説明

摺接部材

【課題】フッソ系繊維からなる摺接部材と同じ程度に良好な摺動性と、ポリアミド系繊維からなる摺接部材よりも良好な耐摩耗性とを有する摺接部材を提供する。
【解決手段】摺接部材14は、電気掃除機の吸い込み具11の面12に取り付けられている。吸い込み具11の面12は、被掃除面と対向するとともに摺接部材14被掃除面に対して摺動するように構成されている。そして、摺接部材14は、パイル糸がポリオキシメチレン共重合体製繊維からなるカットパイル織物によって構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被接触部に対して摺接するように相対移動する状態で使用される摺接部を備えた摺接部材に関する。
【背景技術】
【0002】
このような摺接部材として、例えば、電気掃除機の吸い込み具に取り付けられて使用されるものがある。この摺接部材では、電気掃除機が被掃除面を掃除するときに、摺接部が被掃除面と摺接することで、吸い込み具が直接、被掃除面と接触して傷付くのを防止するとともに、吸い込み具の被掃除面に対する円滑な移動を可能にしている。
【0003】
そして、このような摺接部材は、例えば、パイル糸にポリアミド系繊維を用いたカットパイル織物で構成される。ところが、パイル糸にポリアミド系繊維を用いたカットパイル織物によって摺接部材を構成した場合、特に、カーペット上などでは、要求される程の摺動性を満たすことができないこともあるため、より良好な摺動性を有する摺接部材が望まれていた。そこで、従来、パイル糸にフッソ系繊維とポリアミド系繊維とを合糸してなるカットパイル織物で構成され、パイル糸にポリアミド系繊維を用いたカットパイル織物よりも摩擦抵抗が小さい摺動部材が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の摺動部材は、電気掃除機の吸い込み具に形成されている吸い込み口周りに取り付けられ、吸い込み具を移動させる際に被掃除面と摺動接触する用途に使用されている。
【特許文献1】特開2005−60852号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に記載の摺動部材は、フッソ系繊維とポリアミド系繊維とを合糸してパイル糸を構成しており、パイル糸はポリアミド系繊維を含むことにより、耐摩耗性は向上するが、フッソ系繊維が有する摺動性が十分に発揮されないという問題があった。また、フッソ系繊維は、耐磨耗性が低いため、被掃除面と繰り返し擦れあった場合には劣化し、場合によっては毛が脱落するという事態も生じる。
【0005】
本発明は、こうした事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、摺接部をフッソ系繊維で構成した場合と同じ程度に良好な摺動性と、摺接部をポリアミド系繊維で構成した場合よりも良好な耐摩耗性とを有する摺接部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、被接触部に対して摺接するように相対移動する状態で使用される摺接部を備えた摺接部材であって、前記摺接部は、ポリオキシメチレン共重合体製繊維からなることを要旨とする。
【0007】
なお、「摺接」とは、摺接部が被接触部に接触した状態で被接触部に沿って相対移動することだけを意味するのではなく、例えば、摺接部材が回転しながら摺接部が被接触部と接触する状態も含む。
【0008】
上記構成によれば、摩擦係数が、フッソ系繊維からなる摺接部を備えた摺接部材の摩擦係数と同程度であるとともにポリアミド系繊維からなる摺接部を備えた摺接部材の摩擦係数よりも小さい。したがって、ポリオキシメチレン共重合体製繊維からなる摺接部を備えた摺接部材は、フッソ系繊維からなる摺接部を備えた摺接部材と同程度の良好な摺動性を有し、被接触部に対して円滑に相対移動することができる。また、摺接部は、繰り返し被接触部と擦れあっても劣化が生じ難く、ポリアミド系繊維からなる摺接部よりも良好な耐摩耗性を有する。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記摺接部は、パイル糸として前記ポリオキシメチレン共重合体製繊維が用いられたカットパイル織物の起毛された部分で形成されていることを要旨とする。
【0010】
上記構成によれば、摺接部をポリオキシメチレン共重合体製繊維からなる複数の毛羽で形成できる。そして、摺接部を毛羽状に形成することによって摺接部が被接触部に対してより円滑に移動できるようになる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、電気掃除機用吸い込み具に取り付けられることを要旨とする。
上記構成によれば、電気掃除機用吸い込み具の耐久性が向上するとともに操作力が軽い電気掃除機を提供することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、摺接部をフッソ系繊維で構成した場合と同じ程度に良好な摺動性と、摺接部をポリアミド系繊維で構成した場合よりも良好な耐摩耗性とを有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を電気掃除機の吸い込み具に取り付けられる摺接部材に具体化した一実施形態を説明する。
図1に示すように、電気掃除機の吸い込み具11は、平面視略T字状に形成されるとともに、被接触部としての図示しない被掃除面(例えば、カーペットの表面)と対向する面12に吸い込み口13が左右方向に延びるように形成されている。面12には、吸い込み口13を間に挟むようにして一対の摺接部材14が取り付けられている。そして、電気掃除機は被掃除面の掃除を行うとき、吸い込み具11の面12が被掃除面と対向するとともに摺接部材14が被掃除面に対して摺動する状態で用いられる。
【0014】
摺接部材14は、ポリエステル製の基材と、ポリオキシメチレン共重合体製繊維によってなるパイル糸とからなるカットパイル織物によって構成されている。カットパイル織物は、ポリオキシメチレン製繊維が基材上にパイル織りされた後、カットされることで起毛している。そして、カットパイル織物の起毛部が摺接部として構成されている。ポリオキシメチレン共重合体(以下、「ポリオキシメチレン」という。)とは、ホルムアルデヒドの三量体であるトリオキサンにエチレンオキサイド等が結合して生成されたものである。ポリオキシメチレン共重合体の構造式は下記式で表される。なお、ポリオキシメチレン共重合体製繊維は、例えば、特開2006−9196号公報で開示する製造方法を用いて製造される。
【0015】
【化1】

この実施形態では、フィラメント数が60本で、繊度が520デシテックス(dtex)であるポリオキシメチレン製繊維をパイル糸として用いている。なお、このポリオキシメチレン製繊維の単糸繊度は約8.67デシテックスである。「デシテックス」とは、10000m当たりの繊維のグラム数のことを意味する。パイル糸は、モノフィラメント、マルチフィラメント、紡績糸のいずれで構成してもよいが、紡績糸は短い繊維が脱落しやすく、モノフィラメントは複数のモノフィラメントを束ねてパイル糸として加工する必要があるので、マルチフィラメントが好ましい。
【実施例】
【0016】
以下、前記実施形態をさらに具体化した実施例及び比較例について説明する。
(実施例1)
フィラメント数が60本であるマルチフィラメントのポリオキシメチレン製繊維を用い、カットパイル織物(モヘア)を製織した。このポリオキシメチレン製繊維の繊度は520デシテックスであるとともに、このポリオキシメチレン製繊維の単糸繊度は約8.67デシテックスである。また、パイル部分を含むカットパイル織物の厚さを3mmとした。なお、ポリオキシメチレン製繊維としては、ポリプラスチックス社製のジュラコン(登録商標)を溶融紡糸加工したものが使用されている。
【0017】
(実施例2)
フィラメント数が60本であるマルチフィラメントのポリオキシメチレン製繊維をパイル糸に用い、カットパイル織物(モヘア)を製織した。パイル糸に用いられるポリオキシメチレン製繊維の繊度は250デシテックスであるとともに、このポリオキシメチレン製繊維の単糸繊度は、約4.17デシテックスである。また、パイル部分を含むカットパイル織物の厚さを2.5mmとした。
【0018】
(比較例1)
フィラメント数が50本であるマルチフィラメントの4フッ化エチレン‐6フッ化プロピレン共重合体(以下、「FEP」という)製繊維を用い、カットパイル織物を製織した。なお、FEP製繊維はフッソ系繊維の一種である。このFEP製繊維の繊度は440デシテックスであるとともに、このFEP製繊維の単糸繊度は約8.8デシテックスである。また、パイル部分を含むカットパイル織物の厚さを2.5mmとした。
【0019】
(比較例2)
フィラメント数が272本であるマルチフィラメントのナイロン6製繊維をパイル糸に用い、カットパイル織物を製織した。パイル糸に用いられるナイロン6製繊維の繊度は1880デシテックスであるとともに、このナイロン6製繊維の単糸繊度は、約6.91デシテックスである。また、パイル部分を含むカットパイル織物の厚さを3.0mmとした。
【0020】
実施例1、2及び比較例1について、アルミニウム板に対する摺動特性の比較を行うため、JIS P 8147に準じた方法で摩擦係数評価を行った。このときの試験片に対する引張速度は200[mm/min]であるとともに、試験方向は試料の毛倒れ方向に対し平行になるように行った。その結果を表1に示す。
【0021】
【表1】

これより、実施例1、2及び比較例1は、静摩擦係数及び動摩擦係数のどちらにおいても同程度であることがわかった。
【0022】
次に、実施例2及び比較例1について、アルミサッシに対する磨耗性の比較を行った。磨耗試験は、平面磨耗試験機を用い、荷重1[kg]、摺動回数20000[往復]、摺動速度66[往復/min]の条件で行った。また、実施例1及び比較例2について、市販カーペットに対する磨耗性の比較を行った。磨耗試験は、平面磨耗試験機を用い、荷重1.5[kg]、摺動回数30000[往復]、摺動速度30[往復/min]の条件で行った。
【0023】
アルミサッシに対する磨耗試験においては、実施例2はほとんど磨耗も見られず外観も良好であり、比較例1は著しく磨耗し基布が露呈した。したがって、実施例2の方が、比較例1よりもアルミサッシに対する耐摩耗性が優れていることがわかった。また、市販カーペットに対する磨耗試験においては、実施例1は毛倒れが生じたもののそれ以外の外観劣化は認められず、比較例2では毛倒れ以外に毛剥がれ等の外観劣化も認められた。したがって、実施例1の方が比較例2よりも市販カーペットに対する耐摩耗性が優れていることがわかった。なお、上記アルミサッシに対する磨耗性の試験及び上記市販カーペットに対する磨耗性の試験によって得られた観察結果を表2にまとめて示す。表2では、外観が良好なものを○、外観が不良なものを×として示している。
【0024】
【表2】

次に、実施例1、2及び比較例1について、アクリル板に対する傷付き性の比較を行った。磨耗試験は、平面磨耗試験機を用い、荷重300[g]、摺動回数4000[往復]、摺動速度66[往復/min]の条件で行った。
【0025】
上記の磨耗試験において、実施例1及び比較例1では、アクリル板表面の傷が不良であったが、実施例2では、アクリル板に目視して確認できる程度の著しい傷はなかったことが確認できた。そして、実施例2の方が実施例1よりもアクリル板に対する傷付き性に優れていることがわかった。したがって、ポリオキシメチレン製繊維の繊度を小さくして実施例2のように構成すれば、摺接部材が摺接する相手側の物体表面が、たとえ傷付きやすい素材であっても、傷付けないようにすることができることがわかった。なお、上記アクリル板に対する傷付き性の試験によって得られた観察結果を表3にまとめて示す。表3では、外観が良好なものを○、外観が不良なものを×として示している。
【0026】
【表3】

これにより、傷が付くと支障が生じる物体の表面と摺接するような用途に摺接部材が使用される場合、ポリオキシメチレン製繊維の繊度を調整することで、摺接部材が摺接する物体表面が、たとえ傷付きやすい素材であっても、傷付けないようにすることが可能であることがわかった。そのため、例えば、摺接部材が電気掃除機の吸い込み具に取り付けられ、傷が付くと支障が生じる被掃除部(例えば、フローリング)を電気掃除機で掃除する際には、パイル糸が繊度の小さなポリオキシメチレン製繊維(例えば、フィラメント数が60本で、繊度が250デシテックスである繊維)からなるカットパイル織物を摺接部材として用いた方が好ましい。
【0027】
以上、詳述した実施形態によれば次のような効果が発揮される。
(1)摺接部材14は、パイル糸にポリオキシメチレン製繊維が用いられたカットパイル織物によって構成されている。したがって、摺接部材14の摩擦係数は、パイル糸がFEP製繊維からなるカットパイル織物と同程度である。したがって、カットパイル織物は、パイル糸がFEP製繊維からなるカットパイル織物と同程度の良好な摺動性を有している。また、摺接部材14は繰り返し被掃除面と擦れ合っても劣化が生じ難く、パイル糸がナイロン6製繊維からなるカットパイル織物よりも良好な耐摩耗性を有している。したがって、従来のようにフッソ系繊維とポリアミド系繊維とを合糸するなどの手間を経ずとも同等以上の性能を得ることが可能である。
【0028】
(2)摺接部材14はカットパイル織物で構成されている。したがって、摺接部材14はパイル糸を備え、毛羽状のパイル糸が被掃除面と摺接することで摺接部材14は被掃除面に対して円滑に移動できる。
【0029】
(3)摺接部材14はパイル糸がポリオキシメチレン製繊維単体から構成されており、パイル糸が従来のように合糸による複数の繊維より構成されていないため、リサイクルが容易である。
【0030】
(4)摺接部材14はパイル糸がポリオキシメチレン製繊維から構成されているため、よごれが付着しにくい。
(5)カットパイル織物からなる摺接部材14は、被掃除面と対向する面12に取り付けられている。したがって、電気掃除機で被掃除面を掃除する際、吸い込み具11と床との間に摺接部材14が介在し、吸い込み具11が被掃除面からうける摩擦抵抗を小さくすることができる。そのため、操作力が軽い電気掃除機を提供することができる。また、吸い込み具11の耐久性を向上させることができる。
【0031】
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・カットパイル織物のパイル糸に使用されるポリオキシメチレン製繊維は、フィラメント数60本で、繊度が520デシテックスのポリオキシメチレン製繊維に限らない。カットパイル織物の傷付き性を良好にしたい場合には、ポリオキシメチレン製繊維の太さを小さくすればよく、例えば、フィラメント数60本で、繊度が250デシテックスであるポリオキシメチレン製繊維をパイル糸として用いてもよい。繊維の繊度、フィラメント数、パイル織物の厚さ、パイル密度などは、被清掃面の傷付き易さ、摺動性、耐摩耗性などのバランスから、設計者が適宜変更可能である。
【0032】
・摺接部材の用途を変更してもよい。例えば、摺接部材を本出願人が出願した、特開2007−228990号公報のような清掃用の回転ブラシに用いてもよい。この場合、図2(a)に示すように、摺接部材を電気掃除機の吸い込み具に装備される掃除機用回転ブラシ20として用いる。掃除機用回転ブラシ20は、棒状の金属よりなる回転体21と、回転体21と一体回転可能なブラシ体22とから構成されている。回転体21はその両端部が回転自在に吸い込み具内の回転支持体にそれぞれ支持される。また、ブラシ体22は、図示しない基材が回転体21の溝23に嵌め込まれることで回転体21に取り付けられている。基材上には、多数のポリオキシメチレン製繊維よりなる摺接部としての毛羽部24が超音波溶着によって接合されている。毛羽部24を構成するポリオキシメチレン製繊維は、適度な剛性及び弾性を有するとともに、優れた摺動性及び耐摩耗性を有している。したがって、掃除機用回転ブラシ20は、毛羽部24が被接触部としての図示しない被掃除面に摺接して被掃除面を清掃する際にうける回転時の負荷が少ない。
【0033】
・図2(b)に示すように、フィルタ用清掃装置に装備されるフィルタ用清掃ブラシ30に摺接部材を用いてもよい。このフィルタ用清掃ブラシ30は、図示しない駆動手段によって回転駆動され、被接触部としての図示しない空気調和機のフィルタ表面に摺接しつつ回転することで、フィルタ表面に付着する塵埃を除去するように構成されている。フィルタ用清掃ブラシ30は、棒状の軸部材31の表面に図示しない接着剤によりカットパイル織物32の毛羽部33とは反対側の面が順次接着されるように螺旋状に巻きつけられることで形成されている。カットパイル織物32は、帯状の基布34と、基布34上の中央部に基布34の長手方向に沿って設けられた摺接部としての毛羽部33とによって構成されている。毛羽部33は多数のポリオキシメチレン製繊維よりなり、ポリオキシメチレン製繊維が基布34上にパイル織りされた後、カットされることで起毛している。そして、このフィルタ用清掃ブラシ30は、前記した掃除機用回転ブラシ20と同様の効果を得ることができる。
【0034】
・摺接部材と摺接する物体が摺接部材に対して相対的に移動するのであれば、摺接部材は静止したままでもよい。例えば、本出願人が出願した、特開2004−69956号公報のような画像形成装置用のシール材に摺接部材を用いてもよい。図3に示すように、シール材40は、平面L字状に形成されるとともに、図示しない画像形成装置内において回転可能に支持された図示しない感光ドラムの表面からトナーを掻き取る長板状の図示しないブレードの端部に設けられた支持体に取り付けられている。そして、シール材40は、その上面が図示しない感光ドラムの軸線方向における両端部の被接触部としての表面に接触するように配置されるとともに、支持体と感光ドラムとの隙間を介して外部に漏出するトナーを補集及びブロックしてトナーの漏れをシールように機能する。シール材40は、支持層41と、支持層41の表面に接着層42を介して接着されたカットパイル織物43とを備えている。カットパイル織物43は、支持層41上に接着層42を介して接着された基布44と、基布44上に植毛された複数のパイル糸45とにより形成されている。シール材40は、カットパイル織物43が最上層となるようにして、画像形成装置のクリーニング部に貼付層46を介して貼付されている。また、パイル糸45は、ポリオキシメチレン製繊維で構成されている。パイル糸45をポリオキシメチレン製繊維から構成した場合、FEP等のフッソ系繊維からパイル糸を構成した場合に比べて耐摩耗性が良好になる。したがって、本発明を回転可能な感光ドラムからのトナーの漏れをシールするシール材40として用いた場合には、毛の破断による脱落を抑制できる。また、パイル糸をポリオキシメチレン製繊維から構成すれば、クリープ変形量が少なくなるため、シール材40のへたりを抑制でき、シール材40のシール性能を維持できる。
【0035】
・摺接部材をカットパイル織物から構成する代わりに、パイル糸がループ状であるパイル織物から構成してもよい。
上記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
【0036】
(1)前記摺接部がフィルタの表面に摺接した状態で回転可能であるとともに、前記フィルタの表面に付着した塵埃を除去するフィルタ用清掃ブラシに用いられる請求項1又は請求項2に記載の摺接部材。
【0037】
(2)画像形成装置内において、回転可能に支持された感光ドラムの表面からトナーを掻き取る長板状のブレードの端部に設けられた支持体に取り付けられ、前記ブレードの端部から前記支持体と前記感光ドラムとの隙間を介して外部に漏出するトナーを捕集及びブロックしてトナーの漏れをシールするためのシール材に用いられる請求項1又は請求項2に記載の摺接部材。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】電気掃除機用吸い込み具の模式斜視図。
【図2】(a)は回転ブラシの模式斜視図、(b)はフィルタ用清掃ブラシの模式部分斜視図。
【図3】画像形成装置用のシール材の模式斜視図。
【符号の説明】
【0039】
11…吸い込み具、12…面、14…摺接部材、20…摺接部材としての掃除機用回転ブラシ、24…摺接部としての毛羽部、30…摺接部材としてのフィルタ用清掃ブラシ、32…カットパイル織物、33…摺接部としての毛羽部、40…摺接部材としてのシール材、43…カットパイル織物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被接触部に対して摺接するように相対移動する状態で使用される摺接部を備えた摺接部材であって、
前記摺接部は、ポリオキシメチレン共重合体製繊維からなることを特徴とする摺接部材。
【請求項2】
前記摺接部は、パイル糸として前記ポリオキシメチレン共重合体製繊維が用いられたカットパイル織物の起毛された部分で形成されている請求項1に記載の摺接部材。
【請求項3】
電気掃除機用吸い込み具に取り付けられる請求項1又は請求項2に記載の摺接部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−150004(P2009−150004A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−326418(P2007−326418)
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【出願人】(596024426)槌屋ティスコ株式会社 (47)
【Fターム(参考)】