説明

撮像装置、合焦方法及びプログラム

【課題】被写体に適したAF評価領域を設定する。
【解決手段】撮像装置100であって、撮像画像の画像データから合焦対象となる被写体を特定し、その画像領域を抽出する画像認識部7aと、抽出された被写体の画像領域に対して複数のAF評価領域を設定する領域設定部7cと、設定された複数のAF評価領域の画像データに基づいて、各AF評価領域のAF評価値をそれぞれ算出する評価値算出部7dと、算出したAF評価値に基づいてフォーカスレンズ1を駆動させて合焦させるレンズ駆動部2とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像認識機能を利用したオートフォーカス(自動合焦)処理を行う撮像装置、合焦方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラのオートフォーカス(AF)処理においては、顔認識技術等の画像認識技術が採用されることにより、人の顔の画像に合焦して撮影することが可能になっている。
また、上記の技術を応用した特許文献1に記載された技術では、撮像画像における検出された顔領域の位置や大きさを覚えて設定し、次回撮像されるスルー画像から顔領域を検出する際には、上記設定された位置や大きさで顔領域を検出することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−164839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に係る技術においては、撮像画像における検出すべき顔領域の位置や大きさが設定されると、その設定した位置や大きさを優先して合焦すべき顔領域を探索するので、静止画撮影する場合には構図が固定されてしまうという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、被写体に適したAF評価領域を設定することができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の撮像装置は、
撮像手段と、前記撮像手段により撮像される画像から被写体の画像領域を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された被写体の画像領域に、合焦評価値を算出すべき評価領域を複数設定する領域設定手段と、前記領域設定手段により設定された前記複数の評価領域について合焦評価値をそれぞれ算出する算出手段と、前記算出手段による算出結果に基づいて合焦する合焦手段と、を備えたことを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の撮像装置において、
前記領域設定手段は、前記検出手段により検出された被写体の画像領域の寸法に応じて前記評価領域の設定数を変更して当該評価領域を設定することを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2項に記載の撮像装置において、
前記被写体の画像領域の寸法が前記評価領域として設定可能な最小寸法よりも大きいか否かを判定する第1判定手段を更に備え、前記領域設定手段は、前記第1判定手段による判定の結果、前記被写体の画像領域の寸法が前記評価領域の最小寸法よりも大きい場合に前記評価領域を複数設定する一方、前記被写体の画像領域の寸法が前記評価領域の最小寸法以下である場合に前記評価領域を一つ設定することを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の撮像装置において、
前記撮像画像に対する前記検出手段により検出された被写体の画像領域の寸法の割合が所定の割合以上であるか否かを判定する第2判定手段を更に備え、前記領域設定手段は、前記第2判定手段により前記撮像画像に対する前記被写体の画像領域の寸法の割合が所定の割合以上であると判定されると、前記評価領域を複数設定することを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の撮像装置において、
前記領域設定手段は、前記検出手段により検出された被写体の画像領域を包含するように前記評価領域を複数設定することを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の撮像装置において、
前記算出手段により算出された複数の合焦評価値とこの合焦評価値から得られる焦点距離とに基づいて、前記算出された各評価領域の合焦評価値のピーク位置を所定の範囲内に最も多く含む焦点距離範囲を特定する特定手段を更に備え、前記合焦手段は、前記特定手段により特定された焦点距離範囲に基づいて合焦することを特徴としている。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の撮像装置において、
前記特定手段により特定された範囲内の複数の合焦評価値のピーク位置に対応する焦点距離の平均を算出する平均距離算出手段を更に備え、前記合焦手段は、前記平均距離算出手段により算出された平均の焦点距離で合焦することを特徴としている。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の撮像装置において、
前記特定手段により特定された焦点距離範囲の中間点の距離を算出する中間距離算出手段を備え、前記合焦手段は、前記中間距離算出手段により算出された中間点の距離で合焦することを特徴としている。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8の何れか一項に記載の撮像装置において、
前記撮像手段による撮像を指示する半押し操作可能な操作手段と、前記撮像手段により撮像された撮像画像を逐次表示するとともに、前記操作手段が半押し操作された際に、前記合焦手段により合焦する焦点距離にある評価領域に対応付けて合焦領域枠を表示する表示手段と、を更に備えることを特徴としている。
【0015】
請求項10に記載の発明の合焦方法は、
撮像装置の撮像部にて撮像される画像から被写体の画像領域を検出する検出ステップと、前記検出ステップにて検出された被写体の画像領域に、合焦評価値を算出すべき評価領域を複数設定する領域設定ステップと、前記領域設定ステップにて設定された前記複数の評価領域について合焦評価値をそれぞれ算出する算出ステップと、前記算出ステップでの算出結果に基づいて合焦する合焦ステップと、を含むことを特徴としている。
【0016】
請求項11に記載の発明のプログラムは、
撮像装置が備えるコンピュータを、撮像される画像から被写体の画像領域を検出する検出手段、前記検出手段によって検出された被写体の画像領域に、合焦評価値を算出すべき評価領域を複数設定する領域設定手段、前記領域設定手段によって設定された前記複数の評価領域について合焦評価値をそれぞれ算出する算出手段、前記算出手段における算出結果に基づいて合焦させる合焦手段、として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、被写体に適したAF評価領域を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を適用した一実施形態の撮像装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】撮像装置による撮像処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】図2の撮像処理の続きを示すフローチャートである。
【図4】図2の撮像処理に係るAF評価値とフォーカスレンズアドレスとの対応関係の一例を模式的に示す図である。
【図5】図2の撮像処理に係る画像の一例を模式的に示す図である。
【図6】図2の撮像処理に係る画像の一例を模式的に示す図である。
【図7】図2の撮像処理に係る画像の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
図1は、本発明を適用した一実施形態の撮像装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0020】
本実施形態の撮像装置100は、図1に示すように、撮像装置100は、フォーカスレンズ1、レンズ駆動部2、電子撮像部3、ユニット回路4、撮像制御部5、画像生成部6、AF処理部7、画像処理部8、表示部9、画像記録部10、操作入力部11、バッファメモリ12、プログラムメモリ13、中央制御部14等を備えている。
また、レンズ駆動部2、撮像制御部5、画像生成部6、AF処理部7、画像処理部8、表示部9、画像記録部10、バッファメモリ12、プログラムメモリ13、中央制御部14は、バスライン15を介して接続されている。
【0021】
レンズ駆動部2は、フォーカスレンズ1をそれぞれ光軸方向に駆動させる。具体的には、レンズ駆動部2は、フォーカスモータ等の駆動源と、中央制御部14からの制御信号に従って駆動源を駆動させるドライバ等を備えている(何れも図示略)。
【0022】
電子撮像部3は、フォーカスレンズ1の光軸上に配置されている。また、電子撮像部3は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)等のイメージセンサから構成され、フォーカスレンズ1等の各種レンズを通過した光学像を二次元の画像信号に変換する。
【0023】
ユニット回路4は、電子撮像部3から出力される被写体の光学像に応じたアナログの撮像信号が入力され、入力された撮像信号を保持するCDSと、その撮像信号を増幅するゲイン調整アンプ(AGC)、増幅された撮像信号をデジタルの撮像信号に変換するA/D変換器(ADC)等から構成されている。
そして、ユニット回路4は、デジタルの撮像信号を画像生成部6に送信する。
【0024】
撮像制御部5は、中央制御部14が設定するフレームレートに従ったタイミングで、電子撮像部3やユニット回路4を駆動させる制御を行う。具体的には、撮像制御部5は、TG(Timing Generator)、電子撮像部3を駆動するドライバ等(何れも図示略)を備え、TGを介してドライバやユニット回路4の動作タイミングを制御する。即ち、中央制御部14が、プログラムメモリ13から読み出したプログラム線図に従ってシャッタースピードを設定すると、撮像制御部5のTGは、当該シャッタースピードに対応する電荷蓄積時間をシャッターパルスとしてドライバに出力し、ドライバからの駆動パルス信号に従って電子撮像部3を動作させて電荷蓄積時間(露光時間)を制御する。
【0025】
このように構成されたフォーカスレンズ1、電子撮像部3、ユニット回路4及び撮像制御部5は、被写体を撮像する撮像手段を構成している。
【0026】
画像生成部6は、ユニット回路4から送られてきた画像データに対してγ補正処理、ホワイトバランス処理などの処理を施すとともに、輝度色差信号(YUVデータ)を生成する。そして、画像生成部6は、生成された輝度色差信号の画像データをAF処理部7及び画像処理部8に出力する。
【0027】
AF処理部7は、撮像画像G(図5(a)等参照)の画像データに基づいて、当該撮像画像Gの画像認識を行う画像認識部7aを具備している。
画像認識部7aは、例えば、画像生成部6から画像データが送られてくる毎に当該画像データに対して、水平方向(横)及び垂直方向(縦)ともに所定倍率の縮小処理を行って低解像度の画像データを得、更に、この低解像度の画像データについて所定の画像認識技術を利用して解析した結果を示す解析結果画像データ(例えば、横×縦:40×30画素;図5(b)参照)Lを逐次生成する。そして、画像認識部7aは、解析結果画像データLに対して所定の画像認識技術を利用して合焦対象となる被写体Sを特定して画像領域Aを抽出する。
画像認識処理は、例えば、色、明るさ、コントラスト、高周波成分情報などの画像の各種情報を利用して被写体Sの画素集合の輪郭を抽出することで行っても良いし、予め被写体Sの種類を特定しておき当該被写体Sの特徴情報と比較判定して輪郭を抽出することで行っても良い。
ここで、画像認識部7aは、撮像画像Gから被写体Sの画像領域Aを検出する検出手段を構成している。
【0028】
なお、図5(b)、図6(b)、図7(b)にあっては、解析結果画像データを二値化して表しており、ドットなし白抜きで表されている画像領域Aが被写体Sに相当し、ドット有りの黒で表されている画像領域Aが被写体S以外の部分に相当する。
また、被写体Sは、必ずしも一つの被写体として独立している必要はなく、複数の被写体が前後方向に重なった状態であっても良いし、複数の被写体が左右若しくは上下方向に離れて分離した状態であっても良い。
【0029】
また、AF処理部7は、被写体Sの画像領域Aの寸法を基準として判定処理を行う領域判定部7bを具備している。
領域判定部7bは、第1判定手段として、画像認識部7aにより検出された被写体Sの画像領域Aの寸法が、予め設定されている各AF評価領域Pの最小寸法よりも大きいか否かを判定する。AF評価領域Pの最小寸法は、例えば、低解像度(例えば、横×縦:40×30画素)の画像データである解析結果画像データLに対して、最小の水平幅が6画素、最小の垂直幅が4画素に設定されている。
ここで、領域判定部7bは、被写体Sの画像領域Aの寸法がAF評価領域Pとして設定可能な最小寸法よりも大きいか否かを判定する第1判定手段を構成している。
【0030】
また、AF処理部7は、フォーカスレンズ1の合焦状態の評価領域であるAF評価領域Pを設定する領域設定部7cを具備している。
領域設定部7cは、撮像画像Gにおけるフォーカスレンズ1の合焦状態の評価に係り、評価値算出部7dによってAF評価値が算出されるAF評価領域P(図5(a)等参照)を設定する。即ち、領域検出部は、被写体Sの画像領域Aの寸法(例えば、被写体Sの画像領域Aを囲む最小の矩形枠等)に応じてAF評価領域Pの設定数を変更して当該AF評価領域Pを設定する。具体的には、領域設定部7cは、領域判定部7bにより被写体Sの画像領域Aの寸法がAF評価領域Pの最小寸法よりも大きいと判定された場合、AF評価領域Pを複数(例えば、9個;図4(a)参照)設定する。このとき、領域設定部7cは、被写体Sの画像領域Aを包含するように、被写体Sの画像領域Aと重なる位置や被写体Sの画像領域Aの輪郭部分と交わる位置に複数のAF評価領域Pの各々を設定する。一方、領域判定部7bにより被写体Sの画像領域Aの寸法がAF評価領域Pの最小寸法以下であると判定された場合、領域設定部7cは、AF評価領域Pを一つ設定する。
また、領域設定部7cは、画像認識部7aにより被写体Sが検出されなかった場合には、測距方式を「スポットAF」に切り替えて画角の略中央にAF評価領域を設定する。
ここで、領域設定部7cは、画像認識部7aにより検出された被写体Sの画像領域Aに、撮像手段の合焦状態の評価領域としてAF評価値を算出すべきAF評価領域Pを複数設定する領域設定手段を構成している。
【0031】
なお、領域設定部7cは、撮像画像Gに対する被写体Sの画像領域Aの寸法の割合が所定の割合(例えば、5割)以上である場合に、AF評価領域Pを複数設定しても良い。即ち、第2判定手段としての領域判定部7bが、撮像画像Gに対する被写体Sの画像領域Aの寸法の割合が所定の割合(例えば、5割)以上であるか否かを判定し、当該判定の結果、撮像画像Gに対する被写体Sの画像領域Aの寸法の割合が所定の割合(例えば、5割)以上であると判定された場合に、領域設定部7cは、AF評価領域Pを複数設定する。
【0032】
また、AF処理部7は、フォーカスレンズ1の合焦状態の評価に係るAF評価値を算出する評価値算出部7dを具備している。
評価値算出部7dは、画像認識部7aにより生成された解析結果画像データLについて、領域設定部7cにより設定された各AF評価領域Pの画像データに基づいて、各AF評価領域Pの画像のコントラストの高低を示すAF評価値(図4(b)参照)を算出する。具体的には、自動合焦処理にてフォーカスレンズ1をレンズ駆動部2により光軸方向に移動させる際に、評価値算出部7dは、フォーカスレンズ1の光軸方向の位置を規定する複数(例えば、0〜100)のフォーカスレンズアドレスのうち、所定数(例えば、20〜30個)のアドレスに対応する測距位置で、複数のAF評価領域Pの各々についてAF評価値を算出する。
なお、図4(b)にあっては、例えば、AF評価領域Pを9つ設定した場合において、評価値算出部7dにより算出された各AF評価領域P1〜P9のAF評価値についてフォーカスレンズアドレスと対応付けて表している。
ここで、評価値算出部7dは、領域設定部7cにより設定された複数のAF評価領域Pについて、AF評価値(合焦評価値)をそれぞれ算出する算出手段を構成している。
【0033】
また、AF処理部7は、複数のAF評価値をフォーカスレンズ1の測距位置に従って整列した場合に、AF評価値が集中している範囲を特定する範囲特定部7eを具備している。
範囲特定部7eは、具体的には、先ず、複数のAF評価領域PのAF評価値をフォーカスレンズアドレス(測距位置)に従って整列して、所定の範囲に設定されている評価値探索範囲内にAF評価値のピーク位置が最も多く含まれる位置を探索する。例えば、図4(b)にあっては、AF評価領域P5、P8以外のAF評価領域P1〜P4、P6、P7、P9のAF評価値のピーク位置は、フォーカスレンズアドレスが40近辺となっており、当該アドレスが集中している範囲を評価値集中範囲Rとして特定する。
なお、図4(b)にあっては、各AF評価領域PのAF評価値をフォーカスレンズ1の測距位置と対応付けて整列したが、フォーカスレンズ1の焦点距離に従って整列しても良い。
ここで、範囲特定部7eは、評価値算出部7dにより算出された複数のAF評価値とこのAF評価値から得られる焦点距離とに基づいて、各AF評価領域のAF評価値のピーク位置を所定の範囲内に最も多く含む焦点距離範囲(評価値集中範囲R)を特定する特定手段を構成している。
【0034】
また、AF処理部7は、撮像手段を合焦可能な焦点距離を算出する距離算出部7fを具備している。
距離算出部7fは、範囲特定部7eにより特定された評価値集中範囲R内で、複数のAF評価値のピーク位置に対応するフォーカスレンズ1の測距位置を取得して、これら測距位置から換算した焦点距離の平均(平均焦点距離)を算出する。例えば、図4(b)にあっては、距離算出部7fは、範囲特定部7eにより特定された評価値集中範囲R内に存するAF評価領域P1〜P4、P6、P7、P9のAF評価値のピーク位置に対応する焦点距離の平均を算出することで平均焦点距離を特定する。
ここで、距離算出部7fは、範囲特定部7eにより特定された評価値集中範囲R内の複数のAF評価値のピーク位置に対応する焦点距離の平均を算出する平均距離算出手段を構成している。
【0035】
なお、距離算出部(算出手段)7fは、複数のAF評価領域Pの焦点距離の平均に代えて、評価値集中範囲R内で、複数のAF評価領域Pのうちの最多のAF評価領域Pに対して合焦可能なフォーカスレンズアドレスを焦点距離として算出しても良い。即ち、距離算出部7fは、評価値集中範囲R内で、最も多くのAF評価領域Pの画像を被写界深度内に含むことができるフォーカスレンズアドレスを焦点距離として算出しても良い。
また、距離算出部7fが、中間距離算出手段として、評価値集中範囲Rの中間位置を算出して焦点距離としても良い。
【0036】
画像処理部8は、画像生成部6により生成された画像データ(YUVデータ)を所定の符号化方式(例えば、JPEG方式等)により圧縮・符号化する符号化部(図示略)や、画像記録部10から読み出された符号化された画像データを当該符号化方式に対応する復号化方式で復号化する復号化部等(何れも図示略)を具備している。
【0037】
表示部9は、バッファメモリ12に格納された1フレーム分のYUVデータをビデオ信号に変換した後、ライブビュー画像として表示画面に表示する。具体的には、表示部9は、被写体の撮像により生成された複数の画像フレームに基づいてライブビュー画像を逐次表示したり、本撮像画像として撮像されたレックビュー画像を表示する。
また、画像再生時においては、表示部9は、画像記録部10から読み出されて画像処理部8にて復号化された画像データに基づく画像を表示する。
【0038】
また、表示部9は、表示手段として、ライブビュー画像の表示中に、操作入力部11のシャッタボタン11aが半押し操作されると、合焦する焦点距離にあるAF評価領域Pに対応付けてAF枠(合焦領域枠)Wを表示する(図5(c)、図6(c)、図7(c)参照)。
【0039】
画像記録部10は、例えば、不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)等により構成されている。また、画像記録部10は、画像処理部8の符号化部(図示略)により所定の符号化方式(例えば、JPEG方式やMPEG方式等)により圧縮・符号化された静止画像データや動画像データを記録する。
【0040】
操作入力部11は、当該撮像装置100の所定操作を行うためのものである。具体的には、操作入力部11は、被写体の撮影指示に係り、半押し及び全押し操作可能なシャッタボタン11a、撮像モードや機能等の選択指示に係る選択決定ボタン(図示略)、ズーム量の調整指示に係るズームボタン(図示略)等を備え、これらのボタンの操作に応じて所定の操作信号を中央制御部14に出力する。
【0041】
バッファメモリ12は、画像データ等を一時保存するバッファであるとともに、中央制御部14のワーキングメモリ等としても使用される。
【0042】
プログラムメモリ13には、当該撮像装置100の機能に係る各種プログラムやデータが格納されている。また、プログラムメモリ13には、静止画撮影時、連写時、ライブビュー画像撮影時等の各撮影時における適正な露出値(EV)に対応する絞り値(F)とシャッタースピードとの組み合わせを示すプログラム線図を構成するプログラムAEデータや、EV値表も格納されている。
【0043】
中央制御部14は、撮像装置100の各部を制御するワンチップマイコンである。
また、中央制御部14は、操作入力部11から出力され入力された操作信号に基づいて、撮像装置100の各部を制御する。具体的には、中央制御部14は、操作入力部11のシャッタボタン11aの所定操作に従って出力された撮像信号が入力されると、プログラムメモリ13に記憶されている所定のプログラムに従って、TGにより電子撮像部3及びユニット回路4の駆動タイミングを制御して静止画像を撮影する処理を実行する。この静止画像の撮影によりバッファメモリ12に格納された1フレーム分のYUVデータは、画像処理部8にてJPEG方式等により圧縮され符号化されて、画像記録部10に静止画像データとして記録される。
【0044】
また、中央制御部14は、自動合焦処理にて、フォーカスレンズ1の焦点距離が範囲特定部7eにより特定された評価値集中範囲R内の焦点距離となるように、所定の制御信号をレンズ駆動部2に出力してフォーカスモータを駆動させて当該フォーカスレンズ1の合焦位置を調整する。具体的には、中央制御部14は、評価値集中範囲Rの複数の焦点距離から距離算出部7fにより算出された平均焦点距離に基づいて、所定の制御信号をレンズ駆動部2に出力してフォーカスモータを駆動させることで、フォーカスレンズ1の焦点距離が平均焦点距離となるように調整する。
ここで、中央制御部14、フォーカスレンズ1及びレンズ駆動部2は、評価値算出部7dによる算出結果に基づいて合焦する合焦手段を構成している。
【0045】
次に、撮像装置100による合焦方法に係る撮像処理について、図2〜図7を参照して説明する。
図2及び図3は、撮像処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
撮像処理は、中央制御部14の制御下にて静止画像や動画像を撮像する処理であり、ユーザによる操作入力部11の選択決定ボタンの所定操作に基づいて、メニュー画面に表示された複数の撮像モードの中から撮像モードが選択指示された場合に実行される。
【0046】
図2に示すように、先ず、中央制御部14は、被写体の撮像により生成された複数の画像フレームに基づいてライブビュー画像を表示部9の表示画面に表示させる(ステップS1)。
続けて、中央制御部14は、ユーザにより操作入力部11のシャッタボタン11aが半押し操作されたか否かを判定する(ステップS2)。
ここで、シャッタボタン11aが半押し操作されたと判定されると(ステップS2;YES)、AF処理部7の画像認識部7aは、被写体の撮像により生成された撮像画像Gの複数の画像フレーム(図5(a)等参照)に係る画像データが画像生成部6からAF処理部7に送られてくる毎に、当該画像データから被写体Sの画像領域Aを検出する処理を行う(ステップS3)。具体的には、AF処理部7の画像認識部7aは、画像生成部6から送られてきた各画像データに対して所定倍率の縮小処理を行って解析結果画像データL(例えば、横×縦:40×30画素)を生成した後、解析結果画像データLに対して所定の画像認識技術を利用して合焦対象となる被写体S(図5(b)参照)を特定して抽出する。
【0047】
次に、AF処理部7は、画像認識部7aによる被写体Sの検出結果に基づいて、被写体Sが検出されたか否かを判定する(ステップS4)。そして、被写体Sが検出されたと判定されると(ステップS4;YES)、AF処理部7の領域判定部7bは、画像認識部7aにより検出された被写体Sの画像領域Aの寸法が、予め設定されている各AF評価領域Pの最小寸法よりも大きいか否かを判定する(ステップS5)。
ここで、被写体Sの画像領域Aの寸法がAF評価領域Pの最小寸法よりも大きいと判定されると(ステップS5;YES)、AF処理部7の領域設定部7cは、被写体Sの画像領域Aを包含するように、被写体Sの画像領域Aと重なる位置や被写体Sの画像領域Aの輪郭部分と交わる位置に複数のAF評価領域P(例えば、9個;図4(a)参照)の各々を設定する(ステップS6)。
【0048】
図3に示すように、AF処理部7の評価値算出部7dは、解析結果画像データLについて領域設定部7cにより設定されたAF評価領域Pの画像データに基づいて、画像のコントラストの高低を示すAF評価値を算出する(ステップS7)。具体的には、評価値算出部7dは、フォーカスレンズ1の光軸方向の位置を規定する複数(例えば、0〜100)のフォーカスレンズアドレスのうち、所定数(例えば、20〜30個)のアドレスに対応する測距位置で、複数のAF評価領域Pの各々についてAF評価値を算出する。
次に、範囲特定部7eは、複数のAF評価領域PのAF評価値をフォーカスレンズアドレス(測距位置)に従って整列して、AF評価値のピーク位置が最も多く含まれる範囲を探索して特定する(ステップS8)。例えば、図4(b)にあっては、範囲特定部7eは、AF評価領域P1〜P4、P6、P7、P9のAF評価値のピーク位置が存するフォーカスレンズアドレスが40近辺の範囲を評価値集中範囲Rとして特定する。その後、中央制御部14は、評価値集中範囲R内のAF評価領域Pの縁部分に対応するAF枠W(図5(c)等参照)をライブビュー画像の被写体Sに重畳させて表示部9に表示させる。
【0049】
続けて、距離算出部7fは、範囲特定部7eにより特定された評価値集中範囲R内で、複数のAF評価値のピーク位置に対応するフォーカスレンズ1の測距位置を取得して、これら測距位置から換算した焦点距離の平均(平均焦点距離)を算出する(ステップS9)。例えば、図4(b)にあっては、距離算出部7fは、AF評価領域P1〜P4、P6、P7、P9のAF評価値のピーク位置に対応する焦点距離の平均を算出する。
次に、中央制御部14は、距離算出部7fにより算出された平均焦点距離に基づいて、所定の制御信号をレンズ駆動部2に出力してフォーカスモータを駆動させることで、フォーカスレンズ1の焦点距離が平均焦点距離となるように調整させる合焦処理を行う(ステップS10)。
【0050】
図2に示すように、一方、ステップS5にて、被写体Sの画像領域Aの寸法がAF評価領域Pの最小寸法以下であると判定されると(ステップS5;NO)、領域設定部7cは、画像領域Aの中心座標に最小寸法のAF評価領域Pの中心座標が重なるように当該最小寸法のAF評価領域Pを一つ設定する(ステップS11)。その後、中央制御部14は、AF評価領域Pの縁部分に対応するAF枠Wをライブビュー画像の被写体Sに重畳させて表示部9に表示させる。
【0051】
図3に示すように、評価値算出部7dは、解析結果画像データL(例えば、横×縦:40×30画素)について領域設定部7cにより設定されたAF評価領域Pの画像データに基づいて、画像のコントラストの高低を示すAF評価値を算出する処理を行った後、中央制御部14は、評価値算出部7dにより算出されたAF評価値のピーク位置に対応するフォーカスレンズ1の測距位置に基づいて、所定の制御信号をレンズ駆動部2に出力してフォーカスモータを駆動させることで、フォーカスレンズ1の合焦位置を調整させる合焦処理を行う(ステップS12)。
図2に示すように、また、ステップS4にて、被写体Sが検出されていないと判定された場合には(ステップS4;NO)、領域設定部7cは、測距方式を「スポットAF」に切り替えて画角の略中央にAF評価領域Pを設定した後(ステップS13)、中央制御部14は、処理をステップS12に移行させて、それ以降の処理を行う。
【0052】
図3に示すように、ステップS10若しくはステップS12における合焦処理の後、中央制御部14は、ユーザにより操作入力部11のシャッタボタン11aが全押し操作されたか否かを判定する(ステップS14)。
ここで、シャッタボタン11aが全押し操作されたと判定されると(ステップS14;YES)、中央制御部14は、撮像制御部5に露出条件(シャッター速度、絞り、増幅率等)やホワイトバランス等の条件を調整させて、被写体(図5(c)等参照)の光学像を所定の条件で電子撮像部3により撮像させる。その後、中央制御部14は、ユニット回路4及び画像生成部6を経て生成された静止画像(若しくは、動画像)のYUVデータを画像処理部8の符号化部(図示略)により所定の符号化方式(例えば、JPEG方式やMPEG方式等)により圧縮・符号化させた後、画像記録部10に記録させる(ステップS15)。
【0053】
一方、ステップS14にて、シャッタボタン11aが全押し操作されていないと判定されると(ステップS14;NO)、中央制御部14は、シャッタボタン11aの半押し操作が解除されたか否かを判定する(ステップS16)。
ここで、シャッタボタン11aの半押し操作が解除されていないと判定されると(ステップS16;NO)、中央制御部14は、処理をステップS14に移行させて、シャッタボタン11aが全押し操作されるまで、それ以降の処理を繰り返し行う。一方、シャッタボタン11aの半押し操作が解除されたと判定されると(ステップS16;YES)、中央制御部14は、処理をステップS1に移行させて、撮像処理の最初から処理を開始する。
【0054】
以上のように、本実施形態の撮像装置100によれば、被写体Sの画像領域Aに基づいて、複数のAF評価領域Pを設定し、設定された複数のAF評価領域Pの画像データに基づいて、各AF評価領域PのAF評価値をそれぞれ算出するため、どのような構図であっても被写体Sの画像領域Aに対してAF評価領域Pを設定することができる。また、これら複数のAF評価値をフォーカスレンズ1の焦点距離に従って整列した場合に、AF評価値が集中している評価値集中範囲Rを特定して、当該評価値集中範囲R内の焦点距離でフォーカスレンズ1を合焦させるので、例えば、夜景(図5参照)や大きな被写体(図6、図7参照)といったコントラストの低くなる被写体Sであっても当該被写体Sに応じて複数のAF評価領域Pを設定することができ、これらのAF評価領域Pのうち、評価値集中範囲R内にAF評価値のピーク位置があるAF評価領域Pを有効として、評価値集中範囲R内の焦点距離でフォーカスレンズ1を合焦させることができる。
従って、構図に関わらず被写体Sに合焦させることができ、これにより、予めコントラストの高い部分に焦点を合わせた後、カメラをふってコントラストの低い部分を画角内に入れ直すといった動作も必要なくなり、当該撮像装置100の焦点調整を適正に、且つ、簡便に行うことができる。
【0055】
また、評価値集中範囲R内の複数のAF評価値のピーク位置に対応する焦点距離の平均を算出して、当該平均の焦点距離でフォーカスレンズ1を合焦させるので、被写体Sに応じて設定された複数のAF評価領域Pの中で、現象的にはピントがほぼ合った状態となるAF評価領域Pの数を増加させることができる。
即ち、例えば、図4(b)に示すように、9つのAF評価領域Pのうち、評価値集中範囲R内にAF評価値のピーク位置がある7つのAF評価領域Pについては、平均の焦点距離でフォーカスレンズ1を合焦させると、厳密に言えばピントが完全には合わず画像がぼけてしまう箇所もあるが、より多くのAF評価領域Pの画像に対して現象的にはピントがほぼ合った状態とすることで、コントラストの低い被写体Sに対しても焦点調整を簡便に行うことができる。
【0056】
さらに、ライブビュー画像の表示中に、操作入力部11のシャッタボタン11aが半押し操作されると、フォーカスレンズ1を合焦させる焦点距離にあるAF評価領域Pに対応付けてAF枠Wを表示するので、評価値集中範囲R内にAF評価値のピーク位置がある有効なAF評価領域Pに対応するAF枠Wを複数表示することができ、ユーザに対して現象的にはピントがほぼ合った状態となっている箇所を報知することができる。従って、コントラストの低い被写体Sを撮影する場合であっても、ユーザに被写体Sにおけるピントがほぼ合っている箇所を認識させることができる。
【0057】
また、被写体Sの画像領域Aの寸法に応じてAF評価領域Pの設定数を変更して当該AF評価領域Pを設定することができる。具体的には、被写体Sの画像領域Aの寸法がAF評価領域Pの最小寸法よりも大きい場合には、AF評価領域Pを複数設定する一方で、被写体Sの画像領域Aの寸法がAF評価領域Pの最小寸法以下である場合には、AF評価領域Pを一つ設定することができる。即ち、被写体Sの画像領域Aの寸法に応じて、設定されるAF評価領域Pの数を変更することで、如何なる寸法の被写体Sにも対応することができ、フォーカスレンズ1の焦点調整をより適正に行うことができる。
【0058】
また、AF評価領域Pを複数設定する場合には、被写体Sの画像領域Aを包含するように、即ち、被写体Sの画像領域Aと重なる位置や被写体Sの画像領域Aの輪郭部分と交わる位置に複数のAF評価領域Pの各々を設定するので、被写体S自体にはコントラストが少ない場合であっても、少なくとも被写体Sとそれ以外の部分との境界にコントラスト差があることから評価値算出部7dによってより適正なAF評価値を算出することができ、フォーカスレンズ1の焦点調整をより適正に行うことができる。
【0059】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、評価値算出部7dにより算出されたAF評価値が集中している範囲として、予め所定の範囲に設定されている評価値集中範囲Rを例示したが、これに限られるものではなく、例えば、複数のAF評価領域PのAF評価値のうち、所定割合(例えば、5〜7割合)のAF評価値が含まれている範囲をAF評価値が集中している範囲としても良い。
【0060】
また、上記実施形態にあっては、撮像処理における被写体Sの検出を、操作入力部11のシャッタボタン11aが半押し操作されたことを契機として行うようにしたが、シャッタボタン11aの操作の有無に関わらずライブビュー画像の表示中に必ず実行するようにしても良い。
【0061】
さらに、被写体Sの画像領域Aの特定にあっては、画像生成部6から送られてきた画像データから解析結果画像データLを生成して当該画像データLを用いて行うようにしたが、必ずしも解析結果画像データLを生成する必要はなく、画像生成部6から送られてきた画像データ自体を用いて行っても良い。
【0062】
また、合焦手段として、中央制御部14及びレンズ駆動部2を例示したが、これに限られるものではなく、電子撮像部3を光軸方向に移動させる駆動機構(図示略)を設け、当該駆動機構を中央制御部14の制御下にて駆動させるようにしても良い。
【0063】
さらに、撮像装置100の構成は、上記実施形態に例示したものは一例であり、これに限られるものではなく、少なくとも撮像手段、検出手段、領域設定手段、算出手段、合焦手段を備える構成であれば適宜任意に変更することができる。
【0064】
加えて、上記実施形態にあっては、検出手段、領域設定手段、算出手段、合焦手段としての機能を、中央制御部14の制御下にて、AF処理部7、レンズ駆動部2が駆動することにより実現される構成としたが、これに限られるものではなく、中央制御部14によって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
即ち、プログラムを記憶するプログラムメモリ13に、検出処理ルーチン、領域設定処理ルーチン、算出処理ルーチン、合焦制御処理ルーチンを含むプログラムを記憶しておく。そして、検出処理ルーチンにより中央制御部14のCPUを、撮像手段により撮像された撮像画像Gから被写体Sの画像領域Aを検出する検出手段として機能させるようにしても良い。また、領域設定処理ルーチンにより中央制御部14のCPUを、検出処理ルーチンにより検出された被写体Sの画像領域Aに、合焦評価値(AF評価値)を算出すべき評価領域(AF評価領域P)を複数設定する領域設定手段として機能させるようにしても良い。また、算出処理ルーチンにより中央制御部14のCPUを、領域設定処理ルーチンにより設定された複数の評価領域について合焦評価値(AF評価値)をそれぞれ算出する算出手段として機能させるようにしても良い。また、合焦制御処理ルーチンにより中央制御部14のCPUを、算出処理ルーチンによる算出結果に基づいて撮像手段を合焦させる合焦手段として機能させるようにしても良い。
【符号の説明】
【0065】
100 撮像装置
1 フォーカスレンズ
2 レンズ駆動部
3 電子撮像部
7 AF処理部
7a 画像認識部
7b 領域判定部
7c 領域設定部
7d 評価値算出部
7e 範囲特定部
7f 距離算出部
11 操作入力部
11a シャッタボタン
14 中央制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段と、
前記撮像手段により撮像される画像から被写体の画像領域を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された被写体の画像領域に、合焦評価値を算出すべき評価領域を複数設定する領域設定手段と、
前記領域設定手段により設定された前記複数の評価領域について合焦評価値をそれぞれ算出する算出手段と、
前記算出手段による算出結果に基づいて合焦する合焦手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記領域設定手段は、
前記検出手段により検出された被写体の画像領域の寸法に応じて前記評価領域の設定数を変更して当該評価領域を設定することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記被写体の画像領域の寸法が前記評価領域として設定可能な最小寸法よりも大きいか否かを判定する第1判定手段を更に備え、
前記領域設定手段は、
前記第1判定手段による判定の結果、前記被写体の画像領域の寸法が前記評価領域の最小寸法よりも大きい場合に前記評価領域を複数設定する一方、前記被写体の画像領域の寸法が前記評価領域の最小寸法以下である場合に前記評価領域を一つ設定することを特徴とする請求項1又は2項に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像画像に対する前記検出手段により検出された被写体の画像領域の寸法の割合が所定の割合以上であるか否かを判定する第2判定手段を更に備え、
前記領域設定手段は、
前記第2判定手段により前記撮像画像に対する前記被写体の画像領域の寸法の割合が所定の割合以上であると判定されると、前記評価領域を複数設定することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記領域設定手段は、
前記検出手段により検出された被写体の画像領域を包含するように前記評価領域を複数設定することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記算出手段により算出された複数の合焦評価値とこの合焦評価値から得られる焦点距離とに基づいて、前記算出された各評価領域の合焦評価値のピーク位置を所定の範囲内に最も多く含む焦点距離範囲を特定する特定手段を更に備え、
前記合焦手段は、
前記特定手段により特定された焦点距離範囲に基づいて合焦することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記特定手段により特定された範囲内の複数の合焦評価値のピーク位置に対応する焦点距離の平均を算出する平均距離算出手段を更に備え、
前記合焦手段は、
前記平均距離算出手段により算出された平均の焦点距離で合焦することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記特定手段により特定された焦点距離範囲の中間点の距離を算出する中間距離算出手段を備え、
前記合焦手段は、
前記中間距離算出手段により算出された中間点の距離で合焦することを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
【請求項9】
前記撮像手段による撮像を指示する半押し操作可能な操作手段と、
前記撮像手段により撮像された撮像画像を逐次表示するとともに、前記操作手段が半押し操作された際に、前記合焦手段により合焦する焦点距離にある評価領域に対応付けて合焦領域枠を表示する表示手段と、を更に備えることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項10】
撮像装置の撮像部にて撮像される画像から被写体の画像領域を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにて検出された被写体の画像領域に、合焦評価値を算出すべき評価領域を複数設定する領域設定ステップと、
前記領域設定ステップにて設定された前記複数の評価領域について合焦評価値をそれぞれ算出する算出ステップと、
前記算出ステップでの算出結果に基づいて合焦する合焦ステップと、
を含むことを特徴とする合焦方法。
【請求項11】
撮像装置が備えるコンピュータを、
撮像される画像から被写体の画像領域を検出する検出手段、
前記検出手段によって検出された被写体の画像領域に、合焦評価値を算出すべき評価領域を複数設定する領域設定手段、
前記領域設定手段によって設定された前記複数の評価領域について合焦評価値をそれぞれ算出する算出手段、
前記算出手段における算出結果に基づいて合焦させる合焦手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−242796(P2011−242796A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160708(P2011−160708)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【分割の表示】特願2009−146272(P2009−146272)の分割
【原出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】