説明

摂食速度を測定し、表示する方法および機器

【解決手段】本発明は、画面上に表示される所定の図形の摂食曲線(10、24)にしたがって食べるように、人に教えるために用いられる、摂食速度を測定するように適合された少なくとも2つの装置で構成される医療機器(30、32)およびその方法に関する。メモリには、導入曲線とその後の訓練曲線を通じて、制御された食事の累積摂取食物から得たデータに基づいて、所定の摂食曲線(10、24)の方程式を自動的に計算する手段がある。累積摂取量は二次方程式y=ax+bx+cを満たし、ここで、パラメータyは摂食量を表し、aは時間経過xによる曲線の傾きの変化を表し、bは時間経過による曲線の一定した傾き、つまり最初の摂食速度を表し、cは食事開始時の摂食量を表し、導入曲線は、制御された食事で得た累積摂食量と同様の特性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面上に表示される所定の図形の摂食曲線にしたがって食べるように、人に教えるために用いられる、摂食速度を測定するように適合された少なくとも2つの装置で構成される医療機器およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
「マンドメータ(Mandometer)(登録商標)」と呼ばれる機器がスウェーデン、ストックホルムのカロリンスカ研究所の応用神経内分泌学部門およびマンドメータ(登録商標)クリニックで開発された。マンドメータ(登録商標)はコンピュータに接続するはかりからなる。はかりの上に皿を配置し、患者は療法士が決定する測定した食事量を皿の上に載せ、コンピュータは患者が食べている間に皿から減る重量を記録し保存する。
【0003】
この機器によって、摂食速度の曲線が産出され、患者は食事中にコンピュータ画面上で、この摂食速度の曲線を見ることができ、画面上に表示される事前に設定された摂食曲線と比較することができる。定期的な間隔でコンピュータモニタ上に評価尺度が表示され、患者は自分の満足度/満腹度を評価する。尺度は0(満腹度なし)から100(最大満腹度)までの数値を有する。患者が自分の満腹度を評価すると、点が画面上に現れ、満腹度(満足度)の発展曲線が描かれる。このように患者は自分の満足度の展開を、画面上に表示される、これも事前に設定された「通常の」満足度の曲線と比較することができる。「マンドメータ(登録商標)訓練」において、食事中にモニタに表示される訓練曲線にしたがうことによって、患者は通常に近い食事様式および満腹度を徐々に身につける。これらの方法は、本来は拒食症および神経性過食症などの摂食障害を治療するために開発された。これらの方法は、ランダム化比較試験では、75%の推定寛解率を示すと評価されている。何年も前から、多くの肥満者は高速の一定速度で食べることが示唆されていたが、マンドメータ(登録商標)を用いた肥満の若者に対する予備的研究において、この洞察が確認された。
【0004】
マンドメータ(登録商標)の機器は数カ国で特許を取得しており、例えば米国ではベルグらに対して特許(特許文献1)が付与されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,817,006号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「減少および線形摂食者:摂食量および満腹度に対する摂食速度の影響」、エルゼビア社刊、フィジオロジー・アンド・ビヘイビア(“Decelerated and linear eaters: Effect of eating rate on food intake and satiety” published by Elsevier, Physiology & Behavior)、2008年3月18日受理、2008年10月2日改訂版を受理、2008年10月9日掲載決定。
【非特許文献2】「線形摂食者から減少摂食者へ:摂食障害のリスクを減少?」、エルゼビア社刊、フィジオロジー・アンド・ビヘイビア(“Linear eaters turned decelerated: Reduction of a risk for disordered eating?” published by Elsevier, Physiology & Behavior)、2008年7月4日受理、2008年11月14日改訂、2008年11月25日掲載決定。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は1つの目的として、制御された科学的環境下で、食事摂取後に満足を感じながら、体重を増量または減量するように支援するために、通常の摂食速度で食べることを人に教えるために用いられる、摂食速度を測定する医療機器を提供する。最近の科学的研究では、正しい方法で食べることによって、摂食速度が減少し、人が食べ過ぎることを防ぎ、それにより肥満者が減量するという臨床的意味を持つことが分かっている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、本発明は、画面上に表示される所定の図形の摂食曲線にしたがって食べるように、人に教えるために用いられる、摂食速度を測定するように適合された少なくとも2つの装置で構成される医療機器を示す。これにより、本発明は、
所定の図形の摂食曲線をメモリに記憶する、画面を備える装置であって、第1の装置は、関連する第2の装置と通信するための遠隔近接場放射および有線機能のうち少なくとも1つを有する装置と、
第1の装置と通信するように適合された関連する第2の装置のはかりであって、第1の装置に適合された遠隔近接場放射および有線通信機能のうち少なくとも1つを有する第2の装置と、を備え、
相当の期間の測定セッションにおいて、はかり上の食物を計量し、人が食物を摂取することによって、はかりから食物が除去されるときに、通信機能を通じて食物の重量を第1の装置に伝送し、セッション中に除去される食物の量をメモリに記憶する、第1の装置に内蔵されるソフトウェア手段によって、食物がはかりから除去されるときに、除去される食物の重量を画面上に測定点として表示して、所定の摂食曲線と比較するためのリアルタイムな図形の摂食曲線を作成し、
本発明はさらに、
メモリにおいて、導入曲線とその後の訓練曲線を通じて、制御された食事の累積摂食量から得たデータに基づいて、所定の摂食曲線の方程式を自動的に計算する手段であって、累積摂食量が二次方程式y=ax+bx+cを満たし、ここで、パラメータyは摂食量を表し、aは時間経過による曲線の傾きの変化を表し、bは時間経過による曲線の一定の傾き、つまり最初の摂食速度を表し、cは食事開始時の摂食量を表し、導入曲線は制御された食事で得た累積摂食量と同様の特性を有する手段を備える。
【0009】
本発明の好ましい一実施形態では、各訓練曲線の方程式は、aが<−1であることを特徴とする減少摂食様式、または方程式のaが0≧a>−1であることを特徴とする一次方程式に基づき、これにより、通常の初期摂食速度は48グラム/分となり、通常の摂食量は320グラムから360グラムであり、通常の食事時間は12分から15分であり、したがって、摂食速度の疑似コードは、
y=ax+bx+c
食事摂取量=y>720のとき600、それ以外の場合はy−70
最初の摂食速度=b−(1/4(b−48))
減少速度または線形速度=(y−bx)/x
から構成される。
【0010】
別の実施形態では、はかりおよび第1の装置は1つの装置に一体化されることを含む。
【0011】
別の実施形態では、はかりの測定表面は、その上に食物を載せるためのボウルまたは皿として形成されることを含む。
【0012】
さらに別の実施形態では、はかりはポケットに携帯できるほど小型の大きさで提供される。
【0013】
別の一実施形態では、所定の図形曲線は非線形の摂食行動を表すことを提供し、この摂食行動は科学的研究によって、人間に好ましい摂食行動と似ていることが分かっている。
【0014】
さらに別の実施形態では、所定の図形曲線は摂食行動の線形速度を示すことを含む。
【0015】
さらに別の実施形態では、所定の満腹度の図形曲線は画面上に表示され、装置を使用する人が、事前に設定された時間間隔中に、評価した満腹度評価と画面上で比較することを提供する。
【0016】
さらに、本発明は、画面に表示される所定の図形の摂食曲線にしたがって食べるように、人に教えるために用いられる、摂食速度を測定するように適合された少なくとも2つの装置で構成される医療機器に適合された方法を示す。したがって、本発明の方法は、
画面を備える装置のメモリに所定の図形の摂食曲線を記憶するステップであって、第1の装置は、関連する第2の装置と通信するための遠隔近接場放射および有線機能のうち少なくとも1つを有するステップと、
関連する第2の装置を通じて第1の装置と通信するようにはかりを適合するステップであって、第1の装置に適合された遠隔近接場放射および有線通信機能のうち少なくとも1つを有するステップと、
相当の期間の測定セッションにおいて、はかり上の食物を計量するステップであって、人が食物を摂取することによって、はかりから食物が除去されるときに、通信機能を通じて食物の重量を第1の装置に伝送し、セッション中に除去される食物の量をメモリに記憶する、第1の装置に内蔵されるソフトウェア手段によって、食物がはかりから除去されるときに、除去される食物の重量を画面上に測定点として表示して、所定の摂食曲線と比較するためのリアルタイムな図形の摂食曲線を作成するステップと
を含み、
さらに、メモリにおける手段によって、導入曲線とその後の訓練曲線を通じて、制御された食事の累積摂食量から得たデータに基づいて、所定の摂食曲線の方程式を自動的に計算するステップであって、累積摂食量が二次方程式y=ax+bx+cを満たし、ここで、パラメータyは摂食量を表し、aは時間経過による曲線の傾きの変化を表し、bは時間経過による曲線の一定の傾き、つまり最初の摂食速度を表し、cは食事開始時の摂食量を表し、導入曲線は、制御された食事で得た摂食量と同様の特性を有するステップと、を備える。
【0017】
本発明の方法は前述の機器に関する添付の従属請求項にも従う。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明と本発明の実施形態および実施例をよりよく理解するために、以下に説明文を加えて添付図面を説明する。
【0019】
【図1】線形摂食行動の図形を表す。
【図2】減少摂食行動の図形を表す。
【図3】本発明にしたがい、近接場放射通信を通じてはかりと通信する、携帯電話の無線機能を備える機器の実施形態を概略的に表す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、携帯電話、PDA、コンピュータ、PC、ラップトップ、iPhone(登録商標)、アンドロイド、および同様の装置などの第1の装置からなる医療用測定機器に関する。第2の装置は、はかりの形を取り、はかりの上に配置された皿またはボウルなどから、食事中に人が食べるすべての摂食量を測定する。本機器は神経性無食欲症、神経性過食症、肥満、その他の胃腸障害を患う人および、健康を保つために自分の摂取量を制御したいと願う人に教えるために用いられる。
【0021】
青少年の肥満に関する研究が英国のブリストル王立小児病院において、スウェーデン、ストックホルムのカロリンスカ研究所の応用神経内分泌学部門およびマンドメータ(登録商標)クリニックが開発した「マンドメータ(登録商標)」(先行技術)を用いて行われた。マンドメータ(登録商標)はコンピュータに接続するはかりからなる。はかりの上に皿を配置し、患者は療法士が決定する測定した食事量を皿の上に載せ、コンピュータは患者が食べている間に皿から減る重量を記録し、保存する。
【0022】
これにより、摂食速度の曲線が産出され、患者は食事中に、コンピュータ画面上でこの摂食速度の曲線を見ることができ、画面上に表示される事前に設定された摂食曲線と比較することができる。定期的な間隔でコンピュータモニタ上に評価尺度が表示され、患者は自分の満足度を評価する。例えば、尺度は0(満腹度なし)から100(最大満腹度)までの数値を有する。患者が自分の満腹度を評価すると、点が画面上に現れ、満腹度(満足度)の発展曲線が描かれる。このように患者は自分の満足度の展開を、画面上に表示される、これも事前に設定された「通常の」満足度の曲線と比較することができる。「マンドメータ(登録商標)訓練」において、食事中にモニタに表示される訓練曲線にしたがうことによって、患者は通常に近い食事様式および満腹度を徐々に身につける。これらの方法は、本来は拒食症および経性過食症などの摂食障害を治療するために開発された。
【0023】
同研究はさらに向上した結果の可能性に到達した。つまり、摂食を練習するためのマンドメータ(登録商標)曲線の様式は、人の過食を防ぐこともあるため、減少形を有することができるということである。同研究が用いる平均的な摂食速度の分析では、食事中の分単位での変化は無視しており、これが摂食速度の簡単な測定に対して統計的に有意な影響が現れない原因であるかもしれない。
【0024】
減少摂食の発見は、さらに詳しい科学的試験および分析を受けているところであり、モジタバ・ザンディアンa、ロアニス・ロアキミディスa、セシリア・ベルグa、ウルフ・ブローディンa、b、ペール・ソデルスタンaによって、科学論文(非特許文献1)で発表されている。著者名の後のa、bは以下の所属を表す。
a)カロリンスカ研究所、応用神経内分泌学部門、NVS、および、マンドメータ(登録商標)およびマンドリーンクリニック、AB Mando、Novum、スウェーデン、フディンゲ、S141−57。
b)カロリンスカ研究所、LIME、医療統計部門、スウェーデン、ストックホルム、S171−77。
【0025】
別の論文(非特許文献2)も、モジタバ・ザンディアン、ロアニス・ロアキミディス、セシリア・ベルグ、ペール・ソデルスタンによって発表されている。
【0026】
以下、減少摂食速度のために用いる機器の実施形態に関して、多くの使用可能な機器の中から、科学的発見を一実施例として記載する。本発明で用いる方程式は図1で記載するような非減少形摂食行動/線形摂食行動にも当てはめることができると理解されよう。
【0027】
図1では、線形摂食の図を表す。この図はマンドメータ(登録商標)測定装置または本発明の機器を用いて、摂食速度および満腹度を測定するための以前の標準であった。ここで、所定の線形摂食速度曲線10は、マンドメータ(登録商標)測定装置を用いる人から記録した実際のリアルタイムな摂食曲線12と共に描かれる。曲線12は許容標準摂食速度を達成するために、できるだけ線形曲線10と一致すべきであり、それにより、人の身体的状況によって、体重を増量または減量するように人が食べることを支援することができる。
【0028】
点14は所定の期間/間隔において、摂食する人が満腹度を評価した点を示し、点をつなげて線にすると、それ自体が摂食する人の満腹度/満足度を示す曲線となる。さらに、図1は、摂食する人が評価する満腹度評価14と比較するための、通常の満腹度評価に似ている所定のS字型曲線16を示す。底部18には、タッチ式ボタンがあり、本発明による実施形態にしたがい、携帯電話機能を備える装置に保存された様々な食事を閲覧するために使用される。また図1には情報ボタン20を示す。例えば、情報ボタン20を押すと、セッション中に食べた食物量およびセッション時間が表示される。携帯電話装置の電池を充電するためのアイコン22も示す。
【0029】
図2は図1と同様の曲線および機能を表示するが、曲線24が、人の摂食速度にさらに似ている、最近の科学的研究の結果による減少摂食速度を示すことが異なる。
【0030】
図3は本発明による多くの使用可能な機器の中から、従来のキーパッドまたはタッチ画面などを有する既知の構成の表示画面を持つ、携帯電話30を備える一実施形態を概略的に示す。本機器はさらに、好ましくは小型のポケットサイズのはかり32を備える。本機器はまた、人が摂食するときに食物を載せるために用いる皿またはボウル34も示す。携帯電話装置30およびはかり32はお互いにブルートゥースまたは赤外線(IR)などの近接場放射を通じて通信し、両矢印で概略的に表す。
【0031】
はかりと携帯電話装置30間の通信によって、摂食する人が摂食間隔中に皿34から除去する食物量および摂食速度のデータを伝送する。人はまた満腹度14を所定の時間間隔内に携帯電話装置画面で評価する。このように、図1および図2による、摂食速度曲線12および満腹度曲線14は、皿34から摂食する人が自分の摂食速度を所定の摂食速度曲線10、24にあわせ、および/または満足度を示す曲線16に自分の満腹度をあわせるように表示される。
【0032】
さらに、ソフトウェア手段を用いて、保存したセッションを第1の装置30の携帯電話機能を通じてコンピュータ端末42に接続する遠隔サーバ40に伝送し、摂食速度曲線12を記録する。サーバ40の手段は第1の装置30に対して、所定の図形の摂食曲線10、24のどちらを任意の図形位置から使用するかに関して適合指示を送信することができ、リアルタイムな図形の摂食曲線の以前の記録によって、本発明のシステムの機器を用いて、記録した人の摂食行動に適合させる。
【0033】
携帯電話30および端末32を備えるサーバ40は、例えば基地局制御装置(BSC)46を介して基地局トランシーバ(BST)44、および移動通信交通局48によって既知の技術を通じて通信する。40、42、44、46、48およびはかり32を備える携帯電話30間の通信は図3に、両矢印で記載する。
【0034】
本発明による機器を用いる人は、最悪の事例では直ちに医療行為が必要なこともあり、したがって、一実施形態では本機器を用いる人の位置が、例えば携帯電話30に搭載された全地球測位システム(GPS)を介して追跡できるように提供される。人を追跡するための別の可能性は、呼び出し信号に無線携帯電話位置データを含む、電話30の信号システムを用いることで実現可能である。無線携帯電話位置データは、電話30のリアルタイムな地理的位置をピンポイントで特定し、ほとんどの事例では、電話30のユーザの場所を特定する。
【0035】
したがって、図3は、画面上に表示される所定の摂食速度の図形曲線10、24にしたがって食べるように、人に教えるために用いられる、摂食速度12を測定するように適合された少なくとも2つの装置で構成される、本発明の医療機器30、32の利用可能な一実施形態を表す。これにより、一実施形態は、所定の図形の摂食曲線10、24をメモリに記憶する、画面を備える装置30を備える。第1の装置30は、関連する第2の装置32と通信するための遠隔近接場放射および有線機能のうち少なくとも1つを有する。有線接続、例えば、USB、VGAまたはその他の既知の接続を、例えば、第1の装置がラップトップまたはその他の既知のコンピュータである場合に用いることができる。
【0036】
関連する第2の装置32のはかりは第1の装置30と通信するように適合され、第1の装置30に適合された遠隔近接場放射および有線通信機能のうち少なくとも1つを有する。相当の期間の測定セッションにおいて、はかり32上の食物を計量し、食物を摂取する人によって食物がはかりから除去されるときに、食物の重量は通信機能を通じて第1の装置30に伝送される。これは、第1の装置30に内蔵されるソフトウェア手段を通じて、セッション中に除去される食物量をメモリに記憶し、食物がはかりから除去されるときに、除去される食物の重量を画面上に測定点として表示して、所定の摂食曲線10、24と比較するためのリアルタイムな図形の摂食曲線12を作成することによって達成される。
【0037】
さらに、本発明は、例えば、導入曲線とその後の訓練曲線を通じて、制御された食事の累積摂食量から得たデータに基づいて、所定の摂食曲線10、24の方程式を自動的に計算するソフトウェア手段をメモリに備える。累積摂食量は二次方程式y=ax+bx+cを満たし、ここで、パラメータyは摂食量を表し、aはパラメータxによって表される時間経過による曲線の傾きの変化を表し、bは時間経過による曲線の一定の傾き、つまり最初の摂食速度を表し、cは食事開始時の摂食量を表し、導入曲線は制御された食事で得た累積摂食量と同様の特性を有する。
【0038】
本発明の好ましい一実施形態では、各訓練曲線の方程式は、aが<−1であることを特徴とする減少摂食様式、または方程式のaが0≧a>−1であることを特徴とする一次方程式に基づき、これにより、通常の初期摂食速度は48グラム/分となり、通常の摂食量は320グラムから360グラムであり、通常の食事時間は12分から15分であり、したがって、摂食速度の疑似コードは、
y=ax+bx+c
食事摂取量=y>720のとき600、それ以外の場合はy−70
最初の摂食速度=b−(1/4(b−48))
aの速度によって異なる減少速度または線形速度=(y−bx)/x
から構成される。
【0039】
別の実施形態では、はかりおよび第1の装置は1つの装置に一体化されることを含む。別の実施形態では、はかりの測定表面は、その上に食物を載せるためのボウルまたは皿として形成されることを含む。
【0040】
さらに別の実施形態では、はかりはポケットに携帯できるほど小型の大きさで提供される。一実施形態では、所定の図形曲線は非線形の摂食行動を表すことを提供し、この摂食行動は科学的研究によって、人間に好ましい摂食行動と似ていることが分かっている。
【0041】
さらに別の実施形態では、所定の図形曲線は摂食行動の線形速度を示すことを含む。さらに別の実施形態では、所定の満腹度の図形曲線は画面上に表示され、装置を使用する人が、事前に設定された時間間隔中に評価した満足度評価と、画面上で比較することを提供する。
【0042】
さらに、本発明は、画面上に表示される所定の図形の摂食曲線にしたがって食べるように、人に教えるために用いられる、摂食速度を測定するように適合された少なくとも2つの装置で構成される医療機器に適合された方法を含む。したがって、本発明の方法は、画面を備える装置のメモリに所定の図形の摂食曲線を記憶するステップを備える。第1の装置は、関連する第2の装置と通信するための遠隔近接場放射および有線機能のうち少なくとも1つを有する。はかりは関連する第2の装置を通じて第1の装置と通信するように適合され、第1の装置に適合された遠隔近接場放射および有線通信機能のうち少なくとも1つを有する。相当の期間の測定セッションにおいて、はかり上の食物を計量し、人が食物を摂取することによって、はかりから食物が除去されるときに、通信機能を通じて食物の重量を第1の装置に伝送する。これは、セッション中に除去される食物の量をメモリに記憶する、第1の装置に内蔵されるソフトウェア手段によって、食物がはかりから除去されるときに、除去される食物の重量を画面上に測定点として表示して、所定の摂食曲線と比較するためのリアルタイムな図形の摂食曲線を作成することによって、実現される。
【0043】
さらに、本発明の方法は、メモリ内の手段によって、導入曲線とその後の訓練曲線を通じて、制御された食事において累積摂食量から得たデータに基づいて、所定の摂食曲線の方程式を自動的に計算するステップを備える。累積摂食量は二次方程式y=ax+bx+cを満たし、ここで、パラメータyは摂食量を表し、aは時間経過xによる曲線の傾きの変化を表し、bは時間経過による曲線の一定した傾き、つまり最初の摂食速度を表し、cは食事開始時の摂食量を表し、導入曲線は、制御された食事で得た累積摂食量と同様の特性を有する。
【0044】
本発明は本明細書に記載する実施例および実施形態に限定されない。当業者は添付の請求項一式からさらに可能な実施形態を導き出すことができる。
【符号の説明】
【0045】
10:摂食曲線
12:摂食曲線
14:満腹度
16:S字型曲線
18:底部
20:情報ボタン
22:アイコン
30:携帯電話
32:装置
34:皿
40:サーバ
42:コンピュータ端末
44:基地局トランシーバ
46:基地局制御装置
48:移動通信交通局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面上に表示される所定の図形の摂食曲線(10、24)にしたがって食べるように、人に教えるために用いられる、摂食速度(12)を測定するように適合された少なくとも2つの装置で構成される医療機器(30、32)であって、前記機器は、
前記所定の図形の摂食曲線(10、24)をメモリに記憶する、画面を備える装置(30)であって、前記第1の装置(30)は関連する第2の装置(32)と通信するための遠隔近接場放射および有線機能のうち少なくとも1つを有する第1の装置と、
前記第1の装置(30)と通信するように適合された前記関連する第2の装置(32)のはかりであって、前記第1の装置(30)に適合された遠隔近接場放射および有線通信機能のうち少なくとも1つを有する第2の装置と、を備え、
相当の期間の測定セッションにおいて、前記はかり(32)上の食物を計量し、人が食物を摂取することによって、前記はかりから前記食物が除去されるときに、前記通信機能を通じて前記食物の重量を前記第1の装置(30)に伝送し、セッション中に除去される前記食物の量を前記メモリに記憶する、前記第1の装置(30)に内蔵されるソフトウェア手段によって、食物が前記はかりから除去されるときに、除去される前記食物の重量を前記画面上に測定点として表示して、前記所定の摂食曲線(10、24)と比較するためのリアルタイムな図形の摂食曲線(12)を作成し、
さらに、前記メモリにおいて、導入曲線とその後の訓練曲線を通じて、制御された食事の累積摂食量から得たデータに基づいて、所定の摂食曲線(10、12)の方程式を自動的に計算する手段であって、前記累積摂食量が二次方程式y=ax+bx+cを満たし、ここで、パラメータyは摂食量を表し、aは時間経過による前記曲線の傾きの変化を表し、bは時間経過による前記曲線の一定の傾き、つまり前記最初の摂食速度を表し、cは食事開始時の摂食量を表し、前記導入曲線は、制御された食事で得た前記累積摂食量と同様の特性を有する手段を備えることを特徴とする、医療機器。
【請求項2】
請求項1に記載の機器であって、各訓練曲線の前記方程式は、aが<−1であることを特徴とする減少摂食様式、または前記方程式のaが0≧a>−1であることを特徴とする一次方程式に基づき、これにより、通常の最初の摂食速度は48グラム/分となり、通常の摂食量は320グラムから360グラムであり、通常の食事時間は12分から15分であり、したがって前記摂食速度の疑似コードは、
y=ax+bx+c
摂食量=y>720の場合は600、それ以外の場合はy−70
最初の摂食速度=b−(1/4(b−48))
減少速度または線形速度=(y−bx)/x
から構成される、機器。
【請求項3】
請求項1に記載の機器であって、前記はかり(32)および前記第1の装置(30)が1つの装置に一体化される、機器。
【請求項4】
請求項1に記載の機器であって、前記はかり(32)のはかり測定表面は食物を載せるためのボウルまたは皿として形成される、機器。
【請求項5】
請求項1に記載の機器であって、前記はかり(32)はポケットに携帯できるほど小型である、機器。
【請求項6】
請求項1に記載の機器であって、前記所定の図形曲線(24)は、科学的研究によって、人間に好ましい摂食行動に似ていることが分かっている非線形摂食行動を表す、機器。
【請求項7】
請求項1に記載の機器であって、前記所定の図形曲線(10)は摂食行動の線形速度を表す、機器。
【請求項8】
請求項1に記載の機器であって、所定の満腹度の図形曲線(16)は前記画面上に表示され、前記装置(30、32)を使用する人が、事前に設定された時間間隔中に評価した満腹度評価(14)と前記画面上で比較する、機器。
【請求項9】
画面上に表示される所定の摂食速度の図形曲線(10、24)にしたがって食べるように、人に教えるために用いられる、摂食速度(12)を測定するように適合された、少なくとも2つの装置で構成される医療機器(30,32)に適合された方法であって、前記方法は、
画面を備える装置(30)のメモリに前記所定の摂食図形曲線(10、24)を記憶するステップであって、前記第1の装置(30)は、関連する第2の装置(32)と通信するための遠隔近接場放射および有線機能のうち少なくとも1つを有するステップと、
前記関連する第2の装置(32)を通じて前記第1の装置(30)と通信するようにはかりを適合するステップであって、前記第1の装置(30)と適合された遠隔近接場放射および有線通信機能のうち少なくとも1つを有するステップと、
相当の期間の測定セッションにおいて、前記はかり(32)上の食物を計量するステップであって、人が食物を摂取することによって、前記はかりから前記食物が除去されるときに、前記通信機能を通じて前記食物の重量を前記第1の装置(30)に伝送し、セッション中に除去される前記食物の量を前記メモリに記憶する、前記第1の装置(30)に内蔵されるソフトウェア手段によって、食物が前記はかりから除去されるときに、除去される前記食物の重量を前記画面上に測定点として表示して、前記所定の摂食曲線(10、24)と比較するためのリアルタイムな図形の摂食曲線(12)を作成するステップと、を備え、
さらに、前記メモリ内の手段によって、導入曲線とその後の訓練曲線を通じて、制御された食事の累積摂食量から得たデータに基づいて、所定の摂食曲線(10、24)の方程式を自動的に計算するステップであって、前記累積摂食量が二次方程式y=ax+bx+cを満たし、ここで、パラメータyは摂食量を表し、aは時間経過による前記曲線の傾きの変化を表し、bは時間経過による前記曲線の一定の傾き、つまり前記最初の摂食速度を表し、cは食事開始時の摂食量を表し、前記導入曲線は、制御された食事で得た前記累積摂食量と同様の特性を有するステップと、を備えることを特徴とする、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、各訓練曲線の前記方程式はaが<−1であることを特徴とする減少摂食様式、または前記方程式のaが0≧a>−1であることを特徴とする一次方程式に基づき、これにより、通常の最初の摂食速度は48グラム/分となり、通常の摂食量は320グラムから360グラムであり、通常の食事時間は12分から15分であり、したがって前記摂食速度の疑似コードは、
y=ax+bx+c
摂食量=y>720の場合は600、それ以外の場合はy−70
最初の摂食速度=b−(1/4(b−48))
減少速度または線形速度=(y−bx)/x
から構成される、方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法であって、前記はかり(32)および前記第1の装置(30)が1つの装置に一体化される、方法。
【請求項12】
請求項9に記載の方法であって、前記はかり(32)のはかり測定表面は食物を載せるためのボウルまたは皿として形成される、方法。
【請求項13】
請求項9に記載の方法であって、前記はかり(32)はポケットに携帯できるほど小型である、方法。
【請求項14】
請求項9に記載の方法であって、前記所定の図形曲線(24)は、科学的研究によって、人間に好ましい摂食行動に似ていることが分かっている非線形摂食行動を表す、方法。
【請求項15】
請求項9に記載の方法であって、前記所定の図形曲線(10)は摂食行動の線形速度を表す、方法。
【請求項16】
請求項9に記載の方法であって、所定の満腹度の図形曲線(16)は前記画面上に表示され、前記装置(30、32)を使用する人が、事前に設定された時間間隔中に評価した満腹度評価(14)と前記画面上で比較する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−505770(P2013−505770A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530841(P2012−530841)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【国際出願番号】PCT/SE2010/000233
【国際公開番号】WO2011/037513
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.アンドロイド
【出願人】(512059109)マンドメーター エービー (1)
【Fターム(参考)】