話機と前記トイレルーム装置の一方あるいは両方は背景音の中止を指示する手段を有し、前記背景音の中止を指示する手段の操作に応答して背景音の再生を中止すること
を特徴とする携帯電話機によるトイレ音消しシステム。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6記載の携帯電話機によるトイレ音消しシステムであって、
前記前記携帯電話機による通話が終了したことを検知して背景音の再生を中止すること
を特徴とする携帯電話機によるトイレ音消しシステム。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7記載の携帯電話機によるトイレ音消しシステムであって、
前記第1の近距離通信手段と前記第2の近距離通信手段のリンクが切れたことを検知して背景音の再生を中止すること
を特徴とする携帯電話機によるトイレ音消しシステム。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8記載の携帯電話機によるトイレ音消しシステムであって、
前記第1の近距離通信手段と前記第2の近距離通信手段をリンクする電波の強度が所定値以下となったことを検知して背景音の再生を中止すること
を特徴とする携帯電話機によるトイレ音消しシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図8】
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【図9】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図11】
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【図12−1】
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【図12−2】
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【図13−1】
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【図13−2】
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【図14−1】
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【図14−2】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19−1】
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【図19−2】
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【図19−3】
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【図20−1】
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【図20−2】
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【図20−3】
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【図21】
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【図22−1】
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【図22−2】
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【図23−1】
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【図23−2】
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【図23−3】
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【公開番号】特開2009−108637(P2009−108637A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−283919(P2007−283919)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(501440684)ソフトバンクモバイル株式会社 (654)
【Fターム(参考)】