説明

撮像装置及びプログラム

【課題】ユーザによる煩雑な操作を必要とせず、特別な部品を用意しておく必要もなく、撮影される画像に対する制御を適切に実行できるようにする。
【解決手段】中央制御部11は、カメラ部16で撮影される画像に対する制御をスタイル検出部21で検出されたスタイルに応じて行う。例えば、画像を撮影する際に、現在のスタイルに応じてその撮影条件/撮影モード/を制御したり、撮影された画像を表示するときの表示方向あるいは編集するときの回転方向を制御したりする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、装置本体を構成する複数の筐体の連結状態に応じて複数のスタイルに変更可能な撮像装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、デジタルカメラや撮像機能付き携帯電話などの撮像装置では、縦向きや横向きなど、撮像装置を様々な方向に向けて撮影することがあるが、撮影する際の露出・シャッタースピードなどの撮影条件や撮影モードは、ユーザ操作によって指定するようにしていた。また、撮影された画像を表示する際には、横長あるいは縦長で一律に表示されてしまい、撮影時の方向に応じて適切に表示されなかった。更に、撮影された画像を編集、例えば、回転させる際にも、ユーザが指定した回転方向あるいは一律に指定されている回転方向で編集されてしまい、撮影時の方向に応じて適切に制御されなかった。このようにユーザは、撮影時には撮影条件や撮影モードを指定したり、撮影された画像の表示時や編集時には画像の向きを撮影時の方向に合わせるために画像をユーザ操作によって回転させてその向きを変更したりする必要があった。
ところで、従来では、カメラの傾斜角を記憶しておき、プリント時において、この傾斜角に基づいてプリント画像を回転させて、プリント上で被写体の傾きを無くすようにしたカメラが開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−242284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなカメラでは、傾斜角などの撮影方向を検知するセンサが必要となってしまい、部品点数が増加して筐体の大型化及びコストアップの要因となる。特に近年のデジタルカメラや携帯電話では小型化・薄型化が進んでいるため、余分な部品を追加することは大きな問題となる。
【0005】
この発明の課題は、ユーザによる煩雑な操作を必要とせず、特別な部品を用意しておく必要もなく、撮影される画像に対する制御を適切に実行できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、装置本体を構成する複数の筐体の連結状態に応じて複数のスタイルに変更可能な撮像装置であって、画像を撮影する撮像手段と、装置本体のスタイルを検出する検出手段と、前記撮像手段によって撮影された画像と、その画像が撮影された際に前記検出手段によって検出されたスタイルとを対応付けて画像記憶手段に記憶する画像記憶制御手段と、前記画像記憶手段に記憶されている画像を処理する処理手段と、この処理手段によって画像を処理するにあたって、その画像と対応付けられて前記画像記憶手段に記憶されているスタイルに基づいて、前記処理手段によって処理される画像に対する制御を行う第1の制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0007】
更に、コンピュータに対して、上述した請求項1記載の発明に示した主要機能を実現させるためのプログラムを提供する(請求項6記載の発明)。
【0008】
なお、上述した請求項1記載の発明は次のようなものであってもよい。
【0009】
前記処理手段は、画像を表示する処理を行い、前記第1の制御手段は、画像を表示するにあたって、画像の表示方向を制御する(請求項2記載の発明)。
【0010】
前記処理手段は、画像を編集する処理を行い、前記第1の制御手段は、画像を編集するにあたって、画像の編集処理を制御する(請求項3記載の発明)。
【0011】
前記処理手段によって画像を処理するにあたって、前記処理手段によって処理される画像に対する制御をユーザ操作に応じて行う第2の制御手段と、この第2の制御手段によって制御を行った場合に、その制御を行った画像と対応付けられて前記画像記憶手段に記憶されているスタイルを読み出し、その読み出されたスタイルと前記第2の制御手段が行う制御内容とを対応付けて制御内容記憶手段に記憶する制御内容記憶制御手段と、を更に備え、前記第1の制御手段は、前記処理手段によって画像を処理するにあたって、その画像と対応付けられて前記画像記憶手段に記憶されているスタイルを読み出し、その読み出されたスタイルと対応付けられて前記制御内容記憶手段に記憶されている制御内容に従って、前記処理手段によって処理される画像に対する制御を行う(請求項4記載の発明)。
【0012】
請求項4記載の発明において、前記第2の制御手段によって制御を行った場合に、その制御を行った画像と対応付けられて前記画像記憶手段に記憶されているスタイルを読み出し、その読み出されたスタイルと前記第2の制御手段による制御内容とを対応付けて前記制御内容記憶手段に記憶するか否かを選択する選択手段を更に備える、ようにしてもよい(請求項5記載の発明)。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、撮影される画像に対する制御を装置本体のスタイルに応じて実行することができ、ユーザによる煩雑な操作を必要とせず、傾斜角などを検知する特別な部品をも必要とせずに、その制御を適切に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】撮像装置として適用した撮像機能付き携帯電話機が利用可能な通信ネットワークシステムを示したブロック図。
【図2】(A)〜(C)は、撮像機能付き携帯電話機1において現在のスタイルと撮影方向との関係を説明するほか、撮影された画像の向きと記録された画像の向きを説明するための図。
【図3】(A)、(B)は、撮像機能付き携帯電話機1において現在のスタイルと撮影方向との関係を説明するほか、撮影された画像の向きと記録された画像の向きを説明するための図。
【図4】撮像機能付き携帯電話機1の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図5】撮影方法記憶部M1を説明するための図。
【図6】撮影モード情報記憶部M2を説明するための図。
【図7】スタイル&撮影条件記憶部M4を説明するための図。
【図8】スタイル&撮影モード記憶部M5を説明するための図。
【図9】スタイル&方向記憶部M6を説明するための図。
【図10】画像記憶部M7を説明するための図。
【図11】電源投入に伴って実行開始される携帯電話機1の全体動作を示したフローチャート(メインフロー)。
【図12】カメラ機能処理(図11のステップA5)を詳述するためのフローチャート。
【図13】図12に続く動作を示したフローチャート。
【図14】画像表示処理(図11のステップA8)を詳述するためのフローチャート。
【図15】画像編集処理(図11のステップA10)を詳述するためのフローチャート。
【図16】(A)、(B)は、記録されている画像をスタイルに応じて回転して表示させた場合を例示した図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図1〜図16を参照して本発明の実施形態を説明する。
この実施形態は、撮像装置として撮像機能付き携帯電話機に適用した場合を例示したもので、図1は、この携帯電話機が利用可能な通信ネットワークシステムを示したブロック図である。
【0016】
携帯電話機1は、その機器本体(装置本体)を構成する複数の筐体の連結状態に応じて複数のスタイルに変更可能な2軸ヒンジタイプの電話機であり、音声通話機能(電話機能)、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)、カメラ機能などが備えられている。この携帯電話機1は、最寄りの基地局2A、交換機2Bから無線通信網(移動体通信網)2に接続されると、この無線通信網2を介して他の携帯電話機1との間で通話可能な状態となる。
【0017】
図2及び図3は、撮像機能付き携帯電話機1において現在のスタイルと撮影方向との関係を説明するほか、撮影された画像の向きと記録された画像の向きを説明するための図である。
携帯電話機1は、その機器本体(装置本体)を構成する操作部筐体1Aと表示部筐体1Bとを折り畳み開閉自在及び回動自在にヒンジ部1Cを介して連結した2軸ヒンジタイプの携帯電話機である。ヒンジ部1Cには操作部筐体1Aと表示部筐体1Bとを折り畳み開閉するための開閉用ヒンジ軸が設けられているほか、この開閉用ヒンジ軸と略直交して、一方の筐体を他方の筐体に対して回動するための回動用ヒンジ軸とが設けられており、このヒンジ部1Cを介して操作部筐体1Aと表示部筐体1Bとは折り畳み開閉自在及び回動自在に連結されている。
【0018】
このような2軸ヒンジタイプの携帯電話機1は、操作部筐体1Aと表示部筐体1Bとが、どのように連結されているかに応じて携帯電話機1の形態を複数のスタイル(クローズスタイル、オープンスタイル、反オープンスタイル、ビュースタイル)に変更可能なもので、図2(A)は、操作部筐体1Aと表示部筐体1Bとの折り畳みを開いた状態のオープンスタイルを示している。なお、操作部筐体1Aの内面には、数値/文字キー、カーソルキーのほか、撮影時にシャッターキーとして機能する決定キーMKが配置され、また、操作部筐体1Aの側面には、撮影時にシャッターキーとして機能するサイドキーSKが配置されている。
【0019】
表示部筐体1Bの内面には、表示画面MDが配置されている。図2(B)は、このオープンスタイルをその背後から見た図で、操作部筐体1Aの外面においてヒンジ部1Cの近傍には、カメラ機能を構成する撮影レンズCRが配置される。このカメラ機能による画像撮影時に、オープンスタイルでは装置本体をどのような方向に向ければ良いかが予め指定(推奨)されており、このオープンスタイルでの推奨撮影方向は、撮影レンズCRよりもヒンジ部1Cが上に位置する方向となっている。図2(C)は、オープンスタイルでの推奨撮影方向で撮影された画像(縦長の画像)と、記録された画像(横長の画像)の向きを示し、記録された画像はその撮影方向に関わらず、一律に横長に記録するようにしている。この場合、図2(C)に示すように、オープンスタイルで記録された画像の向きは、撮影された画像を反時計方向に90°回転させた状態となっている。
【0020】
図3(A)は、上述したオープンスタイルにおいて操作部筐体1Aを開閉用ヒンジ軸とは略直交する回動用ヒンジ軸で180度回転させた後、表示画面MDが外側に向くように折り畳んだ状態のビュースタイルを示している。このビュースタイルでの推奨撮影方向は、撮影レンズCRよりもヒンジ部1Cが下に位置する方向となっている。図3(B)は、ビュースタイルでの推奨撮影方向で撮影された画像(縦長の画像)と、記録された画像(横長の画像)の向きを示し、オープンスタイルとは推奨撮影方向が上下逆の関係となるために、ビュースタイルで記録された画像は、オープンスタイルで記録された画像と同様、横長の画像であっても逆向きとなっている。この場合、図3(B)に示すように、ビュースタイルで記録された画像の向きは、撮影された画像を時計方向に90°回転させた状態となっている。
【0021】
図4は、撮像機能付き携帯電話機1の基本的な構成要素を示したブロック図である。
中央制御部11は、ROM12内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話機1の全体動作を制御する中央演算処理装置などを有している。ROM12は、プログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、後述する図11〜図15に示す動作手順に応じて本実施例を実現するためのプログラムが格納されている。RAM13は、ワーク領域を有する内部メモリで、後述する撮影方法記憶部M1、撮影モード情報記憶部M2、現在設定記憶部M3、スタイル&撮影条件記憶部M4、スタイル&撮影モード記憶部M5、スタイル&方向記憶部M6、画像記憶部M7などが設けられている。
【0022】
無線通信送受信部14は、無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能、データ通信機能の動作時に、最寄りの基地局2Aとの間でデータの送受信を行うもので、通話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調した後、音声信号処理部15を介して送話スピーカSPから音声出力させ、また、受話マイクMCからの入力音声データを音声信号処理部15から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化した後、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナから発信出力させる。
【0023】
カメラ部16は、カメラ機能を構成するもので、画像を撮影する撮像部で、静止画撮影のほかに動画撮影も可能なもので、撮影レンズCRのほか、レンズ・ミラーブロック、撮像素子、その駆動系、測距センサ、光量センサ、アナログ処理回路、信号処理回路、圧縮伸張回路などを有している。表示部17は、上述の表示画面MDを有し、それらの表示動作を制御するもので、高精細液晶あるいは有機ELなどを使用したもので、待受画像、文字情報、撮影画像などを表示する。操作部18は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを入力するもので、カメラ機能起動操作、画像表示操作、画像編集操作のほか、撮影条件変更操作、撮影方法変更操作などを行う。そして、操作部18には、撮影時にシャッターキーとして機能する決定キーMK、サイドキーSKを有し、中央制御部11は、キー入力信号に応じた処理を実行する。
【0024】
RTC(リアルタイムクロックモジュール)19は、時計部を構成するもので、中央制御部11は、RTC19から現在日時を取得する。報知部20は、サウンドスピーカ20A、LED(発光ダイオード)20B、振動モータ20Cを備え、着信時に駆動されて着信報知を行うほか、アラーム報知時にも駆動される。スタイル検出部21は、装置本体のスタイルを検出するもので、例えば、磁気センサ、マイクロスイッチ、機械的スイッチなどを有する構成で、中央制御部11は、スタイル検出センサ21からの各検出信号に基づいて装置本体の各スタイルを判別し、例えば、折り畳みを閉じたクローズスタイルに変化した際に、表示部17の表示を消したり、折り畳みを開いたオープンスタイルに変化した際に、表示部17に待受画像などを表示させたりするようにしている。
【0025】
図5は、撮影方法記憶部M1を説明するための図である。
撮影方法記憶部M1は、複数の撮影方法の中から現在有効な撮影方法を選択するための情報を記憶するもので、「撮影方法」、「設定フラグ」の各項目を有し、「撮影方法」は、“通常撮影”と“撮影モードによる撮影”とに分かれている。“通常撮影”は、シャッタースピード、露出、ホワイトバランスなどの撮影パラメータ(撮影条件)をマニュアル調整して撮影する方法などであり、後述する“撮影モードによる撮影”以外での撮影方法を示している。“撮影モードによる撮影”は、撮影技能などに依存することなく、高品質画像を得るために、被写体の種類や撮影状況などによって予め決定された撮影条件を利用して撮影する方法(ベストショット機能)を示している。「設定フラグ」は、ユーザ操作によって任意に設定したもので、その値が“1”のときには現在有効な撮影方法であることを示している
【0026】
図6は、撮影モード情報記憶部M2を説明するための図である。
撮影モード情報記憶部M2は、被写体の種類や撮影状況などに応じてベストな撮影条件を設定するベストショット機能を構成するもので、「撮影モード」に対応して、そのモードでベストな「撮影条件」を記憶する構成となっている。「撮影モード」は、“人物”、“風景”などの被写体の種類や“夜景”、“スポーツ”などの撮影状況毎に分類された撮影モードを示している。また、「撮影条件」は、“シャッタースピード”、“露出”、“ホワイトバランス”、“絞り”、“焦点距離”、“フィルタ”などを調整するための撮影パラメータを示している。なお、中央制御部11は、上述したベストショット機能が起動されると、「撮影モード」に対応して予め用意されている各種のサンプル画像をリスト表示させ、このリスト画面の中から任意のサンプル画像がユーザ操作によって選択されると、それに対応する「撮影条件」を今回の撮影条件として読み出し、現在設定記憶部M3を介してカメラ部16に与えるようにしている。なお、ユーザ操作によって撮影モード情報記憶部M2の内容を変更するようにしてもよい。
【0027】
図7は、スタイル&撮影条件記憶部M4を説明するための図である。
スタイル&撮影条件記憶部M4は、「スタイル」に対応して、そのスタイルでベストとなる「撮影条件」を記憶するもので、撮影時にどのようなスタイルで撮影を行うかを自分の好みや使い易さに応じて使い分けたり、何を撮影するか、どんな状況で撮影するかに応じて使い分けたりする場合に、その使い分けに適した条件で撮影可能とするために設けられたものである。「スタイル」、「撮影条件」の内容は、ユーザ操作によって任意に変更可能なもので、「スタイル」は、“オープンスタイル”、“ビュースタイル”を示し、「撮影条件」は、“シャッタースピード”、“露出”、“ホワイトバランス”、“絞り”、“焦点距離”、“フィルタ”などを調整するための撮影パラメータを示している。中央制御部11は、画像の撮影時に、スタイル検出部21によって検出されたスタイルが“オープンスタイル”あるいは“ビュースタイル”の場合に、それに対応する「撮影条件」を今回の撮影条件として読み出して現在設定記憶部M3に記憶させるようにしている。
【0028】
図8は、スタイル&撮影モード記憶部M5を説明するための図である。
スタイル&撮影モード記憶部M5は、「スタイル」に対応して、そのスタイルでベストとなる「撮影モード」を記憶するもので、撮影時にどのようなスタイルで撮影を行うかを自分の好みや使い易さに応じて使い分けたり、何を撮影するか、どんな状況で撮影するかに応じて使い分けたりする場合に、その使い分けに適した撮影モードで撮影可能とするために設けられたものである。「スタイル」、「撮影モード」の内容は、ユーザ操作によって任意に変更可能なもので、「スタイル」は、“オープンスタイル”、“ビュースタイル”を示し、「撮影モード」は、“人物”あるいは“風景”を示している。中央制御部11は、画像の撮影時に、スタイル検出部21によって検出されたスタイルがオープンスタイルあるいはビュースタイルの場合に、それに対応する「撮影モード」を今回の撮影モードにとして現在設定記憶部M3に記憶させるようにしている。
【0029】
図9は、スタイル&方向記憶部M6を説明するための図である。
スタイル&方向記憶部M6は、「スタイル」に対応して、記録された画像を表示させる際の「表示方向」と、表示されている画像を編集して記録させる際の「回転方向」を記憶するもので、「スタイル」、「表示方向」、「回転方向」の内容は、ユーザ操作によって任意に変更可能なもので、「スタイル」は、“オープンスタイル”、“ビュースタイル”を示している。そして、図示の例は、“オープンスタイル”に対応する「表示方向」として、“記録画像を時計回りに90度回転して表示”を設定し、また、“オープンスタイル”に対応する「回転方向」として、“表示画像を時計回りに90度回転”を設定した場合を示している。また、“ビュースタイル”に対応する「表示方向」として“表示画像を反時計回りに90度回転して表示”を設定し、また、“ビュースタイル”に対応する「回転方向」として“表示画像を反時計回りに90度回転”を設定した場合を示している。なお、図中、下線はユーザ操作によって任意に設定可能な部分を示している。
【0030】
図10は、画像記憶部M7を説明するための図である。
画像記憶部M7は、撮影された各画像を順次記憶するもので、「画像ID」、「タイトル」、「撮影日時」、「実データ」、「スタイル」、…の各項目を有している。「画像ID」は画像が記憶される毎に更新される一連番号であり、「タイトル」は操作部18などから任意に入力されたが文字列データなどの画像名である。「撮影日時」は撮影時にRTC19から得られた現在日時、「実データ」は撮影された画像データ、また、「スタイル」は画像撮影時にスタイル検出部21によって検出されたスタイルである。
【0031】
次に、この実施形態における携帯電話機1の動作概念を図11〜図15に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。すなわち、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用してこの実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0032】
図11は、電源投入に伴って実行開始される携帯電話機1の全体動作を示したフローチャート(メインフロー)である。
先ず、中央制御部11は、電源を投入する電源オン操作が行われると(ステップA1でYES)、電源供給を開始させて所定のメモリなどを初期化する電源オン処理を実行した後、所定の待受画像を読み出して表示させる待受処理を行う(ステップA2)。そして、操作部18をアクセスして操作有無をチェックしたり(ステップA3、A5、A7、A9、A13、A15)、無線通信送受信部14をアクセスして着信検出の有無をチェックしたりする(ステップA11)。ここで、撮影方法記憶部M1、撮影モード情報記憶部M2、スタイル&撮影条件記憶部M4、スタイル&撮影モード記憶部M5、スタイル&方向記憶部M6などの各種情報に対する設定を指示するための設定操作が行われると(ステップA3でYES)、その設定操作に従って、各種情報の内容を変更する設定処理を行う(ステップA4)。なお、これら各種情報の設定は後述するカメラ起動処理の中で行うようにしてもよい。また、カメラ機能を起動させる操作が行われると(ステップA5でYES)、カメラ機能処理に移る(ステップA6)。
【0033】
図12及び図13は、カメラ機能処理(図11のステップA5)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、カメラ機能を起動させた後(ステップB1)、撮影方法記憶部M1を参照し、「設定フラグ」が“1”の「撮影方法」は“通常撮影”であるか、つまり、撮影方法として“通常撮影”が選択設定されているかを調べる(ステップB2)。ここで、“通常撮影”が設定されている場合には(ステップB2でYES)、スタイル検出部21によって検出された現在のスタイルを取得し(ステップB3)、現在のスタイルがオープンスタイルあるいはビュースタイルであれば、スタイル&撮影条件記憶部M4を検索し、現在のスタイルに該当する「撮影条件」を読み出し(ステップB4)、これを今回の撮影条件として現在設定記憶部M3に記憶させる(ステップB5)。
【0034】
そして、シャッターキー(決定キーMKあるいはサイドキーSK)が押下されたかを調べたり(ステップB6)、スタイルを変更する操作が行われたかを調べたり(ステップB10)、撮影条件を変更する操作が行われたかを調べたり(ステップB11)、撮影方法を変更する操作が行われたかを調べたり(ステップB17)、カメラ機能を終了させる操作が行われたかを調べたりし(ステップB18)、何れかの操作が行われるまで操作待ち状態となる。
【0035】
この操作待ち状態においてシャッターキーが押下されたときには(ステップB6でYES)、スタイル検出部21によって検出された現在のスタイルを取得するほか(ステップB7)、現在設定記憶部M3に記憶されている「撮影条件」を読み出してカメラ部16に与え、その条件で撮影を開始させる撮像処理を実行した後(ステップB8)、撮影された画像を現在のスタイル、現在日時などと共に画像記憶部M7に記憶させる(ステップB9)。また、操作待ち状態においてスタイル変更操作が行われたこと、つまり、スタイルが変化したことがスタイル検出部21によって検出されたときには(ステップB10でYES)、上述のステップB3に戻り、現在設定記憶部M3の「撮影条件」を新たなスタイルに対応した「撮影条件」に変更させる(ステップB4、B5)。
【0036】
また、上述のようにして現在設定記憶部M3に記憶された撮影条件を変更する操作が行われたときには(ステップB11でYES)、この撮影条件変更操作に応じた内容を現在設定記憶部M3に記憶させた後(ステップB12)、撮影条件の変更は今回の撮影に限った一時的な変更なのか、以降も同じ撮影条件(変更後の撮影条件)を利用するのかを問い合わせるための確認メッセージを表示させる(ステップB13)。なお、このメッセージ画面には、変更後の撮影条件を今後も利用するか否かを指定する「利用する」/「利用しない」のボタンが設けられている。
【0037】
いま、「利用しない」のボタンが操作されて、今回の撮影に限った一時的な変更であることが指定されたときには(ステップB14でNO)、この時点で上述のステップB6に戻って操作待ち状態となるが、「利用する」のボタンが指定操作されたときには(ステップB14でYES)、スタイル検出部21によって検出された現在のスタイルを取得すると共に(ステップB15)、現在のスタイルに基づいてスタイル&撮影条件記憶部M4を検索し、現在のスタイルに対応する「撮影条件」の内容を現在設定記憶部M3に記憶されている撮影条件に基づいて変更する(ステップB16)。このようにして撮影条件を変更した後は、上述のステップB6に戻る。この場合、撮影条件の変更時と同じスタイルでシャッターキーが押下されたときには、現在設定記憶部M3に記憶されている変更後の撮影条件で撮影が行われる(ステップB6〜B8)。
【0038】
また、撮影方法を変更する操作が行われたときには(ステップB17でYES)、撮影方法を“通常撮影”から“撮影モードによる撮影”に一時的に変更するために、図13のフローに移るが、カメラ機能終了操作が行われたときには(ステップB18でYES)、カメラ機能の動作を終了させた後に(ステップB19)、図11のメインフローに戻る。
【0039】
一方、撮影方法記憶部M1の「設定フラグ」が“1”の「撮影方法」が“撮影モードによる撮影”の場合、つまり、「撮影方法」として“撮影モードによる撮影”が選択設定されている場合には(ステップB2でYES)、図13のフローに移る。先ず、中央制御部11は、スタイル検出部21によって検出された現在のスタイルを取得し(ステップB20)、現在のスタイルがオープンスタイルあるいはビュースタイルであれば、スタイル&撮影モード記憶部M5を検索し、現在のスタイルに該当する「撮影モード」を読み出すと共に(ステップB21)、この「撮影モード」に対応する「撮影条件」を撮影モード情報記憶部M2から読み出し、この「撮影モード」及び「撮影条件」を現在設定記憶部M3に記憶させる(ステップB22)。そして、シャッターキーが押下されたかを調べたり(ステップB23)、スタイルを変更する操作が行われたかを調べたり(ステップB27)、撮影モードを変更する操作が行われたかを調べたり(ステップB28)、撮影方法を変更する操作が行われたかを調べたり(ステップB34)、カメラ機能を終了させる操作が行われたかを調べたりし(ステップB35)、何れかの操作が行われるまで操作待ち状態となる。
【0040】
いま、シャッターキーが押下されたときには(ステップB23でYES)、上述した“通常撮影”の場合と同様に、現在のスタイルを取得するほか(ステップB24)、現在設定記憶部M3に記憶されている「撮影条件」を読み出してカメラ部16に与え、この「撮影条件」で撮影を開始させる撮像処理を実行する(ステップB25)。そして、この撮影された画像を現在のスタイル、現在日時などと共に画像記憶部M7に記憶させる(ステップB26)。また、スタイル変更操作が行われたときには(ステップB27でYES)、上述のステップB20に戻り、新たなスタイルに対応した「撮影モード」を読み出し、現在設定記憶部M3の内容を当該「撮影モード」に対応した「撮影条件」に変更させる(ステップB21、B22)。
【0041】
また、例えば、人物撮影から風景撮影のように撮影モードを変更する操作が行われたときには(ステップB28でYES)、変更後の「撮影モード」に対応する「撮影条件」を撮影モード情報記憶部M2から読み出して現在設定記憶部M3に記憶させた後(ステップB29)、撮影モードの変更は今回の撮影に限った一時的な変更なのか、以降も同じ撮影モード(変更後の撮影モード)を利用するのかを問い合わせるための確認メッセージを表示させる(ステップB30)。なお、このメッセージ画面にも上述と同様の「利用する」/「利用しない」のボタンが設けられており、「利用しない」のボタンが操作されて、今回の撮影に限った一時的な変更であることが指定されたときには(ステップB31でNO)、この時点で上述のステップB23に戻って操作待ち状態となる。また、「利用する」のボタンが指定操作されたときには(ステップB31でYES)、スタイル検出部21によって検出された現在のスタイルを取得すると共に(ステップB32)、現在のスタイルに基づいてスタイル&撮影モード記憶部M5を検索し、その内容を変更後の撮影モードに変更する(ステップB33)。
【0042】
このようにユーザ操作によって撮影モードを変更した後は、上述のステップB23に戻るが、この撮影モード変更時と同じスタイルでシャッターキーが押下されたときには、現在設定記憶部M3に記憶されている変更後の撮影モードで撮影が行われる(ステップB23〜B25)。また、撮影方法を変更する操作が行われたときには(ステップB34でYES)、撮影方法を“撮影モードによる撮影”から“通常撮影”に一時的に変更するために、上述した図12のステップB3に移るが、カメラ機能終了操作が行われたときには(ステップB35でYES)、カメラ機能の動作を終了させた後(ステップB36)、図11のメインフローに戻る。
【0043】
一方、画像記憶部M7に記憶されている撮影画像の表示を指示する画像表示操作が行われたときには(図11のステップA7でYES)、画像表示処理に移る(ステップA8)。
【0044】
図14は、画像表示処理(図11のステップA8)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、画像記憶部M7に記憶されている各画像が一覧表示(例えば、サムネイル表示)されている状態において、その一覧画面の中から任意の画像を表示対象として指定する画像指定操作が行われると(ステップC1)、指定された画像に対応付けて画像記憶部M7に記憶されている「スタイル」を読み出すと共に(ステップC2)、スタイル&方向記憶部M6から当該スタイルに対応する「表示方向」を読み出し(ステップC3)、この「表示方向」に従った向きに指定画像を回転して表示させる(ステップC4)。例えば、オープンスタイルで撮影され画像であれば、図16(A)に示すように記録画像を時計回りに90度回転して表示させ、ビュースタイルで撮影された記録画像であれば、図16(B)に示すように記録画像を反時計回りに90度回転して表示させる。
【0045】
そして、表示方向を変更する操作が行われたか(ステップC5)、画像表示処理の終了を指示する操作が行われたかを調べ(ステップC11)、何れかの操作が行われるまで操作待ち状態となる。いま、表示方向変更操作が行われたときには(ステップC5でYES)、その変更操作に応じた方向に画像の向きを変更して表示させる(ステップC6)。そして、表示方向の変更は今回の表示に限った一時的な変更なのか、以降も同じ表示方向(変更後の表示方向)を利用するのかを問い合わせるための確認メッセージを表示させる(ステップC7)。
【0046】
このメッセージ画面にも上述と同様の「利用する」/「利用しない」のボタンが設けられており、「利用しない」のボタンが操作されて、今回の表示に限った一時的な変更であることが指定されたときには(ステップC8でNO)、この時点で上述のステップC5に戻って操作待ち状態となる。また、「利用する」のボタンが指定操作されたときには(ステップC8でYES)、表示されている画像に対応付けて画像記憶部M7に記憶されている「スタイル」を読み出すと共に(ステップC9)、そのスタイルに基づいてスタイル&方向記憶部M6を検索し、そのスタイルに対応する「表示方向」の内容を変更後の表示方向に変更する(ステップC10)。また、画像表示終了操作が行われたときには(ステップC11でYES)、画像表示処理を終了させた後(ステップC12)、図11のメインフローに戻る。このようにユーザ操作によって「表示方向」を変更した後、再び、画像表示操作が行われたときに(図11のステップA7でYES)、表示されていた画像と表示される画像に対応付けて画像記憶部M7に記憶されている「スタイル」が同じスタイルであれば、変更後の「表示方向」で画像表示が行われる(ステップC1〜C4)。
【0047】
また、画像編集を指示する操作が行われたときには(図11のステップA9でYES)、画像編集処理に移る(ステップA10)。
【0048】
図15は、画像編集処理(図11のステップA10)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、画像記憶部M7に記憶されている各画像が一覧表示(例えば、サムネイル表示)されている状態において、その一覧画面の中から任意の画像を編集対象として指定する画像指定操作が行われると(ステップD1)、指定された画像を記録されているままの方向で表示させる(ステップD2)。そして、表示されている画像を回転することを指示する操作が行われたか(ステップD3)、画像の切り出しを指示する操作が行われたか(ステップD7)、回転方向の変更を指示する操作が行われたか(ステップD9)、画像編集処理の終了を指示する操作が行われたかを調べ(ステップD15)、何れかの操作が行われるまで操作待ち状態となる。
【0049】
いま、画像を回転することを指示する回転指示操作(回転方向は指示しない)が行われたときには(ステップD3でYES)、指定された画像に対応付けて画像記憶部M7に記憶されている「スタイル」を読み出すと共に(ステップD4)、スタイル&方向記憶部M6から当該スタイルに対応する「回転方向」を読み出し(ステップD5)、この「回転方向」に従った向きに指定画像を回転して表示させる(ステップD6)。すなわち、記録されているままの方向で画像表示が行われている状態において(ステップD2)、撮影時のスタイルに応じた「回転方向」に回転して表示させる。例えば、オープンスタイルで撮影され画像であれば、図16(A)に示すように記録画像を時計回りに90度回転して表示させ、ビュースタイルで撮影された記録画像であれば、図16(B)に示すように記録画像を反時計回りに90度回転して表示させる。
【0050】
このように撮影時のスタイルに応じて画像を回転表示させた状態において、所定の領域で切り出して、待受画面用の画像に編集するために、その切り出し範囲を指定する操作が行われたときには(ステップD7でYES)、その操作に応じて指定された領域(サイズや位置)内の画像を切り出して表示させる(ステップD8)。また、回転変更操作が行われたときには(ステップD9でYES)、その操作に応じて表示画像を回転させた後(ステップD10)、そして、回転方向の変更は今回の表示に限った一時的な変更なのか、以降も同じ回転方向(変更後の回転方向)を利用するのかを問い合わせるための確認メッセージを表示させる(ステップD11)。
【0051】
このメッセージ画面にも上述と同様の「利用する」/「利用しない」のボタンが設けられており、「利用しない」のボタンが操作されて、今回の表示に限った一時的な変更であることが指定されたときには(ステップD12でNO)、この時点で上述のステップD3に戻って操作待ち状態となる。また、「利用する」のボタンが指定操作されたときには(ステップD12でYES)、編集されている画像に対応付けて画像記憶部M7に記憶されている「スタイル」を読み出すと共に(ステップD13)、そのスタイルに基づいてスタイル&方向記憶部M6を検索し、そのスタイルに対応する「回転方向」の内容を変更後の回転方向に変更する(ステップD14)。
【0052】
また、画像編集終了操作が行われたときには(ステップD15でYES)、画像編集処理を終了させると共に、編集後の画像を画像記憶部M7に記憶させて編集前の画像と置き換えた後(ステップD16)、図11のメインフローに戻る。このようにユーザ操作によって「回転方向」を変更した後、再び、画像編集操作が行われ(図11のステップA9でYES)、かつ、回転指示操作が行われたときには(ステップD3)、編集されていた画像と編集されている画像に対応付けて画像記憶部M7に記憶されている「スタイル」が同じスタイルであれば、変更後の「回転方向」で画像回転が行われる(ステップD4〜D6)。
【0053】
他方、着信検出が有った場合には(図11のステップA11でYES)、通話可能状態とする通話処理を実行し(ステップA12)、また、電源オフ操作が行われたときには(ステップA13でYES)、サスペンドなどの電源オフ処理を実行し(ステップA14)、その他の操作、例えば、発信操作、メール送信操作などが行われたときには(ステップA15でYES)、操作に対応する処理として、発信処理、メール送信などを実行する(ステップA16)。
【0054】
以上のように、この実施形態において中央制御部11は、カメラ部16で撮影される画像に対する制御をスタイル検出部21で検出されたスタイルに応じて行うようにしたので、ユーザによる煩雑な操作を必要とせず、傾斜角などを検知する特別な部品をも必要とせずに、その制御を適切に行うことが可能となる。なお、スタイル検出部21は、装置本体の折り畳みを閉じたときに表示部17の表示を消したりするなど、何らかの用途のために既に設けられているものであるが、これを流用することで部品を新たに追加する必要がなくなる。また、それぞれのスタイルでの撮影時の方向が携帯電話の製造者によって予め指定(推奨)されている場合にその推奨撮影方向を考慮した制御が可能となる。
【0055】
画像を撮影する際に、現在のスタイルに応じてその撮影条件を制御するようにしたので、ユーザによる煩雑な操作を必要とせず、スタイルに合った撮影条件での撮影が可能となる。すなわち、ユーザは撮影時にどのようなスタイルで撮影を行うかを自分の好みや使い易さに応じて使い分けたり、何を撮影するかどんな状況かに応じて使い分けたりする場合に、その使い分けに適した撮影条件での撮影が可能となる。
【0056】
画像を撮影する際に、現在のスタイルに応じてその撮影モードを制御するようにしたので、ユーザによる煩雑な操作を必要とせず、スタイルに合った撮影モードでの撮影が可能となる。すなわち、ユーザは撮影時にどのようなスタイルで撮影を行うかを自分の好みや使い易さに応じて使い分けたり、何を撮影するかどんな状況かに応じて使い分けたりする場合に、その使い分けに適した撮影モードでの撮影が可能となる。
【0057】
画像を撮影するときに、スタイル&撮影条件記憶部M4、スタイル&撮影モード記憶部M5のうち、その何れかの内容(撮影条件/撮影モード)の変更を指示する操作が行われた際に、現在設定記憶部M3の内容を変更以外にも、そのときのスタイルに応じてスタイル&撮影条件記憶部M4/スタイル&撮影モード記憶部M5の内容を変更するようにしたので、以降、同じスタイルになったときには、その変更された内容での制御が可能となる。
【0058】
この場合、画像を撮影するときに、撮影条件/撮影モードを指示する操作が行われた際に、今回に限った一時的な変更なのか、以降も同じ制御を利用するかを問い合わせるようにしたので、ユーザにあってはその選択を自由に行うことができる。
【0059】
中央制御部11は、カメラ部16で撮影される画像を処理するにあたって、当該処理される画像に対する制御をその画像が撮影された際のスタイルに応じて行うようにしたので、ユーザによる煩雑な操作を必要とせず、傾斜角などを検知する特別な部品をも必要とせずに、その制御を適切に行うことが可能となる。
【0060】
画像を表示するにあたって、表示される画像に対する制御をその画像が撮影された際のスタイルに応じて行うようにしたので、記録されている画像の向きに関わらず、画像の表示方向を適切に制御することができる。
【0061】
画像を編集するにあたって、編集される画像に対する制御をその画像が撮影された際のスタイルに応じて行うようにしたので、画像の編集処理を適切に制御することができる。例えば、縦長で撮影された画像が横長で表示されるような場合、縦長の画像が表示されるように90度回転してから所定の領域で切り出して、待受画面用の画像に編集する際に、その回転方向を撮影時のスタイルに応じて適切に制御することができる。
【0062】
画像表示処理あるいは画像編集処理するにあたって、画像を表示するときの表示方向あるいは編集するときの回転方向の変更を指示する操作が行われた際に、その操作に応じてその表示方向あるいは回転方向を変更する以外にも、その画像が撮影された際のスタイルに応じてスタイル&方向記憶部M6の内容(表示方向/回転方向)を変更するようにしたので、以降、同じスタイルで撮影された画像を表示したり編集したりするときには、その変更された内容での制御が可能となる。
【0063】
この場合、画像を処理するにあたって、画像の表示方向あるいは回転方向の変更を指示する操作が行われた際に、今回に限った一時的な変更なのか、以降も同じ制御を利用するかを問い合わせるようにしたので、ユーザにあってはその選択を自由に行うことができる。
【0064】
なお、上述した実施形態においては、画像に対する制御を行うスタイルとして、オープンスタイル、ビュースタイルを例示したが、これらのスタイルに限らず、任意であるほか、2軸ヒンジタイプ(回転2軸型)に限らず、フリップ型、リボルバー型、スライド型、折り畳み型などその装置本体の筐体の連結状態に応じたスタイルであってもよい。
【0065】
また、上述した実施形態においては、スタイルに応じた制御として、画像を表示するときの表示方向と編集するときの回転方向を例示したが、編集時の切り出しサイズや色補正、鏡反転などをスタイルに応じて制御するようにしてもよい。
【0066】
その他、撮像装置としては、撮像機能付き携帯電話機に限らず、例えば、撮像機能付きパーソナルコンピュータ・PDA・電子腕時計・音楽再生機などのほか、勿論、デジタルカメラ自体であってもよい。
【0067】
(付記1)
装置本体を構成する複数の筐体の連結状態に応じて複数のスタイルに変更可能な撮像装置であって、
画像を撮影する撮像手段と、
装置本体のスタイルを検出する検出手段と、
前記撮像手段によって撮影される画像に対する制御を前記検出手段によって検出されたスタイルに応じて行う第1の制御手段と、
を具備したことを特徴とする撮像装置。
【0068】
(付記2)
前記第1の制御手段は、前記撮像手段によって撮像される画像に対する制御として、その画像を撮影する際の撮影条件を制御する、
ようにしたことを特徴とする付記1記載の撮像装置。
【0069】
(付記3)
前記撮像手段は、複数の撮影モードを有し、
前記第1の制御手段は、前記撮像手段によって撮像される画像に対する制御として、その画像を撮影する際の撮影モードを制御する、
ようにしたことを特徴とする付記1記載の撮像装置。
【0070】
(付記4)
前記撮像手段によって撮影される画像に対する制御をユーザ操作に応じて行う第2の制御手段と、
前記第2の制御手段が行った制御内容と、その制御を行った際に前記検出手段によって検出されたスタイルとを対応付けて制御内容記憶手段に記憶する制御内容記憶制御手段と、
を更に備え、前記第1の制御手段は、前記撮像手段による撮影時に前記検出手段によって検出されたスタイルに対応付けて前記制御内容記憶手段に記憶されている制御内容に従って、前記撮像手段によって撮影される画像に対する制御を行う、
ようにしたことを特徴とする付記1記載の撮像装置。
【0071】
(付記5)
前記第2の制御手段が行った制御内容と、その制御を行った際に前記検出手段によって検出されたスタイルとを対応付けて前記制御内容記憶手段に記憶するか否かを選択する選択手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする付記4記載の撮像装置。
【0072】
(付記6)
装置本体を構成する複数の筐体の連結状態に応じて複数のスタイルに変更可能な撮像装置であって、
画像を撮影する撮像手段と、
装置本体のスタイルを検出する検出手段と、
前記撮像手段によって撮影された画像と、その画像が撮影された際に前記検出手段によって検出されたスタイルとを対応付けて画像記憶手段に記憶する画像記憶制御手段と、
前記画像記憶手段に記憶されている画像を処理する処理手段と、
この処理手段によって画像を処理するにあたって、その画像と対応付けられて前記画像記憶手段に記憶されているスタイルに基づいて、前記処理手段によって処理される画像に対する制御を行う第1の制御手段と、
を具備したことを特徴とする撮像装置。
【0073】
(付記7)
前記処理手段は、画像を表示する処理を行い、
前記第1の制御手段は、画像を表示するにあたって、画像の表示方向を制御する、
ようにしたことを特徴とする付記6記載の撮像装置。
【0074】
(付記8)
前記処理手段は、画像を編集する処理を行い、
前記第1の制御手段は、画像を編集するにあたって、画像の編集処理を制御する、
ようにしたことを特徴とする付記6記載の撮像装置。
【0075】
(付記9)
前記処理手段によって画像を処理するにあたって、前記処理手段によって処理される画像に対する制御をユーザ操作に応じて行う第2の制御手段と、
この第2制御手段によって制御を行った場合に、その制御を行った画像と対応付けられて前記画像記憶手段に記憶されているスタイルを読み出し、その読み出されたスタイルと前記第2の制御手段が行う制御内容とを対応付けて制御内容記憶手段に記憶する制御内容記憶制御手段と、
を更に備え、前記第1の制御手段は、前記処理手段によって画像を処理するにあたって、その画像と対応付けられて前記画像記憶手段に記憶されているスタイルを読み出し、その読み出されたスタイルと対応付けられて前記制御内容記憶手段に記憶されている制御内容に従って、前記処理手段によって処理される画像に対する制御を行う、
ようにしたことを特徴とする付記6記載の撮像装置。
【0076】
(付記10)
前記第2の制御手段によって制御を行った場合に、その制御を行った画像と対応付けられて前記画像記憶手段に記憶されているスタイルを読み出し、その読み出されたスタイルと前記第2の制御手段による制御内容とを対応付けて前記制御内容記憶手段に記憶するか否かを選択する選択手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする付記9記載の撮像装置。
【0077】
(付記11)
コンピュータに対して、
装置本体を構成する複数の筐体の連結状態に応じたスタイルを検出する機能と、
撮影される画像に対する制御を前記検出されたスタイルに応じて行う機能と、
を実現させるためのプログラム。
【0078】
(付記12)
コンピュータに対して、
装置本体を構成する複数の筐体の連結状態に応じたスタイルを検出する機能と、
撮影された画像と、その画像が撮影された際に前記検出されたスタイルとを対応付けて記憶管理する機能と、
前記記憶されている画像を処理する機能と、
前記画像を処理するにあたって、その画像と対応付けられて前記記憶されているスタイルに基づいて、前記処理される画像に対する制御を行う機能と、
を実現させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0079】
1 携帯電話機
1A 操作部筐体
1B 表示部筐体
1C ヒンジ部
2 無線通信網
11 中央制御部
12 ROM
13 RAM
14 無線通信送受信部
16 カメラ部
17 表示部
18 操作部
20 スタイル検出部
M1 撮影方法記憶部
M2 撮影モード情報記憶部
M3 現在設定記憶部
M4 スタイル&撮影条件記憶部
M5 スタイル&撮影モード記憶部
M6 スタイル&方向記憶部
M7 画像記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体を構成する複数の筐体の連結状態に応じて複数のスタイルに変更可能な撮像装置であって、
画像を撮影する撮像手段と、
装置本体のスタイルを検出する検出手段と、
前記撮像手段によって撮影された画像と、その画像が撮影された際に前記検出手段によって検出されたスタイルとを対応付けて画像記憶手段に記憶する画像記憶制御手段と、
前記画像記憶手段に記憶されている画像を処理する処理手段と、
この処理手段によって画像を処理するにあたって、その画像と対応付けられて前記画像記憶手段に記憶されているスタイルに基づいて、前記処理手段によって処理される画像に対する制御を行う第1の制御手段と、
を具備したことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記処理手段は、画像を表示する処理を行い、
前記第1の制御手段は、画像を表示するにあたって、画像の表示方向を制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記処理手段は、画像を編集する処理を行い、
前記第1の制御手段は、画像を編集するにあたって、画像の編集処理を制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項4】
前記処理手段によって画像を処理するにあたって、前記処理手段によって処理される画像に対する制御をユーザ操作に応じて行う第2の制御手段と、
この第2の制御手段によって制御を行った場合に、その制御を行った画像と対応付けられて前記画像記憶手段に記憶されているスタイルを読み出し、その読み出されたスタイルと前記第2の制御手段が行う制御内容とを対応付けて制御内容記憶手段に記憶する制御内容記憶制御手段と、
を更に備え、前記第1の制御手段は、前記処理手段によって画像を処理するにあたって、その画像と対応付けられて前記画像記憶手段に記憶されているスタイルを読み出し、その読み出されたスタイルと対応付けられて前記制御内容記憶手段に記憶されている制御内容に従って、前記処理手段によって処理される画像に対する制御を行う、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第2の制御手段によって制御を行った場合に、その制御を行った画像と対応付けられて前記画像記憶手段に記憶されているスタイルを読み出し、その読み出されたスタイルと前記第2の制御手段による制御内容とを対応付けて前記制御内容記憶手段に記憶するか否かを選択する選択手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項4記載の撮像装置。
【請求項6】
コンピュータに対して、
装置本体を構成する複数の筐体の連結状態に応じたスタイルを検出する機能と、
撮影された画像と、その画像が撮影された際に前記検出されたスタイルとを対応付けて記憶管理する機能と、
前記記憶されている画像を処理する機能と、
前記画像を処理するにあたって、その画像と対応付けられて前記記憶されているスタイルに基づいて、前記処理される画像に対する制御を行う機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−142971(P2012−142971A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−34587(P2012−34587)
【出願日】平成24年2月20日(2012.2.20)
【分割の表示】特願2008−43819(P2008−43819)の分割
【原出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】