説明

撮像装置及びその撮像方法

【課題】参照光に含まれるノイズ成分を除去した被検査物の断層画像を取得する。
【解決手段】撮像装置は、光干渉断層法を用いて被検査物の断層画像を取得する。ここで、撮像装置は、光を発する光源1と、光源から出射された光を参照光と測定光とに分岐する第1の光分岐手段3と、参照光を第1の参照光と第2の参照光とに分岐する第2の光分岐手段10と、測定光を被検査物に照射することにより得られる戻り光と第1の参照光とを干渉させた干渉光が入射される第1の検出領域19aと、第2の参照光が入射される第2の検出領域19bとを有し、当該第1の検出領域及び第2の検出領域に入射した光の信号を別々に検出する検出手段19と、第2の検出領域で検出された第2の検出信号を用いて第1の検出領域で検出された第1の検出信号を補正し、当該補正後の第1の検出信号に基づいて被検査物の断層画像を生成する画像生成手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光干渉断層法を用いる撮像装置及びその撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
低コヒーレント光による干渉を利用した光干渉断層法(OCT:Optical Coherence Tomography)を用いる(以下、OCT装置と呼ぶ場合もある)が知られている。この装置では、被検査物の断層画像を高解像度に撮像できる。
【0003】
OCT装置においては、ビームスプリッタなどにより光源からの光を測定光と参照光とに分ける。測定光は、眼などの被検査物に照射され、その被検査物からの戻り光が参照光と合波され、干渉光として検出器に導かれる。ここで、戻り光は、被検査物に対する光の照射方向における界面に関する情報等が含まれる反射光や散乱光で構成される。戻り光と参照光との干渉光を検出器で検出し、それを解析することによって被検査物の断層画像が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−122649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フーリエドメイン方式では、戻り光と参照光との合波光の分光強度分布を波数変換した後、フーリエ変換し、それにより、求められた周波数成分毎の強度情報が、各距離における反射強度を表す。そのため、被検査物に測定光を照射する位置を変えながら求めた強度分布情報をつなぎ合わせることにより被検査物の断層画像を生成できる。
【0006】
しかし、参照光自身の分光強度分布も同時にフーリエ変換されるため、この周波数成分毎の強度情報がノイズとして画像に現れる。また、参照光学系の内部で多重反射等があれば、これらの多重反射光との干渉に起因した周波数成分が現れ、この場合にも、当該周波数成分に起因したノイズが画像に現れてしまう。
【0007】
光源の分光強度分布情報を予め測定しておき、ノイズを取り除く方法も考えられるが、光源の分光強度分布が安定していない場合や、光学要素の分光透過率や振動等により分光強度分布が変化していない場合には、依然としてノイズが残ってしまう。
【0008】
ここで、特許文献1には、合波光から参照光成分を推定し、参照光の自己相関関数を合波光から差し引くことによりノイズを除去する技術について言及されている。しかし、この方法では、あくまでも参照光成分を推定しているだけであり、正確にノイズを除去することはできない。また、測定光(戻り光)と参照光とを別々に分光してノイズを除去する方法も提案されているが、戻り光及び参照光の分光を別々に行なう構成は、非効率であり、また、精度も悪い。
【0009】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、参照光に含まれるノイズ成分を除去した被検査物の断層画像を取得できるようにした技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、光干渉断層法を用いて被検査物の断層画像を取得する撮像装置であって、光を発する光源と、前記光源から出射された光を参照光と測定光とに分岐する第1の光分岐手段と、前記参照光を第1の参照光と第2の参照光とに分岐する第2の光分岐手段と、前記測定光を前記被検査物に照射することにより得られる戻り光と前記第1の参照光とを干渉させた干渉光が入射される第1の検出領域と、前記第2の参照光が入射される第2の検出領域とを有し、当該第1の検出領域及び第2の検出領域に入射した光の信号を別々に検出する検出手段と、前記第2の検出領域で検出された第2の検出信号を用いて前記第1の検出領域で検出された第1の検出信号を補正し、当該補正後の第1の検出信号に基づいて前記被検査物の断層画像を生成する画像生成手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、参照光に含まれるノイズ成分を除去した被検査物の断層画像を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる光干渉断層撮像装置(OCT装置)の構成の一例を示す図。
【図2】ノイズ成分を説明するための図(図2(a)は、第1の検出領域19aで検出される干渉縞の強度分布の一例を示す図。図2(b)は、撮像部19により検出される検出信号の一例を示す図。図2(c)は、第1の参照光と第2の参照光との信号の波形の一例を示す図)。
【図3】図1に示すOCT装置30の処理の流れの一例を示すフローチャート。
【図4】図1に示すOCT装置30の処理の流れの一例を示すフローチャート。
【図5】ノイズ成分の除去の概要を説明するための図。
【図6】実施形態2に係わる構成の一例を示す図(図6(a)は、実施形態2に係わるファイバー接続部15の接続端15a及び15bの構成の一例を示す図。図6(b)は、実施形態2に係わる撮像部26の構成の一例を示す図。図6(c)は、実施形態2に係わる分光器63の構成の一例を示す図。)。
【図7】実施形態3に係わるOCT装置30の構成の一例を示す図。
【図8】実施形態3に係わる処理を説明するための図(図8(a)は、第1の測定光と第2の測定光による走査範囲を説明するための図。図8(b)は、実施形態3に係わる検出信号の一例を示す図。)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
(実施形態1)
図1は、本発明の一実施の形態に係わる光干渉断層撮像装置(OCT装置)の構成の一例を示す図である。本実施形態においては、フーリエドメイン方式の光干渉断層法を撮像装置に適用し、被検査物として眼底の断層画像を取得する場合について説明する。なお、被検査物は、眼底に限られず、例えば、人間の皮膚等の断層画像を取得しても良い。
【0015】
OCT装置30は、光源1と、第1の光分岐部3と、光量調整部21と、サンプルアーム61と、参照アーム62と、分光器63と、制御部23と、表示部24とを具備して構成される。なお、第1の光分岐部3は、光ファイバー(2、4、9、14)を介して光源1、分光器63、サンプルアーム61、参照アーム62とそれぞれ接続されている。また、光量調整部21は、光ファイバー(20、22)を介して参照アーム62及び分光器63とそれぞれ接続されている。
【0016】
光源1は、低コヒーレンス光を発する光源である。光源1は、低コヒーレンス光を射出できれば良い。例えば、SLD(Super Luminescent Diode)やASE(Amplified Spontaneous Emission)、チタンサファイアレーザなどの超短パルスレーザを用いれば良い。ここで、光源1から射出される光の波長は、例えば、400nm〜2μmである。波長の帯域は、広いほど縦分解能(光軸方向に沿った分解能)が良くなる。一般に、中心波長が850nmの場合、50nmの帯域では6μmの分解能となり、また、100nmの帯域では3μmの分解能となる。なお、波長や帯域幅は、上記例示に限定されず、被検査物や観察対象となる測定部位等に応じて適宜変更すれば良い。
【0017】
ここで、光源1から射出された光(光束)は、光ファイバー2を介して第1の光分岐部3に伝搬される。第1の光分岐部3には、例えば、ファイバーカプラなどを用いれば良い。なお、分岐の比率は、被検査物に応じて調整すれば良い。
【0018】
サンプルアーム61は、撮像光学系として機能し、コリメータレンズ5と、光走査部6と、接眼レンズ7とを具備して構成される。サンプルアーム61には、第1の光分岐部3により光ファイバー4側に分岐された光(測定光)が入射され、その光路上に上述した構成が設けられる。測定光は、サンプルアーム61を介して被検眼8の眼底8rに達する。
【0019】
光走査部6には、コリメータレンズ5を介して測定光が入射される。光走査部6は、接眼レンズ7を介して被検眼8の眼底8rに対して測定光を走査させる。測定光の走査の仕方は、撮像目的に応じて異なってくるが、例えば、測定光を1次方向に走査させることによりBスキャン像を取得する場合と、Bスキャンを複数回行なうことにより測定光を2次元方向に走査して3次元像を取得する場合とがある。なお、光走査部6には、例えば、タンデムに配置されたガルバノミラー又は共振ミラー等を用いれば良い。
【0020】
光量調整部21は、参照光の光量を調整する。なお、光量の調整の詳細ついては後述するが、予め求められた光量調整値に基づいて行なわれる。光量調整部21は、例えば、可変アッテネーター(VOA:Variable Optical Attenuator)等で構成される。
【0021】
参照アーム62は、参照光学系として機能し、第2の光分岐部10と、光ファイバー11と、光量検知部25と、コリメータレンズ12と、参照ミラー13とを具備して構成される。参照アーム62には、第1の光分岐部3により光ファイバー9側に分岐された光(参照光)が入射され、その光路上に上述した構成が設けられる。
【0022】
参照ミラー13は、駆動部13aによる駆動力を受けて光軸方向に沿って移動する。これにより、眼軸長が異なる被検眼に対しても、参照光と測定光との光路長を一致させることができる。
【0023】
光量検知部25は、装置の異常等により過大な光が被検者に照射されないように光量の監視を行なう。光量検知部25により光量の異常が検知された場合、光源1が消灯されたり、また、光走査部6の角度が調整されたりする。これにより、被検査物への光の照射を中止する。
【0024】
分光器63には、ファイバー接続部15と、コリメータレンズ16と、分光部17と、結像レンズ18と、撮像部19とが配される。分光器63には、第1の光分岐部3により測定光(戻り光)と参照光(反射光)との合波が入射され、その光路上に上述した構成が設けられる。
【0025】
分光部17は、光を回折により分光する機能を果たし、例えば、光の波長に近い寸法の回折格子(グレーティング、プリズム等)が等間隔に複数配されて構成される。
【0026】
撮像部19は、ラインセンサ(アレイ状に並んだ撮像素子(CMOS、CCD等))で構成される。撮像部19は、ラインセンサ上に第1の検出領域19aと第2の検出領域19bとを有し、当該第1の検出領域19aに入射した光を第1の検出信号として検出し、当該第2の検出領域19bに入射した光を第2の検出信号として検出する。すなわち、第1の検出領域19a及び第2の検出領域19bに入射した光の信号を別々に検出する。
【0027】
ここで、ファイバー接続部15には、図中左上に示すように、接続端15a及び接続端15bが設けられる。接続端15aには、光ファイバー14が接続されており、分光器63は、当該ファイバー14を介して第1の光分岐部3に接続されている。また、接続端15bには、光ファイバー22が接続されており、分光器63は、当該ファイバー22、光量調整部21、光ファイバー22を介して第2の光分岐部10に接続されている。なお、第2の光分岐部10とファイバー接続部15との間には、2つの経路(9、3、14を介する経路、20、21、22を介する経路)があるが、これら両経路の光路長及び分散量が互いに等しくなるように各ファイバーの光学的な長さは、予め調整しておく。
【0028】
制御部23は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により実現され、OCT装置30における各部の動作を制御する。制御部23は、例えば、光走査部6、駆動部13a、撮像部19、光量調整部21等の制御を行なう。
【0029】
制御部23には、機能的な構成として、画像生成部23aと、表示制御部23bと、第1の算出部23cと、第2の算出部23dとが設けられる。画像生成部23aは、撮像部19により検出された信号を解析又は演算し、被検査物(眼底)の断層画像を生成する。表示制御部23bは、画像生成部23により生成された眼底の断層画像を表示部24に表示させる。第1の算出部23cは、後述する光量調整値を算出する。第2の算出部23dは、後述する波長間隔補正値を算出する。
【0030】
ここで、OCT装置30の説明を分かり易くするために、被検眼8の眼底8rの断層画像を取得する際の処理の流れについて簡単に説明する。
【0031】
OCT装置30は、まず、光源1から光を発する。光源1から出射された光は、光ファイバー2を介して第1の光分岐部3に伝搬される。第1の光分岐部3においては、サンプルアーム61(光ファイバー4)と、参照アーム62(光ファイバー9)とに対して、例えば、1:9の比率で光を分岐させる。
【0032】
第1の光分岐部3により光ファイバー4側に分岐された光(戻り光)は、ファイバー端4aに達し、当該ファイバー端4aを点光源としてコリメータレンズ5に向けて照射される。この戻り光は、コリメータレンズ5により平行光に変換された後、光走査部6及び接眼レンズ7を介して被検眼8の眼底8r上を走査する。
【0033】
被検眼8の眼底8rに照射された光は、眼底8rの網膜を構成する複数の層上において、反射及び散乱し、戻り光となり、入射時と同一光路を経て、再度、第1の光分岐部3に入射する。このとき、第1の光分岐部3は、光ファイバー2と、分光器63(光ファイバー14)とに対して、例えば、1:9の比率で光を分岐させる。
【0034】
また、光源1からの光のうち、第1の光分岐部3により光ファイバー9側に分岐された光(参照光)は、第2の光分岐部10により更に、光ファイバー11側と光量検知部25側とに分岐される。上述した通り、光量検知部25側に分岐された光は、光量検知部25による光の監視に利用される。なお、第2の光分岐部10においては、光ファイバー11側と光量検知部25側とに対して、例えば、50:50の比率で光を分岐させる。
【0035】
ここで、第2の光分岐部10により光ファイバー11側に分岐された光(参照光)は、コリメータレンズ12により平行光に変換された後、参照ミラー13に入射する。参照ミラー13に入射した参照光は、参照ミラー13の作用により元の光路に向けて反射し、コリメータレンズ12及び光ファイバー11を介して、再度、第2の光分岐部10に入射する。このとき、第2の光分岐部10においては、第1の光分岐部3(光ファイバー9)と、光量調整部21(光ファイバー20)とに対して、例えば、50:50の比率で光を分岐させる。
【0036】
ここで、第2の光分岐部10により光ファイバー9に分岐された光(参照光)は、第1の光分岐部3により更に、光ファイバー2と、分光器63(光ファイバー14)とに対して分岐される。このときの分岐比は、被検眼8からの戻り光とは逆となり、例えば、9:1となる。
【0037】
ここで、第1の光分岐部3により光ファイバー14側に分岐された光(参照光)は、被検眼8からの戻り光と合波される。この合波光(干渉光)は、ファイバー接続部15の接続端15aを介して分光器63に入射する。接続端15aを介して入射した合波光は、コリメータレンズ16により平行光に変換され、分光部17に入射する。
【0038】
分光部17は、当該入射光を回折により分光する。分光部17により回折された光は、結像レンズ18の作用により線像(スリット像)として撮像部19の第1の検出領域19aに結像する。これにより、撮像部19は、波長毎の強度に対応した信号を生成し、それを制御部23に向けて出力する。
【0039】
一方、参照ミラー13からの反射光のうち、第2の光分岐部10により光ファイバー20側に分岐された光(参照光)は、光量調整部21により、その光量が調整される。光量調整部21により光量が調整された光(参照光)は、光ファイバー22及び接続端15bを介して分光器63に入射する。その後、この参照光は、コリメータレンズ16により平行光に変換された後、分光部17により波長毎に角度の異なる光に変換され、結像レンズ18により線像(スリット像)として撮像部19の第2の検出領域19bに結像する。なお、第1の検出領域19a及び第2の検出領域19bは、互いに重畳しないように分光器63の各要素が調整されている。
【0040】
ここで、被検眼8の眼底8rからの戻り光と、参照ミラー13からの参照光との合波光は、位相差を有する。この位相差は、第1の光分岐部3から眼底8rまでの光路長と、第1の光分岐部3から参照ミラー13までの光路長との差に起因して生じる。そして、この位相差が波長により異なるため、第1の検出領域19a上に現れる分光強度分布には干渉縞が生じる。この強度分布(干渉縞)の周期を求めることにより、反射物体の位置に対応した明るさを求めることができる。
【0041】
ここで、上述した第1の検出領域19aで検出される信号(合波光)に含まれるノイズ成分について説明する。
【0042】
図2(a)は、第1の検出領域19aで検出される干渉縞の強度分布を示す図である。破線で示す波形71は、光源1の分光強度分布を示しており、実線で示す波形72は、干渉縞による分光強度分布を示している。波形72は、波形71の中心波長λ0を中心とした半値幅λhにおいて、干渉縞による強度分布を有している。
【0043】
干渉縞の波形72には、被検査物の形状等を示す干渉信号の他、光源1の分光強度分布を示す波形71の成分や、また更に、光路途中での多重反射等に起因する干渉成分も含まれている。周波数成分毎の強度情報を求める際に、戻り光との干渉成分以外の強度分布が合波光に含まれていると、それはノイズとなり画質品質の低下を招いてしまう。
【0044】
図2(b)は、撮像部19により検出される信号の波形を示している。
【0045】
接続端15aを介して分光器63に入射される合波光と、接続端15bを介して分光器63に入射される参照ミラー13からの参照光とは、ラインセンサ上の異なる検出領域(第1の検出領域19a、第2の検出領域19b)に結像する。そのため、戻り光との干渉成分を含む合波光の分光強度分布81、戻り光との干渉成分を含まない参照ミラー13からの反射光(参照光)の分光強度分布82は、1つの撮像部19により一連の信号として同時に検出される。
【0046】
そこで、本実施形態においては、第2の検出領域19bで検出した干渉成分を含まない参照光の信号82を用いて、第1の検出領域19aで検出した干渉成分を含む信号を補正する。このとき、参照光の信号の波形82は、合波光の信号の波形81に含まれる干渉成分以外の波形と等しいことが望ましい。そのため、光量調整部21を用いて波形82の信号強度を調整する。なお、上述した通り、光量の調整は、光量調整値に基づいて行なわれる。
【0047】
ここで、図3を用いて、光量調整値と波長間補正値(後述する)とを算出する際の処理の流れの一例について説明する。この処理は、眼底の断層画像の撮像前に行なわれる。
【0048】
この処理が開始すると、OCT装置30は、まず、被検眼8に測定光が照射されないように、被検眼への光路を遮断した状態で光源1を点灯させる(S101)。例えば、光走査部6を構成するスキャンミラーを通常の走査範囲から外れた向きに固定することにより測定光を遮断すればよい。この場合、被検眼8からの戻り光が第1の光分岐部3に入力(入射)されない。なお、光走査部6を用いて測定光を遮断するのではなく、例えば、サンプルアーム61内に光を遮断するシャッター等を配置し、当該シャッターを制御部23により制御することにより、被検眼8に向かう測定光を遮断するようにしても良い。
【0049】
この測定光の遮断により、第1の検出領域19aには、第1の光分岐部3を経由した参照ミラー13からの反射光(第1の参照光)が入射(結像)する。また、第2の検出領域19bには、光量調整部21を経由した参照ミラー13からの反射光(第2の参照光)が入射(結像)する(S102)。
【0050】
この場合、被検査体(被検眼)からの戻り光がないため、当該2つの光束(第1の参照光、第2の参照光)の分光強度分布は等しいと考えられる。しかし、実際には、光路上の光学部材の違いや、回折格子(グレーティング)への入射角度が異なることに起因して、図2(c)に示すように、その信号強度は異なってくる。
【0051】
ここで、波形91は、第1の検出領域19aで検出された検出信号(第1の参照光)であり、第1の光分岐部3を経由した参照ミラー13からの反射光に基づく信号強度を示している。波形92は、第2の検出領域19bで検出された検出信号(第2の参照光)であり、光量調整部21を経由した参照ミラー13からの反射光に基づく信号強度を示している。
【0052】
ここで、制御部23は、第1の算出部23cにおいて、撮像部19からの出力に基づいて、両波形の信号のピーク(最大値)を比較し、当該ピークの強度が一致するように、光量の調整値を算出する(S103)。そして、それをRAM等に保持する(S104)。これにより、光量調整部21は、当該算出された調整値(光量調整値)に基づいて、波形92が、波形91と同じ強度になるように調整を行なう。
【0053】
なお、本実施形態においては、光量調整部21にVOAを用いるが、これに限られず、例えば、ファイバーベンチ等により、光束を空気中に出し、フィルター部材又は光軸偏心部材等を用いて光量調整を行なっても良い。
【0054】
ここで、図2(c)に示すように、第1の検出領域19aで検出された検出信号(第1の参照光)の波形91と、第2の検出領域19bで検出された検出信号(第2の参照光)の波形92とでは、波長λs、λeに相当する画素間隔が異なっている。この画素間隔の相違は、ファイバー接続部15の接続端15a及び15bと、コリメータレンズ16の光軸16aとの位置関係に起因して生じる。
【0055】
この画素間隔の相違について具体的に説明する。ファイバー接続部15の接続端15a及び15bは、図1(図中左上)に示すように、コリメータレンズ16の光軸16aを挟んで対称に配置されている。また、分光部17は、接続端15a及び15bと光軸16aとを含む面内に光を回折するように、その向きが調整されて配置されている。
【0056】
コリメータレンズ16は、接続端15a及び15bに接続された光ファイバーの端部を焦点面に含むように配置されているため、コリメータレンズ16により変換された平行光は、それぞれ光軸16aに対して角度を持つ。そのため、これら2つの平行光束の分光部17への入射角度が異なってくる。分光部17への2つの光束の入射角度が異なれば、回折効率、また、各波長に対する偏向角度が異なり、結像レンズ18により撮像部19上に結像する分光波形も異なってくる。
【0057】
これにより、同一の参照ミラー13からの反射光束であっても、図2(c)に示すように、波長λs、λeに相当する画素間隔が異なってくる。第1の光分岐部3を経由した第1の参照光の波形91の画素間隔をL1、光量調整部21を経由した第2の参照光の波形92の画素間隔をL2とすると、第1の参照光の方が、分光部17への入射角度が小さいため、L2>L1の関係となる。
【0058】
そこで、このような画素間隔(L1、L2)の違いを補正するため、制御部23は、第2の算出部23dにおいて、波長間隔補正値を算出する。この補正値の算出に際しては、まず、撮像部19からの各ピクセルiに対する出力より求めた波形91に対応する近似関数をPa(i)とし、同じく波形92に対応する近似関数をPb(i)とする。そして、係数m、nを用いて、関数Pbの変数を変換し、関数Pa(i)Pb(m×i+n)の正規化相関係数が最も大きくなるように係数m、nを求める。
【0059】
これにより、導出されたmの値が上記L2/L1の値に相当する。nは、波形91と波形92とのずれ量に相当する。この係数mを用いて、λs、λeに対応する画素位置をそれぞれ求める(S105)。制御部23は、この値を波長間隔補正値としてRAM等に保持する(S106)。この波長間隔補正値により波長間隔の違いを補正することができる。
【0060】
なお、本実施形態においては、光源1から出射した光を用いて波長間隔の補正を行なう場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、所定の単一波長を発光可能なスペクトロメータのような光源を接続端15a及び15bに接続して各波長に対応する画素位置を波形91、波形92に対して求めることにより波長間隔を補正するようにしても良い。
【0061】
次に、図4を用いて、被検査体(眼底)の断層画像を取得する際の処理の流れの一例について説明する。
【0062】
OCT装置30は、まず、光源1を点灯する(S201)。光源1を出射された光は、上述した光路(コリメータレンズ5、光走査部6、接眼レンズ7等)を経由して、眼底上を走査する。そして、眼底上の1点に対応した光束は、入射時と同一の光路を経て、光ファイバー4の端面に結像する。
【0063】
ここで、被検眼8からの測定光(戻り光)と参照ミラー13からの反射光(第1の参照光)とが合波される。第1の検出領域19aには、この合波光が入射(結像)される。これにより、撮像部19は、その合波光の干渉像(干渉信号)を検出する(S202)。
【0064】
また、この処理と同時に、光量調整部21は、上述した図3のS103で求められた調整値(光量調整値)に基づいて、第2の参照光の光量を調整する(S203)。上述した通り、第2の参照光の光量を第1の参照光の光量に一致させるべく光量の調整が行なわれる。そして、第2の検出領域19bには、光量調整部21を経由した参照ミラー13からの第2の参照光が入射(結像)する。すなわち、第2の検出領域19bには、光量調整部21で光量調整され、且つ干渉成分を含まない参照ミラー13からの反射光の分光強度分布の像が現れる。これにより、撮像部19は、第2の参照光を検出する(S204)。
【0065】
ここで、画像生成部23aは、撮像部19からの出力に基づいて眼底の断層画像を生成する。この断層画像の生成に際して、画像生成部23aは、まず、上述した図3のS105で求めた波長間隔補正値を用いて、合波光及び第2の参照光の検出信号を補正する。ここで、補正後の合波光及び第2の参照光の検出信号を、波長λの関数として、合波光:Iadd(λ)及び参照光:Iref(λ)と表す(S205)。上述した通り、RAM等には、波長間隔補正値として、合波光81の波長λs、λeに対応した画素のアドレスと、第2の参照光82の波長λs、λeに対応した画素のアドレスとが保持されている。
【0066】
画像生成部23aは、Iadd(λ)及びIref(λ)に対して、波数k=π/λとして波数変換を実施する。ここで、波数変換後の合光波及び第2の参照光の検出信号を、波数kを変数として、Iadd(k)、Iref(k)と表す。そして、これら関数に対してフーリエ変換を実施する(S206)。これにより、周波数成分に対応した合波光及び第2の参照光の強度分布が求まる。
【0067】
図5(a)は、合波光:Iadd(k)をフーリエ変換して求めた信号であり、横軸は周波数成分を示し、縦軸は周波数成分毎の強度分布を示している。なお、横軸に示す周波数は、深さ方向(光軸方向)の位置に対応している。
【0068】
低周波領域101には、光源1の分光強度分布に基づく強い信号が現れている。また、高周波領域102においても、光源1のスペクトルノイズ、光学部材の多重反射や変動に基づく戻り光と関係のない干渉信号に起因したノイズが現れている。これらのノイズは、断層画像に余分な線を発生させたり、また、コントラストを低下させたりする要因となる。
【0069】
図5(b)は、参照光:Iref(k)をフーリエ変換して求めた周波数成分毎の強度分布を示しており、横軸は周波数成分を示し、縦軸は周波数成分毎の強度分布を示している。
【0070】
この場合にも、低周波領域103に強い信号が現れており、また、高周波数領域104においても、図5(a)と同様に、戻り光とは関係のない干渉信号に起因したノイズが現れている。
【0071】
ここで、画像生成部23aは、図5(a)に示すIadd(k)の周波数成分の強度分布の信号から、図5(b)に示すIref(k)の周波数成分の強度分布の信号を減算する(S207)。これにより、図5(c)に示すように、参照光自身に含まれる周波数成分の強度分布に起因したノイズ成分を除去できる。
【0072】
ノイズ成分の除去が済むと、画像生成部23aは、図5(c)に示す信号に基づいて、眼底(網膜)の断層画像を生成し(S208)、表示制御部23bは、当該生成された断層画像を表示部24に表示する(S209)。これにより、ノイズ成分の取り除かれた検出信号を用いて断層画像を生成できる。
【0073】
以上説明したように実施形態1によれば、参照光を第1の参照光と第2の参照光とに分岐し、第2の参照光を用いて、戻り光と第1の参照光とを合波した合波光(干渉光)に含まれるノイズ成分を除去する。すなわち、参照光自身に含まれるノイズ成分を除去できる。
【0074】
これにより、各光路上に設けられた光学部材の持つ分光透過率、偏光状態の変化、更には参照ミラー13の位置変動の影響による周波数移動等に起因したノイズを取り除くことができる。そのため、コントラストが高く、また、画質品位の高い断層画像が得られる。
【0075】
また、同一センサ(撮像部19)を用いて、1ライン信号ずつ同一のタイミングで合波光及び第2の参照光を検出するため、信号処理も容易となる。
【0076】
なお、光源1のノイズ成分のみを取り除くのであれば、光量調整部21に対して入力する光は、参照ミラー13からの反射光でなくても良い。すなわち、第2の光分岐部10から光量検知部25に入力していた光を、光量検知部25ではなく、光量調整部21に入力するように構成しても良い。
【0077】
(実施形態2)
次に、実施形態2について説明する。上述した実施形態1においては、分光部17への入射時の合波光(干渉光)と第2の参照光との入射角度がそれぞれ異なるため、波長間隔の補正が必要となっていた。これに対して、実施形態2においては、このような補正をなくすようにした構成について説明する。なお、実施形態2に係わるOCT装置30の全体構成や、全体的な処理の流れは、実施形態1と同様であるため、その説明については省略し、ここでは実施形態1との相違点について重点的に説明する。
【0078】
ここで、実施形態2に係わるファイバー接続部15の接続端15a及び15bは、図6(a)に示すように、コリメータレンズ16の光軸16aに対して対称になるように配置される。また、撮像部26には、図6(b)に示すように、ライン状に2列の撮像素子26a及び26bが配される。
【0079】
ここで、実施形態2に係わる分光器63は、図6(c)に示すように、2つの接続端15a及び15bを介して入射される2つの光束は、撮像部26の2つの撮像素子26a及び撮像素子26bによりそれぞれ検出される。例えば、撮像素子26aにより合波光が検出され、撮像素子26bにより第2の参照光が検出される。これにより、2光束が回折格子(グレーティング)へ入る入射角度が同じになるため、一画素当りの波長間隔が等しくなる。
【0080】
そのため、実施形態2においては、実施形態1のように、合波光と第2の参照光とに対して波長間隔の補正を行なわずに済むので、演算が容易になり、ノイズ除去の精度も向上する。この場合、光軸から偏心した線像(スリット像)をライン状に配列した撮像素子上に結像するため、撮像部26からの出力には光学系の歪曲収差が含まれることになるが、この収差は、周知技術を用いて取り除けば良い。
【0081】
(実施形態3)
次に、実施形態3について説明する。実施形態3においては、光源を複数設けるようにした場合について説明する。
【0082】
図7は、実施形態3に係わる光干渉断層撮像装置(OCT装置)30の構成の一例を示す図である。実施形態3に係わるOCT装置30は、マルチビーム方式を採用する。なお、実施形態1を説明した図1の構成と同様の構成には同一の番号を付し、その説明については省略する場合もある。
【0083】
実施形態3に係わるOCT装置30においては、大きく2つの撮像モードが設けられる。具体的には、ボリュームスキャン撮像モード(第1の撮像モード)とBスキャン撮像モード(第2の撮像モード)とが設けられる。第1の撮像モード時には、OCT装置30は、眼底に対して測定光(スポット光)を2次元方向に走査し、3次元の断層画像を取得する。第2の撮像モード時には、OCT装置30は、眼底に対して測定光を1次方向に走査し、一断層面の断層画像を取得する。
【0084】
一般的に、第1の撮像モード時には、第2の撮像モード時に比べて、多くの情報(例えば、2次元領域の層の厚さの分布等を示す情報)が取得できるため、撮像に時間がかかる。いずれの撮像モードを設定するかは、診断等の目的によって異なってくる。
【0085】
ここで、実施形態3に係わるOCT装置30は、実施形態1の構成に加えて、光源31と、第3の光分岐部33と、光量調整部41と、コリメータレンズ42と、反射ミラー43と、光スイッチ50とが新たに設けられる。なお、第3の光分岐部33は、光ファイバー(32、34、39、44)を介して光源31、サンプルアーム61、参照アーム62、光スイッチ50とそれぞれ接続されている。また、制御部23には、第1の撮像モードと第2の撮像モードとのいずれかを設定するモード設定部23eが新たな機能的な構成として設けられる。
【0086】
光源31は、第2の光源として機能し、光源1と同様に、(低コヒーレンス光)を発する。光源1及び光源31を点灯することにより、ファイバー端4a、34aには、2つの点光源が形成される。参照アーム62に新たに設けられた構成(光量調整部41、コリメータレンズ42、反射ミラー43)は、第2の参照光学系を構成する。
【0087】
光スイッチ50は、ボリュームスキャン撮像モード(第1の撮像モード)と、Bスキャン撮像モード(第2の撮像モード)とを切り替える切替手段としての機能を果たす。光スイッチ50の切り替えは、制御部23からの指示(モード設定指示)に基づいて行なわれる。
【0088】
ここで、光源1及び光源31から出射された光は、眼底上において別々の領域を照射する。具体的には、光源1及び光源31から出射された光は、各種の光学部材等を経た後、最終的に、光走査部6及び接眼レンズ7を介して被検眼8の眼底8r上を走査する。このとき、光源1に基づく測定光(第1の測定光)は、図8(a)の一点鎖線で示す領域111を走査し、光源31に基づく測定光(第2の測定光)は、図8(a)の破線で示す領域112を走査する。すなわち、第2の測定光は、被検査物(眼底)に対して第1の測定光による照射領域と異なる領域に照射される。
【0089】
これら2つの光束の眼底の各層からの反射散乱光(第1の戻り光、第2の戻り光)は、入射時と同様の経路を経て、それぞれ第1の光分岐部3及び第3の光分岐部33に入射する。ここで、第1の光分岐部3におり光ファイバー14側に分岐された光(第1の戻り光)は、実施形態1と同様に、参照ミラー13から反射された光(第1の参照光)と合波される。この合波光(第1の干渉光)は、ファイバー接続部15の接続端15aを介して分光器63に入射し、第1の検出領域19aに結像する。
【0090】
一方、第3の光分岐部33により光ファイバー44側に分岐された光(第2の戻り光)は、光スイッチ50に入射する。ここで、第1の撮像モード時には、光スイッチ50は、光ファイバー44からの入力が光ファイバ51に出力されるようにスイッチを切り替えて選択する。この場合、光源31から出射された光に基づく反射散乱光(第2の戻り光)は、反射ミラー43から反射された光(第3の参照光)と合波される。これにより、第2の戻り光と第3の参照光とによる合波光(第2の干渉光)が得られる。この合波光は、ファイバー接続部15の接続端15bを介して分光器63に入射し、第2の検出領域19bに結像する。これにより、撮像部19においては、図8(b)に示すように、2つの測定光に対応した2つの干渉信号121及び122が得られる。
【0091】
これに対して、第2の撮像モード時には、光スイッチ50は、光ファイバー22からの入力が光ファイバ51に出力されるようにスイッチを切り替えて選択する。この場合、参照ミラー13からの反射光(第2の参照光)が接続端15bに入力され、実施形態1と同様に、第2の検出領域19bには、参照ミラー13からの反射光である第2の参照光が結像する。
【0092】
以上説明したように実施形態3によれば、2つの光源を持ち、撮像モードを切り替える。これにより、第1の撮像モード(比較的撮像に時間を要する)時には、2つの光源を用いて眼底上を走査するため、3次元の断層画像の取得に要する時間を短縮できる。また、第2の撮像モード時には、実施形態1同様に、参照光自身に含まれるノイズ成分を除去できる。
【0093】
以上が本発明の代表的な実施形態の一例であるが、本発明は、上記及び図面に示す実施形態に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【0094】
(その他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光干渉断層法を用いて被検査物の断層画像を取得する撮像装置であって、
光を発する光源と、
前記光源から出射された光を参照光と測定光とに分岐する第1の光分岐手段と、
前記参照光を第1の参照光と第2の参照光とに分岐する第2の光分岐手段と、
前記測定光を前記被検査物に照射することにより得られる戻り光と前記第1の参照光とを干渉させた干渉光が入射される第1の検出領域と、前記第2の参照光が入射される第2の検出領域とを有し、当該第1の検出領域及び第2の検出領域に入射した光の信号を別々に検出する検出手段と、
前記第2の検出領域で検出された第2の検出信号を用いて前記第1の検出領域で検出された第1の検出信号を補正し、当該補正後の第1の検出信号に基づいて前記被検査物の断層画像を生成する画像生成手段と
を具備することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記第1の参照光の光量に一致させるべく前記第2の参照光の光量を調整する光量調整手段
を更に具備することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記被検査物に対する前記測定光の照射を遮断する遮断手段と、
前記光量調整手段による光量の調整値を算出する第1の算出手段と
を更に具備し、
前記第1の算出手段は、
前記遮断手段により前記測定光の遮断が行なわれている状態において、前記第1の検出領域で前記第1の検出信号として検出された前記第1の参照光の検出信号と、前記第2の検出領域で前記第2の検出信号として検出された前記第2の参照光の検出信号とに基づいて前記光量の調整値を算出する
ことを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記画像生成手段は、
前記第1の検出領域及び前記第2の検出領域に対して入射される光の入射角度が異なることに起因して前記第1の検出信号と前記第2の検出信号との間に生じる波長間隔の相違を補正した後、前記第2の検出信号を用いて前記第1の検出信号を補正する
ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項5】
前記被検査物に対する前記測定光の照射を遮断する遮断手段と、
前記波長間隔の相違を補正する補正値を算出する第2の算出手段と
を更に具備し、
前記第2の算出手段は、
前記遮断手段により前記測定光の遮断が行なわれている状態において、前記第1の検出領域で前記第1の検出信号として検出された前記第1の参照光の検出信号と、前記第2の検出領域で前記第2の検出信号として検出された前記第2の参照光の検出信号とに基づいて前記補正値を算出する
ことを特徴とする請求項4記載の撮像装置。
【請求項6】
光を発する第2の光源と、
前記第2の光源から出射された光を第2の測定光と第3の参照光とに分岐する第3の光分岐手段と、
第1の撮像モードと第2の撮像モードとのいずれかを設定する設定手段と、
前記第1の撮像モードが設定されている場合、前記被検査物に対して前記測定光による照射領域と異なる領域に前記第2の測定光を照射することにより得られる第2の戻り光と前記第3の参照光とを干渉させた第2の干渉光を前記第2の検出領域に入射させ、前記第2の撮像モードが設定されている場合、前記第2の参照光を前記第2の検出領域に入射させる切替手段と
を更に具備し、
前記画像生成手段は、
前記第1の撮像モードが設定されている場合、前記第1の検出領域で第1の検出信号として検出された前記干渉光の検出信号と、前記第2の検出領域で前記第2の検出信号として検出された前記第2の干渉光の検出信号とに基づいて前記被検査物の断層画像を生成し、前記第2の撮像モードが設定されている場合、前記第2の検出領域で前記第2の検出信号として検出された前記第2の参照光の検出信号を用いて前記第1の検出領域で前記第1の検出信号として検出された前記干渉光の検出信号を補正し、当該補正後の干渉光の検出信号に基づいて前記被検査物の断層画像を生成する
ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項7】
光干渉断層法を用いて被検査物の断層画像を取得する撮像装置の撮像方法であって、
第1の光分岐手段が、光源から出射された光を参照光と測定光とに分岐する工程と、
第2の光分岐手段が、前記参照光を第1の参照光と第2の参照光とに分岐する工程と、
検出手段が、前記測定光を前記被検査物に照射することにより得られる戻り光と前記第1の参照光とを干渉させた干渉光が入射される第1の検出領域と、前記第2の参照光が入射される第2の検出領域とを有し、当該第1の検出領域及び第2の検出領域に入射した光の信号を別々に検出する工程と、
画像生成手段が、前記第2の検出領域で検出された第2の検出信号を用いて前記第1の検出領域で検出された第1の検出信号を補正し、当該補正後の第1の検出信号に基づいて前記被検査物の断層画像を生成する工程と
を含むことを特徴とする撮像方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−242177(P2011−242177A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−112666(P2010−112666)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】