説明

撮像システムおよび携帯型電子機器

【課題】載置台に載置した携帯型電子機器の角度を所望の角度に調整する。
【解決手段】クレイドル11の載置部11aと基台部11bを回動ヒンジ11cで回動可能に連結し、載置部11aにデジタルスチルカメラ10を載置した状態で、載置部11aを回動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルスチルカメラ等の携帯型電子機器を載置する載置台、この載置台と携帯型電子機器とでなる撮像システムおよび携帯型電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、デジタルスチルカメラ、またはカメラ付き携帯電話機などの撮影機機能付きポータブル電子機器が広く普及している。
【0003】
ポータブル電子機器のうち、例えば、薄型の筐体でなるカード型デジタルスチルカメラ(以下、単に、カメラと称して説明する)は、市販の三脚に固定するための三脚取り付け部を筐体の底部に設けることができないので、この底面以外の箇所に三脚取り付け部を設けたものが存在する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−284357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば、テーブル上に置かれた被写体を撮影する場合には、当該テーブル上に三脚を設置すると、被写体に対して上方の視線位置から撮影することになり、水平方向から被写体を撮影することが出来ない。そこで、カメラの位置を固定して被写体を水平方向から撮影するために、充電台を兼ねたクレイドル(載置台)にカメラを載置し、この載置した状態で撮影を行なうことが考えられる。
【0006】
クレイドルには、カメラをクレイドルに載置させた状態で、当該カメラ内のメモリに記録した画像を液晶表示部により表示する場合に、この表示する画像をユーザに見やすくするために、当該カメラが傾斜するようになっているものが存在する。
【0007】
しかし、この載置した状態ではクレイドルに対するカメラの角度が固定されているため、被写体を水平方向から撮影することが出来ない。つまり、クレイドルに対するカメラの角度を、撮影時および画像表示時などの各使用形態に適した角度に調整することはできなかった。
【0008】
本発明は前記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、載置した携帯型電子機器の角度を所望の角度に調整することが可能になる載置台、撮像システムおよび携帯型電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、携帯型電子機器を載置する載置部と、この載置部を回動可能に支持する基台と、前記載置部に設けられた、前記携帯型電子機器と電気的に接続されるコネクタ部とを具備することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、前記請求項1記載の発明において、さらに前記基台に対する前記載置部の角度範囲を検出する検出手段と、この検出手段が検出した角度範囲の情報を出力する出力手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、携帯型電子機器およびこの携帯型電子機器を載置する載置台とを有するシステムにあって、前記載置台は、前記携帯型電子機器を載置する載置部と、この載置部を回動可能に支持する基台と、前記基台に対する前記載置部の角度範囲を検出する検出手段と、この検出手段が検出した角度範囲の情報を出力する出力手段とを具備し、前記携帯型電子機器は、被写体を撮像する撮像手段と、前記載置台の載置部に載置された状態で、前記出力手段が出力した角度範囲の情報を取得する取得手段と、この取得手段が取得した角度範囲が第1の角度範囲であった場合に、前記撮像手段による撮像を行なう撮像制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、前記請求項3記載の発明において、前記携帯型電子機器は、前記撮像手段が撮像して得た被写体画像を記録する記録手段と、この記録手段に記録した被写体画像を表示する表示手段と、前記取得手段が取得した角度範囲が第2の角度範囲であった場合に、前記表示手段による前記被写体画像の表示を行なう表示制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、前記請求項3記載の発明において、前記載置台は、外部電源に接続する電源接続具を具備し、前記携帯型電子機器は、二次電池と、前記取得手段が取得した角度範囲が第3の角度範囲であって、かつ、前記載置台の電源接続具が外部電源に接続された状態にある場合に、前記電源接続具を介して前記外部電源から得た電力を前記二次電池に供給するよう制御する充電制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、前記請求項3記載の発明において、外部の機器と接続する載置台とを有するシステムにあって、前記携帯型電子機器は、前記載置台が、前記外部の機器と接続されているか否かを判別する判別手段と、前記取得手段が取得した角度範囲が第1の角度範囲であって、前記判別手段が、前記載置台が前記外部の機器に接続されていると判別した場合に、前記撮像手段が撮像して得た被写体画像を前記外部の機器に出力する出力制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、載置部、この載置部を回動可能に支持する基台、この基台に対する前記載置部の角度を検出する検出手段、及びこの検出手段が検出した角度範囲の情報を出力する出力手段を備えた載置台に載置する携帯型電子機器であって、被写体を撮像する撮像手段と、前記載置台の載置部に載置された状態で、前記出力手段が出力した角度範囲の情報を取得する取得手段と、この取得手段が取得した角度範囲が第1の角度範囲であった場合に、前記撮像手段による撮像を行なう撮像制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明は、前記請求項7記載の発明において、前記撮像手段が撮像して得た被写体画像を記録する記録手段と、この記録手段に記録した被写体画像を表示する表示手段と、この取得手段が取得した角度範囲が第2の角度範囲であった場合に、前記表示手段による前記被写体画像の表示を行なう表示制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の発明は、前記請求項7記載の発明において、外部電源に接続する電源接続具を備えた載置台に載置する携帯型電子機器であって、二次電池と、前記取得手段が取得した角度範囲が第3の角度範囲であって、かつ、前記載置台の接続具が外部電源に接続された状態にある場合に、前記電源接続具を介して、前記外部電源から得た電力を前記二次電池に供給するよう制御する充電制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0018】
請求項10記載の発明は、前記請求項7記載の発明において、外部の機器と接続する載置台に載置する携帯型電子機器であって、前記載置台が、前記外部の機器と接続されているか否かを判別する判別手段と、前記取得手段が取得した角度範囲が第1の角度範囲であって、前記判別手段が、前記載置台が前記外部の機器に接続されていると判別した場合に、前記撮像手段が撮像して得た被写体画像を前記外部の機器に出力する出力制御手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1記載の発明によれば、載置台の載置部を回動可能に支持する基台を備え、さらに、載置部に携帯型電子機器を電気的に接続されるコネクタ部を備えているので、載置台の載置部に携帯型電子機器を搭載すれば、携帯型電子機器に電源を供給しながら、載置台に対する携帯型電子機器の角度を所望の角度に調整することができる。
【0020】
請求項2記載の発明によれば、前記請求項1記載の発明の効果に加えて、基台に対する携帯型電子機器の角度範囲を検出し、この検出した角度範囲の情報を出力するので、この角度範囲の情報を携帯型電子機器に出力すれば、携帯型電子機器に対する、角度範囲に応じた制御を行なうことができる。
【0021】
請求項3記載の発明によれば、載置台の載置部に携帯型電子機器を載置して、基台に対する載置部の角度を調整した場合、この調整した角度が第1の角度範囲にあれば、携帯型電子機器の撮像手段による撮像を行なうように制御するので、第1の角度範囲を撮像に適した角度範囲とすれば、被写体の撮像を容易に行なうことができる。
【0022】
請求項4記載の発明によれば、前記請求項3記載の発明の効果に加えて、載置台の載置部に携帯型電子機器を載置して、基台に対する載置部の角度を調整した場合、この調整した角度が第2の角度範囲にあれば、携帯型電子機器の表示手段による被写体画像の表示を行なうように制御するので、第2の角度範囲を被写体画像の表示に適した角度範囲とすれば、被写体画像の表示を容易に行なうことができる。
【0023】
請求項5記載の発明によれば、前記請求項3記載の発明の効果に加えて、載置台の載置部に携帯型電子機器を載置して、基台に対する載置部の角度を調整した場合、この調整した角度が第3の角度範囲にあれば、外部電源から得た電力を携帯型電子機器の二次電池に供給するので、第3の角度範囲を充電に適した角度範囲とすれば、二次電池の充電を容易に行なうことができる。
【0024】
請求項6記載の発明によれば、前記請求項3記載の発明の効果に加えて、載置台の載置部に携帯型電子機器を載置して、かつ、基台に対する載置部の角度を調整し、この調整した角度が第1の角度範囲にあれば、撮像手段が撮像して得た被写体画像を外部の機器に出力するので、第1の角度範囲を被写体画像の出力に適した角度範囲とすれば、被写体画像の外部の機器への出力を容易に行なうことができる。
【0025】
請求項7記載の発明によれば、載置台の載置部に携帯型電子機器を載置して、基台に対する載置部の角度を調整した場合、この調整した角度が第1の角度範囲にあれば、撮像手段による撮像を行なうように制御するので、第1の角度範囲を撮像に適した角度範囲とすれば、被写体の撮像を容易に行なうことができる。
【0026】
請求項8記載の発明によれば、前記請求項7記載の発明の効果に加えて、載置台の載置部に携帯型電子機器を載置して、基台に対する載置部の角度を調整した場合、この調整した角度が第2の角度範囲にあれば、携帯型電子機器の表示手段による被写体画像の表示を行なうように制御するので、第2の角度範囲を被写体画像の表示に適した角度範囲とすれば、被写体画像の表示を容易に行なうことができる。
【0027】
請求項9記載の発明によれば、前記請求項7記載の発明の効果に加えて、載置台の載置部に携帯型電子機器を載置して、基台に対する載置部の角度を調整した場合、この調整した角度が第3の角度範囲にあれば、外部電源から得た電力を二次電池に供給するので、第3の角度範囲を充電に適した角度範囲とすれば、二次電池の充電を容易に行なうことができる。
【0028】
請求項10記載の発明によれば、前記請求項7記載の発明の効果に加えて、載置台の載置部に携帯型電子機器を載置して、かつ、基台に対する載置部の角度を調整し、この調整した角度が第1の角度範囲にあれば、撮像手段が撮像して得た被写体画像を外部の機器に出力するので、第1の角度範囲を被写体画像の出力に適した角度範囲とすれば、被写体画像の外部の機器への出力を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の一形態に係るデジタルスチルカメラを、充電台を兼ねたクレイドルに載置した状態の外観構成を示す図。
【図2】図1に示したデジタルスチルカメラを載置しない状態のクレイドルの外観構成を示す図。
【図3】図2に示したクレイドルを矢印Aの方向からみた図。
【図4】図2に示したクレイドルの側面図。
【図5】図2に示したクレイドルにデジタルスチルカメラを載置した状態の側面図(その1)。
【図6】図2に示したクレイドルにデジタルスチルカメラを載置した状態の側面図(その2)。
【図7】図2に示したクレイドルにデジタルスチルカメラを載置した状態の側面図(その3)。
【図8】図2に示したクレイドルにデジタルスチルカメラを載置したシステムを書画カメラとして用いる場合の使用例を示す図。
【図9】図1に示したデジタルスチルカメラに設けられる電子回路の構成を示す図。
【図10】図1に示したクレイドルに設けられる電子回路の構成を示す図。
【図11】図1に示したデジタルスチルカメラおよびクレイドルによる各種制御処理を示すフローチャート(その1)。
【図12】図1に示したデジタルスチルカメラおよびクレイドルによる各種制御処理を示すフローチャート(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下本発明をデジタルスチルカメラとその充電台を兼ねたクレイドルとからなるシステムに適用した実施の一形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の一形態に係るデジタルスチルカメラ10を、クレイドル(載置台)11に載置した状態の外観構成を示す図である。図2は、図1に示したデジタルスチルカメラ10を載置しない状態のクレイドル11の外観構成を示す図である。
【0031】
図1に示すように、デジタルスチルカメラ10は、その背面側が手前になるようにクレイドル11に載置することで、内蔵する電池の充電を実行できるだけでなく、このクレイドル11を図示しないUSB(Universal Serial Bus)ケーブルを介して例えばパーソナルコンピュータと接続することで、静止画像データ等の送受が可能であるものとする。本実施の形態では、USBの転送方式は、転送帯域を確保してデータの遅延を回避するためのアイソクロナス転送が用いられる。
【0032】
デジタルスチルカメラ10は、例えばタバコの箱程度のサイズの金属外装を有する筐体でなり、その上面に電源キー12及びシャッタキー13を配設する。
また、デジタルスチルカメラ10の背面には、モードキー14、光学ファインダ15、フォーカスインジケータ16、ストロボインジケータ17、表示部18、ズームキー19、メニュー(MENU)キー20、リングキー21、セット(SET)キー22、及びディスプレイ(DISP)キー23が配設される。また、デジタルスチルカメラ10における図示しない正面には撮影レンズ、及びストロボ発光部が配設される。ストロボ発光部は、撮影レンズの撮影範囲をカバーするべくストロボ光を照射する。
【0033】
電源キー12は、デジタルスチルカメラ10の電源をオン/オフする。
シャッタキー13は、基本モードである撮影モード時に操作することで静止画像または動画像の撮影を実行する。
モードキー14は、基本モードである撮影モード(REC)と再生モード(PLAY)とをスライド操作により切換えるためのキースイッチで、図1では再生モード側に設定されている。
【0034】
光学ファインダ15は、被写体像の視野を光学的に視認するためのものである。
フォーカスインジケータ16は、光学ファインダ15の近傍に配置され、ユーザが光学ファインダ15を覗いている状態でフォーカスがロックしたことを例えば赤色のLEDの点灯により表示する。
【0035】
ストロボインジケータ17は、光学ファインダ15の近傍に配置され、ユーザが光学ファインダ15を覗いている状態でストロボの充電が完了したことを例えば緑色のLEDの点灯により表示する。
【0036】
表示部18は、バックライトを有する例えば対角2インチ程度のサイズのカラーTFT液晶パネルで構成され、撮影モードではその時点で撮影しようとしている画像をモニタ表示する一方で、再生モード時にはこのデジタルスチルカメラ10の記録媒体である内蔵メモリ又はメモリカード(後述)から読み出された静止画像、又は動画像を選択的に再生する。
【0037】
ズームキー19は、撮影モード時に撮影レンズの焦点距離を望遠(T)側あるいは広角(W)側に無段階で可変させる。
メニューキー20は、各種モード設定等をメニュー項目として表示部18に表示させる。
リングキー21は、リング状操作キーの操作位置により、表示部18に表示される項目を上下左右各方向へ変更させるものであり、その中央に位置するセットキー22で、選択されているメニュー項目を選択設定する。
【0038】
ディスプレイキー23は、表示部18での表示のオン/オフを切換え、また表示部18での表示形態を切換える。
また、デジタルスチルカメラ10の図示しない底面には、USBコネクタ(メス)が埋設される。
【0039】
図1に示すように、クレイドル11は、載置部11a、基台部11bおよび回動ヒンジ11cを備える。
図3は、図1に示したクレイドル11の載置部11aおよび基台部11bを矢印Aの方向からみた図である。なお、図3では、説明のために載置部11aと基台部11bに間隔を設けて図示しているが、実際には載置部11aの側面11dと基台部11bの側面11eとは当接される。
【0040】
回動ヒンジ11cは、基台部11bと載置部11aを、基台部11bに対する載置部11aの角度が図3に示す状態から矢印Bまたは矢印Cの示す方向にそれぞれ45°の角度範囲で回動可能になるように連結する。なお、前述した角度範囲は特に限定されるものではない。
【0041】
載置部11aの側面11dには、接触端子11g,11hおよび11iが設けられる。また、基台部11bの側面11eには、接触端子11j、11kおよび11mが設けられる。これら接触端子の機能については後述する。
【0042】
図4は、図1に示したクレイドル11を矢印Aの方向からみた側面図である。
基台部11bは、その内部に角度調整ネジ11nを備える。この角度調整ネジ11nには、ツマミ11pが取り付けられる。ツマミ11pは、クレイドル11の外部に突出する。ユーザは、このツマミ11pを操作することで角度調整ネジ11nを回転させる。
【0043】
載置部11aの底部は円弧状であり、この底部には突起部11qが形成される。本実施の形態では、突起部11qは、載置部11aの底部の円弧部分の中央に形成される。この突起部11qは、基台部11bの角度調整ネジ11nと歯合する。この場合、前述した載置部11aの円弧状の底部は、ウォーム歯車として機能し、角度調整ネジ11nはウォームとして機能する。
【0044】
角度調整ネジ11nを時計回りの方向に回転させると、クレイドル11の載置部11aは矢印Bで示した方向に回動する。また、角度調整ネジ11nを反時計回りの方向に回転させると、載置部11aは矢印Cで示した方向に回動する。
【0045】
図5〜図7は、図3で示したクレイドル11の載置部11aにデジタルスチルカメラ10を載置した状態の例を、矢印Aの方向からみた図である。
図5に示した状態は、基台部11bに対する載置部11aの角度が、前述した回動範囲の中央の角度である状態(以下、デフォルト状態と称して説明する)である。デフォルト状態で、デジタルスチルカメラ10を載置部11aに載置した場合、このデジタルスチルカメラ10の側面10aは、基台部11bの底面11rに対して矢印Bの方向に傾斜している。
【0046】
図6に示した状態は、デフォルト状態から角度調整ネジ11nを時計回りの方向に回転させ、載置部11aを、矢印Bの示す方向の回動範囲に回動させた状態である。この状態では、デジタルスチルカメラ10の側面10aは、図5に示した状態と比較して、矢印Bの方向にさらに傾斜する。
【0047】
側面10aに対向する側面10bには、表示部18(図1参照)が設けられる。図6に示した状態では、側面10bに設けられた表示部18が基台部11bに対して斜め上方を向いているので、ユーザは、表示部18に表示させた画像を斜め上方の視線位置から見ることができる。
【0048】
図7に示した状態は、デフォルト状態から角度調整ネジ11nを反時計回りの方向に回転させ、載置部11aを、矢印Cの示す方向の回動範囲に回動させた状態である。図7に示した状態では、デジタルスチルカメラ10の側面10aが、基台部11bの底面11rに対して直角に位置する。側面10aには撮影レンズ10cが設けられる。よって、図7に示した状態では、被写体を水平方向から撮影するのことができる。
【0049】
クレイドル11には、図1及び図2に示したように、PHOTOキー24、USBキー25、充電(CHARGE)インジケータ26、及びUSBインジケータ27が設けられる他、図2に示したように、載置部11aのデジタルスチルカメラ10の載置位置に、USBコネクタ(オス)30が設けられる。このUSBコネクタ30は、デジタルスチルカメラ10のクレイドル11への載置に際して、デジタルスチルカメラ10への充電と、データ転送のための端子である。
【0050】
クレイドル11の載置部11aにデジタルスチルカメラ10を載置して、クレイドル11のACコード31(図2参照)を家庭内のコンセントに接続することで、デジタルスチルカメラ10内に設けられる充電池の充電を行なうことができる。充電を実行している際には充電インジケータ26が点灯する。
【0051】
また、前記PHOTOキー24を操作することで、デジタルスチルカメラ10内に記録されているデータファイルが静止画像データファイルである場合には、この静止画像データ中の静止画像を表示部18で再生表示し、デジタルスチルカメラ10及びこれを載置したクレイドル11を電子的なフォトスタンド(写真立て)として使用できる。
【0052】
デジタルスチルカメラ10内に記録されたデータファイルが動画データファイルである場合には、当該動画データファイル中の動画像情報を表示部18で再生することができる。
【0053】
加えて、デジタルスチルカメラ10を載置したクレイドル11を、図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等の情報機器とUSBケーブル32(図2参照)を用いて接続し、USBキー25を操作することで、デジタルスチルカメラ10と該情報機器との間での画像データの転送を容易に実行できるものとする。これらのデータの転送時には、USBインジケータ27が点灯する。
【0054】
図8は、図1に示したデジタルスチルカメラ10をクレイドル11に載置した状態で、書画カメラとして使用する場合の例を示す図である。
デジタルスチルカメラ10は、撮影した被写体画像を、例えばプロジェクタ等の外部機器に出力する書画カメラ機能を有している。具体的には、まず、デジタルスチルカメラ10をクレイドル11に載置して、クレイドル11のUSBケーブル32をプロジェクタ28に接続する。そして、デジタルスチルカメラ10により被写体65を撮影すると、撮影された被写体画像のデータがUSBケーブル32を介してプロジェクタ28に出力される。プロジェクタ28は、デジタルスチルカメラ10から出力された被写体画像データを取得し、これをスクリーン29に投影する。
【0055】
図9は、図1に示したデジタルスチルカメラ10に設けられる電子回路の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、基本モードである撮影モードにおいては、モータ(M)41の駆動により合焦位置や絞り位置が移動される、撮影レンズを含むレンズ光学系42の撮影光軸後方に配置された撮像素子であるCCD43が、タイミング発生器(TG)44、垂直ドライバ45によって走査駆動され、一定周期毎に結像した光像に対応する光電変換出力を1画面分出力する。
【0056】
この光電変換出力は、アナログ値の信号の状態でRGBの各原色成分毎に適宜ゲイン調整された後に、サンプルホールド回路(S/H)46でサンプルホールドされ、A/D変換器47でデジタルデータに変換され、カラープロセス回路48で画素補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理が行なわれて、デジタル値の輝度信号Y及び色差信号Cb,Crが生成され、DMA(Direct Memory Access)コントローラ49に出力される。
【0057】
DMAコントローラ49は、カラープロセス回路48から出力された輝度信号Y及び色差信号Cb,Crを、同じくカラープロセス回路48から出力された複合同期信号、メモリ書込みイネーブル信号、及びクロック信号を用いて一度DMAコントローラ49内部のバッファに書込み、DRAMインタフェース(I/F)50を介してバッファメモリとして使用されるDRAM51にDMA転送を行なう。
【0058】
制御部52は、CPUと、後述するデータ再生処理時の処理を含む該CPUで実行される動作プログラムを固定的に記憶したROM、及びワークメモリとして使用されるRAM等を備えており、このデジタルスチルカメラ10全体の制御動作を司るもので、前記輝度及び色差信号のDRAM51へのDMA転送終了後に、この輝度及び色差信号をDRAMインタフェース50を介してDRAM51より読み出し、VRAMコントローラ53を介してVRAM54に書込む。
【0059】
デジタルビデオエンコーダ55は、前記輝度及び色差信号をVRAMコントローラ53を介してVRAM54より定期的に読み出し、これらのデータを元にビデオ信号を発生して前記表示部18に出力する。
【0060】
この表示部18は、前述した如く撮影モード時にはモニタ表示部(電子ファインダ)として機能するもので、デジタルビデオエンコーダ55からのビデオ信号に基づいた表示を行なうことで、その時点でVRAMコントローラ53から取込んでいる画像情報に基づく画像をリアルタイムに表示することとなる。
【0061】
このように表示部18にその時点での画像がモニタ画像としてリアルタイムに表示されている状態で、静止画撮影を行ないたいタイミングでキー入力部56を構成する前記シャッタキー13を操作すると、トリガ信号を発生する。
【0062】
制御部52は、このトリガ信号に応じてその時点でCCD43から取込んでいる1画面分の輝度及び色差信号のDRAM51へのDMA転送の終了後、直ちにCCD43からのDRAM51への経路を停止し、記録保存の状態に遷移する。
【0063】
この記録保存の状態では、制御部52がDRAM51に書込まれている1フレーム分の輝度及び色差信号をDRAMインタフェース50を介してY,Cb,Crの各コンポーネント毎に縦8画素×横8画素の基本ブロックと呼称される単位で読み出してJPEG(Joint Photograph coding Experts Group)回路57に書込み、このJPEG回路57でADCT(Adaptive Discrete Cosine Transform:適応離散コサイン変換)、エントロピ符号化方式であるハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮する。
【0064】
そして、得た符号データを1画像のデータファイルとして該JPEG回路57から読み出し、このデジタルスチルカメラ10の記録媒体として着脱自在に装着されるメモリカード58か、またはこのデジタルスチルカメラ10に固定的に内蔵される内蔵メモリ59のいずれか一方に書込む。
【0065】
この際、メモリカード58または内蔵メモリ59に書込む画像データファイルに関しては、例えばシャッタキー13の操作時に図示せぬ時計部から得られる日付と時刻の情報(以下、タイムスタンプと称して説明する)が関連付けて記録される。
【0066】
そして、1フレーム分の輝度及び色差信号の圧縮処理及びメモリカード58または内蔵メモリ59への全圧縮データの書込み終了に伴なって、制御部52はCCD43からDRAM51への経路を再び起動する。
【0067】
また、制御部52にはさらに、USBインタフェース(I/F)61、及びストロボ駆動部62が接続される。
USBインタフェース61には、USBコネクタ(メス)64が接続される。USBコネクタ64は、デジタルスチルカメラ10の底面に埋設されたコネクタである。
USBインタフェース61は、USBコネクタ64を介して有線接続される情報端末装置、例えばパーソナルコンピュータとの間で、静止画像データ、又は動画像データ等の送受を行なう場合の通信制御を行なう。
【0068】
さらに、図1で示した如くデジタルスチルカメラ10をクレイドル11に載置した場合には、このクレイドル11を介してUSBケーブル32(図2参照)で接続されるパーソナルコンピュータ等の外部の情報機器との間で、USBインタフェース61が静止画像データ、動画像データ等の送受を行なう場合の通信制御を行なう。
ストロボ駆動部62は、静止画像撮影時に図示しないストロボ用の大容量コンデンサを充電した上で、制御部52からの制御に基づいてストロボ発光部63を閃光駆動する。
【0069】
なお、キー入力部56は、前述したシャッタキー13の他に、電源キー12、モードキー14、ズームキー19、メニューキー20、リングキー21、セットキー22、及びディスプレイキー23等を備え、これらのキー操作に伴なう信号は直接制御部52へ送出される。
【0070】
しかるに、静止画像ではなく動画像の撮影時においては、キー入力部56のシャッタキー13が操作され続けている間、前述した静止画像データをJPEG回路57でデータ圧縮した静止画データファイルのメモリカード58または内蔵メモリ59への記録を時間的に連続して実行し、該シャッタキー13の操作が終わるか、または所定の制限時間、例えば30秒が経過した時点でそれら一連の静止画データファイルを順次JPEG回路57でデータ圧縮した後、データ圧縮した一連の静止画データを一括してモーションJPEGフォーマットの動画像データファイルを生成し、シャッタキー13操作時の日時のタイムスタンプを関連付けて、メモリカード58または内蔵メモリ59に記録する。
【0071】
また、基本モードである再生モード時には、制御部52がメモリカード58または内蔵メモリ59に記録されている画像データファイルを選択的に読み出し、JPEG回路57で撮影モード時にデータ圧縮した手順と全く逆の手順で、圧縮されている画像データを伸長し、伸長した画像データを、DRAMインタフェース50を介してDRAM51に保持させた上で、このDRAM51の保持内容をVRAMコントローラ53を介してVRAM54に記憶させ、このVRAM54より定期的に画像データを読み出してビデオ信号を発生し、前記表示部18で再生出力させる。
【0072】
再生モード時に選択したデータファイルが静止画データファイルではなく動画像データファイルであった場合、この動画像データを構成する個々の静止画像データの再生を時間的に連続して実行し、すべての静止画像データの再生を終了した時点で、次に再生の指示がなされるまで先頭に位置する静止画像データのみを用いて再生表示する。
【0073】
なお、図示はしないがこのデジタルスチルカメラ10は当然ながら電池駆動で動作するもので、前記クレイドル11に載置することで充電される充電池を有しているものとする。
【0074】
続いて図10で前記クレイドル11内の回路構成について示す。この回路は、クレイドル11の載置部11aに備えられる。クレイドル11は、このクレイドル11全般の制御を司る制御部71を中心として、この制御部71にUSBインタフェース(I/F)72、充電制御部73、キー入力部74、インジケータ部75及び角度検出部76が接続される。角度検出部76は、図3に示した接触端子11g,11hおよび11iと電気的に接続される。
【0075】
USBインタフェース72は、USBケーブル32を介して外部に接続される前記プロジェクタ28および図示しないパーソナルコンピュータ等の情報端末装置と、前記USBコネクタ30に接続されるデジタルスチルカメラ10との間で送受される画像データ等の転送制御を行なう。
【0076】
充電制御部73は、前記ACコード31を介してその先端のACプラグ77を図示しない家庭内のコンセントに接続した場合に得られるAC電源を整流し、このクレイドル11各回路へ必要な電圧の直流電源に変圧して供給する一方で、このクレイドル11の載置部11aに載置されるデジタルスチルカメラ10へ前記USBコネクタ30の電力線を介して充電用の直流電源を供給する。
【0077】
キー入力部74は、前記PHOTOキー24及びUSBキー25からなり、これらのキー入力は制御部71へ直接入力される。
インジケータ部75は、前記充電インジケータ26及びUSBインジケータ27からなり、制御部71からの制御信号に基づいて点灯発光する。
【0078】
次に前記実施の形態の動作について説明する。
図11および図12は、図1に示したデジタルスチルカメラ10をクレイドル11の載置部11aに載置した状態における、各種モード処理を示すフローチャートである。この処理は、主として制御部52が実行する。
【0079】
まず、デジタルスチルカメラ10の制御部52は、当該デジタルスチルカメラ10が、クレイドル11の載置部11aに載置されたか否かを判別する(ステップS1)。これは、デジタルスチルカメラ10のUSBコネクタ64が、クレイドル11のUSBコネクタ30と嵌合しているか否かをコネクタ端子の接続状態で判別する。
【0080】
デジタルスチルカメラ10がクレイドル11の載置部11aに載置されたと判別されると、クレイドル11の角度検出部76は、基台部11bに対する載置部11aの角度範囲を検出する。これは、基台部11bの接触端子11mが載置部11aの接触端子11gと接触する状態にあるか、基台部11bの接触端子11kが載置部11aの接触端子11hと接触する状態にあるか、または、基台部11bの接触端子11jが載置部11aの接触端子11iと接触する状態にあるかにより検出する。
【0081】
そして、角度検出部76は、角度範囲の検出の結果、基台部11bの接触端子11mが載置部11aの接触端子11gと接触する状態にある場合には角度範囲データ“A”を、基台部11bの接触端子11kが載置部11aの接触端子11hと接触する状態にある場合には角度範囲データ“B”を、基台部11bの接触端子11jが載置部11aの接触端子11iと接触する状態にある場合には角度範囲データ“C”を出力し、制御部71は、この角度範囲データをUSBインタフェース72およびUSBコネクタ30を介して、デジタルスチルカメラ10に出力する。
【0082】
これに対してデジタルスチルカメラ10では、クレイドル11から出力されてくる角度範囲データを、USBコネクタ64およびUSBインタフェース61を介して入力し(ステップS2)、制御部52は、この入力した角度範囲データが表す角度範囲が、“B”であるか否かを判別する(ステップS3)。
【0083】
このステップS3による判別の結果、角度範囲データが“B”であり、かつ、クレイドル11のACプラグ77が外部電源に接続された状態にある場合(ステップS4のYES)には、デジタルスチルカメラ10は、基本モードを充電モードに設定し(ステップS5)、充電池への充電を指示する制御信号をUSBインタフェース61およびUSBコネクタ64を介してクレイドル11に出力する(ステップS6)。
【0084】
クレイドル11は、角度範囲データの出力後、デジタルスチルカメラ10から出力された充電指示信号をUSBコネクタ30およびUSBインタフェース72を介して取得するのを待機し、充電指示信号を入力した場合には、充電制御部73は、外部電源から得たAC電源を整流し、これをUSBコネクタ30の電力線を介して、デジタルスチルカメラ10の充電池に出力する。これにより充電池への充電が開始する(ステップS7)。
【0085】
充電が開始されると、デジタルスチルカメラ10の制御部52は、充電池の端子電圧を検出し(ステップS8)、この端子電圧を基準電圧値と比較して、充電池の充電が完了したか否かを判別する処理を繰り返し実行する(ステップS9)。ステップS9による判別の結果、充電池の充電が完了した場合には、充電を停止する(ステップS10)。
【0086】
前記ステップS3による判別の結果、クレイドル11から入力した角度範囲データが表す角度範囲が“B”でなかった場合には、角度範囲が“A”であるか否かを判別する(ステップS11)。
【0087】
このステップS11による判別の結果、角度範囲データが“A”である場合には、デジタルスチルカメラ10は、基本モードを再生モードに設定する(ステップS12)。
再生モードが設定されると、以後、クレイドル11のPHOTOキー24が操作されるのを待機する(ステップS13)。
なお、ステップS13は省略しても良く、角度範囲データが“A”である場合には自動的に次のステップS14へ移っても良い。
【0088】
PHOTOキー24が操作された場合には、これをデジタルスチルカメラ10が認識し、メモリカード58または内蔵メモリ59に記憶される静止画像データファイルおよび動画像データファイルの中から、最新の日時のタイムスタンプが関連付けられたファイルを選択して読み出す(ステップS14)。
【0089】
そして、この読み出したファイルが動画像データファイルであった場合には、前述したように、動画像データファイルの動画像部分のデータを伸長し、読み出したファイルが静止画像データファイルであった場合には、この静止画像データを前述したように伸長して表示部18により予めユーザ設定した一定時間、例えば5秒間表示させる(ステップS15)。
【0090】
次に、ステップS15によりファイルが再生されている状態で、再生が終了したか否か(ステップS16)、デジタルスチルカメラ10のリングキー21による左右の操作がなされたか否か(ステップS17)、クレイドル11のPHOTOキー24が操作されたか否か(ステップS18)を繰り返し判別して、これらのいずれかの状態になるのを待機する。
【0091】
前記ステップS16で、ファイルの再生が終了したと判別した場合には、他の再生対象のデータファイルがメモリカード58および内蔵メモリ59に記録されているか否かを判別する(ステップS19)。他の再生対象のデータファイルとは、デジタルスチルカメラ10をクレイドル11へ載置した後に一度も再生していないデータファイルである。
【0092】
そして、他の再生対象のデータファイルがメモリカード58または内蔵メモリ59に存在する場合(ステップS19のYES)には、該当する再生対象のデータファイルを自動的に選択して読み出す(ステップS20)。ここでは、直前に選択されたデータファイルに関連付けられたタイムスタンプの日時より前で、かつ、最も近い日時のタイムスタンプが関連付けられたファイルが次の再生対象のデータファイルとなる。また、他の再生対象のデータファイルが無い場合、つまり、デジタルスチルカメラ10をクレイドル11へ載置した後にメモリカード58および内蔵メモリ59に記録されているデータファイルを全て再生した場合には、前記ステップS19でこれを判別し、前記PHOTOキー24の操作に対応した一連の処理を終了する。
【0093】
前記ステップS17で、デジタルスチルカメラ10のリングキー21による左右の操作がなされたと判別した場合には、ステップS19で再生対象のファイルがあることを確認した後に、操作に対応した再生対象のデータファイルを選択して読み出す。
【0094】
この場合、リングキー21による右方向の操作がなされた場合には、リングキー21の操作直前に再生していたデータファイルに関連付けられたタイムスタンプの日時より後で、かつ、最も近い日時のタイムスタンプが関連付けられたデータファイルがあれば、これを選択し、リングキー21による左方向の操作がなされた場合には、リングキー21の操作直前に再生していたファイルに関連付けられたタイムスタンプの日時より前で、かつ、最も近い日時のタイムスタンプが関連付けられたデータファイルがあれば、これを選択する(ステップS20)。
【0095】
前記ステップS18で、クレイドル11のPHOTOキー24が操作されたと判別した場合には、ファイル再生中に再度PHOTOキー24が操作されたことになるので、クレイドル11の制御部71は、ファイル再生処理を停止させるための制御信号をデジタルスチルカメラ10の制御部52に出力する。この制御部52は、クレイドル11からの制御信号の入力にしたがって、ファイル再生処理を終了する。
【0096】
ステップS11による判別の結果、クレイドル11から入力した角度範囲データが表す角度範囲が“A”でもなかった場合、つまり角度範囲が“C”であった場合には、クレイドル11のUSBケーブル32が、例えばプロジェクタ28などの外部機器と接続されているか否かを判別する(ステップS21)。ここでは、USBケーブル32のコネクタが、プロジェクタ28の図示しないUSBコネクタと嵌合しているか否かをコネクタ端子の接続状態で判別する。
【0097】
ステップS21による判別の結果、USBケーブル32がプロジェクタ28と接続されている場合には、基本モードを書画カメラモードに設定する(ステップS22)。
書画カメラモードが設定されると、以後、クレイドル11のUSBキー25が操作されるのを待機する(ステップS23)。
【0098】
USBキー25が操作されると、その時点での被写体画像(スルー画像)を出力する指示を表す制御信号を、USBインタフェース72およびUSBコネクタ30を介してデジタルスチルカメラ10に出力する。デジタルスチルカメラ10は、制御信号を取得すると、前述したように、デジタルビデオエンコーダ55により生成したビデオ信号をクレイドル11に出力する。クレイドル11は、デジタルスチルカメラ10から出力されてくるビデオ信号を入力して、これを、USBケーブル32を介して、プロジェクタ28に出力する。プロジェクタ28は、クレイドル11から出力されてくるビデオ信号を伸長して、スクリーン29に投影する(ステップS24)。
【0099】
デジタルスチルカメラ10は、スルー画像を出力しながら、シャッタキー13が操作されるのを待機する(ステップS25)。
シャッタキー13が操作されると、撮影処理を実行し(ステップS26)、撮影により得た画像データをJPEG回路57にてデータ圧縮した上で記録媒体であるメモリカード58または内蔵メモリ59に記録設定する(ステップS27)。
【0100】
そして、記録した撮影画像データを、スルー画像に代えて、USBインタフェース61およびUSBコネクタ64を介してクレイドル11に出力する。クレイドル11は、デジタルスチルカメラ10から出力された撮影画像データをUSBインタフェース72およびUSBコネクタ30を介して取得すると、これを、USBインタフェース72およびUSBケーブル32を介してプロジェクタ28に出力する(ステップS28)。プロジェクタ28は、クレイドル11から出力されてくる撮影画像データを伸長して、スクリーン29に投影する。
【0101】
デジタルスチルカメラ10は、クレイドル11から出力された、角度範囲“C”以外の角度範囲を含んだ角度範囲データが入力されず(ステップS29のNO)、かつ、撮影画像データの出力後一定時間(例えば2秒)経過したと判別した場合には(ステップS30のYES)、この撮影画像データの出力を停止し、スルー画像の出力に戻る。クレイドル11から角度範囲“C”以外の角度範囲を含んだ角度範囲データが入力されたと判別した場合には、ステップS3の処理に戻る。
【0102】
ステップS21による判別の結果、USBケーブル32がプロジェクタ28などの外部機器と接続されていない場合には、デジタルスチルカメラ10は、基本モードを撮影モードに設定する(ステップS31)。
撮影モードが設定されると、デジタルスチルカメラ10は、その時点での被写体画像(スルー画像)を表示部18に表示する(ステップS32)。
デジタルスチルカメラ10は、スルー画像を出力しながら、シャッタキー13が操作されるのを待機する(ステップS33)。
【0103】
シャッタキー13が操作されると、撮影処理を実行し(ステップS34)、撮影により得た画像データをJPEG回路57にてデータ圧縮した上で記録媒体であるメモリカード58または内蔵メモリ59に記録設定する(ステップS35)。
そして、記録した撮影画像データを、スルー画像に代えて、表示部18に表示する(ステップS36)。
【0104】
デジタルスチルカメラ10は、クレイドル11から出力された、角度範囲“C”以外の角度範囲を含んだ角度範囲データが入力されず(ステップS37のNO)、撮影画像データの表示後一定時間(例えば2秒)経過したと判別した場合には(ステップ38のYES)、この撮影画像データの表示を停止し、スルー画像の表示に戻る。クレイドル11から角度範囲“C”以外の角度範囲を含んだ角度範囲データが入力されたと判別した場合には、ステップS3の処理に戻る。
【0105】
以上、詳述した実施の形態において説明したシステムによれば、デジタルスチルカメラ10をクレイドル11の載置部11aに載置した状態で、載置部11aの基台部11bに対する角度を調整することができるので、載置部11aに載置したデジタルスチルカメラ10の基台部11bに対する角度を撮影時または画像データ再生時などの各使用形態に適した角度に設定することができる。また、デジタルスチルカメラ10を載置部11aに載置した状態で、載置部11aの基台部11bに対する角度範囲を検出し、この角度に応じて、基本モードを、充電モード、再生モード、書画カメラモードおよび撮影モードの間で切り替えることができるので、基本モードの切り替えをキー操作により行なう必要が無くなる。
【0106】
前記撮影モードが設定されると、デジタルスチルカメラ10をクレイドル11に載置した状態で撮影を行なうことができるので、クレイドル11を三脚として使用できる。前記書画カメラモードが設定されると、デジタルスチルカメラ10をクレイドル11に載置した状態でスルー画像または撮影画像をプロジェクタ28に出力することができるので、クレイドル11を書画カメラ用の台として使用できる。
また、ステップS21による判別の結果、ステップS31では基本モードを撮影モードに設定するようにしたが、通常の撮影モードではなくセルフタイマー撮影モードに設定するようにしてもよい。この場合、ステップS34でシャッタキー13が操作されるとタイマーがスタートし、一定時間後に撮影処理が実行される。クレイドル11を三脚として使用し、撮影者も写ることができるセルフタイマーの撮影が行え、また角度を調整するだけで容易にセルフタイマー撮影モードの設定が行える。
【0107】
また、各種モードにおいては、デジタルスチルカメラ10をクレイドル11に載置した状態で使用できるので、この載置した状態でクレイドル11のACコード31を家庭内のコンセントに接続した状態にあれば、電池切れの心配が無くなる。
【0108】
なお、前記実施の形態は、本発明をデジタルスチルカメラとその充電台を兼ねたクレイドルとからなるシステムに適用した場合について説明したものであるが、これに限らず、例えばカメラ機能付き携帯電話器とそのクレイドル装置や、カメラ機能付きPDA(Personal Digital Assistant:個人向け携帯情報端末)とそのクレイドル装置など、各種携帯電子機器単体、もしくはそれを含むシステム等にも本発明を適用することが可能である。
【0109】
なお、この発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0110】
10…デジタルスチルカメラ、10a,10b…デジタルスチルカメラ側面、10c…撮影レンズ、11…クレイドル、11a…載置部、11b…基台部、11c…回動ヒンジ、11d…載置部側面、11e…基台部側面、11g,11h,11i,11j,11k,11m…接触端子、11n…角度調整ネジ、11p…ツマミ、11q…突起部、11r…基台部底面、12…電源キー、13…シャッタキー、14…モードキー、15…光学ファインダ、16…フォーカスインジケータ、17…ストロボインジケータ、18…表示部、19…ズームキー、20…メニュー(MENU)キー、21…リングキー、22…セット(SET)キー、23…ディスプレイ(DISP)キー、24…PHOTOキー、25…USBキー、26…充電(CHARGE)インジケータ、27…USBインジケータ、28…プロジェクタ、29…スクリーン、30…USBコネクタ、31…ACコード、32…USBケーブル、41…モータ(M)、42…レンズ光学系、43…CCD、44…タイミング発生器(TG)、45…垂直ドライバ、46…サンプルホールド回路(S/H)、47…A/D変換器、48…カラープロセス回路、49…DMAコントローラ、50…DRAMインタフェース(I/F)、51…DRAM、52…制御部、53…VRAMコントローラ、54…VRAM、55…デジタルビデオエンコーダ、56…キー入力部、57…JPEG回路、58…メモリカード、59…内蔵メモリ、61…USBインタフェース(I/F)、62…ストロボ駆動部、63…ストロボ発光部、64…USBコネクタ、65…被写体、71…制御部、72…USBインタフェース(I/F)、73…充電制御部、74…キー入力部、75…インジケータ部、76…角度検出部、77…ACプラグ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型電子機器を載置する載置部と、
この載置部を回動可能に支持する基台と、
前記載置部に設けられた、前記携帯型電子機器と電気的に接続されるコネクタ部と
を具備することを特徴とする載置台。
【請求項2】
さらに前記基台に対する前記載置部の角度範囲を検出する検出手段と、
この検出手段が検出した角度範囲の情報を出力する出力手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の載置台。
【請求項3】
携帯型電子機器およびこの携帯型電子機器を載置する載置台とを有するシステムにあって、
前記載置台は、
前記携帯型電子機器を載置する載置部と、
この載置部を回動可能に支持する基台と、
前記基台に対する前記載置部の角度範囲を検出する検出手段と、
この検出手段が検出した角度範囲の情報を出力する出力手段と
を具備し、
前記携帯型電子機器は、
被写体を撮像する撮像手段と、
前記載置台の載置部に載置された状態で、前記出力手段が出力した角度範囲の情報を取得する取得手段と、
この取得手段が取得した角度範囲が第1の角度範囲であった場合に、前記撮像手段による撮像を行なう撮像制御手段と
を具備したことを特徴とする撮像システム。
【請求項4】
前記携帯型電子機器は、
前記撮像手段が撮像して得た被写体画像を記録する記録手段と、
この記録手段に記録した被写体画像を表示する表示手段と、
前記取得手段が取得した角度範囲が第2の角度範囲であった場合に、前記表示手段による前記被写体画像の表示を行なう表示制御手段と
を具備したことを特徴とする請求項3に記載の撮像システム。
【請求項5】
前記載置台は、
外部電源に接続する電源接続具を具備し、
前記携帯型電子機器は、
二次電池と、
前記取得手段が取得した角度範囲が第3の角度範囲であって、かつ、前記載置台の電源接続具が外部電源に接続された状態にある場合に、前記電源接続具を介して前記外部電源から得た電力を前記二次電池に供給するよう制御する充電制御手段と
を具備したことを特徴とする請求項3に記載の撮像システム。
【請求項6】
外部の機器と接続する載置台とを有するシステムにあって、
前記携帯型電子機器は、
前記載置台が、前記外部の機器と接続されているか否かを判別する判別手段と、
前記取得手段が取得した角度範囲が第1の角度範囲であって、前記判別手段が、前記載置台が前記外部の機器に接続されていると判別した場合に、前記撮像手段が撮像して得た被写体画像を前記外部の機器に出力する出力制御手段と
を具備したことを特徴とする請求項3に記載の撮像システム。
【請求項7】
載置部、この載置部を回動可能に支持する基台、この基台に対する前記載置部の角度を検出する検出手段、及びこの検出手段が検出した角度範囲の情報を出力する出力手段を備えた載置台に載置する携帯型電子機器であって、
被写体を撮像する撮像手段と、
前記載置台の載置部に載置された状態で、前記出力手段が出力した角度範囲の情報を取得する取得手段と、
この取得手段が取得した角度範囲が第1の角度範囲であった場合に、前記撮像手段による撮像を行なう撮像制御手段と
を具備したことを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項8】
前記撮像手段が撮像して得た被写体画像を記録する記録手段と、
この記録手段に記録した被写体画像を表示する表示手段と、
この取得手段が取得した角度範囲が第2の角度範囲であった場合に、前記表示手段による前記被写体画像の表示を行なう表示制御手段と
を具備したことを特徴とする請求項7に記載の携帯型電子機器。
【請求項9】
外部電源に接続する電源接続具を備えた載置台に載置する携帯型電子機器であって、
二次電池と、
前記取得手段が取得した角度範囲が第3の角度範囲であって、かつ、前記載置台の接続具が外部電源に接続された状態にある場合に、前記電源接続具を介して、前記外部電源から得た電力を前記二次電池に供給するよう制御する充電制御手段と
を具備したことを特徴とする請求項7に記載の携帯型電子機器。
【請求項10】
外部の機器と接続する載置台に載置する携帯型電子機器であって、
前記載置台が、前記外部の機器と接続されているか否かを判別する判別手段と、
前記取得手段が取得した角度範囲が第1の角度範囲であって、前記判別手段が、前記載置台が前記外部の機器に接続されていると判別した場合に、前記撮像手段が撮像して得た被写体画像を前記外部の機器に出力する出力制御手段と
を具備したことを特徴とする請求項7に記載の携帯型電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−290877(P2009−290877A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−163359(P2009−163359)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【分割の表示】特願2003−316717(P2003−316717)の分割
【原出願日】平成15年9月9日(2003.9.9)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】