説明

撮像装置

【課題】自動的または遠隔的に撮像を行うに際して、観測領域を良好な条件の下で撮像することができる撮像装置とする。
【解決手段】観測領域12に光を照射する光源22と、観察点Oに設置されて該観測領域を撮像するカメラとを備える。光源22から直進的に観測領域12内の各点に入射し、該観測領域12の各点で入射角=反射角の関係を満足して反射して直進する直接光が観察点Oに達することができない一方で、光源22から直進的に観測領域12内の各点に入射し、該観測領域12の各点で入射角=反射角の関係を満足せずに散乱して直進する間接光が観察点Oに達することができる位置に、光源22が設置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観測領域を撮像する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の観測領域を撮像する撮像装置として、例えば、水道、電気、ガス等の各使用量積算計の表示部を観測領域とし、使用量を表示する該表示部を撮像する撮像装置が、特許文献1または2から知られている。
【0003】
これらの撮像装置は、検針員の負担を軽減させること等を目的として、表示部を自動的または遠隔的に撮像するものであって、少なくとも、表示部に光を照射する光源と、表示部を撮像するカメラとを備えている。
【0004】
カメラで撮像されて電気信号となった撮像信号は無線または有線によって伝送することによって、または記録媒体に記録しその記録媒体を回収することで、基地局へと送られることができる。該基地局において撮像画面を作業員が目視して表示部の内容を読み取るか、または光学式文字認識ソフトウエア(OCR)を用いて表示部の内容を自動的に読み取ることができる。
【0005】
【特許文献1】特開平6−152775号公報
【特許文献2】特開2001−101379号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のような従来の自動的または遠隔的に行われる撮像装置では、撮像条件、環境条件の設定に制約があるため、必ずしも最適な条件で撮像が行われるとは限らず、条件が悪いと、観測領域の内容が目視またはソフトウエアで自動的に認識することができない事態になる、という問題がある。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みなされたもので、その目的は、自動的または遠隔的に撮像を行うに際して、観測領域を良好な条件の下で撮像することができる撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、観測領域に光を照射する光源と、観測領域を撮像するカメラとを備えた撮像装置において、
前記光源から直進して観測領域内に入射し、該観測領域で入射角=反射角の関係を満足して反射して直進する直接光は観察点に達することができない一方で、前記光源から直進して観測領域内に入射し、該観測領域で入射角=反射角の関係を満足せずに散乱して直進する間接光は観察点に達することができる位置に、前記光源が設置されることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の前記光源から直進的に観測領域の各端部に入射し、該観測領域の各端部で入射角=反射角の関係を満足して反射して直進して観察点に達する光路によって構成される境界面よりも、観測領域に対して外側の領域に、前記光源が設置されることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の前記光源から直進して観測領域の延長領域内に入射し、該延長領域で入射角=反射角の関係を満足して反射して直進して観察点に達する光路を考えた時に、光源から観測領域の延長領域の入射点までの光の直進距離の方が、該入射点から観察点までの光の直進距離よりも小さくなる関係を満足する位置に、前記光源が設置されることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の前記観測領域が、該観測領域を横切るある仮想平面において見ると直線形状をなし、該観測領域を横切り該仮想平面と別の仮想平面において見ると曲面形状をなしており、前記直線形状に見える仮想平面に光源、観測領域、観察点を投影したときに、前記光源から直進的に観測領域の各端部に入射し、該観測領域の各端部で入射角=反射角の関係を満足して反射して直進して観察点に達する光路によって構成される境界線よりも、観測領域に対して外側の領域に、前記光源が設置される、ことを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の前記光源が、その指向性によりエネルギーの最も強い方向を、前記観測領域の面方向に向けることを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の前記光源が、観察点において観測領域から散乱される散乱強度が観測領域全体にわたり最も均一になるように向けることを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の前記観測領域と前記観察点との間の光路上または前記光源と前記観測領域との間の光路上にはミラーが配置されることを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の前記ミラーが、観測領域の中心部を通る法線よりもずれた位置に配置されることを特徴とする。
【0016】
請求項9記載の発明は、請求項8記載のものが、前記観測領域の中心部を通る法線に沿って、観測領域を目視可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
観測領域を照射する光源からの光のうち、直接光が観察点に達すると、局所的に輝度の高い部分が発生し、カメラによって撮像される撮像画面の認識不能を招くおそれがあるが、本発明によれば、直接光が観察点に達せず、間接光が観察点に達するように光源が配置されるために、均一した輝度を持つ良好な撮像画面を得ることができる。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、前記境界面よりも観測領域に対して外側の領域に、前記光源を設置することで、直接光が観察点に達せず、間接光が観察点に達するようにすることができる。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、光源から観測領域の延長領域の入射点までの光の直進距離の方が、該入射点から観察点までの光の直進距離よりも小さくなる関係を満足する位置に光源を設置することにより、観察点に直接光が達しない条件を維持しつつ、光源を観測領域に接近させて、光源を含めた撮像装置全体の寸法を小型化することができる。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、観測領域を横切るある仮想平面において見ると直線形状をなし、該観測領域を横切り該仮想平面と別の仮想平面において見ると曲面形状をなすような観測領域に対しては、前記直線形状に見える仮想平面に光源、観測領域、観察点を投影した状態で、観察点に直接光が達しない条件を満足する位置に光源を設置することで、光源の位置が観測領域から大きく離れず、かつ光源からの直進光が観測領域に届くようにすることができる。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、光源に指向性がある場合には、その指向性によりエネルギーの最も強い方向を観測領域の面方向に向けることで、観測領域で散乱されて観察点に達する散乱エネルギーを観測領域全体でなるべく均一になるようにすることができる。
【0022】
請求項6記載の発明によれば、観察点に達する散乱エネルギーが観測領域全体で最も均一になるので、均一した輝度を持つ良好な撮像画面を得ることができる。
【0023】
請求項7記載の発明によれば、ミラーによって光路を適宜、非直線とすることで撮像装置の小型化を図ることができる。
【0024】
請求項8及び9記載の発明によれば、ミラーに影響されずに観測領域を直接目視することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の撮像装置の全体概略平面図であり、図2は図1の2−2線に沿って見た断面図である。
【0026】
図において、10は撮像装置、12は観測領域である。撮像装置10は、観測領域12に対して上方に配置されたケース20を備えており、該ケース20内には、観測領域12を照射するための光源22と、観測領域12を撮像するために観察点に設置されたカメラ24と、観測領域12からの光をカメラ24に向けて反射するミラー26と、が配設される。ミラー26によって、撮像装置10の小型化を図るようにしているが、ミラー26は省略することも可能である。
【0027】
今、観測領域12は円筒形状の物体の一部の領域であると想定する。そのため、観測領域12は、観測領域を横切るように図1の2−2線で切った平面(図2)で見ると、曲面形状をなしており、観測領域を横切るように2−2線と直交する3−3線で切った平面で見ると、直線形状をなしている。
【0028】
光の直進性はミラー26によって影響を受けないと考えられるので、ミラー26を省略して考えた場合の図1の3−3線で切った平面に撮像装置10の光学系を投影した等価図を表すと、図3のようになる。図3において、Oはカメラ24が設置される観察点を表す。図1,2と図3とを比較したときに、図3の観測領域12の法線方向における光源22と観測領域12との間の最短距離L1は、図2の光源22から観測領域12までの距離L1に対応し、図3の観察点Oと観測領域12との間の最短距離L2は、図2の観測領域12からミラー26までの最短距離L21とミラー26からカメラ24までの最短距離L22の和に相当する。また、図3の観測領域12に平行な方向における光源22と観測領域12との間の距離L3は、図1の光源22と観測領域12との距離L3に対応する。
【0029】
図3において、仮にLS1の位置に光源22を配置したものとすると、LS1から直進して観測領域12に入射し、その点で入射角=反射角の関係を満足して反射して直進して観察点Oに達する光が存在する。このような光を直接光と呼ぶことができる。直接光が観察点Oに達すると、観察点Oから見てその部分が局所的に輝度の高い部分となり、カメラ24によって撮像された撮像画面においてその部分が認識不能となる可能性がある。
【0030】
これに対して、観測領域12の端部12aにおいて入射・反射して観察点Oに達する直接光の光路よりも観測領域12に対して外側にある領域(境界線Bとする)、即ち図3の斜線を引いた領域に光源を配置すれば(図3の例えば、LS2〜LS6)、観測領域12で入射・反射して観察点Oに達する直接光は存在しない。つまり、境界線Bよりも外側の斜線を引いた領域に光源を設置した場合には、光源から直進的に観測領域内の各点に入射し、該各点で入射角=反射角の関係を満足して反射して直進して観察点Oに達する直接光は存在しないことになる。これに対して、観察点Oには、観測領域12において入射角=反射角の関係を満足せずに散乱されて直進する光が到達することになる。この光は間接光と呼ぶことができ、主として間接光からの光で観測領域12をカメラ24で撮像することにより、均一した輝度を持つ良好な撮像画面を得ることができる。
【0031】
直接光を避けるためには、光源22と観測領域12との間に光の直進を阻害する障害物を設けて、該障害物を回り込む光を利用することも考えられるが、回り込み光は極度に強度が小さくなる。本発明では、回り込み光を利用するのではなく、障害物を設けることなく間接光を利用するので、強度を確保することができる。
【0032】
光源22から観察点Oに到達する直接光は、観測領域12以外の点で入射、反射した光となるため、カメラ24での撮像領域を調整するか、カメラ24で得られた撮像データの中で、観測領域以外のデータを除去することにより、直接光の影響を除去することができる。
【0033】
さらには、斜線を引いた領域の中で、観測領域12に近い領域に光源22を設置すれば、撮像装置全体の小型化効果を得ることができる。観測領域12に近ければそれだけ小型化の効果が大きくなるが、目安として、光源22と観測領域12、及び観察点Oと観測領域12との距離との関係に基づき光源22の位置を決めれば、観察点Oと観測領域12の距離に対して小型化を図ることができる。具体的には次のような目安を考えることができる。
【0034】
即ち、光源22を境界線Bよりも観測領域12に対して外側にある領域(つまり斜線を引いた領域)に設置すると、前述のように、光源22から観測領域12を経て観察点Oに到達する直接光は存在しないが、光源22から観測領域12の延長線(延長線は、図3の例のように観測領域が直線形状であれば、直線形状とし、観測領域が曲線形状であれば、それに繋がる曲線形状とする)を引いた延長領域において入射角=反射角の関係を満足して反射して観察点Oに到達する直接光を仮想的に考えることができる。その仮想的な直接光を考えた場合に、光源22から観測領域12の延長領域における入射点までの距離と、該入射点から観察点Oまでの距離とを比較したときに、光源22から入射点までの距離の方が、該入射点から観察点Oまでの距離よりも小さくなるような位置に光源22を設置するとよい。図3で示すと、境界線B2よりも観測領域12側の領域に光源22を配置することを意味する。LS2、LS3の位置に光源を設置するよりも、LS4〜LS6の位置に設置すれば、観測領域12に対して直交する方向において小型化効果を得ることができる。
【0035】
さらには、観測領域12の端部12aにおいて入射・反射して観察点Oに達する直接光の光路である境界線Bと、境界線B2との交点を通過し、該交点と端部12aとの距離を半径とする円弧である境界線B3よりも観測領域12側に光源22を配置すると、観測領域12に対して平行な方向における小型化効果を得ることができる。
【0036】
さらには、光源22を境界線Bよりも観測領域12に対して外側にある領域に設置した場合に、光源22から観測領域12の延長線を引いた延長領域において入射角=反射角の関係を満足して反射して観察点Oに到達する光路が互いに重なり合うような光源22の複数の位置を考えたときには、より観測領域12に近い位置に光源22を設置すれば、観測領域12に対して直交する方向のみならず、平行な方向における小型化効果を得ることができる。図3の例において、互いに重なる光路をとる光源位置LS4〜LS6の中でLS6の位置に光源22を設置すれば、LS4の位置に光源22を設置した場合と比較して、観測領域に対して平行な方向における短縮量Lの短縮効果が得られることになる。
【0037】
なお、光源22からの光には、多少の広がりがあるので、境界線Bよりもその光の広がり分、外側に入った斜線の領域に光源22を設置すると好ましい。
【0038】
次に、ミラー26を省略して考えた場合の図1の2−2線に沿って見たときの撮像装置10の光学系を示すと、図4のように表すことができる。この場合、観測領域12で入射・反射して観察点Oに達する直接光が存在する光源の領域は、図3の場合と同様に考えることができ、観測領域12の端部12b、12bにおいて、入射角=反射角を満足して反射して観察点Oに達する光路(境界線B1とする)よりも外側にある領域が、観測領域12で入射・反射して観察点Oに達する直接光は存在しない光源の位置となる。
【0039】
3次元的に考えれば、光源22から直進的に観測領域12の各端部に入射し、該観測領域12の各端部で入射角=反射角の関係を満足して反射して直進して観察点Oに達する光路によって構成される境界面よりも、観測領域12に対して外側の領域に、光源22を設置すればよいことになる。該領域に設置する光源22の数や位置は任意に選ぶことができる。
【0040】
この例で示したように、観測領域12が、観測領域12を横切るある仮想平面において見ると直線形状をなし観測領域を横切り該仮想平面と別の仮想平面において見ると曲面形状をなす形状をしている場合には、直線形状に見える仮想平面において光源、観測領域、観察点を投影したときに、即ち図3に示す投影図において、光源22から直進的に観測領域12の各端部に入射し、該観測領域12の各端部で入射角=反射角の関係を満足して反射して直進して観察点Oに達する光路によって構成される境界線Bよりも、観測領域12に対して外側の領域に、光源22が設置されるようにすると好ましい。これによって、光源22からの直進する光が観測領域12全体に達することができ、且つ、観測領域12の近傍に光源22を設置することができるため、撮像装置10を小型化することができる。
【0041】
つまり、図1及び図2の例では、図3の観測領域12を横切る面のある面において、直接光の存在しない領域に光源22が設置すればよく、図4の面において光源22が直接光の存在する領域に設置されていても、直接光が観察点Oに達することはない。
【0042】
観測領域12の構造は、必ずしも、円筒形状の物体の少なくとも一部に限られるものではない。観測領域12が、球形状の物体の一部である場合には、観測領域12を横切るある面において、図4のように斜線の部分に光源を設置すればよいことになる。また、観測領域12が、平面形状の物体の一部である場合には、観測領域12を横切るある面において、図3のように斜線の部分に光源を設置すればよいことになる。
【0043】
以上の例では、光源22が無指向性であるものを前提として説明したが、光源22に指向性がある場合でも光源22を設置可能な範囲は同じである。光源22の向きについては、図5に示したように、その指向性によりエネルギーの最も強い方向を観測領域の面方向に向けると良い。そして、観測領域12において散乱される散乱強度が観察点において観測領域全体にわたり最も均一になるように光源22の向きを調整するとよい。
【0044】
即ち、図5(b)に示すように、光源22から出射される光の放射エネルギーの方向に依存する特性がAで表されるものとし、観測領域12における散乱エネルギーの方向に依存する特性がRで表されるものとする。光源22からある角度方向で観測領域12に向かい、そこで散乱して観察点Oに達する光を考えると、観測領域12の各点12−iにおいて散乱して観察点Oに達する散乱エネルギーは、Ai×Riで表すことができる。光源22が複数ある場合には、各光源22による散乱エネルギーの総和となる。この散乱エネルギーが観測領域全体において最も均一になるように、光源22の指向性を設定するとよい。ここで、観測領域全体において最も均一になるとは、例えば、その標準偏差が最も小さくなる光源22の向きとするとよい。
【0045】
以上の撮像装置は任意の撮像対象を観測領域にすることができるが、図6は、以上の本発明の原理を利用して構成された検針用撮像装置30であり、観測領域12は検針メータの使用量を表す表示部となっている。
【0046】
この検針用撮像装置30は、ガス、水道等の検針メータ14に適宜取付可能なケース32を備えており、ケース32には、開閉可能な蓋34が軸着されている。
【0047】
ケース32内には、観測領域12を照射するための光源36と、観測領域12を撮像するために観察点に設置されたカメラ38と、観測領域からの光をカメラ38に向けて反射するミラー40と、が配設される。また、ケース32内には図示しない電源、制御回路が配設される。光源36はLED、カメラ38はCCDカメラで構成することができる。
【0048】
このカメラ38と、光源36と、観測領域12の位置関係は、図1ないし図4で示した原理に従い、カメラ38には、光源36を出て観測領域12で入射・反射されてカメラ38に達する直接光はなく、間接光のみが到達するようになっている。
【0049】
また、ミラー40は、観測領域12からの光を該中心部を通る法線に対して直交する水平方向に偏向させてカメラ38へと反射させる機能を有しているが、観測領域12の中心部を通る法線上にはなく、換言すれば観測領域12の真上にはなく、観測領域12の中心部を通る法線よりもずれて配置され、該法線に対して45度とは異なる角度をなしている。このように、ミラー40を観測領域12の中心部を通る法線よりもずらすことにより、観測領域12の法線方向の空間をあけて、該法線方向から観測領域12を目視可能とすることができる。よって、この場合には、蓋34を開けると、外部から観測領域12を目視にて読み取ることができるようになっている。こうして、ミラー40を観測領域12の中心部を通る法線よりもずらすことにより、ミラー40としては、ハーフミラーではなく金属ミラーを使用することができるので、高反射率を持たせることができ、エネルギー損失が少なく周波数特性の影響を受けることなく、観測領域12から散乱される光をミラー40へと反射させることができる。
【0050】
観測領域12である表示部は、複数の桁に対応して並設された複数の回転ドラム16の一部であり、各回転ドラム16上に表された数字となる。尚、隣合う回転ドラム16同士の間にはプレート18が配置されており、該平面状のプレート18によって多少の凹凸が形成されるため、観測領域12は厳密な円筒形状の一部を構成していないが、本発明において、形状を規定するときに、多少の凹凸は含まれるものとする。
【0051】
以上のように構成される検針用撮像装置30において、撮像は定期的、または遠隔操作により適時、行われる。好ましくは、蓋34を閉じた状態で行われると、外光の影響を受けずに、光源36からの間接光のみがカメラ38に到達するために、観測領域12である表示部を均一な輝度で撮像することが可能になる。カメラ38により電気信号に変換された撮像信号は、無線、有線または記録媒体を介して基地局に送られて、基地局において、作業員により目視、または光学式文字認識ソフトウエア(OCR)を用いて表示部の内容が自動的に読み取られる。その際に、読み取りを確実に行うことができる。
【0052】
また、以上の検針用撮像装置30は、光源36を、観測領域12に入射・反射する直接光がカメラ38に達することができない位置に配置するために、結果として、観測領域12の法線方向の空間を占有することがなく、且つ、前述のようにミラー40が観測領域12の中心部を通る法線方向からずれているために、観測領域12の法線方向からの目視を確実にすることができる。さらには、光源36を、光源36から直進して観測領域12の延長領域内に入射し、該延長領域で入射角=反射角の関係を満足して反射して直進してカメラ38に達する直接光を考えた時に、光源36から観測領域の延長領域の入射点までの光の直進距離の方が、該入射点からカメラ38までの光の直進距離よりも小さくなる関係を満足する位置に、配置しており、且つ、ミラー40で、観測領域12で散乱される光を、観測領域12の中心部を通る法線方向に直交する方向に向けて反射させているために、撮像装置30全体の小型化を図ることができる。
【0053】
尚、以上説明した例では、ミラー26、40を、観測領域12と観察点Oとの間の光路に配置していたが、これに限るものではなく、図10に示すように、光源22と観測領域12との間の光路上にミラー26を配置することも勿論可能であり、これによっても、撮像装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の撮像装置の全体概略平面図である。
【図2】図1の2−2線に沿って見た断面図である。
【図3】図1の3−3線に沿って見た断面において図1のミラーを省略した説明投影図である。
【図4】図1の2−2線に沿って見た断面において図1のミラーを省略した説明投影図である。
【図5】光源の指向性の関係を表す説明図である。
【図6】本発明の原理を利用して構成された検針用撮像装置の斜視図である。
【図7】図6の検針用撮像装置の斜視図であり、撮像装置の蓋を開いた状態を表す。
【図8】図6の検針用撮像装置の平面図である。
【図9】図8の9−9線に沿って見た断面図である。
【図10】本発明の撮像装置の変形例を表す図2相当図である。
【符号の説明】
【0055】
10、30 撮像装置
12 観測領域
22、36 光源
24、38 カメラ
26、40 ミラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
観測領域に光を照射する光源と、観察点に設置されて該観測領域を撮像するカメラとを備えた撮像装置において、
前記光源から直進して観測領域内に入射し、該観測領域で入射角=反射角の関係を満足して反射して直進する直接光は観察点に達することができない一方で、前記光源から直進して観測領域内に入射し、該観測領域で入射角=反射角の関係を満足せずに散乱して直進する間接光は観察点に達することができる位置に、前記光源が設置されることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記光源から直進的に観測領域の各端部に入射し、該観測領域の各端部で入射角=反射角の関係を満足して反射して直進して観察点に達する光路によって構成される境界面よりも、観測領域に対して外側の領域に、前記光源が設置されることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記光源から直進して観測領域の延長領域内に入射し、該延長領域で入射角=反射角の関係を満足して反射して直進して観察点に達する光路を考えた時に、光源から観測領域の延長領域の入射点までの光の直進距離の方が、該入射点から観察点までの光の直進距離よりも小さくなる関係を満足する位置に、前記光源が設置されることを特徴とする請求項1または2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記観測領域は、該観測領域を横切るある仮想平面において見ると直線形状をなし、該観測領域を横切り該仮想平面と別の仮想平面において見ると曲面形状をなしており、前記直線形状に見える仮想平面に光源、観測領域、観察点を投影したときに、前記光源から直進的に観測領域の各端部に入射し、該観測領域の各端部で入射角=反射角の関係を満足して反射して直進して観察点に達する光路によって構成される境界線よりも、観測領域に対して外側の領域に、前記光源が設置される、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記光源は、その指向性によりエネルギーの最も強い方向を、前記観測領域の面方向に向けることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記光源は、観察点において観測領域から散乱される散乱強度が観測領域全体にわたり最も均一になるように向けることを特徴とする請求項5記載の撮像装置。
【請求項7】
前記観測領域と前記観察点との間の光路上または前記光源と前記観測領域との間の光路上にはミラーが配置されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記ミラーは、観測領域の中心部を通る法線よりもずれた位置に配置されることを特徴とする請求項7記載の撮像装置。
【請求項9】
前記観測領域の中心部を通る法線に沿って、該観測領域を目視可能であることを特徴とする請求項8記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−237163(P2009−237163A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−82046(P2008−82046)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000003388)東京計器株式会社 (103)
【Fターム(参考)】