説明

撮像装置

【課題】 本発明の目的は、指定された映像の一部の色相の調整を容易にすることである。
【解決手段】撮像部と、色相を多分割し各々の色相領域について色補正機能と表示映像信号発生機能とを有する映像信号処理部と、映像表示部と、色相を調整するリモートコントローラーとを有する撮像装置において、映像の一部を指定する手段と、該指定された映像の一部の色相を検出する検出手段と、該指定された映像の一部の表示映像信号にマーカーを重畳する映像重畳手段と、前記検出手段によって検出された色相を前記リモートコントローラーに連絡する手段とを有し、前記指定された映像の一部の表示映像信号のマーカーを映像表示部に表示し、前記連絡された前記検出手段によって検出された色相の調整機能がリモートコントローラーで可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図4は、テレビカメラ等の撮像装置17の構成を示すブロック図である。図4の撮像部13は、IT−CCDと、タイミング発生(Timing Generator:以下TG)とOD(Over-flow Drain)掃き捨てと読み出しとを内蔵の垂直転送駆動部と、雑音を除去するCDS(Correlated Double Sampling)と暗電流補正と利得可変増幅回路(Automatic Gain Control以下AGC)とデジタル映像信号Viに変換するADC(Analog Digital Converter)と水平転送と電圧変換のリセットとCDSとAGCとADCとのTGを内蔵したAFE(Analog Front End)と、色分解光学系とCCDを3つからなる。レンズ2で焦点を結んだ入射光は撮像部13で映像信号となり、映像信号処理部19で信号処理され、映像信号となり、映像出力として出力する。また、映像出力は表示部16に表示される。撮像部13と映像信号処理部19とはCPU(Central Processing Unit)14で制御され、各色が独立に色相や彩度等の色調が補正される(特許文献1参照)。
【0003】
テレビカメラを操作するカメラマンやビデオエンジニアが映像を見て被写体のある色を補正したい場合は、その色を補正できる機能のメニューを操作者が開いてパラメータを調整する。従来のカメラは色相分割が高々6分割であり、例えば赤色を補正したい場合はマスキングメニューを開き赤の色相を選んでパラメータを調整すればよかった。
【0004】
以前の色相は6分割であったが最近は12分割や16分割に増加し、今後もこの機能の細分化が進む可能性がある。よって、被写体の適切な色相を人が識別するのは従来よりも手間を生じていると思われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−57748
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、指定された映像の一部の色相の調整を容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するため、撮像部と、色相を多分割し各々の色相領域について色補正機能と表示映像信号発生機能とを有する映像信号処理部と、映像表示部と、色相を調整するリモートコントローラーとを有する撮像装置において、映像の一部を指定する手段と、該指定された映像の一部の色相を検出する検出手段と、該指定された映像の一部の表示映像信号にマーカーを重畳する映像重畳手段と、前記検出手段によって検出された色相を前記リモートコントローラーに連絡する手段とを有し、前記指定された映像の一部の表示映像信号のマーカーを映像表示部に表示し、前記連絡された前記検出手段によって検出された色相の調整機能がリモートコントローラーで可能となることを特徴とする撮像装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、指定された映像の一部の色相の調整を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の1実施例の撮像装置を示すブロック図
【図2】本発明の1実施例のマーカー重畳と色補正部を示すブロック図
【図3】本発明の1実施例のマーカー重畳と色補正動作を示すフローチャート
【図4】従来の撮像装置の構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0010】
以下、本発明による撮像装置の一実施例について、本発明の1実施例の撮像装置を示すブロック図の図1と、本発明の1実施例のマーカー重畳と色補正部を示すブロック図の図2と、本発明の1実施例のマーカー重畳と色補正動作を示すフローチャートの図3とを用いて説明する。
【0011】
本発明の1実施例の撮像装置を示すブロック図の図1において、11はテレビカメラなどの撮像装置、12は入射光を結像するレンズ部、13は入射光を映像信号に変換する撮像部、14は撮像装置11内の各部を制御するCPUであり、15は走査線数変換や色倍率収差補正機能を内蔵する映像信号処理部であり、16はビューファインダなどの表示部であり、17はリモートコントローラーである。
【0012】
撮像部13は、IT−CCDと、タイミング発生(TG)とOD掃き捨てと読み出しとを内蔵の垂直転送駆動部と、雑音を除去するCDSと暗電流補正と利得可変増幅回路(AGC)とデジタル映像信号Viに変換するADCと水平転送と電圧変換のリセットとCDSとAGCとADCとのTGを内蔵したAFEと、オンチップカラーフィルタ付きCCDが一つまたは入射光を赤(R)、緑(G)、青(B)に分解する色分解光学系とCCDを3つからなる。
【0013】
ビューファインダ16の表示映像信号に色相検出用のマーカーを表示して目的の色にカーソルを合わせ、補正に必要なメニューを自動的に表示して色補正できる状態にする。
【0014】
リモートコントローラー17に色相検出用のカーソル表示ボタンを備え、リモートコントローラー17でカーソルを目的の色に合わせ、リモートコントローラー7のオートセットアップボタンを押すとリモートコントローラー7に備えた色補正機能を呼び出して色補正できる状態にする。
【0015】
色相検出の手段はカーソル表示、タッチパネル、センターマーカー、クロスマーカーなどで目的の色に合わせてオートセットアップを行う。
【0016】
色補正をする場合テレビカメラ11を操作する人が実映像を見て色を判断し、その色を補正できるメニューを開くなどして補正している。従来は色相が6分割程度だったのでその判断は容易であったが、近年12分割以上に分けて色補正が可能になり、多彩になった分操作が煩雑になる傾向にある。また、人の目では色の判別がつき難い色相の場合にも色相の選択は難しくなる。本発明を適用することにより色相の判断はカメラに委ねることができるので、色補正作業の効率アップが見込める。
【0017】
例えば花の色合いを補正したいとする時、花に色相検出用のマーカーを合わせて自動色相検出を実行する。色相検出後、該当する色相の色補正メニューをリモートコントローラー7のパネルに表示する。色補正は色相と色の飽和度を調整することによって補正するので、これらのパラメータを調整するメニューをパネルに表示する。リモートコントローラーを操作する人はこのメニューを調整して所望の色に調整する。
【符号の説明】
【0018】
1:色相検出用のマーカー生成、2:被写体の色相検出、3:色相判断、
4:色相調整メニュー表示、5:色補正パラメータ、6:色補正、
11,18:撮像装置、12:レンズ部、13:撮像部、14:CPU、
15,19:映像信号処理部、16:表示部、17:リモートコントローラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部と、色相を多分割し各々の色相領域について色補正機能と表示映像信号発生機能とを有する映像信号処理部と、映像表示部と、色相を調整するリモートコントローラーとを有する撮像装置において、映像の一部を指定する手段と、該指定された映像の一部の色相を検出する検出手段と、該指定された映像の一部の表示映像信号にマーカーを重畳する映像重畳手段と、前記検出手段によって検出された色相を前記リモートコントローラーに連絡する手段とを有し、前記指定された映像の一部の表示映像信号のマーカーを映像表示部に表示し、前記連絡された前記検出手段によって検出された色相の調整機能がリモートコントローラーで可能となることを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−244262(P2011−244262A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115317(P2010−115317)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】