搾乳ポンプの使用者からの生理的応答検出
本発明の装置は、搾乳ポンプの使用者から生理的応答を検出し、前記検出された生理的応答に応じて前記搾乳ポンプの操作を変更するきっかけを与えるように構成される感知ユニットを含み、前記感知ユニットが、前記搾乳ポンプの搾乳漏斗部から別に配置されている装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理的応答の感知ユニット及び生理的応答を検出し、前記応答により搾乳ポンプの操作において変化を起こすための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
授乳中に女性から乳の発現に、乳排出反射(MER)が先行し、乳房内の乳腺周囲筋上皮細胞の収縮が乳を乳首に向かって流れさせる。MERが起るまではほとんど乳は発現されない。
【0003】
MERは自然に子供の哺乳行動により煽動される。MERが生じた後、子供は自然に哺乳行動を変えて乳房からの乳の連続した流れを促す。
【0004】
望ましくは、人工搾乳ポンプは、MERを扇動することができるだけでなく、MERが生じた後に乳房に与えられる刺激のタイプを変えることで自然な哺乳プロセスの前記第2の段階を模倣することができる、ものである。しかし正しい時間に刺激を変更するためには、まずMERが生じた時を検出する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って本発明は、搾乳ポンプの使用者からの生理的応答検出を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、搾乳ポンプの使用者からの生理的応答を検出し、前記検出された生理的応答により前記搾乳ポンプの操作中に変化を起こすように構成される感知ユニットを提供するであって、前記感知ユニットが前記搾乳ポンプの搾乳漏斗部(funnel)と離れて配置される。
【0007】
前記搾乳ポンプの前記搾乳漏斗部が前記使用者の乳房に対抗して置かれる場合、前記感知ユニットは、前記使用者の乳房とは異なる身体部分からの前記生理的応答を検出するように構成され得る。
【0008】
前記感知ユニットは、前記検出された生理的応答に基づき乳排出反射を検出するように構成され得る。
【0009】
前記感知ユニットは、乳排出反射の検出に応じてレットダウンモード(let−down−mode)から発現モードへ前記搾乳ポンプの操作において変化を起こすように構成され得る。
【0010】
前記感知ユニットは、前記検出された生理的応答に基づいて前記ポンプの使用者のリラックス状態を検出するように構成され得る。
【0011】
前記感知ユニットは、前記ポンプ使用者のリラックス状態の検出に応じてリラックスモードからレットダウンモードへ前記搾乳ポンプの操作において変化を与えるように構成され得る。
【0012】
前記感知ユニットは、前記ポンプ使用者のストレス状態の検出に応じてニュートラルモードからリラックスモードへ前記搾乳ポンプの操作において変化を与えるように構成され得る。
【0013】
前記感知ユニットは、前記ポンプ使用者のストレス状態の検出に応じてレットダウンモードからリラックスモードへ前記搾乳ポンプの操作において変化を与えるように構成され得る。
【0014】
前記感知ユニットは、前記応答を検出するように構成されるセンサを含むことができる。
【0015】
前記センサは、前記搾乳ポンプ使用者の皮膚組織からの前記応答を検出するように構成される皮膚電気センサであり得る。
【0016】
前記生理的応答は電気皮膚反応であり得る。
【0017】
前記生理的応答は、前記使用者の心臓鼓動であり得る。
【0018】
前記生理的応答は、前記使用者の呼吸速度であり得る。
【0019】
前記生理的応答は、前記使用者の体温であり得る。
【0020】
前記生理的応答は、前記使用者の心拍数変動であり得る。
【0021】
前記装置は、前記センサが設けられる手袋であり得る。
【0022】
前記手袋は、少なくとも1つの指受部を含み、前記センサが、前記受部に挿入される場合に前記使用者の手の皮膚組織と接触するように前記少なくとも1つの指受部内に設けられ得る。
【0023】
前記装置は、前記センサがその上に設けられる受容器ホルダを含む。
【0024】
前記センサは、前記受容器ホルダを保持される場合に前記使用者の手の皮膚組織と接触するように前記受容器ホルダの外側に設けられ得る。
【0025】
前記センサは、前記受容器ホルダのハンドルに設けられ得る。
【0026】
前記装置は、前記センサが設けられるブレスレットを含み得る。
【0027】
前記センサは、前記ブレスレットを付ける場合に前記使用者の皮膚組織と接触するように前記ブレスレットの外側に設けられ得る。
【0028】
前記装置は、搾乳ポンプを含み、前記搾乳ポンプは、前記感知ユニットからのシグナルの受信に応じてその操作を変更するように構成され得る。
【0029】
本発明の他の実施態様によると、搾乳ポンプを制御するための方法が提供され、前記方法は、前記搾乳ポンプの使用者からの生理的応答を検出することを含み、前記応答は前記使用者の乳房以外の身体部から検出され;かつ前記検出された生理的応答に応じて前記搾乳ポンプの操作において変化を与えることを含む。
【0030】
前記生理的応答の検出は、前記搾乳ポンプの搾乳漏斗部が前記ポンプの使用者の乳房に対抗して設けられている間になされ得る。
【0031】
前記方法は、前記検出されるセンサに基づいて乳排出反射を検出することを含む。
【0032】
前記方法は、前記使用者のリラックス状態を検出することを含む。
【0033】
前記搾乳ポンプの前記操作中の変化は、リラックスモードからレットダウンモードであり得る。
【0034】
前記搾乳ポンプの前記操作中の変化は、レットダウンモードからリラックスモードであり得る。
【0035】
前記搾乳ポンプの前記操作中の変化は、ニュートラルモードからリラックスモードであり得る。
【0036】
前記操作中での変化は、乳排出反射の検出に応じてなされ得る。
【0037】
前記操作中での変化は、前記使用者のリラックス状態の検出に応じてなされ得る。
【0038】
前記操作中での変化は、前記使用者のストレス状態の検出に応じてなされ得る。
【0039】
戦記方法は、前記搾乳ポンプの前記使用者の皮膚組織からの前記応答を検出することを含む。
【0040】
前記皮膚組織は、前記搾乳ポンプの使用者の手、腕又は足であり得る。
【0041】
前記生理的応答は電気皮膚反応であり得る。
【0042】
前記方法はさらに、前記搾乳ポンプの操作を変更することを含み得る。
【0043】
本発明のこれらの側面及び他の側面は、以下記載される実施態様を参照することで明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、搾乳ポンプを示し、接続パイプを介して受容器へ接続される搾乳漏斗部を持つ。
【図2】図2は、図1に示される搾乳ポンプのダイヤグラムである。駆動可能なダイヤフラム及びバルブが前記接続パイプ内に示され、これらは前記搾乳ポンプの内容量を変えるためのものである。
【図3】図3は、交信線による搾乳ポンプへ接続される感知ユニットのブロックダイヤグラムを示す。
【図4A】図4Aは、搾乳ポンプの使用者の電気皮膚反応が、乳排出反射の前、間及び後での時間でどのように変化するかを示すプロットを示す。
【図4B】図4Bは、搾乳ポンプの使用者の電気皮膚反応が、乳排出反射の前、間及び後での時間でどのように変化するかを示すプロットを示す。
【図4C】図4Cは、搾乳ポンプの使用者の電気皮膚反応が、乳排出反射の前、間及び後での時間でどのように変化するかを示すプロットを示す。
【図4D】図4Dは、搾乳ポンプの使用者の電気皮膚反応が、乳排出反射の前、間及び後での時間でどのように変化するかを示すプロットを示す。
【図5】図5は、搾乳ポンプの使用者の前記電気皮膚反応におけるピークの、コンピュータによる同定を示す。
【図6】図6は、前記ポンプの使用者の電気皮膚反応に応じて搾乳ポンプの操作を変更する場合に起る一連の事象のフローダイヤグラムを示す。
【図7】搾乳ポンプの使用者の生理的応答を感知するためのユニットを含む手袋を示す。
【図8】搾乳ポンプの使用者の生理的応答を感知するためのユニットを保持するホールドユニットを示す。前記ホールドユニットは前記搾乳ポンプの受容器を保持することが示される。
【発明を実施するための形態】
【0045】
添付の図面を参照しつつ本発明の実施態様が以下説明される。
【0046】
図1を参照して、搾乳ポンプ100は搾乳漏斗部110及び受容器120を含む。搾乳漏斗部110及び受容器120は接続パイプ130で接続され、前記パイプは実質的にチューブ形状である。
図1に示されるように、前記搾乳漏斗部110は入口部111及び出口部112を含む。入口部111は中空切断コーンの形状を有し、乳首から発現される乳を集めるために女性の乳房に心地よく受け入れられ得る。出口部112は耐液漏れ出口チューブの形状であり、前記接続パイプ130と接続されて、前記乳房から発現された乳を前記搾乳漏斗部110の前記入口部111から前記受容器120へ送ることができる。
【0047】
接続パイプ130は、前記搾乳漏斗部110と前記受容器120の間で耐液漏れ通路を与え、乳房から発現された乳を受容器120へ液漏れすることなく移すものである。受容器120は、例えば適切なプラスチック受容器などの母乳を入れるために適切な全ての耐液漏れ受容器を含み得る。前記受容器120の入口部121は前記接続パイプとねじ込み継手により接続されて、前記受容器120が搾乳ポンプの使用の際に望ましくなく前記接続パイプ130から外れないことを確実にする。ねじ込み継手接続は、望む場合には前記受容器120を前記接続パイプイ130と分離することを可能にする。例えば前記乳受容器120を空にするためなどである。
【0048】
類似のねじ込み継手接続が、前記接続パイプ及び前記搾乳漏斗部110の前記出口部112との間に設けられ得る。しかし、前記搾乳漏斗部110及び前記接続パイプ130は又一体で形成され、前記接続パイプ130が前記搾乳漏斗部110の一部に含まれ得る。例えば、前記搾乳漏斗部110及び前記接続パイプ130は、単一のプラスチック成形体を含み、これが前記受容器120の前記入口121へ直接ネジ止めされ得る。これは図1に示される。
【0049】
接続パイプ130はダイヤフラム140を含み、これは前記接続パイプ130の内部容量を変化させるために駆動され得る。前記接続パイプ130の内部容量は、前記搾乳漏斗部110の内部容量を除外し、前記接続パイプ130の壁、駆動可能なダイヤフラム140及び前記接続パイプ130と前記受容器入口121との境界の前記バルブ131(以下説明される)で定められる内部容量を含むものである。図2に示される例では、ダイヤフラム140は接続パイプ130のルーフ部を形成する。ダイヤフラム140の上方向への駆動は、前記接続パイプ130の内部容量を増加させる。一方ダイヤフラム140の下方向への駆動は、前記接続パイプ130の内部容量を減少させる。ダイヤフラム140の駆動は図2で矢印の上方向、下方向で示され、点線でダイヤフラム140の上限位置及び下限位置を示す。理解されるべきは、接続パイプ130の内部容量の急激な増加は、搾乳ポンプ100内に空気圧を下げるということである。それにより搾乳漏斗部110の入口部111が乳房の皮膚組織を締め付ける。バルブ131が、受容器120の入口部121に隣接して接続パイプ130内に設けられ、接続パイプ130と受容器120の間の液通路を閉じる。バルブ131は、ダイヤフラム140が上方方向に駆動されて前記sつ属パイプ130の内部空気圧が減少する際に閉じるように構成されている。このことは図2で矢印で示される。理解されるべきは、受容器120内部の空気を搾乳漏斗部110内部の空気と分離することで、バルブ131は、ダイヤフラム140の作動により生じる搾乳漏斗部外部と内部の空気圧力差を増加するように作用し、それにより搾乳漏斗部110の入口部111が乳房組織をより確実に締め付ける、ということである。
【0050】
ダイヤフラム140はアクチュエータ150と接続され得る。アクチュエータ150は、ダイヤフラム140を上方向及び下方向へ駆動するように構成され、それにより接続パイプ130の内部容量を増加、減少させる。アクチュエータ150は、電気モータ150を含み、これは搾乳ポンプ100に、例えば接続パイプ130の上に直接設けられるヘッドユニット150に設けられ得る。これにより以下説明されるように電気モータ150がダイヤフラム140と結合され得る。電気モータ150は、電源160で駆動される。電源は例えばヘッドユニット151の電気モータ150に隣接して設けられる電池パック160などである。又は、電気モータ150は電線接続され、例えば電気モータ150を適切な変換ユニットを介して電線接続へ接続される。
【0051】
電気モータ150は駆動機構170と接続され、これはダイヤフラム140を搾乳ポンプ100の内部容量を変化させるために駆動するように構成される腕部171を含む。例えば、前記腕部171は、前記腕部171と前記ダイヤフラム140の上部表面のニップル部141との間にロック構造を与えるための形状を持つ端部を含む。前記電気モータ150が駆動される場合に、前記駆動機構170は前記腕部170を前記接続パイプ130内で長手方向に前後に動かし、それによりダイヤフラム140を上下方向に動かして前記接続パイプ130の内部容量をそれぞれ増加、減少させることとなる。
【0052】
前記のように、前記搾乳漏斗部110の前記入口部111が女性の乳房の皮膚組織に対して位置される場合、前記ダイヤフラム140の駆動により生じる前記搾乳ポンプ100の内部空気圧減少は、前記搾乳漏斗部が前記乳房の皮膚組織を締め付けさせ、かつ前記接続パイプ130の前記バルブ131を閉じさせることとなる。前記バルブ131が閉じると、さらに前記ダイヤフラム140の駆動により前記搾乳漏斗部110内部の空気圧が減少し前記乳房皮膚組織が前記搾乳漏斗部の入口部111へ引かれる。前記搾乳漏斗部110の内部空気圧は再び前記ダイヤフラム140が反対方向に駆動され、前記接続パイプ130の内部容量を減少させることで増加し、これにより前記乳房組織が通常の形状に戻されることとなる。
【0053】
前記電気モータ150が前記腕部171の長手方向の前後移動を繰り返し駆動し、前記ダイヤフラム140を前記接続パイプ130内で上下方向に駆動するというサイクルが扇動され得る。以下説明するように、1つの完全なサイクルは、前記ダイヤフラム140の開始位置から上部位置へ、その後下部位置へ、その後開始位置へ戻る、という動きを意味するものと、され得る。前記サイクル間に、前記搾乳漏斗部110内部の空気圧は連続的に変化し、それにより前記搾乳漏斗部110に対抗して位置される乳房組織が前記入口部111の中へ及び前記入口部111から外に繰り返し動かされることとなる。かかるサイクルは、前記乳房への刺激効果を与え得るために使用され得る。前記サイクルは、子供の哺乳動作を真似するように最適化され得る。これにより乳を前記搾乳ポンプ100内へ発現させ、又は前記ポンプの使用者をリラックスさせるための助けとなる。これについては以下説明される。
【0054】
前記ダイヤフラム140が上下する周期は、前記ダイヤフラム140が前記搾乳ポンプ100の固定時間操作の間に完了する完了サイクル数で測定され得る。同様に、前記ダイヤフラム140が動くピーク間の強さは、1つの特定のサイクルの間の前記ダイヤフラム140の上限位置及び下限位置の間の距離として測定され得る。これらの位置は、図2に示される前記ダイヤフラム140の上限値、下限値に対応する必要はない。例えば、特定のサイクルの間の前記ダイヤフラム140の上限位置及び下限位置は、それぞれ図2に示される上限位置及び下限位置のそれぞれよりも低くかつ高くなり得る。前記ダイヤフラム140が駆動機構170で駆動される繰り返し及び強さを変更することで、前記搾乳ポンプ100による前記乳房へ与える刺激効果を変えることが可能となる。これにより、前記ダイヤフラム140の動きを駆動する前記電気モータ150への入力シグナルを制御することで、前記搾乳ポンプ100により与えられる刺激効果を前記搾乳ポンプ100の特定の使用者に合わせることが可能となる。前記刺激効果はまた、自然の哺乳プロセスの異なる段階を真似ることで最適化することができ、かつ前記搾乳ポンプ100の使用者をリラックスさせる助けとなる。
【0055】
前記搾乳ポンプ100は、異なる刺激モードで操作され得るものであり、前記搾乳ポンプ100の使用者からの1以上の生理的応答に応じてこれらのモード間を切替えるように構成され得るものである。例えば、1つの操作モードは、レットダウンモードであり、前記ダイヤフラムサイクルの繰り返し及び強さがMERを扇動するために最適化される。一方他の操作モードは発現モードを含み、前記ダイヤフラム操作がMERが生じた後で前記乳首からの乳の連続発現を促進するように最適化される。他の操作モードは、リラックスモードを含み、前記ダイヤフラムサイクルの繰り返し及び強さが前記使用者の皮膚組織へリラックス効果を与えるように最適化され、それによりMERの扇動を促し及び/又は乳発現を助けるものである。他の操作モードは、ニュートラルモードを含み、前記ダイヤフラム140が作動しないか、又は前記ダイヤフラムの繰り返し及び強さが比較的ゆっくりとした、低い吸い込み作用を与えるものである。前記搾乳ポンプ100は、上で説明した全ての操作モードの第1のモードから上で説明した全ての操作モードの他の第2のモードへの切り替えを、前記ポンプ100の前記使用者からの生理的応答の感知に応じて行うように構成され得る。以下説明するように、操作モード間の切り替えは、例えばMERが生じたことを示すきっかけシグナル受信に応じて、レットダウンモードから発現モードへの切り替えを含む。異なる操作モード間の切り替えは、ニュートラルモード又はレットダウンモードからリラックスモード、又はリラックスモードからレッとダウンモード又は発現モードへの切り替えを含む。当業者が理解すべきことは、異なる刺激モード間の相違は、ここでは前記ダイヤフラムの繰り返し及び強さの違いとして記載されているが、前記第1及び第2のモードの間の変換は、これらにさらに加えて又はこれらとは別に前記搾乳ポンプ100の他のパラの調節を含むことができる、ということである。例えば、前記搾乳ポンプ100は、前記搾乳漏斗部110の前記入口部111の前記内部表面上にマッサージパッドを設けることができ、これは搾乳ポンプ100が操作されている際に前記乳房の皮膚組織をマッサージするように構成される。前記マッサージパッドで与えられるマッサージ効果は、操作モード、例えば、乳排出反射を促すため(レットダウンモード)、乳の連続発現(発現モード)又は前記使用者をリラックスさせる(リラックスモード)により変わり得る。
【0056】
図3を参照し、前記搾乳ポンプ100の前記搾乳漏斗部110から別に離れて位置される感知ユニット200は、前記搾乳漏斗部00の前記使用者から生理的応答を感知し、前記感知された応答に基づき使用者の状態を検出するように構成され得るものである。例えば、前記感知ユニット200は、前記搾乳ポンプ100の使用者の前記乳房での乳排出反射(MER)(又はレットダウン反射)を検出するように構成され得る。前記使用者の状態を検出するための応答において、前記感知ユニット200は、前記搾乳ポンプ100の操作モードを、上で記載された第1の操作モードから、第2の操作モードへ変化させるためのきっかけシグナルを生成するように構成され得る。例えば、MERを検出するための感知ユニット200の場合において、前記感知ユニット200は、前記レットダウンモードから前記発現モードへの前記搾乳ポンプ100の操作モードを変えるためのきっかけシグナルを生成するように構成され得る。前記搾乳ポンプ100の前記使用者がストレス状態にあることを検出する感知ユニット200の場合には、前記感知ユニット200は、前記レットダウンモードから前記レラックスモードへ操作モードを変更するためのきっかけシグナルを生成するように構成され得る。前記搾乳ポンプ100の前記使用者がリラックス状態にあることを検出する感知ユニット200の場合には、前記感知ユニット200は、前記リラックスモードから前記レットダウンモードへ操作モードを変更するためのきっかけシグナルを生成するように構成され得る。
【0057】
前記ポンプ100は、異なる操作モードが、単一で又は共に同時に操作され得るように構成され得る。例えば、前記リラックスモードは、レットダウンモードと並べて操作され得る。
【0058】
用語、生理的応答はここでは、前記搾乳ポンプ100の前記使用者の生理的条件での全ての測定値、読み値又は変化を含む。前記生理的応答は前記搾乳ポンプ100の前記使用者の皮膚組織から検出され得る。感知ユニット200は前記使用者の乳房組織以外の他の身体部分からの生理的応答を検出するように構成され得る。一例では、MERが生じたかどうかの検出は、MERを示すものとして知られている記憶された生理的応答と前記感知された生理的応答とを比較することで達成される。前記使用者がストレス状態かリラックス状態かの検出、又は他の使用者の状態の検出も同様に達成できる。即ち、感知された生理的応答と、ストレスを示すものとして知られた記憶された生理的応答とを比較することによる。又は、前記状態の検出は、コンピュータモデルを用いても達成できる。例えば、適切なアルコリズムを用いてセンサ210からのシグナルを解析し、特定の状態を示す事象を検索することによる。これらの事象は、例えば、特定のタイプのセンサ210からのシグナルにおけるピークや谷を含む。この例として、以下図4A〜4Dに関して説明される。記憶された生理的応答及び/又は前記コンピュータモデルは、適切な半導体記憶装置としての、前記感知ユニット200の記憶ユニット230に記憶される。前記使用者のMER又はストレス/リラックス状態検出において、感知ユニット200は前記搾乳ポンプ100へ上で参照したきっかけシグナルを生成し送るように構成され得る。前記きっかけシグナルは、前記感知ユニット200で感知される前記生理的応答が、前記ポンプ100の前記使用者のMER、ストレス状態又は前記ポンプの前記使用者のリラックス状態を示す記憶された生理的応答の既定の限界内にある場合に、生成され得る。前記既定の限界は前記記憶ユニット230に記憶されている。
【0059】
感知された生理的応答と記憶された生理的応答の比較及び/又はコンピュータモデルの実行は、制御ユニット220で実行され、以下より詳細に説明される。前記搾乳ポンプ100は、上で説明したように、第1の操作モードから第2の操作モードへ切り替えることによりきっかけシグナルの受信に応じるように構成され得る。例えば前記ダイヤフラム140のサイクル動作の繰り返し及び/又は強さを変更することである。
【0060】
感知ユニット200は、少なくとも1つの生理的センサ210を含む。例えば、前記感知ユニット200は、電気皮膚反応センサを含み、前記搾乳ポンプ100の使用の際に前記搾乳ポンプ100の使用者の皮膚組織と接触するように構成されている。前記電気皮膚センサ210は一組の電極を含み、例えば前記電極が接触する皮膚組織からの電気的抵抗を測定するように構成されている。前記電気皮膚反応センサ210はそれゆえに、以下説明されるように、前記搾乳ポンプ100の前記使用者から電気皮膚反応応答(GSR)を検出するために使用され得る。感知ユニット200は、これに加えて又はこれに代えて、他のタイプの生理的センサ210を含み得る。例えば、心臓呼吸センサ210であり、前記使用者の鼓動、体温、呼吸速度又は血圧を検出するために、又は心電図(ECG)を実施するために使用される。他のタイプの生理的センサ210は、筋電図又は眼電図を実施するように構成され得る身体測定センサ210であり、又は前記使用者の瞳サイズ、瞬き回数及び/又は瞬きの長さの変化を検出ために使用される身体測定センサ210であり得る。さらなるタイプの生理的センサ210は、内分泌センサ210であり、これは使用者の身体中のオキシトシンのレベルを測定するものである。かかる測定を行う装置はより理解されているものであり、さらにここでは説明しない。
【0061】
感知ユニット200はさらに、制御装置220を含み、これはそれぞれの生理的センサ210に接続され、前記使用者の生理的応答を示すものとして前記センサ210からのシグナルを受信するように構成され得る。例えば、前記制御装置220は、電気的にそれぞれのセンサ210と、前記制御ユニット220と前記センサ210間に伸びる電線を介して接続され、前記センサ210から前記制御ユニット220へのシグナルを伝達するために使用され得る。前記制御ユニット220は、前記センサ210から受信されるシグナルを分析し、前記搾乳ポンプ100の前記使用者の1以上の生理的応答を決定するように構成され得る。例えば、図3を参照すると、前記制御装置220は、前記電極位置での電圧分析からの電気皮膚反応(GSR)などの電気皮膚応答を検出するように構成され得る。前記制御装置220は、これに加えて又はこれとは別に、生理的応答の他のタイプを検出するように構成され得る。例えば、使用者の体温、血圧、鼓動、心拍数の変化、リラックス状態、使用者の瞳サイズ、瞬きに繰り返し及び/又は長さの変化などである。しかし理解されるべきは、生理的応答は又前記生理的センサ210により直接検出され、前記制御装置へ直接送ることができる、ということである。
【0062】
前記のように、制御装置220は、前記センサ210を介して決定された前記生理的応答と、MER、前記搾乳ポンプ100の前記使用者のストレス状態、前記搾乳ポンプ100の前記使用者のリラックス状態又は他の状態を示す記憶された生理的応答と比較するように構成され得る。これに加えて又はこれに代えて、前記制御装置220は、前記センサ210からコンピュータモデルへシグナルを入力するように構成され得る。前記コンピュータモデルは前記制御装置220により実行され、前記ポンプ100の前記使用者の特定の条件(例えば、MER、リラックス/ストレス状態)を示す事象を決定するものである。前記記憶された応答及び/又はコンピュータモデルは、感知ユニット200の記憶ユニット230へプレロードされ、前記搾乳ポンプ100の操作の際に前記制御装置220によりアクセスされ得る。場合により、前記感知ユニット200は、前記MERの検出に使用するための複数の異なる記憶される応答の1つを選択するように構成され得る。前記感知ユニット200は、これに加えて又はこれに代えて、前記ポンプ100の使用者のストレス状態又はリラックス状態の検出に使用するための1つ又は複数の異なる記憶された応答を選択するように構成され得る。前記感知ユニット200による記憶された応答の選択は前記搾乳ポンプ100の前記使用者に基づくことができる。例えば、前記選択は、入力手段を通じて感知ユニット200に入力され得る身長及び体重などの物理的寄与に基づくことができる。前記感知ユニット200はまた、前記記憶された応答を調節してそれらを前記ポンプ100の通常の使用者に合わせることができる。かかる調節は、コンピュータモデルにも同様に適用し得る。例えば前記使用者の物理的寄与に基づくモデルのパラメータを調節することで可能となる。一例では、前記感知ユニット200は、特定の使用者のMERを扇動するために必要な平均ポンプ時間を記憶し、その記憶された時間をMERの検出の助けとするように構成され得る。
【0063】
前記制御ユニット220は、記憶された応答に対する前記感知された応答と比較し、前記感知された応答が前記状態のための記憶された応答の既定の制限内である場合には、前記ポンプの使用者の特定の条件を示すきっかけシグナルを生成するように構成され得る。これに代えて又はこれに加えて、上で説明したコンピュータモデルが使用され得る。
【0064】
前記のように、前記きっかけシグナルは、例えば、MERが生じたこと、又は前記ポンプの使用者がストレス又はリラックス状態を示し得るものである。図4A〜4Dは、上で説明された感知ユニット200を用いて測定された乳発現女性(前記搾乳ポンプ100を用いている際)の手の皮膚組織から得られるGSRを示す。図4A〜4Dのぞれぞれは、乳発現作用の開始からの経過時間に対してプロットされたGSRを示す。プロットのそれぞれの垂直線は、女性がMERが生じたことを気づいた時点を示す。図から分かるように、前記垂直線は、GSRでのピークと非常に近く対応する。これらのピークはMERを示すものとして取得され、従ってMERが生じた時を検出するために感知手段200により使用され得る。ストレス又はリラックス状態は、対応する方法、即ちストレス状態又はリラックス状態を示す時点又は傾向を同定するためのGSR曲線を分析することで検出され得る。例えば、図4A〜4Dを参照して、MERが生じた後GSR曲線での下向き傾向は、前記ポンプ100の使用者が乳発現期間が続くとよりリラックスするようになる、ということを示す。同様の方法が、例えば前記使用者の脈拍、体温又は心拍数の変化を分析することで、他のタイプの生理的応答から使用者の状態を同定するために使用され得る。
【0065】
図5を参照して、感知手段200へロードされるコンピュータアルゴリズム又は適切なプログラムは、前記制御ユニット220でプロセッサにより実行される場合、GSR読み値で又は他の生理的応答での前記使用者の特定の状態を示すピーク又は他の点を検出し、かつ前記きっかけシグナルを生成するように構成され得る。かかるコンピュータアルゴリズムにより検出されるピークは図5で円で示され、それにより前記ポンプ100の前記使用者でのMERを検出する。
【0066】
前記きっかけシグナルは、前記搾乳ポンプ100の制御ユニット152へ前記感知ユニット200の前記制御装置220を接続する電線180を通じて前記搾乳ポンプ100へ伝達する電気シグナルを含み得る。又は、前記きっかけシグナルは、ブルーツースなどの知られている通信プロトコルを用いて無線で前記搾乳ポンプ100の前記制御ユニット152へ送られ得る。前記搾乳ポンプ100の制御ユニット152は、前記ヘッドユニット151に設けられ、及び異なる操作モード間で前記搾乳ポンプ100の操作を変更するために駆動装置150及び/又は駆動機構170に入力シグナルを与えるように構成され得る。
【0067】
例えば図6を参照して、前記搾乳ポンプ100の使用者は、前記ヘッドユニット151の「開始」ボタンを押すことで搾乳ポンプ100のポンプサイクルを開始し得る。「開始」ボタンが押されたことに対応して、前記搾乳ポンプ100の前記制御ユニット152は、入力シグナルを前記アクチュエータ150に与えて前記ダイヤフラム140を上下に動かし始めるように指示して第1のモードで操作させるように構成され得る。前記第1のモードは前記レットダウンモードを含み、そこでダイヤフラムサイクルの繰り返しは比較的多く、前記ダイヤフラムの強さは比較的低くされる。これにより比較的速いが柔らかなポンプ作用が前記乳房組織に与えられる。これは、MERを扇動するための自然な授乳操作の初期段階を正確に真似する刺激効果を与えるように設計されるものである。MERの生成は、前記感知ユニット200の前記制御装置220で検出され、これによりMERが生じたことを示す前記搾乳ポンプ100の前記制御ユニット152へきっかけシグナルを生成し伝達される。前記きっかけシグナルを受け取ることで、前記搾乳ポンプ100の前記制御ユニット152は、切り替え指示をアクチュエータ150及び/又は駆動機構170へ入力することで、前記搾乳ポンプ100の操作を、例えば発現モードを含む第2のモードへ変更するように構成され得る。前記切り替えシグナルを受け取りと、前記アクチュエータ150及び/又は駆動機構170は、前記搾乳ポンプ100の操作を第2のモードへ変更するように構成される。例えば、前記第2のモードは前記発現モードを含み、前記ダイヤフラムサイクルの繰り返しが減少され、一方で前記ダイヤフラムサイクルの強さは増加される。これは、よりゆっくりとしたより強い力でポンプ操作が前記乳房組織に加えられる。この得られる刺激効果は、乳が前記乳房の乳首から発現されるように促進する。
【0068】
前記第1のモード及び前記第2のモード間の自動的変換は、前記搾乳ポンプ100の使用者が、前記ポンプ作用の初期活性化に続いて使用者入力を与えること必要ない、ことを意味する。搾乳ポンプ100は、望ましい量の乳が使用者の乳房から発現されるまで自動的に操作され得る。このことは望ましいことである。というのは、MERは搾乳ポンプの使用者が十分にリラックスしている場合に最も起こり易く、前記使用者が前記搾乳ポンプ100を操作する際に集中することが要求される場合には最も起こりにくいことが知られているからである。
【0069】
前記の例の変形例において、前記第1のモードがリラックスモードを含み、ここで、前記感知手段200の1以上の選択的な光及び/又はスピーカがそれぞれ前記搾乳ポンプ100の使用者をなだめる光と音を出力されるように構成される。前記感知ユニット200は、前記使用者から検出される生理的状態に応じて光及び音の出力を変更するように構成され得る。前記ポンプ100の使用者がリラックス状態であることが前記制御ユニット220で検出されると、前記感知ユニット200は、前記使用者がリラックス状態であることを示すきっかけシグナルを生成し、前記搾乳ポンプ100の前記制御ユニット152へ送ることができる。前記きっかけシグナルを受ける際に、前記搾乳ポンプ100の前記制御ユニット152は、前記搾乳ポンプ100の操作を第2のモードへ、例えば切り替え指示をアクチュエータ150及び/又は駆動機構170へ入力することで、切り替えるように構成され得る。前記切替シグナルを受ける際に、アクチュエータ150及び/又は駆動機構170は、前記搾乳ポンプ100の操作を前記第2のモードへ変更するように構成される。
【0070】
感知ユニット200のいくつかの具体例が以下に記載されている。これらの例では、搾乳漏斗部110が前記搾乳ポンプ100を使用する際に前記使用者の乳房の皮膚組織に対して位置され、感知ユニット200の少なくとも1つのセンサ210が使用者の乳房組織以外の身体部分の皮膚組織に接触するように構成される。より具体的には、以下の例では、少なくとも1つのセンサ201は、前記使用者の生理的応答を検出するために前記搾乳ポンプ100の使用者の手又は腕の組織と接触するように構成される。しかし、センサ210はまた、前記使用者の生理的応答を検出するために前記搾乳ポンプ100の使用者の膝又は足の組織と接触するように構成される。かかる生理的応答測定が、手、腕又は足の組織でなされることは有利である。というのは、皮膚導電性を最もよく示すものはこれらの身体部分であるからであり、GSRを決定するため、ひいてはMERなどの使用者の状態を検出するために測定され得るものである。身体にこれらの部分はまた、乳房領域及びそれに関連する乳流から離れており、使用前に感知手段を殺菌することなくMERの検出に使用できる。しかし理解されるべきことは、感知ユニットが、上で説明した身体部分の皮膚組織の1つと接触するように構成されるセンサ210を含むことは本質的にはない、ということである。このことは、電気皮膚応答以外の他のタイプの応答が使用者の状態を検出するために使用される場合に、そうである。
【0071】
図7を参照して、感知ユニット200は、使用の際に前記搾乳ポンプ100の使用者によりはめられる手袋300内に設けられ得る。少なくとも1つの生理的センサ210が設けられ、手が手袋300に入ると使用者の手の組織と接触する。例えば、生理的センサ210は、前記手袋300内の複数の指受部310の少なくとも1つに設けられ得る。さらに、生理的センサ210は前記手袋の他の1以上の指受部310に設けられてもよい。例えば指受部310のそれぞれに設けられ得る。生理的センサ210はまた、手袋300の手のひら側320内部に設けられることもできる。
【0072】
制御ユニット220は、前記手袋の内部又は外部に設けられ得る。例えば、制御ユニット220は手袋300の上部の内部又は外部表面へ設けられ得る。一方生理的センサ210は、手袋300の底部又は手のひら側の内部表面に、入れた手の皮膚組織と接触させるために設けられ得る。制御ユニット220は、手袋300の織物を通じて伸びる電線を介して前記センサのそれぞれに電気的に接続され得る。
【0073】
図8を参照して、前記感知ユニット200はまた、前記搾乳ポンプ100の保持ユニット400内に含まれ得る。明瞭にするために、図8では前記搾乳ポンプ100の受容器120を保持する保持ユニット400のみが示されている。しかし理解されるべきは、保持ユニット400は前記搾乳ポンプ100が共にネジ止めされる場合には全搾乳ポンプ100を支持することができる、ということである。保持ユニット400は、例えばケージ410を含み、これは前記搾乳ポンプ100の受容器120の周辺表面回りに適合するようにされ、さらに前記受容器120の基底部を支持するようにされた側壁411を持つ。ケージ410はさらに、前記搾乳ポンプ100の使用者が前記保持ユニット400を掴み、それにより乳発現の間乳房に対して前記搾乳ポンプ100を押し付けるためのハンドルを含む。
【0074】
図8に示されるように、少なくとも1つの生理的センサ210は、前記保持ユニット400の外側表面、例えば1以上の側壁411、基底部412又はハンドルに設けられ、センサ210が、使用者が前記保持ユニット400を掴んでいる間に使用者の手の皮膚組織と接触する。1つの例では、センサ210はケージ410の前記側壁411、基底部412及びのハンドルにそれぞれ設けられる。センサ210は、成人女性の指が合うような形状を持つ前記ケージ410の外部のへこませた部分に設けられる。これにより前記搾乳ポンプ100の使用者は、指を前記センサ210の上部に直接置くように促され、それにより使用者の皮膚組織とセンサ210の良好な接触が得られることとなる。制御ユニット220は前記保持ユニット400の全ての適切な位置へ設けることができ、例えばケージ410の側壁411上などである。
【0075】
図9を参照して、感知ユニット200は、搾乳ポンプ100の使用者が使用中に付けるリストバンド又はブレスレット500内に設けられ得る。少なくとも1つの生理センサ210は、前記バンド又はブレスレット500が使用中に使用される際には、使用者の手又は腕の皮膚組織と接触するように位置され得る。前記バンド又はブレスレット500が膝又は足回りの装着される場合には、少なくとも1つの生理的センサ210は、使用者の膝又は足の皮膚組織と接触するように位置され得る。
【0076】
図9を参照して、少なくとも1つの生理的センサ210は、前記バンド又はブレスレットが装着される際に使用者の皮膚組織と接触するように前記バンド又はブレスレット500の内部表面に設けられる。制御ユニット220は、ブレスレット500の内側表面510又は外側表面520のいずれかに設けられ得る。又は制御ユニット220は、損傷から保護するために前記バンド又はブレスレット500の内部に埋め込むことも可能である。制御ユニット220は、前記バンド又はブレスレット500を通じて又は渡って伸びる電線を介して前記センサのそれぞれに電気的に接続され得る。
【0077】
又は前記感知ユニット200は前記搾乳ポンプ100の受容器120自体の中に含まれ得る。例えば、少なくとも1つの生理的センサ210は、前記受容器120の外部表面に位置され得る。例えば、使用者が前記搾乳ポンプ100を使用中に受容器120を保持する際に使用者の手の皮膚組織と接触するように前記受容器120の1以上の側壁又は基底部に設けられ得る。1例では、センサ210は、前記側壁及び基底部にそれぞれ設けられる。前記センサ210は、成人女性の指が合う形状を持つ前記受容器120の外部のへこませた部分に設けられ得る。これにより、搾乳ポンプ100の使用者が指を前記センサ210の上部に直接置くことを促し、それにより使用者の手とセンサ210との良好な接触が確実となる。制御ユニット220は、前記じゅようき120のすべても適切な位置、例えば受容器120の側壁に設けられ得る。
【0078】
本発明は、図面及びこれまでの記載により詳細に説明されたが、かかる図面及び説明は本発明を説明するためだけのものでありなんら制限するものではない。また本発明は開示された実施態様に限定されるものではない。例えば、本発明は次の実施態様で実施され得る。即ち、感知ユニットが靴下内に設けられ、足の皮膚組織からの生理的応答を検出するように構成され得る。また、リスト又は膝バンド内に設けられリスト又は膝の皮膚組織からの生理的応答を検出するように構成され得る。
【0079】
開示された実施態様の他の変形・変法例については、これまでの図面及び記載に基づき当業者であれば理解されるべきである。特許請求の範囲での用語「含む」は、他の要素又はステップを除外するものではなく、用語「ひとつの」は、複数の要素を除外するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に記載されるいくつかの事項の機能を満たすことができる。ある手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが本発明の効果を奏さない、ということではない。コンピュータプログラムは適切な記録媒体、例えば他のハードウェアと共に又はその一部として供給される光学記憶媒体又は半導体記憶媒体に記憶/分布されていてよい。しかしまた、他の形で配布されてもよい。例えばインターネットや他の有線・無線交信システムなどである。全ての参照記号は本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理的応答の感知ユニット及び生理的応答を検出し、前記応答により搾乳ポンプの操作において変化を起こすための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
授乳中に女性から乳の発現に、乳排出反射(MER)が先行し、乳房内の乳腺周囲筋上皮細胞の収縮が乳を乳首に向かって流れさせる。MERが起るまではほとんど乳は発現されない。
【0003】
MERは自然に子供の哺乳行動により煽動される。MERが生じた後、子供は自然に哺乳行動を変えて乳房からの乳の連続した流れを促す。
【0004】
望ましくは、人工搾乳ポンプは、MERを扇動することができるだけでなく、MERが生じた後に乳房に与えられる刺激のタイプを変えることで自然な哺乳プロセスの前記第2の段階を模倣することができる、ものである。しかし正しい時間に刺激を変更するためには、まずMERが生じた時を検出する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って本発明は、搾乳ポンプの使用者からの生理的応答検出を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、搾乳ポンプの使用者からの生理的応答を検出し、前記検出された生理的応答により前記搾乳ポンプの操作中に変化を起こすように構成される感知ユニットを提供するであって、前記感知ユニットが前記搾乳ポンプの搾乳漏斗部(funnel)と離れて配置される。
【0007】
前記搾乳ポンプの前記搾乳漏斗部が前記使用者の乳房に対抗して置かれる場合、前記感知ユニットは、前記使用者の乳房とは異なる身体部分からの前記生理的応答を検出するように構成され得る。
【0008】
前記感知ユニットは、前記検出された生理的応答に基づき乳排出反射を検出するように構成され得る。
【0009】
前記感知ユニットは、乳排出反射の検出に応じてレットダウンモード(let−down−mode)から発現モードへ前記搾乳ポンプの操作において変化を起こすように構成され得る。
【0010】
前記感知ユニットは、前記検出された生理的応答に基づいて前記ポンプの使用者のリラックス状態を検出するように構成され得る。
【0011】
前記感知ユニットは、前記ポンプ使用者のリラックス状態の検出に応じてリラックスモードからレットダウンモードへ前記搾乳ポンプの操作において変化を与えるように構成され得る。
【0012】
前記感知ユニットは、前記ポンプ使用者のストレス状態の検出に応じてニュートラルモードからリラックスモードへ前記搾乳ポンプの操作において変化を与えるように構成され得る。
【0013】
前記感知ユニットは、前記ポンプ使用者のストレス状態の検出に応じてレットダウンモードからリラックスモードへ前記搾乳ポンプの操作において変化を与えるように構成され得る。
【0014】
前記感知ユニットは、前記応答を検出するように構成されるセンサを含むことができる。
【0015】
前記センサは、前記搾乳ポンプ使用者の皮膚組織からの前記応答を検出するように構成される皮膚電気センサであり得る。
【0016】
前記生理的応答は電気皮膚反応であり得る。
【0017】
前記生理的応答は、前記使用者の心臓鼓動であり得る。
【0018】
前記生理的応答は、前記使用者の呼吸速度であり得る。
【0019】
前記生理的応答は、前記使用者の体温であり得る。
【0020】
前記生理的応答は、前記使用者の心拍数変動であり得る。
【0021】
前記装置は、前記センサが設けられる手袋であり得る。
【0022】
前記手袋は、少なくとも1つの指受部を含み、前記センサが、前記受部に挿入される場合に前記使用者の手の皮膚組織と接触するように前記少なくとも1つの指受部内に設けられ得る。
【0023】
前記装置は、前記センサがその上に設けられる受容器ホルダを含む。
【0024】
前記センサは、前記受容器ホルダを保持される場合に前記使用者の手の皮膚組織と接触するように前記受容器ホルダの外側に設けられ得る。
【0025】
前記センサは、前記受容器ホルダのハンドルに設けられ得る。
【0026】
前記装置は、前記センサが設けられるブレスレットを含み得る。
【0027】
前記センサは、前記ブレスレットを付ける場合に前記使用者の皮膚組織と接触するように前記ブレスレットの外側に設けられ得る。
【0028】
前記装置は、搾乳ポンプを含み、前記搾乳ポンプは、前記感知ユニットからのシグナルの受信に応じてその操作を変更するように構成され得る。
【0029】
本発明の他の実施態様によると、搾乳ポンプを制御するための方法が提供され、前記方法は、前記搾乳ポンプの使用者からの生理的応答を検出することを含み、前記応答は前記使用者の乳房以外の身体部から検出され;かつ前記検出された生理的応答に応じて前記搾乳ポンプの操作において変化を与えることを含む。
【0030】
前記生理的応答の検出は、前記搾乳ポンプの搾乳漏斗部が前記ポンプの使用者の乳房に対抗して設けられている間になされ得る。
【0031】
前記方法は、前記検出されるセンサに基づいて乳排出反射を検出することを含む。
【0032】
前記方法は、前記使用者のリラックス状態を検出することを含む。
【0033】
前記搾乳ポンプの前記操作中の変化は、リラックスモードからレットダウンモードであり得る。
【0034】
前記搾乳ポンプの前記操作中の変化は、レットダウンモードからリラックスモードであり得る。
【0035】
前記搾乳ポンプの前記操作中の変化は、ニュートラルモードからリラックスモードであり得る。
【0036】
前記操作中での変化は、乳排出反射の検出に応じてなされ得る。
【0037】
前記操作中での変化は、前記使用者のリラックス状態の検出に応じてなされ得る。
【0038】
前記操作中での変化は、前記使用者のストレス状態の検出に応じてなされ得る。
【0039】
戦記方法は、前記搾乳ポンプの前記使用者の皮膚組織からの前記応答を検出することを含む。
【0040】
前記皮膚組織は、前記搾乳ポンプの使用者の手、腕又は足であり得る。
【0041】
前記生理的応答は電気皮膚反応であり得る。
【0042】
前記方法はさらに、前記搾乳ポンプの操作を変更することを含み得る。
【0043】
本発明のこれらの側面及び他の側面は、以下記載される実施態様を参照することで明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、搾乳ポンプを示し、接続パイプを介して受容器へ接続される搾乳漏斗部を持つ。
【図2】図2は、図1に示される搾乳ポンプのダイヤグラムである。駆動可能なダイヤフラム及びバルブが前記接続パイプ内に示され、これらは前記搾乳ポンプの内容量を変えるためのものである。
【図3】図3は、交信線による搾乳ポンプへ接続される感知ユニットのブロックダイヤグラムを示す。
【図4A】図4Aは、搾乳ポンプの使用者の電気皮膚反応が、乳排出反射の前、間及び後での時間でどのように変化するかを示すプロットを示す。
【図4B】図4Bは、搾乳ポンプの使用者の電気皮膚反応が、乳排出反射の前、間及び後での時間でどのように変化するかを示すプロットを示す。
【図4C】図4Cは、搾乳ポンプの使用者の電気皮膚反応が、乳排出反射の前、間及び後での時間でどのように変化するかを示すプロットを示す。
【図4D】図4Dは、搾乳ポンプの使用者の電気皮膚反応が、乳排出反射の前、間及び後での時間でどのように変化するかを示すプロットを示す。
【図5】図5は、搾乳ポンプの使用者の前記電気皮膚反応におけるピークの、コンピュータによる同定を示す。
【図6】図6は、前記ポンプの使用者の電気皮膚反応に応じて搾乳ポンプの操作を変更する場合に起る一連の事象のフローダイヤグラムを示す。
【図7】搾乳ポンプの使用者の生理的応答を感知するためのユニットを含む手袋を示す。
【図8】搾乳ポンプの使用者の生理的応答を感知するためのユニットを保持するホールドユニットを示す。前記ホールドユニットは前記搾乳ポンプの受容器を保持することが示される。
【発明を実施するための形態】
【0045】
添付の図面を参照しつつ本発明の実施態様が以下説明される。
【0046】
図1を参照して、搾乳ポンプ100は搾乳漏斗部110及び受容器120を含む。搾乳漏斗部110及び受容器120は接続パイプ130で接続され、前記パイプは実質的にチューブ形状である。
図1に示されるように、前記搾乳漏斗部110は入口部111及び出口部112を含む。入口部111は中空切断コーンの形状を有し、乳首から発現される乳を集めるために女性の乳房に心地よく受け入れられ得る。出口部112は耐液漏れ出口チューブの形状であり、前記接続パイプ130と接続されて、前記乳房から発現された乳を前記搾乳漏斗部110の前記入口部111から前記受容器120へ送ることができる。
【0047】
接続パイプ130は、前記搾乳漏斗部110と前記受容器120の間で耐液漏れ通路を与え、乳房から発現された乳を受容器120へ液漏れすることなく移すものである。受容器120は、例えば適切なプラスチック受容器などの母乳を入れるために適切な全ての耐液漏れ受容器を含み得る。前記受容器120の入口部121は前記接続パイプとねじ込み継手により接続されて、前記受容器120が搾乳ポンプの使用の際に望ましくなく前記接続パイプ130から外れないことを確実にする。ねじ込み継手接続は、望む場合には前記受容器120を前記接続パイプイ130と分離することを可能にする。例えば前記乳受容器120を空にするためなどである。
【0048】
類似のねじ込み継手接続が、前記接続パイプ及び前記搾乳漏斗部110の前記出口部112との間に設けられ得る。しかし、前記搾乳漏斗部110及び前記接続パイプ130は又一体で形成され、前記接続パイプ130が前記搾乳漏斗部110の一部に含まれ得る。例えば、前記搾乳漏斗部110及び前記接続パイプ130は、単一のプラスチック成形体を含み、これが前記受容器120の前記入口121へ直接ネジ止めされ得る。これは図1に示される。
【0049】
接続パイプ130はダイヤフラム140を含み、これは前記接続パイプ130の内部容量を変化させるために駆動され得る。前記接続パイプ130の内部容量は、前記搾乳漏斗部110の内部容量を除外し、前記接続パイプ130の壁、駆動可能なダイヤフラム140及び前記接続パイプ130と前記受容器入口121との境界の前記バルブ131(以下説明される)で定められる内部容量を含むものである。図2に示される例では、ダイヤフラム140は接続パイプ130のルーフ部を形成する。ダイヤフラム140の上方向への駆動は、前記接続パイプ130の内部容量を増加させる。一方ダイヤフラム140の下方向への駆動は、前記接続パイプ130の内部容量を減少させる。ダイヤフラム140の駆動は図2で矢印の上方向、下方向で示され、点線でダイヤフラム140の上限位置及び下限位置を示す。理解されるべきは、接続パイプ130の内部容量の急激な増加は、搾乳ポンプ100内に空気圧を下げるということである。それにより搾乳漏斗部110の入口部111が乳房の皮膚組織を締め付ける。バルブ131が、受容器120の入口部121に隣接して接続パイプ130内に設けられ、接続パイプ130と受容器120の間の液通路を閉じる。バルブ131は、ダイヤフラム140が上方方向に駆動されて前記sつ属パイプ130の内部空気圧が減少する際に閉じるように構成されている。このことは図2で矢印で示される。理解されるべきは、受容器120内部の空気を搾乳漏斗部110内部の空気と分離することで、バルブ131は、ダイヤフラム140の作動により生じる搾乳漏斗部外部と内部の空気圧力差を増加するように作用し、それにより搾乳漏斗部110の入口部111が乳房組織をより確実に締め付ける、ということである。
【0050】
ダイヤフラム140はアクチュエータ150と接続され得る。アクチュエータ150は、ダイヤフラム140を上方向及び下方向へ駆動するように構成され、それにより接続パイプ130の内部容量を増加、減少させる。アクチュエータ150は、電気モータ150を含み、これは搾乳ポンプ100に、例えば接続パイプ130の上に直接設けられるヘッドユニット150に設けられ得る。これにより以下説明されるように電気モータ150がダイヤフラム140と結合され得る。電気モータ150は、電源160で駆動される。電源は例えばヘッドユニット151の電気モータ150に隣接して設けられる電池パック160などである。又は、電気モータ150は電線接続され、例えば電気モータ150を適切な変換ユニットを介して電線接続へ接続される。
【0051】
電気モータ150は駆動機構170と接続され、これはダイヤフラム140を搾乳ポンプ100の内部容量を変化させるために駆動するように構成される腕部171を含む。例えば、前記腕部171は、前記腕部171と前記ダイヤフラム140の上部表面のニップル部141との間にロック構造を与えるための形状を持つ端部を含む。前記電気モータ150が駆動される場合に、前記駆動機構170は前記腕部170を前記接続パイプ130内で長手方向に前後に動かし、それによりダイヤフラム140を上下方向に動かして前記接続パイプ130の内部容量をそれぞれ増加、減少させることとなる。
【0052】
前記のように、前記搾乳漏斗部110の前記入口部111が女性の乳房の皮膚組織に対して位置される場合、前記ダイヤフラム140の駆動により生じる前記搾乳ポンプ100の内部空気圧減少は、前記搾乳漏斗部が前記乳房の皮膚組織を締め付けさせ、かつ前記接続パイプ130の前記バルブ131を閉じさせることとなる。前記バルブ131が閉じると、さらに前記ダイヤフラム140の駆動により前記搾乳漏斗部110内部の空気圧が減少し前記乳房皮膚組織が前記搾乳漏斗部の入口部111へ引かれる。前記搾乳漏斗部110の内部空気圧は再び前記ダイヤフラム140が反対方向に駆動され、前記接続パイプ130の内部容量を減少させることで増加し、これにより前記乳房組織が通常の形状に戻されることとなる。
【0053】
前記電気モータ150が前記腕部171の長手方向の前後移動を繰り返し駆動し、前記ダイヤフラム140を前記接続パイプ130内で上下方向に駆動するというサイクルが扇動され得る。以下説明するように、1つの完全なサイクルは、前記ダイヤフラム140の開始位置から上部位置へ、その後下部位置へ、その後開始位置へ戻る、という動きを意味するものと、され得る。前記サイクル間に、前記搾乳漏斗部110内部の空気圧は連続的に変化し、それにより前記搾乳漏斗部110に対抗して位置される乳房組織が前記入口部111の中へ及び前記入口部111から外に繰り返し動かされることとなる。かかるサイクルは、前記乳房への刺激効果を与え得るために使用され得る。前記サイクルは、子供の哺乳動作を真似するように最適化され得る。これにより乳を前記搾乳ポンプ100内へ発現させ、又は前記ポンプの使用者をリラックスさせるための助けとなる。これについては以下説明される。
【0054】
前記ダイヤフラム140が上下する周期は、前記ダイヤフラム140が前記搾乳ポンプ100の固定時間操作の間に完了する完了サイクル数で測定され得る。同様に、前記ダイヤフラム140が動くピーク間の強さは、1つの特定のサイクルの間の前記ダイヤフラム140の上限位置及び下限位置の間の距離として測定され得る。これらの位置は、図2に示される前記ダイヤフラム140の上限値、下限値に対応する必要はない。例えば、特定のサイクルの間の前記ダイヤフラム140の上限位置及び下限位置は、それぞれ図2に示される上限位置及び下限位置のそれぞれよりも低くかつ高くなり得る。前記ダイヤフラム140が駆動機構170で駆動される繰り返し及び強さを変更することで、前記搾乳ポンプ100による前記乳房へ与える刺激効果を変えることが可能となる。これにより、前記ダイヤフラム140の動きを駆動する前記電気モータ150への入力シグナルを制御することで、前記搾乳ポンプ100により与えられる刺激効果を前記搾乳ポンプ100の特定の使用者に合わせることが可能となる。前記刺激効果はまた、自然の哺乳プロセスの異なる段階を真似ることで最適化することができ、かつ前記搾乳ポンプ100の使用者をリラックスさせる助けとなる。
【0055】
前記搾乳ポンプ100は、異なる刺激モードで操作され得るものであり、前記搾乳ポンプ100の使用者からの1以上の生理的応答に応じてこれらのモード間を切替えるように構成され得るものである。例えば、1つの操作モードは、レットダウンモードであり、前記ダイヤフラムサイクルの繰り返し及び強さがMERを扇動するために最適化される。一方他の操作モードは発現モードを含み、前記ダイヤフラム操作がMERが生じた後で前記乳首からの乳の連続発現を促進するように最適化される。他の操作モードは、リラックスモードを含み、前記ダイヤフラムサイクルの繰り返し及び強さが前記使用者の皮膚組織へリラックス効果を与えるように最適化され、それによりMERの扇動を促し及び/又は乳発現を助けるものである。他の操作モードは、ニュートラルモードを含み、前記ダイヤフラム140が作動しないか、又は前記ダイヤフラムの繰り返し及び強さが比較的ゆっくりとした、低い吸い込み作用を与えるものである。前記搾乳ポンプ100は、上で説明した全ての操作モードの第1のモードから上で説明した全ての操作モードの他の第2のモードへの切り替えを、前記ポンプ100の前記使用者からの生理的応答の感知に応じて行うように構成され得る。以下説明するように、操作モード間の切り替えは、例えばMERが生じたことを示すきっかけシグナル受信に応じて、レットダウンモードから発現モードへの切り替えを含む。異なる操作モード間の切り替えは、ニュートラルモード又はレットダウンモードからリラックスモード、又はリラックスモードからレッとダウンモード又は発現モードへの切り替えを含む。当業者が理解すべきことは、異なる刺激モード間の相違は、ここでは前記ダイヤフラムの繰り返し及び強さの違いとして記載されているが、前記第1及び第2のモードの間の変換は、これらにさらに加えて又はこれらとは別に前記搾乳ポンプ100の他のパラの調節を含むことができる、ということである。例えば、前記搾乳ポンプ100は、前記搾乳漏斗部110の前記入口部111の前記内部表面上にマッサージパッドを設けることができ、これは搾乳ポンプ100が操作されている際に前記乳房の皮膚組織をマッサージするように構成される。前記マッサージパッドで与えられるマッサージ効果は、操作モード、例えば、乳排出反射を促すため(レットダウンモード)、乳の連続発現(発現モード)又は前記使用者をリラックスさせる(リラックスモード)により変わり得る。
【0056】
図3を参照し、前記搾乳ポンプ100の前記搾乳漏斗部110から別に離れて位置される感知ユニット200は、前記搾乳漏斗部00の前記使用者から生理的応答を感知し、前記感知された応答に基づき使用者の状態を検出するように構成され得るものである。例えば、前記感知ユニット200は、前記搾乳ポンプ100の使用者の前記乳房での乳排出反射(MER)(又はレットダウン反射)を検出するように構成され得る。前記使用者の状態を検出するための応答において、前記感知ユニット200は、前記搾乳ポンプ100の操作モードを、上で記載された第1の操作モードから、第2の操作モードへ変化させるためのきっかけシグナルを生成するように構成され得る。例えば、MERを検出するための感知ユニット200の場合において、前記感知ユニット200は、前記レットダウンモードから前記発現モードへの前記搾乳ポンプ100の操作モードを変えるためのきっかけシグナルを生成するように構成され得る。前記搾乳ポンプ100の前記使用者がストレス状態にあることを検出する感知ユニット200の場合には、前記感知ユニット200は、前記レットダウンモードから前記レラックスモードへ操作モードを変更するためのきっかけシグナルを生成するように構成され得る。前記搾乳ポンプ100の前記使用者がリラックス状態にあることを検出する感知ユニット200の場合には、前記感知ユニット200は、前記リラックスモードから前記レットダウンモードへ操作モードを変更するためのきっかけシグナルを生成するように構成され得る。
【0057】
前記ポンプ100は、異なる操作モードが、単一で又は共に同時に操作され得るように構成され得る。例えば、前記リラックスモードは、レットダウンモードと並べて操作され得る。
【0058】
用語、生理的応答はここでは、前記搾乳ポンプ100の前記使用者の生理的条件での全ての測定値、読み値又は変化を含む。前記生理的応答は前記搾乳ポンプ100の前記使用者の皮膚組織から検出され得る。感知ユニット200は前記使用者の乳房組織以外の他の身体部分からの生理的応答を検出するように構成され得る。一例では、MERが生じたかどうかの検出は、MERを示すものとして知られている記憶された生理的応答と前記感知された生理的応答とを比較することで達成される。前記使用者がストレス状態かリラックス状態かの検出、又は他の使用者の状態の検出も同様に達成できる。即ち、感知された生理的応答と、ストレスを示すものとして知られた記憶された生理的応答とを比較することによる。又は、前記状態の検出は、コンピュータモデルを用いても達成できる。例えば、適切なアルコリズムを用いてセンサ210からのシグナルを解析し、特定の状態を示す事象を検索することによる。これらの事象は、例えば、特定のタイプのセンサ210からのシグナルにおけるピークや谷を含む。この例として、以下図4A〜4Dに関して説明される。記憶された生理的応答及び/又は前記コンピュータモデルは、適切な半導体記憶装置としての、前記感知ユニット200の記憶ユニット230に記憶される。前記使用者のMER又はストレス/リラックス状態検出において、感知ユニット200は前記搾乳ポンプ100へ上で参照したきっかけシグナルを生成し送るように構成され得る。前記きっかけシグナルは、前記感知ユニット200で感知される前記生理的応答が、前記ポンプ100の前記使用者のMER、ストレス状態又は前記ポンプの前記使用者のリラックス状態を示す記憶された生理的応答の既定の限界内にある場合に、生成され得る。前記既定の限界は前記記憶ユニット230に記憶されている。
【0059】
感知された生理的応答と記憶された生理的応答の比較及び/又はコンピュータモデルの実行は、制御ユニット220で実行され、以下より詳細に説明される。前記搾乳ポンプ100は、上で説明したように、第1の操作モードから第2の操作モードへ切り替えることによりきっかけシグナルの受信に応じるように構成され得る。例えば前記ダイヤフラム140のサイクル動作の繰り返し及び/又は強さを変更することである。
【0060】
感知ユニット200は、少なくとも1つの生理的センサ210を含む。例えば、前記感知ユニット200は、電気皮膚反応センサを含み、前記搾乳ポンプ100の使用の際に前記搾乳ポンプ100の使用者の皮膚組織と接触するように構成されている。前記電気皮膚センサ210は一組の電極を含み、例えば前記電極が接触する皮膚組織からの電気的抵抗を測定するように構成されている。前記電気皮膚反応センサ210はそれゆえに、以下説明されるように、前記搾乳ポンプ100の前記使用者から電気皮膚反応応答(GSR)を検出するために使用され得る。感知ユニット200は、これに加えて又はこれに代えて、他のタイプの生理的センサ210を含み得る。例えば、心臓呼吸センサ210であり、前記使用者の鼓動、体温、呼吸速度又は血圧を検出するために、又は心電図(ECG)を実施するために使用される。他のタイプの生理的センサ210は、筋電図又は眼電図を実施するように構成され得る身体測定センサ210であり、又は前記使用者の瞳サイズ、瞬き回数及び/又は瞬きの長さの変化を検出ために使用される身体測定センサ210であり得る。さらなるタイプの生理的センサ210は、内分泌センサ210であり、これは使用者の身体中のオキシトシンのレベルを測定するものである。かかる測定を行う装置はより理解されているものであり、さらにここでは説明しない。
【0061】
感知ユニット200はさらに、制御装置220を含み、これはそれぞれの生理的センサ210に接続され、前記使用者の生理的応答を示すものとして前記センサ210からのシグナルを受信するように構成され得る。例えば、前記制御装置220は、電気的にそれぞれのセンサ210と、前記制御ユニット220と前記センサ210間に伸びる電線を介して接続され、前記センサ210から前記制御ユニット220へのシグナルを伝達するために使用され得る。前記制御ユニット220は、前記センサ210から受信されるシグナルを分析し、前記搾乳ポンプ100の前記使用者の1以上の生理的応答を決定するように構成され得る。例えば、図3を参照すると、前記制御装置220は、前記電極位置での電圧分析からの電気皮膚反応(GSR)などの電気皮膚応答を検出するように構成され得る。前記制御装置220は、これに加えて又はこれとは別に、生理的応答の他のタイプを検出するように構成され得る。例えば、使用者の体温、血圧、鼓動、心拍数の変化、リラックス状態、使用者の瞳サイズ、瞬きに繰り返し及び/又は長さの変化などである。しかし理解されるべきは、生理的応答は又前記生理的センサ210により直接検出され、前記制御装置へ直接送ることができる、ということである。
【0062】
前記のように、制御装置220は、前記センサ210を介して決定された前記生理的応答と、MER、前記搾乳ポンプ100の前記使用者のストレス状態、前記搾乳ポンプ100の前記使用者のリラックス状態又は他の状態を示す記憶された生理的応答と比較するように構成され得る。これに加えて又はこれに代えて、前記制御装置220は、前記センサ210からコンピュータモデルへシグナルを入力するように構成され得る。前記コンピュータモデルは前記制御装置220により実行され、前記ポンプ100の前記使用者の特定の条件(例えば、MER、リラックス/ストレス状態)を示す事象を決定するものである。前記記憶された応答及び/又はコンピュータモデルは、感知ユニット200の記憶ユニット230へプレロードされ、前記搾乳ポンプ100の操作の際に前記制御装置220によりアクセスされ得る。場合により、前記感知ユニット200は、前記MERの検出に使用するための複数の異なる記憶される応答の1つを選択するように構成され得る。前記感知ユニット200は、これに加えて又はこれに代えて、前記ポンプ100の使用者のストレス状態又はリラックス状態の検出に使用するための1つ又は複数の異なる記憶された応答を選択するように構成され得る。前記感知ユニット200による記憶された応答の選択は前記搾乳ポンプ100の前記使用者に基づくことができる。例えば、前記選択は、入力手段を通じて感知ユニット200に入力され得る身長及び体重などの物理的寄与に基づくことができる。前記感知ユニット200はまた、前記記憶された応答を調節してそれらを前記ポンプ100の通常の使用者に合わせることができる。かかる調節は、コンピュータモデルにも同様に適用し得る。例えば前記使用者の物理的寄与に基づくモデルのパラメータを調節することで可能となる。一例では、前記感知ユニット200は、特定の使用者のMERを扇動するために必要な平均ポンプ時間を記憶し、その記憶された時間をMERの検出の助けとするように構成され得る。
【0063】
前記制御ユニット220は、記憶された応答に対する前記感知された応答と比較し、前記感知された応答が前記状態のための記憶された応答の既定の制限内である場合には、前記ポンプの使用者の特定の条件を示すきっかけシグナルを生成するように構成され得る。これに代えて又はこれに加えて、上で説明したコンピュータモデルが使用され得る。
【0064】
前記のように、前記きっかけシグナルは、例えば、MERが生じたこと、又は前記ポンプの使用者がストレス又はリラックス状態を示し得るものである。図4A〜4Dは、上で説明された感知ユニット200を用いて測定された乳発現女性(前記搾乳ポンプ100を用いている際)の手の皮膚組織から得られるGSRを示す。図4A〜4Dのぞれぞれは、乳発現作用の開始からの経過時間に対してプロットされたGSRを示す。プロットのそれぞれの垂直線は、女性がMERが生じたことを気づいた時点を示す。図から分かるように、前記垂直線は、GSRでのピークと非常に近く対応する。これらのピークはMERを示すものとして取得され、従ってMERが生じた時を検出するために感知手段200により使用され得る。ストレス又はリラックス状態は、対応する方法、即ちストレス状態又はリラックス状態を示す時点又は傾向を同定するためのGSR曲線を分析することで検出され得る。例えば、図4A〜4Dを参照して、MERが生じた後GSR曲線での下向き傾向は、前記ポンプ100の使用者が乳発現期間が続くとよりリラックスするようになる、ということを示す。同様の方法が、例えば前記使用者の脈拍、体温又は心拍数の変化を分析することで、他のタイプの生理的応答から使用者の状態を同定するために使用され得る。
【0065】
図5を参照して、感知手段200へロードされるコンピュータアルゴリズム又は適切なプログラムは、前記制御ユニット220でプロセッサにより実行される場合、GSR読み値で又は他の生理的応答での前記使用者の特定の状態を示すピーク又は他の点を検出し、かつ前記きっかけシグナルを生成するように構成され得る。かかるコンピュータアルゴリズムにより検出されるピークは図5で円で示され、それにより前記ポンプ100の前記使用者でのMERを検出する。
【0066】
前記きっかけシグナルは、前記搾乳ポンプ100の制御ユニット152へ前記感知ユニット200の前記制御装置220を接続する電線180を通じて前記搾乳ポンプ100へ伝達する電気シグナルを含み得る。又は、前記きっかけシグナルは、ブルーツースなどの知られている通信プロトコルを用いて無線で前記搾乳ポンプ100の前記制御ユニット152へ送られ得る。前記搾乳ポンプ100の制御ユニット152は、前記ヘッドユニット151に設けられ、及び異なる操作モード間で前記搾乳ポンプ100の操作を変更するために駆動装置150及び/又は駆動機構170に入力シグナルを与えるように構成され得る。
【0067】
例えば図6を参照して、前記搾乳ポンプ100の使用者は、前記ヘッドユニット151の「開始」ボタンを押すことで搾乳ポンプ100のポンプサイクルを開始し得る。「開始」ボタンが押されたことに対応して、前記搾乳ポンプ100の前記制御ユニット152は、入力シグナルを前記アクチュエータ150に与えて前記ダイヤフラム140を上下に動かし始めるように指示して第1のモードで操作させるように構成され得る。前記第1のモードは前記レットダウンモードを含み、そこでダイヤフラムサイクルの繰り返しは比較的多く、前記ダイヤフラムの強さは比較的低くされる。これにより比較的速いが柔らかなポンプ作用が前記乳房組織に与えられる。これは、MERを扇動するための自然な授乳操作の初期段階を正確に真似する刺激効果を与えるように設計されるものである。MERの生成は、前記感知ユニット200の前記制御装置220で検出され、これによりMERが生じたことを示す前記搾乳ポンプ100の前記制御ユニット152へきっかけシグナルを生成し伝達される。前記きっかけシグナルを受け取ることで、前記搾乳ポンプ100の前記制御ユニット152は、切り替え指示をアクチュエータ150及び/又は駆動機構170へ入力することで、前記搾乳ポンプ100の操作を、例えば発現モードを含む第2のモードへ変更するように構成され得る。前記切り替えシグナルを受け取りと、前記アクチュエータ150及び/又は駆動機構170は、前記搾乳ポンプ100の操作を第2のモードへ変更するように構成される。例えば、前記第2のモードは前記発現モードを含み、前記ダイヤフラムサイクルの繰り返しが減少され、一方で前記ダイヤフラムサイクルの強さは増加される。これは、よりゆっくりとしたより強い力でポンプ操作が前記乳房組織に加えられる。この得られる刺激効果は、乳が前記乳房の乳首から発現されるように促進する。
【0068】
前記第1のモード及び前記第2のモード間の自動的変換は、前記搾乳ポンプ100の使用者が、前記ポンプ作用の初期活性化に続いて使用者入力を与えること必要ない、ことを意味する。搾乳ポンプ100は、望ましい量の乳が使用者の乳房から発現されるまで自動的に操作され得る。このことは望ましいことである。というのは、MERは搾乳ポンプの使用者が十分にリラックスしている場合に最も起こり易く、前記使用者が前記搾乳ポンプ100を操作する際に集中することが要求される場合には最も起こりにくいことが知られているからである。
【0069】
前記の例の変形例において、前記第1のモードがリラックスモードを含み、ここで、前記感知手段200の1以上の選択的な光及び/又はスピーカがそれぞれ前記搾乳ポンプ100の使用者をなだめる光と音を出力されるように構成される。前記感知ユニット200は、前記使用者から検出される生理的状態に応じて光及び音の出力を変更するように構成され得る。前記ポンプ100の使用者がリラックス状態であることが前記制御ユニット220で検出されると、前記感知ユニット200は、前記使用者がリラックス状態であることを示すきっかけシグナルを生成し、前記搾乳ポンプ100の前記制御ユニット152へ送ることができる。前記きっかけシグナルを受ける際に、前記搾乳ポンプ100の前記制御ユニット152は、前記搾乳ポンプ100の操作を第2のモードへ、例えば切り替え指示をアクチュエータ150及び/又は駆動機構170へ入力することで、切り替えるように構成され得る。前記切替シグナルを受ける際に、アクチュエータ150及び/又は駆動機構170は、前記搾乳ポンプ100の操作を前記第2のモードへ変更するように構成される。
【0070】
感知ユニット200のいくつかの具体例が以下に記載されている。これらの例では、搾乳漏斗部110が前記搾乳ポンプ100を使用する際に前記使用者の乳房の皮膚組織に対して位置され、感知ユニット200の少なくとも1つのセンサ210が使用者の乳房組織以外の身体部分の皮膚組織に接触するように構成される。より具体的には、以下の例では、少なくとも1つのセンサ201は、前記使用者の生理的応答を検出するために前記搾乳ポンプ100の使用者の手又は腕の組織と接触するように構成される。しかし、センサ210はまた、前記使用者の生理的応答を検出するために前記搾乳ポンプ100の使用者の膝又は足の組織と接触するように構成される。かかる生理的応答測定が、手、腕又は足の組織でなされることは有利である。というのは、皮膚導電性を最もよく示すものはこれらの身体部分であるからであり、GSRを決定するため、ひいてはMERなどの使用者の状態を検出するために測定され得るものである。身体にこれらの部分はまた、乳房領域及びそれに関連する乳流から離れており、使用前に感知手段を殺菌することなくMERの検出に使用できる。しかし理解されるべきことは、感知ユニットが、上で説明した身体部分の皮膚組織の1つと接触するように構成されるセンサ210を含むことは本質的にはない、ということである。このことは、電気皮膚応答以外の他のタイプの応答が使用者の状態を検出するために使用される場合に、そうである。
【0071】
図7を参照して、感知ユニット200は、使用の際に前記搾乳ポンプ100の使用者によりはめられる手袋300内に設けられ得る。少なくとも1つの生理的センサ210が設けられ、手が手袋300に入ると使用者の手の組織と接触する。例えば、生理的センサ210は、前記手袋300内の複数の指受部310の少なくとも1つに設けられ得る。さらに、生理的センサ210は前記手袋の他の1以上の指受部310に設けられてもよい。例えば指受部310のそれぞれに設けられ得る。生理的センサ210はまた、手袋300の手のひら側320内部に設けられることもできる。
【0072】
制御ユニット220は、前記手袋の内部又は外部に設けられ得る。例えば、制御ユニット220は手袋300の上部の内部又は外部表面へ設けられ得る。一方生理的センサ210は、手袋300の底部又は手のひら側の内部表面に、入れた手の皮膚組織と接触させるために設けられ得る。制御ユニット220は、手袋300の織物を通じて伸びる電線を介して前記センサのそれぞれに電気的に接続され得る。
【0073】
図8を参照して、前記感知ユニット200はまた、前記搾乳ポンプ100の保持ユニット400内に含まれ得る。明瞭にするために、図8では前記搾乳ポンプ100の受容器120を保持する保持ユニット400のみが示されている。しかし理解されるべきは、保持ユニット400は前記搾乳ポンプ100が共にネジ止めされる場合には全搾乳ポンプ100を支持することができる、ということである。保持ユニット400は、例えばケージ410を含み、これは前記搾乳ポンプ100の受容器120の周辺表面回りに適合するようにされ、さらに前記受容器120の基底部を支持するようにされた側壁411を持つ。ケージ410はさらに、前記搾乳ポンプ100の使用者が前記保持ユニット400を掴み、それにより乳発現の間乳房に対して前記搾乳ポンプ100を押し付けるためのハンドルを含む。
【0074】
図8に示されるように、少なくとも1つの生理的センサ210は、前記保持ユニット400の外側表面、例えば1以上の側壁411、基底部412又はハンドルに設けられ、センサ210が、使用者が前記保持ユニット400を掴んでいる間に使用者の手の皮膚組織と接触する。1つの例では、センサ210はケージ410の前記側壁411、基底部412及びのハンドルにそれぞれ設けられる。センサ210は、成人女性の指が合うような形状を持つ前記ケージ410の外部のへこませた部分に設けられる。これにより前記搾乳ポンプ100の使用者は、指を前記センサ210の上部に直接置くように促され、それにより使用者の皮膚組織とセンサ210の良好な接触が得られることとなる。制御ユニット220は前記保持ユニット400の全ての適切な位置へ設けることができ、例えばケージ410の側壁411上などである。
【0075】
図9を参照して、感知ユニット200は、搾乳ポンプ100の使用者が使用中に付けるリストバンド又はブレスレット500内に設けられ得る。少なくとも1つの生理センサ210は、前記バンド又はブレスレット500が使用中に使用される際には、使用者の手又は腕の皮膚組織と接触するように位置され得る。前記バンド又はブレスレット500が膝又は足回りの装着される場合には、少なくとも1つの生理的センサ210は、使用者の膝又は足の皮膚組織と接触するように位置され得る。
【0076】
図9を参照して、少なくとも1つの生理的センサ210は、前記バンド又はブレスレットが装着される際に使用者の皮膚組織と接触するように前記バンド又はブレスレット500の内部表面に設けられる。制御ユニット220は、ブレスレット500の内側表面510又は外側表面520のいずれかに設けられ得る。又は制御ユニット220は、損傷から保護するために前記バンド又はブレスレット500の内部に埋め込むことも可能である。制御ユニット220は、前記バンド又はブレスレット500を通じて又は渡って伸びる電線を介して前記センサのそれぞれに電気的に接続され得る。
【0077】
又は前記感知ユニット200は前記搾乳ポンプ100の受容器120自体の中に含まれ得る。例えば、少なくとも1つの生理的センサ210は、前記受容器120の外部表面に位置され得る。例えば、使用者が前記搾乳ポンプ100を使用中に受容器120を保持する際に使用者の手の皮膚組織と接触するように前記受容器120の1以上の側壁又は基底部に設けられ得る。1例では、センサ210は、前記側壁及び基底部にそれぞれ設けられる。前記センサ210は、成人女性の指が合う形状を持つ前記受容器120の外部のへこませた部分に設けられ得る。これにより、搾乳ポンプ100の使用者が指を前記センサ210の上部に直接置くことを促し、それにより使用者の手とセンサ210との良好な接触が確実となる。制御ユニット220は、前記じゅようき120のすべても適切な位置、例えば受容器120の側壁に設けられ得る。
【0078】
本発明は、図面及びこれまでの記載により詳細に説明されたが、かかる図面及び説明は本発明を説明するためだけのものでありなんら制限するものではない。また本発明は開示された実施態様に限定されるものではない。例えば、本発明は次の実施態様で実施され得る。即ち、感知ユニットが靴下内に設けられ、足の皮膚組織からの生理的応答を検出するように構成され得る。また、リスト又は膝バンド内に設けられリスト又は膝の皮膚組織からの生理的応答を検出するように構成され得る。
【0079】
開示された実施態様の他の変形・変法例については、これまでの図面及び記載に基づき当業者であれば理解されるべきである。特許請求の範囲での用語「含む」は、他の要素又はステップを除外するものではなく、用語「ひとつの」は、複数の要素を除外するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に記載されるいくつかの事項の機能を満たすことができる。ある手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが本発明の効果を奏さない、ということではない。コンピュータプログラムは適切な記録媒体、例えば他のハードウェアと共に又はその一部として供給される光学記憶媒体又は半導体記憶媒体に記憶/分布されていてよい。しかしまた、他の形で配布されてもよい。例えばインターネットや他の有線・無線交信システムなどである。全ての参照記号は本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、搾乳ポンプの使用者から生理的応答を検出し、前記検出された生理的応答に応じて前記搾乳ポンプの操作を変更するきっかけを与えるように構成される感知ユニットを含み、前記感知ユニットが、前記搾乳ポンプの搾乳漏斗部から別に配置されている、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であり、前記搾乳ポンプの前記搾乳漏斗部が前記使用者の乳房に対して配置される際に、前記感知ユニットが前記使用者の乳房以外の身体部分から前記生理的応答を検出するように構成される、装置。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれか1項に記載の装置であり、前記感知ユニットが、前記検出された生理的応答に基づき、乳発現反射を検出するように構成される、装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であり、前記感知ユニットが、前記搾乳漏斗部の操作を、乳発現反射の検出に応じて、レットダウンモードから発現モードへ変化するきっかけを与えるように構成される、装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の装置であり、前記感知ユニットが前記応答を検出するように構成されるセンサを含む、装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置であり、前記センサが、前記搾乳ポンプの前記使用者の皮膚組織からの前記応答を検出するように構成される電気皮膚センサである、装置。
【請求項7】
請求項5又は6のいずれか1項に記載の装置であり、前記生理的応答が電気皮膚反応応答である、装置。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれか1項に記載の装置であり、前記装置がさらに、前記センサが設けられる手袋を含む、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置であり、前記手袋が少なくとも1つの指受部を含み、前記センサが、前記指受部に挿入される際に前記使用者の手の皮膚組織と接触するように、前記少なくとも1つの指受部内に設けられる、装置。
【請求項10】
請求項5乃至7のいずれか1項に記載の装置であり、前記センサが設けられるブレスレットを含む、装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置であり、前記センサが、前記ブレスレットが装着される際に前記使用者の手の皮膚組織と前記ブレスレットの外部で接触するように配置される、装置。
【請求項12】
前記搾乳ポンプを含む請求項1乃至11のいずれか1項に記載の装置であり、前記搾乳ポンプが、前記感知ユニットからのシグナルの受信に応じてその操作を変更するように構成される、装置。
【請求項13】
搾乳ポンプの操作を制御する方法であり、前記方法は:
前記搾乳ポンプの使用者の生理的応答を検出し、前記応答が前記使用者の乳房以外の身体部分から検出され;及び
前記検出された応答に応じて前記搾乳ポンプの操作を変更するきっかけを与える、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であり、前記搾乳ポンプの搾乳漏斗部が前記ポンプの使用者の乳房に対して配置される間に前記生理的応答の検出が生じる、方法。
【請求項15】
請求項13又は14のいずれか1項に記載の方法であり、前記検出された生理的応答に基づいて乳発現反射を検出することを含む、方法。
【請求項1】
装置であって、搾乳ポンプの使用者から生理的応答を検出し、前記検出された生理的応答に応じて前記搾乳ポンプの操作を変更するきっかけを与えるように構成される感知ユニットを含み、前記感知ユニットが、前記搾乳ポンプの搾乳漏斗部から別に配置されている、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であり、前記搾乳ポンプの前記搾乳漏斗部が前記使用者の乳房に対して配置される際に、前記感知ユニットが前記使用者の乳房以外の身体部分から前記生理的応答を検出するように構成される、装置。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれか1項に記載の装置であり、前記感知ユニットが、前記検出された生理的応答に基づき、乳発現反射を検出するように構成される、装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であり、前記感知ユニットが、前記搾乳漏斗部の操作を、乳発現反射の検出に応じて、レットダウンモードから発現モードへ変化するきっかけを与えるように構成される、装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の装置であり、前記感知ユニットが前記応答を検出するように構成されるセンサを含む、装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置であり、前記センサが、前記搾乳ポンプの前記使用者の皮膚組織からの前記応答を検出するように構成される電気皮膚センサである、装置。
【請求項7】
請求項5又は6のいずれか1項に記載の装置であり、前記生理的応答が電気皮膚反応応答である、装置。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれか1項に記載の装置であり、前記装置がさらに、前記センサが設けられる手袋を含む、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置であり、前記手袋が少なくとも1つの指受部を含み、前記センサが、前記指受部に挿入される際に前記使用者の手の皮膚組織と接触するように、前記少なくとも1つの指受部内に設けられる、装置。
【請求項10】
請求項5乃至7のいずれか1項に記載の装置であり、前記センサが設けられるブレスレットを含む、装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置であり、前記センサが、前記ブレスレットが装着される際に前記使用者の手の皮膚組織と前記ブレスレットの外部で接触するように配置される、装置。
【請求項12】
前記搾乳ポンプを含む請求項1乃至11のいずれか1項に記載の装置であり、前記搾乳ポンプが、前記感知ユニットからのシグナルの受信に応じてその操作を変更するように構成される、装置。
【請求項13】
搾乳ポンプの操作を制御する方法であり、前記方法は:
前記搾乳ポンプの使用者の生理的応答を検出し、前記応答が前記使用者の乳房以外の身体部分から検出され;及び
前記検出された応答に応じて前記搾乳ポンプの操作を変更するきっかけを与える、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であり、前記搾乳ポンプの搾乳漏斗部が前記ポンプの使用者の乳房に対して配置される間に前記生理的応答の検出が生じる、方法。
【請求項15】
請求項13又は14のいずれか1項に記載の方法であり、前記検出された生理的応答に基づいて乳発現反射を検出することを含む、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2012−533390(P2012−533390A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521133(P2012−521133)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【国際出願番号】PCT/IB2010/053245
【国際公開番号】WO2011/010255
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【国際出願番号】PCT/IB2010/053245
【国際公開番号】WO2011/010255
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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