撮像装置及び撮像方法
【課題】現在のフォーカス位置からすぐにAF動作を開始できるとともに、フォーカス位置を駆動するべき方向を誤ることなく、AFにかかる時間を短縮でき、消費電力の増大を招くことのない撮像装置及び撮像方法を提供する。
【解決手段】フォーカス位置を変更可能に構成された2つの撮像光学系1を備えた撮像装置であって、フォーカス位置を制御するものであり、前記ピント位置検出部がピント位置を検出する前において一方の撮像光学系のフォーカス位置と、他方の撮像光学系のフォーカス位置を所定量だけずらすように構成されたフォーカス位置制御部63と、各撮像光学系のフォーカス位置がずれている状態において、各撮像光学系に対応させて出力される2つのコントラスト評価値に基づいて、前記被写体に合焦するピント位置が各撮像光学系の現在のフォーカス位置に対してどちらの方向にあるかを判別するピント位置方向判別部64と、を備えた。
【解決手段】フォーカス位置を変更可能に構成された2つの撮像光学系1を備えた撮像装置であって、フォーカス位置を制御するものであり、前記ピント位置検出部がピント位置を検出する前において一方の撮像光学系のフォーカス位置と、他方の撮像光学系のフォーカス位置を所定量だけずらすように構成されたフォーカス位置制御部63と、各撮像光学系のフォーカス位置がずれている状態において、各撮像光学系に対応させて出力される2つのコントラスト評価値に基づいて、前記被写体に合焦するピント位置が各撮像光学系の現在のフォーカス位置に対してどちらの方向にあるかを判別するピント位置方向判別部64と、を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーカス位置を変更可能に構成された2つの撮像光学系と、各撮像光学系により形成される被写体像を画像に変換する2つの撮像素子と、を備えた撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
CCDやCMOS等の撮像素子を備えた、いわゆるデジタルカメラでのオートフォーカス(以下AFとも言う)の方法としては、撮像光学系のフォーカス位置をスキャン移動させるとともに、各フォーカス位置でのコントラスト評価値を取得し、その値が極値となるフォーカス位置をピント位置として検出するコントラストAFと呼ばれる方法がある。図12はコントラストAFによるピント位置検出中の撮像光学系の動作を示すものであり、グラフにおいて点線の曲線で示しているのはまだ値が取得されていないコントラスト評価値であり、実線部分はコントラスト評価値を取得した部分を示す。図12(i)に示すように最初にあるフォーカス位置で静止している状態では、現在のフォーカス位置に対してピント位置がINF側、NEAR側のいずれにあるのかが不明である。そのため、まずフォーカス位置をINFあるいはNEARのいずれかの方向にある程度スキャン移動させて、コントラスト評価値の増減傾向を取得し、その増加する方向にピント位置があると推定して駆動を開始するようにしている。ここで、最初はどちらにピント位置があるのかが不明であるため、図12(ii)に示すよう極値とは反対側へフォーカス位置を変更してしまうこともあり、その場合図12(iii)に示すように一度もとの位置へ戻す分だけ無駄な距離を駆動しなければならない。その後、図12(iv)に示すように一度、コントラスト評価値が増加傾向から減少傾向に転じるまでフォーカス位置を変更しつづけ、最後に図12(v)に示すようにピント位置にフォーカス位置を戻すことでコントラストAFが完了する。
【0003】
このようにコントラストAFでは、現在のフォーカス位置に対してピント位置がどちら側にあるかが初期状態では分からないため、特に図12(ii)に示すように、ピント位置とは逆方向に動いてしまった場合に合焦するまでにかかる時間が長くなってしまったり、その動作の見栄えが悪くなってしまったりするといった問題がある。
【0004】
このような問題の解決方法のひとつとしては、図13に示すように常にフォーカスレンズを前後に細かく動かすことにより、コントラスト評価値の増減傾向を取得してピント位置のある方向を検出するオブリングと呼ばれる方法がある。ただ、このような方法では、ピント位置のある方向へフォーカス位置を変更する際にその駆動方向を誤ることはなくなるものの、フォーカスレンズを常に駆動しているため消費電力が大きくなり、バッテリーのもちが悪くなってしまうといった新たな問題が生じてしまう。
【0005】
ところで、立体画像を撮像するために2つの撮像光学系を有するいわゆる立体カメラ等においては、特にピント位置がある方向等については推定を行わずに、フォーカスレンズが2つあることを利用してコントラストAFのためのスキャン範囲を分担することで、AFにかかる時間を最短で略半分にすることが行われている。
【0006】
特許文献1に記載されている二眼カメラは第1撮像光学系と、第2撮像光学系を有し、それぞれのフォーカスレンズ13を独立して位置制御できるように構成されている。そして、ユーザがシャッタボタンを半押しにしてAF動作が開始されると、図14に示すようにまず、第1撮像光学系のフォーカスレンズ13をINF端へ、第2撮像光学系のフォーカスレンズ13をNEAR端へと移動させ、それぞれのフォーカスレンズ13を中央側へとスキャン移動させてコントラスト評価値がピークとなるフォーカス位置を探索する。
【0007】
また、特許文献1に記載されている別の実施態様では、図15に示すように、ユーザがシャッタボタンを半押しにしてAF動作が開始されると、第1撮像光学系のフォーカスレンズ13を駆動可能範囲の略中央に配置し、第2撮像光学系のフォーカスレンズ13は、NEAR端に配置し、その後、それぞれのフォーカスレンズ13の離間距離を保ったまま、INF側へとスキャン移動させて、いずれかの撮像光学系でピント位置を検出する。
【0008】
これらの例のように二眼カメラにおいては、スキャン移動をさせる範囲をそれぞれで分担することで、AFにかかる時間を最短で略半分にすることができる。
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載のコントラストAF方法では、合焦動作が開始された時点で、スキャン範囲を分担するとともに、駆動方向について考慮しなくてもよいようにするために、まずフォーカスレンズを現在の位置からINF端、NEAR端、中央といった予め定められた位置まで必ず駆動しており、その分の駆動時間がかかってしまう。言い換えると、現在のフォーカス位置から合焦動作を開始できないので、初期配置にするまでにかかる時間や消費電力が大きくなってしまう。また、合焦動作前のフォーカス位置やピント位置によっては、初期配置にするまでにピント位置を通り過ぎてから再びフォーカス位置をピント位置に戻すといった動作をしていることになり、図12(ii)に示したような無駄な動きが実際には生じていることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−162990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は上述したような問題を鑑みてなされたものであり、合焦動作を行う際に2つの撮像光学系のフォーカス位置を予め定めたINF端等の固定された初期配置に設定することなく、現在のフォーカス位置からすぐにAF動作を開始できるとともに、フォーカス位置を駆動するべき方向を誤ることなく、AFにかかる時間を短縮でき、消費電力の増大を招くことのない撮像装置及び撮像方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち、本発明の撮像装置は、フォーカス位置を変更可能に構成された2つの撮像光学系と、各撮像光学系により形成される被写体像を画像に変換する2つの撮像素子と、各画像中の被写体のコントラスト評価値をそれぞれ出力するコントラスト評価値出力部と、複数のフォーカス位置でのコントラスト評価値に基づいて、前記被写体に合焦するフォーカス位置であるピント位置を検出するピント位置検出部と、を備えた撮像装置であって、フォーカス位置を制御するものであり、前記ピント位置検出部がピント位置を検出する前において一方の撮像光学系のフォーカス位置と、他方の撮像光学系のフォーカス位置を所定量だけずらすように構成されたフォーカス位置制御部と、各撮像光学系のフォーカス位置がずれている状態において、各撮像光学系に対応させて出力される2つのコントラスト評価値に基づいて、前記被写体に合焦するピント位置が各撮像光学系の現在のフォーカス位置に対してどちらの方向にあるかを判別するピント位置方向判別部と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の撮像方法は、フォーカス位置を変更可能に構成された2つの撮像光学系と、各撮像光学系により形成される被写体像を画像に変換する2つの撮像素子と、各画像中の被写体のコントラスト評価値をそれぞれ出力するコントラスト評価値出力部と、複数のフォーカス位置でのコントラスト評価値に基づいて、前記被写体に合焦するフォーカス位置であるピント位置を検出するピント位置検出部と、を備えた撮像装置に用いられる撮像方法であって、フォーカス位置を制御するステップであり、前記ピント位置検出部がピント位置を検出する前において一方の撮像光学系のフォーカス位置と、他方の撮像光学系のフォーカス位置を所定量だけずらすように構成されたフォーカス位置制御ステップと、各撮像光学系のフォーカス位置がずれている状態において、各撮像光学系に対応させて出力される2つのコントラスト評価値に基づいて、前記被写体に合焦するピント位置が各撮像光学系の現在のフォーカス位置に対してどちらの方向にあるかを判別するピント位置方向判別ステップと、を備えたことを特徴とする。
【0014】
このようなものであれば、ピント位置が検出される前の状態において、各撮像光学系のフォーカス位置を所定量だけずらされているので、それぞれの撮像光学系に対応させて出力される2つのコントラスト評価値には違いが生じる。この2つのコントラスト評価値の違いに基づいて前記ピント位置方向検出部がピント位置は現在のフォーカス位置に対してどちらの方向にあるのかを判断するので、フォーカス位置の駆動方向を誤ることがない。従って、誤った方向に駆動してしまうことによる時間の無駄や見栄えの悪さと言った問題が生じるのを防ぐことができ、逆に駆動方向を誤らないようにするために特別な初期配置にする等といった無駄な駆動時間もなくすことができる。従って、AFにかかる時間を大幅に短縮することができるとともに、駆動方向を検出するためにフォーカス位置を常に動かし続けるといった動作も必要ないので消費電量の増大を招くことがない。
【0015】
前記ピント位置が現在のフォーカス位置に対してどの方向にあるかを判別するための具体的な態様としては、前記ピント位置方向判別部が、各撮像光学系のフォーカス位置と、各フォーカス位置に対応させて出力される2つのコントラスト評価値から、フォーカス位置の変化によるコントラスト評価値の増減傾向を判別し、前記コントラスト評価値が増加する方向にピント位置があると判別するように構成されたものであればよい。
【0016】
合焦動作が開始された際にすぐにピント位置が検出でき、よりAFにかかる時間を短縮できるようにするには、前記フォーカス位置制御部が、ピント位置検出に関連する動作が開始されるまでの間は、各撮像光学系のフォーカス位置を所定量だけずらした状態を維持し続けるように構成されたものであればよい。
【0017】
一方の撮像光学系のみで撮像を行う場合において、フォーカス位置がピント位置を通過後に再度戻ると動作を無くすことにより、AFにかかる時間をより短縮できるようにするには、前記フォーカス位置制御部が、他方の撮像光学系のフォーカス位置を一方の撮像光学系のフォーカス位置より所定量だけ先行させて、各撮像光学系のフォーカス位置をピント位置側へと走査するように構成されたものであればよい。
【0018】
ピント位置に合焦され、シャッタが切られて本撮影がされるまでの間に被写体がピント位置から外れてしまったのを容易に検出できるようにするには、前記フォーカス位置制御部が、前記ピント位置検出部によってピント位置が検出されており、かつ、本撮影が開始されるまでの待機期間においては、各撮像光学系のフォーカス位置を前記ピント位置に対して所定量だけずらした状態を保つように構成されたものであればよい。
【0019】
例えばコントラス評価値のピークが小さい被写体に対して、ピークの大きい被写体が入ってきた場合でもピークの小さい被写体の変化を検出しやすくするには、前記待機期間において、前記フォーカス位置制御部が各撮像光学系のフォーカス位置を、前記ピント位置の前後にあり、かつ、各フォーカス位置に対応する各画像の被写体のコントラスト評価値がそれぞれ等しくなるように制御すればよい。
【発明の効果】
【0020】
このように本発明の撮像装置及び撮像方法によれば、フォーカス位置の異なる2つの撮像光学系に対応した2つのコントラスト評価値に基づいて前記ピント位置方向判別部がピント位置の方向を推定するので、合焦合焦動作を行う際に2つの撮像光学系のフォーカス位置を予め定めた初期配置に設定することなく、現在のフォーカス位置からすぐにAF動作を開始できる。従って、フォーカス位置を駆動するべき方向を誤ることなく、AFにかかる時間を短縮でき、消費電力の増大を招くことがない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る撮像装置を示す模式的前方斜視図。
【図2】同実施形態における撮像装置を示す模式的後方斜視図。
【図3】同実施形態における撮像装置全体の電気的構成を示す機能ブロック図。
【図4】同実施形態における合焦動作に関連する構成を示す機能ブロック図。
【図5】同実施形態における合焦動作待機状態における各フォーカスレンズの位置を示す模式図。
【図6】同実施形態におけるピント位置方向取得後の各フォーカスレンズの動作及びコントラスト評価値の取得状況を示す模式図。
【図7】同実施形態におけるピント位置取得後の各フォーカスレンズの動作及びコントラスト評価値の取得状況を示す模式図。
【図8】図7の状態において合焦被写体が動いた際の各コントラスト評価値の変化を示す模式図。
【図9】図7の状態においてコントラスト評価値が異なる2つの被写体がある場合の例を示す模式図。
【図10】同実施形態における本撮影開始後の各フォーカスレンズの動作を示す模式図。
【図11】同実施形態における撮影中の動作を示すフローチャート。
【図12】従来のコントラストAF中の撮像光学系の動作及びその問題点を示す模式図。
【図13】別の従来のコントラストAF中の撮像光学系の動作を示す模式図。
【図14】2眼カメラにおける従来のコントラストAFを高速化する方法を示す模式図。
【図15】2眼カメラにおける別の従来のコントラストAFを高速化する方法を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0023】
<装置全体の構成に関する説明>
本実施形態の撮像装置100は、立体画像を撮像するためのものであって、図1の前方斜視図に示すように、前面には電源オン時において撮像光学系1を保持する鏡筒が2つ並んで突出するように設けている他、ストロボ装置38等が設けてある。なお、これらの鏡筒は電源オフ時には内部に収容されるようにしてある。また、図2の後方斜視図に示すように背面には撮像された画像を立体視するためのモニタ35と、各種操作に用いられる操作キー53等が設けてある。前記モニタ35は例えば、レンチキュラーレンズを用いた3Dモニタである。そして上面には、シャッターレリーズ操作を行うために用いられるシャッタボタン51と、撮影モードを切り替えるためのモードダイヤル52が設けてある。
【0024】
すなわち、本撮像装置100は、各光軸14を所定距離だけ離間させて並列に設けた2つの撮像光学系1と、各記撮像光学系1により形成される被写体像をそれぞれ画像信号に変換する2つの撮像素子2と、を備え、2つの撮像光学系1により同時に撮像することで、視差のある2つの画像を生成できるようにしてある。これらの視差のある2つの画像に基づいて前記モニタ35において立体表示される立体画像が生成されるようにしてある。
【0025】
図3は、本実施形態の撮像装置100の電気的な構成を機能ブロックとして示すものである。図3に示すように、2つの撮像光学系1、2つの撮像素子2、画像信号処理回路31、VRAM32、評価値算出回路33、表示画像処理回路34、モニタ35、圧縮処理回路36、記録メディア37、CPU41、メモリ42、43、等が協業して、いわゆるデジタルカメラとしての機能を発揮するように構成してある。以下に各部について説明する。
【0026】
2つの撮像光学系1において共通する構成について説明する。なお、2つの撮像光学系1及び撮像素子2について区別が必要な場合には立体画像を構成する左側画像を生成するための撮像光学系1には第1、立体画像を構成する右側画像を生成するための撮像光学系1には第2を付けて区別するものとする。各撮像光学系1はそれぞれの光軸14が平行となるように、人間の両目の視差と略同じ程度の距離だけ離間させて並列に設けてある。そして前記撮像光学系1は、光軸14に沿って外側から順に、ズームレンズ11、絞り12、フォーカスレンズ13の順で並べて構成してあり、前記フォーカスレンズ13の後ろ側に前記撮像素子2が設けてある。前記撮像素子2としては、例えばCCD型やCMOS型のイメージセンサが用いられる。
【0027】
前記絞り12にはアイリスモータが接続されており、AE(Auto Exposure)動作時に絞り12値を変化させて光束を制限して露出量を制御するために用いられる。また前記フォーカスレンズ13にはレンズモータが接続されており、AF(Auto Focus)動作時に当該フォーカスレンズ13を撮像光学系1の光軸14に沿って移動させることにより、撮像光学系1のフォーカス位置を制御してピント調整を行うように構成してある。
【0028】
前記撮像素子2は、前記撮像光学系1により結像された被写体像を画像信号に変化するものである。当該撮像素子2には、タイミングジェネレータ21(TG)が接続してあり、TG21により前記撮像素子2の光電荷蓄積、転送動作が制御される。なお、前記絞り12、前記フォーカスレンズ13はドライバ15、16を介して、前記撮像素子2はタイミングジェネレータ21(TG)を介して、CPU41により制御される。
【0029】
前記撮像素子2から出力された画像信号は、相関二重サンプリング回路(CDS)及び増幅器(AMP)22、A/Dコンバータ(ADC)23、の順で入力され、アナログデータからデジタルデータへと変換される。デジタルデータに変換された画像信号は、画像コントローラ24が入出力をコントロールする。前記画像信号は、画像信号処理回路31に入力され、ホワイトバランス補正、γ補正処理等が施され、第1撮像光学系1により撮像された第1画像と、第2撮像光学系1により撮像された第2画像として、VRAM32の所定領域A、Bにそれぞれ別々に一次的に記憶される。このVRAM32に記憶されている各画像は所定周期ごとに更新される。具体的には前記タイミングジェネレータ21により撮像素子2が1/30秒(1フレーム)ごとに露光及び画像信号の出力が繰り返されるのに合わせて更新される。
【0030】
前記評価値算出回路33は、VRAM32に記憶された第1及び第2画像の各々からAF評価値及びAE評価値等を算出するものである。AF評価値とは、本実施形態では被写体が各撮像素子2に結像した際の光軸からのずれ量の評価値であるずれ評価値、又は2つの画像の位相差評価値を含む被写体距離評価値や、コントラスト評価値等に相当するものである。被写体距離評価値は、後述する被写体距離の算出において用いられるものである。またコントラスト評価値は、前記各画像の所定領域について、輝度値の高周波成分を積算することにより算出されたものである。すなわち、隣接する画素間のコントラスト(輝度差)を所定領域内について足し合わせたものである。また、AE評価値とは、各画像データの所定領域について輝度値を積算することで算出され、画像の明るさを表すものである。コントラスト評価値、AE評価値はそれぞれ後述するAF動作及びAE動作において用いられる。
【0031】
前記表示画像処理回路34は、VRAM32に記憶されている第1及び第2画像に基づいてLCDモニタ35において立体表示するための立体画像を合成するものである。前記モードダイヤル52により撮影モードが選択されており、LCDモニタ35がビューファインダとして使用される際には、前記表示画像処理回路34によって合成された立体画像が、LCDドライバ351を介してLCDモニタ35にスルー画像として表示される。また、モードによっては立体合成画像を用いずに、前記VRAM32に記憶されている画像をそのままLCDモニタ35に表示するようにしても構わない。
【0032】
前記圧縮処理回路36は、VRAM32に記憶された第1及び第2画像に対して、JPEG方式等の圧縮形式により圧縮処理を施すものである。メディアコントーラ371は、圧縮処理回路36によって圧縮処理された各画像をメモリカード等の記録メディア37に保存する。また、モードダイヤル52によりビューモードが選択されている場合には、この記録メディア37に保存されている第1及び第2画像に基づいて、前記表示画像処理回路34により生成された立体画像が前記モニタ35により表示される。
【0033】
前記モニタ35はLCDモニタであり、その詳細な構造は図示しないが、微小なかまぼこ状レンズを並べて形成したレンチキュラーをフィルタ上に形成して、そのフィルタをモニタの表面に設けてある。そして、モニタ35に映し出す画像を左右それぞれの目に異なる画像を届けることで裸眼立体視を可能にする。なお、前記モニタ35はその表面にパララックスバリア表示層を備えたパララックスバリア式のものであってもよい。より具体的には、モニタ35は、立体表示を行う際に、パララックスバリア表示層に光透過部と光遮蔽部とが交互に所定のピッチで並んだパターンからなるパララックスバリアを発生させるとともに、その仮想の画像表示面に左右の像を示す短冊状の画像断片を交互に配列して表示することで立体視を可能としてもよい。
【0034】
前記CPU41は、撮像装置100の全体の動作を統括的に制御するものである。CPU41には、前述のシャッタボタン51、モードダイヤル52、各種操作キー53の他、不揮発性メモリ43が接続されている。
【0035】
前記シャッタボタン51は、2段押のスイッチ構造となっている。シャッタボタン51がユーザにより軽く押圧(半押し)されると、撮像準備動作が開始される。シャッタボタン51が強く押圧(全押し)されると、撮影処理が行われ、1画面分の第1及び第2画像がVRAM32から記録メディア37に転送されて記憶される。また、この記録メディア37に記憶されている撮影された画像は、モードダイヤル52で再生モードが選択されている場合には、前記表示画像処理回路により立体画像が合成されたのちに前記モニタ35に表示される。
【0036】
<合焦動作に関連する構成の説明>
前記前記不揮発性メモリ43には、各種制御用のプログラムや設定情報等が記憶されている。しかして、前記CPU41、SDRAM42、不揮発性メモリ43、各種回路等、記録メディア37等が協業してプログラムや設定情報に基づき、少なくとも、コントラスト評価値出力部61、ピント位置検出部62、フォーカス位置制御部63、ピント位置方向判別部64としての機能を発揮するように構成してあり、その機能ブロック図は図4のようになる。
【0037】
前記コントラスト評価値出力部61は、前記評価値算出回路33を利用して、各撮像光学系1に対応した別々のコントラスト評価値をそれぞれ出力するように構成したものである。すなわち、前記コントラスト評価値出力部61は、各画像中における例えば所定領域に内にある被写体についてコントラスト評価値を演算して、その値を後述する前記ピント位置検出部62及びピント位置方向判別部64へと入力するようにしてある。
【0038】
前記ピント位置検出部62は、複数のフォーカス位置でのコントラスト評価値に基づいて、前記被写体に合焦するフォーカス位置であるピント位置を検出するものである。より具体的には、フォーカス位置をスキャン移動させていくことにより、コントラスト評価値がピーク(極値)となる点を探索し、そのフォーカス位置をピント位置と出力するものである。前記ピント位置は、例えば、前記フォーカスレンズ13をINF側、NEAR側のいずれかに一方向に移動させ続けている際に、前記コントラスト評価値出力部61から出力されるコントラスト評価値の値が増加傾向から減少傾向に転じたことを持ってピント位置を検出するようにしてある。
【0039】
前記フォーカス位置制御部63は、前記ピント位置検出部62によりピント位置が検出される際の前記フォーカスレンズ13のスキャン移動やその他の動作におけるフォーカスレンズ13の位置を制御するものである。本実施形態では、ユーザによりシャッタボタン51が半押しにされておらず、AF動作の開始を待機している状態では、図5に示すように前記第1及び第2撮像光学系1の各フォーカスレンズ13の位置を所定量だけ光軸に沿ってずらした状態を維持するようにしてある。ここで、AF動作待機における各フォーカスレンズ13のずれ量は、例えば、各撮像光学系1により形成され、前記モニタ35に表示されるスルー画像が違和感なく表示されるような微小な離間距離にしてある。
【0040】
さらに、前記フォーカス位置制御は、後述するピント位置方向判別部64によりピント位置のある方向が判別されると、図6に示すように各フォーカスレンズ13のずれ量を維持したまま、ピント位置のある方向へとスキャン移動させるように構成してある。
【0041】
そして、前記ピント位置検出部62が先行するフォーカスレンズ13に対応して出力されるコントラスト評価値からピント位置を検出すると、図7に示すように、前記フォーカス位置制御部63は、ユーザによりシャッタボタン51が全押しされ、本撮影が開始されるまでの間は、前記ピント位置の前後で各フォーカスレンズ13を待機させるようにしてある。言い換えると、後続するフォーカスレンズ13はピント位置を超えて移動しないようにしてあり、ピント位置が検出され、本撮影が開始されるまでの間は、各フォーカスレンズ13がピント位置の近傍に配置され、ほぼピントがあった状態を維持するように前記フォーカス位置制御部63は構成してある。この際の各フォーカスレンズ13の位置についてより具体的に説明すると、各フォーカスレンズ13の位置が、前記ピント位置の前後を挟むようにしてあるとともに、各フォーカスレンズ13に対応する2つのコントラスト評価値がそれぞれ等しい値となる位置に配置してある。従って、各フォーカスレンズ13は、前記ピント位置を挟んで所定距離離間した状態で保たれることになる。このように前記フォーカス位置制御部63を構成することによって、図8に示すようにもし被写体が移動する等してピント位置がずれた場合でも、各フォーカス位置でのコントラスト評価値が変化によって、被写体の移動を検出することができ、新たなピント位置も推定することができる。具体的には、図8に示すようにピント位置がNEAR側にずれると、NEAR側にフォーカスレンズ13がある撮像光学系1のコントラスト評価値が大きくなる一方、INF側にフォーカスレンズ13が撮像光学系1のコントラスト評価値が小さくなる。逆にINF側にピント位置がずれると先ほどは逆の値が出力されることになる。
【0042】
従って、ピント位置はコントラスト評価値が大きくなった方向にあると推定されるので、に前記フォーカス位置制御部63は、例えば被写体がずれて、維持されていたコントラスト評価値と異なる値となった場合には、INF側又はNEAR側でコントラスト評価値が大きくなった方向へ各フォーカスレンズ13の離間距離を保ったまま移動させ、再びコントラスト評価値が等しくなった時点で静止させるようにしてある。このようにして本撮影の待機中に被写体の動きがあったとしても、常に各フォーカスレンズ13をピント位置近傍で略合焦した状態を保たせることができる。また、図9に示すようにコントラスト評価値が低い被写体の近傍にコントラスト評価値の高いものが表れた場合等でもピント位置から2箇所に話してもフォーカスレンズ13を配置してあるので、コントラスト評価値の低い被写体の変化も捉えやすい。
【0043】
加えて、ユーザによりシャッタボタン51が全押しにされると図10に示すように前記フォーカス位置制御部63は、各フォーカスレンズ13を前記ピント位置へと移動させ、そのあと本撮影が行われるようにしてある。この際のフォーカスレンズ13の移動量は検出されているピント位置と本撮影待機中における各フォーカスレンズ13の離間距離から差分として算出するようにしておけば、前述した図8のように被写体が動いた際にも再度スキャン移動によりコントラストAFを行うことなく、ピントを合わせることができる。
【0044】
前記ピント位置検出部62は、各撮像光学系1が図5に示すように所定量だけ各フォーカスレンズ13がずれた状態で、それぞれの撮像光学系1に対応して前記評価値算出部から出力されるコントラスト評価値に基づいてピント位置がある方向を判別するものである。より具体的には、前記ピント位置検出部62は、各フォーカスレンズ13の位置におけるコントラスト評価値を比較して、第1撮像光学系1又は第2撮像光学系1のいずれのコントラスト評価値が大きいかを判別して、各フォーカスレンズ13をINF側、NEAR側のいずれに駆動するべきか判別するものである。言い換えると図5等からも分かるように、ピント位置方向判別部64は、2つのコントラスト評価値のうち大きい方の値が出力されるフォーカス位置側に各フォーカスレンズ13を駆動するようにしてある。
【0045】
<本実施形態の撮像装置の動作>
このように構成された撮像装置について、合焦、本撮影等の一連の動作について図11のフローチャート及びその他の各図を参照しながら説明する。
【0046】
まず、撮像装置の電源が入れられると、前記フォーカス位置制御は、図5に示すような各撮像光学系1のフォーカスレンズ13の位置を予め定めてある所定量だけずらした状態にする(ステップS1)。この各フォーカスレンズ13をずらした状態を維持したまま、ユーザがシャッタボタン51を半押しにして、合焦動作が開始されるまで待機する(ステップS2)。ユーザによりシャッタボタン51が半押しにされたことが検出されると(ステップS3)、前記ピント位置方向判別部64が、各撮像光学系1に対応して前記コントラスト評価値出力から出力される第1及び第2コントラスト評価値の比較を開始する(ステップS4)。この際、前記ピント位置方向判別部64は、例えばNEAR端に近い方にフォーカスレンズ13が配置された撮像光学系1に対応するコントラスト評価値が、INF側に近い方にフォーカスレンズ13が配置された撮像光学系1に対応するコントラスト評価値よりも大きい値であるかどうかを演算する(ステップS5)。その結果、前記ピント位置方向判別部64が、NEAR側に近い方にフォーカスレンズ13がある方が、コントラスト評価値は大きいと判断した場合には、前記フォーカス位置制御部63は、図6に示すように各撮像光学系1のフォーカスレンズ13をずれ量を保ったまま、各フォーカスレンズ13をNEAR側へと駆動し、コントラストAFを開始する(ステップS6)。一方、逆の場合には、INF側へ各フォーカスレンズ13を駆動し、コントラストAFを開始する(ステップS7)。
【0047】
次に、前記ピント位置検出部62は、駆動方向に対して先行しているフォーカスレンズ13を有する撮像光学系1に対応するコントラスト評価値に基づいて、ピント位置を探索する(ステップS8)。図5に示すように先行しているフォーカスレンズ13がピント位置を超えることにより、ピント位置が検出され(ステップS9)、その後、前記フォーカス位置制御部63は、図6に示すようにピント位置の前後を各フォーカスレンズ13で挟むとともに、各撮像光学系1に対応して出力されるコントラスト評価値の値が等しくなる位置に各フォーカスレンズ13を配置させる(ステップS10)。前記フォーカス位置制御は、このピント位置の近傍で各フォーカスレンズ13がピント位置から所定距離離間した状態を保ちながらユーザによりシャッタボタン51が全押しされ本撮影が開始されるまで待機する。ユーザによりシャッタボタン51が全押しされ(ステップS11)、本撮影が開始されると、前記フォーカス位置制御部63は、図10に示すように各フォーカスレンズ13をピント位置へと移動させ(ステップS12)、その後シャッタが切られて撮像が完了する(ステップS13)。その後、電源が切られていない場合には、図10に示すように各フォーカスレンズ13にずれが無い状態から、ステップS1に戻って図5に示すような各フォーカスレンズ13に光軸方向にずれ量があるように前記フォーカス位置制御部63による位置制御が行われる。
【0048】
<本実施形態の撮像装置の効果>
このように本発明の撮像装置によれば、シャッタボタンが半押しにされる前であり合焦動作が開始されるまでの待機状態において、各フォーカスレンズの位置を微小量だけずらしてあるので、各フォーカスレンズを駆動しなくても、各フォーカス位置でのコントラスト評価値を得ることができる。さらに前記ピント位置方向判別部64が、2つのコントラスト評価値の大小から大きいほうに対応するフォーカスレンズの配置側にピント位置があるすぐに判断できるので、コントラストAFを開始する際に駆動方向を誤ることがない。従って、オートフォーカス全体にかかる時間を大幅に短縮することができる。また、本実施形態のコントラストAF方法は、合焦動作開始時にフォーカスレンズの初期位置に関してなんら制限を受けないので、任意の位置でコントラストAFを開始できる。このことも、フォーカスレンズを無駄に駆動することを防ぎ、ピント位置検出までにかかる時間を短縮することに貢献している。
【0049】
さらに、ピント位置を検出してから、本撮影が開始されるまでの間においては、ピント位置そのものに各フォーカスレンズを配置するのではなく、ピント位置を挟んで待機させてあるので、被写体の動きを検出することができる。その結果を用いてさらに被写体の動きに合わせてフォーカスレンズを動かす等して、新たにコントラストAFを行うことなく、ピント位置をほぼ合わせ続けることもできる。
【0050】
加えて、フォーカスレンズを駆動するのは、ピント位置検出の際のスキャン移動がほとんどであり、オブリング等のように常に動かし続ける必要がないので、AF動作の高速化に伴って消費電力が増加するのを防ぐことができる。
【0051】
その他の実施形態について説明する。
【0052】
前記フォーカス位置制御部が、合焦動作待機中において各フォーカスレンズをずれさせるずれ量は、例えば各フォーカスレンズの可動範囲に対して大きくとも1/4以下等としてもよい。スルー画像等を見やすいものにするとともに、AF動作の精度を高めるには、各フォーカスレンズのずれ量はコントラスト評価値の検出分解能に応じた必要最小限度のずれ量に設定しておけばよい。
【0053】
前記ピント位置方向判別部がピント位置の方向を判別する際のコントラスト評価値は、通常であれば対数を取るのを敢えて撮らないようにする等して、差が検出しやすいようにする等しても構わない。
【0054】
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、変形を行ったり、実施形態の組み合わせを行ったりしても構わない。
【符号の説明】
【0055】
100・・・撮像装置
1 ・・・撮像光学系
2 ・・・撮像素子
61 ・・・コントラスト評価値出力部
62 ・・・ピント位置検出部
63 ・・・フォーカス位置制御部
64 ・・・ピント位置方向判別部
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーカス位置を変更可能に構成された2つの撮像光学系と、各撮像光学系により形成される被写体像を画像に変換する2つの撮像素子と、を備えた撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
CCDやCMOS等の撮像素子を備えた、いわゆるデジタルカメラでのオートフォーカス(以下AFとも言う)の方法としては、撮像光学系のフォーカス位置をスキャン移動させるとともに、各フォーカス位置でのコントラスト評価値を取得し、その値が極値となるフォーカス位置をピント位置として検出するコントラストAFと呼ばれる方法がある。図12はコントラストAFによるピント位置検出中の撮像光学系の動作を示すものであり、グラフにおいて点線の曲線で示しているのはまだ値が取得されていないコントラスト評価値であり、実線部分はコントラスト評価値を取得した部分を示す。図12(i)に示すように最初にあるフォーカス位置で静止している状態では、現在のフォーカス位置に対してピント位置がINF側、NEAR側のいずれにあるのかが不明である。そのため、まずフォーカス位置をINFあるいはNEARのいずれかの方向にある程度スキャン移動させて、コントラスト評価値の増減傾向を取得し、その増加する方向にピント位置があると推定して駆動を開始するようにしている。ここで、最初はどちらにピント位置があるのかが不明であるため、図12(ii)に示すよう極値とは反対側へフォーカス位置を変更してしまうこともあり、その場合図12(iii)に示すように一度もとの位置へ戻す分だけ無駄な距離を駆動しなければならない。その後、図12(iv)に示すように一度、コントラスト評価値が増加傾向から減少傾向に転じるまでフォーカス位置を変更しつづけ、最後に図12(v)に示すようにピント位置にフォーカス位置を戻すことでコントラストAFが完了する。
【0003】
このようにコントラストAFでは、現在のフォーカス位置に対してピント位置がどちら側にあるかが初期状態では分からないため、特に図12(ii)に示すように、ピント位置とは逆方向に動いてしまった場合に合焦するまでにかかる時間が長くなってしまったり、その動作の見栄えが悪くなってしまったりするといった問題がある。
【0004】
このような問題の解決方法のひとつとしては、図13に示すように常にフォーカスレンズを前後に細かく動かすことにより、コントラスト評価値の増減傾向を取得してピント位置のある方向を検出するオブリングと呼ばれる方法がある。ただ、このような方法では、ピント位置のある方向へフォーカス位置を変更する際にその駆動方向を誤ることはなくなるものの、フォーカスレンズを常に駆動しているため消費電力が大きくなり、バッテリーのもちが悪くなってしまうといった新たな問題が生じてしまう。
【0005】
ところで、立体画像を撮像するために2つの撮像光学系を有するいわゆる立体カメラ等においては、特にピント位置がある方向等については推定を行わずに、フォーカスレンズが2つあることを利用してコントラストAFのためのスキャン範囲を分担することで、AFにかかる時間を最短で略半分にすることが行われている。
【0006】
特許文献1に記載されている二眼カメラは第1撮像光学系と、第2撮像光学系を有し、それぞれのフォーカスレンズ13を独立して位置制御できるように構成されている。そして、ユーザがシャッタボタンを半押しにしてAF動作が開始されると、図14に示すようにまず、第1撮像光学系のフォーカスレンズ13をINF端へ、第2撮像光学系のフォーカスレンズ13をNEAR端へと移動させ、それぞれのフォーカスレンズ13を中央側へとスキャン移動させてコントラスト評価値がピークとなるフォーカス位置を探索する。
【0007】
また、特許文献1に記載されている別の実施態様では、図15に示すように、ユーザがシャッタボタンを半押しにしてAF動作が開始されると、第1撮像光学系のフォーカスレンズ13を駆動可能範囲の略中央に配置し、第2撮像光学系のフォーカスレンズ13は、NEAR端に配置し、その後、それぞれのフォーカスレンズ13の離間距離を保ったまま、INF側へとスキャン移動させて、いずれかの撮像光学系でピント位置を検出する。
【0008】
これらの例のように二眼カメラにおいては、スキャン移動をさせる範囲をそれぞれで分担することで、AFにかかる時間を最短で略半分にすることができる。
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載のコントラストAF方法では、合焦動作が開始された時点で、スキャン範囲を分担するとともに、駆動方向について考慮しなくてもよいようにするために、まずフォーカスレンズを現在の位置からINF端、NEAR端、中央といった予め定められた位置まで必ず駆動しており、その分の駆動時間がかかってしまう。言い換えると、現在のフォーカス位置から合焦動作を開始できないので、初期配置にするまでにかかる時間や消費電力が大きくなってしまう。また、合焦動作前のフォーカス位置やピント位置によっては、初期配置にするまでにピント位置を通り過ぎてから再びフォーカス位置をピント位置に戻すといった動作をしていることになり、図12(ii)に示したような無駄な動きが実際には生じていることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−162990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は上述したような問題を鑑みてなされたものであり、合焦動作を行う際に2つの撮像光学系のフォーカス位置を予め定めたINF端等の固定された初期配置に設定することなく、現在のフォーカス位置からすぐにAF動作を開始できるとともに、フォーカス位置を駆動するべき方向を誤ることなく、AFにかかる時間を短縮でき、消費電力の増大を招くことのない撮像装置及び撮像方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち、本発明の撮像装置は、フォーカス位置を変更可能に構成された2つの撮像光学系と、各撮像光学系により形成される被写体像を画像に変換する2つの撮像素子と、各画像中の被写体のコントラスト評価値をそれぞれ出力するコントラスト評価値出力部と、複数のフォーカス位置でのコントラスト評価値に基づいて、前記被写体に合焦するフォーカス位置であるピント位置を検出するピント位置検出部と、を備えた撮像装置であって、フォーカス位置を制御するものであり、前記ピント位置検出部がピント位置を検出する前において一方の撮像光学系のフォーカス位置と、他方の撮像光学系のフォーカス位置を所定量だけずらすように構成されたフォーカス位置制御部と、各撮像光学系のフォーカス位置がずれている状態において、各撮像光学系に対応させて出力される2つのコントラスト評価値に基づいて、前記被写体に合焦するピント位置が各撮像光学系の現在のフォーカス位置に対してどちらの方向にあるかを判別するピント位置方向判別部と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の撮像方法は、フォーカス位置を変更可能に構成された2つの撮像光学系と、各撮像光学系により形成される被写体像を画像に変換する2つの撮像素子と、各画像中の被写体のコントラスト評価値をそれぞれ出力するコントラスト評価値出力部と、複数のフォーカス位置でのコントラスト評価値に基づいて、前記被写体に合焦するフォーカス位置であるピント位置を検出するピント位置検出部と、を備えた撮像装置に用いられる撮像方法であって、フォーカス位置を制御するステップであり、前記ピント位置検出部がピント位置を検出する前において一方の撮像光学系のフォーカス位置と、他方の撮像光学系のフォーカス位置を所定量だけずらすように構成されたフォーカス位置制御ステップと、各撮像光学系のフォーカス位置がずれている状態において、各撮像光学系に対応させて出力される2つのコントラスト評価値に基づいて、前記被写体に合焦するピント位置が各撮像光学系の現在のフォーカス位置に対してどちらの方向にあるかを判別するピント位置方向判別ステップと、を備えたことを特徴とする。
【0014】
このようなものであれば、ピント位置が検出される前の状態において、各撮像光学系のフォーカス位置を所定量だけずらされているので、それぞれの撮像光学系に対応させて出力される2つのコントラスト評価値には違いが生じる。この2つのコントラスト評価値の違いに基づいて前記ピント位置方向検出部がピント位置は現在のフォーカス位置に対してどちらの方向にあるのかを判断するので、フォーカス位置の駆動方向を誤ることがない。従って、誤った方向に駆動してしまうことによる時間の無駄や見栄えの悪さと言った問題が生じるのを防ぐことができ、逆に駆動方向を誤らないようにするために特別な初期配置にする等といった無駄な駆動時間もなくすことができる。従って、AFにかかる時間を大幅に短縮することができるとともに、駆動方向を検出するためにフォーカス位置を常に動かし続けるといった動作も必要ないので消費電量の増大を招くことがない。
【0015】
前記ピント位置が現在のフォーカス位置に対してどの方向にあるかを判別するための具体的な態様としては、前記ピント位置方向判別部が、各撮像光学系のフォーカス位置と、各フォーカス位置に対応させて出力される2つのコントラスト評価値から、フォーカス位置の変化によるコントラスト評価値の増減傾向を判別し、前記コントラスト評価値が増加する方向にピント位置があると判別するように構成されたものであればよい。
【0016】
合焦動作が開始された際にすぐにピント位置が検出でき、よりAFにかかる時間を短縮できるようにするには、前記フォーカス位置制御部が、ピント位置検出に関連する動作が開始されるまでの間は、各撮像光学系のフォーカス位置を所定量だけずらした状態を維持し続けるように構成されたものであればよい。
【0017】
一方の撮像光学系のみで撮像を行う場合において、フォーカス位置がピント位置を通過後に再度戻ると動作を無くすことにより、AFにかかる時間をより短縮できるようにするには、前記フォーカス位置制御部が、他方の撮像光学系のフォーカス位置を一方の撮像光学系のフォーカス位置より所定量だけ先行させて、各撮像光学系のフォーカス位置をピント位置側へと走査するように構成されたものであればよい。
【0018】
ピント位置に合焦され、シャッタが切られて本撮影がされるまでの間に被写体がピント位置から外れてしまったのを容易に検出できるようにするには、前記フォーカス位置制御部が、前記ピント位置検出部によってピント位置が検出されており、かつ、本撮影が開始されるまでの待機期間においては、各撮像光学系のフォーカス位置を前記ピント位置に対して所定量だけずらした状態を保つように構成されたものであればよい。
【0019】
例えばコントラス評価値のピークが小さい被写体に対して、ピークの大きい被写体が入ってきた場合でもピークの小さい被写体の変化を検出しやすくするには、前記待機期間において、前記フォーカス位置制御部が各撮像光学系のフォーカス位置を、前記ピント位置の前後にあり、かつ、各フォーカス位置に対応する各画像の被写体のコントラスト評価値がそれぞれ等しくなるように制御すればよい。
【発明の効果】
【0020】
このように本発明の撮像装置及び撮像方法によれば、フォーカス位置の異なる2つの撮像光学系に対応した2つのコントラスト評価値に基づいて前記ピント位置方向判別部がピント位置の方向を推定するので、合焦合焦動作を行う際に2つの撮像光学系のフォーカス位置を予め定めた初期配置に設定することなく、現在のフォーカス位置からすぐにAF動作を開始できる。従って、フォーカス位置を駆動するべき方向を誤ることなく、AFにかかる時間を短縮でき、消費電力の増大を招くことがない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る撮像装置を示す模式的前方斜視図。
【図2】同実施形態における撮像装置を示す模式的後方斜視図。
【図3】同実施形態における撮像装置全体の電気的構成を示す機能ブロック図。
【図4】同実施形態における合焦動作に関連する構成を示す機能ブロック図。
【図5】同実施形態における合焦動作待機状態における各フォーカスレンズの位置を示す模式図。
【図6】同実施形態におけるピント位置方向取得後の各フォーカスレンズの動作及びコントラスト評価値の取得状況を示す模式図。
【図7】同実施形態におけるピント位置取得後の各フォーカスレンズの動作及びコントラスト評価値の取得状況を示す模式図。
【図8】図7の状態において合焦被写体が動いた際の各コントラスト評価値の変化を示す模式図。
【図9】図7の状態においてコントラスト評価値が異なる2つの被写体がある場合の例を示す模式図。
【図10】同実施形態における本撮影開始後の各フォーカスレンズの動作を示す模式図。
【図11】同実施形態における撮影中の動作を示すフローチャート。
【図12】従来のコントラストAF中の撮像光学系の動作及びその問題点を示す模式図。
【図13】別の従来のコントラストAF中の撮像光学系の動作を示す模式図。
【図14】2眼カメラにおける従来のコントラストAFを高速化する方法を示す模式図。
【図15】2眼カメラにおける別の従来のコントラストAFを高速化する方法を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0023】
<装置全体の構成に関する説明>
本実施形態の撮像装置100は、立体画像を撮像するためのものであって、図1の前方斜視図に示すように、前面には電源オン時において撮像光学系1を保持する鏡筒が2つ並んで突出するように設けている他、ストロボ装置38等が設けてある。なお、これらの鏡筒は電源オフ時には内部に収容されるようにしてある。また、図2の後方斜視図に示すように背面には撮像された画像を立体視するためのモニタ35と、各種操作に用いられる操作キー53等が設けてある。前記モニタ35は例えば、レンチキュラーレンズを用いた3Dモニタである。そして上面には、シャッターレリーズ操作を行うために用いられるシャッタボタン51と、撮影モードを切り替えるためのモードダイヤル52が設けてある。
【0024】
すなわち、本撮像装置100は、各光軸14を所定距離だけ離間させて並列に設けた2つの撮像光学系1と、各記撮像光学系1により形成される被写体像をそれぞれ画像信号に変換する2つの撮像素子2と、を備え、2つの撮像光学系1により同時に撮像することで、視差のある2つの画像を生成できるようにしてある。これらの視差のある2つの画像に基づいて前記モニタ35において立体表示される立体画像が生成されるようにしてある。
【0025】
図3は、本実施形態の撮像装置100の電気的な構成を機能ブロックとして示すものである。図3に示すように、2つの撮像光学系1、2つの撮像素子2、画像信号処理回路31、VRAM32、評価値算出回路33、表示画像処理回路34、モニタ35、圧縮処理回路36、記録メディア37、CPU41、メモリ42、43、等が協業して、いわゆるデジタルカメラとしての機能を発揮するように構成してある。以下に各部について説明する。
【0026】
2つの撮像光学系1において共通する構成について説明する。なお、2つの撮像光学系1及び撮像素子2について区別が必要な場合には立体画像を構成する左側画像を生成するための撮像光学系1には第1、立体画像を構成する右側画像を生成するための撮像光学系1には第2を付けて区別するものとする。各撮像光学系1はそれぞれの光軸14が平行となるように、人間の両目の視差と略同じ程度の距離だけ離間させて並列に設けてある。そして前記撮像光学系1は、光軸14に沿って外側から順に、ズームレンズ11、絞り12、フォーカスレンズ13の順で並べて構成してあり、前記フォーカスレンズ13の後ろ側に前記撮像素子2が設けてある。前記撮像素子2としては、例えばCCD型やCMOS型のイメージセンサが用いられる。
【0027】
前記絞り12にはアイリスモータが接続されており、AE(Auto Exposure)動作時に絞り12値を変化させて光束を制限して露出量を制御するために用いられる。また前記フォーカスレンズ13にはレンズモータが接続されており、AF(Auto Focus)動作時に当該フォーカスレンズ13を撮像光学系1の光軸14に沿って移動させることにより、撮像光学系1のフォーカス位置を制御してピント調整を行うように構成してある。
【0028】
前記撮像素子2は、前記撮像光学系1により結像された被写体像を画像信号に変化するものである。当該撮像素子2には、タイミングジェネレータ21(TG)が接続してあり、TG21により前記撮像素子2の光電荷蓄積、転送動作が制御される。なお、前記絞り12、前記フォーカスレンズ13はドライバ15、16を介して、前記撮像素子2はタイミングジェネレータ21(TG)を介して、CPU41により制御される。
【0029】
前記撮像素子2から出力された画像信号は、相関二重サンプリング回路(CDS)及び増幅器(AMP)22、A/Dコンバータ(ADC)23、の順で入力され、アナログデータからデジタルデータへと変換される。デジタルデータに変換された画像信号は、画像コントローラ24が入出力をコントロールする。前記画像信号は、画像信号処理回路31に入力され、ホワイトバランス補正、γ補正処理等が施され、第1撮像光学系1により撮像された第1画像と、第2撮像光学系1により撮像された第2画像として、VRAM32の所定領域A、Bにそれぞれ別々に一次的に記憶される。このVRAM32に記憶されている各画像は所定周期ごとに更新される。具体的には前記タイミングジェネレータ21により撮像素子2が1/30秒(1フレーム)ごとに露光及び画像信号の出力が繰り返されるのに合わせて更新される。
【0030】
前記評価値算出回路33は、VRAM32に記憶された第1及び第2画像の各々からAF評価値及びAE評価値等を算出するものである。AF評価値とは、本実施形態では被写体が各撮像素子2に結像した際の光軸からのずれ量の評価値であるずれ評価値、又は2つの画像の位相差評価値を含む被写体距離評価値や、コントラスト評価値等に相当するものである。被写体距離評価値は、後述する被写体距離の算出において用いられるものである。またコントラスト評価値は、前記各画像の所定領域について、輝度値の高周波成分を積算することにより算出されたものである。すなわち、隣接する画素間のコントラスト(輝度差)を所定領域内について足し合わせたものである。また、AE評価値とは、各画像データの所定領域について輝度値を積算することで算出され、画像の明るさを表すものである。コントラスト評価値、AE評価値はそれぞれ後述するAF動作及びAE動作において用いられる。
【0031】
前記表示画像処理回路34は、VRAM32に記憶されている第1及び第2画像に基づいてLCDモニタ35において立体表示するための立体画像を合成するものである。前記モードダイヤル52により撮影モードが選択されており、LCDモニタ35がビューファインダとして使用される際には、前記表示画像処理回路34によって合成された立体画像が、LCDドライバ351を介してLCDモニタ35にスルー画像として表示される。また、モードによっては立体合成画像を用いずに、前記VRAM32に記憶されている画像をそのままLCDモニタ35に表示するようにしても構わない。
【0032】
前記圧縮処理回路36は、VRAM32に記憶された第1及び第2画像に対して、JPEG方式等の圧縮形式により圧縮処理を施すものである。メディアコントーラ371は、圧縮処理回路36によって圧縮処理された各画像をメモリカード等の記録メディア37に保存する。また、モードダイヤル52によりビューモードが選択されている場合には、この記録メディア37に保存されている第1及び第2画像に基づいて、前記表示画像処理回路34により生成された立体画像が前記モニタ35により表示される。
【0033】
前記モニタ35はLCDモニタであり、その詳細な構造は図示しないが、微小なかまぼこ状レンズを並べて形成したレンチキュラーをフィルタ上に形成して、そのフィルタをモニタの表面に設けてある。そして、モニタ35に映し出す画像を左右それぞれの目に異なる画像を届けることで裸眼立体視を可能にする。なお、前記モニタ35はその表面にパララックスバリア表示層を備えたパララックスバリア式のものであってもよい。より具体的には、モニタ35は、立体表示を行う際に、パララックスバリア表示層に光透過部と光遮蔽部とが交互に所定のピッチで並んだパターンからなるパララックスバリアを発生させるとともに、その仮想の画像表示面に左右の像を示す短冊状の画像断片を交互に配列して表示することで立体視を可能としてもよい。
【0034】
前記CPU41は、撮像装置100の全体の動作を統括的に制御するものである。CPU41には、前述のシャッタボタン51、モードダイヤル52、各種操作キー53の他、不揮発性メモリ43が接続されている。
【0035】
前記シャッタボタン51は、2段押のスイッチ構造となっている。シャッタボタン51がユーザにより軽く押圧(半押し)されると、撮像準備動作が開始される。シャッタボタン51が強く押圧(全押し)されると、撮影処理が行われ、1画面分の第1及び第2画像がVRAM32から記録メディア37に転送されて記憶される。また、この記録メディア37に記憶されている撮影された画像は、モードダイヤル52で再生モードが選択されている場合には、前記表示画像処理回路により立体画像が合成されたのちに前記モニタ35に表示される。
【0036】
<合焦動作に関連する構成の説明>
前記前記不揮発性メモリ43には、各種制御用のプログラムや設定情報等が記憶されている。しかして、前記CPU41、SDRAM42、不揮発性メモリ43、各種回路等、記録メディア37等が協業してプログラムや設定情報に基づき、少なくとも、コントラスト評価値出力部61、ピント位置検出部62、フォーカス位置制御部63、ピント位置方向判別部64としての機能を発揮するように構成してあり、その機能ブロック図は図4のようになる。
【0037】
前記コントラスト評価値出力部61は、前記評価値算出回路33を利用して、各撮像光学系1に対応した別々のコントラスト評価値をそれぞれ出力するように構成したものである。すなわち、前記コントラスト評価値出力部61は、各画像中における例えば所定領域に内にある被写体についてコントラスト評価値を演算して、その値を後述する前記ピント位置検出部62及びピント位置方向判別部64へと入力するようにしてある。
【0038】
前記ピント位置検出部62は、複数のフォーカス位置でのコントラスト評価値に基づいて、前記被写体に合焦するフォーカス位置であるピント位置を検出するものである。より具体的には、フォーカス位置をスキャン移動させていくことにより、コントラスト評価値がピーク(極値)となる点を探索し、そのフォーカス位置をピント位置と出力するものである。前記ピント位置は、例えば、前記フォーカスレンズ13をINF側、NEAR側のいずれかに一方向に移動させ続けている際に、前記コントラスト評価値出力部61から出力されるコントラスト評価値の値が増加傾向から減少傾向に転じたことを持ってピント位置を検出するようにしてある。
【0039】
前記フォーカス位置制御部63は、前記ピント位置検出部62によりピント位置が検出される際の前記フォーカスレンズ13のスキャン移動やその他の動作におけるフォーカスレンズ13の位置を制御するものである。本実施形態では、ユーザによりシャッタボタン51が半押しにされておらず、AF動作の開始を待機している状態では、図5に示すように前記第1及び第2撮像光学系1の各フォーカスレンズ13の位置を所定量だけ光軸に沿ってずらした状態を維持するようにしてある。ここで、AF動作待機における各フォーカスレンズ13のずれ量は、例えば、各撮像光学系1により形成され、前記モニタ35に表示されるスルー画像が違和感なく表示されるような微小な離間距離にしてある。
【0040】
さらに、前記フォーカス位置制御は、後述するピント位置方向判別部64によりピント位置のある方向が判別されると、図6に示すように各フォーカスレンズ13のずれ量を維持したまま、ピント位置のある方向へとスキャン移動させるように構成してある。
【0041】
そして、前記ピント位置検出部62が先行するフォーカスレンズ13に対応して出力されるコントラスト評価値からピント位置を検出すると、図7に示すように、前記フォーカス位置制御部63は、ユーザによりシャッタボタン51が全押しされ、本撮影が開始されるまでの間は、前記ピント位置の前後で各フォーカスレンズ13を待機させるようにしてある。言い換えると、後続するフォーカスレンズ13はピント位置を超えて移動しないようにしてあり、ピント位置が検出され、本撮影が開始されるまでの間は、各フォーカスレンズ13がピント位置の近傍に配置され、ほぼピントがあった状態を維持するように前記フォーカス位置制御部63は構成してある。この際の各フォーカスレンズ13の位置についてより具体的に説明すると、各フォーカスレンズ13の位置が、前記ピント位置の前後を挟むようにしてあるとともに、各フォーカスレンズ13に対応する2つのコントラスト評価値がそれぞれ等しい値となる位置に配置してある。従って、各フォーカスレンズ13は、前記ピント位置を挟んで所定距離離間した状態で保たれることになる。このように前記フォーカス位置制御部63を構成することによって、図8に示すようにもし被写体が移動する等してピント位置がずれた場合でも、各フォーカス位置でのコントラスト評価値が変化によって、被写体の移動を検出することができ、新たなピント位置も推定することができる。具体的には、図8に示すようにピント位置がNEAR側にずれると、NEAR側にフォーカスレンズ13がある撮像光学系1のコントラスト評価値が大きくなる一方、INF側にフォーカスレンズ13が撮像光学系1のコントラスト評価値が小さくなる。逆にINF側にピント位置がずれると先ほどは逆の値が出力されることになる。
【0042】
従って、ピント位置はコントラスト評価値が大きくなった方向にあると推定されるので、に前記フォーカス位置制御部63は、例えば被写体がずれて、維持されていたコントラスト評価値と異なる値となった場合には、INF側又はNEAR側でコントラスト評価値が大きくなった方向へ各フォーカスレンズ13の離間距離を保ったまま移動させ、再びコントラスト評価値が等しくなった時点で静止させるようにしてある。このようにして本撮影の待機中に被写体の動きがあったとしても、常に各フォーカスレンズ13をピント位置近傍で略合焦した状態を保たせることができる。また、図9に示すようにコントラスト評価値が低い被写体の近傍にコントラスト評価値の高いものが表れた場合等でもピント位置から2箇所に話してもフォーカスレンズ13を配置してあるので、コントラスト評価値の低い被写体の変化も捉えやすい。
【0043】
加えて、ユーザによりシャッタボタン51が全押しにされると図10に示すように前記フォーカス位置制御部63は、各フォーカスレンズ13を前記ピント位置へと移動させ、そのあと本撮影が行われるようにしてある。この際のフォーカスレンズ13の移動量は検出されているピント位置と本撮影待機中における各フォーカスレンズ13の離間距離から差分として算出するようにしておけば、前述した図8のように被写体が動いた際にも再度スキャン移動によりコントラストAFを行うことなく、ピントを合わせることができる。
【0044】
前記ピント位置検出部62は、各撮像光学系1が図5に示すように所定量だけ各フォーカスレンズ13がずれた状態で、それぞれの撮像光学系1に対応して前記評価値算出部から出力されるコントラスト評価値に基づいてピント位置がある方向を判別するものである。より具体的には、前記ピント位置検出部62は、各フォーカスレンズ13の位置におけるコントラスト評価値を比較して、第1撮像光学系1又は第2撮像光学系1のいずれのコントラスト評価値が大きいかを判別して、各フォーカスレンズ13をINF側、NEAR側のいずれに駆動するべきか判別するものである。言い換えると図5等からも分かるように、ピント位置方向判別部64は、2つのコントラスト評価値のうち大きい方の値が出力されるフォーカス位置側に各フォーカスレンズ13を駆動するようにしてある。
【0045】
<本実施形態の撮像装置の動作>
このように構成された撮像装置について、合焦、本撮影等の一連の動作について図11のフローチャート及びその他の各図を参照しながら説明する。
【0046】
まず、撮像装置の電源が入れられると、前記フォーカス位置制御は、図5に示すような各撮像光学系1のフォーカスレンズ13の位置を予め定めてある所定量だけずらした状態にする(ステップS1)。この各フォーカスレンズ13をずらした状態を維持したまま、ユーザがシャッタボタン51を半押しにして、合焦動作が開始されるまで待機する(ステップS2)。ユーザによりシャッタボタン51が半押しにされたことが検出されると(ステップS3)、前記ピント位置方向判別部64が、各撮像光学系1に対応して前記コントラスト評価値出力から出力される第1及び第2コントラスト評価値の比較を開始する(ステップS4)。この際、前記ピント位置方向判別部64は、例えばNEAR端に近い方にフォーカスレンズ13が配置された撮像光学系1に対応するコントラスト評価値が、INF側に近い方にフォーカスレンズ13が配置された撮像光学系1に対応するコントラスト評価値よりも大きい値であるかどうかを演算する(ステップS5)。その結果、前記ピント位置方向判別部64が、NEAR側に近い方にフォーカスレンズ13がある方が、コントラスト評価値は大きいと判断した場合には、前記フォーカス位置制御部63は、図6に示すように各撮像光学系1のフォーカスレンズ13をずれ量を保ったまま、各フォーカスレンズ13をNEAR側へと駆動し、コントラストAFを開始する(ステップS6)。一方、逆の場合には、INF側へ各フォーカスレンズ13を駆動し、コントラストAFを開始する(ステップS7)。
【0047】
次に、前記ピント位置検出部62は、駆動方向に対して先行しているフォーカスレンズ13を有する撮像光学系1に対応するコントラスト評価値に基づいて、ピント位置を探索する(ステップS8)。図5に示すように先行しているフォーカスレンズ13がピント位置を超えることにより、ピント位置が検出され(ステップS9)、その後、前記フォーカス位置制御部63は、図6に示すようにピント位置の前後を各フォーカスレンズ13で挟むとともに、各撮像光学系1に対応して出力されるコントラスト評価値の値が等しくなる位置に各フォーカスレンズ13を配置させる(ステップS10)。前記フォーカス位置制御は、このピント位置の近傍で各フォーカスレンズ13がピント位置から所定距離離間した状態を保ちながらユーザによりシャッタボタン51が全押しされ本撮影が開始されるまで待機する。ユーザによりシャッタボタン51が全押しされ(ステップS11)、本撮影が開始されると、前記フォーカス位置制御部63は、図10に示すように各フォーカスレンズ13をピント位置へと移動させ(ステップS12)、その後シャッタが切られて撮像が完了する(ステップS13)。その後、電源が切られていない場合には、図10に示すように各フォーカスレンズ13にずれが無い状態から、ステップS1に戻って図5に示すような各フォーカスレンズ13に光軸方向にずれ量があるように前記フォーカス位置制御部63による位置制御が行われる。
【0048】
<本実施形態の撮像装置の効果>
このように本発明の撮像装置によれば、シャッタボタンが半押しにされる前であり合焦動作が開始されるまでの待機状態において、各フォーカスレンズの位置を微小量だけずらしてあるので、各フォーカスレンズを駆動しなくても、各フォーカス位置でのコントラスト評価値を得ることができる。さらに前記ピント位置方向判別部64が、2つのコントラスト評価値の大小から大きいほうに対応するフォーカスレンズの配置側にピント位置があるすぐに判断できるので、コントラストAFを開始する際に駆動方向を誤ることがない。従って、オートフォーカス全体にかかる時間を大幅に短縮することができる。また、本実施形態のコントラストAF方法は、合焦動作開始時にフォーカスレンズの初期位置に関してなんら制限を受けないので、任意の位置でコントラストAFを開始できる。このことも、フォーカスレンズを無駄に駆動することを防ぎ、ピント位置検出までにかかる時間を短縮することに貢献している。
【0049】
さらに、ピント位置を検出してから、本撮影が開始されるまでの間においては、ピント位置そのものに各フォーカスレンズを配置するのではなく、ピント位置を挟んで待機させてあるので、被写体の動きを検出することができる。その結果を用いてさらに被写体の動きに合わせてフォーカスレンズを動かす等して、新たにコントラストAFを行うことなく、ピント位置をほぼ合わせ続けることもできる。
【0050】
加えて、フォーカスレンズを駆動するのは、ピント位置検出の際のスキャン移動がほとんどであり、オブリング等のように常に動かし続ける必要がないので、AF動作の高速化に伴って消費電力が増加するのを防ぐことができる。
【0051】
その他の実施形態について説明する。
【0052】
前記フォーカス位置制御部が、合焦動作待機中において各フォーカスレンズをずれさせるずれ量は、例えば各フォーカスレンズの可動範囲に対して大きくとも1/4以下等としてもよい。スルー画像等を見やすいものにするとともに、AF動作の精度を高めるには、各フォーカスレンズのずれ量はコントラスト評価値の検出分解能に応じた必要最小限度のずれ量に設定しておけばよい。
【0053】
前記ピント位置方向判別部がピント位置の方向を判別する際のコントラスト評価値は、通常であれば対数を取るのを敢えて撮らないようにする等して、差が検出しやすいようにする等しても構わない。
【0054】
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、変形を行ったり、実施形態の組み合わせを行ったりしても構わない。
【符号の説明】
【0055】
100・・・撮像装置
1 ・・・撮像光学系
2 ・・・撮像素子
61 ・・・コントラスト評価値出力部
62 ・・・ピント位置検出部
63 ・・・フォーカス位置制御部
64 ・・・ピント位置方向判別部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーカス位置を変更可能に構成された2つの撮像光学系と、各撮像光学系により形成される被写体像を画像に変換する2つの撮像素子と、各画像中の被写体のコントラスト評価値をそれぞれ出力するコントラスト評価値出力部と、複数のフォーカス位置でのコントラスト評価値に基づいて、前記被写体に合焦するフォーカス位置であるピント位置を検出するピント位置検出部と、を備えた撮像装置であって、
フォーカス位置を制御するものであり、前記ピント位置検出部がピント位置を検出する前において一方の撮像光学系のフォーカス位置と、他方の撮像光学系のフォーカス位置を所定量だけずらすように構成されたフォーカス位置制御部と、
各撮像光学系のフォーカス位置がずれている状態において、各撮像光学系に対応させて出力される2つのコントラスト評価値に基づいて、前記被写体に合焦するピント位置が各撮像光学系の現在のフォーカス位置に対してどちらの方向にあるかを判別するピント位置方向判別部と、を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記ピント位置方向判別部が、各撮像光学系のフォーカス位置と、各フォーカス位置に対応させて出力される2つのコントラスト評価値から、フォーカス位置の変化によるコントラスト評価値の増減傾向を判別し、前記コントラスト評価値が増加する方向にピント位置があると判別するように構成された請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記フォーカス位置制御部が、ピント位置検出に関連する動作が開始されるまでの間は、各撮像光学系のフォーカス位置を所定量だけずらした状態を維持し続けるように構成された請求項1又は2記載の撮像装置。
【請求項4】
一方の撮像光学系のみで撮像を行う場合には、前記フォーカス位置制御部が、他方の撮像光学系のフォーカス位置を一方の撮像光学系のフォーカス位置より所定量だけ先行させて、各撮像光学系のフォーカス位置をピント位置側へと走査するように構成された請求項1、2又は3記載の撮像装置。
【請求項5】
前記フォーカス位置制御部が、前記ピント位置検出部によってピント位置が検出されており、かつ、本撮影が開始されるまでの待機期間においては、各撮像光学系のフォーカス位置を前記ピント位置に対して所定量だけずらした状態を保つように構成された請求項1、2、3又は4記載の撮像装置。
【請求項6】
前記待機期間において、前記フォーカス位置制御部が各撮像光学系のフォーカス位置を、前記ピント位置の前後にあり、かつ、各フォーカス位置に対応する各画像の被写体のコントラスト評価値がそれぞれ等しくなるように制御する請求項5記載の撮像装置。
【請求項7】
フォーカス位置を変更可能に構成された2つの撮像光学系と、各撮像光学系により形成される被写体像を画像に変換する2つの撮像素子と、各画像中の被写体のコントラスト評価値をそれぞれ出力するコントラスト評価値出力部と、複数のフォーカス位置でのコントラスト評価値に基づいて、前記被写体に合焦するフォーカス位置であるピント位置を検出するピント位置検出部と、を備えた撮像装置に用いられる撮像方法であって、
フォーカス位置を制御するステップであり、前記ピント位置検出部がピント位置を検出する前において一方の撮像光学系のフォーカス位置と、他方の撮像光学系のフォーカス位置を所定量だけずらすように構成されたフォーカス位置制御ステップと、
各撮像光学系のフォーカス位置がずれている状態において、各撮像光学系に対応させて出力される2つのコントラスト評価値に基づいて、前記被写体に合焦するピント位置が各撮像光学系の現在のフォーカス位置に対してどちらの方向にあるかを判別するピント位置方向判別ステップと、を備えたことを特徴とする撮像方法。
【請求項8】
前記ピント位置方向判別ステップにおいて、各撮像光学系のフォーカス位置と、各フォーカス位置に対応させて出力される2つのコントラスト評価値から、フォーカス位置の変化によるコントラスト評価値の増減傾向を判別し、前記コントラスト評価値が増加する方向にピント位置があると判別するように構成された請求項7記載の撮像方法。
【請求項9】
前記フォーカス位置制御ステップにおいて、ピント位置検出に関連する動作が開始されるまでの間は、各撮像光学系のフォーカス位置を所定量だけずらした状態を維持し続ける請求項7又は8記載の撮像方法。
【請求項10】
一方の撮像光学系のみで撮像を行う場合には、前記フォーカス位置制御ステップにおいて、他方の撮像光学系のフォーカス位置を一方の撮像光学系のフォーカス位置より所定量だけ先行させて、各撮像光学系のフォーカス位置をピント位置側へと走査する請求項7、8又は9記載の撮像方法。
【請求項11】
前記フォーカス位置制御ステップにおいて、前記ピント位置検出部によってピント位置が検出されており、かつ、本撮影が開始されるまでの待機期間においては、各撮像光学系のフォーカス位置を前記ピント位置に対して所定量だけずらした状態を保つ請求項7、8、9又は10記載の撮像方法。
【請求項12】
前記待機期間中では、前記フォーカス位置制御ステップにおいて各撮像光学系のフォーカス位置を、前記ピント位置の前後にあり、かつ、各フォーカス位置に対応する各画像の被写体のコントラスト評価値がそれぞれ等しくなるように制御する請求項11記載の撮像方法。
【請求項1】
フォーカス位置を変更可能に構成された2つの撮像光学系と、各撮像光学系により形成される被写体像を画像に変換する2つの撮像素子と、各画像中の被写体のコントラスト評価値をそれぞれ出力するコントラスト評価値出力部と、複数のフォーカス位置でのコントラスト評価値に基づいて、前記被写体に合焦するフォーカス位置であるピント位置を検出するピント位置検出部と、を備えた撮像装置であって、
フォーカス位置を制御するものであり、前記ピント位置検出部がピント位置を検出する前において一方の撮像光学系のフォーカス位置と、他方の撮像光学系のフォーカス位置を所定量だけずらすように構成されたフォーカス位置制御部と、
各撮像光学系のフォーカス位置がずれている状態において、各撮像光学系に対応させて出力される2つのコントラスト評価値に基づいて、前記被写体に合焦するピント位置が各撮像光学系の現在のフォーカス位置に対してどちらの方向にあるかを判別するピント位置方向判別部と、を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記ピント位置方向判別部が、各撮像光学系のフォーカス位置と、各フォーカス位置に対応させて出力される2つのコントラスト評価値から、フォーカス位置の変化によるコントラスト評価値の増減傾向を判別し、前記コントラスト評価値が増加する方向にピント位置があると判別するように構成された請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記フォーカス位置制御部が、ピント位置検出に関連する動作が開始されるまでの間は、各撮像光学系のフォーカス位置を所定量だけずらした状態を維持し続けるように構成された請求項1又は2記載の撮像装置。
【請求項4】
一方の撮像光学系のみで撮像を行う場合には、前記フォーカス位置制御部が、他方の撮像光学系のフォーカス位置を一方の撮像光学系のフォーカス位置より所定量だけ先行させて、各撮像光学系のフォーカス位置をピント位置側へと走査するように構成された請求項1、2又は3記載の撮像装置。
【請求項5】
前記フォーカス位置制御部が、前記ピント位置検出部によってピント位置が検出されており、かつ、本撮影が開始されるまでの待機期間においては、各撮像光学系のフォーカス位置を前記ピント位置に対して所定量だけずらした状態を保つように構成された請求項1、2、3又は4記載の撮像装置。
【請求項6】
前記待機期間において、前記フォーカス位置制御部が各撮像光学系のフォーカス位置を、前記ピント位置の前後にあり、かつ、各フォーカス位置に対応する各画像の被写体のコントラスト評価値がそれぞれ等しくなるように制御する請求項5記載の撮像装置。
【請求項7】
フォーカス位置を変更可能に構成された2つの撮像光学系と、各撮像光学系により形成される被写体像を画像に変換する2つの撮像素子と、各画像中の被写体のコントラスト評価値をそれぞれ出力するコントラスト評価値出力部と、複数のフォーカス位置でのコントラスト評価値に基づいて、前記被写体に合焦するフォーカス位置であるピント位置を検出するピント位置検出部と、を備えた撮像装置に用いられる撮像方法であって、
フォーカス位置を制御するステップであり、前記ピント位置検出部がピント位置を検出する前において一方の撮像光学系のフォーカス位置と、他方の撮像光学系のフォーカス位置を所定量だけずらすように構成されたフォーカス位置制御ステップと、
各撮像光学系のフォーカス位置がずれている状態において、各撮像光学系に対応させて出力される2つのコントラスト評価値に基づいて、前記被写体に合焦するピント位置が各撮像光学系の現在のフォーカス位置に対してどちらの方向にあるかを判別するピント位置方向判別ステップと、を備えたことを特徴とする撮像方法。
【請求項8】
前記ピント位置方向判別ステップにおいて、各撮像光学系のフォーカス位置と、各フォーカス位置に対応させて出力される2つのコントラスト評価値から、フォーカス位置の変化によるコントラスト評価値の増減傾向を判別し、前記コントラスト評価値が増加する方向にピント位置があると判別するように構成された請求項7記載の撮像方法。
【請求項9】
前記フォーカス位置制御ステップにおいて、ピント位置検出に関連する動作が開始されるまでの間は、各撮像光学系のフォーカス位置を所定量だけずらした状態を維持し続ける請求項7又は8記載の撮像方法。
【請求項10】
一方の撮像光学系のみで撮像を行う場合には、前記フォーカス位置制御ステップにおいて、他方の撮像光学系のフォーカス位置を一方の撮像光学系のフォーカス位置より所定量だけ先行させて、各撮像光学系のフォーカス位置をピント位置側へと走査する請求項7、8又は9記載の撮像方法。
【請求項11】
前記フォーカス位置制御ステップにおいて、前記ピント位置検出部によってピント位置が検出されており、かつ、本撮影が開始されるまでの待機期間においては、各撮像光学系のフォーカス位置を前記ピント位置に対して所定量だけずらした状態を保つ請求項7、8、9又は10記載の撮像方法。
【請求項12】
前記待機期間中では、前記フォーカス位置制御ステップにおいて各撮像光学系のフォーカス位置を、前記ピント位置の前後にあり、かつ、各フォーカス位置に対応する各画像の被写体のコントラスト評価値がそれぞれ等しくなるように制御する請求項11記載の撮像方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−128298(P2012−128298A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281153(P2010−281153)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
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