摺動可能なピンおよび阻止装置を備えたプラグ
【課題】
【解決手段】
第一の接触面(102)を備えたハウジング(101);第一の種類のコンセント用の第一の組のピン(110);および相互に作用する第一および第二の阻止手段(125、126)を含む第一の阻止装置(149)を含み、第一の組のピンはハウジング(101)の中に摺動可能に収容されているプラグ。能動位置にある第一の組のピン(110)は、該組のピンを第一の種類のコンセントに挿入することができるように、ハウジングの第一の接触面(102)から突出する。第一の阻止手段(125)は第一の組のピンに接続される。第二の阻止手段(126)はハウジング(102)に接続される。第一および第二の阻止手段は互いに相対的に移動可能であり、その結果、第一および第二の阻止手段は、阻止位置および非阻止位置を取ることができる。第一の阻止装置(149)は第一の停止具(135)をさらに含み、該第一の停止具(135)は第一および第二の阻止手段の可動性が互いに相対的に妨げられる停止位置と、および解放位置との間で移動可能である。
【解決手段】
第一の接触面(102)を備えたハウジング(101);第一の種類のコンセント用の第一の組のピン(110);および相互に作用する第一および第二の阻止手段(125、126)を含む第一の阻止装置(149)を含み、第一の組のピンはハウジング(101)の中に摺動可能に収容されているプラグ。能動位置にある第一の組のピン(110)は、該組のピンを第一の種類のコンセントに挿入することができるように、ハウジングの第一の接触面(102)から突出する。第一の阻止手段(125)は第一の組のピンに接続される。第二の阻止手段(126)はハウジング(102)に接続される。第一および第二の阻止手段は互いに相対的に移動可能であり、その結果、第一および第二の阻止手段は、阻止位置および非阻止位置を取ることができる。第一の阻止装置(149)は第一の停止具(135)をさらに含み、該第一の停止具(135)は第一および第二の阻止手段の可動性が互いに相対的に妨げられる停止位置と、および解放位置との間で移動可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の序文に記載の摺動可能なピンおよび阻止装置を備えたプラグに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1はハウジングを備えたプラグを開示しており、該ハウジングから様々なピンの組が摺動することができ、それぞれの組は特定の種類のコンセントを対象としている。ピンは、ハウジングの中の別個の長穴を通過して外側に向けて延出するレバーによって、外側に向けて摺動する。一つの種類のレバーおよびピンは、それぞれの場合において、ハウジングの中に摺動可能に収容された接続部によって、ハウジングの内部において互いに接続されている。
【0003】
プラグはさらに安全素子を有する。該安全素子は、左右方向に摺動可能となるべくハウジングの中に収容されている。左右方向に摺動可能とは、ピンの摺動方向を横切る方向にという意味に理解されるべきである。安全素子は、ハウジングの外側に位置する押しボタンによって摺動する。
【0004】
安全素子は様々な保持バーを含む。該保持バーはピンと同じ方向に延出する。保持バーは、まっすぐな摺動面、すなわち、ピンの方向に延出する面を介して開口部と一体化する、傾斜する摺動面を有する。ピンの接続部には摺動突起が設けられている。一組のピンをレバーによって外側に向けて摺動させる工程の間、摺動突起は、保持バーの傾斜する摺動面に沿って摺動する。ピンは径方向に固定されているという事実によって、傾斜する摺動面に沿ったこの摺動は、安全素子が横方向に摺動することをもたらす。保持バーの端部では、摺動突起は、保持バーの対応する開口部の位置に到達する。ばね力のもとで摺動突起は開口部の内部に落ち、その結果、安全素子は後部に向けて摺動しおよび安全素子はピンで固定される。
【0005】
【特許文献1】国際特許出願第A2−02/063723号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
既知のプラグの不都合は、磨耗の結果によって、該プラグは長期的な信頼性が低くなることである。摺動突起が突出する角部および開口部は磨耗する可能性があり、および、たとえば、面取りした又は円形の輪郭を得る可能性がある。その結果、開口部の中での摺動突起の固定は信頼性がより低くなり、およびピンが意図せずにハウジングの中へと押し込まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、この不都合を少なくとも部分的に解消すること、又はいずれにせよ使用可能な代替物を提供することを目的とする。
【0008】
とりわけ、本発明は、より長い期間において信頼性を保持することができる、より信頼性の高い固定システムを提供することを目的とする。
【0009】
本発明は、請求項に記載のプラグ1によってこの目的を達成する。
【0010】
プラグは、第一の接触面を備えたハウジング、第一の種類のコンセントのための第一の組のピン、および相互に作用する第一および第二の阻止手段を含む第一の阻止装置を含む。第一の組のピンは所望の能動又は受動位置を取るべくハウジングの中に摺動可能に収容され、能動位置にある第一の組のピンは、該組のピンを第一の種類のコンセントに挿入することができるように、ハウジングの第一の接触面から突出する。第一の阻止手段は第一の組のピンに接続される。第二の阻止手段はハウジングに接続される。第一および第二の阻止手段は互いに相対的に移動可能であり、その結果、第一および第二の阻止手段は、第一の組のピンの摺動性が阻止される阻止位置、および第一の組のピンが摺動可能である非阻止位置を取ることができる。第一の阻止装置は第一の停止具をさらに含み、第一の停止具は、第一および第二の阻止手段の可動性が互いに相対的に妨げられる停止位置と、および解放位置との間で移動可能である。
【0011】
本発明による停止具は、第一および第二の阻止手段の個別のロックを提供し、その結果として、第一および第二の阻止手段が磨耗しても、阻止の信頼性が著しく低下することがない。
【0012】
とりわけ、第一の停止具は第一の組のピンの摺動方向に移動可能である。停止具をピンと同じ方向に摺動可能にすることによって、プラグ内の空間の効率的な利用を達成できることが保証される。反対に、先行技術によるプラグでは、安全素子はピンの摺動方向を横切って摺動し、その結果、ピンの軸方向端部にて、ハウジングの内部において別の空間を安全阻止のために確保しなければならない。
【0013】
一実施形態では、第二の阻止手段は、第一の阻止手段と相互作用して、能動位置にある第一の組のピンの摺動性を阻止することを意図している。第一の阻止装置は第三の阻止手段をさらに含み、該第三の阻止手段は、第一の阻止手段と相互作用して受動位置にある第一の組のピンの摺動性を阻止するために、ハウジングに接続される。このようにして、能動および受動の両方の位置における阻止は、同じ阻止装置によって達成され、その結果、第一の阻止手段は二重の機能を遂行する。
【0014】
とりわけ、第一の阻止装置は第二の停止具を含み、第二の停止具は、第一および第三の阻止手段の可動性が互いに相対的に妨げられる停止位置と、および解放位置との間で移動可能である。第二の停止具のおかげで、能動および受動の両方の位置における阻止は、高い信頼性で固定することができる。
【0015】
より詳細には、第一および第二の停止具は互いに恒久的に接続されている。これによって一つの単純な制御システムを得ることが可能になり、このシステムでは、一部分を作動させることによって第一および第二の停止具の両方が、解放又は停止位置に移動することができる。
【0016】
一実施形態ではプラグは第二の種類のコンセント用の第二の組のピンをさらに含む。このようにして、いわゆるマルチプラグが形成され、マルチプラグはいくつかの種類のコンセントに用いることが有利にできる。
【0017】
とりわけ、プラグは、所望の第一および第二の位置を取るべく、ハウジングの中に摺動可能に収容されている両面摺動素子をさらに含む。両面摺動素子は、第一および第二のピン面を含む。第二のピン面は、第一のピン面と直径方向に略対向して設けられる。第一の組のピンは第一のピン面から延出し、および第二の組のピンは第二のピン面から延出する。第一の位置にある第一の組のピンは、第一の種類のコンセントに挿入することができるように、ハウジングの第一の接触面から突出する。第二の位置にある第二の組のピンは、第二の種類のコンセントに挿入することができるように、ハウジングの第二の接触面から突出する。
【0018】
このような共通の摺動素子の使用によって、単純な構造だけでなく、単純な操作もまたもたらされる。第一の組のピンのための能動位置にある摺動素子の固定は、受動位置にある第二の組のピンの固定に相当する。
【0019】
変形例において、第二の組のピンは少なくとも三つのピンを含み、ピンのうち一つが、英国式コンセントといったヒューズ付のコンセント用のオープナーである。さらに、第一の組のピンは、第二の組のピンのオープナーの周りを摺動可能となるべく設けられた第一の摺動素子の上に設けられている。第二の組のピンのオープナーの周りに摺動素子を設けることによって、所望であれば、径方向への摺動移動中に、第一の組のピンを固定するための別個の案内手段を分散させることが可能である。上記に記載した先行技術において、摺動移動はオープナーにのみ沿い、その結果、その場合では、追加的な案内手段を設けなければならないことが指摘されている。第二の組のピンのオープナーの周りで摺動可能なプラグは、したがって、本発明の他の実施態様とは独立した、先行技術と比較しての利点を提供する。
【0020】
とりわけ、第一の阻止手段は第一の摺動素子の上に、および第二の阻止手段はオープナーの上に設けられる。オープナーはハウジングに恒久的に接続され、および停止具はオープナーの中に設けられる。第二の阻止手段をオープナーの上におよび停止具をオープナーの中に設けることによって、小型でおよび単純な構造が得られる。
【0021】
さらに好適な実施形態が、従属請求項に記載される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、添付図面中に示される好適な実施形態によってより詳細に説明される。
【0023】
図1は、本発明の第一の実施形態によるプラグを示し、該プラグは参照番号100によってその全体が示される。プラグ100は、照明および/又は家庭用電気器具に電力を提供するための電源プラグへの使用を対象としている。プラグ100は、接触面102を備えたハウジング101を含む。ハウジング101には、電源ケーブル用の貫通開口部103(図2および3)、および、一部の国で要求されているような、ヒューズを嵌め込むための開口部を閉じるためのカバーがさらに設けてられている。カバーは、後壁105の一部に設けられている。後壁105は、接触面102と直径方向に対向して位置しているハウジング101の一部である。
【0024】
プラグには第一の組のピン110が設けられ、その外形寸法および相互位置決めによって、第一の種類のコンセント、示される例における、ヨーロッパ大陸で一般に用いられる種類のコンセント、における使用に適している。ピン110は、摺動ハウジング111の中に摺動可能に収容されている。該一組のピン110と摺動ハウジング111とが相俟って、いわゆる平型のプラグを形成する。これは、接地接続が要求されない電気器具の上に設けることができるプラグである。
【0025】
ピン110の摺動方向は、下記において、軸方向とも呼ばれ、一方、径方向は軸方向と交差している。この第一の例示的な実施形態では、軸方向は、後壁105から接触面102への方向に相当する。
【0026】
図1では、第二の組のピン112の端部もまた目に見え、該第二の組のピンは、後ほど図13以降に関連してより詳細に再度説明される。図3では、欧州式の平型プラグ用の第一の押しボタン、すなわちユーロ式押しボタン113もまた見ることができる。英国式押しボタン114もまた見ることができる。
【0027】
図4を参照すると、摺動ハウジング111はハウジング101の中に摺動可能に収容されている。この目的のために、摺動案内手段は、摺動管120の形態の中に収容されている。第一の組のピン110は、第一の摺動素子121、この場合は、ブリッジとも呼ばれる片側摺動素子に、恒久的に接続されている。片側摺動素子121には二個の摺動突起122が設けられ、該摺動突起122は、直径方向に互いに対向して配置され、および、摺動管120の溝123の中を摺動することができる。片側摺動素子121は摺動管120の周りに延在する。言い換えれば、片側摺動素子121には、摺動管120の外側に相当する開口部が設けられている。第一の摺動素子121が所定の厚さを持つという事実によって、開口部を管状開口部として見ることができる。
【0028】
摺動管120には、一つ以上の第一の停止124(図5)が設けられている。第一の停止124の接触面102に面する側には、傾斜が付いている。片側摺動素子121の摺動突起122には補完的に傾斜が付いている。摺動突起122の軸方向に反対の側にも傾斜が付いている。摺動突起122の傾斜の付いた側又は面は、第一の阻止手段125とみなすことができる。摺動管120には、第二の阻止手段が阻止縁部126の形態で設けられている。阻止縁部126は、移動可能に、この例ではヒンジで連結されて、摺動管120に接続されている。この例示的な実施形態では、阻止縁部126の三つの側に沿って摺動管120の材料を離すことによって、阻止縁部126が形成される。阻止縁部126の第四の側、すなわち、材料が離れていない側に沿って、摺動管120の材料はヒンジとしての働きをする。わずかに弾性がある材料を摺動管120に選択することによって、関係する材料片は、ヒンジ接続されているだけでなく、弾性も有する。
【0029】
阻止縁部126には、阻止突起127が設けられている。阻止突起127には、傾斜の付いた壁が設けられ、その傾斜は、摺動突起122の傾斜の付いた側125の傾斜に相当する。
【0030】
完全さのために、図4および5による断面図において、摺動管120の一端部129が摺動管120の主要部にあたかも接続されていないかのように見えることが指摘されている。これは、第一の接触面102の側に位置する端部129である。図9および13において、これは実際は連続的な摺動管120であり、阻止縁部126のみが管の残り部分から部分的に切り離されていることを、より明確に見ることができる。
【0031】
停止バー130の形態での停止素子が、摺動管120の中に収容されている。停止バー130の第一の端部は、ここではユーロ式押しボタン113としての働きをする。停止バー130の他端部、すなわち、停止バー130の接触面102から突出する端部には、ばね手段がコイルばね131の形態で設けられている。コイルばね131は、停止バー130の軸方向端部にある開口部132の中に収容され、および、該端面132から部分的に突出する。コイルばね131は、開口部の内部の片側に、および、摺動管120の端部129の内側縁部133の他方の側に置かれている。
【0032】
停止バー130には、一つ以上の第一の停止具135が設けられている。停止具135は、突起又は停止バー130の外側壁に径方向に突出する部分とみなすことができる。この場合は二つ以上の停止具135であってもよく、又は、停止バー130の周りに周方向に延在する一つの停止具135であってもよい。停止バー130の中心部の外径が、停止具135の周りの外周の外径と同じであることが指摘されている。これは、停止バー130の摺動管120の中への摺動可能な収容には特に機能的である。しかしながら、停止バーのこの中心部の直径は、停止具135の停止機能とは関係がない。関係があるのは、停止バー130の、第一の停止具135と軸方向において直接隣接する部分136の直径が、停止具135の外周の周りの直径よりも小さいということである。下記に明らかにされるように、停止バー130の凹部136は、阻止手段の解放における機能を有する。
【0033】
図6から10は、第一の組のピン110と第二の組のピン112の両方がハウジングの中へと摺動するが、下記に記載されるようなオープナーの中へは摺動しない位置にあるプラグ100を示す。図9および10は、上記に記載した片側摺動素子121の第一の阻止手段125と下記に記載される第三の阻止手段との間の相互反応を示す。
【0034】
図9および10において、片側摺動素子121、それに接続された第一の組のピン110(この断面では見えない)および摺動ハウジング111が、ハウジング101の内部まで完全に押し込まれている。図6よりわかるように、摺動ハウジング111の軸方向端部は、接触面102と同じ平面中に存在することが指摘されている。
【0035】
摺動管120には、第三の阻止手段が阻止縁部140の形態で設けられている。阻止縁部140には阻止突起141が設けられている。阻止突起141は、第一の阻止手段の傾斜、又は摺動突起122の傾斜の付いた面125に相当する傾斜の付いた側を有する。摺動ハウジング111と摺動管120との間の空間には、ばね手段142もまたコイルばねの形態で設けられる。コイルばね142は、少なくとも図面に示された位置において、片側摺動素子121に対しておよびハウジング101の内部に対して作用する。このようにして、コイルばね142は、ハウジング101の後壁105から接触面102への軸方向の力を及ぼす。
【0036】
停止バー130には第二の停止具145が設けられている。第二の停止具145は、第一の軸方向端部での上記に記載した停止バー130の中心部へと一体化する。第二の停止具145はその第二の軸方向端部において、停止バー130の直径がより短い部分146に隣接する。
【0037】
この例での阻止縁部140は、第一の阻止縁部126と同じように、摺動管120から形成され、および摺動管120に接続されている。
【0038】
こうして、傾斜の付いた面125、阻止突起127、141をそれぞれ備えた阻止縁部126、140、および停止具135、145を備えた軸方向の停止バー130を含む、第一の阻止装置149が形成される。
【0039】
使用において、図11および12に示すように、ユーロ式押しボタン113を軸方向に押すことができる。ユーロ式押しボタン113を操作する、すなわち、押すことによって、停止バー130、およびしたがって停止具135および145をも、軸方向に移動させる。停止具135および145の軸方向の移動は、該停止具が軸方向に阻止縁部126および140に対して相対的に移動し、これによって阻止縁部126および140を解放することを意味する。言い換えれば、阻止縁部126および140は、阻止バー130のより短い外周を持つ部分136および146の位置に置かれるようになる。第一の停止具135および第二の停止具145はこうして、停止位置から解放位置へと移動する。停止位置では、阻止縁部126および140の摺動突起又は第一の阻止手段125に対する相対的な径方向の可動性が妨げられた。解放位置では、阻止縁部126および140は、第二の阻止縁部140に対して矢印150で示すように径方向に移動可能である。
【0040】
阻止突起127および141それぞれの傾斜の付いた形状および摺動突起122の傾斜の付いた側125の結果もあって、摺動突起122は、阻止縁部126および140をそれらの阻止位置から(図示)非阻止位置へと(非図示)移動させることができる。非阻止位置(非図示)では、摺動縁126および140は、停止バー130の断面のより小さい部分136および146によって形成される開口部の内部に位置する。
【0041】
図11および12中の位置から、図11に示すように、停止具145の解放位置にあるコイルばね142は、非阻止位置へと押される阻止縁部126および140を提供する。図1から4に示すように、第一の組のピン110および摺動ハウジング111の押し出された能動位置から、ユーザー自身が片側摺動素子121を軸方向内側に向けて押し、およびそれを行うにあたって阻止縁部126を径方向内側に向けて押す。この目的のために、ユーザーは、第一の組のピン110および/又は摺動ハウジング111に力を及ぼすことができる。
【0042】
図13から18は、プラグ100の同じ第一の実施形態を示し、該実施形態では第二の組のピン112の操作のモードが説明される。第二の組のピン112は、二つの通電ピン160およびオープナー162を含む。オープナー162は、接地ピンとも呼ばれるが、しかし、図示された例示的な実施形態におけるプラグ100は接地されていないので、オープナーという語のほうがここではより良い記載である。英国式コンセントの場合、関係するコンセントの阻止を解除するために、非接地プラグの場合ですら、ピンは、実際は接地ピンの位置に存在しなければならない。
【0043】
この例示的な実施形態におけるオープナー162は、摺動管120の等価物であり、および、この実施形態では、ハウジング101に恒久的に接続されている。英国式のピン112、およびとりわけ二つの摺動可能なピン160に対して、第二の阻止装置165が設けられている。
【0044】
プラグ100は、摺動案内手段を第二の摺動管170の形態で含み、該摺動案内手段は、ハウジング101に恒久的に接続され、およびハウジングの内部を後壁105から接触面102へと延出する。この方向は、本明細書中において以降軸方向と呼ばれ、およびピン160に対する摺動方向でもある。
【0045】
停止具172は、接触面102の内部に設けられ、該停止具は第二の摺動管170の周りで延在する。ピン160は、に第二の同じく片側摺動素子、この場合はブリッジ171に接続されている。ブリッジ171には、摺動管170の周りで延在する開口部が設けられている。開口部の位置でのブリッジ171の厚みによって、ブリッジ171内の管状開口部の問題となり、管状開口部は摺動管170の周りで延在する。ブリッジ171、又はともかくその管状開口部には、ブリッジ171中の管状開口部と結合する二つの傾斜の付いた面が設けられている。該傾斜の付いた面175は第四の阻止手段としての働きをする。
【0046】
摺動管170には、第五の阻止手段が、阻止突起177を備えた第三の阻止縁部176の形態で設けられている。阻止突起177は、ブリッジ171の傾斜の付いた面175との相互反応のために傾斜が付いている。阻止縁部176は、先に記載した阻止縁部と同じように、摺動管170から形成されている。
【0047】
傾斜面175および阻止突起177を備えた第三の阻止縁部176は、第二の阻止装置165の一部である。第二の阻止装置165は、第二の停止素子を第二の停止バー180の形態でさらに含む。停止バー180には、軸方向端部にコイルばね181が設けられている。停止バー180には、第三の停止具185がさらに設けられている。第三の停止具185は、開口部、すなわち、停止バー180の軸方向に停止具185と隣接する直径のより短い部分186によって形成される。
【0048】
摺動管170には、第四の阻止突起191を有する第四の阻止縁部190がさらに設けられている。第二の停止バー180には、第四の停止具195が設けられている。第四の停止具195は、停止バー180内の開口部196によって形成される。これらの第四の阻止縁部190および第四の停止具195は、第二の阻止装置165の一部としてもみなすことができる。
【0049】
図16に示される使用位置において、プラグ100は、英国式コンセントとの併用にすぐに使用できる。ピン160は、第四の阻止手段175と第五の阻止手段176との相互反応によって阻止される。この場合、停止具185は、阻止手段175に対する相対的な阻止手段176の径方向の可動性を妨げる。これによってピン160の所定の阻止が得られる。
【0050】
図17では、ユーザーは英国式押しボタン114を押し、およびこれによって停止バー180を軸方向に移動させた。これによって、停止具185を阻止縁部176から離れて軸方向に移動させ、および、阻止縁部176は、ブリッジ171の阻止面175に対して相対的に径方向に移動可能である。たとえばピン160を介して、ブリッジ171に対して軸方向に圧力を及ぼすことによって、ピン160を備えたブリッジ171は、次に、摺動管170に沿って内側に向けて摺動することができる。阻止縁部176は、工程において径方向内側に向けて移動する。
【0051】
ピン160が完全に摺動した後、および押しボタン114がユーザーにより解放された間、図18に示す状況が作成される。これは、図6から10に示す状況と実際同じであるが、この場合は、図16および17の同じ断面平面で示す。ブリッジ171は、この位置において阻止縁部190によって、より詳細には阻止縁部190の上に設けられた阻止突起191によって阻止される。停止具195のおかげで、ブリッジ171上の阻止縁部190および阻止面175は、この位置において互いに相対的に移動できず、その結果、図18に示す受動位置において、ピン160は阻止される。この阻止された受動位置からの解放は、能動位置からの解放に関連して上記に記載した方法に相当する方法で実行される。
【0052】
上記に記載した図は、第一の組のピン110と第二の組のピンとは、ケーブル貫通開口部103を介してプラグ100の外側へと貫通する電源ケーブルへの接続によって、切断可能に電気的に接続されていることを示していない。接続のおかげで、一組のピンのみが一時に電源ケーブルに接続される。
【0053】
図19は本発明の第二の実施形態によるプラグ200を示す。プラグ200は、接地された電気器具に対する電源プラグを対象としている。プラグ200は、第一の接触面202を備えたハウジング201を含む。ハウジング201には、電源ケーブル用の貫通開口部203およびヒューズ用のカバー204がさらに設けられている。ハウジング201は第二の接触面205をさらに含み、該第二の接触面205は第一の接触面202と直径方向に略対向して設けられる。第一の接触面202の形状および外形寸法は、第一の種類の、この場合はヨーロッパ大陸で通常見い出される種類の接地式コンセントの形状および外形寸法に相当する。第二の接触面205の形状および外形寸法は、第二の種類の、この場合は、たとえば、イギリス諸島で通常見い出される種類のコンセントの形状および外形寸法に相当する。
【0054】
プラグ200には、第一の組のピン210(図26)が設けられ、該第一の組のピンは第一の種類のコンセントにおける使用に適している。第一の組のピン210は、摺動素子211、この場合は両面摺動素子211の上に設けられる。摺動素子211はハウジング201の中に摺動可能に収容され、その結果、摺動素子211は、第一の位置(図22)および第二の位置(図26)を随意的に取ることができる。
【0055】
プラグは、第二の種類のコンセントに適した第二の組のピン212(図19から24)、および押しボタン213をさらに含む。押しボタン213は、第二の接触面205の中に埋め込まれている。
【0056】
摺動素子211は第一のピン面215を含む。第一の組のピン210は第一のピン面215から、この場合はピン面215に対して垂直に延出する。この目的のために、第一の組のピン210は摺動素子211に恒久的に接続されている。摺動素子211は第二のピン面216をさらに含み、該第二のピン面216から第二の組のピン212が延出する。第二の組のピン212は、第二のピン面216に対して垂直になるべく配置され、および両面摺動素子211に恒久的に接続されている。摺動素子211の第一のピン面215および第二のピン面216は、摺動素子211の上に直径方向に互いに対向して設けられる。
【0057】
図22から27を参照すると、両面摺動素子211はハウジング201の中に摺動可能に収容されている。この目的のために、摺動案内手段が摺動管220の形態で設けられる。両面摺動素子211には、二つの摺動突起222が設けられ、該摺動突起222は、直径方向に互いに対向して配置され、および、摺動管220の溝223の内部を摺動することができる。摺動管220は、第一の接触面202から第二の接触面205へと延出する。軸方向に沿った方向は、両面摺動素子211の摺動方向として定義され、該摺動方向はこの場合は摺動管220の長手方向によって決定される。
【0058】
両面摺動素子211は摺動管220の周りで延在する。この目的のために、両面摺動素子211には開口部、とりわけ管状開口部が設けられており、その外形寸法は摺動管220の外側に略相当する。
【0059】
摺動突起222は、直径方向に互いに対向して位置する二つの側に傾斜が付けられて、第四の阻止手段又は阻止面225を形成する。阻止面225が摺動突起222の軸方向端部に位置することが指摘されている。
【0060】
摺動管220には、第五および第六の阻止手段が第一および第二の阻止ボール226および227の形態で設けられている。第一および第二の阻止ボール226および227は、摺動管220に対して径方向に移動可能となるように、摺動管220に移動可能に接続され、および、摺動管220の軸方向において固定され、すなわち、移動可能でない。
【0061】
摺動管220には、ハウジング201の一部に第一の接触面202を形成する第一の端部229が提供されている。
【0062】
停止バー230の形態の停止素子が、摺動管220の中に収容されている。停止バー230の第一の端部は、ここでは押しボタン213としての働きをする。停止バー230の他端部では、ばね手段がコイルばね231の形態で設けられる。コイルばね231は、停止バー230の軸方向端面232上の片側に置かれており、および摺動管220の端部229の内側縁部233上の他方の側の上に置かれている。
【0063】
停止バー230には、第一の停止具が停止リング235の形態で設けられている。停止リング235は、端面232によって、その第一の軸方向端部で結合されている。停止リング235はその第二の軸方向端部で、停止バー230の断面236のより小さい部分によって結合されている。停止バー230の残り部分、特に停止バー230の中心部が、停止リング235の外径に相当する外径を有するという事実によって、断面のより小さい部分236は、円形の開口部又は溝236としてみなすこともできる。
【0064】
停止バー230には、第二の停止具245がさらに設けられている。第二の停止具245は、第二の停止リング245とみなすことができ、該第二の停止リング245は停止バー230の外表面の周りで延在する。第二の停止リング245は軸方向端部で、停止バー230の中心部へと一体化する。停止リング245と停止バー230の中心部とが同じであるという事実によって、この場合の第二の停止リング245は停止バー230の残り部分と継ぎ目なく一体化する。第二の軸方向端部では、第二の停止リングは、停止バー230の直径のより小さい部分246に結合されている。直径のより小さい部分246は、停止バー230の表面において、円形の開口部又は溝246としてみなすこともできる。摺動突起222、第一の阻止ボール226および第二の阻止ボール227、および第一の停止リング235および第二の停止リング245の阻止面245は、阻止装置249の一部である。
【0065】
図22の使用位置、言い換えれば、プラグ200は英国式のコンセントに適した位置において、第二の組のピン212が所定のやり方で阻止されている。阻止面225は、阻止ボール227の上に置かれており、これらは次に、軸方向の力を摺動管220に、およびしたがってハウジング201に伝えることができる。阻止ボール227は阻止された使用位置で固定されているか、又は、第二の停止リング245によって停止されている。阻止ボール227は結果として径方向には移動できない。
【0066】
コイルばね232のばね力に抗して押しボタン213を押すことによって、第二の停止リング245は第二の阻止ボール227から離れて移動させられる。第一の停止リング235と第二の停止リング245とが停止バー32によって互いに接続されているという事実は、同時に第一の停止リング235が第一の阻止ボール227から離れて移動することを意味する。しかしながら、これは図22および23に示された位置においては重要ではない。第二の停止リング245から離れる軸方向の移動によって、停止バー230の第二の円形の開口部246を、第二の阻止ボール227(図24、25)の位置に到達させる。同時に、たとえば第二の組のピン212を介して、両面摺動素子211に対して軸方向に及ぼされる力は、傾斜した阻止面225に、第二の阻止ボール227を第二の円形の開口部246内部へと押させる。
【0067】
これによって図25に示す状況が生じる。第二の停止リング245のこの解放位置では、阻止面225と阻止ボール227との間の阻止作用が除去される。次いで摺動素子211をさらに押し、および押しボタン213を解放することによって、図26および27に示す状況が作成される。両面摺動素子211、および結果として次に、第一の組のピン210が、摺動突起222の阻止面225および第一の阻止ボール226を介して軸方向に阻止され、該両面摺動素子211自体は摺動管220の上に置かれる。第一の停止リング235の存在によって、第一の阻止ボール226は径方向には移動可能ではない。
【0068】
図27の状況において押しボタン213が再び押されると、図25の状況に広い意味で相当する状況が生じる。第一の円形の開口部236は、第一の阻止ボール226の位置に移動し、このため後者を径方向に移動可能にし、その結果、第一の阻止ボール226と阻止面225との間の阻止効果が除去される。
【0069】
図28から31は、本発明の第三の実施形態によるプラグ300を示す。プラグ300は、接地された電気器具のために電源プラグを対象としている。プラグ300は、第一の接触面302を備えたハウジング301を含む。ハウジング301には、電源ケーブル303およびヒューズ用のカバー304がさらに設けられている。ハウジング301は、第二の接触面305さらに含み、該第二の接触面305は、第一の接触面302と直径方向に略対向して設けられる。
【0070】
第一の接触面302の形状および外形寸法は、第一の種類の、この場合は通常は中国で見出される種類の接地式コンセントの形状および外形寸法に相当する。第二の接触面305の形状および外形寸法は、第二の種類の、この場合はイギリス諸島、アイルランドおよび香港で通常見い出される種類のコンセントの形状および外形寸法に相当する。
【0071】
プラグ300には第一の組のピン310が設けられ、該第一の組のピン310は第一の種類のコンセントにおける使用に適している。第一の組のピン310は、両面摺動素子(非図示)の上に設けられる。摺動素子はハウジング301の中に摺動可能に収容され、その結果、摺動素子は所望の第一の位置(図28および29)および第二の位置(図30および31)を取ることができる。
【0072】
プラグ300は、第二の組のピン312および押しボタン313をさらに含む。押しボタン313は第二の接触面305の中に埋め込まれている。
【0073】
第一の組のピン310および第二の組のピン312は、摺動素子の第一および第二のピン面(非図示)の上にそれぞれ設けられる。
【0074】
摺動素子311およびハウジング301には、阻止手段(非図示)が設けられている。さらに、プラグ301には停止バー(非図示)が設けられ、その一端部が押しボタン313としての働きをする。阻止手段および停止バーの設計および機能は、図22から27に示すような設計および機能と匹敵しうる。しかしながら、図22から27の参照番号226および227示される阻止ボールの代わりに、第一の実施形態に関連して示されおよび記載されるような阻止縁部、又は阻止手段の相互可動性が妨げられる停止位置と、および解放位置との間で移動可能な異なる設計がされた停止具を使用することも可能であることが指摘されている。
【0075】
図32から35は本発明の第四の実施形態によるプラグ400を示す。プラグ400は、非接地式適用のための電源プラグを対象としている。プラグ400は、第一の接触面402を備えたハウジング401を含む。ハウジング401には、電源ケーブル403がさらに設けられている。ハウジング401は、第二の接触面405をさらに含み、該第二の接触面405は第一の接触面402と直径方向に略対向して設けられている。第一の接触面402の形状および外形寸法は、第一の種類の、この場合ヨーロッパ大陸で通常見い出される種類の非接地式コンセントの形状および外形寸法に相当する。第二の接触面405の形状および外形寸法は、第二の種類の、この場合、たとえば、アイルランドおよび香港を含むイギリス諸島で通常見出されるコンセントの種類の、形状および外形寸法に相当する。
【0076】
プラグ400には、第一の組のピン410(図33)が設けられ、該第一の組のピン410は第一の種類のコンセントにおける使用に適している。第一の組のピン410は、両面摺動素子(非図示)の上に設けられる。摺動素子はハウジング401の中に摺動可能に収容され、その結果、摺動素子は所望の第一の位置(図32および33)および第二の位置(図34および35)を取ることができる。
【0077】
プラグは、第二の組のピン412(図34)および押しボタン413をさらに含む。押しボタン413は、第一の接触面402の中に埋め込まれている。
【0078】
第二の組のピン412は、通電ピン460二本およびオープナー462を含む。図示された例示的な実施形態におけるプラグ400は、非接地式コンセントに設けられるので、オープナー462は関係するコンセントの阻止を解除する働きをする。第一の組のピン410、および第二の組のピン412の通電ピン460は、摺動素子のそれぞれのピン面(非図示)から延出する。この例示的な実施形態におけるオープナー462は、回転軸(非図示)の周りに回転可能であるように、ハウジング401に接続されている。そうでない場合は、この第四の実施形態に対する変形例において、オープナー462は、第二のおよび第三の実施形態に示すように摺動素子にも接続することができるか、又は、第一の実施形態に示されるように摺動素子としての働きをするべく、ハウジング401に恒久的に接続されうる。
【0079】
阻止手段および停止具がハウジング401の中に収容され、該停止具は押しボタン413に接続されている。阻止手段および停止具は、第一および/又は第二の実施形態に関連して詳細に示された阻止手段および停止具と同じような態様で、設計されている。
【0080】
電子機器もまた、第一の組のピンの410又は第二の組のピン412を経由してハウジング402に導入される電流を変圧および/又は整流するために、プラグ400のハウジング401の中に収容されている。電子機器は、たとえば、バッテリーを備えた消費者用電気器具を充電することを目的として、所望量の電流を切り換えおよび/又は計量するための制御システムをさらに含むことができる。このような消費者用電気器具の例は、携帯電話、電気かみそり、携帯用コンピューター(ノート型又はそれ以外)、ナビゲーションシステム、携帯型オーディオ機器、ビデオカメラ、スチルカメラ、および電気機器である。
【0081】
電子機器はまた、交換可能な、充電式バッテリーの組を直接充電するのにも適しうる。充電式バッテリーを収容するホルダーは、プラグ400のハウジング401と一体化することができるか、又は、電源ケーブル403によって該ハウジングに接続することができる。
【0082】
電気器具の直接充電の場合、電源ケーブル403は、一般には雌型プラグで終端し、該プラグは関係する電気器具に接続することができる。関係する適用によっては、電子機器は充電電流を計量するための制御システムを必ずしも含む必要はない。また、すべての場合において、変圧された電流整流をすることも必要ない。
【0083】
本発明の範囲において、図示された部分に対して多数の変形例が可能である。たとえば、ピンが伸縮式である単純なプラグの場合、一組のピンのみを備えたプラグが可能である。プラグに、三組以上のピンが設けられることも可能である。
【0084】
さらに、電源プラグ以外の種類のプラグには、本発明による阻止装置を備えたピンを設けることができる。図示された実施形態は電源ケーブルを備えたプラグの形態であるが、本発明をアダプター又は旅行用プラグの形態で設計することも可能である。その場合、ハウジングの一面には、プラグ受容手段、又は一つ以上の種類のプラグ用のコンセントが設けられている。もちろん、本明細書中で第四の実施形態に関連して記載された電子機器といった、電流を変圧および/又は整流するための電子機器も又は、本発明による異なる設計がされたプラグ中に存在することができる。他のピンの組み合わせ、および記載された以外の国に適したピンもまた可能である。
【0085】
図示された阻止手段に加えて、別の阻止手段が、傾斜の付いた面、阻止縁部および阻止ボールの形態で考えられる。ここでは、停止具が解放位置にある時に阻止手段の互いから離れる移動を促進するために、傾斜の付いた面には傾斜が付けられることが指摘される。しかしながら、解放位置にある阻止手段が、別の態様で、たとえばばね手段によって互いから離れて移動することも考えられる。その場合、阻止面には傾斜を付ける必要がなく、および、たとえば略径方向に延出することができる。
【0086】
図示された停止具の大部分は、該停止具をその中に設けた停止バーと一体化されている。しかしながら、停止具は、たとえば、停止素子上に設けられた別体のリング又は別体の突起の形態で設けることができる。図示されるように、いくつかの停止具が阻止装置の中に設けられる場合、停止具は同じ停止素子の上に設ける必要はなく、およびこのため、一個の停止素子および押しボタンによって操作可能である。停止具は、所望であれば、個々の素子の上に配置しおよび個別に操作することもできる。
【0087】
一つ以上の組のピンは、摺動可能に接続される以外の方法で、移動可能にハウジングに接続されることができる。たとえば、ピンの組がハウジングから回転可能に揺動することも考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明はこうして、摺動可能なピンの組と阻止装置を備えたプラグを提供する。阻止装置は、より高い信頼性を保証しおよび磨耗の影響をあまり受けない停止具を含む。プラグは、単純な態様で比較的少数の部品から生産することもできる。阻止装置のために必要な部品は、ピンの摺動方向に部分的に延出するという事実により、ハウジング内では少ししか空間をとらない。能動位置へと押し出されるピンおよびハウジングの中にあるピンの阻止は、一部は同じ阻止装置によって実行することができる。このことは、先行技術における場合よりも、より小数の異なる部品しか必要としないことを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】プラグの第一の実施形態の、欧州式のピンが突出した状態での三次元図。
【図2】図1の実施形態の側面図。
【図3】図1の実施形態の正面図。
【図4】図3のIV−IV線に沿った断面図。
【図5】図4の詳細図V。
【図6】図1の実施形態の、ピンが中に押し込まれた状態での三次元図。
【図7】図6の側面図。
【図8】図6の正面図。
【図9】図8のIX−IX線に沿った断面図。
【図10】図9の詳細図X。
【図11】図9と同じ面視であるが、押しボタンが押された状態の図。
【図12】図11の詳細図XII。
【図13】第一の実施形態の、英国式のピンが押し出された状態での三次元図。
【図14】図13の側面図。
【図15】図13の正面図。
【図16】図15のXVI−XVI線に沿った断面図。
【図17】図16と同じ面視であるが、押しボタンが押された状態の図。
【図18】図16と同じ断面であるが、英国式のピンが中に押し込まれた状態の図。
【図19】プラグの第二の実施形態の、英国式のピンが突出した状態での三次元図。
【図20】図19の実施形態の側面図。
【図21】図19の実施形態の正面図。
【図22】図21のXXII−XXII線に沿った断面図。
【図23】図22の詳細図XXIII。
【図24】図22と同じ断面であるが、押しボタンが押された状態の図。
【図25】図24の詳細図XXV。
【図26】図22および24と同じ断面であるが、欧州式のピンが突出した状態の図。
【図27】図26の詳細XXVII。
【図28】プラグの第三の実施形態の、中国式のピンが突出した状態での三次元図。
【図29】図28のプラグの、反対方向から見た三次元図。
【図30】図28のプラグの、図28の面視から見た、英国式のピンが突出した状態の図。
【図31】図28のプラグの、図29の面視から見た、英国式のピンが突出した状態の図。
【図32】統合型充電用電子機器を備えたプラグの第四の実施形態の、欧州式のピンが突出した状態の三次元図。
【図33】図32のプラグの、反対方向から見た三次元図。
【図34】図32のプラグの、図32の面視から見た、英国式のピンが突出した状態の図。
【図35】図32のプラグの、図33の面視から見た、英国式のピンが突出した状態の図。
【符号の説明】
【0090】
101 ハウジング
102 第一の接触面
110 第一の組のピン
125 第一の阻止手段
126 第二の阻止手段
135 第一の停止具
149 第一の阻止装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の序文に記載の摺動可能なピンおよび阻止装置を備えたプラグに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1はハウジングを備えたプラグを開示しており、該ハウジングから様々なピンの組が摺動することができ、それぞれの組は特定の種類のコンセントを対象としている。ピンは、ハウジングの中の別個の長穴を通過して外側に向けて延出するレバーによって、外側に向けて摺動する。一つの種類のレバーおよびピンは、それぞれの場合において、ハウジングの中に摺動可能に収容された接続部によって、ハウジングの内部において互いに接続されている。
【0003】
プラグはさらに安全素子を有する。該安全素子は、左右方向に摺動可能となるべくハウジングの中に収容されている。左右方向に摺動可能とは、ピンの摺動方向を横切る方向にという意味に理解されるべきである。安全素子は、ハウジングの外側に位置する押しボタンによって摺動する。
【0004】
安全素子は様々な保持バーを含む。該保持バーはピンと同じ方向に延出する。保持バーは、まっすぐな摺動面、すなわち、ピンの方向に延出する面を介して開口部と一体化する、傾斜する摺動面を有する。ピンの接続部には摺動突起が設けられている。一組のピンをレバーによって外側に向けて摺動させる工程の間、摺動突起は、保持バーの傾斜する摺動面に沿って摺動する。ピンは径方向に固定されているという事実によって、傾斜する摺動面に沿ったこの摺動は、安全素子が横方向に摺動することをもたらす。保持バーの端部では、摺動突起は、保持バーの対応する開口部の位置に到達する。ばね力のもとで摺動突起は開口部の内部に落ち、その結果、安全素子は後部に向けて摺動しおよび安全素子はピンで固定される。
【0005】
【特許文献1】国際特許出願第A2−02/063723号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
既知のプラグの不都合は、磨耗の結果によって、該プラグは長期的な信頼性が低くなることである。摺動突起が突出する角部および開口部は磨耗する可能性があり、および、たとえば、面取りした又は円形の輪郭を得る可能性がある。その結果、開口部の中での摺動突起の固定は信頼性がより低くなり、およびピンが意図せずにハウジングの中へと押し込まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、この不都合を少なくとも部分的に解消すること、又はいずれにせよ使用可能な代替物を提供することを目的とする。
【0008】
とりわけ、本発明は、より長い期間において信頼性を保持することができる、より信頼性の高い固定システムを提供することを目的とする。
【0009】
本発明は、請求項に記載のプラグ1によってこの目的を達成する。
【0010】
プラグは、第一の接触面を備えたハウジング、第一の種類のコンセントのための第一の組のピン、および相互に作用する第一および第二の阻止手段を含む第一の阻止装置を含む。第一の組のピンは所望の能動又は受動位置を取るべくハウジングの中に摺動可能に収容され、能動位置にある第一の組のピンは、該組のピンを第一の種類のコンセントに挿入することができるように、ハウジングの第一の接触面から突出する。第一の阻止手段は第一の組のピンに接続される。第二の阻止手段はハウジングに接続される。第一および第二の阻止手段は互いに相対的に移動可能であり、その結果、第一および第二の阻止手段は、第一の組のピンの摺動性が阻止される阻止位置、および第一の組のピンが摺動可能である非阻止位置を取ることができる。第一の阻止装置は第一の停止具をさらに含み、第一の停止具は、第一および第二の阻止手段の可動性が互いに相対的に妨げられる停止位置と、および解放位置との間で移動可能である。
【0011】
本発明による停止具は、第一および第二の阻止手段の個別のロックを提供し、その結果として、第一および第二の阻止手段が磨耗しても、阻止の信頼性が著しく低下することがない。
【0012】
とりわけ、第一の停止具は第一の組のピンの摺動方向に移動可能である。停止具をピンと同じ方向に摺動可能にすることによって、プラグ内の空間の効率的な利用を達成できることが保証される。反対に、先行技術によるプラグでは、安全素子はピンの摺動方向を横切って摺動し、その結果、ピンの軸方向端部にて、ハウジングの内部において別の空間を安全阻止のために確保しなければならない。
【0013】
一実施形態では、第二の阻止手段は、第一の阻止手段と相互作用して、能動位置にある第一の組のピンの摺動性を阻止することを意図している。第一の阻止装置は第三の阻止手段をさらに含み、該第三の阻止手段は、第一の阻止手段と相互作用して受動位置にある第一の組のピンの摺動性を阻止するために、ハウジングに接続される。このようにして、能動および受動の両方の位置における阻止は、同じ阻止装置によって達成され、その結果、第一の阻止手段は二重の機能を遂行する。
【0014】
とりわけ、第一の阻止装置は第二の停止具を含み、第二の停止具は、第一および第三の阻止手段の可動性が互いに相対的に妨げられる停止位置と、および解放位置との間で移動可能である。第二の停止具のおかげで、能動および受動の両方の位置における阻止は、高い信頼性で固定することができる。
【0015】
より詳細には、第一および第二の停止具は互いに恒久的に接続されている。これによって一つの単純な制御システムを得ることが可能になり、このシステムでは、一部分を作動させることによって第一および第二の停止具の両方が、解放又は停止位置に移動することができる。
【0016】
一実施形態ではプラグは第二の種類のコンセント用の第二の組のピンをさらに含む。このようにして、いわゆるマルチプラグが形成され、マルチプラグはいくつかの種類のコンセントに用いることが有利にできる。
【0017】
とりわけ、プラグは、所望の第一および第二の位置を取るべく、ハウジングの中に摺動可能に収容されている両面摺動素子をさらに含む。両面摺動素子は、第一および第二のピン面を含む。第二のピン面は、第一のピン面と直径方向に略対向して設けられる。第一の組のピンは第一のピン面から延出し、および第二の組のピンは第二のピン面から延出する。第一の位置にある第一の組のピンは、第一の種類のコンセントに挿入することができるように、ハウジングの第一の接触面から突出する。第二の位置にある第二の組のピンは、第二の種類のコンセントに挿入することができるように、ハウジングの第二の接触面から突出する。
【0018】
このような共通の摺動素子の使用によって、単純な構造だけでなく、単純な操作もまたもたらされる。第一の組のピンのための能動位置にある摺動素子の固定は、受動位置にある第二の組のピンの固定に相当する。
【0019】
変形例において、第二の組のピンは少なくとも三つのピンを含み、ピンのうち一つが、英国式コンセントといったヒューズ付のコンセント用のオープナーである。さらに、第一の組のピンは、第二の組のピンのオープナーの周りを摺動可能となるべく設けられた第一の摺動素子の上に設けられている。第二の組のピンのオープナーの周りに摺動素子を設けることによって、所望であれば、径方向への摺動移動中に、第一の組のピンを固定するための別個の案内手段を分散させることが可能である。上記に記載した先行技術において、摺動移動はオープナーにのみ沿い、その結果、その場合では、追加的な案内手段を設けなければならないことが指摘されている。第二の組のピンのオープナーの周りで摺動可能なプラグは、したがって、本発明の他の実施態様とは独立した、先行技術と比較しての利点を提供する。
【0020】
とりわけ、第一の阻止手段は第一の摺動素子の上に、および第二の阻止手段はオープナーの上に設けられる。オープナーはハウジングに恒久的に接続され、および停止具はオープナーの中に設けられる。第二の阻止手段をオープナーの上におよび停止具をオープナーの中に設けることによって、小型でおよび単純な構造が得られる。
【0021】
さらに好適な実施形態が、従属請求項に記載される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、添付図面中に示される好適な実施形態によってより詳細に説明される。
【0023】
図1は、本発明の第一の実施形態によるプラグを示し、該プラグは参照番号100によってその全体が示される。プラグ100は、照明および/又は家庭用電気器具に電力を提供するための電源プラグへの使用を対象としている。プラグ100は、接触面102を備えたハウジング101を含む。ハウジング101には、電源ケーブル用の貫通開口部103(図2および3)、および、一部の国で要求されているような、ヒューズを嵌め込むための開口部を閉じるためのカバーがさらに設けてられている。カバーは、後壁105の一部に設けられている。後壁105は、接触面102と直径方向に対向して位置しているハウジング101の一部である。
【0024】
プラグには第一の組のピン110が設けられ、その外形寸法および相互位置決めによって、第一の種類のコンセント、示される例における、ヨーロッパ大陸で一般に用いられる種類のコンセント、における使用に適している。ピン110は、摺動ハウジング111の中に摺動可能に収容されている。該一組のピン110と摺動ハウジング111とが相俟って、いわゆる平型のプラグを形成する。これは、接地接続が要求されない電気器具の上に設けることができるプラグである。
【0025】
ピン110の摺動方向は、下記において、軸方向とも呼ばれ、一方、径方向は軸方向と交差している。この第一の例示的な実施形態では、軸方向は、後壁105から接触面102への方向に相当する。
【0026】
図1では、第二の組のピン112の端部もまた目に見え、該第二の組のピンは、後ほど図13以降に関連してより詳細に再度説明される。図3では、欧州式の平型プラグ用の第一の押しボタン、すなわちユーロ式押しボタン113もまた見ることができる。英国式押しボタン114もまた見ることができる。
【0027】
図4を参照すると、摺動ハウジング111はハウジング101の中に摺動可能に収容されている。この目的のために、摺動案内手段は、摺動管120の形態の中に収容されている。第一の組のピン110は、第一の摺動素子121、この場合は、ブリッジとも呼ばれる片側摺動素子に、恒久的に接続されている。片側摺動素子121には二個の摺動突起122が設けられ、該摺動突起122は、直径方向に互いに対向して配置され、および、摺動管120の溝123の中を摺動することができる。片側摺動素子121は摺動管120の周りに延在する。言い換えれば、片側摺動素子121には、摺動管120の外側に相当する開口部が設けられている。第一の摺動素子121が所定の厚さを持つという事実によって、開口部を管状開口部として見ることができる。
【0028】
摺動管120には、一つ以上の第一の停止124(図5)が設けられている。第一の停止124の接触面102に面する側には、傾斜が付いている。片側摺動素子121の摺動突起122には補完的に傾斜が付いている。摺動突起122の軸方向に反対の側にも傾斜が付いている。摺動突起122の傾斜の付いた側又は面は、第一の阻止手段125とみなすことができる。摺動管120には、第二の阻止手段が阻止縁部126の形態で設けられている。阻止縁部126は、移動可能に、この例ではヒンジで連結されて、摺動管120に接続されている。この例示的な実施形態では、阻止縁部126の三つの側に沿って摺動管120の材料を離すことによって、阻止縁部126が形成される。阻止縁部126の第四の側、すなわち、材料が離れていない側に沿って、摺動管120の材料はヒンジとしての働きをする。わずかに弾性がある材料を摺動管120に選択することによって、関係する材料片は、ヒンジ接続されているだけでなく、弾性も有する。
【0029】
阻止縁部126には、阻止突起127が設けられている。阻止突起127には、傾斜の付いた壁が設けられ、その傾斜は、摺動突起122の傾斜の付いた側125の傾斜に相当する。
【0030】
完全さのために、図4および5による断面図において、摺動管120の一端部129が摺動管120の主要部にあたかも接続されていないかのように見えることが指摘されている。これは、第一の接触面102の側に位置する端部129である。図9および13において、これは実際は連続的な摺動管120であり、阻止縁部126のみが管の残り部分から部分的に切り離されていることを、より明確に見ることができる。
【0031】
停止バー130の形態での停止素子が、摺動管120の中に収容されている。停止バー130の第一の端部は、ここではユーロ式押しボタン113としての働きをする。停止バー130の他端部、すなわち、停止バー130の接触面102から突出する端部には、ばね手段がコイルばね131の形態で設けられている。コイルばね131は、停止バー130の軸方向端部にある開口部132の中に収容され、および、該端面132から部分的に突出する。コイルばね131は、開口部の内部の片側に、および、摺動管120の端部129の内側縁部133の他方の側に置かれている。
【0032】
停止バー130には、一つ以上の第一の停止具135が設けられている。停止具135は、突起又は停止バー130の外側壁に径方向に突出する部分とみなすことができる。この場合は二つ以上の停止具135であってもよく、又は、停止バー130の周りに周方向に延在する一つの停止具135であってもよい。停止バー130の中心部の外径が、停止具135の周りの外周の外径と同じであることが指摘されている。これは、停止バー130の摺動管120の中への摺動可能な収容には特に機能的である。しかしながら、停止バーのこの中心部の直径は、停止具135の停止機能とは関係がない。関係があるのは、停止バー130の、第一の停止具135と軸方向において直接隣接する部分136の直径が、停止具135の外周の周りの直径よりも小さいということである。下記に明らかにされるように、停止バー130の凹部136は、阻止手段の解放における機能を有する。
【0033】
図6から10は、第一の組のピン110と第二の組のピン112の両方がハウジングの中へと摺動するが、下記に記載されるようなオープナーの中へは摺動しない位置にあるプラグ100を示す。図9および10は、上記に記載した片側摺動素子121の第一の阻止手段125と下記に記載される第三の阻止手段との間の相互反応を示す。
【0034】
図9および10において、片側摺動素子121、それに接続された第一の組のピン110(この断面では見えない)および摺動ハウジング111が、ハウジング101の内部まで完全に押し込まれている。図6よりわかるように、摺動ハウジング111の軸方向端部は、接触面102と同じ平面中に存在することが指摘されている。
【0035】
摺動管120には、第三の阻止手段が阻止縁部140の形態で設けられている。阻止縁部140には阻止突起141が設けられている。阻止突起141は、第一の阻止手段の傾斜、又は摺動突起122の傾斜の付いた面125に相当する傾斜の付いた側を有する。摺動ハウジング111と摺動管120との間の空間には、ばね手段142もまたコイルばねの形態で設けられる。コイルばね142は、少なくとも図面に示された位置において、片側摺動素子121に対しておよびハウジング101の内部に対して作用する。このようにして、コイルばね142は、ハウジング101の後壁105から接触面102への軸方向の力を及ぼす。
【0036】
停止バー130には第二の停止具145が設けられている。第二の停止具145は、第一の軸方向端部での上記に記載した停止バー130の中心部へと一体化する。第二の停止具145はその第二の軸方向端部において、停止バー130の直径がより短い部分146に隣接する。
【0037】
この例での阻止縁部140は、第一の阻止縁部126と同じように、摺動管120から形成され、および摺動管120に接続されている。
【0038】
こうして、傾斜の付いた面125、阻止突起127、141をそれぞれ備えた阻止縁部126、140、および停止具135、145を備えた軸方向の停止バー130を含む、第一の阻止装置149が形成される。
【0039】
使用において、図11および12に示すように、ユーロ式押しボタン113を軸方向に押すことができる。ユーロ式押しボタン113を操作する、すなわち、押すことによって、停止バー130、およびしたがって停止具135および145をも、軸方向に移動させる。停止具135および145の軸方向の移動は、該停止具が軸方向に阻止縁部126および140に対して相対的に移動し、これによって阻止縁部126および140を解放することを意味する。言い換えれば、阻止縁部126および140は、阻止バー130のより短い外周を持つ部分136および146の位置に置かれるようになる。第一の停止具135および第二の停止具145はこうして、停止位置から解放位置へと移動する。停止位置では、阻止縁部126および140の摺動突起又は第一の阻止手段125に対する相対的な径方向の可動性が妨げられた。解放位置では、阻止縁部126および140は、第二の阻止縁部140に対して矢印150で示すように径方向に移動可能である。
【0040】
阻止突起127および141それぞれの傾斜の付いた形状および摺動突起122の傾斜の付いた側125の結果もあって、摺動突起122は、阻止縁部126および140をそれらの阻止位置から(図示)非阻止位置へと(非図示)移動させることができる。非阻止位置(非図示)では、摺動縁126および140は、停止バー130の断面のより小さい部分136および146によって形成される開口部の内部に位置する。
【0041】
図11および12中の位置から、図11に示すように、停止具145の解放位置にあるコイルばね142は、非阻止位置へと押される阻止縁部126および140を提供する。図1から4に示すように、第一の組のピン110および摺動ハウジング111の押し出された能動位置から、ユーザー自身が片側摺動素子121を軸方向内側に向けて押し、およびそれを行うにあたって阻止縁部126を径方向内側に向けて押す。この目的のために、ユーザーは、第一の組のピン110および/又は摺動ハウジング111に力を及ぼすことができる。
【0042】
図13から18は、プラグ100の同じ第一の実施形態を示し、該実施形態では第二の組のピン112の操作のモードが説明される。第二の組のピン112は、二つの通電ピン160およびオープナー162を含む。オープナー162は、接地ピンとも呼ばれるが、しかし、図示された例示的な実施形態におけるプラグ100は接地されていないので、オープナーという語のほうがここではより良い記載である。英国式コンセントの場合、関係するコンセントの阻止を解除するために、非接地プラグの場合ですら、ピンは、実際は接地ピンの位置に存在しなければならない。
【0043】
この例示的な実施形態におけるオープナー162は、摺動管120の等価物であり、および、この実施形態では、ハウジング101に恒久的に接続されている。英国式のピン112、およびとりわけ二つの摺動可能なピン160に対して、第二の阻止装置165が設けられている。
【0044】
プラグ100は、摺動案内手段を第二の摺動管170の形態で含み、該摺動案内手段は、ハウジング101に恒久的に接続され、およびハウジングの内部を後壁105から接触面102へと延出する。この方向は、本明細書中において以降軸方向と呼ばれ、およびピン160に対する摺動方向でもある。
【0045】
停止具172は、接触面102の内部に設けられ、該停止具は第二の摺動管170の周りで延在する。ピン160は、に第二の同じく片側摺動素子、この場合はブリッジ171に接続されている。ブリッジ171には、摺動管170の周りで延在する開口部が設けられている。開口部の位置でのブリッジ171の厚みによって、ブリッジ171内の管状開口部の問題となり、管状開口部は摺動管170の周りで延在する。ブリッジ171、又はともかくその管状開口部には、ブリッジ171中の管状開口部と結合する二つの傾斜の付いた面が設けられている。該傾斜の付いた面175は第四の阻止手段としての働きをする。
【0046】
摺動管170には、第五の阻止手段が、阻止突起177を備えた第三の阻止縁部176の形態で設けられている。阻止突起177は、ブリッジ171の傾斜の付いた面175との相互反応のために傾斜が付いている。阻止縁部176は、先に記載した阻止縁部と同じように、摺動管170から形成されている。
【0047】
傾斜面175および阻止突起177を備えた第三の阻止縁部176は、第二の阻止装置165の一部である。第二の阻止装置165は、第二の停止素子を第二の停止バー180の形態でさらに含む。停止バー180には、軸方向端部にコイルばね181が設けられている。停止バー180には、第三の停止具185がさらに設けられている。第三の停止具185は、開口部、すなわち、停止バー180の軸方向に停止具185と隣接する直径のより短い部分186によって形成される。
【0048】
摺動管170には、第四の阻止突起191を有する第四の阻止縁部190がさらに設けられている。第二の停止バー180には、第四の停止具195が設けられている。第四の停止具195は、停止バー180内の開口部196によって形成される。これらの第四の阻止縁部190および第四の停止具195は、第二の阻止装置165の一部としてもみなすことができる。
【0049】
図16に示される使用位置において、プラグ100は、英国式コンセントとの併用にすぐに使用できる。ピン160は、第四の阻止手段175と第五の阻止手段176との相互反応によって阻止される。この場合、停止具185は、阻止手段175に対する相対的な阻止手段176の径方向の可動性を妨げる。これによってピン160の所定の阻止が得られる。
【0050】
図17では、ユーザーは英国式押しボタン114を押し、およびこれによって停止バー180を軸方向に移動させた。これによって、停止具185を阻止縁部176から離れて軸方向に移動させ、および、阻止縁部176は、ブリッジ171の阻止面175に対して相対的に径方向に移動可能である。たとえばピン160を介して、ブリッジ171に対して軸方向に圧力を及ぼすことによって、ピン160を備えたブリッジ171は、次に、摺動管170に沿って内側に向けて摺動することができる。阻止縁部176は、工程において径方向内側に向けて移動する。
【0051】
ピン160が完全に摺動した後、および押しボタン114がユーザーにより解放された間、図18に示す状況が作成される。これは、図6から10に示す状況と実際同じであるが、この場合は、図16および17の同じ断面平面で示す。ブリッジ171は、この位置において阻止縁部190によって、より詳細には阻止縁部190の上に設けられた阻止突起191によって阻止される。停止具195のおかげで、ブリッジ171上の阻止縁部190および阻止面175は、この位置において互いに相対的に移動できず、その結果、図18に示す受動位置において、ピン160は阻止される。この阻止された受動位置からの解放は、能動位置からの解放に関連して上記に記載した方法に相当する方法で実行される。
【0052】
上記に記載した図は、第一の組のピン110と第二の組のピンとは、ケーブル貫通開口部103を介してプラグ100の外側へと貫通する電源ケーブルへの接続によって、切断可能に電気的に接続されていることを示していない。接続のおかげで、一組のピンのみが一時に電源ケーブルに接続される。
【0053】
図19は本発明の第二の実施形態によるプラグ200を示す。プラグ200は、接地された電気器具に対する電源プラグを対象としている。プラグ200は、第一の接触面202を備えたハウジング201を含む。ハウジング201には、電源ケーブル用の貫通開口部203およびヒューズ用のカバー204がさらに設けられている。ハウジング201は第二の接触面205をさらに含み、該第二の接触面205は第一の接触面202と直径方向に略対向して設けられる。第一の接触面202の形状および外形寸法は、第一の種類の、この場合はヨーロッパ大陸で通常見い出される種類の接地式コンセントの形状および外形寸法に相当する。第二の接触面205の形状および外形寸法は、第二の種類の、この場合は、たとえば、イギリス諸島で通常見い出される種類のコンセントの形状および外形寸法に相当する。
【0054】
プラグ200には、第一の組のピン210(図26)が設けられ、該第一の組のピンは第一の種類のコンセントにおける使用に適している。第一の組のピン210は、摺動素子211、この場合は両面摺動素子211の上に設けられる。摺動素子211はハウジング201の中に摺動可能に収容され、その結果、摺動素子211は、第一の位置(図22)および第二の位置(図26)を随意的に取ることができる。
【0055】
プラグは、第二の種類のコンセントに適した第二の組のピン212(図19から24)、および押しボタン213をさらに含む。押しボタン213は、第二の接触面205の中に埋め込まれている。
【0056】
摺動素子211は第一のピン面215を含む。第一の組のピン210は第一のピン面215から、この場合はピン面215に対して垂直に延出する。この目的のために、第一の組のピン210は摺動素子211に恒久的に接続されている。摺動素子211は第二のピン面216をさらに含み、該第二のピン面216から第二の組のピン212が延出する。第二の組のピン212は、第二のピン面216に対して垂直になるべく配置され、および両面摺動素子211に恒久的に接続されている。摺動素子211の第一のピン面215および第二のピン面216は、摺動素子211の上に直径方向に互いに対向して設けられる。
【0057】
図22から27を参照すると、両面摺動素子211はハウジング201の中に摺動可能に収容されている。この目的のために、摺動案内手段が摺動管220の形態で設けられる。両面摺動素子211には、二つの摺動突起222が設けられ、該摺動突起222は、直径方向に互いに対向して配置され、および、摺動管220の溝223の内部を摺動することができる。摺動管220は、第一の接触面202から第二の接触面205へと延出する。軸方向に沿った方向は、両面摺動素子211の摺動方向として定義され、該摺動方向はこの場合は摺動管220の長手方向によって決定される。
【0058】
両面摺動素子211は摺動管220の周りで延在する。この目的のために、両面摺動素子211には開口部、とりわけ管状開口部が設けられており、その外形寸法は摺動管220の外側に略相当する。
【0059】
摺動突起222は、直径方向に互いに対向して位置する二つの側に傾斜が付けられて、第四の阻止手段又は阻止面225を形成する。阻止面225が摺動突起222の軸方向端部に位置することが指摘されている。
【0060】
摺動管220には、第五および第六の阻止手段が第一および第二の阻止ボール226および227の形態で設けられている。第一および第二の阻止ボール226および227は、摺動管220に対して径方向に移動可能となるように、摺動管220に移動可能に接続され、および、摺動管220の軸方向において固定され、すなわち、移動可能でない。
【0061】
摺動管220には、ハウジング201の一部に第一の接触面202を形成する第一の端部229が提供されている。
【0062】
停止バー230の形態の停止素子が、摺動管220の中に収容されている。停止バー230の第一の端部は、ここでは押しボタン213としての働きをする。停止バー230の他端部では、ばね手段がコイルばね231の形態で設けられる。コイルばね231は、停止バー230の軸方向端面232上の片側に置かれており、および摺動管220の端部229の内側縁部233上の他方の側の上に置かれている。
【0063】
停止バー230には、第一の停止具が停止リング235の形態で設けられている。停止リング235は、端面232によって、その第一の軸方向端部で結合されている。停止リング235はその第二の軸方向端部で、停止バー230の断面236のより小さい部分によって結合されている。停止バー230の残り部分、特に停止バー230の中心部が、停止リング235の外径に相当する外径を有するという事実によって、断面のより小さい部分236は、円形の開口部又は溝236としてみなすこともできる。
【0064】
停止バー230には、第二の停止具245がさらに設けられている。第二の停止具245は、第二の停止リング245とみなすことができ、該第二の停止リング245は停止バー230の外表面の周りで延在する。第二の停止リング245は軸方向端部で、停止バー230の中心部へと一体化する。停止リング245と停止バー230の中心部とが同じであるという事実によって、この場合の第二の停止リング245は停止バー230の残り部分と継ぎ目なく一体化する。第二の軸方向端部では、第二の停止リングは、停止バー230の直径のより小さい部分246に結合されている。直径のより小さい部分246は、停止バー230の表面において、円形の開口部又は溝246としてみなすこともできる。摺動突起222、第一の阻止ボール226および第二の阻止ボール227、および第一の停止リング235および第二の停止リング245の阻止面245は、阻止装置249の一部である。
【0065】
図22の使用位置、言い換えれば、プラグ200は英国式のコンセントに適した位置において、第二の組のピン212が所定のやり方で阻止されている。阻止面225は、阻止ボール227の上に置かれており、これらは次に、軸方向の力を摺動管220に、およびしたがってハウジング201に伝えることができる。阻止ボール227は阻止された使用位置で固定されているか、又は、第二の停止リング245によって停止されている。阻止ボール227は結果として径方向には移動できない。
【0066】
コイルばね232のばね力に抗して押しボタン213を押すことによって、第二の停止リング245は第二の阻止ボール227から離れて移動させられる。第一の停止リング235と第二の停止リング245とが停止バー32によって互いに接続されているという事実は、同時に第一の停止リング235が第一の阻止ボール227から離れて移動することを意味する。しかしながら、これは図22および23に示された位置においては重要ではない。第二の停止リング245から離れる軸方向の移動によって、停止バー230の第二の円形の開口部246を、第二の阻止ボール227(図24、25)の位置に到達させる。同時に、たとえば第二の組のピン212を介して、両面摺動素子211に対して軸方向に及ぼされる力は、傾斜した阻止面225に、第二の阻止ボール227を第二の円形の開口部246内部へと押させる。
【0067】
これによって図25に示す状況が生じる。第二の停止リング245のこの解放位置では、阻止面225と阻止ボール227との間の阻止作用が除去される。次いで摺動素子211をさらに押し、および押しボタン213を解放することによって、図26および27に示す状況が作成される。両面摺動素子211、および結果として次に、第一の組のピン210が、摺動突起222の阻止面225および第一の阻止ボール226を介して軸方向に阻止され、該両面摺動素子211自体は摺動管220の上に置かれる。第一の停止リング235の存在によって、第一の阻止ボール226は径方向には移動可能ではない。
【0068】
図27の状況において押しボタン213が再び押されると、図25の状況に広い意味で相当する状況が生じる。第一の円形の開口部236は、第一の阻止ボール226の位置に移動し、このため後者を径方向に移動可能にし、その結果、第一の阻止ボール226と阻止面225との間の阻止効果が除去される。
【0069】
図28から31は、本発明の第三の実施形態によるプラグ300を示す。プラグ300は、接地された電気器具のために電源プラグを対象としている。プラグ300は、第一の接触面302を備えたハウジング301を含む。ハウジング301には、電源ケーブル303およびヒューズ用のカバー304がさらに設けられている。ハウジング301は、第二の接触面305さらに含み、該第二の接触面305は、第一の接触面302と直径方向に略対向して設けられる。
【0070】
第一の接触面302の形状および外形寸法は、第一の種類の、この場合は通常は中国で見出される種類の接地式コンセントの形状および外形寸法に相当する。第二の接触面305の形状および外形寸法は、第二の種類の、この場合はイギリス諸島、アイルランドおよび香港で通常見い出される種類のコンセントの形状および外形寸法に相当する。
【0071】
プラグ300には第一の組のピン310が設けられ、該第一の組のピン310は第一の種類のコンセントにおける使用に適している。第一の組のピン310は、両面摺動素子(非図示)の上に設けられる。摺動素子はハウジング301の中に摺動可能に収容され、その結果、摺動素子は所望の第一の位置(図28および29)および第二の位置(図30および31)を取ることができる。
【0072】
プラグ300は、第二の組のピン312および押しボタン313をさらに含む。押しボタン313は第二の接触面305の中に埋め込まれている。
【0073】
第一の組のピン310および第二の組のピン312は、摺動素子の第一および第二のピン面(非図示)の上にそれぞれ設けられる。
【0074】
摺動素子311およびハウジング301には、阻止手段(非図示)が設けられている。さらに、プラグ301には停止バー(非図示)が設けられ、その一端部が押しボタン313としての働きをする。阻止手段および停止バーの設計および機能は、図22から27に示すような設計および機能と匹敵しうる。しかしながら、図22から27の参照番号226および227示される阻止ボールの代わりに、第一の実施形態に関連して示されおよび記載されるような阻止縁部、又は阻止手段の相互可動性が妨げられる停止位置と、および解放位置との間で移動可能な異なる設計がされた停止具を使用することも可能であることが指摘されている。
【0075】
図32から35は本発明の第四の実施形態によるプラグ400を示す。プラグ400は、非接地式適用のための電源プラグを対象としている。プラグ400は、第一の接触面402を備えたハウジング401を含む。ハウジング401には、電源ケーブル403がさらに設けられている。ハウジング401は、第二の接触面405をさらに含み、該第二の接触面405は第一の接触面402と直径方向に略対向して設けられている。第一の接触面402の形状および外形寸法は、第一の種類の、この場合ヨーロッパ大陸で通常見い出される種類の非接地式コンセントの形状および外形寸法に相当する。第二の接触面405の形状および外形寸法は、第二の種類の、この場合、たとえば、アイルランドおよび香港を含むイギリス諸島で通常見出されるコンセントの種類の、形状および外形寸法に相当する。
【0076】
プラグ400には、第一の組のピン410(図33)が設けられ、該第一の組のピン410は第一の種類のコンセントにおける使用に適している。第一の組のピン410は、両面摺動素子(非図示)の上に設けられる。摺動素子はハウジング401の中に摺動可能に収容され、その結果、摺動素子は所望の第一の位置(図32および33)および第二の位置(図34および35)を取ることができる。
【0077】
プラグは、第二の組のピン412(図34)および押しボタン413をさらに含む。押しボタン413は、第一の接触面402の中に埋め込まれている。
【0078】
第二の組のピン412は、通電ピン460二本およびオープナー462を含む。図示された例示的な実施形態におけるプラグ400は、非接地式コンセントに設けられるので、オープナー462は関係するコンセントの阻止を解除する働きをする。第一の組のピン410、および第二の組のピン412の通電ピン460は、摺動素子のそれぞれのピン面(非図示)から延出する。この例示的な実施形態におけるオープナー462は、回転軸(非図示)の周りに回転可能であるように、ハウジング401に接続されている。そうでない場合は、この第四の実施形態に対する変形例において、オープナー462は、第二のおよび第三の実施形態に示すように摺動素子にも接続することができるか、又は、第一の実施形態に示されるように摺動素子としての働きをするべく、ハウジング401に恒久的に接続されうる。
【0079】
阻止手段および停止具がハウジング401の中に収容され、該停止具は押しボタン413に接続されている。阻止手段および停止具は、第一および/又は第二の実施形態に関連して詳細に示された阻止手段および停止具と同じような態様で、設計されている。
【0080】
電子機器もまた、第一の組のピンの410又は第二の組のピン412を経由してハウジング402に導入される電流を変圧および/又は整流するために、プラグ400のハウジング401の中に収容されている。電子機器は、たとえば、バッテリーを備えた消費者用電気器具を充電することを目的として、所望量の電流を切り換えおよび/又は計量するための制御システムをさらに含むことができる。このような消費者用電気器具の例は、携帯電話、電気かみそり、携帯用コンピューター(ノート型又はそれ以外)、ナビゲーションシステム、携帯型オーディオ機器、ビデオカメラ、スチルカメラ、および電気機器である。
【0081】
電子機器はまた、交換可能な、充電式バッテリーの組を直接充電するのにも適しうる。充電式バッテリーを収容するホルダーは、プラグ400のハウジング401と一体化することができるか、又は、電源ケーブル403によって該ハウジングに接続することができる。
【0082】
電気器具の直接充電の場合、電源ケーブル403は、一般には雌型プラグで終端し、該プラグは関係する電気器具に接続することができる。関係する適用によっては、電子機器は充電電流を計量するための制御システムを必ずしも含む必要はない。また、すべての場合において、変圧された電流整流をすることも必要ない。
【0083】
本発明の範囲において、図示された部分に対して多数の変形例が可能である。たとえば、ピンが伸縮式である単純なプラグの場合、一組のピンのみを備えたプラグが可能である。プラグに、三組以上のピンが設けられることも可能である。
【0084】
さらに、電源プラグ以外の種類のプラグには、本発明による阻止装置を備えたピンを設けることができる。図示された実施形態は電源ケーブルを備えたプラグの形態であるが、本発明をアダプター又は旅行用プラグの形態で設計することも可能である。その場合、ハウジングの一面には、プラグ受容手段、又は一つ以上の種類のプラグ用のコンセントが設けられている。もちろん、本明細書中で第四の実施形態に関連して記載された電子機器といった、電流を変圧および/又は整流するための電子機器も又は、本発明による異なる設計がされたプラグ中に存在することができる。他のピンの組み合わせ、および記載された以外の国に適したピンもまた可能である。
【0085】
図示された阻止手段に加えて、別の阻止手段が、傾斜の付いた面、阻止縁部および阻止ボールの形態で考えられる。ここでは、停止具が解放位置にある時に阻止手段の互いから離れる移動を促進するために、傾斜の付いた面には傾斜が付けられることが指摘される。しかしながら、解放位置にある阻止手段が、別の態様で、たとえばばね手段によって互いから離れて移動することも考えられる。その場合、阻止面には傾斜を付ける必要がなく、および、たとえば略径方向に延出することができる。
【0086】
図示された停止具の大部分は、該停止具をその中に設けた停止バーと一体化されている。しかしながら、停止具は、たとえば、停止素子上に設けられた別体のリング又は別体の突起の形態で設けることができる。図示されるように、いくつかの停止具が阻止装置の中に設けられる場合、停止具は同じ停止素子の上に設ける必要はなく、およびこのため、一個の停止素子および押しボタンによって操作可能である。停止具は、所望であれば、個々の素子の上に配置しおよび個別に操作することもできる。
【0087】
一つ以上の組のピンは、摺動可能に接続される以外の方法で、移動可能にハウジングに接続されることができる。たとえば、ピンの組がハウジングから回転可能に揺動することも考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明はこうして、摺動可能なピンの組と阻止装置を備えたプラグを提供する。阻止装置は、より高い信頼性を保証しおよび磨耗の影響をあまり受けない停止具を含む。プラグは、単純な態様で比較的少数の部品から生産することもできる。阻止装置のために必要な部品は、ピンの摺動方向に部分的に延出するという事実により、ハウジング内では少ししか空間をとらない。能動位置へと押し出されるピンおよびハウジングの中にあるピンの阻止は、一部は同じ阻止装置によって実行することができる。このことは、先行技術における場合よりも、より小数の異なる部品しか必要としないことを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】プラグの第一の実施形態の、欧州式のピンが突出した状態での三次元図。
【図2】図1の実施形態の側面図。
【図3】図1の実施形態の正面図。
【図4】図3のIV−IV線に沿った断面図。
【図5】図4の詳細図V。
【図6】図1の実施形態の、ピンが中に押し込まれた状態での三次元図。
【図7】図6の側面図。
【図8】図6の正面図。
【図9】図8のIX−IX線に沿った断面図。
【図10】図9の詳細図X。
【図11】図9と同じ面視であるが、押しボタンが押された状態の図。
【図12】図11の詳細図XII。
【図13】第一の実施形態の、英国式のピンが押し出された状態での三次元図。
【図14】図13の側面図。
【図15】図13の正面図。
【図16】図15のXVI−XVI線に沿った断面図。
【図17】図16と同じ面視であるが、押しボタンが押された状態の図。
【図18】図16と同じ断面であるが、英国式のピンが中に押し込まれた状態の図。
【図19】プラグの第二の実施形態の、英国式のピンが突出した状態での三次元図。
【図20】図19の実施形態の側面図。
【図21】図19の実施形態の正面図。
【図22】図21のXXII−XXII線に沿った断面図。
【図23】図22の詳細図XXIII。
【図24】図22と同じ断面であるが、押しボタンが押された状態の図。
【図25】図24の詳細図XXV。
【図26】図22および24と同じ断面であるが、欧州式のピンが突出した状態の図。
【図27】図26の詳細XXVII。
【図28】プラグの第三の実施形態の、中国式のピンが突出した状態での三次元図。
【図29】図28のプラグの、反対方向から見た三次元図。
【図30】図28のプラグの、図28の面視から見た、英国式のピンが突出した状態の図。
【図31】図28のプラグの、図29の面視から見た、英国式のピンが突出した状態の図。
【図32】統合型充電用電子機器を備えたプラグの第四の実施形態の、欧州式のピンが突出した状態の三次元図。
【図33】図32のプラグの、反対方向から見た三次元図。
【図34】図32のプラグの、図32の面視から見た、英国式のピンが突出した状態の図。
【図35】図32のプラグの、図33の面視から見た、英国式のピンが突出した状態の図。
【符号の説明】
【0090】
101 ハウジング
102 第一の接触面
110 第一の組のピン
125 第一の阻止手段
126 第二の阻止手段
135 第一の停止具
149 第一の阻止装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の接触面(102)を備えたハウジング(101);
第一の種類のコンセント用の第一の組のピン(110);および
相互に作用する第一および第二の阻止手段(125、126)を含む第一の阻止装置(149)
を含み、
第一の組のピン(110)は、所望の能動又は受動位置を取るべくハウジング(101)の中に摺動可能に収容され、能動位置にある第一の組のピン(110)は、該組のピンを第一の種類のコンセントに挿入することができるように、ハウジング(101)の第一の接触面(102)から突出し、
第一の阻止手段(125)は第一の組のピン(110)に接続され、
第二の阻止手段(126)はハウジング(102)に接続され、および
第一および第二の阻止手段(125、126)は互いに相対的に移動可能であり、その結果、第一および第二の阻止手段は、第一の組のピン(110)の摺動性が阻止される阻止位置、および第一の組のピン(110)が摺動可能である非阻止位置を取ることができるプラグ(100)であって、
第一の阻止装置(149)は第一の停止具(135)をさらに含み、該第一の停止具(135)は、第一および第二の阻止手段(125、126)の可動性が互いに相対的に妨げられる停止位置と、および解放位置との間で移動可能であることを特徴とするプラグ(100)。
【請求項2】
第一の停止具(135)が、第一の組のピン(110)の摺動方向に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載のプラグ。
【請求項3】
第二の阻止手段(126)は、第一の阻止手段(125)と相互作用して、能動位置にある第一の組のピン(110)の摺動性を阻止するよう意図されており、および
第一の阻止装置(149)は、第一の阻止手段(125)と相互作用して、受動位置にある第一の組のピン(110)の摺動性を阻止するために、ハウジング(101)に接続された第三の阻止手段(140)をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のプラグ。
【請求項4】
第一の阻止装置(149)は第二の停止具(145)をさらに含み、該第二の停止具(145)は、第一および第三の阻止手段(125、140)の可動性が互いに相対的に妨げられる停止位置と、および解放位置との間で移動可能であることを特徴とする請求項3に記載のプラグ。
【請求項5】
第一および第二の停止具(135、145)が互いに恒久的に接続されていることを特徴とする請求項4に記載のプラグ。
【請求項6】
第二の種類のプラグ用の第二の組のピン(112)をさらに含む請求項1から5のいずれか一項に記載のプラグ。
【請求項7】
ハウジング(201)の中に摺動可能に収容され、その結果、所望の第一および第二の位置を取ることができる両面摺動素子(211)をさらに含み、
両面摺動素子(211)は、第一のピン面(215)および第二のピン面(216)を含み、
第二のピン面(216)は、第一のピン面(215)と直径方向に略対向して設けられ、
第一の組のピン(210)は第一のピン面(215)から延出し、および、第二の組のピン(212)は第二のピン面(216)から延出し、
第一の位置にある第一の組のピン(210)は、第一の種類のコンセントに挿入することができるように、ハウジング(201)の第一の接触面(202)から突出し、および
第二の位置にある第二の組のピン(212)は、第二の種類のコンセントに挿入することができるように、ハウジング(201)の第二の接触面(205)から突出する
ことを特徴とする請求項6に記載のプラグ(200)。
【請求項8】
第二の組のピン(112)は少なくとも三つのピンを含み、ピンのうち一つが、英国式コンセントといったヒューズ付のコンセント用のオープナー(162)であり、および
第一の組のピン(110)は、第二の組のピン(112)のオープナー(162)の周りを摺動可能となるべく設けられた摺動素子(111)の上に設けられていることを特徴とする請求項6に記載のプラグ(100)。
【請求項9】
第一の阻止手段(125)は摺動素子(111)の上に設けられ、第二の阻止手段(126)はオープナー(162)の上に設けられ、オープナー(162)はハウジング(101)に恒久的に接続され、および停止具(135)はオープナー(162)の中に設けられることを特徴とする請求項8に記載のプラグ。
【請求項10】
相互に作用する第四の阻止手段(175)および第五の阻止手段(176)を含む第二の阻止装置(165)を含み、
第二の組のピン(112)は、所望の能動又は受動位置を取るべくハウジングの中に摺動可能に収容され、能動位置にある第二の組のピン(112)は、第二の種類のコンセントに挿入することができるようにハウジング(101)から突出し、
第四の阻止手段(175)は、第二の組のピン(112)に接続され、
第五の阻止手段(176)はハウジング(101)に接続され、および
第四および第五の阻止手段は互いに相対的に移動可能であり、その結果、第一および第二の阻止手段は、第一の組のピン(112)の摺動性が阻止される阻止位置、および第一の組のピン(112)が摺動可能である非阻止位置を取ることができ、および
第二の阻止装置(165)第三の停止具(185)をさらに含み、第三の停止具(185)は、第四および第五の阻止手段の可動性が互いに相対的に妨げられる停止位置と、および解放位置との間で移動可能であることを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載のプラグ。
【請求項1】
第一の接触面(102)を備えたハウジング(101);
第一の種類のコンセント用の第一の組のピン(110);および
相互に作用する第一および第二の阻止手段(125、126)を含む第一の阻止装置(149)
を含み、
第一の組のピン(110)は、所望の能動又は受動位置を取るべくハウジング(101)の中に摺動可能に収容され、能動位置にある第一の組のピン(110)は、該組のピンを第一の種類のコンセントに挿入することができるように、ハウジング(101)の第一の接触面(102)から突出し、
第一の阻止手段(125)は第一の組のピン(110)に接続され、
第二の阻止手段(126)はハウジング(102)に接続され、および
第一および第二の阻止手段(125、126)は互いに相対的に移動可能であり、その結果、第一および第二の阻止手段は、第一の組のピン(110)の摺動性が阻止される阻止位置、および第一の組のピン(110)が摺動可能である非阻止位置を取ることができるプラグ(100)であって、
第一の阻止装置(149)は第一の停止具(135)をさらに含み、該第一の停止具(135)は、第一および第二の阻止手段(125、126)の可動性が互いに相対的に妨げられる停止位置と、および解放位置との間で移動可能であることを特徴とするプラグ(100)。
【請求項2】
第一の停止具(135)が、第一の組のピン(110)の摺動方向に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載のプラグ。
【請求項3】
第二の阻止手段(126)は、第一の阻止手段(125)と相互作用して、能動位置にある第一の組のピン(110)の摺動性を阻止するよう意図されており、および
第一の阻止装置(149)は、第一の阻止手段(125)と相互作用して、受動位置にある第一の組のピン(110)の摺動性を阻止するために、ハウジング(101)に接続された第三の阻止手段(140)をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のプラグ。
【請求項4】
第一の阻止装置(149)は第二の停止具(145)をさらに含み、該第二の停止具(145)は、第一および第三の阻止手段(125、140)の可動性が互いに相対的に妨げられる停止位置と、および解放位置との間で移動可能であることを特徴とする請求項3に記載のプラグ。
【請求項5】
第一および第二の停止具(135、145)が互いに恒久的に接続されていることを特徴とする請求項4に記載のプラグ。
【請求項6】
第二の種類のプラグ用の第二の組のピン(112)をさらに含む請求項1から5のいずれか一項に記載のプラグ。
【請求項7】
ハウジング(201)の中に摺動可能に収容され、その結果、所望の第一および第二の位置を取ることができる両面摺動素子(211)をさらに含み、
両面摺動素子(211)は、第一のピン面(215)および第二のピン面(216)を含み、
第二のピン面(216)は、第一のピン面(215)と直径方向に略対向して設けられ、
第一の組のピン(210)は第一のピン面(215)から延出し、および、第二の組のピン(212)は第二のピン面(216)から延出し、
第一の位置にある第一の組のピン(210)は、第一の種類のコンセントに挿入することができるように、ハウジング(201)の第一の接触面(202)から突出し、および
第二の位置にある第二の組のピン(212)は、第二の種類のコンセントに挿入することができるように、ハウジング(201)の第二の接触面(205)から突出する
ことを特徴とする請求項6に記載のプラグ(200)。
【請求項8】
第二の組のピン(112)は少なくとも三つのピンを含み、ピンのうち一つが、英国式コンセントといったヒューズ付のコンセント用のオープナー(162)であり、および
第一の組のピン(110)は、第二の組のピン(112)のオープナー(162)の周りを摺動可能となるべく設けられた摺動素子(111)の上に設けられていることを特徴とする請求項6に記載のプラグ(100)。
【請求項9】
第一の阻止手段(125)は摺動素子(111)の上に設けられ、第二の阻止手段(126)はオープナー(162)の上に設けられ、オープナー(162)はハウジング(101)に恒久的に接続され、および停止具(135)はオープナー(162)の中に設けられることを特徴とする請求項8に記載のプラグ。
【請求項10】
相互に作用する第四の阻止手段(175)および第五の阻止手段(176)を含む第二の阻止装置(165)を含み、
第二の組のピン(112)は、所望の能動又は受動位置を取るべくハウジングの中に摺動可能に収容され、能動位置にある第二の組のピン(112)は、第二の種類のコンセントに挿入することができるようにハウジング(101)から突出し、
第四の阻止手段(175)は、第二の組のピン(112)に接続され、
第五の阻止手段(176)はハウジング(101)に接続され、および
第四および第五の阻止手段は互いに相対的に移動可能であり、その結果、第一および第二の阻止手段は、第一の組のピン(112)の摺動性が阻止される阻止位置、および第一の組のピン(112)が摺動可能である非阻止位置を取ることができ、および
第二の阻止装置(165)第三の停止具(185)をさらに含み、第三の停止具(185)は、第四および第五の阻止手段の可動性が互いに相対的に妨げられる停止位置と、および解放位置との間で移動可能であることを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載のプラグ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【公表番号】特表2009−500805(P2009−500805A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−520202(P2008−520202)
【出願日】平成18年7月5日(2006.7.5)
【国際出願番号】PCT/NL2006/000337
【国際公開番号】WO2007/008061
【国際公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(508007776)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月5日(2006.7.5)
【国際出願番号】PCT/NL2006/000337
【国際公開番号】WO2007/008061
【国際公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(508007776)
【Fターム(参考)】
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