説明

撮像機器のグリップ装置

【課題】手への負担軽減を図り長時間撮影を可能とする撮像機器のグリップ装置を提供する。
【解決手段】グリップ本体部2と、グリップ本体部2の左上方に設けられ、手前方向に突出した凸部3と、凸部3の右方に設けられた縦方向の溝状の第2の窪み部5と、凸部および第2の窪み部の下方に設けられた第2の窪み部よりも深い第1の窪み部4と、を備え、人差し指を第2の窪み部5に沿わせると共に、親指の付け根を第1の窪み部4に沿わせ、親指と人差し指で凸部3を挟持することで撮像機器を把持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可搬型ビデオカメラレコーダなどの撮像機器のグリップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像機器においては、被写体の撮影を行う際、的確に被写体をとらえ、ブレのない映像を撮影するために撮像機器の本体に配置されたグリップを的確に把持し得ることは極めて重要である。
【0003】
このようなグリップ性能を確保するために、従来の撮像機器のグリップ装置として様々な構成が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。図3は、従来の撮像機器のグリップ装置の構成を示した図である。通常、撮像機器は右手で把持することを前提としているため、グリップ装置は撮像機器の本体部31の右側面に設けられている。グリップ本体部32の後部に、親指と人差し指で挟持するための凸部33が右方向に突出するかたちで設けられている。グリップベルト36は、その一端が凸部33の先端部に、他端がグリップ本体部32の前部に接続されている。また、グリップベルト36は長さ調整が可能である。使用者はグリップベルト36とグリップ本体部32との間に右の手のひらを通し、グリップベルト36の長さを調整して手のひらがグリップ本体部32に密着するようにし、親指と人差し指で凸部33を挟持することで撮像機器を把持する。グリップ本体部32、特に凸部33周辺の形状はフラットな形状となっており、グリップ性能の確保は、主にグリップベルト36を締めることにより確保されるものであった。
【特許文献1】特開2006−317911号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の撮像機器のグリップ装置は、主にグリップベルトを締めることによりグリップ性能を確保しているため、比較的重い撮像機器、或いは撮像機器の重心位置がグリップ部から比較的遠い位置にある場合、手の甲がグリップベルトにより圧迫され撮像機器を長時間把持することが困難となるという問題があった。
【0005】
本発明は、前述した問題点を克服し、手への負担軽減を図り長時間撮影を可能とする撮像機器のグリップ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するために本発明の撮像機器のグリップ装置は、グリップ本体部と、グリップ本体部の左上方に設けられ、手前方向に突出した凸部と、凸部の右方に設けられた縦方向の溝状の第2の窪み部と、凸部および第2の窪み部の下方に設けられた第2の窪み部よりも深い第1の窪み部と、を備えた構成としたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の撮像機器のグリップ装置によれば、撮像機器の本体部に配置されたグリップを把持する際、凸部の直下にある深い第1の窪みに手のひらを回り込ませることが出来、手のひら全体に密着させて撮像機器の本体を把持することが出来るため、比較的重い撮像機器、或いは撮像機器の重心位置がグリップ部から比較的遠い位置にある場合でも、手の甲がベルトにより圧迫されることなく撮像機器を長時間把持することが出来る極めて高いグリップ性能を実現することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0009】
図1は、本発明の一実施の形態による撮像機器のグリップ装置を示す斜視図である。また図2は、本発明の一実施の形態による撮像機器のグリップ装置を示す要部外観図を示している。なお、以下の説明においては、撮像機器の向きに基づいて方向の記載を行っている。すなわち、撮像機器の光軸上の被写体の方向が前方であり、側面部のうち本発明のグリップ装置が設けられる側が右側面部となる。
【0010】
図1において、本体部1の右側面部に設けられたグリップ本体部2の後部に、親指と人差し指で挟持するための凸部3が右方向に突出するかたちで設けられている。グリップベルト6は、その一端が凸部3の先端部に、他端がグリップ本体部2の前部に接続されている。また、グリップベルト6は長さ調整が可能である。
【0011】
グリップ本体部2のうち凸部3に隣接する前方には、縦方向に浅い溝状の第2の窪み部5が設けられている。また、凸部3および第2の窪み部5の下方に、第2の窪み部5よりも深い略球状の第1の窪み部4が設けられている。
【0012】
なお、図2に示すように視点を変えてグリップ本体部2を右側面から見た場合、凸部3はグリップ本体部2の左上方に設けられ、手前方向に突出していることになる。また、グリップベルト6は凸部3からグリップ本体部2の右下方にかけて右下がりに設けられていることになる。また第1の窪み部4は、グリップ本体部2の左下方に設けられていることになる。
【0013】
使用者が撮像機器を把持する際にはまず、グリップベルト6とグリップ本体部2との間に右の手のひらを通し、人差し指8を第2の窪み部5に沿わせると共に、親指7の付け根9を第1の窪み部4に沿わせる。グリップベルト6の長さを調整して手のひらがグリップ本体部2に密着するようにし、親指と人差し指で凸部3を挟持することで撮像機器を把持する。凸部3の前方の、人差し指8が位置する第2の窪み部5が窪んでいること、および、凸部3下方の親指7の付け根9に位置する第1の窪み部4が、第2の窪み部5よりさらに深く窪んでいることにより、撮像装置の横幅を拡張することなく、凸部3の周囲を親指および人差し指で従来の構成よりも深く挟持することができる。また、凸部3、ひいてはグリップ本体部2を親指7の付け根9で下方から支えることが容易となる。したがって、グリップベルト6への依存度を減らしつつ確実にグリップ装置を把持することができるため、手の甲がグリップベルトに圧迫されることがなく、手への負担を軽減し、撮像機器を長時間把持することが可能となる。
【0014】
なお、本実施の形態ではグリップベルトを用いてグリップ装置に手のひらを固定する構成を説明したが、グリップ本体部の上方に、人差し指〜小指のすべてまたはいずれかの先端を曲げてひっかけることができるような手掛かり部を設けてもよい。このようにすることにより、グリップベルトなしでもグリップ装置を把持することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明の撮像機器のグリップ装置は、手への負担軽減を図り長時間撮影が可能となるため、業務用の可搬型ビデオカメラレコーダのグリップ装置としても有用である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態による撮像機器のグリップ装置を示す斜視図
【図2】本発明の一実施の形態による撮像機器のグリップ装置を示す要部外観図
【図3】従来の撮像機器のグリップ装置を示す斜視図
【符号の説明】
【0017】
1 撮像機器の本体部
2 グリップ本体部
3 凸部
4 第1の窪み部
5 第2の窪み部
6 グリップベルト
7 親指
8 人差し指
9 親指の付け根

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像機器を把持するためのグリップ装置であって、
グリップ本体部と、
前記グリップ本体部の左上方に設けられ、手前方向に突出した凸部と、
前記凸部の右方に設けられた縦方向の溝状の第2の窪み部と、
前記凸部および前記第2の窪み部の下方に設けられた前記第2の窪み部よりも深い第1の窪み部と、を備えた撮像機器のグリップ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−251567(P2009−251567A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−103349(P2008−103349)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】