説明

撮像装置

【課題】光学部材の表面に付着した固体及び水分の異物を除去し、それを確実に捕集できるようにする。
【解決手段】櫛型電極405に予め定められた周波数の交流電圧が印加されると、光学ローパスフィルタ401の表面近傍の各部位が楕円運動し、これにより表面弾性波410が励振される。光学ローパスフィルタ401の表面に固体の異物411aが存在する場合、表面弾性波410の楕円運動で発生する摩擦力によって異物411aは表面弾性波410の進行方向(図中矢印X)と逆方向に搬送され、吸着部材408で捕集される。一方、光学ローパスフィルタ401の表面に水分の異物411bが存在する場合、表面弾性波410の放射圧によって異物411bは表面弾性波410の進行方向(図中矢印X)に搬送され、吸水部材409で捕集される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光軸上に配設された光学部材の表面に付着した異物を除去する機能を有する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像信号を電気信号に変換して撮像するデジタルカメラ等の撮像装置では、撮影光束をCCD(Charge Coupled Device)やC-MOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子で受光する。そして、撮像素子から出力される光電変換信号を画像データに変換して、メモリカード等の記録媒体に記録する。このような撮像装置では、撮像素子の被写体側に、光学ローパスフィルタや赤外線カットフィルタが配置される。この場合、撮像素子のカバーガラスやこれらのフィルタの表面に塵埃等の異物が付着すると、その付着部分が黒い点となって撮影画像に写り込み、画像の見栄えが低下してしまう。
【0003】
特にレンズ交換可能なデジタル一眼レフカメラでは、シャッタやクイックリターンミラーといった機械的な作動部が撮像素子の近傍に配置されており、それらの作動部から発生した塵埃等の異物が撮像素子のカバーガラスやフィルタの表面に付着することがある。また、レンズ交換時に、レンズマウントの開口から塵埃等の異物がカメラ本体内に入り込み、これが付着することもある。
【0004】
さらに、上述した塵埃等の固体の異物のほかに、使用環境の急激な変化等により結露が発生し、その結露により発生する水分が撮像素子のカバーガラスやフィルタの表面に付着することもある。
【0005】
特許文献1には、光学系と撮像素子の間に配設された防塵光学部材を加振手段により振動させることによって、防塵光学部材に屈曲進行波を発生させて、この防塵部材の表面に付着する塵埃等を除去する電子撮像装置が開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、撮像素子の被写体側に撮影光束を透過させる防塵幕を設け、さらにその周縁部に塵埃受け部を設けることが開示されている。防塵幕を圧電素子で振動させることにより、防塵幕の表面に付着した塵埃等の異物を振り落とし、塵埃受け部で捕集する。
【0007】
【特許文献1】特開2004−032191号公報
【特許文献2】特開2003−338968号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1にあるように進行波を発生させる場合、固体と水分では進行波による搬送方向が異なる。進行波の楕円運動の軌跡は、進行波の進行方向とは逆方向を描いている。固体は、進行波との接触点に発生する摩擦力によって、進行波の進行方向とは逆方向に搬送される。一方、水分は、接触点で摩擦力は発生せず、進行波の放射圧によって進行方向に搬送される。
【0009】
特許文献1に記載されている技術では、屈曲進行波による異物の搬送方向に捕集材を備えていないため、異物が散乱し、確実に捕集することができない。
【0010】
また、特許文献2では、防塵幕の表面に付着した異物は重力方向に振り落とされるため、塵埃等の固体も水分も同一の塵埃受け部に落ち込むことになる。この場合に、粘着剤を設けた塵埃受け部では、水分を確実に捕集することができない。また、水分が落ち込むことによって、粘着剤の粘着力が低下するおそれがある。その結果、捕集されなかった異物が防塵幕の表面に再度付着して撮影画像に写り込む可能性が考えられる。さらに、デジタル一眼レフカメラ本体内のシャッタや回路基板等の内部構成部に付着し、動作に不具合を生じさせる原因になることが考えられる。
【0011】
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、光学部材の表面に付着した固体及び水分の異物を除去し、それを確実に捕集できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の撮像装置は、被写体の光学像を電気信号に変換する撮像素子と、前記撮像素子よりも被写体側に配置された光学部材と、前記光学部材に進行波を発生させる振動手段と、前記光学部材の表面にその撮影領域を挟んで対向するように配置された吸水部材及び吸着部材とを備え、前記吸水部材は前記振動手段により発生する進行波の進行方向側に配置され、前記吸着部材は前記振動手段により発生する進行波の進行方向と逆側に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、光学部材の表面に付着した固体及び水分の異物を除去し、それを確実に捕集することができる。したがって、光学部材の表面から除去した異物が光学部材に再度付着したり、その他の内部構成部に付着したりするのを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1及び図2は、本実施形態に係るデジタル一眼レフカメラの外観図である。図1は、カメラを被写体側より見た正面側斜視図であって、撮影レンズユニットを外した状態を示す。図2は、カメラを撮影者側より見た背面側斜視図である。
【0015】
図1に示すように、カメラ本体1には、撮影時に撮影者が安定して握り易いように被写体側に突出したグリップ部1aが設けられている。
【0016】
カメラ本体1のマウント部2には、撮影レンズユニット(図1、2では不図示)が着脱可能に固定される。マウント接点21は、カメラ本体1と撮影レンズユニットとの間で制御信号、状態信号、データ信号等の通信を可能にするとともに、撮影レンズユニット側に電力を供給する。マウント接点21は、電気通信のみならず、光通信、音声通信等が可能なように構成しても良い。マウント部2の横には、撮影レンズユニットを取り外す際に押し込むレンズロック解除ボタン4が配置されている。
【0017】
カメラ本体1内には、撮影レンズを通過した撮影光束が導かれるミラーボックス5が設けられており、ミラーボックス5内にメインミラー(クイックリターンミラー)6が配設されている。メインミラー6は、撮影光束をペンタプリズム22(図3を参照)の方向へ導くために撮影光軸に対して45°の角度に保持される状態と、撮像素子33c(図3を参照)の方向へ導くために撮影光束から退避した位置に保持される状態とを取り得る。
【0018】
カメラ上部のグリップ1a側には、撮影開始の起動スイッチとしてのレリーズボタン7と、撮影時の動作モードに応じてシャッタスピードやレンズ絞り値を設定するためのメイン操作ダイヤル8と、撮影系の上面動作モード設定ボタン10とが配置されている。これら操作部材の操作結果の一部は、LCD表示パネル9に表示される。レリーズボタン7は、第1ストロークでSW1(図3の7a)がONし、第2ストロークでSW2(図3の7b)がONする構成となっている。また、上面動作モード設定ボタン10は、レリーズボタン7の1回の押込みで連写になるか1コマのみの撮影となるかの設定や、セルフ撮影モードの設定等を行うためのものであり、LCD表示パネル9にその設定状況が表示される。
【0019】
カメラ上部の中央には、カメラ本体1に対してポップアップするストロボユニット11と、フラッシュ取り付け用のシュー溝12及びフラッシュ接点13とが設けられている。
【0020】
カメラ上部の右よりには、撮影モード設定ダイヤル14が配置されている。
【0021】
カメラのグリップ1aに対して反対側の側面には、開閉可能な外部端子蓋15が設けられている。外部端子蓋15を開けた内部には、外部インタフェースとしてビデオ信号出力用ジャック16及びUSB出力用コネクタ17が納められている。
【0022】
図2に示すように、カメラ背面の上方には、ファインダ接眼窓18が設けられている。また、カメラ背面の中央付近には、画像表示可能なカラー液晶モニタ19が設けられている。
【0023】
カラー液晶モニタ19の横には、サブ操作ダイヤル20が配置されている。サブ操作ダイヤル20は、メイン操作ダイヤル8の機能の補助的役割を担うものである。例えばカメラのAEモードでは、自動露出装置によって算出された適正露出値に対する露出補正量を設定するために使用される。シャッタスピード及びレンズ絞り値の各々を使用者の意志によって設定するマニュアルモードでは、メイン操作ダイヤル8でシャッタスピードを設定し、サブ操作ダイヤル20でレンズ絞り値を設定するように使用される。また、このサブ操作ダイヤル20は、カラー液晶モニタ19に表示される撮影済み画像の表示を選択するためにも使用される。
【0024】
さらに、カメラ背面には、カメラの動作を起動もしくは停止するためのメインスイッチ43と、クリーニングモードを動作させるためのクリーニング指示操作部材44とが配置されている。クリーニング指示操作部材44が操作されると、使用者が光学ローパスフィルタ401を直接クリーニングするクリーニングモードを開始する。
【0025】
図3は、本実施形態に係るデジタル一眼レフカメラの主要な電気的構成を示すブロック図である。なお、図1、2と共通する部分には同一の符号を付す。カメラ本体1に内蔵されたマイクロコンピュータからなる中央処理装置(以下、「MPU」と称する)100は、カメラの動作制御を司るものであり、各要素に対して様々な処理や指示を実行する。MPU100に内蔵されたEEPROM100aは、時刻計測回路109の計時情報やその他の情報を記憶することができる。
【0026】
MPU100には、ミラー駆動回路101、焦点検出回路102、シャッタ駆動回路103、映像信号処理回路104、スイッチセンス回路105、測光回路106が接続されている。また、LCD駆動回路107、バッテリチェック回路108、時刻計測回路109、電力供給回路110、櫛型電極駆動回路111、結露センサ113が接続されている。これらの回路は、MPU100の制御によって動作するものである。
【0027】
MPU100は、撮影レンズユニット内のレンズ制御回路201とマウント接点21を介して通信を行う。マウント接点21は、撮影レンズユニットが接続されるとMPU100に信号を送信する機能も有する。これにより、レンズ制御回路201は、MPU100との間で通信を行い、AF駆動回路202及び絞り駆動回路203を介して撮影レンズユニット内の撮影レンズ200及び絞り204の駆動を行う。なお、図3では便宜上1枚の撮影レンズのみを図示しているが、実際は多数のレンズ群によって構成される。
【0028】
AF駆動回路202は、例えばステッピングモータによって構成され、レンズ制御回路201の制御によって撮影レンズ200内のフォーカスレンズ位置を変化させ、撮像素子33cに撮影光束の焦点を合わせるように調整する。絞り駆動回路203は、例えばオートアイリス等によって構成され、レンズ制御回路201の制御によって絞り204を変化させ、光学的な絞り値を得る。
【0029】
メインミラー6は、図3に示す撮影光軸50に対して45°の角度に保持された状態で、撮影レンズ200を通過する撮影光束をペンタプリズム22へ導くとともに、その一部を透過させてサブミラー30へ導く。サブミラー30は、メインミラー6を透過した撮影光束を焦点検出センサユニット31へ導く。
【0030】
ミラー駆動回路101は、例えばDCモータとギヤトレイン等によって構成され、メインミラー6を、ファインダにより被写体像を観察可能とする位置と、撮影光束から待避する位置とに駆動する。メインミラー6が駆動すると、同時にサブミラー30も、焦点検出センサユニット31へ撮影光束を導く位置と、撮影光束から待避する位置とに移動する。
【0031】
焦点検出センサユニット31は、不図示の結像面近傍に配置されたフィールドレンズ、反射ミラー、2次結像レンズ、絞り、複数のCCDからなるラインセンサ等によって構成され、位相差方式の焦点検出を行う。焦点検出センサユニット31から出力される信号は、焦点検出回路102へ供給され、被写体像信号に換算された後、MPU100に送信される。MPU100は、被写体像信号に基づいて位相差検出法による焦点検出演算を行う。そして、デフォーカス量及びデフォーカス方向を求め、これに基づいて、レンズ制御回路201及びAF駆動回路202を介して撮影レンズ200内のフォーカスレンズを合焦位置まで駆動する。
【0032】
ペンタプリズム22は、メインミラー6によって反射された撮影光束を正立正像に変換反射する。撮影者はファインダ光学系を介してファインダ接眼窓18から被写体像を観察することができる。ペンタプリズム22は、撮影光束の一部を測光センサ46へも導く。測光回路106は、測光センサ46の出力を得て、観察面上の各エリアの輝度信号に変換し、MPU100に出力する。MPU100は、輝度信号に基づいて露出値を算出する。
【0033】
シャッタユニット(機械フォーカルプレーンシャッタ)32は、撮像待機時、つまり撮影者がファインダにより被写体像を観察している時には、撮影光束を遮る状態にある。そして、撮像時には、レリーズ信号に応じて、不図示の先羽根群と後羽根群の走行する時間差により所望の露光時間を得るように構成されている。シャッタユニット32は、MPU100の指示を受けたシャッタ駆動回路103によって制御される。
【0034】
撮像ユニット350は、光学ローパスフィルタ401、光学フィルタ402、撮像素子33c、櫛型電極405等が後述する他の部品と共にユニット化されたものである。その詳細な構成については後述する。
【0035】
光学ローパスフィルタ401は、透過性を有する圧電部材により構成され、光学フィルタ402と共働して、高い空間周波数成分の通過を制限するフィルタ特性を有する。光学フィルタ402は、撮像素子33cへ必要以上に高い空間周波数成分が入射しないように、この周波数成分の通過を制限するフィルタ特性を有する、この光学フィルタ402は、例えば水晶等の複屈折板及び赤外線カットフィルタが積層されたものである。
【0036】
撮像素子33cは、被写体の光学像を電気信号に変換する。本実施形態ではCMOS型撮像デバイスが用いられるが、その他にもCCD型等様々な形態があり、いずれの形態の撮像デバイスを採用しても良い。
【0037】
櫛型電極405は、詳しくは後述するが、光学ローパスフィルタ401の表面に設けられており、MPU100の指示を受けた櫛型電極駆動回路111によって駆動され、光学ローパスフィルタ401に進行波である表面弾性波を励振(励起)させる。本実施形態では、この櫛型電極405が本発明でいう振動手段に相当する。
【0038】
クランプ/CDS(相関二重サンプリング)回路34は、A/D変換する前の基本的なアナログ処理を行うものであり、クランプレベルを変更することも可能である。AGC(自動利得調整装置)35は、A/D変換する前の基本的なアナログ処理を行うものであり、AGC基本レベルを変更することも可能である。A/D変換器36は、撮像素子33cのアナログ出力信号をデジタル信号に変換する。
【0039】
映像信号処理回路104は、デジタル化された画像データに対してガンマ/ニー処理、フィルタ処理、モニタ表示用の情報合成処理等、ハードウエアによる画像処理全般を実行する。この映像信号処理回路104からのモニタ表示用の画像データは、カラー液晶駆動回路112を介してカラー液晶モニタ19に表示される。また、映像信号処理回路104は、MPU100の指示に従って、メモリコントローラ38を通じてバッファメモリ37に画像データを保存することもできる。さらに、映像信号処理回路104は、JPEG等の画像データ圧縮処理を行うこともできる。連写撮影等、連続して撮影が行われる場合は、一旦バッファメモリ37に画像データを格納し、メモリコントローラ38を通して未処理の画像データを順次読み出すこともできる。これにより、映像信号処理回路104は、A/D変換器36から入力されてくる画像データの速度に関わらず、画像処理や圧縮処理を順次行うことができる。
【0040】
メモリコントローラ38は、外部インタフェース40から入力される画像データをメモリ39に記憶し、メモリ39に記憶されている画像データを外部インタフェース40から出力する機能を有する。なお、外部インタフェース40は、図1におけるビデオ信号出力用ジャック16及びUSB出力用コネクタ17が相当するものである。メモリ39としては、カメラ本体に着脱可能なフラッシュメモリ等が用いられる。
【0041】
スイッチセンス回路105は、各スイッチの操作状態に応じて入力信号をMPU100に送信する。スイッチSW1(7a)は、レリーズボタン7の第1ストロークによりONする。スイッチSW2(7b)は、レリーズボタン7の第2ストロークによりONする。スイッチSW2(7b)がONされると、撮影開始の指示がMPU100に送信される。また、メイン操作ダイヤル8、サブ操作ダイヤル20、撮影モード設定ダイヤル14、メインスイッチ43、クリーニング指示操作部材44が接続されている。
【0042】
クリーニング指示操作部材44は、使用者からのクリーニングモード開始の指令を受けて、カメラ本体1をクリーニングモードの状態に移行させる。なお、本実施形態では、クリーニング指示操作部材44を設けたが、本発明はこれに限られるものではない。例えばクリーニングモードへの移行を指示するための操作部材は、機械的なボタンに限らず、カラー液晶モニタ19に表示されたメニューから、カーソルキーや指示ボタン等を用いて指示するものであっても良い。
【0043】
クリーニング指示操作部材44にはクリーニング回数検出回路45が接続されており、クリーニングモードが開始されるとクリーニング回数として検出する。クリーニング回数検出回路45は、検出されたクリーニング回数情報をMPU100に送信する。
【0044】
LCD駆動回路107は、MPU100の指示に従って、LCD表示パネル9やファインダ内液晶表示装置41を駆動する。
【0045】
バッテリチェック回路108は、MPU100の指示に従って、バッテリチェックを行い、その検出結果をMPU100に送信する。電源部42は、カメラの各要素に対して電源を供給する。
【0046】
時刻計測回路109は、メインスイッチ43がOFFされて次にONされるまでの時間や日付を計測し、MPU100からの指示に従って、計測結果をMPU100に送信する。
【0047】
電力供給回路110は、クリーニングモードに必要な電力を、カメラ本体1の各部へ必要に応じて供給を行う。また、これに並行して電源部42の電池残量を検出して、その結果をMPU100に送信する。MPU100は、クリーニングモード開始の信号を受け取ると、ミラー駆動回路101を介して、ミラー6を撮影光束から待避する位置へ駆動し、同時にサブミラー30を撮影光束から待避する位置へ駆動する。さらに、MPU100は、シャッタ駆動回路103を介してシャッタユニット32のフォーカルプレーンシャッタを撮影光束から退避する位置へ駆動する。このクリーニングモードにおいて使用者は、綿棒、シルボン紙、ゴム等を用いて光学ローパスフィルタ401上の異物を直接クリーニングすることが可能となる。
【0048】
櫛型電極駆動回路111は、MPU100の指示に従って、櫛型電極405に所定の周波数の交流電圧を印加し、光学ローパスフィルタ401に表面弾性波を励振させる。
【0049】
結露センサ113は、例えば櫛型電極により構成され、結露が発生した場合に櫛歯電極間が導通状態になり、光学ローパスフィルタ401の表面で結露の発生を検出する。結露センサ113は、MPU100からの信号に従って結露発生チェックを行い、その検出出力をMPU100に送信する。なお、本実施形態では結露センサ113を設けたが、本発明でいう結露検出手段としてはこれに限られるものではなく、カメラ本体1内に温度センサ及び湿度センサを設けて結露状態を判定するものであっても良い。
【0050】
次に、図4〜図7を参照して、撮像ユニット350の詳細な構成について説明する。図4は、撮像ユニット350の周辺構造について説明するためのカメラ内部の概略構成を示す分解斜視図である。カメラ本体の骨格となる本体シャーシ300の被写体側には、被写体側から順に、ミラーボックス5、シャッタユニット32が配設され、撮影者側には、撮像ユニット350が配設される。撮像ユニット350は、撮影レンズユニットが取り付けられる基準となるマウント2の取付け面に撮像素子33cの撮像面が所定の距離かつ平行になるように調整されて固定される。
【0051】
図5は、撮像ユニット350の構成を示す分解斜視図である。撮像ユニット350は、振動ユニット400及び撮像素子ユニット500により構成される。
【0052】
撮像素子ユニット500は、撮像部33及び撮像部保持部材510、撮像部33の背面側に配置される回路基板520、撮像部33の被写体側に配置される光学フィルタ402及び光学フィルタ保持部材404、振動ユニット保持部材403を含んで構成されている。
【0053】
撮像部33は、撮像素子33cがパッケージ部材33bに収容され、カバーガラス33aにより保護される(図6を参照)。撮像部保持部材510は、例えば金属により形成され、ビス穴510aが設けられている。回路基板520は、撮像系の電気回路が実装され、ビス用の逃げ穴520aが設けられており、その逃げ穴520aを用いて撮像部保持部材510にビスで係止される。光学フィルタ保持部材404は、接着剤により撮像部33のカバーガラス33aに固着され、光学フィルタ402は、光学フィルタ保持部材404上の両面テープにより固定保持される。振動ユニット保持部材403は、枠状をなし、光学フィルタ402の縁部で位置決めされ、光学フィルタ保持部材404上の両面テープにより固定保持される。
【0054】
振動ユニット400は、本発明でいう光学部材に相当する光学ローパスフィルタ401、櫛型電極405を含んで構成され、光学ローパスフィルタ401の裏面(撮像素子33c側の面)が振動ユニット保持部材403上の両面テープにより固定保持される。
【0055】
図6は、撮像ユニット350の一部で、図4のY−Y線に沿う断面図である。光学フィルタ保持部材404の被写体側の面は光学フィルタ402と当接し、撮影者側の面は撮像部33のカバーガラス33aと当接する。光学フィルタ保持部材404の被写体側及び撮影者側には両面テープが固着されており、光学フィルタ402は光学フィルタ保持部材404の両面テープにより撮像部33のカバーガラス33aに固定保持される。これにより、光学フィルタ402と撮像部33のカバーガラス33aとの間は光学フィルタ保持部材404によって封止され、異物の侵入を防ぐ密閉空間が形成される。
【0056】
また、振動ユニット保持部材403の被写体側の面は光学ローパスフィルタ401と当接し、撮影者側の面は光学フィルタ402と当接する。振動ユニット保持部材403の被写体側には両面テープが固着されており、光学ローパスフィルタ401は光学フィルタ保持部材404の両面テープにより撮像部33のカバーガラス33aに固定保持される。これにより、光学ローパスフィルタ401と光学フィルタ402との間は振動ユニット保持部材403によって封止され、同様に異物の侵入を防ぐ密閉空間が形成される。
【0057】
光学ローパスフィルタ401は、被写体側が保持されていないので、その表面(被写体側の面)に励振される表面弾性波が減衰しにくくなっている。
【0058】
図7は、振動ユニット400の詳細な構成を示す平面図である。振動ユニット400は、矩形状の光学ローパスフィルタ401、櫛型電極405、絶縁性保護膜406、振動吸収部材407、吸着部材408、吸水部材409を含んで構成される。
【0059】
光学ローパスフィルタ401の表面には、撮影領域Eの一方の短辺(側辺)の側方に櫛型電極405が設けられる。櫛型電極405は、2組の電極405a及び電極405bからなり、撮影領域Eの側辺と平行に、極性が異なる電極部分が交互に一定の間隔で並べられる。櫛型電極405は、MPU100の指示を受けた櫛型電極駆動回路111から予め定められた周波数の交流電圧が印加されて、光学ローパスフィルタ401に図中矢印X方向に進行する表面弾性波を励振させる。櫛型電極405の全面を覆うように絶縁性保護膜406が形成される。絶縁性保護膜406は、SiO2、Si3N4、TiN、SiC等のいずれか1種以上から蒸着法やスパッタ法により形成され、導電性異物や水分に対して櫛型電極405を保護している。
【0060】
また、光学ローパスフィルタ401の表面には、撮影領域Eの他方の短辺の側方に、換言すれば撮影領域Eを挟んで櫛型電極405と対向するように振動吸収部材407が設けられる。すなわち、振動吸収部材407は、櫛型電極405により発生する表面弾性波の進行方向(図中矢印X)側に配置されている。振動吸収部材407は、表面弾性波を吸収して熱へと変換し、表面弾性波の反射波の発生を抑制して、進行する表面弾性波が反射波によって定常波になることを防止する。本実施形態では、この振動吸収部材407が本発明でいう抑制部材に相当するが、それに限られるものではない。例えば振動吸収部材407の代わりに櫛型電極を形成し、この櫛型電極により表面弾性波を励振させることや、減衰材料となる接着剤を用いて吸水部材409を光学ローパスフィルタ401に固定することにより、上述した反射波の発生を抑制することも可能である。
【0061】
さらに、光学ローパスフィルタ401の表面には、櫛型電極405に隣り合って、櫛型電極405よりも外側(光学ローパスフィルタ401の端部側)に吸着部材408が設けられる。すなわち、吸着部材408は、櫛型電極405により発生する表面弾性波の進行方向(図中矢印X)と逆側に配置されている。吸着部材408は、表面弾性波の撮影領域Eへの挿入損失を少なくするために絶縁性保護膜406上に配置される。吸着部材408は、ゴム系・シリコーン系・ウレタン系等の粘着テープにより構成され、光学ローパスフィルタ401に励振された表面弾性波により搬送されてくる塵埃等の固体の異物を捕集する。
【0062】
さらにまた、光学ローパスフィルタ401の表面には、振動吸収部材407に隣り合って、振動吸収部材407よりも内側(撮影領域E側)に吸水部材409が設けられる。すなわち、吸水部材409は、櫛型電極405により発生する表面弾性波の進行方向(図中矢印X)側に配置されている。吸水部材409は、ポリスチレンやウレタン等の発泡材や吸水シート、不織布等により構成され、光学ローパスフィルタ401に励振された表面弾性波により搬送されてくる水分の異物を捕集する。
【0063】
次に、図8を参照して、振動ユニット400による異物除去動作について説明する。図8は、櫛型電極405に交流電圧を印加したときの異物除去動作を説明するための模式図である。櫛型電極405に予め定められた周波数の交流電圧が印加されると、光学ローパスフィルタ401の表面近傍の各部位が楕円運動し、これにより表面弾性波410が励振される。この表面弾性波410は、矢印Xに示すように櫛型電極405から振動吸収部材407へ向けて進行する。
【0064】
光学ローパスフィルタ401の表面に固体の異物411aが存在する場合、表面弾性波410の楕円運動で発生する摩擦力によって、異物411aは表面弾性波410の進行方向(図中矢印X)と逆方向に搬送される。その結果、表面弾性波410により搬送される固体の異物411aは、絶縁性保護膜406上を通過し、吸着部材408で捕集される。
【0065】
一方、光学ローパスフィルタ401の表面に水分の異物411bが存在する場合、表面弾性波410の放射圧によって、異物411bは表面弾性波410の進行方向(図中矢印X)に搬送される。その結果、表面弾性波410により搬送される水分の異物411bは、吸水部材409で捕集される。
【0066】
図9は、MPU100によって実行される異物除去動作処理の手順を示すフローチャートである。まず、ステップS101で、カメラ本体1に備えられたメインスイッチ43が押下されると、MPU100は、カメラ本体1の電源をONにし、カメラ本体1を起動する。次に、ステップS102で、MPU100は、カメラの起動時の初期手続きを行う。この初期手続きとは、電源電圧レベルやカメラ本体1に備えられたSW系の異常の確認、記録メディアの有無の確認、レンズの装着の確認、及び撮影のための初期設定等である。
【0067】
次に、ステップ103で、MPU100は、後述する異物除去処理を実行して、撮像ユニット350の光学ローパスフィルタ401の表面に付着した異物を除去する。この場合は、主として、撮影レンズユニットの着脱等でカメラ本体1内に浮遊し、光学ローパスフィルタ401の表面に付着した塵埃等の固体の異物が除去される。
【0068】
次に、ステップS104で、MPU100は、時刻計測回路109により結露センサ113の測定インターバルであるタイマーを開始する。ステップS105では、時刻計測回路109により開始したタイマーが所定時間経過したかどうかを判断する。所定時間経過していればステップS106に進み、所定時間経過していなければステップS108に進む。ここでの所定時間は、ある環境での撮影動作から別の環境での撮影動作に移動する時間を想定して、例えば1〜15分の間で設定するのが望ましい。
【0069】
ステップS106では、MPU100は、結露センサ113を制御して、結露が発生しているかどうかを判断する。この判断の結果、結露が発生していれば、ステップS107に進み、後述する異物除去処理を実行して、撮像ユニット350の光学ローパスフィルタ401の表面に付着した異物を除去し、ステップS104に戻る。この場合は、主として、光学ローパスフィルタ401の表面に付着した水分が除去される。結露が発生していなければ、ステップS104に戻る。
【0070】
一方、ステップS108で、MPU100は、スイッチSW1(7a)、スイッチSW2(7b)、メイン操作ダイヤル8、サブ操作ダイヤル20、撮影モード設定ダイヤル14、他のスイッチ等の信号を受け、カメラ動作を行う。カメラ動作は、一般的に知られるカメラの撮影・設定等を行うモードで、ここでは詳細な説明は省略する。
【0071】
次に、ステップS109で、MPU100は、カメラ本体1が待機状態においてメインスイッチ43にて電源がOFFされたか否かを判断する。電源がOFFされていればステップS110に進み、OFFされていなければステップS105に戻る。ステップS110では、MPU100は、各回路を終了するための制御を行い、必要な情報等をEEPROM100aに格納し、電力供給回路110を制御して各回路への電源供給を遮断する電源OFF動作を行う。
【0072】
次に、本実施形態における異物除去処理について説明する。異物除去処理(ステップS103、S107)に進むと、MPU100から交流電圧の印加開始を指示する制御信号が櫛型電極駆動回路111に出力される。櫛型電極駆動回路111は、上記制御信号に基づいて、光学ローパスフィルタ401上の櫛型電極405に予め定められた周波数の交流電圧の印加を開始する。これにより、光学ローパスフィルタ401には表面弾性波が励振される。交流電圧の印加は、例えば予め定められた時間に亘り、周期的に繰り返し行われる。この表面弾性波により、光学ローパスフィルタ401の表面に付着した異物を搬送して、吸着部材408及び吸水部材409で捕集する。すなわち、光学ローパスフィルタ401の表面に付着している異物は、撮像領域Eから取り除かれることになる。
【0073】
次いで、予め定められた時間経過後、MPU100から交流電圧の印加の停止を指示する制御信号が櫛型電極駆動回路111に出力される。櫛型電極駆動回路111は、上記制御信号に基づいて、櫛型電極405への交流電圧の印加を停止する。これにより、異物除去処理は終了する。
【0074】
以上述べたように、光学ローパスフィルタ401に表面弾性波410を励振させるとともに、光学ローパスフィルタ401の表面にその撮影領域Eを挟んで対向するように吸水部材409及び吸着部材408を配置することにより、光学ローパスフィルタ401の表面に付着した固体及び水分の異物を除去し、それを確実に捕集することができる。したがって、撮影レンズユニットの交換等の際に侵入する塵埃やシャッタユニット32の駆動時等に発生する摩耗粉等が光学ローパスフィルタ401の表面に付着したとしても、その塵埃を搬送し、吸着部材408で確実に捕集することが可能である。また、使用環境の急激な変化等により結露が生じ、その結露により発生する水分が光学ローパスフィルタ401の表面に付着したとしても、その水分を搬送し、吸水部材409で確実に捕集することが可能である。その結果、常に異物の影の写り込みがない良好な画質の画像を得ることができる。
【0075】
なお、本実施形態では、カメラ本体1の起動時及び結露検出時に異物除去処理を実行するようにしたが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、撮像装置は、使用者の操作時や液体を用いて直接クリーニングを行うクリーニングモード時に異物除去処理を実行するように構成されていても良い。
【0076】
(第2の実施形態)
次に、図10〜図13を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。以下では、上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0077】
図10は、本実施形態に係るデジタル一眼レフカメラの主要な電気的構成を示すブロック図である。なお、第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。421は高い空間周波数を取り除く矩形状の赤外線カットフィルタである。422は圧電素子であり、詳しくは後述するが、赤外線カットフィルタ421に設けられており、MPU100の指示を受けた圧電素子駆動回路114によって駆動され、光学ローパスフィルタ401に進行波である屈曲波を励振させる。本実施形態では、この圧電素子422が本発明でいう振動手段に相当する。114は圧電素子駆動回路であり、MPU100の指示に従って、圧電素子422に所定の周波数の交流電圧を印加し、赤外線カットフィルタ421に屈曲波を励振させる。
【0078】
図11は、撮像ユニット350の構成を示す分解斜視図である。撮像ユニット350は、振動ユニット420と撮像素子ユニット500´により構成される。
【0079】
撮像素子ユニット500´は、撮像部33及び撮像部保持部材510、撮像部33の背面側に配置される回路基板520、撮像部33の被写体側に配置される光学フィルタ402及び光学フィルタ保持部材404、弾性部材430を含んで構成されている。
【0080】
撮像部保持部材510は、上記第1の実施形態で説明したように例えば金属により形成され、ビス穴510aに加えてさらに左右のビス穴510bが設けられている。弾性部材430は、ゴム等の軟質材で枠状に形成され、赤外線カットフィルタ421の振動吸収部としての役割を有するとともに、赤外線カットフィルタ421と光学フィルタ402の密閉空間を形成する。なお、弾性部材430は、赤外線カットフィルタ421の振動吸収性を高めるために、厚い部材又は硬度が低い部材で構成することが望ましい。
【0081】
振動ユニット420は、本発明でいう光学部材に相当する赤外線カットフィルタ421、圧電素子422、保持部材423を含んで構成される。保持部材423は、金属等の弾性を有する材料によって単一部品として形成され、ビス用の逃げ穴423aが設けられている。また、保持部材423の保持面423bは、赤外線カットフィルタ421の四隅付近に接着等により固着される。圧電素子422は、赤外線カットフィルタ421の撮像素子33側の面の上端部に接着等により固着される。振動ユニット420は、ビス用の逃げ穴423aと撮像部保持部材510のビス穴510bを用い、弾性部材430を挟み込んで撮像素子ユニット500´にビスで係止される。
【0082】
図12は、振動ユニット420の詳細な構成を示す背面図である。赤外線カットフィルタ421の上端部に沿って配置された圧電素子422は、水平方向にa相とb相に分割され、さらに垂直方向に分割される。それぞれの区域は、光軸方向に交互に分極され(+と−で表示)、交流電圧が加えられると、その分極区域ごとに光軸の直交方向に伸縮する。ここで、a相とb相は、+と−の分極区域を1波長とすると、波長/4だけ分極区域がずらされている。そして、MPU100の指示を受けた圧電素子駆動回路114から圧電素子422のa相とb相に位相を90°ずらした交流電圧がそれぞれに印加されると、赤外線カットフィルタ421には屈曲波が励振される。
【0083】
また、赤外線カットフィルタ421の表面には、第1の実施形態の光学ローパスフィルタ401と同様に、撮影領域を挟んで対向するように吸水部材409及び吸着部材408が配置されている。さらに、圧電素子422により発生する屈曲波の進行方向側に振動吸収部材407が配置されている。
【0084】
次に、図13を参照して、振動ユニット420による異物除去動作について説明する。図13は、圧電素子422に交流電圧を印加したときの異物除去動作を説明するための模式図である。圧電素子422のa相とb相に交流電圧が印加されると、屈曲波412が励振される。この屈曲波412は、矢印Xのように振動吸収部材407へ向けて進行する。
【0085】
赤外線カットフィルタ421の表面に固体の異物411aが存在する場合、屈曲波412の楕円運動で発生する摩擦力によって、異物411aは屈曲波412の進行方向(図中矢印X)と逆方向に搬送される。その結果、屈曲波412により搬送される固体の異物411aは、吸着部材408で捕集される。
【0086】
一方、赤外線カットフィルタ421の表面に水分の異物411bが存在する場合、屈曲波412の放射圧によって、異物411bは屈曲波412の進行方向(図中矢印X)に搬送される。その結果、屈曲波412により搬送される水分の異物411bは、吸水部材409で捕集される。
【0087】
以上述べたように、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、赤外線カットフィルタ421に屈曲波412を励振させるとともに、赤外線カットフィルタ421にその撮影領域を挟んで対向するように吸水部材409及び吸着部材408を配置することにより、赤外線カットフィルタ421の表面に付着した固体及び水分の異物を除去し、そえを確実に捕集することができる。
【0088】
なお、上記施形態では、赤外線カットフィルタ421に屈曲波を励振する構成としたが、複屈折板、位相板及び赤外線カットフィルタの貼り合わせによって構成される光学ローパスフィルタや複屈折板もしくは位相板単体に屈曲波を励振させる構成にしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施形態に係るデジタル一眼レフカメラの正面側斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るデジタル一眼レフカメラの背面側斜視図である。
【図3】第1の実施形態に係るデジタル一眼レフカメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態における撮像ユニットの周辺構造について説明するためのカメラ内部の概略構成を示す分解斜視図である。
【図5】第1の実施形態における撮像ユニットの構成を示す分解斜視図である。
【図6】図4のY−Y線に沿う断面図である。
【図7】第1の実施形態における振動ユニットの詳細な構成を示す平面図である。
【図8】第1の実施形態における振動ユニットによる異物除去動作について説明するための模式図である。
【図9】第1の実施形態におけるMPUによって実行される異物除去動作処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】第2の実施形態に係るデジタル一眼レフカメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図11】第2の実施形態における撮像ユニットの構成を示す分解斜視図である。
【図12】第2の実施形態における振動ユニットの詳細な構成を示す背面図である。
【図13】第2の実施形態における振動ユニットによる異物除去動作について説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0090】
1 カメラ本体
2 マウント
5 ミラーボックス
19 カラー液晶モニタ
32 シャッタユニット
33c 撮像素子
100 マイクロコンピュータ
111 櫛型電極駆動回路
113 結露センサ
114 圧電素子駆動回路
300 本体シャーシ
350 撮像ユニット
400 振動ユニット
401 光学ローパスフィルタ
402 光学フィルタ
405 櫛型電極
406 絶縁性保護膜
407 振動吸収部材
408 吸着部材
409 吸水部材
420 振動ユニット
422 圧電素子
500 撮像素子ユニット
500´ 撮像素子ユニット
510 撮像部保持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の光学像を電気信号に変換する撮像素子と、
前記撮像素子よりも被写体側に配置された光学部材と、
前記光学部材に進行波を発生させる振動手段と、
前記光学部材の表面にその撮影領域を挟んで対向するように配置された吸水部材及び吸着部材とを備え、
前記吸水部材は前記振動手段により発生する進行波の進行方向側に配置され、前記吸着部材は前記振動手段により発生する進行波の進行方向と逆側に配置されることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記振動手段は櫛型電極であり、前記光学部材に弾性波を発生させることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記櫛型電極を覆う絶縁性保護膜が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記櫛型電極と前記吸着部材とが隣り合って配置されるとともに、前記吸着部材は前記櫛型電極よりも前記光学部材の端部側に配置されることを特徴とする請求項2又は3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記振動手段は圧電素子であり、前記光学部材に屈曲波を発生させることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記光学部材の表面での結露の発生を検出する結露検出手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記光学部材の表面には、その撮影領域外であって、前記振動手段により発生する進行波の進行方向側に、該進行波の反射波の発生を抑制する抑制部材が配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記光学部材の前記撮像素子側に前記光学部材を保持する保持部材が配置されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−267536(P2009−267536A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−111791(P2008−111791)
【出願日】平成20年4月22日(2008.4.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】