撮像装置、その制御方法及びプログラム
【課題】検出スイッチがなくても補正テーブルを切り替えるとともに、リアルタイム処理に適用したとしても補正精度を低下させずに光学補正を行う。
【解決手段】色収差補正量算出部106は、撮像素子103より出力される画像データに基づいて補正情報を算出する。色収差補正量選択部109は、予め設定される光学系101の複数の状態に対応する複数の補正情報と、色収差補正量算出部106により算出された補正情報とを比較する。そして色収差補正量選択部109は、その比較結果に基づいて、予め設定される複数の補正情報から画像データを補正する際に使用する補正情報を選択する。
【解決手段】色収差補正量算出部106は、撮像素子103より出力される画像データに基づいて補正情報を算出する。色収差補正量選択部109は、予め設定される光学系101の複数の状態に対応する複数の補正情報と、色収差補正量算出部106により算出された補正情報とを比較する。そして色収差補正量選択部109は、その比較結果に基づいて、予め設定される複数の補正情報から画像データを補正する際に使用する補正情報を選択する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補正テーブルを用いた光学補正を行う技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、レンズの収差は、ワイドコンバージョンレンズ、テレコンバージョンレンズ等のレンズオプションの装着によって、同じ焦点距離、絞り、フォーカス位置であったとしても大きく変わる。そのため、特許文献1には、ワイドコンバージョンレンズ等の装着を検出する検出スイッチを搭載し、ワイドコンバージョンレンズ等の装着が検出された場合には補正テーブルを切り替える、又は手動で補正値を生成する技術が開示されている。
【0003】
一方、特許文献2、3には、上記のような補正テーブルが不要な技術が開示されている。即ち、特許文献2に開示される技術は、ある補正量を用いて補正対象色信号の補正を行い、基準色信号と補正対象色信号との差分を抽出し、一通り差分を抽出し終えたら、差分が最小となるときの補正結果を採用するものである。また、特許文献3に開示される技術は、画像データを絵柄毎に領域に分割し、それぞれの領域の濃度変化が画像データの中心より周辺方向へ向けて濃度が低下する際には、その濃度変化に応じた補正を行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−163426号公報
【特許文献2】特開2002−344078号公報
【特許文献3】特開平11−261822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術には、以下のような問題点があった。即ち、特許文献1に開示される技術は、検出スイッチが必須の構成であり、装置のコストアップ及び大型化につながってしまうという問題点がある。また、ワイドコンバージョンレンズ等の装着が検出されたとしても、それに対応する補正テーブルがなければ補正できないという問題点もある。
【0006】
また、特許文献2に開示される技術は、候補となる補正量を用いて全ての差分を抽出してから補正量を決定するには多大な時間が必要である。従って、リアルタイム処理に適用するためには、候補となる補正量を減らして短時間で完了させるため、補正精度が低下するという問題点がある。
【0007】
また、特許文献3に開示される技術は、領域分割数が増えるほど処理に時間がかかるため、リアルタイム処理に適用するためには分割数が制限され、補正精度が低下するという問題点がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、検出スイッチがなくても補正テーブルを切り替えるとともに、リアルタイム処理に適用したとしても補正精度を低下させずに光学補正を行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の撮像装置は、ズームレンズ、フォーカスレンズ及び絞りのうちの少なくとも何れか一つを含む光学系と、前記光学系によって投影された被写体像を撮像し、前記被写体像の画像データを出力する撮像手段と、前記撮像手段より出力される前記画像データに基づいて、前記画像データを補正するための補正情報を算出する算出手段と、予め設定される前記光学系の複数の状態に対応する複数の補正情報と、前記算出手段により算出された前記補正情報とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果に基づいて、予め設定される前記複数の補正情報から前記画像データを補正する際に使用する補正情報を選択する選択手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、検出スイッチがなくても補正テーブルを切り替えることができるとともに、リアルタイム処理に適用したとしても補正精度を低下させずに光学補正を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における色収差補正量算出部の処理を示すフローチャートである。
【図3】画像データに対して設定される評価領域の例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における色収差補正量選択部の構成を示す図である。
【図5】色収差補正量算出部によって画像データから算出される色収差補正量の特性と、光学DBに保持されているレンズオプション装着時及びレンズオプション未装着時の色収差補正量の特性との例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る撮像装置の構成を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における色収差補正量選択部の構成を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における選択値決定部の処理を示すフローチャートである。
【図9】標準的な像高対補正量の形状を持つ色収差補正量を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施形態における色収差補正量選択部の構成を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施形態における比較部の処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る撮像装置の構成を示す図である。
【図13】本発明の第4の実施形態における光量落ち補正量算出部の処理を示すフローチャートである。
【図14】画像データに対して設定される評価領域の例を示す図である。
【図15】本発明の第4の実施形態における光量落ち補正量選択部の構成を示す図である。
【図16】本発明の第4の実施形態における色収差補正量選択部の構成を示す図である。
【図17】本発明の第4の実施形態における補正テーブル判断部の処理を示すフローチャートである。
【図18】レンズオプション装着時の補正量とレンズオプション未装着時の補正量との差分に応じた、レンズオプション装着、未装着の判断精度を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した好適な実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の構成を示す図である。以下では、倍率色収差補正を例に挙げて本発明の実施形態について説明するが、本発明は倍率色収差補正に限定されるものではなく、光学補正テーブルを用いて行うことが可能な光学補正の全てについて適用可能である。
【0014】
図1において、101は、ズームレンズ、フォーカスレンズ、絞りを含む光学系である。102は、光学系101を駆動する光学系駆動部である。103は撮像素子である。104は、撮像素子103を駆動する撮像素子駆動部である。105は、撮像素子103から出力される画像データを保持するメモリである。106は、光学中心からの距離を演算する像高演算部である。107は、画像データから色収差補正量を算出する色収差補正量算出部である。108は、予め像高及び光学パラメータ(焦点距離、絞り、フォーカス位置等)から算出された色収差補正量を保持する光学DB(データベース)であり、レンズオプション装着時の色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量とを保持している。109は、光学DB108に保持されている色収差補正量から、色収差補正に使用する色収差補正量を選択する色収差補正量選択部である。110は、色収差補正量選択部109によって選択された色収差補正量を用いて色収差補正を行う色収差補正部である。111は、光学系駆動部102、撮像素子駆動部104及び像高演算部106を制御するシステム制御部である。また、システム制御部111は、レンズオプション装着時の色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量とを光学DB108から読み出し、色収差補正量選択部109に対して出力する。
【0015】
次に、本実施形態に係る撮像装置の撮影動作について説明する。光学系駆動部102は、システム制御部111からの制御信号に基づいて光学系101(絞り、レンズ等)を駆動する。光学系101は、適切な明るさに設定された被写体像を撮像素子103上に投影させる。撮像素子駆動部104は、システム制御部111からの制御信号に基づいて撮像素子103を駆動する。撮像素子103は、被写体像を光電変換により電気信号に変換して画像データとして出力する。メモリ105は、撮像素子103から出力される画像データを1V期間保持し、色収差補正部110に対して出力する。像高演算部106は、撮像素子103から出力される画像データの着目画素の座標位置と光学中心の座標位置とから、例えば次の式に示す演算を行うことにより像高hgtを求め、色収差補正量算出部107に対して出力する。
【0016】
【数1】
【0017】
ここで、xadrは着目画素の水平方向の座標を示し、yadrは着目画素の垂直方向の座標を示す。また、Hcは光学中心の水平方向の座標を示し、Vcは光学中心の垂直方向の座標を示す。色収差補正量算出部107は、像高演算部106によって求められた像高hgtに基づいて色収差補正量を算出し、色収差補正量選択部109に対して出力する。
【0018】
図2は、第1の実施形態における色収差補正量算出部107の処理を示すフローチャートである。ステップS201において、色収差補正量算出部107は、撮像素子103から出力された画像データに対して評価領域を設定し、メモリ105から当該評価領域の画像データを読み出す。図3は、画像データ301に対して設定される評価領域の例を示す図である。図3の例では、斜線部分が評価領域であり、画像データ301の中心から周辺にかけて複数の評価領域が設定される。ステップS202において、色収差補正量算出部107は、予め記憶されている色収差補正量のセットから1つの色収差補正量を読み出す。ステップS203において、色収差補正量算出部107は、読み出した色収差補正量を用いて評価領域を補正する。ステップS204において、色収差補正量算出部107は、補正後の評価領域において、RとG、BとGのそれぞれの差分を抽出する。ステップS205において、色収差補正量算出部107は、予め記憶されている色収差補正量のセットに含まれる全ての色収差補正量について差分の抽出処理(ステップS204)を実行したか否かを判定する。全ての色収差補正量について差分の抽出処理を実行した場合、処理はステップS206に移行する。一方、全ての色収差補正量について差分の抽出処理を実行していない場合、処理はステップS202に戻る。ステップS206において、色収差補正量算出部107は、最小の差分に対応する色収差補正量を選択し、色収差補正量選択部109に対して出力する。
【0019】
色収差補正量選択部109は、色収差補正量算出部107によって算出された色収差補正量と、光学DB108に保持されている、現在の光学パラメータに対応したレンズオプション装着時の色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量とを取得する。そして色収差補正量選択部109は、光学DB108に保持されている、レンズオプション装着時の色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量とから、色収差補正に使用する色収差補正量を選択して色収差補正部110に対して出力する。色収差補正部110は、色収差補正量選択部109によって選択された色収差補正量に基づいて画像データの色収差を補正する。
【0020】
次に、図4を参照しながら、第1の実施形態における色収差補正量選択部109の構成について詳細に説明する。図4は、第1の実施形態における色収差補正量選択部109の構成を示す図である。
【0021】
図4において、LoCorはレンズオプション装着時の色収差補正量、noLoCorはレンズオプション未装着時の色収差補正量である。また、1091は、色収差補正量算出部107によって画像データから算出された色収差補正量と光学DB108から読み出されたレンズオプション装着時の色収差補正量との差分を抽出する差分抽出部である。1092は、色収差補正量算出部107によって画像データから算出された色収差補正量と光学DB108から読み出されたレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分を抽出する差分抽出部である。1093は、差分抽出部1091によって抽出された差分と差分抽出部1092によって抽出された差分とを比較する比較部である。比較部1093は、レンズオプション装着時の色収差補正量及びレンズオプション未装着時の色収差補正量のうち、画像データから算出された色収差補正量との差分が小さい方を判定結果として出力する。1094は、比較部1093から出力された判定結果に応じて、レンズオプション装着時の色収差補正量又はレンズオプション未装着時の色収差補正量を選択する選択部である。即ち、比較部1093から判定結果としてレンズオプション装着時の色収差補正量が出力された場合、選択部1094はレンズオプション装着時の色収差補正量を選択する。一方、比較部1093から判定結果としてレンズオプション未装着時の色収差補正量が出力された場合、選択部1094はレンズオプション未装着時の色収差補正量を選択する。
【0022】
図5は、色収差補正量算出部107によって画像データから算出される色収差補正量の特性503と、光学DB108に保持されているレンズオプション装着時及びレンズオプション未装着時の色収差補正量の特性501、502との例を示す図である。実線が色収差補正量算出部107によって画像データから算出される色収差補正量の特性503を示しており、2つの点線がレンズオプション装着時の色収差補正量の特性501とレンズオプション未装着時の色収差補正量の特性502とを示している。
【0023】
図5に示すように、レンズオプション装着時の色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量とでは、色収差補正量が点線のように異なってしまう場合がある。一方、画像データから算出される色収差補正量は、リアルタイム処理に適用するために精度を落としていたとしても、現在の画像データに現れている色収差の概要を知ることができる。そこで図4を用いて説明したように、本実施形態においては、画像データから算出される色収差補正量とレンズオプション装着時の色収差補正量との差分と、画像データから算出される色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分とを比較する。そして、画像データから算出される色収差補正量とレンズオプション装着時の色収差補正量との差分の方が小さければ、レンズオプションを装着していると判定する。一方、画像データから算出される色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分の方が小さければ、レンズオプションを装着していないと判定する。
【0024】
上述したように、第1の実施形態においては、画像データから算出される色収差補正量と、レンズオプション装着時及びレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分に基づいて、レンズオプションの装着、未装着を判定している。そして、第1の実施形態においては、レンズオプションの装着、未装着の判定結果に対応する補正テーブルを選択するようにしている。これにより、第1の実施形態によれば、検出スイッチがなくても補正テーブルを切り替えることができる。また、リアルタイム処理に適用したとしても補正精度を低下させずに光学補正を行うことができる。
【0025】
なお、他の実施形態として、画像データから算出される色収差補正量と、レンズオプション装着時及びレンズオプション未装着時の色収差補正量との相関係数を算出し、当該相関係数に基づいてレンズオプションの装着、未装着を判定するようにしてもよい。
【0026】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図6は、本発明の第2の実施形態に係る撮像装置の構成を示す図である。なお、上述した第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。第2の実施形態においては、メモリ605は、撮像素子103によって生成された画像データを入出力するだけでなく、色収差補正量選択部609から出力されたレンズオプションの装着、未装着に関する過去の判定結果も記憶する。そして、色収差補正量選択部609は、現在の判定結果と過去の判定結果とから最終的な判定結果を決定する。
【0027】
図6において、メモリ605は、撮像素子103から出力される画像データを1V期間保持し、色収差補正部110に対して出力する。また、メモリ605は、色収差補正量選択部609から出力される判定結果を複数期間分保持し、それらを色収差補正量選択部609に対して出力する。
【0028】
次に、図7を参照しながら、第2の実施形態における色収差補正量選択部609の構成について詳細に説明する。図7は、第2の実施形態における色収差補正量選択部609の構成を示す図である。
【0029】
図7において、6091は、色収差補正量算出部107によって画像データから算出された色収差補正量と、光学DB108から読み出されたレンズオプション装着時の色収差補正量との差分を抽出する差分抽出部である。6092は、色収差補正量算出部107によって画像データから算出された色収差補正量と、光学DB108から読み出されたレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分を抽出する差分抽出部である。6093は、差分抽出部6091によって抽出された差分と差分抽出部6092によって抽出された差分とを比較する比較部である。比較部6093は、レンズオプション装着時の色収差補正量及びレンズオプション未装着時の色収差補正量のうち、画像データから算出された色収差補正量との差分が小さい方を判定結果として選択値決定部6094及びメモリ605に対して出力する。6094は、比較部6093から出力された現在の判定結果と、メモリ605から読み出された複数の過去の判定結果とから、最終的な判定結果を決定し、選択部6095に対して出力する選択値決定部である。6095は、選択値決定部6094から出力された判定結果に応じて、レンズオプション装着時の色収差補正量又はレンズオプション未装着時の色収差補正量を選択する選択部である。即ち、比較部6093から判定結果としてレンズオプション装着時の色収差補正量が出力された場合、選択部6095はレンズオプション装着時の色収差補正量を選択する。一方、比較部6093から判定結果としてレンズオプション未装着時の色収差補正量が出力された場合、選択部6095はレンズオプション未装着時の色収差補正量を選択する。な、色収差補正量は、光学補正を行うための補正情報の一例である。
【0030】
次に、図8を参照しながら、第2の実施形態における選択値決定部6094の処理について説明する。図8は、第2の実施形態における選択値決定部6094の処理を示すフローチャートである。
【0031】
ステップS801において、選択値決定部6094は、比較部6093から現在の判定結果を入力する。ステップS802において、選択値決定部6094は、メモリ605から複数の過去の判定結果を入力する。ステップS803において、選択値決定部6094は、現在の判定結果と複数の過去の判定結果とから、同じ判定結果が所定回数以上得られたか否かを判定する。同じ判定結果が所定回数以上得られた場合、処理はステップS804に移行する。一方、同じ判定結果が所定の回数以上得られていない場合、処理はステップS805に移行する。ステップS804において、選択値決定部6094は、同じ判定結果が所定の回数以上得られていることから、ノイズ等による誤判定の可能性が低いものとして、現在の判定結果を最終的な判定結果として決定し、選択部6095に対して出力する。ステップS805において、選択値決定部6094は、同じ判定結果が所定の回数以上得られていないことから、ノイズ等による誤判定の可能性が高いものとして、1つ前の過去の判定結果を最終的な判定結果として決定し、選択部6095に対して出力する。
【0032】
以上のように、第2の実施形態においては、レンズオプションの装着、未装着に関する誤判定の可能性を判定し、その判定結果に応じてレンズオプションの装着、未装着を決定するようにしている。従って、第2の実施形態によれば、ノイズ等による誤判定の影響を低減することが可能となり、選択される補正テーブルが1V毎に切り替わることを防ぐことができる。
【0033】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態に係る撮像装置の構成は、図6に示した第2の実施形態に係る撮像装置の構成と同様であるが、色収差補正量選択部の構成が異なる。
【0034】
第3の実施形態においては、光学DB108は、レンズオプション装着時の色収差補正量及びレンズオプション未装着時の色収差補正量だけではなく、標準的な像高対補正量の形状を持った色収差補正量を保持する。これにより、予め想定していなかったレンズオプションが装着された場合のように、光学DB108に保持されているレンズオプション装着時やレンズオプション未装着時の色収差補正量と、画像データから算出された色収差補正量とがあまりにもかけ離れている場合でも、色収差を補正することができる。
【0035】
図9は、光学系101の複数の状態(レンズオプション装着、未装着)に共通な色収差補正量、即ち、標準的な像高対補正量の形状を持つ色収差補正量(以下、標準的な色収差補正量と称す)を示す図である。図9において、901は、像高が高くなるにつれて色収差補正量が指数関数のように増加していく形状を持つ色収差補正量を示している。902は、像高に応じて線形で色収差補正量が増加していく形状を持つ色収差補正量を示している。903は、像高50%程度の位置でピークを持つ山の形状を持つ色収差補正量を示している。904は、像高の比較的高い位置でピークを持つ山の形状を持った色収差補正量を示している。
【0036】
次に、図10を参照しながら、第3の実施形態における色収差補正量選択部1009について詳細に説明する。図10は、第3の実施形態における色収差補正量選択部1009の構成を示す図である。
【0037】
図10において、10091は、色収差補正量算出部107によって画像データから算出された色収差補正量と、光学DB108から読み出されたレンズオプション装着時の色収差補正量との差分を抽出する差分抽出部である。10092は、色収差補正量算出部107によって画像データから算出された色収差補正量と、光学DB108から読み出されたレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分を抽出する差分抽出部である。10096は、色収差補正量算出部107によって画像データから算出された色収差補正量と、光学DB108から読み出された標準的な色収差補正量との差分を抽出する差分抽出部である。10093は、差分抽出部10091によって抽出された差分と、差分抽出部10092によって抽出された差分と、差分抽出部10096によって抽出された差分とを比較する比較部である。比較部10093は、レンズオプション装着時の色収差補正量と、レンズオプション未装着時の色収差補正量と、標準的な色収差補正量とのうち、画像データから算出された色収差補正量との差分が最も小さい色収差補正量を判定結果として選択値決定部10094及びメモリ105に対して出力する。10094は、比較部10093から出力される現在の判定結果と、メモリ105に保持される複数の過去の判定結果とに基づいて、最終的な判定結果を決定し、選択部10095に対して出力する選択値決定部である。10095は、選択値決定部10094によって決定された判定結果に応じて、レンズオプション装着時の色収差補正量、レンズオプション未装着時の色収差補正量、又は、標準的な色収差補正量を選択する選択部である。即ち、選択値決定部10094から最終的な判定結果としてレンズオプション装着時の色収差補正量が出力された場合、選択部10095はレンズオプション装着時の色収差補正量を選択する。一方、選択値決定部10094から最終的な判定結果としてレンズオプション未装着時の色収差補正量が出力された場合、選択部10095はレンズオプション未装着時の色収差補正量を選択する。一方、選択値決定部10094から最終的な判定結果として標準的な色収差補正量が出力された場合、選択部10095は標準的な色収差補正量を選択する。
【0038】
次に、図11を参照しながら、第3の実施形態における比較部10093の処理について説明する。図11は、第3の実施形態における比較部10093の処理を示すフローチャートである。
【0039】
ステップS1101において、比較部10093は、画像データから算出された色収差補正量とレンズオプション装着時の色収差補正量との差分LoSubを差分抽出部10091から取得する。ステップS1102において、比較部10093は、画像データから算出された色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分noLoSubを差分抽出部10092から取得する。ステップS1103において、比較部10093は、画像データから算出された色収差補正量と標準的な色収差補正量との差分StdSubを差分抽出部10096から取得する。
【0040】
ステップS1104において、比較部10093は、差分LoSubが差分noLoSubより大きいか否かを判定する。差分LoSubが差分noLoSubより大きい場合、処理はステップS1105に移行する。一方、差分LoSubが差分noLoSub以下である場合、処理はステップS1108に移行する。
【0041】
ステップS1105において、比較部10093は、差分noLoSubが閾値Thより小さいか否かを判定する。差分noLoSubが閾値Thより小さい場合、比較部10093は、画像データから算出された色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分があったとしても、予め想定していなかったレンズオプションが装着されたわけではないものと判定する。そして、処理はステップS1106に移行する。一方、閾値noLoSubが閾値Th以上である場合、比較部10093は、予め想定していなかったレンズオプションが装着されたものと判定し、処理はステップS1107に移行する。
【0042】
ステップS1106において、比較部10093は、レンズオプション未装着時の色収差補正量を判定結果として選択値決定部10094及びメモリ105に対して出力する。ステップS1107において、比較部10093は、標準的な色収差補正量を判定結果として選択値決定部10094及びメモリ105に対して出力する。
【0043】
ステップS1108において、比較部10093は、差分LoSubが閾値Thより小さいか否かを判定する。差分LoSubが閾値Thより小さい場合、比較部10093は、画像データから算出された色収差補正量とレンズオプション装着時の色収差補正量との差分があったとしても、予め想定されていないレンズオプションが装着されたわけではないものと判定する。そして、処理はステップS1109に移行する。一方、差分LoSubが閾値Th以上である場合、比較部10093は、予め想定されていないレンズオプションが装着されたと判定し、処理はステップS1110に移行する。
【0044】
ステップS1109において、比較部10093は、レンズオプション装着時の色収差補正量を判定結果として選択値決定部10094及びメモリ105に対して出力する。ステップS1110において、比較部10093は、標準的な色収差補正量を判定結果として選択値決定部10094及びメモリ105に対して出力する。
【0045】
以上のように、第3の実施形態においては、標準的な色収差補正量を保持することにより、予め想定されていないレンズオプションが装着された場合でも色収差を補正することができる。また、画像データから算出された色収差補正量と標準的な色収差補正量との差分が最小となるように標準的な色収差補正量に係数を乗算することにより、標準的な色収差補正量のテーブル容量を抑えつつも、より精度の高い色収差補正を行うことができる。
【0046】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図12は、本発明の第4の実施形態に係る撮像装置の構成を示す図である。なお、上述した第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。第4の実施形態においては、複数の光学補正の結果を用いて補正テーブルの切り替えを判断するため、補正テーブルの切り替え精度を向上させている。
【0047】
図12において、1212は、画像データから周辺光量落ち補正量を算出する光量落ち補正量算出部である。1213は、光量落ち補正量算出部1212によって画像データから算出された周辺光量落ち補正量と、光学DB108から読み出された周辺光量落ち補正量とに基づいて、光量落ち補正に使用される周辺光量落ち補正量を選択する光量落ち補正量選択部である。1214は、光量落ち補正量選択部1213によって選択された周辺光量落ち補正量を用いて光量落ち補正を行う色収差補正部である。1215は、光量落ち補正量選択部1213によって選択された周辺光量落ち補正量と、レンズオプション装着時やレンズオプション未装着時の周辺光量落ち補正量との差分と、色収差補正量選択部1209によって選択された色収差補正量と、レンズオプション装着時やレンズオプション未装着時の補正量との差分とに基づいて、補正テーブルの切り替えを判定する補正テーブル判断部である。
【0048】
次に、図13を参照しながら、第4の実施形態における光量落ち補正量算出部1212の処理について説明する。図13は、第4の実施形態における光量落ち補正量算出部1212の処理を示すフローチャートである。
【0049】
ステップS1301において、光量落ち補正量算出部1212は、撮像素子103から出力された画像データに対して評価領域を設定し、メモリ105から当該評価領域の画像データを読み出す。図14は、画像データ1401に対して設定される評価領域の例を示す図である。図14の例では、斜線部分が評価領域であり、画像データ1401の中心から周辺にかけて複数の評価領域が設定される。ここで、評価領域が同じ絵柄であれば、各評価領域の画素値もほぼ同じ値を示す。また、周辺光量落ちは光軸中心より周辺に向かうにつれて光量が低下する現象であり、周辺部が最も低下する。そこで、ステップS1302において、光量落ち補正量算出部1212は、画像データの中心の評価領域(h11)と、画像データの周辺部に向かう評価領域(例えば、h6、h3、h0)とを、光量が最も低下する周辺部の評価領域(例えばh0)を基準として同じ絵柄かどうかを分類する。ステップS1303において、光量落ち補正量算出部1212は、分類結果に基づいて、周辺光量落ち補正量を算出する評価領域を選択する。ステップS1304において、光量落ち補正量算出部1212は、それぞれの評価領域内の画素値を積算し、例えば次の式に示す演算によって周辺光量落ち補正量を算出し、光量落ち補正量選択部1213に対して出力する。
【0050】
【数2】
【0051】
ここで、Rh0、Gh0、Bh0は、評価領域h0内のRGBそれぞれの積算値を示している。Rh11、Gh11、Bh11は、評価領域h11内のRGBそれぞれの積算値を示している。CorR0、CorG0、CorB0は、評価領域h0内のRGBそれぞれの補正量を示している。
【0052】
次に、図15を参照しながら、第4の実施形態における光量落ち補正量選択部1213について説明する。図15は、第4の実施形態における光量落ち補正量選択部1213の構成を示す図である。
【0053】
図15において、12131は、光量落ち補正量算出部1212によって画像データから算出された周辺光量落ち補正量と、光学DB108から読み出されたレンズオプション装着時の周辺光量落ち補正量との差分を抽出する差分抽出部である。12132は、光量落ち補正量算出部1212によって画像データから算出された周辺光量落ち補正量と、光学DB108から読み出されたレンズオプション未装着時の周辺光量落ち補正量との差分を抽出する差分抽出部である。12133は、レンズオプション装着時の周辺光量落ち補正量と、レンズオプション未装着時の周辺光量落ち補正量との差分を抽出する差分抽出部である。12134は、差分抽出部12131によって抽出された差分と差分抽出部12132によって抽出された差分とを比較する比較部である。比較部12134は、レンズオプション装着時の周辺光量落ち補正量及びレンズオプション未装着時の周辺光量落ち補正量のうち、画像データから算出された周辺光量落ち補正量との差分が小さい方を判定結果として補正テーブル判断部1215に対して出力する。12135は、補正テーブル判断部1215から出力される判定結果に応じて、レンズオプション装着時の周辺光量落ち補正量又はレンズオプション未装着時の周辺光量落ち補正量を選択する選択部である。なお、差分抽出部12133によって抽出されたレンズオプション装着時の周辺光量落ち補正量とレンズオプション未装着時の周辺光量落ち補正量との差分は、補正テーブル判断部1215に対して出力される。
【0054】
次に、図16を参照しながら、第4の実施形態における色収差補正量選択部1209について説明する。図16は、第4の実施形態における色収差補正量選択部1209の構成を示す図である。
【0055】
図16において、12091は、色収差補正量算出部107によって画像データから算出された色収差補正量と、光学DB108から読み出されたレンズオプション装着時の色収差補正量との差分を抽出する差分抽出部である。12092は、色収差補正量算出部107によって画像データから算出された色収差補正量と、光学DB108から読み出されたレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分を抽出する差分抽出部である。12093は、レンズオプション装着時の色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分を抽出する差分抽出部である。12094は、差分抽出部12091によって抽出された差分と差分抽出部12092によって抽出された差分とを比較する比較部である。比較部12094は、レンズオプション装着時の色収差補正量及びレンズオプション未装着時の色収差補正量のうち、画像データから算出された色収差補正量との差分が小さい方を判定結果として補正テーブル判断部1215に対して出力する。12095は、補正テーブル判断部1215から出力される判定結果に応じて、レンズオプション装着時の色収差補正量又はレンズオプション未装着時の色収差補正量を選択する選択部である。なお、差分抽出部12093によって抽出されたレンズオプション装着時の色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分は、補正テーブル判断部1215に対して出力される。
【0056】
次に、図17を参照しながら、第4の実施形態における補正テーブル判断部1215の処理について説明する。図17は、第4の実施形態における補正テーブル判断部1215の処理を示すフローチャートである。
【0057】
ステップS1701において、補正テーブル判断部1215は、光量落ち補正量選択部1213の比較部12134から出力された判定結果と、レンズオプション装着時の周辺光量落ち補正量とレンズオプション未装着時の周辺光量落ち補正量との差分とを取得する。なお、レンズオプション装着時の周辺光量落ち補正量とレンズオプション未装着時の周辺光量落ち補正量との差分は、光量落ち補正量選択部1213の差分抽出部12133から出力される情報である。ステップS1702において、補正テーブル判断部1215は、色収差補正量選択部1209の比較部12094から出力された判定結果と、レンズオプション装着時の色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分とを取得する。なお、レンズオプション装着時の色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分は、色収差補正量選択部1209の差分抽出部12093から出力される情報である。
【0058】
ステップS1703において、補正テーブル判断部1215は、光量落ち補正量選択部1213から出力された判定結果がレンズオプション装着時の周辺光量落ち補正量であるか否かを判定する。判定結果がレンズオプション装着時の周辺光量落ち補正量である場合、処理はステップS1704に移行する。一方、判定結果がレンズオプション未装着時の周辺光量落ち補正量である場合、処理はステップS1709に移行する。
【0059】
ステップS1704において、補正テーブル判断部1215は、色収差補正量選択部1209から出力された判定結果がレンズオプション装着時の色収差補正量であるか否かを判定する。判定結果がレンズオプション装着時の色収差補正量である場合、処理はステップS1705に移行する。一方、判定結果がレンズオプション未装着時の色収差補正量である場合、処理はステップS1706に移行する。
【0060】
ステップS1704からS1705に移行した場合、ステップS1703及びステップS1704の判定結果が何れもレンズオプション装着側で一致している。従って、ステップS1705において、補正テーブル判断部1215は、レンズオプションを装着していると判定し、その判定結果を光量落ち補正量選択部1213及び色収差補正量選択部1209に対して出力する。
【0061】
一方、ステップS1704からS1706に移行した場合、ステップS1703の判定結果とステップS1704の判定結果とが異なっている。従って、補正テーブル判断部1215は、レンズオプション装着時の色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分と、レンズオプション装着時の周辺光量落ち補正量とレンズオプション未装着時の周辺光量落ち補正量との差分とに基づいて、レンズオプションの装着、未装着を判定する。
【0062】
ここで、画像データから算出された補正量(周辺光量落ち補正量、色収差補正量)よりレンズオプションの装着、未装着を判断する場合、レンズオプション装着時の補正量とレンズオプション未装着時の補正量との差分が大きい方が、精度が高い。図18の1802に示すように、画像データから算出された補正量は精度が低いため、レンズオプション装着時の補正量とレンズオプション未装着時の補正量との差分が小さい場合、レンズオプション装着、未装着の判定を誤りやすい。一方、図18の1801に示すように、レンズオプション装着時の補正量とレンズオプション未装着時の補正量との差分が大きい場合、画像データから算出された補正量の精度が低い場合でも、レンズオプション装着、未装着の判定を誤りにくい。そこで、ステップS1706において、補正テーブル判断部1215は、レンズオプション装着時の周辺光量落ち補正量とレンズオプション未装着時の周辺光量落ち補正量との差分と、レンズオプション装着時の色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分とを比較する。そして、周辺光量落ち補正量の差分の方が大きい場合、処理はステップS1707に移行する。一方、色収差補正量の差分の方が大きい場合、処理はステップS1708に移行する。ステップS1707において、補正テーブル判断部1215は、周辺光量落ち補正量の差分の方が大きく、周辺光量落ち補正量についての判断結果の方が精度が高いものとして、レンズオプションを装着していると判定する。そして補正テーブル判断部1215は、その判定結果を光量落ち補正量選択部1213及び色収差補正量選択部1209に対して出力する。ステップS1708において、補正テーブル判断部1215は、色収差補正量の差分の方が大きく、色収差補正量についての判断結果の方が精度が高いものとして、レンズオプションを装着していないと判定する。そして補正テーブル判断部1215は、その判定結果を光量落ち補正量選択部1213及び色収差補正量選択部1209に対して出力する。
【0063】
ステップS1709において、補正テーブル判断部1215は、色収差補正量選択部1209から出力された判定結果がレンズオプション装着時の色収差補正量であるか否かを判定する。判定結果がレンズオプション装着時の色収差補正量である場合、処理はステップS1711に移行する。一方、判定結果がレンズオプション未装着時の色収差補正量である場合、処理はステップS1710に移行する。
【0064】
ステップS1709からS1711に移行した場合、ステップS1703の判定結果とステップS1709との判定結果とが異なっている。従って、補正テーブル判断部1215は、レンズオプション装着時の色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分と、レンズオプション装着時の周辺光量落ち補正量とレンズオプション未装着時の周辺光量落ち補正量との差分とに基づいて、レンズオプションの装着、未装着を判定する。即ち、補正テーブル判断部1215は、レンズオプション装着時の周辺光量落ち補正量とレンズオプション未装着時の周辺光量落ち補正量との差分と、レンズオプション装着時の色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分とを比較する。そして、周辺光量落ち補正量の差分の方が大きい場合、処理はステップS1712に移行する。一方、色収差補正量の差分の方が大きい場合、処理はステップS1713に移行する。
【0065】
ステップS1712において、補正テーブル判断部1215は、周辺光量落ち補正量の差分の方が大きく、周辺光量落ち補正量についての判断結果の方が精度が高いものとして、レンズオプションを装着していないと判定する。そして補正テーブル判断部1215は、その判定結果を光量落ち補正量選択部1213及び色収差補正量選択部1209に対して出力する。ステップS1713において、補正テーブル判断部1215は、色収差補正量の差分の方が大きく、色収差補正量についての判断結果の方が精度が高いものとして、レンズオプションを装着していると判定する。そして補正テーブル判断部1215は、その判定結果を光量落ち補正量選択部1213及び色収差補正量選択部1209に対して出力する。
【0066】
ステップS1709からS1710に移行した場合、ステップS1703及びステップS1709の判定結果が何れもレンズオプション未装着側で一致している。従って、ステップS1710において、補正テーブル判断部1215は、レンズオプションを装着していないと判定し、その判定結果を光量落ち補正量選択部1213及び色収差補正量選択部1209に対して出力する。
【0067】
以上のように、第4の実施形態においては、複数の光学補正の結果を比較し、結果が異なった場合には、精度の高い方の判断結果を用いることにより、補正テーブルの切り替え精度を向上させることができる。なお、本実施形態では、色収差補正と周辺光量落ち補正との2つの光学補正を用いているが、歪曲収差補正のための補正テーブルを用いて光学補正を行うものにも適用可能である。また、光学補正の数は2つに限定するものではなく、3つ以上の光学補正の判断結果を使用してもよい。
【0068】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0069】
101:光学系、102:光学系駆動部、103:撮像素子、104:撮像素子駆動部、105:メモリ、106:像高演算部、107、色収差補正量算出部、108:光学DB、109、609、1209:色収差補正量選択部、110:色収差補正部、111:システム制御部、1212:光量落ち補正量算出部、1213:光量落ち補正量選択部、1214:光量落ち補正部、1215:補正テーブル判断部
【技術分野】
【0001】
本発明は、補正テーブルを用いた光学補正を行う技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、レンズの収差は、ワイドコンバージョンレンズ、テレコンバージョンレンズ等のレンズオプションの装着によって、同じ焦点距離、絞り、フォーカス位置であったとしても大きく変わる。そのため、特許文献1には、ワイドコンバージョンレンズ等の装着を検出する検出スイッチを搭載し、ワイドコンバージョンレンズ等の装着が検出された場合には補正テーブルを切り替える、又は手動で補正値を生成する技術が開示されている。
【0003】
一方、特許文献2、3には、上記のような補正テーブルが不要な技術が開示されている。即ち、特許文献2に開示される技術は、ある補正量を用いて補正対象色信号の補正を行い、基準色信号と補正対象色信号との差分を抽出し、一通り差分を抽出し終えたら、差分が最小となるときの補正結果を採用するものである。また、特許文献3に開示される技術は、画像データを絵柄毎に領域に分割し、それぞれの領域の濃度変化が画像データの中心より周辺方向へ向けて濃度が低下する際には、その濃度変化に応じた補正を行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−163426号公報
【特許文献2】特開2002−344078号公報
【特許文献3】特開平11−261822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術には、以下のような問題点があった。即ち、特許文献1に開示される技術は、検出スイッチが必須の構成であり、装置のコストアップ及び大型化につながってしまうという問題点がある。また、ワイドコンバージョンレンズ等の装着が検出されたとしても、それに対応する補正テーブルがなければ補正できないという問題点もある。
【0006】
また、特許文献2に開示される技術は、候補となる補正量を用いて全ての差分を抽出してから補正量を決定するには多大な時間が必要である。従って、リアルタイム処理に適用するためには、候補となる補正量を減らして短時間で完了させるため、補正精度が低下するという問題点がある。
【0007】
また、特許文献3に開示される技術は、領域分割数が増えるほど処理に時間がかかるため、リアルタイム処理に適用するためには分割数が制限され、補正精度が低下するという問題点がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、検出スイッチがなくても補正テーブルを切り替えるとともに、リアルタイム処理に適用したとしても補正精度を低下させずに光学補正を行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の撮像装置は、ズームレンズ、フォーカスレンズ及び絞りのうちの少なくとも何れか一つを含む光学系と、前記光学系によって投影された被写体像を撮像し、前記被写体像の画像データを出力する撮像手段と、前記撮像手段より出力される前記画像データに基づいて、前記画像データを補正するための補正情報を算出する算出手段と、予め設定される前記光学系の複数の状態に対応する複数の補正情報と、前記算出手段により算出された前記補正情報とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果に基づいて、予め設定される前記複数の補正情報から前記画像データを補正する際に使用する補正情報を選択する選択手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、検出スイッチがなくても補正テーブルを切り替えることができるとともに、リアルタイム処理に適用したとしても補正精度を低下させずに光学補正を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における色収差補正量算出部の処理を示すフローチャートである。
【図3】画像データに対して設定される評価領域の例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における色収差補正量選択部の構成を示す図である。
【図5】色収差補正量算出部によって画像データから算出される色収差補正量の特性と、光学DBに保持されているレンズオプション装着時及びレンズオプション未装着時の色収差補正量の特性との例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る撮像装置の構成を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における色収差補正量選択部の構成を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における選択値決定部の処理を示すフローチャートである。
【図9】標準的な像高対補正量の形状を持つ色収差補正量を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施形態における色収差補正量選択部の構成を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施形態における比較部の処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る撮像装置の構成を示す図である。
【図13】本発明の第4の実施形態における光量落ち補正量算出部の処理を示すフローチャートである。
【図14】画像データに対して設定される評価領域の例を示す図である。
【図15】本発明の第4の実施形態における光量落ち補正量選択部の構成を示す図である。
【図16】本発明の第4の実施形態における色収差補正量選択部の構成を示す図である。
【図17】本発明の第4の実施形態における補正テーブル判断部の処理を示すフローチャートである。
【図18】レンズオプション装着時の補正量とレンズオプション未装着時の補正量との差分に応じた、レンズオプション装着、未装着の判断精度を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した好適な実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の構成を示す図である。以下では、倍率色収差補正を例に挙げて本発明の実施形態について説明するが、本発明は倍率色収差補正に限定されるものではなく、光学補正テーブルを用いて行うことが可能な光学補正の全てについて適用可能である。
【0014】
図1において、101は、ズームレンズ、フォーカスレンズ、絞りを含む光学系である。102は、光学系101を駆動する光学系駆動部である。103は撮像素子である。104は、撮像素子103を駆動する撮像素子駆動部である。105は、撮像素子103から出力される画像データを保持するメモリである。106は、光学中心からの距離を演算する像高演算部である。107は、画像データから色収差補正量を算出する色収差補正量算出部である。108は、予め像高及び光学パラメータ(焦点距離、絞り、フォーカス位置等)から算出された色収差補正量を保持する光学DB(データベース)であり、レンズオプション装着時の色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量とを保持している。109は、光学DB108に保持されている色収差補正量から、色収差補正に使用する色収差補正量を選択する色収差補正量選択部である。110は、色収差補正量選択部109によって選択された色収差補正量を用いて色収差補正を行う色収差補正部である。111は、光学系駆動部102、撮像素子駆動部104及び像高演算部106を制御するシステム制御部である。また、システム制御部111は、レンズオプション装着時の色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量とを光学DB108から読み出し、色収差補正量選択部109に対して出力する。
【0015】
次に、本実施形態に係る撮像装置の撮影動作について説明する。光学系駆動部102は、システム制御部111からの制御信号に基づいて光学系101(絞り、レンズ等)を駆動する。光学系101は、適切な明るさに設定された被写体像を撮像素子103上に投影させる。撮像素子駆動部104は、システム制御部111からの制御信号に基づいて撮像素子103を駆動する。撮像素子103は、被写体像を光電変換により電気信号に変換して画像データとして出力する。メモリ105は、撮像素子103から出力される画像データを1V期間保持し、色収差補正部110に対して出力する。像高演算部106は、撮像素子103から出力される画像データの着目画素の座標位置と光学中心の座標位置とから、例えば次の式に示す演算を行うことにより像高hgtを求め、色収差補正量算出部107に対して出力する。
【0016】
【数1】
【0017】
ここで、xadrは着目画素の水平方向の座標を示し、yadrは着目画素の垂直方向の座標を示す。また、Hcは光学中心の水平方向の座標を示し、Vcは光学中心の垂直方向の座標を示す。色収差補正量算出部107は、像高演算部106によって求められた像高hgtに基づいて色収差補正量を算出し、色収差補正量選択部109に対して出力する。
【0018】
図2は、第1の実施形態における色収差補正量算出部107の処理を示すフローチャートである。ステップS201において、色収差補正量算出部107は、撮像素子103から出力された画像データに対して評価領域を設定し、メモリ105から当該評価領域の画像データを読み出す。図3は、画像データ301に対して設定される評価領域の例を示す図である。図3の例では、斜線部分が評価領域であり、画像データ301の中心から周辺にかけて複数の評価領域が設定される。ステップS202において、色収差補正量算出部107は、予め記憶されている色収差補正量のセットから1つの色収差補正量を読み出す。ステップS203において、色収差補正量算出部107は、読み出した色収差補正量を用いて評価領域を補正する。ステップS204において、色収差補正量算出部107は、補正後の評価領域において、RとG、BとGのそれぞれの差分を抽出する。ステップS205において、色収差補正量算出部107は、予め記憶されている色収差補正量のセットに含まれる全ての色収差補正量について差分の抽出処理(ステップS204)を実行したか否かを判定する。全ての色収差補正量について差分の抽出処理を実行した場合、処理はステップS206に移行する。一方、全ての色収差補正量について差分の抽出処理を実行していない場合、処理はステップS202に戻る。ステップS206において、色収差補正量算出部107は、最小の差分に対応する色収差補正量を選択し、色収差補正量選択部109に対して出力する。
【0019】
色収差補正量選択部109は、色収差補正量算出部107によって算出された色収差補正量と、光学DB108に保持されている、現在の光学パラメータに対応したレンズオプション装着時の色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量とを取得する。そして色収差補正量選択部109は、光学DB108に保持されている、レンズオプション装着時の色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量とから、色収差補正に使用する色収差補正量を選択して色収差補正部110に対して出力する。色収差補正部110は、色収差補正量選択部109によって選択された色収差補正量に基づいて画像データの色収差を補正する。
【0020】
次に、図4を参照しながら、第1の実施形態における色収差補正量選択部109の構成について詳細に説明する。図4は、第1の実施形態における色収差補正量選択部109の構成を示す図である。
【0021】
図4において、LoCorはレンズオプション装着時の色収差補正量、noLoCorはレンズオプション未装着時の色収差補正量である。また、1091は、色収差補正量算出部107によって画像データから算出された色収差補正量と光学DB108から読み出されたレンズオプション装着時の色収差補正量との差分を抽出する差分抽出部である。1092は、色収差補正量算出部107によって画像データから算出された色収差補正量と光学DB108から読み出されたレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分を抽出する差分抽出部である。1093は、差分抽出部1091によって抽出された差分と差分抽出部1092によって抽出された差分とを比較する比較部である。比較部1093は、レンズオプション装着時の色収差補正量及びレンズオプション未装着時の色収差補正量のうち、画像データから算出された色収差補正量との差分が小さい方を判定結果として出力する。1094は、比較部1093から出力された判定結果に応じて、レンズオプション装着時の色収差補正量又はレンズオプション未装着時の色収差補正量を選択する選択部である。即ち、比較部1093から判定結果としてレンズオプション装着時の色収差補正量が出力された場合、選択部1094はレンズオプション装着時の色収差補正量を選択する。一方、比較部1093から判定結果としてレンズオプション未装着時の色収差補正量が出力された場合、選択部1094はレンズオプション未装着時の色収差補正量を選択する。
【0022】
図5は、色収差補正量算出部107によって画像データから算出される色収差補正量の特性503と、光学DB108に保持されているレンズオプション装着時及びレンズオプション未装着時の色収差補正量の特性501、502との例を示す図である。実線が色収差補正量算出部107によって画像データから算出される色収差補正量の特性503を示しており、2つの点線がレンズオプション装着時の色収差補正量の特性501とレンズオプション未装着時の色収差補正量の特性502とを示している。
【0023】
図5に示すように、レンズオプション装着時の色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量とでは、色収差補正量が点線のように異なってしまう場合がある。一方、画像データから算出される色収差補正量は、リアルタイム処理に適用するために精度を落としていたとしても、現在の画像データに現れている色収差の概要を知ることができる。そこで図4を用いて説明したように、本実施形態においては、画像データから算出される色収差補正量とレンズオプション装着時の色収差補正量との差分と、画像データから算出される色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分とを比較する。そして、画像データから算出される色収差補正量とレンズオプション装着時の色収差補正量との差分の方が小さければ、レンズオプションを装着していると判定する。一方、画像データから算出される色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分の方が小さければ、レンズオプションを装着していないと判定する。
【0024】
上述したように、第1の実施形態においては、画像データから算出される色収差補正量と、レンズオプション装着時及びレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分に基づいて、レンズオプションの装着、未装着を判定している。そして、第1の実施形態においては、レンズオプションの装着、未装着の判定結果に対応する補正テーブルを選択するようにしている。これにより、第1の実施形態によれば、検出スイッチがなくても補正テーブルを切り替えることができる。また、リアルタイム処理に適用したとしても補正精度を低下させずに光学補正を行うことができる。
【0025】
なお、他の実施形態として、画像データから算出される色収差補正量と、レンズオプション装着時及びレンズオプション未装着時の色収差補正量との相関係数を算出し、当該相関係数に基づいてレンズオプションの装着、未装着を判定するようにしてもよい。
【0026】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図6は、本発明の第2の実施形態に係る撮像装置の構成を示す図である。なお、上述した第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。第2の実施形態においては、メモリ605は、撮像素子103によって生成された画像データを入出力するだけでなく、色収差補正量選択部609から出力されたレンズオプションの装着、未装着に関する過去の判定結果も記憶する。そして、色収差補正量選択部609は、現在の判定結果と過去の判定結果とから最終的な判定結果を決定する。
【0027】
図6において、メモリ605は、撮像素子103から出力される画像データを1V期間保持し、色収差補正部110に対して出力する。また、メモリ605は、色収差補正量選択部609から出力される判定結果を複数期間分保持し、それらを色収差補正量選択部609に対して出力する。
【0028】
次に、図7を参照しながら、第2の実施形態における色収差補正量選択部609の構成について詳細に説明する。図7は、第2の実施形態における色収差補正量選択部609の構成を示す図である。
【0029】
図7において、6091は、色収差補正量算出部107によって画像データから算出された色収差補正量と、光学DB108から読み出されたレンズオプション装着時の色収差補正量との差分を抽出する差分抽出部である。6092は、色収差補正量算出部107によって画像データから算出された色収差補正量と、光学DB108から読み出されたレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分を抽出する差分抽出部である。6093は、差分抽出部6091によって抽出された差分と差分抽出部6092によって抽出された差分とを比較する比較部である。比較部6093は、レンズオプション装着時の色収差補正量及びレンズオプション未装着時の色収差補正量のうち、画像データから算出された色収差補正量との差分が小さい方を判定結果として選択値決定部6094及びメモリ605に対して出力する。6094は、比較部6093から出力された現在の判定結果と、メモリ605から読み出された複数の過去の判定結果とから、最終的な判定結果を決定し、選択部6095に対して出力する選択値決定部である。6095は、選択値決定部6094から出力された判定結果に応じて、レンズオプション装着時の色収差補正量又はレンズオプション未装着時の色収差補正量を選択する選択部である。即ち、比較部6093から判定結果としてレンズオプション装着時の色収差補正量が出力された場合、選択部6095はレンズオプション装着時の色収差補正量を選択する。一方、比較部6093から判定結果としてレンズオプション未装着時の色収差補正量が出力された場合、選択部6095はレンズオプション未装着時の色収差補正量を選択する。な、色収差補正量は、光学補正を行うための補正情報の一例である。
【0030】
次に、図8を参照しながら、第2の実施形態における選択値決定部6094の処理について説明する。図8は、第2の実施形態における選択値決定部6094の処理を示すフローチャートである。
【0031】
ステップS801において、選択値決定部6094は、比較部6093から現在の判定結果を入力する。ステップS802において、選択値決定部6094は、メモリ605から複数の過去の判定結果を入力する。ステップS803において、選択値決定部6094は、現在の判定結果と複数の過去の判定結果とから、同じ判定結果が所定回数以上得られたか否かを判定する。同じ判定結果が所定回数以上得られた場合、処理はステップS804に移行する。一方、同じ判定結果が所定の回数以上得られていない場合、処理はステップS805に移行する。ステップS804において、選択値決定部6094は、同じ判定結果が所定の回数以上得られていることから、ノイズ等による誤判定の可能性が低いものとして、現在の判定結果を最終的な判定結果として決定し、選択部6095に対して出力する。ステップS805において、選択値決定部6094は、同じ判定結果が所定の回数以上得られていないことから、ノイズ等による誤判定の可能性が高いものとして、1つ前の過去の判定結果を最終的な判定結果として決定し、選択部6095に対して出力する。
【0032】
以上のように、第2の実施形態においては、レンズオプションの装着、未装着に関する誤判定の可能性を判定し、その判定結果に応じてレンズオプションの装着、未装着を決定するようにしている。従って、第2の実施形態によれば、ノイズ等による誤判定の影響を低減することが可能となり、選択される補正テーブルが1V毎に切り替わることを防ぐことができる。
【0033】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態に係る撮像装置の構成は、図6に示した第2の実施形態に係る撮像装置の構成と同様であるが、色収差補正量選択部の構成が異なる。
【0034】
第3の実施形態においては、光学DB108は、レンズオプション装着時の色収差補正量及びレンズオプション未装着時の色収差補正量だけではなく、標準的な像高対補正量の形状を持った色収差補正量を保持する。これにより、予め想定していなかったレンズオプションが装着された場合のように、光学DB108に保持されているレンズオプション装着時やレンズオプション未装着時の色収差補正量と、画像データから算出された色収差補正量とがあまりにもかけ離れている場合でも、色収差を補正することができる。
【0035】
図9は、光学系101の複数の状態(レンズオプション装着、未装着)に共通な色収差補正量、即ち、標準的な像高対補正量の形状を持つ色収差補正量(以下、標準的な色収差補正量と称す)を示す図である。図9において、901は、像高が高くなるにつれて色収差補正量が指数関数のように増加していく形状を持つ色収差補正量を示している。902は、像高に応じて線形で色収差補正量が増加していく形状を持つ色収差補正量を示している。903は、像高50%程度の位置でピークを持つ山の形状を持つ色収差補正量を示している。904は、像高の比較的高い位置でピークを持つ山の形状を持った色収差補正量を示している。
【0036】
次に、図10を参照しながら、第3の実施形態における色収差補正量選択部1009について詳細に説明する。図10は、第3の実施形態における色収差補正量選択部1009の構成を示す図である。
【0037】
図10において、10091は、色収差補正量算出部107によって画像データから算出された色収差補正量と、光学DB108から読み出されたレンズオプション装着時の色収差補正量との差分を抽出する差分抽出部である。10092は、色収差補正量算出部107によって画像データから算出された色収差補正量と、光学DB108から読み出されたレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分を抽出する差分抽出部である。10096は、色収差補正量算出部107によって画像データから算出された色収差補正量と、光学DB108から読み出された標準的な色収差補正量との差分を抽出する差分抽出部である。10093は、差分抽出部10091によって抽出された差分と、差分抽出部10092によって抽出された差分と、差分抽出部10096によって抽出された差分とを比較する比較部である。比較部10093は、レンズオプション装着時の色収差補正量と、レンズオプション未装着時の色収差補正量と、標準的な色収差補正量とのうち、画像データから算出された色収差補正量との差分が最も小さい色収差補正量を判定結果として選択値決定部10094及びメモリ105に対して出力する。10094は、比較部10093から出力される現在の判定結果と、メモリ105に保持される複数の過去の判定結果とに基づいて、最終的な判定結果を決定し、選択部10095に対して出力する選択値決定部である。10095は、選択値決定部10094によって決定された判定結果に応じて、レンズオプション装着時の色収差補正量、レンズオプション未装着時の色収差補正量、又は、標準的な色収差補正量を選択する選択部である。即ち、選択値決定部10094から最終的な判定結果としてレンズオプション装着時の色収差補正量が出力された場合、選択部10095はレンズオプション装着時の色収差補正量を選択する。一方、選択値決定部10094から最終的な判定結果としてレンズオプション未装着時の色収差補正量が出力された場合、選択部10095はレンズオプション未装着時の色収差補正量を選択する。一方、選択値決定部10094から最終的な判定結果として標準的な色収差補正量が出力された場合、選択部10095は標準的な色収差補正量を選択する。
【0038】
次に、図11を参照しながら、第3の実施形態における比較部10093の処理について説明する。図11は、第3の実施形態における比較部10093の処理を示すフローチャートである。
【0039】
ステップS1101において、比較部10093は、画像データから算出された色収差補正量とレンズオプション装着時の色収差補正量との差分LoSubを差分抽出部10091から取得する。ステップS1102において、比較部10093は、画像データから算出された色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分noLoSubを差分抽出部10092から取得する。ステップS1103において、比較部10093は、画像データから算出された色収差補正量と標準的な色収差補正量との差分StdSubを差分抽出部10096から取得する。
【0040】
ステップS1104において、比較部10093は、差分LoSubが差分noLoSubより大きいか否かを判定する。差分LoSubが差分noLoSubより大きい場合、処理はステップS1105に移行する。一方、差分LoSubが差分noLoSub以下である場合、処理はステップS1108に移行する。
【0041】
ステップS1105において、比較部10093は、差分noLoSubが閾値Thより小さいか否かを判定する。差分noLoSubが閾値Thより小さい場合、比較部10093は、画像データから算出された色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分があったとしても、予め想定していなかったレンズオプションが装着されたわけではないものと判定する。そして、処理はステップS1106に移行する。一方、閾値noLoSubが閾値Th以上である場合、比較部10093は、予め想定していなかったレンズオプションが装着されたものと判定し、処理はステップS1107に移行する。
【0042】
ステップS1106において、比較部10093は、レンズオプション未装着時の色収差補正量を判定結果として選択値決定部10094及びメモリ105に対して出力する。ステップS1107において、比較部10093は、標準的な色収差補正量を判定結果として選択値決定部10094及びメモリ105に対して出力する。
【0043】
ステップS1108において、比較部10093は、差分LoSubが閾値Thより小さいか否かを判定する。差分LoSubが閾値Thより小さい場合、比較部10093は、画像データから算出された色収差補正量とレンズオプション装着時の色収差補正量との差分があったとしても、予め想定されていないレンズオプションが装着されたわけではないものと判定する。そして、処理はステップS1109に移行する。一方、差分LoSubが閾値Th以上である場合、比較部10093は、予め想定されていないレンズオプションが装着されたと判定し、処理はステップS1110に移行する。
【0044】
ステップS1109において、比較部10093は、レンズオプション装着時の色収差補正量を判定結果として選択値決定部10094及びメモリ105に対して出力する。ステップS1110において、比較部10093は、標準的な色収差補正量を判定結果として選択値決定部10094及びメモリ105に対して出力する。
【0045】
以上のように、第3の実施形態においては、標準的な色収差補正量を保持することにより、予め想定されていないレンズオプションが装着された場合でも色収差を補正することができる。また、画像データから算出された色収差補正量と標準的な色収差補正量との差分が最小となるように標準的な色収差補正量に係数を乗算することにより、標準的な色収差補正量のテーブル容量を抑えつつも、より精度の高い色収差補正を行うことができる。
【0046】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図12は、本発明の第4の実施形態に係る撮像装置の構成を示す図である。なお、上述した第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。第4の実施形態においては、複数の光学補正の結果を用いて補正テーブルの切り替えを判断するため、補正テーブルの切り替え精度を向上させている。
【0047】
図12において、1212は、画像データから周辺光量落ち補正量を算出する光量落ち補正量算出部である。1213は、光量落ち補正量算出部1212によって画像データから算出された周辺光量落ち補正量と、光学DB108から読み出された周辺光量落ち補正量とに基づいて、光量落ち補正に使用される周辺光量落ち補正量を選択する光量落ち補正量選択部である。1214は、光量落ち補正量選択部1213によって選択された周辺光量落ち補正量を用いて光量落ち補正を行う色収差補正部である。1215は、光量落ち補正量選択部1213によって選択された周辺光量落ち補正量と、レンズオプション装着時やレンズオプション未装着時の周辺光量落ち補正量との差分と、色収差補正量選択部1209によって選択された色収差補正量と、レンズオプション装着時やレンズオプション未装着時の補正量との差分とに基づいて、補正テーブルの切り替えを判定する補正テーブル判断部である。
【0048】
次に、図13を参照しながら、第4の実施形態における光量落ち補正量算出部1212の処理について説明する。図13は、第4の実施形態における光量落ち補正量算出部1212の処理を示すフローチャートである。
【0049】
ステップS1301において、光量落ち補正量算出部1212は、撮像素子103から出力された画像データに対して評価領域を設定し、メモリ105から当該評価領域の画像データを読み出す。図14は、画像データ1401に対して設定される評価領域の例を示す図である。図14の例では、斜線部分が評価領域であり、画像データ1401の中心から周辺にかけて複数の評価領域が設定される。ここで、評価領域が同じ絵柄であれば、各評価領域の画素値もほぼ同じ値を示す。また、周辺光量落ちは光軸中心より周辺に向かうにつれて光量が低下する現象であり、周辺部が最も低下する。そこで、ステップS1302において、光量落ち補正量算出部1212は、画像データの中心の評価領域(h11)と、画像データの周辺部に向かう評価領域(例えば、h6、h3、h0)とを、光量が最も低下する周辺部の評価領域(例えばh0)を基準として同じ絵柄かどうかを分類する。ステップS1303において、光量落ち補正量算出部1212は、分類結果に基づいて、周辺光量落ち補正量を算出する評価領域を選択する。ステップS1304において、光量落ち補正量算出部1212は、それぞれの評価領域内の画素値を積算し、例えば次の式に示す演算によって周辺光量落ち補正量を算出し、光量落ち補正量選択部1213に対して出力する。
【0050】
【数2】
【0051】
ここで、Rh0、Gh0、Bh0は、評価領域h0内のRGBそれぞれの積算値を示している。Rh11、Gh11、Bh11は、評価領域h11内のRGBそれぞれの積算値を示している。CorR0、CorG0、CorB0は、評価領域h0内のRGBそれぞれの補正量を示している。
【0052】
次に、図15を参照しながら、第4の実施形態における光量落ち補正量選択部1213について説明する。図15は、第4の実施形態における光量落ち補正量選択部1213の構成を示す図である。
【0053】
図15において、12131は、光量落ち補正量算出部1212によって画像データから算出された周辺光量落ち補正量と、光学DB108から読み出されたレンズオプション装着時の周辺光量落ち補正量との差分を抽出する差分抽出部である。12132は、光量落ち補正量算出部1212によって画像データから算出された周辺光量落ち補正量と、光学DB108から読み出されたレンズオプション未装着時の周辺光量落ち補正量との差分を抽出する差分抽出部である。12133は、レンズオプション装着時の周辺光量落ち補正量と、レンズオプション未装着時の周辺光量落ち補正量との差分を抽出する差分抽出部である。12134は、差分抽出部12131によって抽出された差分と差分抽出部12132によって抽出された差分とを比較する比較部である。比較部12134は、レンズオプション装着時の周辺光量落ち補正量及びレンズオプション未装着時の周辺光量落ち補正量のうち、画像データから算出された周辺光量落ち補正量との差分が小さい方を判定結果として補正テーブル判断部1215に対して出力する。12135は、補正テーブル判断部1215から出力される判定結果に応じて、レンズオプション装着時の周辺光量落ち補正量又はレンズオプション未装着時の周辺光量落ち補正量を選択する選択部である。なお、差分抽出部12133によって抽出されたレンズオプション装着時の周辺光量落ち補正量とレンズオプション未装着時の周辺光量落ち補正量との差分は、補正テーブル判断部1215に対して出力される。
【0054】
次に、図16を参照しながら、第4の実施形態における色収差補正量選択部1209について説明する。図16は、第4の実施形態における色収差補正量選択部1209の構成を示す図である。
【0055】
図16において、12091は、色収差補正量算出部107によって画像データから算出された色収差補正量と、光学DB108から読み出されたレンズオプション装着時の色収差補正量との差分を抽出する差分抽出部である。12092は、色収差補正量算出部107によって画像データから算出された色収差補正量と、光学DB108から読み出されたレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分を抽出する差分抽出部である。12093は、レンズオプション装着時の色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分を抽出する差分抽出部である。12094は、差分抽出部12091によって抽出された差分と差分抽出部12092によって抽出された差分とを比較する比較部である。比較部12094は、レンズオプション装着時の色収差補正量及びレンズオプション未装着時の色収差補正量のうち、画像データから算出された色収差補正量との差分が小さい方を判定結果として補正テーブル判断部1215に対して出力する。12095は、補正テーブル判断部1215から出力される判定結果に応じて、レンズオプション装着時の色収差補正量又はレンズオプション未装着時の色収差補正量を選択する選択部である。なお、差分抽出部12093によって抽出されたレンズオプション装着時の色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分は、補正テーブル判断部1215に対して出力される。
【0056】
次に、図17を参照しながら、第4の実施形態における補正テーブル判断部1215の処理について説明する。図17は、第4の実施形態における補正テーブル判断部1215の処理を示すフローチャートである。
【0057】
ステップS1701において、補正テーブル判断部1215は、光量落ち補正量選択部1213の比較部12134から出力された判定結果と、レンズオプション装着時の周辺光量落ち補正量とレンズオプション未装着時の周辺光量落ち補正量との差分とを取得する。なお、レンズオプション装着時の周辺光量落ち補正量とレンズオプション未装着時の周辺光量落ち補正量との差分は、光量落ち補正量選択部1213の差分抽出部12133から出力される情報である。ステップS1702において、補正テーブル判断部1215は、色収差補正量選択部1209の比較部12094から出力された判定結果と、レンズオプション装着時の色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分とを取得する。なお、レンズオプション装着時の色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分は、色収差補正量選択部1209の差分抽出部12093から出力される情報である。
【0058】
ステップS1703において、補正テーブル判断部1215は、光量落ち補正量選択部1213から出力された判定結果がレンズオプション装着時の周辺光量落ち補正量であるか否かを判定する。判定結果がレンズオプション装着時の周辺光量落ち補正量である場合、処理はステップS1704に移行する。一方、判定結果がレンズオプション未装着時の周辺光量落ち補正量である場合、処理はステップS1709に移行する。
【0059】
ステップS1704において、補正テーブル判断部1215は、色収差補正量選択部1209から出力された判定結果がレンズオプション装着時の色収差補正量であるか否かを判定する。判定結果がレンズオプション装着時の色収差補正量である場合、処理はステップS1705に移行する。一方、判定結果がレンズオプション未装着時の色収差補正量である場合、処理はステップS1706に移行する。
【0060】
ステップS1704からS1705に移行した場合、ステップS1703及びステップS1704の判定結果が何れもレンズオプション装着側で一致している。従って、ステップS1705において、補正テーブル判断部1215は、レンズオプションを装着していると判定し、その判定結果を光量落ち補正量選択部1213及び色収差補正量選択部1209に対して出力する。
【0061】
一方、ステップS1704からS1706に移行した場合、ステップS1703の判定結果とステップS1704の判定結果とが異なっている。従って、補正テーブル判断部1215は、レンズオプション装着時の色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分と、レンズオプション装着時の周辺光量落ち補正量とレンズオプション未装着時の周辺光量落ち補正量との差分とに基づいて、レンズオプションの装着、未装着を判定する。
【0062】
ここで、画像データから算出された補正量(周辺光量落ち補正量、色収差補正量)よりレンズオプションの装着、未装着を判断する場合、レンズオプション装着時の補正量とレンズオプション未装着時の補正量との差分が大きい方が、精度が高い。図18の1802に示すように、画像データから算出された補正量は精度が低いため、レンズオプション装着時の補正量とレンズオプション未装着時の補正量との差分が小さい場合、レンズオプション装着、未装着の判定を誤りやすい。一方、図18の1801に示すように、レンズオプション装着時の補正量とレンズオプション未装着時の補正量との差分が大きい場合、画像データから算出された補正量の精度が低い場合でも、レンズオプション装着、未装着の判定を誤りにくい。そこで、ステップS1706において、補正テーブル判断部1215は、レンズオプション装着時の周辺光量落ち補正量とレンズオプション未装着時の周辺光量落ち補正量との差分と、レンズオプション装着時の色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分とを比較する。そして、周辺光量落ち補正量の差分の方が大きい場合、処理はステップS1707に移行する。一方、色収差補正量の差分の方が大きい場合、処理はステップS1708に移行する。ステップS1707において、補正テーブル判断部1215は、周辺光量落ち補正量の差分の方が大きく、周辺光量落ち補正量についての判断結果の方が精度が高いものとして、レンズオプションを装着していると判定する。そして補正テーブル判断部1215は、その判定結果を光量落ち補正量選択部1213及び色収差補正量選択部1209に対して出力する。ステップS1708において、補正テーブル判断部1215は、色収差補正量の差分の方が大きく、色収差補正量についての判断結果の方が精度が高いものとして、レンズオプションを装着していないと判定する。そして補正テーブル判断部1215は、その判定結果を光量落ち補正量選択部1213及び色収差補正量選択部1209に対して出力する。
【0063】
ステップS1709において、補正テーブル判断部1215は、色収差補正量選択部1209から出力された判定結果がレンズオプション装着時の色収差補正量であるか否かを判定する。判定結果がレンズオプション装着時の色収差補正量である場合、処理はステップS1711に移行する。一方、判定結果がレンズオプション未装着時の色収差補正量である場合、処理はステップS1710に移行する。
【0064】
ステップS1709からS1711に移行した場合、ステップS1703の判定結果とステップS1709との判定結果とが異なっている。従って、補正テーブル判断部1215は、レンズオプション装着時の色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分と、レンズオプション装着時の周辺光量落ち補正量とレンズオプション未装着時の周辺光量落ち補正量との差分とに基づいて、レンズオプションの装着、未装着を判定する。即ち、補正テーブル判断部1215は、レンズオプション装着時の周辺光量落ち補正量とレンズオプション未装着時の周辺光量落ち補正量との差分と、レンズオプション装着時の色収差補正量とレンズオプション未装着時の色収差補正量との差分とを比較する。そして、周辺光量落ち補正量の差分の方が大きい場合、処理はステップS1712に移行する。一方、色収差補正量の差分の方が大きい場合、処理はステップS1713に移行する。
【0065】
ステップS1712において、補正テーブル判断部1215は、周辺光量落ち補正量の差分の方が大きく、周辺光量落ち補正量についての判断結果の方が精度が高いものとして、レンズオプションを装着していないと判定する。そして補正テーブル判断部1215は、その判定結果を光量落ち補正量選択部1213及び色収差補正量選択部1209に対して出力する。ステップS1713において、補正テーブル判断部1215は、色収差補正量の差分の方が大きく、色収差補正量についての判断結果の方が精度が高いものとして、レンズオプションを装着していると判定する。そして補正テーブル判断部1215は、その判定結果を光量落ち補正量選択部1213及び色収差補正量選択部1209に対して出力する。
【0066】
ステップS1709からS1710に移行した場合、ステップS1703及びステップS1709の判定結果が何れもレンズオプション未装着側で一致している。従って、ステップS1710において、補正テーブル判断部1215は、レンズオプションを装着していないと判定し、その判定結果を光量落ち補正量選択部1213及び色収差補正量選択部1209に対して出力する。
【0067】
以上のように、第4の実施形態においては、複数の光学補正の結果を比較し、結果が異なった場合には、精度の高い方の判断結果を用いることにより、補正テーブルの切り替え精度を向上させることができる。なお、本実施形態では、色収差補正と周辺光量落ち補正との2つの光学補正を用いているが、歪曲収差補正のための補正テーブルを用いて光学補正を行うものにも適用可能である。また、光学補正の数は2つに限定するものではなく、3つ以上の光学補正の判断結果を使用してもよい。
【0068】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0069】
101:光学系、102:光学系駆動部、103:撮像素子、104:撮像素子駆動部、105:メモリ、106:像高演算部、107、色収差補正量算出部、108:光学DB、109、609、1209:色収差補正量選択部、110:色収差補正部、111:システム制御部、1212:光量落ち補正量算出部、1213:光量落ち補正量選択部、1214:光量落ち補正部、1215:補正テーブル判断部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ズームレンズ、フォーカスレンズ及び絞りのうちの少なくとも何れか一つを含む光学系と、
前記光学系によって投影された被写体像を撮像し、前記被写体像の画像データを出力する撮像手段と、
前記撮像手段より出力される前記画像データに基づいて、前記画像データを補正するための補正情報を算出する算出手段と、
予め設定される前記光学系の複数の状態に対応する複数の補正情報と、前記算出手段により算出された前記補正情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づいて、予め設定される前記複数の補正情報から前記画像データを補正する際に使用する補正情報を選択する選択手段とを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記選択手段は、前記比較手段による複数回の比較結果に基づいて、予め設定される前記複数の補正情報から前記画像データを補正する際に使用する補正情報を選択することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記選択手段は、前記比較手段による比較結果が所定の回数以上同じ結果となった場合、当該比較結果に対応する補正情報を選択することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記比較手段は、予め設定される前記光学系の複数の状態に対応する前記複数の補正情報と前記算出手段により算出された前記補正情報とを比較するとともに、予め設定される前記光学系の複数の状態に共通な補正情報と前記算出手段により算出された前記補正情報とを比較し、前記選択手段は、前記比較手段による比較結果に基づいて、前記光学系の複数の状態に対応する前記複数の補正情報及び前記光学系の複数の状態に共通な補正情報から、前記画像データを補正する際に使用する補正情報を選択することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記比較手段は、予め設定される前記光学系の複数の状態に対応する複数の補正情報の夫々について、前記算出手段により算出された前記補正情報との差分を算出することにより、予め設定される前記光学系の複数の状態に対応する複数の補正情報と、前記算出手段により算出された前記補正情報とを比較することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記比較手段は、予め設定される前記光学系の複数の状態に対応する複数の補正情報の夫々について、前記算出手段により算出された前記補正情報との相関係数を算出することにより、予め設定される前記光学系の複数の状態に対応する複数の補正情報と、前記算出手段により算出された前記補正情報とを比較することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記補正情報は、周辺光量落ち補正、色収差補正及び歪曲収差補正のうちの少なくとも何れか一つに使用される補正情報であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
ズームレンズ、フォーカスレンズ及び絞りのうちの少なくとも何れか一つを含む光学系と、前記光学系によって投影された被写体像を撮像し、前記被写体像の画像データを出力する撮像手段とを有する撮像装置の制御方法であって、
前記撮像手段より出力される前記画像データに基づいて、前記画像データを補正するための補正情報を算出する算出ステップと、
予め設定される前記光学系の複数の状態に対応する複数の補正情報と、前記算出ステップにより算出された前記補正情報とを比較する比較ステップと、
前記比較ステップによる比較結果に基づいて、予め設定される前記複数の補正情報から前記画像データを補正する際に使用する補正情報を選択する選択ステップとを有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項9】
ズームレンズ、フォーカスレンズ及び絞りのうちの少なくとも何れか一つを含む光学系と、前記光学系によって投影された被写体像を撮像し、前記被写体像の画像データを出力する撮像手段とを有する撮像装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記撮像手段より出力される前記画像データに基づいて、前記画像データを補正するための補正情報を算出する算出ステップと、
予め設定される前記光学系の複数の状態に対応する複数の補正情報と、前記算出ステップにより算出された前記補正情報とを比較する比較ステップと、
前記比較ステップによる比較結果に基づいて、予め設定される前記複数の補正情報から前記画像データを補正する際に使用する補正情報を選択する選択ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
ズームレンズ、フォーカスレンズ及び絞りのうちの少なくとも何れか一つを含む光学系と、
前記光学系によって投影された被写体像を撮像し、前記被写体像の画像データを出力する撮像手段と、
前記撮像手段より出力される前記画像データに基づいて、前記画像データを補正するための補正情報を算出する算出手段と、
予め設定される前記光学系の複数の状態に対応する複数の補正情報と、前記算出手段により算出された前記補正情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づいて、予め設定される前記複数の補正情報から前記画像データを補正する際に使用する補正情報を選択する選択手段とを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記選択手段は、前記比較手段による複数回の比較結果に基づいて、予め設定される前記複数の補正情報から前記画像データを補正する際に使用する補正情報を選択することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記選択手段は、前記比較手段による比較結果が所定の回数以上同じ結果となった場合、当該比較結果に対応する補正情報を選択することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記比較手段は、予め設定される前記光学系の複数の状態に対応する前記複数の補正情報と前記算出手段により算出された前記補正情報とを比較するとともに、予め設定される前記光学系の複数の状態に共通な補正情報と前記算出手段により算出された前記補正情報とを比較し、前記選択手段は、前記比較手段による比較結果に基づいて、前記光学系の複数の状態に対応する前記複数の補正情報及び前記光学系の複数の状態に共通な補正情報から、前記画像データを補正する際に使用する補正情報を選択することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記比較手段は、予め設定される前記光学系の複数の状態に対応する複数の補正情報の夫々について、前記算出手段により算出された前記補正情報との差分を算出することにより、予め設定される前記光学系の複数の状態に対応する複数の補正情報と、前記算出手段により算出された前記補正情報とを比較することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記比較手段は、予め設定される前記光学系の複数の状態に対応する複数の補正情報の夫々について、前記算出手段により算出された前記補正情報との相関係数を算出することにより、予め設定される前記光学系の複数の状態に対応する複数の補正情報と、前記算出手段により算出された前記補正情報とを比較することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記補正情報は、周辺光量落ち補正、色収差補正及び歪曲収差補正のうちの少なくとも何れか一つに使用される補正情報であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
ズームレンズ、フォーカスレンズ及び絞りのうちの少なくとも何れか一つを含む光学系と、前記光学系によって投影された被写体像を撮像し、前記被写体像の画像データを出力する撮像手段とを有する撮像装置の制御方法であって、
前記撮像手段より出力される前記画像データに基づいて、前記画像データを補正するための補正情報を算出する算出ステップと、
予め設定される前記光学系の複数の状態に対応する複数の補正情報と、前記算出ステップにより算出された前記補正情報とを比較する比較ステップと、
前記比較ステップによる比較結果に基づいて、予め設定される前記複数の補正情報から前記画像データを補正する際に使用する補正情報を選択する選択ステップとを有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項9】
ズームレンズ、フォーカスレンズ及び絞りのうちの少なくとも何れか一つを含む光学系と、前記光学系によって投影された被写体像を撮像し、前記被写体像の画像データを出力する撮像手段とを有する撮像装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記撮像手段より出力される前記画像データに基づいて、前記画像データを補正するための補正情報を算出する算出ステップと、
予め設定される前記光学系の複数の状態に対応する複数の補正情報と、前記算出ステップにより算出された前記補正情報とを比較する比較ステップと、
前記比較ステップによる比較結果に基づいて、予め設定される前記複数の補正情報から前記画像データを補正する際に使用する補正情報を選択する選択ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−231316(P2012−231316A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98538(P2011−98538)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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