説明

撮像装置ベースの光符号読取機によって読取った光符号を復号化するシステム及び方法

【課題】撮像装置ベースの光符号読取機によって読取られた光符号を復号化するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】光符号を読取るためのシステム及び方法。本方法は、一連のフレームに対応する画像データを取得して処理する段階を含む少なくとも1つのターゲットを撮像する段階、少なくとも現在のフレーム(フレーム(N))に対応する画像データと以前のフレーム(フレーム(N−1))に対応する画像データとを含む、一連のフレームのそれぞれの取得フレームに対応する画像データを記憶する段階、読取作動の開始を示す作動信号をフレーム(N)中に取り出す段階、フレーム(N−1)に対応する画像データの少なくとも一部分を取り出す段階、及び取り出した画像データに対して復号化作動を実行する段階を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光符号読取機に関する。特に、本発明は、撮像装置ベースの光符号読取機によって読取られた光符号を復号化するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光符号は、光反射又は光放射特性が異なる画像区域で構成されたパターンであり、これらは、一般的に推測的規則に従って作られる。ある一定の種類の光符号を説明するために用語「バーコード」を使用する場合がある。光符号の光学特性及びパターンは、それらが使用される背景環境からそれらを外観で区別するように選択される。光符号からデータを識別又は抽出するための装置は、バーコードスキャナをその1つの種類として含む「光符号読取機」と呼ばれる場合がある。
【0003】
光符号読取機は、精算サービスのための店舗、流れ作業及び在庫管理のための製造現場、及び荷物処理を追跡するための輸送車両におけるような多くの様々な環境で固定式又は携帯式の設定のいずれかで使用される。光符号は、例えば、印刷された多くのバーコードのリストからターゲットバーコードを読取ることにより、データ入力の迅速な汎用手段として使用することができる。一部の用途では、光符号読取機は、携帯式データ処理装置又はデータ収集及び送信装置に接続される。多くの場合に、光符号読取機は、手動でターゲット符号に向けられる手持ち式センサを含む。
【0004】
従来の光符号の例は、1次元バーコード記号である。バーコードは、固定又は可変幅スペースによって分離された可変幅矩形バーのパターンである。バーとスペースの光反射特性は異なる。1次元バーコードの一例は、例えば、製品在庫を識別するのに使用されるUPC/EANコードである。2次元又は積み重ね式バーコードの例は、PDF417バーコードである。PDF417バーコードの説明とその復号化の技術は、Shellhammer他に付与され、「Symbol Technologies Inc.」に譲渡された米国特許第5,635,697号に開示されており、これは、本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている。別の従来の光符号は、「MaxiCode」として公知である。それは、中心ファインダパターン又は標的中心、及び中心ファインダを取り囲む六角形の格子から成る。本特許出願に開示する発明の態様は、一般的に光符号読取機に適用可能であり、それらが読取るようになっている光符号の特定の形式に関係のないことに注意すべきである。説明する発明はまた、一部の関連する画像認識又は解析に適用可能とすることができる。
【0005】
光符号読取機は、レーザベース又は撮像装置ベースとすることができる。従来の撮像装置ベース光符号読取機では、撮像エンジンが設けられ、これは、エンジン視野内の画像要素又はピクセルに対応する領域電荷結合素子(CCD)のようなセル又は光センサの2次元アレイを有する画像センサを有する。撮像エンジンは、更に、画像センサに入射する光を集束するためのレンズアセンブリと、画像センサに連結され、視野に対する2次元アレイのピクセル情報に対応する一連の電子信号を出力する関連回路とを含む。この電気信号は、デジタル化され、画像データとして、光符号を復号化するために画像データを処理することを含む画像データを処理するためのプロセッサに供給される。
【0006】
便利な態様においては、オペレータは、光符号読取機をターゲット符号に向けてトリガを引き、これが光符号読取機に信号を送り、典型的にはトリガを引いた後に得られる次の画像である取得画像を処理することになる。画像取得は、一般的に、連続した一連のフレームに従って実行される。従来の30フレーム/秒のビデオストリームを使用するシステムでは、フレームは、約33ミリ秒毎に発生する。処理は、復号化時間が次のフレームの中まで延長する復号化作動を含むことができる。
【0007】
読取時間、例えば、トリガを引いてから復号化の完了までの時間間隔の最短化は、光符号スキャナに対して優先度が高い。市販されている撮像装置ベースの光符号読取機では、レーザベースの光符号読取機と比較して読取時間が相対的に長い。レーザベースの光符号読取機の速度と同等の速度を達成するためには、撮像装置ベースの光符号読取機の読取時間を短縮することが有利であると考えられる。
【0008】
読取時間は、現在のフレームの残りの部分を完了するのに必要な時間(例えば、30フレーム/秒を使用する例に対して0〜33ミリ秒)、次のフレームを完了するのに必要な時間(例えば、33ミリ秒)、及び復号化処理を実行するのに必要な時間(例えば、10ミリ秒)の合計を含み、与えられた例では総計で少なくとも43ミリ秒になる。更に、一部の光符号読取機システムでは、読取時間は、感知した特性を処理し、撮像又は信号処理に関連するパラメータ設定値を調節し、調節したパラメータ設定値を使用して画像データを取得するか又は画像データを処理するなどのための付加的なフレームを更に含む場合がある。
一部のシステムでは、視野の一部分に対応する画像データが得られた時のような画像データが部分的に得られた状態で画像データの処理を開始する(例えば、視野の上部部分から開始する)ことによって読取時間を短縮する試みが為されている。しかし、部分取得に対応する処理された部分に含まれていない視野の部分にターゲット光符号がある場合には、読取時間は、大きくは短縮されない。
【0009】
従って、本発明の態様は、撮像装置ベースの光符号読取機による光符号の画像取得及び復号化に対して読取時間が大きく短縮されるシステム及び方法を提供することである。
本発明の更に別の態様は、撮像装置ベースの光符号読取機の画像センサによって発生した信号の信号処理のために周囲光をサンプリングしてパラメータ設定値を調節することである。
【0010】
本発明の目的の更に別の態様は、撮像装置ベースの光符号読取機の画像センサによって発生した信号の信号処理のためのパラメータ設定値を調節するのに必要な時間を短縮することである。
本発明の付加的な態様は、撮像装置ベースの光符号読取機の画像センサによって発生した信号の信号処理のための初期パラメータ設定値を、この初期パラメータ設定値がトリガ作動に先行するフレーム中に実行された画像取得に対応する信号の処理に対して最適化される時に提供することである。
【0011】
【特許文献1】米国特許第5,635,697号
【特許文献2】米国特許出願第10/803,669号
【発明の開示】
【0012】
本発明により、システムの実施形態では、光符号読取機システムが提供され、これは、一連の少なくとも1つのフレームに対応する画像データを取得して処理することを含む少なくとも1つのターゲットを撮像するための撮像モジュールと、少なくとも現在のフレーム(フレーム(N))に対応する画像データと以前のフレーム(フレーム(N−1))に対応する画像データとを含む、上述の少なくとも1つのフレームのそれぞれの取得フレームに対応する画像データを記憶するための少なくとも1つの記憶媒体とを有する。光符号読取機システムは、更に、読取作動の開始を示す作動信号をフレーム(N)中に受信するための少なくとも1つのプロセッサを含むプロセッサアセンブリを含む。更に、プロセッサアセンブリは、フレーム(N−1)に対応する画像データの少なくとも一部分を少なくとも1つの記憶媒体から取り出すための、少なくとも1つのプロセッサ上で実行可能なフレーム取込み器モジュールと、取り出した画像データに対して復号化作動を実行するための、少なくとも1つのプロセッサ上で実行可能な復号器モジュールとを含む。
【0013】
本発明の別の実施形態では、光符号読取機装置が提供され、これは、一連の少なくとも1つのフレームに対応する画像データを取得して処理することを含む少なくとも1つのターゲットを撮像するための撮像モジュールと、少なくとも現在のフレーム(フレーム(N))に対応する画像データと以前のフレーム(フレーム(N−1))に対応する画像データとを含む、上述の少なくとも1つのフレームのそれぞれの取得フレームに対応する画像データを記憶するための少なくとも1つの記憶媒体とを有する。光符号読取機は、更に、読取作動の開始を示す作動信号をフレーム(N)中に受信するための少なくとも1つのプロセッサを含むプロセッサアセンブリを含む。プロセッサアセンブリは、更に、フレーム(N)に対応する画像データの少なくとも一部分を少なくとも1つの記憶媒体から取り出すための、少なくとも1つのプロセッサ上で実行可能なフレーム取込み器モジュールと、取り出した画像データに対して復号化作動を実行するための、少なくとも1つのプロセッサ上で実行可能な復号器モジュールとを含む。
【0014】
本発明の別の実施形態では、光符号を読取る方法が提供される。本方法は、一連の少なくとも1つのフレームに対応する画像データを取得して処理する段階を含む少なくとも1つのターゲットを撮像する段階、少なくとも現在のフレーム(フレーム(N))に対応する画像データと以前のフレーム(フレーム(N−1))に対応する画像データとを含む、上述の少なくとも1つのフレームのそれぞれの取得フレームに対応する画像データを記憶する段階、読取作動の開始を示す作動信号をフレーム(N)中に取り出す段階、フレーム(N−1)に対応する画像データの少なくとも一部分を取り出す段階、及び取り出した画像データに対して復号化作動を実行する段階を含む。
【0015】
本発明の更に別の実施形態では、光符号読取装置が提供され、装置は、一連の少なくとも1つのフレームに対応する画像データを取得して処理する段階を含む少なくとも1つのターゲットを撮像するための撮像モジュールを有し、取得する段階及び処理する段階の少なくとも一方は、少なくとも1つの調節可能なパラメータに従って実行され、装置は、更に、周囲光の少なくとも1つの特性を感知して感知に対応する周囲光信号を発生する周囲光センサアセンブリを有する。光符号読取装置は、更に、少なくとも1つのプロセッサを有するプロセッサアセンブリを含み、プロセッサアセンブリは、読取作動の開始を示す作動信号をフレーム(N)中に受信し、作動信号の受信に応答して一連の少なくとも1つのフレームのフレームに対応する画像データの少なくとも一部分にアクセスしてアクセスした画像データを復号化するための、少なくとも1つのプロセッサ上で実行可能な少なくとも1つのモジュールと、作動信号の受信に応答してフレーム(N+2)を開始する前に少なくとも1つの調節可能パラメータの設定値を調節する解析に従って周囲光信号を解析するための、少なくとも1つのプロセッサ上で実行可能なパラメータ調節器モジュールとを含む。
【0016】
本発明の更に別の実施形態では、光符号を撮像する方法が提供される。本方法は、一連の少なくとも1つのフレームに対応する画像データを取得して処理する段階を含む少なくとも1つのターゲットを撮像する段階を含み、取得する段階及び処理する段階の少なくとも一方は、少なくとも1つの調節可能なパラメータに従って実行され、本方法は、周囲光の少なくとも1つの特性を感知する段階、感知に対応する周囲光信号を発生する段階、読取作動の開始を示す作動信号をフレーム(N)中に受信する段階を更に含む。本方法は、更に、作動信号の受信に応答して一連の少なくとも1つのフレームのフレームに対応する画像データの少なくとも一部分にアクセスし、アクセスした画像データを復号化する段階、作動信号の受信に応答して周囲光信号を解析する段階、フレーム(N+2)を開始する前に解析段階の結果に従って少なくとも1つの調節可能パラメータの設定値を調節する段階を含む。
本発明の様々な実施形態をここから以下に図面を参照して説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、運動状態の間に撮像に対して最適化された、露光及び/又は利得処理などのための光符号読取機の撮像装置駆動回路及び/又は映像処理回路に対するデフォルトパラメータ設定値を使用する撮像装置ベースの光符号読取機を提供する。フレーム(N)中にアクチュエータによって作動すると、以前のフレームであるフレーム(N−1)で取得した画像データに対する復号化作動の実施を含む読取作動が開始される。フレーム(N−1)は、トリガを引く前に得られたので、恐らく、ユーザは既に光符号に向いているが、光符号読取機及び/又はターゲット符号は、まだある程度運動中であった可能性が大きい。従って、デフォルト撮像装置駆動回路パラメータ設定値を使用してターゲット光符号の復号可能な画像を取得し、第1の復号化の試みが成功する確率が高い。
【0018】
フレーム(N)中に実行される復号化作動と並行して、周囲光センサから出力された信号が解析され、解析に従って映像処理回路又は画像駆動回路などのためのパラメータ設定値が調節され、そのために次のフレームであるフレーム(N+1)では、調節されたパラメータ設定値を使用して画像が取得及び/又は処理される(例えば、デジタル化される)ことになる。第1の復号化の試みが成功しなかった場合には、フレーム(N)中に取得したデータに対して、フレーム(N+1)中に別の復号化の試みが実行される。最悪の場合には、以前の復号化の試みが不成功であった場合には、次のフレームであるフレーム(N+2)の開始時に、フレーム(N+1)中に調節パラメータ設定値を使用して取得した画像に対して復号化作動が実行される。
【0019】
従来の撮像装置ベースの光符号読取機では、画像は、フレーム(N+1)中に得られる。フレーム(N+2)では、フレーム(N+1)中に取得したデータに対して第1の復号化が試みられる。復号化の試みが成功しない場合には、フレーム(N+1)中に取得した画像が解析され、それに応じて撮像装置駆動又は映像処理回路のパラメータ設定値が調節される。フレーム(N+3)では、調節された設定値を使用して画像が得られる。フレーム(N+4)では、フレーム(N+3)中に調節設定値を用いて取得した画像に対して第2の復号化作動が実行される。
【0020】
図1を参照すると、光センサアレイ開口12と周囲光センサ開口14とを有する撮像装置ベースの光符号読取機10を含む例示的な光符号読取機システム2を示している。光センサアレイ開口12と周囲光センサ開口14は、1つの開口に含めるか又は別々の開口とすることができる。光符号読取機システム2には、読取作動を開始するためにその作動と共に作動信号を発生させるための、ユーザ、センサ、プロセッサ、ホストターミナルなどによって作動することができるトリガ、スイッチ(ハードウエア又はソフトウエア)のようなアクチュエータ16が装備される。作動信号は、指令の形式などでホストターミナルによって発生し、光符号読取機10によって受信することができる。光符号読取機10は、手持ち式、携帯式、及び/又は固定式の装置として構成することができる。光符号読取機は、更に、PDA又は携帯電話のような別の装置に組み込むことができる。
【0021】
光符号読取機は、通信インタフェース22を通じてホストターミナル又はネットワークのような少なくとも別の装置20と有線又は無線通信することができる。例えば、光符号読取機10は、キーボード、ディスプレイ、プリンタ、データ記憶装置、アプリケーションソフトウエア、及びデータベースのような1つ又はそれよりも多くの構成要素を含むシステム内で実施することができる。システムは、更に、別のシステム又はネットワークと通信することができる。通信インタフェース22は、有線式又は無線式とすることができ、例えば、ケーブル、モデム又はISDNインタフェースのいずれかを経由した電話交換ネットワーク、赤外線データインタフェース(IDRA)、及び/又は多接点シューを含むことができる。通信インタフェース22によって送信されるデータは、圧縮データを含むことができる。
【0022】
図2を参照すると、プロセッサアセンブリ202と、周囲光センサアセンブリ204と、撮像装置光センサアレイ206及び映像処理回路208を含む撮像装置モジュール201と、照明器アセンブリ210と、少なくとも1つの記憶媒体装置214、アクチュエータ16、及び装置20を含む記憶媒体アセンブリ212とを含む、光符号読取機システム2の例示的な構成要素を表すブロック図が示されている。周囲光センサアセンブリ204は、周囲光センサ開口14を通して伝達された光を感知することによって周囲光条件をサンプリングするための1つ又はそれよりも多くの光センサを含む。周囲光センサ開口14を通して伝達された周囲光を周囲光光センサアセンブリ204上に集束させるための1つ又はそれよりも多くのレンズを含む光学器械(図示せず)を任意的に設けることができる。
【0023】
周囲光センサアセンブリ204は、光強度のある一定の範囲のような周囲光の少なくとも1つの特性を感知し、この感知に対応し、かつ周囲光特性、例えば強度を示す周囲光信号203として示される少なくとも1つの電気信号を発生することができる。周囲光信号203は、A/D変換を行うアナログ対デジタル(A/D)ポートなどを通じてアナログ信号としてプロセッサアセンブリ202に供給することができる。周囲光信号203は、好ましくは、画像信号205又は画像データ207よりも遥かに少ない情報しか含まず、従って、周囲光信号203の処理は、画像信号205又は画像データ207の処理に比較して相対的に単純かつ迅速である。
【0024】
周囲光センサアセンブリ204は、プロセッサアセンブリ202からは外部にある周囲光信号203を処理するための回路を含むことができる。例えば、周囲光信号203を閾値と比較するための比較器を含むアナログ回路を設けることができ、比較の結果は、プロセッサアセンブリ202に供給される。別の例では、周囲光センサアセンブリ204は、周囲光信号203をプロセッサアセンブリ202に供給する前に周囲光信号203をアナログ信号からデジタル信号に変換するためのA/D回路を含むことができる。
光符号読取機内の周囲光を感知するためのシステム及び方法は、2004年3月18日出願で「Symbol Technologies Inc.」に譲渡された「光符号読取機内の周囲光を感知するためのシステム及び方法」という名称の米国特許出願第10/803,669号に説明されており、その内容全体は、本明細書において引用により全体的に組み込まれている。
【0025】
撮像装置モジュール201は、撮像装置モジュール201の視野(FOV)に対応する画像を常時取得し、対応する画像データを一連のフレームとしてプロセッサアセンブリ202に供給する。撮像装置光センサアレイ206は、光センサアレイ開口12を通して伝達された光符号読取機10の視野(FOV)内にある物体から反射した光を感知するための一連の光センサを含む。撮像装置光センサアレイ206は、ここでは画像信号205として示す、感知に対応する画像を表す一連の電気信号を発生し、これは、映像処理回路208に供給される。光センサアレイ開口14を通して伝達された光を光センサアレイ206上に集束させるための光学器械(図示せず)を設けることができる。光センサアレイ206は、CCD又は他の類似の装置を含むことができる。
【0026】
映像処理回路208は、画像取得及び画像データ207を発生させるための画像信号205の処理(例えば、デジタル化)に作用する回路を含む。映像処理回路208は、画像データ207の一連の1つ又はそれよりも多くのフレームをプロセッサアセンブリ202に常時出力し、これは、画像データ207の一連のフレームのうちの受信フレームをその記憶のために記憶媒体アセンブリ212にプロセッサアセンブリ202を通じて供給する。更に、映像処理回路208は、フレーム発生、送信、及び/又はその処理を同期させるために使用されるフレーム同期信号209をプロセッサアセンブリ202に出力する。図示の例では、映像処理回路208は、映像ポートを通じてプロセッサアセンブリ202とインタフェースで接続している。
【0027】
光センサアレイ206による感知中に照明を提供するために、発光ダイオード(LED)、キセノンランプ、又はレーザ光源のような1つ又はそれよりも多くの光源を含む照明アセンブリ210を設けることができる。照明アセンブリ210は、以下に更に説明するように、手動又は自動で制御可能とすることができるある一定の範囲の持続時間にわたってある一定の範囲の照明の強度を発生するために、少なくとも1つの調節可能なパラメータに従って作動することができる。好ましくは、照明強度は、調節可能な照明強度パラメータに従って選択可能であり、照明の持続時間は、調節可能な照明持続時間パラメータに従って選択可能である。図示の例では、照明アセンブリ210は、汎用I/Oポート(GPIO)を通じてプロセッサアセンブリ202とインタフェースで接続している。
【0028】
周囲光センサアセンブリ204のセンサは、光センサアレイ206に含めることができ、光センサアレイ206は、周囲光センサアセンブリ204の1つ又はそれよりも多くの光センサを含んでいる。例えば、周囲光センサアセンブリ204と光アレイセンサ206は、同じ回路基板上に設けることができる。更に、周囲光センサアセンブリ204及び/又は光アレイセンサ206の少なくとも一方の光センサは、周囲光センサアセンブリ204及び光アレイセンサ206の他方の光センサが使用可能の時には、使用不可にすることができる。
【0029】
好ましくは、周囲光センサアセンブリ204の光センサの数は、光センサアレイ206のアレイに含まれる光センサの数よりも大幅に少ない。周囲光センサアセンブリ204に含まれていない光センサアレイ206の光センサは、走査作動が実行されていない時は「閉じる」(すなわち、使用不可にする)ことができる。センサは、例えば、光線がセンサに当たるのを物理的に妨げるか、又は遮断センサにより電気信号の発生を電気的に妨げるか、電気信号の転送、又はデジタル化、画像の処理、及び/又はその復号化のような電気信号の処理を電気的に妨げることなどにより「閉じる」ことができる。
【0030】
周囲光センサアセンブリ204は、周囲光のみの感知の専用にしてもよく、走査作動が実行されている時に「閉じる」ことができ、又は代替的に走査作動と同様に周囲光感知に又はそれらの組合せで使用することもできる(周囲光センサアセンブリ204の一部分が、周囲光感知専用にされる)。周囲光センサアセンブリ204は、光センサアレイ206のセンサの間に配分することができ、又はある一定の群として位置決めすることができ、又はその組合せとすることができる。上述のように、周囲光センサアセンブリ204と光センサアレイ206に光を伝えるために、周囲光センサ開口12と光センサアレイ開口14を含む開口の1つだけを設けることができる。周囲光センサ204のFOVは、光センサアレイ206のFOVと一致するか又は重複してもよく又はしなくてもよい。
【0031】
図3を参照すると、映像処理回路208は、画像取得中の露光制御と画像信号207の利得処理とのために少なくとも利得回路304及び/又は露光回路306を含む。利得及び露光処理の各々は、以下に更に説明するように調節可能であるそれぞれのパラメータ設定値に従って作動する。
利得回路304は、一般的にA/D変換のために使用される利得処理のための利得増幅器のような回路を含む。利得回路304は、調節可能な利得パラメータに従って利得を処理するために、画像信号205の少なくとも一部分を処理する。画像信号205は、プロセッサアセンブリ202によって処理するための画像信号205を準備するために、複数の第2の電子信号をバッファに入れ、濾過し、及び/又はデジタル化するなどのための付加的な回路(図示せず)によって処理することができる。
【0032】
露光回路306は、例えば、電子式シャッタ又は機械式シャッタの制御を含むことができるシャッタの制御などによって露光時間(すなわち、積分時間)を制御する。露光回路306は、調節可能な露光パラメータに従ってある一定量の時間にわたってシャッタ(電気式又は機械式)の開放を制御する。露光回路306は、シャッタが開いている時間量を制御するための制御信号を発生することができる。機械式シャッタの場合、制御信号は、制御信号の値に対応する特性(電圧のような)を有するアナログ信号に変換することができる。シャッタは、アナログ制御信号の特性のマグニチュードに対応する時間量だけシャッタを開放するように制御することができる。
【0033】
再度図2を参照すると、記憶媒体アセンブリ212は、RAM、フラッシュメモリ、磁気ドラム、CD−ROMなどのような少なくとも1つの記憶装置214を含む。少なくとも1つの記憶装置214は、プロセッサアセンブリ202に対して内部、外部、又はその組合せとすることができる。記憶媒体アセンブリ212は、主バスなどを通じてプロセッサアセンブリ202によってアクセス可能である。
【0034】
プロセッサアセンブリ202は、1つ又はそれよりも多くのアナログ構成要素、及び/又はマイクロプロセッサ、「フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)」などのような1つ又はそれよりも多くのデジタルプロセッサを含むことができる。更に、装置20とプロセッサアセンブリ202は、それらのそれぞれの処理機能を実行するためにリソースを共有することができる。プロセッサアセンブリ202の1つ又はそれよりも多くのプロセッサは、光符号読取機10内に及び/又は光符号読取機10から遠隔の1つ又はそれよりも多くの装置に組み込むことができ、互いにデータ通信(有線又は無線)することができ、及び/又は互いに独立に作動することができる。
アクチュエータ16は、アクチュエータ16の開始と共に作動信号215を発生する。上述のように、作動信号215は、光符号読取機10上のスイッチ又はトリガ又は装置20のようなハードウエアにより、又はプロセッサアセンブリ202又はホストターミナルのような装置20のようなプロセッサによって発生された指令などを通じてソフトウエアにより発生することができる。
【0035】
図4を参照すると、プロセッサアセンブリ202は、パラメータ調節器モジュール404、復号器モジュール406、及びフレーム取込み器モジュール408を含むいくつかのソフトウエアモジュールを実行する。各モジュールは、プロセッサアセンブリ202上で実行可能な一連のプログラム可能命令を含む。一連のプログラム可能命令は、本明細書に開示する機能を実行するために、かつ本発明による技術的な効果を達成するために、RAM、ハードドライブ、CD、スマートカード、3.5インチディスケットなどのようなコンピュータ可読媒体上に記憶するか、又はプロセッサアセンブリ202によって実行されるように伝播信号を通じて送信することができる。プロセッサアセンブリ202は、説明したソフトウエアモジュールに制限されない。それぞれのソフトウエアモジュールの機能は、1つのモジュールに結合させるか又はモジュールの異なる組合せの間に配分することができる。
【0036】
パラメータ調節器モジュール404は、周囲光信号203を解析し、解析に従って映像処理回路208又は画像駆動回路のパラメータ設定値を調節する。周囲光信号203の処理及び解析に伴う処理は、画像データ207に対して実行される処理に比べて遙かに少なく、従ってそれに伴う時間も遙かに少ない。パラメータ調節器モジュール404はまた、読取作動が完了し、かつ新しい読取作動の開始前に、パラメータ設定値をデフォルト値に設定する。復号器モジュール406は、データ受信、データに対する復号化アルゴリズムの実行を含む復号化作動を実行し、復号化作動が成功すると復号化した情報を出力する。フレーム取込み器モジュール408は、データを復号化するなどの更なる処理を行うことができるように、記憶媒体アセンブリ212から適切なフレーム又はその一部分に対応するデータを取り出す。撮像モジュール201は、画像データの一定のストリームを、記憶媒体によって記憶されてフレーム取込み器モジュール408に利用可能な一連のフレームとして供給する。
【0037】
図5を参照すると、プロセッサアセンブリ202によって実行される段階を示す例示的な流れ図500が提供されている。段階502で、パラメータ調節器モジュール404は、利得及び/又は露光回路に対するパラメータ設定値をデフォルト値に設定する。段階502は、前の読取作動の完了時を含む読取作動開始の前に実行される。デフォルト値は、運動状態で得られた画像信号を処理するために最適化される。このような最適化は、処理される最初の画像データが恐らく運動状態で得られるために望ましいものである。以下でより詳細に説明するように、読取作動を開始するためにアクチュエータ16が作動すると、作動信号215は、現在のフレームであるフレーム(N)中にプロセッサアセンブリ202によって受信されて処理される。最初に処理される画像データは、アクチュエータの作動の前に発生したフレームであるフレーム(N−1)に対応する。
【0038】
フレーム(N−1)がアクチュエータ16の作動の前に発生するので、ユーザが光符号読取機10をターゲット光符号の方向に向けること(又は、その逆)を完了中であった可能性が高く、従って、光符号読取機10とターゲット符号の少なくとも一方は運動中であった可能性が高い。移動を相殺して画像データの不鮮明化を最小にするために、利得回路304及び/又は露光回路306に対するパラメータ設定値は、運動の影響を最小にするように最適化された設定値に設定される。
従って、利得回路304に対する利得パラメータに対するデフォルト値は、好ましくは最大値(MAX)に設定され、露光回路306に対する露光パラメータは、好ましくは2ミリ秒に設定される。図2に示す例示的な実施形態では、パラメータ設定値は、プロセッサアセンブリ202によってI2Cバスを通じて映像処理回路208に出力される。
【0039】
段階504で、プロセッサアセンブリ202は、読取作動の開始を示す作動信号215の受信を待つ。作動信号215を受信すると、段階506が実行され、フレーム取込み器モジュール408が記憶媒体アセンブリ212からフレーム(N−1)に対応する画像データの少なくとも一部分を取り込む。与えられた例では、段階506で取り込まれた画像データは、フレーム(N−1)に対応する画像データの完全な組である。しかし、段階506で取り込まれた画像データは、フレーム(N−1)に対応する画像データの一部分とすることができることも考えられている。
【0040】
段階508で、取り込まれた画像データは、次に、撮像された光符号に対応する画像データの部分の復号化と復号済み情報の発生とを含む復号化作動を実行するために復号器モジュール406に供給される。段階510で、復号化作動が成功したか(例えば、取り込まれた画像データの復号化が成功したか及び復号済み情報が利用可能か)の判断が行われる。復号化作動が成功した場合は、段階512が実行され、そこでは、ユーザに提供する(例えば、表示する)ため、及び/又はトランザクションの処理、データベース(例えば、在庫)の更新などのような更に別の処理のためにホストプロセッサに供給するなどのために、復号済み情報が復号器モジュール406によって出力される。次に、デフォルトパラメータ設定値を設定し、次の読取作動の開始を待つために段階502が実行される。
【0041】
すなわち、段階508で実行された復号化作動が成功した場合、復号済み情報は、アクチュエータ16の作動後に直ちに出力される。この例によれば、復号済み情報は、アクチュエータ16の作動の約10ミリ秒後に出力される。フレームの持続時間は、33ミリ秒である。従って、フレーム(N)中のどの時点でアクチュエータ作動が発生したかにより、復号済み情報は、フレーム(N+1)に対応するデータ取得が完了する前、好ましくは、フレーム(N+1)に対応するデータ取得を開始する前に出力される。
【0042】
以下に説明するように、段階506、508、及び510の少なくとも1つの実行と実質的に同時に、段階514と516の少なくとも一方が実行される(例えば、並行処理により)。段階514で、パラメータ調節器モジュール404は、デジタル化済み周囲光信号203(又は、上述のように、比較器による閾値に対する比較の結果のような外部処理の結果)を処理する。周囲光解析器モジュール404は、周囲光センサアセンブリ204によって感知された周囲光条件下での撮像を最適化するために照明強度、照明持続時間、利得及び/又は露光パラメータに対してどの調節を行う必要があるかを判断する。
【0043】
段階516で、パラメータ調節器モジュール404は、パラメータ調節信号217を発生してパラメータ調節信号217を映像処理回路208に供給することにより、照明強度、照明持続時間、利得及び/又は露光パラメータに対する設定値を調節する。従って、照明アセンブリ210、利得モジュール304、及び/又は露光モジュール306のパラメータは、好ましくはフレーム(N+1)及び/又はデータの処理中に発生すると考えられる画像データの次の取得中に使用するために調節される(例えば、必要に応じて、画像データの現在の処理に対して直ちに有効であるか、又は画像データの次の取得に対応する画像データの処理に対して有効である)。
【0044】
段階514と516が完了すると、段階510の判断結果に従って段階512又は段階518のいずれかが実行される。段階510で復号化作動が不成功であったと判断された場合、段階518が実行される。段階518で、フレーム(N)に対応する画像データの少なくとも一部分が記憶媒体アセンブリ212から取り込まれる。与えられた例では、段階518で取り込まれた画像データは、フレーム(N)に対応する画像データの完全な組である。しかし、段階518で取り込まれた画像データは、フレーム(N)に対応する画像データの一部分とすることができることも考えられている。
【0045】
フレーム(N)で取り込まれた画像データは、利得及び/又は露光に対するデフォルトパラメータ設定値を使用して得られたものである。フレーム(N)の一部分(アクチュエータ16の作動に先行する部分)は、恐らく運動状態で得られたものである。フレーム(N−1)とフレーム(N)の取得の間に経過した時間の量は非常に短いが、フレーム(N)に対応するデータが得られた条件は、フレーム(N−1)に対応するデータが得られた条件と異なることが可能である(例えば、ユーザが、ターゲット光符号に異なる照準を達成していた)。段階520で、取り込まれた画像データに対して復号化作動が実行される。
【0046】
段階522において、段階520で実行された復号化作動が成功したかの判断が行われる。復号化作動が成功であると判断されると、段階512が実行され、そこでは、復号器モジュール406によって復号済み情報が出力される。次に、デフォルトパラメータ設定値を設定し、次の読取作動の開始を待つために、段階502が実行される。
すなわち、段階520で実行された復号化作動が成功であった場合、復号済み情報は、フレーム(N+1)の開始後に直ちに出力される。この例によれば、復号済み情報は、フレーム(N+1)の開始後約10ミリ秒で出力される。
【0047】
復号化作動が不成功と判断された場合、段階524と526が実行される。段階524で、フレーム(N+1)に対応する画像データの少なくとも一部分が、記憶媒体アセンブリ212から取り込まれる。与えられた例では、段階524で取り込まれた画像データは、フレーム(N+1)に対応する画像データの完全な組である。しかし、段階524で取り込まれた画像データは、フレーム(N+1)に対応する画像データの一部分とすることができることも考えられている。フレーム(N+1)に対応する画像データは、照明強度、照明持続時間、利得及び/又は露光に対する調節パラメータ設定値を使用して得られたものである。段階526で、取り込まれた画像データに対して復号化作動が実行される。
【0048】
段階528で、段階526で実行された復号化作動が成功したかの判断が行われる。復号化作動が成功したと判断された時は、段階512が実行され、そこでは、復号器モジュール406によって復号済み情報が出力される。次に、デフォルトパラメータ設定値を設定し、次の読取作動の開始を待つために、段階502が実行される。
すなわち、段階526で実行された復号化作動が成功であった場合、復号済み情報は、フレーム(N+2)の開始後に直ちに出力される。この例によれば、復号済み情報は、フレーム(N+2)の開始後約10ミリ秒で出力される。
【0049】
復号化作動が不成功と判断された場合、実行される段階は、設計上の選択に従うものになる。図示の例では、失敗した読取り試行は中止され、デフォルトパラメータ設定値を設定し、次の読取作動の開始を待つために、制御は段階502に送られる。復号済みデータは出力されない。読取作動を中止する前に、更に別の感知、調節、及び/又は処理を実行し、更に別の復号化を試みることができることも考えられている。また、読取り失敗時に読取作動が失敗であったことをユーザに通信するために、ユーザにメッセージ又は表示を提供することができることも考えられている。
【0050】
段階506、518、及び/又は524で、取り込んだ画像データが、それぞれの段階で処理されている特定のフレームに対応する画像データの一部分を含むこと、及び特定フレームに対応する画像データのそれぞれの連続した部分を取り込んで、復号化の成功が発生する、特定フレームに対して十分な復号化試行が実行される、又はタイムアウト条件が発生するなどのある一定の条件が満たされるまで取り込んだ画像データに対して復号化作動を試みるために何回かの反復を実行することができることが考えられている。連続した部分は、それが得られる時の画像データの利用可能性によるとすることができ、又は設計上の選択による画像データの様々な選択された部分とすることができる。
【0051】
図6を参照すると、例示的な読取作動のいくつかのケースに対する時系列600が示されている。各フレームの持続時間が約33ミリ秒である一連のフレームが示されている。アクチュエータ16の作動は、時点Aで示したフレーム(N)の開始から約0〜33ミリ秒とすることができるフレーム(N)中に発生する。図示の例では、作動信号215は、時点Aの約5ミリ秒後に起きる時点Bで受信されて処理される。好ましくは、図5の段階506、508に関連して説明したように、作動信号215を受信した直後に画像データが取り出されて復号化作動が実行される。必要に応じて、作動信号215を受信した後の選択された時間に、データの異なる部分を使用して段階506、508を実行又は反復することができる。現在の例では、データ取込みと復号化作動に約10ミリ秒を要する。従って、最善のケースである段階508で実行された成功した復号化作動は、時点Bでの読取作動開始の約10ミリ秒後に起きる時点Cで完了する。
【0052】
その次のケースでは、段階518と520に関連して説明したように画像データが取り込まれて復号化作動が実行され、フレーム(N+1)の開始時に始まり(時点Dとして示す)、10ミリ秒後に起きる時点Eで完了する。必要に応じて、時点Dの前又は後の選択された時間に、データの異なる部分を使用して段階518、520を実行又は反復することができる。
最悪のケースでは、段階524と526に関連して説明したように画像データが取り込まれて復号化作動が実行され、フレーム(N+2)の開始時に始まり(時点Fとして示す)、10ミリ秒後に起きる時点Gで完了する。必要に応じて、時点Fの前又は後の選択された時間に、データの異なる部分を使用して段階524、526を実行又は反復することができる。
【0053】
従って、最善のケースは、読取作動の開始後10ミリ秒に起きる時点Cで成功のうちに完了する。その次のケースは、読取作動の開始後38ミリ秒に起きる時点Eで成功のうちに完了する。最悪のケースは、読取作動の開始後71ミリ秒に起きる時点Gで成功のうちに完了する。上述の例示的なケースは、より迅速な復号化作動、特定フレームに対応するデータ部分の処理、時点D以前の段階518、520の実行、及び/又は時点F以前の段階524、526の実行によって改善することができることが考えられている。
【0054】
従来の光符号読取装置によって実行された読取作動の最善のケースでは、読取作動の開始後71ミリ秒である時点G付近で復号化が完了し、これは、本発明の最悪のケースと同時である。従来の光符号読取装置では、アクチュエータの作動後に、作動信号215の受信に続く次の完全なフレーム(フレーム(N+1)で得られたデータの取込み後のフレーム(N+2)の開始時に復号化が開始される。フレーム(N+1)で得られたデータが解析され、フレーム(N+2)中に露光と利得に対して相応に調節を行うことができる。フレーム(N+3)までは、データは、取得及び/又は調節されたパラメータ設定値を使用して処理されず、この同じデータは、フレーム(N+4)まで復号化されない。
【0055】
光符号読取機システム2は、従来の光符号読取機システムに比較して上述の技術のあらゆる組合せにより読取時間を短縮することが考えられており、上述の技術とは、運動状態での画像取得に対して最適化されたデフォルト設定値の設定と、読取作動開始のためのアクチュエータ作動時の以前のフレームに対応するデータの取込み及び取込みデータの復号化と、次のフレームで得られるデータが調節パラメータによって取得及び/又は処理されることになるように、好ましくはアクチュエータの作動と同じフレーム内でアクチュエータの作動直後にパラメータ設定値を調節するための周囲光の感知及び感知結果の処理と、アクチュエータの作動が起きたフレームに対応するデータの取込み及び取込みデータの復号化と、画像が調節パラメータを使用して取得及び/又は処理されたフレームに対応するデータの取込み及び取込みデータの復号化とを含むものである。
【0056】
アクチュエータがフレーム(N)の終わりか又はその近くで作動される場合、フレーム(N)に対応するデータの取込みは、フレーム(N−1)に対応する取込まれたデータが依然として処理され、例えば復号化されている間か又はその直後に実行することができることが更に考えられている。周囲光信号の処理及びパラメータ設定値の調節は、たとえ調節パラメータが画像取得及び/又はその処理の一部分のために使用することができる場合でも、できるだけ早い画像取得及び/又は調節パラメータを使用するその処理に対してできるだけ早い機会に実行されることになる。
本発明の説明した実施形態は、制限的ではなく例示的であるものとし、本発明の全ての実施形態を表す意図はない。特許請求の範囲に文字通りに及び法的に認識される均等物の両方で示す本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な変更及び変形を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明による光符号読取機システムの概略図である。
【図2】図1に示す光符号読取機システムの構成要素のブロック図である。
【図3】図1に示す光符号読取機システムの映像処理回路の構成要素のブロック図である。
【図4】図1に示す光符号読取機システムのプロセッサアセンブリの構成要素のブロック図である。
【図5】図4に示すプロセッサアセンブリによって実行される段階の流れ図である。
【図6】図1に示す光符号読取機システムの作動を示すタイミング図である。
【符号の説明】
【0058】
500 プロセッサアセンブリによって実行される段階を示す流れ図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一連の少なくとも2つのフレーム中に画像データの一定のストリームを取得して処理することを含む少なくとも1つのターゲットを撮像するための撮像モジュールと、
前記一連の少なくとも2つのフレームのそれぞれのフレーム中に取得した画像データを記憶するための少なくとも1つの記憶媒体と、
前記一連の少なくとも2つのフレームのフレーム(N)中に読取作動の開始を示す作動信号を受信するための少なくとも1つのプロセッサを含むプロセッサアセンブリと、
を含み、
前記プロセッサアセンブリは、
フレーム(N)よりも前の前記一連の少なくとも2つのフレームのフレーム中に取得した画像データの少なくとも一部分を前記少なくとも1つの記憶媒体から取り出すための、前記少なくとも1つのプロセッサ上で実行可能なフレーム取込み器モジュールと、
前記取り出した画像データに対して復号化作動を実行するための、前記少なくとも1つのプロセッサ上で実行可能な復号器モジュールと、
を含む、
ことを特徴とする光符号読取機システム。
【請求項2】
周囲光の少なくとも1つの特性を感知し、該感知に対応する周囲光信号を発生するための周囲光センサアセンブリ、
を更に含み、
前記プロセッサアセンブリは、前記周囲光信号を解析し、該解析に従って前記画像データの取得及び処理の少なくとも一方のために使用される前記撮像モジュールの少なくとも1つのパラメータの設定値を調節するための、前記少なくとも1つのプロセッサ上で実行可能なパラメータ調節器モジュールを更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の光符号読取機。
【請求項3】
前記パラメータ調節器モジュールは、前記フレーム取込み器モジュールによる前記取り出し及び前記復号モジュールによる復号化作動の前記実行の少なくとも一方と実質的に同時に前記解析及び調節の少なくとも一方を実行することを特徴とする請求項2に記載の光符号読取機。
【請求項4】
前記撮像装置モジュールは、ターゲットから反射した入射光を感知して該感知に対応する複数の画像信号を発生するための画像センサアレイと、該複数の画像信号の利得を該利得を判断する利得パラメータに従って処理するための利得回路、該画像センサアレイの露光時間を該露光時間を判断する露光パラメータに従って制御するための露光回路、及び、照明の強度を判断する照明強度パラメータ及び該照明の持続時間を判断する照明持続時間パラメータの少なくとも一方に従って前記感知中に照明を提供するための照明器アセンブリのうちの少なくとも1つとを含み、
前記少なくとも1つのパラメータは、前記利得パラメータ、前記露光パラメータ、前記照明強度パラメータ、及び前記照明持続時間パラメータのうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の光符号読取機。
【請求項5】
フレーム(N)よりも前の前記フレーム中に取得した前記画像データの少なくとも一部分の前記少なくとも1つの記憶媒体からの取り出し、及び該取り出した画像データに対する前記復号化作動の実行の少なくとも一方の実施は、フレーム(N+1)の開始の前に行われることを特徴とする請求項1に記載の光符号読取機。
【請求項6】
前記プロセッサアセンブリは、
前記以前に取り出した画像データに対して実行した前記復号化作動が成功であったかを判断する段階、
の少なくとも1回の反復を更に実行し、成功でなかった場合には、
前記フレーム取込み器モジュールが、前記少なくとも1つの記憶媒体から前記以前に取り出した画像データとは異なる画像データを取り出し、前記復号器モジュールが、該取り出した異なる画像データに対して復号化作動を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の光符号読取機。
【請求項7】
前記周囲光信号の前記解析及び前記少なくとも1つのパラメータの調節の少なくとも一方は、フレーム(N+1)の開始の前に実行されることを特徴とする請求項2に記載の光符号読取機。
【請求項8】
成功する復号化作動は、フレーム(N+2)の開始の前に実行されることを特徴とする請求項1に記載の光符号読取機。
【請求項9】
成功する復号化作動は、フレーム(N+4)の開始の前に前記調節された少なくとも1つのパラメータに従って取得された及び処理されたうちの少なくとも一方である画像データに対して実行されることを特徴とする請求項2に記載の光符号読取機。
【請求項10】
前記読取作動の開始の前に、前記少なくとも1つのパラメータに対する前記設定値は、運動状態での画像データの取得及び処理の少なくとも一方に対して最適化されたデフォルト設定値に初期化されることを特徴とする請求項2に記載の光符号読取機。
【請求項11】
一連の少なくとも2つのフレーム中に画像データの一定のストリームを取得して処理することを含む少なくとも1つのターゲットを撮像するための撮像モジュールと、
前記一連の少なくとも2つのフレームのそれぞれのフレーム中に取得した画像データを記憶するための少なくとも1つの記憶媒体と、
前記一連の少なくとも2つのフレームのフレーム(N)中に読取作動の開始を示す作動信号を受信するための少なくとも1つのプロセッサを含むプロセッサアセンブリと、
を含み、
前記プロセッサアセンブリは、
フレーム(N)中に又はフレーム(N)よりも前に取得した前記画像データの少なくとも一部分を前記少なくとも1つの記憶媒体から取り出すための、前記少なくとも1つのプロセッサ上で実行可能なフレーム取込み器モジュールと、
前記取り出した画像データに対して復号化作動を実行するための、前記少なくとも1つのプロセッサ上で実行可能な復号器モジュールと、
を含む、
ことを特徴とする光符号読取機装置。
【請求項12】
前記フレーム取込み器モジュールは、フレーム(N)よりも前の前記一連の少なくとも2つのフレームのフレーム中に取得したデータを取り出し、前記復号器モジュールは、フレーム(N)よりも前の該フレーム中に取得した該取り出した画像データに対して復号化作動を実行することを特徴とする請求項11に記載の光符号読取機。
【請求項13】
光符号を読取る方法であって、
一連の少なくとも2つのフレーム中に画像データを取得して処理する段階を含む、少なくとも1つのターゲットを撮像する段階と、
前記一連の少なくとも2つのフレームのそれぞれ取得フレーム中に取得した画像データを記憶する段階と、
前記一連の少なくとも2つのフレームのフレーム(N)中に読取作動の開始を示す作動信号を受信する段階と、
フレーム(N)よりも前の前記一連の少なくとも2つのフレームのフレーム中に取得した画像データの少なくとも一部分を取り出す段階と、
前記取り出した画像データに対して復号化作動を実行する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
周囲光の少なくとも1つの特性を感知する段階と、
前記感知に対応する周囲光信号を発生させる段階と、
前記周囲光信号を解析する段階と、
前記解析に従って、前記画像データを取得して処理する段階の少なくとも一方に対して使用された前記撮像モジュールの少なくとも1つのパラメータの設定値を調節する段階と、
を更に含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ターゲットから反射した入射光を感知する段階と、
前記感知に対応する複数の画像信号を発生させる段階と、
前記複数の画像信号の利得を該利得を判断する利得パラメータに従って処理する段階、前記反射光を感知するための露光時間を該露光時間を判断する露光パラメータに従って制御する段階、及び、照明の強度を判断する照明強度パラメータ及び該照明の持続時間を判断する照明持続時間パラメータのうちの少なくとも一方に従って前記感知する段階中に照明を生成する段階のうちの少なくとも1つと、
を更に含み、
前記少なくとも1つのパラメータは、前記利得パラメータ、前記露光パラメータ、前記照明強度パラメータ、及び前記照明持続時間パラメータのうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
フレーム(N)よりも前の前記フレーム中に取得した前記画像データに対して実行された前記復号化作動が成功であったかを判断する段階、
を更に含み、成功でなかった場合には、
フレーム(N)中に取得した前記画像データの少なくとも一部分を取り出し、
フレーム(N)中に取得した前記取り出した画像データに対して復号化作動を実行する、
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
復号化作動を前記実行する段階は、フレーム(N+1)の開始の前に失敗なく実行されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項18】
復号化作動を前記実行する段階は、フレーム(N+3)の開始の前に前記調節された少なくとも1つのパラメータに従って取得された及び処理されたうちの少なくとも一方である画像データに対して失敗なく実行されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記読取作動を開始する前に、前記少なくとも1つのパラメータに対する設定値を運動状態での画像データの取得及び処理の少なくとも一方に対して最適化されたデフォルト設定値に初期化する段階を更に含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記解析する段階及び調節する段階の少なくとも一方は、フレーム(N+2)の開始の前に実行されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項21】
取得及び処理の少なくとも一方が少なくとも1つの調節可能なパラメータに従って実行される、一連の少なくとも2つのフレーム中に画像データの一定のストリームを取得及び処理することを含む少なくとも1つのターゲットを撮像するための撮像モジュールと、
周囲光の少なくとも1つの特性を感知し、該感知に対応する周囲光信号を発生させるための周囲光センサアセンブリと、
少なくとも1つのプロセッサを含むプロセッサアセンブリと、
を含み、
前記プロセッサアセンブリは、
前記一連の少なくとも2つのフレームのフレーム(N)中に読取作動の開始を示す作動信号を受信し、該作動信号の受信に応答して該一連の少なくとも2つのフレームのフレーム中に取得した画像データの少なくとも一部分にアクセスして該アクセスした画像データを復号化するための、前記少なくとも1つのプロセッサ上で実行可能な少なくとも1つのモジュールと、
フレーム(N)よりも前の前記一連の少なくとも2つのフレームのフレーム中又はフレーム(N)中に実行された周囲光の前記少なくとも1つの特性の感知に対応する周囲光信号を解析し、該解析に従って、フレーム(N+2)の開始の前に前記少なくとも1つの調節可能なパラメータの設定値を調節するための、前記少なくとも1つのプロセッサ上で実行可能なパラメータ調節器モジュールと、
を含む、
ことを特徴とする光符号読取装置。
【請求項22】
前記パラメータ調節モジュールは、フレーム(N+1)の開始の前に前記少なくとも1つの調節可能なパラメータの前記設定値を調節することを特徴とする請求項21に記載の光符号読取装置。
【請求項23】
前記撮像装置モジュールは、ターゲットから反射した入射光を感知して該感知に対応する複数の画像信号を発生するための画像センサアレイと、該複数の画像信号の利得を該利得を判断する利得パラメータに従って処理するための利得回路、該画像センサアレイの露光時間を該露光時間を判断する露光パラメータに従って制御するための露光回路、及び、照明の強度を判断する照明強度パラメータ及び該照明の持続時間を判断する照明持続時間パラメータの少なくとも一方に従って前記感知中に照明を提供するための照明器アセンブリのうちの少なくとも1つとを含み、
前記少なくとも1つの調節可能なパラメータは、前記利得パラメータ、前記露光パラメータ、前記照明強度パラメータ、及び前記照明持続時間パラメータのうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項21に記載の光符号読取装置。
【請求項24】
光符号を撮像する方法であって、
取得及び処理の少なくとも一方が少なくとも1つの調節可能なパラメータに従って実行される、一連の少なくとも2つのフレーム中に画像データの一定のストリームを取得及び処理する段階を含む、少なくとも1つのターゲットを撮像する段階と、
周囲光の少なくとも1つの特性を感知する段階と、
前記感知に対応する周囲光信号を発生させる段階と、
読取作動の開始を示すフレーム(N)中に作動信号を受信する段階と、
前記一連の少なくとも2つのフレームのフレーム中に取得した画像データの少なくとも一部分にアクセスし、前記作動信号の受信に応答して該アクセスした画像データを復号化する段階と、
フレーム(N)よりも前の前記一連の少なくとも2つのフレームのフレーム中又はフレーム(N)中に実行された周囲光の前記少なくとも1つの特性の感知に対応する周囲光信号を解析する段階と、
フレーム(N+2)の開始の前に前記解析する段階の結果に従って前記少なくとも1つの調節可能なパラメータの設定値を調節する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
設定値を調節する段階は、フレーム(N+1)の開始の前に実行されることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
ターゲットから反射した入射光を感知する段階と、
前記感知に対応する複数の画像信号を発生させる段階と、
前記複数の画像信号の利得を該利得を判断する利得パラメータに従って処理する段階、前記反射光を感知するための露光時間を該露光時間を判断する露光パラメータに従って制御する段階、及び、照明の強度を判断する照明強度パラメータ及び該照明の持続時間を判断する照明持続時間パラメータのうちの少なくとも一方に従って前記感知する段階中に照明を生成する段階のうちの少なくとも1つと、
を更に含み、
前記少なくとも1つの調節可能なパラメータは、前記利得パラメータ、前記露光パラメータ、前記照明強度パラメータ、及び前記照明持続時間パラメータのうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項24に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2008−508609(P2008−508609A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−523768(P2007−523768)
【出願日】平成17年7月27日(2005.7.27)
【国際出願番号】PCT/US2005/026630
【国際公開番号】WO2006/015039
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(599101597)シンボル テクノロジーズ インコーポレイテッド (68)
【Fターム(参考)】