説明

撮像装置

【課題】手ブレ防止機能を有する撮像装置を提供する。
【解決手段】イメージセンサ310は、第二ステージ404に固定され、イメージセンサ310、第二ステージ404、連接棒406及び第一ステージ402は、光線が入射する方向に沿って順次に配列され、像ブレ検出装置は、撮像装置のブレ方向とブレ幅とを検出し、制御装置は、検出されたブレ方向とブレ幅とによって連接棒406の伸縮や回転を制御することにより、第二ステージ404がイメージセンサ310を伝動して、イメージセンサ310が光軸方向、光軸方向に垂直する方向及び高軸に傾斜する方向に沿って移動することによって、撮像装置のブレを補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
撮影を行う際に発生する像ブレの原因はいろいろであって、例えば、被写体が移動するか、又は撮影者が誤ってフォーカシングするなどがある。しかし、最もよく見かける像ブレの原因は、撮影者が撮像装置本体を振動させてしまうことである。人の筋肉が一定の周波数範囲で自然にブレ振動することにより、人が撮像装置を手に持って撮影する時、上述の振動が像ブレを起こす。人体の振動によって発生する像ブレは、露光時間が長い場合、又は高い望遠比のズームレンズで撮影を行う場合に明確である。撮影環境が変化する時に、例えば、運行する車内で撮影するか、又は他の動作環境で撮影する場合、人体の筋肉が自然に振動するばかりでなく、外界の環境も撮影者の手に持たれる撮像装置を振動させてしまうことがあって、外界の環境により生じる像ブレも普遍である。従って、ブレ補正技術は、撮像装置の像ブレを解決する重要な技術課題である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記課題を解決するために、本発明は手ブレ防止機能を有する撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る撮像装置は、レンズユニットと、像ブレ補正装置と、制御装置と、像ブレ検出装置とを備え、前記レンズユニットは、イメージセンサを備える。前記像ブレ補正装置は、第一ステージと、第二ステージと、六本の連接棒とを備える。前記各連接棒の一端は、それぞれ前記第一ステージに可動に連接され、他の一端は、それぞれ前記第二ステージに可動に連接される。前記イメージセンサは、前記第二ステージに固定される。イメージセンサ、第二ステージ、連接棒及び第一ステージは、光線が入射する方向に沿って順次に配列される。前記像ブレ検出装置は、前記撮像装置のブレ方向とブレ幅とを検出することに用いられる。前記制御装置は、検出されたブレ方向及びブレ幅によって前記連接棒の伸縮や回転を制御することにより、前記第二ステージが前記イメージセンサを動作させて、前記イメージセンサが前記レンズユニットの光軸方向、前記レンズユニットの光軸方向に垂直する方向及び前記レンズユニットの光軸に傾斜する方向に沿って連動されることによって、前記撮像装置のブレを補正する。
【発明の効果】
【0005】
従来技術に比べて、本発明の像ブレ補正装置は、その上に配置されるイメージセンサを伝動して、イメージセンサをレンズユニットの光軸方向と、レンズユニットの光軸方向に垂直する方向及びレンズユニットの光軸に傾斜する方向に沿って動かされ、撮像装置のブレを補正し、画像の品質を確保する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に、添付図面を参照しながら本発明を詳しく説明する。
【0007】
図1〜図2を参照すると、本発明の実施形態に係る撮像装置は、像ブレ検出装置10と、リードやフレキシブル基板を介して前記像ブレ検出装置10に電気接続される制御装置20と、レンズユニット30と、リードやフレキシブル基板を介して前記制御装置20に電気接続される像ブレ補正装置40とを備える。
【0008】
前記像ブレ検出装置10は、前記撮像装置100のブレ方向とブレ幅とを検出することに用いられる。
【0009】
前記制御装置20は、検出されたブレ方向とブレ幅とによって、前記像ブレ補正装置40を前記レンズユニット30の光軸□□’の方向、光軸□□’の方向に垂直な方向及び光軸□□’に傾斜する方向に動作させる。
【0010】
前記レンズユニット30は、本体302、レンズ鏡筒304、二つのレンズ306、レンズ保持部材308及びイメージセンサ310を備える。前記レンズ306は、前記レンズ鏡筒304に収納される。前記レンズ鏡筒304は、前記レンズ保持部材308に係合される。前記レンズ保持部材308は、前記本体302に嵌合される。前記イメージセンサ310は、前記像ブレ補正装置40に固定される。光線が入射する方向に沿って、前記レンズ鏡筒304、前記レンズ保持部材308、前記イメージセンサ310、前記像ブレ補正装置40が順次に配列される。
【0011】
図3〜図4を参照すると、像ブレ補正装置40は、第一ステージ402、第二ステージ404及び六本の長さを変えられる連接棒406を備える。前記連接棒406の―端406a(以下、第一端と呼ぶ)は、前記第一ステージ402に移動可能に連接し、他の一端406b(以下第二端と呼ぶ)は、前記第二ステージ404に移動可能に連接する。前記連接棒406は、液圧式伸縮棒、気圧式伸縮棒、ボルト式伸縮棒、磁力式伸縮棒及び圧電式伸縮棒であることができる。本実施形態において、前記連接棒406は、それぞれ圧電材料からなって、圧電式伸縮棒である。
【0012】
前記各連接棒406の―端406aには、それぞれ第一ボール型接続部408、第一伸展部410、及び前記第一伸展部410と相対する第二伸展部412が設けられる。前記第一ボール型接続部408には、第一グルーブ414、第二グルーブ416、第三グルーブ418及び第四グルーブ420が設けられる。前記第一伸展部410は、前記第二伸展部412と相対する側に第一バンプ422を有し、前記第二伸展部412の前記第一伸展部410と相対する側には、第二バンプ424が設けられる。前記第一バンプ422と前記第一グルーブ414とが接合し、前記第二バンプ424と前記第二グルーブ416とが接合して、第一ボール型接続部408に連接する。前記連接棒406の第二端406bは、それぞれ第二ボール型接続部434を有する。
【0013】
前記第一ステージ402の前記連接棒406に近接する側には、前記第一端406aに対応する六本の第一阻止部426及び六本の第二阻止部428が設けられている。前記第一阻止部426と前記第二阻止部428とは、それぞれ相対して設置される。前記第一阻止部426の前記第二阻止部428と相対する側には第三バンプ430が設けられ、前記第二阻止部428の前記第一阻止部426と相対する側には第四バンプ432が設けられる。前記第三バンプ430と前記第三グルーブ418とが接合され、前記第四バンプ432と前記第四グルーブ420とが接合され、共に前記第一ボール型接続部408に嵌合することにより、自在継手を介して前記連接棒406の第一端406aを前記第一ステージ402に可動に連接させる。
【0014】
前記第二ステージ404の前記六本の連接棒406に近接する側には、六本の連接柱436が設けられ、各連接柱436の前記六本の連接棒406に近接する端面には、第二ボール型接続部434を収納する収納溝438が設置されることにより、ボール型接続部を介して前記連接棒406の第二端面406bを第二ステージ404に可動に連接させる。
【0015】
前記連接棒406の第一端406aと前記第一ステージ402とは、本実施形態のように自在継手を介して可動に連接することに限られなく、ボール型接続部を介して可動に連接することができる。前記連接棒406の第二端面406bと前記第二ステージ404とは、本実施形態のようにボール型接続部を介して可動に連接することに限られなく、自在継手を介して可動に連接することができる。
【0016】
図2を参照すると、前記イメージセンサ310は、前記第二ステージ404に固定される。前記レンズ鏡筒304、前記レンズ保持部材308、前記イメージセンサ310、前記第二ステージ404、前記連接棒406及び第一ステージ402は、光線が入射する方向に沿って順次に配列される。前記連接棒406が圧電材料から構成されるため、電流が流れると、機械的変形が発生し、本実施形態では伸縮可動かつ回転可動となる。
【0017】
像ブレ検出装置10が、前記撮像装置100のブレ方向とブレ幅とを検出した後、前記制御装置20は、検出されたブレ方向とブレ幅とによって連接棒406の伸縮や回転を制御する。このとき、前記連接棒406の伸縮によって、前記第二ステージ404がその上のイメージセンサ310を動かし、前記イメージセンサ310を前記レンズユニット30の光軸□□’方向に沿って移動させる。なお、前記連接棒406の第一端406aと前記第一ステージ402とは、前記第一ボール型接続部408を介して自在継手を介して可動に連接され、前記第二端406bと前記第二ステージ404とは、前記第二ボール型接続部434を介してボール型接続部の可動連接を実現することにより、前記第二ステージ404は、その上のイメージセンサ310を動かし、前記イメージセンサ310を光軸□□’方向に垂直する方向及び光軸□□’方向に傾斜する方向に沿って移動させて、前記撮像装置100のブレを補正し、画像品質を確保する。
【0018】
前記第二ステージ404がその上のイメージセンサ310を移動させることを詳しく説明するために、図5を参照されたい。前記像ブレ検出装置10が前記撮像装置100のブレ方向とブレ幅とを検出すると、撮像装置100のブレを補正するために、前記第二ステージ404が到達しなければならない位置を察知し、すなわち前記第二ステージ404が移動された後の姿勢がP=[xyzψθφ](xyzは、前記第二ステージ404が3次元における座標位置であって、ψθφは、前記第二ステージ404が各軸に対する回転角度である)であることを察知し、逆行可動運動学によって六本の連接棒406の伸縮長さ及び回転角度を計算する。図5において、各連接棒の長さλiが式(1)に示されている。
【0019】
【数1】

【0020】
ここで、i=1,2,3,4,5,6;BbixBbiyBbiz は、前記第一ステージ402の座標システムBの上のいずれか一点の座標であって、BpixBpiyBpizは、前記第二ステージ404の座標システムPの上のいずれか一点の座標が転換された後の前記第一ステージ402の座標システムBに対応する座標である。
【0021】
又、前記第二ステージ404の座標システムPの上の何れか一点の座標PP=[PpixPpiyPpiz1]Tは、BPR回転マトリックスによって前記第一ステージ402の座標システムBに転換された後BP=[BpixBpiyBpiz1]Tで表示され、BPRは、第二ステージ404の座標システムが第一ステージ402の座標システムに対する回転マトリックスであるか、又は第二ステージ404Pが第一ステージ402の座標システムBのX軸に対して一定角度で回転し、続いて第一ステージ402の座標システムBのY軸に対して一定角度で回転し、続いて第一ステージ402の座標システムBのZ軸に対して一定角度で回転したことを示し、以下の式(2)でその関係を示す。
【0022】
【数2】

【0023】
ここで、dが定数であるため、第一ステージ402の座標位置P=[xyzψθφ]を確定すると、まず、第一ステージ402の座標システムの回転マトリックスBPRが計算された後、第一ステージ402の座標システムの六本の接点をBPRにより第二ステージ404の座標システムに転換して、六本の連接棒406の伸縮長さ及び回転角度を計算することができ、制御装置20は、前記六本の連接棒406の伸縮長さ及び回転角度を精確に制御することができ、第二ステージ404がイメージセンサ310を移動させ、撮像装置100のブレを補正した位置に到達させる。
【0024】
本発明が提供する撮像装置は、像ブレ補正装置がその上に配置されるイメージセンサを移動させ、イメージセンサをレンズユニットの光軸方向、レンズユニットの光軸方向に垂直する方向及びレンズユニットの光軸に傾斜する方向に沿って移動させて、前記撮像装置のブレを補正し、画像の品質を確保する。
【0025】
以上、本発明を実施例に基づいて具体的に説明したが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能であることは勿論であって、本発明の保護範囲は、本願の特許請求の範囲から決まる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の撮像装置の構造を示すブロック図である。
【図2】本発明の撮像装置の構造を示す平面図である。
【図3】本発明の撮像装置の像ブレ補正装置の立体分解図である。
【図4】本発明の撮像装置の像ブレ補正装置の他の視角の立体分解図である。
【図5】本発明の像ブレ補正装置の運動模型図である。
【符号の説明】
【0027】
10 像ブレ検出装置
20 制御装置
30 レンズユニット
40 像ブレ補正装置
100 撮像装置
302 本体
304 レンズ鏡筒
306 レンズ
308 レンズ保持部材
310 イメージセンサ
402 第一ステージ
404 第二ステージ
406 連接棒
406a 連接棒の第一端
406b 連接棒の第二端
408 第一ボール型接続部
410 第一伸展部
412 第二伸展部
414 第一グルーブ
416 第二グルーブ
418 第三グルーブ
420 第四グルーブ
422 第一バンプ
424 第二バンプ
426 第一阻止部
428 第二阻止部
430 第三バンプ
432 第四バンプ
434 第二ボール型接続部
436 連接柱
438 収納溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージセンサを有するレンズユニットと、像ブレ補正装置と、制御装置と、像ブレ検出装置とを備え、前記像ブレ補正装置は、第一ステージと、第二ステージと、六本の連接棒とを備え、前記各連接棒の一端は、それぞれ前記第一ステージに可動に連接され、他の一端は、それぞれ前記第二ステージに可動に連接し、前記イメージセンサは、前記第二ステージに固定され、前記イメージセンサ、前記第二ステージ、前記連接棒及び、前記第一ステージは、光線が入射する方向に沿って順次に配列され、前記像ブレ検出装置は、前記撮像装置のブレ方向とブレ幅とを検出し、前記制御装置は、検出されたブレ方向とブレ幅とによって前記連接棒の伸縮や回転を制御し、これにより前記第二ステージが前記イメージセンサを動作させ、前記イメージセンサがレンズユニットの光軸方向、前記レンズユニットの光軸方向に垂直な方向、及び前記レンズユニットの光軸に傾斜する方向に沿って動くことによって、前記撮像装置のブレを補正することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記像ブレ検出装置と前記制御装置とは、リードやフレキシブル基板を介して電気的に連接されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御装置と前記像ブレ補正装置とは、リードやフレキシブル基板を介して電気的に連接されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記各連接棒が、圧電材料から構成されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記各連接棒の第一端と前記第一ステージとは、自在継手又はボール型接続部を介して可動に連接され、前記各連接棒の第二端と前記第二ステージとは、自在継手又はボール型接続部を介して可動に連接されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記各連接棒の第―端には、それぞれ第一ボール型接続部が設けられ、第二端には、それぞれ第二ボール型接続部が設けられ、前記第一ステージの前記各連接棒に近接する側には、六本の第一阻止部及び、前記各第一阻止部と相対する六本の第二阻止部が設けられ、前記各第一阻止部と、前記各第二阻止部とが共に前記第一ボール型接続部に嵌合して、前記各連接棒の―端を前記第一ステージに可動に連接させ、前記第二ステージの前記各連接棒に近接する側には、六本の連接柱が設けられ、前記連接柱の前記各連接棒に近接する端面には前記第二ボール型接続部を収納する収納溝が設けられ、前記各連接棒の他の一端を、ボール型接続部を介して、前記第二ステージに可動に連接させることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−237535(P2009−237535A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−297015(P2008−297015)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】