説明

撮像装置及び撮像装置の制御方法

【課題】装置本体及び表示部の電池の充電サイクルの差を小さくすることで、電池の寿命に悪影響を及ぼすことなく、充電回数を少なくして使用できない時間を削減することができる撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置は、装置本体50側と表示部60側とでそれぞれ駆動可能時間を算出する手段35,37と、その差ΔTが一定値以上の場合は消費電力が少なくなる動作モードを選択してΔTが0になるように制御する残量制御部39とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置本体と、該装置本体に対して着脱自在に装着される表示部とを備える撮像装置及び撮像装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の撮像装置では、装置本体及び表示部にそれぞれ電源としての電池が設けられ、電源のシャットダウン処理についても装置本体及び表示部で独立して行われる。
【0003】
具体的には、装置本体には、装置本体の電池の残量を検知する本体残量検知部が設けられ、本体残量検知部で検知された残量が第1閾値以下となると、装置本体の電池の残量低下の警告等をユーザに対して行う。また、本体残量検知部で検知された残量が第2閾値以下となると、装置本体の電池の充電を促す表示等を行うとともに、装置本体の電源のシャットダウン処理を行う。
【0004】
表示部についても、同様に、表示部の電池の残量を検知する表示部残量検知部が設けられ、表示部残量検知部で検知された残量が第1閾値以下となると、表示部の電池の残量低下の警告等をユーザに対して行う。また、表示部残量検知部で検知された残量が第2閾値以下となると、表示部の電池の充電を促す表示等を行うとともに、表示部の電源のシャットダウン処理を行う。
【0005】
また、装置本体に表示部が装着されている場合の第1閾値及び第2閾値は、装置本体から表示部が離脱している場合の第1閾値及び第2閾値と同じ値とされる。
【0006】
なお、装置本体の電池の残量がなくなった場合でも、表示部の電池が残っていれば、再生モードでの起動・動作は可能である。また、表示部の電池の残量がなくなった場合でも、装置本体の電池が残っていれば、撮影モードでの起動は可能であり、光学ファインダ等を介して被写体を撮影することができる。
【0007】
一方、親機と子機とを有するコードレス電話装置において、親機側で子機の電池の残量を確認したり、或いはいずれかの子機側で他の子機の電池の残量を確認したり、他機の電池の残量を確認する技術が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平6−6305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記従来の撮像装置では、装置本体の電池と表示部の電池とが独立して電力消費されるため、通常、装置本体の電池の残量がなくなるタイミングと表示部の電池の残量がなくなるタイミングとが大きく異なる。
【0010】
ここで、上記特許文献1の技術を上記従来の撮像装置に適用すれば、装置本体側で表示部の電池の残量がなくなったことを確認して、表示部の電池を充電することができる。また、表示部側で装置本体の電池の残量がなくなったことを確認して、装置本体の電池を充電することができる。
【0011】
しかし、上記従来の撮像装置及び上記特許文献1の技術を採用した従来の撮像装置のいずれの場合も、装置本体及び表示部での電池の充電の回数が多くなるため、撮像装置を使用できない時間が増えることになり、使い勝手が悪い。
【0012】
この場合、装置本体及び表示部の一方の電池の残量がなくなった際に、他方の電池の残量が十分であっても、両方とも満充電することが考えられる。
【0013】
しかし、残量が十分ある電池に対して充電を行うと、残量がなくなった電池に比べて充放電サイクルの回数(一定時間あたりの充放電回数)が多くなり、電池の寿命に悪影響を及ぼすという新たな問題が発生する。
【0014】
そこで、本発明は、装置本体及び表示部の電池の充電サイクルの差を小さくすることで、電池の寿命に悪影響を及ぼすことなく、充電回数を少なくして使用できない時間を削減することができる撮像装置及び撮像装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、被写体像を電気信号に変換する撮像素子を有する装置本体と、該装置本体に対して着脱自在に装着される表示部とを備え、前記装置本体及び前記表示部にそれぞれ電池が設けられるとともに、前記装置本体に前記表示部が装着された状態、及び前記装置本体から表示部が離脱した状態で、前記装置本体と前記表示部との間で通信が可能な撮像装置であって、前記装置本体の電池の残量を検知する本体残量検知部と、前記装置本体の消費電力の情報を記録する本体記録部と、前記本体残量検知部で検知された前記装置本体の電池残量と前記本体記録部から読み出した消費電力の情報とから前記装置本体の駆動可能時間T1を算出する本体駆動時間算出部と、前記表示部の電池の残量を検知する表示部残量検知部と、前記表示部の消費電力の情報を記録する表示部記録部と、前記表示部残量検知部で検知された前記表示部の電池残量と前記表示部記録部から読み出した消費電力の情報とから前記表示部の駆動可能時間T2を算出する表示部駆動時間算出部と、前記本体駆動時間算出部が算出した本体駆動可能時間T1と前記表示部駆動時間算出部が算出した表示部駆動可能時間T2との差ΔTの絶対値|ΔT|があらかじめ定められた閾値Tth以上か否かを判断する比較部と、該比較部により絶対値|ΔT|が前記閾値Tth以上であると判断された場合に、前記差ΔTが0になるように、前記装置本体の消費電力及び前記表示部の消費電力を変更制御する残量制御部と、を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の撮像装置の制御方法は、被写体像を電気信号に変換する撮像素子を有する装置本体と、該装置本体に対して着脱自在に装着される表示部とを備え、前記装置本体及び前記表示部にそれぞれ電池が設けられるとともに、前記装置本体に前記表示部が装着された状態、及び前記装置本体から表示部が離脱した状態で、前記装置本体と前記表示部との間で通信が可能な撮像装置の制御方法であって、前記装置本体の電池の残量を検知する本体残量検知ステップと、前記装置本体の消費電力の情報を記録する本体記録ステップと、前記本体残量検知ステップで検知された前記装置本体の電池残量と前記本体記録ステップで記録した消費電力の情報とから前記装置本体の駆動可能時間T1を算出する本体駆動時間算出ステップと、前記表示部の電池の残量を検知する表示部残量検知ステップと、前記表示部の消費電力の情報を記録する表示部記録ステップと、前記表示部残量検知ステップで検知された前記表示部の電池残量と前記表示部記録ステップで記録した消費電力の情報とから前記表示部の駆動可能時間T2を算出する表示部駆動時間算出ステップと、前記本体駆動時間算出ステップで算出した本体駆動可能時間T1と前記表示部駆動時間算出ステップで算出した表示部駆動可能時間T2との差ΔTの絶対値|ΔT|があらかじめ定められた閾値Tth以上か否かを判断する比較ステップと、該比較ステップで前記絶対値|ΔT|が前記閾値Tth以上であると判断された場合に、前記差ΔTが0になるように、前記装置本体の消費電力及び前記表示部の消費電力を変更制御する残量制御ステップと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、装置本体及び表示部の電池の充電サイクルの差を小さくすることができるので、電池の寿命に悪影響を及ぼすことなく、充電回数を少なくして撮像装置を使用できない時間を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態である撮像装置を説明するためのブロック図である。
【図2】図1に示す撮像装置の装置本体から表示部が離脱した状態を示すブロック図である。
【図3】撮像装置の表示部の動作例を説明するめのフローチャート図である。
【図4】撮像装置の装置本体の動作例を説明するためのフローチャート図である。
【図5】装置本体の節電/高性能動作及び表示部の節電/高性能動作の一例を説明するための図である。
【図6】本発明の第2の実施形態である撮像装置を説明するためのブロック図である。
【図7】図6に示す撮像装置の装置本体から表示部が離脱した状態を示すブロック図である。
【図8】撮像装置の表示部の動作例を説明するめのフローチャート図である。
【図9】撮像装置の装置本体の動作例を説明するためのフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態である撮像装置を説明するためのブロック図、図2は図1に示す撮像装置の装置本体から表示部が離脱した状態を示すブロック図である。
【0021】
図1及び図2に示すように、本実施形態の撮像装置は、装置本体50と、該装置本体50に対して着脱自在に装着される表示部60とを備える。
【0022】
装置本体50は、光学系1、メカ制御部2、撮像素子3、撮像制御部4、本体CPU5、発光部6、本体電源部7、本体バッテリ(電池)8、本体残量検知部9、本体シャットダウン閾値保持部10、本体シャットダウン判定部11、及び本体LED12を備える。
【0023】
また、装置本体50は、離脱検出手段14、本体操作部15、光学ファインダ16、本体記録部34、本体駆動時間算出部35、駆動時間比較部38、残量制御部39、及び本体CLK(クロック信号)上限変更部40を備える。
【0024】
光学系1は、メカ制御部2により、例えば、フォーカス・ズームなどの駆動が制御される。撮像素子3は、例えばCCD等により構成され、光学系1を通して入射した被写体像を電気信号に変換する。撮像制御部4は、撮像素子3の駆動信号の生成処理、駆動モードの変更処理、撮像素子3からのアナログ出力データのA/D変換処理、相関二重サンプリング処理等を行う。
【0025】
本体CPU(本体制御部)5は、撮像制御部4から出力された画像データに対して各種補正・圧縮等の画像処理を行う。発光部6は、暗所での光量補助のための光を発光する。本体電源部7および本体バッテリ8は、装置本体50の各種デバイスの駆動に必要な電源を生成する。
【0026】
本体残量検知部9は、本体バッテリ8の残量を検知する。本体シャットダウン閾値保持部10は、装置本体50のシャットダウン閾値を記録して保持する。本体シャットダウン判定部11は、本体残量検知部9で検知した残量と本体シャットダウン閾値保持部10に保持されたシャットダウン閾値とを比較して警告や装置本体50のシャットダウン処理を行うかどうかを判定する。本体LED12は、ユーザへの通知・警告用の光を発光する。
【0027】
離脱検出手段14は、装置本体50に対して、表示部60が装着されているか、離脱しているかを検出する。離脱検出手段14により、装置本体50に表示部60が装着されていることが検出されると、装置本体50及び表示部60は、互いに嵌合部33で嵌合された状態で制御線を介しての有線接続によるデータの送受信が可能となる(図1)。
【0028】
一方、離脱検出手段14により、装置本体50から表示部60が離脱したことが検出されると、装置本体50及び表示部60は、互いに非接触通信ドライバ13を介して無線接続によるデータの送受信が可能となる(図2)。
【0029】
なお、撮像装置の操作は、基本的には表示部60で行うが、装置本体50から表示部60が離脱している状態でも装置本体50側で撮影が行えるように、本体操作部15には、電源ボタン、ズームレバー、レリーズボタンなどが配置されている。
【0030】
本体記録部34は、装置本体50側の各モードや各入力電圧における消費電流値を記録する。本体駆動時間算出部35は、本体残量検知部9で算出した本体バッテリ8の電池残量、本体記録部34から読み出した現在の入力電圧や動作モードにおける消費電流値から装置本体50の駆動可能時間を算出する。
【0031】
駆動時間比較部38は、本体駆動時間算出部35及び後述する表示部駆動時間算出部37からそれぞれ本体駆動可能時間T1及び表示部駆動可能時間T2を取り込み、これらの差ΔT=T1−T2を算出する。
【0032】
残量制御部39は、ΔTの絶対値が予め定められた閾値Tth以上の場合に、ΔTが0になるように、装置本体50及び表示部60のそれぞれの動作を変更制御する。本体CLK上限変更部40は、装置本体50の消費電力を変更する。
【0033】
なお、本実施形態では、駆動時間比較部38及び残量制御部39を装置本体50側に配置しているが、表示部60側に配置してもよい。
【0034】
一方、表示部60は、記録部17、スピーカ18、マイク19、AV処理部20、液晶パネル21、バックライト22、調光部23、液晶駆動部24、表示部操作部25、表示部LED26、及び表示部CPU27を備える。
【0035】
また、表示部60は、表示部電源部28、表示部バッテリ(電池)29、表示部残量検知部30、表示部シャットダウン閾値保持部31、表示部シャットダウン判定部32、表示部記録部36、表示部駆動時間算出部37、及び表示部CLK上限変更部41を備える。
【0036】
記録部17は、例えば、撮影データの記録を行う。AV処理部20は、音声・ビデオ再生データの生成やスピーカ18の制御、マイク19からの入力データ処理などを行う。液晶パネル21は、各種情報や撮影画像を表示する。バックライト22は、液晶パネル21の発光デバイスとして機能する。
【0037】
調光部23は、バックライト22の輝度を変更するとともに、表示部60の消費電力を変更する手段として機能する。液晶駆動部24は、液晶パネル21の駆動データを生成する。表示部操作部25には、ユーザからの操作を検出する再生ボタン、モードダイアル、方向ボタン、ズームレバー、レリーズボタン、表示切換えボタン、メニュー呼出しボタンなどが配置される。表示部LED26は、ユーザへの通知・警告用の光を発光する。
【0038】
表示部CPU(表示部制御部)27は、非接触通信ドライバ13を介して受信したデータ処理やAV処理部20の制御などを行う。表示部電源部28および表示部バッテリ29は、表示部60の各種デバイスの駆動に必要な電源を生成する。
【0039】
表示部残量検知部30は、表示部バッテリ29の残量を検知する。表示部シャットダウン閾値保持部31は、表示部60のシャットダウン閾値を記録して保持する。表示部シャットダウン判定部32は、表示部残量検知部30で算出した残量と表示部シャットダウン閾値保持部31に保持されたシャットダウン閾値とを比較して警告やシャットダウン処理を行うかどうかを判定する。
【0040】
表示部記録部36は、表示部60側の各モードや各入力電圧における消費電流値を記録する。表示部駆動時間算出部37は、表示部残量検知部30で算出した表示部バッテリ29の電池残量と、表示部記録部36から読み出した現在の入力電圧や動作モードにおける消費電流値から表示部60の駆動可能時間を算出する。表示部CLK上限変更部41は、表示部60の消費電力を変更する。
【0041】
次に、上記構成の撮像装置の基本的動作について説明する。
【0042】
装置本体50及び表示部60に、それぞれ本体バッテリ8及び表示部バッテリ29が挿入されると、本体CPU5及び表示部CPU27は、自動的にスタンバイ状態で待機状態となる。
【0043】
この状態で、ユーザが装置本体50の本体操作部15に配置された電源ボタンをON操作すると、撮影モードでの起動となる。この電源ボタンのON操作により、本体CPU5は、スタンバイ状態から通常状態へ復帰を開始する。
【0044】
通常状態への復帰後、本体CPU5は、メカ制御部2および撮像制御部4の初期化を行い、メカ制御部2は、光学系1のレンズ群を駆動して各レンズを初期位置に移動させる。また、本体CPU5は、本体電源部7を制御して撮像電源の起動を行い、撮像制御部4は、撮像素子3の駆動および撮像データの取り込みを開始して撮影可能状態へ遷移する。
【0045】
一方、本体CPU5が動作を開始すると同時に、表示部CPU2も起動する。表示部CPU27が起動すると、表示部電源部28を起動後、液晶駆動部24やAV処理部20を初期化し、液晶パネル21への表示や操作音や効果音の再生を開始する。
【0046】
撮像制御部4が取り込んだ撮像素子3からの出力データは、本体CPU5を介して表示部CPU27へ送信され、表示部CPU27は、受信したデータを液晶駆動部24へ送信する。液晶駆動部24は、このデータを液晶パネル21で表示可能な駆動信号に変換し、スルー画として液晶パネル21に表示する。
【0047】
ユーザがズームや絞りなどの鏡筒操作を行うと、本体CPU5は、メカ制御部2に指示を送り、メカ制御部2は、その指示に従い光学系1の各モータを駆動する。ユーザがレリーズボタンを押下すると、目標露出量からシャッター時間、絞り、ISO感度などが決定され、それらの撮影条件にしたがって撮像制御部4、メカ制御部2が制御される。
【0048】
撮像制御部4によって取り込まれた撮像素子3からの出力データは、本体CPU5で各種補正処理および圧縮処理を施され、表示部CPU27へと送信される。
【0049】
表示部CPU27は、受信したデータを記録部17に書き込むとともに、液晶駆動部24を介して液晶パネル21にプレビュー画を表示し、一定時間後スルー画表示に戻り、ユーザの操作待ち状態となる。
【0050】
撮影モードで装置本体50の本体操作部15に配置された電源ボタンが再度押下されると、シャットダウンモードに遷移する。本体CPU5は、撮像系電源および撮像制御部4を停止し、メカ制御部2を制御して鏡筒を沈胴させる。
【0051】
表示部CPU27は、液晶駆動部24、AV処理部20を停止する。全てのデバイスの終了処理が完了すると、本体CPU5及び表示部CPU27は、スタンバイ状態に遷移し、次の起動に備える。
【0052】
なお、本体CPU5から表示部CPU27へ送信する情報としては、撮像データおよび表示部電源部28の起動・停止制御信号、本体バッテリ8の電池残量情報等があり、表示部CPU27から本体CPU5へ送信する情報としては、表示部操作情報等がある。
【0053】
ユーザが表示部60の表示部操作部25に配置された再生ボタンをON操作すると、再生モードでの起動となる。再生ボタンをON操作すると、表示部CPU27は、スタンバイ状態から通常状態へ復帰を開始する。
【0054】
表示部CPU27が起動すると、液晶駆動部24およびAV処理部20の初期化を行うとともに、記録部17からのデータ読み出しを開始し、液晶駆動部24を介して液晶パネル21に再生画を表示する。
【0055】
再生モードは、表示部60のみで動作可能であるため、装置本体50側は起動しない。再生モード時は、再度再生ボタンを押下するか、装置本体50側の電源ボタンを押下すると、シャットダウンモードに遷移し、表示部CPU27は、液晶駆動部24およびAV処理部20の終了処理を行い、スタンバイモードに遷移する。
【0056】
再生モードでの起動状態で表示部60の表示部操作部25に配置されたレリーズボタンを半押しすると、表示部CPU27は、撮影モードに遷移する。表示部60側でのレリーズボタンの半押し操作の操作情報が、有線接続または非接触通信ドライバ13を介して本体CPU5に送信されると、本体CPU5は、スタンバイ状態からの復帰を行う。
【0057】
本体CPU5の復帰後は、撮影モードの起動時と同様に、本体CPU5は、メカ制御部2、撮像制御部4を起動して撮影可能状態に遷移する。
【0058】
撮影モードでの起動状態で表示部60の表示部操作部25に配置された再生ボタンが押下されると、本体CPU5は、簡易再生モードに遷移する。
【0059】
これは、通常の再生モードと異なり、鏡筒を繰り出した状態で再生を行うモードであり、本体CPU5は、節電のため本体電源部7を制御して撮像電源を停止し、撮像制御部4および撮像素子3の動作を停止する。
【0060】
一方で、表示部CPU27は、記録部17から記録データを読み出し、液晶駆動部24を介して液晶パネル21に再生画を表示する。
【0061】
この状態で再度再生ボタンが押下されるか、レリーズボタン半押しされると、再度撮影モードに遷移する。本体CPU5は、本体電源部7を制御して撮像電源を起動し、表示部CPU27、液晶駆動部24を介してスルー画を液晶パネル21に表示し、撮影可能状態でユーザの操作待ちとなる。
【0062】
次に、図3及び図4を参照して、本実施形態の撮像装置の表示部60及び装置本体50における本発明の特徴部分の動作例について説明する。
【0063】
まず、説明の便宜上、図3を参照して、表示部60側の動作例から説明すると、ステップS208では、表示部シャットダウン判定部32は、表示部シャットダウン閾値保持部31から表示部シャットダウン閾値Vth2を読み出し、ステップS209に進む。
【0064】
ステップS209では、表示部残量検知部30は、表示部バッテリ29の電圧値V2[V]を計測し、電池特性カーブと表示部シャットダウン閾値Vth2から表示部バッテリ29の推定残量X2[A・h]を算出し、ステップS210に進む。
【0065】
ステップS210では、表示部シャットダウン判定部32は、表示部バッテリ29の電圧値V2が表示部シャットダウン閾値Vth2か否かを判断する。
【0066】
そして、表示部シャットダウン判定部32は、表示部バッテリ29の電圧値V2が表示部シャットダウン閾値Vth2未満である場合は、ステップS211に進み、表示部60の電源をシャットダウンする。
【0067】
一方、表示部シャットダウン判定部32は、表示部バッテリ29の電圧値V2が表示部シャットダウン閾値Vth2以上である場合は、ステップS212に進む。
【0068】
ステップS212では、表示部駆動時間算出部37は、現在の表示部動作モードM2を確認し、ステップS213に進む。
【0069】
ステップS213では、表示部駆動時間算出部37は、消費電流値P2(V2、M2)[A]を表示部記録部36から読み出し、ステップS214に進む。
【0070】
ステップS214では、表示部駆動時間算出部37は、ステップS209で算出した推定残量X2とステップS213で読み出した消費電流値P2とから表示部60の推定駆動可能時間T2[h]=P2(V2、M2)/X2を算出し、ステップS215に進む。
【0071】
ステップS215では、表示部CPU27は、ステップS214で算出した表示部60の推定駆動可能時間T2のデータを、表示部60の装着時は有線接続、離脱時は非接触通信ドライバ13を介して装置本体50の本体CPU5に送信し、処理を終了する。
【0072】
次に、図4を参照して、装置本体50側の動作例を説明すると、ステップS201では、本体シャットダウン判定部11は、本体シャットダウン閾値保持部10から本体シャットダウン閾値Vth1を読み出し、ステップS202に進む。
【0073】
ステップS202では、本体残量検知部9は、本体バッテリ8の電圧値V1[V]を計測し、電池特性カーブと本体シャットダウン閾値Vth1から本体バッテリ8の推定残量X1[A・h]を算出し、ステップS203に進む。
【0074】
ステップS203では、本体シャットダウン判定部11は、本体バッテリ8の電圧値V1V1が本体シャットダウン閾値Vth1未満か否かを判断する。
【0075】
そして、本体シャットダウン判定部11は、本体バッテリ8の電圧値V1が本体シャットダウン閾値Vth1未満である場合は、ステップS204に進み、装置本体50の電源をシャットダウンし、処理を終了する。
【0076】
一方、本体シャットダウン判定部11は、本体バッテリ8の電圧値V1が本体シャットダウン閾値Vth1以上である場合は、ステップS205に進む。
【0077】
ステップS205では、本体駆動時間算出部35は、現在の本体動作モードM1を確認し、ステップS206に進む。
【0078】
ステップS206では、本体駆動時間算出部35は、消費電流値P1(V1、M1)[A]を本体記録部34から読み出し、ステップS207に進む。
【0079】
ステップS207では、本体駆動時間算出部35は、ステップS202で算出した推定残量X1とステップS206で読み出した消費電流値Pから装置本体50の推定駆動可能時間T1[h]=P1(V1、M1)/X1を算出し、ステップS208に進む。
【0080】
ステップS208では、駆動時間比較部38は、ステップS207で算出した装置本体50の推定駆動可能時間T1と図3のステップS214で表示部60から送信された表示部60の推定駆動可能時間T2との差ΔTの絶対値|ΔT|=|T1−T2|を算出する。
【0081】
そして、駆動時間比較部38は、算出した絶対値|ΔT|が、あらかじめ定められた閾値Tth以上か否かを判断し、閾値以上であれば、ステップS217に進み、閾値Tth未満であれば、ステップS201に戻る。
【0082】
ステップS217では、バッテリ残量補正を行うべく、駆動時間比較部38は、ΔTの符号を算出し、ΔTが0を超えているか、ΔTが0未満かを判断し、ΔTが0を超えている場合は、ステップS218に進み、ΔTが0未満の場合は、ステップS220に進む。
【0083】
ステップS218では、表示部バッテリ29が本体バッテリ8よりも先に残量がなくなるため、残量制御部39は、本体CPU5に対して、ΔTが0になるように、装置本体50の高性能動作の指示を送り、ステップS219に進む。
【0084】
ステップS219では、残量制御部39は、表示部CPU27に対して、ΔTが0になるように、表示部60の節電動作の指示を送り、ステップS201に戻る。なお、ステップS218及びステップS219の処理は、少なくとも一方の処理を行うようにしてもよい。
【0085】
一方、ステップS220では、本体バッテリ8が表示部バッテリ29よりも先に残量がなくなるため、残量制御部39は、本体CPU5に対して、ΔTが0になるように、装置本体50の節電動作の指示を送り、ステップS221に進む。
【0086】
ステップS221では、残量制御部39は、表示部CPU27に対して、ΔTが0になるように、表示部60の高性能動作の指示を送り、ステップS201に戻る。なお、ステップS220及びステップS221の処理は、少なくとも一方の処理を行うようにしてもよい。
【0087】
図5は、装置本体50の節電/高性能動作及び表示部60の節電/高性能動作の一例を説明するための図である。
【0088】
装置本体50の節電動作としては、本体CPU5の駆動CLK(駆動クロック信号)上限の設定、撮像制御部4による撮像素子3の駆動CLKの上限の設定が挙げられる。
【0089】
本体CPU5の駆動CLK上限設定は、本体CPU5内部の駆動CLKの周波数に上限を設けて処理速度を抑えることで、本体CPU5の消費電力を抑制する。
【0090】
同様に、撮像制御部4による撮像素子3の駆動CLKの上限設定は、撮像素子3を駆動する基本CLKの周波数に上限を設けて撮像素子3内の電荷の転送速度を抑えることで、撮像素子3の消費電力を抑制する。
【0091】
装置本体50の高性能動作としては、本体CPU5の駆動CLK上限の解除、撮像素子3の駆動CLKの上限の解除が挙げられる。
【0092】
ここでの動作は、前述の節電動作の逆であり、消費電力の増加を許容して処理速度を上げることを優先する動作となる。これらの駆動CLKの上限変更動作は、残量制御部39が本体CLK上限変更部40を制御することで実現される。
【0093】
一方、表示部60の節電動作としては、表示部CPU27の駆動CLK上限の設定、およびバックライト22の輝度抑制が挙げられる。
【0094】
表示部CPU27の駆動CLK上限の設定は、上述した本体CPU5のそれと同様の動作である。バックライト22の輝度抑制は、表示部60のバックライト22の輝度をあらかじめ定められた節電用設定まで抑制することでバックライト22の消費電力を抑制する。
【0095】
表示部60の高性能動作としては、節電動作の逆であり、消費電力の増加を許容して処理速度および液晶パネル21の視認性を優先する動作となる。
【0096】
表示部CPU27の駆動CLKの上限変更動作は、残量制御部39が有線接続又は無線接続による通信により表示部CLK上限変更部41を制御することで実現される。同様に、バックライト22の輝度変更は、残量制御部39が有線接続又は無線接続による通信により調光部23を制御することで実現される。
【0097】
以上説明したように、本実施形態では、装置本体50のバッテリ8及び表示部60のバッテリ29の充電サイクルの差を小さくすることができる。これにより、装置本体50のバッテリ8及び表示部60のバッテリ29の寿命に悪影響を及ぼすことなく、充電回数を少なくして撮像装置を使用できない時間を削減することができ、使い勝手がよい撮像装置を提供することができる。
【0098】
(第2の実施形態)
次に、図6〜図9を参照して、本発明の第2の実施形態である撮像装置について説明する。図6は本発明の第2の実施形態である撮像装置を説明するためのブロック図、図7は図6に示す撮像装置の装置本体から表示部が離脱した状態を示すブロック図である。なお、上記第1の実施形態に対して重複又は相当する部分については、各図に同一符号を付してその説明を省略する。
【0099】
本実施形態の撮像装置は、図6及び図7に示すように、表示部60に、表示部シャットダウン閾値保持部31から読み出した表示部シャットダウン閾値を補正する補正部42が追加されている点が上記第1の実施形態と異なる。
【0100】
次に、図8及び図9を参照して、本実施形態の撮像装置の表示部60及び装置本体50における本発明の特徴部分の動作例について説明する。
【0101】
まず、説明の便宜上、図8を参照して、表示部60側の動作例から説明すると、ステップ500では、表示部CPU27は、本体CPU5による離脱検出手段14の確認情報に基づいて装置本体50から表示部60が離脱されたか否かを判断する。
【0102】
そして、表示部CPU27は、装置本体50から表示部60が離脱されたと判断した場合は、ステップS529に進み、装置本体50に表示部60が装着されていると判断した場合は、ステップS508に進む。
【0103】
なお、ステップS508〜ステップS515の処理は、図3のステップS208〜ステップS215の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0104】
ステップS529では、表示部シャットダウン判定部32は、表示部シャットダウン閾値保持部31から表示部シャットダウン閾値Vth2を読み出し、ステップS530に進む。
【0105】
ステップS530では、補正部42は、あらかじめ定められた補正電圧値ΔVを用いて、Vth2′=Vth2+ΔVとして、表示部シャットダウン閾値Vth2をVth2′に補正し、ステップS531に進む。
【0106】
ステップS531では、表示部残量検知部30は、表示部バッテリ29の電圧値V2[V]を計測し、電池特性カーブと補正後の表示部シャットダウン閾値Vth2′とから表示部バッテリ29の推定残量X2′[A・h]を算出し、ステップS532に進む。
【0107】
ステップS532では、表示部シャットダウン判定部32は、表示部バッテリ29の電圧値V2が補正後の表示部シャットダウン閾値Vth2′未満か否かを判断する。
【0108】
そして、表示部シャットダウン判定部32は、表示部バッテリ29の電圧値V2が補正後の表示部シャットダウン閾値Vth2′未満である場合は、ステップS533に進み、表示部60の電源をシャットダウンする。
【0109】
一方、表示部シャットダウン判定部32は、表示部バッテリ29の電圧値V2が補正後の表示部シャットダウン閾値Vth2′以上である場合は、ステップS534に進む。
【0110】
ステップS534では、表示部駆動時間算出部37は、現在の表示部動作モードM2を確認し、ステップS535に進む。
【0111】
ステップS535では、表示部駆動時間算出部37は、消費電流値P2(V2、M2)[A]を表示部記録部36から読み出し、ステップS536に進む。
【0112】
ステップS536では、表示部駆動時間算出部37は、ステップS531で算出した推定残量X2′とステップS535で読み出した消費電流値Pとから表示部60の推定駆動可能時間T2′[h]=P2(V2、M2)/X2′を算出し、ステップS537に進む。
【0113】
ここでの表示部60の推定駆動可能時間T2′は、表示部60の装着時の推定駆動可能時間T2に対して、表示部シャットダウン閾値Vth2に補正電圧値ΔVを加算した分だけ短縮される。
【0114】
ステップS537では、表示部CPU27は、表示部60の推定駆動可能時間T2′のデータを非接触通信ドライバ13を介して装置本体50の本体CPU5に送信し、処理を終了する。
【0115】
次に、図9を参照して、装置本体50側の動作例について説明すると、ステップS500では、本体CPU5は、離脱検出手段14の状態を確認し、装置本体50から表示部60が離脱されたか否かを判断する。
【0116】
そして、本体CPU5は、装置本体50から表示部60が離脱されたと判断した場合は、ステップS522に進み、装置本体50に表示部60が装着されていると判断した場合は、ステップS501に進む。
【0117】
なお、ステップS501〜ステップS521の処理は、図4のステップS201〜ステップS221の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0118】
また、ステップS522〜ステップS528の処理についても、図4のステップS201〜ステップS207と同様であるので、その説明を省略する。
【0119】
ステップS538では、駆動時間比較部38は、ステップS528で算出した装置本体50の推定駆動可能時間T1と図8のステップS537で表示部60から送信された表示部60の推定駆動可能時間T2′との差ΔTの絶対値|ΔT|=|T1−T2′|を算出する。
【0120】
そして、駆動時間比較部38は、算出した絶対値|ΔT|が、あらかじめ定められた閾値Tth以上か否かを判断し、閾値以上であれば、ステップS539に進み、閾値Tth未満であれば、ステップS500に戻る。
【0121】
ステップS539では、バッテリ残量補正を行うべく、駆動時間比較部38は、ΔTの符号を算出し、ΔTが0を超えているか、ΔTが0未満かを判断し、ΔTが0を超えている場合は、ステップS540に進み、ΔTが0未満の場合は、ステップS542に進む。
【0122】
ステップS540では、表示部バッテリ29が本体バッテリ8よりも先に残量がなくなるため、残量制御部39は、本体CPU5に対して、ΔTが0になるように、装置本体50の高性能動作の指示を送り、ステップS541に進む。
【0123】
ステップS541では、残量制御部39は、表示部CPU27に対して、ΔTが0になるように、表示部60の節電動作の指示を送り、ステップS500に戻る。なお、ステップS540及びステップS541の処理は、少なくとも一方の処理を行うようにしてもよい。
【0124】
一方、ステップS542では、本体バッテリ8が表示部バッテリ29よりも先に残量がなくなるため、残量制御部39は、本体CPU5に対して、ΔTが0になるように、装置本体50の節電動作の指示を送り、ステップS543に進む。
【0125】
ステップS543では、残量制御部39は、表示部CPU27に対して、ΔTが0になるように、表示部60の高性能動作の指示を送り、ステップS500に戻る。なお、ステップS542及びステップS543の処理は、少なくとも一方の処理を行うようにしてもよい。また、装置本体50の節電/高性能動作及び表示部60の節電/高性能動作は、図5で説明した内容と同様である。
【0126】
以上説明したように、本実施形態では、装置本体50から表示部60が離脱した状態では、表示部60のバッテリ29の残量に補正電圧値Vに応じた分の余力を残すことができる。これにより、装置本体50から離脱したままで表示部60のバッテリ29を消費した場合でも、装置本体50に表示部60を装着して接続すれば動作が可能となるので、使い勝手のよい撮像装置を提供することができる。その他の構成及び作用効果は、上記第1の実施形態と同様である。
【0127】
なお、本発明は、上記各実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0128】
例えば、上記各実施形態では、表示パネル用の発光デバイスとしてバックライト22を用いたが、有機ELなどに代表される自発光デバイスでも同様の輝度制御を適用可能である。
【0129】
また、図4のステップS218〜ステップS221等の高性能動作/節電動作において、それぞれの動作をCPUに指示する際に、ΔTが0に近づくように制御することも可能である。
【符号の説明】
【0130】
1 光学系
2 メカ制御部
3 撮像素子
4 撮像制御部
5 本体CPU
6 発光部
7 本体電源部
8 本体バッテリ
9 本体残量検知部
10 本体シャットダウン閾値保持部
11 本体シャットダウン判定部
12 本体LED
13 非接触通信ドライバ
14 離脱検出手段
15 本体操作部
16 光学ファインダ
17 記録部
18 スピーカ
19 マイク
20 AV処理部
21 液晶パネル
22 バックライト
23 調光部
24 液晶駆動部
25 表示部操作部
26 表示部LED
27 表示部CPU
28 表示部電源部
29 表示部バッテリ
30 表示部残量検知部
31 表示部シャットダウン閾値値保持部
32 表示部シャットダウン判定部
33 嵌合部
34 本体記録部
35 本体駆動時間算出部
36 表示部記録部
37 表示部駆動時間算出部
38 駆動時間比較部
39 残量制御部
40 本体CLK上限変更部
41 表示部CLK上限変更部
42 補正部
50 装置本体
60 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を電気信号に変換する撮像素子を有する装置本体と、該装置本体に対して着脱自在に装着される表示部とを備え、
前記装置本体及び前記表示部にそれぞれ電池が設けられるとともに、前記装置本体に前記表示部が装着された状態、及び前記装置本体から表示部が離脱した状態で、前記装置本体と前記表示部との間で通信が可能な撮像装置であって、
前記装置本体の電池の残量を検知する本体残量検知部と、
前記装置本体の消費電力の情報を記録する本体記録部と、
前記本体残量検知部で検知された前記装置本体の電池残量と前記本体記録部から読み出した消費電力の情報とから前記装置本体の駆動可能時間T1を算出する本体駆動時間算出部と、
前記表示部の電池の残量を検知する表示部残量検知部と、
前記表示部の消費電力の情報を記録する表示部記録部と、
前記表示部残量検知部で検知された前記表示部の電池残量と前記表示部記録部から読み出した消費電力の情報とから前記表示部の駆動可能時間T2を算出する表示部駆動時間算出部と、
前記本体駆動時間算出部が算出した本体駆動可能時間T1と前記表示部駆動時間算出部が算出した表示部駆動可能時間T2との差ΔTの絶対値|ΔT|があらかじめ定められた閾値Tth以上か否かを判断する比較部と、
該比較部により前記絶対値|ΔT|が前記閾値Tth以上であると判断された場合に、前記差ΔTが0になるように、前記装置本体の消費電力及び前記表示部の消費電力を変更制御する残量制御部と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記装置本体から前記表示部が離脱されたか否かを検出する離脱検出手段と、
該離脱検出手段により前記装置本体から前記表示部が離脱されたことが検出された場合に、前記表示部の駆動可能時間T2を短縮するように補正する補正部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記表示部残量検知部で検知された前記表示部の電池残量に応じた電圧値があらかじめ定められたシャットダウン閾値Vth2未満となった場合に、前記表示部の電源のシャットダウン処理を行う表示部シャットダウン判定部を備え、
前記補正部は、前記シャットダウンしきい値をあらかじめ定められた補正電圧値ΔVだけ増加させることで、前記表示部の駆動可能時間T2を短縮する補正を行う、
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記残量制御部は、前記装置本体を制御する本体制御部における駆動クロック信号の周波数の上限を変更するように制御する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記残量制御部は、前記撮像素子の駆動クロック信号の周波数の上限を変更するように制御する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記残量制御部は、前記表示部に配置された表示パネルの発光デバイスの輝度を変更するように制御する、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記残量制御部は、前記表示部を制御する表示部制御部における駆動クロック信号の周波数の上限を変更するように制御する、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項8】
被写体像を電気信号に変換する撮像素子を有する装置本体と、該装置本体に対して着脱自在に装着される表示部とを備え、
前記装置本体及び前記表示部にそれぞれ電池が設けられるとともに、前記装置本体に前記表示部が装着された状態、及び前記装置本体から表示部が離脱した状態で、前記装置本体と前記表示部との間で通信が可能な撮像装置の制御方法であって、
前記装置本体の電池の残量を検知する本体残量検知ステップと、
前記装置本体の消費電力の情報を記録する本体記録ステップと、
前記本体残量検知ステップで検知された前記装置本体の電池残量と前記本体記録ステップで記録した消費電力の情報とから前記装置本体の駆動可能時間T1を算出する本体駆動時間算出ステップと、
前記表示部の電池の残量を検知する表示部残量検知ステップと、
前記表示部の消費電力の情報を記録する表示部記録ステップと、
前記表示部残量検知ステップで検知された前記表示部の電池残量と前記表示部記録ステップで記録した消費電力の情報とから前記表示部の駆動可能時間T2を算出する表示部駆動時間算出ステップと、
前記本体駆動時間算出ステップで算出した本体駆動可能時間T1と前記表示部駆動時間算出ステップで算出した表示部駆動可能時間T2との差ΔTの絶対値|ΔT|があらかじめ定められた閾値Tth以上か否かを判断する比較ステップと、
該比較ステップで前記絶対値|ΔT|が前記閾値Tth以上であると判断された場合に、前記差ΔTが0になるように、前記装置本体の消費電力及び前記表示部の消費電力を変更制御する残量制御ステップと、
を備えることを特徴とする撮像装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−226237(P2010−226237A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−68891(P2009−68891)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】