説明

撮像装置

【課題】 所望の特性の画像を外部装置に対して出力することができる撮像装置を提供する。
【解決手段】 撮像部30と、外部装置に対してパターン画像を出力する画像出力部22と、前記パターン画像を前記外部装置が表示している状態で、前記撮像部で前記表示を撮像して得られるパターン撮像画像に基づいて、所望の特性の画像を前記外部装置に表示させるための画像補正値を求める補正値設定部44と、前記撮像部で撮像して前記外部装置に出力する画像に対して前記補正値を用いて補正を行う画像処理部46とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
テレビ等の外部表示装置に画像を出力することができる撮像装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この撮像装置においては、外部表示装置の表示解像度に合わせた画像を出力している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−128587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、外部表示装置の特性は個体差が大きく、出力した画像を所望の色や明るさで表示させたい場合には外部表示装置の特性を考慮する必要がある。しかし、特許文献1記載の撮像装置においては、出力された画像の色や明るさが表示装置の特性により変化する場合があることについては考慮されていなかった。
【0005】
本発明の目的は、所望の特性の画像を外部装置に対して出力することができる撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の撮像装置は、撮像部と、外部装置に対してパターン画像を出力する画像出力部と、前記パターン画像を前記外部装置が表示している状態で、前記撮像部で前記表示を撮像して得られるパターン撮像画像に基づいて、所望の特性の画像を前記外部装置に表示させるための画像補正値を求める補正値設定部と、前記撮像部で撮像して前記外部装置に出力する画像に対して前記補正値を用いて補正を行う画像処理部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の撮像装置よれば、所望の特性の画像を外部装置に対して出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態に係るカメラの背面を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るカメラのシステム構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るカメラによる外部表示装置の特性検出処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態に係るカメラの外部表示装置に対するパターン画像出力を行った状態を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るカメラによる外部表示装置の周囲環境の状態を検出する処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係るカメラの外部表示装置に対する画像出力処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係るカメラについて説明する。図1は、実施の形態に係るカメラの背面を示す斜視図である。カメラ2は筐体4を備え、筐体4の上面には、電源スイッチ6、レリーズ指示を行うレリーズボタン8が設けられ、筐体4の背面には、撮像画像やスルー画を表示するLCD表示部12、画像の表示開始を指示する再生ボタン14、再生する画像を選択するマルチセレクタ16、再生の終了を指示する停止ボタン18、外部表示装置48(図4参照)に後述するパターン画像を出力し、外部表示装置48の特性の検出の指示を行うキャリブレーションボタン20が設けられている。また、筐体4の側面には、外部表示装置とUSBケーブル等により接続するためのコネクタ21が設けられている。
【0010】
図2は実施の形態に係るカメラのシステム構成を示すブロック図である。カメラ2はCPU24を備え、CPU24には、外部表示装置48に対して画像の出力を行う画像出力部22、操作部26、LCD表示部12の表示制御を行う表示制御部28、図示しない撮影レンズ、シャッタの駆動制御を行う撮像制御部29、撮影レンズを介した被写体を撮像して撮像信号(蓄積電荷としてのアナログ信号)を生成するCCD或いはCMOS等により構成される撮像素子30、撮像素子30から出力された撮像信号を図示しないA/D変換部においてA/D変換することにより生成された画像データを記憶するバッファメモリ32、撮像素子30から出力される撮像信号に基づく画像データに対してホワイトバランス調整、輪郭補償、ガンマ補正等の画像処理を行う撮像画像処理部34、撮像画像、種々のデータを記憶するメモリカード36、外部表示装置48の特性を検出するために出力するテストパターン等のパターン画像の画像データ及びパターン画像の階調特性、色特性等のデータを記憶するパターン画像記憶部38、外部表示装置48に表示されたパターン画像を撮像した画像のRAWデータから外部表示装置48の特性を検出する特性検出部40、外部表示装置48の周囲を撮像した画像のRAWデータから外部表示装置48の周囲の色温度等の環境の状態を検出する環境検出部42、外部表示装置48の特性に基づいて画像データに対する補正値を設定し、外部表示装置48が設けられた周囲の環境の状態に応じて補正値を変更する補正値設定部44、補正値設定部44により設定された補正値を用いて画像出力部22を介して出力される画像の画像データに対して補正を行う出力画像処理部46が接続されている。
【0011】
ここで、操作部26は、電源スイッチ6、レリーズボタン8、再生ボタン14、マルチセレクタ16、停止ボタン18、キャリブレーションボタン20等を備えている。
【0012】
次に、図3に示すフローチャートを参照して、実施の形態に係るカメラにより外部表示装置の特性を検出する処理について説明する。カメラ2の起動中にキャリブレーションボタン20が押されると、外部表示装置48がコネクタ21に接続されているか否かを確認する(ステップS1)。外部表示装置48と接続されている場合には、パターン画像記憶部38からテストパターン等のパターン画像を読み出し(ステップS2)、画像出力部22により外部表示装置48に対してパターン画像を出力する(ステップS3)。従って図4に示すように例えば、モニタやテレビ等の外部表示装置48にはテストパターン50が表示される。
【0013】
そして、例えば、LCD表示部12に表示されたスルー画像において外部表示装置48に表示されたパターン画像の領域を認識し、撮像制御部29により外部表示装置48に表示されたパターン画像の撮像を行うことができるように画角を調整し撮像を行う(ステップS4)。特性検出部40は、撮像した画像のRAWデータから色度やRGB値等の色に関する値及び輝度値や出力したパターン画像のグレー階調に対する色温度等の明るさに関する値を算出し、パターン画像記憶部38に記憶されている出力したパターン画像の値と比較することにより外部表示装置48の特性を検出する(ステップS5)。補正値設定部44は、外部表示装置48の特性に応じて出力する画像に対して補正を行う際の補正値を設定する(ステップS6)。なお、ステップS1において、カメラ2が外部表示装置48に接続されていない場合には処理を終了する。
【0014】
次に、図5に示すフローチャートを参照して実施の形態に係るカメラにより外部表示装置の周囲環境の状態を検出する処理について説明する。図3のフローチャートに示す処理において補正値設定部44により外部表示装置48の特性に応じて補正値を設定した場合には、例えば、LCD表示部12に表示されたスルー画像において外部表示装置48を認識し、撮像制御部29により外部表示装置48の周囲の撮像を行うことができるように画角を調整し、撮像を行う(ステップS11)。このとき、カメラ2により撮像する画角内には外部表示装置48の周囲が含まれていればよく、外部表示装置48は画角内に含まれてもよいし、含まれなくてもよい。そして、環境検出部42は、外部表示装置48の周囲の撮像画像のRAWデータから色温度等の視環境に関する値を算出し、外部表示装置48の周囲環境の状態を検出する(ステップS12)。補正値設定部44は、図3のフローチャートに示すステップS6において設定した補正値を周囲環境の状態に応じて変更する(ステップS13)。
【0015】
次に、図6に示すフローチャートを参照して実施の形態に係るカメラの外部表示装置に対する画像出力処理について説明する。本実施の形態に係るカメラにおいては、外部表示装置の特性検出処理(図3参照)における補正値の設定、周囲環境の検出処理(図5参照)における補正値の変更を行った後において再生ボタン14が操作されるとコネクタ21を介して外部表示装置48と接続されているか否か確認し、接続されていない場合には、LCD表示部12に画像を表示する。
【0016】
一方、接続されている場合には、外部表示装置48に対して出力する画像の画像データをメモリカード36から読み出し(ステップS21)、出力画像処理部46は、図3に示すステップS6において設定され図5に示すステップS13において変更された補正値を用いて画像データに対して補正を行う(ステップS22)。そして、補正が行われた画像データを画像出力部22を介して外部表示装置48に対して出力する(ステップS23)。
【0017】
次に、他の画像を外部表示装置48に対して出力するか否かを判定する(ステップS24)。マルチセレクタ16等の操作により他の画像が選択され再生指示が行われた場合には、他の画像の出力を行うため、ステップS21〜ステップS23の処理を再び行う。停止ボタン18が操作された場合には、処理を終了する。
【0018】
本実施の形態に係るカメラによれば、所望の特性の画像を外部装置に対して出力することができる。
【0019】
なお、上述の実施の形態においては、外部表示装置48の特性を検出する処理における撮像と、外部表示装置48の周囲環境の状態を検出する処理における撮像とを別々に行う構成としたが、外部表示装置48に表示されたパターン画像及び外部表示装置48の周囲を一度に撮像する構成としてもよい。この場合には、撮像画像から外部表示装置48に表示されたパターン画像を切り出して外部表示装置48の特性を検出し、また、撮像画像における外部表示装置48の周囲の色温度等から外部表示装置の周囲環境の状態を検出する。
【0020】
また、上述の実施の形態においては、外部表示装置48の特性に応じて設定した補正値を外部表示装置48の周囲環境の状態に応じて変更する構成としたが、外部表示装置48の特性に応じた補正値と、外部表示装置48の周囲環境の状態に応じた補正値とをそれぞれ設定し、外部表示装置48の特性に応じた補正と外部表示装置48の周囲環境の状態に応じた補正をそれぞれの値を用いて別々に行う構成としてもよい。
【0021】
また、上述の実施の形態においては、カメラ2と外部表示装置48を有線により接続する構成を例に説明したが、赤外線等を用いた無線により接続する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0022】
2…カメラ、14…再生ボタン、20…キャリブレーションボタン、21…コネクタ、22…画像出力部、24…CPU、30…撮像素子、38…パターン画像記憶部、40…特性検出部、42…環境検出部、44…補正値設定部、46…出力画像処理部、48…外部表示装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部と、
外部装置に対してパターン画像を出力する画像出力部と、
前記パターン画像を前記外部装置が表示している状態で、前記撮像部で前記表示を撮像して得られるパターン撮像画像に基づいて、所望の特性の画像を前記外部装置に表示させるための画像補正値を求める補正値設定部と、
前記撮像部で撮像して前記外部装置に出力する画像に対して前記補正値を用いて補正を行う画像処理部と
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記特性は、階調特性及び色特性の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記特性は外部装置の置かれた環境の状態を考慮したものであることを特徴とする請求項1または2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記環境の状態は、色温度であることを特徴とする請求項3記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−273189(P2010−273189A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−124177(P2009−124177)
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】