説明

撮像システム

【課題】撮像装置と表示装置が別体である撮像システムにおいて、目的を特化せず、ユーザが撮像タイミングを決定した時点前後の撮像データを記録できない。
【解決手段】通常状態では、撮像装置の第1のバッファ111内のデータ伝送制御部203は、常時記録バッファ201に撮像データを格納するよう制御し、ユーザから一定時間記録操作を受けると、撮像データの格納先を一定時間だけ、常時記録バッファ201から一時記録バッファ202へ切り替える。データ伝送制御部203は、常時記録バッファ201に格納されている撮像データの中で、一定時間記録操作を受けた時刻より一定時間前の撮像データと、一時記録バッファ202に格納される撮像データを表示装置へ送信するデータとして取り出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像すると共に、撮像したデータを表示する機能を備えた撮像システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の撮像システムは、例えばゴルフスイングのチェックすることを目的とした特許文献1に記載されているようなものがあった。
【0003】
図10は、前記特許文献1に記載された従来の撮像システムを簡略化したものである。
【0004】
図10において、第1の撮像カメラ1001は練習者の全身を撮影し、第2の撮像カメラ1002はゴルフボール近傍のクラブヘッドの動きを撮影する。ボールセンサ1005が、ゴルフボールが打たれたことを検出すると、トリガ発生回路1006がトリガを発生し、制御回路1007はその前後一定時間分を撮影して撮像データを撮像データ記憶メモリ1003に記憶し、自動的に撮影停止して、撮影したデータをモニタ装置1004にスロー再生するものである。
【0005】
従来の撮像システムにおいては、ゴルフボールが打たれたことをボールセンサ1005が検出することをトリガにすることで練習者とは別の撮影者を用意することなしに自動的に撮影することを実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−15628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の構成では、撮影開始のトリガをボールセンサ1005による検出で得る為に、ボールセンサ1005を被検出対象のボールに、その動きが検出できる位置に近付け、固定設置しなければならないことという課題を有していた。
【0008】
また、目的がゴルフスイングのチェックに特化されており、他目的での利用が困難であるという課題を有していた。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、目的を特化せず、撮像装置と表示装置が別体である撮像システムにおいて、ユーザが撮像タイミングを決定し、決定した撮像タイミング前後一定時間分を撮影して、撮像装置から表示装置へ撮像データを送信して表示装置に表示させる撮像システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の撮像システムは、撮像装置と、前記撮像装置で撮像した撮像データを表示する表示装置とを備え、前記撮像装置は、ユーザから記録操作を受け付ける第1の操作部と、前記第1の操作部が記録操作を受けた時点前後の所定期間の撮像データを前記表示装置へ送信する第1の制御部とを有することを特徴とする撮像システムである。
【0011】
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記撮像装置は、撮像した撮像データを常時記録する常時記録バッファと、前記記録操作を受けた時点から所定期間だけ撮像データを記録する一時記録バッファとを有し、前記第1の制御部は、第1の操作部が記録操作を受けると、前記常時記録バッファに記録されている前記記録操作を受けた時点より所定期間前の撮像データと、前記一時記録バッファに記録される撮像データを前記表示装置に送信することを特徴とする撮像システムである。
【0012】
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記第1の制御部は、前記記録操作を受けた時点で、前記撮像データの記録先を前記常時記録バッファから前記一時記録バッファに切り替え、前記記録操作を受けた時点より所定期間が経過すると、前記撮像データの記録先を前記一時記録バッファから前記常時記録バッファへ切り替えることを特徴とする撮像システムである。
【0013】
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記第1の制御部は、新たに受けた記録操作に対して送信対象となる期間が、1つ前に受けた記録操作に対して送信対象となる期間と重なる期間がある場合には、前記重なる期間は送信対象としないことを特徴とする撮像システムである。
【0014】
また、本発明の請求項5に係る発明は、前記第1の制御部は、送信対象となる期間の中で既に前記表示装置へ送信した撮像データと同じ期間が存在する場合には、前記同じ期間の撮像データを送信せず、前記同じ期間を示す情報を送信することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項6に係る発明は、前記記録操作を受けた時点より前の所定期間長と前記記録操作を受けた時点より後の所定期間長は、一致することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項7に係る発明は、前記記録操作を受けた時点より前の所定期間長と前記記録操作を受けた時点より後の所定期間長は、異なることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の撮像システムによれば、目的を特化せず、撮像装置と表示装置が別体である撮像システムにおいて、ユーザが撮像タイミングを決定し、決定した撮像タイミング前後一定時間を撮像した撮像データを撮像装置から表示装置へ送信して表示装置で表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の撮像システムの一構成例を示す図
【図2】本発明の撮像システムにおける第1のバッファの詳細な構成を示す図
【図3】本発明の実施の形態1における記録動作を示すフローチャート
【図4】同一定時間記録モード時の詳細な動作を示すフローチャート
【図5】同一定時間記録モード時の詳細な動作を示すフローチャート
【図6】同一定時間記録モードの一例を示す図
【図7】同一定時間記録モードの一例を示す図
【図8】同一定時間記録モードの一例を示す図
【図9】同一定時間記録モードの一例を示す図
【図10】従来の撮像システムの構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における撮像システムのシステム構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
図1において、撮像システム101は撮像装置102と表示装置103とから構成される。撮像装置102は、レンズも含めた撮像部110と、撮像部110が撮像した撮像データをあらかじめ定められた所定の時間記録する第1のバッファ111と、表示装置103と無線通信を行う第1の無線IF部112と、ユーザが操作を行う第1の操作部113と、第1の操作部113の操作内容に従って、撮像部110、第1のバッファ111、第1の無線IF部112を制御する第1の制御部114とから構成される。
【0022】
また、表示装置103は、撮像装置102と無線通信を行う第2の無線IF部120と、第2の無線IF部120から出力される撮像データを一時的に記録する第2のバッファ121と、撮像データを表示する表示部122と、第2の無線IF部120から出力された撮像データを蓄積する蓄積部123と、ユーザが操作を行う第2の操作部124と、第2の操作部124から出力される操作内容に応じて、第2の無線IF部120、第2のバッファ121、表示部122を制御する第2の制御部125とから構成される。
【0023】
図2は、本発明の実施の形態1における撮像装置102の第1のバッファ111の一構成例を示すブロック図である。
【0024】
図2において、第1のバッファ111は、撮像部110が撮像した撮像データを記録する常時記録バッファ201と、撮像部110が撮像したデータを指定された期間のみ記録する一時記録バッファ202と、常時記録バッファ201、一時記録バッファ202への撮像データの入出力を制御するデータ伝送制御部203から構成される。
【0025】
ここで、本発明の撮像システムでの撮像制御には、以下に示す3つの動作モードがあり、各モードは、ユーザが第1の操作部113を操作することで切り替えられる。
【0026】
(1)通常モード
電源ONの状態で撮像部110が撮像を行っているモード。
【0027】
(2)記録モード
ユーザが記録開始操作を行った時点から、記録停止操作を行った時点まで撮像した撮像データを記録するモード。
【0028】
(3)一定時間記録モード
ユーザが操作した時点の前後一定時間の撮像データを記録するモード。
【0029】
図3は、本発明の実施の形態1における撮像システムで、撮像装置102における一連の動作を示すフローチャートである。
【0030】
以下、図1、図2、図3を参照して、本実施の形態1のシステムの動作を説明する。
【0031】
ユーザが第1の操作部113を操作して、撮像システム101の電源をONにすると、撮像システム101が初期化され、通常モードとなる(ステップS301〜ステップS302)。この状態では、ユーザが第1の操作部113で記録操作を行わずとも、撮像部110で撮像した撮像データはデータ伝送制御部203の制御により、常時記録バッファ201に記録される(ステップS303)。この場合、撮像データは常時記録バッファ201に記録されるのみで、データ伝送制御部203から出力はされない。
【0032】
ここで、常時記録バッファ201が記録可能なデータ量は有限である為、常時記録バッファ201の容量が撮像データで満たされると、時間的に新しい撮像データが上書きされ、時間的に一番古いデータが削除される制御が自動的に行われる。これは例えば、常時記録バッファ201をFIFOメモリで構成するなどで実現できる。故に、常時記録バッファ201が撮像データで満たされると、常に時間的に新しい一定時間分の撮像データが記録されていることになる。
【0033】
次に、第1の制御部114は、ユーザが第1の操作部113を操作したかどうかを判定する(ステップS304)。第1の制御部114は、ユーザが操作を行うまでステップS304を繰り返し、ユーザが操作を行った場合は、記録開始操作を行ったかどうかを判定する(ステップS305)。第1の制御部114は、ユーザが記録開始操作を行ったと判定した場合は、記録モード時の動作を行う(ステップS306)。記録モード時の動作は後述する。第1の制御部114は記録モード時の動作を終了すると、ステップS304に戻る。
【0034】
第1の制御部114は、ステップS305において、ユーザが記録開始操作を行わなかったと判定した場合、ユーザが一定時間記録操作を行ったかどうかを判定する(ステップS307)。第1の制御部114は、ステップS307において、ユーザが一定時間記録操作を行ったと判定した場合は、一定時間記録モード時の動作を行う(ステップS308)。一定時間記録モード時の動作は後述する。第1の制御部114は一定時間記録モード時の動作を終了すると、ステップS304に戻る。
【0035】
第1の制御部114はステップS307において、ユーザが一定時間記録操作を行っていないと判定した場合には、ユーザの操作に応じた動作を行う(ステップS309)。第1の制御部114は所定の動作が終了すると、ステップS304に戻る。上記動作は、ユーザが第1の操作部113を操作して、撮像システム101の電源をOFFにするまで続けられる。
【0036】
(記録モード時の動作)
図4は、記録モード時の撮像装置における動作を示すフローチャートである。
【0037】
以下、図1、図2、図4を参照して、本実施の形態1のシステムで記録モード時の動作を説明する。
【0038】
第1の制御部114は、ステップS305で記録モードに入ったと判定すると、データ伝送制御部203が、撮像部110が撮像する撮像データの記録先を常時記録バッファ201から、一時記録バッファ202に切り替えるよう制御する(ステップS401)。
【0039】
次に、第1の制御部114はデータ伝送制御部203に一時記録バッファ202に記録される撮像データを無線IF部112へ出力するよう制御する。そして、第1の制御部114は、無線IF部112に第1のバッファ111から出力されるデータを表示装置103へ無線伝送するよう制御する(ステップS402)。
【0040】
第1の制御部114はユーザが第1の操作部113を用いて、操作を行ったかどうかを常にチェックし、ユーザの操作が行われたことを判定した場合は、その操作が記録停止操作であるかどうかを判定する。第1の制御部114は、ユーザが記録停止操作を行っていないと判定した場合は、ステップS403に戻り、ユーザが記録停止操作を行ったと判定した場合には、データ伝送制御部203が、撮像部110が撮像した撮像データの記録先を一時記録バッファ202から常時記録バッファ201に切り替えるよう制御する(ステップS403〜ステップS405)。
【0041】
第1の制御部114はステップS404において、ユーザが記録停止操作を行ったと判定した場合には、一時記録バッファ202に未送信の撮像データがあるかどうかをデータ伝送制御部203に問い合わせ、未送信の撮像データがなくなるまで、データ伝送制御部203と第1の無線IF部112を制御して、撮像データを表示装置103に無線送信する。第1の制御部114は、データ伝送制御部203より一時記録バッファ202に未送信の撮像データがなくなったことを通知されると、記録モードを終了する(ステップS406)。
【0042】
(一定時間記録モード)
図5は、一定時間記録モード時の動作を示すフローチャートである。
【0043】
以下、図1、図2、図5を参照して、本実施の形態における一定時間記録モード時の動作を説明する。
【0044】
まず、第1の制御部114は、ステップS307で一定時間記録モードであると判定すると、ユーザが一定時間記録モードを操作した時刻を時刻tに設定する(ステップS501)。次に、第1の制御部114は、データ伝送制御部203に、撮像部110が撮像する撮像データの記録先を常時記録バッファ201から、一時記録バッファ202に切り替えるよう制御する(ステップS502)。
【0045】
次に、第1の制御部114は、時刻tよりα(>0)秒前の時刻の撮像データが常時記録バッファ201に記録されているかどうかを調べ、記録されている場合は、撮像データの記録開始時刻sを時刻tよりα秒前の時刻に設定し、記録されていない場合は、常時記録バッファ201に記録されている撮像データの中で時間的に一番前の時刻を記録開始時刻sとして設定する。また、時刻tよりα秒後の時刻を記録終了時刻uと設定する(ステップS503)。
【0046】
第1の制御部114は、データ伝送制御部203を制御して、常時記録バッファ201に記録されている撮像データのうち、時刻sから時刻tまでの期間の撮像データを第1の無線IF部112に出力させ、第1の無線IF112が第1のバッファ111より出力された撮像データを表示装置103に無線伝送するよう制御する(ステップS504)。
【0047】
次に、第1の制御部114は、時刻uを経過したかを判定する(ステップS505)。第1の制御部114は、時刻uを経過したと判定した場合は、データ伝送制御部203が撮像データの記録先を一時記録バッファ202から常時記録バッファ201に切り替えたかどうかを判定し(SステップS506)、切り替え済の場合はステップS508へ進み、切り替えされていない場合は、データ伝送制御部203に撮像データの記録先を一時記録バッファ202から常時記録バッファ201に切り替えるよう制御する(ステップS507)。
【0048】
第1の制御部114はステップS505において、時刻uを経過していないと判定した場合は、常時記録バッファ201に記録されている時刻sから時刻tまでの撮像データを第1の無線IF部112に送信終了したかどうかを、データ伝送制御部203を用いて判定する(ステップS508)。第1の制御部114は、ステップS508において、送信終了していないと判定した場合は、ステップS505に戻り、送信終了していると判定した場合は、データ伝送制御部203が、一時記録バッファ202に記録されている撮像データを第1の無線IF部112に出力するよう制御する(ステップS509)。第1の制御部114は、第1の無線IF部112に第1のバッファより出力された撮像データを表示装置103に無線送信するよう制御する。第1の制御部114は、一時記録バッファ202に記録されている撮像データの送信が全て終了したかどうかを判定し、終了した場合は処理を終了する(ステップS510)。
【0049】
このように、一定時間記録モードにおいては、ユーザが操作した時刻を中心に前後の撮像データが表示装置103に送信される。表示装置103においては、第2の制御部125は、撮像装置102から無線送信された撮像データを第2の無線IF部120が受信すると、第2のバッファ121へ記録するとともに、蓄積部123に蓄積する制御を行う。第2の制御部125は第2の操作部124を用いてユーザより再生等の操作を受けると、第2のバッファ121に記録されている撮像データを表示部122に表示させる。
【0050】
図6は本発明の実施の形態1における一定時間記録モードにおいて、表示装置103に無線伝送される撮像データを示す一例を示す図である。
【0051】
図6において、t2は第1の制御部114が、第1の操作部113を用いたユーザの操作を受け、一定時間記録モード開始したと判定した時刻tである。また、同図のt1は、時刻t1からα秒前の記録開始時刻s、t3は時刻t1からα秒後の記録終了時刻uを示す。図6において、第1の記録期間601は、常時記録バッファ201に記録された撮像データを示し、第2の記録期間602は、一時記録バッファ202に記録された撮像データを示す。この場合は、表示装置103の蓄積部123には、時刻t1から時刻t2の撮像データが蓄積される。
【0052】
図7は本発明の実施の形態1における一定時間記録モードにおいて、表示装置103に無線伝送される撮像データの他の例である。この場合は、一定時間記録モードが続けて2回行われた例を示す。
【0053】
図7において、t2は1回目の一定時間記録モード操作が行われた時刻、t5は2回目の一定時間記録モード操作を行われた時刻を示す。この場合は、図7に示すように、1回目の記録開始時刻sには時刻t2よりα秒前の時刻t1、記録終了時刻uとしては、時刻t2よりα秒後の時刻t3、2回目の記録開始時刻sには、時刻t5よりα秒前の時刻t4、記録終了時刻uには、時刻t5よりα秒後の時刻t6がそれぞれ設定される。
【0054】
すなわち、1回目の一定時間記録操作に対しては、時刻t1から、時刻t3までの撮像データ、2回目の一定時間記録操作に対しては、時刻t5より時刻t6までの撮像データが表示装置103に無線送信される。
【0055】
また、この場合は、時刻t1から時刻t2までの1回目の第1の記録期間601の撮像データと、時刻t4から時刻t5までの2回目の第1の記録期間701の撮像データが常時記録バッファ201に記録され、時刻t2から時刻t3までの1回目の第2の記録期間602と時刻t5から時刻t6までの2回目の第2の記録期間702の撮像データが一時記録バッファ202に記録される。
【0056】
図8は本発明の実施の形態1における一定時間記録モードにおいて、表示装置103に無線伝送される撮像データの他の例である。この場合は、一定時間記録モードが続けて2回行われ、1回目と2回目の操作における表示装置103への送信対象の撮像データが時間的に重複する場合の例である。
【0057】
図8において、t2は1回目の一定時間記録モード操作が行われた時刻、t5は2回目の一定時間記録モード操作が行われた時刻を示す。図8に示すように、時刻t5よりα秒前の時刻t4が時刻t2よりα秒後の時刻t3より前の時刻となっている。そのため、時刻t5よりα秒前の時刻から、時刻t3までの撮像データは一時記録バッファ202に記録されており、常時記録バッファ201には記録されていない。この場合、常時記録バッファ201には、時刻t3から時刻t5までの撮像データが記録されているので、2回目の一定時間記録モード操作における常時記録バッファ201から読み出す撮像データの記録開始時刻sには時刻t3が設定される。また、1回目の操作における記録開始時刻s、1回目、2回目の記録終了時刻には図7の場合と同様、それぞれ、時刻t1、時刻t2のα秒後の時刻t3、時刻t5のα秒後の時刻t6が設定される。
【0058】
従って、図8の場合においては、時刻t1から、時刻t3までの撮像データと、時刻t3(時刻t4)から、時刻t6までの撮像データが表示装置103に無線送信される。また、この場合は、時刻t1から時刻t2までの1回目の第1の記録期間601の撮像データと、時刻t4(時刻t3)から時刻t5までの2回目の第1の記録期間801の撮像データが常時記録バッファ201に記録され、時刻t2から時刻t3までの1回目の第2の記録期間602と時刻t5から時刻t6までの2回目の第2の記録期間802の撮像データが一時記録バッファ202に記録される。
【0059】
図9は本発明の実施の形態1における一定時間記録モードにおいて、表示装置103に無線伝送される撮像データの他の例である。
【0060】
図9において、t2は1回目の一定時間記録モード操作、t5は2回目の一定時間記録モード操作が行われた時刻を示す。1回目の一定時間記録モード操作に対する処理は、図6の場合と同様であるので、説明を省略する。この場合は、図9に示すように、時刻t5は、1回目の一定時間記録モード操作における、無線送信対象の時間内に位置している。図9に示すように、この場合は、時刻t5の前後の撮像データは送信されているため、2回目の一定時間記録モード操作に対応する処理は行わない。
【0061】
なお、図9のように、一定時間記録モード操作を行った時刻が無線送信対象の時間内に位置している場合、常時記録バッファ201に記録されている時刻t5よりα秒前の時刻から時刻t5までの撮像データと、時刻t5よりα秒後の時刻までの撮像データを一時記録バッファに記録して送信するようにしてもよい。また、時刻t5よりα秒前の時刻と、時刻t3の時刻情報と、時刻t3から時刻t5よりα秒後の時刻までの撮像データを送信するようにしてもよい。この場合は、表示装置103において、表示する際に、受信した時刻情報より、既に第2のバッファ121、もしくは蓄積部123に蓄積している該当データを読み出して、送信されてきた撮像データと一連のデータであるように、表示するように第2の制御部125が制御すればよい。
【0062】
なお、本発明の実施の形態においては、表示装置103に蓄積部123を設けるとしたが、蓄積部123は表示装置103と別体としてもよい。
【0063】
また、本発明の実施の形態においては、表示装置103に第2の操作部124を設けるとしたが、第2の操作部124を第1の操作部113と一体として撮像装置102に設け、表示装置103には操作部を設けないとしてもよい。
【0064】
また、本発明の実施の形態においては、第1の記録期間と第2の記録期間は、同じ期間としたが、異なっていてもよい。
【0065】
また、本発明の実施の形態においては、ユーザが第1の操作部113を操作することでモード切替が行われるとしたが、第2の操作部124を操作することでモード切替が行われるとしてもよい。
【0066】
また、本発明の実施の形態においては、ユーザが操作部113を操作することで電源ONになるとしたが、第2の操作部124を操作することで電源ONになるとしてもよい。
【0067】
また、本発明の実施の形態においては、常時記録バッファ201には電源ONになった状態で撮像データが記録されるとしたが、電源ONでは記録されず、記録モードになってから撮像データを記録するとしてもよい。
【0068】
また、本発明の実施の形態においては、第1の制御部114が通常モードで記録操作が開始されると、撮像データの記録先を常時記録バッファ201から一時記録バッファ202に切り替えたが、記録操作時には、双方に撮像データを記録するようにしてもよい。
【0069】
また、記録モード、一定時間記録モード、記録開始、あるいは記録停止を、第1の制御部114がユーザの第1の操作部113の操作によって判定するとしたが、第2の制御部125がユーザの第2の操作部124の操作によって判定するとしてもよい。
【0070】
また、第1の操作部113が記録モードに入ったと判定すると、記録停止するまでは記録モードに入り続けるとしたが、記録モードに入った後、ユーザが第1の操作部113を操作するなどして記録終了せずとも記録モードから抜けることができるとしてもよい。
【0071】
また、第2の制御部125は、第2の無線IF部120が撮像データを受信すると、第2のバッファ121に記録し、蓄積部123に蓄積するとしたが、あわせて、受信した撮像データの一部を静止画として、あるいは動画として表示部122に表示するとしても良い。また、蓄積部123に蓄積されている全ての撮像データを静止画、あるいは動画で縮小表示し、撮像データの一覧表示としてもよい。この場合、ユーザは一覧表示されたデータを選択することで、所望の撮像データを表示できる。
【0072】
また、一定時間記録操作の指示は、専用のボタンを設けたり、既に用意されているボタンの組み合わせで行ったり、操作指示ができる形態であれば、どのような形態でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明にかかる撮像システムは、撮像装置と表示装置が別体の撮像システムにおいて、ユーザが記録タイミングを決定し、撮像装置から表示装置へ撮像データを送信して表示装置で表示することが可能となるので、利便性のある撮像システム等として有用である。
【符号の説明】
【0074】
101 撮像システム
102 撮像装置
103 表示装置
110 撮像部
111 第1のバッファ
112 第1の無線IF部
113 第1の操作部
114 第1の制御部
120 第2の無線IF部
121 第2のバッファ
122 表示部
123 蓄積部
124 第2の操作部
125 第2の制御部
201 常時記録バッファ
202 一時記録バッファ
203 データ伝送制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置と、前記撮像装置で撮像した撮像データを表示する表示装置とを備え、
前記撮像装置は、ユーザから記録操作を受け付ける第1の操作部と、
前記第1の操作部が記録操作を受けた時点前後の所定期間の撮像データを前記表示装置へ送信する第1の制御部
とを有することを特徴とする撮像システム。
【請求項2】
前記撮像装置は、撮像した撮像データを常時記録する常時記録バッファと、
前記記録操作を受けた時点から所定期間だけ撮像データを記録する一時記録バッファとを有し、
前記第1の制御部は、第1の操作部が記録操作を受けると、前記常時記録バッファに記録されている前記記録操作を受けた時点より所定期間前の撮像データと、前記一時記録バッファに記録される撮像データを前記表示装置に送信することを特徴とする請求項1記載の撮像システム。
【請求項3】
前記第1の制御部は、前記記録操作を受けた時点で、前記撮像データの記録先を前記常時記録バッファから前記一時記録バッファに切り替え、
前記記録操作を受けた時点より所定期間が経過すると、前記撮像データの記録先を前記一時記録バッファから前記常時記録バッファへ切り替えることを特徴とする請求項2記載の撮像システム。
【請求項4】
前記第1の制御部は、新たに受けた記録操作に対して送信対象となる期間が、1つ前に受けた記録操作に対して送信対象となる期間と重なる期間がある場合には、前記重なる期間は送信対象としないことを特徴とする請求項1記載の撮像システム。
【請求項5】
前記第1の制御部は、送信対象となる期間の中で既に前記表示装置へ送信した撮像データと同じ期間が存在する場合には、前記同じ期間の撮像データを送信せず、前記同じ期間を示す情報を送信することを特徴とする請求項5記載の撮像システム。
【請求項6】
前記記録操作を受けた時点より前の所定期間長と前記記録操作を受けた時点より後の所定期間長は、一致することを特徴とする請求項1ないし請求項3記載の撮像システム。
【請求項7】
前記記録操作を受けた時点より前の所定期間長と前記記録操作を受けた時点より後の所定期間長は、異なることを特徴とする請求項1ないし請求項3記載の撮像システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−268187(P2010−268187A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−117460(P2009−117460)
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】